JP6422676B2 - 透明導電性フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、指やスタイラスペン等の接触によって情報を入力することが可能な入力表示装置等に適用される透明導電性フィルムに関する。
従来、ポリエチレンテレフタレートフィルムと、インジウムスズ酸化物層との間に、無機ケイ素化合物層(例えば、SiO層)を有する透明導電性フィルムが知られている。(特許文献1)。このような透明導電性フィルムは、無機ケイ素酸化物層が、インジウム−スズ酸化物層の特性を低下させる要因である、ポリエチレンテレフタレートフィルムからの水分などの揮発成分の発生を抑制することが可能であるため、比抵抗が小さいという特徴を有する。
特開2010−184478号公報
近年、入力表示装置等に搭載されるタッチパネルの大型化に伴って、透明導電性フィルムの比抵抗を更に小さくすることが求められている。しかしながら、上記従来の透明導電性フィルムの比抵抗は、5.0×10−4Ω・cm程度であり、大型タッチパネルの透明電極として使用するのに十分な値とは言えない。加えて、大型タッチパネル用の透明導電性フィルムにおいても、本来の特性としての良好な透明性を具備する必要があり、また、製造工程中にフィルム基材が可撓し易くなって取扱いが煩雑となる場合があることから、良好な取扱性を実現することが求められている。
本発明の目的は、透明性及び取扱性が良好で、且つ比抵抗がより小さい透明導電性フィルムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の透明導電性フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルム、硬化層、無機ケイ素酸化物層及びインジウム−スズ酸化物層を少なくともこの順に有する透明導電性フィルムであって、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚みが40μm〜130μmであり、前記硬化層は、該硬化層内に複数の無機粒子を備え、前記硬化層の厚みと前記無機ケイ素酸化物層との厚みの合計が、300nm以上3000nm未満であり、前記無機ケイ素酸化物層の厚みは15nmを超え、前記インジウム−スズ酸化物層は、その厚みが15nm以上50nm以下であり、且つその表面の中心線平均粗さRaが0.1nm以上2nm未満であり、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムと前記硬化層との間に易接着層が形成されることを特徴とする。
好ましくは、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚みが、70μm〜130μmである。
また好ましくは、前記硬化層における複数の無機粒子の占有体積率が、15%〜70%である。
また、BET法によって算出される前記複数の無機粒子の平均粒径が、5nm〜50nmであるのが好ましい。
また、好ましくは、前記硬化層の厚みと前記無機ケイ素酸化物層との厚みの合計が、400nm以上800nm以下である。
また、好ましくは、前記無機ケイ素酸化物層の厚みが、20nm〜40nmである。
更に、前記インジウム−スズ酸化物層は、多結晶層であり、その厚みが20nmを超え40nm以下であり、且つその表面の中心線平均粗さRaが0.1nm以上1nm未満であるのが好ましい。
また、前記インジウム−スズ酸化物層は、その厚さ方向に酸化スズの濃度勾配を有し、前記厚さ方向における酸化スズ濃度の最小値が、1重量%〜4重量%であるのが好ましい。
また、比抵抗が3.7×10−4Ω・cm以下であり、且つ全光線透過率が90%以上である透明導電性フィルムが提供される。
なお、本発明の透明導電性フィルムは、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の主面上に前記硬化層が形成され、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの他方の主面上に、他の硬化層が形成されてもよい。
本発明によれば、基材であるポリエチレンテレフタレートフィルムが、40μm〜130μmの範囲の値を有するので、透明導電性フィルムに適度な剛性が付与され、製造工程での取扱性が良好となる。また、ポリエチレンテレフタレートフィルムとインジウム−スズ酸化物層との間に、無機粒子を有する硬化層と、無機ケイ素酸化物層とを設け、且つ硬化層と無機ケイ素酸化物層との厚みの合計が300nm以上3000nm未満の範囲の値を有し、更に無機ケイ素酸化物層の厚みを15nm超えとすることで、製造工程におけるポリエチレンテレフタレートフィルムからの水分の発生が十分に抑制されるため、良好な透明性を実現しながら、比抵抗を小さくすることができる。更に、インジウム−スズ酸化物層の厚みが15nm以上50nm以下であり、且つその表面の中心線平均粗さRaが0.1nm以上2nm未満であり、ポリエチレンテレフタレートフィルムと硬化層との間に易接着層が形成されるので、高い光透過率を実現できると共に、表面が平滑なインジウム−スズ酸化物層を有することにより、より小さい比抵抗を実現することができる。
本発明の実施形態に係る透明導電性フィルムの構成を概略的に示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る透明導電性フィルムの構成を概略的に示す断面図である。尚、図1における各構成の厚みは、その一例を示すものであり、本発明の透明導電性フィルムにおける各構成の寸法は、図1のものに限られないものとする。
図1に示すように、本発明の透明導電性フィルム1は、基材としてのポリエチレンテレフタレートフィルム2と、該フィルムの一方の主面上に形成された硬化層3と、該硬化層のポリエチレンテレフタレートフィルム2とは反対側の面に形成された無機ケイ素酸化物層4と、該無機ケイ素酸化物層の硬化層3とは反対側の面に形成されたインジウムスズ酸化物層とを有する。すなわち透明導電性フィルム1は、ポリエチレンテレフタレートフィルム2、硬化層3、無機ケイ素酸化物層4及びインジウム−スズ酸化物層5を少なくともこの順に有する積層構造体である。硬化層3は、樹脂からなるベース層3aと、該ベース層に含有された複数の無機粒子3bとで構成されている。
透明導電性フィルム1の比抵抗は、3.7×10−4Ω・cm以下であり、好ましくは2×10−4Ω・cm〜3.7×10−4Ω・cm以下、特に好ましくは2×10−4Ω・cm〜3.5×10−4Ω・cmである。また、透明導電性フィルム1の全光線透過率は、90%以上であり、好ましくは91%以上である。
透明導電性フィルム1は、少なくとも上記構成要素を有していればその構成に制限は無く、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム2の他方の主面上(硬化層3が形成されていない側の面)に他の硬化層が積層されてもよい。また、ポリエチレンテレフタレートフィルムと硬化層との間に、接着力を高めるような易接着層が積層されてもよい。
次に、透明導電性フィルム1の各構成要素の詳細を以下に説明する。
(1)ポリエチレンテレフタレートフィルム
本発明に用いられるポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)フィルムの厚みは、40μm〜130μmであり、好ましくは70μm〜130μmである。上記範囲内の厚みを有するポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることによって、透明導電性フィルムに適度な剛性が付与され、基材であるポリエチレンテレフタレートフィルムが可撓し難くなり、製造時の搬送・成膜等における取扱性が良好となる。特に、大型の透明導電性フィルムを製造する場合、その厚みに対する面積の割合が大きく、フィルム自体に掛かる重力等の影響によってフィルムがより可撓し易くなるが、ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚みを本発明における範囲内の値とすることにより、ポリエチレンテレフタレートフィルムが従来よりも可撓し難くなり、製造工程中の取扱性が格段に向上する。
上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの150℃で30分間加熱した場合の収縮率の絶対値は、当該フィルムの長手方向(MD方向)及び幅方向(TD方向)共に、好ましくは1%以下であり、より好ましくは0.7%以下である。
上記ポリエチレンテレフタレートフィルムは、市販の一般工業用のものをそのまま、或いは前処理として加熱処理を行い、収縮率を調整して用いることができる。市販のポリエチレンテレフタレートフィルムは、例えば、三菱樹脂社や東レ社から入手することができる。
(2)硬化層
本発明の硬化層は、該硬化層内に無数の無機粒子を有するものであり、代表的には、硬化樹脂により、複数の無機粒子が層状に固定されたものである。
上記硬化層における無機粒子の占有体積率は、ポリエチレンテレフタレートフィルム中から発生する水分を抑制し、且つ屈折率を調整して光透過率を高くする観点から、無機粒子の含有量を高めることが好ましい。硬化層のうち、硬化樹脂を構成する炭素原子の存在率を1とした場合、無機粒子を構成する無機原子の比率は、好ましくは0.15〜0.80であり、更に好ましくは0.25〜0.70である。なお、炭素原子及び無機原子の含有量は、それぞれX線光電子分光法(ESCA : Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)にて厚み方向のプロファイルを分析することで特定できる。また、上記硬化層における複数の無機粒子の占有体積率は、上記水分抑制と屈折率調整の観点から、好ましくは15%〜70%である。
上記硬化樹脂は、透明性に優れるものが好ましく、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、又はこれらの混合物である。
上記硬化樹脂に含有される無機粒子は、平均粒径が小さく、分散性に優れるのが好ましく、例えば、酸化ジルコニウム(Zirconium Oxide)、酸化アルミニウム(Aluminum Oxide)、酸化セリウム(Cerium Oxide)、酸化チタン(Titanium Oxide)、酸化亜鉛(Zinc Oxide)、二酸化ケイ素(Silicon dioxide)、又はこれらの混合物である。この無機粒子は、硬化樹脂への分散性が良好で、硬化層の屈折率を高くできる点で、特に好ましくは酸化ジルコニウムである。
無機粒子の平均粒径は、BET(Brunauer - Emmett - Teller equation)法による比表面積データから算出される値が、好ましくは5nm〜50nmであり、より好ましくは10nm〜30nmである。
このように構成される硬化層は、例えば、複数の無機粒子と硬化樹脂とを混合した液体を、ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に均一に塗布し、硬化樹脂を必要な条件で硬化させることで形成することができる。
(3)無機ケイ素酸化物層
本発明の無機ケイ素酸化物層は、代表的には、一酸化ケイ素層(SiO)、二酸化ケイ素層(SiO)、亜酸化ケイ素層(SiO:xは1以上2未満)、又はこれらの積層体である。
上記無機ケイ素酸化物層の厚み(d)は、ポリエチレンテレフタレートフィルム中から発生する水分などの揮発成分を遮断する観点から、15nmを超える必要があり、好ましくは18nm〜50nmであり、より好ましくは20nm〜40nmである。また、上記硬化層の厚み(d)と上記無機ケイ素酸化物の厚み(d)との合計(d+d)は、300nm以上3000nm未満である必要があり、好ましくは400nm以上2000nm未満であり、より好ましくは400nm以上1000nm未満であり、特に好ましくは400nm以上800nm以下である。上記硬化層と無機ケイ素酸化物層の厚みの合計(d+d)を上記範囲の値とすることにより、ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚みが40μm以上、更には70μm以上と分厚くても、内部から発生する水蒸気などの揮発成分を効果的に抑制することができ、且つ、高い透明性を維持することができる。
上記無機ケイ素酸化物層は、例えば、上記硬化物層上に、スパッタリング法により、無機ケイ素酸化物を堆積させることにより形成することができる。
(4)インジウム−スズ酸化物層
本発明に用いられるインジウム−スズ酸化物(Indium Tin Oxide)は、酸化インジウム(In)にスズ(Sn)がドープされた化合物である。酸化インジウムに酸化スズ(SnO)を添加すると、3価のインジウムの格子の一部に4価のスズが置換され、その際に余剰電子が生成するため電気伝導性が発現する。
上記インジウム−スズ酸化物層は、比抵抗を小さくするために、熱エネルギーを与えて結晶化させ、多結晶層とすることが好ましい。上記インジウム−スズ酸化物層の厚みは、光透過率を高くするために、15nm以上50nm以下であり、好ましくは20nmを超え50nm以下であり、更に好ましくは20nmを超え40nm以下である。
上記インジウム−スズ酸化物層の表面の中心線平均粗さRaは、比抵抗が小さい透明導電性フィルムを得るために、0.1nm以上2nm未満である必要があり、好ましくは0.1nm以上1.5nm以下であり、更に好ましくは0.2nm以上1nm以下である。この中心線平均粗さRaは、硬化層の表面が平滑になるように精密に塗布し、更にインジウム−スズ酸化物層をスパッタリング法で形成する場合には、スパッタの放電によって表面が荒れないように、放電出力を調整することによって達成することができる。
上記インジウム−スズ酸化物層は、該層内において、酸化スズ濃度の最大値が、好ましくは4重量%を超え11重量%以下であり、より好ましくは6重量%〜11重量%である。上記インジウム−スズ酸化物層は、層内において均一な酸化スズ濃度を有していてもよいし、酸化スズの濃度勾配を有していてもよい。
上記インジウム−スズ酸化物層が酸化スズの濃度勾配を有する場合、当該層の厚さ方向における酸化スズ濃度の最小値は、好ましくは1重量%〜4重量%である。このような構成では、酸化スズ濃度の小さい領域が、酸化スズ濃度の大きい領域の結晶化を促進するので、結晶性が良好である。なお、厚さ方向における酸化スズ濃度は、X線光電子分光法(ESCA : Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)の深さ分析により求めることができる。
上記インジウム−スズ酸化物層は、例えば、上記無機ケイ素酸化物層上に、所定電源を用いたスパッタリング法により、インジウム−スズ酸化物を堆積させることにより形成することができる。
上述したように、本実施形態によれば、ポリエチレンテレフタレートフィルム2が、40μm〜130μmの範囲の値を有するので、透明導電性フィルム1に適度な剛性が付与され、製造工程での取扱性が良好となる。また、ポリエチレンテレフタレートフィルム2とインジウム−スズ酸化物層5との間に、無機粒子3bを有する硬化層3と、無機ケイ素酸化物層4とを設け、且つ硬化層3と無機ケイ素酸化物層4との厚みの合計が300nm以上3000nm未満の範囲の値を有し、更に無機ケイ素酸化物層4の厚みを15nm超えとすることで、スパッタリング時におけるポリエチレンテレフタレートフィルム2からの水分の発生が十分に抑制されるため、良好な透明性を実現しながら、比抵抗を小さくすることができる。更に、インジウム−スズ酸化物層5の厚さが15nm以上50nm以下であり、且つその表面の中心線平均粗さRaが0.1nm以上2nm未満であるので、高い光透過率を実現できると共に、表面が平滑なインジウム−スズ酸化物層5を有することにより、より小さい比抵抗を実現することができる。
以上、本実施形態に係る透明導電性フィルムについて述べたが、本発明は記述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
以下、本発明の実施例を説明する。
[実施例1]
厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製、商品名「ダイヤホイル」)の一方の面に、平均粒径が20nmである酸化ジルコニウム粒子とアクリル樹脂とを含む紫外線硬化性樹脂を塗布し、紫外線照射により硬化させて、厚み500nmの硬化層を形成した。
次に、交流中周波(AC/MF)電源を用いて、酸素雰囲気下でSiターゲットをスパッタリングすることにより、上記硬化層の表面にSiO(x=1.5)とSiO層とを積層し、厚み25nmの無機ケイ素酸化物層を形成した。
次に、直流(DC)電源を用いて、酸素雰囲気下で、酸化インジウムと酸化スズを90:10の重量比で有するターゲットをスパッタリングすることにより、上記無機ケイ素酸化物層の表面に、厚み24nmの非晶質のインジウム−スズ酸化物層を形成した。上記インジウム−スズ酸化物層は、常圧で140℃、60分間で加熱処理を行い、非晶質から結晶質に転化させた。
このように作製した透明導電性フィルムの特性を表1に示す。
[実施例2]
硬化層の厚みを650nmとし、無機ケイ素酸化物層の厚みを18nmとしたこと以外は、実施例1と同様の方法で透明導電性フィルムを作製した。得られた透明導電性フィルムの特性を表1に示す。
[実施例3]
硬化層の厚みを480nmとし、無機ケイ素酸化物層の厚みを20nmとしたこと以外は、実施例1と同様の方法で透明導電性フィルムを作製した。得られた透明導電性フィルムの特性を表1に示す。
[比較例1]
硬化層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で透明導電性フィルムを作製した。得られた透明導電性フィルムの特性を表1に示す。
[比較例2]
無機ケイ素酸化物層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で透明導電性フィルムを作製した。得られた透明導電性フィルムの特性を表1に示す。なお、比較例2のインジウム−スズ酸化物層において、140℃、60加熱処理では、非晶質のインジウム−スズ酸化物が、結晶質のインジウム−スズ酸化物に転化しなかった。
次に、上記のように作製した実施例1〜3および比較例1〜2の透明導電性フィルムを、下記の方法にて測定・評価した。
(1)各構成の厚み
硬化層の厚み(d)および無機ケイ素酸化物層の厚み(d)は、透過型電子顕微鏡(日立製作所製、装置名「H−7650」)により断面観察して測定し、厚み合計(d+d)は、上記で測定された厚みd,dを合算することにより求めた。フィルム基材の厚みは、膜厚計(尾崎製作所(Peacock(登録商標))社製、装置名「デジタルダイアルゲージ DG−205」)を用いて測定した。
(2)中心線平均粗さRa
インジウム−スズ酸化物層の表面を、走査型プローブ顕微鏡(セイコーインスツルメンツ社製、装置名「Scanning Probe Microscope SPI3800」を用いて、コンタクトモード、Si製短針(ばね定数0.09N/m)、スキャンサイズ1μm□、の条件下で測定した。
(3)比抵抗
JIS K7194に準じて、4端子法を用いて表面抵抗値を測定し、これに膜厚(cm換算)を乗じた値を比抵抗とした。
(4)光透過率
ヘーズメーター(スガ試験機社製、装置名「HGM−2DP)を用いて、全光線透過率を測定した。
(5)結晶質の評価
透過型電子顕微鏡(日立製作所社製、装置名「H−7650」)を用いて平面TEM監察を行い、結晶粒が250〜500個程度に見えるように倍率を調整し、結晶粒が全面に存在する状態の場合、結晶質であると判定した。
上記(1)〜(5)の方法にて、実施例1〜3および比較例1〜2の透明導電性フィルムを測定・評価した結果を、表1に示す。
Figure 0006422676

表1に示すように、実施例1において、硬化層の厚み(d)が500nm、無機ケイ素酸化物層の厚み(d)が25nm、厚み合計(d+d)が525nm、インジウム−スズ酸化物層表面の中心線平均粗さRaが0.8であり、この場合、透明導電性フィルムの比抵抗が3.2×10−4Ω・cmと小さくなり、また、全光線透過率が91%となり、高い光透過率を示した。
実施例2では、硬化層の厚み(d)が650nm、無機ケイ素酸化物層の厚み(d)が18nm、厚み合計(d+d)が668nm、インジウム−スズ酸化物層表面の中心線平均粗さRaが0.8であり、この場合、実施例1と同様、透明導電性フィルムの比抵抗が3.2×10−4Ω・cmと小さくなり、また、全光線透過率が91%となり、高い光透過率を示した。
実施例3では、硬化層の厚み(d)が480nm、無機ケイ素酸化物層の厚み(d)が20nm、厚み合計(d+d)が500nm、インジウム−スズ酸化物層表面の中心線平均粗さRaが0.8であり、この場合、透明導電性フィルムの比抵抗が3.4×10−4Ω・cmと小さくなり、また、全光線透過率が91%となり、高い光透過率を示した。
一方、比較例1では、硬化層を形成せず(d=0)、無機ケイ素酸化物層の厚み(d)が25nm、厚み合計(d+d)が25nm、インジウム−スズ酸化物層表面の中心線平均粗さRaが2.1であり、この場合、透明導電性フィルムの比抵抗が4.3×10−4Ω・cmと大きくなった。
また、比較例2では、硬化層の厚み(d)が500nm、無機ケイ素酸化物層を形成せず(d=0)、厚み合計(d+d)が500nm、インジウム−スズ酸化物層表面の中心線平均粗さRaが0.8であり、この場合、透明導電性フィルムの比抵抗が5.1×10−4Ω・cmと大きくなり、また、全光線透過率が89%となり、光透過率が低くなった。
本発明に係る透明導電性フィルムの用途は、特に制限はなく、好ましくはスマートフォンやタブレット端末(Slate PCともいう)等の携帯端末に使用される静電容量方式タッチパネルである。
1 透明導電性フィルム
2 ポリエチレンテレフタレートフィルム
3 硬化層
3aベース層
3b 無機粒子
4 無機ケイ素酸化物層
5 インジウム−スズ酸化物層

Claims (10)

  1. ポリエチレンテレフタレートフィルム、硬化層、無機ケイ素酸化物層及びインジウム−スズ酸化物層を少なくともこの順に有する透明導電性フィルムであって、
    前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚みが40μm〜130μmであり、
    前記硬化層は、該硬化層内に複数の無機粒子を備え、
    前記硬化層の厚みと前記無機ケイ素酸化物層との厚みの合計が、300nm以上3000nm未満であり、
    前記無機ケイ素酸化物層の厚みは15nmを超え、
    前記インジウム−スズ酸化物層は、その厚みが15nm以上50nm以下であり、且つその表面の中心線平均粗さRaが0.1nm以上2nm未満であり、
    前記ポリエチレンテレフタレートフィルムと前記硬化層との間に易接着層が形成されることを特徴とする、透明導電性フィルム。
  2. 前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚みが、70μm〜130μmであることを特徴とする、請求項1記載の透明導電性フィルム。
  3. 前記硬化層における複数の無機粒子の占有体積率が、15%〜70%であることを特徴とする、請求項1記載の透明導電性フィルム。
  4. BET法によって算出される前記複数の無機粒子の平均粒径が、5nm〜50nmであることを特徴とする、請求項3記載の透明導電性フィルム。
  5. 前記硬化層の厚みと前記無機ケイ素酸化物層との厚みの合計が、400nm以上800nm以下であることを特徴とする、請求項1記載の透明導電性フィルム。
  6. 前記無機ケイ素酸化物層の厚みが、20nm〜40nmであることを特徴とする、請求項1記載の透明導電性フィルム。
  7. 前記インジウム−スズ酸化物層は、多結晶層であり、その厚みが20nmを超え40nm以下であり、且つその表面の中心線平均粗さRaが0.1nm以上1nm未満であることを特徴とする、請求項1記載の透明導電性フィルム。
  8. 前記インジウム−スズ酸化物層は、その厚さ方向に酸化スズの濃度勾配を有し、前記厚さ方向における酸化スズ濃度の最小値が、1重量%〜4重量%であることを特徴とする、請求項1記載の透明導電性フィルム。
  9. 比抵抗が3.7×10−4Ω・cm以下であり、且つ全光線透過率が90%以上であることを特徴とする、請求項1記載の透明導電性フィルム。
  10. 前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の主面上に前記硬化層が形成され、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの他方の主面上に、他の硬化層が形成されることを特徴とする、請求項1記載の透明導電性フィルム。
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