JP6421480B2 - プラズマエッチング方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、このような加工においては、加工場所(SOIウェハの中央部や端部)の違いや、ホールの大きさの違いにより、各ホールのエッチングレートに差が生じることがあった。このため、一部のホールが酸化膜層まで達した後においても、他の全てのホールが酸化膜層まで達するまでエッチングを続ける、いわゆるオーバーエッチングを行うことが必要になる。
しかしながら、オーバーエッチングを長時間行うと、ホール底部に露出した酸化膜が徐々に帯電するため、ホール内に入射したイオンが曲げられ、横方向にエッチングが進行する現象(いわゆるノッチング)が起こり、目的の形状のホールを形成することができないという問題が生じることがあった。
しかしながら、これらの方法を採用すると、エッチングレートが低下する傾向があるため、生産性が低下するという問題が生じていた。
したがって、高いエッチングレートでシリコンをプラズマエッチングすることができる方法が要望されていた。
〔1〕六フッ化硫黄とフッ化カルボニルとを、重量比(六フッ化硫黄:フッ化カルボニル)で、75:25〜97:3の範囲で含有する混合ガスを用いて、シリコンをプラズマエッチングすることを特徴とするプラズマエッチング方法。
〔2〕前記シリコンが、純度11N以上の結晶ケイ素である、〔1〕に記載のプラズマエッチング方法。
本発明において、六フッ化硫黄はエッチングガスとして機能する。一方、フッ化カルボニルは、補助ガスとして機能する。
混合ガス中の六フッ化硫黄とフッ化カルボニルの含有量は、重量比(六フッ化硫黄:フッ化カルボニル)で、75:25〜97:3、好ましくは82:18〜97:3、より好ましくは87:13〜96:4である。
六フッ化硫黄とフッ化カルボニルの重量比が上記範囲内の混合ガスを用いることで、いずれかのガスを単独で用いる場合に比べて、非常に高いエッチングレートでシリコンをプラズマエッチングすることができる。
その他のガスとしては、アルゴン、ヘリウム等の希ガス;窒素ガス;酸素ガス、一酸化炭素等の酸素原子含有ガス;オクタフルオロシクロプロパン(C4F8)等の保護膜形成用ガス;等が挙げられる。混合ガス中の、その他のガスの含有量は特に限定されず、目的に合わせて適宜決定することができる。
また、混合用装置に各ガスを導入して混合ガスを得た後、得られた混合ガスをエッチングチャンバー内に導入してもよい。
結晶ケイ素の純度が11N以上であることで、より高性能のMEMS等を製造することができる
本発明に用いるシリコンの形態としては特に限定されない。例えば、シリコン基板や、ガラス基板上に形成されたポリシリコン膜等が挙げられる。なかでも、MEMS等の微小構造体の製造に適することから、シリコン基板が好ましく、SOI基板がより好ましい。
シリコン基板の製造方法や、ポリシリコン膜の形成方法は特に限定されず、公知の方法を利用することができる。
マスク層の種類は特に限定されない。例えば、酸化ケイ素膜(SiO2)、窒化ケイ素膜(Si3N4)等からなるハードマスク;感光性樹脂を用いたレジスト膜;等が挙げられる。
これらのマスク層の形成方法は特に限定されず、公知の方法を利用することができる。
ガスが導入されたエッチングチャンバー内の圧力は、通常、0.0013〜1300Pa、好ましくは0.13〜5Paである。
エッチング時における被処理基板(シリコン)の温度は、好ましくは−50〜300℃、より好ましくは−20〜200℃、さらに好ましくは−10〜100℃の範囲である。
本発明のプラズマエッチング方法をボッシュプロセスや非ボッシュプロセスにおいて利用する場合、エッチングチャンバーに導入するガスとして前記混合ガスを用いる点を除き、従来公知のエッチング条件を採用することができる。
例えば、13.56MHzの高周波を印加するICP型エッチング装置を用いる場合、上部電極への供給電力は、通常、400〜2000W、下部電極への供給電力は、通常、0〜130Wの範囲で行うことができる。また、基板温度は、通常、−20〜40℃であり、エッチングチャンバー内の圧力は、通常、1〜10Paである。
また、ボッシュプロセスにおいては、エッチング工程と保護膜形成工程の時間は、各々1〜60秒の範囲で自由に組み合わせることができる。
本発明の方法におけるエッチングレートは、好ましくは1,000nm/分以上、より好ましくは1,000〜3,000nm/分である。
本発明の方法は、MEMS等の微小構造体を製造する際や、シリコン基板にTSVを作成する際に好適に用いられる。
8インチシリコン基板(シリコンの純度=11N)上にシリコン酸化膜を形成した後、このシリコン酸化膜に3mm幅の開きパターンを設けた。このシリコン酸化膜を有するシリコン基板を、2cm×2cmに切り出したものを用いて、以下の条件でプラズマエッチングを行った。
その結果、エッチング深さは3150nmであった。
フッ化カルボニル流量:5sccm
エッチング処理時間:2分間
チャンバー内圧力:6Pa
シリコン基板温度:20℃
上部電極への供給電力:1900W(周波数:60MHz)
下部電極への供給電力:0W(高周波を印加しない)
実施例1において、フッ化カルボニルの流量を15sccmに変更したこと以外は、実施例1と同様の条件でエッチングを行った。
その結果、エッチング深さは3141nmであった。
実施例1において、六フッ化硫黄の流量を40sccm、フッ化カルボニルの流量を20sccmに変更したこと以外は、実施例1と同様の条件でエッチングを行った。
その結果、エッチング深さは2400nmであった。
実施例1において、フッ化カルボニルを添加しないこと以外は、実施例1と同様の条件でエッチングを行った。
その結果、エッチング深さは1703nmであった。
実施例1において、六フッ化硫黄の流量を60sccm、フッ化カルボニルの流量を3sccmに変更したこと以外は、実施例1と同様の条件でエッチングを行った。
その結果、エッチング深さは619nmであった。
実施例1において、六フッ化硫黄の流量を20sccm、フッ化カルボニルの流量を40sccmに変更したこと以外は、実施例1と同様の条件でエッチングを行った。
その結果、エッチング深さは237nmであった。またシリコン酸化膜上に厚さ90nmの膜が堆積していた。
実施例1において、六フッ化硫黄の流量を10sccm、フッ化カルボニルの流量を45sccmに変更したこと以外は、実施例1と同様の条件でエッチングを行った。
その結果、エッチング深さは375nmであった。またシリコン酸化膜上に厚さ190nmの膜が堆積していた。
実施例1において、六フッ化硫黄の流量を5sccm、フッ化カルボニルの流量を45sccmに変更したこと以外は、実施例1と同様の条件でエッチングを行った。
その結果、エッチング深さは438nmであった。またシリコン酸化膜上に厚さ150nmの膜が堆積していた。
実施例1において、六フッ化硫黄を添加せず、かつ、フッ化カルボニルの流量を50sccmに変更したこと以外は、実施例1と同様の条件でエッチングを行った。
その結果、エッチング深さは280nmであった。またシリコン酸化膜及びエッチングされたシリコン表面に厚さ160nmの膜が堆積していた。
本願実施例1〜3では、エッチングレートが非常に高く、SF6を単独で用いた比較例1よりも少なくとも1.4倍高い値になっている。
そして、併用するCOF2の量が多過ぎる場合(比較例3〜5)、及び、少な過ぎる場合(比較例2)のいずれも、本願発明の効果は得られず、併用するCOF2の量が本願発明に規定する特定の範囲内にある場合に、著しく高いエッチングレートとなっている。
Claims (2)
- 六フッ化硫黄とフッ化カルボニルとを、重量比(六フッ化硫黄:フッ化カルボニル)で、75:25〜97:3の範囲で含有する混合ガスを用いて、シリコンを深掘りエッチングすることを特徴とするプラズマエッチング方法。
- 前記シリコンが、純度が11N以上の結晶ケイ素である、請求項1に記載のプラズマエッチング方法。
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