JP6429039B2 - 火格子式廃棄物焼却炉及び火格子式廃棄物焼却炉による廃棄物焼却方法 - Google Patents

火格子式廃棄物焼却炉及び火格子式廃棄物焼却炉による廃棄物焼却方法 Download PDF

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Description

本発明は、都市ごみ等の廃棄物を焼却する火格子式廃棄物焼却炉及び火格子式廃棄物焼却炉による廃棄物焼却方法に関する。
都市ごみ等の廃棄物を焼却処理する焼却炉として、火格子式廃棄物焼却炉が広く用いられている。その代表的なものの構成の概要を以下に説明する。
火格子式廃棄物焼却炉は、廃棄物を燃焼する燃焼室の下部に廃棄物の移動方向に配置され三段から成る火格子(乾燥火格子、燃焼火格子そして後燃焼火格子)を有し、後燃焼火格子の上方に位置する燃焼室の出口に二次燃焼室が連設されている。上記燃焼室には乾燥火格子の上方に位置して廃棄物投入口が設けられている。そして後燃焼火格子の廃棄物の移動方向下流側下方には灰排出口が設けられている。通常、上記二次燃焼室は廃熱回収用の廃熱ボイラの一部でもあり、その入口近傍部分である。また、乾燥火格子、燃焼火格子そして後燃焼火格子それぞれの火格子下から燃焼用一次空気を吹き込む燃焼用一次空気吹込み機構が設けられている。
このような火格子式廃棄物焼却炉において、廃棄物投入口から燃焼室内に投入された廃棄物は、乾燥火格子上に堆積され、乾燥火格子の下からの空気と炉内の輻射熱により乾燥されると共に、昇温されて着火する。すなわち、上記乾燥火格子の直上方では、廃棄物の移動方向の上流側空間で乾燥領域が形成され、乾燥火格子の直上方の下流側空間から燃焼火格子の直上方の上流側空間にかけて燃焼開始領域が形成される。燃焼開始領域で着火して燃焼を開始した廃棄物は、乾燥火格子から燃焼火格子上に送られ、廃棄物が熱分解されて可燃性ガスが発生し、燃焼火格子の下から送られる燃焼用一次空気により可燃性ガスが火炎を形成して燃焼し、さらに固形分が燃焼して、燃焼火格子の直上方空間で主燃焼領域が形成される。そして、更に後燃焼火格子上で、固定炭素など未燃分が完全に燃焼し、該後燃焼火格子の直上方空間で後燃焼領域が形成される。しかる後、燃焼後に残った灰は、灰排出口より外部に排出される。
かくして、火格子式廃棄物焼却炉では、廃棄物は燃焼室にて三段の火格子の下から吹き込まれる燃焼用一次空気により燃焼する。さらに、燃焼室からの燃焼ガスに含まれている可燃性ガスの未燃分(未燃ガスという)は、廃熱ボイラの一部である二次燃焼室で二次燃焼用空気を受けて燃焼(二次燃焼という)する。二次燃焼の後に燃焼排ガスは廃熱ボイラで熱回収され、蒸気を発生させ、蒸気は発電機に供給される。
このような火格子式廃棄物焼却炉において、炉内は、廃棄物の移動方向で上流側から、乾燥領域、燃焼開始領域、主燃焼領域と後燃焼領域が順に形成される。主燃焼領域において燃焼火格子上の廃棄物は熱分解そして部分酸化が行われ、可燃性ガスが発生し、その可燃性ガスと廃棄物の固形分が燃焼する。可燃性ガスが燃焼する際に火炎を形成して燃焼する。しかる後、後燃焼領域において、残った廃棄物中の固定炭素などの固形分の未燃分が後燃焼火格子上で完全に燃焼される。固形分が燃焼する際には火炎は発生せず熾燃焼する。
主燃焼領域とは、廃棄物の熱分解、部分酸化が行われ可燃性ガスが発生し、その可燃性ガスが火炎を伴って燃焼しているとともに廃棄物の固形分が燃焼する燃焼領域である。火炎を伴う燃焼が実質的に完了する点を燃切点と言い、主燃焼領域と後燃焼領域との境界となる。燃切点より後の領域では、廃棄物中の固形分の未燃分が燃焼する熾燃焼領域(後燃焼領域)となる。
このような廃棄物焼却炉による廃棄物の燃焼においては、上記熱回収を良好に行うとともに、燃焼によって発生するCO,NOxなどの有害物質の発生を抑制するために、燃焼を安定させるように、燃焼状況を監視して焼却炉の操業条件を制御している。
火格子式廃棄物焼却炉における燃焼室内での廃棄物の燃焼状況を監視するためには、例えば、燃焼室の下流側(灰排出口側)の壁面に設けた監視窓から燃焼室内の火炎の状況をCCDカメラで撮影して火炎の状況の映像を監視して適正な状況になるように焼却炉の操業条件を制御することが行われている。
また、焼却炉内の状況を把握して燃焼を制御する他の方法としては、特許文献1に開示されているように、火炎の状況を監視せずに、火格子上の廃棄物自体の表面温度を検出して焼却炉の操業条件を制御することも知られている。
この特許文献1の方法によると、燃焼室の上方に走査型赤外線放射温度計を設置し、火格子上の各部の廃棄物表面温度を走査検出し、廃棄物の表面温度の最高温度を示す位置を火格子上の廃棄物燃焼中心位置とし、火格子の廃棄物搬送方向での廃棄物の移動距離に対する廃棄物表面温度の変化率のうち最大低下率を示す位置を火格子上の廃棄物の燃え切り位置として検出し、廃棄物燃焼中心位置と燃え切り位置の両者を設定位置に維持するように、操業条件としての火格子送り速度を変えることで単位時間当りの廃棄物の送り量、一次燃焼空気の分配量(単位時間当りの空気供給量)を制御することとしている。
特開2005−214513
燃焼室内での廃棄物の安定燃焼のためには、燃焼領域より上流側における火格子上の廃棄物の状態を把握しこの廃棄物の状態の変動に対応することが必要である。
上記燃焼領域では、廃棄物が熱分解、部分酸化され可燃ガスが発生し、火炎を生じて燃焼している。また、上記燃焼領域より上流側の乾燥領域では火格子上の廃棄物は乾燥され加熱され燃焼が開始する直前の段階にある。上記燃焼領域より上流側の乾燥領域における火格子上の廃棄物の状態は、廃棄物の性状、火格子上への廃棄物の供給量(給塵機の供塵速度)、火格子上での廃棄物の下流に向けた搬送量(火格子の搬送速度)そして廃棄物を乾燥、燃焼させるための燃焼用一次空気供給量により変動している。
このような状況下において、燃焼領域より上流側の火格子上の廃棄物の状態の変動に対して追従して一次空気供給量等の廃棄物焼却炉の操業条件の制御が適正に対応されていない場合には、廃棄物の燃焼が不安定となり、燃焼排ガスの温度、ガス組成を所定の適正範囲内に保持することができず、排ガス中のCO濃度、NOx濃度が増大するという問題が生じたり、排ガスからの熱回収により発生させる蒸気量が変動するという問題が生じる。
しかしながら、従来行われてきた、CCDカメラで撮影した映像で火炎の状況を監視する方法にあっても、特許文献1による燃焼中の廃棄物の表面温度を検出する方法にあっても、火格子上の廃棄物の状態が変動した結果として現れる現象である燃焼状況の変動を検知できるものの、燃焼領域より上流側(火炎を形成して燃焼している領域より上流側)の火格子上の廃棄物の状態を検出することができないため、火格子上の廃棄物の状態の変動を把握できないので、この廃棄物の状態の変動に十分に追従した操業条件の制御がなされずに、排ガス中の有害物濃度が増大したり、蒸気量が変動するという問題が生じることがある。
本発明は、かかる事情に鑑み、燃焼領域よりも上流側における火格子上の廃棄物の状態を把握して、該廃棄物の状態の変動に対応して操業条件を適正に制御して、廃棄物を安定して燃焼することができる火格子式廃棄物焼却炉及び火格子式廃棄物焼却炉による廃棄物焼却方法を提供することを課題とする。
本発明において、上述の課題は、次のように構成される第一発明及び第二発明に係る火格子式廃棄物焼却炉そして第三発明及び第四発明に係る火格子式廃棄物焼却炉による廃棄物焼却方法により解決される。
第一発明
第一発明の火格子式廃棄物焼却炉は、火格子を備え該火格子上の廃棄物を燃焼する燃焼室と、燃焼用一次空気を上記火格子の下から上記燃焼室内に吹き込む一次空気吹込手段と、火格子上に廃棄物を供給する給塵機とを有する火格子式廃棄物焼却炉において、燃焼室の下流側壁面に設けられ火格子上の廃棄物の熱画像情報を得る赤外線カメラと、熱画像情報から廃棄物状態情報を得るデータ処理装置と、廃棄物状態情報にもとづき焼却炉の操業条件を制御する制御装置を備え、廃棄物状態情報は、火格子上の廃棄物層の乾燥状態を示す廃棄物乾燥情報であることを特徴としている。
<第二発明>
第二発明の火格子式廃棄物焼却炉は、火格子を備え該火格子上の廃棄物を燃焼する燃焼室と、燃焼用一次空気を上記火格子の下から上記燃焼室内に吹き込む一次空気吹込手段と、火格子上に廃棄物を供給する給塵機とを有する火格子式廃棄物焼却炉において、燃焼室の下流側壁面に設けられ火格子上の廃棄物の熱画像情報を得る赤外線カメラと、熱画像情報から廃棄物状態情報を得るデータ処理装置と、廃棄物状態情報にもとづき焼却炉の操業条件を制御する制御装置を備え、廃棄物状態情報は、火格子上の廃棄物層の乾燥状態を示す廃棄物乾燥情報及び廃棄物層の厚さを示す廃棄物層厚情報であることを特徴としている。
このような構成の第一及び第二発明では、燃焼領域より上流側での火格子上の廃棄物について、赤外線カメラで廃棄物層の熱画像を、その層厚方向そして炉幅方向における熱画像情報として得て、これをデータ処理して、廃棄物状態情報を得て、この廃棄物状態情報にもとづき、制御装置により操業条件を制御する。
第一発明及び第二発明において、制御装置は、廃棄物状態情報にもとづき、操業条件として、給塵機の廃棄物供給速度、火格子の廃棄物搬送速度、燃焼用一次空気供給量、燃焼用一次空気温度のうちの少なくとも一つを制御することができる。
第三発明
第三発明の火格子式廃棄物焼却炉による廃棄物焼却方法は、燃焼室内に備えられた火格子上で廃棄物を燃焼し、給塵機により火格子上に廃棄物を供給し、燃焼用一次空気を上記火格子の下から上記燃焼室内に吹き込む火格子式廃棄物焼却炉による廃棄物焼却方法において、燃焼室の下流側壁面に設けられた赤外線カメラで火格子上の廃棄物の熱画像情報を取得し、熱画像情報をデータ処理して火格子上の廃棄物層の乾燥状態を示す廃棄物乾燥情報を取得し、廃棄物乾燥情報にもとづき焼却炉の操業条件を制御装置で制御することを特徴とすることを特徴としている。
<第四発明>
第四発明の火格子式廃棄物焼却炉による廃棄物焼却方法は、燃焼室内に備えられた火格子上で廃棄物を燃焼し、給塵機により火格子上に廃棄物を供給し、燃焼用一次空気を上記火格子の下から上記燃焼室内に吹き込む火格子式廃棄物焼却炉による廃棄物焼却方法において、燃焼室の下流側壁面に設けられた赤外線カメラで火格子上の廃棄物の熱画像情報を取得し、熱画像情報をデータ処理して火格子上の廃棄物層の乾燥状態を示す廃棄物乾燥情報及び廃棄物層の厚さを示す廃棄物層厚情報である廃棄物状態情報を取得し、廃棄物状態情報にもとづき焼却炉の操業条件を制御装置で制御することを特徴としている。
第三発明及び第四発明において、制御装置による制御は、廃棄物状態情報にもとづき、給塵機の廃棄物供給速度、火格子の廃棄物搬送速度、燃焼用一次空気供給量、燃焼用一次空気温度のうちの少なくとも一つについてなされるようにすることができる。
本発明は、以上のように、燃焼領域より上流側での火格子上の廃棄物について、赤外線カメラで廃棄物の熱画像情報を得て、上記熱画像情報をデータ処理することで廃棄物の状態を把握して、廃棄物の状態に変動があったときには、その変動に対応して操業条件を適正に制御して、廃棄物を安定して燃焼することができるので、燃焼排ガスの温度、ガス組成の変動を極力小さくして、排ガス中のCO濃度、NOx濃度を低く抑制できるとともに、排ガスからの熱回収による蒸気発生量の変動を抑制できる。
本発明の一実施形態に係る火格子式廃棄物焼却炉の概要構成を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面にもとづき説明する。なお、本発明の技術的範囲は、これらの実施形態によって限定されるものではなく、発明の要旨を変更することなく様々な形態で実施することができる。また、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
以下、本発明の一実施形態の火格子式廃棄物焼却炉の基本構成、各構成装置そして作用について説明する。
<火格子式廃棄物焼却炉の基本構成>
図1は本発明の一実施形態に係る火格子式廃棄物焼却炉の概要構成を示している。まず、本発明の一実施形態に係る火格子式廃棄物焼却炉の基本構成と焼却方法の概要を説明し、次いで各構成装置の詳細を説明する。この実施形態において、燃焼室内での廃棄物の移動方向(炉長方向)における燃焼室の上流側(図1にて左側)を前部、下流側を後部という。
本実施形態に係る火格子式廃棄物焼却炉1は、燃焼室2と、この燃焼室2の廃棄物の流れ方向の上流側(図1の左側)上方に配置され、廃棄物を燃焼室2内に投入するための投入筒4の上端に開口形成された廃棄物投入口3と、燃焼室2の廃棄物の流れ方向の下流側(図1の右側)の上方に連設される廃熱ボイラ(図示せず)とを備える火格子式廃棄物焼却炉である。上記投入筒4の下端に位置する受床4Aには後述の給塵機12が設けられている。
燃焼室2の底部には、廃棄物を移動させながら燃焼させる火格子(ストーカ)5が設けられている。この火格子5は、廃棄物投入口3に近い方から、すなわち、上流側から乾燥火格子5a、燃焼火格子5b、後燃焼火格子5cの順に設けられていて、乾燥火格子5aと燃焼火格子5bの上に廃棄物層Wが形成されている。これらの火格子5a〜5cは後述の駆動機構により連動して廃棄物を前方へ向け下流側へ搬送するようになっている。
乾燥火格子5aでは主として廃棄物の乾燥と着火が行われる。燃焼火格子5bでは主として廃棄物の熱分解、部分酸化が行われ、熱分解により発生した可燃性ガスと固形分の燃焼が行われ、可燃性ガスが燃焼する際に火炎を形成する。後燃焼火格子5c上では、残った廃棄物中の固形分の未燃分を完全に燃焼させる。廃棄物中の固形分が燃焼する際には火炎は発生せず熾燃焼する。完全に燃焼した後の燃焼灰は、灰排出口6より排出される。
このような本実施形態の火格子式廃棄物焼却炉では、燃焼室2内の廃棄物層の直上の空間に、下記のような諸領域が形成される。
乾燥火格子5aの直上方で上記受床4Aに隣接して位置する該乾燥火格子5aの廃棄物の流れ方向の上流側範囲(前部)の上方には乾燥領域が形成される。
乾燥火格子5aの下流側範囲(後部)から燃焼火格子5bの上流側範囲(前部)の上方には燃焼開始領域が形成される。すなわち、乾燥火格子5aの廃棄物は、上流側範囲で乾燥され、下流側範囲で着火して、燃焼火格子5bの上流側範囲(前部)までの範囲で燃焼が開始する。
燃焼火格子5b上の廃棄物はここで熱分解そして部分酸化が行われ、可燃性ガスが発生し、その可燃性ガスと廃棄物の固形分が燃焼する。廃棄物はこの燃焼火格子5b上で実質的に殆んど燃焼される。こうして、上記燃焼火格子5bの上方に主燃焼領域が形成される。
しかる後、僅かに残った廃棄物中の固定炭素など未燃分が後燃焼火格子5c上で完全に燃焼される。この後燃焼火格子5cの上方に後燃焼領域が形成される。
廃棄物が焼却される場合、まず水分の蒸発が起こり、次いで熱分解と部分酸化反応が起こり、可燃性ガスが生成し始める。燃焼開始領域で廃棄物の燃焼が始まり、廃棄物の熱分解、部分酸化により可燃性ガスが生成し始める。主燃焼領域で廃棄物の熱分解、部分酸化が行われ可燃性ガスが発生し、その可燃性ガスが火炎を伴って燃焼しているとともに廃棄物の固形分が燃焼する。主燃焼領域は火炎を伴う燃焼が完了する点(燃切点)までの領域である。燃切点より後の領域では、廃棄物中の固形未燃分が燃焼する熾燃焼領域(後燃焼領域)となる。
上記燃焼室2内の乾燥火格子5a、燃焼火格子5b及び後燃焼火格子5cの下部には、それぞれ風箱7a,7b,7cが設けられている。ブロワ8により供給される燃焼用一次空気Pは、燃焼用一次空気供給管9を通って上記各風箱7a,7b,7cに供給され、各火格子5a,5b,5cを通って燃焼室2内に供給される。なお、火格子下から供給される燃焼用一次空気Pは、火格子5a,5b,5c上の廃棄物の乾燥及び燃焼に使われるほか、火格子5a,5b,5cの冷却作用、廃棄物の攪拌作用を有する。
上記燃焼室2の下流側における出口には廃熱ボイラ(図示せず)が連設され、廃熱ボイラの入口近傍が燃焼室2から排出されるガス中の可燃性ガスの未燃分(未燃ガス)を燃焼する二次燃焼室10となっている。廃熱ボイラの一部である二次燃焼室10内で二次燃焼用ガスが吹き込まれ、未燃ガスが二次燃焼し、この二次燃焼の後に燃焼排ガスは廃熱ボイラで熱回収され、蒸気を発生させ蒸気が発電機に用いられる。熱回収された後、廃熱ボイラから排出された燃焼排ガスは、図示しない排ガス処理装置系で消石灰等による酸性ガスの中和と、活性炭によるダイオキシン類の吸着が行われ、さらに図示しない除塵装置に送られ、中和反応生成物、活性炭、ダストなどが回収される。前記除塵装置で除塵され、無害化された後の燃焼排ガスは、図示しない誘引ファンにより誘引され、煙突から大気中に放出される。
このような基本構成である火格子式廃棄物焼却炉において、本実施形態に係る火格子式廃棄物焼却炉1は、上記火格子5の下方から燃焼用一次空気Pを炉内へ供給する一次空気吹込手段、廃棄物投入口3から投入された廃棄物を火格子5へ送り出す給塵機12、火格子の駆動機構、上流側での火格子5上の廃棄物の熱画像を検出する赤外線カメラ13及び検出した熱画像情報を処理して廃棄物状態情報を導出するデータ処理装置14、そして廃棄物状態情報にもとづき廃棄物焼却炉の操業条件を制御する制御装置15を有している。以下、これらの諸装置について説明する。
<一次空気吹込手段>
本実施形態では、火格子式廃棄物焼却炉1は、既述したように燃焼用一次空気Pを吹き込む一次空気吹込手段を備えている。該一次空気吹込手段は、空気供給源からの燃焼用一次空気Pを、燃焼用一次空気供給管9を経て、乾燥火格子5a、燃焼火格子5b及び後燃焼火格子5cのそれぞれの風箱7a,7b,7cに分岐供給管から送り込むようになっており、上記燃焼用一次空気供給管9には、ブロワ8、一次空気供給量調整機構としてのダンパ11そして燃焼用一次空気加熱装置16が設けられている。
燃焼用一次空気Pは、ブロワ8により外部から取り込まれた空気が一次空気加熱装置16により加熱され、燃焼用一次空気供給管9を通って乾燥火格子5a、燃焼火格子5b及び後燃焼火格子5cのそれぞれの下部に設けられた風箱7a,7b,7cに供給された後、各火格子5a,5b,5cを通って燃焼室2内に供給される。燃焼室2内に供給される燃焼用一次空気Pの供給量は、燃焼用一次空気供給管9に設けられた一次空気供給量調整用のダンパ11により調整される。燃焼用一次空気Pの温度は、一次空気加熱装置16における例えばボイラで発生させた蒸気との熱交換条件を制御して調整される。また、風箱7a,7b,7c及び燃焼用一次空気Pを供給するための燃焼用一次空気供給管9等の構成は図示したものに限定されず、焼却炉の規模、形状、用途等により適宜選択され得る。
<給塵機>
本実施形態では、投入筒4の下端に位置する受床4Aの直上で前後方向(図1にて左右方向)に往復動する(図1の矢印X参照)ロッド状の押出部材を有する給塵機12が設けられている。
給塵機12は、押出部材が押出始点(左端位置)と押出終点(右端位置)の間での往復動を繰り返して、往動(燃焼室2へ向けた前進)時に廃棄物Wを押し出して燃焼室2内の上流部(図1における左端側部分)の乾燥火格子5a上に該廃棄物Wを落下供給するようになっている。この給塵機12は、給塵機12の単位時間当りの往復動回数又は往復動速度を変えることで、乾燥火格子5aへの廃棄物Wの供給速度(単位時間あたりの供給量)を制御可能としている。
<火格子の駆動機構>
乾燥火格子5a、燃焼火格子5bそして後燃焼火格子5cは互いに連動するようにリンクで連結されていて、駆動機構(図示せず)により前後往復動し、下流側に向け後方へ移動する際に廃棄物を下流側へ搬送する。上記駆動機構は、火格子5の単位時間当りの往復動回数又は往復動速度を変えることで、火格子の搬送速度(単位時間あたりの廃棄物搬送量)を制御可能としている。
<赤外線カメラ及びデータ処理装置>
燃焼室2の下流側の側壁2Aには赤外線カメラ13が配設されている。該赤外線カメラ13は、側壁2Aに設けられた監視窓に近接して炉外に配設されてもよいし、水冷構造を有して炉内に配設されてもよい。該赤外線カメラ13は、炉の上下方向そして炉幅方向(紙面に対して直角方向)に拡がる測定視野を有し、この測定視野における火格子上の廃棄物のサーモグラフィ情報を熱画像情報として得ることができる。廃棄物層から放射される赤外線の波長と空間における高温ガスそして火炎から放射される赤外線の波長は異なるので、赤外線カメラ13では、測定する赤外線波長を適切に選定することにより測定視野内に火炎が存在していても廃棄物層のみについての温度分布に対応する上記熱画像情報を得ることができる。また、赤外線カメラ13による炉長方向の測定範囲を設定して、上記燃焼領域より上流側位置(火炎より上流側)での火格子5a上の廃棄物層の熱画像情報を得ることができる。
上記赤外線カメラ13には、得られた熱画像情報を処理するためのデータ処理装置14が接続されている。該データ処理装置14は、上記赤外線カメラ13から受けた上記熱画像情報をデータ処理して、火格子上の廃棄物層の表面位置を認識し、廃棄物層の形状及び寸法情報を得て、廃棄物状態情報としての廃棄物層厚情報を得る。
また、データ処理装置14は、上記赤外線カメラ13から受けた上記熱画像情報をデータ処理して、火格子上の廃棄物層の温度を認識し、予め得ている廃棄物層の温度と廃棄物層の乾燥状態との関係にもとづき、廃棄物状態情報としての廃棄物乾燥情報を得る。
上記データ処理装置14は制御装置15に接続されている。該制御装置15はデータ処理装置14から廃棄物層厚情報を受けて、この廃棄物層厚が設定範囲にあるかどうかを判定し、その判定結果にしたがい、火格子5へ廃棄物を供給する給塵機12、火格子5の送り機構(図示せず)、一次空気吹込手段のダンパ11、一次空気加熱装置16の制御のための指令信号を送るように、上記給塵機12、火格子5の送り機構、ダンパ11、一次空気加熱装置16に接続されている。
上記データ処理装置14でのデータ処理要領そして制御装置15による制御方法については、装置の作動について後述する<燃焼制御>の項目にて詳述することにする。
次に、このように構成される本実施形態の装置での焼却状況の概要、廃棄物状態情報の取得、廃棄物燃焼制御について順次説明する。
<焼却状況の概要>
先ず、廃棄物投入口3から投入筒4内へ廃棄物を投入すると、受床4A上に落下した廃棄物は給塵機12の往復動によりその往動時に燃焼室2内の乾燥火格子5a上に供給されて堆積され、駆動機構により駆動される各火格子5a〜5cの往復動作の往動時に、燃焼火格子5b上そして後燃焼火格子5c上へと順次移動し、各火格子上に廃棄物Wの層を形成する。各火格子5a〜5cの下方から、ダンパ11で流量制御され、一次空気加熱装置16で加熱された燃焼用一次空気Pが風箱7a,7b,7cを経て供給されており、これにより各火格子上の廃棄物は乾燥そして燃焼される。
乾燥火格子5a上では主として廃棄物の乾燥と着火が行われる。すなわち、乾燥火格子5aの廃棄物は、乾燥火格子5aの上流側範囲で乾燥され、乾燥火格子5aの下流側範囲で着火して、燃焼火格子5bの上流側範囲(前部)までの範囲で燃焼が開始する。燃焼火格子5b上では主として廃棄物の熱分解、部分酸化が行われ可燃性ガスが発生し、その可燃性ガスが火炎を伴って燃焼するとともに、廃棄物中の固形分の燃焼が行われる。燃焼火格子5b上において廃棄物の燃焼は実質的に完了する。後燃焼火格子5c上では、僅かに残った廃棄物中の固定炭素など未燃分を完全燃焼させる。燃切点より後の領域では、廃棄物中の固形未燃分(チャー)が燃焼され、完全燃焼した後の燃焼灰は、灰排出口6より排出される。
既述のごとく、燃焼室2の出口に、廃熱ボイラが連設されていて、廃熱ボイラの入口近傍が二次燃焼室10となっている。したがって、燃焼室2内で発生した未燃ガスは、二次燃焼室10に導かれ、そこで二次燃焼空気と混合・攪拌され、二次燃焼する。二次燃焼の後に排ガスは廃熱ボイラで熱回収される。熱回収された後、廃熱ボイラから排出された排ガスは、消石灰等による酸性ガスの中和と、活性炭によるダイオキシン類の吸着が行われ、さらに除塵装置(図示せず)に送られ、中和反応生成物、活性炭、ダストなどが回収される。上記除塵装置で除塵され、無害化された後の排ガスは、誘引ファン(図示せず)により誘引され、煙突から大気中に放出される。なお、上記除塵装置としては、例えば、バグフィルタ方式、電気集塵方式等の除塵装置を用いることができる。
<廃棄物状態情報の取得>
(1)廃棄物層の熱画像情報
赤外線カメラ13では、上記燃焼領域より上流側位置での乾燥火格子5a上の廃棄物層の熱画像情報(サーモグラフィ情報)が得られる。廃棄物層から放射される赤外線の波長と空間における高温ガスそして火炎から放射される赤外線の波長は異なるので、赤外線カメラ13では、測定する波長の選定により測定視野内に火炎が存在していても廃棄物層のみについての温度分布に対応する上記熱画像情報を得ることができる。
(2)廃棄物層厚情報
上記赤外線カメラ13で得られた測定視野における熱画像情報がデータ処理装置14へもたらされると、該データ処理装置14では、この熱画像情報を炉の上下方向軸(縦軸)と炉幅方向軸(横軸)による直交座標上に展開し、廃棄物と空間との境界から廃棄物層表面位置の炉幅方向分布を求めて、炉幅方向における廃棄物層厚分布状況、廃棄物層形状を示す廃棄物層厚情報に変換する。かくして、廃棄物状態情報としての火格子上の廃棄物層の厚さを示す廃棄物層厚情報を得る。
(3)廃棄物乾燥情報
上記赤外線カメラ13で得られた測定視野における熱画像情報がデータ処理装置14へもたらされると、該データ処理装置14では、この熱画像情報から廃棄物層の温度を求めて、予め得ている廃棄物層の温度と廃棄物層の乾燥状態との関係にもとづき、廃棄物状態情報としての廃棄物層の乾燥状態を示す廃棄物乾燥情報を得る。焼却炉の運転状況を監視、計測することなどにより、乾燥が十分でなく乾燥の程度が低い状態であると判定されるときの廃棄物層の温度範囲や、過剰に乾燥され乾燥の程度が過剰に高い状態であると判定されるときの廃棄物層の温度範囲を求めておき、廃棄物層の温度と廃棄物層の乾燥状態との関係を予め得ることができる。
<燃焼制御>
本実施形態では、後述するように、データ処理装置14が上記熱画像情報から廃棄物層厚情報および廃棄物乾燥情報を得て、制御装置15が該廃棄物層厚情報および該廃棄物乾燥情報の少なくとも一方に基づいて燃焼制御を行うようになっている。以下、廃棄物層厚情報のみに基づく燃焼制御、廃棄物乾燥情報のみに基づく燃焼制御、廃棄物層厚情報および廃棄物乾燥情報の両方に基づく燃焼制御を順に説明する。
<廃棄物層厚情報のみに基づく燃焼制御>
制御装置15はデータ処理装置14から廃棄物層厚情報を得て、廃棄物層厚を表わす代表層厚値を求め、この代表層厚値をすでに設定されている適正な所定範囲(以下、「所定層厚範囲」という)と比較する。代表層厚値は、種々の方法で定めることが可能であるが、廃棄物層厚は炉幅方向で異なるので、例えば、廃棄物層厚分布の面積平均値として求め、あるいは上記炉幅方向の異なる位置での最大層厚及び最小層厚の高さを求め、上記面積平均値あるいは上記最大層厚と最小層厚で表わされる代表層厚値が所定層厚範囲内にあるか否かを判定する。
上記代表層厚値が上記所定層厚範囲内にある場合は、制御装置15は、燃焼領域より上流側での火格子上の廃棄物層厚すなわち廃棄物量が適正であって燃焼が良好であると判定し、その時点での給塵機の廃棄物供給速度、火格子の廃棄物搬送速度、一次燃焼用空気量、一次燃焼用空気温度等の操業条件を変更せずにそのまま維持する。
次に、廃棄物層厚の代表層厚値が所定層厚範囲よりも高い場合は、火格子上の廃棄物の量がその時点での操業条件における適切な量より過大になっていることを意味しているので、操業条件を火格子上の廃棄物量を減少させるように変更すべく、制御装置15は、給塵機12に対して廃棄物供給速度を減少させ火格子への廃棄物の供給量を減少させる指令、火格子5の駆動機構に対して廃棄物搬送速度を増大させ火格子上の廃棄物を下流側の火格子へ速やかに搬送するとともに攪拌を行い廃棄物と一次燃焼用空気との接触を促進して廃棄物の燃焼を促進する指令、ダンパ11に対して開度を大きくして一次燃焼用空気量を増加させ廃棄物の燃焼を促進する指令、一次空気加熱装置16に対して一次燃焼用空気温度を上昇させ廃棄物の燃焼を促進する指令のうち少なくとも一つの指令を発して、火格子上の廃棄物の燃焼を促進し、火格子上の廃棄物量を減少させる。その結果、火格子上の廃棄物量は適正量となり、代表層厚値を所定層厚範囲に、すなわち廃棄物層厚を好ましい範囲に収めることができる。
次に、廃棄物層厚の代表層厚値が所定層厚範囲よりも低い場合は、火格子上の廃棄物の量がその時点での操業条件における適切な量より過少になっていることを意味しているので、操業条件を火格子上の廃棄物量を増加させるように変更すべく、制御装置15は、給塵機12に対して廃棄物供給速度を増加させ火格子への廃棄物の供給量を増加させる指令、火格子5の駆動機構に対して廃棄物搬送速度を低下させ火格子上の廃棄物の下流側の火格子への搬送を減少させ廃棄物と一次燃焼用空気との接触を減少させて廃棄物の燃焼を緩和する指令、ダンパ11に対して開度を小さくして一次燃焼用空気量を減少させ廃棄物の燃焼を緩和する指令、一次空気加熱装置16に対して一次燃焼用空気温度を下降させ廃棄物の燃焼を緩和する指令のうち少なくとも一つの指令を発して、火格子上の廃棄物の燃焼を緩和し、火格子上の廃棄物量を増加させる。その結果、火格子上の廃棄物量は適正量となり、代表層厚値を所定層厚範囲に、すなわち廃棄物層厚を好ましい範囲に収めることができる。
上記の実施形態では、火格子上の廃棄物層の熱画像情報をデータ処理して、火格子上の廃棄物層の形状及び寸法情報を得て、廃棄物状態情報として廃棄物層厚情報を得ることとしているが、廃棄物状態情報として火格子上の廃棄物量情報を得るようにしてもよい。その場合には、求めた廃棄物層厚情報に廃棄物の嵩密度を組合せ、廃棄物量情報を得るようにする。
<廃棄物乾燥情報のみに基づく制御>
制御装置15はデータ処理装置14から廃棄物乾燥情報を得て、この廃棄物乾燥情報によって示される廃棄物乾燥状態をすでに設定されている適正な所定範囲(以下、「所定乾燥状態範囲」という)と比較する。
上記廃棄物層乾燥状態が上記所定乾燥状態範囲内にある場合は、制御装置15は、火格子上の廃棄物層の乾燥状態が適正であると判定し、その時点での給塵機の廃棄物供給速度、火格子の廃棄物搬送速度、一次燃焼用空気量、一次燃焼用空気温度等の操業条件を変更せずにそのまま維持する。
次に、廃棄物層の乾燥状態が所定乾燥状態範囲よりも低い場合は、操業条件を火格子上の廃棄物の乾燥を促進させるように変更すべく、制御装置15は、給塵機12に対して廃棄物供給速度を減少させ火格子への廃棄物の供給量を減少させる指令、火格子5の駆動機構に対して廃棄物搬送速度を増大させ火格子上の廃棄物を下流側の火格子へ速やかに搬送するとともに攪拌を行い廃棄物と一次燃焼用空気との接触を促進して廃棄物の乾燥を促進する指令、ダンパ11に対して開度を大きくして一次燃焼用空気量を増加させ廃棄物の乾燥を促進する指令、一次空気加熱装置16に対して一次燃焼用空気温度を上昇させ廃棄物の乾燥を促進する指令のうち少なくとも一つの指令を発して、火格子上の廃棄物の乾燥を促進させる。その結果、火格子上の廃棄物の乾燥状態を好ましい範囲に収めることができる。
次に、廃棄物層の乾燥状態が所定乾燥状態範囲よりも高い場合は、操業条件を火格子上の廃棄物の乾燥を緩和させるように変更すべく、制御装置15は、給塵機12に対して廃棄物供給速度を増加させ火格子への廃棄物の供給量を増加させる指令、火格子5の駆動機構に対して廃棄物搬送速度を低下させ火格子上の廃棄物の下流側の火格子への搬送を減少させ廃棄物と一次燃焼用空気との接触を減少させて廃棄物の乾燥を緩和する指令、ダンパ11に対して開度を小さくして一次燃焼用空気量を減少させ廃棄物の乾燥を緩和する指令、一次空気加熱装置16に対して一次燃焼用空気温度を下降させ廃棄物の乾燥を緩和する指令のうち少なくとも一つの指令を発して、火格子上の廃棄物の乾燥を緩和させる。その結果、火格子上の廃棄物の乾燥状態を好ましい範囲に収めることができる。
<廃棄物層厚情報および廃棄物乾燥情報の両方に基づく制御>
データ処理装置14は、既述したのと同じ要領で、赤外線カメラ13からの熱画像情報から廃棄物状態情報として廃棄物層厚情報および廃棄物乾燥情報の両方を得る。
制御装置15は、既述したのと同じ要領で、データ処理装置14から得た廃棄物層厚情報から代表層厚値を求め、この代表層厚値をすでに設定されている所定層厚範囲と比較する。以下、上記代表層厚値が上記所定層厚範囲内にある場合、上記代表層厚値が上記所定層厚範囲よりも高い場合、上記代表層厚値が上記所定層厚範囲よりも低い場合に分けて、燃焼制御について説明する。
[代表層厚値が所定層厚範囲内にある場合]
制御装置15は、既述したのと同じ要領で、データ処理装置14から得た廃棄物乾燥情報から廃棄物層の乾燥状態を求め、廃棄物層乾燥状態をすでに設定されている所定乾燥状態範囲と比較する。そして、該制御装置15は、廃棄物層乾燥状態が所定乾燥状態範囲内にある場合、所定乾燥状態範囲よりも低い場合、所定乾燥状態範囲よりも高い場合のそれぞれに応じて、既述した<廃棄物乾燥情報のみに基づく制御>の項目で説明したのと同じ要領で操業条件を変更する。
[代表層厚値が所定層厚範囲より高い場合]
制御装置15は、廃棄物乾燥情報をすでに設定されている所定乾燥状態範囲と比較する。廃棄物乾燥状態が所定乾燥状態範囲内にある場合は、制御装置15は、既述した<廃棄物層厚情報のみに基づく制御>の項目で説明したのと同じ要領で操業条件を変更する。
廃棄物層の乾燥状態が所定乾燥状態範囲よりも低い場合は、火格子上の廃棄物の燃焼と乾燥を促進させるように操業条件を変更すべく、制御装置15は、給塵機12に対して廃棄物供給速度を減少させ火格子への廃棄物の供給量を減少させる指令、火格子5の駆動機構に対して廃棄物搬送速度を増大させ火格子上の廃棄物を下流側の火格子へ速やかに搬送するとともに攪拌を行い廃棄物と一次燃焼用空気との接触を促進して廃棄物の乾燥を促進する指令、ダンパ11に対して開度を大きくして一次燃焼用空気量を増加させ廃棄物の乾燥を促進する指令、一次空気加熱装置16に対して一次燃焼用空気温度を上昇させ廃棄物の乾燥を促進する指令のうち少なくとも一つの指令を発して、火格子上の廃棄物の乾燥を促進させる。その結果、火格子上の廃棄物の乾燥状態を好ましい範囲に収めることができる。また、廃棄物の燃焼を促進させる結果、火格子上の廃棄物量が減少するので、火格子上の廃棄物量は適正量となり、代表層厚値を所定層厚範囲に、すなわち廃棄物層厚を好ましい範囲に収めることができる。
一方、廃棄物層の乾燥状態が所定乾燥状態範囲よりも高い場合には、制御装置15は、廃棄物層の乾燥状態を所定乾燥状態範囲内に収めることよりも、代表層厚値を所定層厚範囲に収めることを優先して、火格子上の廃棄物量を減少させるように操業条件を変更する。すなわち、制御装置15は、給塵機12に対して廃棄物供給速度を減少させ火格子への廃棄物の供給量を減少させる指令、火格子5の駆動機構に対して廃棄物搬送速度を増大させ火格子上の廃棄物を下流側の火格子へ速やかに搬送するとともに攪拌を行い廃棄物と一次燃焼用空気との接触を促進して廃棄物の燃焼を促進する指令、ダンパ11に対して開度を大きくして一次燃焼用空気量を増加させ廃棄物の燃焼を促進する指令、一次空気加熱装置16に対して一次燃焼用空気温度を上昇させ廃棄物の燃焼を促進する指令のうち少なくとも一つの指令を発して、火格子上の廃棄物の燃焼を促進し、火格子上の廃棄物量を減少させる。その結果、火格子上の廃棄物量は適正量となり、代表層厚値を所定層厚範囲に、すなわち廃棄物層厚を好ましい範囲に収めることができる。
[代表層厚値が所定層厚範囲より低い場合]
制御装置15は、廃棄物乾燥情報をすでに設定されている所定乾燥状態範囲と比較する。廃棄物層乾燥状態が所定乾燥状態範囲内にある場合は、制御装置15は、既述した<廃棄物層厚情報のみに基づく制御>の項目で説明したのと同じ要領で操業条件を変更する。
廃棄物層の乾燥状態が所定乾燥状態範囲よりも低い場合は、制御装置15は、代表層厚値を所定層厚範囲に収めることよりも、廃棄物層の乾燥状態を所定乾燥状態範囲内に収めることを優先して、火格子上の廃棄物の乾燥を促進させるように操業条件を変更する。すなわち、制御装置15は、給塵機12に対して廃棄物供給速度を減少させ火格子への廃棄物の供給量を減少させる指令、火格子5の駆動機構に対して廃棄物搬送速度を増大させ火格子上の廃棄物を下流側の火格子へ速やかに搬送するとともに攪拌を行い廃棄物と一次燃焼用空気との接触を促進して廃棄物の乾燥を促進する指令、ダンパ11に対して開度を大きくして一次燃焼用空気量を増加させ廃棄物の乾燥を促進する指令、一次空気加熱装置16に対して一次燃焼用空気温度を上昇させ廃棄物の乾燥を促進する指令のうち少なくとも一つの指令を発して、火格子上の廃棄物の乾燥を促進させる。その結果、火格子上の廃棄物の乾燥状態を好ましい範囲に収めることができる。
一方、廃棄物層の乾燥状態が所定乾燥状態範囲よりも高い場合には、火格子上の廃棄物の燃焼と乾燥を緩和させるように操業条件を変更すべく、制御装置15は、給塵機12に対して廃棄物供給速度を増加させ火格子への廃棄物の供給量を増加させる指令、火格子5の駆動機構に対して廃棄物搬送速度を低下させ火格子上の廃棄物の下流側の火格子への搬送を減少させ廃棄物と一次燃焼用空気との接触を減少させて廃棄物の乾燥と燃焼を緩和する指令、ダンパ11に対して開度を小さくして一次燃焼用空気量を減少させ廃棄物の乾燥を緩和する指令、一次空気加熱装置16に対して一次燃焼用空気温度を下降させ廃棄物の乾燥と燃焼を緩和する指令のうち少なくとも一つの指令を発して、火格子上の廃棄物の乾燥と燃焼を緩和させる。その結果、火格子上の廃棄物の乾燥状態を好ましい範囲に収めることができる。また、廃棄物の燃焼を緩和させる結果、火格子上の廃棄物量が増加するので、火格子上の廃棄物量は適正量となり、代表層厚値を所定層厚範囲に、すなわち廃棄物層厚を好ましい範囲に収めることができる。
廃棄物層厚情報および廃棄物乾燥情報の両方に基づく制御について上記の制御内容は一例であり、これに限らず、廃棄物層厚情報にもとづく制御と廃棄物乾燥情報にもとづく制御の優先度を選択することができるし、また、焼却炉の他の運転制御指標(炉内温度、排ガス温度、排ガス組成等)を考慮して、上記優先度を選択することができる。
また、廃棄物層厚情報および廃棄物乾燥情報の両方にもとづき制御する際に、給塵機の廃棄物供給速度等の各操作端の操作量の増減など制御変動量を導出するときに、各々の情報にもとづく制御に重み付けを行うようにパラメータ設定することも可能である。以下にパラメータ設定を行い制御する例を挙げ説明する。
[パラメータ設定による制御]
例えば、制御開始前に給塵機の廃棄物供給速度Vを0.3往復/分で運転しているとき、廃棄物層厚情報にもとづく運転指令が20%増速であり、廃棄物乾燥情報からの運転指令が10%減速である場合に、各々の情報にもとづく制御に重み付けをするパラメータ(X、Y)を設定し、下記(1)式により算出して廃棄物供給速度Vを制御する運転指令を発信する。
X:廃棄物層厚情報パラメータ
Y:廃棄物乾燥情報パラメータ
V=0.3往復/分×(1.2X+0.9Y)/(X+Y) (1)
1 火格子式廃棄物焼却炉
2 燃焼室
5(5a〜5c) 火格子
7(7a〜7c) 一次空気吹込手段(風箱)
9 一次空気吹込手段(燃焼用一次空気供給管)
12 給塵機
13 赤外線カメラ
14 データ処理装置
15 制御装置
16 一次空気加熱装置
W 廃棄物

Claims (2)

  1. 火格子式廃棄物焼却炉であって、火格子を備え該火格子上の廃棄物を燃焼する燃焼室と、燃焼用一次空気を上記火格子の下から上記燃焼室内に吹き込む一次空気吹込手段と、火格子上に廃棄物を供給する給塵機とを有する火格子式廃棄物焼却炉において、
    燃焼室の下流側壁面に設けられ火格子上の廃棄物の熱画像情報を得る赤外線カメラと、
    熱画像情報から火格子上の廃棄物層の厚さを示す廃棄物層厚情報と火格子上の廃棄物層の乾燥状態を示す廃棄物層乾燥情報を廃棄物状態情報として得るデータ処理装置と、
    廃棄物層厚情報及び廃棄物層乾燥情報にもとづき焼却炉の操業条件を制御する制御装置とを備え、
    赤外線カメラは、燃焼室内の上下方向そして幅方向に拡がる測定視野を有するとともに、燃焼室長さ方向の測定範囲を設定されていて、この測定視野における廃棄物燃焼領域より上流側であって火炎より上流側位置での火格子上の廃棄物のサーモグラフィ情報を熱画像情報として得て、
    データ処理装置は、赤外線カメラから受けた熱画像情報を燃焼室の上下方向軸と幅方向軸による直交座標上に展開し、廃棄物と空間との境界から廃棄物層表面位置を認識し直交座標上での廃棄物層表面位置の燃焼室幅方向分布を求めて、燃焼室幅方向における廃棄物層厚分布状況を示す廃棄物層厚情報を得て、
    さらに、データ処理装置は、赤外線カメラから受けた熱画像情報をデータ処理して、火格子上の廃棄物層の温度を求め、予め得ている廃棄物層の温度と廃棄物層の乾燥状態との関係にもとづき、廃棄物層の温度から廃棄物層の乾燥状態を示す廃棄物層乾燥情報を得て、
    廃棄物層の温度と廃棄物層の乾燥状態との関係は、焼却炉の運転状況を監視、計測することにより、乾燥が不十分で乾燥程度が低い状態であると判定されるときの廃棄物層の温度範囲を求めることと、過剰に乾燥され乾燥程度が過剰に高い状態であると判定されるときの廃棄物層の温度範囲を求めることにより、予め得られている関係であり、
    制御装置は、データ処理装置から廃棄物層厚情報を得て、廃棄物層厚を表わす代表層厚値を求め、この代表層厚値を予め設定されている適正な所定層厚範囲と比較し、代表層厚値が所定層厚範囲内にあるか否かを判定するとともに、データ処理装置から廃棄物層乾燥情報を得て、この廃棄物層乾燥情報によって示される廃棄物層乾燥状態を予め設定されている適正な所定乾燥状態範囲と比較し、廃棄物層乾燥状態が所定乾燥状態範囲内にあるか否かを判定し、
    代表層厚値が所定層厚範囲内にあり、廃棄物層乾燥状態が所定乾燥状態範囲内にある場合は、燃焼領域より上流側での火格子上の廃棄物層厚が適正であり、火格子上の廃棄物層の乾燥状態が適正であると判定し、その時点での焼却炉の操業条件を変更せずにそのまま維持し、
    代表層厚値が所定層厚範囲内にあり、廃棄物層乾燥状態が所定乾燥状態範囲よりも低い場合は、火格子上の廃棄物の乾燥を促進させ火格子上の廃棄物の乾燥状態を所定乾燥状態範囲に収めるように焼却炉の操業条件を制御し、
    代表層厚値が所定層厚範囲内にあり、廃棄物層乾燥状態が所定乾燥状態範囲よりも高い場合は、火格子上の廃棄物の乾燥を緩和させ火格子上の廃棄物の乾燥状態を所定乾燥状態範囲に収めるように焼却炉の操業条件を制御し、
    代表層厚値が所定層厚範囲より高く、廃棄物層乾燥状態が所定乾燥状態範囲内にある場合は、火格子上の廃棄物量が過大になっていると判定し、さらに、火格子上の廃棄物層の乾燥状態が適正であると判定し、火格子上の廃棄物の燃焼を促進し、火格子上の廃棄物量を減少させ、火格子上の廃棄物量を適正量とし、代表層厚値を所定層厚範囲に収めるように焼却炉の操業条件を制御し、
    代表層厚値が所定層厚範囲より高く、廃棄物層乾燥状態が所定乾燥状態範囲よりも低い場合は、火格子上の廃棄物の乾燥を促進させ、火格子上の廃棄物の乾燥状態を好ましい範囲に収め、また、廃棄物の燃焼を促進させ、火格子上の廃棄物量を減少させ、火格子上の廃棄物量を適正量とし、代表層厚値を所定層厚範囲に収めるように焼却炉の操業条件を制御し、
    代表層厚値が所定層厚範囲より高く、廃棄物層乾燥状態が所定乾燥状態範囲よりも高い場合は、廃棄物層の乾燥状態を所定乾燥状態範囲内に収めることよりも、代表層厚値を所定層厚範囲に収めることを優先して、火格子上の廃棄物の燃焼を促進させ火格子上の廃棄物量を減少させ、火格子上の廃棄物量を適正量とし、代表層厚値を所定層厚範囲に収めるように焼却炉の操業条件を制御し、
    代表層厚値が所定層厚範囲より低く、廃棄物層乾燥状態が所定乾燥状態範囲内にある場合は、火格子上の廃棄物量が適切な量より過少になっていると判定し、焼却炉の操業条件を火格子上の廃棄物の燃焼を緩和させ火格子上の廃棄物量を増加させ、火格子上の廃棄物量を適正量とし、代表層厚値を所定層厚範囲に収めるように制御し、
    代表層厚値が所定層厚範囲より低く、廃棄物層乾燥状態が所定乾燥状態範囲よりも低い場合は、代表層厚値を所定層厚範囲に収めることよりも、廃棄物層の乾燥状態を所定乾燥状態範囲内に収めることを優先して、火格子上の廃棄物の乾燥を促進させ、火格子上の廃棄物の乾燥状態を好ましい範囲に収めるように焼却炉の操業条件を制御し、
    代表層厚値が所定層厚範囲より低く、廃棄物層乾燥状態が所定乾燥状態範囲よりも高い場合は、火格子上の廃棄物の乾燥を緩和させ、火格子上の廃棄物の乾燥状態を好ましい範囲に収めるとともに、廃棄物の燃焼を緩和させ、火格子上の廃棄物量を増加させ、火格子上の廃棄物量を適正量とし、代表層厚値を所定層厚範囲に、すなわち廃棄物層厚を好ましい範囲に収めるように焼却炉の操業条件を制御し、
    上記制御装置は、火格子上の廃棄物の燃焼及び乾燥の少なくとも一方を促進する焼却炉の操業条件の制御として、給塵機に対して廃棄物供給速度を減少させ火格子への廃棄物の供給量を減少させる指令、火格子の駆動機構に対して廃棄物搬送速度を増大させ火格子上の廃棄物を下流側の火格子へ速やかに搬送するとともに攪拌を促進させ廃棄物と一次燃焼用空気との接触を促進させる指令、ダンパに対して開度を大きくして一次燃焼用空気量を増加させる指令、一次空気加熱装置に対して一次燃焼用空気温度を上昇させる指令のうち少なくとも一つの指令を発し、
    火格子上の廃棄物の燃焼及び乾燥の少なくとも一方を緩和する焼却炉の操業条件の制御として、給塵機に対して廃棄物供給速度を増加させ火格子への廃棄物の供給量を増加させる指令、火格子の駆動機構に対して廃棄物搬送速度を低下させ火格子上の廃棄物を下流側の火格子へゆっくり搬送するとともに攪拌を減少させ廃棄物と一次燃焼用空気との接触を減少させる指令、ダンパに対して開度を小さくして一次燃焼用空気量を減少させる指令、一次空気加熱装置に対して一次燃焼用空気温度を下降させる指令のうち少なくとも一つの指令を発する
    ことを特徴とする火格子式廃棄物焼却炉。
  2. 火格子式廃棄物焼却炉による廃棄物焼却方法であって、燃焼室内に備えられた火格子上で廃棄物を燃焼し、給塵機により火格子上に廃棄物を供給し、燃焼用一次空気を上記火格子の下から上記燃焼室内に吹き込む火格子式廃棄物焼却炉による廃棄物焼却方法において、
    燃焼室の下流側壁面に設けられた赤外線カメラで火格子上の廃棄物の熱画像情報を取得する熱画像情報取得工程と、熱画像情報をデータ処理装置でデータ処理して火格子上の廃棄物層の乾燥状態を示す廃棄物層乾燥情報及び廃棄物層の厚さを示す廃棄物層厚情報を廃棄物状態情報として取得する廃棄物状態情報取得工程と、廃棄物層乾燥情報及び廃棄物層厚情報にもとづき焼却炉の操業条件を制御装置で制御する制御工程とを備え、
    熱画像情報取得工程にて、赤外線カメラが、燃焼室内の上下方向そして幅方向に拡がる測定視野を有するとともに、燃焼室長さ方向の測定範囲を設定されていて、この測定視野における廃棄物燃焼領域より上流側であって火炎より上流側位置での火格子上の廃棄物のサーモグラフィ情報を熱画像情報として得て、
    廃棄物状態情報取得工程にて、データ処理装置が、赤外線カメラから受けた熱画像情報を燃焼室の上下方向軸と幅方向軸による直交座標上に展開し、廃棄物と空間との境界から廃棄物層表面位置を認識し直交座標上での廃棄物層表面位置の燃焼室幅方向分布を求めて、燃焼室幅方向における廃棄物層厚分布状況を示す廃棄物層厚情報を得て、
    さらに、データ処理装置が、赤外線カメラから受けた熱画像情報をデータ処理して、火格子上の廃棄物層の温度を求め、予め得ている廃棄物層の温度と廃棄物層の乾燥状態との関係にもとづき、廃棄物層の温度から廃棄物層の乾燥状態を示す廃棄物層乾燥情報を得て、
    廃棄物層の温度と廃棄物層の乾燥状態との関係は、焼却炉の運転状況を監視、計測することにより、乾燥が不十分で乾燥程度が低い状態であると判定されるときの廃棄物層の温度範囲を求めることと、過剰に乾燥され乾燥程度が過剰に高い状態であると判定されるときの廃棄物層の温度範囲を求めることにより、予め得られている関係であり、
    制御工程にて、制御装置が、データ処理装置から廃棄物層厚情報を得て、廃棄物層厚を表わす代表層厚値を求め、この代表層厚値を予め設定されている適正な所定層厚範囲と比較し、代表層厚値が所定層厚範囲内にあるか否かを判定するとともに、データ処理装置から廃棄物層乾燥情報を得て、この廃棄物層乾燥情報によって示される廃棄物層乾燥状態を予め設定されている適正な所定乾燥状態範囲と比較し、廃棄物層乾燥状態が所定乾燥状態範囲内にあるか否かを判定し、
    代表層厚値が所定層厚範囲内にあり、廃棄物層乾燥状態が所定乾燥状態範囲内にある場合は、燃焼領域より上流側での火格子上の廃棄物層厚が適正であり、火格子上の廃棄物層の乾燥状態が適正であると判定し、その時点での焼却炉の操業条件を変更せずにそのまま維持し、
    代表層厚値が所定層厚範囲内にあり、廃棄物層乾燥状態が所定乾燥状態範囲よりも低い場合は、火格子上の廃棄物の乾燥を促進させ火格子上の廃棄物の乾燥状態を所定乾燥状態範囲に収めるように焼却炉の操業条件を制御し、
    代表層厚値が所定層厚範囲内にあり、廃棄物層乾燥状態が所定乾燥状態範囲よりも高い場合は、火格子上の廃棄物の乾燥を緩和させ火格子上の廃棄物の乾燥状態を所定乾燥状態範囲に収めるように焼却炉の操業条件を制御し、
    代表層厚値が所定層厚範囲より高く、廃棄物層乾燥状態が所定乾燥状態範囲内にある場合は、火格子上の廃棄物量が過大になっていると判定し、さらに、火格子上の廃棄物層の乾燥状態が適正であると判定し、火格子上の廃棄物の燃焼を促進し、火格子上の廃棄物量を減少させ、火格子上の廃棄物量を適正量とし、代表層厚値を所定層厚範囲に収めるように焼却炉の操業条件を制御し、
    代表層厚値が所定層厚範囲より高く、廃棄物層乾燥状態が所定乾燥状態範囲よりも低い場合は、火格子上の廃棄物の乾燥を促進させ、火格子上の廃棄物の乾燥状態を好ましい範囲に収め、また、廃棄物の燃焼を促進させ、火格子上の廃棄物量を減少させ、火格子上の廃棄物量を適正量とし、代表層厚値を所定層厚範囲に収めるように焼却炉の操業条件を制御し、
    代表層厚値が所定層厚範囲より高く、廃棄物層乾燥状態が所定乾燥状態範囲よりも高い場合は、廃棄物層の乾燥状態を所定乾燥状態範囲内に収めることよりも、代表層厚値を所定層厚範囲に収めることを優先して、火格子上の廃棄物の燃焼を促進させ火格子上の廃棄物量を減少させ、火格子上の廃棄物量を適正量とし、代表層厚値を所定層厚範囲に収めるように焼却炉の操業条件を制御し、
    代表層厚値が所定層厚範囲より低く、廃棄物層乾燥状態が所定乾燥状態範囲内にある場合は、火格子上の廃棄物量が適切な量より過少になっていると判定し、焼却炉の操業条件を火格子上の廃棄物の燃焼を緩和させ火格子上の廃棄物量を増加させ、火格子上の廃棄物量を適正量とし、代表層厚値を所定層厚範囲に収めるように制御し、
    代表層厚値が所定層厚範囲より低く、廃棄物層乾燥状態が所定乾燥状態範囲よりも低い場合は、代表層厚値を所定層厚範囲に収めることよりも、廃棄物層の乾燥状態を所定乾燥状態範囲内に収めることを優先して、火格子上の廃棄物の乾燥を促進させ、火格子上の廃棄物の乾燥状態を好ましい範囲に収めるように焼却炉の操業条件を制御し、
    代表層厚値が所定層厚範囲より低く、廃棄物層乾燥状態が所定乾燥状態範囲よりも高い場合は、火格子上の廃棄物の乾燥を緩和させ、火格子上の廃棄物の乾燥状態を好ましい範囲に収めるとともに、廃棄物の燃焼を緩和させ、火格子上の廃棄物量を増加させ、火格子上の廃棄物量を適正量とし、代表層厚値を所定層厚範囲に、すなわち廃棄物層厚を好ましい範囲に収めるように焼却炉の操業条件を制御し、
    上記制御装置が、火格子上の廃棄物の燃焼及び乾燥の少なくとも一方を促進する焼却炉の操業条件の制御として、給塵機に対して廃棄物供給速度を減少させ火格子への廃棄物の供給量を減少させる指令、火格子の駆動機構に対して廃棄物搬送速度を増大させ火格子上の廃棄物を下流側の火格子へ速やかに搬送するとともに攪拌を促進させ廃棄物と一次燃焼用空気との接触を促進させる指令、ダンパに対して開度を大きくして一次燃焼用空気量を増加させる指令、一次空気加熱装置に対して一次燃焼用空気温度を上昇させる指令のうち少なくとも一つの指令を発し、
    火格子上の廃棄物の燃焼及び乾燥の少なくとも一方を緩和する焼却炉の操業条件の制御として、給塵機に対して廃棄物供給速度を増加させ火格子への廃棄物の供給量を増加させる指令、火格子の駆動機構に対して廃棄物搬送速度を低下させ火格子上の廃棄物を下流側の火格子へゆっくり搬送するとともに攪拌を減少させ廃棄物と一次燃焼用空気との接触を減少させる指令、ダンパに対して開度を小さくして一次燃焼用空気量を減少させる指令、一次空気加熱装置に対して一次燃焼用空気温度を下降させる指令のうち少なくとも一つの指令を発する
    ことを特徴とする火格子式廃棄物焼却炉による廃棄物焼却方法。
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