JP6428040B2 - 励振装置及び質量流量計 - Google Patents

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Description

本発明は、励振装置及び質量流量計に関する。
流量計は、液体、気体、その他の流体の流量を測定するために広く用いられており、測定対象である流体の性質、用途等に応じて様々なものが開発されている。このような流量計の一種にコリオリ式質量流量計がある。このコリオリ式質量流量計は、流体が流れる測定チューブを振動させ、測定チューブの上下流における異なる2点の振動検出信号の位相差から測定チューブを流れる流体の質量流量を測定するものである。
上記のコリオリ式質量流量計は、測定チューブに取り付けられていて、測定チューブを振動させる励振装置と測定チューブの振動を検出する振動検出装置とを備える。ここで、測定チューブに取り付けられている上記の励振装置は、永久磁石とコイルとを備えており、外部からの駆動電流(例えば、正弦波状の駆動電流)をコイルに供給して、永久磁石とコイルとの間に電磁力(吸引力及び反発力)を発生させることによって測定チューブを振動させている。
以下の特許文献1〜3には、従来のコリオリ式質量流量計が開示されている。例えば、以下の特許文献1,3には、従来のコリオリ式質量流量計が備える励振装置の具体的構成が開示されている。また、以下の特許文献2には、永続的な振動負荷に耐え且つ永久磁石を確実に保護するために、コリオリ式質量流量計の励振装置に設けられる永久磁石を、非磁性のステンレス鋼からなる磁石ホルダで固定する点が開示されている。
欧州特許第1105700号明細書 特開2011−123077号公報 米国特許第5048350号明細書
ところで、コリオリ式質量流量計では、例えば流体に気泡等が混入すると、測定チューブの質量(測定チューブを流れる流体の質量を含む)が減少するため、振動検出装置から出力される振動検出信号のレベルが低下する場合がある。このような場合には、低下した振動検出信号のレベルを元のレベルに戻すために、励振装置のコイルに供給する駆動電流を大きくして励振装置で発生する電磁力を大きくしなければならない。
また、コリオリ式質量流量計における測定チューブの大きさは、測定対象である流体の性質、用途等に応じて決定されるが、測定チューブの大きさが大きくなるにつれて、測定チューブを振動させるためにより大きな力が必要になる。このため、測定チューブの大きさが大きくなった場合にも、上述の流体に気泡等が混入した場合と同様に、励振装置のコイルに供給する駆動電流を大きくして励振装置で発生する電磁力を大きくしなければならない。
しかしながら、コリオリ式質量流量計は、防爆の必要がある場所(防爆エリア)に設置されることが多く、防爆規格に適合している必要があることから、励振装置のコイルに供給することのできる駆動電流が制限される。すると、駆動電流を大きくすることによって励振装置で発生する電磁力を大きくすることには限界がある。ここで、励振装置に設けられるコイルの導線長(コイルの巻回数)を大きくすれば、駆動電流が制限されていたとしても、励振装置で発生する電磁力を大きくすることは可能である。しかしながら、防爆規格では、コイルのインダクタンス値も制限されることから、コイルの導線長(コイルの巻回数)を大きくすることによって励振装置で発生する電磁力を大きくすることにも限界がある。
以上の通り、従来のコリオリ式質量流量計では、測定チューブを流れる流体に対する気泡等の混入の度合い、或いは測定チューブの大きさによっては、測定チューブを振動させることが難しくなる。すると、従来のコリオリ式質量流量計では、流体の流量を測定することができない事態、或いは流量を測定することができたとしても精度良く測定することができない事態が生ずる虞が考えられるという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、従来よりも高い励振性能を有する励振装置、及び該励振装置を備えることで流体の流量を従来よりも精度良く測定することが可能な質量流量計を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の励振装置は、磁石を有する第1振動ユニット(10)と、コイルを有する第2振動ユニット(20)とを備えており、前記コイルに駆動電流(DI)が流れることにより前記第1,第2振動ユニットが相対的に振動する励振装置(1〜3)において、前記第1振動ユニットは、第1磁極を向かい合わせて配置された第1,第2磁石(11、12)と、該第1,第2磁石の間に配置された第1磁性部材(13)と、前記第2磁石の第2磁極に配置された第2磁性部材(14)と、前記第1,第2磁石及び前記第1,第2磁性部材の周囲を取り囲むように前記第1磁石の第2磁極に配置された第3磁性部材(15)とを備えており、前記第2振動ユニットは、前記第1,第2磁性部材にそれぞれ対応するよう前記第1,第2磁石及び前記第1,第2磁性部材と前記第3磁性部材との間の空間(SP)に配置され、巻回方向が互いに逆向きにされて直列接続された第1,第2コイル(22、23)を備えることを特徴としている。
この発明によると、第1振動ユニットに設けられた第1,第2磁石及び第1〜第3磁性部材によって2つの磁気回路が形成され、巻回方向が互いに逆向きにされて直列接続された第1,第2コイルのうちの第1コイルに2つの磁気回路によって生ずる磁束が鎖交し、第2コイルに1つの磁気回路によって生ずる磁束が鎖交する。
また、本発明の励振装置は、前記第1,第2,第3磁性部材が、磁性を有する金属材料によって形成されていることを特徴としている。
また、本発明の励振装置は、前記第1,第2磁石及び前記第1,第2磁性部材が、中央部に貫通孔(H1)が形成された環状形状であり、前記貫通孔に挿通されて、前記第1,第2磁石及び前記第1,第2磁性部材を前記第3磁性部材に固定する固定部材(16)を備えることを特徴としている。
また、本発明の励振装置は、前記第3磁性部材の中央部にはボルト穴(H2)が形成されており、前記固定部材が、軸部が前記貫通孔に介挿されて、前記ボルト穴に螺合されることにより前記第1,第2磁石及び前記第1,第2磁性部材を前記第3磁性部材に固定するボルトであることを特徴としている。
また、本発明の励振装置は、前記固定部材が、非磁性材料によって形成されていることを特徴としている。
また、本発明の励振装置は、前記第1振動ユニットが、前記第2磁性部材を介して前記第2磁石に第2磁極を向かい合わせて配置された第3磁石(17)と、該第3磁石の第1磁極に配置された第4磁性部材(18)とを備えており、前記第3磁性部材が、前記第1,第2磁石及び前記第1,第2磁性部材に加えて、前記第3磁石及び前記第4磁性部材の周囲を取り囲むようにされていることを特徴としている。
また、本発明の励振装置は、前記第2振動ユニットが、前記第4磁性部材に対応するよう前記第1,第2,第3磁石及び前記第1,第2,第4磁性部材と前記第3磁性部材との間の空間に配置され、巻回方向が前記第2コイルの巻回方向と逆向きにされて前記第1,第2コイルに直列接続された第3コイル(24)を備えることを特徴としている。
また、本発明の励振装置は、前記第1,第2,第3磁石及び前記第1,第2,第4磁性部材は、中央部に貫通孔(H1)が形成された環状形状であり、前記貫通孔に挿通されて、前記第1,第2,第3磁石及び前記第1,第2,第4磁性部材を前記第3磁性部材に固定する固定部材(16)を備えることを特徴としている。
また、本発明の励振装置は、前記第3磁性部材の中央部にはボルト穴(H2)が形成されており、前記固定部材が、軸部が前記貫通孔に介挿されて、前記ボルト穴に螺合されることにより前記第1,第2,第3磁石及び前記第1,第2,第4磁性部材を前記第3磁性部材に固定するボルトであることを特徴としている。
また、本発明の励振装置は、前記固定部材が、非磁性材料によって形成されていることを特徴としている。
本発明の質量流量計は、測定対象である流体が流れる測定チューブ(35a,35b)を励振する励振装置(EX)と、励振された前記測定チューブの振動を検出する振動検出装置(D1、D2)とを備えており、前記振動検出装置の検出結果を用いて前記流体の流量を測定する質量流量計(MF)において、前記励振装置として、上記の何れかに記載の励振装置(1〜3)を備えることを特徴としている。
本発明によれば、第1振動ユニットに設けられた第1,第2磁石及び第1〜第3磁性部材によって2つの磁気回路を形成し、巻回方向が互いに逆向きにされて直列接続された第1,第2コイルのうちの第1コイルに2つの磁気回路によって生ずる磁束を鎖交させ、第2コイルに1つの磁気回路によって生ずる磁束を鎖交させているため、従来よりも大きな電磁力を発生させることができ、その結果として従来よりも高い励振性能を得ることができるという効果がある。
また、このような従来よりも高い励振性能を有する励振装置を質量流量計に設けることで、流体の流量を従来よりも精度良く測定することが可能であるという効果がある。
本発明の第1実施形態による励振装置の側断面図である。 図1中のA−A線に沿う励振装置の断面矢視図である。 本発明の第1実施形態による励振装置で生ずる磁束を示す図である。 本発明の第1実施形態による励振装置の寸法を規定する図である。 本発明の第2実施形態による励振装置の側断面図である。 本発明の第2実施形態による励振装置で生ずる磁束を示す図である。 本発明の第2実施形態による励振装置の寸法を規定する図である。 本発明の第3実施形態による励振装置の断面矢視図である。 本発明の一実施形態による質量流量計の概略構成を示す図である。 本発明の一実施形態による質量流量計における励振装置の取り付け状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態による質量流量計における励振装置の取り付け状態を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態による励振装置及び質量流量計について詳細に説明する。尚、以下では、まず励振装置の実施形態を幾つか説明し、次いでこのような励振装置を備える質量流量計について説明する。
〔第1実施形態〕
〈励振装置の構成〉
図1は、本発明の第1実施形態による励振装置の側断面図である。また、図2は、図1中のA−A線に沿う励振装置の断面矢視図である。図1に示す通り、本実施形態の励振装置1は、磁石を有する振動ユニット10(第1振動ユニット)と、コイルを有する振動ユニット20(第2振動ユニット)とを備えており、振動ユニット20のコイルに駆動電流(例えば、正弦波交流)が流れることにより、振動ユニット10,20が図1中の振動方向Xに相対的に振動するものである。
振動ユニット10は、永久磁石11(第1磁石)、永久磁石12(第2磁石)、磁極板13(第1磁性部材)、磁極板14(第2磁性部材)、ヨーク15(第3磁性部材)、及びボルト16(固定部材)を備える。永久磁石11,12は、一端面及び他端面が磁極とされており、一端面の中央部から他端面の中央部に至る貫通孔H1が形成された円環形状の磁石である。これら永久磁石11,12は、同じ磁極(本実施形態及び以下の各実施形態ではN極とする:第1磁極)を向かい合わせて配置される。尚、永久磁石11,12としては、例えばサマリウムコバルト磁石を用いることができる。
磁極板13,14は、永久磁石11,12と同様の貫通孔H1が形成され、永久磁石11,12と同様の内径及び外径を有する円環板状の部材である。磁極板13は、永久磁石11の一端面(N極)と永久磁石12の一端面(N極)とに接した状態で、永久磁石11,12の間に配置される。磁極板14は、永久磁石12の他端面(S極:第2磁極)に接するように配置される。尚、磁極板14の一端面は、ボルト16の頭部形状に合わせてザグリ加工されている。これら磁極板13,14は、例えば鉄やケイ素鋼等の金属磁性材料を用いて形成されている。尚、磁極板13,14は、セラミックス等の非金属磁性材料を用いて形成することも可能である。
ヨーク15は、内径が永久磁石11,12及び磁極板13,14の外径よりも大きく設定された側壁部15aと円板状の底部15bとを有する有底円環形状の部材である。このヨーク15は、側壁部15aが永久磁石11,12及び磁極板13,14の周囲を取り囲み、且つ底部15bが永久磁石11の他端面(S極:第2磁極)に接するように配置される。底部15bの中央部には、内周面がねじ切り加工されていてボルト16が螺合されるボルト穴H2が形成されている。このヨーク15は、上記の磁極板13,14と同様に、例えば鉄やケイ素鋼等の金属磁性材料を用いて形成されている。尚、セラミックス等の非金属磁性材料を用いて形成することも可能である。
ボルト16は、永久磁石11,12及び磁極板13,14をヨーク15に固定するためのものである。具体的に、永久磁石11,12及び磁極板13,14に形成された貫通孔H1に軸部が介挿されたボルト16が、ヨーク15の底部15bに形成されたボルト穴H2に螺合されることによって、永久磁石11,12及び磁極板13,14がヨーク15に固定される。尚、詳細は後述するが、ボルト16は、振動ユニット10自体を固定するためにも用いられる。ボルト16としては、例えば真鍮やステンレス等の非磁性材料を用いて形成されたものを用いることができる。このようなボルト16を用いて固定するのは、長期に亘って永久磁石11,12及び磁極板13,14をヨーク15に頑丈に固定して外れないようにするためである。
振動ユニット20は、ボビン21、コイル22(第1コイル)、及びコイル23(第2コイル)を備える。ボビン21は、内径が永久磁石11,12及び磁極板13,14の外径よりも大きく設定され、且つ外径がヨーク15の側壁部15aの内径よりも小さく設定された側壁部21aと円板状の底部21bとを有する有底円環形状の部材であり、コイル22,23を保持するものである。底部21bの中央部には内周面がねじ切り加工されたボルト穴H3が形成されている。尚、詳細は後述するが、ボルト穴H3は、振動ユニット20を固定するために用いられる。
また、ボビン21の側壁部21aの外周面には、コイル22,23を収容するコイル溝GR1,GR2が磁極板13,14に対応するようにそれぞれ形成されている。このボビン21は、永久磁石11,12及び磁極板13,14とヨーク15の側壁部15aとの間の空間SPに側壁部21aが介挿されるように配置される。ボビン21は、例えば樹脂等の非磁性材料を用いて形成されている。
コイル22は、磁極板13に対応して設けられており、ボビン21の側壁部21aに形成されたコイル溝GR1内に巻回されている。また、コイル23は、磁極板14に対応して設けられており、ボビン21の側壁部21aに形成されたコイル溝GR2内に、コイル22の巻回方向とは逆向きに巻回されている。例えば、コイル22が、図2の紙面内において時計回りに巻回されている場合には、コイル23は、図2の紙面内において反時計回りに巻回されている。また、コイル22,23は直列接続されている。
このように、コイル22,23の巻回方向を互いに逆向きにしてコイル22,23を直列接続するのは、主に以下の3つの理由による。第1の理由は、コイル22,23に駆動電流が流れた際にコイル22,23で発生する電磁力の向きを同じにするためである。第2の理由は、防爆規格に適合させるべくコイル22,23の合成インダクタンスを小さくするためである。第3の理由は、駆動電流を供給する駆動回路(図示省略)をコイル22,23で共通化して、構成の簡素化を図り、コストの上昇を抑えるためである。尚、コイル22,23は、例えば銅線を巻回することによって形成される。
図3は、本発明の第1実施形態による励振装置で生ずる磁束を示す図である。尚、図3においては、図1に示す部材と同じ部材については同一の符号を付してある。本実施形態では、永久磁石11,12がN極を向かい合わせて配置されていることから、図3に示す2つの磁束FX1,FX2が生ずる。つまり、本実施形態では、図3に示す磁束FX1を生じさせる磁気回路と、磁束FX2を生じさせる磁気回路との2つの磁気回路が振動ユニット10に形成されているということができる。
具体的に、磁束FX1は、永久磁石11のN極、磁極板13、空間SP、ヨーク15の側壁部15a、ヨークの底部15b、及び永久磁石11のS極を順に介して永久磁石11のN極に至るものである。これに対し、磁束FX2は、永久磁石12のN極、磁極板13、空間SP、ヨーク15の側壁部15a、空間SP、磁極板14、及び永久磁石12のS極を順に介して永久磁石12のN極に至るものである。
図3に示す通り、コイル22は、空間SP内において、2つの磁束FX1,FX2(磁極板13からヨーク15の側壁部15aに至る磁束)が鎖交する位置に配置される。これに対し、コイル23は、空間SP内において、磁束FX2(ヨーク15の側壁部15aから磁極板14に至る磁束)が鎖交する位置に配置される。ここでコイル22,23に鎖交する磁束の向きは互いに逆向きである。前述の通り、コイル22,23の巻回方向は互いに逆向きにされていて、コイル22,23に流れる電流の向きは逆となるため、コイル22,23で発生する電磁力の向きは同じになる。
〈励振装置の動作〉
次に、上記構成における励振装置1の動作について簡単に説明する。不図示の駆動回路から振動ユニット20のコイル22,23に駆動電流(例えば、正弦波交流)が供給されると、振動ユニット20と磁気回路が形成されている振動ユニット20との間で電磁力(吸引力及び反発力)が発生する。これにより、振動ユニット10,20は、図1中の振動方向Xに相対的に振動する。
具体的に、図2の紙面内における時計回りの駆動電流(図3では紙面の裏面から表面に向かう駆動電流)がコイル22に流れると、コイル22では図3中の方向X2の電磁力が発生する。このとき、コイル23には、図2の紙面内における反時計回りの駆動電流(図3では紙面の表面から裏面に向かう駆動電流)が流れるため、コイル23でも図3中の方向X2の電磁力が発生する。このような電磁力が発生すると、振動ユニット10,20は、図1中の振動方向Xに離間するよう相対的に変位する。
これに対し、図2の紙面内における反時計回りの駆動電流がコイル22に流れると、コイル22では図3中の方向X1の電磁力が発生する。このとき、コイル23には、図2の紙面内における時計回りの駆動電流が流れるため、コイル23でも図3中の方向X1の電磁力が発生する。このような電磁力が発生すると、振動ユニット10,20は、図1中の振動方向Xに接近するよう相対的に変位する。駆動電流が振動ユニット20のコイル22,23に供給されている間は以上の動作が交互に繰り返され、これにより振動ユニット10,20が図1中の振動方向Xに相対的に振動する。
〈励振装置で発生する電磁力〉
次に、励振装置1で発生する電磁力について考察する。図4は、本発明の第1実施形態による励振装置の寸法を規定する図である。図4に規定されている寸法は以下の通りである。
・コイル22,23
,a:コイル22,23の高さ(巻線部分における1層当たりの導線数)
,b:コイル22,23の厚み(巻線部分における導線の層数)
,N:コイル22,23の巻回数
・磁極板13,14
,c:磁極板13,14の厚み
・永久磁石11,12
Do:永久磁石11,12の外径
Di:永久磁石11,12の内径
,Q:永久磁石11,12の高さ
・ヨーク15
Ty:ヨーク15の側壁部15aの厚み
Ly:ヨーク15の側壁部15aの高さ
・その他
,G:コイル22,23と磁極板13,14(永久磁石11,12)との間隔
,g:コイル22,23とヨーク15の側壁部15aとの間隔
ここで、磁束(図3に示す磁束FX1,FX2)と鎖交するコイル22,23の導線長(以下、鎖交導線長という)をそれぞれL1,L2とすると、これらコイル22,23の鎖交導線長L1,L2は、以下の(1)式で表すことができる。つまり、コイル22の鎖交導線長L1は、コイル22の高さaと厚みbとの比に比例する値として表すことができ、コイル23の鎖交導線長L2は、コイル23の高さaと厚みbとの比に比例する値として表すことができる。
Figure 0006428040
また、コイル22,23に鎖交する磁束の磁束密度をそれぞれB1,B2とすると、これら磁束密度B1,B2は、以下の(2)式で表すことができる。つまり、コイル22に鎖交する磁束の磁束密度B1は、永久磁石11,12の高さQ,Qの和と永久磁石11,12の外径Doとの比に比例する値として表すことができ、コイル23に鎖交する磁束の磁束密度B2は、永久磁石12の高さQと永久磁石12等の外径Doとの比に比例する値として表すことができる。
Figure 0006428040
励振装置1で発生する電磁力をFとし駆動電流をIとすると、これらの比(F/I)は、以下の(3)式で表される。尚、以下の(3)式は、上記(1),(2)式を、F=IBL(Bは磁束密度を示しており、Lはコイルの鎖交導線長)なる式に代入することにより得られる。
Figure 0006428040
尚、コイル22,23の合成インダクタンスを極力小さくし、且つ励振装置1で発生する電磁力を極力大きくするために、コイル22,23の巻回数N,Nは、N≧Nなる関係に設定される。また、磁極板13,14の厚みc,cは、0.5〜10mm程度に設定され、ヨーク15の側壁部15aの厚みTyは、3.0mm程度以下に設定され、ヨーク15の側壁部15aの高さLyは、永久磁石11,12の高さQ,Qと磁極板13,14の厚みc,cとの和に設定される。
また、コイル22,23と磁極板13,14(永久磁石11,12)との間隔G,Gは、0.5〜2.0mm程度に設定され、コイル22,23とヨーク15の側壁部15aとの間隔g,gは、0.5〜3.0mm程度に設定される。尚、磁極板13,14の厚みc,c、ヨーク15の側壁部15aの厚みTy、ヨーク15の側壁部15aの高さLy、隙間G,G,g,gを変えれば、コイル22,23に鎖交する磁束の分布や密度を変えることができる。
以上の通り、本実施形態では、振動ユニット10の永久磁石11,12、磁極板13,14、及びヨーク15によって図3に示す磁束FX1,FX2を生じさせる2つの磁気回路を形成し、振動ユニット20のコイル22,23(巻回方向が互いに逆向きにされて直列接続されたコイル)をそれぞれ磁極板13,14に対応させて配置している。これにより、コイル22,23に供給される駆動電流が同じであっても、従来よりも大きな電磁力を発生させることができ、その結果として従来よりも高い励振性能を得ることができる。
また、本実施形態では、巻回方向が互いに逆向きにされたコイル22,23を直列接続するようにしている。これにより、コイル22,23の合成インダクタンスを小さくすることができるため、防爆規格に適合させる上で有利である。また、駆動電流を供給する不図示の駆動回路(図示省略)をコイル22,23で共通化することができ、駆動回路が1つで済むため、構成を簡素化して、コストの上昇を抑えることができる。
〔第2実施形態〕
〈励振装置の構成〉
図5は、本発明の第2実施形態による励振装置の側断面図である。尚、図5においては、図1中に示す部材に相当する部材については同一の符号を付してある。図5に示す通り、本実施形態の励振装置2は、図1に示す励振装置1の振動ユニット10に、永久磁石17(第2磁石)及び磁極板18(第4磁性部材)を追加し、ヨーク15の側壁部15aの高さを、永久磁石11,12及び磁極板13,14に加えて永久磁石17及び磁極板18を取り囲むようにしたものである。
尚、永久磁石17及び磁極板18の追加に伴って、ボルト16の長さ、及び振動ユニット20に設けられたボビン21の側壁部21aの高さも変更されている。また、永久磁石17及び磁極板18の追加に伴って、磁極板14の一端面におけるザグリ加工(ボルト16の頭部形状に合わせたザグリ加工)は省略されている。このため、磁極板14の一端面は平面とされている。
永久磁石17は、永久磁石11,12と同様に、一端面及び他端面が磁極とされており、一端面の中央部から他端面の中央部に至る貫通孔H1が形成された円環形状の磁石である。この永久磁石17は、他端面(S極:第2磁極)が、磁極板14を介して永久磁石12の他端面(S極:第2磁極)と向かい合うように配置される。尚、永久磁石17は、永久磁石11,12と同様に、例えばサマリウムコバルト磁石を用いることができる。
磁極板18は、永久磁石11,12,17と同様の貫通孔H1が形成され、永久磁石11,12,17と同様の内径及び外径を有する円環板状の部材である。この磁極板18は、永久磁石17の一端面(N極:第1磁極)に接するように配置される。尚、磁極板18の一端面は、ボルト16の頭部形状に合わせてザグリ加工されている。磁極板18は、磁極板13,14と同様に、例えば鉄やケイ素鋼等の金属磁性材料を用いて形成されている。尚、セラミックス等の非金属磁性材料を用いて形成することも可能である。
ここで、図5に示す通り、磁極板18に対応するコイル24(第3コイル)を振動ユニット20に設けることも可能である。具体的には、ボビン21の側壁部21aの外周面に磁極板18に対応するコイル溝(コイル溝GR1,GR2と同様のもの:図示省略)を形成し、この不図示のコイル溝にコイル24を収容するようにすればよい。
コイル24は、コイル23の巻回方向とは逆向き(コイル22の巻回方向と同じ向き)に巻回されている。例えば、コイル22が図2の紙面内において時計回りに巻回され、コイル23が図2の紙面内において反時計回りに巻回されている場合には、コイル24は、図2の紙面内において時計回りに巻回されている。また、コイル24は、合成インダクタンスを極力小さくする等の理由により、コイル22,23と直列接続されている。コイル24は、コイル22,23と同様に、例えば銅線を巻回することによって形成される。
図6は、本発明の第2実施形態による励振装置で生ずる磁束を示す図である。尚、図6においては、図5に示す部材と同じ部材については同一の符号を付してある。本実施形態では、永久磁石11,12がN極を向かい合わせて配置されており、永久磁石12,17がS極を向かい合わせて配置されていることから、図6に示す3つの磁束FX1〜FX3が生ずる。
つまり、本実施形態では、図6に示す磁束FX1を生じさせる磁気回路、磁束FX2を生じさせる磁気回路、及び磁束FX3を生じさせる磁気回路の3つの磁気回路が振動ユニット10に形成されているということができる。磁束FX1,FX2は、第1実施形態で説明したものと同じものである。磁束FX3は、永久磁石17のN極、磁極板18、空間SP、ヨーク15の側壁部15a、空間SP、磁極板14、及び永久磁石17のS極を順に介して永久磁石17のN極に至るものである。
図6に示す通り、コイル22は、第1実施形態と同様に、空間SP内において、2つの磁束FX1,FX2(磁極板13からヨーク15の側壁部15aに至る磁束)が鎖交する位置に配置される。これに対し、コイル23は、空間SP内において、2つの磁束FX2,FX3(ヨーク15の側壁部15aから磁極板14に至る磁束)が鎖交する位置に配置される。
また、コイル24が設けられる場合には、コイル24は、空間SP内において、磁束FX3(磁極板18からヨーク15の側壁部15aに至る磁束)が鎖交する位置に配置される。ここで、コイル24に鎖交する磁束の向きは、コイル22に鎖交する磁束の向きと同じ向き(コイル23に鎖交する磁束の向きと逆向き)である。前述の通り、コイル24の巻回方向は、コイル22の巻回方向と同じ向き(コイル23の巻回方向と逆向き)にされていて、コイル24に流れる電流の向きは、コイル22に流れる電流の向きと同じ向き(コイル23に流れる電流の向きと逆向き)になるため、コイル22〜24で発生する電磁力の向きは同じになる。
〈励振装置の動作〉
次に、上記構成における励振装置2の動作について簡単に説明する。尚、コイル24が設けられていない場合の動作は、図6に示す磁束FX3が生じてコイル23に鎖交する点を除いて、第1実施形態の動作とほぼ同じである。このため、以下では、コイル24が設けられている場合の動作について説明する。
不図示の駆動回路から振動ユニット20のコイル22〜24に駆動電流(例えば、正弦波交流)が供給されると、第1実施形態と同様に、振動ユニット20と磁気回路が形成されている振動ユニット20との間で電磁力(吸引力及び反発力)が発生する。これにより、振動ユニット10,20は、図5中の振動方向Xに相対的に振動する。
具体的に、図2の紙面内における時計回りの駆動電流(図6では紙面の裏面から表面に向かう駆動電流)がコイル22に流れると、コイル23には、図2の紙面内における反時計回りの駆動電流(図6では紙面の表面から裏面に向かう駆動電流)が流れ、コイル24にはコイル22に流れる電流と同じ時計回りの駆動電流が流れる。すると、コイル22〜24では、図6中の方向X2の電磁力が発生する。このような電磁力が発生すると、振動ユニット10,20は、図5中の振動方向Xに離間するよう相対的に変位する。
これに対し、図2の紙面内における反時計回りの駆動電流がコイル22に流れると、コイル23には、図2の紙面内における時計回りの駆動電流が流れ、コイル24にはコイル22に流れる電流と同じ反時計回りの駆動電流が流れる。すると、コイル22〜24では、図6中の方向X1の電磁力が発生する。このような電磁力が発生すると、振動ユニット10,20は、図5中の振動方向Xに接近するよう相対的に変位する。駆動電流が振動ユニット20のコイル22〜24に供給されている間は以上の動作が交互に繰り返され、これにより振動ユニット10,20が図5中の振動方向Xに相対的に振動する。
〈励振装置で発生する電磁力〉
次に、励振装置2で発生する電磁力について考察する。尚、以下では、コイル24が設けられている場合に発生する電磁力を検討する。図7は、本発明の第2実施形態による励振装置の寸法を規定する図である。図7において、新たに規定された寸法は以下の通りである。尚、以下に示す寸法以外の寸法は、図4に示されているものと同じである。
・コイル24
:コイル24の高さ(巻線部分における1層当たりの導線数)
:コイル24の厚み(巻線部分における導線の層数)
:コイル24の巻回数
・磁極板18
:磁極板18の厚み
・永久磁石17
:永久磁石17の高さ
・その他
:コイル24と磁極板13,14,18(永久磁石11,12,17)との間隔
:コイル24とヨーク15の側壁部15aとの間隔
ここで、磁束(図6に示す磁束FX1〜FX3)と鎖交するコイル22〜24の鎖交導線長をそれぞれL1〜L3とすると、これらコイル22〜24の鎖交導線長L1〜L3は、以下の(4)式で表すことができる。つまり、コイル22,23の鎖交導線長L1,L2は、前述した(1)式と同様に表すことができ、コイル24の鎖交導線長L3は、コイル24の高さaと厚みbとの比に比例する値として表すことができる。
Figure 0006428040
また、コイル22〜24に鎖交する磁束の磁束密度をそれぞれB1〜B3とすると、これら磁束密度B1〜B3は、以下の(5)式で表すことができる。つまり、コイル22に鎖交する磁束の磁束密度B1は、前述した(2)式と同様に表すことができ、コイル23に鎖交する磁束の磁束密度B2は、永久磁石12,17の高さQ,Qの和と永久磁石12,17等の外径Doとの比に比例する値として表すことができ、コイル24に鎖交する磁束の磁束密度B3は、永久磁石17の高さQと永久磁石17等の外径Doとの比に比例する値として表すことができる。
Figure 0006428040
励振装置2で発生する電磁力をFとし駆動電流をIとすると、これらの比(F/I)は、以下の(6)式で表される。尚、以下の(6)式は、上記(4),(5)式を、F=IBL(Bは磁束密度を示しており、Lはコイルの鎖交導線長)なる式に代入することにより得られる。
Figure 0006428040
尚、コイル22〜24の合成インダクタンスを極力小さくし、且つ励振装置2で発生する電磁力を極力大きくするために、コイル22〜24の巻回数N〜Nは、N=N=Nなる関係、N=N>Nなる関係、或いはN>N>Nなる関係に設定される。また、磁極板13,14,18の厚みc〜cは、0.5〜10mm程度に設定され、ヨーク15の側壁部15aの厚みTyは、3.0mm程度以下に設定され、ヨーク15の側壁部15aの高さLyは、永久磁石11〜13の高さQ〜Qと磁極板13,14,18の厚みc〜cとの和に設定される。
また、コイル22〜24と磁極板13,14,18(永久磁石11,12,17)との間隔G〜Gは、0.5〜2.0mm程度に設定され、コイル22〜24とヨーク15の側壁部15aとの間隔g〜gは、0.5〜3.0mm程度に設定される。尚、磁極板13,14,18の厚みc〜c、ヨーク15の側壁部15aの厚みTy、ヨーク15の側壁部15aの高さLy、隙間G,G,g,gを変えれば、コイル22〜24に鎖交する磁束の分布や密度を変えることができる。
以上の通り、本実施形態では、振動ユニット10の永久磁石11,12,17、磁極板13,14,18、及びヨーク15によって図6に示す磁束FX1,FX2,FX3を生じさせる3つの磁気回路を形成し、振動ユニット20のコイル22,23(巻回方向が互いに逆向きにされて直列接続されたコイル)をそれぞれ磁極板13,14に対応させて配置している。これにより、第1実施形態よりもコイル23に鎖交する磁束の磁束密度を高めることができ、コイル22,23に供給される駆動電流が第1実施形態と同じであっても、第1実施形態よりも大きな電磁力を発生させることができる。その結果として、第1実施形態よりも高い励振性能を得ることができる。
また、本実施形態では、コイル22,23に加えて、コイル24(巻回方向がコイル23とは逆向きにされてコイル22,23に直列接続されたコイル)を磁極板18に対応させて設けることが可能である。これにより、コイル24で発生する電磁力の分だけ大きな電磁力を発生させることができ、その結果としてコイル24が設けられていない場合よりも高い励振性能を得ることができる。
また、本実施形態においては、巻回方向が互いに逆向きにされて直列接続されたコイル22,23に対し、巻回方向がコイル23の巻回方向とは逆向きにされたコイル24を直列接続するようにしている。これにより、コイル22〜24の合成インダクタンスを小さくすることができるため、防爆規格に適合させる上で有利である。また、駆動電流を供給する不図示の駆動回路(図示省略)をコイル22〜24で共通化することができ、駆動回路が1つで済むため、構成を簡素化して、コストの上昇を抑えることができる。
ここで、前述した第1実施形態の励振装置1は、2個の永久磁石11,12と2個の磁極板13,14とによって2つの磁気回路が形成されており、2個の磁極板13,14に対応して2つのコイル22,23が設けられた構造である。このような構造の励振装置1で発生する電磁力(F/I)は、前述した(3)式で表される。
これに対し、上述した第2実施形態の励振装置2は、3個の永久磁石11,12,17と3個の磁極板13,14,18とによって3つの磁気回路が形成されており、3個の磁極板13,14,18に対応して3つのコイル22〜24が設けられた構造である。このような構造の励振装置2で発生する電磁力(F/I)は、前述した(6)式で表される。
以上の(3),(6)式から、k個(kは2以上の整数)の永久磁石とk個の磁極板とによってk個の磁気回路が形成されており、k個の磁極板に対応してk個のコイルが設けられた構造の励振装置で発生する電磁力(F/I)は、以下の(7)式で表すことができる。
Figure 0006428040
〔第3実施形態〕
図8は、本発明の第3実施形態による励振装置の断面矢視図である。尚、図8に示す断面矢視図は、図2に示す断面矢視図(図1中のA−A線に沿う励振装置の断面矢視図)に相当するものである。尚、図8においては、図1又は図5に示す部材に相当する部材には同一の符号を付してある。本実施形態の励振装置3は、前述した第1,第2実施形態の励振装置1,2が備えるヨーク15の形状を変更して小型化及び軽量化したものである。
図8に示す通り、励振装置3に設けられるヨーク15は、図2に示すヨーク15の一部(紙面の左右方向における端部)を切り欠いた形状である。図8に示す例では、ヨーク15の紙面左右方向における幅が、磁極板14,18(永久磁石11,12,17及び磁極板13)の外径と同じにされている。尚、ヨーク15の紙面左右方向における幅は、磁極板14,18等の外径より大とされていても良い。
本実施形態においてヨーク15は、左右の各々における切欠部の角度θが0°<θ≦130°程度に設定される。ここで、切欠部の角度θとは、ヨーク15の左側及び右側の各々において、底部15bの中心P0及び切欠端P1を通る直線と底部15bの中心P0及び切欠端P2を通る直線とがなす角度である。このため、ヨーク15の切欠部の角度を合計した角度(2θ)は、0°<θ≦260°程度に設定される。
ヨーク15の全周を取り囲む角度を100%とすると、上記の角度(2θ)を260°とすれば、ヨーク15の形状を28%程度まで小さくすることができる。ここで、ヨーク15の形状が小さくなると、コイル23等に対面する側壁部15aの面積が減少するため、発生する電磁力が低下する。しかしながら、ヨーク15の形状を28%程度まで小さくしても、発生する電磁力はヨーク15を切り欠かない場合に発生する電磁力の80%程度を維持することができる。
以上の通り、本実施形態では、ヨーク15の左右を切り欠いた形状にしている。これにより、発生する電磁力は若干低下(最大で20%程度の低下)するものの、励振装置3の小型化及び軽量化を図ることができる。尚、上記の角度(2θ)は、励振装置3で発生させる必要のある電磁力の大きさと、実現する必要のある小型化及び軽量化の程度とを考慮して適宜設定すれば良い。
〔質量流量計〕
図9は、本発明の一実施形態による質量流量計の概略構成を示す図である。図9に示す通り、本実施形態の質量流量計MFは、検出部30と流量測定部40とを備えるコリオリ式質量流量計である。検出部30は、フランジ31,32、内部箱体33、外部箱体34、測定チューブ35a,35b、及びカバー36を備える。尚、図9では、外部箱体34及びカバー36を切り欠いて図示している。
フランジ31,32は、測定対象の流体が流れる流路に検出部30を取り付けるためのものである。内部箱体33は、測定チューブ35a,35bが取り付けられた箱体である。この内部箱体33は、例えばフランジ31から検出部30内に流入した流体を測定チューブ35a,35bに導くとともに、測定チューブ35a,35bを介した流体を例えばフランジ32から検出部30の外部に導く。
外部箱体34は、内部箱体33を収容する。このように、内部箱体33が外部箱体34に収容された二重の構造とするのは、外力や振動の影響を効果的に排除するためである。つまり、フランジ31,32を介して伝わる外力や振動を外部箱体34で吸収することで、内部箱体33に取り付けられた測定チューブ35a,35bの形状変化を抑えるようにしている。
測定チューブ35a,35bは、測定対象の流体が導かれる略U字形状のチューブであり、予め規定された間隔をもって並行するように内部箱体33に取り付けられている。尚、測定チューブ35a,35bは、カバー36で覆われている。これら測定チューブ35a,35bの一部は直線部LPとされており、測定チューブ35a,35b内の流体を自然排出可能とすべく直線部LPは角度がつけられている。尚、測定チューブ35a,35bの形状は、振動検出装置D1,D2から出力される振動検出信号の位相差が極力大きくなるように設計されている。
これら測定チューブ35a,35bには、励振装置EX及び振動検出装置D1,D2が取り付けられている。尚、図9においては、これら励振装置EX及び振動検出装置D1,D2を模式的に図示している。励振装置EXは、測定チューブ35a,35bの頂点(直線部LPと直線部LPとの間)に取り付けられており、流量測定部40から供給される駆動電流DIによって測定チューブ35a,35bを図9中の振動方向Xに励振する。尚、励振装置EXは、前述した第1〜第3実施形態における励振装置1〜3の何れかが用いられる。
振動検出装置D1,D2は、励振装置EXの取り付け位置よりも上流側及び下流側にそれぞれ取り付けられており、測定チューブ35a,35bの振動を検出して、その検出結果を示す振動検出信号S1,S2をそれぞれ出力する。これら振動検出装置D1,D2は、例えば測定チューブ35aに取り付けられたマグネットと、測定チューブ35bに取り付けられたセンサコイルとを備える構成である。このような構成とするのは、外部の振動の影響を極力小さくするためである。
流量測定部40は、駆動部41及び流量演算部42を備える。駆動部41は、検出部30の測定チューブ35a,35bに取り付けられた励振装置EXに対して駆動電流DIを供給する。流量演算部42は、検出部30の測定チューブ35a,35bに取り付けられた検出部D1,D2からの振動検出信号S1,S2に基づいて、測定チューブ35a,35bを流れる流体の質量流量を求める。尚、流量演算部42で求められた流体の質量流量は、例えば流量測定部40に設けられた不図示の表示装置に表示され、或いは流量測定部40に設けられた不図示の通信部から外部に送信される。
図10,図11は、本発明の一実施形態による質量流量計における励振装置の取り付け状態を示す断面図である。尚、図10は、本発明の第1実施形態による励振装置1(図1参照)が励振装置EXとして質量流量計MFの測定チューブ35a,35bに取り付けられた状態を示す図である。また、図11は、本発明の第2実施形態による励振装置2(図5参照)が励振装置EXとして質量流量計MFの測定チューブ35a,35bに取り付けられた状態を示す図である。
図10,図11に示されている通り、励振装置1,2は、ブラケット51、ナット52、及びボルト53を用いて測定チューブ35a,35bに取り付けられている。ブラケット51は、測定チューブ35a又は測定チューブ35bに固定される固定面51aと、固定面51aに対して直交し、励振装置1又は励振装置2が取り付けられる取付面51bとを有するL字形状の部材である。ブラケット51の取付面51bには、ボルト16又はボルト53の軸部が介挿される貫通孔H4が形成されている。
図10,図11に示す通り、励振装置1,2の振動ユニット10は、ボルト16の軸部をブラケット51に形成された貫通孔H4に介挿させ、ナット52を螺合させることにより、測定チューブ35aに固定されたブラケット51に固定される。これに対し、励振装置1,2の振動ユニット20は、ボルト53の軸部をブラケット51に形成された貫通孔H4に介挿させ、ボビン21に形成されたボルト穴H3に螺合させることにより、測定チューブ35bに固定されたブラケット51に固定される。
以上の通り、本実施形態では、ブラケット51、ナット52、及びボルト53を用いるだけで、励振装置1,2を測定チューブ35a,35bに容易に取り付けることができる。このため、励振装置1,2の取り付けに要する時間を短縮することができるとともに、励振装置1,2の取り付けに要するコストを低減することができる。尚、ここでは、第1実施形態による励振装置1及び第2実施形態による励振装置2の取り付けについて説明したが、第3実施形態による励振装置3も同様に取り付けることができる。
また、本実施形態の質量流量計MFは、従来よりも高い励振性能を有する励振装置1〜3の何れかが励振装置EXとして取り付けられているため、励振装置1〜3に供給される駆動電流DIが同じであっても、より大きな電磁力を発生させることができる。これにより、測定チューブ35a,35bを流れる流体に気泡等が混入していたり、測定チューブ35a,35bが大きくなったりしても、測定チューブ35a,35bを十分に振動させることができるため流体の流量を従来よりも精度良く測定することができる。
以上、本発明の実施形態による励振装置及び質量流量計について説明したが、本発明は上記実施形態に制限される訳ではなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態では、N極が向かい合うように永久磁石11,12が配置されており、S極が向かい合うように永久磁石12,17が配置されている例について説明したが、向かい合う磁極は逆であっても良い。つまり、S極が向かい合うように永久磁石11,12が配置され、N極が向かい合うように永久磁石12,17が配置されていても良い。但し、向かい合う磁極を逆にした場合には、コイル22,23,24の巻回方向も逆にする必要がある。
1〜3 励振装置
10 振動ユニット
11,12 永久磁石
13,14 磁極板
15 ヨーク
16 ボルト
17 永久磁石
18 磁極板
20 振動ユニット
22,23 コイル
24 コイル
35a,35b 測定チューブ
D1,D2 振動検出装置
DI 駆動電流
EX 励振装置
H1 貫通孔
H2 ボルト穴
MF 質量流量計
SP 空間

Claims (11)

  1. 磁石を有する第1振動ユニットと、コイルを有する第2振動ユニットとを備えており、前記コイルに駆動電流が流れることにより前記第1,第2振動ユニットが相対的に振動する励振装置において、
    前記第1振動ユニットは、第1磁極を向かい合わせて配置された第1,第2磁石と、該第1,第2磁石の間に配置された第1磁性部材と、前記第2磁石の第2磁極に配置された第2磁性部材と、前記第1,第2磁石及び前記第1,第2磁性部材の周囲を取り囲むように前記第1磁石の第2磁極に配置された第3磁性部材とを備えており、
    前記第2振動ユニットは、前記第1,第2磁性部材にそれぞれ対応するよう前記第1,第2磁石及び前記第1,第2磁性部材と前記第3磁性部材との間の空間に配置され、巻回方向が互いに逆向きにされて直列接続された第1,第2コイルを備え
    前記第1,第2コイルは、前記第1コイルの巻回数が前記第2コイルの巻回数以上とされて防爆規格に適合するようにされている
    ことを特徴とする励振装置。
  2. 前記第1,第2,第3磁性部材は、磁性を有する金属材料によって形成されていることを特徴とする請求項1記載の励振装置。
  3. 前記第1,第2磁石及び前記第1,第2磁性部材は、中央部に貫通孔が形成された環状形状であり、
    前記貫通孔に挿通されて、前記第1,第2磁石及び前記第1,第2磁性部材を前記第3磁性部材に固定する固定部材を備える
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の励振装置。
  4. 前記第3磁性部材の中央部にはボルト穴が形成されており、
    前記固定部材は、軸部が前記貫通孔に介挿されて、前記ボルト穴に螺合されることにより前記第1,第2磁石及び前記第1,第2磁性部材を前記第3磁性部材に固定するボルトである
    ことを特徴とする請求項3記載の励振装置。
  5. 前記固定部材は、非磁性材料によって形成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の励振装置。
  6. 前記第1振動ユニットは、前記第2磁性部材を介して前記第2磁石に第2磁極を向かい合わせて配置された第3磁石と、該第3磁石の第1磁極に配置された第4磁性部材とを備えており、
    前記第3磁性部材は、前記第1,第2磁石及び前記第1,第2磁性部材に加えて、前記第3磁石及び前記第4磁性部材の周囲を取り囲むようにされている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の励振装置。
  7. 前記第2振動ユニットは、前記第4磁性部材に対応するよう前記第1,第2,第3磁石及び前記第1,第2,第4磁性部材と前記第3磁性部材との間の空間に配置され、巻回方向が前記第2コイルの巻回方向と逆向きにされて前記第1,第2コイルに直列接続された第3コイルを備えることを特徴とする請求項6記載の励振装置。
  8. 前記第1,第2,第3磁石及び前記第1,第2,第4磁性部材は、中央部に貫通孔が形成された環状形状であり、
    前記貫通孔に挿通されて、前記第1,第2,第3磁石及び前記第1,第2,第4磁性部材を前記第3磁性部材に固定する固定部材を備える
    ことを特徴とする請求項6又は請求項7記載の励振装置。
  9. 前記第3磁性部材の中央部にはボルト穴が形成されており、
    前記固定部材は、軸部が前記貫通孔に介挿されて、前記ボルト穴に螺合されることにより前記第1,第2,第3磁石及び前記第1,第2,第4磁性部材を前記第3磁性部材に固定するボルトである
    ことを特徴とする請求項8記載の励振装置。
  10. 前記固定部材は、非磁性材料によって形成されていることを特徴とする請求項8又は請求項9記載の励振装置。
  11. 測定対象である流体が流れる測定チューブを励振する励振装置と、励振された前記測定チューブの振動を検出する振動検出装置とを備えており、前記振動検出装置の検出結果を用いて前記流体の流量を測定する質量流量計において、
    前記励振装置として、請求項1から請求項10の何れか一項に記載の励振装置を備えることを特徴とする質量流量計。
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