JP6425790B1 - 車載オーディオ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車載オーディオ装置の超指向性スピーカーの指向性により荷物や聴講者の動きによって音の伝達経路が妨げられ継続した聴講ができない。【解決手段】乗員の特徴・動作を検出する乗員検出手段210と、座席位置を取得する座席情報取得手段600と、車両内の奥行を推定する奥行推定手段240と、超音波の反射位置を選択する反射位置選択手段310と、音源信号を記録する音源記録手段520と、音源信号を超音波に変換して照射するスピーカー部800と、乗員検出手段によって検出した乗員の特徴と座席情報取得手段または奥行推定手段から得られる情報を基に乗員が存在する車両内位置情報を算出する手段250と、車両内位置情報と反射位置とスピーカー部の位置から、音を照射する音波伝達経路を算出する音波伝達経路計算手段320を備え、音波伝達経路に従って音源信号を超音波に変換して乗員へ照射する。【選択図】図3

Description

この発明は、画像認識処理と超指向性スピーカーの反射波を用いた車載オーディオ装置に関するものである。
超指向性スピーカーを車両に用いると、従来のランドスピーカーではできない座席毎に別々の音楽等を楽しむことが可能になる。しかし、車両内空間において従来の直進波を照射するだけの超指向性スピーカーの用い方では、音楽等を聴講する場合、限られたスペース、座席位置によって超指向性スピーカーの設置スペースが限定される場合や、その超指向性により荷物や聴講者の動きによって音の伝達経路が妨げられたり、可聴範囲から外れたりして継続した聴講ができない場合がある。
従来の指向性スピーカーを使用した制御装置としては、例えば特許文献1や特許文献2に記載されたものが知られている。特許文献1は、大形な指向性スピーカーを使用せず、かつ過大なエネルギーも要しない可聴音指向性制御装置を提供するという課題に対し、照射する音波の到達目標位置を検出し、直進波を発生する音波発生装置を個別に制御するという解決方法を提案している。特許文献2は、目標出力対象が複数ある場合でも、簡易な構成で指向性音を目標出力対象に向け照射する課題に対し、駆動機構を用いずカメラとディレイタイムを使用するという解決方法を提案している。
特開2008−113190号公報 特開2012−175162号公報
このような従来方法では、頭部(耳)に向けて超音波などの音波を照射し、個別に可聴者である乗員は音声や音楽を楽しむことができたが、頭部(耳)を検出し、その方向に向けて超音波などの音波を照射しているのみで、必ずしも適切に音が聞こえるように超音波を復調しない場合や乗員が聞こえない領域に音が発生する場合があった。
従来方法では、車両内の状況や可聴者である乗員の状況を把握できておらず、荷物等の車両内配置状況や乗員の動きにあった超音波などの音波の照射ができていなかった。さらに従来方法では、頭部(耳)に向け超音波などの音波を照射しているので、例えば超音波などの音波を伝達する経路に荷物が置かれた場合や、超音波をさえぎるような行動をとられた場合に、音を聴くことができない可能性もあった。加えて、頭部(耳)に向け直進する超音波などの音波を照射することが可能な位置にのみに、スピーカーを配置する必要があるため、スピーカーの車内での配置スペースに制限があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、画像認識処理によって、頭部または耳の位置や車両内状況、乗員の動作状況を把握しながら超指向性スピーカーから照射される直進性の超音波の反射波を適切に制御するようにした車載オーディオ装置を提供することを目的とするものである。
この発明の車載オーディオ装置は、車両内における乗員の特徴及び動作を検出する乗員検出手段と、車両内における物体の特徴及び挙動を検出する物体検出手段と、車両内の座席位置を取得する座席情報取得手段と、車両内の奥行を推定する奥行推定手段と、車両内の超音波を反射する位置を選択する反射位置選択手段と、音源信号を記録する音源記録手段と、音源信号を超音波に変換して照射するスピーカー部と、乗員検出手段によって検出した乗員の特徴と座席情報取得手段または奥行推定手段から得られる情報を基に乗員が存在すると推定される車両内位置情報を算出する手段と、車両内位置情報と反射位置選択手段で選択した反射位置とスピーカー部の位置から、音を照射する音波伝達経路を算出する音波伝達経路計算手段と、物体検出手段で検出された物体または乗員検出手段で検出された乗員の動作による音波伝達経路の遮断を判定する経路遮断判定手段と、物体もしくは乗員の動作位置が音波伝達経路と接触するまでの接触時間を算出する接触時間算出手段を備え、経路遮断判定手段は、物体もしくは乗員の動作が音波伝達経路を遮蔽すると判定した場合、反射位置選択手段で選択可能な別の反射位置を用いて新たな音波伝達経路と音波到達時間を算出し、新たな音波伝達経路の音波到達時間と接触時間算出手段で算出されている接触時間が
音波到達時間 < 接触時間
となる場合、新たな音波伝達経路に従って超音波を乗員へ照射するようにしたものである。


この発明の車載オーディオ装置は、乗員検出手段や座席情報取得手段による画像認識処理によって乗員の位置や車両内状況、聴講者である乗員の動作状況を把握できるようになるため、例えば音波の伝搬経路に荷物や乗員の体の一部が侵入して超音波などの音波を遮るようなことになっても、同じスピーカー部から反射位置等を変更した経路で、変更した経路の情報を含んだ反射波を発生させて遮断された経路を回避しながら継続的に音を鳴らし続けたり、直進波しか使用しないときに限られていたスピーカー部の配置スペースも反射波を使用することで配置スペースに自由度を与えたりすることもできる。
さらに、スピーカー部から発生するキャリア波と信号波を、複数のスピーカー部に分割し、直進波と反射波を混合した音場で音を鳴らせることでよりスピーカー部の配置スペースに自由度を与えることができる。
この発明の実施の形態1における車載オーディオ装置の構成図である。 この発明の実施の形態1における車載オーディオ装置の画像取得装置で取得した画像イメージ図と超指向性スピーカーの配置例を示した説明図である。 この発明の実施の形態1における車載オーディオ装置に使用される車載オーディオ制御装置の内部の構成図である。 この発明の実施の形態1における車載オーディオ装置に使用される超音波スピーカーの内部構成図である。 この発明の実施の形態1における車載オーディオ装置による制御のフローチャート図である。 この発明の実施の形態2における車載オーディオ装置による制御のフローチャート図である。 この発明の実施の形態3における車載オーディオ装置による制御のフローチャート図である。 この発明の実施の形態4における車載オーディオ装置による制御のフローチャート図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1における車載オーディオ装置を図1から図5に基づいて説明する。
図1はこの発明の実施の形態1における車載オーディオ装置の全体構成図であり、画像認識処理と超指向性スピーカーの反射波を用いた車載オーディオ装置の構成図となっている。
図1において、車載オーディオ装置は、車両内の乗員や座席、荷物などを撮影してその画像を得る画像取得装置20と、車載オーディオ制御装置30と、超指向性スピーカー40で構成されている。乗員10は音楽等の聴講者であり、また乗員10が座る座席50もある方がよい。
図2は、画像認識処理と超指向性スピーカーの反射波を用いた車載オーディオ装置において、画像取得装置20で取得した画像イメージ図と、そのイメージ図に対し超指向性スピーカー40を配置した一例の説明図である。図2においては、乗員10、座席50、超指向性スピーカー40、乗員の手または腕100、荷物等の遮蔽物110、反射位置120を示している。
図3は画像認識処理と超指向性スピーカーの反射波を用いた車載オーディオ制御装置30の内部の構成の説明図であり、画像処理部200、経路計算部300、照射処理部400、音源処理部500、座席位置を取得する座席情報取得手段600、回避要請部700で構成される。
また、画像処理部200は、特徴抽出・検索処理部210、乗員追従処理部220、物体追従処理部230、奥行推定処理部240、画像位置―車両内位置変換処理部250で構成される。
経路計算部300は、反射位置選択部310、音波伝達経路計算部320、遅延時間算出部330、音波到達時間計算部340で構成される。
照射処理部400は、キャリア波生成部410、信号波生成部420、キャリア波補正部430、信号波補正部440、機能分担処理部450、照射処理通信部460で構成される。
音源処理部500は、音源通信部510、音源記録部520で構成される。回避要請部700は、経路遮断判定部710、接触時間算出部720で構成される。
図4は車載オーディオ装置に使用される超音波スピーカー40の内部構成を説明した図である。超指向性スピーカー40は、素子(圧電素子等)810を有したスピーカー部800と駆動回路部820と制御回路部830で構成される。
図5は、画像取得装置20で取得した画像から反射位置120を介して乗員10へ超音波スピーカー40より照射した音を伝える制御のフローチャートである。
乗員10は、車両に搭乗している乗員のことである。また乗員10は車両内で音声や音楽等を聴講する対象者でもある。乗員10は画像取得装置20によって2次元画像データとして形状を取得され、その2次元画像データは車載オーディオ制御装置30にて処理される。
乗員10には個人差があり、画像取得装置20によって正確に頭部や耳の位置を計測しなければ、場合によっては超指向性スピーカー40から照射される音波の可聴範囲から外れることもある。
たとえば乗員10として考えられる大人と子供では、座高差が非常に大きく差異があり、また子供の可聴領域は大人に比べれば広く、固定した照射方向のまま超指向性スピーカー40を車載用オーディオ装置に使用することは難しい。そのため、超指向性スピーカー40には照射方法に関して制御が必要になり、乗員10は車載オーディオ制御装置30内で超指向性スピーカー40から超音波を照射する目標となるように処理される。
画像取得装置20は、各座席の乗員10の画像や荷物等の遮蔽物110の画像を取得する装置である。取得した画像は、車載オーディオ制御装置30内の画像処理部200に送られる。画像取得装置20は、専用の可視聴カメラであっても良いし、ドライブレコーダに付加された機能であっても良いし、車内赤外線カメラでも良いし、白黒カメラであっても良い。
車載オーディオ制御装置30は、画像取得装置20で超音波の照射目標である乗員10や遮蔽物110を検出し、超指向性スピーカー40の照射方法を制御して乗員10に適切な音を伝搬する制御装置である。車載オーディオ制御装置30の中では、画像処理部200、経路計算部300、照射処理部400、音源処理部500、座席情報取得手段600、回避要請部700の処理が協調し、画像認識処理と超指向性スピーカー40の照射、反射等の制御を行う。車載オーディオ制御装置30内の各処理はハードウェア・ソフトウェアが混在して構成される。
超指向性スピーカー40は、単数もしくは複数の圧電素子等の素子810によって構成されたスピーカー部800と、圧電素子等の素子810を振動させるための駆動回路部820と、駆動回路部820を動かすための制御回路部830から構成されている。圧電素子等の素子810は、駆動回路部820によって電流、電圧を与えられ、超音波を発生する装置である。駆動回路部820は、制御回路部830からの指示を受け、可聴音として聴けるようにキャリア波、信号波を回路として実現する部分である。制御回路部830は、車載オーディオ制御装置30から通信等で指示を受け、実際に駆動回路部820を制御する部分である。
車載オーディオ制御装置30の照射処理通信部460は超指向性スピーカー40の制御回路部830と通信し、乗員10の頭部または耳の位置情報が反映されたキャリア波・信号波の情報や、機能分担(直進波・反射波・キャリア波・信号波の組み合わせ)情報を相互にやりとりする。機能分担情報は、この情報を使用して照射方法を変更するために用いる。
車載オーディオ制御装置30から上記の各情報を受信した制御回路部830は、得られた情報に従ってスピーカー部800の圧電素子等の素子810を振動させるように、駆動回路部820を駆動してスピーカー部800に電圧と電流を与える。
駆動回路部820は、乗員10に向けて、直進波、反射波、キャリア波、信号波を加味し、算出した音波伝達経路情報等を含んだキャリア波と信号波をそれぞれ照射する。ここで、乗員10に向けての照射方向を変更する方法は音波の位相情報を操作しても良いし、機構部品によって実現してもよい。ここで照射した超音波のキャリア波と信号波は空間上でうなりによって復号し、乗員10の耳に可聴音が聞こえるようになる。
画像取得装置20で得た座席50の位置は、車載オーディオ制御装置30内で画像位置から車両内位置情報を算出するために用いる。画像取得装置20で得られる情報は2次元データであるため、3次元の車両内位置情報にするにはもう一次元情報が必要となり、座席50の位置は車両情報から予め知ることができ、車両によって大きく変更されることはないので、もう一次元の情報として使いやすく用いる。
乗員の手または腕100は、乗員10が音を聴いているときに、乗員10の動作によっては乗員10の耳と超指向性スピーカー40の間の、超音波の音波伝達経路を遮るように入ることがある。乗員の手または腕100が遮るように超音波の伝達経路に入ると、直進性の高い超指向性スピーカー40から照射される音波では継続的に音の可聴が不可能になることがある。そのため、画像取得装置20で監視し、反射位置120で回避することが必要になる。
荷物等の遮蔽物110も、乗員10が音を聴いているときに、乗員10の耳と超指向性スピーカー40の間に、超音波の音波伝達経路に落下や転倒によって遮るように入ることがある。そのため、荷物等の遮蔽物110の場合も画像取得装置20で監視し、反射位置120で回避することが必要になる。
反射位置120は、超指向性スピーカー40から照射された超音波を反射する位置のことである。反射位置120は、車両に使われる材質の超音波の反射率が高い点を選択する。できる限り多くの反射位置120を車載オーディオ制御装置30は保持し、また新規に検索する機能や登録する機能を有していても良い。
反射位置120は、乗員10の音波伝達経路を遮蔽するような動作や荷物等の遮蔽物110があると、使用できなくなる可能性もあり、画像取得装置20は随時、その使用可否を監視しておく。
以下では、図1の車載オーディオ制御装置30内の各処理について説明する(図3を参照)。
画像処理部200は、特徴抽出・検索処理部210、乗員追従処理部220、物体追従処理部230、奥行推定処理部240、及び画像位置―車両内位置変換処理部250によって構成されている。
画像処理部200の画像位置―車両内位置変換処理部250は、車両内の座席位置を記録している座席情報取得手段600から座席位置情報を受取り、画像取得装置20からの画像位置情報から得られる2次元情報に付加して車両内位置情報に変換する。この車両内位置情報は、経路計算部300へ乗員10の頭部または耳の可聴位置目標情報を与え、回避要請部700へは荷物等の遮蔽物110等の回避物体位置情報を与える。
特徴抽出・検索処理部210は、乗員10や荷物等の遮蔽物110を検出するための処理で、乗員の特徴及び動作を検出する乗員検出手段と、荷物等の遮蔽物110等の物体の特徴及び挙動を検出する物体検出手段を構成している。乗員追従処理部220は、特徴抽出・検索処理部210によって乗員10の頭部または耳が検出されているとき、同特徴に対して画像位置―車両内位置変換処理部250を用いて、乗員10の頭部(耳)の位置を経路計算部300へ提供し続ける処理である。物体追従処理部230は、特徴抽出・検索処理210によって乗員の手または腕100や荷物等の遮蔽物110が検出されているとき、同特徴に対して画像位置―車両内位置変換処理250を用いて、乗員の手または腕100や荷物等の遮蔽物110の位置を経路計算部300と回避要請部700へ提供し続ける処理である。
奥行推定処理部240は、画像取得装置20によって得られた2次元情報だけでは乗員10の頭部または耳の位置を正確に把握することができない。そのため、もう1次元、奥行情報が必要となり、その奥行情報を推定する処理である。
たとえば、画像取得装置20を複数使用することで推定しても良いし、画像取得装置20としてステレオカメラを使用して推定してもよい。または、画像取得装置20が取得する画像内に基準となる物体やマークを配置し、基準の物体・マークと比較して推定してもよい。
奥行推定処理部240で推定した奥行情報は、画像位置―車両内位置変換処理部250で画像取得装置20によって取得された乗員10の頭部または耳の画像位置、もしくは乗員の手または腕110や荷物等の遮蔽物110の画像位置の2次元情報を車両内スケールに変換し、3次元情報化するために付け加えられる。
画像位置―車両内位置変換処理部250は、画像取得装置20によって取得された画像位置情報を車両内位置情報に変換する処理部であり、特徴抽出・検索処理部210によって検出した乗員の特徴と座席情報取得手段600または奥行推定処理部240から得られる情報を基に乗員が存在すると推定される車両内位置情報を算出する手段でもある。
画像取得装置20によって取得された画像位置情報は、そのままでは2次元情報のため、音の伝達経路を計算する際に使用できない。そのため、画像位置情報は画像のままのスケールから車両内スケールへ変換する。
加えて、音の伝達経路を計算するためには3次元情報が必要なため、座席情報取得手段600から得た座席位置を車両のスケールに変換された2次元情報に追加する。本処理によって生成された車両内位置情報を経路計算部300や回避要請部700へ提供する。
経路計算部300は、乗員10の頭部(耳)と適切な選択によって選ばれた反射位置120、超指向性スピーカー40の位置から音波伝達経路や補正用遅延時間、音波到達時間を算出する処理部である。
経路計算部300は、その処理のため画像処理部200から乗員10の頭部または耳等の情報を受けながら、超音波の伝達経路を算出する。
経路計算部300としては、反射位置選択部310、音波伝達経路計算部320、遅延時間算出部330、音波到達時間計算部340がある。
反射位置選択部310は、超指向性スピーカー40から照射させる超音波の反射位置120を選択する処理である。反射位置120の選択としては、音波の減衰量が少なく、目標への到達までの時間が短い音波伝達経路計算部320により得られた経路距離が短いものを基本的には選択する。上記を満たすものの内、反射位置120の材料の反射率が既知の場合、超音波の反射率が高い位置を選定する。
音波伝達経路計算部320は、画像位置―車両内位置変換処理部250から得た目標となる乗員10の頭部または耳の車両内位置情報と、反射位置選択部310が選んだ反射位置120の位置情報と、予め記録していたり登録されていたりする超指向性スピーカー40の位置情報と音速から、速度の公式を用いて音波伝達経路の計算を行う処理である。
遅延時間算出部330は、音波伝達経路計算部320で算出された音波伝達経路に合わせて遅延時間を速度の公式を補正して用いて算出する。このときに算出される遅延時間には、経路差に起因するものと反射によるもの、方向変更によるものがある。
音波到達時間計算部340は、音波伝達経路計算部320で算出された経路と音速から音波到達時間を算出する。
経路計算部300は、車内に遮蔽物110等があれば回避要請部700と回避可否判定と経路計算情報を相互にやり取りしながら、経路変更や照射目標、スピーカー部800もしくは素子810の機能分担(直進波でキャリア波等)を決定し、照射処理部400にそれらの情報を提供して超指向性スピーカー40から超音波を照射させる。
音波伝達時間計算部340で算出された音波伝達時間は回避要請部700にて接触時間算出部720で用いられる。
照射処理部400は、経路計算部300から音波伝達経路情報や遅延時間等を取得する一方で経路計算部300へ機能分担内容を与え、音源処理部500から音源を取得し、照射処理部400内で処理を進め、超指向性スピーカー40の制御回路部830へ通信等で超音波の照射に必要なキャリア波、信号波、直進波、反射波の情報を送信する。
ちなみに、画像取得装置20で対象となる乗員10の頭部または耳が検出できない場合は、音波を照射しない。
キャリア波生成部410は、超指向性スピーカー40の制御回路部830へキャリア生成のための情報を与える処理である。超指向性スピーカー40から超音波を照射するため、人の可聴音を越えた周波数が20kHz以上の波形を生成するように超指向性スピーカー40の制御回路部830へ照射処理通信部460より指示を与える。
信号波生成部420は、音源処理部500から音源を取得し、キャリア波生成部410の波形と合成することで信号波を作成する処理である。作成した信号波は、信号波補正部440にて補正をかけられた後、照射処理通信部460から通信等で、超指向性スピーカー40の制御回路部830に送信される。
キャリア波補正部430は、経路計算部300で計算された音波伝達経路や反射位置、遅延時間等の情報から乗員10の耳で聞こえるように振幅、位相を調整する処理である。たとえば音波伝達経路に応じて振幅は減衰するため、照射処理通信部460を介して超指向性スピーカー40の制御回路部830から電圧や電流の大きさの指示を与え、調整する。また、乗員10の耳でキャリア波と信号波が精度よく、うなりを起こさせるために位相の調整指示を行う。位相の調整は特に経路差に起因するものと反射によるもの、方向変更によるものがある。
信号波補正部440は、経路計算部300で計算された音波伝達経路や反射位置、遅延時間等の情報から乗員10の耳で聞こえるように振幅、位相を調整する処理である。振幅は減衰するため調整し、位相は乗員10の耳でキャリア波と信号波に精度よく、うなりを起こさせるため、調整する。位相の調整にはこちらも経路差に起因するものと反射によるもの、方向変更によるものがある。
機能分担処理部450は、超指向性スピーカー40のスピーカー部800や内蔵されている素子810に対して、乗員10の頭部または耳への音波伝達経路の有無を確認しながら、それぞれに直進波のキャリア波用、直進波の信号波用、反射波のキャリア波用、直進波の信号波用というように機能分担を実施し、実際に超音波を照射した場合の複合時ペアリングを行う。また、行ったペアリングに応じて、照射時の補正処理をする処理部でもある。本処理の結果は、経路計算部300や超指向性スピーカー40の制御回路部830と共有する。
照射処理通信部460は、照射処理部400の各処理の結果を超指向性スピーカー40の制御回路部830へ通信等で伝える処理をする。
音源処理部500は、内部に音源通信部510や音源を記録する音源記録部520を保有し、信号波に載せる音源を音源記録部520から読出して音源通信部510から照射処理部400に与え、照射処理部400は、さらに信号波生成部420においてその音源を用いて信号波を生成している。
音源通信部510は、他の音源を所有するユニット(カーナビゲーションシステムや携帯端末機器のインターフェースを持つシステム)と音源を必要とする要求があったときに音源情報を通信等で交換し、取得して、音源記録部520へ乗員10が可聴したい音源(音楽や音声等)を記録することもできる。
たとえば、音源処理部500は通信相手からストリーミング通信で音源処理部500を介して照射処理部400へ情報を伝え、音源処理部500内の音源記録部520へ音源を保持する。
座席情報取得手段600は、画像位置―車両内位置変換処理部250で使用する座席位置情報を取得する処理である。座席位置情報は、予め記録させておいても良いし、複数の画像取得装置20から取得してもよいし、座席自体から通信等でその位置を取得してもよい。
回避要請部700は、画像処理部200から乗員の手または腕100や荷物等の遮蔽物110が検出されたときに、回避が必要であるのか、音波伝達経路を変更するのかを経路遮断判定部710と接触時間算出部720から、また音の伝達時間が満たされるのか等を判定する。判断するための音波伝達経路情報を経路計算部300と相互に通信等でやり取りし、回避が必要で、音の伝達時間が満たされる等の判定結果を経路計算部300へ伝える処理である。
経路遮断判定部710は、画像処理部200から得た乗員の手または腕100や荷物等の遮蔽物110の位置情報と経路計算部300から得た音波伝達経路から経路遮断判定を行う。画像処理部200から得られる2つ以上の画像フレーム情報から進行方向ベクトルを算出し、進行方向ベクトルを延長した場合に音波伝達経路があるかを判定する。音波伝達経路があると判定した場合、接触時間算出部720を実施する。
接触時間算出部720は、反射位置120を変更し、回避できる経路で乗員10の頭部または耳へ照射した音が継続的に聴こえるのかを判定する。その結果、新規に反射位置120を選択した聴こえる音波伝達経路として採用し、補正量を用いる。
接触時間算出部720は、検出した乗員の手または腕100や荷物等の遮蔽物110の位置と音波伝達経路と音速から、音波伝達経路上で検出物体と接触するまでの接触時間を算出する。
乗員10の頭部または耳の基準時間後の位置を推定し、その位置に対して照射できる反射位置120を選択する。ここで、基準時間とは予め車載オーディオ制御装置30で設定し、記録されている推定算出で最大算出できる推定間隔時間である。選択した反射位置120を元に新音波伝達経路を算出し、算出した内、
(新音波到達時間 + 演算時間)< 接触時間
を満たす新音波伝達経路を用いる。算出した新音波伝達経路は経路計算部300から照射処理部400、超指向性スピーカー40へと伝えられ、乗員10へ音が伝達される。
以上のような構成で、図5、図6、図7、図8のフローチャートに示す処理を行い、従来手法では不可能であった超指向性スピーカー40より照射される直進性の高い超音波の反射波を用いて、超指向性スピーカー40の設置スペースの自由度を高め、さらに画像認識処理によって車両内の状況を把握し、音波伝達経路を障害物が遮っても同じ超指向性スピーカー40から経路を変更することで継続的に音楽等を聴講できる車載オーディオ装置を提供する。
図5は、画像取得装置20で取得した画像から反射位置120を介して乗員10へ超音波スピーカー40より照射した音を伝える制御のフローチャート図である。
図5において、ステップS100は、画像取得装置20で取得した画像を画像処理部200の特徴抽出・検索処理部210を使用して乗員10の頭部または耳を検出する。もしくは、乗員10の頭部または耳を検出中であるかを確認する。
ステップS110は、乗員10の頭部または耳を検出、もしくは追従中であれば、ステップS120へ処理を進める。検出中でも追従中でもなければ処理を終了する。
ステップS120は、画像処理部200に座席情報取得手段600から座席位置情報を提供する。または、奥行推定処理部240を動かし、奥行情報を取得する。
ステップS130は、画像位置―車両内位置変換処理部250を実行し、特徴抽出・検索処理部210によって検出した乗員の特徴と座席情報取得手段600または奥行推定処理部240から得られる情報を基に乗員10の頭部または耳が存在すると推定される車両内位置情報を取得する。
ステップS140は、画像位置―車両内位置変換処理部250から得られた乗員10の頭部または耳の車両内位置が変化しているのかを確認する。変化している場合、経路計算等を行うため、ステップS150へ処理を移行する。変化していない場合は、そのまま目標位置が変わらないため、ステップS180の照射処理に移行する。
ステップS150は、乗員10の頭部または耳の車両内位置が変化している場合、音波伝達経路を計算するために反射位置120を選択する。反射位置120の選択には反射位置選択部310の処理を使用する。
ステップS160は、音波伝達経路計算部320で音波伝達経路計算を行う。経路計算は、乗員10の頭部または耳の車両内位置情報と、反射位置選択部310が選んだ反射位置120の位置情報と、超指向性スピーカー40の位置情報と音速から計算する。処理が終わったら、ステップS170へ処理を進める。
ステップS170は、ステップS160で計算した音波伝達経路から超指向性スピーカー40の制御回路部830に与える遅延時間を遅延時間算出部330で算出し、結果を照射処理部400に伝える。
ステップS180は、ステップS170で算出した遅延時間を照射処理部400のキャリア波補正部430、もしくは信号波補正部440に与え、キャリア波補正部430や信号波補正部440にて処理し、照射処理通信部460から超指向性スピーカー40の制御回路部830に指示を通信等で与える。超指向性スピーカー40は指示を受け、車載オーディオ制御装置30の処理に従い、乗員10の耳に向けて、超音波を選択した反射位置120に照射し、乗員10は音を聴くことができるようになる。
上記の処理によって、超指向性スピーカー40より照射される直進性の高い超音波を反射させて用いることで、従来方法の直進波として乗員に向けて音を伝達したときのスピーカー設置可能範囲より車両内に多くのスピーカー設置可能範囲を考えられるので、超指向性スピーカー40の設置スペースの自由度を高めることができる。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2における車載オーディオ装置を図6に基づいて説明する。
図6は、画像取得装置20で取得した画像から乗員の手または腕100、もしくは荷物等の遮蔽物110を検出し、反射波を使用して遮蔽物などを回避しながら、乗員10へ音を継続的に伝える制御を行うようにしたフローチャートである。
図6において、ステップS200は、画像取得装置20で取得した画像を画像処理部200の特徴抽出・検索処理部210を使用して、1つ以上の乗員の手または腕100、もしくは1つ以上の荷物等の遮蔽物110を検出する。もしくは、乗員の手または腕100、もしくは荷物等の遮蔽物110を検出中であるかを確認する。
ステップS210は、乗員の手または腕100、もしくは荷物等の遮蔽物110を検出、もしくは追従中であれば、ステップS220へ処理を進める。検出中でも追従中でもなければ処理を終了する。
ステップS220は、ステップS120と同様の処理をする。ステップS230は、ステップS130と同様の処理をして、乗員の手または腕100、もしくは荷物等の遮蔽物110の車両内位置情報を取得する。
ステップS240は、画像位置―車両内位置変換処理部250から得られた乗員の手または腕100、もしくは荷物等の遮蔽物110の車両内位置が変化しているのかを確認する。変化している場合、音波伝達経路の遮断判定を行うため、ステップS250へ処理を移行する。変化していない場合は、そのまま目標位置が変わらないため、ステップS280の照射処理に移行する。
ステップS250は、現時点の音波伝達経路の遮断判定を行う。この判定処理のために経路遮断判定部710を用いる。経路遮断判定で音波伝達経路が遮断される場合はステップS260へ処理を移行し、遮断しない場合はステップS280へ処理を移行する。
ステップS260は、音波伝達経路が遮断されてしまうため、新音波伝達経路を選出する。新しい伝達経路選出は反射位置選択部310で反射位置を選択し、再度、音波伝達経路計算部320を用いて実施する。さらにステップS270で使用する音波到達時間を算出するため、音波到達時間計算部340の処理を行ってステップS270へ移行する。
ステップS270は、接触時間判定を行い、新音波伝達経路を選出する。そのために、接触時間算出部720の処理を実行する。接触時間算出部720の処理は新音波伝達経路が決まるまで繰り返し実行するため、
(新音波到達時間 + 演算時間)< 接触時間
が満たされない場合、ステップS260へ処理を戻す。接触時間算出部720によって新音波伝達経路が決定すると処理はステップS280へ移行する。演算時間は予め車載オーディオ制御装置30の中に基準値を記憶させておく。
ステップS280は、ステップS180と同様の処理を実施し、超音波を照射する。即ち、ステップS260及びS270の処理による新音波伝達経路を照射処理部400のキャリア波補正部430、もしくは信号波補正部440に与え、キャリア波補正部430や信号波補正部440にて処理し、照射処理通信部460から超指向性スピーカー40の制御回路部830に指示を通信等で与える。超指向性スピーカー40は指示を受け、車載オーディオ制御装置30の処理に従い、乗員10の耳に向けて、超音波を選択した反射位置120に照射し、乗員10は音を聴くことができるようになる。
従来方法ではその指向性より乗員10の動作による乗員の手または腕100の遮蔽、もしくは荷物等の遮蔽物110によって音の伝達経路が妨げられたり、可聴範囲から外れたりして、音を継続して聴けない場面もあったが、本発明により同じ超指向性スピーカー40から経路を変更することで継続的に音楽等を聴くことができる。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3における車載オーディオ装置を図7に基づいて説明する。
図7は、超音波スピーカー40のスピーカー部800もしくは素子810に直進波、反射波、キャリア波、信号波の組合せを作成し、組合せ条件のもと経路計算した補正量を与える機能分担をし、超音波スピーカー40から照射した後、乗員10の耳でキャリア波と信号波を重ねあわせ、うなりを発生させて可聴音として復号したときに、正確に可聴音になるように制御するフローチャートである。
図7において、ステップS300は、機能分担要求を受信したか確認する。起動時や遮蔽物が発生したときに機能分担要求は発生する。
ステップS305は、機能分担を検討するスピーカー部数または素子数を確認する。予め車載オーディオ制御装置30に記録しておいてもよいし、スピーカー部800の群、または素子810の群から使用可否情報を通信等で受信し、数量を確認してもよい。確認したスピーカー数、または素子数にはインデックスをつけ、機能分担との対応をテーブルデータで管理できるようにする。
ステップS310は、経路遮蔽判定部710を用いて各スピーカー部800や各素子810の使用可否を確認する。確認した結果は経路計算部300を介して、機能分担処理部450に送信する。
ステップS315は、ステップS310の結果を各スピーカー部800や各素子810を管理するインデックスと関連づける。
ステップS320は、機能分担を管理するテーブルデータを用いて各スピーカー部800や各素子810へ直進波、反射波、キャリア波、信号波による役割分担を行う。
ステップS325は、乗員10の耳ではキャリア波と信号波がうなりによって可聴音に復号するので、各スピーカー部800や各素子810でキャリア波と信号波のペアリングを行う。
ステップS330は、ステップS325で行われたペアリングの内、「キャリア波が直進波で、信号波が反射波」のペアと、「キャリア波が反射波で、信号波が直進波」のペアは位相の補正が必要なため、ステップS337へ処理を移行する。「キャリア波が直進波で、信号波も直進波」、「キャリア波が反射波で、信号波も反射波」のものは、ステップS335へ処理を進める。
ステップS335は、キャリア波と信号波で各スピーカー部800からの音伝達経路の距離が違う場合、位相差の補正を行う。反射波を用いる場合は反射回数を奇数か偶数かで統一する。その位相差補正量が算出できたら、ステップS355へ処理を移行する。
ステップS337は、音波伝達経路計算部320を用いて直進波の音波伝達経路の距離を算出する。直進波は反射位置120を選択しないで計算する。計算が完了したら、ステップS340へ処理を移行する。
ステップS340は、音波伝達経路計算部320を用いて反射波の音波伝達経路の距離を算出する。計算が完了したら、ステップS345へ処理を移行する。
ステップS345は、ステップS337とステップS340で算出した音波伝達経路と音速から位相差を算出する。計算が完了したら、ステップS350へ処理を移行する。
ステップS350は、反射位置120をいくつ使用するかで、反射時の位相逆転の補正を実施する。反射波に関しては、直進波に位相を合わせるため、反射回数が奇数回であれば位相を反転して、偶数回であれば位相をそのままにする。処理が完了したら、ステップS355へ処理を移行する。
ステップS355は、照射処理部400の機能分担処理部450にステップS300〜ステップS350で算出した補正量を記録し、キャリア波補正部430や信号波補正部440を実施するときに使用できるようにする。キャリア波補正部430や信号波補正部440にて処理した結果は、照射処理通信部460から超指向性スピーカー40の制御回路部830に指示を通信等で与える。超指向性スピーカー40は指示を受け、車載オーディオ制御装置30の処理に従い、乗員10の頭部(耳)に向けて、超音波を選択した反射位置120に照射し、乗員10は音を聴くことができるようになる。
上記の処理によって、超指向性スピーカー40から発生するキャリア波と信号波を複数のスピーカー部800もしくは素子810に分担し、直進波と反射波を混合した音場で音を鳴らせることができ、より超指向性スピーカー40の配置スペースに自由度を与えることができる。
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4における車載オーディオ装置を図8に基づいて説明する。
図8は、超音波スピーカー40のスピーカー部800、もしくは素子810に直進波、反射波、キャリア波、信号波の組合せで機能分担をし、乗員の手または腕100、もしくは遮蔽物(荷物等)110を検出したときに、音波の伝達経路が妨げられる場合、それを回避して継続的に音を伝える制御のためのフローチャートである。
図8のフローチャートは、図6のフローチャートにステップS450とステップS490を追加したものである。以下では追加したステップS450とステップS490を説明する。
ステップS450では、音の伝達経路を乗員の手または腕100、もしくは遮蔽物(荷物等)110が遮っているかを調べるため、機能分担処理部450に記録されている各スピーカー部800、もしくは各素子810と、直進波でキャリア波、直進波で信号波、反射波でキャリア波、反射波で信号波の役割づけを確認する。その結果をステップS460では取得し、音の伝達経路を算出する。
ステップS490では、ステップS480で新音波伝達経路が算出されたので、乗員10の耳へ音を伝えるため、位相補正をする。ステップS450の役割分担結果を用いて、直進波がキャリア波で、反射波が信号波として音を継続して供給するとき、または、直進波が信号波で、反射波がキャリア波として音を継続して供給するとき、使用する直進波と反射波の音伝達経路の差と音速から位相差を算出し、使用できない音波伝達経路を補おうとした直進波もしくは反射波に位相差に対応する遅延時間を与える。本処理が完了したら、ステップS500の照射処理へ移行し、超音波を乗員10の耳へ継続的に照射する。
上記の処理によって、超指向性スピーカー40から発生するキャリア波と信号波を複数のスピーカー部800もしくは素子810に分担し、直進波と反射波を混合した音場で音を鳴らせることができ、かつ突如発生した遮蔽物110により音が途切れることがなく、超指向性スピーカー40の配置スペースに一層自由度を与えることができる。
以上説明したこの発明は、画像取得装置20と車載オーディオ制御装置30と超指向性スピーカー40の構成を用いて、画像取得装置20で取得した2次元画像に車両内情報を加え、可聴者である乗員の耳を可聴音再生(復号)範囲として算出し、車両内の反射率の高い反射位置120を選択し、可聴音再生(復号)範囲と反射位置120と超指向性スピーカー40から音波が伝達される経路を算出し、超指向性スピーカー40から経路算出結果に基づいた補正を反映したキャリア波と信号波を照射し、耳のある可聴音再生(復号)範囲で超音波から可聴波にうなりによって可聴音にすることで解決することを提案するものである。
加えて、この発明は、画像取得装置20で頭部または耳位置以外の荷物や車両内状況、可聴者である乗員の動作状況を把握し、音波を伝達する経路を遮断するような場合に超指向性スピーカー40から照射される直進性の超音波の反射波を適切に制御することで解決することを提案するものである。
なお、構成要件として説明した処理部、算出部、判定部などの「部」は全て手段として置き換えられるものである。
以上、この発明の実施の形態を記述したが、この発明は実施の形態に限定されるものではなく、種々の設計変更を行うことが可能であり、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
10:乗員、20:画像取得装置、30:車載オーディオ制御装置、
40:超指向性スピーカー、50:座席、100:乗員の手または腕、
110:荷物等の遮蔽物、120:反射位置、200:画像処理部、
210:特徴抽出・検索処理部(乗員検出手段及び物体検出手段)、
220:乗員追従処理部、230:物体追従処理部、240:奥行推定処理部、
250:画像位置―車両内位置変換処理部(車両内位置情報算出手段)、
300:経路計算部、 310:反射位置選択部、320:音波伝達経路計算部、
330:遅延時間算出部、 340:音波到達時間計算部、400:照射処理部、
410:キャリア波生成部、 420:信号波生成部、430:キャリア波補正部、
440:信号波補正部、 450:機能分担処理部、460:照射処理通信部、
500:音源処理部、 510:音源通信部、520:音源記録部、
600:座席情報取得手段、 700:回避要請部、710:経路遮断判定部、
720:接触時間算出部、 800:スピーカー部、810:素子、
820:駆動回路部、 830:制御回路部。

Claims (5)

  1. 車両内における乗員の特徴及び動作を検出する乗員検出手段と、車両内における物体の特徴及び挙動を検出する物体検出手段と、前記車両内の座席位置を取得する座席情報取得手段と、前記車両内の奥行を推定する奥行推定手段と、前記車両内の超音波を反射する位置を選択する反射位置選択手段と、音源信号を記録する音源記録手段と、前記音源信号を超音波に変換して照射するスピーカー部と、前記乗員検出手段によって検出した乗員の特徴と前記座席情報取得手段または前記奥行推定手段から得られる情報を基に前記乗員が存在すると推定される車両内位置情報を算出する手段と、前記車両内位置情報と前記反射位置選択手段で選択した反射位置と前記スピーカー部の位置から、音を照射する音波伝達経路を算出する音波伝達経路計算手段と、前記物体検出手段で検出された物体または前記乗員検出手段で検出された乗員の動作による前記音波伝達経路の遮断を判定する経路遮断判定手段と、前記物体もしくは乗員の動作位置が前記音波伝達経路と接触するまでの接触時間を算出する接触時間算出手段を備え、
    前記経路遮断判定手段は、前記物体もしくは乗員の動作が前記音波伝達経路を遮蔽すると判定した場合、前記反射位置選択手段で選択可能な別の反射位置を用いて新たな音波伝達経路と音波到達時間を算出し、前記新たな音波伝達経路の音波到達時間と前記接触時間算出手段で算出されている接触時間が
    音波到達時間 < 接触時間
    となる場合、前記新たな音波伝達経路に従って前記超音波を前記乗員へ照射することを特徴とする車載オーディオ装置。
  2. 前記乗員検出手段は、乗員の頭部を検出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の車載オーディオ装置。
  3. 前記スピーカー部と前記反射位置は、前記車両内に複数個設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載オーディオ装置。
  4. 前記スピーカー部は、
    直進波によるキャリア波を照射する素子、
    直進波による信号波を照射する素子、
    反射波によるキャリア波を照射する素子、
    反射波による信号波を照射する素子
    の複数の素子を有し、前記スピーカー部の役割を分担できる機能分担処理部を備え、
    前記機能分担処理部は、前記キャリア波と前記信号波で2つ以上組み合わせる組合処理を有し、前記組合処理によって直進波によるキャリア波と反射波による信号波が組み合された場合、もしくは直進波による信号波と反射波によるキャリア波が組み合された場合、前記音波伝達経路計算手段は、前記直進波と前記反射波の音波伝達経路をそれぞれ算出し、算出したそれぞれの音波伝達経路の差と音速から位相差を算出してキャリア波と信号波のどちらか一方に算出した位相差を補正量として加え、さらに、反射波の反射回数が奇数回であれば位相を反転するように補正量を加え、反射波の反射回数が偶数回であれば位相の補正量を加えない超音波を照射することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車載オーディオ装置。
  5. 記物体検出手段によって物体が検出された時、または前記乗員検出手段によって乗員の動作が検出された時に、前記組合処理によって直進波よるキャリア波と反射波による信号波が組み合された場合、または直進波による信号波と反射波によるキャリア波が組み合された場合、前記経路遮断判定手段と前記接触時間算出手段によっていずれかの音波伝達経路が遮断されることを判定し、補正量を算出するときに、遮断されると判定された元の音波伝達経路の差と音速から補正位相差を算出し、新規に算出された音波伝達経路の直進波もしくは反射波に補正位相差から求められた遅延時間を前記スピーカー部に与え、照射することを特徴とする請求項に記載の車載オーディオ装置。
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