JP6430933B2 - パリペリドンインプラント製剤 - Google Patents

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Description

本発明は、薬物パリペリドンおよび/またはその塩を含む筋肉注射用の医薬組成物であって、前記組成物による前記薬物の放出が、即時の作用発現に伴って、少なくとも8週間は継続するとともに、8週間毎またはより長い周期毎にも投与するのに適切なin vivo薬物動態プロファイルを有す組成物に関し、詳しくは、パリペリドン含有in situ形成型生分解性インプラント用の注射型組成物に関する。
パリペリドンは、強力なドパミン受容体遮断薬や選択的セロトニン受容体遮断薬として機能する、ベンゾイソオキサゾールおよびピペリジン官能基を有す非定型抗精神病薬である。パリペリドンを標的とする患者が通常直面する固有の問題の1つとして、統合失調性患者の一部が治療から解離するという点があり、しかも治療が毎日の投薬によるものの場合、不規則または不定期的になってしまい、その結果精神病危機の発現の可能性が高まる。さらに、この種の治療は、患者の(CmaxとCminとの間の差として測定される)血漿中濃度差を高めてしまうため、通常患者の気分に影響を及ぼす。
そのため、パリペリドンは、介護者が毎日の投薬に気を配る必要が無く、一回分の投与量のみで患者を長期間安心させまたは治療し得る際、また、患者の血漿中濃度をより一様に保持することが所望される際、持続的送達デバイスへの取り込みにおいて良好な薬物候補である。双極性躁病や統合失調性感情障害も、他の適応症として挙げることができ、自閉症やアスペルガー症候群およびトゥレット障害における潜在的な使用も、患者に恩恵をもたらすことになり得る。
これらの精神障害に罹患する多くの患者は、使用可能な経口抗精神病薬で症状の安定性が達成されるが、最大75%は、日々の経口治療計画を遵守することが困難である、つまり、コンプライアンス問題を有すると推定される。遵守問題は、しばしば、症状の悪化、準最適治療反応、頻繁な再発及び再入院、並びに準最適治療リハビリ療法及び心理社会的療法からの効果の取得不能をもたらす。
近年、パリペリドンは、放出を浸透圧制御する経口送達系によって達成させる、初めての長期放出型経口非定型抗精神病薬として販売承認を受けている。パリペリドンER(WO2006/17537)は、Invega Sustenna(登録商標)として市販されており、その不飽和誘導体は、WO2008/128436に記載されている。パリペリドンについて、他の長期間放出用の経口投与量形態が開発中である。
第2級ヒドロキシル基が存在することにより、パリペリドンは、プロドラッグとして提供することもできる。WO2009/15828において、胃中で加水分解されることが意図されるパリペリドンの酸に不安定な低分子量プロドラッグについての詳述がある。
そのため、従来の技術を鑑み、極めて長期間作用する注射可能なデポー形態のパリペリドンを開発することは、有意義である。特に統合失調症の治療において、服薬遵守要素の向上が極めて求められている。これら薬物の週1回またはさらに長期間作用する注射可能なデポー製剤を開発することは、有効な薬物の供給を継続的かつ安定的に行うための大きな前進となる。
EP2234617において、月1回に投与してパリペリドンの持続的な血漿濃度を得るための、パリペリドンのエステル結合プロドラッグについての記載があり、これにより投薬に対する服薬遵守を大幅に向上させ得る。パルミチン酸パリペリドンという物質が、統合失調症の治療およびその症状の再発の回避のための月1回型の非定型抗精神病筋肉注射剤として承認されている。パルミチン酸パリペリドンは、サブミクロン微晶質形態で製剤される。パルミチン酸パリペリドンは、その溶出速度に起因して吸収が制限されるため、見かけの半減期が吸収速度定数によって制御される、フリップフロップ現象の動態を示す。さらに、注入される薬物の体積も、見かけの速度定数に影響する。三角筋注射の結果、初期血漿濃度がより急激に上昇するため、潜在的な治療濃度に急速に到達することが容易になることも判明している。従って、患者が高速にパリペリドン治療濃度に到達することを容易にするためには、初期負荷投与量のパルミチン酸パリペリドンを三角筋中に付与することが好適である。負荷投与量については、約100mg−eq.〜約150mg−eq.のパリペリドンをパルミチン酸パリペリドンの形態で付与するべきである。第1の負荷投与量注射またはより好適には第2の負荷投与量注射の後、患者の血漿中のパリペリドンが定常状態濃度に近づき、その後三角筋または殿筋中へ注射することが可能となるが、患者の殿筋中にさらに注射をすることが好適である。長期間作用する注射可能なパルミチン酸型パリペリドンエステルについて、相当する投与量投与計画の概要がUS2009/163519に記載されている。
他のデポー製剤について、国際出願WO2011/42453中に記載がある。この明細書には、パリペリドン化合物を含む皮下投与用医薬組成物が記載されている。特に、当該組成物は、パリペリドンを放出すると、その活動が直ちに発現し、放出が長時間継続するものである。さらに、当該明細書は、パリペリドン化合物を特定の濃度で含む皮下投与用医薬組成物に関連する。
最後に、他の抗精神病性の注射型デポー組成物が国際出願番号WO2011/151355に記載されている。同出願書は、パリペリドンなどの、リスペリドンの抗精神病性プロドラッグを、1日目から治療的血漿中濃度に到達する長時間放出用の、注射可能なin situ形成型生分解性インプラントとして送達するために用いることができる組成物に関連する。この組成物は、水混和性溶媒を用いた生分解性および生体適合性の(単数または複数の)コポリマーの溶液に基づく薬物懸濁液の形態をとり、液体形態で投与される。組成物が体液と接触すると、ポリマーマトリクスが硬化して薬物を保持し、薬物を連続的に放出する固体または半固体インプラントを形成する。
WO2011/151355に記載のごとく、パリペリドンは、インプラントとして製剤化された。しかし、当該製剤の臨床治験によるデータを分析した後、即時の作用発現に伴って、少なくとも8週間は継続する薬物の放出を得るためには、これら注射剤のパリペリドンの吸収が、当初予期していたものよりもはるかに複雑であることが判明した。さらに、患者において潜在的な治療的血漿中パリペリドン濃度に到達することは、乳酸対グリコール酸のモノマー比を有する乳酸およびグリコール酸に基づいた生体適合性ポリマーの分子量に依存することが判明した。パリペリドンによって患者を治療するための最適な血漿濃度/時間プロファイルを確保することは本来困難であるため、治療を必要としている患者においてこの目的を満たす投与量および投与計画を開発することが所望されている。
よって、背景技術において述べたような組成物の場合、精神障害に対するパリペリドン組成物、キットおよび治療における既存の必要性に対応していないので、併用療法またはリスペリドンおよび/またはパリペリドンの初期投与量を必要とすること無く、少なくとも8週間にわたって長期間制御された、一定の薬物放出を可能とする組成物およびデバイスが未だ必要とされている。
このような必要性の解決手段として、パリペリドンである薬物と、乳酸対グリコール酸のモノマー比が45:55〜55:45、好ましくは約50:50である乳酸およびグリコール酸に基づいた生体適合性コポリマーと、DMSO溶媒とからなる組成物において、前記組成物による前記薬物の放出が、即時な作用発現に伴って少なくとも8週間は継続するとともに、前記組成物が、前記薬物のバースト放出を実質的に示さないin vivo薬物動態プロファイルを有す組成物であって、前記生体適合性コポリマーの分子量が、27〜47kDaであり、より好適には31〜43kDaであり、さらにより好適には31〜40kDaであり、固有粘度が0.27〜0.31dl/g±10%であることを特徴とする、体内においてのin situ固体インプラントの形成に適した注射可能な筋肉内デポー組成物を提供する。
本発明の一態様において、治療を必要としている精神疾患患者へパリペリドンを投与するための投与量投与計画が提供される。この投与量投与計画は、持続的放出製剤において製剤化されたパリペリドン投与量約75mg〜約250mgを、第1投与量として治療初日に筋肉内投与する過程と、前記持続的放出製剤において製剤化されたパリペリドン投与量約75mg〜約250mgを、他の後続投与量として治療の56日目〜65日目頃に筋肉内投与する過程とを含む。
発明の実施の形態
本発明の組成物は、少なくともポリマーまたはポリマーマトリクス、溶媒および薬物を含む。
本発明の重要な1態様として、パリペリドンである薬物またはその任意の薬学的に許容される塩の任意の組み合わせと、乳酸対グリコール酸のモノマー比が45:55〜55:45、好ましくは約50:50である乳酸およびグリコール酸に基づいた生体適合性コポリマーと、DMSO溶媒とからなる組成物において、前記組成物による前記薬物の放出が、即時な作用発現に伴って、少なくとも8週間は継続するとともに、前記組成物のin vivo薬物動態プロファイルが、前回の注射から約56日目〜65日目に投与するのに適している組成物であって、前記生体適合性コポリマーの分子量が、27〜47kDa、より好適には31〜43kDa、さらにより好適には31〜40kDaであり、固有粘度が0.27〜0.31dl/g±10%であることを特徴とする、体内においてのin situ固体インプラントの形成に適した注射可能な筋肉内デポー組成物がある。
本発明の好適な実施形態において、前記生体適合性コポリマーを、−40℃〜+35℃の温度で測定して10〜30kGy±10%の線量範囲においてガンマ線またはベータ線によって照射し、その分子量を27〜47kDa、より好適には31〜43kDa、さらにより好適には31〜40kDaに、そしてその固有粘度を0.27〜0.31dl/g±10%の範囲内に調節する。
より好適な実施形態において、前記ポリマーは、8℃の温度で測定して15〜25kGy±10%で照射される。
好適な組成物は、以下の前記薬物の粒径分布を有する。
粒子の10%未満が10ミクロンよりも小さく、
粒子の10%未満が225ミクロンよりも大きく、好適には200ミクロンよりも大きく、
d0.5値が40〜90ミクロンの範囲にある。
他に明記無き限り、粒径分布は、レーザ回折器をウェットモードで用いる光散乱法によって決定されるものである。粒径分布結果が、高濃度界面活性剤および/または強力な力エネルギー(ボルテックス、超音波処理など)の使用のような材料処理によって変更可能であることが公知である。他に明記無き限り、薬物は処理されておらず、穏やかな撹拌(2000〜3500rpm)下のタンクに直接添加することにより、サンプルは調製される。力エネルギーをサンプルに付加しておよび/または高濃度界面活性剤を使用してサンプルを調整することにより、製剤の手動復元過程において模擬することが不可能な高度の粉末分離を達成する他の方法よりも、本発明において薬物粒径分布を決定する際に適用する方法が、本明細書に記載の注射可能な製剤に対する薬物粉末の挙動をより忠実に模倣するものである。
本発明の他の実施形態によれば、薬物/(ポリマー+薬物)の質量比は約33%であり、薬物の含量は製剤全体の約13%w/wであり、ポリマーとDMSOからなる溶液の粘度は、1.2〜2.5Pa.sの範囲、好適には1.5〜2.1Pa.s.の範囲、およびより好適には1.7〜1.8Pa.s.±10%の範囲にある。
他の実施形態において、組成物が形成されると、薬物は部分的に懸濁しており、DMSO溶媒中の薬物の溶解度が10mg/mlを下回っている。
さらに他の実施形態において、組成物は、無菌の組成物である。
本発明の他の態様によれば、組成物は、無菌の組成物であり、人体における統合失調症または双極性障害の治療に適している。
他の態様によれば、本発明は、生分解性インプラントの体内におけるin situ形成に適した薬剤キットを提供する。この薬剤キットは、請求の範囲の組成物を含むものであり、前記薬物および前記生体適合性ポリマーが、第1の容器に入っており、前記溶媒が、別個の第2の容器に入っている。好適には、前記第1の容器および前記第2の容器のうち少なくとも1方は、使い捨て型または非使い捨て型の注射器、バイアル、デバイスまたはカートリッジであり、より好適には、前記第1の容器および前記第2の容器の両方が使い捨て型注射器である。
他の態様によれば、本発明は、上記組成物の製造方法を提供する。この方法は、初期ポリマー重量が筋肉内デポー組成物に必要な初期ポリマー重量よりも高い生体適合性コポリマーを提供した後、−40℃〜+35℃±10%の温度で測定して10〜30kGy±10%の線量範囲でガンマまたはベータ放射線を照射することにより、その分子量を27〜47kDa、好適には31〜43kDa、より好適には31〜40kDaに、かつその固有粘度を0.27〜0.31dl/gの範囲に調節するステップとを含む。
好適には、前記生体適合性ポリマーの初期分子量が約50kDaである場合、8℃で測定して投与量約16KGyの放射線量でそれを照射し、その分子量を27〜47kDa、より好適には31〜43kDa、さらにより好適には31〜40kDaまで低減する。
好適には、前記生体適合性ポリマーの初期分子量が約54kDaである場合、生体適合性ポリマーを8℃で測定して投与量約25kGyの放射線量でそれを照射し、その分子量を31〜43kDaまで低減する。
好適には、前記生体適合性ポリマーの初期分子量が約63kDaである場合、8℃で測定して投与量約30kGyの放射線量でそれを照射し、その分子量を30〜43kDa、好適には31〜36kDaまで低減する。
他の態様によれば、本発明は、精神疾患治療を必要とする患者へ本発明による注射可能な筋肉内デポー組成物を投与するための投与量投与計画方法を提供する。この方法は、
a)前回の投与日から数えて24日目〜35日目の時点で、第1投与量投与量として75mg〜250mgの量の注射可能なデポー組成物を患者へ筋肉内投与する過程と、
b)後続投与量として75mg〜250mgの量の注射可能なデポー組成物を、前記第1投与量投与量の投与後、約56日目〜約65日目に投与する過程と、
c)必要に応じてステップb)を繰り返す過程と、を含む。
好適には、第1投与量投与量は約100mg〜約200mgであり、これは、他の投与量投与量と同等である。
好適には、ステップa)およびb)は、必要な回数だけ繰り返される。
前記ポリマーまたはポリマーマトリクスは好適には、生体適合性および生分解性のポリマーマトリクスである。投与後、身体に重大な損傷を与えないように、好適なポリマーは、人体に対して生体適合性かつ非毒性であり、非発がん性であり、有意な組織炎症を発生させないものである。前記ポリマーは好適には、容易に処分可能で、体内に蓄積しないように、生体の過程による自然分解を可能とする生分解性を有すものである。本発明の実施における好適なポリマーマトリクスは、45:55〜55:45の範囲、好適には約50:50の比で混合された、末端カルボキシルにエンドキャップされたポリラクチドとポリグリコール酸のコポリマーの中から選択され、平均分子量は27〜47kDaであり、好適には31〜43kDaであり、より好適には31〜40kDaであり、固有粘度は好適には0.27〜0.31dl/g±10%である。
必要とする分子量を有す市販のポリマーを用いることは、確かに可能であるが、その分子量の必須範囲が31〜43kDaであり、好適には31〜40kDaであることを本発明者らは確定した。さらに社内カスタム設計において、投与量−40℃〜+35℃の温度で10〜30kGy放射線量を照射することによりポリマーの分子量の変更が可能であることを本発明者らは確定した。これは、従来の技術において、当業者に自明ではなかった(図7を参照)。例えば、市販のポリマーの特定の時期における分子量は、平均値として50kDaであり得る。本発明者らは、事前計算された特定線量の放射を用いてポリマーを照射することによりこの分子量を変更する方法を、確立した。制御された条件下において行われた場合、照射線量増加によりポリマー分子量を低下させることが可能であることを示す数学モデルを得ることが可能である。
よって、例えば:
− 分子量が31〜43kDaであり、固有粘度値が0.27〜0.31dl/g±10%であるPLGAポリマーの使用を必要とし、出発ポリマーとして平均分子量が54kDaであるポリマーを所有している場合、その分子量を前記範囲の31〜43kDa、より好適には37〜43kDaまで低減させるためには、投与量25kGyの放射線量が必要であることを確定した。
− 分子量が31〜43kDa、好適には31〜40kDaであり、固有粘度値が0.27〜0.31dl/g±10%であるPLGAポリマーの使用を必要とし、出発ポリマーとして平均分子量50kDaのポリマーを所有している場合、その分子量を前記範囲の31〜43kDa、より好適には37〜43kDa±10%まで低減させるためには、投与量16kGyの放射線量が必要であることを確定した。
− 分子量が31〜43kDaであり、固有粘度値が0.27〜0.31dl/g±10%であるPLGAポリマーの使用を必要とし、出発ポリマーとして平均分子量50kDaのポリマーを所有している場合、その分子量を前記範囲の31〜43kDa、より好適には31〜37kDa±10%まで低減させるためには、投与量25kGyの放射線量が必要であることを確定した。
− 分子量が31〜43kDa、好適には31〜40kDaであり、固有粘度値が0.27〜0.31dl/g±10%であるPLGAポリマーの使用を必要とし、出発ポリマーとして平均分子量38kDaのポリマーを所有している場合、その分子量を前記範囲の31〜43kDa、より好適には31〜37kDa±10%まで低減させるためには、いずれの放射線量の使用も不要であることを確定した。
− 分子量が31〜43kDa、好適には31〜40kDaであり、固有粘度値が0.27〜0.31dl/g±10%であるPLGAポリマーの使用を必要とし、出発ポリマーとして平均分子量63kDaのポリマーを所有している場合、その分子量を前記範囲の31〜43kDa、より好適には31〜40kDa、さらにより好適には31〜36kDaまで低減させるためには、投与量30kGyの放射線量が必要であることを確定した。
これらの実験試験において、照射時におけるポリマーの温度条件は約8℃であったが、例えば、35℃未満または25℃未満などの、他の温度も利用可能である。ただし、これらの場合、放射線量と得られる分子量との関係は変動し得る。
上記の手順は、特に、本発明に記載の組成物の製造に適している。さらに、固体ポリマーを注射器に充填することは、注射可能な製剤の製造において実際に困難である。すなわち、非無菌製品として製造されたポリマーは、人体へ注入可能な製剤を達成するために、殺菌処理を経る必要がある。この技術的問題を解消する方法として、ポリマーにガンマまたはベータ照射による殺菌を施す方法が最良であろう。生分解性ポリマーを用いる場合、照射によって鎖がより小型の断片に分解され得るので、照射は困難な問題を抱くものである。ポリマー分子量の制御は、またしても、殺菌処理後の生成物の最終特性の制御において重要なパラメータとなるようである。
上記したように、分子量が所望よりも高い原料として用いられるポリマーの最終分子量を予測するために、照射による鎖長の低減を数学的にモデル化または制御することができる。よって、容器に充填されるべきポリマーの充填重量(例えば、注射器へのポリマーの充填重量)および原材料としてポリマー中に存在する汚染微生物数を決定した後、ポリマーを無菌にするために必要な(ISO11137に規定のような)照射線量を、必要な充填重量に合わせて選択する。その後、特定のポリマーの照射用線量に対する分子量損失を記述する数学的モデルにより、照射処理後に製剤のための所望の最終分子量を有するポリマーを得るために必要な原料として用るべきポリマーの初期分子量を特定することができる。特定の分子量を有するポリマーの入手可能性が、ある程度制限されている場合もあるので、特定された照射線量に従って必要とされる分子量よりも分子量が高い入手可能なポリマーを代わりに選択し、その後、照射線量をより高い値に調節して、必要な分子量の無菌のポリマーを得ることもできる。
本発明の組成物中の(製剤全重量に対するポリマー重量の百分率として表される)ポリマー成分濃度は好適には、24〜50%の範囲内であり、より好適には25〜27%である。
本発明の目的上、本明細書全体において、ポリマーの特有または固有粘度(ηinh)という項は、ポリマーの質量濃度cに対する相対粘度ηrの自然対数の比として定義され、以下のように表される。
ηinh=(lnη)/c
相対粘度(η)は、溶媒の粘度ηに対する溶液の粘度ηの比であり、以下のように表される。
η=η/η
他に明記無き限り、本明細書全体において、固有粘度および分子量の値は、実施例1に記載の方法によって測定されるものとして理解される。当該分野において一般的に受容されているように、固有粘度の値は、本明細書において、ポリマー分子量を間接的に示すものとしてみなされる。これにより、特定の溶媒中の、同モノマー組成、同末端基を有すポリマーの所与濃度で測定する固有粘度の低下は、ポリマー分子量が低下したことを示すことになる(IUPAC.Basic definitions of terms relating to polymers1974.Pure Appl.Chem.40,477−491(1974)。
前記好適な溶媒は非毒性かつ生体適合性であり、注射剤に適しているものである。毒性を発生し易い溶媒は、如何なる生体中への如何なる材料の注射にも用いるべきではない。より好適には、注射部位において重度の組織刺激または壊死を一切引き起こさないよう、選択される溶媒を生体適合性とするとよい。よって、溶媒は好適には、ICHガイドラインに従ってクラスIIまたはIIIに分類されるもの、より好適にはクラスIIIに分類されるものである。in situインプラントの形成のために、溶媒は好適には、生理液に晒されるとポリマー溶液から周囲組織へ迅速に拡散するものであるとよい。したがって、溶媒は好適にはDMSOである。
前記薬物は好適には、パリペリドンおよび/またはその薬学的に許容される塩およびそれらの組み合わせである。この薬物は好適には、溶媒中に部分的に懸濁される。「部分的に懸濁」とは、製剤またはインプラントの形成時におけるDMSO溶媒中の薬物の溶解度が好適には10mg/ml未満であることを意味し、DMSOの全体積において25℃において計算されたときに10mg/ml未満であることを意味する。このような低溶解度を用いた場合の利点として、外部水媒液への溶媒の拡散時における薬物の初期突発を大幅に低減できる点がある。加えて、本発明の最終組成物において、薬物は、組成物全重量に対する薬物の百分率として表される4〜16wt%の範囲の好適な濃度で提供される。より好適には、薬物の含量は組成物全重量の7〜15%であり、最も好適には約13%である。
本発明の組成物の初期放出の制御に貢献する要素の1つとして、ポリマー溶液の粘度がある。「ポリマー溶液」とは、ポリマーマトリクスおよびそれが中に溶解される溶媒の組み合わせとして定義され、好適な粘度は1.5〜2.5Pa.sの範囲、より好適には1.5〜2.3Pa.sの範囲、さらにより好適には1.5〜2.1Pa.s±10%の範囲にある。
本発明の組成物の初期放出の制御に貢献する第2の要素として、生体適合性コポリマーの分子量がある。前記生体適合性コポリマーの分子量は、27〜47kDa、好適には31〜43kDaおよびより好適には31〜40kDaであることを必要とする。この組成物における溶媒中の薬物溶解度とインプラント中のポリマーの分子量との間の適切なバランスにより(ポリマー沈殿過程およびインプラントの最終的な構造特性が制御され)、製剤は、筋肉注射後に溶媒の拡散の段階で放出され得るパリペリドンの量を制限することができる。一旦製剤が筋肉内組織中へ注謝されると、前記DMSOは、周囲の水性環境内で迅速に溶解する。DMSO中のポリマー濃度が溶媒中のポリマー溶解度に対して増加すると、ポリマー沈殿物が形成され、溶媒中に溶解しなかったパリペリドンを捕獲する。前記ポリマーの分子量は、この重要なステップにおいて大きな影響を及ぼす。なぜならば、鎖重量が軽すぎる場合、重量が適切な範囲の鎖と比較して、沈殿時間が遅延するからである。このように沈殿が遅延すると、薬物が放出される方向にある周囲の流体と薬物品との接触を増加させることが可能になる。従って、低分子量鎖では、前記注射後にパリペリドンの過剰放出を導き、潜在的には前記注射後の1日目に毒性血漿中濃度を得、かつ/または注射毎の間で最低8週間は必要に応じることができない製剤を得ることになる。前記ポリマーの分子量は、溶媒の拡散およびポリマーの沈殿後の、筋肉内注射したインプラントからの薬物の放出にも影響し得る。指定範囲を超える分子量では、拡散によるパリペリドンの放出を適切な速度に維持することができない。さらに、筋肉内組織において、分子量が高めの鎖では、ポリマーマトリクス中に捕獲された薬物を放出することが可能な可溶性画分を提供するためには、より長い加水分解時間が必要となる。放出すべき残留薬物の含量がより高いものだと、活性部分の血漿値が望ましくないほど高くなること、あるいは、製剤は、8週間以上の日数毎に、ヒト体内に数回注謝されるものであるため、注射してから60日後の血漿値が、何らかの理由でその後の投与量と干渉し得ることに繋がる可能性もある。
本記載において用いられる「約50:50」という表現は、乳酸およびグリコール酸に基づいた生体適合性コポリマーの乳酸対グリコール酸のモノマー比を指し、本発明の文脈においては±10%の標準技術誤差でモノマー比の測定に適用する。
本発明の重要な1態様として、パリペリドンである薬物またはその任意の薬学的に受容可能な塩の任意の組み合わせと、乳対グリコール酸のモノマー比が45:55〜55:45であり好適には約50:50である乳およびグリコール酸に基づいた生体適合性コポリマーと、DMSO溶媒とを含む体内のin situ固体インプラントの形成に適した注射可能な筋肉内デポー組成物において、前記組成物による前記薬物の放出が、即時な作用発現に伴っては、活動発生直後に薬物を放出し、少なくとも8週間にわたって放出を継続するとともに、前記組成物のin vivo薬物動態プロファイルが、前回の注射から約56日目〜65日目に投与するのに適している組成物であって、生体適合性コポリマーの分子量は、31〜43であり、好適には31〜40kDaであり、固有粘度は0.27〜0.31dl/gである、体内のin situ固体インプラントの形成に適した注射可能な筋肉内デポー組成物がある。
上記した組成物において、ポリマーは、35℃未満の温度、より好適には25℃未満の温度、より好適には8℃℃未満の温度において放射される。
この組成物は、以下の薬物の好適な粒径分布を有する。
− 粒子の10%未満が10ミクロンよりも小さく、
− 粒子の10%未満が200よりも大きく、好適には225ミクロンよりも大きく、
− d0.5値が40〜90ミクロンの範囲である。
実施形態によれば、薬物/(ポリマー+薬物)質量比は約33%約33%であり、薬物の含量は、合計製剤の約13%w/wであり、ポリマーとDMSOとの間の溶液粘度は、1.5〜2.5Pa.sであり、より好適には1.5〜2.1Pa.sであり、さらにより好適には1.7〜1.8P.a.sである。
他の実施形態によれば、組成物の形成時において、DMSO溶媒中の薬物溶解度が10mg/mlを下回る状態で薬物を部分的に懸濁させる。
さらに他の実施形態によれば、組成物は無菌の組成物であり、人体中における統合失調症または双極性障害の治療に適している。
他の態様によれば、本発明は、生分解性インプラントの体内におけるin situ形成に適した薬剤キットを提供する。この薬剤キットは、請求の範囲の組成物を含むものであり、前記薬物および前記生体適合性ポリマーは第1の容器に設けられ、溶媒は第2の別個の容器中に設けられる。好適には、第1の容器および第2の容器のうち少なくとも1つは、使い捨て型または非使い捨て型の注射器、バイアル、デバイスまたはカートリッジであり、より好適には、第1の容器および第2の容器はどちらとも使い捨て型注射器である。本発明のこの態様は、第1の容器および第2の容器を含むキットに関する。第1の容器は好適には、注射器、バイアル、デバイスまたはカートリッジであり、これらは全て、使い捨て型または非使い捨て型であり、PLGAなどの固体形態のポリマーおよび適切な量の薬物を含むものである。第2の容器も、同様に、好適には注射器、バイアル、デバイスまたはカートリッジであり、これらは全て、使い捨て型または非使い捨て型であり、前記水混和性溶媒を含むものである。必要な時に、例えばコネクタを通じてまたは雄/雌注射器によって双方の容器の内容を組み合わせ、例えば前記注射器のプランジャーを前後に移動させることにより、相互に混合して、本発明による組成物を復元させる。例示的な好適な実施形態を、図5(コネクタデバイスを通じて接続される注射器)および図6(直接ねじ山を通じて接続される注射器)に示す。
他の態様によれば、本発明は、請求される組成物の製造方法を提供する。この方法は、筋肉内デポー組成物に必要なポリマー重量よりも高いポリマー重量を有する生体適合性コポリマーを提供した後、ガンマまたはベータ放射を投与量範囲10〜30kGyで−40℃〜+35℃の温度で照射することにより、その分子量を31〜43(好適には31〜40kDa)に調節し、その固有粘度を0.27〜0.31dl/gに調節するステップを含む。
好適には、生体適合性ポリマーの初期分子量が約54kDaである場合、このポリマーを放射投与量約25KGyで照射して、その分子量を31〜43kDa(より好適には37〜43kDa)まで低減させる。
好適には、生体適合性ポリマーの初期分子量が約50kDaである場合、このポリマーを放射投与量約16KGyで照射して、その分子量を35〜43kDa(好適には37〜43kDa)まで低減させる。
好適には、生体適合性ポリマーの初期分子量が約50kDaである場合、このポリマーを放射投与量約25KGyで照射して、その分子量を31〜37kDaまで低減させる。
好適には、生体適合性ポリマーの初期分子量が約63kDaである場合、このポリマーを放射投与量約30kGyで照射して、その分子量を31〜43kDa(より好適には30〜36kDaまで低減させる。
他の態様によれば、本発明は、本発明による注射可能な筋肉内デポー組成物を精神疾患治療を必要とする患者へ投与するための投与量投与計画方法を提供する。この方法は、
a)第1の投与量75mg〜250mgの量の注射可能なデポー組成物を前回の投与日から数えて24日目〜35日目の時点において患者へ筋肉内投与することと、
b)後続投与量として注射可能なデポー組成物を75mg〜250mgの量だけ第1の投与量の投与から56日目〜65日目頃に投与することと、
c)必要なときにステップb)を繰り返すことと、を含む。
好適には、第1の投与量は、約100mg〜約200mgであり、これは他の投与量よりも同等である。
好適な実施形態において、前記注射可能なデポー組成物は、無菌の完成品である。他の好適な実施形態において、前記生体適合性ポリマーは、その無菌充填過程の前に、好適には15〜30kGyの範囲の照射により殺菌される。
本発明の意味において、実施例に関連し、それに限定せず、全ての技術パラメータは、±10%標準技術測定誤差を有すものとする。
本発明の意味において、実施例に関連し、それに限定せず、8週間の投与量投与計画の開始前に所望の血漿中濃度を得ることを加速するために開始投与計画を用いることが必要になり得ることを説明することは重要である。この開始投与計画は、請求項15に記載または以下に記載のようなものであり得る(ただし、これらに限定されない)。
0日目において、投与量投与量75〜250mgの投与量の製剤で第1の筋肉内投与を行った後、投与量5〜10日目に投与量75〜250mgの範囲の投与量で第2の投与を行い、次いで、第1の投与後28〜35日目に75〜250mgの範囲の投与量で第3の投与を行い、次いで後続の8週間毎投与量の製剤の投与を行う。
・ 第1の筋肉内投与量の製剤を0日目において投与量75〜250mgだけ投与した後、第2の投与量を28〜35日目において投与量75〜250mgだけ投与し、その後第1の投与後56〜65日目に75〜250mgの投与量で第3の投与を行い、その後後続の8週間の投与量の製剤を投与する。
・ 8週間毎の投与を開始するのに必要な血漿中濃度を得るために必要な強度および間隔の他の任意の組み合わせを行う。
図1は、実施例1に記載のパリペリドン製剤をビーグル犬(n=3)に投与した後の犬中のパリペリドンレベルプロファイルを示す。投与量は、2.5mg/kgであった。結果は、パリペリドンのng/ml血漿値を時間に対して表した。この表では、パリペリドン血漿中濃度の曲線下面積(AUC)を時間に対して記述している。全体のAUCおよび3つの異なる時間帯に対するAUCが記載される。単位は、h*ng/mlによって表した。
図2は、実施例2中のパリペリドン製剤を2つのビーグル犬群(各群n=6)に投与した後の犬中のパリペリドンレベルプロファイルを示す。投与量は、2.5および5mg/kgであった。結果は、パリペリドンの血漿値(ng/ml)対時間として表す。この表は、パリペリドン血漿中濃度の濃度曲線下面積(AUC)対時間を記述する。全てのAUCおよびAUC対3つの異なる時間フレームが記載される。単位は、h*ng/mlによって表した。
図3は、実施例3に記載のパリペリドン製剤のビーグル犬(n=3)への投与後の犬中のパリペリドンレベルプロファイル。投与量は7.5mg/kgである。結果は、パリペリドンの血漿値(ng/ml)対時間として表す。この表は、パリペリドン血漿中濃度の濃度曲線下面積(AUC)対時間を記述する。全てのAUCおよびAUC対3つの異なる時間フレームが記載される。単位は、h*ng/mlによって表した。
図4は、実施例3に記載のパリペリドン製剤をビーグル犬(n=3)へ投与した後の犬中のパリペリドンレベルプロファイルを示す。投与量は、2.5mg/kgである。結果は、パリペリドンの血漿値(ng/ml)対時間として表す。この表は、パリペリドン血漿中濃度の濃度曲線下面積(AUC)対時間を記述する。全てのAUCおよびAUC対3つの異なる時間フレームが記載される。単位は、h*ng/mlによって表した。
図5は、コネクタによって接続された2本の雄型注射器を含むパリペリドン組成物の調製に適したキットの図である。ポリマー+パリペリドンを1本の注射器に入れ、DMSOを2本目の注射器に充填した。
図6は、雄型注射器へ接続された雌型注射器を含むパリペリドン組成物の調製に適したキットの図である。ポリマー+パリペリドンを1本の注射器に入れ、DMSOを2本目の注射器中に充填してもよい。好適には、雌型注射器にポリマー+パリペリドンを固体として入れ、雄型注射器にDMSOを充填する。
図7は、このカスタムのデザインにおける分子量損失の百分率を示す。ポリマーを特定の放射線量で照射することにより、このポリマーの分子量を変化させることができる。この表は、ポリマー重量の損失の百分率を放射線量に対して記述している。
以下の実施例において本発明を例示するが、これらの実施例は限定的なものとしてみなされるべきではない。
本発明の意味において、in vivoの実施例に関連し、それに限定せず、「初期突発」または初期放出とは、注射の瞬間から投与後3日目までのパリペリドンの血漿中濃度の付加を意味する。同様に、「適切な血漿中濃度プロファイル」とは、注射の瞬間と21日目の期間に発生するパリペリドンのAUCの45%を超えず、21日目〜49日目に発生するパリペリドンのAUCの35%〜45%を超えず、49日目以降に発生するパリペリドンのAUCの35%を超えないものとしてみなされる。上記の百分率は、パリペリドンがインプラントから放出される異なる期間毎の間で適切なバランスがとれていることを示す。このバランスは、8W毎または60日毎に注謝し、注射1日目からヒトにおいてパリペリドンの治療的血漿中濃度を得ることができ、ること、毒性または有効性の欠如の原因となり得る頂部や谷部をパリペリドンの血漿値において低減させ、注射毎の間の期間において所望の平均血漿パリペリドン濃度を得ることができる製剤を得るためのものである。また、本発明の意味において、実施例に関連し、それに限定せず、投与量初期突発相時において受容可能な血漿中パリペリドン濃度は、投与量が2.5mg/kgのパリペリドンである場合、ビーグル犬中において75ng/mlを下回る。
実施例1:レゾマー(登録商標)503を用いたデポー製剤
本実施例において、以下の製剤を調製した。
Figure 0006430933
パリペリドンの粒径は、光散乱によって特徴付けられ、以下の粒径分布を提供した:
d(0.1)=17.41μm、d(0.5)=51.61μmおよびd(0.9)=175.32μm。
ポリマーは、以下の手法により、その分子量について特徴付けた:
装置
トリプル検出器(レーザ回折、粘度測定、屈折率)を備えたGPCクロマトグラフ
・ Viscotek(登録商標)GPCmax VE2001 GPC溶媒/サンプルモジュール
・ Viscotek(登録商標)TDA 305 トリプル検出器アレイ
試薬
・ ブチルヒドロキシルトルエン(BHT)250ppmによって安定化されたGPCグレードのテトラヒドロフラン(THF)
・ 狭標準ポリスチレン(好適には分子量が90または99kDaのもの)
サンプル調製
・ 1〜2mg/ml標準サンプル
・ 10mg/ml試験サンプル:各試験対象ポリマーについて3つのサンプル
準備
作動流速1ml/minに到達するまでカラムおよび検出器を移動相(THF)により調整および安定化させ、粘度計および屈折率検出器をパージし、終了時において、全信号が安定かつ適切であることを確認する。
クロマトグラフ条件:
・ カラム:2本連結したi−MBMMW−3078(CLM1012、Viscotek)
・ 遅延カラム:中間遅延(CLM9002、Viscotek)
・ カラム温度 30℃
・ 流動速度 1ml/min
・ 注入体積:100μl
・ 実行時間:35分
・ 溶離液:安定化THF(30℃まで事前加熱および100rpm攪拌下)
システム検証
・ 100μlの溶離液を注入し、分子量決定に関連する信号に反応が無いことを確認する。
・ 100μlの狭標準ポリスチレンを注入し、測定の適切性を確認する。少なくとも2回繰り返す。
合否基準:製造業者の標準証明書に記載の標準分子量の±5%および固有粘度の±3%。
較正
システム検証が適合しかつ前回のクロマトグラフ条件から変更が無い場合、必ずしも必要ではない。
較正が必要な場合は以下に従うこと。
・ 100μlの標準ポリスチレンを少なくとも2回注射する。
・ マルチ検出器−ホモポリマー用のメソードを新たに作成し、第1のサンプルのデータを3つの較正に用いる。
・ MW、IV、dn/dc、dA/dcおよび溶媒の屈折率の標準値など、内部較正に必要な全データをメソードに入力する。
・ 装置の指定通りにシステムを較正し、この新規メソードを保存する。
・ 前記新規メソードで、前記標準ポリスチレンの第2の注射について測定の適切性を確認する。
手順
100μlの試験サンプルを3回注射する。
記載の手法に従って測定されたポリマー分子量は、結果として32.5KDaであった。同様の手法によれば、ポリマーの固有粘度値は、結果として0.27dl/gであった。固有粘度値が、記載の手法によって得られたものに相当していることは、特に温度条件および使用溶離液に関連して重要である。測定条件の変化は何れも、それらに直接依存して異なった値が獲得されることを示す。
パリペリドンの移植可能な製剤は、雄型の注射器と雌型の注射器を接続し、プランジャーを前後に移動させることにより、ポリマーを完全に溶解させ、前記ポリマー溶解液において前記パリペリドンの均一な懸濁液が形成するようにして調製した。
ビーグル犬への筋肉内投与後のIn vivo血漿中濃度:
平均体重が10kgのビーグル犬に対し、本実施例のパリペリドン組成物を筋肉内注射した。注謝量は、投与量として25mgのパリペリドンに相当し、この組成物を20G針の注射器を用いて左後肢中に筋肉内配置した。犬の合計数は、3頭であった。注射後、血漿中濃度の取得を0、4h、1d、2d、3d、5d、7d、10d、14d、17d、21d、24d、28d、31d、36d、38d、42d、45d、49d、52d、55d、59d、63d、73d、80d、87d、94d、108dおよび118dに行った。
パリペリドンに対応する血漿中濃度の動態を、タンデム質量HPLCによって評価した。パリペリドンの血漿中濃度のプロファイルを図1に示す。結果については、パリペリドン濃度(ng/ml)を時間の関数として表した。この図から分かるように、25mgのパリペリドンに相当する量の組成物をビーグル犬に注射した結果、初期バースト放出が極めて高精度に制御され、その後、ゆっくりと持続的に低下し、1日目以降では連続的な血漿中濃度になっていた。上記したように、パリペリドンの血漿中濃度のプロファイルは、注射直後の毒性血漿中濃度の危険性が極めて低く、適しているものとみなすことができる。この特性は、少なくとも8週間毎に投与することが意図される製剤において極めて重要である。なぜならば、このような製剤の場合、注謝すべき投与量が既存の1月ごとの投与計画と比較して高いため、この段階において放出される薬物の画分の小さな変動に起因して毒性血漿中濃度に到達する危険性が極め高くなり得るからである。この製剤において、ポリマー沈殿過程において放出された薬物は、溶媒中の薬物溶解度、溶媒量(薬物/溶媒の比)ならびにポリマー濃度および分子量によって制御される。
また、上記の結果から、上記製剤はパリペリドンを、2か月を超える期間にわたって長期間放出することができ、薬物の血漿濃度の頂部から谷部への変動も小さいことが判明した。ポリマーに対する薬物の比率およびポリマー分子量を適切に制御することは、この目標達成において極めて重要である。
一旦製剤が筋肉内組織中へ注謝されると、前記DMSOは、周囲の水性環境内で迅速に溶解する。DMSO中のポリマー濃度が溶媒中のポリマー溶解度に対して増加すると、ポリマー沈殿物が形成され、溶媒中に溶解しなかったパリペリドンを捕獲する。前記ポリマーの分子量は、この重要なステップにおいて大きな影響を及ぼす。なぜならば、鎖重量が軽すぎる場合、重量が適切な範囲の鎖と比較して、沈殿時間が遅延するからである。このように沈殿が遅延すると、薬物が放出される方向にある周囲の流体と薬物品との接触を増加させることが可能になる。従って、低分子量鎖では、前記注射後にパリペリドンの過剰放出を導き、潜在的には前記注射後の1日目に毒性血漿中濃度を得ることになる。前記ポリマーの分子量は、溶媒の拡散およびポリマーの沈殿後の、筋肉内注射したインプラントからの薬物の放出にも影響し得る。指定範囲を超える分子量では、拡散によるパリペリドンの放出を適切な速度に維持することができない。この相は、4週間毎の投与のための製剤と比較した場合、隔月製剤において特に長くなり、ポリマー分子量の制御が極めて重要となる。さらに、分子量が高めの鎖では、必要な濃度において注入するには製剤粘度が高すぎ(3.0Pa.sを超え)る可能性があり、また、一旦筋肉内組織へ謝されると、ポリマーマトリクス中に捕獲された薬物を放出することが可能な可溶性画分を提供するためには、より長い加水分解時間が必要となる。放出すべき残留薬物の含量がより高いものだと、24〜49日目においてパリペリドン血漿値が望ましくないほど低くなる可能性が出てくるため、薬物品の治療的な血漿中濃度を下回る事態に繋がり得る。
Figure 0006430933
実施例2:16KGy.2の線量で照射したレゾマー(登録商標)504を用いたデポー製剤
In vivoで使用される無菌の製剤を調製するためには、ポリマー分子構造に影響を与え得る手順(例えば、照射)の利用が必要になる。本実施例は、適切な血漿中のパリペリドン濃度プロファイルを得るために、ポリマー照射時に発生し得るポリマー分子量の損失を測定および制御して所望の特性の無菌ポリマーを達成することが可能であることを示す。
本実施例において、制御された温度および湿度条件下の16kGyにおけるベータ照射により、2つの有機酸モノマーおよび分子量50kDaをそれぞれ50%含量だけ含む乳酸−co−グリコール酸コポリマーを殺菌した。その結果得られたポリマーは、実施例1に記載の方法に基づいたその分子量によって特徴付けられた。照射処理後の分子量は40KDaであった。
Figure 0006430933
パリペリドン粒径を光散乱によって特徴付けたところ、以下の分布粒径が得られた:
d(0.1)=17.41μm、d(0.5)=51.61μmおよびd(0.9)=175.32μm。
照射したポリマーの固有粘度を実施例1に記載の手法によって計算したところ、0.31dl/gとなった。
前後に移動パリペリドンの移植可能な製剤は、雄型の注射器と雌型の注射器を接続し、プランジャーを前後に移動させることにより、ポリマーを完全に溶解させ、前記ポリマー溶解液において前記パリペリドンの均一な懸濁液が形成するようにして調製した。
ビーグル犬への筋肉内投与後のIn vivo血漿中濃度
この実施例のパリペリドン組成物を、平均体重が10kgである2つのビーグル犬群へ筋肉内注射した。注射量は、1群群においては25mgのパリペリドン投与量に相当し、第2群群においては50mgのパリペリドン投与量に相当した。これらの組成物を20G針の注射器を用いて左後肢中に筋肉内配置した。犬の合計数は、各群当り3頭であった。注射後、血漿中濃度の取得を0、4h、1d、2d、3d、5d、7d、10d、14d、17d、21d、24d、28d、31d、36d、38d、42d、45d、49d、52d、55d、59d、63d、73d、80d、87d、94d、108dおよび118dにおいて行った。
パリペリドンに対応する血漿中濃度の動態を、タンデム質量HPLCによって評価した。パリペリドンの血漿中濃度のプロファイルを図2に示す。結果については、パリペリドン濃度(ng/ml)を時間の関数として表した。この図から分かるように、25mgのパリペリドンに相当する量の組成物をビーグル犬に注射した結果、照射されていないポリマーを示す実施例1で確認されたものと同様の血漿中パリペリドン濃度のプロファイルを得ることができた。
本例は、無菌でありかつ製剤に所望の放出特性を付与するポリマーを得るために、殺菌処理によってポリマー分子量を調節する方法を示す。照射処理後にポリマー末端基が変化した可能性があるとしても、指定範囲内におけるin vivo放出特性は大幅には変化していない。すなわち、分子量が、この組成物中の分解プロセスを制御する主要要素である。
Figure 0006430933
実施例3:25KGyで放射したLakeshore生体材料(登録商標)5050DLG5Eを用いたデポー製剤
実施例1In vivoで使用される無菌の製剤を調製するためには、ポリマー分子構造に影響を与え得る手順(例えば、照射)の利用が必要になる。本実施例は、適切な血漿中のパリペリドン濃度プロファイルを得るために、ポリマー照射時に発生し得るポリマー分子量の損失を測定および制御して所望の特性の無菌ポリマーを達成することが可能であることを示す。
本実施例において、制御された温度および湿度条件下の25kGyにおけるベータ照射により、2つの有機酸モノマーおよび分子量54kDaをそれぞれ50%含量だけ含む乳酸−co−グリコール酸コポリマーを殺菌した。その結果得られたポリマーは、実施例1に記載の方法に基づいたその分子量によって特徴付けられた。照射処理後の分子量は42KDaであった。
Figure 0006430933
パリペリドン粒径を光散乱によって特徴付けたところ、以下の分布粒径が得られた:
d(0.1)=17.41μm、d(0.5)=51.61μmおよびd(0.9)=175.32μm。
照射したポリマーの固有粘度を実施例1に記載の手法によって計算したところ、0.31dl/gとなった。
前後に移動雄注射器および雌注射器を接続し、ポリマー溶解後およびポリマー溶解中のパリペリドンの一様な懸濁液の形成後にプランジャーを前後に移動させることにより、パリペリドンの移植可能な製剤を調製した。
ビーグル犬への筋肉内投与後のIn vivo血漿中濃度
この例のパリペリドン組成物を、平均体重が10kgのビーグル犬群へ筋肉内注射した。注射量は、75mgのパリペリドン投与量に相当した。この組成物を20G針の注射器を用いて左後肢中に筋肉内配置した。犬の合計数は、3頭であった。注射後、血漿中濃度の取得を0、4h、1d、3d、5d、7d、10d、14d、17d、21d、24d、28d、31d、34d、41d、49dおよび56dに行った。
パリペリドンに対応する血漿中濃度の動態を、タンデム質量HPLCによって評価した。パリペリドンの血漿中濃度のプロファイルを図3に示す。結果については、パリペリドン濃度(ng/ml)を時間の関数として表した。この図から分かるように、75mgのパリペリドンに相当する量の組成物をビーグル犬に注射した結果、照射されていないポリマーを示す実施例1および16KGyまで照射したポリマー放射を示す実施例2で確認されたものと同様の血漿中パリペリドン濃度のプロファイルを得ることができた。実施例2。
本例は、無菌でありかつ製剤に所望の放出特性を付与するポリマーを得るために、殺菌処理によってポリマー分子量を調節する方法を示す。照射処理後のポリマー末端基が変化した可能性があるとしても、指定範囲内におけるin vivo放出特性は大幅には変化していない。すなわち、分子量は、この組成物中の分解プロセスを制御する主要要素である。
Figure 0006430933
実施例4:25KGyにおいて放射されたResomer(登録商標)504を用いたデポー製剤
本例は、ポリマー分子量が過度に低下した場合、パリペリドン血漿中濃度プロファイルの継続が不十分になり得、その結果、製剤が各8週間以上の投与に不適切になり得ることを示す。
制御された温度および湿度条件下の25kGyにおけるベータ照射により、2つの有機酸モノマーおよび分子量38kDaをそれぞれ50%含量だけ含む乳酸−co−グリコール酸コポリマーを殺菌した。その結果得られたポリマーは、実施例1に記載の方法に基づいたその分子量によって特徴付けられた。照射処理後の分子量は29KDaであった。
Figure 0006430933
パリペリドン粒径を光散乱によって特徴付けたところ、以下の分布粒径が得られた:d(0.1)=17.41μm、d(0.5)=51.61μmおよびd(0.9)=175.32μm。
照射ポリマーの固有粘度を実施例1に記載の技術によって計算したところ、0.31dl/gとなった。
雄注射器および雌注射器を接続し、ポリマー溶解後およびポリマー溶解中のパリペリドンの一様な懸濁液の形成後にプランジャーを前後に移動させることにより、パリペリドンの移植可能な製剤を調製した。
ビーグル犬への筋肉内投与後のIn vivo血漿中濃度
この例のパリペリドン組成物を、平均体重が10kgである2つのビーグル犬群へ筋肉内注射した。パリペリドン投与量2.5mg/kgに対応する製剤を、20G針の注射器を用いて左後肢中に筋肉内配置した。各群の犬の合計数は、3頭であった。注射後、血漿中濃度の取得を0、4h、1d、2d、3d、5d、7d、10d、14d、17d、21d、24d、28d、31d、35d、38d、42d、45d、49d、52d、56d、59d、63d、70d、77dにおいて行った。
パリペリドンに対応する血漿中濃度の動態を評価し、図4に示す。結果については、パリペリドン濃度(ng/ml)を時間の関数として表した。この図から分かるように、2.5mg/kgに相当する量の組成物を注射したところ、ビーグル犬の血漿中濃度プロファイルが短くなった。から33から29へと4kDa低下すると、ポリマーマトリクス全体における薬物の拡散が大幅に増加し、注射後30日後に放出すべき薬物の利用可能性が低下する。
Figure 0006430933

Claims (7)

  1. 体内においてのin situ固体インプラントの形成に適した注射可能な筋肉内デポー組成物であって、パリペリドンである薬物および/またはその薬剤的に許容される塩の任意の組み合わせと、乳酸対グリコール酸のモノマー比が45:55〜55:45の範囲内にある乳酸およびグリコール酸に基づいた生体適合性コポリマーと、溶媒としてのDMSOとからなる組成物において、前記組成物による前記薬物の放出が、即時の作用発現に伴って、少なくとも8週間は継続するとともに、前記組成物のin vivo薬物動態プロファイルが、8週間毎またはより長い周期毎に前記インプラントを投与するのに適している組成物であって、前記生体適合性コポリマーの分子量が31〜43kDaの範囲内にあり、固有粘度が0.27〜0.31dl/g±10%の範囲内にあり、前記薬物の前記粒径分布は、
    粒子の10%未満が10ミクロンよりも小さく、
    粒子の10%未満が225ミクロンよりも大きく、
    d0.5値が40〜90ミクロンの範囲にあり、
    薬物/(ポリマー+薬物)の質量比が33%であることを特徴とする、組成物。
  2. 前記薬物の含量が、製剤全体の13%w/wであり、前記生体適合性コポリマーおよびDMSOからなる溶液の粘度が、1.5〜2.5.Pa.sの範囲内にある、請求項1に記載の組成物。
  3. 人体における統合失調症または双極性障害の治療のための、請求項1又は2のいずれかに記載の組成物。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の組成物を含む薬剤キットであって、前記薬物および前記生体適合性ポリマーが第1の容器に入っており、前記溶媒が別個の第2の容器に入っている、生分解性インプラントの体内におけるin situ形成に適した薬剤キット。
  5. 前記第1の容器および第2の容器のうち少なくとも1方が、使い捨て型または非使い捨て型の注射器、バイアル、デバイスまたはカートリッジである、請求項4に記載の薬剤キット。
  6. 精神疾患治療用の投与計画を開始する前に開始投与計画(starting regimen)を実施するための請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の注射可能な筋肉内デポー組成物であって、当該開始投与計画が、
    a)第1投与量として75mg〜250mgの量の前記注射可能なデポー組成物を精神疾患治療を必要とする患者へ筋肉内投与する過程と、
    b)第2投与量の前記注射可能なデポー組成物を前回の投与日から数えて24日目〜35日目の時点で前記患者へ筋肉内投与する過程と、
    c)後続投与量として75mg〜250mgの量の前記注射可能なデポー組成物を、前記第1投与量の投与後、56日目〜65日目に投与する過程と、
    d)必要に応じてステップb)を繰り返し、請求項1に記載の組成物による8週間以上の期間の投与の開始に必要なレベルに到達する過程と、を含む、組成物。
  7. 前記第1投与量が投与量100mg〜200mgである、請求項6に記載の組成物。
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