JP6430591B2 - 配向膜ワニス - Google Patents
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Description
示パネルを具備した液晶表示装置に関する。
されたTFT基板と、TFT基板に対向して、TFT基板の画素電極と対応する場所にカ
ラーフィルタ等が形成された対向基板が設置され、TFT基板と対向基板の間に液晶が挟
持されている。そして液晶分子による光の透過率を画素毎に制御することによって画像を
形成している。
やDSC(Digital Still Camera)等、色々な分野で用途が広がっている。一方、液晶表
示装置では視野角特性が問題である。視野角特性は、画面を正面から見た場合と、斜め方
向から見た場合に、輝度が変化したり、色度が変化したりする現象である。視野角特性は
、液晶分子を水平方向の電界によって動作させるIPS(In Plane Switc
hing)方式が優れた特性を有している。
従来技術としてラビングで処理する方法がある。このラビングによる配向処理は、配向膜
を布で擦ることで配向処理を行うものである。一方、配向膜に非接触で配向制御能を付与
する光配向法という手法がある。IPS方式はプレティルト角が必要無いために、光配向
法を適用することが出来る。
おり、それによると光分解型の光配向処理においては(1)画素部の複雑な段差構造に起
因する配向乱れを低減し、(2)ラビングによる配向処理における静電気による薄膜トラ
ンジスタの破損、ラビング布の毛先の乱れや塵による配向乱れを原因とする表示不良を解
決し、均質な配向制御能を得るために要する頻繁なラビング布の交換によるプロセスの煩
雑さ、を解決する。
理と比較すると、一般的には配向安定性が低いということが知られている。配向安定性が
低いと、初期配向方向が変動し、表示不良の原因となる。特に、高い配向安定性が要求さ
れる横電界方式の液晶表示パネルを用いた液晶表示装置では配向安定性が低いことで残像
に象徴される表示不良が発生し易い。
Dプロセス中に存在しない。そのため、光配向処理においては偏光が照射されたポリイミ
ドに代表される合成高分子の配向膜が、当該偏光方向と平行する方向で主鎖が切断される
ことで一軸性が付与される。液晶分子は切断されずに直線上に伸びて残った長い主鎖方向
に沿って配向するが、この主鎖の長さが短くなると、一軸性が低下し、液晶との相互作用
が弱くなって配向性が低下するために、前記した残像が発生し易くなる。
量を大きくすることが必要であるが、これを解決する手法として、ポリアミド酸アルキル
エステルをイミド化した光配向膜材料を使用することが出来る。これによると、ポリアミ
ド酸アルキルエステル材料では、従来のポリアミド酸材料で起こっていたようなイミド化
反応時のジアミンと酸無水物への分解反応を伴わず、イミド化後も分子量を大きく保つこ
とができ、ラビング処理並みの配向安定性を得ることができる。
含有しないため、ポリアミド酸材料と比較してLCDの電圧保持率が上がり、長期信頼性
の向上も確保することができる。
の適用が有効であるが、この材料は一般的に、ポリアミド酸材料と比較して配向膜比抵抗
が高い。そのため、液晶分子を駆動する信号波形に直流電圧が重畳して残留DCとなった
場合に、残留DCが緩和するまでの時定数が大きく、焼きつき(DC残像)の原因となり
易い。
性や長期信頼性を損なうことなくDC残像の消失時間を低減し、高品位の表示を可能とし
た液晶表示パネルを用いた液晶表示装置を提供することである。
、本発明の液晶表示装置は、画素選択用のアクティブ素子が形成された主面の最上層にT
FT側配向膜を有するTFT基板と、カラーフィルタが形成された主面の最上層にカラー
フィルタ側配向膜を有する対向基板と、前記TFT基板の前記TFT側配向膜と前記対向
基板の前記カラーフィルタ側配向膜の間に封止された液晶とからなる液晶表示パネルを具
備する。また、前記TFT側配向膜とカラーフィルタ側配向膜は、光の照射により付与さ
れた液晶配向制御機能を有する。
方に対し、光の照射により液晶配向制御機能を付与するための配向膜材料を、紫外線で代
表される光により配向する材料と、比抵抗の低い材料との2成分系材料とし、配向膜形成
後には、配向させるための光配向膜と、配向には寄与しない低抵抗膜との2層構造とする
。
イミド化した材料とすることができる。また、この化学ポリイミド化が70%以上である
ものを用いることができる。
れは光分解性である必要はない。また、この化学イミド化が40%以上であるものを用い
ることができる。
定性の高い光配向成分を液晶層側に配置して、配向安定性が不要である低抵抗成分を基板
側に配置することによって、配向安定性と配向膜の低抵抗化によるDC残像の時定数の低
減を同時に満たすことが可能となり、その結果、光配向膜の残像特性が大幅に改良される
。
すことができる。そのため、ポリアミド酸アルキルエステルやポリアミド酸などが有機溶
剤に溶かされた配向膜ワニスの濃度や粘度の調整について裕度が拡大し、配向膜の形成方
法について従来のフレキソ印刷のみならず、ワニスの低粘度化が必要とされるために配向
膜の厚膜化が困難であるとされてきたインクジェット塗布においても、配向膜の厚膜化に
対する裕度が向上することとなる。
方式の液晶表示装置の電極構造は種々のものが提案され、実用化されている。図1の構造
は、現在広く使用されている構造であって、簡単に言えば、平面ベタで形成された対向電
極108の上に絶縁膜を挟んで櫛歯状の画素電極110が形成されている。そして、画素
電極110と対向電極108の間の電圧によって液晶分子301を回転させることによっ
て画素毎に液晶層300の光の透過率を制御することにより画像を形成するものである。
以下に図1の構造を詳しく説明する。なお、本発明は、図1の構成を例にとって説明する
が、図1以外のIPSタイプの液晶表示装置、例えば、対向電極が上部絶縁膜の上に位置
し、画素電極が上部絶縁膜の下に位置するようなもの、或いは、対向電極と画素電極とが
同一平面上にあるようなものにも適用することが出来る。
されている。ゲート電極101は走査線と同層で形成されている。ゲート電極101はA
lNd合金の上にMoCr合金が積層されている。
ト絶縁膜102の上に、ゲート電極101と対向する位置に半導体層103がa−Si膜
によって形成されている。a−Si膜はプラズマCVDによって形成される。a−Si膜
はTFTのチャネル部を形成するが、チャネル部を挟んでa−Si膜上にソース電極10
4とドレイン電極105が形成される。なお、a−Si膜とソース電極104あるいはド
レイン電極105との間には図示しないn+Si層が形成される。半導体層とソース電極
104あるいはドレイン電極105とのオーミックコンタクトを取るためである。
される。ソース電極104もドレイン電極105も同層で同時に形成される。本実施例で
は、ソース電極104あるいはドレイン電極105はMoCr合金で形成される。ソース
電極104あるいはドレイン電極105の電気抵抗を下げたい場合は、例えば、AlNd
合金をMoCr合金でサンドイッチした電極構造が用いられる。
シベーション膜106はTFTの、特にチャネル部を不純物401から保護する。無機パ
ッシベーション膜106の上には有機パッシベーション膜107が形成される。有機パッ
シベーション膜107はTFTの保護と同時に表面を平坦化する役割も有するので、厚く
形成される。厚さは1μmから4μmである。
リイミド樹脂等が使用される。有機パッシベーション膜107には、画素電極110とド
レイン電極105が接続する部分にスルーホール111を形成する必要があるが、有機パ
ッシベーション膜107は感光性なので、フォトレジストを用いずに、有機パッシベーシ
ョン膜107自体を露光、現像して、スルーホール111を形成することが出来る。
は透明導電膜であるITO(Indium Tin Oxide)を表示領域全体にスパ
ッタリングすることによって形成される。すなわち、対向電極108は面状に形成される
。対向電極108を全面にスパッタリングによって形成した後、画素電極110とドレイ
ン電極105を導通するためのスルーホール111部だけは対向電極108をエッチング
によって除去する。
成された後、エッチングによってスルーホール111を形成する。この上部絶縁膜109
をレジストにして無機パッシベーション膜106をエッチングしてスルーホール111を
形成する。その後、上部絶縁膜109およびスルーホール111を覆って画素電極110
となるITOをスパッタリングによって形成する。スパッタリングしたITOをパターニ
ングして画素電極110を形成する。画素電極110となるITOはスルーホール111
にも被着される。スルーホール111において、TFTから延在してきたドレイン電極1
05と画素電極110が導通し、映像信号が画素電極110に供給されることになる。
ある。櫛歯と櫛歯の間にスリット112が形成されている。画素電極110の下方には、
図示しない平面状の対向電極108が形成されている。画素電極110に映像信号が印加
されると、スリット112を通して対向電極108との間に生ずる電気力線によって液晶
分子301が回転する。これによって液晶層300を通過する光を制御して画像を形成す
る。
は図1に示すスリット112となっている。対向電極108には一定電圧が印加され、画
素電極110には映像信号による電圧が印加される。画素電極110に電圧が印加される
と図1に示すように、電気力線が発生して液晶分子301を電気力線の方向に回転させて
バックライトからの光の透過を制御する。画素毎にバックライトからの透過が制御される
ので、画像が形成されることになる。
8が配置され、上部絶縁膜109の上に櫛歯電極110が配置されている。しかしこれと
は逆に、有機パッシベーション膜107の上に面状に形成された画素電極110を配置し
、上部絶縁膜109の上に櫛歯状の対向電極108が配置される場合もある。
いる。本発明においては、配向膜113は、液晶層300と接する光配向膜1131と、
光配向膜1131の下層に形成される低抵抗配向膜1132の2層構造となっている。配
向膜の113の構成については、後で詳細に説明する。
0の内側には、カラーフィルタ201が形成されている。カラーフィルタ201は画素毎
に、赤、緑、青のカラーフィルタ201が形成されており、カラー画像が形成される。カ
ラーフィルタ201とカラーフィルタ201の間にはブラックマトリクス202が形成さ
れ、画像のコントラストを向上させている。なお、ブラックマトリクス202はTFTの
遮光膜としての役割も有し、TFTに光電流が流れることを防止している。
3が形成されている。カラーフィルタ201およびブラックマトリクス202の表面は凹
凸となっているために、オーバーコート膜203によって表面を平らにしている。
されている。対向基板側の配向膜113もTFT基板側の配向膜113と同様に、液晶層
300と接する光配向膜1131と、光配向膜1131の下層に形成される低抵抗配向膜
1132の2層構造となっている。なお、図2はIPSであるから、対向電極108はT
FT基板100側に形成されており、対向基板200側には形成されていない。
。そうすると、対向基板200の電位が不安定になる。また、外部からの電磁ノイズが液
晶層300に侵入し、画像に対して影響を与える。このような問題を除去するために、対
向基板200の外側に表面導電膜210が形成される。表面導電膜210は、透明導電膜
であるITOをスパッタリングすることによって形成される。
面透視図、図3(b)は断面斜視図である。本発明の配向膜113は2層構造となってお
り、液晶層と接する上側は光配向膜1131であり、下側は低抵抗配向膜1132となっ
ている。光配向膜1131は分子量の大きい光分解性ポリマー10によって形成され、低
抵抗配向膜1132は分子量の小さい低抵抗ポリマー11によって形成されている。
見えている。実際には、光分解性ポリマー10が低抵抗ポリマー11よりも上に存在して
いる。図3(b)において、配向膜113は図1における画素電極110あるいは有機パ
ッシベーション膜107の上に形成されている。図3(b)では配向膜113は画素電極
110の上に形成されるとしている。上側の光配向膜1131の厚さt1は50nm程度
、下側の低抵抗配向膜1132の厚さt2は50nm程度である。光配向膜1131と低
抵抗配向膜1132の境界は明確ではないので、点線で記載している。
。図4においては低抵抗配向膜1132は省略されている。図4(a)は光配向膜113
1が塗布された状態を示している。光配向膜1131は光分解性ポリマー10によって形
成されている。
のエネルギーで照射する。そうすると、光配向膜1131において偏光された紫外線の偏
光方向の光分解性ポリマー10は、図4(b)に示すように、紫外線によって破壊される
。すなわち、紫外線の偏光方向に沿って紫外線による切断部15が形成される。そうする
と、液晶分子は図4(b)における矢印Aの方向に配向されることになる。
互作用が弱くなって配向性が低下する。したがって、図4(b)において、光配向後にお
いても、光分解性ポリマー10が矢印Aの方向にできるだけ長く伸びていることが望まし
い。つまり、配向膜113の一軸性を向上させ、配向安定性を向上させるためには、配向
膜113の分子量を大きくする必要がある。
子量は、配向膜113に種々の分子量のポリマーが存在している場合、その平均的な分子
量である。光配向膜1131においては、十分な配向安定性を得るためには、数分子量は
5000以上であることが必要である。
ルエステルをイミド化したものを用いることが出来る。ポリアミド酸アルキルエステルの
構造は、化学式(1)に示すとおりである。
は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、フェニル基、炭素数1
〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アルケニル基(−(CH2)m−CH=C
H2,m=0,1,2)又はアルキニル基(−(CH2)m−C≡CH,m=0,1,2)で
あり、Arは芳香族化合物である。
ド酸アルキルエステルにおいては、R1はCnH2n−1であり、nが1以上である。ポ
リアミド酸アルキルエステルを光配向膜1131の前駆体として用いると、従来のポリア
ミド酸材料で起こっていたようなイミド化反応時のジアミンと酸無水物への分解反応を伴
わず、イミド化後も分子量を大きく保つことができ、ラビング処理並みの配向安定性を得
ることができる。
常に高く、例えば、1015Ωcm程度である。このように配向膜113の比抵抗が大き
いと、液晶層にチャージした電荷を逃がすことができず、この電荷がDC残像の原因とな
る。
が、特定時間、特定画像を表示すると、ある時間、一方の基板にDC成分が残り、液晶層
に電荷がチャージされ、このチャージした電荷のために残像が生ずる場合がある。配向膜
113の抵抗が極端に大きくなければ、液晶中の電荷は、配向膜113を通して画素電極
110等に流すことが出来る。
とが出来ない。本発明は、配向膜113を光配向膜1131と低抵抗配向膜1132の2
層構造とすることによってこの問題を解決するものである。すなわち、液晶層と接する光
配向膜1131は、十分な配向安定性を得るために、分子量の大きな光分解性ポリマー1
0を用いる。
とする。低抵抗配向膜1132の抵抗率は、例えば、1012〜1014Ωcm程度であ
る。このような低抵抗配向膜1132はポリアミド酸をイミド化したものによって形成す
ることが出来る。
原子、フェニル基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アルケニル基
(−(CH2)m−CH=CH2,m=0,1,2)又はアルキニル基(−(CH2)m−C
≡CH,m=0,1,2)であり、Arは芳香族化合物である。
ステルを示す化学式(1)において、R1がHに置き換わっている点である。ポリアミド
酸はポリイミドを形成するイミド化反応時、ジアミンと酸無水物への分解反応を伴うので
、ポリイミドを十分に大きな分子量とすることが出来ない。したがって、光配向膜113
1としては十分な特性を得ることが出来ない。一方、ポリアミド酸によって形成されたポ
リイミドは比抵抗がそれほど大きくない。
保するとともに、配向膜113全体としての比抵抗を適切な値に制御することが出来、D
C残像を軽減することが出来る。
く行うことが出来る。すなわち、図5(a)に示すように、光分解性ポリマー10と低抵
抗ポリマー11を混合した材料を基板に塗布すると、レベリング効果によって図5(b)
に示すように、基板と馴染みやすい材料が下層に形成され、他の材料が上に形成される、
いわゆる相分離を生ずる。なお、図5(a)における基板としては、画素電極110で代
表させている。
機パッシベーション膜107である。図5においては、基板として画素電極110が記載
されている。ポリアミド酸はポリアミド酸アルキルエステルに比較して画素電極110を
形成するITOあるいは有機パッシベーション膜107と馴染みやすいので、常にポリア
ミド酸が下層となる。
イミド化は下層のポリアミド酸、上層のポリアミド酸アルキルエステルの両者に対して同
時に行われる。したがって、1層の配向膜113形成と同じ工程によって2層の配向膜1
13形成を行うことが出来る。
量は大きくする必要があるので、イミド化率は高くする必要がある。光配向膜1131に
おけるイミド化率は70%以上であり、より好ましくは80%以上である。この残りは、
前駆体としてのポリアミド酸アルキルエステルが光配向膜1131に存在することになる
。
率は低くてもよい。例えば、イミド化率は40%以上であれば十分である。すなわち、イ
ミド化の条件は、上層のポリアミド酸アルキルエステルのイミド化を主眼に設定すればよ
い。
る。図5(b)において、上層の光配向膜1131は下層の低抵抗配向膜1132よりも
分子量は大きい。光配向膜1131と低抵抗配向膜1132の分子量を比較する場合は、
光配向膜1131の表面における分子量と低抵抗配向膜1132の基板との界面における
分子量と比較すれば良い。
のみの配向膜とした場合のDC残像特性を評価した。残像は次のようにして評価した。す
なわち、図6に示すような白黒による8×8のチェッカーフラグパターンを12時間表示
し、その後、灰色ベタの中間調に戻す。中間調の階調は、64/256である。
あとの時間である。縦軸は、残像のレベルである。縦軸において、RRは中間調に戻した
ときに、チェッカーフラグパターンが良く見える状態であり、NGである。Rは中間調に
戻した時にチェッカーフラグパターンが薄いけれども見える状態である。図7において、
曲線Aが本発明による配向膜を使用した場合のDC残像特性である。また、曲線Bが配向
膜として光配向膜1層のみを使用した場合のDC残像特性の例である。
用上は問題ないといえる。光配向膜1層の場合は、中間調に戻したときのレベルRが長時
間続くので、実用上問題が残る。一方、本発明による2層構造の配向膜113では、DC
残像が急激に減少し、中間調に戻したあと、17分程度で、DC残像は完全に消滅する。
層の場合は、DC残像が長く続くのに対して、本発明の配向膜を使用すると、DC残像が
急激に減少するということである。図7において、
DC残像の目安となる、中間調に戻してから10分後のDC残像のレベルを比較すると、
配向膜が光配向膜1層のみの場合は、DC残像が90%であるのに対し、本発明における
DC残像は25%以下となり、本発明の効果は非常に大きいことがわかる。
マー10の分子量は大きいほうが良い。しかし、分子量が大きいと配向膜ワニスの粘度が
高くなる。粘度が高くなるとフレキソ印刷やインクジェット塗布が困難になるので材料の
濃度を低くして粘度を下げることになる。そうすると、塗布膜が薄くなってしまう。した
がって、配向膜113を光配向膜1層のみで形成しようとする塗布条件が限定されてしま
うことになる。
た低抵抗成分は配向に寄与しないため、分子量は極限まで落とすことができる。そのため
、ポリアミド酸アルキルエステルやポリアミド酸などが有機溶剤に溶かされた配向膜ワニ
スの濃度や粘度の調整について裕度が拡大し、配向膜113の形成方法について従来のフ
レキソ印刷のみならず、ワニスの低粘度化が必要とされるために配向膜113の厚膜化が
困難であるとされてきたインクジェットによる塗布も可能になる。
、ポリアミド酸をイミド化した膜を用いている。下層の低抵抗配向膜1132は光配向と
は関係がないので、配向膜113の抵抗を小さくすることを主眼に材料を選定することが
出来る。
らの光を画素毎に制御することによって画像を形成する。バックライトの光源としては、
冷陰極管や発光ダイオードが使用される。したがって、配向膜113は液晶表示装置が動
作中は、常にバックライトからの光にさらされることになる。下層の低抵抗配向膜113
2として光導電性を有するものを使用すれば、液晶層にチャージした電荷をより早く逃が
すことが出来、DC残像をより軽減することが出来る。
ることが出来る。この場合も、ポリアミド酸アルキルエステルと混合し、混合材料を基板
上に塗布すると、相分離して2層構造となる。この場合も、ポリアミド酸アルキルエステ
ルが上層になる。その後、加熱してイミド化するが、このイミド化も同時に行うことが出
来る。
0側の配向膜113についても同様である。対向基板200側の配向膜113は、オーバ
ーコート膜203の上に形成されるが、この場合も、低抵抗配向膜1132を形成する低
抵抗ポリマー11がオーバーコート膜203と馴染みが強いために、レベリングによって
低抵抗配向膜1132がオーバーコート膜203側に形成され、その上に光配向膜113
1が形成されることになる。
向基板200の配向膜113にのみ、適用しても効果を得ることが出来る。液晶層中のチ
ャージを逃がすことは、どちらかの基板だけからでも一定の効果を上げることが出来るか
らである。
来るとともに、光配向膜1131が高抵抗率になることによるDC残像の問題を解決する
ことが出来る。
を用いた測定によれば、0.5度以下となる。
100…TFT基板、 101…ゲート電極、 102…ゲート絶縁膜、 103…半導
体層、 104…ソース電極、 105…ドレイン電極、 106…無機パッシベーショ
ン膜、 107…有機パッシベーション膜、 108…対向電極、 109…上部絶縁膜
、 110…画素電極、 111…スルーホール、 112…スリット、 113…配向
膜、 200…対向基板、 201…カラーフィルタ、 202…ブラックマトリクス、
203…オーバーコート膜、 210…表面導電膜、 300…液晶層、 301…液
晶分子、 1131…光配向膜、 1132…低抵抗配向膜。
Claims (8)
- 第1のポリマーと第2のポリマーと有機溶媒とを含む液晶表示装置の光配向膜用の配向膜ワニスであって、
前記第1のポリマーの数平均分子量は、前記第2のポリマーの数平均分子量よりも大きく、
前記第2のポリマーは、前記第1のポリマーよりもITO(Indium Tin Oxide)或いはアクリル樹脂と馴染みやすいポリアミド酸であることを特徴とする配向膜ワニス。 - 前記第1のポリマーをイミド化することにより形成される膜は光分解性を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の配向膜ワニス。
- 前記第2のポリマーをイミド化することにより形成される膜の抵抗率は、前記第1のポリマーをイミド化することにより形成される膜の抵抗率よりも小さい、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の配向膜ワニス。
- 前記第2のポリマーをイミド化することにより形成される膜は光導電性を有する、ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の配向膜ワニス。
- 第1のポリマーと第2のポリマーと有機溶媒とを含む液晶表示装置の光配向膜用の配向膜ワニスであって、
前記第2のポリマーは、前記第1の成分よりもITO(Indium Tin Oxide)或いはアクリル樹脂と馴染みやすいポリアミド酸であり、
前記第1のポリマーをイミド化することにより形成される膜は光分解性を有しており、
前記第2のポリマーをイミド化することにより形成される膜は光導電性を有する、ことを特徴とする配向膜ワニス。 - 前記第1のポリマーの数平均分子量は、前記第2のポリマーの数平均分子量よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載の配向膜ワニス。
- 前記第2のポリマーをイミド化することにより形成される膜の抵抗率は、前記第1のポリマーをイミド化することにより形成される膜の抵抗率よりも小さい、ことを特徴とする請求項5又は6に記載の配向膜ワニス。
- 前記配向膜ワニスは、IPS方式の液晶表示装置の光配向膜を形成するためのものであること特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の配向膜ワニス。
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