JP6423686B2 - 劣化診断支援システムおよび劣化診断支援方法 - Google Patents

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Description

本発明は、劣化診断支援システム、データベース、データベース作成装置および劣化診断支援方法に関する。
我が国の高度成長期において高速道路や鉄道網等の社会インフラ整備に伴い、多くの建造物が建築されたが、近年ではこれらの建造物の経年劣化が社会問題となっている。
経年劣化による事故を避けるためには、対象となる建造物を定期的に点検・メンテナンスすることが必要不可欠である。その一方で、厳しいビジネス環境や少子高齢化等の社会環境を要因として、その膨大な点検を担う作業員が年々減少傾向にある。
このような事情を鑑みて、点検の効率化や劣化診断の支援を目的とした技術が種々開発されている。
この種の技術として、下記の特許文献1、特許文献2および特許文献3を例示する。
特許文献1は、橋梁やプラント等の塗膜劣化を診断するにあたり、GPS受信機で測定した位置情報、電流波形データ等の測定結果、各種塗料の特性データ等をデータベースとして整理する技術について記載している。
特許文献2は、コンクリート建造物を撮影した画像データに対応する位置情報を付加情報として記憶する画像データベースを有し、記憶した複数の画像データをつなぎ合わせて表示し、ユーザが指定した位置における過去の画像データを表示する技術について記載している。
特許文献3は、走行車両に搭載したビデオカメラで撮影したトンネルの壁面画像から、ひび割れの分布図や壁面の展開写真を作成することによって当該壁面のひび割れ診断を支援する技術について記載している。
特開2003−194757号公報 特開平11−132961号公報 特開2011−97640号公報
特許文献1または特許文献2に記載された技術は、点検データの採取を人力で行う、あるいは検査器(装置)の移動を人力で行うものである。また、特許文献3に記載された技術は、撮影手段(ビデオカメラ)を含む検査装置を走行車両に搭載してトンネル中を移動するものであるが、走行車両の操作(運転)については作業員が乗車して行うものである。
橋梁やプラント等の建造物の劣化診断における点検データの採取は、作業員が移動できない場所(狭小空間)や、移動に危険が伴う場所(高所や有害物質を含む空間)についても必要となる場合がある。このような場所の点検こそ多大な労力を要するものであり、データ採取・データ整理・データ解析等、総合的に点検支援を行う必要がある。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、作業員が移動困難な場所についても点検を行い、且つ当該点検で採取された点検データを用いた劣化診断の効率化・適正化を図りうる劣化診断支援システム、データベース、データベース作成装置並びに劣化診断支援方法を提供するものである。
本発明によれば、入力されたコマンドに応じて自走する情報取得装置と、前記情報取得装置により取得され、被検体である構造物の劣化診断に用いる劣化情報を格納するデータベースと、を備える劣化診断支援システムであって、前記データベースは、前記情報取得装置により取得され前記劣化情報の前記構造物における位置を示す位置情報と、前記劣化情報を取得した時点を示す時系列情報と、を前記劣化情報ごとに対応付けて格納し、ユーザの操作を受け付ける操作受付手段と、前記操作受付手段によって受け付けられた前記操作に応じ、前記データベースに格納された複数の前記劣化情報の中から一部を検索する検索手段と、を更に備え、前記情報取得装置は、前記検索手段により検索された前記劣化情報に対応付けられた前記位置情報に基づいて生成された前記コマンドに応じて、任意に定めた基準位置から前記位置情報が示す位置まで自律的に移動した後に、前記劣化情報を取得する劣化診断支援システムが提供される。
本発明によれば、入力されたコマンドに応じて自走する情報取得装置により、被検体である構造物の劣化診断に用いる劣化情報を取得する劣化情報取得ステップと、前記劣化情報取得ステップにて取得された当該劣化情報の前記構造物における位置を示す位置情報と、当該劣化情報を取得した時点を示す時系列情報と、を前記劣化情報ごとに対応付けてデータベースに格納する格納ステップと、ユーザの操作に応じ、少なくとも前記位置情報をキーとして前記データベースに格納された複数の前記劣化情報の中から一部を検索する検索ステップと、を含む劣化診断支援方法であって、前記情報取得装置が、前記検索ステップで検索された前記劣化情報に対応付けられた前記位置情報に基づいて生成された前記コマンドに応じて、任意に定めた基準位置から前記位置情報が示す位置まで自律的に移動した後に、前記劣化情報を取得することを特徴とする劣化診断支援方法が提供される。
上記発明によれば、自走する情報取得装置(点検ロボット)で劣化情報(点検データ)を取得するので、作業員が移動困難な場所でも点検可能となる。また、当該情報取得装置で取得された劣化情報に、その位置と、その取得時を示す情報を対応付けてデータベースを作成しているため、ユーザは所望の位置における劣化情報を時系列的に参照して劣化診断を行うことができる。
本発明によれば、作業員が移動困難な場所についても点検を行い、且つ当該点検で採取された点検データを用いた劣化診断の効率化・適正化を図りうる劣化診断支援システム、データベース、データベース作成装置並びに劣化診断支援方法を提供することが可能である。
本発明の実施形態における劣化診断支援システムの全体構成図である。 本実施形態の点検ロボットを橋梁の点検に用いた例を示す模式図である。このうち(a)はケーブルの横手方向から視た模式図であり、(b)はケーブルの固定端から該ケーブルの長手方向に視た模式図である。 本実施形態の点検ロボットを直立の建造物の点検に用いた例を示す模式図である。このうち(a)はケーブルの横手方向から視た模式図であり、(b)はケーブルの固定端から該ケーブルの長手方向に視た模式図である。 本実施形態のロボット操作装置のハードウェア構成を示す構成図である。 本実施形態のロボット操作装置の機能ブロック図である。 本実施形態の点検ロボットの機能ブロック図である。 本実施形態のケーブル牽引装置の機能ブロック図である。 本実施形態の劣化診断支援システムを利用した点検方法のフローチャートである。 本実施形態の劣化情報取得ステップを詳細に説明するフローチャートである。 データベース格納ステップで格納されるデータテーブルの概念を表す図である。 本実施形態の劣化診断支援システムを利用したデータ整理方法のフローチャートである。 異常フラグ付与ステップで生成されるデータテーブルの概念を表す図である。 パノラマ加工ステップで生成されるデータテーブルの概念を表す図である。 本実施形態の劣化診断支援システムを利用したデータ解析方法のフローチャートである。 出力ステップでモニタに表示出力される画面の一例を示す図である。 出力ステップでモニタに表示出力される画面の一例を示す図である。 出力ステップでモニタに表示出力される画面の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
<劣化診断支援システム100の全体構成>
はじめに、本実施形態の劣化診断支援システム100の全体構成を説明する。図1は、本発明の実施形態における劣化診断支援システム100の全体構成図である。
劣化診断支援システム100は、点検ロボット40(情報取得装置)と、データベースサーバ10(データベース)と、を備える。
点検ロボット40は、入力されたコマンドに応じて自走する。
データベースサーバ10は、点検ロボット40により取得され、被検体である構造物の劣化診断に用いる劣化情報を格納する。そして、データベースサーバ10は、点検ロボット40により取得され劣化情報の構造物における位置を示す位置情報と、劣化情報を取得した時点を示す時系列情報と、を劣化情報ごとに対応付けて格納する。
ここで、点検とは、ある基準に照らして対象物の適、不適を検査することをいい、当該検査に用いる情報(データ)を取得することを含む。
本実施形態の点検ロボット40は、作業者により定められた一または複数の点検箇所(点検範囲)において、被検体である構造物の劣化の度合い又は劣化の有無を示す劣化情報を取得することにより、当該点検箇所を点検する。このとき、劣化情報を取得する位置は、離散的であってもよいし、連続的であってもよい。
ここで、データベースとは、複数のコンピュータ端末からアクセス可能なネットワーク(例えば、ネットワーク200)上に格納されるデータの集合体、あるいは当該データの集合体を格納したコンピュータ端末(例えば、データベースサーバ10)とする。なお、複数のコンピュータ端末とは、物理的に異なる装置上で実現される必要はなく、単一の装置上で仮想的に実現されたものを含む。
ここで、自走するとは、作業員を搭載しないで走行可能な機構を有する(例えば、点検ロボット40)ことをいう。
ここで、劣化情報とは、構造物の劣化診断に用いる種々の点検データのことであり、被検体である構造物の種類や、点検の態様によって異なる。
本実施形態における劣化情報は、例えば、画像データまたは音響データの少なくとも一方とすることができる。画像データであれば、例えば、構造物に発生した表面傷(ひび割れ)を撮像して得られる画像データを目視することによって探傷することができる。音響データであれば、例えば、超音波を構造物に伝搬させ、その反響波の音響データを測定することにより、その構造物表面又は内部に存する不連続部位を探傷することができる。
ここで、位置情報とは、劣化情報の取得元が、被検体である構造物上において、どの位置に存するのか特定できる情報のことをいう。
本実施形態における位置情報は、例えば、構造物上あるいはその近傍に定めた基準位置からの相対位置とすることもできるし、GPS等を利用して測定した絶対位置とすることもできるし、それらを組み合わせてもよい。
ここで、時系列情報とは、取得した劣化情報を複数列挙した際に時系列に並べることが可能な程度に取得時を特定できる情報のことをいう。
本実施形態における時系列情報は、例えば、劣化情報を取得した時刻でもよいし、劣化情報を取得した順番に付与されるシーケンス番号でもよいし、それらの組合せでもよい。
本実施形態の点検ロボット40は、ロボット操作装置30と通信可能に接続している。当該通信は、無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。
点検ロボット40は、例えば、任意に定めた基準位置から劣化情報を取得する位置まで自律的に移動した後に、劣化情報を取得することができてもよい。
ここで、自律的に移動とは、作業者からコマンドを受け付けた後、移動目標(劣化情報の取得位置)までの移動について追加のコマンド受付を要さないことをいう。より具体的には、目標位置を自動認識する機能や、移動中途に存する障害物を自動的に回避・除去等する機能を有する装置であってもよい。
また、任意に定めた基準位置とは、作業者が任意に決めた位置であってもよく、ケーブル50の固定端52であってもよい。作業者は、点検ロボット40を当該基準位置に設置することにより、構造物の点検を始めることができる。
本実施形態の点検ロボット40は、図2または図3に示すように用いられる装置とすることができる。より具体的には、点検ロボット40は、構造物に沿って延在するケーブル50に装着され、ケーブル50の長手方向に移動することができる。
図2は、点検ロボット40を橋梁70の点検に用いた例を示す模式図である。このうち(a)はケーブル50の横手方向から視た模式図であり、(b)はケーブル50の固定端52からケーブル50の長手方向に視た模式図である。
ここで、点検対象となるのは橋梁70の下面である。当該下面の損傷を確認するため、点検ロボット40を用いて当該下面を撮像して複数の画像データを取得した後、当該画像データを目視確認することを想定している。
橋梁70の任意の地点に支柱91と支柱92を設置する。ケーブル50は固定端52で支柱91に固定されている。支柱92は先端に滑車93を有しており、ケーブル50は滑車93を介してケーブル牽引装置60に接続されている。ケーブル50は、ケーブル牽引装置60に牽引されることにより、緊張状態を保持している。
図2(b)で示す通り、上述のように保持されたケーブル50は二本あり、各ケーブル50の間隔が一定となるように、橋梁70下面の近傍で平行に張り渡されている。
点検ロボット40は、上述のように張り渡された二本のケーブル50に装着され、ケーブル50の長手方向に移動することができる。より具体的には、点検ロボット40は、ケーブル50を挟み込む一組の車輪から成るケーブル把持部48を四組備えており、ケーブル把持部48の車輪を回転駆動することによって、ケーブル50の長手方向に移動することができる。
点検ロボット40の本体部42の上面には制振台44に装着されたカメラ46が搭載される。カメラ46は、少なくとも点検ロボット40の進行方向(ケーブル50の軸方向)と直交する方向に回転自在であり、所望の角度(撮像角度)で橋梁70の下面を撮像することができる。
制振台44は、ジンバル機構(図示せず)を有しており、当該ジンバル機構でカメラ46又は本体部42を制振することができ、カメラ46の撮像ブレを抑制することができる。
図3は、点検ロボット40を直立の建造物80の点検に用いた例を示す模式図である。このうち(a)はケーブル50の横手方向から視た模式図であり、(b)はケーブル50の固定端52からケーブル50の長手方向に視た模式図である。
ここで、点検対象となるのは建造物80の壁面である。当該壁面の損傷を確認するため、点検ロボット40を用いて当該壁面を撮像して複数の画像データを取得した後、当該画像データを目視確認することを想定している。
建造物80の頂上付近に支柱94を設置する。ケーブル50は固定端52で地面96に固定されている。支柱94は先端に滑車95を有しており、ケーブル50は滑車95を介してケーブル牽引装置60に接続されている。ケーブル50は、ケーブル牽引装置60に牽引されることにより、緊張状態を保持している。
図3(b)で示す通り、上述のように保持されたケーブル50は二本あり、各ケーブル50の間隔が一定となるように、建造物80壁面の近傍で平行に張り渡されている。
点検ロボット40並びに点検ロボット40が有する各部(本体部42、制振台44、カメラ46、ケーブル把持部48)については、図2の説明と同様である。
図2または図3に示したように点検ロボット40を利用すれば、人力では高所に足場を組まなくては採取困難な橋梁70の下面や建造物80の壁面の画像データを取得することができる。
本実施形態では、点検ロボット40が取得する劣化情報が画像データであるため、ケーブル50を二本とし点検ロボット40の安定移動を図っているが、この態様に限定されるものではない。すなわち、ケーブル50は一本であってもよい。
また、本実施形態は、ケーブル50に沿って移動する点検ロボット40で説明するが、情報取得装置の移動方法はこれに限定されるものではない。ゴムタイヤやキャタピラで平面上を自走する情報取得装置であってもよい。
劣化診断支援システム100は、ロボット操作装置30(データベース作成装置)を備える。
ロボット操作装置30は、作業員の操作を受け付け、当該操作に応じて点検ロボット40に送信するコマンドを生成し、当該コマンドを点検ロボット40に送信することによって、点検ロボット40を制御する。
ロボット操作装置30は、入力されたコマンドに応じて自走する点検ロボット40(情報取得装置)により取得され、被検体である構造物の劣化診断に用いる劣化情報ごとに、点検ロボット40により取得され当該劣化情報の構造物における位置を示す位置情報と、当該劣化情報を取得した時点を示す時系列情報と、を対応付けたデータベースを作成する。
より詳細には、本実施形態の点検ロボット40は、劣化情報を取得する度に、当該劣化情報に当該位置情報と当該時系列情報とを対応付けたデータ群を生成することができる。そして、本実施形態のロボット操作装置30は、点検ロボット40からデータ群を受信して格納し、単一の点検において格納された一または複数のデータ群からデータテーブルを作成することができる。さらに、ロボット操作装置30は、ネットワーク200を介して当該データテーブルと当該データテーブルに関連する劣化情報をデータベースサーバ10に格納することができる。
ここで、単一の点検とは、特定の点検箇所における一連の点検のことである。本実施形態においては、ロボット操作装置30の操作者が任意に定めた範囲内で行われる一連の劣化情報の取得のことであっても良いし、ロボット操作装置30から入力されたコマンドに応じて点検ロボット40が行う一連の作業が終了するまでに行われる劣化情報の取得のことであってもよい。すなわち、ロボット操作装置30によりデータテーブルを作成するタイミングは、操作者が任意に決めても良いし、所定のアルゴリズムで自動的に決まっても良い。
前段で説明した一連の作業を繰り返し、ロボット操作装置30は、データベースサーバ10内に蓄積されたデータテーブルのそれぞれを関係付けることによって、当該劣化情報ごとに当該位置情報と当該時系列情報とを対応付けたリレーショナルデータベースを構築することができる。
図4は、ロボット操作装置30のハードウェア構成を示す構成図である。
ロボット操作装置30は、いわゆるコンピュータ端末である制御装置300と、その周辺機器からなる。制御装置300は、CPU370とメモリ350とを有する。
CPU370は、制御装置300に組み込まれたソフトウェアの実行処理を行うハードウェアである。図4では単一であるかのように図示したが、複数のハードウェアを組み合わせることによって構成されてもよい。
メモリ350は、制御装置300が処理すべきデータを一定期間保持するハードウェアである。なお、ここでメモリ350は、メインメモリやキャッシュメモリ等の記憶装置を含むハードウェアの総称として扱う。図4では単一であるかのように図示したが、一般的には異なるハードウェアを複数組み合わせて構成する。
制御装置300は、メモリ350で保持されたデータやプログラムをCPU370で実行処理することにより、種々の機能を実現することができる。
ロボット操作装置30は、操作者の操作を受け付ける入力IF32を有している。ここで、入力IF32とは操作ボタン、キーボード、マウス、マイクロフォン、タッチパネル等である。制御装置300は、入力IF32から受け付けた電気信号に応じて各種制御を実行することができる。
ロボット操作装置30はモニタ34を有している。制御装置300は処理したデータをモニタ34から表示出力可能に変換出力する画像制御回路340を有する。
ロボット操作装置30はスピーカ36を有している。制御装置300は処理したデータをスピーカ36から音声出力可能に変換出力する音声制御回路360を有する。
ロボット操作装置30は通信IF38を有している。制御装置300は、外部ネットワーク(例えば、ネットワーク200)と通信接続処理を行う通信制御回路380を有し、通信IF38を介してネットワーク200に接続している。
劣化診断支援システム100は、クライアントPC20を備える。システム構成上、クライアントPC20は、ネットワーク200を介してデータベースサーバ10にアクセス可能である点でロボット操作装置30と共通であり、点検ロボット40に直接接続していない点でロボット操作装置30と異なる。
クライアントPC20は単一であるかのように図示したが、複数であってもよい。
また、ここでは図示しないが、クライアントPC20は、ロボット操作装置30と同様のコンピュータ端末であり、CPU、メモリ、その他周辺機器を有している。
従って、必要なソフトウェアを組み込めば、クライアントPC20はロボット操作装置30と同等の機能を有することが可能である。特に、データベースサーバ10に構築するデータベースを利用する機能については、クライアントPC20とロボット操作装置30とで重複して有してもよく、当該機能の一部を一方のみが有していてもよい。
本実施形態では、説明の便宜上、当該機能をロボット操作装置30に集約させたものとして説明するが、実際には各装置の処理能力や、各装置の操作者(ユーザ)どうしの役割分担に関する取り決め等を勘案した上で、劣化診断支援システム100を実現してもよい。
クライアントPC20と、ロボット操作装置30と、データベースサーバ10とは、ネットワーク200を介して相互にアクセス可能に接続している。
ここで、ネットワーク200とは、インターネットやLAN(Local Area Network)等の種々のコンピュータネットワーク又はその組合せで構成することができる。また、各構成要素とネットワーク200との通信接続は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
<ロボット操作装置30の機能>
図5は、本実施形態のロボット操作装置30の機能ブロック図である。
ロボット操作装置30は、操作受付部301(操作受付手段)と、通信制御部302と、出力制御部303(出力手段)と、コマンド生成部304と、データベース格納部305と、データベース検索部306(検索手段)と、劣化情報解析部310と、を有する。また、劣化情報解析部310は、異常判断部311と、評価情報付与部312と、閾値設定部313と、パノラマ加工部314と、を含む。
コマンド生成部304は、操作受付部301によって受け付けられた操作に応じ、点検ロボット40に送信するコマンドを生成する。
通信制御部302は、ロボット操作装置30と接続している外部構成(例えば、点検ロボット40やネットワーク200)との間で行われる通信を制御しており、コマンド生成部304で生成されたコマンドを点検ロボット40に送信する。
また、通信制御部302は、点検ロボット40から随時送信してくるデータ群(取得した画像データと当該画像データごとに対応付けられた位置情報と時系列情報とを含む)を受信し、受信したデータ群はメモリ350に格納される。
データベース格納部305は、操作者の任意のタイミング又は所定のアルゴリズムで規定されたタイミングで、メモリ350に格納されたデータ群からデータテーブルを作成し、作成したデータテーブルと当該データテーブルに関連する画像データを、ネットワーク200を介してデータベースサーバ10に格納する。
より詳細には、データベース格納部305は、通信制御部302に指令を出して、ロボット操作装置30とデータベースサーバ10との間に通信接続を確立する。当該通信接続が確立された後に、データベース格納部305はデータベースサーバ10にデータテーブルを格納する。
データベース格納部305は、データテーブルを格納する際、データベースサーバ10内に既存のデータテーブルと、格納するデータテーブルとを関係づける。これにより、データベース格納部305は、複数のデータテーブルに偏在するデータ群を同一キーで検索可能に、データベースを構築することができる。
操作受付部301は、操作者(ユーザ)の操作を受け付ける。
データベース検索部306は、操作受付部301によって受け付けられた操作に応じ、少なくとも位置情報をキーとしてデータベースサーバ10に格納された複数の画像データ(劣化情報)の中から一部を検索する。
出力制御部303は、データベース検索部306により検索された複数の画像データを、当該画像データごとに対応付けられた時系列情報に基づいて時系列に並べて、操作者が視認可能に出力する。
これにより、データベースサーバ10に格納された劣化情報のうち、所望の位置で取得された劣化情報を機械的に抽出することができる。
操作受付部301は、例えば、図4に図示した入力IF32であってもよい。
出力制御部303は、例えば、図4に図示したモニタ34と画像制御回路340、並びにCPU370によるソフトウェア処理の組合せにより実現される機能であってもよい。
または、出力制御部303はスピーカ36と音声制御回路360、並びにCPU370によるソフトウェア処理の組合せにより実現される機能であってもよい。あるいは、出力制御部303は、図示しない印刷出力手段(印刷プリンタ等)であってもよい。
データベース検索部306による検索方法、出力制御部303による出力方法については、後ほど詳述する。
異常判断部311は、データベースサーバ10に格納された画像データ(劣化情報)を処理し、当該画像データに含まれる異常の有無を判断する。
評価情報付与部312は、異常判断部311による判断結果を示す評価情報を生成し、当該画像データに評価情報を付与する。
データベースサーバ10は、評価情報を付与された画像データを格納する。
データベース検索部306は、位置情報と評価情報とをキーとしてデータベースサーバ10から画像データを検索する。
すなわち、評価情報付与部312により処理された画像データ(劣化情報)は、当該画像データに含まれる異常の有無を示す評価情報を付与して、データベースサーバ10に格納される。
これにより、作業者が目視確認する前に、ひび割れが存することが疑わしい画像データを機械的に絞り込むことができるので、劣化診断の作業負担を軽減しうる。
本実施形態において、評価情報付与部312によって付与される評価情報とは、画像データ(劣化情報)の異常の有無を真(True)/偽(False)の二値で示す程度の簡易なもの(フラグ)とすることができる。
仮に、異常判断部311の処理によって異常の程度がより詳細に判断できるのであれば、評価情報は判断された異常の程度を詳細に含む情報であってもよい。
評価情報付与部312は、画像データごとに、当該画像データに付与した評価情報を対応付けたデータテーブルを作成し、データベースサーバ10内に構築したデータベースに関係付けることができる。
異常判断部311は、画像データ(劣化情報)を処理して算出される劣化度合いを示す値と第一閾値Xとを比較して異常の有無を判断してもよい。この場合、第一閾値Xは、閾値設定部313により任意に設定可能とするのが好ましい。
このような処理を異常判断部311が行う態様は、以下のような場合が考えられる。
例えば、異常判断部311は、画像データに含まれるひび割れ(クラック)箇所をパターン認識により判定し、判定された当該箇所の大きさ(劣化度合いを示す値)を算出してもよい。そして、異常判断部311は、算出された当該大きさが所定の閾値(第一閾値X)より大きいとき、当該画像データに異常有りと判断してもよい。
これにより、所定の閾値より大きいと推測されるひび割れを撮像した画像データを判断することができる。
また、異常判断部311は、判断対象となる画像データ(劣化情報)と、当該画像データに対応付けられた位置情報をキーとしてデータベース検索部306により検索された画像データとを比較して変化度合いを示す値を算出し、算出された変化度合いを示す値が第二閾値Yより大きいか否かで異常の有無を判断してもよい。この場合、第二閾値Yは、閾値設定部313により任意に設定可能とするのが好ましい。
このような処理を異常判断部311が行う態様は、以下のような場合が考えられる。
例えば、異常判断部311は、判断対象となる画像データと比較対象となる画像データのそれぞれに含まれる輝度情報や色情報の分布の変化度合いを数値化する演算処理を行い、当該数値(変化度合いを示す値)が所定の閾値(第二閾値Y)より大きいとき、判断対象の画像データに異常有りと判断してもよい。
これにより、同じ位置情報を条件として検索される、すなわち同一位置で撮像された画像データと推定される画像データどうしを比較して、所定の閾値より変化が大きい画像データを判断することができる。
本実施形態においては、点検ロボット40が取得する劣化情報は画像データとして説明しているため、異常判断部311の判断処理は上述のように実行することができる。
一方で、劣化情報が構造物に発信した超音波の反射波(音響データ)であれば、異常判断部311の判断処理は、音響データの振幅や周波数(劣化度合いを示す値)と所定の閾値(第一閾値X)との比較処理とすることができる。また、判断対象の音響データと比較対象の音響データの波形の変化度合いを示す値と所定の閾値(第二閾値Y)との比較処理とすることもできる。
閾値設定部313は、第一閾値X又は第二閾値Yの値を、操作受付部301によって受け付けられた操作者の操作に応じて設定(変更)することができる。
閾値設定部313の設定変更することによって、異常判断部311の判断処理の結果が変化する。従って、当該判断処理の度に評価情報付与部312はデータテーブルを作成してデータベースサーバ10のデータベースに関係付けてもよいし、既に格納されたデータテーブルに変更点を追加してもよいし、変更箇所に変更点を上書きしてもよい。
パノラマ加工部314は、複数の画像データを元データとして、出力制御部303から出力した際に一のパノラマ画像として視認可能な一または複数の加工画像データを生成する。そして、パノラマ加工部314は、加工画像データと、当該加工画像データの元データである画像データとを対応付けたデータテーブルを作成し、当該加工画像データと当該データテーブルをデータベースサーバ10内のデータベースに格納する。
すなわち、データベースサーバ10は、加工画像データと、当該加工画像データの元データである画像データとを対応付けて格納する。
これにより、取得した画像データをパノラマ合成して表示出力可能となり、複数の画像データに跨がるひび割れの視認確認が容易になる。
ここで、一のパノラマ画像として視認可能な一または複数の加工画像データとは、当該パノラマ画像が一つの画像データファイルであってもよいし、複数の画像データファイルをつなぎ合わせて出力することによって、一つのパノラマ画像であるかのように操作者に視認させてもよいことを意味している。
パノラマ画像の出力方法、すなわち操作者にパノラマ画像をどのように視認させるかについては、後に詳述する。
<点検ロボット40の機能>
図6は、本実施形態の点検ロボット40の機能ブロック図である。
点検ロボット40は、コマンド受付部401と、移動制御部402と、撮像制御部403と、通信制御部404と、加速度センサ405と、データ格納部406と、取得情報送信部407と、位置情報取得部408と、を有する。
なお、点検ロボット40のハードウェア構成図は図示しないが、点検ロボット40は各種制御回路を有しており、且つ、内蔵のCPUやメモリを用いたソフトウェア処理も実行可能であり、これらを組み合わせることによって図6に示す各機能を実現している。
コマンド受付部401は、ロボット操作装置30より送信されたコマンドを受け付ける。より詳細には、通信制御部404と通信制御部302とがデータの授受を行うことによって確立した通信接続を介して、コマンド受付部401は当該コマンドを受け付けることができる。
移動制御部402は、当該コマンドの受付に応じて、ケーブル把持部48の回転駆動を制御して、点検ロボット40をケーブル50の長手方向に進退させることができる。
撮像制御部403は、当該コマンドの受付に応じて、カメラ46の回転角度及びカメラ46による撮像実行を制御して、被検体の構造物の画像データを取得することができる。
コマンド受付部401により受け付けるコマンドには、移動制御部402が移動制御に用いる情報として、移動開始点、一又は複数の移動目標位置、移動終了点等が含まれてもよい。
また、コマンド受付部401により受け付けるコマンドには、撮像制御部403が撮像制御に用いる情報として、ある移動目標位置におけるカメラ46の撮影角度が一又は複数含まれてもよい。
これらの位置情報は、操作者が操作受付部301に手作業で入力してもよいし、規定の制御テーブルを利用してもよいが、本実施形態の劣化診断支援システム100においては、データベースサーバ10に格納された過去の位置情報を利用するのが好適である。
例えば、データベース検索部306を用いてデータベースサーバ10から同一の基準位置を開始点とするデータ群を検索し、コマンド受付部401は検索されたデータ群に含まれる位置情報に基づいてコマンドを生成する。
上述のようにコマンド受付部401がコマンドを生成することにより、点検ロボット40は、任意の基準位置から、データベース検索部306(検索手段)により検索された位置情報が示す位置まで移動した後に、画像データ(劣化情報)を取得することができる。
これにより、作業者のコマンド入力作業の負担が軽減され、過去に取得した画像データと同じ視点から撮影した(再現性の高い)画像データの取得が可能となる。
あるいは、データベース検索部306を用いてデータベースサーバ10から同一の基準位置を開始点とし、且つ、評価情報が付与されているデータ群を検索し、コマンド受付部401は検索されたデータ群に含まれる位置情報に基づいてコマンドを生成する。
上述のようにコマンド受付部401がコマンドを生成することにより、点検ロボット40は、任意の基準位置から、評価情報が付与された画像データを撮像した位置まで移動した後に、画像データを取得することができる。
これにより、過去に取得した画像データのうち、ひび割れを含む画像データと同じ視点から撮影した画像データの取得が可能となる。
位置情報取得部408は、点検ロボット40の位置を測定し、位置情報を取得している。より詳細には、位置情報取得部408は、ケーブル把持部48の回転駆動をモニタリングして基準位置からの移動距離を測定している。
位置情報取得部408で取得された移動情報に基づいて、移動制御部402は目標位置に到達したか否かを判断することができる。
検知部409は、ケーブル50の長手方向に対して交差する方向へのケーブル50の揺れを検知する。
より詳細には、検知部409は、点検ロボット40(情報取得装置)の加速度を測定する加速度センサ405により測定された加速度から点検ロボット40の走行方向に対して直交する方向への加速度を抽出し、抽出された当該加速度に基づいてケーブル50の揺れを検知する。
ここで、ケーブル50の揺れとは、ケーブル50の長手方向に対して交差する方向へのケーブル50の揺動が所定以上であることをいう。
検知部409がケーブル50の揺れを検知する方法は幾通りか考えられるが、例えば、抽出した加速度の変動を監視し、監視された変動幅の大きさから判断してもよい。あるいは、抽出した加速度から点検ロボット40の速度又は変位を算出し、算出された速度又は変位の大きさから判断してもよい。
本実施形態の点検ロボット40は、カメラ46の撮像により画像データを取得する点検を実行する。建造物の点検作業は屋外である場合が多く、風の影響等によってケーブル50が揺れることも想定される。
本実施形態の点検ロボット40は、加速度センサ405と検知部409を有しているので、ケーブル50の揺れを検知することができ、大きな揺れを検知する場合には、一時的に撮像作業を自動で中断することができる。
より具体的には、撮像制御部403は、検知部409によりケーブル50の横揺れが検知されたとき、カメラ46による撮像を待機することができる。
言い換えると、撮像制御部403は、検知部409が検知したケーブル50の横揺れ(すなわち点検ロボット40の揺れ)の大きさが所定以上であるときに情報取得装置(点検ロボット40)が画像データを取得することを制限するとよい。撮像制御部403は、情報取得装置(点検ロボット40)が劣化情報(画像データ)を取得することを制限する取得制限手段として機能する。撮像制御部403が点検ロボット40による画像データの取得を制限するケーブル50の横揺れの閾値(制限閾値)は、検知部409のメモリ350(図4参照)に予め記憶されている。撮像制御部403は、検知部409により検知されたケーブル50の横揺れが上記の制限閾値以上である場合にカメラ46による撮像を待機し、ケーブル50の横揺れが制限閾値未満となった場合にカメラ46による撮像を再開させる。これにより、ケーブル50の横揺れに起因してカメラの撮像ブレが発生する間に劣化情報(画像データ)を取得することが回避される。このため、カメラの撮像ブレに起因して、構造物の正常な表面を撮影した画像データにひび割れが誤検出されたり、逆に現存するひび割れが検出されなかったりする不具合が回避されるなど、取得される画像データの精度が低下することが防止される。
また、点検ロボット40は、検知部409によりケーブル50の揺れが検知されたことをケーブル牽引装置60に送信し、ケーブル牽引装置60は、その検知に応じてケーブル50の張力を調整することによって、ケーブル50の揺れを抑制しうる。この詳細については、後述する。
データ格納部406は、カメラ46により撮像された画像データごとに、データID、当該画像データが撮像された時刻を示す時刻情報、当該画像データの位置を示す位置情報等を対応付けて、点検ロボット40に内蔵されたメモリ(図示せず)に格納する。
ここで画像データの位置を示す位置情報は、より具体的には、受け付けたコマンドに含まれる基準位置の情報と、位置情報取得部408により取得された撮像時の位置情報と、撮像制御部403がカメラ46に指令した撮影角度と、を含むことができる。
取得情報送信部407は、データ格納部406により格納された画像データを含むデータ群を、ロボット操作装置30に送信する。
ここで、取得情報送信部407が当該データ群を送信するタイミングは、特に限定されない。例えば、画像データが撮像する度に送信することが可能で、且つロボット操作装置30にて受信された当該画像データをモニタ34上に表示出力可能であれば、ほぼリアルタイムに近い状態で、操作者は点検ロボット40による画像データ取得を監視することができる。
<ケーブル牽引装置60の機能>
図7は、本実施形態のケーブル牽引装置60の機能ブロック図である。
ケーブル牽引装置60は、牽引部601と、牽引制御部602と、張力計測部604と、を有する。牽引部601はケーブル50を牽引する。牽引制御部602は牽引部601を制御する。張力計測部604はケーブル50に生じる張力を計測する。
ケーブル牽引装置60は、張力計測部604が計測した張力に基づいて、牽引制御部602が牽引部601を制御することにより、ケーブル50の張力を調整することができる。
ケーブル牽引装置60(張力調整手段)が、ケーブル50の張力を調整することにより、ケーブル50は緊張状態で保持されうる。
点検ロボット40はケーブル50に装着され、ケーブル50に沿って移動する構成となっており、ケーブル50の振動は直接的に点検ロボット40に伝わるため、ケーブル50は緊張状態であることが好ましい。
ケーブル牽引装置60(張力調整手段)は、ケーブル50の長手方向に対して交差する方向へのケーブルの揺れを検知する検知部409(検知手段)から取得する。検知部409によるケーブルの揺れの検知に応じてケーブル50の張力を増減し、ケーブル50の固有振動数を調整することによりケーブル50の揺れを減衰させる。
これにより、ケーブル牽引装置60はケーブル50の横揺れ(長手方向に対して交差する方向への揺れ)を抑制しうる。
ケーブル牽引装置60は、少なくとも点検ロボット40の通信制御部404と通信接続可能な通信制御部603を有している。当該通信接続は、有線であっても無線であっても構わない。
この通信接続を利用し、ケーブル牽引装置60は、検知部409が検知したケーブル50の横揺れを受信することができる。
ケーブル牽引装置60によるケーブル50の横揺れの抑制について、以下にその原理について説明する。
橋梁70や建造物80等の高所作業においては、風向や風力が一定ではない。種々の成分が混在する中で、ケーブル50の固有振動を励起する成分の風が吹いている状態において、ケーブル50の横揺れが大きくなるものと考えられる。
一般に、ケーブル50の固有振動数f0と張力Tの関係式として弦の振動の式が用いられる。ところが、支点条件、ケーブルの曲げ剛性、傾斜角などの影響を受けて、実際の現場では固有振動数f0と張力Tとは、一律の関係とはならない。この影響を補正するために、実測データをもとにした補正値αを設定する。
ここで、補正値αは、ケーブル50の張力の実測値と、振動法によってケーブル50の固有振動数から算出したケーブル50の張力の比によって決定する。
なお、この関係式において、点検ロボット40の自重は考えないものとする。実際の固有振動数f0と張力Tの関係はケーブル50上の点検ロボット40の位置によって複雑に変化するものであり、厳密に関係式を導出するのは容易ではない。
ここでは、これらの関係の傾向性を全体的に理解するため、あえてシンプルなモデルを用いる。
ケーブル50の基本的な固有振動数は式(1)で表すことができる。
Figure 0006423686
m:振動モード次数
L:弦(ケーブル50)の長さ(m)
T:張力(kg)
W:弦(ケーブル50)の単位長さ当たりの重量(kg)
g:重力加速度(m/s
ただし、g=9.8(m/s)とする。
式(1)を変換することにより、ケーブル50の張力Tは式(2)で表すことができる。ただし、式(2)の張力Tは実測値とする。
Figure 0006423686
ただし、m=1とする。なお、補正値α1は補正値αの一例である。
ケーブル50の曲げ剛性を考慮すると、張力Tは式(3)となる。ただし、式(3)の張力Tも実測値とする。
Figure 0006423686
なお、補正値α2は補正値αの一例である。
ここで、式(3)におけるKsは式(4)〜式(7)のように表されている。
Figure 0006423686
Figure 0006423686
Figure 0006423686
Figure 0006423686
EI:ケーブル50の曲げ剛性
本実施形態のケーブル50は3mm程度の細いワイヤーを用いるため、曲げ剛性は十分に小さい値となり、ξ>100、Ks=1となる。
すなわち、本実施形態においては曲げ剛性を考慮しない式(2)が成り立つと考えてよく、固有振動数f0は、張力Tの平方根に比例するものと考え得る。ただし既述の通り、これはケーブル50上における固有振動数f0と張力Tの全体的な傾向性を概ね示すものであって、厳密なものではない。しかし、上記の原理によって、固有振動数f0と張力Tとの間には正の相関関係が成立することについては概ね間違いないと言える。
本実施形態のケーブル牽引装置60は、ケーブル50の横揺れの検知に応じてケーブル50の張力を増減することによって、ケーブル50の固有振動数が変化する。初期状態で周囲の風によりケーブル50の固有振動が励起されていたが、その固有振動数が変化することにより当該風との関係が崩れるので、ケーブル50における揺動エネルギーの内部損失と、ケーブル50が受ける空気抵抗等が影響して、ケーブル50の揺動を減衰させることができる。
ケーブル牽引装置60によるケーブル50の張力の増減について、その増減量は状況に応じて異なるが、例えば、ケーブル牽引装置60は、単一の点検において行われた他の調整と異なる割合(例えば、初回は初期値の80%、二回目は初期値の90%等)で増減してもよく、異なる調整量(例えば、初回は初期値からマイナス10kN、二回目は初期値からプラス20kN等)で増減してもよい。あるいは、ケーブル牽引装置60は、前回行われた調整で張力を増加させたならば次回に行う調整は張力を減少させてもよく、前回行われた調整で張力を減少させたならば次回に行う調整は張力を増加させてもよい。
なお、本実施形態では、ケーブル50の横揺れ検知を点検ロボット40(加速度センサ405と検知部409)により実現したが、この態様に限られない。
例えば、ケーブル牽引装置60が、加速度センサ405の計測した加速度を受信し、受信した加速度に基づいてケーブル50の横揺れを検知してもよい。あるいは、ケーブル牽引装置60が、張力計測部604により計測された張力に基づいて横揺れを検知してもよい。また、ロボット操作装置30の操作者が目視によりケーブル50の横揺れを検知してもよい。
<劣化診断支援システム100を利用した点検方法>
図8は、本実施形態の劣化診断支援システム100を利用した点検方法のフローチャートである。
ここでは、点検ロボット40による画像データ(劣化情報)の取得と、取得した情報をデータベースサーバ10に格納する方法について説明する。
まず、入力されたコマンドに応じて自走する点検ロボット40(情報取得装置)により、被検体である構造物の劣化診断に用いる画像データ(劣化情報)を取得する(劣化情報取得ステップ:S101)。
次に、S102にて取得された当該画像データの構造物における位置を示す位置情報と、当該画像データを取得した時点を示す時系列情報と、を劣化情報ごとに対応付けてデータベースサーバ10(データベース)に格納する(格納ステップ:S102)。
図9は、本実施形態の劣化情報取得ステップ(S101)を詳細に説明するフローチャートである。
点検ロボット40(コマンド受付部401)は、ロボット操作装置30からコマンドを受け付ける(コマンド受付ステップ:S201)。
点検ロボット40は、S201にて受け付けたコマンドに基づいて移動目標(画像データを撮像する位置)を決定し(移動目標決定ステップ:S202)、S202で決定した位置まで移動する(移動ステップ:S203)。
移動ステップS203について、より具体的に言えば、構造物に沿って延在し、緊張状態で保持されるケーブル50に装着されている点検ロボット40(情報取得装置)が、ケーブル50の長手方向に移動する。
仮に、S203の途中で、ケーブル50の長手方向に対して交差する方向へのケーブル50の揺れを検知したとき(検知ステップ)、ケーブル牽引装置60は、ケーブル50の揺れの検知に応じてケーブル50の張力を増減し、ケーブル50の固有振動数を調整することによりケーブル50の揺れを減衰させる(張力調整ステップ)。
すなわち、後述の撮像ステップS205(情報取得ステップ)は、ケーブル50の揺れが減衰された後に行われる。
点検ロボット40は、S201で受け付けたコマンドに基づいて撮像角度(カメラ46の回転角度)を決定し(撮像角度決定ステップ:S204)、S204で決定された撮像角度で撮像し、画像データを取得する(撮像ステップ:S205)。
厳密に言えば、画像データ(劣化情報)を取得するタイミングは、S205であるため、図8のS101(劣化情報取得ステップ)はS205であるとも言えるし、あるいはS101はS201〜S209の全てを含むとも言える。
点検ロボット40は、S205で取得された画像データに環境情報を付与する(環境情報付与ステップ;S206)。ここで、環境情報とは、画像データに対応付けられるデータ群のことであり、具体的には、画像データのデータID、撮像した年月日(試験日)、撮像した時刻(時刻情報)、本試験の点検範囲(基準位置)、設置された位置からの移動距離(取得位置)、カメラ46の回転角度(撮像角度)等を含むデータ群である。
点検ロボット40は、S206で環境情報を付与された画像データを内蔵のメモリ(図示せず)に格納する(データ格納ステップ:S207)。
点検ロボット40は、現在位置(S203で移動した位置)における撮像が終了か否かを判断する(撮像終了判断ステップ:S208)。終了しないのであれば(S208のNO)であれば、再びS204に戻って、S204以降のステップを繰り返す。
点検ロボット40は、取得した画像データのすべてに環境情報を付与してメモリに格納してもよく、または一部の画像データを選択して環境情報を付与してメモリに格納してもよい。たとえば、検知部409が検知したケーブル50の横揺れ(点検ロボット40の揺れ)の大きさが所定以上であるときに取得された画像データは、環境情報を付与せず、またはメモリに格納しないこととしてもよい。すなわち、上述したように検知部409が検知したケーブル50の横揺れ(すなわち点検ロボット40の揺れ)の大きさが制限閾値以上であるときに撮像制御部403は点検ロボット40が画像データを取得することを制限してもよく、またはこれに代えて、画像データを取得したうえでデータベースサーバ10(図1参照)に格納する時点でこれを排除してもよい。このほか、ケーブル50の横揺れ(点検ロボット40の揺れ)の大きさが制限閾値以上であるときに取得された画像データに対して、異常判断部311による後述の異常判断ステップ(S301:図11)をスキップするためのフラグ(スキップフラグ)を付与してもよい。
S208で終了と判断されれば(S208のYES)、点検ロボット40は現在位置(S203で移動した位置)で移動終了か否か(コマンドで指定された移動終了点に到着したか否か)を判断する(移動終了判断ステップ:S209)。終了しないのであれば(S209のNO)であれば、再びS202に戻って、S202以降のステップを繰り返す。
S209で移動終了と判断されれば(S209のYES)、点検終了である。この場合、点検ロボット40は点検終了した旨を、ロボット操作装置30に報知してもよい。
以上、本実施形態では点検ロボット40(情報取得装置)をケーブル50に沿って走行させることを例示したが、本発明はこれに限られない。情報取得装置は、たとえば上述したようにゴムタイヤやキャタピラで自走してもよい。このとき、平坦面ではなく各種の凹凸を有する凹凸面上を情報取得装置が走行する場合には、凹凸の乗り越え時に情報取得装置に揺れが生じるため画像データなどの劣化情報を正確に取得することが困難となる。
このため、情報取得装置が凹凸面上を走行する場合、加速度測定手段(加速度センサ405:図6参照)で情報取得装置の加速度を測定して情報取得装置の揺れを検知するとよい。具体的には、検知部409(検知手段)は、加速度測定手段(加速度センサ405)により測定された加速度から情報取得装置の走行方向と直交する方向への加速度を抽出し、抽出された当該加速度に基づいて情報取得装置の揺れを検知するとよい。これにより、たとえば情報取得装置が凸部を乗り越えて前後方向に走行する場合など、走行方向に対して直交する上下方向や左右方向の加速度を、検知部409は情報取得装置の揺れとして検知する。
そして、検知部409が検知した当該揺れの大きさが所定の制限閾値以上であるとき、撮像制御部403(取得制限手段)は、情報取得装置が劣化情報(画像データ)を取得することを制限するとよい。すなわち、走行方向と直交する方向への情報取得装置の加速度に基づいて情報取得装置の揺れを検知し、検知された揺れの大きさが所定以上であるとき、劣化情報取得ステップ:S101(図8参照)にて劣化情報を取得することを制限する。これにより、揺れに起因してカメラの撮像ブレや焦点ずれが発生する間に劣化情報(画像データ)を取得することが回避される。
また、撮像制御部403が劣化情報(画像データ)の取得を制限することに代えて、走行方向と直交する方向への情報取得装置の加速度に基づいて情報取得装置の揺れを検知し、検知された揺れの大きさが所定の制限閾値以上であるときにおこなわれた劣化情報取得ステップ:S101(図8参照)で取得された劣化情報を、格納ステップ:S102にてデータベースに格納することを制限してもよい。
このほか、異常判断ステップ(S301:図11)において、異常判断部311(図5参照)は、検知手段(検知部409)が検知した揺れの大きさが所定の制限閾値以上であるときに取得された劣化情報(画像データ)を除いて、他の劣化情報に含まれる異常の有無を判断してもよい。
図10は、データベース格納ステップ(S102)で格納されるデータテーブルの概念を表す図である。
図10は、概念を表すものであって、実際に処理されるデータテーブルはコンピュータ端末により情報処理可能な言語で構成されればよい。
ここで、データIDとは、劣化情報(画像データ)ごとに付与される識別番号である。シーケンスに付与されてもよいし、ランダムに付与されてもよいし、所定のアルゴリズムに従って付与されてもよい。
試験日とは、撮像した年月日を示す情報であって、本実施形態の時系列情報に含めてもよいし、含めなくてもよい。また、その生成元は、劣化診断支援システム100に含まれる構成要素の何れでもよい。
時刻情報とは、撮像した時刻を示す情報であって、本実施形態の時系列情報に含めてもよいし、含めなくてもよい。また、その生成元は、劣化診断支援システム100に含まれる構成要素の何れでもよい。
本実施形態の時系列情報としては、試験日と時刻情報とを組み合わせた情報としてもよい。
基準位置とは、点検範囲となる領域の何処かであって、点検ロボット40が設置される位置(移動開始点)を少なくとも含む情報である。本実施形態においては、点検ロボット40の移動開始点と移動終了点とを含んでもよい。図示される「X橋A−B」とは、移動開始点がX橋のA地点であり、移動終了点がX橋のB地点であることを意味している。
取得位置とは、画像データを取得した際の点検ロボット40(カメラ46)の位置である。例えば、基準位置が示す位置(移動開始点)からの移動距離とすることができる。
撮像角度とは、取得位置から視た画像データの角度位置である。例えば、カメラ46の回転角度とすることができる。図10においては、カメラ46が重力方向の反対に向いているときの撮像角度を「0°」と表記している。
本実施形態の位置情報としては、基準位置と取得位置と撮像角度とを組み合わせた情報としてもよい。
画像データ格納アドレスとは、当該画像データを格納したデータベースサーバ10(データベース)内の場所(アドレス)を示すものである。ここでいう場所とは、情報処理における記憶領域のアドレスを意味し、本実施形態の位置情報に含まれるものではない。
本実施形態においては、画像データ格納アドレスとは、データベースサーバ10内に画像データを格納する装置(例えば、ロボット操作装置30)により生成されるものである。
<劣化診断支援システム100を利用したデータ整理方法>
図11は、本実施形態の劣化診断支援システム100を利用したデータ整理方法のフローチャートである。
ここでは、解析作業の事前に、データベースサーバ10に格納した画像データを、ロボット操作装置30でコンピュータ処理し、解析作業にかかる負担軽減を図りうるデータ整理方法について説明する。
ロボット操作装置30の異常判断部311は、データベースサーバ10(データベース)に格納された画像データ(劣化情報)を処理し、当該画像データに含まれる異常の有無を判断する(異常判断ステップ:S301)。
ロボット操作装置30の評価情報付与部312は、S301における判断結果を示す評価情報を生成し、当該画像データに評価情報を付与し、評価情報を付与された画像データをデータベースに格納する(評価情報付与ステップ:S302)。
これにより、後述する検索ステップS402にて、位置情報と評価情報とをキーとしてデータベースサーバ10から画像データを検索することができ、所望の位置で異常の恐れがある画像データを検索することができる。
異常判断部311は、データベースサーバ10に格納された全部または一部の画像データを対象として異常判断ステップを行う。具体的には、ケーブル50の横揺れ(点検ロボット40の揺れ)の大きさが制限閾値以上であるときに取得されてスキップフラグが付与された画像データを除いて異常判断部311は異常の有無を判断してもよい。
ロボット操作装置30のパノラマ加工部314は、複数の画像データを元データとして、出力した際に一のパノラマ画像として視認可能な一または複数の加工画像データを生成する。そして、加工画像データと、当該加工画像データの元データである画像データとを対応付けたデータテーブルを作成し、当該加工画像データと当該データテーブルとをデータベースサーバ10に格納する(パノラマ加工ステップ:S303)。
図12は、評価情報付与ステップ(S302)で生成されるデータテーブルの概念を表す図である。
図12についても図10と同様に、概念を表すものであって、実際に処理されるデータテーブルはコンピュータ端末により情報処理可能な言語で構成されればよい。
ここで、画像データ格納アドレスとは、S302で評価情報を付与された画像データが格納されているデータベースサーバ10内の位置(アドレス)である。
評価情報とは、対応付けられた画像データの異常の有無を示す情報である。図12で図示した事例では、評価情報は「有」「無」の二値で示すことができる。
図13は、パノラマ加工ステップで生成されるテーブルの概念を表す図である。
図13についても図10と同様に、概念を表すものであって、実際に処理されるデータテーブルはコンピュータ端末により情報処理可能な言語で構成されればよい。
ここで、画像データ格納アドレスとは、パノラマ加工に使用した元データである画像データが格納されているデータベースサーバ10内の位置(アドレス)である。
加工処理IDとは、パノラマ加工を実行するごとに付与される識別番号である。シーケンスに付与されてもよいし、ランダムに付与されてもよいし、所定のアルゴリズムに従って付与されてもよい。
表示位置とは、同一のパノラマ加工で処理された(同一の加工処理IDに対応付けられた)複数の加工画像データを一のパノラマ画像として表示する際の位置を示す情報である。例えば、図13で図示される「15/20」とは、20枚の加工画像データからなる一のパノラマ画像を表示する際に、20箇所のうち15番目の位置に表示されることを意味している。
加工画像データ格納アドレスとは、パノラマ加工された加工画像データが格納されているデータベースサーバ10内の位置(アドレス)である。
<劣化診断支援システム100を利用したデータ解析方法>
図14は、本実施形態の劣化診断支援システム100を利用したデータ解析方法のフローチャートである。
ここでは、データベースサーバ10を活用して、画像データを解析する方法について説明する。
ロボット操作装置30は、操作者の操作に応じ、検索条件を設定する(検索条件設定ステップ:S401)。
ここで、検索条件の設定とは、例えば、操作受付部301を用いた検索キーの入力や閾値設定部313による閾値設定等が含まれてもよい。
この検索条件の設定方法については、キー入力であってもよいし、音声入力であってもよいし、表示画面上に表示された画像データ又は文字データをクリック又はタッチして入力してもよいし、これらの組合せであってもよい。
ロボット操作装置30は、操作者(ユーザ)の操作に応じ、少なくとも位置情報をキーとしてデータベースサーバ10に格納された複数の画像データ(劣化情報)の中から一部を検索する(検索ステップ:S402)。
S402にて検索された複数の画像データを、当該画像データごとに対応付けられた時系列情報に基づいて時系列に並べて、操作者が視認可能に出力する(出力ステップS403)。
図15は、出力ステップ(S403)でモニタに表示出力される画面の一例である。
ここで図示されるのは、例えば、S402で「基準位置:X橋A−B」、「試験日:2013年10月29日」「評価情報:有」をキーとして検索した結果を表示出力した画面である。
なお、検索キーとして使用した「基準位置:X橋A−B」、「試験日:2013年10月29日」「評価情報:有」といった項目は、画面上で重複表記となるため表示しなくてもよい。
ここで、操作者がID103の画像データに写されたひび割れの経年変化について調査したいと考えたら、検索条件を「基準位置:X橋A−B」「取得位置:305cm」「撮像角度:20°」と再設定することができる(S401)。
図16は、出力ステップ(S403)でモニタに表示出力される画面の一例である。
例えば、「基準位置:X橋A−B」「取得位置:305cm」「撮像角度:20°」をキーとして検索した結果を表示出力した画面である。
図示されるとおり、ID053は評価情報では「無」とされているものの、視認では小さなひび割れが目視できる。
操作者はこれを受けて、同一試験日の画像データの異常判断の閾値を変えて解析し直すこともできる。
ここで、図16では評価情報の「有」「無」を文字データとして表記する事例を図示したが、操作者が視認しやすい報知方法、例えば、画像データや文字データの色を変える等を組み合わせてもよい。
図17は、出力ステップ(S403)でモニタに表示出力される画面の一例である。より具体的には、画像ID201〜画像ID216の16枚の画像データをパノラマ加工して、16枚の加工画像データを生成し、これらをつなぎ合わせて一のパノラマ画像として表示出力した画面である。
本実施形態では、データベースサーバ10は、加工画像データと、当該加工画像データの元データである画像データとを一対一で対応付けて格納しており、元データの画像データIDを加工画像データが共有しているものとする。
ロボット操作装置30(出力制御部303)は、複数の加工画像データ(ID201〜ID216)を一のパノラマ画像として表示出力する。
ロボット操作装置30(データベース検索部306)は、操作受付部301によって受け付けた操作者(ユーザ)の操作に応じて、出力制御部303により表示出力された複数の加工画像データの一部を選択し、選択した当該加工画像データに画像データを介して対応付けられている位置情報をキーとして、当該位置情報に対応付けられている画像データを検索してもよい。
より具体的に言えば、パノラマ画像として表示出力されている加工画像データはそれぞれ、一対一で元データである画像データと対応付けられているので、ロボット操作装置30は、表示出力された加工画像データから、その元データの位置情報を割り出すことができる。
従って、操作者は表示出力されたパノラマ画像上でひび割れを視認して、当該ひび割れが写し出された加工画像データを選択した場合、ロボット操作装置30は当該加工画像データの位置(正確にはその元データに対応付けられた位置情報が示す位置)における画像データを時系列に並べて出力することができる。
例えば、ID206とID210に跨がって表示されるひび割れを確認するために、ID206とID210とを含むパノラマ画像を出力したとする。この場合に、操作者は当該パノラマ画像上にID216にもひび割れを写し出されていることを視認することができる。そして、操作者はID216のひび割れについても調査をするべく、当該画像データに関してデータベースサーバ10から検索することができる。
図17において、ID201〜ID216の加工画像データは、重複箇所なく、つなぎ合わせられているかのように図示したが、加工画像データどうしで重複箇所が発生してもよい。重複箇所が発生する場合、それを操作者が視認可能に図示してもよいし、図示しなくてもよい。
ここでは、パノラマ画像を出力することによって、確認したい画像データ(加工画像データ)と併せて周囲の画像データ(加工画像データ)を確認できる事例を説明したが、次のような方法によっても、周囲の画像データを確認することができる。
例えば、任意の位置情報と、当該位置情報が示す位置の近傍を示す位置情報とを対応付けてデータベースサーバ10に格納しておく。このようにデータベースを構築しておけば、仮に操作者が位置情報をキーとして検索したとき、当該位置情報に対応付けられた画像データと併せて、当該位置情報が示す位置の近傍を示す位置情報と対応付けられた画像データも表示出力することができる。
ここまで実施形態を示して本発明を説明したが、これらは一例である。また、本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が単一の構成要素として構成されていること、一つの構成要素が複数の構成要素に分割されて形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
また、上述した各種の構成要素は、必ずしも必須の構成要素ではなく、本発明の効果を阻害しない程度に省いても構わないし、同等に機能又は作用する他の構成要素に代えてもよい。
上述したように、クライアントPC20とロボット操作装置30とは、ネットワーク200を介してデータベースサーバ10にアクセス可能である点において共通である。従って、実施形態で説明したロボット操作装置30が有する機能のうち、データベースサーバ10にアクセスすることで実現可能となる機能はクライアントPC20で実現することも可能である。すなわち、クライアントPC20も、ロボット操作装置30と同様に、本実施形態のデータベース作成装置とすることができる。
例えば、ロボット操作装置30は図8等で説明した点検段階で用いる装置であり、クライアントPC20は図11等で説明したデータ整理、図14等で説明したデータ解析に用いる装置として使い分けてもよい。
本実施形態では、劣化診断に用いる劣化情報を取得してデータベースに格納し、蓄積された劣化情報を時系列に並べてユーザに視認させることについて説明した。しかし、一部の技術特徴は、必ずしも経時的に点検し、時系列での確認を要しない単発的な点検においても利用可能なものである。
例えば、本実施形態は以下の技術思想を包含する。
入力されたコマンドに応じて自走する情報取得装置により取得され、被検体である構造物の点検に用いる点検情報を格納するデータベース(例えば、データベースサーバ10)と、前記データベースに格納された前記点検情報を処理し、当該点検情報に含まれる異常の有無を判断する異常判断手段(例えば、異常判断部311)と、前記異常判断手段による判断結果を示す評価情報を生成し、当該点検情報に前記評価情報を付与する評価情報付与手段(例えば、評価情報付与部312)と、ユーザの操作の操作に応じ、少なくとも前記評価情報をキーとして前記データベースに格納された複数の前記点検情報の中から一部を検索する検索手段(例えば、データベース検索部306)と、前記検索手段により検索された前記点検情報を前記ユーザが視認可能に出力する出力手段(例えば、出力制御部303)と、を備える点検システム。
この点検システムにより、ユーザは評価情報をキーとして異常有りと推測される点検情報を、データベースから検索して目視で確認することができる。従って、膨大な点検情報を絞り込んで診断することができ、点検の負担を軽減しうる。
さらに、本実施形態は以下の技術思想を包含する。
被検体である構造物に沿って延在し、緊張状態で保持されるケーブルに装着され、前記ケーブルの長手方向に自走して点検情報を取得する点検装置(例えば、点検ロボット40)を用いた点検方法であって、前記ケーブルの長手方向に対して交差する方向に揺れる前記ケーブルの張力を増減し、前記ケーブルの固有振動数を調整することにより前記ケーブルの揺れを減衰させ、前記ケーブルの揺れが減衰された後に、前記点検装置により点検情報を取得する点検方法。
この点検方法により、張り渡されたケーブルを自走する点検装置を用いた点検において、当該ケーブルの横揺れを減衰させ、安定姿勢を確保した上で点検情報を取得することができる。
さらに、本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)入力されたコマンドに応じて自走する情報取得装置と、前記情報取得装置により取得され、被検体である構造物の劣化診断に用いる劣化情報を格納するデータベースと、を備える劣化診断支援システムであって、前記データベースは、前記情報取得装置により取得され前記劣化情報の前記構造物における位置を示す位置情報と、前記劣化情報を取得した時点を示す時系列情報と、を前記劣化情報ごとに対応付けて格納する劣化診断支援システム。
(2)ユーザの操作を受け付ける操作受付手段と、前記操作受付手段によって受け付けられた前記操作に応じ、少なくとも前記位置情報をキーとして前記データベースに格納された複数の前記劣化情報の中から一部を検索する検索手段と、前記検索手段により検索された複数の前記劣化情報を、当該劣化情報ごとに対応付けられた前記時系列情報に基づいて時系列に並べて、前記ユーザが視認可能に出力する出力手段と、を備える(1)に記載の劣化診断支援システム。
(3)前記情報取得装置は、任意に定めた基準位置から前記劣化情報を取得する位置まで自律的に移動した後に、前記劣化情報を取得する(1)または(2)に記載の劣化診断支援システム。
(4)前記情報取得装置は、前記構造物に沿って延在するケーブルに装着され、前記ケーブルの長手方向に移動する(1)から(3)のいずれか一項に記載の劣化診断支援システム。
(5)前記ケーブルは緊張状態で保持されており、前記ケーブルの張力を調整する張力調整手段を備える(4)に記載の劣化診断支援システム。
(6)前記ケーブルの長手方向に対して交差する方向への前記ケーブルの揺れを検知する検知手段を備え、前記張力調整手段は、前記検知手段による前記ケーブルの揺れの検知に応じて前記ケーブルの張力を増減し、前記ケーブルの固有振動数を調整することにより前記ケーブルの揺れを減衰させる(5)に記載の劣化診断支援システム。
(7)前記情報取得装置の加速度を測定する加速度測定手段を備え、前記検知手段は、前記加速度測定手段により測定された前記加速度から前記情報取得装置の走行方向に対して直交する方向への加速度を抽出し、抽出された当該加速度に基づいて前記ケーブルの揺れを検知する(6)に記載の劣化診断支援システム。
(8)前記データベースに格納された前記劣化情報を処理し、当該劣化情報に含まれる異常の有無を判断する異常判断手段と、前記異常判断手段による判断結果を示す評価情報を生成し、当該劣化情報に前記評価情報を付与する評価情報付与手段と、を備え、前記データベースは、前記評価情報を付与された前記劣化情報を格納し、前記検索手段は、前記位置情報と前記評価情報とをキーとして前記データベースから前記劣化情報を検索する(2)または(2)に従属する(3)から(7)のいずれか一項に記載の劣化診断支援システム。
(9)前記情報取得装置は、任意の基準位置から、前記検索手段により検索された前記位置情報が示す位置まで移動した後に、前記劣化情報を取得する(8)に記載の劣化診断支援システム。
(10)前記異常判断手段は、前記劣化情報を処理して算出される劣化度合いを示す値と第一閾値とを比較して前記異常の有無を判断し、前記第一閾値は、任意に設定可能である(8)または(9)に記載の劣化診断支援システム。
(11)前記異常判断手段は、判断対象となる前記劣化情報と、当該劣化情報に対応付けられた前記位置情報をキーとして前記検索手段により検索された前記劣化情報とを比較して変化度合いを示す値を算出し、算出された前記変化度合いを示す値が第二閾値より大きいか否かで前記異常の有無を判断し、前記第二閾値は、任意に設定可能である(8)から(10)いずれかに記載の劣化診断支援システム。
(12)前記劣化情報は、画像データまたは音響データの少なくとも一方である(2)または(2)に従属する(3)から(11)のいずれか一項に記載の劣化診断支援システム。
(13)複数の前記画像データを元データとして、前記出力手段から出力した際に一のパノラマ画像として視認可能な一または複数の加工画像データを生成するパノラマ加工手段を備え、前記データベースは、前記加工画像データと、当該加工画像データの元データである前記画像データとを対応付けて格納する(12)に記載の劣化診断支援システム。
(14)前記データベースは、前記加工画像データと、当該加工画像データの元データである前記画像データとを一対一で対応付けて格納し、前記出力手段は、複数の前記加工画像データを前記一のパノラマ画像として表示出力し、前記検索手段は、前記操作受付手段によって受け付けた前記ユーザの操作に応じて、前記出力手段により表示出力された複数の前記加工画像データの一部を選択し、選択した当該加工画像データに前記画像データを介して対応付けられている前記位置情報をキーとして、当該位置情報に対応付けられている前記画像データを検索する(13)に記載の劣化診断支援システム。
(15)入力されたコマンドに応じて自走する情報取得装置により取得され、被検体である構造物の劣化診断に用いる劣化情報を格納するデータベースであって、前記データベースは、前記情報取得装置により取得され前記劣化情報の前記構造物における位置を示す位置情報と、前記劣化情報を取得した時点を示す時系列情報と、を前記劣化情報ごとに対応付けて格納するデータベース。
(16)前記劣化情報は、当該劣化情報に含まれる異常の有無を示す評価情報を付与している(15)に記載のデータベース。
(17)前記劣化情報は、画像データまたは音響データの少なくとも一方である(16)に記載のデータベース。
(18)入力されたコマンドに応じて自走する情報取得装置により取得され被検体である構造物の劣化診断に用いる劣化情報ごとに、前記情報取得装置により取得され当該劣化情報の前記構造物における位置を示す位置情報と、当該劣化情報を取得した時点を示す時系列情報と、を対応付けたデータベースを作成するデータベース作成装置。
(19)入力されたコマンドに応じて自走する情報取得装置により、被検体である構造物の劣化診断に用いる劣化情報を取得する劣化情報取得ステップと、前記劣化情報取得ステップにて取得された当該劣化情報の前記構造物における位置を示す位置情報と、当該劣化情報を取得した時点を示す時系列情報と、を前記劣化情報ごとに対応付けてデータベースに格納する格納ステップと、を含む劣化診断支援方法。
(20)ユーザの操作に応じ、少なくとも前記位置情報をキーとして前記データベースに格納された複数の前記劣化情報の中から一部を検索する検索ステップと、前記検索ステップにて検索された複数の前記劣化情報を、当該劣化情報ごとに対応付けられた前記時系列情報に基づいて時系列に並べて、前記ユーザが視認可能に出力する出力ステップと、を含む(19)に記載の劣化診断支援方法。
(21)前記データベースに格納された前記劣化情報を処理し、当該劣化情報に含まれる異常の有無を判断する異常判断ステップと、前記異常判断ステップにおける判断結果を示す評価情報を生成し、当該劣化情報に前記評価情報を付与し、前記評価情報を付与された前記劣化情報を前記データベースに格納する評価情報付与ステップと、を含み、前記検索ステップにて、前記位置情報と前記評価情報とをキーとして前記データベースから前記劣化情報を検索する(20)に記載の劣化診断支援方法。
(22)前記構造物に沿って延在し、緊張状態で保持されるケーブルに装着されている前記情報取得装置が、前記ケーブルの長手方向に移動する前記情報取得装置を用いた劣化診断支援方法であって、前記ケーブルの長手方向に対して交差する方向に揺れる前記ケーブルの張力を増減し、前記ケーブルの固有振動数を調整することにより前記ケーブルの揺れを減衰させ、前記ケーブルの揺れが減衰された後に、前記情報取得ステップが行われる(19)から(21)のいずれか一項に記載の劣化診断支援方法。
(i)前記評価情報は、前記劣化情報を処理して算出される劣化度合いを示す値と第一閾値との比較を含む処理によって生成され、前記第一閾値は、任意に設定可能である(16)に記載のデータベース。
(ii)前記評価情報は、判断対象となる前記劣化情報と、当該劣化情報に対応付けられた前記位置情報をキーとして検索された前記劣化情報とを比較して変化度合いを示す値を算出し、算出された前記変化度合いを示す値が第二閾値より大きいか否かの判断を含む処理で生成され、前記第二閾値は、任意に設定可能である(16)または(i)に記載のデータベース。
(iii)複数の前記画像データを元データとして生成され、出力した際に一のパノラマ画像として視認可能な一または複数の加工画像データと、当該加工画像データの元データである前記画像データとを対応付けて格納する(17)に記載のデータベース。
(iv)前記加工画像データと、当該加工画像データの元データである前記画像データとを一対一で対応付けて格納する(iii)に記載のデータベース。
さらに、本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(v)前記情報取得装置の加速度を測定する加速度測定手段と、前記加速度測定手段により測定された前記加速度から前記情報取得装置の走行方向と直交する方向への加速度を抽出し、抽出された当該加速度に基づいて前記情報取得装置の揺れを検知する検知手段と、を備える(1)から(3)のいずれか一項に記載の劣化診断支援システム。
(vi)前記検知手段が検知した前記揺れの大きさが所定以上であるときに前記情報取得装置が前記劣化情報を取得することを制限する取得制限手段を備える(7)または(v)に記載の劣化診断支援システム。
(vii)前記データベースに格納された前記劣化情報を処理し、当該劣化情報に含まれる異常の有無を判断する異常判断手段を備え、前記異常判断手段は、前記検知手段が検知した前記揺れの大きさが所定以上であるときに取得された前記劣化情報を除いて前記異常の有無を判断する(7)、(v)または(vi)のいずれか一項に記載の劣化診断支援システム。
(viii)走行方向と直交する方向への前記情報取得装置の加速度に基づいて前記情報取得装置の揺れを検知し、検知された前記揺れの大きさが所定以上であるとき、前記劣化情報取得ステップにて前記劣化情報を取得することを制限する(19)から(22)のいずれか一項に記載の劣化診断支援方法。
(ix)走行方向と直交する方向への前記情報取得装置の加速度に基づいて前記情報取得装置の揺れを検知し、検知された前記揺れの大きさが所定以上であるときにおこなわれた前記劣化情報取得ステップで取得された前記劣化情報を、前記格納ステップにて前記データベースに格納することを制限する(19)から(22)または(viii)のいずれか一項に記載の劣化診断支援方法。
100:劣化診断支援システム、200:ネットワーク、10:データベースサーバ、20:クライアントPC、30:ロボット操作装置、32:入力IF、34:モニタ、36:スピーカ、38:通信IF、40:点検ロボット、42:本体部、44:制振台、46:カメラ、48:ケーブル把持部、50:ケーブル、52:固定端、60:ケーブル牽引装置、70:橋梁、80:建造物、91:支柱、92:支柱、93:滑車、94:支柱、95:滑車、96:地面、300:制御装置、301:操作受付部、302:通信制御部、303:出力制御部、304:コマンド生成部、305:データベース格納部、306:データベース検索部、310:劣化情報解析部、311:異常判断部、312:評価情報付与部、313:閾値設定部、314:パノラマ加工部、340:画像制御回路、350:メモリ、360:音声制御回路、370:CPU、380:通信制御回路、401:コマンド受付部、402:移動制御部、403:撮像制御部、404:通信制御部、405:加速度センサ、406:データ格納部、407:取得情報送信部、408:位置情報取得部、409:検知部、601:牽引部、602:牽引制御部、603:通信制御部、604:張力計測部

Claims (21)

  1. 入力されたコマンドに応じて自走する情報取得装置と、
    前記情報取得装置により取得され、被検体である構造物の劣化診断に用いる劣化情報を格納するデータベースと、を備える劣化診断支援システムであって、
    前記データベースは、前記情報取得装置により取得され前記劣化情報の前記構造物における位置を示す位置情報と、前記劣化情報を取得した時点を示す時系列情報と、を前記劣化情報ごとに対応付けて格納し、
    ユーザの操作を受け付ける操作受付手段と、
    前記操作受付手段によって受け付けられた前記操作に応じ、前記データベースに格納された複数の前記劣化情報の中から一部を検索する検索手段と、を更に備え、
    前記情報取得装置は、前記検索手段により検索された前記劣化情報に対応付けられた前記位置情報に基づいて生成された前記コマンドに応じて、任意に定めた基準位置から前記位置情報が示す位置まで自律的に移動した後に、前記劣化情報を取得する劣化診断支援システム。
  2. 前記検索手段により検索された複数の前記劣化情報を、当該劣化情報ごとに対応付けられた前記時系列情報に基づいて時系列に並べて、前記ユーザが視認可能に出力する出力手段を備える請求項1に記載の劣化診断支援システム。
  3. 前記データベースに格納された前記劣化情報を処理し、当該劣化情報に含まれる異常の有無を判断する異常判断手段と、
    前記異常判断手段による判断結果を示す評価情報を生成し、当該劣化情報に前記評価情報を付与する評価情報付与手段と、を備え、
    前記データベースは、前記評価情報を付与された前記劣化情報を格納し、
    前記検索手段は前記データベースから前記評価情報を付与された前記劣化情報を検索し、
    前記情報取得装置は、前記検索手段により検索されて前記評価情報が付与された前記劣化情報に対応付けられた前記位置情報に基づいて生成された前記コマンドに応じて、任意に定めた基準位置から前記位置情報が示す位置まで自律的に移動した後に、前記劣化情報を取得する請求項1または2に記載の劣化診断支援システム。
  4. 前記情報取得装置は、前記構造物に沿って延在するケーブルに装着され、前記ケーブルの長手方向に移動する請求項1から3のいずれか一項に記載の劣化診断支援システム。
  5. 前記ケーブルは緊張状態で保持されており、
    前記ケーブルの張力を調整する張力調整手段を備える請求項4に記載の劣化診断支援システム。
  6. 前記ケーブルの長手方向に対して交差する方向への前記ケーブルの揺れを検知する検知手段を備え、
    前記張力調整手段は、前記検知手段による前記ケーブルの揺れの検知に応じて前記ケーブルの張力を増減し、前記ケーブルの固有振動数を調整することにより前記ケーブルの揺れを減衰させる請求項5に記載の劣化診断支援システム。
  7. 前記情報取得装置の加速度を測定する加速度測定手段を備え、
    前記検知手段は、前記加速度測定手段により測定された前記加速度から前記情報取得装置の走行方向と直交する方向への加速度を抽出し、抽出された当該加速度に基づいて前記ケーブルの揺れを検知する請求項6に記載の劣化診断支援システム。
  8. 前記情報取得装置の加速度を測定する加速度測定手段と、
    前記加速度測定手段により測定された前記加速度から前記情報取得装置が走行する前記構造物の面に対する少なくとも上下方向への加速度を抽出し、抽出された当該加速度に基づいて前記情報取得装置の揺れを検知する検知手段と、を備える請求項1から3のいずれか一項に記載の劣化診断支援システム。
  9. 前記検知手段が検知した前記揺れの大きさが所定以上であるときに前記情報取得装置が前記劣化情報を取得することを制限する取得制限手段を備える請求項7または8に記載の劣化診断支援システム。
  10. 前記データベースに格納された前記劣化情報を処理し、当該劣化情報に含まれる異常の有無を判断する異常判断手段を備え、
    前記異常判断手段は、前記検知手段が検知した前記揺れの大きさが所定以上であるときに取得された前記劣化情報を除いて前記異常の有無を判断する請求項7から9のいずれか一項に記載の劣化診断支援システム。
  11. 前記異常判断手段は、前記劣化情報を処理して算出される劣化度合いを示す値と第一閾値とを比較して前記異常の有無を判断し、
    前記第一閾値は、任意に設定可能である請求項に記載の劣化診断支援システム。
  12. 前記異常判断手段は、判断対象となる前記劣化情報と、当該劣化情報に対応付けられた前記位置情報をキーとして前記検索手段により検索された前記劣化情報とを比較して変化度合いを示す値を算出し、算出された前記変化度合いを示す値が第二閾値より大きいか否かで前記異常の有無を判断し、
    前記第二閾値は、任意に設定可能である請求項3または11に記載の劣化診断支援システム。
  13. 前記劣化情報は、画像データまたは音響データの少なくとも一方である請求項2または請求項2に従属する請求項3から10のいずれか一項に記載の劣化診断支援システム。
  14. 複数の前記画像データを元データとして、前記出力手段から出力した際に一のパノラマ画像として視認可能な一または複数の加工画像データを生成するパノラマ加工手段を備え、
    前記データベースは、前記加工画像データと、当該加工画像データの元データである前記画像データとを対応付けて格納する請求項13に記載の劣化診断支援システム。
  15. 前記データベースは、前記加工画像データと、当該加工画像データの元データである前記画像データとを一対一で対応付けて格納し、
    前記出力手段は、複数の前記加工画像データを前記一のパノラマ画像として表示出力し、
    前記検索手段は、前記操作受付手段によって受け付けた前記ユーザの操作に応じて、前記出力手段により表示出力された複数の前記加工画像データの一部を選択し、選択した当該加工画像データに前記画像データを介して対応付けられている前記位置情報をキーとして、当該位置情報に対応付けられている前記画像データを検索する請求項14に記載の劣化診断支援システム。
  16. 入力されたコマンドに応じて自走する情報取得装置により、被検体である構造物の劣化診断に用いる劣化情報を取得する劣化情報取得ステップと、
    前記劣化情報取得ステップにて取得された当該劣化情報の前記構造物における位置を示す位置情報と、当該劣化情報を取得した時点を示す時系列情報と、を前記劣化情報ごとに対応付けてデータベースに格納する格納ステップと、
    ユーザの操作に応じ、少なくとも前記位置情報をキーとして前記データベースに格納された複数の前記劣化情報の中から一部を検索する検索ステップと、を含む劣化診断支援方法であって、
    前記情報取得装置が、前記検索ステップで検索された前記劣化情報に対応付けられた前記位置情報に基づいて生成された前記コマンドに応じて、任意に定めた基準位置から前記位置情報が示す位置まで自律的に移動した後に、前記劣化情報を取得することを特徴とする劣化診断支援方法
  17. 前記検索ステップにて検索された複数の前記劣化情報を、当該劣化情報ごとに対応付けられた前記時系列情報に基づいて時系列に並べて、前記ユーザが視認可能に出力する出力ステップと、を含む請求項16に記載の劣化診断支援方法。
  18. 前記データベースに格納された前記劣化情報を処理し、当該劣化情報に含まれる異常の有無を判断する異常判断ステップと、
    前記異常判断ステップにおける判断結果を示す評価情報を生成し、当該劣化情報に前記評価情報を付与し、前記評価情報を付与された前記劣化情報を前記データベースに格納する評価情報付与ステップと、を含み、
    前記検索ステップにて、前記位置情報と前記評価情報とをキーとして前記データベースから前記劣化情報を検索し、
    前記情報取得装置が、前記検索ステップで検索されて前記評価情報が付与された前記劣化情報に対応付けられた前記位置情報に基づいて生成された前記コマンドに応じて、任意に定めた基準位置から前記位置情報が示す位置まで自律的に移動した後に、前記劣化情報を取得する請求項16または17に記載の劣化診断支援方法。
  19. 前記構造物に沿って延在し、緊張状態で保持されるケーブルに装着されている前記情報取得装置が、前記ケーブルの長手方向に移動する前記情報取得装置を用いた劣化診断支援方法であって、
    前記ケーブルの長手方向に対して交差する方向に揺れる前記ケーブルの張力を増減し、前記ケーブルの固有振動数を調整することにより前記ケーブルの揺れを減衰させ、前記ケーブルの揺れが減衰された後に、
    前記劣化情報取得ステップが行われる請求項16から18のいずれか一項に記載の劣化診断支援方法。
  20. 走行方向と直交する方向への前記情報取得装置の加速度に基づいて前記情報取得装置の揺れを検知し、
    検知された前記揺れの大きさが所定以上であるとき、前記劣化情報取得ステップにて前記劣化情報を取得することを制限する請求項16から19のいずれか一項に記載の劣化診断支援方法。
  21. 走行方向と直交する方向への前記情報取得装置の加速度に基づいて前記情報取得装置の揺れを検知し、
    検知された前記揺れの大きさが所定以上であるときにおこなわれた前記劣化情報取得ステップで取得された前記劣化情報を、前記格納ステップにて前記データベースに格納することを制限する請求項16から20のいずれか一項に記載の劣化診断支援方法。
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