JP6420380B2 - ゲームプログラム及びゲームシステム - Google Patents

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Description

本発明は、ユーザの操作に応じてプレイヤキャラクタが仮想空間内で移動するゲームを実現するゲームプログラム及びゲームシステムに関する。
従来、ユーザの操作に応じてプレイヤキャラクタが仮想空間内で移動するゲームがある。しかし、ゲームを実行するコンピュータのメモリやCPUの処理速度によって、作成できる仮想空間の大きさは制限される。そこで仮想空間内に壁などを設定することにより、プレイヤキャラクタの仮想空間内での移動を制限する。
プレイヤキャラクタの仮想空間内での移動を制限する従来の方法としては、例えば仮想空間内に見えない透明な壁を配置して、物理的にプレイヤキャラクタの移動を制限する方法がある。他の方法として、例えば、プレイヤキャラクタが立入禁止領域に進入してから一定時間経過すると、立入禁止領域から出るようゲーム画面上に警告を表示する。そして、警告後もプレイヤキャラクタが立入禁止領域内にいる場合には、プレイヤキャラクタを立入禁止領域外に強制的に戻す。
上述の方法において、例えばユーザに見えない壁でプレイヤキャラクタの移動を制限すると、ユーザが操作しているにもかかわらずプレイヤキャラクタが全く移動しないため、ユーザに不自然さを感じさせるおそれがある。また、立入禁止領域に進入したプレイヤキャラクタを強制的に外部に戻す方法も、ゲームシナリオ等によってはユーザに不自然に感じられる場合がある。
そこで本発明は、ゲームを実行するコンピュータに必要なメモリやCPU性能を抑制しつつ、ユーザが不自然さを感じることなくプレイヤキャラクタを仮想空間内で自由に移動させることができるゲームプログラム及びゲームシステムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係るゲームプログラムは、ユーザの操作を受け付ける操作部を備えるコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、前記コンピュータを、仮想空間を生成する仮想空間生成手段、前記操作部に対するユーザの操作に応じて前記仮想空間内でのキャラクタの移動を制御するキャラクタ制御手段、前記仮想空間内において前記キャラクタが移動可能な領域の一部として、前記キャラクタの移動速度が通常速度に対して低減される速度変更領域を設定する領域設定手段、前記キャラクタが進入不可能に設定されている前記仮想空間内の所定の箇所に対して、前記速度変更領域内を移動する前記キャラクタが近づいているか否かを判定する移動方向判定手段、及び、前記キャラクタが前記所定の箇所に近づいていると判定された場合に、前記キャラクタが前記所定の箇所に近づくにつれて、前記キャラクタの移動速度を低減する移動速度変更手段、として機能させる。
上記の構成によれば、速度変更領域内でキャラクタが該所定の箇所に近づくにつれて移動速度が低減される。このため、キャラクタ移動のためのユーザの操作を受け付けることでユーザが感じる不自然さを軽減しつつ、仮想空間の大きさを制限することができるので、結果としてゲームを実行するコンピュータに必要なメモリやCPU性能を抑制することができる。
上記のゲームプログラムにおいて、前記速度変更領域には、前記キャラクタの移動速度の目標値が前記所定の箇所に近いほど低くなるように設定されており、前記移動速度変更手段は、前記キャラクタが前記所定の箇所に近づいていると判定された場合に、前記キャラクタの移動速度を、前記速度変更領域内における前記キャラクタの位置に応じた前記目標値に基づいて低減してもよい。この構成によれば、速度変更領域内でのキャラクタの移動速度を適切に低減することができる。
上記のゲームプログラムにおいて、前記移動方向判定手段は、前記速度変更領域内を移動する前記キャラクタが、前記所定の箇所から遠ざかっているか否かを判定し、前記移動速度変更手段は、前記キャラクタが前記所定の箇所から遠ざかっていると判定された場合に、前記キャラクタが前記所定の箇所から遠ざかるにつれて、前記キャラクタの移動速度を前記通常速度に向かって増大させてもよい。この構成によれば、速度変更領域内で低減されたキャラクタの移動速度を、自然な形で上昇させることができる。
上記のゲームプログラムにおいて、前記移動速度変更手段は、前記キャラクタが前記速度変更領域内に位置する場合であっても、前記所定の箇所から遠ざかる前記キャラクタの移動速度を、遠ざかり始めてから所定の時間内に前記通常速度へ戻してもよい。この構成によれば、キャラクタの低減された移動速度が通常速度に戻るまでの遅さをユーザに感じさせないようにすることができる。
また、本発明に係るゲームシステムは、上記のゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムを実行するコンピュータとを備える。
本発明によれば、ゲームを実行するコンピュータに必要なメモリやCPU性能を抑制しつつ、ユーザが不自然さを感じることなくプレイヤキャラクタを仮想空間内で自由に移動させることができるゲームプログラム及びゲームシステムを提供することができる。
一実施形態に係るゲームシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。 図1に示すゲーム装置の機能的な構成を示すブロック図である。 速度変更処理が実行される三次元の仮想空間の一例を表した模式的平面図である。 速度変更処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態に係るゲームプログラムおよびゲームシステムについて、図面を参照しつつ説明する。
[ハードウェア構成]
図1は、ゲームシステム1のハードウェア構成を示すブロック図である。ゲームシステム1は、ゲーム装置2及びサーバ装置3を備えている。ゲーム装置2は、他のゲーム装置2及びサーバ装置3との間で、インターネット又はLANなどの通信ネットワークNWを介して互いに通信可能である。このゲーム装置2は、その動作を制御するコンピュータであるCPU10を備え、このCPU10にはバス11を介して、ディスクドライブ12、メモリカードスロット13、記憶部(プログラム記憶部)を成すHDD14及びROM15、並びにRAM16が接続されている。
ディスクドライブ12には、DVD−ROM等のディスク型記録媒体30が装填可能である。該ディスク型記録媒体30には、本実施の形態に係るゲームプログラム30a及びゲームデータ30bが記録されている。このゲームデータ30bには、各キャラクタや仮想空間の形成に必要なデータ、及び、ゲーム中で再生されるサウンドデータなど、本ゲームの進行に必要な各種のデータが含まれる。また、メモリカードスロット13にはカード型記録媒体31が装填でき、ゲームの途中経過等のプレイ状況を示すセーブデータを、CPU10からの指示に応じて記録可能である。
HDD14はゲーム装置2が内蔵する大容量記録媒体であって、ディスク型記録媒体30から読み込んだゲームプログラム30a及びゲームデータ30b、更にはセーブデータ等を記録する。ROM15は、マスクROM又はPROMなどの半導体メモリであり、ゲーム装置2を起動する起動プログラムや、ディスク型記録媒体30が装填されたときの動作を制御するプログラムなどを記録している。RAM16は、DRAM又はSRAMなどから成り、CPU10が実行すべきゲームプログラム30aや、その実行の際に必要になるゲームデータ30bなどを、ゲームのプレイ状況に応じてディスク型記録媒体30又はHDD14から読み込んで一時的に記録する。
また、CPU10には更に、バス11を介してグラフィック処理部17、オーディオ合成部20、無線通信制御部23、及びネットワークインタフェース26が接続されている。
このうちグラフィック処理部17は、CPU10の指示に従って仮想ゲーム空間や各キャラクタ等を含むゲーム画像を描画する。すなわち、仮想空間中に設定した仮想カメラの位置、向き、ズーム率(画角)等を調整し、仮想空間を撮影する。そして、撮影した画像をレンダリング処理し、表示用の二次元のゲーム画像を生成する。また、グラフィック処理部17には、ビデオ変換部18を介して外部のディスプレイ(表示部)19が接続されている。グラフィック処理部17にて描画されたゲーム画像は、ビデオ変換部18において動画形式に変換され、このディスプレイ19にて表示される。ディスプレイ19は、ユーザの頭の傾きを検出する検出部を有し、且つユーザの頭に装着されるヘッドマウントディスプレイであってもよい。
オーディオ合成部20は、CPU10の指示に従って、ゲームデータ30bに含まれるデジタル形式のサウンドデータを再生及び合成する。また、オーディオ合成部20にはオーディオ変換部21を介して外部のスピーカ22が接続されている。従って、オーディオ合成部20にて再生及び合成されたサウンドデータは、オーディオ変換部21にてアナログ形式にデコードされ、スピーカ22から外部へ出力される。その結果、本ゲームをプレイしているユーザは、再生されたサウンドを聴取することができる。
無線通信制御部23は、2.4GHz帯の無線通信モジュールを有し、ゲーム装置2に付属するコントローラ24との間で無線により接続され、データの送受信が可能となっている。ユーザは、このコントローラ24に設けられたボタン等の操作部を操作することにより、ゲーム装置2へ信号を入力することができ、ディスプレイ19に表示されるプレイヤキャラクタの動作を制御する。
ネットワークインタフェース26は、インターネット又はLANなどの通信ネットワークNWに対してゲーム装置2を接続するものであり、他のゲーム装置2及びサーバ装置3との間で通信可能である。そして、ゲーム装置2を、通信ネットワークNWを介して他のゲーム装置2と接続し、互いにデータを送受信することにより、同一の仮想空間内で同期して複数のプレイヤキャラクタを表示させることができる。従って、複数人が共同してゲームを進行させるマルチプレイが可能になっている。
[ゲーム装置の機能的構成]
図2は、ゲームシステム1が備えるゲーム装置2の機能的な構成を示すブロック図である。ゲーム装置2は、本発明のゲームプログラム30aを実行することで、仮想空間生成手段41、キャラクタ制御手段42、領域設定手段43、進入判定手段44、移動方向判定手段45、及び移動速度変更手段46として機能する。なお、このような各機能は、ハード的には図1に示すCPU10,HDD14,ROM15,RAM16,グラフィック処理部17,ビデオ変換部18、オーディオ合成部20、オーディオ変換部21、無線通信制御部23等から構成されている。
仮想空間生成手段41は、所定の広がりを有する三次元の仮想空間を生成する。この仮想空間には、コントローラ24の操作によりユーザが直接的にその動作を制御することのできるプレイヤキャラクタが存在している。また、同じ仮想空間内には、ユーザの操作によっては、その動作を直接的に制御することができず、CPU10によって動作が制御されるノンプレイヤキャラクタも存在する。なお、仮想空間内においてプレイヤキャラクタ近傍の所定位置には、仮想空間を撮像するための仮想カメラ(図示せず)が配置されており、ゲーム装置2のディスプレイ19には、該仮想カメラにより撮像された仮想空間の画像が表示される。
キャラクタ制御手段42は、コントローラ24に対するユーザの操作に応じて、仮想空間内でのプレイヤキャラクタの動作、例えばプレイヤキャラクタの移動を制御する。また、キャラクタ制御手段42は、仮想空間内でのノンプレイヤキャラクタの動作も制御する。
領域設定手段43、進入判定手段44、移動方向判定手段45、及び移動速度変更手段46は、仮想空間内の所定の領域に進入したプレイヤキャラクタの移動速度を変更するための速度変更処理を実行する。
領域設定手段43は、仮想空間内において、プレイヤキャラクタが移動可能な領域の一部として、プレイヤキャラクタの移動速度が通常速度に対して低減される速度変更領域を設定する。
進入判定手段44は、プレイヤキャラクタが速度変更領域内に進入したか否かを判定する。
移動方向判定手段45は、速度変更領域内を移動するプレイヤキャラクタが、仮想空間内の所定の箇所に近づいているか否かを判定したり、当該所定の箇所から遠ざかっているか否かを判定したりする。
移動速度変更手段46は、プレイヤキャラクタが前記所定の箇所に近づいていると判定された場合に、プレイヤキャラクタが前記所定の箇所に近づくにつれて、プレイヤキャラクタの移動速度を低減する。また、移動速度変更手段46は、プレイヤキャラクタが前記所定の箇所から遠ざかっていると判定された場合に、プレイヤキャラクタが前記所定の箇所から遠ざかるにつれて、プレイヤキャラクタの移動速度を通常速度に向かって増大させる。
[速度変更処理]
次に、ゲーム装置2により実行される速度変更処理について、図3に示される仮想空間を一例として参照しながら具体的に説明する。
図3は、三次元の仮想空間Sを表した模式的な平面図である。図3に示す例では、仮想空間Sに、2つの壁オブジェクトW1,W2が対向するように配置され、これら壁オブジェクトW1,W2の間に、プレイヤキャラクタPが移動可能な領域と、プレイヤキャラクタPが進入不可能に設定された立入禁止領域R1とが設けられている。プレイヤキャラクタPから見て立入禁止領域R1の外側の領域(図3に示されていない立入禁止領域R1より上側の領域)は、仮想空間Sが存在しない領域である。この仮想空間Sが存在しない方向へプレイヤキャラクタPが行かないように立入禁止領域R1を設けている。
また、プレイヤキャラクタPが移動可能な領域(図3に示される立入禁止領域R1より下側の領域)には、その領域の一部として、立入禁止領域R1に隣接して速度変更領域R2が設定されている。速度変更領域R2は、プレイヤキャラクタPの立入禁止領域R1への進入を阻止するために設けられた領域である。詳細は後述するが、プレイヤキャラクタPが速度変更領域R2内に進入すると、当該プレイヤキャラクタPの移動速度を変更する速度変更処理が実行される。これにより、プレイヤキャラクタPの立入禁止領域R1への進入が阻止される。
プレイヤキャラクタPが移動可能な領域のうち、立入禁止領域R1や速度変更領域R2以外の領域(以下、「通常速度領域」と称する)R3では、プレイヤキャラクタPは通常速度で移動する。ここで、通常速度とは、プレイヤキャラクタPの移動態様(例えば「走る」、「歩く」、「屈みながら歩く」、「所定の乗物に乗って移動する」、など)ごとに予め設定された移動速度である。
図3に示す例では、速度変更領域R2は、立入禁止領域R1と通常速度領域R3とを隔離するように立入禁止領域R1と通常速度領域R3との間に配置される。また、図3に示すように、速度変更領域R2は、平面視して方形状の領域である。具体的には、速度変更領域R2は、立入禁止領域R1と速度変更領域R2との境界B1としての面と、その面に対向する速度変更領域R2と通常速度領域R3との境界B2としての面、並びに互いに対向する壁オブジェクトW1,W2により囲まれた領域である。
プレイヤキャラクタPが通常速度領域R3から速度変更領域R2に進入することにより速度変更処理が開始される。本実施形態では、プレイヤキャラクタPが速度変更領域R2内に進入したか否かが、プレイヤキャラクタPと速度変更領域R2との当たり判定に基づいて判定される。即ち、進入判定手段44は、プレイヤキャラクタPと速度変更領域R2との当たり判定を行い、当たっていると判定した場合には、プレイヤキャラクタPが速度変更領域R2内に進入したと判定する。
ここで、プレイヤキャラクタPと速度変更領域R2との当たり判定には、仮想空間S上にモデル化されたプレイヤキャラクタP自体と速度変更領域R2との当たり判定以外に、プレイヤキャラクタPに対応する近似形状と速度変更領域R2との当たり判定が含まれる。例えば、進入判定手段44は、プレイヤキャラクタPと同程度の高さ又は幅の球や直方体と速度変更領域R2との当たり判定を実行してもよい。このように、プレイヤキャラクタPと速度変更領域R2との当たり判定に基づいてプレイヤキャラクタPが速度変更領域R2内に進入したと判定されるため、プレイヤキャラクタPが速度変更領域R2内に進入したことを簡単な方法で判定できる。
但し、進入判定手段44による判定方法はこれに限られない。例えば、進入判定手段44は、プレイヤキャラクタPの重心の位置座標が速度変更領域R2内にあるか否かを判定することにより、プレイヤキャラクタPが速度変更領域R2内に進入したか否かを判定してもよい。
本実施形態では、速度変更領域R2内でのプレイヤキャラクタPの移動速度の変更方法が、速度変更領域R2に対するプレイヤキャラクタPの移動方向に応じて異なる。より詳しくは、速度変更領域R2内でのプレイヤキャラクタPの移動速度の変更方法が、プレイヤキャラクタPが立入禁止領域R1に対して近づいているか遠ざかっているかによって異なる。言い換えれば、移動速度の変更方法が、立入禁止領域R1と速度変更領域R2との境界B1に近づいているか遠ざかっているかによって異なる。
(プレイヤキャラクタPが境界B1に近づく場合)
まず、プレイヤキャラクタPが境界B1に近づく場合の移動速度の変更について説明する。
速度変更領域R2には、プレイヤキャラクタPの移動速度の目標値が設定されている。移動速度の目標値は、プレイヤキャラクタPの実際の移動速度でなくてもよく、それに対応する値やパラメータであってもよい。例えば、本実施形態では、速度変更領域R2に、プレイヤキャラクタPの移動速度の目標値として、通常速度に対する実際の移動速度の割合である速度パラメータが設定されている。
プレイヤキャラクタPの移動速度の目標値としての速度パラメータは、境界B1に近いほど低くなるように設定されている。図3の左側に、境界B1からの距離に応じた速度パラメータの値を示す。本実施形態では、速度パラメータの値は、立入禁止領域R1と速度変更領域R2との境界B1では「0」、速度変更領域R2と通常速度領域R3との境界B2では「1」に設定される。また、速度パラメータの値は、境界B1と境界B2の間では、境界B1から境界B2まで線形に増加するよう設定されている。
但し、速度パラメータの設定方法はこれに限られず、例えば、境界B1での速度パラメータの値は「0」の代わりに「0」に近しい値でもよい。また、例えば、速度パラメータの値は、境界B1から境界B2まで非線形的に増加するよう設定されてもよい。
移動方向判定手段45が、速度変更領域R2内を移動するプレイヤキャラクタPが境界B1に近づいていると判定した場合、移動速度変更手段46は、プレイヤキャラクタPの移動速度を、速度変更領域R2内におけるプレイヤキャラクタPの位置に応じた目標値(本例では、速度パラメータ)に基づいて低減する。
ここで、移動方向判定手段45によるプレイヤキャラクタPが境界B1に近づいているか否かの判定方法は、特に限定されない。例えば、移動方向判定手段45は、コントローラ24に対するユーザの操作によってプレイヤキャラクタPが移動する方向ベクトル(図3のプレイヤキャラクタPから延びる実線矢印参照)が、境界B1に直交し且つ境界B1に近づく方向の成分(図3のプレイヤキャラクタPから延びる二点鎖線矢印参照)を有するか否かで判定してもよい。あるいは、移動方向判定手段45は、プレイヤキャラクタPと境界B1との距離の単位時間当たりの変化率により判定してもよい。また、同様に、移動方向判定手段45によるプレイヤキャラクタPが境界B1から遠ざかっているか否かの判定方法も、特に限定されない。
目標値が境界B1に近いほど低くなるように設定されているため、コントローラ24に対するユーザの操作通りにプレイヤキャラクタPを移動させることができるものの、プレイヤキャラクタPは境界B1に近づくほど遅くなる。これにより、ユーザに、プレイヤキャラクタPを立入禁止領域R1に進入させることを途中で断念させる。なお、ユーザがプレイヤキャラクタPを立入禁止領域R1に進入させることを断念しない場合でも、本実施形態では、境界B1での速度パラメータの値が「0」に設定されているため、プレイヤキャラクタPの立入禁止領域R1への進入は確実に阻止される。
なお、図3に示す例のように、速度変更領域R2が立入禁止領域R1と通常速度領域R3とを隔離するように配置される。このため、通常速度領域R3にいるプレイヤキャラクタPは、速度変更領域R2を通過しなければ立入禁止領域R1に到達できないことになり、立入禁止領域R1への進入は確実に阻止される。
また、速度変更領域R2に移動速度の目標値は設定されなくてもよく、境界B1に近づくにつれて、プレイヤキャラクタPの移動速度を低減しさえすれば、プレイヤキャラクタPが境界B1に近づく場合の移動速度の変更方法はいかなる態様であってもよい。例えば、境界B2からの距離に反比例した移動速度となるように、境界B2からの距離に応じてプレイヤキャラクタPの移動速度が低減されてもよい。
(プレイヤキャラクタPが境界B1から遠ざかる場合)
次に、プレイヤキャラクタPが境界B1から遠ざかる場合の移動速度の変更について説明する。
移動方向判定手段45は、速度変更領域R2内を移動するプレイヤキャラクタPが、境界B1に近づいているか否かだけでなく、境界B1から遠ざかっているか否かも判定する。プレイヤキャラクタPが図3に破線で示すように移動することにより、プレイヤキャラクタPが境界B1から遠ざかっていると判定されると、移動速度変更手段46は、プレイヤキャラクタPが境界B1から遠ざかるにつれて、プレイヤキャラクタPの移動速度を通常速度に向かって増大させる。
本実施形態では、移動速度変更手段46は、プレイヤキャラクタPが速度変更領域R2内に位置する場合であっても、境界B1から遠ざかるプレイヤキャラクタPの移動速度を、遠ざかり始めてから所定の時間内に通常速度へ戻す。このように、速度変更領域R2に設定された移動速度の目標値に関係なく、所定の時間内に通常速度へ戻すことによって、プレイヤキャラクタPの低減された移動速度が通常速度に戻るまでの遅さをユーザに感じさせないようにすることができる。
なお、境界B1から遠ざかるように移動することによって速度変更領域R2内で通常速度で移動していたプレイヤキャラクタPが、ユーザの操作によって転向し、再び境界B1へ近づく方向へ移動し始めた場合、移動速度変更手段46は、再び上述の速度パラメータに基づく速度変更に切り替わる。この場合、転向地点の速度パラメータとその地点でのプレイヤキャラクタPの実際の移動速度との間にはギャップが生じるが、プレイヤキャラクタPが境界B1へ近づくにつれて速やかに(所定時間で、あるいは、所定距離で)ギャップが解消され、速度パラメータに対応する速度に達するよう移動速度が変更される。
また、移動速度変更手段46は、境界B1から遠ざかるプレイヤキャラクタPの移動速度を、遠ざかり始めてから所定の時間内に通常速度へ戻さなくてもよい。例えば、移動速度変更手段46は、プレイヤキャラクタPが境界B1から遠ざかる場合も、プレイヤキャラクタPが境界B1に近づく場合と同様に、プレイヤキャラクタPの移動速度を、速度変更領域R2内におけるプレイヤキャラクタPの位置に応じた目標値に基づいて増大してもよい。
図4は、速度変更処理の流れを示すフローチャートである。
プレイヤキャラクタPが速度変更領域R2内に進入すると、言い換えれば、進入判定手段44によってプレイヤキャラクタPが速度変更領域R2に当たっていると判定されると、速度変更処理が開始される。
速度変更処理では、まず移動方向判定手段45が、速度変更領域R2内を移動するプレイヤキャラクタPが、速度変更領域R2と立入禁止領域R1との境界B1に近づいているか否かを判定する(ステップS1)。
プレイヤキャラクタPが境界B1に近づいている場合(ステップS1:Yes)、移動速度変更手段46は、プレイヤキャラクタPの移動速度を、速度変更領域R2内におけるプレイヤキャラクタPの位置に応じた目標値に基づいて低減する(ステップS2)。
プレイヤキャラクタPが境界B1に近づいていない場合(ステップS1:No)、移動方向判定手段45は、速度変更領域R2内を移動するプレイヤキャラクタPが境界B1から遠ざかっているか否かを判定する(ステップS3)。境界B1から遠ざかっている場合(ステップS3:Yes)、移動速度変更手段46は、プレイヤキャラクタPが境界B1から遠ざかるにつれて、プレイヤキャラクタPの移動速度を通常速度に向かって増大させる(ステップS4)。
ステップS2及びS4で移動速度が変更された後、進入判定手段44は、プレイヤキャラクタPが速度変更領域R2に当たっている状態が継続しているかを判定する(ステップS5)。当たっていると判定した場合(ステップS5:Yes)、ステップS1に戻る。こうして、プレイヤキャラクタPが速度変更領域R2内に位置する間は、速度変更処理が継続する。そして、進入判定手段44が、プレイヤキャラクタPが速度変更領域R2に当たっていないと判定した場合(ステップS5:No)、速度変更処理は終了する。
なお、速度変更処理において、プレイヤキャラクタPが境界B1に近づいておらず、また、境界B1から遠ざかってもいない場合、プレイヤキャラクタPの移動速度は変更されない。即ち、ステップS3で、境界B1から遠ざかってないと判定された場合(ステップS3:No)、プレイヤキャラクタPの移動速度は変更されることなく、ステップS5に進む。例えば、プレイヤキャラクタPが境界B1に平行に移動する場合、プレイヤキャラクタPの移動速度は、プレイヤキャラクタPが境界B1に平行に移動し始める直前の移動速度に維持される。なお、例えば、速度変更領域R2内でプレイヤキャラクタPが停止した場合には、プレイヤキャラクタPが次に移動し始める際には、停止する直前の移動速度からスタートする。
以上に示したように、本実施形態に係るゲームシステム1では、速度変更領域R2内でプレイヤキャラクタPが境界B1に近づくにつれて移動速度が低減される。このため、プレイヤキャラクタPの移動のためのユーザの操作を受け付けることでユーザが感じる不自然さを軽減しつつ、仮想空間Sの大きさを制限することができるので、結果としてゲームを実行するコンピュータに必要なメモリやCPU性能を抑制することができる。
また、本実施形態では、プレイヤキャラクタPが境界B1に近づいていると判定された場合に、移動速度変更手段46が、プレイヤキャラクタPの移動速度を、速度変更領域R2内におけるプレイヤキャラクタPの位置に応じた目標値に基づいて低減する。これにより、速度変更領域R2内でのプレイヤキャラクタPの移動速度を適切に低減することができる。
また、本実施形態では、プレイヤキャラクタPが境界B1から遠ざかっていると判定された場合に、移動速度変更手段46が、プレイヤキャラクタPが境界B1から遠ざかるにつれて、プレイヤキャラクタPの移動速度を前記通常速度に向かって増大させる。これにより、速度変更領域R2内で低減されたプレイヤキャラクタPの移動速度を、自然な形で上昇させることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、図3に示された速度変更領域R2の配置や形状、速度変更領域R2の周りの領域の配置やオブジェクトの配置、速度変更領域R2に設定される移動速度の目標値などは、本発明を説明するために例示したにすぎず、本発明はこれに限定されない。
例えば、図3に示した例では、速度変更領域R2が立入禁止領域R1に隣接して設けられていたが、速度変更領域R2が立入禁止領域R1に隣接していなくてもよい。例えば、速度変更領域の内部又は外部に位置する特定のオブジェクト等にプレイヤキャラクタが近づくことを阻止する場合にも、本発明は適用される。この場合、例えば、当該特定のオブジェクトの周りにプレイヤキャラクタPが進入不可能な立入禁止領域R1が設けられ、さらにその領域の周りに速度変更領域R2が設けられる。この特定のオブジェクトは、仮想空間S内を移動するものであってもよく、この場合、オブジェクトの移動に伴って、立入禁止領域R1及び速度変更領域R2も仮想空間S内を移動してもよい。
また、図3に示した例では、移動方向判定手段45が、立入禁止領域R1と速度変更領域R2との境界B1としての面に対して、プレイヤキャラクタPが近づいているか否かを判定していたが、移動方向判定手段45がプレイヤキャラクタPとの位置関係を判定する対象は、面でなくてもよく、例えば、仮想空間S内の線や点であってもよい。
また、図3に示した例では、速度変更領域R2が平面視して方形状の領域であったが、速度変更領域R2の形状はこれに限られない。例えば、速度変更領域R2は、平面視して環状の領域であってもよいし、平面視して円形の領域でもよい。また、速度変更領域R2は、平面視して多角形状であってもよいし、図3に示した平面視して方形状の領域が複数組み合わさったものであってもよい。
速度変更領域R2が平面視して環状の領域である場合、例えば、立入禁止領域R1が環状の速度変更領域R2より外側の領域で、通常速度領域R3が環状の速度変更領域R2より内側の領域であってもよい。あるいは、立入禁止領域R1と通常速度領域R3の位置がこの逆であってもよい。
24 コントローラ(操作部)
41 仮想空間生成手段
42 キャラクタ制御手段
43 領域設定手段
44 進入判定手段
45 移動方向判定手段
46 移動速度変更手段
P プレイヤキャラクタ(キャラクタ)
R2 速度変更領域
S 仮想空間

Claims (3)

  1. ユーザの操作を受け付ける操作部を備えるコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    仮想空間を生成する仮想空間生成手段、
    前記操作部に対するユーザの操作に応じて前記仮想空間内でのキャラクタの移動を制御するキャラクタ制御手段、
    前記仮想空間内において前記キャラクタが移動可能な領域の一部として、前記キャラクタの移動速度が通常速度に対して低減される速度変更領域を設定する領域設定手段、
    前記キャラクタが進入不可能に設定されている前記仮想空間内の所定の箇所に対して、前記速度変更領域内を移動する前記キャラクタが近づいているか否かを判定する移動方向判定手段、及び、
    前記キャラクタが前記所定の箇所に近づいていると判定された場合に、前記キャラクタが前記所定の箇所に近づくにつれて、前記キャラクタの移動速度を低減する移動速度変更手段、
    として機能させ、
    前記移動方向判定手段は、前記速度変更領域内を移動する前記キャラクタが、前記所定の箇所から遠ざかっているか否かを判定し、
    前記移動速度変更手段は、前記キャラクタが前記所定の箇所から遠ざかっていると判定された場合に、前記キャラクタが前記所定の箇所から遠ざかるにつれて、前記キャラクタの移動速度を前記通常速度に向かって増大させる、ゲームプログラム。
  2. 前記移動速度変更手段は、前記キャラクタが前記速度変更領域内に位置する場合であっても、前記所定の箇所から遠ざかる前記キャラクタの移動速度を、遠ざかり始めてから所定の時間内に前記通常速度へ戻す、
    請求項に記載のゲームプログラム。
  3. 請求項1または2に記載のゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、
    前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムを実行するコンピュータとを備えた、ゲームシステム。
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