JP6422106B2 - 釣竿及び当該釣竿を穂先竿として先端に使用した継竿 - Google Patents

釣竿及び当該釣竿を穂先竿として先端に使用した継竿 Download PDF

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Description

本発明は、中実状に構成されたいわゆるソリッドタイプの釣竿及び当該釣竿を穂先竿として先端に使用した継竿に関する。
一般的に、釣竿は、強化繊維を特定方向に引き揃え、これに合成樹脂を含浸したいわゆるプリプレグを巻回することで構成されている。このような釣竿は、軽量化を図るために管状体として構成されるが、穂先竿については、撓み易く、かつ、魚がかかったときに大きく撓んでも破損しないように、中実状に構成されたものが用いられることもある。
通常、中実状に構成される穂先竿は、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されているように、基端から先端までの長さを有する複数の強化繊維(カーボン繊維、ガラス繊維など)に合成樹脂を含浸した、いわゆる繊維強化樹脂材料で形成されており、これらは、主に引き抜き成型法によって製造されている。
特開昭54−80372号 特開平9−248103号
上記した公知の穂先竿は、基端から先端に至るまでの長さを有する複数の強化繊維を長手方向(穂先の軸方向)に配向した状態(連続繊維ソリッド体)となっているため、選択する強化繊維の物質によって伸度が決まってしまう。例えば、上記したようなカーボン繊維やガラス繊維では、その伸度は、全長に対して1.5〜2.7%程度であり、繊維自体としてはあまり伸びない。また曲げが作用した際の剛性は高くなるものの、柔らかさや剪断剛性、ねじれ方向の外力に対する強さという観点からすると限界がある。すなわち、穂先竿は、微妙な魚の当たりを検知・視認できるように、できるだけ柔らかく、更には、そのような柔らかさがありながら剪断剛性やねじれに対しても強いことが好ましい。この場合、連続繊維ソリッド体で柔らかく構成するのであれば、外径を細くすることが考えられるが、柔らかくするために細くし過ぎると、加工や組み立て作業などが困難になってしまい、更には、強度が十分でないことから剪断応力が作用した際に破損し易いという問題が生じる。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、柔らかく破損し難い釣竿、及び当該釣竿を穂先竿として先端に使用した継竿を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明1は、繊維強化樹脂製からなり、少なくとも先端側が中実構造の釣竿であって、前記釣竿は、マトリクス樹脂内に、平均径が3μm〜15μm、平均長さが0.5mm〜10mmの強化繊維を3〜50wt%分散して含有させ、前記強化繊維を分散含有する前記マトリクス樹脂材を所定の形状に成形し、成形後の強化繊維含有マトリクス樹脂を硬化して形成され、前記釣竿の前記中実構造部分は、前記強化繊維の方向特性がそれぞれ異なる外層、中間層、内層から構成されている、ことを特徴とする。
また本発明2は、繊維強化樹脂製からなり、少なくとも先端側が中実構造の釣竿であって、前記釣竿は、マトリクス樹脂内に、平均径が3μm〜15μm、平均長さが0.5mm〜10mmの強化繊維を3〜50wt%分散して含有させ、前記強化繊維を分散含有する前記マトリクス樹脂材を所定の形状に成形し、成形後の強化繊維含有マトリクス樹脂を硬化して形成され、前記釣竿の前記中実構造部分は、前記強化繊維の方向特性がそれぞれ異なる外層と内層から構成されている、ことを特徴とする。
本発明1、2に係る釣竿は、強化繊維(平均径が3μm〜15μm、平均長さが0.5mm〜10mmの繊維)をマトリクス樹脂材に分散した繊維強化樹脂材料で形成されているため、従来技術のように基端から先端に至るまでの長さを有する強化繊維を長手方向に配向した連続繊維ソリッド体と比較すると、柔らかく撓み易くなり、微妙な魚の当たりを検知し易くなるとともに視認し易くなる。この場合、マトリクス樹脂材には、繊維が分散した状態となっているため、破損(破断)するまでの変位量が大きくなり、外径をある程度太くしても、そのような作用効果が得られることから、加工がし易いと共に、完成した釣竿を、振出式或いは並継式等の継竿の先端に、穂先竿として採用する際の組立作業が容易に行えるようになる。
また、本発明1、2に係る釣竿は、その中実構造部分が外層、中間層、内層からなる3層、又は外層と内層の2層によって構成され、前記各層内に分散する前記強化繊維の方向特性がそれぞれ相違することにより、釣竿に作用する様々な方向からの応力に対し、各方向特性を有する強化繊維がそれぞれの役割を果たすことになり、特に従来技術で弱いとされた剪断剛性やねじれに対する強さを高めることが可能となる。また釣糸ガイドを装着すると、そのガイド脚部の端縁部分では大きな剪断力が作用するものの、上記構成により剪断剛性が高まるため破損し難くなる。
なお本発明で規定する「強化繊維の方向特性」とは、釣竿の長手方向(軸長方向)に対し、個々の強化繊維が指向する方向の特性であり、外層、中間層、内層の各層において、強化繊維が全体の傾向としてどの方向を向いているのかを示す特性を言う。
本発明によれば、従来の釣竿に比べて、柔らかく、かつ剪断剛性を高めて破損等し難い釣竿及び当該釣竿を穂先竿として採用した継竿を提供することができる。
本発明の釣竿を穂先竿として採用した継竿の全体図。 穂先竿の構成を示す側面図。 本発明の第一実施例に係る中実構造の穂先竿の任意の位置における軸長方向に沿った断面図。 本発明の第一実施例に係る中実構造の穂先竿の任意の位置における軸長方向に沿った断面を写した写真。 本発明の第二実施例に係る中実構造の穂先竿の任意の位置における軸長方向に沿った断面図。
以下、本発明に係る釣竿及び当該釣竿を穂先竿として先端に採用した釣竿の実施形態について添付図面を参照して具体的に説明する。
図1は本発明に係る釣竿を穂先竿に採用した継竿の一例を示した全体図である。本実施形態の釣竿1は、外ガイド付きの振出式釣竿であり、元竿10と、複数の中竿(2本の中竿)11a,11bと、穂先竿12とが振出式に継ぎ合わされた構成となっている。
前記元竿10、及び中竿11a,11bは、公知のように、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の合成樹脂を、炭素繊維等の強化繊維で強化した繊維強化樹脂製の管状体として構成されている。なお、図に示す釣竿1は、元竿10にリールシート50を設けるとともに、リールシート50に装着したリール51から放出される釣糸をガイドする外ガイド55、及びトップガイド56が所定間隔をおいて設けられている(ガイドの一部は遊動式であっても良い)が、釣竿はこのような外ガイドが配設されていない構成であっても良い。また、図では、振出式の釣竿を示しているが、並継式や逆並継式であっても良い。
図2は、図1に示す釣竿の内、穂先竿12を示している。
本実施形態の穂先竿12は、全体が断面円形の中実状に構成されて、中竿11aに嵌入される構成となっており、穂先竿12が穂先を構成している。この穂先竿12は、後述するように、マトリクス樹脂に強化繊維を分散させた複合材として構成されており、撓み性に優れるとともに、変位した際に折れ難い(破損し難い)性質を備えている。
図2に示す穂先竿12は、先端から基端に至る全長に亘って断面円形の中実構造となっているが、基端側を管状体とし、少なくとも先端部分側が中実状に構成されていれば良い。少なくとも先端側を中実構造とすることで、穂先竿の先端部分の短い領域を感度良くすることが可能となる。
本発明に係る穂先竿12の第一実施例について、以下、詳細に説明する。
第一実施例に係る穂先竿12は、図3に模式的に示すように、マトリクス樹脂20に強化繊維22を多数分散させた繊維強化樹脂製の中実体、所謂ソリッド体となっている。マトリクス樹脂20は、熱可塑性樹脂(例えば、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネートなど)や、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ、フェノールなど)で構成される。或いは、ポリアミド樹脂を主成分として、それ以外の熱可塑性樹脂(ポリエステル)を含有させたものであっても良い。この場合、繊維表面との濡れ性を考慮して樹脂を選択することにより、より高剛性のソリッドとなり、塑性変形もし難くすることができる。
また、マトリクス樹脂20には、それ以外の補材(強化材以外の材料)を含有させても良い。例えば、色を呈する顔料等の着色剤を混入することで、穂先竿に色彩を発現させたり、マトリクス樹脂を発泡させてマイクロバブルを混在させることで軽量化を図るようにしても良い。或いは、流動改質剤、帯電防止剤、離型剤、酸化防止剤などを加えることで、成形時の効率化を図ることも可能である。
前記マトリクス樹脂20に分散させる強化繊維(繊維22)は、例えばPAN系またはピッチ系の炭素繊維やガラス繊維等であり、当該繊維22は、平均径が3μm〜15μm、平均長さが0.5mm〜10mmである。
繊維22を上記の範囲に設定した理由は、繊維径が3μmより小さく、長さが0.5mmより短くなると、穂先竿としての所定の弾性(感度が良好な弾性)を得るために多量の繊維を必要とし、これにより成形時の流動性が悪くなって、穂先竿の長手方向(軸長方向)に、万遍なく繊維を分散できないからである。また逆に、繊維径が15μmより大きく、長さが10mmより長くなると、配合が難かしくなるとともに、たとえ所定の弾性が得られるような繊維比率としても、成形時の流動性が悪くなり、軸長方向に万遍なく繊維を分散できず、曲がり易く、極部的な撓みによって破壊し易くなるからである。
上記した大きさの繊維のマトリクス樹脂に対する含有量は、3〜50wt%に設定される。その理由は、上記形状の繊維含有量を3wt%未満にすると、十分な強度が得られないためであり、逆に50wt%より多く含有させると、成形時の流動性が悪くなり、軸長方向に万遍なく繊維を分散できず、曲がり易く、極部的な撓みによって破壊し易くなるからである。また、穂先竿として要求される性能(柔らかく撓み性が維持でき、かつ強度が維持される)を考慮しても、繊維の含有量が50wt%以下であれば、上記効果を十分に発揮することが可能である。
なお、マトリクス樹脂内に分散される繊維は、全ての繊維が上記した範囲内にある必要はなく、あくまで平均値であって、一部が上記範囲から外れるものであっても良い。すなわち、多数存在する繊維の平均値が上記した範囲内にあれば良い。
また、上記した繊維の含有量は、穂先竿の軸長方向に亘って均一にしなくても良い。例えば、軸長方向の基端側に移行するに従い、連続的或いは段階的に繊維の含有量が多くなるように構成すれば、先調子で先端側が撓み易い穂先竿とすることが可能となる。この場合、均一含有時と同じ剛性分布にするのであれば、先端側の比剛性が低いために、前端側の外径を大きくする必要がある。すなわち、先端側の外径を大きくすることで先端側を重みづけすることができ(重量分布の調整ができる)、これにより、魚信を伝える際の振動減衰時間が長くなり、魚の当たりを把握し易くすることができる。
或いは、穂先竿の軸長方向に亘って繊維の含有量を均一化し、かつ、軸長方向に亘って同一径にすると、撓みの屈曲特性は均一になるが、図2に示すように、先端側が細径化するように表面にテーパ12Aを形成することにより、先端側に移行するに従い撓み量が大きくなる構成にすることができる。さらに、先端側の繊維の含有量が少ない構造において、図2に示すように、表面にテーパ12Aを形成することで、より先端側を撓み易くしてセンシティブに構成することも可能である。この場合、軸長方向に沿って繊維の含有量を変える手法としては、例えば、二色成形機を使用して繊維含有量が異なる繊維強化樹脂材料を注入すれば良い。
前記テーパに関しては、図2に示すように、穂先竿全体にテーパが形成されていても良いし、穂先竿の先端側に、テーパ加工(多段テーパを含む)を施しておいても良い。すなわち、穂先竿そのものは、たとえば押出成型によって中実の円柱状に形成しておき、形成後、その先端側に、先端側に向けて次第に細径化するテーパ加工を施しておいても良い。このようにすることで、撓み性を向上させた上で更に先調子の穂先竿とすることが可能となる。なお、穂先竿として先調子にするためには、穂先竿の中間部分に、先端側を細径化するように段部を形成しておいても良く(段部は、軸長方向に2箇所以上形成しても良い)、これにより急激(非連続的)に剛性を変えることができ、スムーズに繋がる調子とは異なる操作性(竿の使用感)になる。この場合、段部の前後をストレート状にしても良いし、段部の前側をテーパ状にしても良く、このように表面を加工することで、基端側において、軸長方向に指向する繊維の割合を多くすることが可能となる。また、段部については、軸長方向に対して直交する垂直面で形成しても良いし、先端側に向けて縮径する傾斜面で形成しても良い(一部分での応力集中による折れを防止できる)。
上記したような複合材で構成される穂先竿12は、図3に示す軸長方向断面図から明らかなとおり、外層A、中間層B、内層Cの3層から構成され、それぞれ各層内に分散する繊維22の方向特性が異なっている。以下、各層ごとの繊維22の方向特性について説明する。なお図3は、各層内に分散している多数の繊維22の状態について、その特徴を理解しやすいように模式的に示したものである。
図3に示すとおり、外層A内に分散された繊維22の方向特性は、80%以上の繊維22が穂先竿12の軸長方向に沿うように指向している点で、中間層B、内層Cと大きく異なっている。外層A内に分散する繊維22のほとんどが軸長方向に指向しているため(繊維22b参照)、穂先竿12の曲げ剛性を向上させ、所定の弾性力で撓み易い構成にすることが可能となる。
次に中間層B内に分散する繊維22の方向特性について述べる。図3に示すとおり、中間層Bには、繊維22の方向特性が異なる層14と層15が、軸長方向に交互に並んだ状態となっている。層14内の繊維22は、その80%以上が、穂先竿12の中心軸Xに対して一定の角度(40〜60度程度、最適角度は45度)傾斜しており、層15内の繊維22は、その方向がランダムである。
上記した中間層Bに存在する層14は、穂先竿12の中心軸Xに対して一定角度を保持して傾斜しているため、穂先竿12に剪断応力が作用した際にこれを吸収して破損し難くなり、剪断剛性を高める役割を果たしている。特に、釣糸ガイドを装着した部分では、その脚部によって剪断応力が作用し易いが、層14の働きによって穂先竿12の破損を効果的に防止することができる。
また中間層Bに存在する層15は、分散した繊維22が一定の方向に指向しておらず、ランダムな方向に向いているため、あらゆる方向に指向した各繊維22の協同により、以下に説明する内層Cとともに、穂先竿12のねじり強度を向上させる役割を果たしている。
中間層Bは、その厚さ(径方向の肉厚)D1を厚くし過ぎると、穂先竿として強度及び撓みのバランスが悪くなり、逆に薄くし過ぎると、十分な剪断剛性が得られないことから、直径Dに対して20〜80%の範囲とすることが好ましい。なお、中間層Bは、層14だけで構成しても良い。
内層C内に分散している繊維22は、上記中間層Bの層15と同様に、分散した繊維22は一定の方向に指向せずランダムな状態となっている。内層Cは、穂先竿12の中心に位置するため、ねじり強度を向上させるための主たる役割を果たしている。
なお、図3に示す模式図では、外層A、中間層B(層14と層15を含む)、内層Cは、それぞれ境界線によって明確に区分けしているが、実際の成形品では、各層の境界部分が明確に区分けされているわけではない。図4は、実際の成形品の断面を撮影した写真であるが、各層における繊維22の方向特性が明暗となって、外観上、ちょうど魚の骨のような形状になって表れていることが理解できる。黒く暗い状態で示されている部分が、繊維22がランダムな状態にある内層Cと中間層B中の層15である。
上記した構成の穂先竿12によれば、従来技術のように、基端から先端に至るまでの長さを有する強化繊維を長手方向に配向した状態(連続繊維ソリッド体)と全く異なり、外層、中間層、内層の各層内に分散した繊維が、それぞれ特定の方向特性を有することにより、強化繊維の伸度による制約が解消され、従来よりも柔らかい(破損などすることなく大きく変位できる)穂先竿となる。そして、穂先竿12が柔らかくなることで、釣竿全体としての魚信感度が向上するとともに、目感度(穂先の微妙な変位)や食い込み性能(魚が針を離さない性能)を向上することが可能となる。さらには、同じ硬さ、強度で設計する場合、弾性率が低いために外径を太くすることが可能となり、組立の作業性の向上が図れるようになる。また、内層Cの繊維22の方向はランダムであるため、ねじれ変形に耐えることができ、大きく曲がった場合でも想定する硬さを維持できるようになる。なお、上記したような構造を有する穂先竿12は、図3に模式的に示した状態において、どちらが先端側になっていても良い。
次に、上記した穂先竿の製造方法について述べる。上記した本願発明の構造を有する穂先竿12は、例えば、押出成型によって容易に製造することができる。
穂先竿12を構成する元となる材料は、平均径が3μm〜15μm、平均長さが0.5mm〜10mmの強化繊維を多数含んだ熱可塑性樹脂によるペレットを押出しスクリューで搬送しながらヒータによって溶融し、所定の円形開口が形成された排出部から押し出すことで成型される。この場合、ペレットは、多数の強化繊維を合成樹脂内に分散して柱状に形成されたもの、或いは、多数の強化繊維を合成樹脂内に束ねて配設して柱状に形成された状態となっている。
押出成型機では、ホッパに投入されたペレットを、シリンダ内で回転するスクリューを介して搬送しつつシリンダを加熱するヒータによって搬送されるペレットを溶融し、最終的に排出部から所定の押出圧力で押出すことにより円柱状の穂先竿12が成型される。この場合、排出部で押出される円柱体は、その中心部分では最も抵抗がない状態で押し出され、径方向外方に移行するに従い、押出し時の抵抗は高くなる。すなわち、図3に示すように、排出部における押出時では、中心領域では開口縁からの抵抗が少ないことから、押出抵抗が最も少ない状態で押し出され(図において、V1,V2,V3は、径方向における押し出し易さを示す)、径方向外方に行くにしたがって、開口縁からの抵抗が次第に高くなり、それに伴って押出抵抗も次第に大きくなる(押し出し易さは、V1>V2>V3の関係となる)。また、排出部から押出された合成樹脂は、押し出された後、表面側から硬化して行く性質がある。
前記シリンダ内で加熱されながら搬送され、排出部から押出される前の合成樹脂は、強化繊維がランダムに分散された状態にある。このため、排出部から押し出された合成樹脂の中心領域では、上記したように、合成樹脂内に分散する繊維は抵抗が少ない状態(ランダムな状態のまま)で押し出されることから、図3で示したように、強化繊維はランダムに分散する傾向が高くなり、結果として内層Cが形成される。
一方、径方向の外側(外層側)では、押出時における抵抗が大きくなり、かつ、硬化時間も短いことから、移動方向(軸長方向)に沿うように繊維が指向され、そのまま固まり、結果として外層Aが形成される。
さらに、中間領域では、中心領域における分散とは異なり、ある程度、軸長方向に揃うように指向するようになり、硬化時間も多少長いことから、中心軸に対して傾斜する方向に指向する傾向が高くなり、結果として中間層Bが形成される。
なお中間層Bは、上記した方法において、押出速度の調整(間欠的な速度調整を含む)、押出圧の調整(強弱の調整)、樹脂を硬化させる温度の調整等を行なうことにより、特性の異なる層14と層15を穂先竿12の軸長方向に対し、交互に形成することが可能となる。すなわち、押出速度や樹脂を溶融させる温度、樹脂を硬化させる温度など、各諸条件を適正に設定することによって、内部に分散する繊維の向きについては適宜変形することが可能である。この場合、押出速度(ペレットの搬送速度)を遅くしすぎたり、溶融温度を高くしすぎると、押出される柱状体内の強化繊維が全体に亘って分散する傾向となり、所望の積層構造を得ることができなくなる。また、押出し速度が速すぎたり、溶融温度が低すぎると、全体に亘って強化繊維が軸長方向に指向する傾向が強くなり、上記と同様に、所望の構造を得ることができない。さらには、押出方向を横向きにする場合と下向きにする場合、排出部の形状(拡径しながら排出する構造、縮径しながら排出する)等によっても、内部に分散する強化繊維の配列状態を調整することが可能である。すなわち、使用するペレットの構成、押出成型機の動作環境に合わせて、押出速度(押出圧力)と加熱温度(ペレットの溶融状態)等の条件を適宜調整することにより、本願発明の構造を有する穂先竿12を得ることができる。
図5は、本発明に係る穂先竿12の第二実施例を示す断面図である。
第二実施例として示す穂先竿は、外層Aについては第一実施例と共通するが、第一実施例で存在する中間層Bと内層Cに代えて、別の構造の内層Cを有する点で相違する。
図5に示すとおり、第二実施例における内層C内に分散する繊維22は、外層Aに近い部分ではその多くが穂先竿12の軸長方向に対して一定の傾斜角を持って存在するが、中心部分に近づくにつれて徐々に傾斜角が大きくなる傾向で変化し、中心部分ではランダムな状態になっている。なお、図5も図3と同様に、各層内に分散している多数の繊維22の状態について、その特徴を理解しやすいように模式的に示したものであり、実際の繊維22の分散状態を示したものではない。
上記した第二実施例の構成によれば、外層と内層の各層内に分散する繊維が、それぞれ特定の方向特性を有することにより、第一実施例と同様に、強化繊維の伸度による制約が解消され、従来よりも柔らかい(破損などすることなく大きく変位できる)穂先竿とすることが可能となる。
本第二実施例に係る穂先竿12の製造方法は、第一実施例と同様に、押出成型機のホッパに投入されたペレットを、V方向に押し出すことで成形されるが、押出速度の調整、押出圧の調整、樹脂硬化温度の調整等を行なうことで、各層内に分散する繊維22の方向特性を実現させることができる。なお、第一実施例の穂先竿12の製造方法との大きな相違点は、押出速度である。第一実施例の穂先竿を製造する際の押出速度は、層14と層15を作り出すために一定時間置きに(間欠的に)速度を変化させるのに対し、第二実施例の穂先竿を製造する際の押出速度は、一定に維持される。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明に係る穂先竿の断面形状については、断面円形だけでなく、楕円状、多角形状、半円状など断面が非円形であっても良く、軸方向に空洞部を有する筒状に構成されていても良い。さらに、その製造方法については、押出成型に限定されるものではなく、射出成型機等によって製造することもできる。射出成型の場合、表面加工しなくてもテーパを形成することが可能となり、強化繊維が露出するようなことはなく表面を保護することができる。
1 釣竿
12 穂先竿
12A テーパ
20 マトリクス樹脂
22,22a,22b 強化繊維
A 外層
B 中間層
C 内層

Claims (8)

  1. 繊維強化樹脂製からなり、少なくとも先端側が中実構造の釣竿であって、
    前記釣竿は、マトリクス樹脂内に、平均径が3μm〜15μm、平均長さが0.5mm〜10mmの強化繊維を3〜50wt%分散して含有させ、前記強化繊維を分散含有する前記マトリクス樹脂材を所定の形状に成形し、成形後の強化繊維含有マトリクス樹脂を硬化して形成され、
    前記釣竿の前記中実構造部分は、前記強化繊維の方向特性がそれぞれ異なる外層、中間層、内層から構成されている、
    ことを特徴とする釣竿
  2. 前記内層内に分散する前記強化繊維は、その方向がランダムな状態である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の釣竿
  3. 請求項1又は2に記載の釣竿を、穂先竿として先端に使用した、
    ことを特徴とする継竿。
  4. 前記継竿は、振出式、又は並継式、又は逆並継式である、
    ことを特徴とする請求項3に記載の継竿。
  5. 繊維強化樹脂製からなり、少なくとも先端側が中実構造の釣竿であって、
    前記釣竿は、マトリクス樹脂内に、平均径が3μm〜15μm、平均長さが0.5mm〜10mmの強化繊維を3〜50wt%分散して含有させ、前記強化繊維を分散含有する前記マトリクス樹脂材を所定の形状に成形し、成形後の強化繊維含有マトリクス樹脂を硬化して形成され、
    前記釣竿の前記中実構造部分は、前記強化繊維の方向特性がそれぞれ異なる外層と内層から構成されている、
    ことを特徴とする釣竿
  6. 前記内層内に分散する前記強化繊維は、前記釣竿の中心部分に近づくにつれて徐々に傾斜角が大きくなる傾向で変化し、中心部分ではランダムな状態で存在する、
    ことを特徴とする請求項に記載の釣竿
  7. 請求項5又は6に記載の釣竿を、穂先竿として先端に使用した、
    ことを特徴とする継竿。
  8. 前記継竿は、振出式、又は並継式、又は逆並継式である、
    ことを特徴とする請求項7に記載の継竿。
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