JP6422363B2 - 空気調和システム - Google Patents
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Description
つまり、エンジンによって駆動される複数台の圧縮機から送出される冷媒を、状況に応じてどのような流路に流し、どのように使い分けるのが良いのかが考慮されていない。
前記制御装置は、前記エンジン制御手段と前記伝達機構制御手段と前記循環経路制御手段とによる制御によって、前記エンジンから前記第1圧縮機及び前記第2圧縮機への駆動力の伝達状態並びに冷媒の循環状態を切り替えながら前記凝縮器を通流する冷媒と熱交換した空調用空気を空調対象空間へ供給する空調運転を行うように構成され、
冷媒の循環状態の一つは、前記エンジンの駆動力を前記第1圧縮機に伝達させ且つ前記エンジンの駆動力を前記第2圧縮機に伝達させる状態で、冷媒が前記凝縮器を通流した後で分流され、当該分流された冷媒の一方が前記第1膨張弁と前記第1蒸発器と前記第1圧縮機とを順に通流した後で前記凝縮器に帰還し、及び、前記分流された冷媒の他方が前記第2膨張弁と前記第2蒸発器と前記第2圧縮機とを順に通流した後で前記凝縮器に帰還する第1暖房循環状態であり、
冷媒の循環状態の別の一つは、前記エンジンの駆動力を前記第1圧縮機に伝達させ且つ前記エンジンの駆動力を前記第2圧縮機に伝達させる状態で、冷媒が前記凝縮器を通流した後で分流され、当該分流された後の冷媒の一方が前記第1膨張弁と前記第1蒸発器と前記第1圧縮機とを順に通流した後で前記凝縮器に帰還し、及び、前記分流された後の冷媒の他方が前記第3膨張弁と前記第3蒸発器と前記第2圧縮機とを順に通流した後で前記凝縮器に帰還する第2暖房循環状態である点にある。
つまり、凝縮器に対して第1圧縮機及び第2圧縮機は並列に設けられるので、凝縮器で必要とされる冷媒量(即ち、空調負荷に必要な冷媒量)を第1圧縮機及び第2圧縮機で分担して送出することができる。
従って、複数台の圧縮機から送出される冷媒の流路が最適化された空気調和システムを提供できる。
前記冷媒温度検証処理において、前記第3蒸発器での冷媒の温度が前記第1蒸発器での冷媒の温度より高いと判定したとき、冷媒の循環状態を前記第2暖房循環状態にしてその後の前記空調運転を行わせ、
前記冷媒温度検証処理において、前記第3蒸発器での冷媒の温度が前記第1蒸発器での冷媒の温度以下であると判定したとき、冷媒の循環状態を前記第1暖房循環状態にしてその後の前記空調運転を行わせる点にある。
前記制御装置は、前記空調運転に要求されている要求負荷が基準負荷以上のとき、冷媒を前記第1暖房循環状態又は前記第2暖房循環状態で循環させながら前記空調運転を行い、及び、前記要求負荷が前記基準負荷未満のとき、冷媒を前記第3暖房循環状態で循環させながら前記空調運転を行う点にある。
前記制御装置が前記空調運転を行うときの冷媒の循環状態の更に別の一つは、前記エンジンの駆動力を前記第1圧縮機に伝達させ且つ前記エンジンの駆動力を前記第2圧縮機に伝達させる状態で、冷媒が前記凝縮器を通流した後で分流され、当該分流された冷媒のうち、前記第1膨張弁と前記第1蒸発器とを順に通流した冷媒と、前記第4膨張弁と前記第4蒸発器とを順に通流した冷媒とが合流して更に前記第1圧縮機を通流した後で前記凝縮器に帰還し、及び、前記分流された冷媒のうち、前記第3膨張弁と前記第3蒸発器と前記第2圧縮機とを順に通流した冷媒が前記凝縮器に帰還する第5暖房循環状態である点にある。
更に、第1圧縮機を通流する冷媒の一部は、エンジンから回収した排熱を用いて冷媒を加熱する第4蒸発器を順に通流した冷媒である。つまり、第4蒸発器では、冷媒に吸熱させるために、エンジンから回収した排熱を有効に活用することができる。特に、エンジンから回収した排熱は、大気等から回収できる熱よりも高温であるので、第4蒸発器での冷媒の蒸発温度を高くすることができ、第1圧縮機の動力を低減できる。
前記第1蒸発器及び前記第2蒸発器は、前記空調対象空間外に存在する外気と熱交換する室外用熱交換器である点にある。
図1は、空気調和システムの構成を示す図である。図示するように、空気調和システムは、エンジンEと、第1圧縮機CP1と、第2圧縮機CP2と、第1駆動力伝達機構20と、第2駆動力伝達機構30と、室外用熱交換器H1と、室内用熱交換器H2とを有する。そして、空気調和システムは、エンジンEによって駆動される第1圧縮機CP1が冷媒を送出するエンジン駆動ヒートポンプと、同じくエンジンEによって駆動される第2圧縮機CP2が冷媒を送出するエンジン駆動ヒートポンプとを併用して空調運転を行うことになる。
熱交換器H4は二つの冷媒同士を混合せずに熱交換する装置であり、例えば、室内用熱交換器H2に供給される冷媒の温度を更に低下させる過冷却器として機能させることもできる。
次に、空気調和システムが冷房運転を行うときの動作について説明する。例えば、使用者が室内用熱交換器H2に設けられている操作スイッチSWを操作して空気調和システムが冷房運転することを指令したとき、その指令は制御装置10に伝達され、後述するような冷房運転が行われる。空気調和システムが冷房運転を行うとき、室外用熱交換器H1は凝縮器として機能し、室内用熱交換器H2は蒸発器として機能する。
つまり、冷房運転時の空気調和システムは、エンジンEと、第1圧縮機CP1と、第2圧縮機CP2と、第1駆動力伝達機構20と、第2駆動力伝達機構30と、冷媒から放熱させる第1凝縮器(室外用熱交換器H1)と、冷媒から放熱させる第2凝縮器(室外用熱交換器H1)と、冷媒を膨張させる第1膨張弁(弁V4)と、冷媒を膨張させる第2膨張弁(弁V3)と、冷媒に吸熱させる蒸発器(室内用熱交換器H2)と、二つの冷媒同士を混合せずに熱交換させる熱交換器H4と、制御装置10とを備える。
この第1冷房循環状態では、四方弁V7は、第1圧縮機CP1から送出された冷媒が先ず室外用熱交換器H1に流入するように切り替えられる。四方弁V8は、第2圧縮機CP2から送出された冷媒が先ず室外用熱交換器H1に流入するように切り替えられる。弁V1は開放され、弁V2は開放され、弁V3は閉止され、弁V4は開放されて膨張弁(第1膨張弁)として機能し、弁V5は閉止され、弁V6は閉止され、弁V9は開放される。そして、冷媒が弁(第1膨張弁)V4と室内用熱交換器(蒸発器)H2とを順に通流した後で分流され、当該分流された冷媒の一方が第1圧縮機CP1と室外用熱交換器(第1凝縮器)H1とを順に通流した後で弁(第1膨張弁)V4に帰還し、及び、上記分流された冷媒の他方が第2圧縮機CP2と室外用熱交換器(第2凝縮器)H1とを順に通流した後で弁(第1膨張弁)V4に帰還する。
この第2冷房循環状態では、四方弁V7は、第1圧縮機CP1から送出された冷媒が先ず室外用熱交換器H1に流入するように切り替えられる。四方弁V8は、第2圧縮機CP2から送出された冷媒が先ず室外用熱交換器H1に流入するように切り替えられる。弁V1は開放され、弁V2は閉止され、弁V3は開放されて膨張弁(第2膨張弁)として機能し、弁V4は開放されて膨張弁(第1膨張弁)として機能し、弁V5は閉止され、弁V6は閉止され、V9は閉止される。そして、第1圧縮機CP1から送出される冷媒が、室外用熱交換器(第1凝縮器)H1と熱交換器H4と弁(第1膨張弁)V4と室内用熱交換器(蒸発器)H2とを順に通流した後で第1圧縮機CP1に帰還し、及び、第2圧縮機CP2から送出される冷媒が、室外用熱交換器(第2凝縮器)H1と弁(第2膨張弁)V3と熱交換器H4とを順に通流した後で第2圧縮機CP2に帰還する。尚、室外用熱交換器H1では、第1圧縮機CP1から送出される冷媒と第2圧縮機CP2から送出される冷媒とは混合されない。
このように、第1圧縮機CP1及び第2圧縮機CP2を併用すると共に熱交換器H4による過冷却によって空調能力を稼ぐことができるので、例えば第1圧縮機CP1から送出される冷媒量を相対的に少なく(即ち、エンジンEの回転速度を相対的に遅く)して、大きいトルクが得られる状態でエンジンEを動作させることができる。その結果、エンジンEを効率的に運転させることができる。
この第3冷房循環状態では、四方弁V8は、第2圧縮機CP2から送出された冷媒が先ず室外用熱交換器(第2凝縮器)H1に流入するように切り替えられる。弁V1は閉止され、弁V2は開放され、弁V3は閉止され、弁V4は開放されて膨張弁(第1膨張弁)として機能し、弁V5は閉止され、弁V6は閉止され、V9は開放される。そして、第2圧縮機CP2から送出される冷媒が、室外用熱交換器(第2凝縮器)H1と弁(第1膨張弁)V4と室内用熱交換器(蒸発器)H2とを順に通流した後で第2圧縮機CP2に帰還する。よって、第2圧縮機CP2のみから送出される冷媒量で、空調運転に要求されている要求負荷が賄われることになる。
この第4冷房循環状態では、四方弁V7は、第1圧縮機CP1から送出された冷媒が先ず室外用熱交換器H1に流入するように切り替えられる。弁V1は開放され、弁V2は閉止され、弁V3は閉止され、弁V4は開放されて膨張弁(第1膨張弁)として機能し、弁V5は閉止され、弁V6は閉止され、V9閉止される。そして、第1圧縮機CP1から送出される冷媒が、室外用熱交換器(第1凝縮器)H1と弁(第1膨張弁)V4と室内用熱交換器(蒸発器)H2とを順に通流した後で第1圧縮機CP1に帰還する。よって、第1圧縮機CP1のみから送出される冷媒量で、空調運転に要求されている要求負荷が賄われることになる。
表1及び表2に示すように、制御装置10は、空調運転に要求されている要求負荷が基準負荷未満(例えば、要求負荷が「定格の30%未満」)のとき、エンジンEを動作させ、そのエンジンEの駆動力を第2圧縮機CP2にのみ伝達させて、冷媒を上記第3冷房循環状態で循環させる。この場合、第2圧縮機CP2のみから送出される冷媒量で、空調運転に要求されている要求負荷が賄われる。
表1及び表2に示すように、制御装置10は、空調運転に要求されている要求負荷が基準負荷以上のとき(例えば、要求負荷が定格〜定格の30%のとき)、冷媒を上記第1冷房循環状態又は上記第2冷房循環状態で循環させながら空調運転を行う。加えて、上述したように、制御装置10は、冷媒温度検証処理での検証結果に基づいて、冷媒を上記第1冷房循環状態で循環させるのか、或いは、冷媒を上記第2冷房循環状態で循環させるのかを切り替える。
次に、空気調和システムが暖房運転を行うときの動作について説明する。例えば、使用者が室内用熱交換器H2に設けられている操作スイッチSWを操作して空気調和システムが暖房運転することを指令したとき、その指令は制御装置10に伝達され、後述するような暖房運転が行われる。空気調和システムが暖房運転を行うとき、室外用熱交換器H1は蒸発器として機能し、室内用熱交換器H2は凝縮器として機能する。
つまり、暖房運転時の空気調和システムは、エンジンEと、第1圧縮機CP1と、第2圧縮機CP2と、第1駆動力伝達機構20と、第2駆動力伝達機構30と、冷媒から放熱させる凝縮器(室内用熱交換器H2)と、冷媒を膨張させる第1膨張弁(弁V1)と、冷媒を膨張させる第2膨張弁(弁V2)と、冷媒を膨張させる第3膨張弁(弁V5)と、冷媒に吸熱させる第1蒸発器(室外用熱交換器H1)と、冷媒に吸熱させる第2蒸発器(室外用熱交換器H1)と、エンジンEから回収した排熱を冷媒に吸熱させる第3蒸発器(排熱回収用熱交換器H3)と、制御装置10とを備える。
加えて、暖房運転時の空気調和システムは、冷媒を膨張させる第4膨張弁(弁V6)と、エンジンEから回収した排熱を冷媒に吸熱させる第4蒸発器(排熱回収用熱交換器H3)とを備える。
この第1暖房循環状態では、四方弁V7は、第1圧縮機CP1から送出された冷媒が先ず室内用熱交換器H2に流入するように切り替えられる。四方弁V8は、第2圧縮機CP2から送出された冷媒が先ず室内用熱交換器H2に流入するように切り替えられる。弁V1は開放されて膨張弁(第1膨張弁)として機能し、弁V2は開放されて膨張弁(第2膨張弁)として機能し、弁V3は閉止され、弁V4は開放され、弁V5は閉止され、弁V6は閉止され、V9は開放される。そして、冷媒が室内用熱交換器(凝縮器)H2を通流した後で分流され、当該分流された冷媒の一方が弁(第1膨張弁)V1と室外用熱交換器(第1蒸発器)H1と第1圧縮機CP1とを順に通流した後で室内用熱交換器(凝縮器)H2に帰還し、及び、上記分流された冷媒の他方が弁(第2膨張弁)V2と室外用熱交換器(第2蒸発器)H1と第2圧縮機CP2とを順に通流した後で室内用熱交換器(凝縮器)H2に帰還する。
この第2暖房循環状態では、四方弁V7は、第1圧縮機CP1から送出された冷媒が先ず室内用熱交換器H2に流入するように切り替えられる。四方弁V8は、第2圧縮機CP2から送出された冷媒が先ず室内用熱交換器H2に流入するように切り替えられる。弁V1は開放されて膨張弁(第1膨張弁)として機能し、弁V2は閉止され、弁V3は閉止され、弁V4は開放され、弁V5は開放されて膨張弁(第3膨張弁)として機能し、弁V6は閉止され、V9は閉止される。そして、冷媒が室内用熱交換器(凝縮器)H2を通流した後で分流され、当該分流された後の冷媒の一方が弁(第1膨張弁)V1と室外用熱交換器(第1蒸発器)H1と第1圧縮機CP1とを順に通流した後で室内用熱交換器(凝縮器)H2に帰還し、及び、上記分流された後の冷媒の他方が弁(第3膨張弁)V5と排熱回収用熱交換器(第3蒸発器)H3と第2圧縮機CP2とを順に通流した後で室内用熱交換器(凝縮器)H2に帰還する。
このように、第1圧縮機CP1及び第2圧縮機CP2を併用すると共に排熱回収用熱交換器(第3蒸発器)H3による冷媒の吸熱によって空調能力を稼ぐことができるので、例えば第1圧縮機CP1から送出される冷媒量を相対的に少なく(即ち、エンジンEの回転速度を相対的に遅く)して、大きいトルクが得られる状態でエンジンEを動作させることができる。その結果、エンジンEを効率的に運転させることができる。
この第3暖房循環状態では、四方弁V8は、第2圧縮機CP2から送出された冷媒が先ず室内用熱交換器H2に流入するように切り替えられる。弁V1は閉止され、弁V2は開放されて膨張弁(第2膨張弁)として機能し、弁V3は閉止され、弁V4は開放され、弁V5は閉止され、弁V6は閉止され、V9は開放される。そして、第2圧縮機CP2から送出される冷媒が、室内用熱交換器(凝縮器)H2と弁(第2膨張弁)V2と室外用熱交換器(第2蒸発器)H1とを順に通流した後で第2圧縮機CP2に帰還する。よって、第2圧縮機CP2のみから送出される冷媒量で、空調運転に要求されている要求負荷が賄われることになる。
この第4暖房循環状態では、四方弁V7は、第1圧縮機CP1から送出された冷媒が先ず室内用熱交換器H2に流入するように切り替えられる。弁V1は開放されて膨張弁(第1膨張弁)として機能し、弁V2は閉止され、弁V3は閉止され、弁V4は開放され、弁V5は閉止され、弁V6は閉止される。そして、第1圧縮機CP1から送出された冷媒は、先ず室内用熱交換器(凝縮器)H2に至り、その後、冷媒は弁(第1膨張弁)V1と室外用熱交換器(第1蒸発器)H1とを通流した後で第1圧縮機CP1に帰還する。よって、第1圧縮機CP1のみから送出される冷媒量で、空調運転に要求されている要求負荷が賄われることになる。
この第5暖房循環状態では、四方弁V7は、第1圧縮機CP1から送出された冷媒が先ず室内用熱交換器H2に流入するように切り替えられる。四方弁V8は、第2圧縮機CP2から送出された冷媒が先ず室内用熱交換器H2に流入するように切り替えられる。弁V1は開放されて膨張弁(第1膨張弁)として機能し、弁V2は閉止され、弁V3は閉止され、弁V4は開放され、弁V5は開放されて膨張弁(第3膨張弁)として機能し、弁V6は開放されて膨張弁(第4膨張弁)として機能し、V9は閉止される。そして、冷媒が室内用熱交換器(凝縮器)H2を通流した後で分流され、当該分流された冷媒のうち、弁(第1膨張弁)V1と室外用熱交換器(第1蒸発器)H1とを順に通流した冷媒と、弁(第4膨張弁)V6と排熱回収用熱交換器(第4蒸発器)H3とを順に通流した冷媒が合流して更に第1圧縮機CP1を通流した後で室内用熱交換器(凝縮器)H2に帰還し、及び、上記分流された冷媒のうち、弁(第3膨張弁)V5と排熱回収用熱交換器(第3蒸発器)H3と第2圧縮機CP2とを順に通流した冷媒が室内用熱交換器(凝縮器)H2に帰還する。
表3及び表4に示すように、制御装置10は、空調運転に要求されている要求負荷が基準負荷未満(例えば、要求負荷が「定格の30%未満」)のとき、エンジンEを動作させ、そのエンジンEの駆動力を第2圧縮機CP2にのみ伝達させて、冷媒を上記第3暖房循環状態で循環させる。この場合、第2圧縮機CP2のみから送出される冷媒量で、空調運転に要求されている要求負荷が賄われる。
表3及び表4に示すように、制御装置10は、空調運転に要求されている要求負荷が基準負荷以上のとき(例えば、要求負荷が定格〜定格の30%のとき)、冷媒を上記第1暖房循環状態又は上記第2暖房循環状態で循環させながら空調運転を行う。加えて、上述したように、制御装置10は、冷媒温度検証処理での検証結果に基づいて、冷媒を上記第1暖房循環状態で循環させるのか、或いは、冷媒を上記第2暖房循環状態で循環させるのかを切り替える。
例えば、制御装置10は、室外用熱交換器(第1蒸発器)H1に供給される外気の温度(温度センサT7で測定された空気の温度)が基準外気温度以上であれば第2暖房循環状態で冷媒を循環させ、室外用熱交換器(第1蒸発器)H1に供給される外気の温度が基準外気温度未満であれば第5暖房循環状態で冷媒を循環させるといった切り替えを行う。
或いは、制御装置10は、例えば、室外用熱交換器(第1蒸発器)H1での冷媒の蒸発温度(温度センサT4で計測される冷媒の温度)が基準冷媒温度以上であれば、冷媒が室外用熱交換器(第1蒸発器)H1で充分な熱を回収できていると判定して、第2暖房循環状態で冷媒を循環させ、室外用熱交換器(第1蒸発器)H1での冷媒の蒸発温度(温度センサT4で計測される冷媒の温度)が基準冷媒温度未満であれば、冷媒が室外用熱交換器(第1蒸発器)H1で充分な熱を回収できていないと判定して、第5暖房循環状態で冷媒を循環させる。
<1>
上記実施形態では、本発明の空気調和システムの構成について具体例を挙げて説明したが、その構成は適宜変更可能である。例えば、冷媒が流れる冷媒流路L1の取り回しや、各弁の設置場所などは適宜変更可能である。上述した表には、空調負荷の状態を4段階に分けた例を説明したが、それらは例示目的で記載したものであり、適宜変更可能である。
冷房運転に関して、表5は、制御装置10が、上述した冷媒温度検証処理を行った結果、第2圧縮機CP2を過冷却運転させることができると判定した場合の例であり、表6は、第2圧縮機CP2を過冷却運転させることができないと判定した場合の例である。
暖房運転に関して、表7は、制御装置10が、上述した冷媒温度検証処理を行った結果、第2圧縮機CP2を排熱回収運転させることができると判定した場合の例であり、表8は、第2圧縮機CP2を排熱回収運転させることができないと判定した場合の例である。
制御装置10が、エンジンEから排熱を回収した後の冷却水の温度を計測する温度センサT5の測定結果を参照して、冷媒の循環状態を切り替えてもよい。例えば、エンジンEの始動時では、エンジンEから高温の排熱を回収することができないため、冷媒は排熱回収用熱交換器H3で熱交換を行っても、充分に高温の熱を回収することができない。従って、制御装置10は、温度センサT5で計測される冷却水温度(排熱温度)が下限温度以下のとき、冷媒を排熱回収用熱交換器H3には通流させないようにする。つまり、制御装置10は、温度センサT5で計測される冷却水温度(排熱温度)が下限温度以下のとき、冷媒の循環状態を、上述した第1暖房循環状態にして空調運転を行い、温度センサT5で計測される冷却水温度(排熱温度)が下限温度より高いとき、冷媒の循環状態を、上述した第2暖房循環状態又は第5暖房循環状態にして空調運転を行ってもよい。
上記実施形態では、室内用熱交換器H2が1台だけ設けられた例を説明したが、室内用熱交換器H2が複数台設けられていてもよい。そして、上記実施形態で説明した室内用熱交換器H2での冷媒の温度(温度センサT2で計測される冷媒の温度)として、それら複数台の室内用熱交換器H2での冷媒温度の平均値などを採用してもよい。
上記実施形態において、制御装置10は、第1冷房循環状態と第2冷房循環状態とを別の判定基準に基づいて切り替えてもよい。
例えば、制御装置10は、室内用熱交換器H2に吸い込まれる室内空気の温度(温度センサT6で測定された室内空気の温度)が、室外用熱交換器H1に吸い込まれる外気の温度(温度センサT7で測定された空気の温度)より低いと判定したとき、冷媒の循環状態を第2冷房循環状態にしてその後の空調運転を行わせる。これに対して、制御装置10は、室内用熱交換器H2に吸い込まれる室内空気の温度(T6)が外気の温度(T7)以上であると判定したとき、冷媒の循環状態を第1冷房循環状態にしてその後の空調運転を行わせる。ここで、室内用熱交換器H2が複数台設けられている場合には、それら複数台の室内用熱交換器H2のそれぞれに吸い込まれる室内空気の温度の平均値を、上述した室内空気の温度として採用してもよい。
例えば、制御装置10は、空調運転を行っている間の所定のタイミングで冷媒を第2冷房循環状態で循環させながら冷媒の温度を検証する冷媒温度検証処理を行う。この冷媒温度検証処理では、制御装置10は、第1圧縮機CP1から送出される冷媒の循環系統の途中で、室外用熱交換器H1と熱交換器(過冷却器)H4との間を流れる冷媒の温度(温度センサT4で測定される冷媒の温度)と、熱交換器H4と弁V4との間を流れる冷媒の温度(温度センサT8で測定される冷媒の温度)とを比較する。ここで、室外用熱交換器H1と熱交換器(過冷却器)H4との間を流れる冷媒温度(T4)は過冷却が施される前の冷媒温度であり、熱交換器H4と弁V4との間を流れる冷媒の温度(T8)は過冷却が施された後の冷媒の温度である。つまり、制御装置10は、熱交換器(過冷却器)H4による過冷却が施される前後での冷媒の温度を比較している。そして、制御装置10は、熱交換器H4と弁V4との間を流れる冷媒の温度(T8)が、室外用熱交換器H1と熱交換器(過冷却器)H4との間を流れる冷媒温度(T4)よりも所定温度以上低くなっているときには、相対的に大きな過冷却効果が得られていると判定して、冷媒を第2冷房循環状態で循環させた状態で空調運転を行う。これに対して、制御装置10は、熱交換器H4と弁V4との間を流れる冷媒の温度(T8)が、室外用熱交換器H1と熱交換器(過冷却器)H4との間を流れる冷媒温度(T4)よりも所定温度以上低くなっていないときには、相対的に大きな過冷却効果が得られていないと判定して、冷媒を第1冷房循環状態で循環させた状態で空調運転を行う。
表1及び表5の場合において(即ち、過冷却運転させることもできる場合において)第2圧縮機CP2を非過冷却運転させるような運用例を説明したが、第2圧縮機CP2による過冷却運転及び非過冷却運転の同時実行を行うような変更も可能である。例えば、非過冷却運転が行われている第3冷房循環状態において弁V3を追加で開放して、第2圧縮機CP2から送出される冷媒の一部を分岐させて弁(膨張弁)V3を介して熱交換器H4に流入させることで、熱交換器H4を過冷却器として機能させる(即ち、過冷却運転を行わせる)ような変更も可能である。
同様に、表3及び表7の場合において(即ち、排熱回収運転させることもできる場合において)第2圧縮機CP2を非排熱回収運転させるような運用例を説明したが、第2圧縮機CP2による排熱回収運転及び非排熱回収運転の同時実行を行うような変更も可能である。例えば、非排熱回収運転が行われている第3暖房運転状態において弁V5を追加で開放して、第2圧縮機CP2から送出される冷媒の一部を分岐させて弁(膨張弁)V5を介して排熱回収用熱交換器H3に流入させることで、排熱回収用熱交換器H3を蒸発器として機能させる(即ち、排熱回収運転を行わせる)ような変更も可能である。
上記実施形態では、空気調和システムで冷房運転を行うとき、第2圧縮機CP2を非過冷却運転させる例(第1冷房循環状態、第3冷房循環状態)を説明したが、第2圧縮機CP2を過冷却運転専用で用いて(即ち、過冷却運転させる、又は、停止させる)、非過冷却運転では用いないように改変してもよい。例えば、上記表1及び上記表2の改変例は、以下の表9及び表10になる。
上記実施形態では、第1駆動力伝達機構20の一次側プーリー21と、第2駆動力伝達機構30の一次側プーリー31とを別々に設ける例を説明したが、それらを一つのプーリーで共通化してもよい。例えば、エンジンEの駆動力が伝達される一つのプーリーに巻回されたベルトが第1圧縮機CP1側の二次側プーリー23と第2圧縮機CP2側の二次側プーリー33に巻回されることで、第1圧縮機CP1及び第2圧縮機CP2にエンジンEの駆動力が伝達されるように構成してもよい。
上記第3暖房循環状態及び上記第4暖房循環状態では、冷媒が排熱回収用熱交換器(第3蒸発器,第4蒸発器)H3を通流しない状態を説明したが、上記第5暖房循環状態と同様に、一部の冷媒を排熱回収用熱交換器(第3蒸発器,第4蒸発器)H3に通流させるような改変を行ってもよい。
例えば、第3暖房循環状態において、全ての冷媒が室外用熱交換器(第2蒸発器)H1で熱回収を行うのではなく、一部の冷媒が排熱回収用熱交換器(第3蒸発器)H3で熱回収を行うように冷媒の循環状態を切り替えてもよい。
同様に、第4暖房循環状態において、全ての冷媒が室外用熱交換器(第1蒸発器)H1で熱回収を行うのではなく、一部の冷媒が排熱回収用熱交換器(第4蒸発器)H3で熱回収を行うように冷媒の循環状態を切り替えてもよい。
11 エンジン制御手段
12 伝達機構制御手段
13 循環経路制御手段
CP1 第1圧縮機
CP1a 第1圧縮機
CP1b 第1圧縮機
CP2 第2圧縮機
E エンジン
H1 室外用熱交換器(蒸発器、凝縮器)
H2 室内用熱交換器(蒸発器、凝縮器)
H3 排熱回収用熱交換器(蒸発器)
H4 過冷却器(熱交換器)
V1 弁(膨張弁)
V2 弁(膨張弁)
V3 弁(膨張弁)
V4 弁(膨張弁)
V5 弁(膨張弁)
V6 弁(膨張弁)
Claims (6)
- エンジンと、前記エンジンによって駆動されて冷媒を圧縮する第1圧縮機と、前記エンジンによって駆動されて冷媒を圧縮する第2圧縮機と、前記エンジンから前記第1圧縮機への駆動力の伝達を仲介する第1駆動力伝達機構と、前記エンジンから前記第2圧縮機への駆動力の伝達を仲介する第2駆動力伝達機構と、冷媒から放熱させる凝縮器と、冷媒を膨張させる第1膨張弁と、冷媒を膨張させる第2膨張弁と、冷媒を膨張させる第3膨張弁と、冷媒に吸熱させる第1蒸発器と、冷媒に吸熱させる第2蒸発器と、前記エンジンから回収した排熱を冷媒に吸熱させる第3蒸発器と、前記エンジンの動作を制御するエンジン制御手段、及び、前記第1駆動力伝達機構及び前記第2駆動力伝達機構の動作を制御する伝達機構制御手段、及び、冷媒の循環経路を切り替える循環経路制御手段を有する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記エンジン制御手段と前記伝達機構制御手段と前記循環経路制御手段とによる制御によって、前記エンジンから前記第1圧縮機及び前記第2圧縮機への駆動力の伝達状態並びに冷媒の循環状態を切り替えながら前記凝縮器を通流する冷媒と熱交換した空調用空気を空調対象空間へ供給する空調運転を行うように構成され、
冷媒の循環状態の一つは、前記エンジンの駆動力を前記第1圧縮機に伝達させ且つ前記エンジンの駆動力を前記第2圧縮機に伝達させる状態で、冷媒が前記凝縮器を通流した後で分流され、当該分流された冷媒の一方が前記第1膨張弁と前記第1蒸発器と前記第1圧縮機とを順に通流した後で前記凝縮器に帰還し、及び、前記分流された冷媒の他方が前記第2膨張弁と前記第2蒸発器と前記第2圧縮機とを順に通流した後で前記凝縮器に帰還する第1暖房循環状態であり、
冷媒の循環状態の別の一つは、前記エンジンの駆動力を前記第1圧縮機に伝達させ且つ前記エンジンの駆動力を前記第2圧縮機に伝達させる状態で、冷媒が前記凝縮器を通流した後で分流され、当該分流された後の冷媒の一方が前記第1膨張弁と前記第1蒸発器と前記第1圧縮機とを順に通流した後で前記凝縮器に帰還し、及び、前記分流された後の冷媒の他方が前記第3膨張弁と前記第3蒸発器と前記第2圧縮機とを順に通流した後で前記凝縮器に帰還する第2暖房循環状態である空気調和システム。 - 前記制御装置は、前記空調運転を行っている間の所定のタイミングで冷媒を前記第2暖房循環状態で循環させながら冷媒の温度を検証する冷媒温度検証処理を行い、
前記冷媒温度検証処理において、前記第3蒸発器での冷媒の温度が前記第1蒸発器での冷媒の温度より高いと判定したとき、冷媒の循環状態を前記第2暖房循環状態にしてその後の前記空調運転を行わせ、
前記冷媒温度検証処理において、前記第3蒸発器での冷媒の温度が前記第1蒸発器での冷媒の温度以下であると判定したとき、冷媒の循環状態を前記第1暖房循環状態にしてその後の前記空調運転を行わせる請求項1に記載の空気調和システム。 - 前記制御装置が前記空調運転を行うときの冷媒の循環状態の更に別の一つは、前記エンジンの駆動力を前記第1圧縮機に伝達させず且つ前記エンジンの駆動力を前記第2圧縮機に伝達させる状態で、前記第2圧縮機から送出される冷媒が、前記凝縮器と前記第2膨張弁と前記第2蒸発器とを順に通流した後で前記第2圧縮機に帰還する第3暖房循環状態であり、
前記制御装置は、前記空調運転に要求されている要求負荷が基準負荷以上のとき、冷媒を前記第1暖房循環状態又は前記第2暖房循環状態で循環させながら前記空調運転を行い、及び、前記要求負荷が前記基準負荷未満のとき、冷媒を前記第3暖房循環状態で循環させながら前記空調運転を行う請求項1又は2に記載の空気調和システム。 - 前記制御装置が前記空調運転を行うときの冷媒の循環状態の更に別の一つは、前記エンジンの駆動力を前記第1圧縮機に伝達させ且つ前記エンジンの駆動力を前記第2圧縮機に伝達させない状態で、前記第1圧縮機から送出される冷媒が、前記凝縮器と前記第1膨張弁と前記第1蒸発器とを順に通流した後で前記第1圧縮機に帰還する第4暖房循環状態である請求項1〜3の何れか一項に記載の空気調和システム。
- 冷媒を膨張させる第4膨張弁と、前記エンジンから回収した排熱を冷媒に吸熱させる第4蒸発器とを備え、
前記制御装置が前記空調運転を行うときの冷媒の循環状態の更に別の一つは、前記エンジンの駆動力を前記第1圧縮機に伝達させ且つ前記エンジンの駆動力を前記第2圧縮機に伝達させる状態で、冷媒が前記凝縮器を通流した後で分流され、当該分流された冷媒のうち、前記第1膨張弁と前記第1蒸発器とを順に通流した冷媒と、前記第4膨張弁と前記第4蒸発器とを順に通流した冷媒とが合流して更に前記第1圧縮機を通流した後で前記凝縮器に帰還し、及び、前記分流された冷媒のうち、前記第3膨張弁と前記第3蒸発器と前記第2圧縮機とを順に通流した冷媒が前記凝縮器に帰還する第5暖房循環状態である請求項1〜4の何れか一項に記載の空気調和システム。 - 前記凝縮器は、前記空調対象空間内に供給する前記空調用空気と熱交換する室内用熱交換器であり、
前記第1蒸発器及び前記第2蒸発器は、前記空調対象空間外に存在する外気と熱交換する室外用熱交換器である請求項1〜5の何れか一項に記載の空気調和システム。
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