JP6422618B2 - 並列処理装置及び並列処理方法 - Google Patents

並列処理装置及び並列処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6422618B2
JP6422618B2 JP2018518854A JP2018518854A JP6422618B2 JP 6422618 B2 JP6422618 B2 JP 6422618B2 JP 2018518854 A JP2018518854 A JP 2018518854A JP 2018518854 A JP2018518854 A JP 2018518854A JP 6422618 B2 JP6422618 B2 JP 6422618B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
unit
reception
radio wave
rearrangement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018518854A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2017203617A1 (ja
Inventor
咲希 松尾
咲希 松尾
将人 後町
将人 後町
尾崎 敦夫
敦夫 尾崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Publication of JPWO2017203617A1 publication Critical patent/JPWO2017203617A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6422618B2 publication Critical patent/JP6422618B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F30/00Computer-aided design [CAD]
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B17/00Monitoring; Testing
    • H04B17/30Monitoring; Testing of propagation channels
    • H04B17/391Modelling the propagation channel

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Evolutionary Computation (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Geometry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)
  • Position Fixing By Use Of Radio Waves (AREA)

Description

本発明は、例えば、電波伝搬シミュレーションのように、レイトレース法を用いて波の受信特性を算出する処理において、処理時間を短縮することが可能な並列処理装置及び並列処理方法に関するものである。
電波伝搬シミュレーションは、衛星等の電波の送信源、ビル等の構造物群、および、地上等に設置した受信点群の位置情報を基に、各受信点で得られる電波の強度を求めるものであり、アンテナの設計・性能検証や電波状況の分析・改善の手段として用いられる。
送信源から放射された電波は、空中を伝わり、物質を通過、あるいは物質で反射されて基地局等の所望の受信エリアに到達する。送信源から放射された電波が受信エリアに到達するまでに、電波の電力強度は構造物との接触に応じて減衰するため、状況によっては、受信エリアに到達する電波の電力強度が非常に微弱なものとなる。この問題を解決して所望の電波環境を得るためには、この電波伝搬の状況をシミュレーションで検証することが考えられる。
シミュレーションのアルゴリズムとしては、例えば、イメージング法、SBR(Shooting and Bouncing Ray)法、VPL(Vertical Plane Launch)法、そしてVPL法をベースとしたレイトレース法等が知られている。一般的に、電波伝搬シミュレーションは演算量が多いため、どのアルゴリズムを用いても処理に長時間を要する。
電波伝搬シミュレーションにおけるレイトレース法は、送信源から放射される電波を光線とみなし、周辺の構造物との反射・透過・回折といった相互作用を経て受信点に到達する光線を幾何学的にトレースすることにより、電波伝搬をシミュレートする技術である。コンピュータグラフィックス分野のレイトレース法と扱いが異なる点は、電波伝搬の様子をシミュレートするのみならず、その結果からシステム設計などに必要な伝搬諸特性を推定することにある。
レイトレース法による経路追跡演算は、一般的に負荷が大きく、複雑な電波環境を対象とする場合には莫大な演算時間を要する。また、電波が構造物と接触し、反射や回折が生じた際に増加する電波の数が多い場合には、この経路追跡演算に要する時間がさらに増加し、全体の処理時間が増加する。このため、複数の処理装置を用いた並列化により、処理時間の削減が行われている。
並列処理システムは、共有並列システムと分散並列システムの2つに分けられる。
共有並列システムは、並列に動作する処理装置が同一のメモリ空間を共有し、明示的にデータを交換することなく処理装置同士がデータを共有して演算を行う形態であり、最終的な演算結果を異なるデータ領域に格納することで並列化を施す。
分散並列システムは、並列に動作する処理装置が互いに独立したメモリ空間を有する形態であり、各処理装置のメモリ空間にデータを分散して演算を行い、演算結果を集約する通信処理を導入して並列化を施す。このため、分散化可能な演算アルゴリズムへ再構成する必要がある。
分散並列システムは2種類の系で構成される。具体的には、複数の処理装置(処理装置とメモリ空間との組)が通信で接続された系と、各処理装置に設けられ、規則的なデータアクセスと演算とが高速に行われる処理単位を1つ以上備えた系とで構成される。
また、分散並列システム向けの並列処理方式の構成は、大きく2つに分けられる。1つ目の構成は、データ・処理が局所領域の集合に分割化され、その局所領域それぞれでの処理が“送信”“演算”“結果受信”の順番で反復される。“送信”と“結果受信”は同期的もしくは非同期的に行われる。2つ目の構成は、各処理装置のメモリ空間にデータが分散され、処理単位の集合を使用して規則的な演算が行われる。この際、規則的な処理は高効率であるが、不規則的な処理は効率の低下につながる。
並列処理システムを用いた処理方法として、例えば、非特許文献1には、電波伝搬シミュレーションのアルゴリズムにSBR法を採用し、GPUを用いた並列処理方式によってシミュレーションの処理時間を削減する方法が開示されている。しかしながら、この並列処理方式は、レイトレース法のような不規則演算を行うアルゴリズムに対しては不向きであり、GPUによる高速化の効果は得られない。
これに対して、特許文献1には、レイトレース法に対し、放射された光線を方位ごとに分割して複数のCPUで処理する並列処理方式が開示されている。この方式は、並列に動作するCPUが同一のメモリ空間を共有し、明示的なデータ交換なくCPU同士がデータを共有する形態であり、異なるデータ領域に演算結果を格納するようにして並列化を施す共有並列システムでシミュレーションが施されている。
特開2004−294133号公報
B.R.Epstein and D.L.Rhodes "GPU−Accelerated Ray Tracing for Electromagnetic Propagation Analysis", in Proc. 2010 IEEE international Conferences, Wireless Information, Technology Systems
レイトレース法を用いた電波伝搬シミュレーションでは、電波が構造物との衝突を経て受信点に到達する経路を抽出して受信電力値の演算を行う。しかしながら、特許文献1には、演算処理を並列化させるために、複数のCPUが同一のメモリ空間を共有すること、および光線の方位ごとに処理を分割して複数のCPUにそれぞれ割り当てることが記載されているのみで、メモリ領域内のデータ配置については記載されていない。このため、処理装置が不規則にメモリ領域にアクセスすることになり、効率が低下し、処理に長時間を要するという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、レイトレース法を用いた演算処理において、処理装置が規則的にメモリ領域にアクセスすることのできる並列処理装置及び並列処理方法を得ることを目的とする。
この発明に係る並列処理装置は、親機と複数の特性演算部を有する子機とで構成され、送信源から放射される波が受信エリア内の受信点に到達したときの受信点における受信特性を並列に演算する並列処理装置であって、親機は、送信源から受信点に至る波の伝搬経路を追跡するレイトレース処理を行い、レイトレース処理により得られた波の経路を示すデータを伝搬経路順に並べ替えるデータ並替部と、データ並替部で並べ替えた波の経路を示すデータを分割して複数の特性演算部にそれぞれ割り当てるデータ割当部とを備え、子機は、データ割当部で割り当てられた波の経路を示すデータを用いて受信点における受信特性を複数の特性演算部で並列に演算するものである。
この発明によれば、上記のように構成したことにより、レイトレース法を用いた演算処理において、メモリ領域への規則的なアクセスが可能となり、処理時間を短縮することができる。
この発明の実施の形態1における並列処理装置のハードウェア構成を示す構成図である。 この発明の実施の形態1における並列処理装置の構成を示す構成図である。 水平方向でのレイトレース法の一例を示す説明図である。 レイトレース法における電波が受信点に到達したか否かの判定基準を示す説明図である。 この発明の実施の形態1における並列処理装置の並べ替え処理の一例を示す説明図である。 この発明の実施の形態1における並列処理装置のテーブルの分割方法の一例を示す説明図である。 この発明の実施の形態1における並列処理装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1における並べ替え処理を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1における並列処理装置のパイプライン処理を示す説明図である。
本発明は、親機、および複数の演算部を有する子機で構成され、送信源から放射された音波、光波、または電波(これらをまとめて「波」と呼ぶ)の経路を示すデータをレイトレース処理により生成し、生成されたデータを用いて、波が受信点に到達したときの受信特性を複数の演算部で並列に処理する並列処理装置に関するものであり、特に、レイトレース処理により生成されたデータを波の伝搬経路順に並べ替えてから受信特性を算出することを特徴とするものである。
以下では、一例として、電波伝搬シミュレーションにより、受信点における受信電力値を演算する場合について説明するが、本発明の並列処理装置は、電波のみを処理の対象とするものではなく、音波や光波を対象としてもよい。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して以下に説明する。なお、各図において、同一又は同様の構成部分については同じ符号を付している。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態による並列処理装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。並列処理装置100は、親機1と子機2が内部に搭載された計算機により構成される。親機1および子機2は、独立した処理装置3,6とメモリ5,8をそれぞれ備える。親機1の処理装置3には、演算処理を行うコア4が1個存在しており、子機2の処理装置6には、演算処理を行うコア7が複数個存在している。親機1のコア4は1個以上であれば、複数でも構わない。親機1の処理装置3と子機2の処理装置6とは、通信部9を介してデータを送受信する。
並列処理装置100の外部から入力されたデータ、および親機1で生成されたデータは、全て親機1のメモリ5に格納される。親機1のメモリ5に格納されたデータは、必要に応じて通信部9を通して子機2へ送信され、子機2のメモリ8にコピーされる。子機2の処理装置6にある複数のコア7は、それぞれメモリ8にアクセスすることが可能であり、メモリ8に格納されたデータを用いて並列に演算することが可能である。子機2のコア7で演算した結果はメモリ8に格納され、子機2のすべてのコア7における演算が終わると、子機2の処理装置6から親機1の処理装置3に通信部9を通して演算結果が送信される。これにより、子機2のメモリ8に格納された演算結果のデータが親機1のメモリ5にコピーされる。以上が並列処理装置100を用いた分散システム方式の処理の流れである。
並列処理装置100を構成する計算機は、例えば、親機1をCPU(Central Processing Unit)、子機2を複数の演算部が含まれるGPU(Graphics Processing Unit)のようなプロセッサとし、これらのプロセッサが備える多数の演算部で電波の受信特性を並列に処理するよう構成する。このような構成の場合、親機1と子機2との間でデータ通信を行う通信部9は、PCIExpressバスにより実現される。
図2は、本発明の実施の形態による並列処理装置100の構成を示す機能構成図である。並列処理装置100は、親機1と、子機2とで構成される。
親機1は、データ送受部11と、データ並替部12と、生成部12aと、並替部12bと、並べ替え前データ記憶部13と、並べ替え後データ記憶部14と、データ割当部15と、受信電力値記憶部16とで構成される。なお、以降の説明では、生成部12aと並替部12bとをまとめてデータ並替部12と言うこともある。
子機2は、データ送受部21と、分割データ記憶部22と、複数の特性演算部23とで構成される。
親機1のデータ割当部15と子機2のデータ送受部21とは、通信部を介して接続される。親機1のデータ送受部11と子機2のデータ送受部21とは、通信部を介して接続される。
並べ替え前データ記憶部13、並べ替え後データ記憶部14、および受信電力値記憶部16は、図1に示す親機1のメモリ5に対応し、分割データ記憶部22は、図1に示す子機2のメモリ8に対応する。また、データ送受部11、データ並替部12、生成部12a、並替部12b、およびデータ割当部15は、親機1の処理装置3に対応し、特に、データ並替部12、生成部12a、および並替部12bが親機1のコア4に対応する。また、データ送受部21、および特性演算部23は、子機2の処理装置6に対応し、特に、特性演算部23が子機2のコア7に対応する。
親機1は、並列処理装置100の外部から入力データを受信し、電波伝搬シミュレーションにより得られた受信電力分布Pを出力する。受信電力分布Pは、送信源から放射された電波が受信エリア内に存在する複数の受信点に到達したときの受信電力値をまとめて示すものである。外部からの入力データは、電波の送信源の位置座標などに関する送信源データS、複数の受信点の位置座標の集合である受信エリアデータR、送信源と受信エリアの周辺に存在する複数の構造物の集合である構造物群に関する構造物データB、および受信電力分布Pの計算に必要な領域に関する情報を含む。本実施の形態では、位置座標として3次元座標を用いる。また、それぞれの構造物に関するデータには、構造物の各頂点の3次元位置座標、内角、および材質定数が含まれる。
親機のデータ送受部11は、外部からの入力データを受信してデータ並替部12へ転送する。また、子機2において算出された受信電力値を受信して受信電力値記憶部16へ格納するとともに、受信電力値記憶部16へ格納された受信電力値を用いて受信電力分布Pを生成し、外部へ出力する。なお、本実施の形態では、受信電力値から受信電力分布Pを生成して出力しているが、受信電力値を外部へ出力してもよい。
データ並替部12は、送信源から受信エリアまで電波をレイトレースし、レイトレースにより発生した全電波の伝搬経路を示すデータを受信点ごとに伝搬経路順に並べ替える。
より具体的には、生成部12aは、データ送受部11から転送された入力データを用いて、送信源から受信エリアまでの電波をレイトレースし、レイトレースにより発生した全電波の伝搬経路を示すデータを並べ替え前データ記憶部13へ登録する。これにより、全電波の伝搬経路を示すデータのテーブルが並べ替え前データ記憶部13に生成される。なお、以降の説明では「電波の伝搬経路を示すデータ」を単に「電波のデータ」または「電波データ」と呼ぶことがある。
また、並替部12bは、並べ替え前データ記憶部13に生成されたテーブル、および受信エリアデータRに基づいて、受信エリアに到達する電波データを抽出し、抽出した電波データを受信点ごとに伝搬経路順に並べ替えて並べ替え後データ記憶部14へ格納する。これにより、受信点ごとに伝搬経路順に並べ替えられた電波データのテーブルが並べ替え後データ記憶部14に生成される。
レイトレースと並べ替えの詳細な処理については、後述する。
データ割当部15は、並べ替え後データ記憶部14に格納されたテーブルを子機2のデータ送受部21で受信可能なサイズに分割し、データ通信により子機のデータ送受部21に転送する。転送されたデータは、複数の特性演算部23で並列に演算処理される。
子機2のデータ送受部21は、データ割当部15から受信したデータを分割データ記憶部22へ格納する。また、データ送受部21は、特性演算部23で算出された受信電力値を分割データ記憶部22から読み出し、データ通信により親機のデータ送受部11に転送する。
特性演算部23は、分割データ記憶部22にアクセスし、分割データ記憶部22に格納されたデータを用いて受信電力値の演算を行い、演算結果を分割データ記憶部22に格納する。複数の特性演算部23は、分割データ記憶部22のうち、それぞれ割り当てられた領域にアクセスして並列に演算を行う。
このように、並べ替え後の電波のデータを分割して親機1から子機2へ転送し、子機2で算出した受信電力値を親機1へ転送する処理を繰り返し行うことで、受信電力値記憶部16には、各受信点の受信電力値が格納され、最終的に受信電力分布Pを得ることができる。以上が本実施の形態の全体の処理の流れである。
次に、レイトレース法を用いた電波データの生成処理について、図を参照して説明する。図3は、水平方向でのレイトレース法の一例を示す説明図で、xyz軸で示される空間のx軸とy軸に平行な平面上でレイトレース処理を行った場合の電波データを示す。
図に示すように、送信源30から複数の電波50〜54が離散的に放射される。放射される電波の本数は、外部からの入力データによって設定され、1本以上であれば任意の本数で構わない。図では、電波の伝搬経路の一例として、送信源30から放射された複数の電波50〜54のうち、一本の電波52が構造物33,34と衝突しながら受信エリア40に到達するまでの経路を太い実線で示す。
送信源30から放射された電波52は、構造物33と衝突する。このときの衝突点31から新たに複数の電波が発生する。発生した電波をさらにレイトレースで追跡する。衝突点31で発生した複数の電波のうち、電波55は構造物34と衝突し、衝突点32から新たに複数の電波が発生する。新たな電波の発生手順の繰り返し回数の上限は、外部からの入力データによって決定される。図では、一部の電波の経路を図示しているが、実際には、決定された回数だけ電波を繰り返し発生させ、新たに発生させた全ての電波についてレイトレースが行われる。電波と構造物とが衝突した際に発生する電波の数は、1本以上であれば任意の数で構わない。新たな電波の発生手順の繰り返しが終了したら、レイトレースによって発生した電波が、受信エリア40内の受信点41〜48に到達したか否かを判定する。
ここで、電波が受信点に到達したか否かの判定方法について、図を参照して説明する。図4は、レイトレース法における電波が受信点に到達したか否かの判定基準を説明する図で、電波の発生点60から放射される電波61が受信点64に到達したか否かの判定方法を示す。図において、受信エリアに含まれる受信点64から電波61に垂線を下し、電波61と垂線との交点である点65から電波の発生点60までの距離をl、受信点64から点65までの距離をdとする。また、電波61の方位角をφ、電波62と電波63との間の角度をφとし、電波61が電波62と電波63の中間に存在する。このとき、電波61が受信点64に到達するか否かは、式(1)の条件により決定される。つまり、式(1)が真と判断された場合、電波61は受信点64に到達したとみなされる。
Figure 0006422618
再び、図3に示すレイトレース法を用いた電波データの生成処理の説明に戻る。
発生した全ての電波とそれぞれの受信点41〜48との組み合わせにおいて、式(1)に示す受信点到達の条件が判定され、その結果に基づいて、各受信点に到達した電波が抽出される。具体的には、電波56は、受信点42に到達した電波として判断され、抽出される。
次に、電波56が送信源30から伝わってきた経路が判断される。電波のデータ構造の中には、その電波の発生元を示す情報が含まれる。よって、電波56のデータ構造に含まれる情報を確認することで、電波56の発生が電波55によるものと判断することができる。さらに電波の発生元を辿ると、電波55の発生元は電波52と判断され、最終的に電波52は送信源30から発生したと判断される。その結果、送信源30から受信点42までの伝搬経路の一つとして、電波52から電波55、電波55から電波56が得られる。以上のような処理により、受信点41〜48に到達したと判断された全ての電波において、送信源30から受信点41〜48までの全伝搬経路が抽出される。
このようなレイトレース処理により、送信源30から受信エリア40までの全ての電波の伝搬経路が決定すると、各受信点41〜48における電波の電界強度(受信電力値とも言う)が算出される。具体的には、まず、1本の伝搬経路に含まれる各電波の電界強度を積算し、受信利得と合成することで、1本の伝搬経路による電波強度が求まる。次に、1つの受信点に到達する全ての伝搬経路の電波強度を積算することで、その受信点における受信電力値が求まる。さらに、各受信点の受信電力値が求まると、受信電力分布Pが得られる。なお、本発明の並列処理装置100では、送信源から放射された電波から全ての電波をレイトレースする処理を生成部12aが担う。また、レイトレースにより発生した電波データを電波強度の算出に適した配置に並べ替える処理を並替部12bが担う。さらに、並べ替え後のデータを用いて電波強度を並列に算出する処理を子機2の特性演算部23が担う。
次に、レイトレース処理により発生した電波データの並べ替え処理、および電波強度の算出処理について説明する。
生成部12aは、送信源から発生した電波のデータと、構造物の接触により増加した電波のデータ、すなわちレイトレースにより発生した全ての電波のデータを並べ替え前データ記憶部13に格納する。このとき、生成部12aは、送信源から発生した順番に電波データを格納する。よって、並べ替え前データ記憶部13に生成されたテーブルには、レイトレースで発生した順番に電波データが並ぶ。
並替部12bは、並べ替え前データ記憶部13に格納された電波データと受信エリアデータRとを用いて、式(1)に示す受信点と電波との位置関係を計算し、受信点に電波が到達しているか否かを判断する。各受信点に到達したと判断された電波データは、伝搬経路順に並べ替え後データ記憶部14に格納される。その結果、並べ替え後データ記憶部14には、受信点ごとに伝搬経路順に並び替えられた電波データのテーブルが生成される。
データ割当部15は、並べ替え後データ記憶部14に生成されたテーブルを分割し、子機2のデータ送受部21に送信する。データ送受部21は、データ割当部15から受信したデータを分割データ記憶部22に格納する。複数の特性演算部23は、分割データ記憶部22に格納されたデータのうち、それぞれ割り当てられたデータを用いて、伝搬経路を構成する電波の電波強度の演算を並列に行う。さらに、複数の特性演算部23は、各受信点に到達する全ての電波の電波強度を受信点ごとに積算し、各受信点における受信電力値を算出する。演算結果は、分割データ記憶部22に格納され、データ送受部21から親機1へ転送され、受信電力値記憶部16に格納される。以上のように、分割したテーブルについて全て処理することで、最終的に親機1の受信電力値記憶部16に格納された演算結果から受信電力分布Pが導出される。
次に、レイトレースにより発生した電波データの並べ替え処理について、図を参照して、さらに詳しく説明する。図5は、発生順に格納された電波データを受信点ごとに伝搬経路順に並べ替える処理の一例を示す説明図である。図において、テーブル110は、レイトレースによって生成された電波データのテーブル、テーブル120は、受信点ごとに伝搬経路順に並べ替えられた電波データのテーブルである。テーブル110は並べ替え前データ記憶部13に格納され、テーブル120は並べ替え後データ記憶部14に格納される。図中に示す白および網掛けの正方形が、1つの電波のデータを表す。以下では、図3に示す電波を用いて、図5に示す並べ替え処理を説明する。
テーブル110には、レイトレース処理によって生成された電波のデータが、送信源30から発生した順に載せられる。具体的には、まず、電波50のデータがテーブル110に載せられ、続いて、電波51、電波52、電波53のデータがこの順、つまりレイトレース処理で発生した順に、テーブル110に載せられる。その後、電波50から発生した電波のデータがテーブル110に追加され、追加が終了すると、次に、電波51から発生した電波のデータがテーブル110に追加される。このように、発生した順に電波データをテーブル110に載せ、その後、テーブル110に載せた電波からさらに発生する電波のデータがテーブル110に追加される。このため、テーブル110内の電波データは、送信源30から受信エリア40までの伝搬経路順ではなく、送信源30からレイトレース処理により発生した順番に並ぶ。
ここで、図3に伝搬経路の一例として示した電波52,55,56のデータが、図5に示す電波データ111,112,113としてテーブルに載せられたとする。テーブル110に載せられた電波のデータには、どの電波から発生したか示す発生元の電波の番号、どの構造物から発生したか示す構造物の情報、発生した電波自身の方向ベクトルと始点座標、および送信源から始点座標までの距離が含まれる。始点座標の情報は、2次元でも3次元でも構わない。2次元の場合は、最終的に受信点に到達したか否かを、水平方向と垂直方向で解析することになるが、3次元の場合より演算の負荷は小さい。
一方、並べ替え後の電波データが載せられるテーブル120は、受信点ごとの専用テーブル121〜128により構成され、図3に示す受信エリア40内の受信点41〜48に到達する電波データは、専用テーブル121〜128にそれぞれ載せられる。つまり、受信点41に到達する電波データは専用テーブル121、受信点42に到達する電波データは専用テーブル122、受信点43に到達する電波データは専用テーブル123に載せられる。よって、図3において、受信点42に到達する電波の伝搬経路として抽出された電波52,55,56は、並替部12bによる並べ替え処理により、専用テーブル122にこの順番で連続して載せられる。つまり、テーブル110から抽出された電波データ111,112,113は、並べ替え処理により、専用テーブル122の電波データ131,132,133となる。
以上のように、電波データの並べ替え処理により、テーブル110内で離散的に配置されていた電波データ111,112,113は、専用テーブル122内に連続的に配置される。
なお、テーブル110から電波データを抽出する際には、受信点ごとに、テーブル110に登録された順番が早い電波データから受信点に到達したか否かを判断し、到達したと判断された場合に電波データを抽出する。しかし、これに限定するものではなく、テーブル110に登録された順番が遅い電波データから受信点に到達したか否かを判断しても構わない。
次に、電波データの並べ替えを行う理由について説明する。
電波データのテーブル110は、このサイズ、および配置のまま子機2のデータ送受部21へ送信すると、子機2のメモリサイズに納まらない可能性がある。また、特性演算部23が受信電力値を算出する際、レイトレース処理で発生した順に電波データが並べられたテーブルを、伝搬経路順にアクセスすると、不規則的なメモリ参照となり、演算の効率が低下する。
そこで、本実施の形態の並列処理装置100では、受信点ごとに伝搬経路順に電波データを並べ替えたテーブル120を作成し、テーブル120のうち、並べ替えが完了した部分から子機2へ送信して、特性演算部23で受信電力値の演算を並列に行うように構成する。具体的には、親機1のデータ割当部15は、並べ替え処理によって再構成されたテーブルを、子機2のデータ送受部21が受信可能なサイズ、または子機2のキャッシュメモリのサイズ以下となるように分割し、分割したテーブルと対応する受信点を示す情報とを子機2のデータ送受部21に順に送信する。
子機2のデータ送受部21は、分割されたテーブルを順番に受信して分割データ記憶部22に格納する。子機2の複数の特性演算部23は、分割データ記憶部22のそれぞれ割り当てられた領域にアクセスして各受信点の受信電力値の演算を行い、演算結果を分割データ記憶部22に格納する。子機2のデータ送受部21は、分割データ記憶部22から読み出した演算結果を親機1のデータ送受部11へ送信する。
図6は、テーブルの分割方法の一例を示す説明図である。図6(a)は、並べ替え処理後のテーブル120を受信点ごと、つまり、専用テーブルごとに分割する場合、図6(b)は、並べ替え処理後のテーブル120を1本の伝搬経路ごとに分割する場合を示す。図中の点線は、分割された範囲を示す。図6(a)に示すように、テーブルを受信点ごとに分割して子機2へ送信する場合には、受信電力値の演算処理が1本の伝搬経路ごとに1つの特性演算部23に割り当てられ、それぞれの特性演算部23が複数の伝搬経路による受信電力値を並列に演算する。図6(b)に示すように、テーブルを1本の伝搬経路ごとに分割して子機2へ送信する場合には、受信電力値の演算処理が1つの受信点ごとに1つの特性演算部23に割り当てられ、それぞれの特性演算部23が複数の受信点による受信電力値を並列に演算する。
このように構成することにより、並べ替え後データ記憶部14に格納されたテーブル120を局所的に分割して子機2のデータ送受部21へ送信することができる。また、特性演算部23は、親機1のデータ割当部15からデータ送受部21に送られたデータを使用して受信電力を計算する。このとき、データ割当部15によりそれぞれの特性演算部23に割り当てられた電波データは、既に伝搬経路順に並べ替えられているので、複数の特性演算部23は、親機1から受信したテーブルに並列、かつ規則的にアクセスすることができる。以上のように、電波伝搬シミュレーションのアルゴリズムに電波データの並べ替え処理を追加することで、規則的に演算を行うことが可能となり、演算を高効率化することができる。
次に、図7,8のフローチャートを参照しながら、本発明の並列処理装置100を用いた並列処理方法について説明する。図7は、並列処理装置100の全体の動作を示すフローチャートである。図8は、並替部12bの動作を示すフローチャートである。
図7において、生成部12aは、送信源から発生する電波を外部データで定められた本数分だけ生成し、生成した電波のデータを発生順にテーブルに登録する(ステップS1)。次に、生成部12aは、新たに発生した電波の有無、つまり、新たに発生した電波データがテーブルへ登録されたか否かを判断する(ステップS2)。新たに発生した電波が有る場合は、その電波と構造物との衝突の判断(ステップS3)へ進み、新たに発生した電波が無い場合は、受信点に到達する電波の抽出(ステップS6)へ進む。
ステップS3において、生成部12aは、新たに発生した各電波と構造物との衝突の有無を判断する。衝突した電波が有る場合は、新しい電波を発生させてデータをテーブルに追加登録し(ステップS4)、その後、指定回数繰り返しの判断(ステップS5)へ進む。衝突が無い場合は、受信点に到達する電波の抽出(ステップS6)へ進む。
ステップS5において、生成部12aは、ステップS2からステップS4までの処理の繰り返し回数が外部から指定された回数に到達したか否かを判断する。指定された回数に達しない場合は、新たに発生した電波の有無の判定(ステップS2)へ戻る。指定された回数に達した場合は、受信点に到達する電波の抽出(ステップS6)へ進む。
ステップS2において、生成部12aは、再度、新たに登録された電波の有無を確認し、有る場合は、再度、構造物との衝突有無を確認する(ステップS3)。
以上のように、ステップS2からステップS4の処理を所定の回数繰り返すことで、発生した全電波のデータを登録したテーブルが完成する。
次に、並替部12bは、受信エリアデータRを用いて、全電波のデータを登録したテーブルの中から、受信点に到達する電波を抽出する(ステップS6)。受信点に到達した電波の抽出を終えると、並替部12bは、抽出した電波の発生元を送信源まで辿り、全伝搬経路を判定する。その際、受信点から送信源までの伝搬経路を辿りながら、対応する電波データがテーブルから順番に読み出され、読み出された順に新しいテーブルに登録される。その結果、ステップS2からステップS5の処理でテーブルに登録された電波のデータが、受信点ごとに全伝搬経路順に並べ替えられる(ステップS7)。この並べ替えにより、最終的には、受信点ごとに伝搬経路順に並べ替えられた電波データのテーブルが生成される。
次に、データ割当部15は、受信点ごとに伝搬経路順に並べ替えられたテーブルを分割して子機2のデータ送受部21へ送信する(ステップS8)。子機2の複数の特性演算部23は、子機2のデータ送受部21が受信したデータを用いて各受信点の受信電力値を並列に演算する(ステップS9)。子機2のデータ送受部21は、各受信点の受信電力値を親機1のデータ送受部11へ送信する(ステップS10)。演算結果は、親機1内の受信電力値記憶部16に格納される。
以上のように、ステップS6からステップS10の処理を受信エリア内の全受信点について実行するまで繰り返す(ステップS11)ことで、最終的に、受信電力値記憶部16に受信電力分布Pが作成される。
なお、図7に示すフローチャートでは、“親機1から子機2へのデータ送信(ステップS8)”“子機2内での電力演算(ステップS9)”“子機2から親機1への演算結果の送信(ステップS10)”の3つの処理を逐次的に行う手順を示したが、これに限定するものではなく、3つの処理をパイプラインで非同期的に行ってもよい。本実施の形態の並列処理装置100において、パイプライン処理したときの動作は、後ほど詳細に説明する。
次に、図8を参照して、各受信点に到達する電波の抽出処理(ステップS6)と各受信点における全伝搬経路の並べ替え処理(ステップS7)について、さらに詳細に説明する。
並替部12bは、受信エリア内の複数の受信点の中から、受信点Xを選択する(ステップS20)。最終的には全ての受信点において判断するため、受信エリアのどの受信点から開始しても構わない。
次に、並替部12bは、ステップS2からステップS5の繰り返しにより得られた、全電波のデータを登録したテーブルから電波データを選択する(ステップS21)。ステップS21においては、テーブルに登録された順番が早い電波データから順に選択してもよいし、遅い電波データから順に選択してもよい。
次に、受信点Xの位置座標のデータを用いて、ステップS21で選択した電波データが受信点Xに到達したか否かを判断する(ステップS22)。受信点Xに到達した場合は、電波の伝搬経路の抽出(ステップS23)へ進み、受信点Xに到達しない場合は、繰り返し回数がテーブルに登録した電波数に到達したか否かの判断(ステップS25)へ進む。
ステップS23において、並替部12bは、受信点Xに到達したことが確認できた電波の送信源から受信点Xまでの伝搬経路を示す全ての電波データをテーブルから抽出する。その後、並替部12bは、抽出した電波データを送信源から受信点Xまでの伝搬経路順に並べ替えて新しいテーブルに登録する(ステップS24)。
ここで、ステップS23,S24について、図5に示す電波を用いて具体的に説明する。テーブル110の中の電波データ113が受信点Xに到達したと判断されたと仮定すると、並替部12bは、電波データ113と電波データ113の伝搬経路を示す電波データとをテーブル110から抽出する。例えば、テーブル110の中の電波データ111,112が電波データ113の伝搬経路に該当する場合、電波データ111,112,113が抽出される。そして、並替部12bは、電波データ111,112,113を伝搬経路順に並べ替えて受信点Xの専用テーブルに登録する。よって、テーブル110の中の電波データは、それぞれ受信点ごとの専用テーブルに伝搬経路順に並び替えられて登録される。以上の処理を、テーブル110に登録されている全ての電波に対して行う。
次に、本実施の形態の並列処理装置100において、パイプライン処理したときの動作について説明する。図9は、パイプライン処理の一例を示す説明図で、“親機から子機へのデータ送信”“子機内での電力演算”“子機から親機へのデータ送信”“親機での次の受信点に対応する並べ替え(「親機での並べ替え前処理」とも言う)”をパイプライン方式で実行したときの動作を示す図である。図において、パイプラインA,B,Cがそれぞれ異なる分割データを用いた処理を表し、矢印が“親機から子機へのデータ送信”“子機内での電力演算”“子機から親機へのデータ送信”“親機での並べ替え前処理”の各処理を表す。
パイプラインAでは、受信点Aに到達する電波データが処理される。同様に、パイプラインBでは受信点Bに到達する電波データ、パイプラインCでは受信点Cに到達する電波データがそれぞれ処理される。また、それぞれのパイプラインでは、(a)親機での並べ替え前処理201,211,221、(b)親機から子機へのデータ送信処理202,212,222、(c)子機内での電力演算処理203,213,223、(d)子機から親機へのデータ送信処理204,214,224がそれぞれ(a)〜(d)の順に行われる。
図7のフローチャートでは、パイプラインAの処理、つまり、受信点Aの処理201,202,203,204が終了した後に、パイプラインBの処理、つまり、受信点Bの処理211,212,213,214が開始される。しかし、この方式では、受信点Bの(a)親機での並べ替え前処理と(b)親機から子機へのデータ送信処理、受信点Aの(d)子機から親機へのデータ送信処理がボトルネックとなる。
そこで、図9に示すパイプライン方式では、受信点Aにおける子機内での電力演算処理203の開始と同時に、受信点Bの(a)親機での並べ替え前処理211が実行され、その後、(b)親機から子機へのデータ送信処理212が実行される。
また、受信点Bの(c)子機内での電力演算処理213の開始と同時に、受信点Aの(d)子機から親機へのデータ送信処理204が開始され、同時に、受信点Cの(a)親機での並べ替え前処理221と(b)親機から子機へのデータ送信処理222が実行される。
このように、親機と子機とで同時に処理を行い、(b)親機から子機へのデータ送信処理、(c)子機内での電力演算処理、(d)子機から親機へのデータ送信処理をパイプライン処理することで、親機と子機との間のデータ転送のオーバーヘッドを隠蔽することができる。このとき、データの送受信を非同期的に行うことで、パイプライン処理を実現することができる。さらに、(c)子機内での電力演算処理の実行中に、(a)親機での並べ替え前処理を実行することで、並べ替え処理のオーバーヘッドも隠蔽することができる。その結果、電波伝搬シミュレーションを高速化することができる。
また、本実施の形態の並列処理装置100においては、データの並べ替え処理、および分散処理によるデータ送受信の通信の追加により、従来と比較して処理が増加するが、パイプライン処理を実現することで、全体として処理時間を短縮することができる。
なお、上述したパイプライン方式は、(c)子機内での電力演算処理にかかる時間が、(a)親機での並べ替え前処理と(b)親機から子機へのデータ送信処理に要する時間よりも長い場合に、シミュレーションの高速化に貢献できる。(c)子機内での電力演算処理にかかる時間のほうが短い場合は、逐次的に処理を行う構成にしても構わない。
以上のように、本実施の形態の並列処理装置によれば、親機と複数の特性演算部を有する子機とで構成され、送信源から放射される波が受信エリア内の受信点に到達したときの受信点における受信特性を並列に演算し、親機は、送信源から受信点に至る波の伝搬経路を追跡するレイトレース処理を行い、レイトレース処理により得られた波の経路を示すデータを伝搬経路順に並べ替えるデータ並替部と、データ並替部で並べ替えた波の経路を示すデータを分割して複数の特性演算部にそれぞれ割り当てるデータ割当部とを備え、子機は、データ割当部で割り当てられた波の経路を示すデータを用いて受信点における受信特性を複数の特性演算部で並列に演算するので、レイトレース法を用いた演算処理において、メモリ領域への規則的なアクセスが可能となり、処理時間を短縮することができる。
また、本実施の形態の並列処理装置によれば、複数の受信点における受信特性を並列に演算し、データ並替部は、レイトレース処理により得られた波の経路を示すデータを到達する受信点ごとに伝搬経路順に並べ替え、データ割当部は、データ並替部で並べ替えた波の経路を示すデータを到達する受信点ごとに分割して複数の特性演算部にそれぞれ割り当て、複数の特性演算部は、データ割当部で割り当てられた波の経路を示すデータを用いて複数の受信点における受信特性をそれぞれ並列に演算するようにしたので、複数の受信点における受信電力を並列に演算する場合においても、メモリ領域への規則的なアクセスが可能となり、処理時間を短縮することができる。
また、本実施の形態の並列処理装置によれば、親機と子機とは独立した作業バッファ領域を有し、子機における受信特性の演算処理と、親機から子機へのデータ送信処理と、子機から親機へのデータ送信処理と同時に行うようにしたので、それぞれの処理を同時実行するようなパイプライン処理を実現することが可能となり、親機と子機との間のデータ転送のオーバーヘッドを隠蔽することができる。
また、本実施の形態の並列処理装置によれば、データ並替部は、データ割当部で割り当てられた波の経路を示すデータを用いて特性演算部が受信特性を演算する間に、特性演算部における次の演算で用いるデータの並べ替えを行うようにしたので、データの並べ替え処理のオーバーヘッドを隠蔽することができる。
また、本実施の形態の並列処理装置によれば、データ割当部は、並べ替え後の波の経路を示すデータを子機のキャッシュメモリのサイズ以下に分割して子機へ送信するようにしたので、処理装置から高速にアクセスすることが可能なメモリ領域に適したサイズで効率的にデータを転送することができる。
また、本実施の形態の並列処理装置によれば、親機はCPUとし、子機は親機とバスで接続されたGPUとし、親機と子機との間のデータ送受信処理がバスを跨ぐ場合には通信で処理されるようにしたので、計算機で並列処理装置を構成する場合も、レイトレース法を用いた演算処理の処理時間を短縮することができる。
また、本実施の形態の並列処理装置によれば、並べ替え処理に要する時間が受信電力値の演算時間よりも短い場合には、並べ替え処理と受信電力値の演算とを同時実行する構成を採用する。例えば、親機での受信点Aのテーブルの並べ替えが終了した後、子機は、受信点Aにおける受信電力値の演算を開始する。これと同時に、親機1は受信点Bのテーブルの並べ替え処理を開始する。このように、子機が受信点Xで受信電力の演算処理を行っている間に、親機で受信点X+1のテーブルの並べ替え処理を行うことで、シミュレーションを短時間で完了することができる。
なお、本発明はその発明の範囲内において、任意の構成要素の変形、もしくは任意の構成要素の省略が可能である。
1 親機、2 子機、3 処理装置、4 コア、5 メモリ、6 処理装置、7 コア、8 メモリ、9 通信部、11 データ送受部、12 データ並替部、12a 生成部、12b 並替部、13 並べ替え前データ記憶部、14 並べ替え後データ記憶部、15 データ割当部、16 受信電力値記憶部、21 データ送受部、22 分割データ記憶部、23 特性演算部、100 並列処理装置。

Claims (7)

  1. 親機と複数の特性演算部を有する子機とで構成され、送信源から放射される波が受信エリア内の受信点に到達したときの前記受信点における受信特性を並列に演算する並列処理装置であって、
    前記親機は、
    前記送信源から前記受信点に至る波の伝搬経路を追跡するレイトレース処理を行い、前記レイトレース処理により得られた前記波の経路を示すデータを伝搬経路順に並べ替えるデータ並替部と、
    前記データ並替部で並べ替えた前記波の経路を示すデータを分割して前記複数の特性演算部にそれぞれ割り当てるデータ割当部とを備え、
    前記子機は、
    前記データ割当部で割り当てられた前記波の経路を示すデータを用いて前記受信点における受信特性を前記複数の特性演算部で並列に演算する並列処理装置。
  2. 複数の受信点における受信特性を並列に演算する並列処理装置であって、
    前記データ並替部は、前記レイトレース処理により得られた前記波の経路を示すデータを到達する受信点ごとに伝搬経路順に並べ替え、
    前記データ割当部は、前記データ並替部で並べ替えた前記波の経路を示すデータを到達する受信点ごとに分割して前記複数の特性演算部にそれぞれ割り当て、
    前記複数の特性演算部は、前記データ割当部で割り当てられた前記波の経路を示すデータを用いて前記複数の受信点における受信特性をそれぞれ並列に演算することを特徴とする請求項1に記載の並列処理装置。
  3. 前記親機と前記子機とは独立した作業バッファ領域を有し、
    前記子機における受信特性の演算処理と、前記親機から前記子機へのデータ送信処理
    と、前記子機から前記親機へのデータ送信処理とを同時に行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の並列処理装置。
  4. 前記データ並替部は、前記データ割当部で割り当てられた前記波の経路を示すデータを用いて前記特性演算部が受信特性を演算する間に、前記特性演算部における次の演算で用いるデータの並べ替えを行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の並列処理装置。
  5. 前記データ割当部は、並べ替え後の前記波の経路を示すデータを前記子機のキャッシュメモリのサイズ以下に分割して前記子機へ送信することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の並列処理装置。
  6. 前記親機はCPU(Central Processing Unit)とし、
    前記子機は前記親機とバスで接続されたGPU(Graphics Processing Unit)とし、
    前記親機と前記子機との間のデータ送受信処理が前記バスを跨ぐ場合には通信で処理されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の並列処理装置。
  7. 親機と複数の特性演算部を有する子機とで構成され、送信源から放射される波が受信エリア内の受信点に到達したときの前記受信点における受信特性を並列に演算する並列処理装置を用いた並列処理方法であって、
    前記送信源から前記受信点に至る波の伝搬経路を追跡するレイトレース処理を行い、前記レイトレース処理により得られた前記波の経路を示すデータを伝搬経路順に並べ替えるデータ並替ステップと、
    前記データ並替ステップで並べ替えた前記波の経路を示すデータを分割して前記複数の特性演算部に割り当てるデータ割当ステップと、
    前記データ割当ステップで割り当てられた前記波の経路を示すデータを用いて前記複数の特性演算部で前記受信点における受信特性を並列に演算する特性演算ステップとを備えた並列処理方法。
JP2018518854A 2016-05-25 2016-05-25 並列処理装置及び並列処理方法 Active JP6422618B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2016/065402 WO2017203617A1 (ja) 2016-05-25 2016-05-25 並列処理装置及び並列処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017203617A1 JPWO2017203617A1 (ja) 2018-11-08
JP6422618B2 true JP6422618B2 (ja) 2018-11-14

Family

ID=60411193

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018518854A Active JP6422618B2 (ja) 2016-05-25 2016-05-25 並列処理装置及び並列処理方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6422618B2 (ja)
WO (1) WO2017203617A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115102650A (zh) * 2022-06-20 2022-09-23 南京邮电大学 一种新型电波传播追踪方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3092651B2 (ja) * 1995-07-14 2000-09-25 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ 電界強度計算装置
JP4304367B2 (ja) * 2003-03-26 2009-07-29 日本電気株式会社 電波伝搬特性予測システム及びその方法並びにプログラム
JP2007080095A (ja) * 2005-09-15 2007-03-29 Tohoku Univ 異方性を有する球状表面波素子の解析方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2017203617A1 (ja) 2018-11-08
WO2017203617A1 (ja) 2017-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2019170093A1 (zh) 一种生成频谱态势的方法、装置及计算机存储介质
JP6645346B2 (ja) 電磁波伝搬経路の追跡方法、装置及びシステム
JP4530898B2 (ja) 電波伝搬の推定プログラム、電波伝搬の推定方法、この方法を実行する装置
US20090144028A1 (en) Method and apparatus of combining mixed resolution databases and mixed radio frequency propagation techniques
Egea-Lopez et al. Opal: An open source ray-tracing propagation simulator for electromagnetic characterization
Corucci et al. Wireless propagation modeling by using ray-tracing
Taygur et al. A bidirectional ray-tracing method for antenna coupling evaluation based on the reciprocity theorem
JP6422618B2 (ja) 並列処理装置及び並列処理方法
Navarro et al. Applicability of game engine for ray Tracing Techniques in a Complex Urban Environment
WO2018064917A1 (zh) 基于gpu的人体微波回波模拟方法及系统
US20090167756A1 (en) Method and apparatus for computation of wireless signal diffraction in a three-dimensional space
JP2004193912A (ja) レイの受信判定方法並びにシステム及びそれを用いた電波伝搬特性推定方法
JP3654197B2 (ja) 電波伝搬特性予測システム及びその方法並びにプログラム
KR20190083497A (ko) 무선 통신 시스템에서 시뮬레이터의 전파환경 분석 방법 및 장치
US10904769B2 (en) Method, storage medium, and electronic device for wireless network design
Degli Esposti Ray tracing: Techniques, applications and prospect
Navarro et al. Using game engines for wideband channel estimation parameters in Andean cities
JPWO2009069507A1 (ja) 電波伝搬シミュレータ及びそれに用いる電波伝搬特性推定方法並びにそのプログラム
Vaara et al. A refined path generation pipeline for radio channel propagation modeling
JP2016023951A (ja) アンテナ性能評価装置及び到来波角度プロファイル推定装置
US20210211837A1 (en) Method for creating positioning support table and positioning using the positioning support table
JP2002107397A (ja) 電波伝搬特性予測における遮蔽物の検出方法及びシステム並びに記録媒体
Saeidi et al. New tube-based shooting and bouncing ray tracing method
Zhu et al. A General 3D Nonstationary Vehicle‐to‐Vehicle Channel Model Allowing 3D Arbitrary Trajectory and 3D‐Shaped Antenna Array
Ashour et al. An enhanced preprocessing dependent image theory algorithm for indoor coverage solutions

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180604

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20180604

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20180911

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180918

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181016

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6422618

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250