JP6427832B2 - 植物育成装置 - Google Patents

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本発明は、植物を育成できる植物育成装置に関する。
インテリア装飾の一貫として、床や机・テーブル上に花瓶や花鉢をおき、暮らしに潤いをもたらす種々の試みに関心が集まっている。病院やケアーハウスなどでのインテリア用途の植栽手法には、微生物が増殖しにくい土壌代替物を使った様式のものが好まれるが、メンテナンスが容易で長期、健全な生育状態を保つことが可能な栽培装置や繰り返し使える手法の開発が求められている。また、人工栽培基盤を用いた栽培には、栽培効率、多様な植物種に対応できる優れた部材・手法開発が望まれている。また暮らしに潤いをもたらす観点からは、栽培装置自体の見栄えも向上することが望まれている。
また花壇や鉢植え等で植物を育成するには、一般に花壇や鉢植え等の中には用土が必要である。さらに、適切な量の水分や養分を適切なタイミングで供給する必要がある。
そこで、特許文献1では、保水性を有する多孔質セラミックを用いた容器を用いて、多孔質セラミックに保水させた水分によって水を用土に供給する方法が開示されている。
一方で、花壇や鉢植え等の小規模な栽培方法ではない、大規模な栽培方法として、畑での栽培や、水耕栽培等が一般に行われている。
特開平10−80232号公報
花壇や鉢植え等の小規模な栽培方法である特許文献1の栽培方法では、多孔質セラミックが保水可能な水分量には制限があるため、やはり定期的な水分供給が必要である。また多孔質セラミックから水分を供給するのは、内部に設置した用土に対してであり、用土の必要性があることは変わらない。さらに、育成する植物種毎に適正なサイズの容器を準備する必要があり、汎用性に欠けるという問題がある。
また、畑での栽培においては、毎日の水分及び養分の供給が必要であり、育成する植物種ごとに適切な育成条件を育成者が十分に理解している必要がある。さらに、育成する植物種を変更しようとすると、畑の土の入替等の非常に煩雑な作業が必要である。
水耕栽培は、必要なミネラル・栄養素のみを水に添加することで、植物生産を効率よく行う植物工場等で一般に実用されている育成方法であるが、レタス等の草本植物が育成できる植物種の中心であり、木本植物の栽培は非常に困難である。さらに、水耕栽培では、水や液肥等の養分の管理が容易ではない。
また植物工場等の大規模栽培でも、様々な種類の植物を育成するためには、その植物に応じた適切な水分又は養分供給の管理に加え、適切なサイズの囲いを必要とするという問題がある。さらに、成長できる植物種には制限があり、またその植物種を入れ替えるためには煩雑な作業が必要である。
すなわち、小規模栽培でも大規模栽培でも、生育特性の広い植物種を育成するためには、植物ごとの水分要求量等を育成者が十分に理解し、その要求量にあった水分を植物に供給する必要がある。また生育する植物種を変更する度に、容器を変える等の煩雑な作業が必要である。
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、容易かつ簡便に植物を育成できる植物育成装置の提供を目的とする。また、その装置を用いた植物の育成方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。
(1)貯水または保湿可能な容器と、複数の板状構造物とを備え、前記板状構造物は、多孔質セラミックス焼結体であって、前記板状構造物の飽和含水率が20%以上であり、前記複数の板状構造物により植物体根部を挟む空間が形成されていることを特徴とする植物育成装置。
(2)前記多孔質セラミックス焼結体は、ミリメートルオーダーの孔を有し、前記ミリメートルオーダーの孔は、横長の形状のものを含む、上記(1)に記載の植物育成装置。
(3)前記横長の形状を有するミリメートルオーダーの孔の横長の長軸が水と接する面に対して、垂直に近い方向に向いた孔が多くなるように、前記多孔質セラミックス焼結体を配置してなる、上記(2)に記載の植物育成装置。
(4)前記多孔質セラミックス焼結体においてpF値2.7以下の水分量が20%以上である、上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の植物育成装置。
本発明の植物育成装置においては、吸水性を有する板状構造物が、水や養分を吸い上げることにより、板状構造物中に水分量及び養分量が多い部分と少ない部分がそれらの供給源と接触している部分からの距離によって段階的に変化する。この板状構造物の間に挟むように植物体根部を配置すると、植物自体が自らの生育特性にかなう適切な水分要求量及び養分要求量を有する板状構造物中の部分に根を伸ばすことにより、自動的に適切な水分量及び養分量を植物に対して供給することができ、植物の育成が容易になる。
また板状構造物の配置の距離を変えるだけで、植物体根部を挟む空間を任意に変更することができる。そのため、育成する植物種毎に適切な容器を準備する必要が無く、非常に簡便に植物を育成することができる。さらに植物種を入れ替える際にも、板状構造物を洗浄または交換等することにより、非常に簡便な入れ替えができる。また本発明の植物育成装置では、草本植物のみならず、木本植物を育成することができる。
本発明の一実施形態の植物育成装置の断面を模式的表した断面模式図である。 本発明の植物育成装置において、固定具を用いて板状構造物を固定した場合の模式図である。(a)はボルトとナットを用いた図であり、(b)はタガを用いた図であり、(c)は紐を用いた図である。 本発明の植物育成装置において、稼働可能な固定具を用いて板状構造物を固定した場合の模式図である。(a)は摩擦力を利用した稼働可能な固定具の模式図であり、(b)は摩擦力を利用した稼働可能な固定具を用いて、固定具の固定点を軸に板状構造物が回転することを防止した場合の模式図であり、(c)は凸部と凹部の噛みあわせを利用した稼働可能な固定具の模式図である。 本発明の植物物育成装置の容器に溝を形成した場合の模式図であり、(a)は容器の底部に溝を形成した場合であり、(b)は容器が管状であり、その上部に溝を形成した場合の模式図である。なお、図示の理解を容易にするために、溝の一か所のみに板状構造物を挿入している。 本発明の植物育成装置において、支持部材を用いて板状構造物を固定した場合の模式図である。なお、理解を容易にするために、容器から支持部材を取り外した場合と、容器に支持部材を設置した場合の模式図を示している。 本発明の一実施形態の外套を有する植物育成装置の断面を模式的表した断面模式図である。 本発明の植物育成装置を用いた第1の植物育成方法を模式的に表した断面模式図である。 板状構造物の水との接触面からの距離による水の含水率変化を調べた図である。 本発明の植物育成装置を用いた第1の植物育成方法を模式的に表した断面模式図であり、植物体根部を破砕粒と共に布等で囲った模式図を示す。 本発明の植物育成装置を用いた第1の植物育成方法を模式的に表した断面模式図であり、植物体根部を破砕粒と共に布等で囲い、さらに植物を設置するための台を用いた模式図を示す。
以下、本発明による植物育成装置及び植物の育成方法について図面を参照して説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
(本発明の実施形態)
本発明の一実施形態の植物育成装置10の構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態の植物育成装置10の断面を模式的表した断面模式図である。
植物育成装置10は、貯水または保湿可能な容器1と、複数の板状構造物2とを備え、板状構造物2は、吸水性を有し、これらの複数の板状構造物2により、植物体根部を挟む空間3が形成されている。
なお「植物体根部を挟む」とは、複数の板状構造物の間に植物体根部が配置されていることを意味し、板状構造物で挟むことで植物体根部を固定してもよいし、植物を設置した際に板状構造物と植物体根部との間に空間があってもよい。
また図1では、板状構造物2を2枚として図示しているが、枚数に制限はない。
板状構造物2は、吸水性を有する構成であればよく、特に制限はない。例えば、セラミック、素焼き瓦、吸水性ポリマー、布等で覆った板等が挙げられる。中でも多孔質セラミックス焼結体を用いることが好ましい。多孔質セラミックス焼結体は水の吸収性が非常に良く、縦に水を吸い上げる能力が一般的な吸収性部材と比較しても非常に高い。
以下に、この多孔質セラミックス焼結体のより具体的に好ましい例を説明する。
<多孔質セラミックス焼結体>
本発明の多孔質セラミックス焼結体は、ミリメートルオーダーの孔を少なくとも有する。多孔質セラミックス焼結体は、ミリメートルオーダーの孔以外に、マイクロメートルオーダーの孔、ナノメートルオーダーの孔を有してもよい。
ミリメートルオーダーの孔は横長の形状を有していることが好ましい。「横長の形状」とは、様々とりえる径のうち、最も長い径がそれと直交する径に対して目視して明らかに長い形状をいい、例えば、最も長い径がそれと直交する径に対して1.5倍以上を有する形状をいう。ミリメートルオーダーの孔は横長の形状を有している場合、多孔質セラミックス焼結体は、その横長の形状を有する孔のうち、横長の長軸が植物を育成する際に、水と接触する面に対して、垂直に近い方向に向いた孔が多くなるように配置することが好ましい。「垂直に近い方向」とは横長の長軸が、水との接触面に対して垂直な方向から±45°の範囲内にあることが好ましい。その横長の形状を有する孔のうち、横長の長軸が水との接触面に対して垂直な方向から±45°の範囲内にあるものが1/2以上であることが好ましい。かかる配置は目視によって行うことができる。この横長の形状を有する孔の長軸を、水との接触面に対して垂直に近い方向に配置することにより、孔の長軸方向に沿って水との接触面に対して垂直に近い方向に向かって水を吸い上げるため、より水の吸い上げる能力を高く発揮することができる。
ミリメートルオーダーの孔は、孔径1mm超1000mm以下の孔である。ミリメートルオーダーの孔の孔径は、1mm超100mm以下が好ましい。
マイクロメートルオーダーの孔は、孔径1μm超1000μm以下の孔である。
多孔質セラミックス焼結体には、孔径1〜1000nmのナノメートルオーダーの孔が形成されているのが好ましい。さらにナノメートルオーダーの孔が形成されていることで、多孔質セラミックス焼結体の保水性をより高められる。
孔の孔径は、原料の組成や焼成条件を組み合わせることにより調節される。
なお、孔の孔径とは、孔の長径を指す。ミリメートルオーダーの孔の孔径は、多孔質セラミックス焼結体を容器の底面に対して垂直な面で切断し、その切断面に形成された横長の孔の長軸の孔径をスケールで測定した値である。ナノメートルオーダー及びマイクロメートルオーダーの孔の孔径は、断面に形成された開口部の孔径を電子顕微鏡で測定した値である。
多孔質セラミックス焼結体は、少なくとも一部の孔同士が連通していることが好ましい。連通する孔は、ミリメートルオーダーの孔同士でもよいし、マイクロメートルオーダーの孔同士でもよいし、ミリメートルオーダーの孔とマイクロメートルオーダーの孔とが連通していてもよい。またナノメートルオーダーの孔を有する場合は、ナノメートルオーダーの孔と、ミリメートルオーダーの孔およびマイクロメーターオーダーの孔のそれぞれと連通していてもよい。孔同士が連通していることで、多孔質セラミックス焼結体は、水がより吸い上がりやすい状態となっている。
また多孔質セラミックス焼結体は、その内部には孔が形成され、飽和含水率が20%以上のものが好ましい。
ここで、飽和含水率は、試料を水に60分間浸漬し、水中から取り出し、表面の水滴を除去する程度に布に接触させた後、直ちに質量(飽和含水状態質量)を測定し、下記(1)式により求められる。
飽和含水率(質量%)=[(飽和含水状態質量−絶乾質量)/絶乾質量]×100・・・(1)
多孔質セラミックス焼結体の飽和含水率が20%未満であると、保水性が低下して植物の育成性が損なわれることがある。
また、多孔質セラミックス焼結体の飽和含水率は、30%以上がより好ましく、40%以上がさらに好ましい。上限は高い程よいが、高すぎると強度が不足することもあるため、100%以下であることが好ましい。
多孔質セラミックス焼結体は、発泡剤と粘土類と有機汚泥とを含む混合物が成形され、焼結されて得られた多孔質セラミックス焼結体(以下、「焼結体A」という。)が好ましい。焼結体Aは、連通孔(前述の複数の孔同士が連通した孔)が形成されやすく、保水性がより高くなる上に、透水性・通気性が向上して植物の育成性がより高くなる。
多孔質セラミックス焼結体が前記焼結体Aである場合、連通孔は、発泡剤に由来する孔同士が相互に連通した孔でもよいし、有機汚泥に由来する孔同士が連通した孔でもよいし、発泡剤に由来する孔と有機汚泥に由来する孔が相互に連通した孔でもよい。これらの中でも、保水性、透水性、通気性がより高くなり、植物の育成性がより向上することから、発泡剤に由来する孔と有機汚泥に由来する孔とが相互に連通していることが好ましい。すなわち、焼成時に発泡剤が発泡して形成された第1の孔と、焼成時に前記有機汚泥が減量して形成された第2の孔とが形成され、これら孔が連通していることが好ましい。孔同士が連通していることで、多孔質セラミックス焼結体は、水がより吸い上がりやすい状態となっている。
第1の孔は、ミリメートルオーダーの孔が主であり、第2の孔は、マイクロメートルオーダーまたはそれ以下(ナノメートルオーダー)の孔が主である。
多孔質セラミックス焼結体における孔の体積割合は特に限定されないが、(孔の体積)/(多孔質セラミックス焼結体の体積)で表される孔率が、好ましくは90体積%以下、より好ましくは40〜80体積%、さらにより好ましくは60〜70体積%である。孔率が上記範囲内であれば、多孔質セラミックス焼結体の強度が維持されると共に、多孔質セラミックス焼結体に求められる機能を充分に付与できる。
多孔質セラミックス焼結体のかさ比重は、好ましくは0.4〜1.3g/cm、より好ましくは0.4〜1.0g/cm、さらにより好ましくは0.55〜0.85g/cmである。ここで、かさ比重は、[多孔質セラミックス焼結体の質量(g)]/[多孔質セラミックス焼結体の体積(cm)]より求められる。
かさ比重が上記範囲内であれば、多孔質セラミックス焼結体の強度が維持されると共に、多孔質セラミックス焼結体に求められる機能を充分に付与できる。なお、かさ比重が低いほど、多孔質セラミックス焼結体は孔が多く形成されていると推測できる。
多孔質セラミックス焼結体におけるpF値2.7以下の水分量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらにより好ましくは50質量%以上、さらにより好ましくは60質量%以上である。pF値2.7以下の水は、植物が育成に利用しうるものであり、pF値2.7以下の水分量が、20質量%未満であると植物の育成に適さないか若しくは頻繁に水撒きが必要となるおそれがある。なお「pF値」とは、土の中の水が土の毛管力によって引き付けられている強さの程度を表す値である。
pF値2.7以下の水分量は、以下の方法により測定される。
まず、多孔質セラミックス焼結体を飽和含水状態にした試料を調製し、その試料を、遠心分離機を用いて、650rpm、30分間遠心分離する。このときに試料から分離される水はpF値1.5以下の水である。
さらに、試料を、遠心分離機を用いて、1540rpm、30分間遠心分離する。このときに試料から分離される水はpF値1.5超2.7以下の水である。
そして、[(pF値1.5以下の水分量+pF値1.5超2.7以下の水分量)/(飽和含水状態にするのに必要な水の量)]×100%の式より、多孔質セラミックス焼結体におけるpF値2.7以下の水分量を求める。
上記の飽和含水率、孔の体積割合、かさ比重、pF値2.7以下の水分量、透水速度にするためには、焼結体Aとすればよい。ただし、用いる発泡剤と粘土類と有機汚泥の種類に応じて配合割合を適宜調整する必要はある。
<発泡剤>
多孔質セラミックス焼結体が前記焼結体Aである場合の発泡剤は、焼成時に発泡するものであり、例えば、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、炭酸マグネシウム、スラグ等の公知のセラミックス用の発泡剤を用いることができる。これら発泡剤の中でも、スラグが好ましい。
スラグとしては特に限定されず、例えば、金属精錬時に発生する高炉スラグ、都市ゴミの溶融時に発生する都市ゴミ溶融スラグ、下水汚泥の溶融時に発生する下水汚泥溶融スラグ、ダクタイル鋳鉄等の鋳鉄時に発生する鋳鉄スラグ等のガラス質スラグ等が挙げられる。これらの中でも、鋳鉄スラグがより好ましい。鋳鉄スラグは、組成が安定しているため安定した発泡状態が得られると共に、他のスラグに比べ1.5〜2倍程度の発泡率であり 、これを用いることで、ミリメートルオーダーの大きな孔を形成することができる。
また、鋳鉄スラグは、SiO、Al、CaO、Fe、FeO、MgO、MnO、KO、NaOなどの成分を含み、得られる多孔質セラミックス焼成体は、塩基性物質を担持させなくとも優れた酸性物質除去性を有している。
配合物中のスラグの配合量は、混合物の成形性を勘案して決定することができ、例えば、80質量%以下が好ましく、20〜75質量%がより好ましく、30〜65質量%がさらに好ましい。上記範囲内であれば、混合物の成形性を損なわず、かつ円滑に成形できると共に、多孔質セラミックス焼成体の見かけ密度、孔率(飽和含水率)を好適な範囲にすることができる。
<粘土類>
粘土類は、一般的に窯業原料として用いられる粘土状の性状を示す鉱物材料である。
具体的には、粘土類は、セラミックス焼結体に用いられる公知のものを用いることができ、石英、長石、粘土系等の鉱物組成で構成されるが、構成鉱物はカオリナイトを主とし、ハロイサイト、モンモリロナイト、イライト、ベントナイト、パイロフィライトを含むものが好ましい。中でも、焼結時のクラックの進展を抑え、多孔質セラミックス焼結体の破壊を防ぐ観点から粒子径が500μm以上の石英の粗粒を含むものがより好ましい。このような粘土類としては、例えば、蛙目粘土等が挙げられる。粘土類は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合される。
<有機汚泥>
有機汚泥は、主成分として有機物を含有する汚泥である。有機汚泥としては特に制限されないが、下水や工場等の排水処理に由来する活性汚泥が好ましい。活性汚泥は、活性汚泥法を用いた排水処理設備から、凝集・脱水工程を経て排出されて得られる。このような有機汚泥を用いることで、所望する孔を容易に形成することができる。さらに、廃棄物の位置付けであった排水処理由来の活性汚泥を原料としてリサイクルすることができる。このような有機汚泥を用いることで、マイクロメートルオーダーの孔を効率的に形成でき、さらに、ナノメートルオーダーの孔を形成できる。ナノメートルオーダーの孔が形成されることで、多孔質セラミックス焼成体の見かけ密度を小さく、孔率(飽和含水率)をより高めることができ、水との接触機会を増加させることができる。さらに、廃棄物の位置付けであった排水処理由来の活性汚泥を原料として利用することができる。
有機汚泥の含水率は、好ましくは5〜90質量%、より好ましくは60〜90質量%、さらにより好ましくは65〜85質量%である。上記範囲内であれば、後述の混合工程で均質な混合物が得られると共に、連続成形においても良好な成形性を維持できる。
有機汚泥の有機物の含有量は特に限定されないが、例えば、有機汚泥の固形分中の有機物の含有量(有機物含有量)として70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。前記有機物含有量が多いほど、孔の形成が容易となる。なお、有機物含有量は、乾燥後の汚泥をJIS M8812−1993に準じ、炭化温度700℃で灰分(質量%)を測定し、下記(2)式により求められる値である。
有機物含有量(質量%)=100(質量%)−灰分(質量%) ・・・(2)
有機汚泥の平均粒子径は、好ましくは1〜5μm、より好ましくは1〜3μmとされる。有機汚泥は、焼成により焼失し、その部分に孔を形成するため、平均粒子径が小さいほど、マイクロメートルオーダーの孔を容易に形成でき、さらに、ナノメートルオーダーの孔を形成できる。なお、平均粒子径は、粒度分布測定装置(LA−920、株式会社堀場製作所製)により測定される体積基準のメディアン径(体積50%径)である。
<任意成分>
焼結体Aには、本発明の目的を阻害しない範囲で、任意成分を配合してもよい。任意成分としては、例えば、マイティ2000WH(商品名、花王株式会社製)等のナフタリン系の流動化剤、メルメントF−10(商品名、昭和電工株式会社製)等のメラミン系の流動化剤、ダーレックススーパー100pH(商品名、グレースケミカルズ株式会社製)等のポリカルボン酸系の流動化剤等;銀、銅、亜鉛等の抗菌剤;ゼオライト、アパタイト等の吸着剤、活性炭素繊維、金属アルミニウム等が挙げられる。
また、有機汚泥から悪臭が生じる場合には、消臭剤を配合するとよい。消臭剤としては、具体的には、塩化アンモニウム、塩化亜鉛などが挙げられる。このような成分の消臭剤を用いた場合には硫化水素等の臭いの成分を中和、無臭化することができる。
任意成分の配合量は、本発明の目的を脱しない範囲で、任意成分添加の目的とする効果を勘案し添加すればよい。例えば、塩化アンモニウム、塩化亜鉛を消臭剤として用いた場合には、有機汚泥に対し0.05〜5質量%とし、混合物全体で0.005質量%〜1質量%とすることが好ましい。
<珪藻土>
焼結体Aには、必要に応じて、珪藻土が含まれてもよい。
珪藻土は、珪藻の遺骸からなる堆積物であり、マイクロメートルオーダーの孔を有する多孔質である。
珪藻土は、特に限定されず、従来、耐火断煉瓦、濾過材等に使用されていたものと同様のものを用いることができる。例えば、狭雑している粘土鉱物(モンモリロナイトなど)や石英、長石などを分別精製する必要はなく、これらの含有率を認識した上で、混合物への配合量を調整することができる。
珪藻土の含水率は特に限定されず、例えば、自然乾燥状態での含水率が20〜60質量%が好ましく、30〜50質量%が好ましく、35〜45質量%がさらに好ましい。上記範囲内であれば、含水率を認識しながら、混合の際に狭雑物中の粗粒子分を除去して使用することで、成形性が良好な混合物を得られるためである。
なお、含水率は、乾燥減量方式である下記仕様の赤外線水分計を用い試料を乾燥(200℃、12分)し、下記(3)式により求めた値である。
測定方式:乾燥減量法(加熱乾燥・質量測定方式)
最小表示:含水量;0.1質量%
測定範囲:含水量;0.0〜100質量%
乾燥温度:0〜200℃
測定精度:試料質量5g以上で、含水量±0.1質量%
熱源:赤外線ランプ;185W
含水率(質量%)=[(m−m)/(m−m)]×100 ・・・(3)
:乾燥前の容器の質量と乾燥前の試料の質量との合計質量(g)
:乾燥後の容器の質量と乾燥後の試料の質量との合計質量(g)
:乾燥後の容器の質量(g)
<無機物の粒子・繊維>
多孔質セラミックス焼結体の強度、特に曲げ強度を向上させたい場合には、無機物の粒子・繊維、フライアッシュ、クリンカーアッシュを混合物に配合することが好ましい。無機物の粒子・繊維としては、高融点ガラスの粒子、炭素繊維、バサルト繊維、ロックウールからなる群から選ばれる少なくとも1つが好ましく、強度の向上の観点からは高融点ガラスの粒子が特に好ましい。
[高融点ガラスの粒子]
高融点ガラスは、溶融温度900℃以上のものであり、好ましくは溶融温度1000℃以上、より好ましくは溶融温度1200℃以上のものである。溶融温度が前記下限値以上であれば、高融点ガラスの粒子は、後述する焼成工程において部分的に溶融し、高融点ガラスの粒子同士で融着したり、粘土類のバインダーとして機能できる。加えて、溶融温度が高いほど、多孔質セラミックス焼結体の強度を向上できる。また、高融点ガラスの溶融温度は、1800℃以下が好ましく、1600℃以下がより好ましい。前記上限値超であると、焼結した際に、高融点ガラスの粒子が溶融しにくく、多孔質セラミックス焼結体の強度を充分に向上できないおそれがある。
高融点ガラスの材質は、特に限定されないが、無アルカリガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスが好ましく、中でも、ホウケイ酸ガラスが好ましい。
このような材質であれば、多孔質セラミックス焼結体の強度を充分に向上できる。
無アルカリガラスは、実質的にナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属元素を含有しないガラスである。実質的に含有しないとは、ガラス組成中のアルカリ金属元素の含有量が酸化物換算で0.1質量%以下を意味する。
アルミノケイ酸ガラスは、アルミニウムと珪素とを主成分とする酸化物ガラスである。
ホウケイ酸ガラスは、ホウ素と珪素とを主成分とする酸化物ガラスである。
石英ガラスは、石英から作製されるガラスで、酸化珪素の純度が高いものいう。
高融点ガラスの市販品としては、AN100(商品名、無アルカリホウケイ酸ガラス、旭硝子株式会社製)等が挙げられる。
高融点ガラスは、例えば、液晶テレビ等の液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等のパネル、EL用カバーガラス、CCDに代表される固体撮像素子用のカバーガラス、ハンドパスフィルター等の光学フィルター用ガラス、チップ・オン・ガラス用途のガラス基板用ガラス、フラスコやビーカー等の各種製品に用いられている。
そのため、高融点ガラスの粒子は、上記の製品の製造工程で排出される廃ガラスや、廃棄された液晶テレビ等から回収されるパネルから得ることができる。
特に、液晶テレビ等のフラットディスプレイ用のパネルは、大型化等に伴い、フラットディスプレイの製造時に多量の廃ガラスを発生する。フラットディスプレイ用のパネルの廃ガラスを高融点ガラスの粒子とすることで、廃棄物を削減できる。このため、環境負荷を低減する観点から、フラットディスプレイ用のパネルの廃ガラスを高融点ガラスの粒子として用いることが好ましい。加えて、フラットディスプレイ用のパネルの廃ガラスは、ガラス組成物の純度が高いため、特段の精製をすることなく、安定した品質の高融点ガラスとして利用できる。
高融点ガラスの粒子の粒子径は、特に限定されないが、0.1〜5mmが好ましい。粒子径が0.1mm未満であると、多孔質セラミックス焼成体における孔の形成が不充分になるおそれがある。孔の形成が不充分であると、ガス中に含まれる不要物質の除去性能、多孔質セラミックス焼成体の耐久性が低下することがある。
粒子径が5mm超であると、成形性が低下したり、成形時に押出し口の金具が破損するおそれがある。
高融点ガラスの粒子径は、多孔質セラミックス焼結体の生産性とさらなる強度の向上の観点から、0.6mm超1.2mm以下がより好ましい。
なお、高融点ガラスの粒子径は、篩い分けにより測定された値である。
[炭素繊維]
炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル(PAN)系、ピッチ系、レーヨン及びセルロース系等の種々の炭素繊維を用いることができる。
炭素繊維の長さは、1mm〜10cmが好ましく、5〜25mmがより好ましい。前記下限値未満であると、強度が不充分になるおそれがあり、前記上限値超であると、生産性が損なわれたり、緑化材の外観が損なわれたりするおそれがある。
炭素繊維の太さは、1〜1000μmが好ましく、5〜100μmがより好ましい。前記下限値未満であると、多孔質セラミックス焼結体の強度が不充分になるおそれがあり、前記上限値超であると、生産性が損なわれたり、緑化材の外観が損なわれたりするおそれがある。
[バサルト繊維]
バサルト繊維は、天然に存在するバサルト(玄武岩)を溶融・紡糸して製造される繊維である。
バサルト繊維の長さは、1mm〜10cmが好ましく、5〜25mmがより好ましい。
前記下限値未満であると、強度が不充分になるおそれがあり、前記上限値超であると、生産性が損なわれたり、外観が損なわれたりするおそれがある。
バサルト繊維の太さは、1〜1000μmが好ましく、5〜100μmがより好ましい。前記下限値未満であると、強度が不充分になるおそれがあり、前記上限値超であると、生産性が損なわれたり、外観が損なわれたりするおそれがある。また、炭素繊維も同様であるが、これらの繊維を1000〜100000本程度束ねた繊維束として用いることが強度向上の観点から好ましい。
[ロックウール]
ロックウールは、玄武岩、鉄炉スラグ等に石灰等を混合し、高温で溶融し紡糸して製造される人造鉱物繊維である。
ロックウールの長さは、1mm〜10cmが好ましく、5〜25mmがより好ましい。
前記下限値未満であると、強度が不充分になるおそれがあり、前記上限値超であると、生産性が損なわれたり、外観が損なわれるおそれがある。
ロックウールの太さは、1〜100μmが好ましく、3〜30μmがより好ましい。前記下限値未満であると、強度が不充分になるおそれがあり、前記上限値超であると、生産性が損なわれたり、外観が損なわれるおそれがある。
[フライアッシュ]
フライアッシュは、火力発電所等で石炭を燃焼させた際に生成する灰であって、燃焼ガスと共に吹き上げられる程度の大きさの粒子である。フライアッシュとしては品質安定の観点からコンクリート用フライアッシュとしてJIS A6201に規定されているものが好ましく、JIS A6201に規定されたI種、II種、III種、IV種のいずれでもよい。
[クリンカーアッシュ]
クリンカーアッシュは火力発電所等で石炭を燃焼させた時に発生する石灰岩のうち、ボイラの底部に落下した石灰岩の塊を回収し、脱水・粉砕した灰のことである。
これらの板状構造物2の形状に特に制限はない。板を正面視した際の形が矩形に限らず、円形、三角形でも良い。但し、板状構造物2が容器1内で固定具を使用しないで安定的に保持されるためには、板状構造物の少なくとも下面の形状が、容器1の底面と対応する形状を有していることが好ましい。つまり、容器1が地面に平行な底面を有する場合は、板状構造物の下面も地面と平行面を有していることが好ましい。また、さらに板状構造物2が容器1の内側面に接する形状・サイズとした場合には板状構造物2は容器1の内側面によっても支持されるので好ましい。つまり、容器1が管状であり円弧上の底面を有する場合は、板状構造部2の下面も円弧状の形状を有していることが好ましい。
板状構造物2は固定具により固定されていることが好ましい。例えば図2(a)のようにボルトとナットを用いて複数の板状構造物2を所定の間隔で固定してもよいし、タガ(図2(b))や紐(図2(c))を周囲に括り付けることにより、複数の板状構造物2を所定の間隔で固定してもよい。また接着剤等を用いて接着してもよい。板状構造物2を固定することにより、安定性が増し、風や物理的な力によって、板状構造物2と共に植物が簡単に倒れることが防止される。
また、板状構造物2を固定する固定具が、稼働可能であることが好ましい。植物が成長すると、植物体根部の容積が大きくなり、育成当初の植物体根部を挟む空間に収まりきらなくなる。板状構造物同士が、固定具により可動域が無く完全に固定される場合、植物の成長による根圧で、板状構造物が割れてしまうという問題が生じることがある。しかし、植物の成長に合わせて固定具が稼働可能であれば、根圧に合わせて植物体根部を挟む空間が広がるため、このような問題を抑制することができる。
固定する固定具が稼働可能である例を以下に示す。例えば、図3(a)のように、棒を留め具で固定することが考えられる。棒と留め具を用いて、固定具が稼働可能となる原理は、留め具は棒との間にかかる摩擦力によって固定されている。植物の成長に伴い根圧が大きくなり、その根圧が摩擦力を上回ると、留め具が広がるように左右に稼働し、板状構造物2もそれに伴い稼働する。また、図3(a)は2本の固定具で固定しているが、図3(b)のように、2本以上の複数本で固定してもよい。例えば、図3(b)のように、3本の固定具を三角配置すると、板状構造物が固定具の固定点を軸に回転してしまい留め具がうまく稼働しないという問題が発生することを避けることができる。他にも、図3(c)で示すように、スライド可能なタガを用いてもよい。スライド可能なタガとは、例えば、多数の凸部と凹部が形成されており、それぞれの噛み合うことにより固定されるような構成が考えられる。根圧が上がることにより、噛みあう箇所が変わりタガの長さが長くなり、それに伴い板状構造物が稼働する。
また、紐等を用いる場合は、紐を弾性体にすることで稼働可能とすることができる。これらの稼働可能な固定具を用いることにより、板状構造物2が根圧により割れてしまう問題を抑制することができる。接着剤等で固定する場合も、接着する接着力を設定することにより、ある値以上の根圧がかかった場合に、接着が剥がれるようにしてもよい。
また多数の板状構造物2を用いる場合は、複数の板状構造物が串状部材により連結されていることが好ましい。さらに、この串状部材が容器1に固定されていることが好ましい。一つの串状部材により複数の板状部材が連結されていると、串状部材を抜き刺しするだけで解体及び組み立てをすることができ、作業性が非常によくなる。特に、大規模栽培を可能とする植物育成装置を製造する際には、多数の板状構造物を固定する必要があり、作業効率の向上の面から非常に有利である。
なお、串状部材は板状構造物を連結させることができればよく、特に形状材質は制限されない。例えば、パイプ、木の棒、炭素繊維、炭素繊維を樹脂で一体化させた炭素繊維(Carbon Fiber Reinforced Plastic:CFRP)ロッド等が挙げられる。CFRPロッドは軽量であるため、装置全体の重量負荷を軽減することができ、また、錆びにくく、高強度であり、ハンドリングが容易であるという利点を有する。
なお、ここで言う「複数」とは、板状構造物を2枚、3枚程度連結されるだけでなく、それ以上の枚数を連結させることを含む。板状構造物2の枚数が多ければそれだけ、設置および取り外しの作業的な負担が多くなる為、枚数が多いときほどその優位性を示す。
また図4(a)、(b)のように、容器1自体に溝部を形成して、その溝部に板状構造物2を挿入することで、板状構造物2を固定してもよい。容器1自体に溝部を形成すれば、固定のための部材を別途準備する必要がなく、かつ溝部へ板状構造物2を挿入するだけで簡便に板状構造物2を固定できる。
図4(a)は容器の底部に溝部4を形成した場合である。図4(a)では容器1の底面の厚み以下の深さの溝部4としているが、溝部4の深さが容器1の底面の厚み以上であり、容器の溝部4を形成する部分が容器から突出するような構成でもよい。図4(b)は容器が管状であり、その上部に溝部4を形成した場合の模式図である。
なお、図の理解を容易にするために、溝部4の一か所のみに板状構造物2を挿入しているが、板状構造物2を挿入する数量は任意に設定できる。また図4で示した容器1における溝部4はあくまで一例であり、本発明はこれに限られるものではない。この他にも、例えば、容器の側面に溝部4を有しても良い。
また図5に示すように、板状構造物2を支持する支持部材5をさらに備えてもよい。植物はこの支持部材の上方で生育される。
図5に示す例では、支持部材5は板状構造物2を差し込む穴を有しており、容器に蓋状に載置する構成である。同様な支持部材5を容器内に配置する構成でもよく、この場合、支持部材5を容器の底に載置する構成でもよいし、支持部材5が容器の内壁に留まる構成でもよい。支持部材5が容器の内壁に留まる構成の場合、例えば、支持部材5を容器内壁に固定具を用いて固定してもよいし、また、容器が底から上方に向けて内径が拡大するように(すなわち、内壁が垂直に対して傾斜して)構成され、支持部材が容器内壁に嵌る構成でもよい。なお、図5は図の理解を容易にするために、容器1から支持部材5を取り外した場合と、容器1に支持部材5を設置した場合の模式図を示している。
また支持部材5への板状構造物2の固定方法は、差し込む方法に限られない。例えば、図4の容器に形成された溝部のように、板状の支持部材に溝部を形成し、その溝部に板状構造物をはめ込んでも良いし、スライド可能な仕切り板を有する支持部材を用い、仕切り板で挟むことで板状構造物を固定してもよい。
このような支持部材を用いることでも、多数の板状構造物2を用いる場合において、支持部材を取り外すことで、板状構造物を一度に解体及び組み立てすることができ、作業性を高くすることができる。特に、大規模栽培を行う際には、大量の板状構造物を固定する必要があり、作業効率の向上の面から有益である。
また支持部材5の材料は前述の多孔質セラミックス焼結体を用いることが好ましい。多孔質セラミックス焼結体は、吸水性、保水性、保肥性が優れており、支持部材5の材料を多孔質セラミックス焼結体とすることにより、植物体根部への水および液肥等の供給を助けることができる。また断熱性にも優れているため、急激な温度変化から植物を保護することができる。
また、複数の板状構造物2はそれぞれ独立しているため、自由に配置間隔を変更することができる。板状構造物2の間隔を自由に変更することにより、植物体根部を挟む空間3を植物種毎に適した空間とすることができ、様々な植物種を育成することができる。つまり、従来の植木鉢等のように植物種毎に容器を変更するという必要がない。
板状構造物の配置間隔を変える方法としては例えば、図4に示したような溝部を有する容器を用いる場合には、溝部を多数形成しておき板状構造物を挿し込む間隔を変える(溝部の全てに板状構造物を挿入せずに、必要な間隔に合った溝部にのみ板状構造物を挿し込む)ことが挙げられる。図5に示したような支持部材を用いる場合には、容器に溝部を形成する場合と同様に穴部を多数有する支持部材を用いることや、スライド可能な仕切り板等を有する支持部材を用いること等が挙げられる。いずれの場合にも同じ板状構造物、同じ容器を用いることができる。容器や支持部材の交換が必要とはなるが、溝部の配置間隔が異なる容器を用いることや、穴の配置間隔が異なる支持部材を用いることも当然できる。
容器1は、水が漏れない容器であればよく、特に制限はない。例えば、一般に使用されるプラスチックの容器等があげられる。
また容器の形状も特に制限はされず、一般にプランター等で用いられる直方体の形状であっても良いし、U字管等の管状の容器であってもよい。
また容器1は、入水口と排水口を有することが好ましい。入水口と排水口を備えることにより、水の入替が容易になる。
また図6に示すように、容器1の開口部の一部を覆うように外套6を有することが好ましい。外套6を有することにより、容器から水分が蒸発することを抑えることができ、給水頻度を抑えることができる。また外套を被せることにより装置内部を覆い隠すことができ、かつ外套を自由に変更することにより外観を変化させることができるため、インテリアとして周囲の環境にマッチさせることができる。
外套6は容器1の開口部を覆い、かつ植物が成長する空間を有していればよく、図6の構成に限られるものではない。例えば、容器1の側面から板状構造物2を覆うような外套を用いてもよい。
(植物育成装置の製造方法)
植物育成装置10の製造方法は、容器1と板状構造物2の製造工程と、それぞれの部材の組み立て工程からなる。容器1と板状構造物2は市販のものを利用することができ、組み立て工程は、容器1内に板状構造物2を任意に配置することができる。
そのため製造方法として、前記の焼結体Aの製造方法についてのみ記載する。焼結体Aの基板作製工程は、混合工程と成形工程と焼成工程とを有する。
<混合工程>
混合工程は、発泡剤、粘土類及び有機汚泥を混合することにより混合物を得る工程である。混合物としては、例えば、発泡剤と粘土とを含むものが好ましく、発泡剤、有機汚泥及び粘土を含むものがより好ましい。発泡剤と粘土を用いることで大きなミリメートルオーダーの孔やマイクロメートルオーダーの孔また多孔質セラミックス焼成体の表面にミリメートルオーダー、マイクロメートルオーダーの凹凸を形成することができる。さらに、有機汚泥を用いることでより多くのマイクロメートルオーダーの孔と、さらに小さなナノメートルオーダーの孔を形成することができる。このような混合物を焼成して得られた多孔質セラミックス焼成体は、相互の孔が連通孔を有するものとなる。
混合工程における各成分の混合方法は特に限定されず、例えば、発泡剤、粘土類及び有機汚泥を一度に混合装置へ投入し、混合する方法が挙げられる。
混合物における発泡剤の配合量は、10〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましく、40〜60質量%がさらに好ましい。発泡剤の配合量が上記範囲内であれば混合物の成形性を損なわず、円滑に成形できると共に、多孔質セラミックス焼結体の孔率、かさ比重、飽和含水率を容易に好適な範囲とすることができる。
混合物における粘土類の配合量は、成形性を勘案して決定することができ、5〜60質量%が好ましく、8〜50質量%がより好ましく、1〜40質量%がさらに好ましい。
粘土類の配合量が上記範囲内であれば混合物の成形性を損なわず、かつ円滑に成形できると共に、得られる多孔質セラミックス焼結体の強度を充分に確保できる。
混合物における有機汚泥の配合量は、成形性を勘案して決定することができ、1〜60質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、5〜30質量%がさらに好ましい。有機汚泥の配合量が上記範囲内であれば、混合物は適度な流動性と可塑性とを備え、成形性が高くなり、成形装置を閉塞させることなく円滑に成形できる。また、孔同士を連通させやすくなり、所望する孔率や飽和含水率の多孔質セラミックス焼結体を容易に得ることができる。
混合物の含水率は特に限定されないが、25〜45質量%が好ましく、25〜30質量%がより好ましい。上記範囲内であれば、混合物は適度な可塑性と流動性を有し、良好な成形性が維持できる。
混合物に任意成分を配合する場合、任意成分の配合量は、本発明の目的を阻害しない範囲とされ、例えば、混合物全体の0.001〜10質量%の範囲にすることが好ましい。
加えて、混合工程において、有機汚泥が好適な配合比で配合されている場合には、有機汚泥に含まれる水により混合工程にて水を添加しなくてもよいし、混合物の流動性の調整等を目的として、適宜、水を配合してもよい。
なお、他の成分として高融点ガラス粒子を配合する場合には、高融点ガラス粒子の配合量は5〜35質量%の範囲にすることが好ましい。35質量%を超えて、高融点ガラス粒子を配合すると孔率や飽和含水率が低下するおそれがある。また、5質量%を下回ると強度の向上効果が得られないおそれがある。
混合工程に用いる混合装置は特に限定されず、公知の混合装置を用いることができる。
例えば、混合装置としては、ミックスマラー(新東工業株式会社製)等の混練機や、ニーダー(株式会社モリヤマ製)、混合機(日陶科学株式会社製)等が挙げられる。
混合工程における混合時間は、発泡剤、粘土類と有機汚泥との配合比や、混合物の流動性等を勘案して決定することができ、混合物が可塑状態となるような混合時間を決定することが好ましい。混合時間は、15〜45分の範囲とすることが好ましく、25〜35分の範囲とすることがより好ましい。
混合工程における温度は特に限定されず、発泡剤と粘土類と有機汚泥の配合比や含水量等を勘案して決定することができ、10〜80℃の範囲とすることが好ましく、50〜60℃の範囲とすることがより好ましい。
<成形工程>
成形工程は、混合工程で得られた混合物を板状に成形する工程である。
成形方法は、公知の成形方法を用いることができ、混合物の性状や多孔質セラミックス焼結体の形状を勘案して決定することができる。成形方法は、例えば、成形装置を用いて板状の成形体を連続的に得る方法、混合物を板状のキャビティを有する型に充填し成形体を得る方法、あるいは、混合物を延伸した後、板状に切断する方法、混合物を円筒状に連続的に押出し、切開し、圧延した後、切断する等が挙げられる。中でも、生産効率向上の観点から、成形装置を用いて成形体を連続的に得る方法が好ましい。また、成形工程にて混合物を押し出し及び/又は延伸及び/または圧延することにより発泡剤が配向されるなどして横長の孔を形成しやすくなる。
成形装置としては、真空土練成形機、平板プレス成形機、平板押出し成形機等を使用することができ、中でも真空土練成形機が好ましい。真空土練成形機を用いて成形体中の空気を除去することで、孔の制御が安定する。
成形体の大きさは特に制限はされないが、例えば、タテ10cm〜2m×ヨコ10cm〜2m×厚さ1cm〜10cmの範囲とすることが好ましい。上記範囲の下限から外れる場合には、生産性が低下するおそれがある。上限を超える場合には、焼結が不充分となり、移送時等に多孔質セラミックス焼結体が破損するおそれがある。
<焼成工程>
焼成工程は、成形工程で得られた成形体を焼成し、粘土類を焼結して多孔質セラミックス焼結体の基板を得る工程である。
焼成前には、成形体を乾燥することが好ましい。乾燥操作は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、成形体を自然乾燥させてもよいし、50〜220℃の熱風乾燥炉で任意の時間処理することで乾燥してもよい。乾燥後の成形体の含水率は、特に限定されないが、3質量%未満が好ましく、1質量%未満がより好ましい。乾燥後の成形体の含水率は、下限として0質量%であってもよい。
焼成の方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、ローラーハースキルン等の連続式焼結炉、シャトルキルン等の回分式焼結炉を用い、任意の温度で焼成する方法が挙げられる。中でも、焼成には、生産性の観点から連続式焼結炉を用いることが好ましい。
また、焼成時に臭いが発生する場合、焼成装置には、脱臭装置を取り付けるとよい。脱臭装置としては、スクラバー脱臭装置やオゾン脱臭装置や光触媒などを用いた触媒脱臭装置などを挙げることができる。
焼成温度(到達温度)は、発泡剤と粘土類と有機汚泥との配合比や有機汚泥の成分等を勘案して設定される。例えば、発泡剤が発泡、膨張し、粘土類を焼結し、かつ、有機汚泥に含まれる有機物が熱分解により揮発して減量する温度に設定される。具体的には、焼成温度は、950〜1200℃であり、1000〜1100℃が好ましい。有機物の多くは、700℃前後より分解が始まり、950℃において臭気成分は熱分解されるため、950℃以上にすることで、有機汚泥特有の臭いを解消できると共に、有機汚泥中の有機物の大部分を揮発させて減量することができる。発泡剤として鋳鉄スラグを用いた場合には、800〜950程度にて結晶化、膨張する。
焼成温度が1200℃を超えると、多孔質セラミックス焼結体の組織全体のガラス化が進み、成形体が破損したり、孔が閉塞するおそれがある。
焼成工程では、焼成温度に達するまでの間に、まず成形体から水分が蒸発し、発泡剤が発泡し、その後有機汚泥の有機物が熱分解して減量する。その際の焼成温度に達するまでの温度上昇(ヒートカーブ、温度勾配)は適切に調整することが好ましい。
連続式焼結炉においては、投入時における成形体の含水率が3質量%を超えると、焼成工程での含有水分の急激な気化により、成形体が破裂もしくは爆砕することがあり、また、有機物の急激な揮発に伴う破損も発生するおそれがある。しかし、温度勾配を調整して急激な水分の蒸発又は急激な有機物の減量を抑えれば、上記のような成形体の破裂や破損を防ぐことができる。
また、焼成温度に達した後の急激な冷却の際にも、多孔質セラミックス焼結体に割れや粉砕等の破損が生じることがあるが、焼成工程での温度勾配を調整することにより、冷却の際の破損を防ぐことができる。
また、温度勾配は、焼成装置の規模等を勘案するとよい。焼成装置の規模に応じて適切な温度勾配を設ければ、孔率を高くし、あるいは孔同士を連通させて、多孔質セラミックス焼結体の断熱性、吸音性、保水性、透水性、植物の育成性又は通気性をより向上させることができる。
焼成時間は、焼成温度や混合物の含水率等を勘案して決定することができ、焼成温度になっている状態の滞留時間が、好ましくは1〜120分間、より好ましくは3〜60分間、さらに好ましくは4〜10分間である。滞留時間が上記範囲内であれば、多孔質セラミックス焼結体の破損を防止しつつ、良好に焼結できる。
(植物育成装置を用いた植物の育成方法)
次に、この植物育成装置10を用いた植物の第1の育成方法について説明する。図7は、植物育成装置を用いた第1の植物育成方法を模式的に表した断面模式図である。
本発明の植物育成装置10を用いた植物の育成方法は、容器1内に水7を貯留し、複数の板状構造物2の間に植物体根部8を挟み、かつ板状構造物2の一部を水7と接触させることを特徴としている。なお、水7は水のみからなる必要は無く、液肥等の養分を含んでいてもよい。
また板状構造物2の間に植物体根部8を挟むことは、複数の板状構造物2で植物体根部8を挟むことで固定してもよいし、植物を設置時に板状構造物2と植物体根部8との間に空間を設けてもよい。植物を設置時に植物体根部8と板状構造物2との間に空間がある場合は、植物を設置直後は根が板状構造物2に活着していない為、植物を設置するための台9を用いることが好ましい。台9は板状構造物に根が活着後には取り外すこともできる。
この台9の材質は、特に限定はないが、例えば板状構造物2と同質の材質のもの、板状構造物を布で覆ったもの、袋状物(網、布、巾着状袋、靴下等の筒状の袋等)、またはその袋状物の中に板状構造物の破砕粒等の保水性のある粒状物を入れたもの等が好ましい。これらを台9として用いれば、台9も水を吸い上げるため、植物に水を台9からも供給することができる。
板状構造物2の一部を水7と接触させると、板状構造物2は吸水性を有するため、水7との接触箇所から上側に向かって、水を吸い上げる。そのため、板状構造物2は、水7と接触している部分から距離が離れるに従って、段階的に水分量が変化する(液肥等を含む場合は養分量も段階的に変化する)。
図8は板状構造物2の水7との接触面からの距離による板状構造物の含水率変化を調べた図である。板状構造物2として、焼結体Aを用いており、板状構造物の含水率の変化の測定は具体的には、サーモグラフィを用いて板状構造物の温度を測定することにより調べた。水を多く吸収している場合、温度が低くなる為、温度の測定により板状構造物の含水率を確認することができる。
次に、この板状構造物2の間に植物体根部8を挟む。この植物体根部8は、段階的に水分量が異なる板状構造物2のうち、自らの生育特性にかなう水分量、養分量および空気供給量となっている部分に、植物自らが判断して自動的に根を伸ばす。根が板状構造物2に活着することにより、植物に水を供給することができる。この方法によって、水を頻繁に給水する必要がなく、板状構造物2の一部を水と接触させておくという非常に簡便な方法で植物に適切な水分を供給することができる。また、植物自らが成長に必要な水分量を選択するため、植物種毎に成長方法を変更する必要が無く、育成者は水分量や養分量を厳密に管理する必要が無く容易に育成することができる。
また例えば図9でしめすように植物体根部8はネットや布等で包まれていることが好ましい。さらに、この植物体根部8を包むネットや布等の中に、植物体根部8と共に、板状構造物の破砕粒やその他の保水性を有する粒状物を含まれていることが好ましい。植物体根部を包むことで、板状構造物2の間に植物体根部を挟みやすくし、板状構造物の破砕粒やその他の保水性を有する粒状物を含有することで、根の活着を早くすることができる。
さらに図10のように、前述した根が板状構造物に活着するまでの植物の設置するための台9を併用することもできる。台9を設置することにより、根が活着できる場所が板状構造物2、台9、植物体根部を包むネット等に内包された粒状物等と多くなる為、より根の活着を助けることができる。なお、図10では、台9に板状構造物2と同様の部材を用いた場合を図示している。前述のように、台9に板状構造物2と同様の部材を用いることで、台9からも水を供給することができ、植物の成長を助けることができる。これらの板状構造物2および台9は、図10で示すように、一つの固定具で一度に固定することもできる。
また育成者が植物の育成条件を十分に理解している場合には、その育成する植物毎に適切な水分量等を有する板状構造物2の位置に、植物体根部8を挟むことにより、より植物にとって生育しやすい環境を簡便に整えることができる。また、本発明の植物育成装置は板状部材の位置により異なる水分量等を有するため、一つの植物育成装置で複数の植物を育成するための環境を提供することができる。そのため、植物体根部8の根の活着する場所を変えるだけで、様々な植物種を育成することができる。
また本発明の植物育成装置10を用いた植物の第2の育成方法について説明する。本発明の植物育成装置10を用いた植物の第2の育成方法は、容器1内に水の供給部材を備え、複数の板状構造物2の間に植物体根部8を挟み、かつ板状構造物2の一部を水の供給部材と接触させることを特徴とする。
この第2の育成方法は、水を板状構造物2に供給する供給元が、水の供給部材である点が第1の育成方法と異なっており、その他の部分は第1の育成方法と同じである。そのため、板状構造物2を水の供給部材に接触させ、その板状構造物2に根が活着することにより、植物に適切な量の水を供給することができる。
なお、水の供給部材は、水を保水することができればよく、例えば、布やスポンジ等を用いることができる。また水の供給部材はその全てを容器内部に配置しても良いし、その一部が外部に出ていてもよい。水の供給部材の一部が外部に出ている場合は、その部分を水と接触されていれば、水が供給部材内を導水し、板状構造物との接触部まで供給される。つまり、外部に水の貯留槽等を準備し、その水と供給部材の外部に出ている一部とを接触させることで、供給部材に常に水が供給され、供給部材の乾燥等を考慮する必要がなくなる。
これらの第1及び第2の育成方法を用いることにより、従来の水耕栽培等では育成できなかったユーカリなどの常緑樹やブルーベリー、キイチゴなどの落葉樹等の木本植物を育成することができる。
1.容器 2.板状構造物 3.植物体根部を挟む空間 4.溝部 5.支持部材 6.外套 7.水 8.植物体根部 9.台 10.植物育成装置

Claims (5)

  1. 貯水または保湿可能な容器と、複数の板状構造物とを備え、
    前記板状構造物は、多孔質セラミックス焼結体であって、
    前記板状構造物の飽和含水率が20%以上であり、
    前記多孔質セラミック焼結体は、ミリメートルオーダーの孔を有し、
    前記多孔質セラミック焼結体は、含水時において前記多孔質セラミックス焼結体におけるpF値2.7以下の水分量が20質量%以上であり、
    前記複数の板状構造物により植物体根部を挟む空間が形成されていることを特徴とする植物育成装置。
  2. 前記多孔質セラミックス焼結体における前記ミリメートルオーダーの孔は、横長の形状のものを含む、請求項1に記載の植物育成装置。
  3. 前記横長の形状を有するミリメートルオーダーの孔の横長の長軸が水と接する面に対して、垂直に近い方向に向いた孔が多くなるように、前記多孔質セラミックス焼結体を配置してなる、請求項2に記載の植物育成装置。
  4. 前記多孔質セラミックス焼結体は、マイクロメートルオーダーの孔およびナノメートルオーダーの孔をさらに有し、
    前記ミリメートルオーダーの孔、マイクロメートルオーダーの孔および前記ナノメートルオーダーの孔が連通している、請求項1から3のいずれか一項に記載の植物育成装置。
  5. 前記植物体根部が前記板状構造物に活着される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の植物育成装置。
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