JP6422070B2 - リチウム硫黄二次電池用正極の形成方法 - Google Patents

リチウム硫黄二次電池用正極の形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム硫黄二次電池用正極の形成方法に関する。
リチウム二次電池は高エネルギー密度を有することから、携帯電話やパーソナルコンピュータ等の携帯機器等だけでなく、ハイブリッド自動車、電気自動車、電力貯蔵蓄電システム等にも適用が拡がっている。このようなリチウム二次電池の1つとして、近年、リチウムと硫黄の反応により充放電するリチウム硫黄二次電池が注目されている。
リチウム硫黄二次電池は、硫黄を含む正極活物質を有する正極と、リチウムを含む負極活物質を有する負極と、正極と負極との間に配置されるセパレータとを備えるものが例えば特許文献1で知られている。
このようなリチウム硫黄二次電池の正極として、集電体と、集電体表面にこの集電体表面側を基端として集電体表面に直交する方向に配向するように成長される複数本のカーボンナノチューブと、各カーボンナノチューブの表面を夫々覆う硫黄とを備えるもの(一般に、カーボンナノチューブの単位体積当たりの密度が60mg/cmで、硫黄の重量は、カーボンナノチューブの重量の0.7〜3倍とされている)が上記特許文献1で知られている。この正極をリチウム硫黄二次電池に適用すると、正極の硫黄を塗布したものに比べて、電解液が広範囲で硫黄に接触して硫黄の利用効率が向上するため、充放電レート特性に優れたものとなる。
リチウム硫黄二次電池の正極では、硫黄とリチウムとが多段階で反応する途中でポリサルファイドが生成する。ポリサルファイド(特に、LiやLi)は電解液に溶出し易く、ポリサルファイドが負極に到達してリチウムと反応すると、負極表面に不活性なLiやLiSが析出したり、充電反応が促進されなかったり(レドックスシャトル現象)する問題がある。
そこで、電解液へのポリサルファイドの溶出を抑制するために、カーボンナノチューブの成長端側から基端に向けてプレスし、単位体積当たりのカーボンナノチューブの密度を上記従来例のものに比べて高くすることが考えられる。
ここで、カーボンナノチューブ表面を硫黄で覆う方法としては、カーボンナノチューブの成長端に粒状の硫黄を載置して溶融させ、溶融した硫黄をカーボンナノチューブ相互間の隙間を通って基端側に拡散させるものが一般に知られている。然し、上記の如くプレスしたカーボンナノチューブの相互の隙間は狭いため、カーボンナノチューブの基端周辺まで溶融した硫黄が拡散せず、カーボンナノチューブの成長端付近にのみ硫黄が偏在することが判明した。
そこで、本発明の発明者らは、鋭意研究を重ね、プレスしたカーボンナノチューブの相互の隙間が狭い場合でも、当該隙間に硫黄を含む電解液を供給すれば、カーボンナノチューブの基端周辺まで硫黄で覆うことができるとの知見を得た。
国際公開第2012/070184号明細書
本発明は、以上の点に鑑み、プレスしたカーボンナノチューブの相互の隙間が狭い場合でもカーボンナノチューブの集電体近傍の部分を確実に硫黄で覆うことができるリチウム硫黄二次電池用正極の形成方法を提供することをその課題とするものである。
上記課題を解決するために、本発明のリチウム硫黄二次電池用正極の作成方法は、集電体の表面にこの集電体表面側を基端として集電体表面に直交する方向に配向するように複数本のカーボンナノチューブを成長させる成長工程と、カーボンナノチューブの成長端側から基端に向けてプレスするプレス工程と、プレスされたカーボンナノチューブの相互間に硫黄を含む電解液を供給し、各カーボンナノチューブの表面を硫黄で覆う被覆工程とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、集電体表面に成長させたカーボンナノチューブをその成長端側から基端に向けてプレスすることで、カーボンナノチューブが圧縮されて高密度化する。このとき、プレス後のカーボンナノチューブの基端から成長端までの高さが、例えば、プレス前の1/10〜1/4の範囲になるようにプレス圧を設定することができる。高密度化したカーボンナノチューブの相互間の隙間は狭くなるが、被覆工程にて、例えば、硫黄を含む電解液にプレス後のカーボンナノチューブを浸漬させることにより、狭い隙間を通してカーボンナノチューブの基端周辺まで電解液を染み込ませることができ、カーボンナノチューブの基端周辺まで硫黄で覆うことができる。従って、本発明により形成した正極をリチウム硫黄二次電池に適用すると、硫黄の利用効率が一層高められ、硫黄への充分な電子供与ができることと相俟って、特に高いレート特性を得ることができ、比容量も一層向上させることができる。しかも、カーボンナノチューブをプレスして圧縮したため、カーボンナノチューブを覆う硫黄の移動が抑制され、ポリサルファイドの電解液への溶出を抑制することができる。これにより、レドックスシャトル現象を効果的に抑制でき、充放電効率のサイクル特性に優れたリチウム硫黄二次電池を得ることができる。
本発明において、LiPF、LiClO、LiB、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSl)、リチウムビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド(LiBETl)、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、LiTFSから選択することができ、前記電解液の溶媒は、ジメトキシエタン(DME)、ジエトキシエタン(DEE)、ジフェニルエーテル(DPE)、ジベンジルエーテル(DBE)、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、ジオキソラン(DOL)、ジオキサン(DIOX)、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)から少なくとも1種を選択することができる。この場合、前記電解質の濃度は0.25〜3mol/lの範囲であることが好ましい。0.25mol/lよりも低いと、カーボンナノチューブの基端近傍まで充分に硫黄を供給できないという問題があり、3mol/lよりも高いと、電解液の粘度が高くなり過ぎてカーボンナノチューブの基端近傍まで拡散し難くなるという問題がある。
本発明の実施形態のリチウム硫黄二次電池の構成を示す模式的断面図。 図1に示す正極を拡大して示す模式的断面図。 (a)〜(c)は、本発明の実施形態のリチウム硫黄二次電池用正極の形成手順を説明する図。 本発明の効果を確認するための実験で作製した三極セルを示す図。 本発明の効果を確認するための実験結果(充放電容量及び充放電効率)を示すグラフ。 (a)及び(b)は、本発明の効果を確認するための実験結果(三極セルの負極−参照極間の電圧)を示すグラフ。
図1において、BTはリチウム硫黄二次電池であり、リチウム硫黄二次電池BTは、硫黄を含む正極活物質を有する正極Pと、リチウムを含む負極活物質を有する負極Nと、これら正極Pと負極Nの間に配置されるセパレータSとを備える。
負極Nとしては、例えば、Li単体のほか、LiとAlもしくはInとの合金、または、リチウムイオンをドープしたSi、SiO、Sn、SnOもしくはハードカーボンを用いることができる。また、セパレータSは、ポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂製の多孔質膜や不織布で構成され、電解液Lを介して正極Pと負極Nとの間でリチウムイオン(Li)を伝導できるようになっている。電解液Lは、電解質と電解質を溶解する溶媒とを含み、電解質としては、公知のリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下「LiTFSI」という)、LiPF、LiBF等を用いることができる。また、溶媒としては、公知のものを用いることができ、例えば、テトラヒドロフラン、グライム、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、ジエトキシエタン(DEE)、ジメトキシエタン(DME)などのエーテル類、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネートなどのエステル類のうちから選択された少なくとも1種を用いることができる。また、放電カーブを安定させるために、この選択された少なくとも1種にジオキソラン(DOL)を混合することが好ましい。例えば、溶媒としてジエトキシエタンとジオキソランの混合液を用いる場合、ジエトキシエタンとジオキソランとの混合比を9:1に設定することができる。正極Pを除く他の構成要素は公知のものを利用できるため、ここでは、詳細な説明を省略する。
図2も参照して、正極Pは、正極集電体P1と、正極集電体P1の表面に形成された正極活物質層P2とを備える。正極集電体P1は、例えば、基体1と、基体1の表面に4〜100nmの膜厚で形成される下地膜(「バリア膜」ともいう)2と、下地膜2の表面に0.2〜5nmの膜厚で形成される触媒層3とを備える。基体1としては、例えば、Ni、CuまたはPtからなる金属箔や金属メッシュを用いることができる。下地膜2は、基体1と後述するカーボンナノチューブ4との密着性を向上させるためのものであり、例えば、Al、Ti、V、Ta、Mo及びWから選択される少なくとも1種の金属またはその金属の窒化物から構成される。触媒層3は、例えば、Ni、FeまたはCoから選択される少なくとも1種の金属から構成される。
正極活物質層P2は、正極集電体P1の表面に、当該表面に直交する方向に配向させて成長させた後にプレスされた複数本のカーボンナノチューブ4と、各カーボンナノチューブ4の表面を覆う硫黄5とから構成される。これら硫黄5で覆われたカーボンナノチューブ4相互間の間隙に電解液Lが供給されるようになっている。
ここで、電池特性を考慮して、カーボンナノチューブ4の各々は、例えば、長さが100〜1000μmの範囲内で、直径が5〜50nmの範囲内である高アスペクト比のものが有利であり、また、単位面積当たりの密度が、1×1010〜1×1012本/cmの範囲内となるように成長させることが好ましい。そして、各カーボンナノチューブ4表面を覆う硫黄5の厚さは、例えば、1〜3nmの範囲とすることが好ましい。
以下、図3も参照して、本実施形態のリチウム硫黄二次電池用正極Pの形成方法について説明する。基体1表面に、下地膜2と触媒層3を順次形成して正極集電体P1を作製する。下地膜2と触媒層3の形成方法としては、例えば、公知の電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、触媒金属を含む化合物の溶液を用いたディッピングを用いることができるため、ここでは詳細な説明を省略する。
次に、得られた正極集電体P1を公知のCVD装置の処理室内に設置し、処理室内に原料ガス及び希釈ガスを含む混合ガスを100Pa〜大気圧の作動圧力下で供給し、600〜800℃の温度に正極集電体P1を加熱することにより、集電体P1の表面に、当該表面に直交する配向させてカーボンナノチューブ4を成長させる(成長工程)。カーボンナノチューブ4を成長させるためのCVD法としては、熱CVD法、プラズマCVD法、ホットフィラメントCVD法を用いることができる。原料ガスとしては、例えば、メタン、エチレン、アセチレン等の炭化水素や、メタノール、エタノール等のアルコールを用いることができ、また、希釈ガスとしては、窒素、アルゴン又は水素を用いることができる。また、原料ガス及び希釈ガスの流量は、処理室の容積に応じて適宜設定でき、例えば、原料ガスの流量は10〜500sccmの範囲内で設定でき、希釈ガスの流量は100〜5000sccmの範囲内で設定できる。
次に、上記成長させたカーボンナノチューブ4の成長端側から基端に向けてプレスし、カーボンナノチューブ4を圧縮する(プレス工程)。プレス工程には、公知の機械式または液圧式のプレス装置を用いることができ、プレス後のカーボンナノチューブ4の成長端から基端までの高さh2が、プレス前の高さh1の1/10〜1/4の範囲となるようにプレス圧を設定することができる(例えば、40MPa)。h2/h1が1/4よりも大きいと、圧縮が不十分となり、電解液へのポリサルファイドの溶出を効果的に抑制できない一方で、1/10よりも小さいと、カーボンナノチューブ4相互間の隙間が狭くなり過ぎて、後述する硫黄を含む電解液が染み込み難くなる。
次に、プレスしたカーボンナノチューブ4を、槽T内に貯留された、硫黄を含有する電解液ESに浸漬させる(被覆工程)。これにより、カーボンナノチューブ4相互の狭い隙間を通してカーボンナノチューブ4の基端まで電解液ESを供給できる。その結果、図2に示す如くカーボンナノチューブ4の基端まで硫黄5で覆うことができる。電解液ESの電解質は、例えば、LiPF、LiClO、LiB、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSl)、リチウムビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド(LiBETl)、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、LiTFSから選択することができ、電解液ESの溶媒は、例えば、ジメトキシエタン(DME)、ジエトキシエタン(DEE)、ジフェニルエーテル(DPE)、ジベンジルエーテル(DBE)、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、ジオキソラン(DOL)、ジオキサン(DIOX)、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)から少なくとも1種を選択することができる。この場合、電解質の濃度は0.25〜3mol/lの範囲であることが好ましい。0.25mol/lよりも低いと、カーボンナノチューブ4の基端近傍まで充分に硫黄を供給できないという問題があり、3mol/lよりも高いと、電解液ESの粘度が高くなり過ぎてカーボンナノチューブの基端近傍まで拡散し難くなるという問題がある。さらに、電解液ESには、硫黄の濃度が100g/l〜200g/lとなるように、例えば、Liが溶解されている。硫黄の濃度が100g/lよりも低いと、カーボンナノチューブ4に充分に硫黄を供給できない場合があり、200g/lよりも高くするのは現実的ではない。
ここで、上記正極Pでは、硫黄とリチウムとが多段階で反応する途中でポリサルファイドが生成する。ポリサルファイド(特に、LiやLi)は電解液Lに溶出し易く、溶出したポリサルファイドは陰イオンとして拡散する。上記セパレータSはこのポリサルファイドの陰イオンの通過を許容するため、セパレータSを通過した陰イオンが負極に到達すると、レドックスシャトル現象が起こる。
本実施形態によれば、カーボンナノチューブ4の成長端側から基端に向けてプレスするプレス工程を行うため、カーボンナノチューブ4が高密度化されて硫黄5の移動が抑制され、その結果として、ポリサルファイドの電解液Lへの溶出を抑制することができる。これにより、充放電容量及び充放電効率のサイクル特性の低下を抑制することができる。
次に、本発明の効果を確認するために実験を行った。本実験では、先ず、以下のように正極Pを作成した。即ち、基体1を直径14mmφ、厚さ0.020mmのNiメッシュとし、Ni箔1上に下地膜2たるAl膜を30nmの膜厚で電子ビーム蒸着法により形成し、Al膜2の上に触媒層3たるFe膜を1nmの膜厚で電子ビーム蒸着法により形成して正極集電体P1を得た。得られた正極集電体P1を熱CVD装置の処理室内に載置し、処理室内にアセチレン15sccmと窒素750sccmを供給し、作動圧力:1気圧、温度:750℃、成長時間:10分の条件で、正極集電体P1表面に垂直配向させてカーボンナノチューブ4を800μmの高さh1で成長させた(成長工程)。このカーボンナノチューブ4をプレス装置にて40MPaの圧力でプレスした(プレス工程)。プレス後のカーボンナノチューブ4の高さh2は、100μmであった(h2/h1=1/8)。プレス後のカーボンナノチューブ4を硫黄を含む電解液ESに60秒浸漬させ(被覆工程)、カーボンナノチューブ4の表面を硫黄5で覆うことで正極Pを作製した。電解液ESは、電解質たるLiTFSIをジエトキシエタン(DEE)とジオキソラン(DOL)との混合液(混合比9:1)に溶解させて濃度を1mol/lに調整したものを用い、硫黄濃度が100g/lとなるようにLiを溶解させた。そして、負極Nを直径15mmφ、厚さ0.6mmの金属リチウムとし、図4に示すように、これら正極P及び負極Nにステンレス製の電極PE,NEを夫々接続した。これら正極P及び負極Nを対向させ、両極間に、ステンレス製の電極REに接続された金属リチウムからなるリング状の参照極Rと、この参照極Rを挟む2枚のセパレータSたるポリプロピレン製の多孔質膜とを介在させて組み付けることにより、リチウム硫黄二次電池の三極セルを作製した。図示しない電解液は、被覆工程で用いた電解液ESと同様、LiTFSIをジエトキシエタン(DEE)とジオキソラン(DOL)との混合液(混合比9:1)に溶解させて濃度を1mol/lに調整したものを用いた。また、電極REと電極NE,PEとの間には絶縁用のポリテトラフルオロエチレン製リングTRを夫々配置した。このように作製した三極セルを発明品とした。また、カーボンナノチューブを成長させた後にプレスすることなく従来例と同様に粒状の硫黄を溶融させることでカーボンナノチューブを硫黄で覆う点を除き、上記発明品と同様に作製した三極セルを比較品とした。
これら発明品及び比較品の夫々について充放電を18サイクル行い、そのときの充放電容量及び充放電効率を測定した結果を図5に示す。発明品では、18サイクル目でも1000mAh/g以上の高い充電容量及び900mAh/g以上の高い放電容量を実現でき、88%以上の高い充放電効率が得られることが確認された。一方、比較品では、充放電容量が著しく低下し、18サイクル目では600mAh/gを下回ることが確認された。
また、発明品及び比較品の夫々について充放電を繰り返し行い、そのときの正極−負極間の電圧と、負極−参照極間の電圧の変化を測定した結果を図6に示す。ここで、電解液中へポリサルファイドが溶出し電解液の抵抗が増大すると、負極−参照極間の電圧は大きく変化する。発明品では、図6(a)に示すように、正極−負極間の電圧変化(即ち、充放電の電圧変化)に関係なく、負極−参照極間の電圧変化は略一定であることが確認された。一方、比較品では、図6(b)に示すように、充放電の電圧変化に同期して、負極−参照極間の電圧も大きく変化することが確認された。
これらの実験により、発明品では、電解液へのポリサルファイドの溶出を抑制でき、その結果、負極へのポリサルファイドの到達(レドックスシャトル現象)を抑制できることが判った。これに対して、比較品では、電解液へ溶出したポリサルファイドが負極に到達し、レドックスシャトル現象が起こることが判った。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記のものに限定されない。リチウム硫黄二次電池の形状は特に限定されず、上記コインセル以外に、ボタン型、シート型、積層型、円筒型等であってもよい。また、上記実施形態では、カーボンナノチューブ4を硫黄5で覆うために用いられる電解液ESは、リチウムイオンを伝導させるための電解液Lに硫黄濃度を高めるためにLiを溶解させたものとしたが、電解液Lと異なる電解液にLiを溶解させてもよい。
B…リチウム硫黄二次電池、P…正極、N…負極、ES…カーボンナノチューブを硫黄で覆うための電解液、L…リチウムイオンを伝導させるための電解液、P1…集電体、1…基体、4…カーボンナノチューブ、5…硫黄。

Claims (2)

  1. 集電体の表面にこの集電体表面側を基端として集電体表面に直交する方向に配向するように複数本のカーボンナノチューブを成長させる成長工程と、
    カーボンナノチューブの成長端側から基端に向けてプレスするプレス工程と、
    プレスしたカーボンナノチューブの相互間に硫黄が溶解している電解液を供給し、各カーボンナノチューブの表面を硫黄で覆う被覆工程とを含み、
    前記電解液の電解質は、LiPF、LiClO、LiB 、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSl)、リチウムビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド(LiBETl)、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、LiTFSから選択され、前記電解液の溶媒は、ジメトキシエタン(DME)、ジエトキシエタン(DEE)、ジフェニルエーテル(DPE)、ジベンジルエーテル(DBE)、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、ジオキソラン(DOL)、ジオキサン(DIOX)、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)から選択された少なくとも1種であり、
    プレス後のカーボンナノチューブの成長端から基端までの高さが、プレス前の高さの1/10〜1/4の範囲であることを特徴とするリチウム硫黄二次電池用正極の形成方法。
  2. 前記電解質の濃度は0.25〜3mol/lの範囲であることを特徴とする請求項1記載のリチウム硫黄二次電池用正極の形成方法。
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