JP6428141B2 - サイドエアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の乗員の側方に展開されるエアバッグを具備したサイドエアバッグ装置に関する。
従来、車両に搭載されるエアバッグ装置の一つとして、乗員とドアパネルとの間にエアバッグを展開させるサイドエアバッグ装置が知られている。サイドエアバッグは、車両衝突等の際にサイドドアに沿って瞬時に膨張し、乗員の胸部や腹部を保護するように機能する。一方、近年では、サイドエアバッグの形状に特徴を加えることによって、保護性能をより向上させることが検討されている。
例えば、サイドエアバッグの上部に、乗員の上腕部に対して下方から対向する凹みを形成したものが提案されている(特許文献1参照)。また、サイドエアバッグのうち乗員の上腕部に当接する部分に、上腕部を下方から押し上げる湾曲面を形成したものも提案されている(特許文献2,3参照)。これらの構造により、乗員の上腕部や肩部が上方へと持ち上げられやすくなり、上腕部による胸部への押し付け荷重が軽減されうる。
特許第5445595号公報 特開2013-252773号公報 国際公開第2013/183130号
上記の特許文献1に記載されたサイドエアバッグは、乗員の側方において、乗員の肩部よりも下方に展開される。そのため、乗員の胸部や腹部は保護しうるが、乗員の肩部の保護性を向上させるためには改善の余地があった。一方で、上記の特許文献2,3に記載されたサイドエアバッグは、乗員の肩部の側方にも展開されるため肩部を保護しうる。しかしながらこのサイドエアバッグでは、乗員の上腕部が持ち上げられるときに乗員の肩部がサイドエアバッグによって動きを拘束され、上腕部が移動し難くなる可能性がある。
本件は、上記のような課題に鑑み創案されたものであり、乗員の肩部を保護しつつ、乗員の上腕部をスムーズに上方へと持ち上げることができるようにした、サイドエアバッグ装置を提供することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)ここで開示するサイドエアバッグ装置は、車両側面と乗員との間に展開されるエアバッグを具備する。また、このサイドエアバッグ装置は、前記乗員の脇部下方に展開する第一チャンバと、展開完了状態で前記第一チャンバの上方に位置するように前記第一チャンバと連通される第二チャンバと、前記エアバッグの展開開始時に前記第二チャンバを前記第一チャンバよりも前記車両側面側に拘束し、展開が進行すると拘束を解除する拘束手段と、展開完了状態で前記第一チャンバの下方に位置するように前記第一チャンバと連通される第三チャンバと、を備え、前記拘束手段が、前記エアバッグの展開開始時に前記第二チャンバを前記第三チャンバと連結し、前記第三チャンバを前記第一チャンバよりも前記車両側面側に拘束することを特徴としている。
こで、前記拘束手段は、前記連結によって前記第二チャンバ及び前記第三チャンバを前記第一チャンバよりも前記車両側面側に拘束し、前記連結を解除することによって、前記第二チャンバ及び前記第三チャンバの拘束を解除することが好ましい。
)また、前記拘束手段が、前記エアバッグの展開開始時に、前記第二チャンバと前記第三チャンバとに固定された状態で前記第二チャンバと前記第三チャンバとを互いに隣接させる長さに形成されていることが好ましい。
)また、前記第一チャンバが、前記車両側面側に設けられ、展開開始時に前記第二チャンバと前記第三チャンバとの間に収納されている余剰部を有することが好ましい。
)また、前記サイドエアバッグ装置は、前記第一チャンバの内部にガスを供給するインフレータを備えることが好ましい。
)また、前記サイドエアバッグ装置は、前記第一チャンバと前記第二チャンバとを連通するダクトを備えることが好ましい。
開示のサイドエアバッグ装置によれば、エアバッグの展開開始時に、拘束手段が第二チャンバを第一チャンバよりも車両側面側(車両外側)に拘束するため、乗員の肩部が第二チャンバによって拘束されることを回避することができる。そのため、第一チャンバの展開によって、乗員の上腕部をスムーズに上方へと持ち上げることができる。また、第二チャンバは、展開完了状態で第一チャンバの上方に位置するように第一チャンバと連通されるため、エアバッグの展開完了状態では乗員の肩部を第二チャンバによって保護することができる。したがって、開示のサイドエアバッグ装置によれば、乗員の肩部を保護しつつ、乗員の上腕部をスムーズに上方へと持ち上げることができる。
一実施形態に係るサイドエアバッグ装置が適用された車両用シートに乗員が着座した状態を示す模式的な側面図であり、(a)はエアバッグの展開初期状態、(b)はエアバッグの展開完了状態である。 図1(b)のエアバッグの斜視図である。 (a)は図1(a)のエアバッグの縦断面図〔図1(a)のA−A矢視断面図〕であり、(b)は図1(b)のエアバッグの縦断面図〔図1(b)のB−B矢視断面図〕である。 図1のサイドエアバッグ装置による作用を説明するための模式図であり、(a)はエアバッグの展開初期状態、(b)はエアバッグの展開完了状態である。 一変形例に係るサイドエアバッグ装置の構成とその作用とを説明するための図4に対応する模式図であり、(a)はエアバッグの展開初期状態、(b)はエアバッグの展開完了状態である。 他の変形例に係るエアバッグの展開完了状態を示す図であり、(a)は側面図、(b)は縦断面図〔図6(a)のC−C断面図〕である。 拘束手段の変形例を説明するための図〔図6のエアバッグの展開初期状態を示す縦断面図〕であり、(a)は第二チャンバと第三チャンバとが縫合される場合、(b)は第二チャンバと第三チャンバとのそれぞれが第一チャンバに縫合される場合である。
以下、図面により実施の形態について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。以下の実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
[1.構成]
本実施形態に係るサイドエアバッグ装置1は、図1に示す車両用シート10に適用される。このサイドエアバッグ装置1は、車両用シート10のシートバック11の内部であって、車幅方向外側の側面11aの内側に折り畳まれて収容されている。図1には、左側座席(左ハンドル車両における運転席であり、右ハンドル車両における助手席)の左側面に配置されたサイドエアバッグ装置1を例示する。なお、右側座席(右ハンドル車両における助手席であり、左ハンドル車両の運転席)にも同様の(面対称の)サイドエアバッグ装置1が配置される。
以下、サイドエアバッグ装置1について、車両用シート10の側面視でシートバック11の長手方向に沿う方向を上下方向という。また、車両用シート10の側面視で、上下方向に直交する方向を前後方向という。図1に示すように、一般にシートバック11は、上端が下端よりもやや車両後ろ側に位置するように傾斜した状態で使用される。そのため、本実施形態に係るサイドエアバッグ装置1の上下方向及び前後方向は、それぞれ鉛直方向及び水平方向に対してやや傾斜した方向である。
このサイドエアバッグ装置1には、エアバッグ2,テザー3,インフレータ4が設けられる。
エアバッグ2は、車両衝突等の際に車両側面と乗員30との間に展開される布製の袋である。このエアバッグ2は、ここでは車両側面を形成するサイドドア20(図4参照)に沿って瞬時に膨張展開し、乗員30を保護するように機能する。図1(b)に示すように、展開完了状態におけるエアバッグ2は、側面視で乗員30の肩部31,胸部32及び腹部33の部位を全てカバーする縦長の範囲に亘って配置される。
図1〜図3に示すように、本実施形態に係るエアバッグ2は、三つのチャンバ5,6,7と、これらのチャンバ5,6,7を接続する二本のダクト8A,8Bとを有する。各チャンバ5,6,7は、内部に空間を有するように形成された袋体である。また、各ダクト8A,8Bは、両端部が開放された筒体である。ここでは、三つのチャンバ5,6,7の内部の空間が、ダクト8A,8Bによって連通されている。これにより、エアバッグ2の内部には、一つの連続した空間が形成されている。
三つのチャンバ5,6,7は、展開完了状態〔図1(b),図2及び図3(b)参照〕では、乗員30の側部に沿って上下方向に並んで配置される。以下、展開完了状態における三つのチャンバ5,6,7のうち、最も上方に配置されるものを上チャンバ5といい、最も下方に配置されるものを下チャンバ6といい、上チャンバ5と下チャンバ6との間に配置されるものを中チャンバ7という。
なお、図1(b),図2及び図3(b)に示す一点鎖線Oは、車両前後方向及び車両左右方向(車幅方向)におけるエアバッグ2の中心を通る線であり、以下、この線をエアバッグ2の中心線Oという。また、上チャンバ5と下チャンバ6とが隣接した位置に配置されている状態を、エアバッグ2の展開初期状態〔図1(a)及び図3(a)参照〕という。
インフレータ4は、エアバッグ2を膨張させるためのガスを供給する装置であり、シートバック11の内部やエアバッグ2の内部に設けられる。ここではインフレータ4は、中チャンバ7の内部に設けられ、中チャンバ7の内部の空間に直接的にガスを噴射する。つまり、インフレータ4によって噴射されたガスは、まず中チャンバ7の内部に供給され、次にダクト8A,8Bを通じて上チャンバ5及び下チャンバ6の内部にも供給される。インフレータ4は、例えば、車両に大きな衝撃力が与えられたことや車両加速度が所定値以上になったことを条件として、ガスの供給を開始する。ガスの供給手法は任意であり、容器内に貯留された加圧ガスを容器外へと放出させる方式であってもよいし、火薬に点火することでガスを発生させる方式であってもよい。
上チャンバ5(第二チャンバ)は、展開完了状態では乗員30の肩部31の側方に位置する部位であり、乗員30の肩部31を保護するように機能する。また、上チャンバ5は、展開初期状態では中チャンバ7よりもサイドドア20側(車幅方向外側)に位置する部位であり、中チャンバ7を側方から支えるように機能する。展開完了状態における上チャンバ5の形状は、例えば丸みを帯びた円柱状に形成される。上チャンバ5は、中チャンバ7の鉛直上方に位置するように、中チャンバ7と連通される。
下チャンバ6(第三チャンバ)は、展開完了状態では乗員30の腹部33の側方に位置する部位であり、乗員30の腹部33を保護するように機能する。また、下チャンバ6は、展開初期状態では中チャンバ7よりもサイドドア20側(車幅方向外側)に位置する部位であり、上チャンバ5とともに中チャンバ7を側方から支えるように機能する。展開完了状態における下チャンバ6の形状は、例えば上チャンバ5と同様に丸みを帯びた円柱状に形成される。下チャンバ6は、中チャンバ7の鉛直下方に位置するように、中チャンバ7と連通される。
中チャンバ7(第一チャンバ)は、展開完了状態では乗員30の胸部32の側方に位置する部位であり、乗員30の胸部32を保護するように機能する。また、中チャンバ7は、展開初期状態では乗員30の脇部35の下方に位置する部位であり、乗員30の上腕部34を上方へと持ち上げるように機能する。展開完了状態における中チャンバ7の形状は、例えば丸みを帯びた直方体形状に形成される。ここでは、展開完了状態における中チャンバ7の上下方向の寸法が、展開完了状態における上チャンバ5及び下チャンバ6の上下方向の各寸法よりも長く形成されている。
中チャンバ7のうち、サイドドア20側に設けられる部位7aは、展開開始時に上チャンバ5と下チャンバ6との間に折り畳まれた状態で収納されている。以下、この部位7aを余剰部7aという。余剰部7aは、展開初期状態では、正面視において隣接する上チャンバ5及び下チャンバ6によって上方及び下方から挟まれてサイドドア20側に向けて先細形状となるように配置される部位である。余剰部7aは、展開するときに、上チャンバ5を上方へ押すとともに下チャンバ6を下方へ押して、エアバッグ2の展開を促すように機能する。なお、図1(a)では、余剰部7aの図示を省略している。
ダクト8Aは、上チャンバ5と中チャンバ7とを連通するものであり、展開完了状態における上チャンバ5の下端と展開完了状態における中チャンバ7の上端との間を接続するように配置される。また、ダクト8Bは、下チャンバ6と中チャンバ7とを連通するものであり、展開完了状態における下チャンバ6の上端と展開完了状態における中チャンバ7の下端との間を接続するように配置される。これらのダクト8A,8Bは、中チャンバ7を挟んで対向し、互いに等しい形状及び大きさに形成されている。各ダクト8A,8Bの軸心は、ここではエアバッグ2の中心線O上に配置されている。
ダクト8Aによって、車両前後方向における上チャンバ5の一部と車両前後方向における中チャンバ7の一部とが互いに接続される。言い換えると、上チャンバ5と中チャンバ7とは、車両前後方向の全体に亘って互いに接続されるのではなく、ダクト8Aが配置された箇所のみで互いに接続される。これにより、上チャンバ5と中チャンバ7とが相対移動しやすくなる。
同様に、ダクト8Bによって、車両前後方向における下チャンバ6の一部と車両前後方向における中チャンバ7の一部とが互いに接続される。言い換えると、下チャンバ6と中チャンバ7とは、車両前後方向の全体に亘って互いに接続されるのではなく、ダクト8Bが配置された箇所のみで互いに接続される。これにより、下チャンバ6と中チャンバ7とが相対移動しやすくなる。
なお、ダクト8A,8Bの直径は、各チャンバ5,6,7の車両前後方向の寸法よりも小さく設定される。また、ダクト8A,8Bの軸心方向(貫通方向)の寸法は、展開完了状態におけるエアバッグ2の機能が損なわれないように十分小さく設定される。
テザー3(拘束手段)は、エアバッグ2の展開開始時に、上チャンバ5を中チャンバ7よりもサイドドア20側に拘束する部材である。つまり、テザー3は、エアバッグ2の展開開始時に、上チャンバ5を乗員30の肩部31から離隔させ、上チャンバ5と乗員30の肩部31との接触を回避させるためのものである。ここではテザー3は、上チャンバ5と下チャンバ6とを、中チャンバ7よりもサイドドア20側で連結し、下チャンバ6をも中チャンバ7よりもサイドドア20側に拘束する。これによりテザー3は、上チャンバ5と下チャンバ6との離隔距離を制限し、下チャンバ6に対する上チャンバ5の相対位置を規制する。
一方、テザー3は、エアバッグ2の展開が進行すると上チャンバ5及び下チャンバ6の拘束を解除する。つまり、テザー3は、中チャンバ7の展開によって乗員30の上腕部34が持ち上げられた状態となると、上チャンバ5の上方への移動を許容して乗員30の肩部31を保護させるとともに、下チャンバ6の下方への移動を許容して乗員30の腹部33を保護させるように機能する。ここではテザー3は、上チャンバ5と下チャンバ6との連結を解除することで、上チャンバ5の拘束を解除する。
テザー3は、例えばエアバッグ2と同じ布で紐状に形成される。ここでは、細長い矩形状に形成されたものを例示する。テザー3の長手方向における両端部3a,3bは、エアバッグ2の展開開始時に、上チャンバ5と下チャンバ6とに固定されている。テザー3の長手方向の寸法は、両端部3a,3bが上チャンバ5と下チャンバ6とに固定された状態で、上チャンバ5と下チャンバ6とをサイドドア20側から互いに隣接させるような大きさに設定される。つまり、テザー3は、両端部3a,3bが上チャンバ5と下チャンバ6とに固定された状態では、上チャンバ5を下チャンバ6と隣接した位置に拘束する。これに対し、テザー3は、一端部(ここでは下端部3b)の固定が解除された状態では、上チャンバ5の位置を拘束しない。
テザー3の両端部3a,3bは何れも、側面視でエアバッグ2の中心線Oと重なる位置に固定される。これにより、テザー3は、下端部3bの固定が解除される寸前の状態では、側面視でエアバッグ2の中心線Oに沿う直線状に配置される。なお、テザー3の両端部3a,3bの固定方法は特に限定されず、例えば縫合や接着剤で固定することができる。
図3(a)に示すように、展開初期状態におけるエアバッグ2では、各チャンバ5,6,7は互いに隣接した位置に配置される。ここでは、展開初期状態における三つのチャンバ5,6,7が、正面視で三角形の三つの頂点上にそれぞれ配置されたような位置関係とされる。この展開初期状態では、三つのチャンバ5,6,7のうち、中チャンバ7が最も乗員30側(車幅方向内側)に配置され、上チャンバ5及び下チャンバ6が中チャンバ7よりもサイドドア20側(車幅方向外側)で上下方向に並んで配置される。つまり、展開初期状態では、中チャンバ7と、上チャンバ5及び下チャンバ6とが、車幅方向に並んで配置され、側面視では上チャンバ5及び下チャンバ6が中チャンバ7に対して部分的にラップするように配置される。これにより、展開初期状態におけるエアバッグ2の車幅方向の寸法Wが確保される。
なお、展開初期状態における中チャンバ7の上下方向の高さ位置は、上チャンバ5と下チャンバ6との中間位置と略一致する。これにより、展開初期状態における中チャンバ7は、上チャンバ5及び下チャンバ6のそれぞれによって略均等に支えられる。
また、図3(b)に示すように、展開完了状態におけるエアバッグ2では、各チャンバ5,6,7及び各ダクト8A,8Bが、上下方向に並んで配置され、上面視ではラップする。これにより、エアバッグ2の上下方向の寸法Hが確保され、乗員30の側部における保護範囲が上下方向に大きく確保される。
[2.作用]
次に、図4(a),(b)を用いて、車両衝突の際のサイドエアバッグ装置1の動作と、サイドエアバッグ装置1による作用とを説明する。図4(a)は、展開初期状態を示す模式図であり、図4(b)は展開完了状態を示す模式図である。ここでは、車両に対して左側面から衝撃が加わった場合(すなわち、左側面衝突した場合)を例示する。
図4(a)に示すように、サイドドア20に対して外方から衝撃力(図中白抜き矢印)が加わると、インフレータ4が作動してエアバッグ2へガスが供給される。これにより、エアバッグ2の中チャンバ7が乗員30の脇部35の下方に展開し始める。これと同時に、中チャンバ7の内部のガスは、ダクト8A,8Bを通じて上チャンバ5及び下チャンバ6に供給される。このとき、上チャンバ5と下チャンバ6とは、テザー3によって連結され、サイドドア20側に配置されているため、中チャンバ7よりもサイドドア20側で展開し始める。なお、エアバッグ2は、このようにテザー3で上チャンバ5と下チャンバ6とが連結された状態でガスが供給されることで、展開初期状態となる。
エアバッグ2の展開初期状態では、上チャンバ5がテザー3によってその位置を拘束される。そのため、上チャンバ5は、中チャンバ7よりも乗員30から離隔した位置に配置される。ここでは上チャンバ5は、テザー3を介して下チャンバ6と連結されているため、下チャンバ6によって下方へ引っ張られる。これにより、上チャンバ5は、展開完了状態の位置(中チャンバ7の上方の位置)よりもサイドドア20側かつ下側の位置に配置される。
したがって、エアバッグ2の展開初期状態では、上チャンバ5と乗員30の肩部31との間には隙間が設けられる。言い換えると、展開初期状態における上チャンバ5と乗員30の肩部31とは、非接触に保たれる。そのため、乗員30の肩部31は、上チャンバ5によって動きを拘束されることがなく、乗員30の上腕部34が回動しやすい状態に保たれる。
このように、エアバッグ2の展開初期状態では、乗員30の肩部31が上チャンバ5によって動きを拘束されないため、中チャンバ7の膨張展開により、乗員30の上腕部34は容易に(比較的小さい力で)上方へと持ち上げられる(図中黒矢印)。これによって、乗員30の上腕部34が胸部32の側方(車幅方向に重なる位置)よりも上方へと移動され、上腕部34による胸部32への押し付けが回避される。
なお、エアバッグ2が展開初期状態であるときには、サイドドア20の乗員30側への侵入量は比較的小さいため、サイドドア20と乗員30との間には比較的大きな空間が設けられる。つまり、このときサイドドア20は、乗員30から比較的遠い位置にある。そのため、展開初期状態におけるエアバッグ2では、乗員30の肩部31及び腹部33の保護だけでなく、乗員30の上腕部34を持ち上げるように機能する。また、展開初期状態におけるエアバッグ2では、車幅方向の寸法Wが確保されることで、車幅方向の衝撃力に対する衝撃吸収性が確保される。
また、展開初期状態における中チャンバ7は、上チャンバ5及び下チャンバ6によって車幅方向外側から支えられる。そのため、展開初期状態における中チャンバ7の位置が安定する。これにより、中チャンバ7の位置が乗員30の脇部35の下方からずれることが抑制され、中チャンバ7の展開によって乗員30の上腕部34が効率よく上方へと持ち上げられる。
また、中チャンバ7の余剰部7aは、エアバッグ2の展開開始時には上チャンバ5と下チャンバ6とに挟まれている。そのため、この余剰部7aは、中チャンバ7の他の部分に比べて展開が遅れる。これにより中チャンバ7は、展開初期状態では体積増加が抑制され、内部の空気の圧力が早期に上昇する。したがって、中チャンバ7の内部には、乗員30の上腕部34を持ち上げるのに必要な空気の圧力が早期に確保される。
エアバッグ2の展開が進行すると、テザー3は上下方向に延びる直線状に張った状態となる。そして、上チャンバ5及び下チャンバ6がさらに膨張することと、中チャンバ7の余剰部7aが展開することとによって、テザー3の両端部3a,3bは互いに離隔する方向へ引っ張られる。これにより、テザー3の下端部3bは、下チャンバ6に対する固定が解除される。テザー3は、このように下端部3bの固定を解除することによって、上チャンバ5と下チャンバ6との連結を解除し、上チャンバ5及び下チャンバ6を解放する。なお、エアバッグ2は、この上チャンバ5の解放と同時に、展開初期状態から展開完了状態への移行を開始する。
上チャンバ5が解放されると、中チャンバ7の余剰部7aは瞬時に膨張する。これにより余剰部7aは、上チャンバ5を上方へと押し上げるとともに、下チャンバ6を下方へと押し下げる。また、これと同時に、上チャンバ5は中チャンバ7の上方へ向かって移動し、下チャンバ6は中チャンバ7の下方へ向かって移動する。また、中チャンバ7は、余剰部7aが膨張展開することにより、その体積が増加する。
そして、図4(b)に示すように、上チャンバ5が中チャンバ7の上方に位置し、下チャンバ6が中チャンバ7の下方に位置すると、エアバッグ2は展開完了状態となる。この状態では、上チャンバ5が乗員30の肩部31の側方に配置され、中チャンバ7が乗員30の胸部32の側方に配置され、下チャンバ6が乗員30の腹部33の側方に配置される。これにより、乗員30の肩部31,胸部32及び腹部33のそれぞれがエアバッグ2によって保護される。
なお、このようにエアバッグ2が展開完了状態となるときには、サイドドア20の乗員30側への侵入量は比較的大きい可能性がある。つまり、このときサイドドア20は乗員30から比較的近い位置にある可能性がある。そのため、展開完了状態におけるエアバッグ2では、上下方向の寸法Hが確保され、乗員30の側部における保護範囲が上下方向に大きく確保される。これにより、乗員30がより適切に保護される。
[3.効果]
(1)上記のサイドエアバッグ装置1では、乗員30の脇部35の下方に展開する上チャンバ5と、展開完了状態で上チャンバ5の上方に位置するように上チャンバ5と連通される中チャンバ7とが設けられる。また、エアバッグ2の展開開始時に中チャンバ7を上チャンバ5よりもサイドドア20側に拘束し、展開が進行すると拘束を解除するテザー3が設けられる。そのため、エアバッグ2の展開開始時に、乗員30の肩部31が上チャンバ5によって拘束されることを回避することができ、乗員30の上腕部34をスムーズに上方へと持ち上げることができる。
また、展開完了状態では、上チャンバ5及び中チャンバ7によって乗員30の肩部31及び胸部32を保護することができる。したがって、上記のサイドエアバッグ装置1によれば、乗員30の肩部31を保護しつつ、乗員30の上腕部34をスムーズに上方へと持ち上げることができる。
(2)また、上記のサイドエアバッグ装置1では、展開完了状態で中チャンバ7の下方に位置するように中チャンバ7と連通される下チャンバ6が設けられる。さらに、テザー3が、エアバッグ2の展開開始時に上チャンバ5を下チャンバ6と連結する。そのため、下チャンバ6によって上チャンバ5を下方へ引っ張ることができ、上チャンバ5を乗員30の肩部31からより離れた位置に配置することができる。したがって、エアバッグ2の展開開始時に、乗員30の肩部31が上チャンバ5によって拘束されることをより適切に回避することができる。また、エアバッグ2の展開完了状態では、下チャンバ6によって乗員30の腹部33を保護することができる。
(3)また、上記のサイドエアバッグ装置1では、上チャンバ5と下チャンバ6とがテザー3によって連結されている。このテザー3は、エアバッグ2の展開開始時に、両端部3a,3bが上チャンバ5と下チャンバ6とに固定された状態で上チャンバ5と下チャンバ6とを互いに隣接させる長さに形成されている。このようなテザー3を用いることによって、シンプルな構造で上チャンバ5を拘束することができる。
また、エアバッグ2の展開開始時に、テザー3で上チャンバ5と下チャンバ6とを隣接させて配置することによって、中チャンバ7を上チャンバ5と下チャンバ6とで支えることができる。これにより中チャンバ7の位置を安定させることができるため、中チャンバ7の展開によって乗員30の上腕部34を効率よく上方へと持ち上げることができる。
なお、テザー3の両端部3a,3bの固定先は、上チャンバ5と下チャンバ6とを連結できる位置であればよく、上述の側面視でエアバッグ2の中心線Oと重なる位置に限られない。テザー3の両端部3a,3bの固定先は、例えば、上チャンバ5及び下チャンバ6の前端部であってもよいし、上チャンバ5及び下チャンバ6の後端部であってもよい。
これに対し、例えばテザー3を用いずに上チャンバ5と下チャンバ6とを直接繋ぐ場合には、上チャンバ5と下チャンバ6とが互いに接する箇所において、両者を縫い合わせたり、接着剤で接着したりすることが必要となる。つまり、この場合には、上チャンバ5と下チャンバ6とを連結する手段の配置箇所が、上チャンバ5と下チャンバ6とが互いに接する箇所に限定される。一方、上記のテザー3を用いる場合には、上チャンバ5と下チャンバ6とを連結する手段の配置の自由度を高めることができる。
また、上述のように、テザー3の両端部3a,3bを、側面視でエアバッグ2の中心線Oと重なる位置に固定することにより、テザー3の長手方向を上下方向に向けることができる。そのため、上チャンバ5及び下チャンバ6の膨張展開によって、テザー3の両端部3a,3bに比較的大きな引張力を作用させることができ、テザー3による連結を効率よく解除させることができる。
(4)また、上記のサイドエアバッグ装置1では、中チャンバ7のうち、サイドドア20側の部分に余剰部7aが設けられる。この余剰部7aは、エアバッグ2の展開開始時に上チャンバ5と下チャンバ6との間に収納されている。上記のサイドエアバッグ装置1では、余剰部7aが展開されることによって、上チャンバ5を上方へ、下チャンバ6を下方へ移動させることができ、テザー3の両端部3a,3bに比較的大きな引張力を作用させることができる。そのため、テザー3による連結をより適切に解除させることができる。
また、上記の余剰部7aは、上チャンバ5と下チャンバ6との間に挟まれた状態ではガスが供給されにくく、中チャンバ7の他の部分に比べて展開が遅れる。そのため、上記のサイドエアバッグ装置1では、展開初期状態における中チャンバ7の体積増加を抑制することができ、中チャンバ7内の空気の圧力を早期に上昇させることができる。これにより、中チャンバ7内に、乗員30の上腕部34を持ち上げるのに必要な圧力を早期に確保することができるため、乗員30の上腕部34を早期に且つ確実に持ち上げることができる。
また、テザー3による連結が解除された後は、余剰部7aが展開することによって、上チャンバ5を中チャンバ7の上方へ、下チャンバ6を中チャンバ7の下方へそれぞれ押すことができる。そのため、エアバッグ2の展開を促進させることができ、展開時間の短縮を図ることができる。
(5)また、上記のサイドエアバッグ装置1では、ガスを供給するインフレータ4が中チャンバ7の内部に設けられる。そのため、中チャンバ7を上チャンバ5や下チャンバ6よりも早く膨張させることができ、乗員30の上腕部34を逸早く持ち上げることができる。これにより、乗員30の上腕部34によって胸部32が押し付けられることをより確実に防止することができる。
(6)また、上記のサイドエアバッグ装置1には、中チャンバ7と上チャンバ5とを連通するダクト8Aが備えられる。そのため、上チャンバ5を中チャンバ7に対して相対移動しやすくすることができる。
(7)同様に、上記のサイドエアバッグ装置1には、中チャンバ7と下チャンバ6とを連通するダクト8Bが備えられる。そのため、下チャンバ6を中チャンバ7に対して相対移動しやすくすることができる。
例えば、上記のサイドエアバッグ装置1では、ダクト8A,8Bが変形することによってチャンバ5,6,7の相対位置を変更させることができる。また、上述のようにダクト8A,8Bによって車両前後方向におけるチャンバ5,6,7の一部のみが接続されることで、車両前後方向におけるチャンバ5,6,7の全体が接続される場合と比べて、チャンバ5,6,7同士が動きを拘束し合うことを抑制することができる。そのため、上記のダクト8A,8Bを備えることによって、上チャンバ5及び下チャンバ6を、中チャンバ7よりもサイドドア20側の位置から中チャンバ7と上下方向に並ぶ位置へとスムーズに移動させることができる。
(8)また、上記のサイドエアバッグ装置1では、展開初期状態における上チャンバ5と下チャンバ6とが、中チャンバ7と車幅方向に並んで配置される。そのため、展開初期状態におけるエアバッグ2の車幅方向の寸法Wを確保することができ、車幅方向の衝撃力に対するエアバッグ2の衝撃吸収性を向上させることができる。
また、上記のサイドエアバッグ装置1では、展開完了状態における三つのチャンバ5,6,7が、上下方向に並んで配置される。そのため、展開完了状態におけるエアバッグ2の上下方向の寸法Hを確保することができ、乗員30の側部における保護範囲を拡大させることができる。したがって、乗員30をより確実に保護することができる。
[4.変形例]
[4−1.第一変形例]
図5(a),(b)に示すサイドエアバッグ装置1は、上述の実施形態のものに対してエアバッグ2の構成を変更したものである。本変形例に係るエアバッグ12では、上記のエアバッグ2に対して、下チャンバ6及びダクト8Bが省略される。以下、上述の実施形態で説明した各要素との対応関係を明示すべく、対応する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図5(a)に示すように、本変形例に係るサイドエアバッグ装置1では、テザー3の両端部3a,3bが、エアバッグ12の展開開始時に上チャンバ5と中チャンバ7とに固定されている。このテザー3の長手方向の寸法は、両端部3a,3bが上チャンバ5と中チャンバ7とに固定された状態で、上チャンバ5を中チャンバ7のサイドドア20側に隣接させるような大きさに設定される。つまり、テザー3は、両端部3a,3bが上チャンバ5と中チャンバ7とに固定された状態では、上チャンバ5を中チャンバ7よりもサイドドア20側に拘束する。このように上チャンバ5の位置が拘束されている状態が、エアバッグ12の展開初期状態である。
なお、このエアバッグ12では、展開完了状態における中チャンバ7が、乗員30の胸部32と腹部33との両方を保護しうるように、上述の実施形態のものに比べて上下方向に大きく(縦長な形状に)形成されている。
このように構成されたサイドエアバッグ装置1でも、図5(a)に示すように、エアバッグ12の展開開始時に上チャンバ5が中チャンバ7よりもサイドドア20側に拘束されることにより、上チャンバ5を乗員30の肩部31から離隔させて配置することができる。そのため、上述の実施形態と同様に、乗員30の肩部31が上チャンバ5によって拘束されることを回避することができ、中チャンバ7の展開によって乗員30の上腕部34をスムーズに上方へと持ち上げることができる。
また、図5(b)に示すように、エアバッグ12の展開が進行すると、テザー3は上チャンバ5と中チャンバ7とによって両端部3a,3bが互いに離隔する方向へ引っ張られる。これによって、テザー3の一端部(ここでは下端部3b)は、中チャンバ7に対する固定が解除される。テザー3は、このように下端部3bの固定を解除することによって、上チャンバ5の拘束を解除する。そして、エアバッグ12は展開初期状態から展開完了状態へと移行する。展開完了状態におけるエアバッグ12では、上チャンバ5が中チャンバ7の上方に配置される。これにより、上チャンバ5で乗員30の肩部31を保護することができ、中チャンバ7で乗員30の胸部32及び腹部33を保護することができる。
したがって、本変形例に係るサイドエアバッグ装置1でも、上述の実施形態と同様に、乗員30の肩部31を保護しつつ、乗員30の上腕部34をスムーズに上方へと持ち上げることができる。
[4−2.第二変形例]
図6(a),(b)に示すエアバッグ22は、上述の実施形態におけるエアバッグ2に代えて用いられるものであり、上記のエアバッグ2に対して、ダクト8A,8Bを省略し、三つのチャンバ5,6,7を一体に形成したものである。
このエアバッグ22は、例えば二枚の基布が縫合されることにより、縦長な袋状に形成される。エアバッグ22の内部は、上述の三つのチャンバ5,6,7として機能する三つの空間に区画されている。これら三つの空間は、例えば、エアバッグ22を形成する二枚の基布を車両前後方向に延びる直線L1,L2に沿って縫い合わせることにより形成される。なお、これに代えて、例えばエアバッグ22の内部に新たな布を二枚配置することで、エアバッグ22の内部の空間を三つに仕切るようにしてもよい。
図5(b)に示すように、エアバッグ22の上チャンバ5と中チャンバ7との間には、上チャンバ5と中チャンバ7とを連通する孔部9Aが設けられる。同様に、エアバッグ22の下チャンバ6と中チャンバ7との間には、下チャンバ6と中チャンバ7とを連通する孔部9Bが設けられる。これらの孔部9A,9Bは、例えば上述の直線L1,L2に沿った縫合を部分的に省略することにより形成される。なお、これらの孔部9A,9Bの位置は特に限定されないが、ここではこれらの孔部9A,9Bの孔軸が何れも車両前後方向におけるエアバッグ22の中心(図6(a)に示す一点鎖線)上に配置されている。
このように構成されたエアバッグ22では、三つのチャンバ5,6,7を一体に形成することができるため、構造を簡素化することができる。
[4−3.拘束手段の変形例]
上述の実施形態及び変形例では、テザー3によって上チャンバ5の位置が拘束される場合を説明したが、例えば図7(a)に示すように、テザー3を省略し、上チャンバ5と下チャンバ6とを直接縫い合わせることにより、上チャンバ5の位置を拘束してもよい。言い換えると、上記のテザー3の代わりに、縫い目13(拘束手段)によって上チャンバ5と下チャンバ6とを連結してもよい。
この縫い目13は、上記のテザー3と同様に、エアバッグ22の展開開始時に上チャンバ5を中チャンバ7よりもサイドドア20側に拘束するものである。縫い目13は、上チャンバ5と下チャンバ6とが隣接する箇所に設けられる。すなわちこの縫い目13は、展開初期状態における上チャンバ5の下端と下チャンバ6の上端とに跨って設けられる。
なお、縫い目13は、エアバッグ22の展開開始時に、上チャンバ5を中チャンバ7よりもサイドドア20側に拘束できるものであればよく、その個数や前後方向の位置などは特に限定されない。例えば図7(a)に示すように、中チャンバ7の余剰部7aを省略する場合には、前後方向におけるエアバッグ22の中心位置に縫い目13を設けてもよい。また、上述の実施形態のように中チャンバ7の余剰部7aを設ける場合には、例えば余剰部7aの前方及び後方のそれぞれに縫い目13を設けてもよい。
このような縫い目13を設けることによって、上記のテザー3と同様に、エアバッグ22の展開開始時に上チャンバ5を乗員30の肩部31から離隔させて配置することができる。そのため、上述の実施形態と同様に、乗員30の肩部31が上チャンバ5によって拘束されることを回避することができ、乗員30の上腕部34をスムーズに上方へと持ち上げることができる。
また、縫い目13は、エアバッグ22の展開が進行すると、上チャンバ5が上方へ、下チャンバ6が下方へそれぞれ移動しようとすることにより解ける。これにより縫い目13は、上記のテザー3と同様に、上チャンバ5と下チャンバ6との連結を解除して、上チャンバ5及び下チャンバ6を解放する。そして、エアバッグ22は展開初期状態から展開完了状態へと移行する。展開完了状態におけるエアバッグ22では、上述の実施形態と同様に、上チャンバ5,中チャンバ7及び下チャンバ6によって乗員30の肩部31,胸部32及び腹部33を保護することができる。
したがって、上記のテザー3の代わりに縫い目13を用いた場合にも、上述の実施形態と同様に、乗員30の肩部31を保護しつつ、乗員30の上腕部34をスムーズに上方へと持ち上げることができる。また、縫い目13を用いる場合には、上チャンバ5と下チャンバ6とが隣接する少なくとも一箇所で両者を縫い合わせることによって、両者を連結させることができる。そのため、テザー3の両端部3a,3bのそれぞれ(合計二箇所)を固定する場合と比較して、容易に上チャンバ5と下チャンバ6とを連結することができる。
さらに、上述のように上チャンバ5と下チャンバ6とを連結させるのではなく、例えば図7(b)に示すように、上チャンバ5と下チャンバ6とのそれぞれを中チャンバ7に対して縫い付けてもよい。つまり、縫い目23A(拘束手段)によって上チャンバ5を中チャンバ7よりもサイドドア20側に拘束し、縫い目23Bによって下チャンバ6を中チャンバ7よりもサイドドア20側に拘束してもよい。
この縫い目23Aは、上チャンバ5と中チャンバ7とが隣接する箇所に設けられる。すなわち縫い目23Aは、展開初期状態における上チャンバ5の乗員30側(車幅方向内側)の部位と中チャンバ7のサイドドア20側(車幅方向外側)の部位とに跨って設けられる。同様に、縫い目23Bは、下チャンバ6と中チャンバ7とが隣接する箇所に設けられる。すなわち縫い目23Bは、展開初期状態における下チャンバ6の乗員30側(車幅方向内側)の部位と中チャンバ7のサイドドア20側(車幅方向外側)の部位とに跨って設けられる。
なお、これらの縫い目23A,23Bは、エアバッグ22の展開開始時に、上チャンバ5及び下チャンバ6のそれぞれを中チャンバ7よりもサイドドア20側に拘束できるものであればよく、それらの個数や前後方向の位置などは特に限定されない。また、図7(b)に例示するものでは中チャンバ7の余剰部7aを省略しているが、上述の実施形態と同様に、上チャンバ5と下チャンバ6との間に余剰部7aが収納されていてもよい。
このような縫い目23Aによっても、上記のテザー3及び縫い目13と同様に、エアバッグ22の展開開始時に上チャンバ5を乗員30の肩部31から離隔させて配置することができる。また、縫い目23A,23Bは、上記の縫い目13と同様に、エアバッグ22の展開が進行すると解ける。これによりエアバッグ22は、上チャンバ5及び下チャンバ6の拘束が解除され、展開完了状態となる。したがって、この縫い目23A,23Bを用いた場合にも、上述の実施形態及び変形例と同様に、乗員30の肩部31を保護しつつ、乗員30の上腕部34をスムーズに上方へと持ち上げることができる。
[4−4.その他の変形例]
上述した実施形態及び変形例に関わらず、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。上述の実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、或いは適宜組み合わせてもよい。
上述の変形例には、縫い目13,23A,23Bによって上チャンバ5や下チャンバ6を拘束する例を示したが、これに代えて、例えば接着剤で上チャンバ5や下チャンバ6を拘束してもよい。つまり、チャンバ5,6,7同士を縫い合わせるのではなく、上記の縫い目13,23A,23Bの位置に接着剤を塗布し、この接着剤でチャンバ5,6,7を接着することにより上チャンバ5や下チャンバ6を拘束するようにしてもよい。この場合も、エアバッグ22の展開が進行すると、上チャンバ5が上方へ、下チャンバ6が下方へそれぞれ移動しようとすることにより、接着剤による接着が剥がれて上チャンバ5及び下チャンバ6の拘束が解除される。
また、上述の変形例では、縫い目13,23A,23Bがエアバッグ22に適用された例を示したが、縫い目13,23A,23Bは、上述の実施形態に示したエアバッグ2や、他の変形例に示したエアバッグ12に対しても、同様に適用することができる。また、縫い目13,23A,23Bに代えて、上記のテザー3をエアバッグ22に適用してもよい。
また、上述の実施形態では、エアバッグ2が二つのダクト8A,8Bを有する例を示したが、ダクト8A,8Bの個数は増加させてもよい。例えば、ダクト8A,8Bのそれぞれを、側面視でエアバッグ2の中心線Oを挟む前後二箇所に設け、合計四つのダクト8A,8Bでチャンバ5,6,7が連通されるようにしてもよい。また、上記に示したダクト8A,8Bの前後方向の位置は一例であり、変更可能である。
また、上述の実施形態では、インフレータ4が中チャンバ7の内部に設けられる例を示したが、インフレータ4は、例えば、上チャンバ5の内部や下チャンバ6の内部に設けられてもよいし、シートバック11の内部に設けられてもよい。つまり、インフレータ4の位置は、エアバッグ2の内部にガスを供給できる位置であれば特に限定されない。
また、上述の実施形態では、中チャンバ7の余剰部7aが、展開開始時に上チャンバ5と下チャンバ6との間に収納されている例を示したが、この余剰部7aは本サイドエアバッグ装置1に必須のものではなく、省略可能である。すなわち、中チャンバ7のうちサイドドア20側に設けられる部位7aは、展開開始時に上チャンバ5と下チャンバ6との間に収納されていなくてもよい。この場合であっても、上記のサイドエアバッグ装置1によれば、エアバッグ2の展開が進行すると、テザー3の両端部3a,3bが上チャンバ5と下チャンバ6とによって引っ張られることでテザー3による連結が解除される。そのため、上述のようにエアバッグ2を展開完了状態まで展開させることができ、乗員30の肩部31を保護することができる。
なお、上述の実施形態及び変形例では、テザー3の下端部3bの固定が解除される場合を説明したが、テザー3の上端部3aの固定が解除される場合や、テザー3が破断する場合にも、上述の実施形態及び変形例と同様にテザー3による連結を解除することができる。
また、上述の実施形態で示したテザー3の形状は一例であり、変更可能である。テザー3は、例えば円形の断面を有するロープ状に形成されてもよい。すなわち、テザー3は、上チャンバ5と下チャンバ6とを連結できるものであればよく、その形状は特に限定されない。
また、上述の実施形態及び変形例では、サイドエアバッグ装置1の車幅方向外側にサイドドア20が設けられる例を示したが、このサイドドア20の代わりに、例えば単なるパネル部材(開閉しない部材)が設けられていてもよい。すなわち、本サイドエアバッグ装置1は、車体側面と乗員30との間に配置されるものであればよく、サイドドア20の側方に配置されるものに限定されない。
また、本サイドエアバッグ装置1は、上述のような車両における運転席や助手席だけでなく、これらの座席よりも後方に設けられる後部座席に対しても、同様に適用することができる。
1 サイドエアバッグ装置
2,12,22 エアバッグ
3 テザー(拘束手段)
4 インフレータ
5 上チャンバ(第二チャンバ)
6 下チャンバ(第三チャンバ)
7 中チャンバ(第一チャンバ)
7a 余剰部
8A,8B ダクト
13 縫い目(拘束手段)
20 サイドドア(車両側面)
23A 縫い目(拘束手段)
30 乗員

Claims (5)

  1. 車両側面と乗員との間に展開されるエアバッグを具備したサイドエアバッグ装置において、
    前記乗員の脇部下方に展開する第一チャンバと、
    展開完了状態で前記第一チャンバの上方に位置するように前記第一チャンバと連通される第二チャンバと、
    前記エアバッグの展開開始時に前記第二チャンバを前記第一チャンバよりも前記車両側面側に拘束し、展開が進行すると拘束を解除する拘束手段と、
    展開完了状態で前記第一チャンバの下方に位置するように前記第一チャンバと連通される第三チャンバと、を備え、
    前記拘束手段が、前記エアバッグの展開開始時に前記第二チャンバを前記第三チャンバと連結し、前記第三チャンバを前記第一チャンバよりも前記車両側面側に拘束する
    ことを特徴とする、サイドエアバッグ装置
  2. 前記拘束手段が、前記エアバッグの展開開始時に、前記第二チャンバと前記第三チャンバとに固定された状態で前記第二チャンバと前記第三チャンバとを互いに隣接させる長さに形成されている
    ことを特徴とする、請求項記載のサイドエアバッグ装置。
  3. 前記第一チャンバが、前記車両側面側に設けられ、展開開始時に前記第二チャンバと前記第三チャンバとの間に収納されている余剰部を有する
    ことを特徴とする、請求項記載のサイドエアバッグ装置。
  4. 前記第一チャンバの内部にガスを供給するインフレータを備える
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
  5. 前記第一チャンバと前記第二チャンバとを連通するダクトを備える
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
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