JP6425488B2 - 観客席構造 - Google Patents

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Description

本発明は、スタジアムや競技場の観客席構造に関する。
近年、スタジアムや競技場において、種々のスポーツやイベントに対応できるよう、観客席を可動化する場合がある。たとえば、特許文献1には、陸上競技場において、サッカー、ラグビー、アメリカンフットボールなどの球技を行う際に、周回走路であるトラックの一部を覆う位置まで可動観客席を移動させて、フィールドに近い観覧環境を実現した事例が開示されている。特許文献1に記載の発明は、陸上競技場の外周構造物(スタンド)からフィールド方向へスライド移動可能な可動席ユニットを備えており、可動席ユニットには、起倒する椅子が設置されている。可動席ユニットを観客席として使用するときは、可動席ユニットをフィールド側へスライドさせると椅子が連動して新たに座席が設けられることになる。可動席ユニットを外周構造物の収容部内に格納するときは、可動席ユニットを収容部内へスライドさせると椅子が連動して倒れる。
また、競輪場において、サッカーなどの球技を行う際には、競輪場の走路の外側に位置する外周フィールド部分が利用されることもある。たとえば、特許文献2には、競輪用バンクの傾斜に沿った形状のパレット状可動席を、競輪用走路上に敷設した事例が開示されている。
特開平11−13298号公報 特開平7−207967号公報
可動式客席において、使用形態に応じて見切りが発生する問題は解決されていない。特に、スタンドの勾配が緩い観客席の前方部分において、見切り席が多く発生していた。
このような観点から、本発明は、観客席から近い位置での競技を観覧する場合であっても見切り席が生じ難い観客席構造を提供することを課題とする。
本発明者等は、スタンド観客席の前方の観客席について、複数の観客席をユニット化し、昇降可能な可動観客席を設け、可動観客席の設置高さと張り出し位置を調整できるようにすれば、スタンド観客席を含めた全観客席から競技場内の全てを観覧することができることに着目し、観客席構造を発明するに至った。
前記課題を解決するために、本発明の観客席構造は、スタンド観客席部と、昇降可能な可動観客席ユニットとを備えた観客席構造であって、可動観客席ユニットは、前後に複数の客席集合体から構成され、後方の客席集合体は前方の客席集合体を収容可能に構成されており、前記可動観客席ユニットは、競技フィールドの使用状況に応じて、昇降位置および前側客席集合体の使用状態を調整することを特徴とする観客席構造である。
また、前記スタンド観客席部の前端部と前記可動観客席ユニットの後端部との間は上下方向に隙間が形成されており、前記スタンド観客席部の下方に設けられた運営室の床面は前記可動観客席ユニットの後端部と同等の高さである。
さらに、前記スタンド観客席部の前端部と前記可動観客席ユニットの後端部との間は上下方向に隙間が形成されており、前記スタンド観客席部の下方に設けられた通路を含む階段の最下段の床面は前記可動観客席ユニットの後端部と同等の高さであってもよい。
なお、可動観客席ユニットは、当該ユニットの座席高さを、スタンド観客席部の観客席の勾配のラインより低い位置に固定する場合を低座席位置とし、スタンド観客席部の観客席の勾配のラインと同一高さ位置に固定する場合を高座席位置として、低座席位置と高座席位置との間の任意な高さに固定可能である。スポーツの種類などによるフィールドの使用状態に応じて、可動観客席ユニットの高さと前端位置を設定し、競技全体を観閲できるようにすることができる。
たとえば、可動観客席ユニットの近傍で競技が行われる観覧モードでは、可動観客席ユニットの前方部分を競技フィールドより下方側に下げた低座席位置にすることで可動観客席ユニット本体の勾配が十分確保された結果、前列の観客の人影等が障害になることなく、競技場内の全てを観覧することができる。
また、可動観客席ユニットが低座席位置にある場合には、スタンド観客席部の前端部と可動観客席ユニットの後端部との間に上下方向の隙間が形成される。スタンド観客席部の内部に配置された運営室の窓を前記隙間に設ければ、運営室から競技を目視することができる。さらに、可動観客席ユニットの後方(スタンド観客席部の下部)に階段または通路を設ければ、スタンド観客席部の観客動線と可動観客席ユニットの観客動線とを分離できるので、観客の円滑な移動が可能となる。
一方、観客席から離れた位置で競技が行われる場合には、可動観客席ユニットを高座席位置に移動させるとよい。このようにすると、観客の目の位置が高くなるので、競技フィールドの遠くの部分まで見渡すことができる。
かかる観客席構造において、前記可動観客席ユニットは、2つの部分に分け、前記スタンド観客席部の前方に配置される中段観客席部と、前記中段観客席部の前方に配置される前段観客席部とで構成した場合、前記前段観客席部は、前後移動可能に設けられており、不使用時には前記中段観客席部の下方に位置した状態で前記可動観客席収容部に収容されるものが好ましい。
このような構成によれば、使用時には可動観客席を競技フィールドにより一層近づけることができる。不使用時には前段観客席部は、中段観客席部の下部に収容されるので邪魔にならない。さらに、観客席の各配置の切替え作業を容易に行うことができる。
また、前記前段観客席部の使用時には、スタンド観客席部の前端部も含めて、分割されている可動観客席ユニットは、前後が連続するように構成されているものが好ましい。
このような構成によれば、スタンド観客席部と中段観客席部との間、および中段観客席部と前段観客席部との間においても観客をスムーズに移動させることができる。
また、中段観客席部に設置される椅子は、使用状態に固定した状態で昇降することにより、可動客席であっても頑強な固定状態に設置でき、大きなあるいはアクティヴな応援や観戦にも十分耐えられる観客席を提供できる。
さらに、中段観客席部を上昇させた高座席位置とした場合に、収納されている状態の前段観客席部において、観客が観戦することも可能である。
本発明に係る観客席構造によれば、フィールの使用状況に応じて、可動客席の高さと張り出し位置を調整して、見切り席を低減した観客席を設定することができる。観客席から近い位置での競技を観覧する場合であっても、可動観客席の前端をフィールドよりも下方に設定することにより、全観客席から競技場内の全てを観覧することができる。
本発明の実施形態に係る観客席構造を示した図であって、可動観客席ユニットが低座席位置にある陸上競技観覧モード(第一使用形態)を示した断面図である。 本発明の実施形態に係る観客席構造の陸上競技観覧モードを示した断面図であって、(a)は後方に運営室が配置された部分の断面図、(b)は後方に階段が配置された部分の断面図である。 本発明の実施形態に係る観客席構造を示した図であって、球技観覧モードを示した断面図である。 本発明の実施形態に係る観客席構造を示した図であって、陸上競技観覧モードと球技観覧モードの切替え状態を示した断面図である。 本発明の実施形態に係る観客席構造を示した図であって、可動観客席ユニットが高座席位置にある状態(第三使用形態)を示した断面図である。 本発明の実施形態に係る観客席構造を示した図であって、(a)は陸上競技観覧モード(第一使用形態)を示した全体平面図、(b)は球技観覧モード(第二使用形態)を示した全体平面図、(c)はイベント観覧モード(第一使用形態の変形例)を示した全体平面図である。
本発明は、スタンド観客席の前方の観客席について、複数の観客席をユニット化し、昇降可能な可動観客席を設け、可動観客席の設置高さと張り出し位置を調整できるようにして、スタンド観客席を含めた全観客席から競技場内の全てを観覧することができるようにした観客席構造である。
本発明の観客席構造は、スタンド観客席部と、昇降可能な可動観客席ユニットとを備えた観客席構造であって、可動観客席ユニットは、前後に複数の客席集合体から構成され、後方の客席集合体は前方の客席集合体を収容可能に構成されており、前記可動観客席ユニットは、競技フィールドの使用状況に応じて、昇降位置および前側客席集合体の使用状態を調整することを特徴とする観客席構造である。
前側客席集合体の使用状態を調整するとは、競技フィールドの使用状況に応じて、昇降させた状態、または前後に移動させて前側客席集合体を全て延伸させた状態、または一部延伸させた状態をいう。
客席集合体は、複数の観客席と前記観客席を支持する床部、及び観客床部とで構成されている。そして、可動観客席ユニットを下降させて収納する可動観客席収納部が設けられている。
可動観客席ユニットに取り付ける椅子は、折りたたみ式椅子を使用することができ、スタント側にある分割ユニットでは、固定椅子を用いて、固定された状態で昇降動作することができる。固定椅子は、強度的に折りたたみ式に比べて頑強であり、アクティブな応援動作などにも耐久性がある。収納される前方側のユニットに設けられる椅子は、折りたたみ式が適している。
可動観客席ユニットは、フィールドの使用状況に応じて、高さが調整され、フィールド側への張り出し位置も調整される。陸上のトラック競技、サッカー、開会式、セレモニー、文化イベントなど、使用形態に応じた設定が可能である。
観戦の高さ位置は、目線がフィールドより高い位置にあればよく、観客席の前端はフィールドよりも低くなることがある。この位置では、スタンドから可動観客席ユニットの最前端席まで競技フィールド全体を見ることができる。陸上トラック競技などではこのような使用状態が想定される。
可動観客席ユニットの高さを最上位に設定し、前端部を最も伸張させた状態では、客席数を最大にすることができ、たとえば、サッカーの使用状態を設定することができる。
高さの中間位置や張り出し箇所のバリーションは、ステージを設けるイベントなどの使用状況に応じて適宜設定できる。
たとえば、可動観客席ユニットは2つに分割することがきる。以下、2分割した例を用いて説明するが、2分割に限定される訳ではない。
可動観客席ユニットは、昇降機能を有する中段観客席部と、競技場側に移動する前段観客席部を備えている。
第一使用形態は、陸上競技観覧モードの観客席構造を想定している。スタンド観客席と、当該スタンド観客席の前方に、可動観客席ユニットによる中段観客席部を備えるものである。
第二使用形態は、球技観覧モードの観客席構造を想定している。スタンド観客席と、当該スタンド観客席の前方に、可動観客席ユニットによる中段観客席部と前段観客席部を備えるものである。
また、第三使用形態は、陸上競技観覧モードの別形態の観客席構造である。スタンド観客席と、当該スタンド観客席の前方に、可動観客席ユニットが鉛直方向に2層に配置されるもので、上段に中段観客席部、下段に前段観客席部が配置されている。
さらに、第一使用形態の変形例として、全ての可動観客席ユニットを可動観客席収納部に収容した後、可動観客席収納部上にステージを設けるものである。以下、各実施形態ごとに、各々の構成要件と作用効果を述べる。
各使用形態に係る観客席構造によれば、可動観客席ユニットの近傍で競技が行われる近距離観覧モードでも見切り席を生じることなく、競技場内の全てを観覧できる。つまり、可動観客席ユニットの少なくとも前部を可動観客席収容部に収容して競技フィールドより下方に位置させると、可動観客席ユニットに着座している観客は、観客席近傍で行われる競技であっても前列の人影が障害物となることなく、競技場内の全てに亘って視線を確保することができるので、見切り席の発生を抑止できる。
本明細書では、観客の視線をサイトライン(L)と定義し、以後、各実施形態での作用効果等について述べる。
本実施形態では、陸上競技場を例に挙げて観客席構造を説明する。図6に示すように、かかる観客席構造1は、陸上競技観覧モード(図6(a)参照)と球技観覧モード(図6(b)参照)とイベント観覧モード(図6(c)参照)を切替え可能に構成されている。
図6(a)に示す陸上競技観覧モードは、陸上競技会など、トラック2bを用いた競技を含むスポーツを観覧するモードであって近距離を観覧するモードである。陸上競技観覧モードでは、可動観客席ユニット20の前方部分(前段観客席部22)が収容されて、可動観客席ユニット20の後方部分(中段観客席部21)のみを使用する。図6(b)に示す球技観覧モードは、サッカーやラグビーなど、トラックの内側のフィールド2aで行われる球技を観覧するモードであって遠距離を観覧するモードである。球技観覧モードでは、可動観客席ユニット20が、フィールド2aの近傍まで前方に張り出している。図6(c)に示すイベント観覧モードは、コンサートなどの文化イベントを観覧するモードである。イベント観覧モードでは、ステージ3が設置される部分の可動観客席ユニット20を使用しない。フィールド2aとトラック2bを含む競技フィールド2は、シートや床材などで養生されて、その上に椅子が配置される。ステージ3の対面側では、可動観客席ユニットは広く使用され、背面側では張り出し量が小さく設定されている。
図3に示すように、本実施形態に係る観客席構造1は、スタンド観客席部10と、可動観客席ユニット20と、可動観客席収容部50とを備えている。
スタンド観客席部10は、競技フィールド2の周囲に構築された不動の構造物であり、床部11と観客席12とを備えてなる。床部11は、競技フィールド2に向かうに連れて低くなるように階段状を呈している。なお、床部11は、階段状に限定されるものではなく、スロープ状であってもよい。観客席12は、床部11の表面に固定されている。スタンド観客席部10の下方には、運営室13(図2(a)にも図示)やロッカールームなどの居室の他、通路14、階段15(図2(b)参照)、トイレ、売店や機械室など、種々のスペースが設けられている。スタンド観客席部10の前端には手摺5が着脱可能に設けられている。可動観客席ユニット20が低座席位置にあるときは、手摺5は取り付けられ、スタンド観客席部10の前端部と可動観客席ユニット20の後端部とが連続する場合には、手摺5は取り外されることがある。
図1および図3に示すように、可動観客席ユニット20は、スタンド観客席部10の前方(競技フィールド2側)に昇降可能に設けられている。可動観客席ユニット20は、低座席位置(図1参照)と高座席位置(図3および図5参照)との間で昇降するものであり、本実施形態では、可動観客席収容部50内に設けられた昇降手段30によって昇降する。可動観客席ユニット20は、スタンド観客席部10の前端に沿って複数設けられている。
図3に示すように、可動観客席ユニット20は、前後に配置された複数の客席集合体から構成されている。本実施形態では、可動観客席ユニット20は、スタンド観客席部10の前方に配置される中段観客席部21と、中段観客席部21の前方に配置される前段観客席部22とを備えている。中段観客席部21は、床部23と観客席24とを備えている。床部23は、競技フィールド2に向かうに連れて低くなるように階段状を呈している。なお、床部23は、階段状に限定されるものではなく、スロープ状であってもよい。床部23の傾斜勾配は、スタンド観客席部10の床部11の傾斜勾配よりも緩やかになっている。床部23は、傾斜勾配が一定のままで昇降する。床部23は、その前端部と後端部に設けられた支持ロッド33に支持されている。観客席24は、床部23の表面に固定されている。この観客席24は、着脱したり折り畳む必要がないので、スタンド観客席部10の観客席12と同等の座り心地の良い座席とすることができる。
前段観客席部22は、中段観客席部21の前方位置と、中段観客席部21の下方位置との間で前後移動可能になっている。前段観客席部22は、不使用時には中段観客席部21の下方に収容される。また、前段観客席部22は、可動観客席ユニット20が低座席位置にあるときに可動観客席収容部50に収容される。前段観客席部22は、床部25と観客席26とを備えている。床部25の下面には、たとえば車輪が出没可能に設けられており、前段観客席部22が前後方向に走行可能な構造となっている。前段観客席部22が前進する際には前方の競技フィールド2側へと引き出され、後退する際には競技フィールド2側から後方へと押し戻される。床部25は、競技フィールド2に向かうに連れて低くなるように階段状に傾斜している。床部25の傾斜勾配は、中段観客席部21の床部23の傾斜勾配よりも緩やかになっている。観客席26は、床部25の表面に固定されている。観客席26は、折畳み可能となっており、前段観客席部22が中段観客席部21の下方に後退する際には折り畳まれている。
図1に示すように、可動観客席収容部50は、スタンド観客席部10の前方で、可動観客席ユニット20の下方に設けられている。可動観客席収容部50は、競技フィールド2の高さよりも下がった位置に形成されている。可動観客席収容部50は、底面部51と壁面部52とを備え、上部が開口している。可動観客席収容部50の前後方向の長さは、中段観客席部21が収容可能な長さになっている。
図1および図3に示すように、昇降手段30は、複数の昇降装置31と昇降台32と支持ロッド33とを備えている。昇降装置31は、中段観客席部21と前段観客席部22とを同時に昇降させる。昇降装置31は、たとえば電動スパイラルリフトからなり、可動観客席収容部50の底面部51上に形成された基礎板34上に、所定間隔で複数配列されている。昇降装置31は、電動スパイラルリフトに限定されるものではなく、油圧ジャッキなど他のものであってもよい。
昇降台32は、昇降装置31の上端に固定されており、水平状態を保持しながら昇降する。昇降台32には、前段観客席部22が載置される(図1参照)。昇降台32は、可動観客席ユニット20が低座席位置にあるときは、可動観客席収容部50の内部に位置する。昇降台32は、可動観客席ユニット20が高座席位置にあるときは、後記するトラック養生材4の表面と同じ高さに位置する。
支持ロッド33は、昇降台32の前部と後部にそれぞれ立設されている。支持ロッド33は、前段観客席部22が前後移動する際に前段観客席部22と干渉しない位置に設けられている。前方の支持ロッド33は、後方の支持ロッド33よりも短くなっており、中段観客席部21の前部を下側から支持している。後方の支持ロッド33は、中段観客席部21の後部を下側から支持している。支持ロッド33は、伸縮可能に構成されており、支持ロッド33が伸長すると昇降台32と中段観客席部21との距離が大きくり、昇降台32と中段観客席部21の前端部との間を前段観客席部22が通過可能な状態となる(図3および図4参照)。支持ロッド33が縮退すると、昇降台32と中段観客席部21との隙間寸法が、前段観客席部22を収容できる最小の寸法となる(図1参照)。
次に、各種観覧モードにおける各部の構成を説明する。
[第一使用形態]
陸上競技観覧モード(近距離観戦モード)では、図1および図2に示すように、支持ロッド33が縮退した状態となっており、前段観客席部22は中段観客席部21の下方に位置している。前段観客席部22の観客席26は折り畳まれている。また、陸上競技観覧モードでは、昇降装置31が縮退して昇降台32が低い位置になっている。これによって、可動観客席ユニット20の前部が、可動観客席収容部50内に収容されて、競技フィールド2よりも下方に位置している。具体的には、中段観客席部21の前部(3,4段目まで)の観客席24の座面が競技フィールド2の表面よりも低い位置にあり、その観客席24に座る観客の目E(図1参照)の高さが競技フィールド2の表面高さに近くなっている。前段観客席部22は、可動観客席収容部50内に収容されている。
中段観客席部21の後端部は、スタンド観客席部10の前端面と上下方向に隙間をあけて配置されている。図2(a)に示すように、スタンド観客席部10の下方には、運営室13が設けられており、中段観客席部21の床部22の後端部は、運営室13の床面と略同じ高さとなっている。運営室13の外部に面する壁13a(スタンド観客席部10の前端面に沿った壁)には、窓13bが設けられている。この窓13bによって、運営室13の内部から競技フィールド2での競技を目視することができる。
図2(b)に示すように、スタンド観客席部10の下方には、通路14と階段15が設けられている。中段観客席部21の床部22の後端部は、階段15の最下段の床面と略同じ高さとなっており、通路14および階段15から中段観客席部21への出入りが可能となっている。
[第二使用形態]
陸上競技観覧モードから球技観覧モードへ変更する際には、図4に示すように、昇降装置31を伸長させて昇降台32を競技フィールド2と同等の高さまで上昇させる。また、昇降台32の上昇後、あるいは同時に、支持ロッド33を伸長させて、中段観客席部21をさらに上昇させる。なお、トラック2b上には板状のトラック養生材4を敷設しておく。中段観客席部21は、その後端部がスタンド観客席部10の前端部と連続する高さまで上昇させる。具体的には、中段観客席部21の後端部の床部22とスタンド観客席部10の前端部の床部11との段差を、観客が往来可能な階段の蹴上げ寸法と同等にする。
可動観客席ユニット20を高座席位置まで上昇させたら、前段観客席部22を、中段観客席部21の下方位置から前方位置まで前進させる。図3に示すように、前段観客席部22が前方位置(設置位置)まで移動したなら、前段観客席部22を固定して、観客席26を立ち上げる。そして、前段観客席部22の前端に手摺5を取り付ける。これによって、球技観覧モード(遠距離観戦モード)が完成する。このとき、前段観客席部22の後端部は、中段観客席部21の前端部と連続している。具体的には、前段観客席部22の後端部の床部25と中段観客席部21の前端部の床部23との段差が、観客が往来可能な階段の蹴上げ寸法と同等になっている。
コンサートなどを行うイベント観覧モードでは、図6(c)に示すように、メインスタンドあるいはバックスタンドのいずれか一方の前方にステージ3が形成される場合が多い。この場合、可動観客席ユニット20は低座席位置まで下降させ、可動観客席ユニット20(陸上競技観覧モードの可動観客席ユニット20)の上方に架台を組むなどして形成する。
[第三使用形態]
なお、陸上競技観覧モード、球技観覧モードおよびイベント観覧モードの他の形態として、図5に示す構成としてもよい。この使用形態は、可動観客席ユニット20が高座席位置にあり、前段観客席部22が中段観客席部21の下方に収容されている。中段観客席部21の前端には手摺5が設けられている。また、中段観客席部21の前端部と昇降台32との間には、隙間を覆う壁部6が設けられている。
なお、この状態で、前段観客席部22の観客席26を起立させ、壁部6を透明にするか、取り除くようにすれば、前段観客席部22から観覧することができる。このような構成によれば、可動観客席ユニット20が二層構造となり、通常の陸上競技観覧モードよりも観客動員数を増やすことができる。
本実施形態に係る観客席構造1によれば、陸上競技観覧モードにおいて、観客席から近い位置(トラック2b)での競技を観覧する場合であっても見切り席の発生を低減することができる。以下に、観客席構造1によって得られる作用効果を説明する。
図1に示すように、陸上競技観覧モードにおいては、可動観客席ユニット20の前部を可動観客席収容部50に収容して、競技フィールド2より下方に位置させたことによって、可動観客席ユニット20にいる観客の目Eの位置が低くなる。これによって、観客の目線が高くなる(目線の傾斜が緩くなる)ので、観客席近傍で行われるトラック競技を観覧する場合でも、前列の観客の頭が邪魔にならず、サイトラインLを確保することができる。よって、見切り席の発生を低減できる。なお、スタンド観客席部10の観客席12においても、競技フィールド2から高いことと、床部11の傾斜角度が急であるので、サイトラインLを確保することができる。よって、見切り席の発生を低減できる。
また、可動観客席ユニット20が低い位置にある場合には、スタンド観客席部10の前端部と可動観客席ユニット20(中段観客席部21)の後端部との間に上下方向の隙間が形成される。運営室13の窓13bを前記隙間に設けることで、運営室から競技を目視することができる。まだ、扉(図示せず)を設ければ、運営室13から競技フィールド2への動線も確保できる。
さらに、可動観客席ユニット20の後方のスタンド観客席部10の下方に通路14や階段15を設けることで、スタンド観客席部10の観客動線と可動観客席ユニット20の観客動線とを分離できるので、観客の円滑な移動が可能となるとともに、非常時の避難経路の混雑緩和も可能となる。
図3に示すように、球技観覧モードにおいては、観覧対象が遠距離になる場合が多いので、可動観客席ユニット20の観客席24,26を可動観客席収容部50に収容しなくても観客の目線を高くできる。したがって、前列の観客の頭が邪魔にならず、サイトラインLを確保することができるので、見切り席の発生を低減できる。また、中段観客席部21の観客は、目の位置が高くなるので、競技フィールドの遠くの部分まで見渡すことができる。
さらに、球技観覧モードにおいて、中段観客席部21の後端部がスタンド観客席部10の前端部と連続するとともに、前段観客席部22の後端部が中段観客席部21の前端部と連続するように構成されているので、観客は、スタンド観客席部10と中段観客席部21との間、中段観客席部21と前段観客席部22との間における移動をスムーズに行うことができる。
一方、かかる観客席構造1においては、中段観客席部21の前方に配置される前段観客席部22を前後移動可能に設けるとともに、不使用時には中段観客席部21の下方に位置した状態で可動観客席収容部50に収容するようにしたことで、以下の作用効果が得られる。このような構成によれば、前段観客席部22の使用時(球技観覧モードの場合)には、前段観客席部22の観客席26を競技フィールド2により一層近づけることができるので、迫力のあるスポーツ観戦が実現できる。前段観客席部22の不使用時(陸上競技観覧モードおよびイベント観覧モード)には、中段観客席部21の下部に収容されるので邪魔にならない。
さらに、中段観客席部21の床部23および前段観客席部22の床部25は、それぞれ変形しない一体的な構成であるので、床全体で剛性を確保できる。したがって、観客の飛び跳ねなどによる床の振動に対抗することができる。また、可動観客席ユニット20の可動機構を単純化できるので、メンテナンスが容易である。さらに、観客席の各配置の切替え作業は、可動観客席ユニット20の昇降と前段観客席部22の前後移動を行うことで容易に行うことができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施の形態に限定する趣旨ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。たとえば、前記実施形態では、昇降台32が最も低い位置にある場合に、可動観客席ユニット20の後部が可動観客席収容部50から露出していて、これが陸上競技観覧モードとなっているが、可動観客席収容部50の構成は、このような構成に限定されるものではない。可動観客席収容部50をさらに深く形成して、可動観客席ユニット20を完全に可動観客席収容部50内に収容可能な構成としてもよい。この場合、可動観客席収容部50の上部開口を覆う蓋部材を設けるようにすれば、陸上競技のトラック2bおよびフィールド2aよりもさらに広い競技スペースを確保することができる。また、イベント観覧モードにおけるステージ3などの設置を容易に行うこともできる。
1 観客席構造
2 競技フィールド
10 スタンド観客席部
12 観客席
20 可動観客席ユニット
21 中段観客席部(複数の客席集合体で構成)
22 前段観客席部(複数の客席集合体で構成)
24 観客席
26 観客席
50 可動観客席収容部
L サイトライン

Claims (3)

  1. スタンド観客席部と、昇降可能な可動観客席ユニットとを備えた観客席構造であって、
    可動観客席ユニットは、前後に複数の客席集合体から構成され、後方の客席集合体は前方の客席集合体を収容可能に構成されており、
    前記可動観客席ユニットは、競技フィールドの使用状況に応じて、昇降位置および前側客席集合体の使用状態を調整され、
    前記スタンド観客席部の前端部と前記可動観客席ユニットの後端部との間は上下方向に隙間が形成されており、前記スタンド観客席部の下方に設けられた運営室の床面は前記可動観客席ユニットの後端部と同等の高さであることを特徴とする観客席構造。
  2. スタンド観客席部と、昇降可能な可動観客席ユニットとを備えた観客席構造であって、
    可動観客席ユニットは、前後に複数の客席集合体から構成され、後方の客席集合体は前方の客席集合体を収容可能に構成されており、
    前記可動観客席ユニットは、競技フィールドの使用状況に応じて、昇降位置および前側客席集合体の使用状態を調整され、
    前記スタンド観客席部の前端部と前記可動観客席ユニットの後端部との間は上下方向に隙間が形成されており、前記スタンド観客席部の下方に設けられた通路を含む階段の最下段の床面は前記可動観客席ユニットの後端部と同等の高さであることを特徴とする観客席構造。
  3. スタンド観客席部と、昇降可能な可動観客席ユニットとを備えた観客席構造であって、
    可動観客席ユニットは、前後に複数の客席集合体から構成され、後方の客席集合体は前方の客席集合体を収容可能に構成されており、
    前記可動観客席ユニットは、競技フィールドの使用状況に応じて、昇降位置および前側客席集合体の使用状態を調整され、
    前記可動観客席ユニットが上昇した位置において、後方の前記客席集合体の下方に収納された状態で前方の前記客席集合体から観戦可能に構成されていることを特徴とする観客席構造。
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