JP5616149B2 - レール圧オフセット制御方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置 - Google Patents

レール圧オフセット制御方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、コモンレール式燃料噴射制御装置におけるレール圧制御に係り、特に、熱的ストレスの抑圧等を図ったものに関する。
いわゆるコモンレール式燃料噴射制御装置は、高圧ポンプによって燃料を加圧して蓄圧器であるコモンレールへ圧送して蓄圧し、その蓄圧された高圧燃料をインジェクタへ供給することにより、インジェクタによる内燃機関への高圧燃料の噴射を可能としたものとし、燃費やエミッション特性等に優れるものとして良く知られているものである。
かかるコモンレール式燃料噴射制御装置において、種々のコンポーネントには、レール圧に伴う種々の圧力が掛かるために、使用場所に応じて種々の耐圧力性が要求されるが、一般的に、圧力の変動幅が大きく、しかも、その繰り返し所定回数以上となると疲労破壊が生じることは知られている通りである(例えば、特許文献1等参照)。
このような圧力によるコンポーネントの疲労を緩和する方策としては、従来から種々の方策が提案、実用化されているが、その一つの方策として、図3及び図4を参照しつつ以下に説明するようなレール圧制御が採られることがある。
まず、図3(A)は、エンジン回転数Neに対する目標レール圧Pの変化例を示すもので、加速性や燃焼音の低減等の観点からは、アクセル全開の際のレール圧と、アクセル全閉の際のレール圧には、ある程度の差があることが望ましい。
すなわち、アクセル全開の場合には、図3(A)において符号a1が付された上側の特性線に沿って、エンジン回転数Neの上昇に伴い、目標レール圧が比較的大きな変化率で必要な目標レール圧に迅速に設定される一方、アクセル全閉とされた場合には、目標レール圧は、アクセル全開時に比してある程度低い圧力とされ、図3(A)において符号b1が付された下側の特性線に沿って、エンジン回転数Neの上昇に伴い、目標レール圧は、比較的小さな変化率で設定されるのが望ましい。
なお、アクセル全開とアクセル全閉との間においては、上述の符号a1が付された特性線と、符号b1が付された特性線で囲まれる領域において、エンジン回転数に対する目標レール圧が定められるものとなっている。
ところが、このようにアクセル全開時とアクセル全閉時のレール圧に比較的差がある場合には、先に述べたように圧力変化に起因するコンポーネントの疲労を招く要因となる可能性がある。そのため、現実的には、図3(B)に符号b2で示された特性線のように、大凡中速以上のエンジン回転数の領域においては、アクセル全閉の際の目標レール圧を、図3(A)の場合に比して高めに設定することにより、圧力の振幅差によるコンポーネントの疲労を軽減する方策が採られることが多い。
すなわち、図3(A)に示されたようにレール圧を設定する場合は、図4において実線の特性線で示されたように時間の経過、換言すれば、車両の走行に応じて比較的大きなレール圧の変動が生ずるのに対して、図3(B)に示されたようにレール圧を設定する場合には、図4において点線の特性線で示されたように実線の特性線の場合に比して比較的小さなレール圧の変動となる。これを、それぞれにおけるレール圧の最低値と最高値との差で比較して見ると、点線の特性線のにおける差Paと実線の特性線における差Pbは、Pa<Pbとなり、図3(B)に示されたようにレール圧を設定することによって、レール圧の振幅差を確実に小さくすることができ、圧力の振幅差によるコンポーネントの疲労軽減が可能となる。
特開2007−113503号公報(第5−10頁、図1−図4)
しかしながら、上述のようにアクセル全閉の際のレール圧を標準よりも高めに設定するようなレール圧制御が行われる車両において、例えば、長い降り坂などで噴射量ゼロ、かつ、アクセル開度ゼロ、すなわち、アクセル全閉状態となるいわゆるオーバーラン状態が多発するような場合に、燃料温度が上昇し過ぎてしまい、遂にはコモンレール式燃料噴射制御装置における燃料温度の制限値を超え、装置の安定動作を損ないかねないという可能性がある。
このようにオーバーラン状態にある場合に燃料温度が上昇し過ぎる可能性を招くのは、特に、コモンレールからの燃料の戻し通路に、電磁制御式の圧力制御弁が設けられ、その弁開度の調整によってレール圧制御を可能にした構成のコモンレール式燃料噴射制御装置において、オーバーランの際には、上述の圧力制御弁が開弁状態とされてコモンレールから燃料の放出が行われると共に、インジェクタからのリーク燃料が加わるため、コモンレールへ燃料を圧送するための高圧ポンプの圧送量が増え、その結果、燃料温度の上昇を招くことによるものである。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、燃料温度がコモンレール式燃料噴射制御装置における制限値を超えるような動作状態における燃料温度の上昇を抑圧し、制限値を超えることを確実に防止することができるレール圧オフセット制御方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置を提供するものである。
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係るレール圧オフセット制御方法は、
燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介してエンジンへ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、前記高圧ポンプの上流側に低圧制御電磁弁が、前記高圧ポンプの下流側に高圧制御電磁弁が、それぞれ設けられ、前記低圧制御電磁弁と前記高圧制御電磁弁の駆動制御により、前記コモンレールのレール圧を制御可能とし、アクセル全閉の際に、エンジン回転数が予め定められた高い領域に至るまでは、目標レール圧の上昇率が、アクセル全開の際のエンジン回転数の増加に伴う目標レール圧の上昇率より低い所定値とされる一方、前記予め定められたエンジン回転数の高い領域において、目標レール圧の上昇率が、前記予め定められたエンジン回転数の高い領域に至るまでの前記所定値に比して高く設定されるよう構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置におけるレール圧オフセット制御方法であって、
前記エンジンの動作状態が、燃料温度の上昇を招く所定の条件を満たし、かつ、燃料温度が所定の制限値を超えた場合に、前記目標レール圧を一時的に降圧し、前記燃料温度の上昇を招く所定の条件は、アクセル全閉状態で、かつ、無噴射状態であるよう構成されてなるものである。
また、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係るコモンレール式燃料噴射制御装置は、
燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介してエンジンへ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、前記高圧ポンプの上流側に低圧制御電磁弁が、前記高圧ポンプの下流側に高圧制御電磁弁が、それぞれ設けられ、電子制御ユニットにより前記低圧制御電磁弁と前記高圧制御電磁弁が駆動制御されて前記コモンレールのレール圧を制御可能とし、前記電子制御ユニットによりアクセル全閉の際に、エンジン回転数が予め定められた高い領域に至るまでは、目標レール圧の上昇率が、アクセル全開の際のエンジン回転数の増加に伴う目標レール圧の上昇率より低い所定値とされる一方、前記予め定められたエンジン回転数の高い領域において、目標レール圧の上昇率が、前記予め定められたエンジン回転数の高い領域に至るまでの前記所定値に比して高く設定されるよう構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、前記エンジンの動作状態が、燃料温度の上昇を招く所定の条件を満たし、かつ、燃料温度が所定の制限値を超えたと判定された場合に、前記目標レール圧を一時的に降圧するよう構成されてなり、前記燃料温度の上昇を招く所定の条件は、アクセル全閉状態で、かつ、無噴射状態とされてなるものである。
本発明によれば、各コンポーネントや装置全体に対して燃料温度の上昇による悪影響を与えるような動作状態の継続を、レール圧の一時的なオフセットによって回避できるようにしたので、必要以上の燃料温度の上昇を抑圧、回避することができ、燃料温度の必要以上の上昇に起因する各コンポーネントの不具合の発生が防止でき、装置全体の安全性、信頼性のさらなる向上が可能になるという効果を奏するものである。
また、燃料温度の必要以上の上昇を抑圧、回避することができるので、従来からの燃料温度の上昇に対する対抗策、例えば、エンジン出力を一時的に低減させるいわゆるトルクリミットのような対抗策の実行を極力回避、抑圧でき、従来に比してより一層の車両動作の快適性を確保できるという効果を奏するものである。
本発明の実施の形態におけるコモンレール式燃料噴射制御装置の一構成例を示す構成図である。 図1に示されたコモンレール式燃料噴射制御装置を構成する電子制御ユニットにより実行されるレール圧オフセット制御処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。 従来のレール圧制御におけるエンジン回転数の変化に対する目標レール圧の変化の特性例を模式的に示す特性線図であって、図3(A)は、燃料音の低減や加速性を重視した場合のエンジン回転数の変化に対する目標レール圧の変化例を示す特性線図、図3(B)は、レール圧の振幅差の低減を重視した場合のエンジン回転数の変化に対する目標レール圧の変化例を示す特性線図である。 図3(A)に示された特性例に基づいてレール圧制御を行った場合のレール圧の変動を示す特性線図、図3(B)に示された特性例に基づいてレール圧制御を行った場合のレール圧の変動を示す特性線図である。
以下、本発明の実施の形態について、図1及び図2を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、図1に示されたコモンレール式燃料噴射制御装置について説明する。
このコモンレール式燃料噴射制御装置は、高圧燃料の圧送を行う高圧ポンプ装置50と、この高圧ポンプ装置50により圧送された高圧燃料を蓄えるコモンレール1と、このコモンレール1から供給された高圧燃料をエンジン3の気筒へ噴射供給する複数の燃料噴射弁2−1〜2−nと、燃料噴射制御処理や後述するレール圧オフセット制御処理などを実行する電子制御ユニット(図1においては「ECU」と表記)4を主たる構成要素として構成されたものとなっている。
かかる構成自体は、従来から良く知られているこの種の燃料噴射制御装置の基本的な構成と同一のものである。
高圧ポンプ装置50は、供給ポンプ5と、調量弁6と、高圧ポンプ7とを主たる構成要素として構成されてなる公知・周知の構成を有してなるものである。
かかる構成において、燃料タンク9の燃料は、供給ポンプ5により汲み上げられ、調量弁6を介して高圧ポンプ7へ供給されるようになっている。調量弁6には、電磁式比例制御弁が用いられ、その通電量が電子制御ユニット4に制御されることで、高圧ポンプ7への供給燃料の流量、換言すれば、高圧ポンプ7の吐出量が調整されるものとなっている。
なお、供給ポンプ5の出力側と燃料タンク9との間には、戻し弁8が設けられており、供給ポンプ5の出力側の余剰燃料を燃料タンク9へ戻すことができるようになっている。
また、供給ポンプ5は、高圧ポンプ装置50の上流側に高圧ポンプ装置50と別体に設けるようにしても、また、燃料タンク9内に設けるようにしても良いものである。
燃料噴射弁2−1〜2−nは、エンジン3の気筒毎に設けられており、それぞれコモンレール1から高圧燃料の供給を受け、電子制御ユニット4による噴射制御によって燃料噴射を行うようになっている。
本発明のコモンレール1には、余剰高圧燃料をタンク9へ戻すリターン通路(図示せず)に、圧力制御弁(高圧制御電磁弁)12が設けられており、調量弁(低圧制御電磁弁)6と共にレール圧の制御に用いられるようになっている。
本発明の実施の形態においては、エンジン3の動作状態に応じて、調量弁6と圧力制御弁12のそれぞれの動作状態を変えることで、適切なレール圧制御の実現を図っている。かかる調量弁6と圧力制御弁12による本発明の実施の形態におけるレール圧制御について、概説すれば、まず、第1のレール圧制御の状態として、圧力制御弁12を全閉状態、すなわち、コモンレール1からリターン通路への流路を閉じた状態とする一方、調量弁6からの燃料吐出量を調整することで、所望のレール圧を得るレール圧制御状態がある。
次に、第2のレール圧制御状態として、調量弁6を全開状態とする一方、圧力制御弁12の弁開度を調整することで所望のレール圧を得るレール圧制御状態がある。
そして、第3のレール圧制御状態として、調量弁6、圧力制御弁12を、それぞれ所定の弁開度にして、所望のレール圧を得るレール圧制御状態がある。
これらは、エンジン3の動作状態に応じて、択一的に選択されて実行されるものとなっている。
電子制御ユニット4は、例えば、公知・周知の構成を有してなるマイクロコンピュータ(図示せず)を中心に、RAMやROM等の記憶素子(図示せず)を有すると共に、燃料噴射弁2−1〜2−nを駆動するための駆動回路(図示せず)や、調量弁6や圧力制御弁12への通電を行うための通電回路(図示せず)を主たる構成要素として構成されたものとなっている。
かかる電子制御ユニット4には、コモンレール1の圧力を検出する圧力センサ11の検出信号が入力される他、エンジン回転数やアクセル開度、また、燃料温度などの各種の検出信号が、エンジン3の動作制御や燃料噴射制御に供するために入力されるようになっている。
図2には、かかる電子制御ユニット4によって実行されるレール圧オフセット制御処理の手順を示すサブルーチンフローチャートが示されており、以下、同図を参照しつつ本発明の実施の形態におけるレール圧オフセット制御処理について説明する。
まず、前提として、本発明の実施の形態におけるコモンレール式燃料噴射制御装置において、レール圧制御は、従来同様、図3(B)に示されたような特性に沿って行われるようになっているものとする。
すなわち、アクセル全開の場合には、図3(B)において符号a2が付された上側の特性線に沿って、エンジン回転数Neの上昇に伴い、目標レール圧が比較的大きな変化率で変化せしめられて設定されるものとなっている。
一方、アクセルが全閉とされた場合には、図3(B)において符号b2が付された下側の特性線に沿って、エンジン回転数Neが中程度付近までは、エンジン回転数Neの増加に伴う目標レール圧の上昇率は、符号a2の特性線の場合に比して十分低く抑えられるが、エンジン回転数Neが中程以降においては、エンジン回転数Neの増加に伴う目標レール圧の上昇率は、それ以前よりも高く、しかも、符号a2の特性線の場合よりも低い値とされて目標レール圧が設定されるようになっている。
なお、アクセル全開とアクセル全閉との間においては、上述の符号a2が付された特性線と、符号b2が付された特性線で囲まれる領域において、エンジン回転数に対する目標レール圧が定められるものとなっている。
かかる前提の下、図2に示されたレール圧オフセット制御処理は、電子制御ユニット4において、上述のような通常状態におけるレール圧制御や他の種々の車両動作制御が実行される中で、サブルーチン処理の一つとして実行されるものとなっている。
しかして、電子制御ユニット4によるレール圧オフセット制御処理が開始されると、最初に、レール圧のオフセットが既に実行されているか否かを判定するための判定用フラグFが「0」であるか否か、すなわち、レール圧が未だオフセットされていない状態にあるか否かが判定される(図2のステップS102参照)。
ステップS102において、F=0であると判定された場合(YESの場合)には、レール圧は未だオフセットされていないとして、次述するステップS104の処理へ進む一方、F=0ではないと判定された場合(NOの場合)には、レール圧は既にオフセットされている状態にあるとして後述するステップS110の処理へ進むこととなる。
ステップS104においては、車両の動作状態が、後述のレール圧のオフセットを必要とする条件が成立した状態にあるか否かが判定される。
ここで、レール圧のオフセットの実行が必要とされる車両の動作条件としては、具体的には、アクセル開度が全閉状態で、かつ、燃料噴射が無噴射状態のいわゆるオーバーラン状態にあることである。これが条件とされるのは、このような車両の運転状態においては、レール圧制御は、先に説明した第3のレール圧制御状態、すなわち、調量弁6及び圧力制御弁12が、れぞれ所定の弁開度とされ、レール圧が制御される状態となることが多く、特に、かかる制御状態においては、圧力制御弁12の開弁によりコモンレール1から燃料がタンク9へ戻されるため、高圧ポンプ7の圧送量が増えることによる燃料温度の上昇を招くこととなるためである。
上述のレール圧のオフセットの実行が必要とされる車両の動作条件としては、上述の条件例に限定されるものではなく、上述の車両の動作状態と同様な状態を招く場合であれば、他の条件を用いても良い。例えば、所定の低噴射状態が所定時間以上続く状態を条件としても良く、さらには、オーバーラン状態が所定以上の頻度で生ずる場合を条件としても良く、いずれの条件とするかは、車両の具体的な諸条件や、車両が実際に使用される自然環境等を考慮して選択できるようにするのが好適である。なお、所定の低噴射量を判断する噴射量や継続時間の基準値、さらに、オーバーラン状態の頻度を判定する際の基準値などは、個々の車両の具体的な規模等を考慮し、試験やシミューレーション結果に基づいて設定されるべきものである。
そして、ステップS104において、レール圧のオフセットの実行が必要とされる車両の動作条件が成立していると判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS106の処理へ進む一方、レール圧のオフセットを実行するに適した車両の動作条件が成立していないと判定された場合(NOの場合)には、以後の一連の処理を実行するに適した状態ではないとして、一連の処理が終了され、一旦、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
ステップS106においては、燃料温度Tが制限温度tf1を超えたか否かが判定される。ここで、燃料温度は、通常、コモンレール式燃料噴射制御装置の入り口側、例えば、燃料タンク9における燃料温度を検出しているので、その場合には、制限温度tf1は、高圧ポンプ7へ至るまでの各種コンポーネントの温度制限値の最低値より若干低めの値とするのが安全性等の観点から好適である。
なお、燃料温度は、コモンレール式燃料噴射制御装置の入り口側以外の箇所に温度センサを設けて温度検出を行うようにしても良く、その場合には、制限温度tf1は、その燃料温度の検出箇所における温度制限値に基づいて定められるものとなる。
そして、ステップS106において、T>tf1であると判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS108の処理へ進む一方、T>tf1ではないと判定された場合(NOの場合)にはレール圧のオフセットを実行する必要はないとして一連の処理は終了され、一旦、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
ステップS108においては、燃料温度の上昇を抑圧するために、先に説明したメインルーチンで行われる通常のレール圧制御処理によって定められた目標レール圧が、所定圧だけ引き下げられ(目標レール圧オフセット)、そのオフセットされた目標レール圧となるようにレール圧制御がなされることとなる。
そして、この際、先に述べた判定用フラグFが「1」に設定され、一旦、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
なお、上述のオフセットの所定圧をどの程度とするかは、個々の車両の規模等によって適切な値が異なるものであるので、個々の車両毎に、試験やシミュレーション等の結果に基づいて設定するのが好適である。
一方、先のステップS102において、レール圧はオフセットされていない状態にあると判定された場合(NOの場合)、それは、先に説明したステップ108による目標レール圧のオフセットが、少なくとも直近の実行タイミングで既に実行され、その状態が継続されていることを意味するため、ステップS110においては、目標レール圧のオフセットの継続の適否を判定するため、先のステップS104同様、車両の動作状態がレール圧のオフセットを実行するに適した条件が成立した状態にあるか否かが判定される。なお、ステップS110で判定される車両動作の条件は、先のステップS104における条件と同一であるので、ここでの再度の詳細な説明は省略することとする。
そして、ステップS110において、車両の動作状態がレール圧のオフセットの実行が必要とされる条件が成立した状態にあると判定された場合(YESの場合)には、目標レール圧のオフセットが継続された状態で一連の処理が終了され、一旦、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。
一方、ステップS110において、車両の動作状態がレール圧のオフセットが必要とされる条件が成立した状態にはないと判定された場合(NOの場合)には、目標レール圧のオフセットは解除され、本来のレール圧制御に戻され、判定用フラグFが「0」にリセットされて一連の処理が終了され、一旦、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる(図2のステップS112参照)。
上述したように、目標レール圧を一時的に降圧方向へオフセットすることにより、従来と異なり、車両のある運転状況の下で燃料温度が不用意に上昇することが極力回避できるため、燃料温度の必要以上の上昇に対する対抗策として、例えば、エンジン出力を一時的に低減させるいわゆるトルクリミット機能を備えた車両においては、このようなトルクリミットが作動する機会を減少させ、従来に比してより快適な車両動作が確保されることとなる。
燃料温度の上昇に対する装置動作の信頼性、安定性等が望まれるコモンレール式燃料噴射制御装置に適する。
1…コモンレール
2−1〜2−n…燃料噴射弁
3…ディーゼルエンジン
4…電子制御ユニット
11…圧力センサ
12…圧力制御弁
50…高圧ポンプ装置

Claims (8)

  1. 燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介してエンジンへ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、前記高圧ポンプの上流側に低圧制御電磁弁が、前記高圧ポンプの下流側に高圧制御電磁弁が、それぞれ設けられ、前記低圧制御電磁弁と前記高圧制御電磁弁の駆動制御により、前記コモンレールのレール圧を制御可能とし、アクセル全閉の際に、エンジン回転数が予め定められた高い領域に至るまでは、目標レール圧の上昇率が、アクセル全開の際のエンジン回転数の増加に伴う目標レール圧の上昇率より低い所定値とされる一方、前記予め定められたエンジン回転数の高い領域において、目標レール圧の上昇率が、前記予め定められたエンジン回転数の高い領域に至るまでの前記所定値に比して高く設定されるよう構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置におけるレール圧オフセット制御方法であって、
    前記エンジンの動作状態が、燃料温度の上昇を招く所定の条件を満たし、かつ、燃料温度が所定の制限値を超えた場合に、前記目標レール圧を一時的に降圧し、前記燃料温度の上昇を招く所定の条件は、アクセル全閉状態で、かつ、無噴射状態であることを特徴とするレール圧オフセット制御方法。
  2. 燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介してエンジンへ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、前記高圧ポンプの上流側に低圧制御電磁弁が、前記高圧ポンプの下流側に高圧制御電磁弁が、それぞれ設けられ、前記低圧制御電磁弁と前記高圧制御電磁弁の駆動制御により、前記コモンレールのレール圧を制御可能とし、アクセル全閉の際に、エンジン回転数が予め定められた高い領域に至るまでは、目標レール圧の上昇率が、アクセル全開の際のエンジン回転数の増加に伴う目標レール圧の上昇率より低い所定値とされる一方、前記予め定められたエンジン回転数の高い領域において、目標レール圧の上昇率が、前記予め定められたエンジン回転数の高い領域に至るまでの前記所定値に比して高く設定されるよう構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置におけるレール圧オフセット制御方法であって、
    前記エンジンの動作状態が、燃料温度の上昇を招く所定の条件を満たし、かつ、燃料温度が所定の制限値を超えた場合に、前記目標レール圧を一時的に降圧し、前記燃料温度の上昇を招く所定の条件は、所定の低噴射状態が所定時間以上継続する場合であることを特徴とするレール圧オフセット制御方法。
  3. 燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介してエンジンへ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、前記高圧ポンプの上流側に低圧制御電磁弁が、前記高圧ポンプの下流側に高圧制御電磁弁が、それぞれ設けられ、前記低圧制御電磁弁と前記高圧制御電磁弁の駆動制御により、前記コモンレールのレール圧を制御可能とし、アクセル全閉の際に、エンジン回転数が予め定められた高い領域に至るまでは、目標レール圧の上昇率が、アクセル全開の際のエンジン回転数の増加に伴う目標レール圧の上昇率より低い所定値とされる一方、前記予め定められたエンジン回転数の高い領域において、目標レール圧の上昇率が、前記予め定められたエンジン回転数の高い領域に至るまでの前記所定値に比して高く設定されるよう構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置におけるレール圧オフセット制御方法であって、
    前記エンジンの動作状態が、燃料温度の上昇を招く所定の条件を満たし、かつ、燃料温度が所定の制限値を超えた場合に、前記目標レール圧を一時的に降圧し、前記燃料温度の上昇を招く所定の条件は、アクセル全閉状態で、かつ、無噴射状態が、所定以上の頻度で生ずることを特徴とするレール圧オフセット制御方法。
  4. 燃料温度の上昇を招く所定の条件が満たされなくなった場合に、目標レール圧の一時的な降圧を解除することを特徴とする請求項、請求項、又は、請求項いずれか記載のレール圧オフセット制御方法。
  5. 燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介してエンジンへ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、前記高圧ポンプの上流側に低圧制御電磁弁が、前記高圧ポンプの下流側に高圧制御電磁弁が、それぞれ設けられ、電子制御ユニットにより前記低圧制御電磁弁と前記高圧制御電磁弁が駆動制御されて前記コモンレールのレール圧を制御可能とし、前記電子制御ユニットによりアクセル全閉の際に、エンジン回転数が予め定められた高い領域に至るまでは、目標レール圧の上昇率が、アクセル全開の際のエンジン回転数の増加に伴う目標レール圧の上昇率より低い所定値とされる一方、前記予め定められたエンジン回転数の高い領域において、目標レール圧の上昇率が、前記予め定められたエンジン回転数の高い領域に至るまでの前記所定値に比して高く設定されるよう構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
    前記電子制御ユニットは、前記エンジンの動作状態が、燃料温度の上昇を招く所定の条件を満たし、かつ、燃料温度が所定の制限値を超えたと判定された場合に、前記目標レール圧を一時的に降圧するよう構成されてなり、前記燃料温度の上昇を招く所定の条件は、アクセル全閉状態で、かつ、無噴射状態であることを特徴とするコモンレール式燃料噴射制御装置。
  6. 燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介してエンジンへ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、前記高圧ポンプの上流側に低圧制御電磁弁が、前記高圧ポンプの下流側に高圧制御電磁弁が、それぞれ設けられ、電子制御ユニットにより前記低圧制御電磁弁と前記高圧制御電磁弁が駆動制御されて前記コモンレールのレール圧を制御可能とし、前記電子制御ユニットによりアクセル全閉の際に、エンジン回転数が予め定められた高い領域に至るまでは、目標レール圧の上昇率が、アクセル全開の際のエンジン回転数の増加に伴う目標レール圧の上昇率より低い所定値とされる一方、前記予め定められたエンジン回転数の高い領域において、目標レール圧の上昇率が、前記予め定められたエンジン回転数の高い領域に至るまでの前記所定値に比して高く設定されるよう構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
    前記電子制御ユニットは、前記エンジンの動作状態が、燃料温度の上昇を招く所定の条件を満たし、かつ、燃料温度が所定の制限値を超えたと判定された場合に、前記目標レール圧を一時的に降圧するよう構成されてなり、前記燃料温度の上昇を招く所定の条件は、所定の低噴射状態が所定時間以上継続する場合であることを特徴とするコモンレール式燃料噴射制御装置。
  7. 燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介してエンジンへ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、前記高圧ポンプの上流側に低圧制御電磁弁が、前記高圧ポンプの下流側に高圧制御電磁弁が、それぞれ設けられ、電子制御ユニットにより前記低圧制御電磁弁と前記高圧制御電磁弁が駆動制御されて前記コモンレールのレール圧を制御可能とし、前記電子制御ユニットによりアクセル全閉の際に、エンジン回転数が予め定められた高い領域に至るまでは、目標レール圧の上昇率が、アクセル全開の際のエンジン回転数の増加に伴う目標レール圧の上昇率より低い所定値とされる一方、前記予め定められたエンジン回転数の高い領域において、目標レール圧の上昇率が、前記予め定められたエンジン回転数の高い領域に至るまでの前記所定値に比して高く設定されるよう構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
    前記電子制御ユニットは、前記エンジンの動作状態が、燃料温度の上昇を招く所定の条件を満たし、かつ、燃料温度が所定の制限値を超えたと判定された場合に、前記目標レール圧を一時的に降圧するよう構成されてなり、前記燃料温度の上昇を招く所定の条件は、アクセル全閉状態で、かつ、無噴射状態が、所定以上の頻度で生ずることを特徴とするコモンレール式燃料噴射制御装置。
  8. 電子制御ユニットは、燃料温度の上昇を招く所定の条件が満たされなくなったと判定された場合に、目標レール圧の一時的な降圧を解除するよう構成されてなることを特徴とする請求項5、請求項6、又は、請求項7いずれか記載のコモンレール式燃料噴射制御装置。
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