JP6430732B2 - セラミック焼結体および電子部品 - Google Patents

セラミック焼結体および電子部品 Download PDF

Info

Publication number
JP6430732B2
JP6430732B2 JP2014137798A JP2014137798A JP6430732B2 JP 6430732 B2 JP6430732 B2 JP 6430732B2 JP 2014137798 A JP2014137798 A JP 2014137798A JP 2014137798 A JP2014137798 A JP 2014137798A JP 6430732 B2 JP6430732 B2 JP 6430732B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric
low resistance
metal element
ceramic sintered
crystal structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014137798A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016013955A (ja
Inventor
誠一郎 平原
誠一郎 平原
積 洋二
洋二 積
智之 小野
智之 小野
史人 古内
史人 古内
麻衣子 永吉
麻衣子 永吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2014137798A priority Critical patent/JP6430732B2/ja
Publication of JP2016013955A publication Critical patent/JP2016013955A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6430732B2 publication Critical patent/JP6430732B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Non-Adjustable Resistors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Description

本発明は、セラミック焼結体および電子部品に関するものである。
コンデンサ、圧電素子、ヒーター、電池などの電子部品は、種々の電子機器に用いられており、その多くは、セラミックスなどの誘電体と金属の内部電極とを積層した積層構造を有している。このような電子部品は、例えばセラミックグリーンシートおよび内部電極を同時焼成することで作製されている(例えば、特許文献1を参照)。
国際公開2012/023334号
しかしながら、セラミックスと金属という異種材料を同時焼成すると、熱膨張及び収縮挙動の差異から、クラックやデラミネーション(層間剥離)等の欠陥が生じたり、残留応力が生じるという不具合があった。また、異種材料間の反応や元素拡散などにより所望の特性が得られないなど、種々の課題があった。
本発明は上記の課題に鑑みなされたもので、誘電体と金属導体とを同時焼成することによる不具合を低減できるセラミック焼結体および電子部品を提供することを目的とする。
本発明のセラミック焼結体は、誘電体部と低抵抗体部とを備え、前記誘電体部を構成する金属元素の組成と、前記低抵抗体部を構成する金属元素の組成とが、実質的に同一であり、Tiと、2価および3価のいずれかの価数をとる第1の金属元素と、5価および6価のいずれかの価数をとる第2の金属元素とを含み、金属元素の総量に対して、前記第1の金属元素及び前記第2の金属元素の合計が10mol%以下であり、前記誘電体部の結晶構造と、前記低抵抗体部の結晶構造とが、実質的に同一であるとともに、前記誘電体部および前記低抵抗体部が一体化していることを特徴とする。
本発明の電子部品は、誘電体部と低抵抗体部とを備え、前記誘電体部を構成する金属元素の組成と、前記低抵抗体部を構成する金属元素の組成とが、実質的に同一であり、前記誘電体部の結晶構造と、前記低抵抗体部の結晶構造とが、実質的に同一であるとともに、前記誘電体部および前記低抵抗体部が一体化しているセラミック焼結体と、前記誘電体部
上であって、前記低抵抗体部と対向する位置に設けられた外部電極と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の電子部品は、誘電体部と低抵抗体部とを備え、前記誘電体部を構成する金属元素の組成と、前記低抵抗体部を構成する金属元素の組成とが、実質的に同一であり、前記誘電体部の結晶構造と、前記低抵抗体部の結晶構造とが、実質的に同一であるとともに、前記誘電体部および前記低抵抗体部が一体化しているセラミック焼結体を複数積層してなる積層体と、該積層体の表面に設けられた外部電極と、を備え、前記積層体が、前記誘電体部からなる複数の誘電体層と、積層方向において前記複数の誘電体層間に位置する内部電極層と、を有し、該内部電極層が、前記積層体の積層方向に位置する一対の主面に隣接する側面において前記外部電極と電気的に接続されていることを特徴とする。
さらに、本発明の電子部品は、誘電体部と、低抵抗体部とを備え、前記誘電体部を構成する金属元素の組成と、前記低抵抗体部を構成する金属元素の組成とが、実質的に同一であり、前記誘電体部の結晶構造と、前記低抵抗体部の結晶構造とが、実質的に同一であるとともに、前記誘電体部および前記低抵抗体部が一体化しているセラミック焼結体と、前記誘電体部上に設けられた少なくとも一つの端子電極と、を備え、該端子電極が、前記低抵抗体部に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明によれば、誘電体と金属導体とを同時焼成することによる不具合を低減できるセラミック焼結体および電子部品を提供することができる。
本発明のセラミック焼結体の一例を模式的に示す断面図である。 (A)は、本発明のセラミック焼結体の別の例を模式的に示す断面図、(B)は、(A)に端子電極を設けた場合の断面図である。 本発明の別の例である(A)は円柱状、(B)および(C)は円筒状のセラミック焼結体を模式的に示した斜視図である。 本発明の電子部品の第1実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の電子部品の第2実施形態を模式的に示す断面図である。 第2実施形態において、第3の内部電極層を有する場合の断面図である。 本発明の電子部品の第3実施形態を模式的に示す断面図である。 第3実施形態において、第3の内部電極層を有する場合の断面図である。
本発明のセラミック焼結体の具体的な実施形態について、図を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態のセラミック焼結体1は、一体化した低抵抗体部2と誘電体部3とを備えており、低抵抗体部2を構成する金属元素の組成と、誘電体部3を構成する金属元素の組成とが、実質的に同一であるとともに、低抵抗体部2の結晶構造と、誘電体部3の結晶構造とが、実質的に同一である。換言すれば、本発明の焼結体においては、同一材料でありながら電気的特性の異なる部位すなわち低抵抗体部2と誘電体部3とが共存している。
ここで、低抵抗体部2は、電気抵抗率が1×10Ω・m以下であるものとし、誘電体部3は、電気抵抗率が、1×10Ω・m以上であるものとする。なお、低抵抗体部2の電気抵抗率は1×10−6〜1×10Ω・m、誘電体部3の電気抵抗率は1×10〜1×1011Ω・mの範囲とすることが好ましい。また、低抵抗体部2と誘電体部3との間に電気抵抗率が1×10Ω・mよりも大きく1×10Ω・mよりも小さい領域が介在していてもよい。
ここで、低抵抗体部2を構成する金属元素の組成と、誘電体部3を構成する金属元素の組成とが、実質的に同一であるとは、例えばいずれも酸化物材料からなる場合、低抵抗体部2を構成する酸化物の金属元素の組成と、誘電体部3を構成する酸化物の金属元素の組成との差が、例えばエネルギー分散型X線分光(EDS)、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光、蛍光X線(XRF)およびX線光電子分光(XPS)などの元素分析において、測定誤差の範囲内で一致することをいう。
また、低抵抗体部2の結晶構造と誘電体部3の結晶構造とが実質的に同一であるとは、低抵抗体部2と誘電体部3とが同じ結晶構造(たとえばペロブスカイト型、ルチル型、スピネル型など)の型を有していることをいう。結晶構造は、X線回折(XRD)測定または透過型電子顕微鏡(TEM)により確認できる。たとえば、低抵抗体部2のXRDパターン(回折ピークの回折角と相対強度)と誘電体部3のXRDパターンとが測定誤差の範囲内で一致する場合、または低抵抗体部2と誘電体部3とを同時に分析した際に、低抵抗体部2に起因する回折ピークと誘電体部3に起因する回折ピークとを明確に分離できない場合、低抵抗体部2と誘電体部3とは結晶構造が実質的に同一であるとみなす。なお、格子定数(回折ピークの回折角)については、構成元素の価数変化や酸素欠陥の量などにより変動する場合があるため、若干異なっていてもよい。
このようなセラミック焼結体1においては、一つのセラミック焼結体1中に同一の組成、同一の結晶構造を有する低抵抗体部2と誘電体部3とが共存していることから、たとえば、セラミックス材料と金属材料という異種材料を同時焼成した場合に生じる、両者の焼結温度の違いからくる変形や不均一、欠陥の発生や、異種材料間の反応や元素拡散による特性の変動などの不具合を低減できる。
このような構造を実現できる材料としては、例えばルチル型の結晶構造を有するチタニア系の材料(ただし、Tiのほか、2価および3価のいずれかの価数をとる金属元素と、
5価および6価のいずれかの価数をとる金属元素とを、金属元素の総量に対して合計で10mol%以下程度含む)が挙げられる。
このようなセラミック焼結体1は、例えば、次のようにして作製できる。酸化チタンの粉末に、2価または3価となる金属元素の酸化物や炭酸塩、例えばMgO、MgCO、CaO、CaCO、SrO、SrCO、NiO、Co、Co、Inなどの粉末、および5価または6価となる金属元素の酸化物、例えばV、Nb、Ta、WOなどの粉末を、所定量配合して混合粉末とする。混合粉末にバインダを加え、所定の形状に成形して成形体を得る。得られた成形体をジルコニアなどのセッター上に配置し、匣鉢に収納した状態で、まず大気雰囲気中にて300〜600℃でバインダ除去処理を行い、次いで、大気雰囲気中において1300〜1400℃で5〜10時間焼成することで、表面に誘電体部3、内部に低抵抗体部2を有し、表面・内部いずれも金属元素の組成が同一でルチル型結晶構造を有するチタニア系のセラミック焼結体1が得られる。匣鉢の材質としては、例えばアルミナ、マグネシア、ムライトなどを用いればよい。なお、必要に応じ、混合粉末を大気雰囲気中において800〜1000℃で2〜5時間仮焼して仮焼粉末とし、この仮焼粉末にバインダ等を加えて所定の形状に成形したのち、上述の条件で焼成してもよい。
このようにして得られたセラミック焼結体1は、表面に電気抵抗率が1×10〜1×1011Ω・mの誘電体部3、内部に電気抵抗率が1×10−6〜1×10Ω・mの低抵抗体部2を有する構造を備え、低抵抗体部2および誘電体部3の金属元素の組成および結晶構造が同一のものとなる。低抵抗体部2と誘電体部3とは、酸素の含有量が異なり、誘電体部3は低抵抗体部2よりも酸素含有量が多い、換言すれば、低抵抗体部2には酸素欠陥が多く存在することから、金属元素の組成と結晶構造が同じでありながら電気抵抗率の異なる領域が形成されているものと考えられる。
このようなセラミック焼結体1は、低抵抗体部2および誘電体部3の金属元素の組成および結晶構造が同一であることから、異種材料を同時焼成した時に熱膨張率及び収縮挙動の差異から生じるようなクラックやデラミネーション(層間剥離)、残留応力等の不具合が少ない、低抵抗体部2と誘電体部3とが一体化したものとなる。
セラミック焼結体1の低抵抗体部2、および誘電体部3の特性は、例えばセラミック焼結体1を低抵抗体部2と誘電体部3とに分離加工してそれぞれの特性を評価すればよい。また、低抵抗体部2または誘電体部2のいずれかが非常に薄く、分離加工が困難な場合は、低抵抗体部2と誘電体部3とが一体となった状態で評価すればよい。
例えば、電気抵抗率を評価する場合、まず、低抵抗体部2と誘電体部3とが一体となったセラミック焼結体1全体の電気抵抗率を測定し、次いでセラミック焼結体1から誘電体部3を研削加工などにより除去し、残った低抵抗体部2の電気抵抗率を測定する。得られたセラミック焼結体1全体の電気抵抗率と、低抵抗体部2電気抵抗率から、誘電体部3の電気抵抗率を求めればよい。なお、セラミック焼結体1から低抵抗部2を除去して誘電体部3の電気抵抗率を測定し、得られた測定値から低抵抗部2の電気抵抗率を求めてもよい。
金属元素の組成は、X線光電子分光(XPS)分析を用いることで、厚さ数nmの薄層部の評価が可能である。結晶構造は、薄膜X線回折(小角散乱)を利用することで、厚さ100nm程度の薄層部の結晶構造を分析することができる。
誘電体部3は、図2(A)に示すように、低抵抗体部2を被覆している、すなわち、セラミック焼結体1の外表面が誘電体部3により構成されていることが好ましい。
このようなセラミック焼結体1は、例えば平板状として図2(B)に示すように誘電体部3の一方の表面または側面の一部に、セラミック焼結体1の内部に存在する低抵抗体部2に電気的に接続する端子電極4を設けることにより、誘電体部3の他方の表面を吸着面とする静電吸着装置を構成することができる。
なお、セラミック焼結体1は、平板状に限らず、棒状、柱状、筒状、箱状等、他の種々の形状を有していても構わない。例えば、図3(A)のように柱状の低抵抗体部2の外周面に誘電体部3を備えるもの、図3(B)のように筒状の低抵抗体部2の外周面に誘電体部3を備えるもの、図3(C)のように筒状の低抵抗体部2の外周面および内周面に誘電体部3を備えるもの、なども用いることができる。これらは、例えばコンデンサ、フィルタ、またはアンテナ等として利用される。
<第1実施形態>
また、このようなセラミック焼結体1は、図4に示すように、その外表面を構成する誘電体部3上の、誘電体部3を介して低抵抗体部2と対向する位置に外部電極4を設けることで、電子部品として種々の用途に適用できる。例えば、平板状のセラミック焼結体1の場合、誘電体部3の特性に応じて、単層または積層型のコンデンサ、抵抗、圧電素子等の電子部品として用いることができる。なお、図4(A)においては外部電極4の面積が低抵抗体部2の面積よりも大きい場合、図4(B)においては外部電極4と低抵抗体部2の面積が同じ場合を示したが、外部電極4および低抵抗体部2の面積の比率や配置は、電子部品の用途に応じて適宜設定すればよい。
<第2実施形態>
図5は、平板状のセラミック焼結体1a、1bを複数積層してなる積層体5、および積層体5の表面に設けられた外部電極4a、4bを備える積層型の電子部品を示している。積層体5は、誘電体部3からなる複数の誘電体層3と、積層体5の積層方向において誘電体層3間に位置する内部電極層6a、6bとを有している。
図5(A)に示す電子部品では、低抵抗体部2からなる内部電極層6a、6bが、積層体5の積層方向の主面に隣接する側面に露出し、当該側面において外部電極4a、4bに電気的に接続されている。ここで、第1の内部電極層6aと第2の内部電極層6bとは、誘電体層3を介して交互に積層されており、第1の内部電極層6aは、積層体の第1の側面に露出して第1の外部電極4aに接続され、第2の内部電極6bは、積層体の第2の側面に露出して第2の外部電極4bに接続されている。また、第1の側面と第2の側面は、積層体5を介して互いに対向している。
第1の内部電極層6aと第2の内部電極層6bは、それぞれ積層体5の側面の異なる部位に露出していれば良く、たとえば同一側面の異なる部位に露出するものであってもよい。
また、積層体5を形成するセラミック焼結体1a、1bは、図5(A)に示すように低抵抗体部2の両面に誘電体部3を備えていてもよいし、図5(B)に示すように低抵抗体部2の片面にのみ誘電体部3を備えるものであってもよい。低抵抗体部2の片面にのみ誘電体部3を備えるセラミック焼結体1が積層されている場合は、一方のセラミック焼結体1の低抵抗体部2側の面と、他方のセラミック焼結体1の誘電体部3側の面とが対向するように積層されていることが好ましい。
なお、積層体5の積層方向の表面には、低抵抗体部2と誘電体部3のいずれが露出していてもよく、電子部品の用途によっていずれかを選択すればよい。なお、積層体5の積層
方向の表面は、両方が低抵抗体部2の露出面であるか、または両方が誘電体部3の露出面であることが好ましいが、用途により一方の表面を低抵抗体部2、他方の表面を誘電体部3としてもよい。
また、第1の内部電極層6aと第2の内部電極層6bとの間に、低抵抗体部2からなり、外部電極4a、4bと電気的に接続されない第3の内部電極層6cを有していてもよい(図6)。第3の内部電極6cを有することにより、本実施形態の電子部品の耐電圧を高めることができる。
本実施形態においては、複数のセラミック焼結体1a〜1cは外部電極4により側面で接合され積層体5として一体化しているが、各セラミック焼結体1a〜1cの積層面と対向する他のセラミック焼結体1a〜1cの積層面とが、例えば接着剤等により接合されていてもよい。
<第3実施形態>
図7では、平板状のセラミック焼結体1aが複数、導電性材料7を介して積層され、第1の内部電極層6aは低抵抗体部2からなり、第2の内部電極層6bは導電性材料7からなる。これらの内部電極層6a、6bは積層体5の積層方向の主面に隣接する側面に露出し、当該側面において外部電極4a、4bに電気的に接続されている。なお、第1の内部電極層6aと第2の内部電極層6bとは、誘電体層3を介して交互に積層されている。
ここで、第1の内部電極層6aは、積層体5の第1の側面に露出して第1の外部電極4aに接続され、第2の内部電極層6bは、積層体5の第2の側面に露出して第2の外部電極4bに接続されている。また、第1の側面と第2の側面は、積層体5を介して互いに対向している。
第1の内部電極層6aと第2の内部電極層6bは、それぞれ積層体5の側面の異なる部位に露出していれば良く、たとえば同一側面の異なる部位に露出するものであってもよい。
本実施形態においては、セラミック焼結体1aが、低抵抗体部2の両面に誘電体部3を備えていることが好ましい。
また、第1の内部電極層6aと第2の内部電極層6bとの間に、低抵抗部2または導電性材料7からなり、外部電極4a、4bと電気的に接続されない第3の内部電極層6cを有していてもよい。図8に、低抵抗部2からなる第3の内部電極層6cを有する場合の一例を示す。
なお、導電性材料7としては、導電性接着剤、ガラスを含む導体ペーストを焼き付けたものなどを用いればよい。導電性材料7に含まれる導体としては、例えば銀、金、白金、パラジウムなどを用いればよい。
また、積層体5におけるセラミック焼結体1a〜1cの積層数や組合せ、積層順等は、上述の第2実施形態または第3実施形態で示した例に限定されるものではなく、目的に応じて適宜変更可能なことは言うまでもない。
以下、本発明のセラミック焼結体について、実施例に基づき詳細に説明する。
酸化チタン、炭酸マグネシウム、五酸化タンタルの粉末を準備した。金属元素(Ti、
Mg、Ta)の総量に対するモル比率にして、Mgが0.01、Taが0.02、残部がTiとなるように各粉末を配合した。配合した原料粉末にイソプロピルアルコール(IPA)を加えてボールミルにより約12時間の湿式混合を行い、スラリーを調製した。次に、調製したスラリーに、原料粉末に対して5質量%のパラフィンワックスを加えて乾燥させることにより顆粒を作製した。この顆粒を金型プレスにより成形し、円板状の成形体を作製した。作製した成形体を、大気雰囲気中にて400℃でバインダ除去処理を行った後、大気雰囲気中において1350℃で10時間焼成し、直径12.5mm、厚さ0.76mmの円板状のチタニア焼結体を得た。
得られたチタニア焼結体について、以下のような分析を行った。
円板状のチタニア焼結体の両面にIn−Gaを塗布して電極とし、電気抵抗率を測定した。その後、チタニア焼結体の一方の表面を数μm研削し、研削面に再度In−Gaを塗布して電極とし、再度電気抵抗率を測定した。研削面をさらに数μm研削して当該研削面にIn−Gaを塗布して電気抵抗率を測定することを繰り返した結果、チタニア焼結体の表面から30μmまでの領域は、電気抵抗率が1×10Ω・m以上の誘電体部であることを確認した。なお、チタニア焼結体の他方の表面についても同様に電気抵抗率を測定し、同様な結果を得た。また、チタニア焼結体の両表面から30μm以上離れた領域は、電気抵抗率が1×10Ω・m以下の低抵抗体部であり、特に両表面から240μm以上離れた領域では、電気抵抗率が1Ω・mとなった。なお、チタニア焼結体の誘電体部は白色、低抵抗体部は灰色であった。
焼結体の断面において、低抵抗体部と誘電体部とをそれぞれX線光電子分光(XPS)により分析し、構成元素を比較した。分析誤差の範囲内で、両者の組成は一致していた。
チタニア焼結体の誘電体部である表面、およびチタニア焼結体を研削加工して低抵抗体部を露出させた面について、薄膜X線回折測定を行った、得られた回折パターンはいずれもルチル型結晶構造を示していた。
1:セラミック焼結体
2:低抵抗体部
3:誘電体部、誘電体層
4:端子電極、外部電極
5:積層体
6:内部電極層
7:導電性材料

Claims (10)

  1. 誘電体部と低抵抗体部とを備え、
    前記誘電体部を構成する金属元素の組成と、前記低抵抗体部を構成する金属元素の組成とが、実質的に同一であり、Tiと、2価および3価のいずれかの価数をとる第1の金属元素と、5価および6価のいずれかの価数をとる第2の金属元素とを含み、金属元素の総量に対して、前記第1の金属元素及び前記第2の金属元素の合計が10mol%以下であり、
    前記誘電体部の結晶構造と、前記低抵抗体部の結晶構造とが、実質的に同一であるとともに、
    前記誘電体部および前記低抵抗体部が一体化していることを特徴とするセラミック焼結体。
  2. TiOを主成分とし、前記結晶構造がルチル型であることを特徴とする請求項1に記載のセラミック焼結体。
  3. 誘電体部と低抵抗体部とを備え、前記誘電体部を構成する金属元素の組成と、前記低抵抗体部を構成する金属元素の組成とが、実質的に同一であり、前記誘電体部の結晶構造と、前記低抵抗体部の結晶構造とが、実質的に同一であるとともに、前記誘電体部および前記低抵抗体部が一体化しているセラミック焼結体と、
    前記誘電体部上であって、前記低抵抗体部と対向する位置に設けられた外部電極と、を備えることを特徴とする電子部品。
  4. 誘電体部と低抵抗体部とを備え、前記誘電体部を構成する金属元素の組成と、前記低抵抗体部を構成する金属元素の組成とが、実質的に同一であり、前記誘電体部の結晶構造と、前記低抵抗体部の結晶構造とが、実質的に同一であるとともに、前記誘電体部および前記低抵抗体部が一体化しているセラミック焼結体を複数積層してなる積層体と、該積層体の表面に設けられた外部電極と、を備え、
    前記積層体が、前記誘電体部からなる複数の誘電体層と、積層方向において前記誘電体層間に位置する複数の内部電極層と、を有し、
    該内部電極層が、前記積層体の積層方向に位置する一対の主面に隣接する側面において前記外部電極と電気的に接続されていることを特徴とする電子部品。
  5. 前記内部電極層の少なくとも一部が、前記低抵抗体部からなることを特徴とする請求項に記載の電子部品。
  6. 前記複数のセラミック焼結体が、導電性材料を介して積層され、
    前記内部電極層の少なくとも一部が、前記導電性材料からなることを特徴とする請求項またはに記載の電子部品。
  7. 前記積層体の積層方向において、前記外部電極と電気的に接続された複数の前記内部電極層の間に、前記低抵抗体部からなり、前記外部電極と電気的に接続されない前記内部電極層を有することを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の電子部品。
  8. 誘電体部と、低抵抗体部とを備え、前記誘電体部を構成する金属元素の組成と、前記低抵抗体部を構成する金属元素の組成とが、実質的に同一であり、前記誘電体部の結晶構造と、前記低抵抗体部の結晶構造とが、実質的に同一であるとともに、前記誘電体部および前記低抵抗体部が一体化しているセラミック焼結体と、
    前記誘電体部上に設けられた少なくとも一つの端子電極と、を備え、
    該端子電極が、前記低抵抗体部に電気的に接続されていることを特徴とする電子部品。
  9. 前記セラミック焼結体は、TiO を主成分とし、前記結晶構造がルチル型であることを特徴とする請求項3乃至8のいずれかに記載の電子部品。
  10. 前記セラミック焼結体は、Tiと、2価および3価のいずれかの価数をとる第1の金属元素と、5価および6価のいずれかの価数をとる第2の金属元素とを含み、金属元素の総量に対して、前記第1の金属元素及び前記第2の金属元素の合計が10mol%以下であることを特徴とする請求項3乃至9のいずれかに記載の電子部品。
JP2014137798A 2014-07-03 2014-07-03 セラミック焼結体および電子部品 Active JP6430732B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014137798A JP6430732B2 (ja) 2014-07-03 2014-07-03 セラミック焼結体および電子部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014137798A JP6430732B2 (ja) 2014-07-03 2014-07-03 セラミック焼結体および電子部品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016013955A JP2016013955A (ja) 2016-01-28
JP6430732B2 true JP6430732B2 (ja) 2018-11-28

Family

ID=55230481

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014137798A Active JP6430732B2 (ja) 2014-07-03 2014-07-03 セラミック焼結体および電子部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6430732B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11230066B2 (en) 2019-08-06 2022-01-25 The Boeing Company Induction welding using a heat sink and/or cooling
US11292204B2 (en) 2019-08-06 2022-04-05 The Boeing Company Induction welding using a heat sink and/or cooling
US11358344B2 (en) 2019-08-06 2022-06-14 The Boeiog Company Induction welding using a heat sink and/or cooling
US11364688B2 (en) 2019-08-06 2022-06-21 The Boeing Company Induction welding using a heat sink and/or cooling
US11524467B2 (en) 2019-08-06 2022-12-13 The Boeing Company Induction welding using a heat sink and/or cooling

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017212399A (ja) * 2016-05-27 2017-11-30 京セラ株式会社 セラミック焼結板および電子部品
JP2018070403A (ja) * 2016-10-27 2018-05-10 京セラ株式会社 セラミック焼結体および電子部品

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106384667B (zh) * 2010-08-18 2018-09-28 太阳诱电株式会社 叠层型陶瓷电子零件

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11230066B2 (en) 2019-08-06 2022-01-25 The Boeing Company Induction welding using a heat sink and/or cooling
US11292204B2 (en) 2019-08-06 2022-04-05 The Boeing Company Induction welding using a heat sink and/or cooling
US11358344B2 (en) 2019-08-06 2022-06-14 The Boeiog Company Induction welding using a heat sink and/or cooling
US11364688B2 (en) 2019-08-06 2022-06-21 The Boeing Company Induction welding using a heat sink and/or cooling
US11524467B2 (en) 2019-08-06 2022-12-13 The Boeing Company Induction welding using a heat sink and/or cooling

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016013955A (ja) 2016-01-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6430732B2 (ja) セラミック焼結体および電子部品
KR101197921B1 (ko) 적층 세라믹 전자 부품
KR101907425B1 (ko) 적층 세라믹 콘덴서 및 그 제조 방법
CN107527736B (zh) 多层陶瓷电容器
US7982367B2 (en) Piezoelectric/electrostrictive element having a multilayer external electrode structure and method for manufacturing thereof
US10037851B2 (en) Multilayer ceramic capacitor
US9520231B2 (en) Laminated ceramic capacitor and method for manufacturing laminated ceramic capacitor
KR101835391B1 (ko) 적층 세라믹 콘덴서
US20120154978A1 (en) Multilayer ceramic condenser and method of manufacturing the same
JP6287882B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
US10340083B2 (en) Electronic component
JP6376992B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JPWO2012128175A1 (ja) 積層セラミックコンデンサ、誘電体セラミック、積層セラミック電子部品および積層セラミックコンデンサの製造方法
JP5975170B2 (ja) 誘電体磁器組成物およびそれを用いた積層セラミックコンデンサ
JP2017050346A (ja) 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法
US10014114B2 (en) Mounting substrate
KR101973414B1 (ko) 저온 소성용 유전체 조성물, 이를 포함하는 적층 세라믹 전자 부품 및 적층 세라믹 전자 부품의 제조 방법
JP7484046B2 (ja) セラミック電子部品およびその製造方法
JP2018022833A (ja) 電子部品
KR20170046341A (ko) 유전체 자기 조성물 및 이를 포함하는 적층 세라믹 커패시터
JP6457628B2 (ja) 電子部品
JP2006041393A (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP2006351639A (ja) 積層型電子部品及び積層セラミックコンデンサ
JP2017204562A (ja) 積層セラミックコンデンサの製造方法
JP2018070403A (ja) セラミック焼結体および電子部品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180123

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180417

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180607

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181002

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181101

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6430732

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150