JP6422466B2 - バッテリーマネジメント装置 - Google Patents
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Description
ところで、バッテリーパックの長時間の使用や、一部のバッテリーセルを新しい電池に交換した場合にバッテリーセル間で容量のばらつきが生じることになる。この容量のばらつきが生じると、バッテリーパックの充放電時に特定のバッテリーセルが過放電や過充電を発生することになる。この結果、バッテリーパックの容量が減少することになるとともに、バッテリーパックを劣化させ、寿命を短縮させることになる。
このようなバッテリーパック内の容量のばらつきを解消するために、従来、バッテリーパックが満充電時に全てのバッテリーパックが満充電状態になるよう、バッテリーセルのバランス制御が行なわれている。(特許文献1参照)
したがって、充電前の最低電圧であったバッテリーセルに対し、充電中に最低電圧となるバッテリーセルが変化するため、本来セルバランスする必要のないバッテリーセルまでセルバランスの制御を行うことになり、無駄な充電エネルギーの消費や、充電時間が延びるといった問題がある。
ここで、2つのバッテリーセルA, Bの特性を、
バッテリーセルAの容量>バッテリーセルBの容量、
充電前におけるバッテリーセルAの端子間電圧Va1>バッテリーセルBの端子間電圧Vb1、
とする。
その後、時刻t4において、バッテリーセルA, Bが満充電となり、充電が停止することになる。しかしながら、この場合、セルバランスが不要なバッテリーセルAに対してセルバランス制御を行うことになり、充電の延長および不要なセルバランスによる充電エネルギーの消費が発生してしまうことが分かる。
以下、この発明を図に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施の形態1に係るバッテリーマネジメント装置を適用した電気自動車を示す概要図、図2は、図1におけるバッテリーマネジメント装置の具体的な構成を示すブロック図である。
さらに、車両制御装置101は、外部からの充電要求により充電器106へバッテリーパック104の充電指示を行い、バッテリーパック104への充電を制御する。
また、バッテリーパック104は、複数のバッテリーセル301a,301b,…301nにより構成されている。このようなバッテリーセル301a,301b,…301nの出力電圧は、それぞれ低いものであるため、通常直列に接続して車両駆動に必要な出力電圧が得られるようにバッテリーパック104が構成されている。このバッテリーパック104には、バッテリーパック104の充放電電流を検出する電流検出手段306が接続されている。
さらに、セル電圧検出手段303a,303b,…303nは、バッテリーセル301a,301b,…301n間にそれぞれ並列に接続されており、各バッテリーセル301a,301b,…301nの端子間電圧を検出してマイコン401に出力する。
具体的には、マイコン401は、セル電圧検出手段303a,303b,…303nからのセル電圧を各バッテリーセル毎にRAM(Random Access Memory)に格納するセル電圧値格納手段402と、バッテリーパック104の充放電電流を検出する電流検出手段306からの電流値をRAMへ格納する電流値格納手段403と、各バッテリーセルの容量を推定するセル容量推定手段404と、車両制御装置101の充電制御モード判定手段202からの情報に基づきセルバランス制御の実施可否を判定するセルバランス制御実施判定手段405と、セルバランス制御を行うセルバランス制御手段406とを備えている。
なお、各バッテリーセル301a,301b,…301nは、長時間の使用に伴い容量にばらつきが生じてバッテリーパック104を劣化させることになるため、セル容量推定手段404により推定する各バッテリーセル301a,301b,…301nの容量は、各バッテリーセル301a,301b,…301nの劣化度合いに応じたものとなる。
まず、バッテリーマネジメント装置105のセル電圧検出手段303a,303b,…303nは、接続されているバッテリーセル301a,301b,…301nから読み取ったセル電圧をセル電圧値格納手段402へ出力する。この出力に基づき、セル電圧値格納手段402は、一定周期毎に各バッテリーセル301a,301b,…301nのセル電圧を格納し、各バッテリーセル301a,301b,…301nのセル電圧を一括してバランサ駆動判定手段505へ出力する。
また、セル容量推定手段404は、各バッテリーセル301a,301b,…301nの容量を推定し、セルバランス制御手段406へ出力する。
なお、バッテリーセル容量の推定方法は、例えば、特開2012−181066号公報に記載された方法が知られている。
この充電器接続信号が充電制御モード判定手段202に入力されると、車両が充電動作にあると判定し、充電制御モード判定信号をバッテリーマネジメント装置105のセルバランス制御実施判定手段405に出力する。セルバランス制御実施判定手段405は、充電制御モード判定信号が入力されると、セルバランス制御の実施が可能であると判定して、セルバランス制御実施可能信号をセルバランス制御手段406へ出力してセルバランス制御手段406を動作させる。
さらに、各セル目標充電率算出手段503は、セル容量推定手段404から出力された各バッテリーセルの容量と、残充電量最大値算出手段502から出力された残充電量最大値とに基づき、各バッテリーセル301a,301b,…301nの目標充電率を算出し、これを各セル目標充電率として各セル目標電圧算出手段504に出力する。
なお、図12に示すテーブルデータは、x軸データを充電率、y軸データをセル目標電圧とした2次元テーブルで示されており、x軸データに応じてy軸データが予め設定されている。
ここで、各バッテリーセル301a,301b,…301nを各バッテリーセルnとし、バッテリーセルnに流れる電流値をI[A]、バッテリーセルnの容量をCpn[Ah]とすると、バッテリーセルnの充電率SOCn[%]は、電流値I(t)[A]の時間積分から求まり、次式で表される。
まず、バッテリーセルnにおいて残充電量最大値Qrem_max[Ah]に充電したとき、満充電となる目標充電率SOCtgn[%]は、次式で表される。
図3は、バッテリーマネジメント装置105の動作を説明するワークフローで、この動作は、マイコン401などに設定された所定時間毎に実行される。
まず、ステップS1において、セル電圧検出手段303より取得したセル電圧をセル電圧値格納手段210にてセル毎に順次RAMに格納する。
次に、ステップS2において、電流検出手段306より取得したバッテリーパック104の充放電電流を電流値格納手段403に格納する。
なお、セル容量の推定方法は、例えば、特開2012−181066号公報に記載された方法が知られている。
ここで、セルバランス制御が不要と判定した場合は、ステップS10へ進み、処理を終了する。一方、セルバランス制御が必要と判定した場合、ステップS5へ進み、ステップS1にて格納した各バッテリーセル301a,301b,…301nのセル電圧とステップS3にて格納した各バッテリーセル301a,301b,…301nの容量より各セル充電率を算出し、さらに各セル充電率から各セル残充電量を算出する。
次に、ステップS8では、各セル目標充電率に基づき、各セル目標電圧を算出し、最後に、ステップS9において、ステップS1にて格納した各バッテリーセルのセル電圧とステップS8にて算出した各セル目標電圧値よりバランサ制御を駆動するか否かの判定を行う。
図4は、ステップS1(バランサ駆動制御)の詳細を示すワークフロー図である。
ステップS11において、通信手段等を介してセル電圧検出手段303により検出されたセル電圧をマイコン401に読み込み、ステップS12において、読み込んだセル電圧を対象のセル電圧格納用RAMへ記憶する。なお、ステップS1の処理は、セル電圧値格納手段402で行う。
ステップS21において、通信手段等を介して電流検出手段306により検出された、バッテリーパック104の充放電電流をマイコン401にて読み込み、ステップS22において、読み込んだ電流を電流値格納用RAMへ記憶する。なお、ステップS2の処理は、電流値格納手段403で行う。
ステップS31において、各バッテリーセルnの様々な情報に基づいて各バッテリーセルnの容量推定を行い、ステップS32において、各セル容量格納用RAMへ記憶する。なお、ステップS3の処理は、セル容量推定手段404で行う。
まず、ステップS51において、電流値Iと各セル容量CPnを入力として、(式1)に基づき各バッテリーセルnの充電率SOCnを求め、次に、ステップS52において、各バッテリーセルnの充電率SOCnより(式2)に基づき、各バッテリーセルnの残充電量Qremnを算出する。この算出した各バッテリーセルnの残充電量Qremnを、ステップS53において、各セル残充電量RAMへ格納する。なお、ステップS5の処理は、各セル残充電量算出手段501で行う。
ステップS61において、各セル残充電量Qremnから(式3)に基づいて残充電量最大値Qrem_maxを算出し、ステップS62において、前記最大値を残充電量最大値RAMへ格納する。なお、ステップS6の処理は、残充電量最大値算出手段502で行う。
ステップS71において、各セル容量CPnと残充電量最大値Qrem_maxを入力として、(式4)に基づいて各バッテリーセルnの目標充電率SOCtgnを算出し、ステップS72において、各バッテリーセルnの目標充電率SOCtgnを各セル目標充電率RAMへ格納する。なお、ステップS7の処理は、各セル目標充電率算出手段503で行う。
ステップS81において、図12に示すテーブルデータを参照し、各セル目標充電率SOCtgnから各バッテリーセルnの目標電圧Vtgnを算出する。その後、ステップS82において、各バッテリーセルnの目標電圧Vtgnを各セル目標電圧RAMへ格納する。なお、ステップS8の処理は、図2の各セル目標電圧算出手段504で行う。
まず、ステップS91にて、各バッテリーセルnのセル電圧Vn[V]と各バッテリーセルnの目標電圧Vtgnの差分を各バッテリーセルnのバランサ駆動判定値ΔVn[V]として算出する。なお、各バッテリーセルnのバランサ駆動判定値ΔVnは、次式に基づき算出する。
一方、バランサ駆動判定値ΔVnが0以下である場合、ステップS94へ進み、このバッテリーセルnのバランサ駆動開始指示をオフとする。バッテリーセルnのバランサ駆動開始指示がオフになると、バッテリーセルnのバランサ抵抗断続手段305がオフし、バランサ制御を停止する。なお、ステップS9の処理は、バランサ駆動判定手段505で行う。
図15(a)は、充電開始から充電終了における特定のバッテリーセルA, Bの残充電量、図15(b)は、バッテリーセルA, Bの目標充電率、図15(c)は、バッテリーセルA, Bの端子間電圧と目標電圧、図15(d)は、バッテリーセルA, Bのバランサ駆動状態を示す。
ここでは、充電前におけるバッテリーセルAの端子間電圧をVa1、充電率SOCAを60.0[%]、容量CpAを100[Ah]、バッテリーセルBの端子間電圧をVb1、充電率SOCBを40[%]、容量CpBを50[Ah]として説明する。なお、端子間電圧Va1とVb1の関係は、SOCA>SOCBによりVa1>Vb1である。また、車両は、充電動作状態とし、バランサ駆動制御の実施判定が成立してステップS5〜ステップS9が実行されているものとする。
まず、ステップS5において、バッテリーセルA, Bの残充電量QremA, QremBを算出し、上記の条件より、(式2)からQremA=40[Ah], QremB=30[Ah]が求められる。
その後、充電が実施され、充電中は、ステップS5からステップS9が繰り返し実行され、バッテリーセルA, Bの残充電量、目標充電率および目標電圧を更新して行く。
充電中は、バッテリーセルAの残充電量QremAと残充電量最大値Qrem_maxが一致、すなわち、バッテリーセルAの端子間電圧VAとバッテリーセルAの目標電圧VtgAが一致するため、バッテリーセルAのバランサ302は駆動せず、セルバランスは実行されない。
上述の実施の形態1においては、各セルの残充電量が同じになるまで残充電量最大値Qrem_max以外のセルのバランサ302を駆動するものであるが、この場合、単位時間当たりにバランサ302で消費する充電量が最大の状態でセルバランス制御を行うため、バランサ抵抗304が発熱、劣化し、故障の原因となる。また、充電途中で各セルの残充電量が同じになる(図15の時刻t5)ケースにおいて、充電を中断した場合、満充電時に各セルの残充電量が同じになるケースに比べて、単位時間当たりに充電中バランサ抵抗304で消費する充電量は余剰となってしまう。
このような問題を解決するため、この発明の実施の形態2においては、満充電時に各セルの残充電量が同じになるよう残充電量最大値Qrem_max以外のセルのバランサ302を間欠駆動するようにしたものである。
図24(a)は、充電開始から充電終了におけるバッテリーセルA,Bの端子間電圧と目標電圧、図24(b)は、バッテリーセルA,Bのバランサ駆動状態、図24(c)は、バッテリーセルA,Bの満充電消費充電量,図24(d)は、バッテリーセルA,Bの単位時間当りの消費充電電流を示す。
図16は、この発明の実施の形態2に係るバッテリーマネジメント装置の具体的な構成を示す要部ブロック図で、バッテリーマネジメント装置105内におけるマイコン401の要部構成を示し、車両制御装置101、バッテリーパック104、バランサ302などの構成は、図1と同一であるため、省略している。
また、マイコン401のセルバランス制御手段406には、各セル残充電量算出手段501と、残充電量最大値算出手段502と、各セル目標充電率算出手段503と、各セル目標電圧算出手段504に加えて次の構成が追加されている。
まず、充電時間推定手段511は、満充電までの時間Tchgを推定し、各セル単位時間当り消費充電電流算出手段507へ出力する。また、各セル内部抵抗推定手段512は、各セル内部抵抗Rinnを推定し、各セルバランサ消費充電電流算出手段508へ出力する。なお、充電時間の推定方法は、例えば、特許第5742999号公報に、セル内部抵抗の推定方法は、例えば、特開2014−6245号公報などにより知られている。
これらの充電時間Tchgおよび各セル満充電消費充電量Qcnの出力を受けて、各セル単位時間当り消費充電電流算出手段507は、満充電で各セル満充電消費充電量Qcnを消費するために各セルの単位時間当りの消費充電電流Iccnを算出し、各セルバランサ駆動割合算出手段509へ出力する。
まず、各バッテリーセルnにおいて満充電までにバランサで消費すべき充電量を求める。この各バッテリーセルnにおける満充電消費充電量Qcn[Ah]は、残充電量Qremn[Ah]と残充電量最大値Qrem_max[Ah]との差であり、次式で表される。
まず、各バッテリーセルnの現時点での充電状態において、バランサ302のバランサ抵抗断続手段305が閉の状態でバランサ302に流れる電流値Ibn[A]を求める。
なお、図16には示していないが、バッテリーセルnには、内部抵抗すなわち電圧源に対して直列成分の抵抗が存在しており、バランサ抵抗304との並列回路が構成されている。このため、バッテリーセルnに流れる電流をI[A]、各セル電圧をVn[V]、各セル内部抵抗をRinn[Ω]、バランサ抵抗をRb[Ω]とすると、各バッテリーセルnのバランサ302に流れる電流Ibn[A]は、キルヒホッフの第1法則や重ね合わせの原理を用いて次式で表される。
図17は、バッテリーマネジメント装置105が実行するワークフローを示し、ここにおける処理は、所定時間毎に実行される。
ここで、ステップS1〜S3は、実施の形態1における処理と同じであり、説明を省略する。
このステップS3に続くステップS11において、充電時間を推定し、RAMへ格納する。また、ステップS12において、各バッテリーセルnの内部抵抗を推定し、RAMへ格納する。なお、充電時間の推定方法およびセル内部抵抗の推定方法は、例えば、特許第5742999号公報および特開2014−6245号公報などにより知られている。
ステップS8の処理を受けてステップS13においては、ステップS5にて算出した各バッテリーセルnの残充電量と、ステップS6にて算出した残充電量最大値とより満充電消費充電量を算出する。
その後、ステップS15において、ステップS1で格納したセル電圧と、ステップS2で格納した電流値と、ステップS12で算出した各セル内部抵抗と、予めマイコン401に記録されたバランサ抵抗とより各セルバランサ消費充電電流を算出する。
ステップS16において、ステップS14で算出した各セル単位時間当り消費充電電流と、ステップS15で算出した各セルバランサ消費充電電流と、ステップS1にて格納した各バッテリーセルnのセル電圧と、ステップS8で算出した各セル目標電圧とより各セルバランサ駆動割合を算出する。
図18は、ステップS11(充電時間推定)の詳細を示すワークフロー図である。
まず、ステップS111において、各バッテリーセルの様々な情報に基づいて、充電時間の推定を行い、ステップS112において充電時間格納用RAMへ記憶する。なお、このステップS11の処理は、充電時間推定手段511によって行う。
図19は、ステップS12(セル内部抵抗推定)の詳細を示すワークフロー図である。
ステップS121において、各バッテリーセルの様々な情報に基づいて、各バッテリーセルの内部抵抗の推定を行い、ステップS122で各セル内部抵抗格納用RAMへ記憶する。なお、ステップS12の処理は、セル内部抵抗推定手段512によって行う。
図20は、ステップS13(各セル満充電消費充電量算出)の詳細を示すワークフロー図である。
ステップS131において、各セル残充電量Qremnと、残充電量最大値Qrem_maxを入力として、(式7)に基づき、各バッテリーセルのセル満充電消費充電量Qcnを算出する。続くステップS132において、各バッテリーセルnのセル満充電消費充電量Qcnを各セル満充電消費充電量RAMへ格納する。なお、ステップS13の処理は、各セル満充電消費充電量算出手段506によって行う。
ステップS141において、充電時間Tchgと、各セル満充電消費充電量Qcn入力として、(式8)に基づき、各バッテリーセルnの単位時間当りの消費充電電流Iccnを算出し、ステップS142において、各バッテリーセルnの単位時間当りの消費充電電流Iccnを各セル単位時間当り消費充電電流RAMへ格納する。
なお、ステップS14の処理は、各セル単位時間当り消費充電電流算出手段507によって行う。
ステップS151において、各セル電圧Vnと、電流値Iと、各セル内部抵抗Rinnと、予めマイコン401に記録されたバランサ抵抗値Rbを入力として、式(9)に基づき、各バッテリーセルnのバランサ消費充電電流Ibnを算出し、ステップS152において、各バッテリーセルnのバランサ消費充電電流Ibnを各セルバランサ消費充電電流RAMへ格納する。なお、ステップS15の処理は、図16の各セルバランサ消費充電電流算出手段508によって行う。
ステップS161において、各セル電圧Vnと各セル目標電厚Vtgnに基づき、バランサ駆動判定を行う。各セル電圧Vnが各セル目標電圧Vtgn未満である場合には、バランサ302を停止させるために、ステップS162に進み、各セルバランサ駆動割合を0[%]とする。一方、各セル電圧Vnが各セル目標電圧Vtgn未満でない場合には、バランサ302を駆動させるために、ステップS163に進む。
このステップS163においては、各セル単位時間当り消費充電電流Iccnと各セルバランサ消費充電電流Ibnを入力として、(式10)に基づき、各セルバランサ駆動割合Dutynを算出し、ステップS164において、各セルバランサ駆動割合Dutynの上限値判定を行う。各セルバランサ駆動割合Dutynが100[%]以上である場合には、ステップS165に進み、各セルバランサ駆動割合Dutyn=100[%]とする。一方、各セルバランサ駆動割合Dutynが100[%]以上でない場合には、ステップS166に進み、各セルバランサ駆動割合DutynをステップS163における算出結果のままとする。なお、ステップS16の処理は、図16の各セルバランサ駆動割合算出手段509によって行う。
図25(a)は、充電開始から充電終了におけるバッテリーセルA, Bの満充電消費充電量、図25(b)は、バッテリーセルA, Bの単位時間当消費充電電流、図25(c)は、バッテリーセルA, Bのバランサ駆動割合、図25(d)は、バッテリーセルA, Bのバランサ駆動状態を示す。
ここで、この実施の形態2における充電率SOCnおよび容量Cpnは、実施の形態1における値と同じとする。また、充電前におけるバッテリーセルAの端子間電圧VAは、3.8[V]、バッテリーセルBの端子間電圧VAは、4.0[V]、充電時間Tchgは、10[hr]、充電時の電流値Iは、4[A]、バランサ抵抗値Rbは、2[Ω]、バッテリーセルAの内部抵抗RinAは、1[mΩ]、バッテリーセルBの内部抵抗RinBは、1[mΩ]とする。また、車両は、充電動作状態とし、バランサ駆動制御実施判定が成立してステップS5〜ステップS8およびステップS13〜ステップS16が実行されているものとする。
まず、ステップS5において、バッテリーセルA, Bの残充電量QremA, QremBを算出する。前記の条件より、(式2)からQremA=40[Ah]、QremB=30[Ah]となる。
次に、ステップS6において、残充電量最大値を算出する。ここでは、残充電量最大値Qrem_max=QremA=40[Ah]となる。
次に、ステップS14において、バッテリーセルA, Bの単位時間当たりの消費充電電流を算出する。前記の条件より、(式8)からバッテリーセルAの単位時間当りの消費充電電流IccA=0.0[A]、バッテリーセルBの満充電消費充電電流IccB=1.0[A]となる。
まず、バッテリーセルAの端子間電圧VA=バッテリーセルAの目標電圧VtgA、バッテリーセルBの端子間電圧VB>バッテリーセルAの目標電圧VtgBであり、バッテリーセルAのバランサ駆動割合DutyA=0[%]、バッテリーセルBのバランサ駆動割合DutyB=50[%]となる。
その後、充電が実施され、充電中は、ステップS5からステップS9の処理が繰り返し実行され、バッテリーセルA, Bの満充電消費充電量、単位時間当りの消費充電電流、バランサ消費充電電流およびバランサ駆動割合を更新して行く。
また、充電中は、バッテリーセルAの残充電量QremAと残充電量最大値Qrem_maxとが一致し、バッテリーセルAの満充電消費充電量QcAは、0[Ah]、単位時間当りの消費充電電流IccAは、0[A]、バランサ駆動割合は、0[%]となってバッテリーセルAのバランサ302は駆動されず、セルバランスは実行されない。
以上のような充電開始から充電終了の動作において、図25に示すようにバッテリーセルAの残充電量QremAである40[Ah]の充電で、バッテリーセルAをセルバランスすることなくバッテリーセルBを満充電とすることができることが分かる。
すなわち、バッテリーセルAのセルバランス制御が実行されなくなり、無駄な充電エネルギーの消費を抑制することができるとともに、充電時間を短縮することができる。
103:インバータ、 104:バッテリーパック、
105:バッテリーマネジメント装置、 106:充電器、
201:車両制御装置マイコン、 202:充電制御モード判定手段、
301:バッテリーセル、 302:バランサ、 303:セル電圧検出手段、
304:バランサ抵抗、 305:バランサ抵抗断続手段、
306:電流検出手段、 401:バッテリーマネジメント装置マイコン、
402:セル電圧値格納手段、 403:電流値格納手段、
404:セル容量推定手段、 405:セルバランス制御実施判定手段、
406:セルバランス制御手段、 501:セル残充電量算出手段、
502:残充電量最大値算出手段、 503:セル目標充電率算出手段、
504:セル目標電圧算出手段、 505:バランサ駆動判定手段、
506:満充電消費充電量算出手段、 507:単位時間当り消費充電電流算出手段、
508:バランサ消費充電電流算出手段、 509:バランサ駆動割合算出手段
510:バランサ駆動手段、 511:充電時間推定手段、
512:セル内部抵抗推定手段
Claims (5)
- バッテリーパックを構成する複数のバッテリーセルにおける端子間電圧(Vn)を検出するセル電圧検出手段と、
前記バッテリーパックの充放電電流を検出する電流検出手段と、
前記各バッテリーセルの劣化度合いに応じた容量(CPn)を推定するセル容量推定手段と、
前記電流検出手段が検出した電流値と前記セル容量推定手段が推定した前記各バッテリーセルの容量(CPn)とに基づき前記各バッテリーセルの残充電量(Qremn)を算出するセル残充電量算出手段と、
前記各バッテリーセルの残充電量(Qremn)から最大値(Qrem_max)を算出する残充電量最大値算出手段と、
前記各バッテリーセルの残充電量が最大値(FQrem_max)となる目標充電率(SOC_tgn)を次式により算出するセル目標充電率算出手段と、
前記セル電圧検出手段による端子間電圧(Vn)および前記セル目標電圧算出手段による前記各バッテリーセルの目標電圧(Vtgn)の差分を算出し、バランサ駆動を行うか否かを判定するバランサ駆動判定手段とを備え、
前記バランサ駆動判定手段の判定結果に基づいて前記端子間電圧(Vn)が前記目標電圧(Vtgn)より大きい場合にバランサ駆動を行い、前記端子間電圧(Vn)が前記目標電圧(Vtgn)以下である場合にバランサ駆動を停止し、前記各バッテリーセルのそれぞれに個別のセルバランス制御を実行するように構成したことを特徴とするバッテリーマネジメント装置。 - 前記各バッテリーセルの単位時間当りに消費すべき消費充電電流(Iccn)を算出する消費充電電流算出手段と、
前記各バッテリーセルのバランサが単位時間当りに消費できるバランサ消費充電電流(Ibn)を算出するバランサ消費充電電流算出手段と、
前記消費充電電流算出手段による消費充電電流(Iccn)および前記バランサ消費充電電流算出手段によるバランサ消費充電電流(Ibn)の割合に応じて、前記各バッテリーセルの単位時間当りのバランサ駆動割合(Dutyn)を算出するバランサ駆動割合算出手段とを備え、
前記バランサ駆動割合算出手段によるバランサ駆動割合(Dutyn)に基づいてセルバランス制御を実行するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーマネジメント装置。 - 前記バッテリーセルにおける端子間電圧(Vn)が前記セル目標電圧算出手段による目標電圧(Vtgn)以下になったとき、前記バランサ駆動割合算出手段のバランサ駆動割合(Dutyn)をゼロとするように構成したことを特徴とする請求項2に記載のバッテリーマネジメント装置。
- 前記バッテリーパックは、車両に搭載された車両駆動用のものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のバッテリーマネジメント装置。
- 前記車両には、前記バッテリーセルの充電制御モードを判定する充電制御モード判定手段が設けられ、前記充電制御モード判定手段により前記車両が充電動作中であると判定されたとき、セルバランス制御を実行するように構成したことを特徴とする請求項4に記載のバッテリーマネジメント装置。
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