JP6423686B2 - 劣化診断支援システムおよび劣化診断支援方法 - Google Patents
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Description
この種の技術として、下記の特許文献1、特許文献2および特許文献3を例示する。
はじめに、本実施形態の劣化診断支援システム100の全体構成を説明する。図1は、本発明の実施形態における劣化診断支援システム100の全体構成図である。
点検ロボット40は、入力されたコマンドに応じて自走する。
データベースサーバ10は、点検ロボット40により取得され、被検体である構造物の劣化診断に用いる劣化情報を格納する。そして、データベースサーバ10は、点検ロボット40により取得され劣化情報の構造物における位置を示す位置情報と、劣化情報を取得した時点を示す時系列情報と、を劣化情報ごとに対応付けて格納する。
本実施形態の点検ロボット40は、作業者により定められた一または複数の点検箇所(点検範囲)において、被検体である構造物の劣化の度合い又は劣化の有無を示す劣化情報を取得することにより、当該点検箇所を点検する。このとき、劣化情報を取得する位置は、離散的であってもよいし、連続的であってもよい。
ここで、自律的に移動とは、作業者からコマンドを受け付けた後、移動目標(劣化情報の取得位置)までの移動について追加のコマンド受付を要さないことをいう。より具体的には、目標位置を自動認識する機能や、移動中途に存する障害物を自動的に回避・除去等する機能を有する装置であってもよい。
また、任意に定めた基準位置とは、作業者が任意に決めた位置であってもよく、ケーブル50の固定端52であってもよい。作業者は、点検ロボット40を当該基準位置に設置することにより、構造物の点検を始めることができる。
ここで、点検対象となるのは橋梁70の下面である。当該下面の損傷を確認するため、点検ロボット40を用いて当該下面を撮像して複数の画像データを取得した後、当該画像データを目視確認することを想定している。
図2(b)で示す通り、上述のように保持されたケーブル50は二本あり、各ケーブル50の間隔が一定となるように、橋梁70下面の近傍で平行に張り渡されている。
制振台44は、ジンバル機構(図示せず)を有しており、当該ジンバル機構でカメラ46又は本体部42を制振することができ、カメラ46の撮像ブレを抑制することができる。
ここで、点検対象となるのは建造物80の壁面である。当該壁面の損傷を確認するため、点検ロボット40を用いて当該壁面を撮像して複数の画像データを取得した後、当該画像データを目視確認することを想定している。
図3(b)で示す通り、上述のように保持されたケーブル50は二本あり、各ケーブル50の間隔が一定となるように、建造物80壁面の近傍で平行に張り渡されている。
ロボット操作装置30は、作業員の操作を受け付け、当該操作に応じて点検ロボット40に送信するコマンドを生成し、当該コマンドを点検ロボット40に送信することによって、点検ロボット40を制御する。
ロボット操作装置30は、入力されたコマンドに応じて自走する点検ロボット40(情報取得装置)により取得され、被検体である構造物の劣化診断に用いる劣化情報ごとに、点検ロボット40により取得され当該劣化情報の構造物における位置を示す位置情報と、当該劣化情報を取得した時点を示す時系列情報と、を対応付けたデータベースを作成する。
ここで、単一の点検とは、特定の点検箇所における一連の点検のことである。本実施形態においては、ロボット操作装置30の操作者が任意に定めた範囲内で行われる一連の劣化情報の取得のことであっても良いし、ロボット操作装置30から入力されたコマンドに応じて点検ロボット40が行う一連の作業が終了するまでに行われる劣化情報の取得のことであってもよい。すなわち、ロボット操作装置30によりデータテーブルを作成するタイミングは、操作者が任意に決めても良いし、所定のアルゴリズムで自動的に決まっても良い。
ロボット操作装置30は、いわゆるコンピュータ端末である制御装置300と、その周辺機器からなる。制御装置300は、CPU370とメモリ350とを有する。
CPU370は、制御装置300に組み込まれたソフトウェアの実行処理を行うハードウェアである。図4では単一であるかのように図示したが、複数のハードウェアを組み合わせることによって構成されてもよい。
メモリ350は、制御装置300が処理すべきデータを一定期間保持するハードウェアである。なお、ここでメモリ350は、メインメモリやキャッシュメモリ等の記憶装置を含むハードウェアの総称として扱う。図4では単一であるかのように図示したが、一般的には異なるハードウェアを複数組み合わせて構成する。
制御装置300は、メモリ350で保持されたデータやプログラムをCPU370で実行処理することにより、種々の機能を実現することができる。
ロボット操作装置30はスピーカ36を有している。制御装置300は処理したデータをスピーカ36から音声出力可能に変換出力する音声制御回路360を有する。
ロボット操作装置30は通信IF38を有している。制御装置300は、外部ネットワーク(例えば、ネットワーク200)と通信接続処理を行う通信制御回路380を有し、通信IF38を介してネットワーク200に接続している。
クライアントPC20は単一であるかのように図示したが、複数であってもよい。
従って、必要なソフトウェアを組み込めば、クライアントPC20はロボット操作装置30と同等の機能を有することが可能である。特に、データベースサーバ10に構築するデータベースを利用する機能については、クライアントPC20とロボット操作装置30とで重複して有してもよく、当該機能の一部を一方のみが有していてもよい。
本実施形態では、説明の便宜上、当該機能をロボット操作装置30に集約させたものとして説明するが、実際には各装置の処理能力や、各装置の操作者(ユーザ)どうしの役割分担に関する取り決め等を勘案した上で、劣化診断支援システム100を実現してもよい。
ここで、ネットワーク200とは、インターネットやLAN(Local Area Network)等の種々のコンピュータネットワーク又はその組合せで構成することができる。また、各構成要素とネットワーク200との通信接続は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
図5は、本実施形態のロボット操作装置30の機能ブロック図である。
ロボット操作装置30は、操作受付部301(操作受付手段)と、通信制御部302と、出力制御部303(出力手段)と、コマンド生成部304と、データベース格納部305と、データベース検索部306(検索手段)と、劣化情報解析部310と、を有する。また、劣化情報解析部310は、異常判断部311と、評価情報付与部312と、閾値設定部313と、パノラマ加工部314と、を含む。
通信制御部302は、ロボット操作装置30と接続している外部構成(例えば、点検ロボット40やネットワーク200)との間で行われる通信を制御しており、コマンド生成部304で生成されたコマンドを点検ロボット40に送信する。
データベース格納部305は、操作者の任意のタイミング又は所定のアルゴリズムで規定されたタイミングで、メモリ350に格納されたデータ群からデータテーブルを作成し、作成したデータテーブルと当該データテーブルに関連する画像データを、ネットワーク200を介してデータベースサーバ10に格納する。
より詳細には、データベース格納部305は、通信制御部302に指令を出して、ロボット操作装置30とデータベースサーバ10との間に通信接続を確立する。当該通信接続が確立された後に、データベース格納部305はデータベースサーバ10にデータテーブルを格納する。
データベース格納部305は、データテーブルを格納する際、データベースサーバ10内に既存のデータテーブルと、格納するデータテーブルとを関係づける。これにより、データベース格納部305は、複数のデータテーブルに偏在するデータ群を同一キーで検索可能に、データベースを構築することができる。
データベース検索部306は、操作受付部301によって受け付けられた操作に応じ、少なくとも位置情報をキーとしてデータベースサーバ10に格納された複数の画像データ(劣化情報)の中から一部を検索する。
出力制御部303は、データベース検索部306により検索された複数の画像データを、当該画像データごとに対応付けられた時系列情報に基づいて時系列に並べて、操作者が視認可能に出力する。
出力制御部303は、例えば、図4に図示したモニタ34と画像制御回路340、並びにCPU370によるソフトウェア処理の組合せにより実現される機能であってもよい。
または、出力制御部303はスピーカ36と音声制御回路360、並びにCPU370によるソフトウェア処理の組合せにより実現される機能であってもよい。あるいは、出力制御部303は、図示しない印刷出力手段(印刷プリンタ等)であってもよい。
データベース検索部306による検索方法、出力制御部303による出力方法については、後ほど詳述する。
評価情報付与部312は、異常判断部311による判断結果を示す評価情報を生成し、当該画像データに評価情報を付与する。
データベースサーバ10は、評価情報を付与された画像データを格納する。
データベース検索部306は、位置情報と評価情報とをキーとしてデータベースサーバ10から画像データを検索する。
すなわち、評価情報付与部312により処理された画像データ(劣化情報)は、当該画像データに含まれる異常の有無を示す評価情報を付与して、データベースサーバ10に格納される。
仮に、異常判断部311の処理によって異常の程度がより詳細に判断できるのであれば、評価情報は判断された異常の程度を詳細に含む情報であってもよい。
このような処理を異常判断部311が行う態様は、以下のような場合が考えられる。
例えば、異常判断部311は、画像データに含まれるひび割れ(クラック)箇所をパターン認識により判定し、判定された当該箇所の大きさ(劣化度合いを示す値)を算出してもよい。そして、異常判断部311は、算出された当該大きさが所定の閾値(第一閾値X)より大きいとき、当該画像データに異常有りと判断してもよい。
これにより、所定の閾値より大きいと推測されるひび割れを撮像した画像データを判断することができる。
このような処理を異常判断部311が行う態様は、以下のような場合が考えられる。
例えば、異常判断部311は、判断対象となる画像データと比較対象となる画像データのそれぞれに含まれる輝度情報や色情報の分布の変化度合いを数値化する演算処理を行い、当該数値(変化度合いを示す値)が所定の閾値(第二閾値Y)より大きいとき、判断対象の画像データに異常有りと判断してもよい。
これにより、同じ位置情報を条件として検索される、すなわち同一位置で撮像された画像データと推定される画像データどうしを比較して、所定の閾値より変化が大きい画像データを判断することができる。
一方で、劣化情報が構造物に発信した超音波の反射波(音響データ)であれば、異常判断部311の判断処理は、音響データの振幅や周波数(劣化度合いを示す値)と所定の閾値(第一閾値X)との比較処理とすることができる。また、判断対象の音響データと比較対象の音響データの波形の変化度合いを示す値と所定の閾値(第二閾値Y)との比較処理とすることもできる。
閾値設定部313の設定変更することによって、異常判断部311の判断処理の結果が変化する。従って、当該判断処理の度に評価情報付与部312はデータテーブルを作成してデータベースサーバ10のデータベースに関係付けてもよいし、既に格納されたデータテーブルに変更点を追加してもよいし、変更箇所に変更点を上書きしてもよい。
すなわち、データベースサーバ10は、加工画像データと、当該加工画像データの元データである画像データとを対応付けて格納する。
図6は、本実施形態の点検ロボット40の機能ブロック図である。
点検ロボット40は、コマンド受付部401と、移動制御部402と、撮像制御部403と、通信制御部404と、加速度センサ405と、データ格納部406と、取得情報送信部407と、位置情報取得部408と、を有する。
なお、点検ロボット40のハードウェア構成図は図示しないが、点検ロボット40は各種制御回路を有しており、且つ、内蔵のCPUやメモリを用いたソフトウェア処理も実行可能であり、これらを組み合わせることによって図6に示す各機能を実現している。
撮像制御部403は、当該コマンドの受付に応じて、カメラ46の回転角度及びカメラ46による撮像実行を制御して、被検体の構造物の画像データを取得することができる。
また、コマンド受付部401により受け付けるコマンドには、撮像制御部403が撮像制御に用いる情報として、ある移動目標位置におけるカメラ46の撮影角度が一又は複数含まれてもよい。
例えば、データベース検索部306を用いてデータベースサーバ10から同一の基準位置を開始点とするデータ群を検索し、コマンド受付部401は検索されたデータ群に含まれる位置情報に基づいてコマンドを生成する。
上述のようにコマンド受付部401がコマンドを生成することにより、点検ロボット40は、任意の基準位置から、評価情報が付与された画像データを撮像した位置まで移動した後に、画像データを取得することができる。
位置情報取得部408で取得された移動情報に基づいて、移動制御部402は目標位置に到達したか否かを判断することができる。
より詳細には、検知部409は、点検ロボット40(情報取得装置)の加速度を測定する加速度センサ405により測定された加速度から点検ロボット40の走行方向に対して直交する方向への加速度を抽出し、抽出された当該加速度に基づいてケーブル50の揺れを検知する。
検知部409がケーブル50の揺れを検知する方法は幾通りか考えられるが、例えば、抽出した加速度の変動を監視し、監視された変動幅の大きさから判断してもよい。あるいは、抽出した加速度から点検ロボット40の速度又は変位を算出し、算出された速度又は変位の大きさから判断してもよい。
本実施形態の点検ロボット40は、加速度センサ405と検知部409を有しているので、ケーブル50の揺れを検知することができ、大きな揺れを検知する場合には、一時的に撮像作業を自動で中断することができる。
より具体的には、撮像制御部403は、検知部409によりケーブル50の横揺れが検知されたとき、カメラ46による撮像を待機することができる。
ここで画像データの位置を示す位置情報は、より具体的には、受け付けたコマンドに含まれる基準位置の情報と、位置情報取得部408により取得された撮像時の位置情報と、撮像制御部403がカメラ46に指令した撮影角度と、を含むことができる。
ここで、取得情報送信部407が当該データ群を送信するタイミングは、特に限定されない。例えば、画像データが撮像する度に送信することが可能で、且つロボット操作装置30にて受信された当該画像データをモニタ34上に表示出力可能であれば、ほぼリアルタイムに近い状態で、操作者は点検ロボット40による画像データ取得を監視することができる。
図7は、本実施形態のケーブル牽引装置60の機能ブロック図である。
ケーブル牽引装置60は、牽引部601と、牽引制御部602と、張力計測部604と、を有する。牽引部601はケーブル50を牽引する。牽引制御部602は牽引部601を制御する。張力計測部604はケーブル50に生じる張力を計測する。
ケーブル牽引装置60は、張力計測部604が計測した張力に基づいて、牽引制御部602が牽引部601を制御することにより、ケーブル50の張力を調整することができる。
点検ロボット40はケーブル50に装着され、ケーブル50に沿って移動する構成となっており、ケーブル50の振動は直接的に点検ロボット40に伝わるため、ケーブル50は緊張状態であることが好ましい。
これにより、ケーブル牽引装置60はケーブル50の横揺れ(長手方向に対して交差する方向への揺れ)を抑制しうる。
この通信接続を利用し、ケーブル牽引装置60は、検知部409が検知したケーブル50の横揺れを受信することができる。
ここで、補正値αは、ケーブル50の張力の実測値と、振動法によってケーブル50の固有振動数から算出したケーブル50の張力の比によって決定する。
ここでは、これらの関係の傾向性を全体的に理解するため、あえてシンプルなモデルを用いる。
L:弦(ケーブル50)の長さ(m)
T:張力(kg)
W:弦(ケーブル50)の単位長さ当たりの重量(kg)
g:重力加速度(m/s2)
ただし、g=9.8(m/s2)とする。
すなわち、本実施形態においては曲げ剛性を考慮しない式(2)が成り立つと考えてよく、固有振動数f0は、張力Tの平方根に比例するものと考え得る。ただし既述の通り、これはケーブル50上における固有振動数f0と張力Tの全体的な傾向性を概ね示すものであって、厳密なものではない。しかし、上記の原理によって、固有振動数f0と張力Tとの間には正の相関関係が成立することについては概ね間違いないと言える。
例えば、ケーブル牽引装置60が、加速度センサ405の計測した加速度を受信し、受信した加速度に基づいてケーブル50の横揺れを検知してもよい。あるいは、ケーブル牽引装置60が、張力計測部604により計測された張力に基づいて横揺れを検知してもよい。また、ロボット操作装置30の操作者が目視によりケーブル50の横揺れを検知してもよい。
図8は、本実施形態の劣化診断支援システム100を利用した点検方法のフローチャートである。
ここでは、点検ロボット40による画像データ(劣化情報)の取得と、取得した情報をデータベースサーバ10に格納する方法について説明する。
次に、S102にて取得された当該画像データの構造物における位置を示す位置情報と、当該画像データを取得した時点を示す時系列情報と、を劣化情報ごとに対応付けてデータベースサーバ10(データベース)に格納する(格納ステップ:S102)。
点検ロボット40(コマンド受付部401)は、ロボット操作装置30からコマンドを受け付ける(コマンド受付ステップ:S201)。
点検ロボット40は、S201にて受け付けたコマンドに基づいて移動目標(画像データを撮像する位置)を決定し(移動目標決定ステップ:S202)、S202で決定した位置まで移動する(移動ステップ:S203)。
仮に、S203の途中で、ケーブル50の長手方向に対して交差する方向へのケーブル50の揺れを検知したとき(検知ステップ)、ケーブル牽引装置60は、ケーブル50の揺れの検知に応じてケーブル50の張力を増減し、ケーブル50の固有振動数を調整することによりケーブル50の揺れを減衰させる(張力調整ステップ)。
すなわち、後述の撮像ステップS205(情報取得ステップ)は、ケーブル50の揺れが減衰された後に行われる。
厳密に言えば、画像データ(劣化情報)を取得するタイミングは、S205であるため、図8のS101(劣化情報取得ステップ)はS205であるとも言えるし、あるいはS101はS201〜S209の全てを含むとも言える。
点検ロボット40は、現在位置(S203で移動した位置)における撮像が終了か否かを判断する(撮像終了判断ステップ:S208)。終了しないのであれば(S208のNO)であれば、再びS204に戻って、S204以降のステップを繰り返す。
図10は、概念を表すものであって、実際に処理されるデータテーブルはコンピュータ端末により情報処理可能な言語で構成されればよい。
時刻情報とは、撮像した時刻を示す情報であって、本実施形態の時系列情報に含めてもよいし、含めなくてもよい。また、その生成元は、劣化診断支援システム100に含まれる構成要素の何れでもよい。
本実施形態の時系列情報としては、試験日と時刻情報とを組み合わせた情報としてもよい。
取得位置とは、画像データを取得した際の点検ロボット40(カメラ46)の位置である。例えば、基準位置が示す位置(移動開始点)からの移動距離とすることができる。
撮像角度とは、取得位置から視た画像データの角度位置である。例えば、カメラ46の回転角度とすることができる。図10においては、カメラ46が重力方向の反対に向いているときの撮像角度を「0°」と表記している。
本実施形態の位置情報としては、基準位置と取得位置と撮像角度とを組み合わせた情報としてもよい。
本実施形態においては、画像データ格納アドレスとは、データベースサーバ10内に画像データを格納する装置(例えば、ロボット操作装置30)により生成されるものである。
図11は、本実施形態の劣化診断支援システム100を利用したデータ整理方法のフローチャートである。
ここでは、解析作業の事前に、データベースサーバ10に格納した画像データを、ロボット操作装置30でコンピュータ処理し、解析作業にかかる負担軽減を図りうるデータ整理方法について説明する。
ロボット操作装置30の評価情報付与部312は、S301における判断結果を示す評価情報を生成し、当該画像データに評価情報を付与し、評価情報を付与された画像データをデータベースに格納する(評価情報付与ステップ:S302)。
これにより、後述する検索ステップS402にて、位置情報と評価情報とをキーとしてデータベースサーバ10から画像データを検索することができ、所望の位置で異常の恐れがある画像データを検索することができる。
図12についても図10と同様に、概念を表すものであって、実際に処理されるデータテーブルはコンピュータ端末により情報処理可能な言語で構成されればよい。
評価情報とは、対応付けられた画像データの異常の有無を示す情報である。図12で図示した事例では、評価情報は「有」「無」の二値で示すことができる。
図13についても図10と同様に、概念を表すものであって、実際に処理されるデータテーブルはコンピュータ端末により情報処理可能な言語で構成されればよい。
加工処理IDとは、パノラマ加工を実行するごとに付与される識別番号である。シーケンスに付与されてもよいし、ランダムに付与されてもよいし、所定のアルゴリズムに従って付与されてもよい。
表示位置とは、同一のパノラマ加工で処理された(同一の加工処理IDに対応付けられた)複数の加工画像データを一のパノラマ画像として表示する際の位置を示す情報である。例えば、図13で図示される「15/20」とは、20枚の加工画像データからなる一のパノラマ画像を表示する際に、20箇所のうち15番目の位置に表示されることを意味している。
加工画像データ格納アドレスとは、パノラマ加工された加工画像データが格納されているデータベースサーバ10内の位置(アドレス)である。
図14は、本実施形態の劣化診断支援システム100を利用したデータ解析方法のフローチャートである。
ここでは、データベースサーバ10を活用して、画像データを解析する方法について説明する。
ここで、検索条件の設定とは、例えば、操作受付部301を用いた検索キーの入力や閾値設定部313による閾値設定等が含まれてもよい。
この検索条件の設定方法については、キー入力であってもよいし、音声入力であってもよいし、表示画面上に表示された画像データ又は文字データをクリック又はタッチして入力してもよいし、これらの組合せであってもよい。
S402にて検索された複数の画像データを、当該画像データごとに対応付けられた時系列情報に基づいて時系列に並べて、操作者が視認可能に出力する(出力ステップS403)。
ここで図示されるのは、例えば、S402で「基準位置:X橋A−B」、「試験日:2013年10月29日」「評価情報:有」をキーとして検索した結果を表示出力した画面である。
なお、検索キーとして使用した「基準位置:X橋A−B」、「試験日:2013年10月29日」「評価情報:有」といった項目は、画面上で重複表記となるため表示しなくてもよい。
例えば、「基準位置:X橋A−B」「取得位置:305cm」「撮像角度:20°」をキーとして検索した結果を表示出力した画面である。
操作者はこれを受けて、同一試験日の画像データの異常判断の閾値を変えて解析し直すこともできる。
ロボット操作装置30(出力制御部303)は、複数の加工画像データ(ID201〜ID216)を一のパノラマ画像として表示出力する。
ロボット操作装置30(データベース検索部306)は、操作受付部301によって受け付けた操作者(ユーザ)の操作に応じて、出力制御部303により表示出力された複数の加工画像データの一部を選択し、選択した当該加工画像データに画像データを介して対応付けられている位置情報をキーとして、当該位置情報に対応付けられている画像データを検索してもよい。
従って、操作者は表示出力されたパノラマ画像上でひび割れを視認して、当該ひび割れが写し出された加工画像データを選択した場合、ロボット操作装置30は当該加工画像データの位置(正確にはその元データに対応付けられた位置情報が示す位置)における画像データを時系列に並べて出力することができる。
例えば、任意の位置情報と、当該位置情報が示す位置の近傍を示す位置情報とを対応付けてデータベースサーバ10に格納しておく。このようにデータベースを構築しておけば、仮に操作者が位置情報をキーとして検索したとき、当該位置情報に対応付けられた画像データと併せて、当該位置情報が示す位置の近傍を示す位置情報と対応付けられた画像データも表示出力することができる。
また、上述した各種の構成要素は、必ずしも必須の構成要素ではなく、本発明の効果を阻害しない程度に省いても構わないし、同等に機能又は作用する他の構成要素に代えてもよい。
例えば、ロボット操作装置30は図8等で説明した点検段階で用いる装置であり、クライアントPC20は図11等で説明したデータ整理、図14等で説明したデータ解析に用いる装置として使い分けてもよい。
入力されたコマンドに応じて自走する情報取得装置により取得され、被検体である構造物の点検に用いる点検情報を格納するデータベース(例えば、データベースサーバ10)と、前記データベースに格納された前記点検情報を処理し、当該点検情報に含まれる異常の有無を判断する異常判断手段(例えば、異常判断部311)と、前記異常判断手段による判断結果を示す評価情報を生成し、当該点検情報に前記評価情報を付与する評価情報付与手段(例えば、評価情報付与部312)と、ユーザの操作の操作に応じ、少なくとも前記評価情報をキーとして前記データベースに格納された複数の前記点検情報の中から一部を検索する検索手段(例えば、データベース検索部306)と、前記検索手段により検索された前記点検情報を前記ユーザが視認可能に出力する出力手段(例えば、出力制御部303)と、を備える点検システム。
被検体である構造物に沿って延在し、緊張状態で保持されるケーブルに装着され、前記ケーブルの長手方向に自走して点検情報を取得する点検装置(例えば、点検ロボット40)を用いた点検方法であって、前記ケーブルの長手方向に対して交差する方向に揺れる前記ケーブルの張力を増減し、前記ケーブルの固有振動数を調整することにより前記ケーブルの揺れを減衰させ、前記ケーブルの揺れが減衰された後に、前記点検装置により点検情報を取得する点検方法。
(1)入力されたコマンドに応じて自走する情報取得装置と、前記情報取得装置により取得され、被検体である構造物の劣化診断に用いる劣化情報を格納するデータベースと、を備える劣化診断支援システムであって、前記データベースは、前記情報取得装置により取得され前記劣化情報の前記構造物における位置を示す位置情報と、前記劣化情報を取得した時点を示す時系列情報と、を前記劣化情報ごとに対応付けて格納する劣化診断支援システム。
(2)ユーザの操作を受け付ける操作受付手段と、前記操作受付手段によって受け付けられた前記操作に応じ、少なくとも前記位置情報をキーとして前記データベースに格納された複数の前記劣化情報の中から一部を検索する検索手段と、前記検索手段により検索された複数の前記劣化情報を、当該劣化情報ごとに対応付けられた前記時系列情報に基づいて時系列に並べて、前記ユーザが視認可能に出力する出力手段と、を備える(1)に記載の劣化診断支援システム。
(3)前記情報取得装置は、任意に定めた基準位置から前記劣化情報を取得する位置まで自律的に移動した後に、前記劣化情報を取得する(1)または(2)に記載の劣化診断支援システム。
(4)前記情報取得装置は、前記構造物に沿って延在するケーブルに装着され、前記ケーブルの長手方向に移動する(1)から(3)のいずれか一項に記載の劣化診断支援システム。
(5)前記ケーブルは緊張状態で保持されており、前記ケーブルの張力を調整する張力調整手段を備える(4)に記載の劣化診断支援システム。
(6)前記ケーブルの長手方向に対して交差する方向への前記ケーブルの揺れを検知する検知手段を備え、前記張力調整手段は、前記検知手段による前記ケーブルの揺れの検知に応じて前記ケーブルの張力を増減し、前記ケーブルの固有振動数を調整することにより前記ケーブルの揺れを減衰させる(5)に記載の劣化診断支援システム。
(7)前記情報取得装置の加速度を測定する加速度測定手段を備え、前記検知手段は、前記加速度測定手段により測定された前記加速度から前記情報取得装置の走行方向に対して直交する方向への加速度を抽出し、抽出された当該加速度に基づいて前記ケーブルの揺れを検知する(6)に記載の劣化診断支援システム。
(8)前記データベースに格納された前記劣化情報を処理し、当該劣化情報に含まれる異常の有無を判断する異常判断手段と、前記異常判断手段による判断結果を示す評価情報を生成し、当該劣化情報に前記評価情報を付与する評価情報付与手段と、を備え、前記データベースは、前記評価情報を付与された前記劣化情報を格納し、前記検索手段は、前記位置情報と前記評価情報とをキーとして前記データベースから前記劣化情報を検索する(2)または(2)に従属する(3)から(7)のいずれか一項に記載の劣化診断支援システム。
(9)前記情報取得装置は、任意の基準位置から、前記検索手段により検索された前記位置情報が示す位置まで移動した後に、前記劣化情報を取得する(8)に記載の劣化診断支援システム。
(10)前記異常判断手段は、前記劣化情報を処理して算出される劣化度合いを示す値と第一閾値とを比較して前記異常の有無を判断し、前記第一閾値は、任意に設定可能である(8)または(9)に記載の劣化診断支援システム。
(11)前記異常判断手段は、判断対象となる前記劣化情報と、当該劣化情報に対応付けられた前記位置情報をキーとして前記検索手段により検索された前記劣化情報とを比較して変化度合いを示す値を算出し、算出された前記変化度合いを示す値が第二閾値より大きいか否かで前記異常の有無を判断し、前記第二閾値は、任意に設定可能である(8)から(10)いずれかに記載の劣化診断支援システム。
(12)前記劣化情報は、画像データまたは音響データの少なくとも一方である(2)または(2)に従属する(3)から(11)のいずれか一項に記載の劣化診断支援システム。
(13)複数の前記画像データを元データとして、前記出力手段から出力した際に一のパノラマ画像として視認可能な一または複数の加工画像データを生成するパノラマ加工手段を備え、前記データベースは、前記加工画像データと、当該加工画像データの元データである前記画像データとを対応付けて格納する(12)に記載の劣化診断支援システム。
(14)前記データベースは、前記加工画像データと、当該加工画像データの元データである前記画像データとを一対一で対応付けて格納し、前記出力手段は、複数の前記加工画像データを前記一のパノラマ画像として表示出力し、前記検索手段は、前記操作受付手段によって受け付けた前記ユーザの操作に応じて、前記出力手段により表示出力された複数の前記加工画像データの一部を選択し、選択した当該加工画像データに前記画像データを介して対応付けられている前記位置情報をキーとして、当該位置情報に対応付けられている前記画像データを検索する(13)に記載の劣化診断支援システム。
(15)入力されたコマンドに応じて自走する情報取得装置により取得され、被検体である構造物の劣化診断に用いる劣化情報を格納するデータベースであって、前記データベースは、前記情報取得装置により取得され前記劣化情報の前記構造物における位置を示す位置情報と、前記劣化情報を取得した時点を示す時系列情報と、を前記劣化情報ごとに対応付けて格納するデータベース。
(16)前記劣化情報は、当該劣化情報に含まれる異常の有無を示す評価情報を付与している(15)に記載のデータベース。
(17)前記劣化情報は、画像データまたは音響データの少なくとも一方である(16)に記載のデータベース。
(18)入力されたコマンドに応じて自走する情報取得装置により取得され被検体である構造物の劣化診断に用いる劣化情報ごとに、前記情報取得装置により取得され当該劣化情報の前記構造物における位置を示す位置情報と、当該劣化情報を取得した時点を示す時系列情報と、を対応付けたデータベースを作成するデータベース作成装置。
(19)入力されたコマンドに応じて自走する情報取得装置により、被検体である構造物の劣化診断に用いる劣化情報を取得する劣化情報取得ステップと、前記劣化情報取得ステップにて取得された当該劣化情報の前記構造物における位置を示す位置情報と、当該劣化情報を取得した時点を示す時系列情報と、を前記劣化情報ごとに対応付けてデータベースに格納する格納ステップと、を含む劣化診断支援方法。
(20)ユーザの操作に応じ、少なくとも前記位置情報をキーとして前記データベースに格納された複数の前記劣化情報の中から一部を検索する検索ステップと、前記検索ステップにて検索された複数の前記劣化情報を、当該劣化情報ごとに対応付けられた前記時系列情報に基づいて時系列に並べて、前記ユーザが視認可能に出力する出力ステップと、を含む(19)に記載の劣化診断支援方法。
(21)前記データベースに格納された前記劣化情報を処理し、当該劣化情報に含まれる異常の有無を判断する異常判断ステップと、前記異常判断ステップにおける判断結果を示す評価情報を生成し、当該劣化情報に前記評価情報を付与し、前記評価情報を付与された前記劣化情報を前記データベースに格納する評価情報付与ステップと、を含み、前記検索ステップにて、前記位置情報と前記評価情報とをキーとして前記データベースから前記劣化情報を検索する(20)に記載の劣化診断支援方法。
(22)前記構造物に沿って延在し、緊張状態で保持されるケーブルに装着されている前記情報取得装置が、前記ケーブルの長手方向に移動する前記情報取得装置を用いた劣化診断支援方法であって、前記ケーブルの長手方向に対して交差する方向に揺れる前記ケーブルの張力を増減し、前記ケーブルの固有振動数を調整することにより前記ケーブルの揺れを減衰させ、前記ケーブルの揺れが減衰された後に、前記情報取得ステップが行われる(19)から(21)のいずれか一項に記載の劣化診断支援方法。
(i)前記評価情報は、前記劣化情報を処理して算出される劣化度合いを示す値と第一閾値との比較を含む処理によって生成され、前記第一閾値は、任意に設定可能である(16)に記載のデータベース。
(ii)前記評価情報は、判断対象となる前記劣化情報と、当該劣化情報に対応付けられた前記位置情報をキーとして検索された前記劣化情報とを比較して変化度合いを示す値を算出し、算出された前記変化度合いを示す値が第二閾値より大きいか否かの判断を含む処理で生成され、前記第二閾値は、任意に設定可能である(16)または(i)に記載のデータベース。
(iii)複数の前記画像データを元データとして生成され、出力した際に一のパノラマ画像として視認可能な一または複数の加工画像データと、当該加工画像データの元データである前記画像データとを対応付けて格納する(17)に記載のデータベース。
(iv)前記加工画像データと、当該加工画像データの元データである前記画像データとを一対一で対応付けて格納する(iii)に記載のデータベース。
(v)前記情報取得装置の加速度を測定する加速度測定手段と、前記加速度測定手段により測定された前記加速度から前記情報取得装置の走行方向と直交する方向への加速度を抽出し、抽出された当該加速度に基づいて前記情報取得装置の揺れを検知する検知手段と、を備える(1)から(3)のいずれか一項に記載の劣化診断支援システム。
(vi)前記検知手段が検知した前記揺れの大きさが所定以上であるときに前記情報取得装置が前記劣化情報を取得することを制限する取得制限手段を備える(7)または(v)に記載の劣化診断支援システム。
(vii)前記データベースに格納された前記劣化情報を処理し、当該劣化情報に含まれる異常の有無を判断する異常判断手段を備え、前記異常判断手段は、前記検知手段が検知した前記揺れの大きさが所定以上であるときに取得された前記劣化情報を除いて前記異常の有無を判断する(7)、(v)または(vi)のいずれか一項に記載の劣化診断支援システム。
(viii)走行方向と直交する方向への前記情報取得装置の加速度に基づいて前記情報取得装置の揺れを検知し、検知された前記揺れの大きさが所定以上であるとき、前記劣化情報取得ステップにて前記劣化情報を取得することを制限する(19)から(22)のいずれか一項に記載の劣化診断支援方法。
(ix)走行方向と直交する方向への前記情報取得装置の加速度に基づいて前記情報取得装置の揺れを検知し、検知された前記揺れの大きさが所定以上であるときにおこなわれた前記劣化情報取得ステップで取得された前記劣化情報を、前記格納ステップにて前記データベースに格納することを制限する(19)から(22)または(viii)のいずれか一項に記載の劣化診断支援方法。
Claims (21)
- 入力されたコマンドに応じて自走する情報取得装置と、
前記情報取得装置により取得され、被検体である構造物の劣化診断に用いる劣化情報を格納するデータベースと、を備える劣化診断支援システムであって、
前記データベースは、前記情報取得装置により取得され前記劣化情報の前記構造物における位置を示す位置情報と、前記劣化情報を取得した時点を示す時系列情報と、を前記劣化情報ごとに対応付けて格納し、
ユーザの操作を受け付ける操作受付手段と、
前記操作受付手段によって受け付けられた前記操作に応じ、前記データベースに格納された複数の前記劣化情報の中から一部を検索する検索手段と、を更に備え、
前記情報取得装置は、前記検索手段により検索された前記劣化情報に対応付けられた前記位置情報に基づいて生成された前記コマンドに応じて、任意に定めた基準位置から前記位置情報が示す位置まで自律的に移動した後に、前記劣化情報を取得する劣化診断支援システム。 - 前記検索手段により検索された複数の前記劣化情報を、当該劣化情報ごとに対応付けられた前記時系列情報に基づいて時系列に並べて、前記ユーザが視認可能に出力する出力手段を備える請求項1に記載の劣化診断支援システム。
- 前記データベースに格納された前記劣化情報を処理し、当該劣化情報に含まれる異常の有無を判断する異常判断手段と、
前記異常判断手段による判断結果を示す評価情報を生成し、当該劣化情報に前記評価情報を付与する評価情報付与手段と、を備え、
前記データベースは、前記評価情報を付与された前記劣化情報を格納し、
前記検索手段は前記データベースから前記評価情報を付与された前記劣化情報を検索し、
前記情報取得装置は、前記検索手段により検索されて前記評価情報が付与された前記劣化情報に対応付けられた前記位置情報に基づいて生成された前記コマンドに応じて、任意に定めた基準位置から前記位置情報が示す位置まで自律的に移動した後に、前記劣化情報を取得する請求項1または2に記載の劣化診断支援システム。 - 前記情報取得装置は、前記構造物に沿って延在するケーブルに装着され、前記ケーブルの長手方向に移動する請求項1から3のいずれか一項に記載の劣化診断支援システム。
- 前記ケーブルは緊張状態で保持されており、
前記ケーブルの張力を調整する張力調整手段を備える請求項4に記載の劣化診断支援システム。 - 前記ケーブルの長手方向に対して交差する方向への前記ケーブルの揺れを検知する検知手段を備え、
前記張力調整手段は、前記検知手段による前記ケーブルの揺れの検知に応じて前記ケーブルの張力を増減し、前記ケーブルの固有振動数を調整することにより前記ケーブルの揺れを減衰させる請求項5に記載の劣化診断支援システム。 - 前記情報取得装置の加速度を測定する加速度測定手段を備え、
前記検知手段は、前記加速度測定手段により測定された前記加速度から前記情報取得装置の走行方向と直交する方向への加速度を抽出し、抽出された当該加速度に基づいて前記ケーブルの揺れを検知する請求項6に記載の劣化診断支援システム。 - 前記情報取得装置の加速度を測定する加速度測定手段と、
前記加速度測定手段により測定された前記加速度から前記情報取得装置が走行する前記構造物の面に対する少なくとも上下方向への加速度を抽出し、抽出された当該加速度に基づいて前記情報取得装置の揺れを検知する検知手段と、を備える請求項1から3のいずれか一項に記載の劣化診断支援システム。 - 前記検知手段が検知した前記揺れの大きさが所定以上であるときに前記情報取得装置が前記劣化情報を取得することを制限する取得制限手段を備える請求項7または8に記載の劣化診断支援システム。
- 前記データベースに格納された前記劣化情報を処理し、当該劣化情報に含まれる異常の有無を判断する異常判断手段を備え、
前記異常判断手段は、前記検知手段が検知した前記揺れの大きさが所定以上であるときに取得された前記劣化情報を除いて前記異常の有無を判断する請求項7から9のいずれか一項に記載の劣化診断支援システム。 - 前記異常判断手段は、前記劣化情報を処理して算出される劣化度合いを示す値と第一閾値とを比較して前記異常の有無を判断し、
前記第一閾値は、任意に設定可能である請求項3に記載の劣化診断支援システム。 - 前記異常判断手段は、判断対象となる前記劣化情報と、当該劣化情報に対応付けられた前記位置情報をキーとして前記検索手段により検索された前記劣化情報とを比較して変化度合いを示す値を算出し、算出された前記変化度合いを示す値が第二閾値より大きいか否かで前記異常の有無を判断し、
前記第二閾値は、任意に設定可能である請求項3または11に記載の劣化診断支援システム。 - 前記劣化情報は、画像データまたは音響データの少なくとも一方である請求項2または請求項2に従属する請求項3から10のいずれか一項に記載の劣化診断支援システム。
- 複数の前記画像データを元データとして、前記出力手段から出力した際に一のパノラマ画像として視認可能な一または複数の加工画像データを生成するパノラマ加工手段を備え、
前記データベースは、前記加工画像データと、当該加工画像データの元データである前記画像データとを対応付けて格納する請求項13に記載の劣化診断支援システム。 - 前記データベースは、前記加工画像データと、当該加工画像データの元データである前記画像データとを一対一で対応付けて格納し、
前記出力手段は、複数の前記加工画像データを前記一のパノラマ画像として表示出力し、
前記検索手段は、前記操作受付手段によって受け付けた前記ユーザの操作に応じて、前記出力手段により表示出力された複数の前記加工画像データの一部を選択し、選択した当該加工画像データに前記画像データを介して対応付けられている前記位置情報をキーとして、当該位置情報に対応付けられている前記画像データを検索する請求項14に記載の劣化診断支援システム。 - 入力されたコマンドに応じて自走する情報取得装置により、被検体である構造物の劣化診断に用いる劣化情報を取得する劣化情報取得ステップと、
前記劣化情報取得ステップにて取得された当該劣化情報の前記構造物における位置を示す位置情報と、当該劣化情報を取得した時点を示す時系列情報と、を前記劣化情報ごとに対応付けてデータベースに格納する格納ステップと、
ユーザの操作に応じ、少なくとも前記位置情報をキーとして前記データベースに格納された複数の前記劣化情報の中から一部を検索する検索ステップと、を含む劣化診断支援方法であって、
前記情報取得装置が、前記検索ステップで検索された前記劣化情報に対応付けられた前記位置情報に基づいて生成された前記コマンドに応じて、任意に定めた基準位置から前記位置情報が示す位置まで自律的に移動した後に、前記劣化情報を取得することを特徴とする劣化診断支援方法。 - 前記検索ステップにて検索された複数の前記劣化情報を、当該劣化情報ごとに対応付けられた前記時系列情報に基づいて時系列に並べて、前記ユーザが視認可能に出力する出力ステップと、を含む請求項16に記載の劣化診断支援方法。
- 前記データベースに格納された前記劣化情報を処理し、当該劣化情報に含まれる異常の有無を判断する異常判断ステップと、
前記異常判断ステップにおける判断結果を示す評価情報を生成し、当該劣化情報に前記評価情報を付与し、前記評価情報を付与された前記劣化情報を前記データベースに格納する評価情報付与ステップと、を含み、
前記検索ステップにて、前記位置情報と前記評価情報とをキーとして前記データベースから前記劣化情報を検索し、
前記情報取得装置が、前記検索ステップで検索されて前記評価情報が付与された前記劣化情報に対応付けられた前記位置情報に基づいて生成された前記コマンドに応じて、任意に定めた基準位置から前記位置情報が示す位置まで自律的に移動した後に、前記劣化情報を取得する請求項16または17に記載の劣化診断支援方法。 - 前記構造物に沿って延在し、緊張状態で保持されるケーブルに装着されている前記情報取得装置が、前記ケーブルの長手方向に移動する前記情報取得装置を用いた劣化診断支援方法であって、
前記ケーブルの長手方向に対して交差する方向に揺れる前記ケーブルの張力を増減し、前記ケーブルの固有振動数を調整することにより前記ケーブルの揺れを減衰させ、前記ケーブルの揺れが減衰された後に、
前記劣化情報取得ステップが行われる請求項16から18のいずれか一項に記載の劣化診断支援方法。 - 走行方向と直交する方向への前記情報取得装置の加速度に基づいて前記情報取得装置の揺れを検知し、
検知された前記揺れの大きさが所定以上であるとき、前記劣化情報取得ステップにて前記劣化情報を取得することを制限する請求項16から19のいずれか一項に記載の劣化診断支援方法。 - 走行方向と直交する方向への前記情報取得装置の加速度に基づいて前記情報取得装置の揺れを検知し、
検知された前記揺れの大きさが所定以上であるときにおこなわれた前記劣化情報取得ステップで取得された前記劣化情報を、前記格納ステップにて前記データベースに格納することを制限する請求項16から20のいずれか一項に記載の劣化診断支援方法。
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