JP6430152B2 - 液体ポンプおよび液体ポンプシステム - Google Patents

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Description

本発明は、液体ポンプに関する。
ポンプが予期せず停止すると需要者側(の設備全体)に大きなダメージとなるようなポンプ設備がある。そのようなポンプ設備は、稼働中のポンプが何らかの異常で故障した場合や、メンテナンスのためにポンプを停止する場合であっても、それ以前のポンプ稼働時の状態と同じ100%の給液量の供給を継続する必要があるようなポンプ設備であり、当該ポンプ設備では、そのため、2台以上のポンプが並列接続され、それらのうちの1台以上のポンプが予備機として設置されている。
上記のようなポンプ設備は、一部のポンプが運転され、残りのポンプすなわち停止された状態のポンプは、予備機として運用される。通常、各ポンプよりも二次側(ポンプの吐出側)には、逆止弁が設けられている。このため、予備機として停止中のポンプは、運転中のポンプの吐出圧力の影響を受けない。また、通常、各ポンプよりも一次側(ポンプの吸込側)には仕切弁が設けられており、これら仕切弁は、開かれている。このため、予備機よりも二次側に設けられた逆止弁が老朽化等によって破損したとしても、運転中のポンプの吐出液は予備機の内部を経由し、吸込配管を通って、吸込水槽に流れ出る。したがって、予備機は、運転中のポンプの吐出圧力に影響されない。
特開2000−130400号公報 特開平6−288383号公報
上述の仕切弁は、保守点検時や故障修理時などに閉じられることがある。この場合、保守点検や故障修理が終了した後、作業者は、仕切弁を開状態に戻すべきであるが、仕切弁を開け忘れてしまうおそれがある。保守点検や故障修理の後に再運転すべきポンプにおいては、仕切弁が閉じられた状態で当該ポンプが駆動されると、所定の流量が達成されない、圧力が上がらない等の現象が生じる。このため、保守点検や故障修理の後に再運転したポンプにおいては、仕切弁の開閉状態を容易に把握することができる。しかし、一方、保守点検や故障修理の後に再運転しないで予備機とするポンプもある。予備機は、停止しているので、仕切弁が閉じられていても、そのことを現象として判断することは難しい。
また、経年劣化等によって予備機用の逆止弁が破損する虞があり、そうすると運転中のポンプの吐出側から予備機側に液が逆流する虞がある。この場合、予備機は停止しているので、駆動中のポンプの吐出液が予備ポンプの吸込側にまで逆流してしまう虞がある。
このように保守点検や故障修理の後も停止したままの予備機については、予備機の一次側に設けられた仕切弁が何らかの原因にて閉じられ、かつ、予備機の二次側に設けられた逆止弁が故障した場合には、運転中のポンプによって加圧された吐出液は、合流点から停止中の予備機の故障した逆止弁を経由し、吐出配管を通って、停止中の予備機内へ流れ込む現象が生じる。このとき予備機の一次側の仕切弁が閉じられているので、停止中の予備機内は運転中のポンプの吐出圧まで加圧される。その結果、予備機の吸込側の構成部品が破損するおそれがある。なぜならば、通常、ポンプの吸込側の部品には吸込圧以上の圧力
が作用することはないので、ポンプの吸込側の部品は、吐出圧に耐え得る圧力条件で設計されていないからである。
しかしながら、予備機が待機中に故障することは、運転中のポンプが何らかの原因にて給液不能となり予備機にてバックアップ運転を行うべき際に、予備機を設けているにも関わらず、予備機を運転することができずに給液が不能となることを意味する。これによって、設備全体に重大な支障を与える可能性がある。
このような現象を防止する方法として、停止中のポンプ内の構成部品を、吸込圧の低圧から吐出圧の高圧までの圧力に対応できるように設計することが考えられる。ケーシングや配管等の耐圧部材においては吐出側と同じ部品を用いることにより耐圧を上げて対応することが可能である。しかし、シール機構にメカニカルシールを採用する場合には、低圧から高圧まで幅広く対応できるようにメカニカルシールを設計することは非常に困難である。具体的には、吐出圧のような高圧に耐え得るようにメカニカルシールの回転環と固定環を設計した場合には、吸込圧力のような低圧では、回転環および固定環の摺動面間のシール面圧が低下してしまい水の漏れが生じてしまう。逆に、メカニカルシールの回転環と固定環を吸込圧に合わせて低圧に対応するように設計する場合には、吐出圧のような高圧が作用すると、メカニカルシールの回転環および固定環の摺動面間のシール面圧が過大となり損傷するおそれがある。
上記のメカニカルシールの構造を考慮した上で低圧から高圧まで幅広く対応できるメカニカルシール装置としてポンプ羽根車側から高圧段および低圧段からなる2段のメカニカルシール部を設置して液体をシールする、タンデム形メカニカルシール装置が用いられる。タンデム形メカニカルシール装置では、シールする液体が低圧である時には、高圧段のメカニカルシールにて漏れた液体を容器内側の低圧段のメカニカルシールにてシールすることができ、シールする液体が高圧である時には、高圧段のメカニカルシールにてシールすることができる。このため、低圧段のメカニカルシールには高圧が作用することがなく、低圧段のメカニカルシールを保護することができる。このような原理により、高圧段および低圧段の2段のダンデム型メカニカルシールは低圧から高圧まで幅広い圧力に対応することが可能である。しかし、タンデム形メカニカルシール装置は、2組のシール部を備えることから、ポンプが大型化し、コストやメンテナンスにおいて不利である。
このようなことから、複数のポンプが並列接続され、それらのうちの1台以上のポンプが予備機として使用される場合において、予備機の二次側に設けられた逆止弁が故障し、かつ、予備機の一次側に設けられた仕切弁が閉じられた状態で放置された状況において、或いは、配管や他の部品の異常等により吸込側へ通水ができない状況において、メカニカルシール部が破損することを抑制することが望まれる。そのための構成は、低コストであることが望ましく、また、コンパクトであることが望ましい。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
本発明の第1の形態によれば、液体ポンプが提供される。この液体ポンプは、回転可能に支承されるように構成されたシャフト(軸)と、シャフトの少なくとも一部分を収容するケーシングであって、吸込口が形成されたケーシングと、シャフトが延在する方向において吸込口側に配置されたメカニカルシール部と、を備える。ケーシングには、メカニカルシール部と直接的に隣接する隣接空間から外部に連通する圧力逃がし通路が形成される。
かかる液体ポンプは、予備機を備えるポンプシステムとして使用することができる。具
体的には、複数の液体ポンプが並列に接続される。液体ポンプの各々の一次側には、仕切弁がそれぞれ設けられる。液体ポンプの各々の二次側には、逆止弁がそれぞれ設けられる。そして、複数の液体ポンプのうちの一部が運転されるべき液体ポンプ(以下、運転機とも呼ぶ)として使用され、残りのポンプが、運転機が適正に運転できない状況が生じた場合に運転される予備機として使用される。仕切弁は、通常、開かれている。かかる液体ポンプによれば、予備機に対応する逆止弁が老朽化などによって機能劣化し、かつ、仕切弁が作業員のミスによって閉じられたまま放置された状況において、或いは、配管や他の部品の異常等により吸込側へ通水ができない状況において、運転機の吐出側から予備機側に、吸込圧力よりも高圧の液体が逆流した場合に、逆流した液体を圧力逃がし通路から外部へ逃がすことができる。したがって、逆流した液体が予備機内に滞留する場合と比べて、予備機の吸込口側のメカニカルシール部に作用する圧力を低減できる。その結果、メカニカルシール部の破損を抑制できる。しかも、ケーシングに通路を設けるだけで、安価に上記効果がもたらされ、ポンプが大型化することもない。
本発明の第2の形態によれば、第1の形態において、吸込口から隣接空間に至る経路の途中において、シャフトとケーシングとの間には、隣接空間に流入する液体を減圧するための減圧流路が形成される。かかる形態によれば、逆流した液体がメカニカルシール部に至る前に、液体の圧力が低減される。したがって、メカニカルシール部の破損をいっそう抑制できる。
本発明の第3の形態によれば、第2の形態において、液体ポンプは、シャフトとケーシングとの間に配置される減圧ブッシュを備える。上記減圧流路は、減圧ブッシュとシャフトとの間に形成される。かかる形態によれば、減圧ブッシュとシャフトとが振動等で接触したとしても、シャフトの損傷を抑制できる。その結果、減圧ブッシュを有さない構成と比べて、減圧流路をいっそう狭めることが可能となることから、隣接空間の圧力を広い範囲で調整することが容易となる。
本発明の第4の形態によれば、第1ないし第3のいずれかの形態において、液体ポンプは、多段ポンプである。多段ポンプは、運転機の吐出圧が比較的高圧になるが、このような場合であっても、第1ないし第3のいずれかの形態によって、メカニカルシール部の破損が好適に抑制される。
本発明の第5の形態によれば、液体ポンプシステムが提供される。この液体ポンプシステムは、第1のポンプと、第1ないし第4のいずれかの形態の液体ポンプである第2のポンプと、を備える。圧送されるべき液体の流通経路において、第1のポンプと第2のポンプとは、並列に接続される。液体ポンプシステムは、第1のポンプの吸込口の一次側に配置された第1の仕切弁と、第2のポンプの吸込口の一次側に配置された第2の仕切弁と、第1のポンプの二次側と第2のポンプの二次側とを接続する接続点と、第1のポンプと、の間に設けられた第1の逆止弁と、接続点と第2のポンプとの間に設けられた第2の逆止弁と、を備える。かかる液体ポンプシステムは、第1のポンプを運転機として、第2のポンプを予備機として使用することができる。かかる液体ポンプシステムによれば、第1ないし第4の形態と同様の効果を奏する。
本発明の第6の形態によれば、第5の形態において、第2のポンプの圧力逃がし通路は、隣接空間と反対側において、液体ポンプの一次側において液体を貯留するように構成された液体貯留槽に接続される。かかる形態によれば、隣接空間内の圧力と、液体貯留槽内の圧力とは同じ圧力であるから、第2のポンプを運転機として使用した場合に、液体が隣接空間を通って外部に流れることがない。すなわち、液体の逆流が生じて、第2のポンプの吸込側に吐出圧力が作用した場合にのみ、液体を隣接空間に流通させて、圧力を逃がすことができる。
本発明の一実施形態としての液体ポンプシステムの概略構成を示す説明図である。 液体ポンプの概略構成を示す断面図である。 圧力逃がし通路の構成を示す断面図である。
A.実施例:
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは対応する構成には、同一符号を付し、重複した説明は省略する。図1は、液体ポンプシステム(以下、単に、ポンプシステムとも呼ぶ)10の概略構成を示す。本実施形態では、ポンプシステム10は、ポンプ機場に設置される。ポンプシステム10は、第1のポンプ20aと、第2のポンプ20bと、を備えている。本実施形態では、ポンプ20a,20bは、同一の構成を有している。以下の説明および図において、ポンプ20a,20bを区別しない場合には、ポンプおよびその構成要素には、「a」,「b」の符号を付さずに説明する。
ポンプ20a,20bは、並列的に接続されている。具体的には、第1のポンプ20aは、その一次側において、吸込配管26を介して液体貯留槽25に接続されている。第2のポンプ20bは、その一次側において、吸込配管28を介して液体貯留槽25に接続されている。第1のポンプ20aは、その二次側において吐出配管27に接続され、第2のポンプ20bは、その二次側において吐出配管29に接続されている。ポンプ20a,20bのそれぞれの二次側、すなわち、吐出配管27と吐出配管29とは、接続点31において接続されている。吸込配管26,28の途中には、それぞれ仕切弁21,22が設けられている。仕切弁21,22は、常時、開かれており、ポンプシステム10のメンテナンス時、故障修理時など特定の場合にのみ作業員によって閉じられる。メンテナンス作業等が終了した場合、仕切弁21,22は再度、開かれた状態に維持される。吐出配管27,29の途中には、接続点31よりも上流側において、それぞれ逆止弁23,24が設けられている。なお、逆止弁23,24はポンプ20が停止中に吐出側から吸込側に水が逆流することを防止するための逆流防止弁である。
かかるポンプシステム10は、第1のポンプ20aおよび第2のポンプ20bのうちの一方が運転されるべきポンプ(運転機)として使用され、他方が予備機として使用される。通常、運転機は常時稼働し、予備機は停止状態で待機している。本実施形態では、ポンプ20a,20bは、同一の構成を有しているので、いずれを運転機または予備機として使用しても、後述する本実施形態の効果を得ることができる。このため、運転頻度や延べ運転時間等に基づいて、運転機と予備機とを入れ替えることが可能である。ただし、以下では、特に明示する場合を除き、第1のポンプ20aを運転機として使用し、第2のポンプ20bを予備機として使用するものとして説明する。
液体貯留槽25に貯留された液体(ここでは、水)は、第1のポンプ20aによって吐出配管27よりも下流側に送出される。この場合、第1のポンプ20aの吐出液は、逆止弁24によって、第2のポンプ20bに流入することが防止される。しかしながら、逆止弁24の老朽化等によって、逆流防止機能が損なわれた場合、第1のポンプ20aの吐出液は、逆流して第2のポンプ20bに流入する虞がある。この場合、仕切弁22は、常時開かれているので、逆流液は、第2のポンプ20bおよび吸込配管28を通って液体貯留槽25に流入することになる。これによって、吐出液が第2のポンプ20bに流入しても、吐出圧力が第2のポンプ20bの構成部品に作用することが抑制される。ただし、メンテナンス時などに、作業員が、開けておくべき仕切弁22を閉じたまま放置すると、吐出
圧力、すなわち、吸込圧力よりも高圧の吐出圧が第2のポンプ20bの構成部品に作用することになる。一般的に、ポンプの吸込側の構成部品は、吸込圧力を基準に設計されるので、比較的高圧の吐出圧力が作用すると構成部品が破損する恐れがある。このような事象が生じることを抑制するために、本実施形態では、ポンプ20a,20bのそれぞれに、吐出圧力を逃がすための圧力逃がし配管32,33が設けられている。圧力逃がし配管32,33は、液体貯留槽25に接続されている。圧力逃がし配管32,33によって、どのように圧力を逃がすのかについては、後述する。
図2は、ポンプ20の概略構成を示す断面図である。ポンプ20は、シャフト41と羽根車42と軸受43,44とメカニカルシール部61,62とポンプケーシング50とを備えている。シャフト41は、軸受43,44によって回転可能に支承されている。軸受43、44の間に、羽根車42は、本実施例では、多段(図示の例では9段)に構成されており、シャフト41に沿ってシャフト41に直列状に固定されている。シャフト41の、羽根車42が設けられた領域は、ポンプケーシング50内に収容されている。ポンプケーシング50には、吸込口51および吐出口52が形成されている。メカニカルシール部61,62は、軸受43,44よりも内側(羽根車側)に設けられている。メカニカルシール部61,62は、ポンプ20の内部と外部とをシールし、液体の外部への流出を抑制する。メカニカルシールの基本構造は、弾性部材(例えば、スプリング、ベローズ)などによって軸方向の力が作用する回転環と、動かない固定環と、から構成されている。なお、回転環はシャフト(軸)と共に回転可能である。ポンプ駆動中には、回転環が主に液圧によって固定環側に押圧され、回転環と固定環との、軸に垂直な摺動面が相対的に回転することによって、流体の漏れが最小限に抑えられる。一方、ポンプ停止中には、固定環と回転環とのシール面圧は、弾性部材の押圧力によって確保される。
ポンプケーシング25の吐出側には、ポンプ駆動時の圧力差に起因して発生するスラストをバランスするためのバランス室54が設けられている。バランス室54に進入した液体は、配管P11を介して、通しボルト55内に形成された空間56を流れ、空間56と連通する配管P12を介して吸込口51に到達する。このため、バランス室54の圧力は、吸込口51の圧力(吸込圧力)と同じ圧力になっている。このバランス室54とメカニカルシール部62とは連通している。また、吸込口51側に配置されたメカニカルシール部61の近傍において、ポンプケーシング50には、圧力逃がし通路53が形成されている。
図示するポンプ20が第2のポンプ20bである場合、吸込口51には、吸込配管28が接続され、吐出口52には、吐出配管29が接続され、圧力逃がし通路53には、圧力逃がし配管33が接続される。かかるポンプ20において、吸込圧力は例えば2MPaであり、吐出圧力は、例えば20MPaである。
図3は、圧力逃がし通路53の周辺を示す拡大図である。メカニカルシール部61のポンプ内側には、メカニカルシール部61と直接的に隣接する隣接空間71が形成されている。圧力逃がし通路53は、この隣接空間71から外部に連通するようにポンプケーシング50に形成されている。吸込口51から隣接空間71に至る経路の途中において、換言すれば、吸込口51から吐出口52に至るポンプ20の運転中の液体流通経路と、隣接空間71と、の間において、ポンプケーシング50とシャフト41との間には、減圧ブッシュ80が配置されている。減圧ブッシュ80は、円環形状を有しており、ポンプケーシング50の内面に固定されており、ポンプケーシング50とシャフト41との間を狭めている。シャフト41は、通常、マルテンサイト系ステンレスによって形成されるのに対して、減圧ブッシュ80は、摺動性能と耐磨耗性に優れ、かつある程度弾性的変形性を有する材料からなる。例えば、減圧ブッシュ80は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)によって形成される。減圧ブッシュ80によってポンプケーシング50とシャフト41と
の間が狭められることによって、減圧ブッシュ80とシャフト41との間には、隣接空間71に流入する液体を減圧するための減圧流路72が形成されている。本実施形態では、減圧流路72の通路断面積は、当該減圧流路72を形成する材料に応じて定められる流速範囲を超えないように決定される。このように減圧流路72の通路断面積を決定すれば、減圧流路72を通って流れる液体の流速が上記の流速範囲外であることに起因して、シャフト41やポンプケーシング50が浸食され、部品寿命が短くなることを抑制できる。減圧流路72の断面積は、液体の逆流によってポンプ20の吸込側に吐出圧力が作用する場合に、メカニカルシール部61に作用する圧力を、吸込圧力以上かつ吐出圧力に満たない圧力に減圧できるように構成される。本実施例では、減圧流路72の断面積は、圧力逃がし通路53の断面積よりも小さく設定されている。
上述したポンプシステム10によれば、予備機としての第2のポンプ20bに対応する逆止弁24が老朽化などによって機能劣化し、かつ、仕切弁22が作業員のミスによって閉じられたまま放置された状況において、運転機としての第1のポンプ20aの吐出側から第2のポンプ20bに向けて、吸込圧力よりも高圧の液体が逆流した場合に、逆流した液体を圧力逃がし通路53から外部へ(上述の実施形態では、圧力逃がし配管33を介して液体貯留槽25へ)逃がすことができる。したがって、逆流した液体が第2のポンプ20b内に滞留する場合と比べて、第2のポンプ20bの吸込側のメカニカルシール部61に作用する圧力を低減できる。その結果、吸込圧力を基準に設計されたメカニカルシール部61の破損を抑制できる。しかも、構成が安価であり、ポンプ20bが大型化することもない。
また、シャフト41とポンプケーシング50との間には、形成する材料に応じて定められる流速範囲を超えないように通路断面積が決められた減圧流路72が形成されている。すなわち、減圧流路72によって、ポンプ20の内部から隣接空間71に至る流路が絞られている。したがって、逆流した液体がメカニカルシール部61に至る前に、減圧流路72によって当該液体の圧力が低減される。したがって、メカニカルシール部61の破損をいっそう抑制できる。
また、第2のポンプ20bの圧力逃がし通路53は、隣接空間71と反対側において液体貯留槽25に接続される。隣接空間71内の圧力と、液体貯留槽25内の圧力とは同じ圧力であるから、かかる構成によれば、第2のポンプ20bを運転機として使用した場合に、液体が隣接空間71を通って液体貯留槽25に流れることがない。すなわち、運転機としての第1のポンプ20aの吐出側から予備機として停止中の第2のポンプ20bに向けて、液体の逆流が生じて、第2のポンプ20bの吸込側に吐出圧力が作用した場合にのみ、液体を隣接空間71に流通させて、圧力を逃がすことができる。このため、第2のポンプ20bを運転機として使用する場合に、第2のポンプ20bのポンプ能力に影響を与えることがない。
また、シャフト41とポンプケーシング50との間は、減圧ブッシュ80が配置されているので、振動などによりシャフト(軸)と減圧ブッシュとが摺動してもかじりつきを避けることができる。したがって、シャフト41の損傷を抑制できる。その結果、減圧ブッシュ80を有さない構成と比べて、減圧流路72をいっそう狭めることが可能となることから、隣接空間71の圧力を広い範囲で調整することが容易となる。
B.変形例:
B−1.変形例1:
減圧ブッシュ80は、必ずしも必要ではなく、減圧ブッシュ80に代えて、ポンプケーシング50の形状によって、減圧流路72(この場合、減圧流路72は、ポンプケーシング50とシャフト41との間の空間)が絞られていてもよい。もとより、減圧流路72は
、必ずしも絞られた形状を有している必要はなく、例えば、減圧流路72は、圧力逃がし通路53の断面積よりも大きな断面積を有していてもよい。かかる場合であっても、逆流した液体の圧力は、圧力逃がし通路53を介して逃がされるので、圧力逃がし通路53を有していないポンプ20と比べて、メカニカルシール部61の破損を抑制できる。
B−2.変形例2:
上述したポンプ20の構成は、吐出圧が比較的高圧になるポンプ、例えば、多段ポンプにおいて有利である。ただし、当該構成は、任意の液体ポンプに適用可能である。例えば、ポンプ20は、プラントにおいて薬液を圧送するためのポンプであってもよい。
B−3.変形例3:
第1のポンプ20aおよび第2のポンプ20bのうちの一方のみが常に予備機として使用される場合には、予備機として使用されるポンプのみが上述した構成を備えていてもよい。また、ポンプシステム10は、2台のポンプを備える構成に限らず、3台以上のポンプを備えていてもよい。この場合、3台以上のポンプの一部が運転機として使用され、残りが予備機として使用される。
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
10…液体ポンプシステム
20,20a,20b…ポンプ
21,22…仕切弁
23,24…逆止弁
25…液体貯留槽
26,28…吸込配管
27,29…吐出配管
31…接続点
32,33…圧力逃がし配管
34…ケーシングカバー
41…シャフト
42…羽根車
43…軸受
50…ポンプケーシング
51…吸込口
52…吐出口
53…圧力逃がし通路
54…バランス室
55…通しボルト
56…空間
61,62…メカニカルシール部
71…隣接空間
72…減圧流路
80…減圧ブッシュ
P11,P12…配管

Claims (7)

  1. 液体ポンプシステムであって、
    第1のポンプと、
    2のポンプと
    を備え、
    圧送されるべき液体の流通経路において、前記第1のポンプと前記第2のポンプとは、並列に接続され、
    前記液体ポンプシステムは、
    前記第1のポンプの前記吸込口の一次側に配置された第1の仕切弁と、
    前記第2のポンプの前記吸込口の一次側に配置された第2の仕切弁と、
    前記第1のポンプの二次側と前記第2のポンプの二次側とを接続する接続点と、前記第1のポンプと、の間に設けられた第1の逆止弁と、
    前記接続点と前記第2のポンプとの間に設けられた第2の逆止弁と
    を備え
    前記第2のポンプは、
    回転可能に支承されるように構成されたシャフトと、
    前記シャフトの少なくとも一部分を収容するケーシングであって、吸込口が形成されたケーシングと、
    前記シャフトが延在する方向において前記吸込口側に配置されたメカニカルシール部と
    を備え、
    前記ケーシングには、前記メカニカルシール部と直接的に隣接する隣接空間から外部に連通する圧力逃がし通路が形成され、
    前記第2のポンプの前記圧力逃がし通路は、隣接空間と反対側において、前記第2の仕切弁の一次側において前記液体を貯留するように構成された液体貯留槽に接続された、
    液体ポンプシステム。
  2. 請求項に記載の液体ポンプシステムであって、
    前記第1のポンプは、
    回転可能に支承されるように構成されたシャフトと、
    前記シャフトの少なくとも一部分を収容するケーシングであって、吸込口が形成されたケーシングと、
    前記シャフトが延在する方向において前記吸込口側に配置されたメカニカルシール部と
    を備え、
    前記ケーシングには、前記メカニカルシール部と直接的に隣接する隣接空間から外部に連通する圧力逃がし通路が形成され、
    前記第1のポンプの前記圧力逃がし通路は、隣接空間と反対側において、前記第1の仕切弁の一次側において前記液体を貯留するように構成された液体貯留槽に接続された、
    液体ポンプシステム。
  3. 請求項1または2に記載の液体ポンプシステムであって、
    前記第2のポンプの前記吸込口から前記隣接空間に至る経路の途中において、前記シャフトと前記ケーシングとの間には、前記隣接空間に流入する液体を減圧するための減圧流路が形成された
    液体ポンプシステム。
  4. 請求項3に記載の液体ポンプシステムであって、
    前記シャフトと前記ケーシングとの間に配置される減圧ブッシュを備え、
    前記減圧流路は、前記減圧ブッシュと前記シャフトとの間に形成される
    液体ポンプシステム。
  5. 請求項2に記載の液体ポンプシステムであって、
    前記第1のポンプの前記吸込口から前記隣接空間に至る経路の途中において、前記シャフトと前記ケーシングとの間には、前記隣接空間に流入する液体を減圧するための減圧流路が形成された
    液体ポンプシステム。
  6. 請求項5に記載の液体ポンプシステムであって、
    前記シャフトと前記ケーシングとの間に配置される減圧ブッシュを備え、
    前記減圧流路は、前記減圧ブッシュと前記シャフトとの間に形成される
    液体ポンプシステム。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の液体ポンプシステムであって、
    前記第1及び第2のポンプの少なくとも一方は、多段ポンプである
    液体ポンプシステム。
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