JP6422154B2 - 燃料噴射量補正制御方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Description
まず、燃料噴射弁において、通常、燃料噴射終了時に燃料噴射弁への通電が停止されると、燃料噴射弁内の弁体が、噴射口近傍に形成された弁座に着座することにより噴射口が閉鎖されて燃料噴射が完全に零となることは、良く知られている通りであるが、燃料噴射弁への通電が停止されてから弁体が弁座に着座するまでに要する時間である閉弁時間は、実際には、個々の燃料噴射弁によってばらつきがある。
そのため、例えば、燃料噴射弁内部に設けられている電磁弁の閉弁タイミングの実測値に基づいて閉弁時間のばらつきに伴う燃料噴射量のばらつきを補正する方法がある(例えば、特許文献2等参照)。
すなわち、燃料噴射弁内部には、燃料噴射の弁体の動きを制御するため電磁弁が設けられているが、かかる電磁弁が燃料噴射弁への通電終了後に閉弁状態となる閉弁タイミングは、燃料噴射弁の通電終了後に電磁弁に生ずる逆電圧のピークに一致することが知られている。
そこで、燃料噴射弁内部の電磁弁の閉弁タイミングを実測し、その実測値と、標準的な特性を有する燃料噴射弁について予め取得され、装置の動作制御処理を実行する電子制御ユニットに記憶されている閉弁タイミングの標準値との偏差を算出し、その差に応じて燃料噴射弁の通電終了のタイミングを調整(以下、説明の便宜上、このような燃料噴射弁の通電終了のタイミングの調整制御を「閉弁時間制御」と称する)することで、個々の燃料噴射弁の特性ばらつき如何に関わらず閉弁時間を一定とし、個々の燃料噴射弁内部の電磁弁の閉弁タイミングの標準値からのばらつきに起因する燃料噴射量のばらつきを補正し、所要の燃料噴射量の確保を可能とするものである。
燃料噴射弁内部の電磁弁の閉弁タイミングを実測し、その実測値と、標準的な特性を有する燃料噴射弁内部の電磁弁の閉弁タイミングである標準閉弁タイミングとの偏差を算出し、その偏差に応じて前記燃料噴射弁の通電終了のタイミングを調整することで、個々の燃料噴射弁の前記標準閉弁タイミングからのばらつきに起因する燃料噴射量のばらつきを補正する閉弁時間制御による燃料噴射量補正が実行可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置における燃料噴射量補正制御方法であって、
前記閉弁時間制御による燃料噴射量補正の実行においては、燃料噴射弁内部の電磁弁の閉弁タイミングの実測値と、閉弁タイミングの標準値との偏差を学習値として記憶、保持する学習処理が併せて実行され、
前記車両のエンジン始動時から所定時間経過前である場合に、前記閉弁時間制御による燃料噴射量補正の実行を禁止し、前記車両のエンジン始動時から所定時間経過前である場合には燃料の粘度が増大しているとして、燃料の粘度の増大に起因して生ずる燃料噴射量の減少時に前記閉弁時間制御を実行することで燃料噴射量のさらなる減少を招くことを防止可能としてなるものである。
また、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係るコモンレール式燃料噴射制御装置は、
車両のエンジンの動作制御を実行する電子制御ユニットであって、燃料噴射弁内部の電磁弁の閉弁タイミングを実測し、その実測値と、標準的な特性を有する燃料噴射弁内部の電磁弁の閉弁タイミングである標準閉弁タイミングとの偏差を算出し、その偏差に応じて前記燃料噴射弁の通電終了のタイミングを調整することで、個々の燃料噴射弁の前記標準閉弁タイミングからのばらつきに起因する燃料噴射量のばらつきを補正する閉弁時間制御による燃料噴射量補正が実行可能に構成されてなる電子制御ユニットを有してなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
前記閉弁時間制御による燃料噴射量補正の実行において、燃料噴射弁内部の電磁弁の閉弁タイミングの実測値と、閉弁タイミングの標準値との偏差を学習値として記憶、保持する学習処理が併せて実行可能に構成されると共に、
前記車両のエンジン始動時から所定時間経過前である場合に、前記閉弁時間制御による燃料噴射量補正の実行を禁止し、前記車両のエンジン始動時から所定時間経過前である場合には燃料の粘度が増大しているとして、燃料の粘度の増大に起因して生ずる燃料噴射量の減少時に前記閉弁時間制御を実行することで燃料噴射量のさらなる減少を招くことを防止可能に構成されてなるものである。
また、閉弁時間制御による燃料噴射量補正の実行において、実測された閉弁タイミングと、所定の閉弁タイミングの標準値との偏差の学習値を取得する学習処理が併用されるものにあっても、車両の動作状況が、燃料噴射弁に供給される燃料の粘度が高い状態にあるか否かを間接的に判定できるようにし、その判定結果によっては、学習処理を禁止できるようにすることで、学習値の信頼性の向上と共に、閉弁時間制御による燃料噴射量補正のより一層の信頼性、安定性の向上を図ることができる。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における燃料噴射量補正制御方法が適用されるコモンレール式燃料噴射制御装置の構成例について、図1を参照しつつ説明する。
このコモンレール式燃料噴射制御装置は、高圧燃料の圧送を行う高圧ポンプ装置50と、この高圧ポンプ装置50により圧送された高圧燃料を蓄えるコモンレール1と、このコモンレール1から供給された高圧燃料をディーゼルエンジン(以下「エンジン」と称する)3の気筒へ噴射供給する複数の燃料噴射弁2−1〜2−nと、燃料噴射制御処理や後述する圧力センサ診断処理などを実行する電子制御ユニット(図1においては「ECU」と表記)4を主たる構成要素として構成されたものとなっている。
かかる構成自体は、従来から良く知られているこの種の燃料噴射制御装置の基本的な構成と同一のものである。
かかる構成において、燃料タンク9の燃料は、供給ポンプ5により汲み上げられ、調量弁6を介して高圧ポンプ7へ供給されるようになっている。調量弁6には、電磁式比例制御弁が用いられ、その通電量が電子制御ユニット4に制御されることで、高圧ポンプ7への供給燃料の流量、換言すれば、高圧ポンプ7の吐出量が調整されるものとなっている。
また、供給ポンプ5は、高圧ポンプ装置50の上流側に高圧ポンプ装置50と別体に設けるようにしても、また、燃料タンク9内に設けるようにしても良いものである。
本発明の実施の形態における燃料噴射弁2−1〜2−nは、従来から用いられているいわゆる電磁弁タイプのものであるが、特に、通電により生ずる電磁力によって変位するコア(図示せず)と弁体(図示せず)とが一体的に構成されてなるものが好適である。
かかる燃料噴射弁2−1〜2−nは、電子制御ユニット4によって、その駆動制御が行われ、エンジン3の気筒への高圧燃料の噴射を可能としてなるものである。なお、燃料噴射弁2−1〜2−nは、駆動電圧の印加によって、噴射孔(図示せず)が開閉成される構成のものが一般的であり、本発明の実施の形態においても同様の構成であるとする。
また、電子制御ユニット4には、従来同様、燃料噴射弁2−1〜2−nの閉弁時間の計測のため、燃料噴射弁2−1〜2−nの通電終了後に生ずる逆起電流が読み込まれるようになっている。
なお、電子制御ユニット4内には、車両の他の動作制御に必要な回路等が従来同様に設けられるが、これについては、図を簡潔として本願発明の理解を容易にする観点から図示を省略することとする。
まず、前提として、本発明の実施の形態におけるコモンレール式燃料噴射制御装置は、従来同様、電子制御ユニット4により、閉弁時間制御による燃料噴射量補正制御が実行されるようになっているものとする。
閉弁時間制御(以下、説明の便宜上、必要に応じて「VCC」と表記する)は、燃料噴射弁の特性ばらつきによる閉弁時間のばらつきや、燃料噴射弁の劣化による閉弁時間の変化等に起因する燃料噴射量の変動を抑圧、防止し、所要の燃料噴射量の確保を可能とした燃料噴射量の補正方法(以下、説明の便宜上、このような閉弁時間制御を用いた燃料噴射量の補正を、必要に応じて「VCC補正」と称する)である。
燃料噴射弁内部の電磁弁の閉弁タイミングは、燃料噴射弁の通電終了後に電磁弁に生ずる逆電圧のピークに一致することが従来から知られており、その逆電圧のピークを検出することで実測可能なものである。
すなわち、本発明の実施の形態においては、燃料噴射弁内部の電磁弁の閉弁タイミングの実測値と、閉弁タイミングの標準値との差が、閉弁時間差分ΔCTとして演算算出され、その演算結果は、学習値として電子制御ユニット4の適宜な記憶領域に記憶、保持されるようになっており、かかる学習値は所要のタイミングで更新されるようになっている。
学習値取得の際の実際のレール圧Pと燃料噴射弁2−1〜2−nの通電時間の種々の組み合わせについて、それぞれ取得されるものとなっている。
このようにして得られた閉弁時間差分ΔCTの学習値は、燃料噴射弁2−1〜2−nによる燃料噴射の際に、目標レール圧と、アクセル開度等のデータを基に演算算出された通電時間との組み合わせに対する値が、電子制御ユニット4の適宜な記憶領域から読み出され、同じく通電時間と目標レール圧の種々の組み合わせに対して電子制御ユニット4の適宜な記憶領域に記憶、保存されている閉弁タイミングの標準値のなかから、目標レール圧と通電時間との組み合わせに対して読み出された閉弁タイミングの標準値に加算又は減算されて閉弁タイミングの標準値の補正がなされることとなる。
そして、燃料噴射弁の通電終了後の内部の電磁弁の閉弁タイミングが、補正された閉弁タイミングの標準値に一致するように、この時点の燃料噴射弁に対する通電時間が調整される結果、燃料噴射量の補正がなされるものとなっている。
燃料噴射弁2−1〜2−nによる燃料噴射は、一般には、例えば、パイロット噴射、メイン噴射、ポスト噴射に大別されるが、噴射パターンは、これら燃料噴射の形態、すなわち、パイロット噴射、メイン噴射、ポスト噴射を意味する。
本発明の実施の形態においては、VCC補正をいずれの噴射パターンで実行するかを予め設定されるようになっており、ステップS102では、この時点の燃料噴射がVCC補正の対象として予め設定された燃料噴射であるか否かが判定されるものとなっている。
ここで、補正対象の気筒が正常であるか否かの判定は、メインルーチンにおいて、従来同様実行される燃料噴射弁2−1〜2−nの動作制御処理において実行されるようになっているため、このステップS106においては、その判定結果を流用すれば良く、改めて判定を行う必要はない。
ここで、VCC補正は、各気筒毎、VCC補正が実行できる噴射回数が定められており、ステップS108においては、その予め定められた噴射回数内でのVCC補正か否かが判定されることとなる。
すなわち、換言すれば、この実施例においては、エンジン3の始動から経過時間によって、車両の動作状況が、燃料噴射弁2−1〜2−nに供給される燃料の粘度が高い状態にあるか否かが判断されるものとなっている。
ステップS110において、所定時間経過したと判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS112の処理へ進む一方、未だ所定時間経過していないと判定された場合(NOの場合)には、先に説明したステップS114の処理へ進むこととなる。
ここで、エンジン3の始動からの経過時間を判定するのは、エンジン3の始動から適宜な時間が経過すれば燃料温度が上昇するため、低温環境にあっても燃料の粘性が始動時に比して低下してゆき、本願発明が問題とする燃料の粘度が大きいことに起因する閉弁時間の増加という問題が解消され、常温時を基準とした通常のVCC補正を行っても問題ないため、このような状態にあるか否かを判定するためである。
一方、ステップS110において、エンジン3の始動から未だ所定時間が経過していなと判定された場合(NOの場合)には、VCC補正不許可とされ、VCC補正は行われることなく、一連の処理が終了されて、一旦、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
なお、前提となるコモンレール式燃料噴射制御装置の構成は、図2を参照しつつ説明した第1の実施例と同様であり、ここでの再度の詳細な説明は省略する。
先に説明した第1の実施例は、VCC補正の実行の可否を、エンジン3の始動からの経過時間により判断するよう構成されたものであったのに対して、この第2の実施例は、後述するように予め選定された温度条件を判断基準として、VCC補正の実行の可否が判断されるよう構成されたものである。
最初に、図3のステップS102〜S108、ステップS112、及び、ステップS114の各々の処理は、図2におけるステップS102〜S108、ステップS112、及び、ステップS114の各々の処理と同一であるので、ここでの再度の詳細な説明は省略することとする。
ステップS108の処理において、YESの判定がなされた場合、ステップS110Aにおいては、選択可能とされている複数の温度条件のいずれが選択、設定されているかの判定が行われる。
ここで、噴射弁入口温度は、通常、実際の測定値に代えて、推定値が用いられることが多く、本発明の実施の形態においても推定値が用いられるものとなっている。
かかる推定値は、例えば、燃料温度とエンジン冷却水温の各々の実測値を用いて、予め設定されている噴射弁入口温度推定値算出式を用いて演算算出されるようになっている。
ステップS110Cにおいて、燃料温度Tfが基準燃料温度Ts2を超えていると判定された場合(YESの場合)には、ステップS112の処理へ進む一方、燃料温度Tfが基準燃料温度Ts2を超えていないと判定された場合(NOの場合)には、ステップS114の処理へ進むこととなる。
ステップS110Dにおいて、エンジン冷却水温Twが基準冷却水温度Ts3を超えていると判定された場合(YESの場合)には、ステップS112の処理へ進む一方、エンジン冷却水温Twが基準冷却水温度Ts3を超えていないと判定された場合(NOの場合)には、ステップS114の処理へ進むこととなる。
本発明の実施の形態におけるコモンレール式燃料噴射制御装置においては、先に前提条件として説明したように、VCC補正において、閉弁時間差分ΔCTについての学習処理が実行されるようになっているが、先に説明したように、VCC補正の実行について、従来は、環境温度が考慮されていなかったように、学習処理についても低温環境下であるか否かに関わらず、学習処理が実行されるようになっているため、先に説明したように、閉弁時間が増大する低温環境下においては学習値として不適切な値が学習されてしまうことがある。
最初に、本発明の実施の形態における閉弁時間差分ΔCTについての学習処理の第1の実施例について、図5を参照しつつ説明する。
まず、閉弁時間差分ΔCTについての学習処理は、従来同様、燃料噴射弁2−1〜2−n毎、すなわち、換言すれば、各気筒毎に実行されて、それそぞれの閉弁時間差分ΔCTの学習値が取得されるようになっているものである。
すなわち、圧力センサ11により検出されたレール圧Pが電子制御ユニット4の適宜な一時記憶領域に記憶、保存される。
次いで、この時点で閉弁時間偏差学習処理の対象とさてれいる燃料噴射弁2−1〜2−nの中の1つについて通電時間ETが取得される(図5のステップS204参照 )。
したがって、このステップS204においては、別途実行されている燃料噴射制御処理で算出された通電時間ETを流用すれば足り、改めて演算を行う必要はない。
ここで、標準閉弁タイミングは、標準的な特性を有する燃料噴射弁内部の電磁弁が、燃料噴射弁への通電終了後に閉弁状態となるタイミングであり、予め取得されたものである。
かかる標準閉弁タイミングは、従来同様、種々のレール圧Pと通電時間ETとの組み合わせに対する値が取得されおり、種々のレール圧Pと通電時間ETとの組み合わせを入力として、その組み合わせに対する標準閉弁タイミングが読み出し可能に、いわゆるマップ化(標準閉弁時間マップ)されて電子制御ユニット4の適宜な記憶領域に予め記憶されている。
次いで、閉弁時間差分ΔCTの算出が行われる(図5のステップS208参照)。
ここで、閉弁時間差分ΔCTは、燃料噴射弁2−1〜2−n内部の電磁弁について実測された閉弁タイミングCTと、上述のステップS206で得られた標準閉弁タイミングとの差分(閉弁時間差分ΔCT=実測閉弁タイミングCT−標準閉弁タイミング)である。
すなわち、換言すれば、この実施例においては、エンジン3の始動から経過時間によって、車両の動作状況が、燃料噴射弁2−1〜2−nに供給される燃料の粘度が高い状態にあるか否かが判断されるものとなっている。
ステップS210において、所定時間経過したと判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS212の処理へ進む一方、未だ所定時間経過していないと判定された場合(NOの場合)には、学習処理を行うに適した状態ではないとして、ステップS208で算出された閉弁時間差分は、学習値として保存されることなく破棄され(図5のステップS216参照)、学習値の更新は行われることなく一連の処理が終了され、一旦、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
すなわち、燃料噴射弁2−1〜2−nの実測された閉弁タイミングが、何らかの原因でノイズを含むデータとなることがあり、その場合、閉弁時間差分ΔCTも同様ノイズを含むデータとなる虞がある。ステップS212においては、そのようなデータノイズを除去するための所要のフィルタ処理が施されるようになっている。なお、上述のようなフィルタ処理は、上述のような目的のため従来から用いられている任意の処理で良く、特定の処理に限定されるものではない。
図5を参照しつつ説明した第1の実施例における閉弁時間偏差学習処理は、学習値の保存実行の可否を、エンジン3の始動からの経過時間を判断基準として判断するものであったのに対して、この第2の実施例は、後述するように予め選定された温度条件を判断基準とするものである。
最初に、図6のステップS202〜S208、及び、図7のステップS212〜S216の各々の処理は、図5におけるステップS202〜S208、及び、ステップS212〜S216の各々の処理と同一であるので、ここでの再度の詳細な説明は省略することとする。
しかして、ステップS210Aにおいては、選択可能とされている複数の温度条件のいずれが選択、設定されているかの判定が行われる。
ステップS210Aにおいて、噴射弁入口温度が選択、設定されていると判定された場合には、噴射弁入口温度Tinが基準入口温度Ts1を超えているか否かが判定されることとなる(図7のステップS210B参照)。
一方、ステップS210Bにおいて、噴射弁入口温度Tinは基準入口温度Ts1を超えていないと判定された場合(NOの場合)には、学習処理を行うに適した状態ではないとして、ステップS208で算出された閉弁時間差分は、学習値として保存されることなく破棄され(図7のステップS216参照)、学習値の更新は行われることなく一連の処理が終了され、一旦、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
ステップS210Cにおいて、燃料温度Tfが基準燃料温度Ts2を超えていると判定された場合(YESの場合)には、ステップS212の処理へ進む一方、燃料温度Tfが基準燃料温度Ts2を超えていないと判定された場合(NOの場合)には、ステップS216の処理へ進むこととなる。
ステップS210Dにおいて、エンジン冷却水温Twが基準冷却水温度Ts3を超えていると判定された場合(YESの場合)には、ステップS212の処理へ進む一方、エンジン冷却水温Twが基準冷却水温度Ts3を超えていないと判定された場合(NOの場合)には、ステップS216の処理へ進むこととなる。
2−1〜2−n…燃料噴射弁
3…ディーゼルエンジン
4…電子制御ユニット
11…圧力センサ
50…高圧ポンプ装置
Claims (8)
- 燃料噴射弁内部の電磁弁の閉弁タイミングを実測し、その実測値と、標準的な特性を有する燃料噴射弁内部の電磁弁の閉弁タイミングである標準閉弁タイミングとの偏差を算出し、その偏差に応じて前記燃料噴射弁の通電終了のタイミングを調整することで、個々の燃料噴射弁の前記標準閉弁タイミングからのばらつきに起因する燃料噴射量のばらつきを補正する閉弁時間制御による燃料噴射量補正が実行可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置における燃料噴射量補正制御方法であって、
前記閉弁時間制御による燃料噴射量補正の実行においては、燃料噴射弁内部の電磁弁の閉弁タイミングの実測値と、閉弁タイミングの標準値との偏差を学習値として記憶、保持する学習処理が併せて実行され、
前記車両のエンジン始動時から所定時間経過前である場合に、前記閉弁時間制御による燃料噴射量補正の実行を禁止し、前記車両のエンジン始動時から所定時間経過前である場合には燃料の粘度が増大しているとして、燃料の粘度の増大に起因して生ずる燃料噴射量の減少時に前記閉弁時間制御を実行することで燃料噴射量のさらなる減少を招くことを防止可能としてなることを特徴とする燃料噴射量補正制御方法。 - 前記車両のエンジン始動時から所定時間経過前である場合に、前記閉弁時間制御による燃料噴射量補正の実行を禁止することに代えて、
前記燃料噴射弁の入口温度が所要の基準入口温度を上回っている場合に、前記閉弁時間制御による燃料噴射量補正の実行を禁止することを特徴とする請求項1記載の燃料噴射量補正制御方法。 - 前記車両のエンジン始動時から所定時間経過前である場合に、前記閉弁時間制御による燃料噴射量補正の実行を禁止することに代えて、
前記燃料の温度が所要の基準燃料温度を上回っている場合に、前記閉弁時間制御による燃料噴射量補正の実行を禁止することを特徴とする請求項1記載の燃料噴射量補正制御方法。 - 前記車両のエンジン始動時から所定時間経過前である場合に、前記閉弁時間制御による燃料噴射量補正の実行を禁止することに代えて、
前記エンジン冷却水温が所要の基準冷却水温度を上回っている場合に、前記閉弁時間制御による燃料噴射量補正の実行を禁止することを特徴とする請求項1記載の燃料噴射量補正制御方法。 - 車両のエンジンの動作制御を実行する電子制御ユニットであって、燃料噴射弁内部の電磁弁の閉弁タイミングを実測し、その実測値と、標準的な特性を有する燃料噴射弁内部の電磁弁の閉弁タイミングである標準閉弁タイミングとの偏差を算出し、その偏差に応じて前記燃料噴射弁の通電終了のタイミングを調整することで、個々の燃料噴射弁の前記標準閉弁タイミングからのばらつきに起因する燃料噴射量のばらつきを補正する閉弁時間制御による燃料噴射量補正が実行可能に構成されてなる電子制御ユニットを有してなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
前記閉弁時間制御による燃料噴射量補正の実行において、燃料噴射弁内部の電磁弁の閉弁タイミングの実測値と、閉弁タイミングの標準値との偏差を学習値として記憶、保持する学習処理が併せて実行可能に構成されると共に、
前記車両のエンジン始動時から所定時間経過前である場合に、前記閉弁時間制御による燃料噴射量補正の実行を禁止し、前記車両のエンジン始動時から所定時間経過前である場合には燃料の粘度が増大しているとして、燃料の粘度の増大に起因して生ずる燃料噴射量の減少時に前記閉弁時間制御を実行することで燃料噴射量のさらなる減少を招くことを防止可能に構成されてなることを特徴とするコモンレール式燃料噴射制御装置。 - 前記電子制御ユニットは、
前記車両のエンジン始動時から所定時間経過前である場合に、前記閉弁時間制御による燃料噴射量補正の実行を禁止することに代えて、
前記燃料噴射弁の入口温度が所要の基準入口温度を上回っている場合に、前記閉弁時間制御による燃料噴射量補正の実行を禁止するよう構成されてなることを特徴とする請求項5記載のコモンレール式燃料噴射制御装置。 - 前記電子制御ユニットは、
前記車両のエンジン始動時から所定時間経過前である場合に、前記閉弁時間制御による燃料噴射量補正の実行を禁止することに代えて、
前記燃料の温度が所要の基準燃料温度を上回っている場合に、前記閉弁時間制御による燃料噴射量補正の実行を禁止するよう構成されてなることを特徴とする請求項5記載のコモンレール式燃料噴射制御装置。 - 前記電子制御ユニットは、
前記車両のエンジン始動時から所定時間経過前である場合に、前記閉弁時間制御による燃料噴射量補正の実行を禁止することに代えて、
前記エンジン冷却水温が所要の基準冷却水温度を上回っている場合に、前記閉弁時間制御による燃料噴射量補正の実行を禁止するよう構成されてなることを特徴とする請求項5記載のコモンレール式燃料噴射制御装置。
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