JP6428029B2 - 電動車両用スイングアーム - Google Patents

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本発明は、二輪または三輪の電動車両の駆動車輪用のスイングアームに関するものである。
近年、電動モーターを動力源とした自動二輪車や自動三輪車の車両が開発されている。このような車両においては、電動モーターとこれを制御するインバーターとが、スイングアームの内部に収容され、電動モーターやインバーターから延びるケーブルがスイングアームの外部に導出されている場合が多い。
例えば、下記の特許文献1のように、スイングアームの本体に電動モーターと、これを制御するインバーターとを設ける構成が知られているが、高圧配線がスイングアームの外側に配置されることとなるため、別途配線保護のための機構を設ける。
さらにこのような構成に加え、特許文献2で示されるように、スイングアーム本体をケース形状とし、その内部に電動モーターとこれを制御するインバーターを設け、カバーを取り付けることにより組み立てられる構成が知られている。このような構成によると、メンテナンスのためにカバーを開けた際、モーターの回転軸に組み込まれている磁石の磁力の影響で、回転軸が傾いてしまう傾向がある。
特開2006−56354号公報 特開2013−129338号公報
そこで、本発明の目的は、電動モーターを動力源とした車両用スイングアームに搭載するモーターやインバーターなどを最適に配置することによって、省スペースでメンテナンス性の良いスイングアームを提供することにある。
本発明にかかる電動車両用スイングアームは、駆動軸を回転駆動するモーターと、電力供給を受けて前記モーターへの電力供給を制御するインバーターと、前記インバーターを前記モーターに並んで保持する本体部と、前記本体部を覆うカバー部とを有し、前記カバー部は少なくとも前記モーターを覆う第一カバー部と、少なくとも前記インバーターを覆う第二カバー部とを備え、前記モーターが前記本体部と、前記第一カバー部とにより保持されており、前記第一カバー部を装着したまま前記第二カバー部が着脱可能になっている。
また、前記本体部は、上部が下部に比較して車両前後方向の前方に突出して形成された突出部と、電力を前記インバーターに供給する第二配線を有し、前記突出部は車両に対して揺動可能にその本体部を保持する支点部を備えており、前記第二配線が前記突出部を通っている。
また、前記本体部は、前記モーターと前記インバーターとを仕切る仕切り部材を更に有し、前記インバーターと前記モーターは、前記インバーターの電力を前記モーターへ供給する第一配線で接続されており、前記第一配線は、前記仕切り部材を貫通して前記モーターと前記インバーターに接続されており、前記第一配線は、前記モーターの前記第一カバー部の外郭側面と前記インバーターの前記第二カバー部の外郭側面との内側に納められていてもよい。
また、前記本体部は、前記第二配線と前記インバーターの接続部が前記インバーターの前記モーター側に備えられ、かつ前記第二配線は前記第二カバー部の外郭側面と前記本体部との内側に納められ、前記突出部を通って前記インバーターの外部へ出ていてもよい。なお、この第二配線は、前記インバーターの上を通すことが望ましいが、下へ通す、あるいはインバーターの横を通すこともできよう。
また、前記第一配線は、前記インバーターと前記モーターとの間の少なくとも一箇所で繰り返し着脱可能に設けられていてもよい。
また、前記本体部は、前記インバーターを保持する面の裏側に放熱機構を有していてもよい。
この発明の電動二輪車のスイングアームにおいては、電動モーターを制御するインバーターをメンテナンスする時にモーター部のカバーを外す必要がなくなり、メンテナンス性が向上する。また、部品配置の最適化により、スイングアームを小型化することができる。
第1の実施形態における、電動モーターを動力源とした電動二輪車の、車体左側後方からみた概略斜視図である。 第1の実施形態における、図1のスイングアーム周りの拡大図である。 第1の実施形態における、図2のスイングアーム本体部の概略図である。 第1の実施形態における、図2のスイングアーム本体部にスイングアームカバーを取り付けた際の概略図である。 第1の実施形態における、図1のスイングアームにモーターカバーを取り付けた際の概略図である。 第1の実施形態における、スイングアームの図4におけるA−A線による断面図である。 第1の実施形態における、図1のスイングアームとメインバッテリーの概略図である。 第1の実施形態における、図7におけるB−B線による断面図である。 第1の実施形態における、スイングアーム周りを左側面から見た概略図である。
以下、図面に基づいてこの発明の実施例を詳細かつ具体的に説明する。
[第1の実施形態]
まず図1〜9は、本発明の第1の実施形態を示すものである。図1に示すように、本実施形態においては、本発明にかかる電動車両用のスイングアーム3は、電動二輪車に搭載されることによって実施される。ただし、本発明の実施形態はこの電動二輪車のみに限られず、例えば前輪もしくは後輪を二輪とした三輪車両や、さらにはサイドカーを有する二輪車両など左右の車輪が非対称な車両にも用いることが出来る。なお、以下においては燃料電池を用いた電動二輪車を例に説明するが、本願発明はこのような実施形態に限定されず二輪または三輪の電動車両一般に適用できるものである。
図1に示すように、電動二輪車の骨格には、後に述べる各パーツを保持するフレーム5、7、9、11、13、15、17、19が備えられていることが望ましい。これらのフレームは、車体のほぼ全長に渡って敷設され、車体前方から中央までを担当する左右で一対のフレーム5a及び5bを有するフレーム5と、車体中央から後方までを担当する左右で一対のフレーム7a及び7bを有するフレーム7と、さらに、フレーム5a及び5bと、7a及び7bの間に位置するフレーム15、17、19と、水素タンク21の後方を保護するフレーム9、11、13から構成される。
フレーム5は車体前方上部でヘッドパイプ23を保持している。このフレーム5はヘッドパイプ23の保持部から二股に分かれ、若干後方へ傾きを持ちながら急激な傾斜を持って車体底部へ向かい敷設されたのち、車体底部で後方へ曲げられている。さらに、フレーム5は車体底部では上方に水素タンク21を保持し、水素タンク21の車体前後方向における中央部寄りで上方へ円弧を描くように曲がり、端部でフレーム7に接続している。
フレーム7a及び7bは、それぞれ一端をフレーム5a及び5bの前方にある傾斜部の上下方向の中央やや下部よりに接合し、車体の後方へ向かってほぼ水平に敷設される。そして、これらのフレーム7a及び7bには、車体の前後方向の中央部の下側に、前述したように、フレーム5a及び5bの一端がそれぞれ接合している。その後方では、これらのフレーム7a及び7bは、上方へゆるやかな曲率で曲がり、車体後部まで敷設されたのち後端部において車体後方へ向かって再度曲がっている。
フレーム7aは、車体の前後方向の中央部において、上部にメインバッテリー25を保持し、その後方には、上部に燃料電池27を、下部にそれぞれサスペンション29a及び29bの上端部を保持しており、さらにメインバッテリー25及び燃料電池27の上方には、図示しない支持部材を介してシート31を備えている。また、フレーム7aは、車体左側面のやや後方の下部にピボット保持部材33を有している。
フレーム9は、一端をフレーム5aの車体底部の前後方向における後端部に接合され、水素タンク21の後端部を包み込むように湾曲し、フレーム5bの車体底部の後端にもう一端を接合される。フレーム11は、一端をフレーム5aの円弧部の後端に接合され、フレーム9と同様に水素タンク21の後端部を、後方へ緩やかな湾曲をもって車幅方向に水平に渡され、フレーム5bの円弧部の後端部にもう一端を接合される。フレーム13は、フレーム9及び11を車体左側面で上下に接合する。車体右側面にも図示しないフレームによって同様の構造を用いることができる。
フレーム15、17、19は車体の左右で対になったフレーム5aと5b、及びフレーム7aと7bの間を車幅方向に直線的に敷設され、それぞれ両端でフレーム5及び7に接合される。フレーム15は水素タンクの前方部に位置し、フレーム17及び19は後輪37の上部でそれぞれフレーム5及び7の左右のフレームを接合している。これらのフレーム15、17、19により車体の車幅方向の剛性の向上が期待できる。
図1に示すように、車体底部には液体水素が充填された水素タンク21がフレーム5a及び5bによって車体底部に保持されている。水素タンクは他の部品と比較して重量が大きくなる傾向があるため、重量バランスを考慮してできるだけ車体中心の低い位置に配置されることが望ましいためである。
図1に示すように、水素タンク21の上部のシート31の下側には、メインバッテリー25がフレーム7により保持される。メインバッテリー25は、電力を供給するための部品であり、他の部材と比較して形状や重量が大きくなる傾向がある。したがって、シート31の下など、スペースが広くて人が簡単に触れることができない場所に設置されることが望ましいためである。
車体後方の後輪37の上部のシート31の下側には、燃料電池27がフレーム7によって保持されている。燃料電池27は、水素タンク21と図示しないパイプによって繋がれており、またメインバッテリー25とも図示しない配線によって繋がれている。
図1に示すように、前述したフレーム5に保持されたヘッドパイプ23の内部には、ステアリング軸39が規制された範囲で軸方向に回転可能に挿入されている。ステアリング軸39の下端部は、二股に分かれたフロントフォーク41を設けている。フロントフォーク41の下端部は、前輪43の車軸45を回転可能に保持している。一方、ステアリング軸39の上部は、ハンドル47を備えている。ハンドル47の車幅方向の左端は、グリップ49を備えており、右端はスロットルグリップ51を備えている。したがって、運転者が、ハンドル47をステアリング軸39の周方向へ回転することで、ステアリング軸39と、フロントフォーク41と、車軸45及び前輪43とをハンドル47と同じ方向に回転させることができる。スロットルグリップ51は、グリップの軸方向に規制された角度で回転可能に備えられており、運転者がこれを回転することで、後述するインバーター53へ回転角に応じた信号が入力される。この信号に応じて、インバーター53は、メインバッテリー25の直流電流をモーター53の駆動用交流電流に変換するとともに、モーター55へ供給する電流を制御する。なお、この図1は、下に図4に関連して説明するカバー部61を取り去った状態を示している。
図1乃至図4に示すように、前述したピボット保持部材33には、スイングアーム3が備えられている。なお、図2と3は、図1と同様、カバー部61を取り去った状態を示している。スイングアーム3は、配線ボックス57と、本体部59と、カバー部61により構成される。配線ボックス57は、車幅方向の中央寄りに設けられており、本体部59及びカバー部61は、車幅方向の左側面寄りに設けられている。配線ボックス57の先端部には、車幅方向に貫通した軸孔63が設けられており、ピボット部35においてピボット軸65が軸孔63に貫通され、回転可能に保持される。また、このスイングアーム3は、本体部59の後方で、後輪37の車軸を回転可能に保持している。さらに、本体部59の後端上部には、サスペンション取付け部67が設けてあり、前述したサスペンション29aの下端を回転可能に保持している。一方で、本体部59の前方は配線ボックス57に接合されている。したがって、本実施態様における電動二輪車が走行中に地面から衝撃を受けた際、スイングアーム3がピボット部35を支点として上下に揺動し、スイングアーム3と本体の間に取り付けられたサスペンション29が衝撃を吸収することで、フレーム7やシート31に伝わる衝撃を緩衝する。なお、車幅方向の右側には、左側と同様のスイングアーム3があっても良いが、モーター55や、インバーター53や、カバー部61などを省略した簡易なスイングアームを設けることもできる。また、車幅方向の右側では、スイングアーム及びサスペンション29bを省略し、車幅方向の左側面のスイングアーム3及びサスペンション29のみが後輪37を支える片持ち形式とすることもできる。
インバーター53とモーター55を取り去った状態を表す図3に示すように、本体部59は、車幅方向の中心側に向けて設けた箱底面部69と、車体左側面側に箱底面部69の周囲を囲んで箱底面部69に対してほぼ垂直方向に設けた箱壁面部71とにより箱型の形状を形成している。さらに、箱型の本体部59の内部は、車体前方寄りに設けられた配線孔用スペース59cと、配線孔用スペースの車体後方側に設けられたインバーター収納スペース59aと、インバーター収納スペース59aの車体後方寄りに設けられたモーター収納スペース59bとを備えている。
図3に示すように、モーター収納スペース59bとインバーター収納スペース59aとの間にはインバーター収納スペース59aを区画するカバー合わせ面用リブ73と、モーター収納スペース59bを区画するカバー合わせ面用リブ74とが互いに接するように設けられている。インバーター53とモーター55とを仕切るカバー合わせ面用リブ73、74は、それらのカバー部61と接する面が箱壁面部71のカバー部61と接する面と同一面となるようになっている。また、カバー合わせ面用リブ73、74は、箱底面部69との間に隙間があり、配線83がこの隙間を貫通することができるようになっている。つまり、カバー合わせ面用リブ73、74がインバーター収納スペース59aとモーター収納スペース59bとの間を仕切る仕切り部材を形成している。このカバー合わせ面用リブ73、74の下部、すなわち箱底面部69と接する部分には隙間が設けられて、配線83が通ってインバーター53とモーター55を電気的に接続できるようになっている。この隙間は、配線83を通した後で封止することができし、開いたままにしておくこともできる。この隙間を配線83が通る孔の構造とすることもできる。これらの構造上の工夫により、インバーター53とモーター55とを短い配線構造により電気的に結合することができる。ここでは、配線をカバー部61や本体部59の外側に出すことは不要である。
図3に示すように、配線孔用スペース59cは、インバーター53とメインバッテリー25を繋ぐ配線77を配線ボックス57へ通すための配線用孔75a乃至配線用孔75cを備えている。また、配線孔用スペース59cの箱底面部69の裏側は、配線ボックス57が配置されており、配線用孔75a乃至75cは、配線ボックス57の車幅方向の左側面に開けられた配線用孔79と重なり合うように設置されている。
図3に示すように、インバーター53は、インバーター収納スペース59aに設置される。図3においては、インバーター収納スペース59aの箱底面部69は、本体部59のその他の底面よりも厚みを持った形状となっているが、インバーター53の厚みや形状に応じて、箱底面部69の厚みや形状も変更することができる。また、インバーター53で発生した熱を放熱しやすいよう、インバーター53と箱底面部69との間に、熱伝導率の高い部材を設けたり、冷却用の水を通すダクトなどの冷却部材を設けることもできる。
図2に示すように、モーター55は、モーター収納スペース59bに設置される。また、図3に示すように、モーター収納スペース59bは中心部にモーター軸受85を設けている。モーター55の回転軸はモーター軸受55を通り、後輪37の車軸に接合と接合し、後輪37を回転させる。モーター55の回転軸は後輪37の車軸と同軸上、もしくは近傍に設置されるのが望ましい。これにより、後輪37の車軸へ駆動力を伝えるための部材数の削減とモーター55の回転力を車軸に伝達する際のエネルギー損失の削減が期待できる。
図3に示すように、モーター収納スペース59bの箱壁面部71の内周には、箱壁面部71よりも車幅方向の長さが短いモーター固定用壁面87が円弧状に設けられている。また、モーター固定用壁面87は、完全な円形ではなくインバーター53側の一部が開いており、その一部にモーター固定用支柱89が設けられている。モーター固定用支柱89とモーター固定用壁面87の間には隙間があり、モーター配線83が通っている。
図4に示すように、箱本体部59の車幅方向の左側面にはカバー部61が設けられている。カバー部61は、インバーターカバー61aとモーターカバー61bからなる。カバー部61はカバー合わせ面用リブ73と重なる部分に設けられた分割面91を境に、インバーター収納スペース59aと配線孔用スペース59cを覆うインバーターカバー61aと、モーター収納スペース59bを覆うモーターカバー61bとの二つに分割される。また、モーターカバー61bの内側にはモーター軸受61cが設けてあり、スイングアーム3本体に設けたモーター軸受85と共にモーター55を支えることで、図示しないモーター55の軸がモーター内のローターの磁力によって磁性体であるステーターに吸引されて傾くのを防止している。
図5に示すように、分割されたインバーターカバー61aは、モーターカバー61bを本体部59に取り付けたまま、個別に取り外すことができる。これにより、インバーターのメンテナンス時にも、モーターカバー61bのモーター軸受61cがモーター55を支えており、モーター55の軸が傾くことを防止できる。つまり、メンテナンス後にモーター55の軸の傾きによりカバー取付けが困難になることを防ぐことができる。なお、モーター55のメンテナンス時には、インバーターカバー61aを取り付けたまま、モーターカバー61bのみを取り外すこともできる。
図3、図4及び図5に示すように、インバーターカバー61a及びモーターカバー61cは、箱壁面部71のカバー合わせ面95に固定することができる。固定には、カバー合わせ面95に設けたねじ穴97に、図示しないねじで固定することができるが、固定方法はねじのみに限られず、本体部59との嵌め合いによる方法や、溝を設けて固定する方法や、磁力を利用する方法や、その他の固定用部材を設けて固定する方法も採用することができる。なお、インバーター収納スペース59a及びモーター収納スペース59bの箱壁面部71は、ねじ穴とねじ穴の間を、箱壁面部71の外側から円弧上にえぐられた形状とし、壁面部の厚みが薄くなるように形成されている。
図5に示すように、インバーター配線79の一端は、インバーター53の車体後方側に繋がっており、また、もう一端はインバーター収納スペース59aとモーター収納スペース59bの間の箱底面部69に設けられた端子台81に繋がっている。端子台81にはさらに、モーター55へ接続されるモーター配線83の一端が繋がっており、この配線83のもう一端は、インバーター53とモーター55とを仕切るカバー合わせ面用リブ73に設けられた箱壁面部69との隙間を貫通し、モーターへ55と繋がっている。これにより、メンテナンスの時などにインバーター53を取り外す際、端子台81との接続部分でインバーター配線79を取り外すことができ、モーター55の部品に触れずに済むので、故障や感電といった危険性が減る。また、端子台81はカバー合わせ面用リブ73よりもインバーター53側に設けてあるので、インバーターカバー61aを外せばインバーター配線79を端子台81から取り外すことができる。つまり、インバーター53とインバーター配線79を本体部59から完全に取り外すことができるため、メンテナンスが容易になる。また、配線79をインバーター53のメンテナンス作業のために長く備えておく必要もなくなる。一方、カバー合わせ面用リブ73の下部に設けられたモーター配線用孔93については、モーター配線83を貫通した状態で箱底部69との隙間を塞ぐことで、インバーター53のメンテナンスの際にモーター収納部への水やゴミの侵入を防ぐことができる。なお、カバー合わせ面用リブ73、74は、車両が転倒した際には、モーター配線83等を保護する。
図4のA−A線による断面図を示す図6に示すように、インバーター53が設置された箱底面部69の裏面側には、インバーター冷却用のフィン99が設けられている。インバーター53は発熱部材であり、発生した熱は電子部品の保護や動作効率下の防止や安全性確保などの目的で放熱する必要がある。本実施例においては、インバーター53で発生した熱はインバーター53裏面に接する箱底面部69へ伝わり、さらに箱底面部69の裏面に設けたフィン99へ伝達し空気中へ放熱される。フィン99の形状は、熱を効率よく放熱するために起伏を繰り返す形になっており、表面積を増やして空気と接する機会が多くなるように設計してある。フィン99は、車体側面から見て、後輪37の外郭38と重なる位置やその近傍に位置している。また、フィン99が設けてある面は後輪37に面しているため、フィン99には車体の走行により生じる風に加え、後輪37により生じる風が送られて効率よく放熱が行われる。したがって、インバーターカバー61aに冷却機構などの複雑な形状を設けて放熱する必要性が減り、スイングアーム3のカバー部61の構造を単純化し、スイングアーム3の車幅方向の厚みを薄くすることができる。これにより、狭い路地での走行が容易となる。なお、このフィン99はモーター収納スペース59bの裏面などにも設けることもできる。これにより、インバーター53と同様に発熱部品であるモーター55で発生した熱も冷却することができる。なお、フィン99の形状や設置方向、設置面や設置密度などは周囲の形状や空気の流れなどに合わせて変更可能である。例えば、本実施例においては平板形状のフィン99をスイングアームの箱底面部69の裏面に垂直に複数並べているが、その代わりに剣山状の放熱部材を複数並べた形状とすることもできる。また、フィン99を熱伝達率の良いアルミニウムや銅などで作ることで、より高い放熱効果を期待することもできる。また、スイングアーム3の箱底面部69に採用した材質と同様の材料を採用することもできる。さらに、インバーター53は直接箱底面部69へ設置することもできるが、熱の伝達効率の向上を図るために設置面に熱伝導率の高い放熱グリスや伝熱用の部材などが介在してもよい。
図6に示すように、メインバッテリー25からインバーター53への配線77は、一端をメインバッテリー25の車体後方側面と接合し、他端側は配線ボックス57の上部に開けられた配線用孔80から配線ボックスの内部に通っている。さらに、図6及び図7で示すように、この配線77は配線ボックス57の本体部59側に設けられた配線用孔79a乃至79cと、箱底面部59cに開けられた配線用孔75a乃至75cを通り、配線孔用スペース59cへと通っている。図7に示すように、本体部59の中へ通った配線77は、インバーター53の上部と上方にある箱壁面部71の間を通って、インバーター53の後方側面に接続している。なお、図7に示すように、配線77をインバーター53の上部と箱壁面部71の間を通し、インバーター53の車両後方面側へ接合する際に、配線77を湾曲した形状にする場合は、湾曲部の円弧の半径をできるだけ小さくすることで、スイングアーム3の大きさを小さくすることができる。また、図7のB−B線による断面図を示す図8にあるように、配線77は、配線ボックス57からスイングアーム3のインバーター用配線孔75a、75b、75cを通ってインバーター53の上方へと出て、インバーター53の上を通る。つまり、配線77がインバーター53の車幅方向の外郭の外側を通らないようにすることで、スイングアーム3全体の厚みを薄くすることができる。インバーター53と配線77及び83の接続部を、インバーター53の車体後方側とすることで、インバーター53の内部に設ける電流センサーといった配線接続部付近に配置する必要がある電子部品を一箇所にまとめることができる。これにより、インバーター53のサイズを小さくすることができる。
図9に示すように、スイングアーム3の車両左側面方向からの投影形状は、車両前方方向の上部が下部よりも前方に突出している。配線ボックス57及び配線孔用スペース59cは、この突出部に相当する位置に配置されている。また、スイングアーム3を車両に回転可能に保持するための軸孔63、配線用孔75、配線用孔79及び配線用孔80のいずれもこの突出部に配置されている。したがって、配線77はこの突出部を通り、メインバッテリー25へと導出される。また、配線77は、前述したとおりインバーター53との接続部がインバーターの車両後方側に配置されるため、インバーター53の前方部の突出部の下部にはインバーター53と配線77を接続するためのスペースや、配線77を湾曲形状にするためのスペースが不要となる。これにより、このスイングアーム3の突出部の下に空間が確保され、水素タンク21やその他の部品を配置するための部品配置スペース22をより大きく確保することができる。なお、燃料電池電動二輪車1は、図示しない車体カバーによって各部品を覆い、部品を保護するとともに安全性やデザイン性を高めることができる。
ここで、前述した構成の燃料電池電動二輪車1のシステムについて、簡単に説明する。前述した水素タンク21の内部には、水素が気体もしくは液体の状態で充填されている。水素タンク21は、この水素を図示しないパイプで燃料電池27へと供給する。
燃料電池27はこの水素を、空気中の酸素と化学反応させて、電力を発生させるとともに、水を生成する。なお、この酸素は、図示しない取り込み口から別途燃料電池27へ取り込まれる。そして、燃料電池27は、発生した電力を、図示しない高圧ケーブルにより、メインバッテリー25及びインバーター53へと供給される。一方で、生成した水は、液体または水蒸気の状態で、図示しない放出機構により、車両外部へ放出される。なお、車外へ放出せず、別途設けたタンクなどに蓄積しても良い。
メインバッテリー25は図示しない高圧ケーブルで燃料電池27から供給された電流によって、充電される。さらに、配線77を通じてインバーター53へと電力を供給する。なお、メインバッテリー25は、一定の電力を貯蓄することができるため、燃料電池27からインバーター53へ供給される電力を補助して追加の電力を供給することができる。また、燃料電池27が起動していない状態であっても、インバーター25へ電力を供給することができる。
インバーター53はメインバッテリー25から供給された直流電流を交流電流へと変換する。また、運転者が回転するスロットルグリップ51の回転角度に応じて出力された信号を受け取り、この信号に応じた周波数に変換して、インバーター配線79と、端子台81及びモーター配線83を介してモーター55へ出力する。
モーター55はインバーター53から供給された交流電流の周波数に応じて、モーター55の回転軸と車軸を介して後輪37を回転させる。これにより、燃料電池電動二輪車1は走行することができる。
[その他の態様]
前述した実施形態の説明は、本発明にかかる電動車両用スイングアームを説明するための例示であって、特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではない。また、本発明の各部構成は前記した実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、前述した燃料電池システムにおいては燃料電池27から発生した電力は図示しない配線を介して直接インバーター53へ供給されているが、一旦メインバッテリー25へ発生した電力すべてを供給して充電を行った後、メインバッテリー25からインバーター53へ安定的に電力供給する構成を採用することもできる。
他にも、カバー部61は、完全に分割する構成ではなく蝶番を設けてインバーターカバー61aもしくはモーターカバー61bのどちらか一部のみ開く形状にしたり、スライド式に一部のみ開く形状とすることもできる。
さらに、スイングアーム3の冷却方法は、内部に冷却水用の配管を通して冷却する方法や、別途ファンを設けて冷却する方法も採用することができる。
また、本実施例においては燃料電池式の電動二輪車を用いて説明したが、燃料電池を搭載しない電動二輪車に、本発明に係るスイングアーム3を用いることもできる。この場合は、水素タンク21や燃料電池27の設置が不要となるため、水素タンク25の位置にメインバッテリー25を配置することができる。したがって、メインバッテリー25や燃料電池27を設置していたシート31の下側のスペースが空き、ラゲッジボックスなどを設置することができる。
1 燃料電池電動二輪車
3 スイングアーム
5 フレーム
7 フレーム
9 フレーム
11 フレーム
13 フレーム
15 フレーム
17 フレーム
19 フレーム
21 水素タンク
22 部品配置スペース
23 ヘッドパイプ
25 メインバッテリー
27 燃料電池
29 サスペンション
31 シート
33 ピボット保持部材
35 ピボット部
37 後輪
38 後輪外郭
39 ステアリング軸
41 フロントフォーク
43 前輪
45 車軸
47 ハンドル
49 グリップ
51 スロットルグリップ
53 インバーター
55 モーター
57 配線ボックス
59 本体部
59a インバーター収納スペース
59b モーター収納スペース
59c 配線孔用スペース
61 カバー部
61a インバーターカバー
61b モーターカバー
61c モーター軸受
63 軸孔
65 ピボット軸
67 サスペンション取付け部
69 箱底面部
71 箱壁面部
73 カバー合わせ面用リブ
74 カバー合わせ面用リブ
75 インバーター配線用孔
77 配線
79 配線用孔
80 配線用孔
81 端子台
83 モーター配線
85 モーター軸受
87 モーター固定用壁面
89 モーター固定用支柱
91 分割面
93 モーター配線用孔
95 カバー合わせ面
97 ねじ穴
99 フィン

Claims (5)

  1. 駆動軸を回転駆動するモーターと、電力供給を受けて前記モーターへの電力供給を制御するインバーターと、前記インバーターを前記モーターに並んで保持する本体部と、前記本体部を覆うカバー部とを有し、前記カバー部は少なくとも前記モーターを覆う第一カバー部と、少なくとも前記インバーターを覆う第二カバー部とを備え、前記モーターが前記本体部と前記第一カバー部とにより保持されており、前記第一カバー部を装着したまま前記第二カバー部が着脱可能であり、
    前記本体部は、その上部が下部に比較して車両前後方向の前方に突出して形成された突出部と、電力を前記インバーターに供給する第二配線を有し、前記突出部は車両に対して揺動可能にその本体部を保持する支点部を備えており、前記第二配線が前記突出部を通る車両用スイングアーム。
  2. 前記本体部は、前記モーターと前記インバーターとを仕切る仕切り部材を更に有し、前記インバーターと前記モーターは、前記インバーターの電力を前記モーターへ供給する第一配線で接続されており、前記第一配線は、前記仕切り部材を貫通して前記モーターと前記インバーターに接続されており、前記第一配線は、前記モーターの前記第一カバー部の外郭側面と前記インバーターの前記第二カバー部の外郭側面との内側に納められている、請求項1に記載の車両用スイングアーム。
  3. 前記本体部は、前記第二配線と前記インバーターの接続部が前記インバーターの前記モーター側に備えられ、かつ前記第二配線は前記第二カバー部の外郭側面と前記本体部との内側に納められ、前記突出部を通って前記インバーターの外部へ出ている、請求項1又は請求項2に記載の車両用スイングアーム。
  4. 前記第一配線は、前記インバーターと前記モーターとの間の少なくとも一箇所で繰り返し着脱可能に設けられている、請求項2に記載の車両用スイングアーム。
  5. 前記本体部は、前記インバーターを保持する面の裏側に放熱機構を有する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両用スイングアーム。
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