JP6420946B2 - ティルティングパッド軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、蒸気タービンの滑り軸受のように、大型回転機械の回転軸を揺動可能な複数の軸受パッドで支承するティルティングパッド軸受装置に関する。
タービンや発電機等の大型回転機械においては、回転軸を安定に支承するため、ティルティングパッド軸受装置が用いられている。ティルティングパッド軸受装置は、滑り軸受の一種であり、軸受ハウジング内で回転軸の周囲に揺動可能な複数の軸受パッド(ティルティングパッド)を配置した構成を有する。軸受パッドは、軸受ハウジングの内側に設けられたピボットによって揺動可能に支持されている。そして、回転軸の回転によって、潤滑油を回転軸の外周面と軸受パッドの軸受面との間に導き、これらの間にくさび状油膜を形成して回転軸を支承するようになっている。例えば特許文献1には、かかるティルティングパッド軸受装置が開示されている。
このようなティルティングパッド軸受装置においては、油膜のくさび効果による十分な負荷能力が得られない回転開始時や低速回転時に、回転軸の外周面とティルティングパッドの軸受面との接触をなくし、軸受面の焼付きを防ぐ必要がある。そのため、ジャッキング・オイル・ポンプと呼ばれる機構(JOP機構)が採用されることがある。例えば特許文献2に記載されるJOP機構は、ティルティングパッドの軸受面に給油口を開口させ、この給油口に給油通路を介してポンプから高圧の潤滑油を供給し、軸受面に油膜を形成して回転軸を油膜で浮上させるものである。通常、軸受面には、広い範囲に潤滑油を行き渡らせるために油溝が形成される。
特開昭59−212520号公報 実開平2−146961号公報
ところで、ティルティングパッド軸受装置は、軸受パッドが揺動可能なように、軸受パッドの外周面に当接するピボットにより軸受パッドが支持される構成となっているため、軸受パッドの自重あるいは回転軸を介して軸受パッドに与えられる荷重等により軸受パッドはわずかに変形する。そのため、回転軸の停止時、この軸受パッドの変形に依存した形状の接触エリアにて、軸受パッドと回転軸とが接触することになる。例えば軸受パッドがピボットで点支持される場合、軸受パッドと回転軸との接触エリアは略楕円形状となる。
ここで、本発明者による鋭意検討の結果、JOP機構による回転軸の浮上特性は、回転軸の停止時における軸受パッドと回転軸との接触エリアと、軸受パッドの軸受面に設けられた潤滑油導入用の油溝との相対的な配置関係の影響を受けることが分かっている。換言すれば、接触エリアと油溝との相対的な配置関係によっては、回転軸の浮上させるために必要なJOP機構への供給油圧の大きさが異なる。
しかしながら、特許文献1及び2には、JOP機構への供給油の圧力が小さくても、JOP機構による回転軸を浮上させることができる接触エリアと油溝との相対的な配置関係については何ら開示されていない。
本発明の少なくとも一実施形態の目的は、小さな供給油圧力で回転軸を浮上させることができるティルティングパッド軸受装置を提供することである。
本発明の少なくとも一実施形態に係るティルティングパッド軸受装置は、
回転軸の周囲に配置され、前記回転軸を回転自在に支持する複数の軸受パッドと、
前記複数の軸受パッドとこれら軸受パッドを支持する軸受ハウジングとの間に介在され、各軸受パッドを揺動可能に支持する支持部材と、
前記複数の軸受パッドのうちの1個以上の軸受パッドの軸受面に形成された少なくとも1個の油溝に潤滑油を供給するように構成された給油機構とを備えたティルティングパッド軸受装置であって、
前記少なくとも1個の油溝は、前記回転軸の停止時において前記軸受面のうち前記回転軸の外周面と接触する接触エリアの内側及び外側に設けられていることを特徴とする。
上記ティルティングパッド軸受装置によれば、給油機構から潤滑油が供給される油溝を、軸受面のうち回転軸の外周面と接触する接触エリアの内側及び外側に設ける構成としている。そのため、回転軸の回転開始時又は低速回転時において給油機構から油溝を介して潤滑油を供給した時に、接触エリアの内側及び外側の両方に潤滑油を行き渡らせることができる。よって、給油機構への供給油圧が比較的小さい場合であっても、回転軸を効果的に浮上させることができる。
なお、接触エリアは、回転軸の直径(回転軸の外周面の曲率半径)、軸受パッドの軸受面の曲率半径、軸受パッドの材質、及び、回転軸を介してティルティングパッド軸受装置に与えられる荷重等によって決定される。接触エリアの形状、位置は、実験的に求めてもよいし、シミュレーションによって推定してもよい。例えば、回転軸と軸上パッドの間に感圧紙を挟み込み、軸受パッドの着色した部位を接触エリアと判定してもよい。あるいは、ヘルツ理論を用いて算出される接触応力から接触エリアを推定してもよいし、FEM解析を用いて接触エリアを推定してもよい。
一実施形態において、前記少なくとも1個の油溝は、前記接触エリアの内側から外側まで連続的に延在している。
このように、接触エリアの内側から外側まで連続的に延在する少なくとも1個の油溝を設けることによって、油溝による回転軸の浮上特性を維持しながら油溝の設置数を削減することもできる。
他の実施形態において、前記少なくとも1個の油溝は、前記接触エリアの内側に設けられた内側油溝と、前記内側油溝とは別に前記接触エリアの外側に設けられた外側油溝とを含む。
このように、接触エリアの内側に設けられた内側油溝と、接触エリアの外側に設けられた外側油溝とを設けることにより、油溝による回転軸の浮上特性を維持しながら各油溝の設置位置や形状の自由度を向上させることができる。
幾つかの実施形態では、前記少なくとも1個の油溝の各々が、前記回転軸の回転時に前記軸受面と前記回転軸の外周面との間に形成される油膜の圧力が同一である位置を通る等圧線に沿って設けられた構成とする。
各油溝は、それぞれ、連通した1つの空間によって形成されるので、油溝内はいずれの位置も同一の圧力となる。したがって、異なる等圧線にまたがるように油溝を形成した場合、回転軸の回転時に油溝内の圧力が均一化して動圧軸受としての機能が損なわれる可能性がある。そこで、上記実施形態のように、各油溝をそれぞれ等圧線に沿って設けることによって、各等圧線位置における油溝内の圧力を維持し、動圧軸受としての機能を良好に保てる。
一実施形態において、前記少なくとも1個の油溝は、前記油膜の前記圧力が第1圧力である位置を通る第1等圧線に沿って設けられる第1油溝と、前記油膜の前記圧力が前記第1圧力とは異なる第2圧力である位置を通る第2等圧線に沿って設けられる第2油溝とを含み、前記給油機構は、前記第1油溝に連通する第1給油路と、前記第2油溝に連通する第2給油路とを含み、前記第1給油路と前記第2給油路とは、少なくとも前記回転軸の回転時に互いに異なる圧力に維持可能に別系統として設けられた構成とする。
上記実施形態によれば、第1油溝に連通する第1給油路と、第2油溝に連通する第2給油路とが、少なくとも回転軸の回転時に互いに異なる圧力に維持可能に別系統として設けられている。これにより、異なる等圧線(第1等圧線と第2等圧線)に沿って設けられる第1油溝および第2油溝の圧力が、回転軸の定格回転時において均一化されることを回避でき、動圧軸受としての機能を良好に保持できる。
一実施形態において、前記第1等圧線に沿って設けられる複数個の前記第1油溝は、前記第1給油路を介して互いに連通するように構成されている。
このように、同一の等圧線に沿って設けられる複数個の油溝については給油路が互いに連通する構成を採用すれば、給油路やバルブ等の給油機構の構成を簡素化することもできる。
幾つかの実施形態では、前記回転軸の周方向における各々の前記油溝の中心位置を該油溝の開口面積で重み付けした前記少なくとも1個の油溝の加重平均位置が、前記支持部材の配置位置より前記回転軸の回転方向下流側にずれている。
ティルティングパッド軸受装置の軸受パッドには、回転軸の回転開始時又は低速回転時におけるJOP機構の作動中(すなわち潤滑油の供給中)、回転軸と軸受パッドとの間に形成される油膜圧の分布に応じて、支持部材による軸受パッドの支持点まわりのモーメントが加わる。このモーメントは、軸受面上の任意の位置における油膜圧と、該位置の支持点からの距離との積である局所的なモーメントを軸受面上の全ての位置について積算したものである。この局所的なモーメントの符号は、支持部材による軸受パッドの支持点の両側において逆転する。したがって、支持部材による軸受パッドの支持点の両側におけるモーメントの絶対値の大小関係により、回転軸と軸受パッドとの間に形成される油膜圧の分布に応じた正味のモーメントの方向が決まる。ここで、各油溝の局所的なモーメントへの寄与は、各油溝の中心位置xと、当該油溝が作る油膜圧の大きさに影響する当該油溝の開口面積Sとの積xによって表わされる。よって、油膜圧の分布に応じた正味のモーメントの方向は、基本的には、全油溝についての局所的モーメントへの寄与の総和Σxによって決まる。換言すれば、総和Σxを全油溝の開口面積の総和ΣSで除して得られる値(各々の油溝の中心位置xを油溝の開口面積Sで重み付けした油溝の加重平均位置x)と支持部材の位置との配置関係に応じて、油膜圧の分布に応じた正味のモーメントの方向が定まる。
上記ティルティングパッド軸受装置では、各々の油溝の中心位置xを油溝の開口面積Sで重み付けした油溝の加重平均位置が支持部材の配置位置に対して支持部材のオフセット方向にずれるようにしたので、支持部材がオフセットされていても、支持部材を基準として回転軸の回転方向上流側と下流側に作用するモーメントをバランスさせることができる。よって、回転軸の回転開始時又は低速回転時に、回転軸が傾くことを抑制し、回転軸と軸受パッドが接触することを防止できる。
本発明によれば、給油機構から潤滑油が供給される油溝を、軸受面のうち回転軸の外周面と接触する接触エリアの内側及び外側に設ける構成としたので、回転軸の回転開始時又は低速回転時において給油機構から油溝を介して潤滑油を供給した時に、接触エリアの内側及び外側の両方に潤滑油を行き渡らせることができる。よって、給油機構への供給油圧が比較的小さい場合であっても、回転軸を効果的に浮上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る軸受装置の全体構成図である。 第1実施形態に係る軸受パッドの断面図である。 第1実施形態における軸受パッドの軸受面の展開図である。 比較例における軸受パッド(接触エリアの内側のみ油溝)の軸受面の展開図である。 他の比較例における軸受パッド(接触エリアの外側のみ油溝)の軸受面の展開図である。 接触エリアと油膜圧との関係を示すグラフである。 第1実施形態に係る軸受装置の給油機構の一例を示す構成図である。 本発明の第2実施形態における軸受パッドの軸受面の展開図である。 本発明の第2実施形態に係る軸受装置の給油機構の一例を示す構成図である。 本発明の第3実施形態における軸受パッドの軸受面の展開図である。 本発明の第4実施形態に係る軸受装置の断面図である。 本発明の第4実施形態における軸受パッドの軸受面の展開図である。 油溝の加重平均位置を説明するための図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
(第1実施形態)
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るティルティングパッド軸受装置10の全体的な概略構成について説明する。なお、図1は本発明の第1実施形態に係るティルティングパッド軸受装置の全体構成図である。
幾つかの実施形態において、図1に示す軸受ハウジング12は2つ割り型の軸受ハウジングであり、半円形のハウジング片12a及び12bで構成されている。ハウジング片12a及び12bは、互いの合わせ面が当接された状態でボルト等の結合具で結合される。軸受ハウジング12の内周面に沿って複数(図1では4個)の軸受パッド14が設けられ、軸受パッド14の内周面が軸受面14aを形成している。軸受面14aの内側に、タービンや発電機等、大型回転機械の回転軸15(図2参照)が配置される。複数の軸受パッド14,14,…のうちの1個以上の軸受パッド14の軸受面14aには、給油口34が開口し、かつ給油口34に連通した油溝36が刻設されている。給油口34及び油溝36が設けられる軸受パッド14は、回転軸15の周囲に配置される複数の軸受パッド14,14,…のうち、少なくとも回転軸15の周方向下方に位置する軸受パッド14である。すなわち、回転軸15の停止時に、回転軸15の自重を支持する位置に配置される軸受パッド14に、給油口34及び油溝36が形成される。勿論、回転軸15の周方向上方に位置する軸受パッド14にも給油口34及び油溝36が形成されていてもよい。
以下、給油口34に潤滑油を供給する給油機構16の構成を説明する。ポンプ18はモータ20によって駆動され、図示しない油タンクから高圧の潤滑油oを給油路22に吐出する。油路22にはリリーフ弁24が設けられ、給油路22を流れる潤滑油oの圧力が許容値を超えたとき、潤滑油の一部をタンク26に放出して潤滑油oの圧力を許容値以下に低減する。給油路22は下流側で分岐路28a及び28bに分岐する。分岐路28a及び28bには、夫々バルブ(流量調整弁)30a及び30bが設けられている。分岐路28a及び28bは、夫々ハウジング片12b及び軸受パッド14に形成された給油孔32a及び32bを経て、夫々の軸受パッド14に形成された給油口34に連通している。
次に、図2及び図3を参照して、ティルティングパッド軸受装置10の各部位の具体的な構成について説明する。図2は本発明の第1実施形態における軸受パッドの断面図である。図3は本発明の第1実施形態における軸受パッドの軸受面の展開図である。なお、図3は、曲率を有する軸受パッド14を平面上に展開した図である。
以下の実施形態では、軸受パッド14がピボット38により点支持される構成を有するティルティングパッド軸受装置10について例示している。
図2において、Gは、回転軸15の中心とピボット38の支持点を通る直線である。図2に示す矢印rは回転軸15の回転方向である。図3において、Gは、ピボット38による軸受パッド14の支持点を通り、回転軸15の軸線と平行な直線である。矢印aは回転軸15の軸方向を示す。
幾つかの実施形態において、図2及び図3に示す軸受パッド14は、ハウジング片12bの内周面に設けられたピボット38によって揺動可能に点支持されている。ピボット38は、通常、軸受パッド14の中央付近に設けられるが、回転軸15の回転方向における軸受パッド14の中央位置よりも回転方向上流側又は下流側にオフセットして配置されてもよい。図2において、回転軸15の回転方向に対して上流側には軸受パッド14の回転方向前端14bが位置し、下流側には軸受パッド14の回転方向後端14cが位置する。
一実施形態において、図2及び図3では、ピボット38を通る直線Gが、回転軸15の回転方向における軸受パッド14の中央位置C(図13参照)に対し、回転軸15の回転方向下流側にオフセットして配置された場合を示している。このように、回転軸15の定格回転時のようにティルティングパッド軸受装置10が動圧軸受として機能する場合に、ピボット38が回転軸15の周方向における軸受パッド14の中心位置よりも回転軸15の回転方向下流側に配置されていることにより、軸受パッド14の前端14bの軸受面14aと回転軸15の外周面との隙間が大きくなる。そのため、潤滑油の軸受面14aへの引き込み量が増加し、軸受パッド14と回転軸15の間の潤滑性を向上できる。
幾つかの実施形態では、軸受パッド14の軸受面14aには、4つの給油口40(40a,40b),44(44a,44b)が開口し、且つ、各給油口40,44に連通した油溝42(42a,42b),46(46a,46b)が設けられている。
上記構成を有するティルティングパッド軸受装置10は、軸受パッド14が揺動可能なように、軸受パッド14の外周面に当接するピボット38により軸受パッドが支持される構成となっているため、軸受パッド14の自重あるいは回転軸15を介して軸受パッド14に与えられる荷重等により軸受パッド14はわずかに変形する。そのため、回転軸15の停止時、この軸受パッド14の変形に依存した形状の接触エリアSにて、軸受パッド14と回転軸15とが接触することになる。例えば、図2に示すように軸受パッド14がピボット38で点支持される場合、図3に示すように軸受パッド14と回転軸15との接触エリアSは略楕円形状となる。
一実施形態において、油溝42,46は接触エリアSの内側及び外側に設けられる。なお、接触エリアSは、回転軸15の直径(回転軸の外周面の曲率半径)、軸受パッド14の軸受面14aの曲率半径、軸受パッド14の材質、及び、回転軸15を介してティルティングパッド軸受装置10に与えられる荷重等によって決定される。接触エリアSの形状、位置は、実験的に求めてもよいし、シミュレーションによって推定してもよい。例えば、回転軸15と軸上パッド14の間に感圧紙を挟み込み、軸受パッド14の着色した部位を接触エリアSと判定してもよい。あるいは、ヘルツ理論を用いて算出される接触応力から接触エリアSを推定してもよいし、FEM解析を用いて接触エリアSを推定してもよい。
ここで、図6を参照して、図2及び図3に示す第1実施形態における軸受パッド14と、図4及び図5に示す比較例における軸受パッド14’,14”とで油膜圧の特性を対比して説明する。図4は比較例における軸受パッドの軸受面の展開図である。図5は他の比較例における軸受パッド(接触エリアの外側のみ油溝)の軸受面の展開図である。図6は接触エリアと油膜圧との関係を示すグラフであり、図6(A)は第1実施形態(図3)における軸受パッド14の油膜圧特性を示すグラフで、図6(B)は比較例(図4)における軸受パッド14’の油膜圧特性を示すグラフで、図6(C)は他の比較例(図5)における軸受パッド14”の油膜圧特性を示すグラフである。
図4に示す軸受パッド14’には、接触エリアSの外側には油溝が設けられておらず、接触エリアSの内側にのみ油溝42’(42a’,42b’),46’(46a’,46b’)が設けられている。図5は他の比較例における軸受パッドの軸受面の展開図である。図5に示す軸受パッド14”には、接触エリアSの外側には油溝が設けられておらず、接触エリアSの内側にのみ油溝42”(42a”,42b”),46”(46a”,46b”)が設けられている。
図4及び図6(B)に示すように、潤滑油を導くための油溝42’,46’が接触エリアSの内側に形成されている場合、接触エリアSの内側から接触エリアSの外側への境界で軸受パッド14’と回転軸15の間の隙間は急激に広がる。そのため、接触エリアS内の油溝42a’,42b’,46a’,46b’を介して隙間に供給される潤滑油による油膜圧は、接触エリアSの内側では高く維持されるものの接触エリアSの外側では隙間の急激な体積増加によって大幅に低下してしまう。そのため、軸受パッド14’の軸受面全体に略均一な油膜圧が形成されるように潤滑油を行き渡らせることは難しく、特に接触エリアSの外側における油膜圧が十分に立たないおそれがある。
図5及び図6(C)に示すように、接触エリアSの外側に油溝42”,46”が形成されている場合、接触エリアSの外側から接触エリアSの内側に向けてその境界で軸受パッド14”と回転軸15の間の隙間は急激に狭くなる。そのため、接触エリアSの内側へ潤滑油が十分に供給されず、接触エリアSの内側における油膜圧が十分に立たないおそれがある。
このように、比較例における軸受パッド14’,14”によれば、軸受パッド14’,14”の軸受面14a’,14a”に十分に潤滑油が行き渡らず、そのため、JOP機構を起動して回転軸15の回転させる際に、回転軸15が円滑に浮上しない可能性がある。
これに対して本実施形態では、図3及び図6(A)に示すように、接触エリアSの内側及び外側に油溝42,46を設ける構成としたので、回転軸15の回転開始時又は低速回転時において給油機構16から油溝42,46を介して潤滑油を供給した時に、接触エリアSの内側及び外側の両方に潤滑油を行き渡らせることができる。よって、給油機構16への供給油圧が比較的小さい場合であっても、回転軸15を効果的に浮上させることができる。
また、一実施形態において、少なくとも1個の油溝42,46は、接触エリアSの内側から外側まで連続的に延在していてもよい。このように、接触エリアSの内側から外側まで連続的に延在する少なくとも1個の油溝42,46を設けることによって、油溝42,46による回転軸15の浮上特性を維持しながら油溝42,46の設置数を削減することもできる。なお、図3では、全ての油溝42,46が、接触エリアSの内側から外側まで連続的に延在して配置された場合を例示している。
さらに、図示しないが他の実施形態では、少なくとも1個の油溝は、接触エリアSの内側に設けられた内側油溝と、内側油溝とは別に接触エリアSの外側に設けられた外側油溝とを含んでもよい。このように、接触エリアSの内側に設けられた内側油溝と、接触エリアSの外側に設けられた外側油溝とを設けることにより、油溝による回転軸15の浮上特性を維持しながら各油溝の設置位置や形状の自由度を向上させることができる。
また、幾つかの実施形態において、少なくとも1個の油溝42,44の各々が、回転軸15の回転時に軸受面14aと回転軸15の外周面との間に形成される油膜の圧力が同一である位置を通る等圧線に沿って設けられてもよい。
回転軸15の高速回転時、軸受パッド14の軸受面14aに開口した給油口40,44への潤滑油の供給は停止されている。この時、潤滑油は回転軸15と共に連れ回りしながら油膜圧を形成し、油膜圧による油膜圧分布(図11参照)が形成される。図11において、ラインp1〜p6は軸回転によるくさび状油膜の等圧線であり、p1の内側領域が最大油膜圧を呈し、外側へ行くに従って油膜圧は順々に低下していく。図示のように、最大油膜圧領域Rを中心とし、等圧域が同心状に広がる楕円形を呈する。ここで、等圧線は、回転軸15の回転時に軸受面14aと回転軸15の外周面との間に形成される油膜の圧力が同一である位置を通る線である。
一実施形態では、図3に示す給油口40(40a,40b)の各々が等圧線p4上に設けられている。また、給油口40に連通した油溝42(42a,42b)が等圧線p4に沿って設けられている。同様に、給油口44(44a,44b)に連通した油溝46(46a,46b)が等圧線p5に沿って設けられている。油溝42及び油溝46は、ぞれぞれが互いに独立している。
各油溝42,44は、それぞれ、連通した1つの空間によって形成されるので、各油溝42,44内はいずれの位置も同一の圧力となる。したがって、異なる等圧線にまたがるように油溝42,44を形成した場合、回転軸15の回転時に各油溝42,44内の圧力が均一化して動圧軸受としての機能が損なわれる可能性がある。そこで、上記実施形態のように、各油溝42,44をそれぞれ等圧線に沿って設けることによって、各等圧線位置における油溝42,44内の圧力を維持し、動圧軸受としての機能を良好に保てる。
また、一実施形態では、図7に示すように、油溝42と油溝44とに潤滑油を供給する給油路52,54が、少なくとも回転軸15の回転時に互いに異なる圧力に維持可能に別系統として設けられる。
図7に示す給油機構16は、第1給油口40と、第1油溝42と、第2給油口44と、第2油溝46と、第1給油路52と、第2給油路54と、第1バルブ53と、第2バルブ55と、ポンプ50とを有している。
第1油溝42と第2油溝46とは、異なる油膜圧を示す等圧線に沿って設けられている。第1給油路52及び第2給油路54は、少なくとも回転軸15の回転時に互いに異なる圧力に維持可能に別系統として設けられる。第1給油路52及び第2給油路54は、ポンプ50に接続されて、ポンプ50によって潤滑油が供給されるようになっている。第1給油路52及び第2給油路54とポンプ50との間には、それぞれ、第1バルブ53,第2バルブ55が設けられており、第1給油路52及び第2給油路54への潤滑油の供給量が調節可能に構成される。
そして、回転軸15の回転開始時又は低速回転時には、第1バルブ53及び第2バルブ55をそれぞれ開いた状態とし、ポンプ50を作動させて第1給油路52及び第2給油路54を介して第1油溝42と第2油溝46に潤滑油を供給する。各油溝42,46への潤滑油の供給量は、各バルブ53,55の開度によって調節してもよい。一方、回転軸15の定格回転時には、第1バルブ53及び第2バルブ55を閉じた状態とし、ポンプ50を停止して第1給油路52及び第2給油路54を介した第1油溝42及び第2油溝46への潤滑油の供給を遮断する。このとき、第1油溝42第2油溝46とは連通していないため、各油溝42,46の圧力は独立して保たれる。
このように、第1油溝42に連通する第1給油路40と、第2油溝46に連通する第2給油路44とが、少なくとも回転軸15の回転時に互いに異なる圧力に維持可能に別系統として設けられることにより、異なる等圧線(第1等圧線と第2等圧線)に沿って設けられる第1油溝42及び第2油溝46の圧力が、回転軸15の定格回転時において均一化されることを回避でき、動圧軸受としての機能を良好に保持できる。
(実施形態2)
次に、本発明の第3実施形態を図8及び図9に基づいて説明する。図8は本発明の第2実施形態における軸受パッドの軸受面の展開図である。図9は本発明の第2実施形態に係る軸受装置の給油機構の一例を示す構成図である。
本実施形態に係る給油機構16は、第1給油口60(60a,60b),64(64a,64b)と、第1油溝62(62a,62b),66(66a,66b)と、第1給油路72,74と、第1バルブ76と、ポンプ70とを有している。
複数の第1油溝62,66は、同一の油膜圧を示す等圧線に沿って設けられている。さらに、第1油溝62,66は、第1給油路72,74を介して互いに連通するように構成されている。例えば、第1給油路72,74が基部側で合流しており、合流した第1給油路72,74とポンプ70との間に第1バルブ76が設けられる。第1バルブ76は、第1給油路72,74への潤滑油の供給量を調節する構成となっている。
そして、回転軸15の回転開始時又は低速回転時には、第1バルブ76を開いた状態とし、ポンプ70を作動させて第1給油路72,74を介して第1油溝62,66に潤滑油を供給する。一方、回転軸15の定格回転時には、第1バルブ76を閉じた状態とし、ポンプ70を停止して第1給油路72,74を介した第1油溝62,66への潤滑油の供給を遮断する。
上記第2実施形態によれば、同一の等圧線に沿って設けられる複数個の第1油溝62,66については第1給油路72,74が互いに連通する構成を採用すれば、第1給油路72,74やバルブ73等の給油機構16の構成を簡素化することもできる。
(第3実施形態)
図10は本発明の第3実施形態における軸受パッドの軸受面の展開図である。
図10に示すように、一実施形態において油溝80は、回転軸15の軸方向に沿って給油口82を挟むように配置された、一対の菱形形状の油溝80a,80bを含んでいてもよい。その場合、油溝80の菱形形状の周方向の回転上流側の頂点部83a,83bは、ピボット38を通る直線Gを跨る位置に配置してもよい。
(第4実施形態)
図11は本発明の第4実施形態における軸受パッドの断面図である。図12は本発明の第4実施形態における軸受パッドの軸受面の展開図である。図13は油溝の加重平均位置を説明するための図である。なお、図12は、曲率を有する軸受パッド14を平面上に展開した図である。
図11において、Gは、回転軸15の中心とピボット38の支持点を通る直線である。図12において、Cは、回転軸15の回転方向における軸受パッド14(軸受面14a)の中央位置を通る直線である。この中央位置Cは回転軸15の軸線に平行である。Gは、ピボット38による軸受パッド14の支持点を通り、回転軸15の軸線と平行な直線である。矢印aは回転軸15の軸方向を示す。また、図12及び図13において、回転軸15の回転方向をx軸とし、ピボット38の支持点(支持部材の配置位置)を通る直線Gの位置をx=0に設定する。さらに、ピボット38の支持点を通る直線Gよりも回転方向下流側(図12及び図13では右側)を正の向き、直線Gよりも回転方向上流側(図12及び図13では左側)を負の向きとしている。
一実施形態において、図11及び図12に示す各軸受パッド14は、ハウジング片12bの内周面に設けられたピボット38によって揺動可能に支持されている。ピボット38は、回転軸15の回転方向における軸受パッド14の中央位置Cに対し、回転軸15の回転方向下流側にオフセットして配置される。なお、図12においてピボット38の配置位置(軸受パッド14の支持点)は、軸受パッド14の中央位置Cに対してx軸の正の方向にオフセットして配置されている。例えば、図11に示すように回転方向前端14bを0%とし、回転方向後端14cを100%としたとき、ピボット38は、例えば60%の位置に配置される。
軸受パッド14の軸受面14aには、給油口80が開口し、かつ給油口80に連通した油溝82が刻設されている。油溝82は、給油口80の回転軸15の軸方向両側に配置された一対の菱形形状の油溝を含んでいる。この油溝82は、油溝82の加重平均位置Xが、ピボット38の配置位置を通る直線Gに対して、軸受パッド14の中央位置Cを基準としたピボット38の支持点のオフセット方向にずれるように配置される。ここで、油溝82の加重平均位置とは、回転軸15の周方向における油溝82の中心位置Cを該油溝82の開口面積で重み付けした値であり、以下に詳述する。
図13を用いて、油溝の構成について詳細に説明する。なお、図13では一例として、ピボット38の支持点を通る直線Gの両側にそれぞれ、開口面積の異なる2つの油溝90a及び油溝90bが設けられた場合を示している。油溝90aは直線Gよりも回転軸15の回転方向下流側(図13において直線Gよりも右側)に設けられ、油溝90bは直線Gよりも回転方向上流側(図13において直線Gよりも左側)に設けられている。ここでは、X軸上における直線Gの位置を原点(X=0)とするので、X軸上における油溝90aの中心位置を示す座標Xは正(X>0)となり、X軸上における油溝90bの中心位置を示す座標Xは負(X<0)となる。
本実施形態において油溝90a及び油溝90bは、これら2つの油溝90a,90bの加重平均位置Aが、ピボット38の支持点を通る直線G(ピボット38の配置位置)に対して、軸受パッ14の中央位置Cを基準としたピボット38の支持点のオフセット方向にずれるように構成される。なお、図13では、ピボット38が回転軸15の回転方向中央位置Cより回転方向下流側にオフセットされて配置される場合(回転方向に沿った方向がオフセット方向)を示している。この場合、油溝90a及び油溝90bの加重平均位置Aが、ピボット38の支持点を通る直線Gよりも回転方向下流側にずれるように油溝90a及び油溝90bがそれぞれ形成される。
図示しないが、他の実施形態では、ピボット38が、回転軸15の中央位置Cより回転方向上流側にオフセットされて配置される。この場合、油溝90a及び油溝90bの加重平均位置がピボット38の支持点を通る直線Gよりも回転方向上流側にずれるように油溝90a及び油溝90bがそれぞれ形成される。
ティルティングパッド軸受装置10の軸受パッド14には、回転軸15の回転開始時又は低速回転時におけるJOP機構の作動中(すなわち潤滑油の供給中)、回転軸15と軸受パッド14との間に形成される油膜圧の分布(図11参照)に応じて、ピボット38による軸受パッド14の支持点まわりのモーメントが加わる。このモーメントは、軸受面14a上の任意の位置における油膜圧と、該位置の支持点からの距離との積である局所的なモーメントを軸受面14a上の全ての位置について積算したものである。この局所的なモーメントの符号は、ピボット38による軸受パッド14の支持点の両側において逆転する。したがって、ピボット38による軸受パッド14の支持点の両側におけるモーメントの絶対値の大小関係により、回転軸15と軸受パッド14との間に形成される油膜圧の分布に応じた正味のモーメントの方向が決まる。ここで、各油溝90a,90bの局所的なモーメントへの寄与は、各油溝90a,90bの中心位置x(i=1,2)と、当該油溝90a,90bが作る油膜圧の大きさに影響する当該油溝90a,90bの開口面積S(i=1,2)との積xによって表わされる。よって、油膜圧の分布に応じた正味のモーメントの方向は、基本的には、全油溝90a,90bについての局所的モーメントへの寄与の総和Σx(i=1,2)によって決まる。換言すれば、総和Σxを全油溝の開口面積の総和ΣSで除して得られる値(各々の油溝の中心位置xを油溝90a,90bの開口面積Sで重み付けした油溝の加重平均位置x)とピボット38の位置との配置関係に応じて、油膜圧の分布に応じた正味のモーメントの方向が定まる。
上記ティルティングパッド軸受装置10では、各々の油溝90a,90bの中心位置xを油溝の開口面積Sで重み付けした油溝90a,90bの加重平均位置Xがピボット38の配置位置に対してピボット38のオフセット方向にずれるようにしたので、ピボット38が軸受パッド14の中央位置xに対してオフセットされていても、ピボット38を基準として回転軸15の回転方向上流側と下流側に作用するモーメントをバランスさせることができる。よって、回転軸15の回転開始時又は低速回転時に、回転軸15が傾くことを抑制し、回転軸15と軸受パッド14が接触することを防止できるので回転軸15の円滑な回転が可能となる。なお、図13では軸受面14aに2つの油溝90a,90bが設けられた場合について例示したが、油溝の数、形状、配置構成等については限定されない。
上述の実施形態によれば、油溝の加重平均位置が、ピボット38の配置位置に対して、ピボット38の中心位置を基準としたオフセット方向にずれるように構成することによって、ピボット38を基準として回転軸の回転方向上流側と下流側に作用するモーメントをバランスさせることができる。よって、回転軸の回転開始時又は低速回転時に、回転軸が傾くことを抑制し、回転軸と軸受パッドが接触することを防止できるとともに、回転軸の円滑な回転が可能となる。
一実施形態では、ピボット38の位置を境にして、ピボット38より回転方向(図中矢印r方向)上流側の軸受面14aに形成されるJOPによる油膜圧分布Pのピボット周りのモーメントの総計と、ピボット38より回転方向下流側の軸受面14aに形成されるJOPによる油圧分布Pのピボット周りのモーメントの総計とがバランスするように、軸受パッド14の回転方向前端14bと回転軸15の外周面との隙間s1と、軸受パッド14の回転方向後端14cと回転軸15の外周面との隙間s2とが形成されるようにしてもよい。
給油口80及び油溝82の回転方向位置は、ピボット38よりさらに回転方向下流側であって、かつピボット38より回転方向上流側領域のJOPによる油膜圧分布Pのピボット周りのモーメントの総計と、ピボット38より回転方向下流側領域のJOPによる油膜圧分布Pのピボット周りのモーメントの総計とがバランスしたとき、隙間s1が隙間s2と同等となる領域に配置してもよい。給油口80は例えば70%の位置に配置される。
このように、給油口80及び油溝82をピボット38より回転方向下流側領域に配置することにより、回転方向下流側領域の油膜厚さを確保できると共に、隙間s1が隙間s2より同等となる領域に配置することにより、回転方向上流側領域の油膜厚さも確保できる。こうして、軸受面14aの全域で均等な油膜圧を保持することも可能である。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはいうまでもない。
例えば、上述の実施形態では、ピボット38が、軸受パッド14の回転軸15の回転方向における中央位置Cに対し、回転軸15の回転方向下流側にオフセットして配置された場合について例示したが、ピボット38は回転軸15の回転方向上流側にオフセットして配置されてもよい。その場合、油溝の加重平均位置は、ピボット38の回転方向に対する位置に対して、回転軸15の回転方向上流側にずれて位置する。
10 ティルティングパッド軸受装置
12 軸受ハウジング
12a,12b ハウジング片
14 軸受パッド
14a 軸受面
15 回転軸
16 給油機構
18 ポンプ
20 モータ
22 給油路
24 リリーフ弁
26 タンク
28a,28b 分岐路
30a,30b バルブ
34 給油口
36 油溝
38 ピボット
40(40a,40b) 第1給油口
42(42a,42b) 第1油溝
44(44a,44b) 第2給油口
46(46a,46b) 第2油溝
50 ポンプ
P JOPによる油膜圧分布
Pr 低圧域
最大油膜圧領域
o 潤滑油
pa、pb 軸回転によるくさび状油膜の圧力分布
p1〜p5 軸回転によるくさび状油膜の等圧線
s1,s2 隙間
S 接触エリア

Claims (8)

  1. 回転軸の周囲に配置され、前記回転軸を回転自在に支持する複数の軸受パッドと、
    前記複数の軸受パッドとこれら軸受パッドを支持する軸受ハウジングとの間に介在され、各軸受パッドを揺動可能に支持する支持部材と、
    前記複数の軸受パッドのうちの1個以上の軸受パッドの軸受面に形成された少なくとも1個の油溝に潤滑油を供給するように構成された給油機構とを備えたティルティングパッド軸受装置であって、
    前記少なくとも1個の油溝は、前記回転軸の停止時において前記軸受面のうち前記回転軸の外周面と接触する接触エリアの内側及び外側に設けられ、
    前記少なくとも1個の油溝の各々が、前記回転軸の回転時に前記軸受面と前記回転軸の外周面との間に形成される油膜の圧力が同一である位置を通る等圧線に沿って設けられ、
    前記少なくとも1個の油溝は、前記油膜の前記圧力が第1圧力である位置を通る第1等圧線に沿って設けられる第1油溝と、前記油膜の前記圧力が前記第1圧力とは異なる第2圧力である位置を通る第2等圧線に沿って設けられる第2油溝とを含み、
    前記給油機構は、前記第1油溝に連通する第1給油路と、前記第2油溝に連通する第2給油路とを含み、
    前記第1給油路と前記第2給油路とは、少なくとも前記回転軸の回転時に互いに異なる圧力に維持可能に別系統として設けられたことを特徴とするティルティングパッド軸受装置。
  2. 前記給油機構は、前記軸受面に形成された前記油溝としての少なくとも1個のJOP油溝に連通する給油口を介して前記JOP油溝に潤滑油を供給するように構成され
    前記給油口は、前記軸受面の外周縁によって囲まれた内側領域において前記軸受面に開口し、
    前記少なくとも1個のJOP油溝は、前記軸受面の前記内側領域であって、且つ、前記接触エリアの内側及び外側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のティルティングパッド軸受装置。
  3. 前記少なくとも1個のJOP油溝は、前記接触エリアの内側から外側まで連続的に延在していることを特徴とする請求項に記載のティルティングパッド軸受装置。
  4. 前記軸受面には、前記接触エリアの内側に設けられた前記JOP油溝としての内側油溝と、前記内側油溝とは別に前記接触エリアの外側に設けられた前記JOP油溝としての外側油溝とが形成されたことを特徴とする請求項2又は3に記載のティルティングパッド軸受装置。
  5. 前記少なくとも1個のJOP油溝は、前記接触エリアの内側から外側まで連続的に延在しており、
    前記少なくとも1個のJOP油溝の各々が、前記回転軸の回転時に前記軸受面と前記回転軸の外周面との間に形成される油膜の圧力が同一である位置を通る等圧線に沿って設けられたことを特徴とする請求項に記載のティルティングパッド軸受装置。
  6. 前記第1等圧線に沿って設けられる複数個の前記第1油溝は、前記第1給油路を介して互いに連通するように構成されることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のティルティングパッド軸受装置。
  7. 前記回転軸の周方向における各々の前記JOP油溝の中心位置を該JOP油溝の開口面積で重み付けした前記少なくとも1個のJOP油溝の加重平均位置が、前記支持部材の配置位置より前記回転軸の回転方向下流側にずれていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載のティルティングパッド軸受装置。
  8. 前記支持部材は、前記回転軸の周方向における前記軸受パッドの中央位置よりも前記回転軸の回転方向下流側に配置されていることを特徴とする請求項7に記載のティルティングパッド軸受装置。
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