JP6422308B2 - シール構造を備えたガスタービン - Google Patents
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Description
図1から図7を用いて、第1の実施形態に係るシール構造を備えたガスタービンについて説明する。図1は、ガスタービンの一般的構成を示す概念図である。ガスタービンは、図1に示すように、圧縮機51で空気を圧縮後、圧縮空気を燃焼器52に導入し燃料を投入して燃焼ガスを発生させ、発生した燃焼ガスをタービン53に導入してタービンを回転させ、発電機54から電力を取り出す構成となっている。ガスタービンの効率向上のためには、より高温の燃焼ガスを発生させることが必要である。そのため、タービンの動静翼部の冷却を目的として、冷却用空気や冷却用蒸気等の冷却媒体57が使用される。
図8は、本発明の第1の実施形態の第1変形例であり、シール板が溝部内に組み込まれた状態で、ロータ軸線を含む面で切った断面図である。図8に示す図8に示す応力緩和部9bは、突出部5のうち径方向外側突出部11または径方向内側突出部12の少なくとも一方に形成されている。応力緩和部9bは、ディスク係合部6の角部のうち径方向外側突出部11に位置するディスク係合部6の角部のみとロータ周方向に重なり、かつ、ロータ径方向には貫通しない孔として形成される。このような構成により、応力緩和部9bは、特に応力集中が発生する箇所、たとえばディスク係合部6の角部の近傍における応力集中を低減できる。ここで、ディスク係合部の角部とは、ディスク係合部のロータ軸方向の端部である。また、応力緩和部9bがディスク係合部6の角部とロータ軸方向に重なるとは、ロータ周方向から見た場合、応力緩和部9bがディスク係合部6の角部と重なっている状態である。つまり、応力緩和部9bをロータ周方向に移動させるとディスク係合部6の角部が形成されている位置と重なる状態である。
図9は、本発明の第1の実施形態の第2変形例であり、シール板が溝部内に組み込まれた状態で、ロータ軸線を含む面で切った断面図である。図9に示す応力緩和部9cは、突出部5のうち径方向外側突出部11あるいは径方向内側突出部12のいずれか一方をロータ径方向に貫通してもよい。応力緩和部9cは、ディスク係合部6の角部のうち径方向内側突出部12に位置するディスク係合部6の角部のみとロータ周方向に重なり、かつ、ロータ径方向には貫通する孔として形成される。このような構成により、応力緩和部9cは、特に応力集中が発生する箇所、たとえばディスク係合部6の角部の近傍における応力集中を低減できる。また、応力緩和部9cを貫通孔とすることで、応力緩和部9cの加工を容易に行うことができる。
図10は、本発明の第1の実施形態の第3変形例であり、シール板が溝部内に組み込まれた状態で、ロータ軸線を含む面で切った断面図である。図10に示す応力緩和部9dは、突出部5のうち径方向外側突出部11のみに形成される。応力緩和部9dは、ディスク係合部6の角部のうち径方向外側突出部11に位置するディスク係合部6の角部のみとロータ周方向に重なり、かつ、ロータ径方向には貫通する孔として形成される。一般に、ロータディスク60の回転により発生する遠心力はロータ径方向外側の方がロータ径方向内側よりも大きい。したがって、この遠心力によって生じる突出部5における円周応力は、径方向内側突出部12においてよりも、径方向外側突出部11において大きい。そのため、このような構成により、応力緩和部9dは、特に応力集中が発生する箇所である径方向外側突出部11に位置するディスク係合部6の角部の近傍における応力集中を低減できる。また、応力緩和部9dを貫通孔とすることで、応力緩和部9dの加工を容易に行うことができる。
図12は、本発明の第1実施形態の第4変形例のディスク係合部廻りの平面図である。図12に示す応力緩和部9fは、ディスク係合部6に対してロータ周方向の前方側および後方側にそれぞれ複数形成される。このような構成により、応力緩和部9fは、ディスク係合部6に対してロータ周方向の両側において複数の応力緩和部9によって、ディスク係合部6の近傍に生じる応力集中をより一層低減することができる。なお、ディスク係合部6に対してロータ周方向の前方側および後方側に形成される応力緩和部9の位置は、ロータ軸方向で必ずしも一致していなくともよい。また、図12には、ロータ周方向の前方側と後方側のそれぞれに2つの応力緩和部9fを配置したが、数は限定されない。ロータ周方向に前方側と後方側のそれぞれに3つ以上の応力緩和部9fを配置してもよい。
図13は、本発明の第1実施形態の第5変形例のディスク係合部廻りの平面図である。図13に示す応力緩和部9gは、正円の孔である。応力緩和部9gは、孔の軸方向最大幅を形成する軸方向両端の内壁のうち、張出部3の対向する端面13からロータ軸方向で遠い側の内壁が、孔状のディスク係合部6の軸方向最大幅を形成する軸方向両端の内壁のうち張出部3の対向する端面13からロータ軸方向で近い内壁と溝部4内に配置されたシール板2のロータ軸方向下流側の側縁15の間に配置されているのが好ましい。
図14は、本発明の第1の実施形態の第6変形例のディスク係合部廻りの平面図である。図14に示す応力緩和部9hは、張出部3の端面13からロータ軸方向に形成される円弧状の切り欠きであってもよい。この場合、さらに、この切り欠きの軸方向最深部を形成する突出部5の端面13から最も遠い内壁は、孔状のディスク係合部6の軸方向最大幅を形成する軸方向両端の内壁のうち突出部5の端面13に近い内壁と溝部4内に配置されたシール板係合部7のロータ軸方向下流側の側縁15の間に配置されているのが好ましい。
本発明に係るシール構造の第2の実施形態について図15から図17を用いて説明する。第2の実施形態に係わるシール構造101は、第1の実施形態と同様に、ロータディスク60に設けられ、溝部4を設けられた張出部3、該溝部4に挿入されるシール板2および廻り止め部材28を備える。
2 シール板
3 張出部
4 溝部
5 突出部
6、26 ディスク係合部
7、27 シール板係合部
8、28 廻り止め部材
9、9a、9b、9c、9d、9e、9f、9g、9h 応力緩和部
11 径方向外側突出部
12 径方向内側突出部
13 端面
14 底面
15 側縁
35 廻り止めピン
36 保持リング
37 段差部
51 圧縮機
52 燃焼器
53 タービン
54 発電機
55 ガスパス
56 燃焼ガス
57 冷却媒体
58 ロータ軸
60 ロータディスク
Claims (10)
- ロータ軸方向に複数に配列されたロータディスク間に配置され、隣接する前記ロータディスクから互いに対向するようにロータ軸方向に延在し、対向する端面に環状の溝部が形成された張出部と、
該溝部内のロータ周方向に配置され、側縁にシール板係合部が形成された環状のシール板と、
前記張出部に形成されたディスク係合部を介して前記張出部に係止され、かつ、前記シール板係合部を介して前記シール板を係止する廻り止め部材と、を有し、
前記張出部は、ロータ軸方向の先端が前記溝部を挟んだ環状の突出部であり、
前記突出部には前記ディスク係合部に対してロータ周方向に隣接する応力緩和部が設けられ、
前記応力緩和部は、前記シール板に対してロータ径方向に重なるように配置されていることを特徴とするシール構造を備えたガスタービン。 - 前記突出部は、前記シール板よりも径方向外側の径方向外側突出部と、前記シール板よりも径方向内側の径方向内側突出部とを有し、
前記応力緩和部は、前記径方向外側突出部および前記径方向内側突出部の少なくとも一方に形成されることを特徴とする請求項1に記載のシール構造を備えたガスタービン。 - 前記応力緩和部は、前記径方向外側突出部および前記径方向内側突出部をロータ径方向に貫通することを特徴とする請求項2に記載のシール構造を備えたガスタービン。
- 前記応力緩和部は、前記突出部のうち前記径方向外側突出部あるいは前記径方向内側突出部のいずれか一方をロータ径方向に貫通することを特徴とする請求項2に記載のシール構造を備えたガスタービン。
- 前記応力緩和部は、前記突出部のうち径方向外側突出部のみに形成されることを特徴とする請求項2に記載のシール構造を備えたガスタービン。
- 前記応力緩和部は、前記ディスク係合部に対してロータ周方向の前方側および後方側に形成されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載のシール構造を備えたガスタービン。
- 前記応力緩和部は、ロータ周方向に長い長円の孔であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載のシール構造を備えたガスタービン。
- 前記応力緩和部は、前記ディスク係合部に対してロータ周方向の前方側および後方側にそれぞれ複数形成されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載のシール構造を備えたガスタービン。
- 前記応力緩和部は、孔であり、前記孔の軸方向最大幅を形成する軸方向両端の内壁のうち、対向する前記端面からロータ軸方向に遠い側の内壁が、孔状の前記ディスク係合部の軸方向最大幅を形成する軸方向両端の内壁のうち前記端面に近い内壁と前記溝部内に配置された前記シール板の前記側縁の間に配置されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載のシール構造を備えたガスタービン。
- 前記応力緩和部は前記張出部の前記端面からロータ軸方向に形成される切り欠きであり、前記切り欠きの軸方向最深部を形成する前記端面から最も遠い内壁は、孔状の前記ディスク係合部の軸方向最大幅を形成する軸方向両端の内壁のうち前記端面に近い内壁と前記溝部内に配置された前記シール板の前記側縁の間に配置されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載のシール構造を備えたガスタービン。
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