JP6426467B2 - 接続部材および電気化学セル - Google Patents
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Description
本発明によれば、電気化学セルの電極端子とリード線とを、接続部材により半田を用いることなく接続することができる。このため、半田付けにより電気化学セルの厚さが増加することを抑制できる。また、第1カシメ部によりリード線の被覆部を固定するため、リード線を引っ張った際に、芯線のみに応力が作用することを防止できる。このため、芯線が破断したり、芯線が被覆部から引き抜けたりすることを防止できる。したがって、電気化学セルの小型化および耐久性の向上が可能な接続部材とすることができる。
本発明によれば、リード線を第1カシメ部および第2カシメ部に挿入することができる。これにより、リード線と接続部材との接続作業時において、リード線が接続部材から脱落しにくくなり、接続作業を容易に行うことができる。したがって、電気化学セルの小型化を容易に実現できる接続部材とすることができる。
本発明によれば、第1カシメ部と第2カシメ部との間に段差が形成されるため、リード線を第1カシメ部および第2カシメ部に挿入する際に、リード線の被覆部の先端を、第2カシメ部に当接させることができる。これにより、カシメ固定時のリード線の位置決めが容易にできるとともに、接続部材に対するリード線の位置のばらつきが低減され、リード線の芯線および被覆部を接続部材に確実に接続させることができる。したがって、小型な電気化学セルの耐久性を確実に向上させることができる。
本発明によれば、第1カシメ部および第2カシメ部に挿入されたリード線を、間隙を通じて目視することができる。これにより、リード線と接続部材との接続作業時において、接続部材に対するリード線の位置を確認しながら容易に作業することができる。したがって、電気化学セルの小型化を容易に実現できる接続部材とすることができる。
さらに、第1カシメ部と第2カシメ部との間に間隙を設けることで、第1カシメ部および第2カシメ部をリード線に対して各別にカシメ固定することができる。これにより、リード線の被覆部に対する第1カシメ部のカシメ固定時の荷重と、リード線の芯線に対する第2カシメ部のカシメ固定時の荷重と、を適宜異なる大きさに設定することができる。したがって、リード線と接続部材との接続をより確実に行うことができる。
本発明によれば、接続部材と電極端子およびリード線との接続が全てカシメ固定となる。このため、接続部材と電極端子およびリード線との接続を、抵抗溶接や半田付けにより行う必要がなくなる。これにより、電気化学セルの内部の電極体や、その電極体を覆う外装体等が、電極端子を介して加熱されることを防止でき、電極体の劣化や外装体の溶融等を防止できる。したがって、電気化学セルの信頼性の低下を抑制することができる。
本発明によれば、接続部材を幅狭に形成できる。これにより、電極端子が狭い間隔で並設されている場合でも、隣り合う接続部材同士が接触して短絡することを防止できる。したがって、小型な電気化学セルの信頼性を向上させることができる。
本発明によれば、第1カシメ部および第2カシメ部と第3カシメ部とが並設されるため、接続部材と電極端子とを接続した際に、電気化学セルの外装体から見た接続部材の先端までの距離を短くできる。接続部材は、リード線と比較して硬い部材であるため、電気化学セルの外装体から接続部材の先端までの距離を短くすることで、電気化学セルのうち、搭載先の機器の形状に合わせて柔軟に形状を変化させることができない部分を小さくできる。したがって、電気化学セルをより小型に形成できる接続部材とすることができる。
本発明によれば、電極端子がカシメ固定しにくい形状であっても、接続部材と電極端子とを溶着により電気的および機械的に接続できる。したがって、各種小型な電気化学セルに用いることができる接続部材とすることができる。
本発明によれば、電極端子とリード線とを半田を用いることなく接続できる。したがって、耐久性に優れた小型な電気化学セルが得られる。
(電池)
図1は、第1実施形態に係る電気化学セルの斜視図である。なお、図1では、わかりやすくするために、接続部材40についてカシメ加工する前の状態を図示している(以下の図面についても同様)。
図1に示すように、電池10は、電極体11と、外装体15と、一対の電極端子20と、一対のリード線30と、一対の接続部材40と、を有している。
電極体11は、直方体状に形成されている。電極体11は、セパレータを介して互いに積層された正極および負極を含み、正極および負極は、電解液などの非水電解質に接している。
電極体11の正極は、例えば、金属箔などの集電体に正極活物質を付着させたものである。正極の集電体として用いる金属箔としては、例えば、アルミニウム箔やステンレス箔などが用いられる。正極活物質は、例えば、コバルト酸リチウムやチタン酸リチウム、マンガン酸リチウムなどのように、リチウムと遷移金属とを含む複合酸化物である。
セパレータは、リチウムイオンを通す特性を有する。セパレータは、例えば、ポリオレフィン製の樹脂ポーラスフィルム、ガラス製不織布、樹脂製不織布、セルロース繊維の積層体の1つ、または2以上の組み合わせを含む。
電極体11は、正極および負極の一方から他方へリチウムイオンが移動することにより、電荷を蓄積(充電)したり電荷を放出(放電)したりすることができる。
外装体15は、電解液などの非水電解質とともに電極体11を収容する。外装体15は、平面視矩形状に形成されている。外装体15は、矩形状のシートを重ね合わせて形成されている。本実施形態では、外装体15は、矩形状のシートを二つ折りにして、その折り目を除く3辺に沿って重ね合わされたシートを熱融着することで形成されている。
一対の電極端子20は、電極体11の正極および負極にそれぞれ接続され、外装体15の内部から外部へ導出されている。一対の電極端子20は、それぞれタブ状に形成されて略平行に並設されている。
一対の電極端子20は、正極側電極端子21と、負極側電極端子22と、を含んでいる。正極側電極端子21は、例えばアルミニウムやアルミニウム合金等により形成され、外装体15の内部にて電極体11の正極と電気的に接続されている。負極側電極端子22は、例えばニッケルや銅のフープ材のニッケルメッキ品、ステンレス等により形成され、外装体15の内部にて電極体11の負極と電気的に接続されている。
一対のリード線30は、外装体15の外部に配置され、一端部が後述する接続部材40にカシメ固定されている。リード線30は、例えば銅等の電気抵抗率の低い金属材料により形成された芯線30a(図4参照)と、芯線30aを覆う被覆部30bと、により構成されている。被覆部30bには、例えばゴムやポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の樹脂製の絶縁材料が用いられている。リード線30の両端部は、被覆部30bが剥ぎ取られて、芯線30aが露出している。
接続部材40は、電極端子20とリード線30の一端部とを電気的および機械的に接続する。接続部材40は、延性および展性が高く、電気抵抗率の低い金属材料により形成され、例えばアルミニウムやアルミニウム合金、ニッケルやスズのめっき処理が施された銅、真鍮等が好適である。
図2および図4に示すように、接続部材40は、リード線30の被覆部30bをカシメ固定する第1カシメ部41と、リード線30の芯線30aをカシメ固定する第2カシメ部42と、電極端子20に接続される端子接続部45と、第1カシメ部41、第2カシメ部42および端子接続部45を連結する連結部44と、を有する。端子接続部45は、電極端子20をカシメ固定する第3カシメ部43である。
連結部44は、カシメ部41〜43の外周面に接するように、且つ所定軸P1の軸方向(以下、単に「軸方向」という。)に沿うように配置され、カシメ部41〜43を連結している。より具体的には、カシメ部41〜43は、それぞれ長方形状の金属板をその長手方向両端部を繋ぎ合わせるように円筒状に湾曲させることで形成されている。この際、各金属板の長手方向両端部は、円筒状の部分の径方向外方に向かって折り曲げられて、連結部44により固定されている(図3参照)。カシメ部41〜43の内径は、リード線30の被覆部30bの外径よりも大きく設定されている。
この構成によれば、電池10の電極端子20とリード線30とを、接続部材40により半田を用いることなく接続することができる。このため、半田付けにより電池10の厚さが増加することを抑制できる。また、第1カシメ部41によりリード線30の被覆部30bを固定するため、リード線30を引っ張った際に、芯線30aのみに応力が作用することを防止できる。このため、芯線30aが破断したり、芯線30aが被覆部30bから引き抜けたりすることを防止できる。したがって、電池10の小型化および耐久性の向上が可能な接続部材40とすることができる。
(接続部材)
図6は、第1実施形態の変形例に係る接続部材の斜視図である。図7は、第1実施形態の変形例に係る接続部材の説明図であって、電気化学セルにおける接続部材近傍の側面図である。
この構成によれば、第1カシメ部141と第2カシメ部142との間に段差が形成されるため、リード線30を第1カシメ部141および第2カシメ部142に挿入する際に、リード線30の被覆部30bの先端を、第2カシメ部142に当接させることができる。これにより、カシメ固定時のリード線30の位置決めが容易にできるとともに、接続部材140に対するリード線30の位置のばらつきが低減され、リード線30の芯線30aおよび被覆部30bを接続部材140に確実に接続させることができる。したがって、小型な電池の耐久性を確実に向上させることができる。
(接続部材)
図8は、第2実施形態に係る接続部材の説明図であって、電気化学セルにおける接続部材近傍の斜視図である。
図4に示す第1実施形態では、接続部材40の第3カシメ部43は、第1カシメ部41および第2カシメ部42と同軸上に形成されていた。これに対して、図8に示す第2実施形態では、接続部材240の第3カシメ部243は、第1カシメ部241および第2カシメ部242の側面に沿って形成されている点で、第1実施形態と異なっている。なお、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
第1カシメ部241は、金属板240aの長手方向一端部であって、第2カシメ部242と一体的に形成された円筒状の部材である。第1カシメ部241および第2カシメ部242(以下、「リード線カシメ部241,242」という。)は、第1軸P2に沿うように延在している。リード線カシメ部241,242の内径は、リード線30の被覆部30bの外径よりも大きく設定されている。
連結部244は、矩形板状に形成されている。連結部244は、金属板240aにおける長手方向一端部のリード線カシメ部241,242と、長手方向他端部の第3カシメ部243とを連結している。
この構成によれば、リード線カシメ部241,242と第3カシメ部243とが並設されているため、接続部材40と電極端子20とを接続した際に、外装体15から見た接続部材240の先端までの距離を短くできる。接続部材240は、リード線30と比較して硬い部材であるため、外装体15から接続部材240の先端までの距離を短くすることで、電池のうち、搭載先の機器の形状に合わせて柔軟に形状を変化させることができない部分を小さくできる。したがって、電池をより小型に形成できる接続部材240が得られる。
(接続部材)
図9は、第2実施形態の変形例に係る接続部材の説明図であって、電気化学セルにおける接続部材近傍の斜視図である。
図8に示す第2実施形態では、第1カシメ部241と第2カシメ部242とが一体的に形成されていたが、図9に示す変形例では、第1カシメ部341と第2カシメ部342とが分割形成されている点で、第2実施形態と異なっている。なお、第2実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
(接続部材)
図10は、第3実施形態に係る接続部材の説明図であって、電気化学セルにおける接続部材近傍の斜視図である。
図9に示す第2実施形態の変形例では、端子接続部45が、電極端子20がカシメ固定される第3カシメ部243であった。これに対して、図10に示す第3実施形態では、端子接続部45が、電極端子20が溶着される溶着部446である点で、第2実施形態の変形例と異なっている。なお、第2実施形態の変形例と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
溶着部446は、その主面が電極端子20の主面に接触した状態で、電極端子20に対して溶着される。溶着部446と電極端子20とは、抵抗溶接や超音波溶接、レーザー溶接等の接合手段により溶着される。これにより、接続部材440は、電極端子20に対して電気的および機械的に接続される。
この構成によれば、電極端子20がカシメ固定しにくい形状であっても、接続部材440と電極端子20とを溶着により電気的および機械的に接続できる。したがって、各種小型な電池に用いることができる接続部材440が得られる。
例えば、上記実施形態においては、各カシメ部において電極端子20およびリード線30は接続部材に対してカシメ固定のみにより固定されているが、これに限定されず、例えばカシメ固定後に溶着されてもよい。
また、上記実施形態においては、電気化学セルの一例として、非水電解質二次電池を例に挙げて説明したが、この場合に限定されず、電気二重層キャパシタや一次電池等に上述した構成を適用することができる。
Claims (5)
- 電気化学セルの電極端子とリード線とを接続する接続部材であって、
前記リード線の被覆部をカシメ固定する第1カシメ部と、
前記リード線の芯線をカシメ固定する第2カシメ部と、
前記電極端子をカシメ固定する第3カシメ部と、
を備え、
前記第1カシメ部と前記第2カシメ部とは、第1軸に沿うように延在し、
前記第3カシメ部は、前記第1軸に平行な第2軸に沿うように延在している、
ことを特徴とする接続部材。 - 前記第1カシメ部および前記第2カシメ部は、筒状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の接続部材。 - 前記第2カシメ部の内径は、前記第1カシメ部の内径よりも小さい、
ことを特徴とする請求項2に記載の接続部材。 - 前記第1カシメ部と前記第2カシメ部との間には、間隙が形成されている、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の接続部材。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の接続部材と、
前記電極端子と、
前記リード線と、
を備える、
ことを特徴とする電気化学セル。
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