JP6422471B2 - 樹脂組成物、bステージシート、樹脂付金属箔、金属基板及びled基板 - Google Patents

樹脂組成物、bステージシート、樹脂付金属箔、金属基板及びled基板 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂組成物、Bステージシート、樹脂付金属箔、金属基板及びLED基板に関する。
電子機器の高密度化、コンパクト化の進行に伴い、半導体等の電子部品の放熱が大きな課題となっている。そのため高い熱伝導率と高い電気絶縁性を有する樹脂組成物が要求されるようになり、熱伝導性封止材や熱伝導性接着剤として実用化されている。
上記に関連して、液晶性を示すエポキシ樹脂とアルミナ粉末とを含むエポキシ樹脂組成物が開示され、高い熱伝導率と優れた加工性を有するとされている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−13759号公報
しかしながら、特許文献1に記載のエポキシ樹脂組成物では、十分な電気絶縁性が得られない場合があった。
本発明は、高い熱伝導率と高い電気絶縁性を有する樹脂硬化物を形成可能な樹脂組成物、ならびに、これを用いて形成されるBステージシート、樹脂付金属箔、金属基板、及びLED基板を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> ビフェニル骨格を有する2官能のエポキシ樹脂と、フェノール樹脂と、 重量累積粒度分布の小粒径側からの累積50%に対応する粒子径D50が7μm以上25μm以下である第1のアルミナ群、前記粒子径D50が1μm以上7μm未満である第2のアルミナ群、及び、前記粒子径D50が1μm未満である第3のアルミナ群と、を含み、エポキシ樹脂の総含有量に対する前記フェノール樹脂の含有比率(フェノール樹脂/エポキシ樹脂)が、当量基準で、1.00以上1.25以下である樹脂組成物である。
<2> 前記フェノール樹脂は、下記一般式(I)で表される構造単位を有する前記<1>に記載の樹脂組成物である。

(一般式(I)中、Rは、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表し、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表し、mは0〜2の整数を、nは1〜7の整数を表わす)
<3> 前記ビフェニル骨格を有する2官能のエポキシ樹脂は、下記一般式(III)で表される化合物を含む前記<1>又は<2>に記載の樹脂組成物である。

(一般式(III)中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、又は、炭素数1〜10の炭化水素基を表し、nは0〜3の整数を表わす)
<4> 前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の樹脂組成物に由来する半硬化樹脂組成物からなるBステージシートである。
<5> 金属箔と、前記金属箔上に配置された前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の樹脂組成物に由来する半硬化樹脂層と、を備える樹脂付金属箔である。
<6> 金属支持体と、前記金属支持体上に配置された前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の樹脂組成物に由来する硬化樹脂層と、前記硬化樹脂層上に配置された金属箔と、を備える金属基板である。
<7> 金属支持体と、前記金属支持体上に配置された前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の樹脂組成物に由来する硬化樹脂層と、前記硬化樹脂層上に配置された金属箔からなる回路層と、前記回路層上に配置されたLED素子と、を備えるLED基板である。
本発明によれば、高い熱伝導率と高い電気絶縁性を有する樹脂硬化物を形成可能な樹脂組成物、ならびに、これを用いて形成されるBステージシート、樹脂付金属箔、金属基板、及びLED基板を提供することができる。
本発明にかかるLED基板の一例を示す概略断面図である。 本発明にかかるLED基板の一例を示す斜視図である。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
さらに本明細書において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、ビフェニル骨格を有する2官能のエポキシ樹脂と、フェノール樹脂と、重量累積粒度分布の小粒径側からの累積50%に対応する粒子径D50が7μm以上25μm以下である第1のアルミナ群、前記粒子径D50が1μm以上7μm未満である第2のアルミナ群、及び、前記粒子径D50が1μm未満である第3のアルミナ群と、を含み、エポキシ樹脂の総含有量に対する前記フェノール樹脂の含有比率(フェノール樹脂/エポキシ樹脂)が、当量基準で、1.00以上1.25以下である。
さらに本発明の樹脂組成物は、上記必須成分に加えて必要に応じて、ビフェニル骨格を有する2官能のエポキシ樹脂以外のその他のエポキシ樹脂や、その他の成分を含んで構成される。
粒子径D50が互いに異なる少なくとも3種のアルミナを含み、エポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率が特定の範囲であることで、高い熱伝導率と高い電気絶縁性が達成される。さらに前記樹脂組成物は、例えば、Bステージシートを構成した場合に優れたシート可とう性を示す。
本発明において、エポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は、当量基準で、1.00以上1.25以下であるが、熱伝導率と電気絶縁性の観点から、1.00以上1.22以下であることが好ましい。
尚、本発明における当量基準とは、エポキシ樹脂に含まれるエポキシ基数と、該エポキシ基と1:1で反応するフェノール樹脂の水酸基数とを基準にして、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の含有比率を規定することを意味する。
また、エポキシ樹脂の総含有量とは、前記ビフェニル骨格を有する2官能のエポキシ樹脂、及び、前記ビフェニル骨格を有する2官能のエポキシ樹脂以外のその他のエポキシ樹脂の総含有量を意味する。
尚、上記当量基準の含有比率は具体的には、下記式より算出される。
式 含有比率(フェノール樹脂/エポキシ樹脂) = Σ(フェノール樹脂量/フェノール樹脂のフェノール当量)/Σ(エポキシ樹脂量/エポキシ樹脂のエポキシ当量)
樹脂組成物に含まれるアルミナが特定の粒子径分布を有していることで、異なる粒子径を有するアルミナ粒子同士が空隙を互いに埋め合い、アルミナが高密度に充填される。これに加えてビフェニル骨格を有する2官能のエポキシ樹脂及びフェノール樹脂を含むことで、高い熱伝導率と高い電気絶縁性が達成される。さらに前記樹脂組成物は、例えば、Bステージシートを構成した場合に優れたシート可とう性を示す。
[エポキシ樹脂]
本発明の樹脂組成物は、ビフェニル骨格を有する2官能のエポキシ樹脂の少なくとも1種を含有する。前記エポキシ樹脂は、少なくとも1つのビフェニル骨格を含み、2つのエポキシ基を有する化合物であれば特に制限はない。
具体的には例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂やビフェニレン型エポキシ樹脂を挙げることができる。
前記ビフェニル型エポキシ樹脂としては、下記一般式(III)で表されるエポキシ樹脂等を挙げることができる。

一般式(III)中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、又は、炭素数1〜10の置換もしくは非置換の炭化水素基を表し、nは0〜3の整数を表わす。
炭素数1〜10の置換もしくは非置換の炭化水素基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基等を挙げることができる。
なかでもR〜Rは、熱伝導性の観点から、水素原子又はメチル基が好ましい。
上記一般式(III)で示されるビフェニル型エポキシ樹脂としては、たとえば、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ビフェニル又は4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを主成分とするエポキシ樹脂、エピクロルヒドリンと4,4’−ビフェノール又は4,4’−(3,3’,5,5’−テトラメチル)ビフェノールとを反応させて得られるエポキシ樹脂等が挙げられる。なかでも硬化物のガラス転移温度の低下を抑制することができる観点から、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを主成分とするエポキシ樹脂が好ましい。このような化合物としてはYX−4000(ジャパンエポキシレジン株式会社製)、YL−6121H(ジャパンエポキシレジン株式会社製)、YSLV−80XY(東都化成株式会社製)等が市販品として入手可能である。
また前記ビフェニレン型エポキシ樹脂としては、下記一般式(IV)で表されるエポキシ樹脂等を挙げることができる。

一般式(IV)中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、又は炭素数6〜10のアラルキル基を表し、nは0〜10の整数を示す。
前記炭素数1〜10のアルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基等を挙げることができる。炭素数1〜10のアルコキシ基としては例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等を挙げることができる。炭素数6〜10のアリール基としては例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基等を挙げることができる。また炭素数7〜10のアラルキル基としては例えば、ベンジル基、フェネチル基等を挙げることができる。
なかでもR〜Rは、Bステージシートの可とう性の観点から、水素原子又はメチル基が好ましい。
上記一般式(IV)で示されるビフェニル型エポキシ樹脂としては例えば、NC−3000(日本化薬株式会社製商品名)が市販品として入手可能である。
本発明におけるビフェニル骨格を有する2官能のエポキシ樹脂としては、熱伝導率、電気絶縁性及びBステージシートの可とう性の観点から、前記一般式(III)又は一般式(IV)で表される化合物の少なくとも1種を含むことが好ましく、熱伝導性の観点から、一般式(III)で表される化合物の少なくとも1種を含むことがより好ましい。
本発明の樹脂組成物の全固形分における前記ビフェニル骨格を有する2官能のエポキシ樹脂の含有率としては、特に制限はないが、熱伝導率、電気絶縁性及びBステージシートの可とう性の観点から、3質量%以上10質量%以下であることが好ましく、後述する硬化物の物性の観点から、4質量%以上7質量%以下であることがより好ましい。
尚、樹脂組成物中の固形分とは、樹脂組成物を構成する成分から揮発性の成分を除去した残分を意味する。
本発明の樹脂組成物は、前記ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂に加えて、その他のエポキシ樹脂を含んでいてもよい。その他のエポキシ樹脂としては、ビフェニル骨格を有しないものであれば、従来公知のエポキシ樹脂を特に制限なく用いることができる。
具体的には例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂をはじめとするフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したもの。
ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンとフェノール類の共縮合樹脂のエポキシ化物、ナフタレン環を有するエポキシ樹脂、フェノール・アラルキル樹脂、ビフェニレン骨格を含有するフェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、テルペン変性エポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて併用して用いてもよい。
本発明の樹脂組成物は、Bステージシートを構成したときの可とう性の観点から、ナフタレン環を有するエポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種をさらに含むことが好ましい。
前記ナフタレン環を有するエポキシ樹脂としては少なくとも1つのナフタレン環と少なくとも1つのエポキシ基とを有する化合物であれば特に制限されない。例えば、HP4032D(DIC株式会社製)を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物が、その他のエポキシ樹脂(好ましくは、ナフタレン環を有するエポキシ樹脂)を含む場合、その含有率には特に制限はない。例えば、前記ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂に対して0.01質量%以上15質量%以下とすることができ、0.01質量%以上12質量%以下であることが好ましい。かかる含有率であることで熱伝導率、電気絶縁性及びBステージシートの可とう性がより効果的に向上する。
尚、本発明においては、前記ビフェニル骨格を有する2官能のエポキシ樹脂にその他のエポキシ樹脂を添加した場合は、エポキシ樹脂の総含有量に対する前記フェノール樹脂の含有比率が当量基準で1.00以上1.25以下である。
本発明の樹脂組成物が、その他のエポキシ樹脂(好ましくは、ナフタレン環を有するエポキシ樹脂)を含む場合、ビフェニル骨格を有する2官能のエポキシ樹脂とその他のエポキシ樹脂の含有比(ビフェニル骨格を有する2官能のエポキシ樹脂/その他のエポキシ樹脂)には特に制限はない。例えば、可とう性の観点から、80/20以上とすることができ、90/10以上であることが好ましく、95/5以上であることがより好ましい。
[フェノール樹脂]
本発明の樹脂組成物は、フェノール樹脂の少なくとも1種を含む。前記フェノール樹脂としては特に制限されないが、下記一般式(I)で表される構造単位を有する化合物の少なくとも1種を含有するフェノール樹脂(以下、「ノボラック樹脂」ということがある)を含むことが好ましい。前記フェノール樹脂は、例えば、エポキシ樹脂の硬化剤として作用する。
特定の構造を有するフェノール樹脂を含むことで、熱伝導率が効果的に向上し、さらに硬化前の状態における可使時間を十分に長くすることができる。

上記一般式(I)においてRは、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。Rで表されるアルキル基、アリール基及びアラルキル基は、可能であれば置換基をさらに有していてもよく、該置換基としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、及び水酸基等を挙げることができる。
mは0〜2の整数を表し、mが2の場合、2つのRは同一であっても異なってもよい。本発明においては、熱伝導性の観点から、mは0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
またnは1〜7の整数を表わす。
本発明におけるフェノール樹脂は、上記一般式(I)で表される構造単位を有する化合物であることが好ましいが、上記一般式(I)で表される構造単位を2種以上有していてもよい。本発明におけるフェノール樹脂が上記一般式(I)で表される構造単位を2種以上有する場合、該2種以上の構造単位はR〜R、m及びnのいずれか1つが互いに異なっていればよい。
本発明におけるフェノール樹脂は、上記一般式(I)で表される構造単位を有する化合物の少なくとも1種を含むことが好ましいが、上記一般式(I)で表される構造単位を有する2種以上の化合物を含むものであってもよい。本発明におけるフェノール樹脂が、上記一般式(I)で表される構造単位を有する2種以上の化合物を含む場合、該2種以上の化合物は、一般式(I)で表される構造単位が異なるもの、一般式(I)で表される構造単位以外の構造単位が異なるもの、及び分子量が異なるもののいずれであってもよい。
本発明におけるフェノール樹脂は、熱伝導性の観点から、フェノール性化合物としてレゾルシノールに由来する部分構造を含むことが好ましいが、レゾルシノール以外のフェノール性化合物に由来する部分構造の少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。レゾルシノール以外のフェノール性化合物としては、フェノール、クレゾール、カテコール、及びヒドロキノン等を挙げることができる。前記フェノール樹脂は、これらに由来する部分構造を1種単独でも、2種以上組み合わせて含んでいてもよい。
ここでフェノール性化合物に由来する部分構造とは、フェノール性化合物のベンゼン環部分から水素原子を1個又は2個取り除いて構成される1価又は2価の基を意味する。尚、水素原子が取り除かれる位置は特に限定されない。
本発明においてレゾルシノール以外のフェノール性化合物に由来する部分構造としては、熱伝導率、接着性、保存安定性の観点から、フェノール、クレゾール、カテコール、ヒドロキノン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、及び1,3,5−トリヒドロキシベンゼンから選ばれる少なくとも1種に由来する部分構造であることが好ましく、カテコール及びヒドロキノンから選ばれる少なくとも1種に由来する部分構造であることがより好ましい。
また前記フェノール樹脂におけるレゾルシノールに由来する部分構造の含有比率については特に制限はないが、熱伝導率と保存安定性の観点から、フェノール樹脂の全質量に対するレゾルシノールに由来する部分構造の含有比率が55質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
一般式(I)においてR及びRは、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、フェニル基又はアラルキル基を表す。R及びRで表されるアルキル基、フェニル基、アリール基及びアラルキル基は、可能であれば置換基をさらに有していてもよく、該置換基としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、及び水酸基等を挙げることができる。
本発明におけるR及びRとしては、保存安定性と熱伝導率の観点から、水素原子、アルキル基、フェニル基又はアリール基であることが好ましく、水素原子、炭素数1から4のアルキル基又は炭素数3から6のアリール基、フェニル基であることがより好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。
さらに耐熱性の観点から、R及びRの少なくとも一方はアリール基であることもまた好ましい。
本発明におけるフェノール樹脂として、具体的には、以下に示す一般式(Ia)〜一般式(If)のいずれかで表される部分構造を有する化合物を含むフェノール樹脂であることが好ましい。

一般式(Ia)〜一般式(If)において、i、jはそれぞれのフェノール性化合物に由来する構造単位の含有比率(質量%)を表し、iは5質量%〜30質量%、jは70質量%〜95質量%であり、iとjの合計は100質量%である。
本発明におけるフェノール樹脂は、熱伝導率と保存安定性の観点から、一般式(Ia)、一般式(Ie)のいずれかで表される構造単位を含み、iが5質量%〜20質量%であって、jが80質量%〜95質量%であることが好ましく、一般式(Ia)で表される構造単位を含み、iが2質量%〜10質量%であって、jが90質量%〜98質量%であることがより好ましい。
本発明におけるフェノール樹脂は上記一般式(I)で表される構造単位を有する化合物を含むことが好ましく、下記一般式(II)で表される化合物の少なくとも1種を含むものであることがより好ましい

一般式(II)中、R11は水素原子又は下記一般式(IIp)で表されるフェノール性化合物に由来する1価の基を表し、R12はフェノール性化合物に由来する1価の基を表す。また、R、R、R、m及びnは、一般式(I)におけるR、R、R、m及びnとそれぞれ同義である。
11及びR12で表されるフェノール性化合物に由来する1価の基は、フェノール性化合物から水素原子を1個取り除いて構成される1価の基であり、水素原子が取り除かれる位置は特に限定されない。

一般式(IIp)中、pは1〜3の整数を表わす。また、R、R及びRは一般式(I)におけるR、R及びRとそれぞれ同義であり、mは0〜2の整数を表す。
11及びR12におけるフェノール性化合物は、フェノール性水酸基を有する化合物であれば特に限定されない。具体的には、フェノール、クレゾール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン等を挙げることができる。中でも熱伝導率と保存安定性の観点から、クレゾール、カテコール、及びレゾルシノールから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
前記フェノール樹脂の数平均分子量としては熱伝導率の観点から、800以下であることが好ましく、300以上700以下であることがより好ましく、350以上550以下であることがより好ましい。
本発明の樹脂組成物において、上記一般式(I)で表される構造単位を有する化合物を含むフェノール樹脂は、フェノール樹脂を構成するフェノール性化合物であるモノマーを含んでいてもよい。フェノール樹脂を構成するフェノール性化合物であるモノマーの含有比率(以下、「モノマー含有比率」ということがある)としては特に制限はないが、5質量%〜80質量%であることが好ましく、15質量%〜60質量%であることがより好ましく、20質量%〜50質量%であることがさらに好ましい。
モノマー含有比率が20質量%以上であることで、フェノール樹脂の粘度上昇を抑制し、無機充填剤の密着性がより向上する。また50質量%以下であることで、硬化の際における架橋反応により、より高密度な高次構造が形成され、優れた熱伝導率と耐熱性が達成できる。
尚、フェノール樹脂を構成するフェノール性化合物のモノマーとしては、レゾルシノール、カテコール、及びヒドロキノンを挙げることができ、少なくともレゾルシノールをモノマーとして含むことが好ましい。
また本発明の樹脂組成物における前記フェノール樹脂の含有比率としては、前記ビフェニル骨格を有する2官能のエポキシ樹脂に対する前記フェノール樹脂の含有比率が、当量基準で、1.0以上1.25以下であれば、特に制限はないが、熱伝導率、電気絶縁性、Bステージシートの可とう性及び可使時間の観点から、1.00以上1.22以下であることが好ましく、吸湿時の絶縁性の観点から、1.00以上1.20以下であることがより好ましく、1.00以上1.10以下であることが特に好ましい。
本発明の樹脂組成物は、熱伝導率と電気絶縁性の観点から、前記一般式(III)又は一般式(IV)で表される化合物を含むエポキシ樹脂と前記一般式(I)で表される構造単位を有する化合物を含むフェノール樹脂とを含み、エポキシ樹脂の総含有量に対する前記フェノール樹脂の含有比率が、当量基準で1.00以上1.22以下であることが好ましく、前記一般式(III)で表される化合物を含むエポキシ樹脂と前記一般式(I)で表される構造単位を有する化合物を含むフェノール樹脂とを含み、エポキシ樹脂の総含有量に対する前記フェノール樹脂の含有比率が、当量基準で1.00以上1.22以下であることがより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、前記フェノール樹脂に加え、必要に応じて、フェノール樹脂以外のその他の硬化剤を含んでいてもよい。その他の硬化剤としては従来公知の硬化剤を特に制限なく用いることができる。具体的には例えば、アミン系硬化剤、メルカプタン系硬化剤などの重付加型硬化剤や、イミダゾールなどの潜在性硬化剤などを用いることができる。
[アルミナ]
本発明の樹脂組成物は、重量累積粒度分布の小粒径側からの累積50%に対応する粒子径D50が7μm以上25μm以下である第1のアルミナ群、前記粒子径D50が1μm以上7μm未満である第2のアルミナ群、及び、前記粒子径D50が1μm未満である第3のアルミナの少なくとも3種のアルミナ群を含む。従って前記樹脂組成物に含まれるアルミナの粒子径分布は、第1から第3のアルミナ群にそれぞれ対応する少なくとも3つのピークを有する。また、それぞれのピークのピーク面積は、それぞれのアルミナ群の含有率に応じたものとなっている。
本発明においてアルミナの粒子径D50は、レーザー回折法を用いて測定され、重量累積粒度分布曲線を小粒径側から描いた場合に、重量累積が50%となる粒子径に対応する。
レーザー回折法を用いた粒度分布測定は、レーザー回折散乱粒度分布測定装置(例えば、ベックマン・コールター社製、LS230)を用いて行なうことができる。
前記第1のアルミナ群は、重量累積粒度分布の小粒径側からの累積50%に対応する粒子径D50が7μm以上25μm以下であるが、熱伝導率と電気絶縁性の観点から、10μm以上25μm以下であることが好ましく、シートの平坦性を保つ観点から、15μm以上25μm以下であることがより好ましい。
また前記樹脂組成物に含まれるアルミナの総質量中における第1のアルミナ群の含有率は、60質量%以上70質量%以下であることが好ましい。熱伝導率と電気絶縁性の観点から、62質量%以上70質量%以下であることがより好ましい。
また前記第2のアルミナ群は、重量累積粒度分布の小粒径側からの累積50%に対応する粒子径D50が1μm以上7μm未満であるが、熱伝導率と電気絶縁性の観点から、2μm以上6μm以下であることが好ましく、シート中の空隙を低減する観点から、3μm以上5μm以下であることがより好ましい。
前記樹脂組成物に含まれるアルミナの総質量中における第2のアルミナ群の含有率は、15質量%以上30質量%以下であることが好ましく、熱伝導率と電気絶縁性の観点から、18質量%以上27質量%以下であることがより好ましく、18.5質量%以上25質量%以下であることがさらに好ましい。
前記第3のアルミナ群は、重量累積粒度分布の小粒径側からの累積50%に対応する粒子径D50が1μm未満であるが、熱伝導率と電気絶縁性の観点から、0.1μm以上0.8μm以下であることが好ましく、シート中の空隙を低減させる観点から、0.2μm以上0.6μm以下であることがより好ましい。
また前記樹脂組成物に含まれるアルミナの総質量中における第3のアルミナ群の含有率は、1質量%以上25質量%以下であることが好ましく、熱伝導率と電気絶縁性の観点から、5質量%以上20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上18質量%以下であることがさらに好ましい。
また本発明において前記第3のアルミナ群に対する前記第2のアルミナ群の含有比率(第2のアルミナ群/第3のアルミナ群)には特に制限はないが、熱伝導率と電気絶縁性の観点から、1.2以上1.7以下であることが好ましく、1.25以上1.65以下であることがより好ましく、シート中の空隙を低減させる観点から、1.3以上1.6以下であることがさらに好ましい。
一方、前記第2のアルミナ群に対する前記第1のアルミナ群の含有比率(第1のアルミナ群/第2のアルミナ群)は特に制限はないが、熱伝導率と電気絶縁性の観点から、2.0以上5.0以下であることが好ましく、シート中の空隙を低減させる観点から、2.5以上4.0以下であることがより好ましい。
本発明におけるアルミナは既述の粒子径分布を有するものであれば、結晶構造等に特に制限はなく、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ等のいずれであってもよいが、前記第1から第3のアルミナ群の少なくとも1種はα−アルミナであることが好ましく、熱伝導性の観点から、α−アルミナのみから構成されることがより好ましい。
また前記第1のアルミナ群及び第2のアルミナ群は、熱伝導性の観点から、α−アルミナの単結晶粒子からなるアルミナであることがさらに好ましい。
一方前記第3のアルミナは、α−アルミナ、γ−アルミナ、δ−アルミナ、又はθ−アルミナであることが好ましく、α−アルミナであることがより好ましく、熱伝導性の観点から、α−アルミナの単結晶粒子からなるアルミナであることがさらに好ましい。
前記第1から第3のアルミナ群は、市販のものから適宜選択することができる。また、遷移アルミナ又は熱処理することにより遷移アルミナとなるアルミナ粉末を、塩化水素を含有する雰囲気ガス中で焼成すること(例えば、特開平6−191833号公報、特開平6−191836号公報等参照)により製造したものであってもよい。
本発明の樹脂組成物に含まれるアルミナの含有率には特に制限はないが、樹脂組成物を構成する固形分中、85質量%以上95質量%以下とすることができ、熱伝導率、電気絶縁性、及びシート可とう性の観点から、88質量%以上92質量%以下であることがより好ましい。
尚、樹脂組成物中の固形分とは、樹脂組成物を構成する成分から揮発性の成分を除去した残分を意味する。
本発明の樹脂組成物は、前記第1から第3のアルミナ群に加えて、アルミナを主成分とし、その数平均繊維径が1μm〜50μmである無機繊維を含んでいてもよい。本発明において「アルミナを主成分とする無機繊維」とは、アルミナを50質量%以上含む無機繊維を意味する。なかでも、アルミナを70質量%以上含む無機繊維であることが好ましく、アルミナを90質量%以上含む無機繊維であることがより好ましい。かかる無機繊維の数平均繊維径は、1μm〜50μmであるが、好ましくは1μm〜30μmであり、より好ましくは1μm〜20μmである。また、かかる無機繊維の繊維長は、通常0.1mm〜100mmである。
かかる無機繊維としては、通常、市販されているものが使用され、具体的には、アルテックス(住友化学株式会社製)、デンカアルセン(電気化学工業株式会社製)、マフテックバルクファイバー(三菱化学産資株式会社製)等が挙げられる。
かかる無機繊維を用いる場合のその使用量は、前記第1から第3のアルミナの質量に対して、通常5質量%〜70質量%、好ましくは5質量%〜50質量%であり、アルミナと無機繊維の合計質量が、樹脂組成物の固形分中、通常30質量%〜95質量%となる量が用いられる。
本発明の樹脂組成物は前記アルミナに加えて、必要に応じてアルミナ以外の無機充填材をさらに含んでいてもよい。無機充填材としては例えば、非導電性のものとして、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム等を挙げることができる。また導電性のものとして、金、銀、ニッケル、銅等を挙げることができる。これらの無機充填材は1種類単独で又は2種類以上の混合系で使用することができる。
本発明の樹脂組成物は上記必須成分に加えて、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては例えば、溶剤、シランカップリング剤、分散剤、沈降防止剤等を挙げることができる。
前記溶剤としては樹脂組成物の硬化反応を阻害しないものであれば特に制限なく、通常用いられる有機溶剤を適宜選択して用いることができる。
本発明の樹脂組成物にはシランカップリング剤を含むことが好ましい。シランカップリング剤を含むことで、アルミナ材の表面とその周りを取り囲む有機樹脂の間で共有結合を形成する役割(バインダ剤に相当)を果たすことによって、熱を効率よく伝達する働きや、更には水分の浸入を妨げることにより、絶縁信頼性の向上にも寄与する。
シランカップリング剤としては、市販のものを通常使用できるが、エポキシ樹脂やフェノール樹脂との相溶性及び樹脂層とアルミナとの界面での熱伝導ロスを低減することを考慮すると、末端にエポキシ基、アミノ基、メルカプト基、ウレイド基、又は水酸基を有するシランカップリング剤を用いることが好適である。
具体的には例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどを挙げることができ、またSC−6000KS2に代表されるシランカップリング剤オリゴマ(日立化成コーテットサンド株式会社製)等も挙げられる。
これらシランカップリング剤は単独又は2種類以上を併用することもできる。
本発明の樹脂組成物には、分散剤を添加することができる。分散剤としてはアルミナの分散に効果のある分散剤を特に制限なく使用できる。分散剤としては例えば、味の素ファインテック株式会社製アジスパーシリーズ、楠本化成株式会社製HIPLAADシリーズ、株式会社花王製ホモゲノールシリーズ等が挙げられる。これら分散剤は二種類以上を併用することができる。
<Bステージシート>
本発明のBステージシートは、前記樹脂組成物に由来する半硬化樹脂組成物からなり、シート状の形状を有する。
Bステージシートは、例えば、前記樹脂組成物を離型フィルム上に塗布・乾燥して樹脂フィルムを形成する工程と、前記樹脂フィルムをBステージ状態まで加熱処理する工程とを含む製造方法で製造できる。
前記樹脂組成物を加熱処理して形成されることで、熱伝導率及び電気絶縁性に優れ、Bステージシートとしての可とう性及び可使時間に優れる。
本発明のBステージシートとは樹脂シートの粘度として、における常温(25度)においては10Pa・s〜10Pa・sであるのに対して、100℃で10Pa・s〜10Pa・sに粘度が低下するものである。また、後述する硬化後の硬化樹脂層は加温によっても溶融することはない。尚、上記粘度は、動的粘弾性測定(周波数1ヘルツ、荷重40g、昇温速度3℃/分)によって測定されうる。
具体的には例えば、PETフィルム等の離型フィルム上に、メチルエチルケトンやシクロヘキサンノン等の溶剤を添加したワニス状の樹脂組成物を、塗布後、乾燥することで樹脂フィルムを得ることができる。
塗布は、公知の方法により実施することができる。塗布方法として、具体的には、コンマコート、ダイコート、リップコート、グラビアコート等の方法が挙げられる。所定の厚みに樹脂層を形成するための塗布方法としては、ギャップ間に被塗工物を通過させるコンマコート法、ノズルから流量を調整した樹脂ワニスを塗布するダイコート法等を適用することができる。例えば、乾燥前の樹脂層の厚みが50μm〜500μmである場合、コンマコート法を用いることが好ましい。
塗工後の樹脂層は硬化反応がほとんど進行していないため、可とう性を有するものの、シートとしての柔軟性に乏しく、支持体である前記PETフィルムを除去した状態ではシート自立性に乏しく、取り扱いが困難である。そこで、本発明は後述する加熱処理により樹脂組成物をBステージ化する。
本発明において、得られた樹脂フィルムを加熱処理する条件は、樹脂組成物をBステージ状態にまで半硬化することができれば特に制限されず、樹脂組成物の構成に応じて適宜選択することができる。本発明において加熱処理には、塗工の際に生じた樹脂層中の空隙(ボイド)をなくす目的から、熱真空プレス、及び、熱ロールラミネート等から選択される加熱処理方法が好ましい。これにより平坦なBステージシートを効率よく製造することができる。
具体的には例えば、加熱温度80℃〜130℃で、1秒間〜30秒間、真空下(例えば、1MPa)で加熱プレス処理することで樹脂組成物をBステージ状態に半硬化することができる。
前記Bステージシートの厚みは、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50μm以上200μm以下とすることができ、熱伝導率、電気絶縁性及びシート可とう性の観点から、60μm以上150μm以下であることが好ましい。また、2層以上の樹脂フィルムを積層しながら熱プレスすることにより作製することもできる。
<樹脂付金属箔>
本発明の樹脂付金属箔は、金属箔と、前記金属箔上に配置された前記樹脂組成物に由来する半硬化樹脂層とを備える。前記樹脂組成物に由来する半硬化樹脂層を有することで、熱伝導率、電気絶縁性、可とう性に優れる。
前記半硬化樹脂層は前記樹脂組成物をBステージ状態になるように加熱処理して得られるものである。
前記金属箔としては、金箔、銅箔、アルミニウム箔など特に制限されないが、一般的には銅箔が用いられる。
前記金属箔の厚みとしては、1μm以上200μm以下であれば特に制限されないが、10μm以上150μm以下の金属箔を用いることで可とう性がより向上する。
また、金属箔として、ニッケル、ニッケル−リン、ニッケル−スズ合金、ニッケル−鉄合金、鉛、鉛−スズ合金等を中間層とし、この両面に0.5μm〜15μmの銅層と10μm〜300μmの銅層を設けた3層構造の複合箔、又はアルミニウムと銅箔とを複合した2層構造複合箔を用いることもできる。
樹脂付金属箔は、前記樹脂組成物を金属箔上に塗布・乾燥することにより樹脂層(樹脂フィルム)を形成し、前記樹脂層がBステージ状態(半硬化状態)になるように加熱処理することで製造することができる。
樹脂付金属箔の製造条件は特に制限されないが、乾燥後の樹脂層においては、金属基板作成時の電気絶縁性や外観の観点から、樹脂ワニスに使用した有機溶媒が80質量%以上揮発していることが好ましい。乾燥温度は80℃〜180℃程度であり、乾燥時間はワニスのゲル化時間との兼ね合いで決めることができ、特に制限はない。樹脂ワニスの塗布量は、乾燥後の樹脂層の厚みが50μm〜200μmとなるように塗布することが好ましく、60μm〜150μmとなることがより好ましい。
尚、樹脂層の形成方法、加熱処理条件は既述の通りである。
<金属基板>
本発明の金属基板は、金属支持体と、前記金属支持体上に配置された前記樹脂組成物に由来する樹脂層と、前記樹脂層上に配置された金属箔と、を備える。金属支持体と金属箔との間に配置された前記樹脂組成物に由来する樹脂層が、硬化状態になるように加熱処理して形成されたものであることで、接着性、熱伝導率、電気絶縁性に優れる。
前記金属支持体は目的に応じて、その素材及び厚み等が適宜選択される。具体的には例えば、アルミニウム、鉄等の金属を用い、加工性の観点から、厚みを0.5mm以上5mm以下とすることが好ましい。
また樹脂層上に配置される金属箔は、前記樹脂付金属箔における金属箔と同義であり、好ましい態様も同様である。
本発明の金属基板は、例えば以下のようにして製造することができる。アルミニウム等の金属支持体上に、前記樹脂組成物を上記と同様にして塗布・乾燥することで樹脂層を形成し、さらに樹脂層上に金属箔を配置して、これを加熱・加圧処理して、樹脂層を硬化することで製造することができる。また、金属支持体上に、前記樹脂付金属箔を樹脂層が金属支持体に対向するように張り合わせた後、これを加熱・加圧処理して、樹脂層を硬化することで製造することもできる。
前記樹脂層を硬化する加熱・加圧処理の条件は、樹脂組成物の構成に応じて適宜選択される。例えば、加熱温度が80℃〜250℃で、圧力が0.5MPa〜8.0MPaであることが好ましく、加熱温度が130℃〜230℃で、圧力が1.5MPa〜5.0MPaであることがより好ましい。
<LED基板>
本発明のLED基板100は、図1及び図2に概略を示すように金属支持体14と、前記金属支持体上に配置された前記樹脂組成物に由来する硬化樹脂層12と、前記硬化樹脂層12上に配置された金属箔からなる回路層10と、前記回路層上に配置されたLED素子20と、を備える。
金属支持体上に接着性、熱伝導率及び電気絶縁性に優れる前記樹脂層が形成されていることで、LED素子から放出される熱を効率的に放熱することが可能になる。
本発明のLED基板は、例えば、上記のようにして得られる金属基板上の金属箔に回路加工して回路層を形成する工程と、形成された回路層上にLED素子を配置する工程と、を含む製造方法で製造することができる。
金属基板上の金属箔に回路加工する工程には、フォトリソ等の通常用いられる方法を適用することができる。また回路層上にLED素子を配置する工程についても、通常用いられる方法を特に制限なく用いることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「%」は質量基準である。
<樹脂合成例1>
撹拌機、冷却器、温度計を備えた3Lのセパラブルフラスコにレゾルシノール594g、カテコール66g、37%ホルマリン316.2g、シュウ酸15g、水100gを入れ、オイルバスで加温しながら100℃に昇温した。還流温度で4時間反応を続けた。
その後水を留去しながら、フラスコ内の温度を170℃に昇温した。170℃を保持しながら8時間反応を続けた。その後減圧下、20分間濃縮を行い系内の水等を除去して、一般式(I)で表される構造単位を有するフェノール樹脂を取り出した。得られたフェノール樹脂の数平均分子量は530、重量平均分子量は930であった。またフェノール樹脂のフェノール当量は65g/eq.であった。
<実施例1>
ポリプロピレン製の1L蓋付き容器中に、粒子径D50が18μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA18)を56.80g(63.0%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が3μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA3)を20.29g(22.5%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が0.4μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA04)を13.07g(14.5%(対アルミナ総質量))と、を秤量し、シランカップリング剤(信越化学工業株式会社製、KBM403)を0.099g、溶剤として2−ブタノン(和光純薬株式会社製)を12.18g、分散剤(楠本化成株式会社製、ED−113)を0.180g、樹脂合成例1で得られたフェノール樹脂を2.98g(固形分)加えて攪拌した。さらにビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、YL6121H、エポキシ当量172g/eq.)を5.914g、ナフタレン系エポキシ樹脂(DIC株式会社製、HP4032D、エポキシ当量140g/eq.)を0.657g、イミダゾール化合物(四国化成工業株式会社製、2PHZ)を0.012g加えた。さらに、直径5mmのジルコニア製ボールを500g投入し、ボールミル架台上で100rpmで48時間攪拌した後、ジルコニア製ボールを濾別し、ワニス状の樹脂組成物1を得た。
尚、樹脂組成物1におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.18であった。
上記で得られた樹脂組成物1を、250μmのギャップを有するアプリケーター、及び、テーブルコーター(テスター産業株式会社製)を用いて、PETフィルム(帝人デュポンフィルム社製、A53)上に塗布し、100℃で20分間乾燥を行なった。乾燥後の膜厚は100μmであった。乾燥後の樹脂層上にPETフィルム(帝人デュポンフィルム社製、A53)を載置し、次いで真空ラミネータ(名機製作所社製)を用い、130℃、真空度1MPa下において15秒間真空プレスを行って、シート成形物(Bステージシート)を得た。
得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
[評価]
上記で得られたシート成形物を2mm厚のステンレス板に挟み、箱型乾燥機中において140℃で2時間、さらに190℃で2時間処理してシート硬化物を得た。得られたシート硬化物について以下の評価を行なった。評価結果を表1に示した。
(熱伝導率)
得られたシート硬化物の熱伝導率を、熱拡散率・熱伝導率測定装置(アイフェイズ・モバイル、アイフェイズ社製)を用いて、温度波熱分析法により測定した。測定結果を表1に示した。
(電気絶縁性)
得られたシート硬化物を直径25mmの電極間に挟み、HAT−300−100RHO型絶縁破壊電圧測定装置(山崎産業社製)を用いて、交流印加(500V/秒)の条件で最低絶縁耐圧を測定した。測定結果を表1に示した。
(シート光沢)
得られたシート硬化物の光沢を目視で観察して、下記評価基準に従って評価した。
〜評価基準〜
A:シート全面に均一に光沢があった。
B:シート全面に光沢があるが微細な凹凸が存在した。
C:シート全面にやや光沢が認められた。
D:シート全面に光沢がなかった。
(アルミナ粒子径)
ワニス状の樹脂組成物1について、その0.5gを50gのメタノールに分散し、適量をレーザー回折散乱粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社製、LS230)に投入し、樹脂組成物中のアルミナの粒度分布測定を行った。測定結果を表1に示した。
<実施例2>
実施例1において、アルミナとして、粒子径D50が20μmであるアルミナ(昭和電工株式会社製、AS−20)を62.66g(69.5%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が3μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA3)を16.77g(18.6%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が0.4μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA04)を10.73g(11.9%(対アルミナ総質量))とを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物2を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物2を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物2におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.18であった。
得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例3>
実施例1において、フェノール樹脂の添加量を2.805gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.072g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.675gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物3を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物3を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物3におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.08であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例4>
実施例1において、フェノール樹脂の添加量を2.713gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.154g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.683gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物4を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物4を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物4におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.03であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例5>
実施例1において、フェノール樹脂の添加量を2.893gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を5.991g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.666gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物5を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物5を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物5におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.16であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例6>
実施例1において、フェノール樹脂の添加量を2.979gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を5.914g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.657gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物6を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物6を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物6におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.20であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例7>
実施例1において、フェノール樹脂の添加量を2.713gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.495g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.342gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物7を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物7を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物7におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.05であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例8>
実施例1において、フェノール樹脂の添加量を2.893gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.324g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.333gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物8を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物8を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物8におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.15であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例9>
実施例1において、フェノール樹脂の添加量を2.979gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.242g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.329gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物9を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物9を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物9におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.22であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例10>
実施例1において、フェノール樹脂の添加量を2.713gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.837g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物10を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物10を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物10におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.04であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例11>
実施例1において、フェノール樹脂の添加量を2.893gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.657g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物11を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物11を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。
尚、樹脂組成物11におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.15であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例12>
実施例1において、フェノール樹脂の添加量を2.979gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.571g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物12を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物12を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物12におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.22であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例13>
実施例1において、アルミナを、粒子径D50が20μmであるアルミナ(昭和電工株式会社製、AS−20)を62.66g(69.5%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が3μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA3)を16.77g(18.6%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が0.4μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA04)を10.73g(11.9%(対アルミナ総質量))とに変更し、フェノール樹脂の添加量を2.713gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.154g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.683gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物13を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物13を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物13におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.06であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例14>
実施例1において、アルミナを、粒子径D50が20μmであるアルミナ(昭和電工株式会社製、AS−20)を62.66g(69.5%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が3μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA3)を16.77g(18.6%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が0.4μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA04)を10.73g(11.9%(対アルミナ総質量))とに変更し、フェノール樹脂の添加量を2.893gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を5.991g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.666gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物14を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物14を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物14におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.15であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例15>
実施例1において、アルミナを、粒子径D50が20μmであるアルミナ(昭和電工株式会社製、AS−20)を62.66g(69.5%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が3μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA3)を16.77g(18.6%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が0.4μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA04)を10.73g(11.9%(対アルミナ総質量))とに変更し、フェノール樹脂の添加量を2.979gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を5.914g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.657gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物15を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物15を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物15におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.21であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例16>
実施例1において、アルミナを、粒子径D50が20μmであるアルミナ(昭和電工株式会社製、AS−20)を62.66g(69.5%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が3μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA3)を16.77g(18.6%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が0.4μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA04)を10.73g(11.9%(対アルミナ総質量))とに変更し、フェノール樹脂の添加量を2.713gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.495g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.342gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物16を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物16を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物16におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.06であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例17>
実施例1において、アルミナを、粒子径D50が20μmであるアルミナ(昭和電工株式会社製、AS−20)を62.66g(69.5%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が3μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA3)を16.77g(18.6%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が0.4μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA04)を10.73g(11.9%(対アルミナ総質量))とに変更し、フェノール樹脂の添加量を2.893gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.324g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.333gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物17を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物17を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物17におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.16であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例18>
実施例1において、アルミナを、粒子径D50が20μmであるアルミナ(昭和電工株式会社製、AS−20)を62.66g(69.5%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が3μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA3)を16.77g(18.6%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が0.4μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA04)を10.73g(11.9%(対アルミナ総質量))とに変更し、フェノール樹脂の添加量を2.979gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.242g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.329gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物18を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物18を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物18におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.18であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例19>
実施例1において、アルミナを、粒子径D50が20μmであるアルミナ(昭和電工株式会社製、AS−20)を62.66g(69.5%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が3μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA3)を16.77g(18.6%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が0.4μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA04)を10.73g(11.9%(対アルミナ総質量))とに変更し、フェノール樹脂の添加量を2.713gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.837g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物19を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物19を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物19におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.05であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例20>
実施例1において、アルミナを、粒子径D50が20μmであるアルミナ(昭和電工株式会社製、AS−20)を62.66g(69.5%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が3μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA3)を16.77g(18.6%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が0.4μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA04)を10.73g(11.9%(対アルミナ総質量))とに変更し、フェノール樹脂の添加量を2.893gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.657g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物20を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物20を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物20におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.14であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例21>
実施例1において、アルミナを、粒子径D50が20μmであるアルミナ(昭和電工株式会社製、AS−20)を62.66g(69.5%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が3μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA3)を16.77g(18.6%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が0.4μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA04)を10.73g(11.9%(対アルミナ総質量))とに変更し、フェノール樹脂の添加量を2.979gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.571g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物21を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物21を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物21におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.03であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例22>
実施例1において、アルミナを、粒子径D50が24μmであるアルミナ(新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製、AX−116)を56.80g(63.0%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が4.5μmであるアルミナ(新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製、AX3−32)を18.93g(21.0%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が0.5μmであるアルミナ(日本軽金属株式会社製、LS235)を14.42g(16.0%(対アルミナ総質量))とに変更し、フェノール樹脂の添加量を2.713gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.154g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.683gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物22を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物22を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物22におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.05であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例23>
実施例1において、アルミナを、粒子径D50が24μmであるアルミナ(新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製、AX−116)を56.80g(63.0%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が4.5μmであるアルミナ(新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製、AX3−32)を18.93g(21.0%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が0.5μmであるアルミナ(日本軽金属株式会社製、LS235)を14.42g(16.0%(対アルミナ総質量))とに変更し、フェノール樹脂の添加量を2.893gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を5.991g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.666gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物23を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物23を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物23におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.16であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例24>
実施例1において、アルミナを、粒子径D50が24μmであるアルミナ(新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製、AX−116)を56.80g(63.0%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が4.5μmであるアルミナ(新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製、AX3−32)を18.93g(21.0%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が0.5μmであるアルミナ(日本軽金属株式会社製、LS235)を14.42g(16.0%(対アルミナ総質量))とに変更し、フェノール樹脂の添加量を2.979gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を5.914g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.657gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物24を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物24を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物24におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.20であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例25>
実施例1において、アルミナを、粒子径D50が24μmであるアルミナ(新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製、AX−116)を56.80g(63.0%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が4.5μmであるアルミナ(新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製、AX3−32)を18.93g(21.0%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が0.5μmであるアルミナ(日本軽金属株式会社製、LS235)を14.42g(16.0%(対アルミナ総質量))とに変更し、フェノール樹脂の添加量を2.713gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.495g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.342gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物25を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物25を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物25におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.06であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例26>
実施例1において、アルミナを、粒子径D50が24μmであるアルミナ(新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製、AX−116)を56.80g(63.0%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が4.5μmであるアルミナ(新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製、AX3−32)を18.93g(21.0%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が0.5μmであるアルミナ(日本軽金属株式会社製、LS235)を14.42g(16.0%(対アルミナ総質量))とに変更し、フェノール樹脂の添加量を2.893gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.324g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.333gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物26を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物26を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物26におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.13であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例27>
実施例1において、アルミナを、粒子径D50が24μmであるアルミナ(新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製、AX−116)を56.80g(63.0%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が4.5μmであるアルミナ(新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製、AX3−32)を18.93g(21.0%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が0.5μmであるアルミナ(日本軽金属株式会社製、LS235)を14.42g(16.0%(対アルミナ総質量))とに変更し、フェノール樹脂の添加量を2.979gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.242g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.329gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物27を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物27を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物27におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.22であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例28>
実施例1において、アルミナを、粒子径D50が24μmであるアルミナ(新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製、AX−116)を56.80g(63.0%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が4.5μmであるアルミナ(新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製、AX3−32)を18.93g(21.0%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が0.5μmであるアルミナ(日本軽金属株式会社製、LS235)を14.42g(16.0%(対アルミナ総質量))とに変更し、フェノール樹脂の添加量を2.713gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.837g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物28を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物28を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物28におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.05であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例29>
実施例1において、アルミナを、粒子径D50が24μmであるアルミナ(新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製、AX−116)を56.80g(63.0%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が4.5μmであるアルミナ(新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製、AX3−32)を18.93g(21.0%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が0.5μmであるアルミナ(日本軽金属株式会社製、LS235)を14.42g(16.0%(対アルミナ総質量))とに変更し、フェノール樹脂の添加量を2.893gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.657g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物29を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物29を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物29におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.15であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例30>
実施例1において、アルミナを、粒子径D50が24μmであるアルミナ(新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製、AX−116)を56.80g(63.0%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が4.5μmであるアルミナ(新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製、AX3−32)を18.93g(21.0%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が0.5μmであるアルミナ(日本軽金属株式会社製、LS235)を14.42g(16.0%(対アルミナ総質量))とに変更し、フェノール樹脂の添加量を2.979gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.571g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物30を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物30を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物30におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.21であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例31>
実施例1において、フェノール樹脂の添加量を2.619gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.238g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.693gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物31を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物31を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。
尚、樹脂組成物31におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.00であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例32>
実施例1において、フェノール樹脂の添加量を2.619gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.931g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物32を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物32を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物32におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.00であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例33>
ポリプロピレン製の1L蓋付き容器中に、粒子径D50が18μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA18)を56.80g(63%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が3μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA3)を20.29g(22.5%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が0.4μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA04)を13.07g(14.5%(対アルミナ総質量))と、を秤量し、シランカップリング剤(信越化学工業株式会社製、KBM403)を0.099g、溶剤として2−ブタノン(和光純薬株式会社製)を12.18g、分散剤(楠本化成株式会社製、ED−113)を0.180g、フェノール樹脂(日立化成工業株式会社製、ヒタノール、一般式(I)で表される構造単位を有するノボラック樹脂、フェノール当量65g/eq.)を2.98g(固形分)加えて攪拌した。さらにビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、YL6121H、エポキシ当量172g/eq.)を5.914g、ナフタレン系エポキシ樹脂(DIC株式会社製、HP4032D、エポキシ当量140g/eq.)を0.657g、イミダゾール化合物(四国化成工業株式会社製、2PHZ)を0.012g加えた。さらに、直径5mmのジルコニア製ボールを500g投入し、ボールミル架台上で100rpmで48時間攪拌した後、ジルコニア製ボールを濾別し、ワニス状の樹脂組成物33を得た。得られたワニス状の樹脂組成物33を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物33におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.18であった。
得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<実施例34>
実施例33において、フェノール樹脂の添加量を2.805gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.072g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.675gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物34を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物34を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物34におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.08であった。
得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<比較例1>
実施例1において、アルミナとして、粒子径D50が20μmであるアルミナ(昭和電工製、AS−20)を62.66g(69.5%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が4.5μmであるアルミナ(新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製、AX3−32)を18.39g(20.4%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が0.5μmであるアルミナ(日本軽金属株式会社製、LS235)を9.10g(10.1%(対アルミナ総質量))と、フェノール樹脂の添加量を2.322gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.506g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.723gにそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物C1を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物C1を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。
尚、樹脂組成物C1におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は0.85であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<比較例2>
比較例1において、フェノール樹脂の添加量を3.226gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を5.692g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.632gにそれぞれ変更したこと以外は比較例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物C2を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物C2を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物C2におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.36であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<比較例3>
比較例1において、フェノール樹脂の添加量を2.523gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を7.027g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0gにそれぞれ変更したこと以外は比較例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物C3を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物C3を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物C3におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は0.95であった。
また得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<比較例4>
比較例1において、アルミナとして、粒子径D50が39μmであるアルミナ(昭和電工株式会社製、AS−10)を63.11g(70.0%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が3μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA3)を13.52g(15.0%(対アルミナ総質量))と、粒子径D50が0.4μmであるアルミナ(住友化学株式会社製、スミコランダムAA04)を13.52g(15.0%(対アルミナ総質量))と、フェノール樹脂の添加量を2.523gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.325g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.702gにそれぞれ変更したこと以外は比較例1と同様にして、ワニス状の樹脂組成物C4を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物C4を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物C4におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は0.94であった。
得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<比較例5>
比較例4において、フェノール樹脂の添加量を3.146gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を5.764g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.640gにそれぞれ変更したこと以外は比較例4と同様にして、ワニス状の樹脂組成物C5を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物C5を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物C5におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.29であった。
得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<比較例6>
比較例4において、フェノール樹脂の添加量を2.424gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を7.126g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0gにそれぞれ変更したこと以外は比較例4と同様にして、ワニス状の樹脂組成物C6を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物C6を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物C6におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は0.88であった。
得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<比較例7>
実施例33において、フェノール樹脂の添加量を2.425gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を6.414g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.713gにそれぞれ変更したこと以外は実施例33と同様にして、ワニス状の樹脂組成物C7を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物C7を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物C7におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は0.88であった。
得られたシート成形物は可とう性に優れていた、
<比較例8>
実施例33において、フェノール樹脂の添加量を3.146gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を5.764g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.640gにそれぞれ変更したこと以外は実施例33と同様にして、ワニス状の樹脂組成物C8を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物C8を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物C8におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.27であった。
得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
<比較例9>
実施例33において、フェノール樹脂の添加量を3.305gに、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂の添加量を5.622g、ナフタレン系エポキシ樹脂の添加量を0.625gにそれぞれ変更したこと以外は実施例33と同様にして、ワニス状の樹脂組成物C9を調製した。得られたワニス状の樹脂組成物C9を用いてシート成形物を得て、同様にして評価した。評価結果を表1に示した。
尚、樹脂組成物C9におけるエポキシ樹脂の総含有量に対するフェノール樹脂の含有比率は1.37であった。
得られたシート成形物は可とう性に優れていた。
表1から本発明の樹脂組成物を硬化して得られるシート硬化物においては、熱伝導率と電気絶縁性が優れたレベルで両立することが分かる。
10 回路層
12 硬化樹脂層
14 金属支持体
20 LED素子
100 LED基板

Claims (5)

  1. ビフェニル骨格を有する2官能のエポキシ樹脂と、
    フェノール樹脂と、
    重量累積粒度分布の小粒径側からの累積50%に対応する粒子径D50が7μm以上25μm以下である第1のアルミナ群、前記粒子径D50が1μm以上7μm未満である第2のアルミナ群、及び、前記粒子径D50が1μm未満である第3のアルミナ群と、を含み、
    エポキシ樹脂の総含有量に対する前記フェノール樹脂の含有比率(フェノール樹脂/エポキシ樹脂)が、当量基準で、1.00以上1.25以下であり、
    前記第3のアルミナ群に対する前記第2のアルミナ群の含有比率(第2のアルミナ群/第3のアルミナ群)が、質量基準で、1.2以上1.7以下である樹脂組成物に由来する、可とう性を有する樹脂シート。
  2. 前記ビフェニル骨格を有する2官能のエポキシ樹脂は、下記一般式(III)で表される化合物を含む請求項1に記載の樹脂シート。


    (一般式(III)中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、又は、炭素数1〜10の炭化水素基を表し、nは0〜3の整数を表わす)
  3. 金属箔と、前記金属箔上に配置された請求項1又は請求項2に記載の樹脂シートに由来する半硬化樹脂層と、を備える樹脂付金属箔。
  4. 金属支持体と、前記金属支持体上に配置された請求項1又は請求項2に記載の樹脂シートに由来する硬化樹脂層と、前記硬化樹脂層上に配置された金属箔と、を備える金属基板。
  5. 金属支持体と、前記金属支持体上に配置された請求項1又は請求項2に記載の樹脂シートに由来する硬化樹脂層と、前記硬化樹脂層上に配置された金属箔からなる回路層と、前記回路層上に配置されたLED素子と、を備えるLED基板。
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