JP6427326B2 - 軸保持スリーブ及び軸肥大加工機、並びに軸肥大加工機用治具 - Google Patents

軸保持スリーブ及び軸肥大加工機、並びに軸肥大加工機用治具 Download PDF

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Description

本発明は、軸保持スリーブ及び軸肥大加工機、並びに軸肥大加工機用治具に関する。
軸材の軸方向の中間部に相対的に大径部を形成する加工方法の一つとして軸肥大加工が知られており、軸肥大加工方法の一例として、軸材に軸圧縮応力を負荷した状態で曲げ角度を付加して軸材を回転させることにより軸材の一部を肥大させ、それにより大径部を形成する方法が知られている。
そして、上記軸肥大加工方法を行う加工機として、軸材の両端部を保持する一対の軸保持スリーブと、軸保持スリーブが挿入される嵌合孔をそれぞれ有し、軸材が配置される基準線に沿って配置された一対のスピンドルとを備え、一方のスピンドルを基準線に沿って移動させて軸材を軸方向に圧縮しつつ、他方のスピンドルを基準線に対して傾斜させて回転させることにより軸材の一部を肥大させる軸肥大加工機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−166168号公報
軸保持スリーブは、例えば軸材の寸法や軸材との接触による損耗に応じて適宜交換されるが、軸保持スリーブがスピンドルの嵌合孔に対して挿抜される際に、嵌合孔の内部に囲われる空気が支障となり、嵌合孔に対する軸保持スリーブの円滑なる挿抜が妨げられていた。
本発明は、上述した事情に鑑みなされたものであり、軸肥大加工における作業性を高めることを目的とする。
(1) 軸材の一部を肥大させる軸肥大加工において、軸材に軸圧縮応力を負荷する加圧装置の嵌合孔に挿入されて軸材の端部を収容する軸保持スリーブであって、前記軸材の端部を収容する孔の外において、前記嵌合孔への挿入方向先側の先端面であって前記嵌合孔の内部に空気を囲う面から前記嵌合孔の外に露出する露出部の表面に達しており、当該軸保持スリーブが前記嵌合孔に対して挿抜される際に前記嵌合孔の内部に囲われた空気を流通させる少なくとも一つの空気流通路を有する軸保持スリーブ。
(2) 軸材の両端部をそれぞれ保持する一対の軸保持スリーブと、一対の前記軸保持スリーブがそれぞれ挿入される嵌合孔を有し、一対の前記軸保持スリーブに両端部を保持された軸材を軸方向に圧縮する加圧装置と、一対の前記軸保持スリーブに両端部を保持された軸材の中間部に、該軸材の軸方向と交差する方向に交番負荷を加える負荷発生装置と、を備え、一対の前記軸保持スリーブが上記(1)の軸保持スリーブである軸肥大加工機。
(3) 上記(2)の軸肥大加工機において、前記軸保持スリーブを前記嵌合孔に挿入する際に用いられる軸肥大加工機用治具であって、前記嵌合孔の開口縁部に装着され、前記軸保持スリーブが載置可能で且つ前記嵌合孔の内周面に面一に連なる載置面を有する軸肥大加工機用治具。
本発明によれば、軸肥大加工における作業性を高めることができる。
本発明の実施形態を説明するための、軸肥大加工方法の一例を模式的に示す図である。 本発明の実施形態を説明するための、軸肥大加工方法の他の例を模式的に示す図である。 本発明の実施形態を説明するための、軸肥大加工方法の他の例を模式的に示す図である。 本発明の実施形態を説明するための、軸肥大加工方法の他の例を模式的に示す図である。 本発明の実施形態を説明するための、軸肥大加工方法の他の例を模式的に示す図である。 図1の軸肥大加工方法を実施する軸肥大加工機の一例の側面図である。 図6の軸肥大加工機の軸保持スリーブ及びスピンドルの断面図である。 図7の軸保持スリーブの正面図である。 図7の軸保持スリーブの変形例の断面図である。 図7の軸保持スリーブの他の変形例の側面図である。 図7の軸保持スリーブの他の変形例の斜視図である。 本発明の実施形態を説明するための、軸肥大加工機用治具の一例の側面図である。 本発明の実施形態を説明するための、軸肥大加工機用治具の他の例の断面図である。 図13の軸肥大加工機用治具の正面図である。
図1から図5は、本発明の実施形態を説明するための、軸肥大加工方法の種々の例を模式的に示す。
図1に示す軸肥大加工方法は、軸材Wに軸圧縮応力を負荷した状態で曲げ角度を付加して軸材Wを回転させることにより軸材Wの一部を肥大させるものである。
図1(A)に示すように、軸材Wの両端部が、基準線A上にて対向して配置された一対の軸保持スリーブ1a,1bにそれぞれ挿入される。そして、軸材Wの両端部が軸保持スリーブ1a,1bの底部にそれぞれ当接し、軸材Wは一対の軸保持スリーブ1a,1bによって挟持される。一対の軸保持スリーブ1a,1bの間には所定の間隔Dがあけられ、間隔Dは、軸材Wに形成される肥大部の軸方向長さ及び外径に応じて決定される。
図1(B)に示すように、軸保持スリーブ1bが基準線Aに沿って並進移動され、一対の軸保持スリーブ1a,1bによって挟持された軸材Wは軸方向に圧縮される。そして、軸保持スリーブ1aが基準線Aに対して傾斜され、また、回転駆動され、一対の軸保持スリーブ1a,1bに挟持された軸材Wは、基準線A上の曲げ中心Oを中心に曲げられ、且つ軸材Wの軸線まわりに回転される。軸材Wの曲げ及び回転に伴い、軸材Wの湾曲部(中間部)には、曲げ方向における内側と外側とで軸材Wの軸方向と交差する方向に交番負荷が加えられる。
図1(C)に示すように、軸材Wは軸方向に圧縮されていることから、軸材Wの湾曲部の内側が塑性変形によって膨出し、塑性変形による膨出が全周に亘って成長して軸材Wの湾曲部が肥大する。
図1(D)に示すように、一対の軸保持スリーブ1a,1bの間隔が目標間隔(軸材Wの肥大部の軸方向長さ)に到達した後、軸材Wの圧縮が停止され、そして、基準線Aに対して傾斜された軸保持スリーブ1aが再び基準線Aに沿って配置されて軸材Wが曲げ戻しされる。以上の手順により軸材Wに対する肥大加工が完了し、軸材Wの回転が停止される。
この後、図1(E)に示すように、軸材Wは一対の軸保持スリーブ1a,1bから取り外される。
図2に示す軸肥大加工方法は、軸材Wの曲げ及び軸線まわりの回転によって軸材Wの湾曲部(中間部)に交番負荷を加える点で図1の軸肥大加工方法と共通するが、一方の軸保持スリーブ1aの基準線Aに対する傾動に替えて、基準線Aと交差する方向への軸保持スリーブ1aのスライドにより、軸材Wを曲げるようにしたものである。
図3に示す軸肥大加工方法は、一方の軸保持スリーブ1aにて軸材Wの端部を回転可能に非拘束状態にて保持し、他方の軸保持スリーブ1bにて軸材Wの端部を回転不能に拘束状態にて保持し、軸保持スリーブ1a及びこの軸保持スリーブ1aに保持された軸材Wの端部を基準線Aまわりに旋回させることにより、軸材Wを曲げ、且つ軸材Wの湾曲部(中間部)に交番負荷を加えるようにしたものである。
図4に示す軸肥大加工方法は、軸保持スリーブ1a,1bの各々にて軸材Wの端部を回転不能に拘束状態にて保持し、一方の軸保持スリーブ1aを基準線Aまわりに往復回転させることにより、軸材Wの中間部に交番負荷を加えるようにしたものである。
図5に示す軸肥大加工方法は、軸保持スリーブ1a,1bや軸材Wの変位や回転に替えて、振動発生器OSCから軸材Wに曲げ又は捻り振動を与えることにより、軸材Wの中間部に交番負荷を加えるようにしたものである。
図6は、図1に示した軸肥大加工方法を実施する軸肥大加工機の一例の構成を示す。
図6に示す軸肥大加工機10は、軸材の端部を保持する一対の軸保持スリーブ11と、軸材が配置される基準線Aに沿って互いに離間して配置された一対のホルダユニット12a,12bを備えている。一方のホルダユニット12aは、基準線Aに対して傾動可能に基台13に支持されており、また、他方のホルダユニット12bは、基準線Aに沿って移動可能に基台13に支持されている。
ホルダユニット12a,12bは、軸保持スリーブ11が装着されるスピンドル14と、スピンドル14を回転可能に支持するハウジング15と、軸保持スリーブ11に挿入された軸材の端部を軸保持スリーブ11から押し出すためのシリンダ16とをそれぞれ含んで構成されており、ホルダユニット12a,12bの各々のスピンドル14は基準線A上に配置されている。
そして、軸肥大加工機10は、ホルダユニット12bを基準線Aに沿って移動させる並進駆動部17と、ホルダユニット12aを基準線Aに対して傾斜させる傾動部18と、ホルダユニット12aのスピンドル14を回転駆動する回転駆動部19とを備えている。ホルダユニット12a,12b及び並進駆動部17によって軸材を軸方向に圧縮する加圧装置が構成され、ホルダユニット12a,12b、傾動部18、及び回転駆動部19によって、軸材の中間部に、この軸材の軸方向(基準線A)と交差する方向に交番負荷を加える負荷発生装置が構成される。
図7及び図8は、軸保持スリーブ11及びスピンドル14の構成を示す。
スピンドル14には、軸保持スリーブ11が挿入される嵌合孔20と、嵌合孔20に連なるピン挿通孔21とが設けられている。嵌合孔20には、軸保持スリーブ11を受ける受圧板22が挿嵌されており、受圧板22は、嵌合孔20の内部に形成された段差23に突き当てられて固定されている。ピン挿通孔21はスピンドル14の中心軸(基準線A)に沿ってスピンドル14を貫通して設けられており、このピン挿通孔21には、シリンダ16(図6参照)のノックピン24が挿通されている。
軸保持スリーブ11は、軸材の端部を収容する筒部30と、筒部30に挿嵌された当金31と、を有している。筒部30は、軸保持スリーブ11がスピンドル14の嵌合孔20に挿入された状態で嵌合孔20に収容される収容部32と、嵌合孔20の外に露出する露出部33とを有している。露出部33は、収容部32よりも小径に形成されており、露出部33と収容部32との接続部には段差34が形成されている。当金31は、軸保持スリーブ11の底部を構成しており、ノックピン24によって支持されて軸材の端面を受け、ノックピン24によって押圧されて軸保持スリーブ11に挿入された軸材の端部を軸保持スリーブ11から押し出す。
スピンドル14の嵌合孔20に挿入された軸保持スリーブ11は、嵌合孔20が開口しているスピンドル14の開口端部に締結されるフランジパイプ35によって筒部30の段差34が押さえ込まれ、スピンドル14に固定される。
軸保持スリーブ11は、軸材の寸法に応じて適宜交換される。また、軸保持スリーブ11は、軸材に加えられる交番負荷の反力を受けとめ、特に軸保持スリーブ11の開口部の表面30aには比較的大きな負荷が作用する。そのため、軸保持スリーブ11は、繰り返しの使用によって損耗し、適宜交換される。
軸保持スリーブ11の交換に伴って軸保持スリーブ11がスピンドル14の嵌合孔20に対して挿抜される際に、軸保持スリーブ11、スピンドル14、受圧板22、及びノックピン24によって嵌合孔20の内部に空気が囲われるが、軸保持スリーブ11には、嵌合孔20の内部と外部とを連通する空気流通路が設けられている。
軸保持スリーブ11の上記空気流通路は、本例では、収容部32の外周面に形成された溝36によって構成されている。溝36は、軸保持スリーブ11の嵌合孔20への挿入方向先側(底部側)の先端面から軸保持スリーブ11の軸方向に沿って延びて設けられており、露出部33の表面に達している。空気流通路としての溝36は、少なくとも一つあれば足りるが、図示の例のように、収容部32の外周面の周方向に間隔をあけて複数設けられていてもよい。
空気流通路としての溝36がないと、軸保持スリーブ11が抜去される際には嵌合孔20の内部が雰囲気圧に対して負圧となり、軸保持スリーブ11が挿入される際には嵌合孔20の内部が雰囲気圧に対して正圧となり、軸保持スリーブ11の円滑な挿抜が妨げられる。これに対し、溝36によって嵌合孔20の内部と外部とが連通されていることにより嵌合孔20の内部は雰囲気圧に保たれ、あるいは雰囲気圧との差圧が低減される。それにより、軸保持スリーブ11の円滑な挿抜が可能となって軸保持スリーブ11の交換の作業性を向上させることができ、ひいては軸肥大加工における作業性を高めることができる。
なお、軸保持スリーブ11の空気流通路は、軸保持スリーブ11の嵌合孔20への挿入方向先側の先端面から露出部33の表面に達している限りにおいて溝36に限定されるものではない。例えば図9に示すように、軸保持スリーブ11の先端面から反対側の端面に達する貫通孔37によって空気流通路を構成することもできる。
また、図10に示すように、吊金具38が着脱可能に締結される装着部39を軸保持スリーブ11の外周面に設けてもよい。軸保持スリーブ11は、保持する軸材にもよるが大きな物では60kg程度の重量を有し、比較的重量物であるところ、吊金具38を介して軸保持スリーブ11を吊ることにより、軸保持スリーブ11の交換作業における作業者の負担を軽減することができる。それにより、軸保持スリーブ11の交換の作業性を一層向上させることができる。
また、図6及び図7に示した例では、軸保持スリーブ11をスピンドル14に固定するフランジパイプ35が軸保持スリーブ11の筒部30とは別体に構成されているが、図11に示すように、筒部30にフランジ部40を一体に設けてもよく、その場合に、フランジ部40に把持部としてのハンドル41を設けることもできる。ハンドル41があることにより、スピンドル14の嵌合孔20に対する軸保持スリーブの挿抜操作が容易となり、軸保持スリーブの交換の作業性を一層向上させることができる。
また、軸材との接触による軸保持スリーブ11の損耗を抑制するために、軸保持スリーブ11の材料として硬質な材料を用いることが好ましい。軸保持スリーブ11の損耗を抑制することにより、軸保持スリーブ11の交換頻度を低くすることができ、軸肥大加工における作業性を高めることができる。
軸保持スリーブ11を形成する母材としては、ロックウェル硬さ(JIS G 0202)HRC58以上のものを好適に用いることができ、SKD11等のダイス鋼や、SKH51等のハイス鋼や、セミハイス鋼などを例示することができる。
さらに、軸保持スリーブ11の損耗を抑制する観点から、軸保持スリーブ11に表面硬化処理を施してもよく、表面硬化処理が施される場合に、表面性状はビッカース硬さ(JIS Z 2244)HV1200以上が好ましく、HV3000以上がより好ましく、また平滑であることが好ましい。そのような表面硬化処理としては、バナジウム系皮膜やクロム系皮膜やチタン系皮膜やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)皮膜など皮膜形成、窒化処理、等を例示することができる。
表面硬化処理は、少なくとも軸保持スリーブ11の開口部の表面30aに施され、開口部の表面30aを含む筒部30の内周面の全体に施されてもよいし、軸保持スリーブ11の表面全体に施されてもよい。
表面硬化処理として皮膜を形成する場合に、皮膜は、上記列挙した種々の皮膜の単層膜で構成してもよいし1種以上の多層膜で構成してもよい。また、皮膜の形成方法としては、塩浴浸漬法(熱反応析出拡散法)、CVD(化学蒸着法)、PVD(物理蒸着法)、PCVD(プラズマCVD法)、等の方法を例示することができる。
また、軸肥大加工における作業性を高める観点では、軸保持スリーブ11を交換する際に治具を用いてもよい。
図12は、本発明の実施形態を説明するための、軸肥大加工機用治具の一例の構成を示す。
図12に示す治具50は、複数本(図には一本のみ示されている)の円柱状のガイド棒51によって構成されている。これらのガイド棒51は、軸保持スリーブ11のフランジパイプ35が締結されるスピンドル14の開口端部のネジ穴のうち、嵌合孔20の鉛直下側の縁部に位置するネジ孔に締結され、嵌合孔20の開口縁部に装着されている。
軸保持スリーブ11は、複数本のガイド棒51に跨って、これらのガイド棒51に載置される。各ガイド棒51の外周面は、載置された軸保持スリーブ11に接する外周面の母線に沿って嵌合孔20の内周面に面一に連なっており、軸保持スリーブ11は、これらのガイド棒51上から嵌合孔20に、また、嵌合孔20からガイド棒51上に、円滑に移動される。それにより、軸保持スリーブ11の挿抜操作が容易となり、軸保持スリーブ11の交換の作業性を一層向上させることができる。
また、図示の例では、各ガイド棒51の先端部に大径のストッパ部52が設けられており、これらのストッパ部52は、軸保持スリーブ11が嵌合孔20から抜去される際などにおいて、軸保持スリーブ11がガイド棒51の先端側に向けて過度に移動された場合に軸保持スリーブ11に当接し、軸保持スリーブ11の脱落を防止する。
軸保持スリーブ11が嵌合孔20に挿入された後には、ガイド棒51はスピンドル14から取り外され、ガイド棒51に替えてフランジパイプ35がスピンドル14に締結され、軸保持スリーブ11がスピンドル14に固定される。
図13及び図14は、本発明の実施形態を説明するための、軸肥大加工機用治具の他の例の構成を示す。
図13及び図14に示す治具60は、環状に形成されており、スピンドル14の開口端部に外嵌してスピンドル14に装着される。治具60は、嵌合孔20を露呈させる開口61の鉛直下側の縁部から軸方向に突出して形成された半円筒状の支持部62を有しており、軸保持スリーブ11は支持部62に載置される。支持部62の内周面は、嵌合孔20の内周面に面一に連なっており、軸保持スリーブ11は、支持部62上から嵌合孔20に、また、嵌合孔20から支持部62上に、円滑に移動される。本例の治具60によれば、スピンドル14に対する着脱が容易であり、軸保持スリーブ11の交換の作業性を一層向上させることができる。
以上、図1に示した軸肥大加工方法を実施する軸肥大加工機10を例に、本発明の軸保持スリーブ及び軸肥大加工機並びに軸肥大加工機用治具について説明したが、図2から図5にそれぞれ示した軸肥大加工方法を実施する軸肥大加工機は、軸材の中間部に交番負荷を加えるためのホルダユニットやスピンドルの動作方式が異なるだけであり、これらの軸肥大加工機においても、上述した軸保持スリーブ及び軸肥大加工機用治具の構成を適用可能である。
次に、上述した軸保持スリーブ11の種々の作製例、及びそれらの寿命評価について説明する。
作製例1の軸保持スリーブは、セミハイス鋼を母材とし、表面硬化処理は省略したものである。作製例2の軸保持スリーブは、セミハイス鋼を母材とし、表面硬化処理として窒化処理を施したものである。作製例3の軸保持スリーブは、SKH51(ハイス鋼)を母材とし、表面硬化処理として塩浴浸漬法の一種であるTDプロセス(登録商標)によりVC(炭化バナジウム)皮膜を形成したものである。これら作製例1〜3の軸保持スリーブの母材硬さ及び表面性状を表1に示す。
Figure 0006427326
上記作製例1〜3の軸保持スリーブの各々について、上述した軸肥大加工機10にて同一条件で軸肥大加工を繰り返し行い、視認可能なかじり(凝着磨耗)が発生するまでの加工本数で寿命を評価した。評価結果を表1に合わせて示す。表1に示される評価結果から、表面硬化処理を施すことにより、軸材との接触による軸保持スリーブの損耗を抑制できることがわかる。そして、軸保持スリーブの損耗を抑制することにより、軸保持スリーブの交換頻度を低くすることができ、軸肥大加工における作業性を高めることができる。
以上、説明したとおり、本明細書には下記の事項が開示されている。
(1) 軸材の一部を肥大させる軸肥大加工において、軸材に軸圧縮応力を負荷する加圧装置の嵌合孔に挿入されて軸材の端部を保持する軸保持スリーブであって、前記嵌合孔への挿入方向先側の先端面から前記嵌合孔の外に露出する露出部の表面に達する少なくとも一つの空気流通路を有する軸保持スリーブ。
(2) 上記(1)の軸保持スリーブであって、前記空気流通路は、外周面に形成された溝である軸保持スリーブ。
(3) 上記(1)の軸保持スリーブであって、前記空気流通路は、前記先端面から反対側の端面に達する貫通孔である軸保持スリーブ。
(4) 上記(1)から(3)のいずれか一つの軸保持スリーブであって、吊金具が着脱可能な装着部が外周面に設けられている軸保持スリーブ。
(5) 上記(1)から(4)のいずれか一つの軸保持スリーブであって、把持部が前記露出部に設けられている軸保持スリーブ。
(6) 上記(1)から(5)のいずれか一つの軸保持スリーブであって、少なくとも軸材の端部が挿入される開口部の表面に表面硬化処理が施されている軸保持スリーブ。
(7) 上記(6)の軸保持スリーブであって、表面硬化処理された表面のビッカース硬さがHV1200以上である軸保持スリーブ。
(8) 軸材の両端部をそれぞれ保持する一対の軸保持スリーブと、一対の前記軸保持スリーブがそれぞれ挿入される嵌合孔を有し、一対の前記軸保持スリーブに両端部を保持された軸材を軸方向に圧縮する加圧装置と、一対の前記軸保持スリーブに両端部を保持された軸材の中間部に、該軸材の軸方向と交差する方向に交番負荷を加える負荷発生装置と、を備え、一対の前記軸保持スリーブが上記(1)から(7)のいずれか一つの軸保持スリーブである軸肥大加工機。
(9) 上記(8)の軸肥大加工機において前記軸保持スリーブを前記嵌合孔に挿入する際に用いられる軸肥大加工機用治具であって、前記嵌合孔の開口縁部に装着され、前記軸保持スリーブが載置可能で且つ前記嵌合孔の内周面に面一に連なる載置面を有する軸肥大加工機用治具。
1a 軸保持スリーブ
10 軸肥大加工機
11 軸保持スリーブ
12a ホルダユニット
12b ホルダユニット
13 基台
14 スピンドル
15 ハウジング
16 シリンダ
17 並進駆動部
18 傾動部
19 回転駆動部
20 嵌合孔
30 筒部
31 当金
32 収容部
33 露出部
36 溝(空気流通路)
37 貫通孔(空気流通路)
38 吊金具
39 装着部
40 フランジ部
41 ハンドル(把持部)
50 治具
60 治具
A 基準線
W 軸材

Claims (9)

  1. 軸材の一部を肥大させる軸肥大加工において、軸材に軸圧縮応力を負荷する加圧装置の嵌合孔に挿入されて軸材の端部を収容する軸保持スリーブであって、
    前記軸材の端部を収容する孔の外において、前記嵌合孔への挿入方向先側の先端面であって前記嵌合孔の内部に空気を囲う面から前記嵌合孔の外に露出する露出部の表面に達しており、当該軸保持スリーブが前記嵌合孔に対して挿抜される際に前記嵌合孔の内部に囲われた空気を流通させる少なくとも一つの空気流通路を有する軸保持スリーブ。
  2. 請求項1記載の軸保持スリーブであって、
    前記空気流通路は、外周面に形成された溝である軸保持スリーブ。
  3. 請求項1記載の軸保持スリーブであって、
    前記空気流通路は、前記先端面から反対側の端面に達する貫通孔である軸保持スリーブ。
  4. 請求項1から3のいずれか一項記載の軸保持スリーブであって、
    吊金具が着脱可能な装着部が外周面に設けられている軸保持スリーブ。
  5. 請求項1から4のいずれか一項記載の軸保持スリーブであって、
    把持部が前記露出部に設けられている軸保持スリーブ。
  6. 請求項1から5のいずれか一項記載の軸保持スリーブであって、
    少なくとも軸材の端部が挿入される開口部の表面に表面硬化処理が施されている軸保持スリーブ。
  7. 請求項6記載の軸保持スリーブであって、
    表面硬化処理された表面のビッカース硬さがHV1200以上である軸保持スリーブ。
  8. 軸材の両端部をそれぞれ保持する一対の軸保持スリーブと、
    一対の前記軸保持スリーブがそれぞれ挿入される嵌合孔を有し、一対の前記軸保持スリーブに両端部を保持された軸材を軸方向に圧縮する加圧装置と、
    一対の前記軸保持スリーブに両端部を保持された軸材の中間部に、該軸材の軸方向と交差する方向に交番負荷を加える負荷発生装置と、
    を備え、
    一対の前記軸保持スリーブが請求項1から7のいずれか一項記載の軸保持スリーブである軸肥大加工機。
  9. 請求項8記載の軸肥大加工機において前記軸保持スリーブを前記嵌合孔に挿入する際に用いられる軸肥大加工機用治具であって、
    前記嵌合孔の開口縁部に装着され、前記軸保持スリーブが載置可能で且つ前記嵌合孔の内周面に面一に連なる載置面を有する軸肥大加工機用治具。
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