JP6420338B2 - 負圧取扱装置または負圧締付装置、および負圧取扱装置のためのバルブ - Google Patents

負圧取扱装置または負圧締付装置、および負圧取扱装置のためのバルブ Download PDF

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Description

本発明は、請求項1の前提部分に記載されている、負圧取扱装置または負圧締付装置のためのバルブに関する。これは、吸引個所が未装填のときに自動的に閉じ、そのようにして、バルブの吸込側から負圧供給側への望ましくない漏れを防止するバルブである。
吸引個所が使用されていない状態にあるとき望ましくない漏れを回避するために、たとえば特許文献1は、ボールとして構成された弁体が流動通路に変位可能に配置された流動弁を示している。未装填の吸引個所を通って自由に吸込がなされると、流動通路にあるボールが、大きい流動パルスに基づいてシール座に向かって一緒に動かされ、流動通路を閉止する。流動パルスによる作動開始に基づき、このような種類のバルブは流動衝撃が生じたときに故障が起こりやすい。吸引個所が装填されているときにも、吸込プロセスの開始時における初期の流動衝撃に基づき、望ましくない仕方で閉止位置をとる可能性がある。
これに加えて、吸込側が使用されていない状態にあるとき、流動パルスに基づいて自動的な閉止が行われるのではなく、自由な吸込の際に生じる静的な圧力差によって開始されるバルブも知られている。特許文献2は、請求項1の前提部分の構成要件を備えるバルブを示している。弁体の柔軟な区域によって区切られる制御室が、負圧供給側と常時接続されている。制御室が圧縮されると柔軟な区域が変形して、弁体が閉止位置へ移されるようになっている。吸込側に対して、制御室は流動に関して完全に閉鎖されている。吸込側が使用されていない状態のときに吸込がなされると、吸込側では負圧が生じない。このことは、制御室と吸込側との間の静的な圧力差に基づいて制御室が圧縮されて、弁体が閉止位置へと移されるという結果につながる。このことは、流動パルスによって作動するバルブと比べたとき、流動衝撃による障害を回避することができるという利点をもたらす。しかしながら、自動的な閉止のための時間スケールや圧力変動に対する感度を、そのつどバルブによって制御される負圧取扱装置ないし負圧締付装置に合わせて適合化させなければならない。
請求項1の前提部分の構成要件を備える負圧弁が特許文献3に記載されており、その場合、弁体は円板状の部材によって形成される。
ドイツ特許出願公開第3429444A1号明細書 ドイツ特許第19814262C2号明細書 ドイツ特許出願公開第10216220A1号明細書
以上を背景とする本発明の課題は、吸込側が使用されていない状態にあるときに、負圧供給側と吸込側との間での望ましくない漏れを回避するとともに、その際に流動衝撃に対する望ましくない感度を回避し、ならびに、制御される負圧取扱装置または負圧締付装置の特性に合わせた適合化を可能にすることにある。
この課題は請求項1に記載のバルブによって解決され、ならびに、請求項10に記載の吸引把持装置によって解決される。出発点となるのは、閉止位置が流動パルスによってではなく、吸込側が使用されていない状態にあるときに生じる、バルブのそれぞれ異なる領域の間の静的な圧力差によって惹起される、自動的に閉止するバルブである。このバルブは、少なくとも1つの吸込開口部を有する吸込側と、負圧供給装置へ接続するための排出接続部を備える負圧供給側とを有している。負圧供給側と吸込側との間にバルブハウジングが設けられている。バルブハウジングの中には、吸込側に対して制御室を区切る柔軟な分離壁、たとえば隔膜が設けられている。制御室は排出貫通部を介して負圧供給側と流動接続されている。柔軟な分離壁には、開放位置と閉止位置との間で可動である弁体が配置されている。この弁体は、吸込側に対して負圧供給側を封止するために付属のシール座に当接可能であるシール部を有している。シール部は、特に、弁体が閉止位置にあるときに制御室が負圧供給側に対して封止されるように構成される。具体的にはシール部は、閉止位置のときに排出貫通部を閉止するとともに、開放位置のときに排出貫通部を開放するように配置されている。このときバルブは、制御室と吸込側との間の圧力差に依存して、特に制御室で吸込側に対して生じる負圧に依存して、柔軟な分離壁を変形させながら制御室の容積を低減することができるように構成されており、その際に弁体が開放位置から閉止位置へと動く。それにより、吸込側が使用されていない状態にあるときに自由な吸込がなされると、制御室で吸込側に対して生じる静的な負圧に基づき、弁体が閉止位置へと動く。
弁体は、開放位置が成立しているときに分離壁で区切られた制御室と吸込側を流動接続して、吸込側から制御室へ空気を吸入可能であるようにする吸引側貫通部を有している。弁体が柔軟な分離壁を貫通していて、シール部が分離壁の一方の側に位置するとともに、弁体の案内区域が分離壁の他方の側に位置することによって、高い機能安全性を有するコンパクトな構成が実現される。
バルブピストンが開放位置にあるとき、制御室では負圧供給部から提供される負圧が常時印加され、制御室を圧縮させようとする。吸込側から吸入される空気が吸引側貫通部を通って制御室の中へ追加流入するが、この流動は吸引側貫通部によって制限される。吸込側が未使用であるとき(自由な吸込)、比較的大きな流動が流動抵抗を介して圧力差をもたらし、すなわち吸込側に対する制御室内の負圧をもたらす。圧力差が事前設定された値または事前設定可能な値に達すると、このことは制御室の圧縮をもたらし、そのような圧縮は、分離壁を変形させながらのバルブピストンの閉止位置への運動と結びついている。その帰結として、シール部がバルブハウジングの付属のシール座に当接して、排出貫通部が閉止されるようになっている。負圧供給側と接続されている排出貫通部で生じる負圧に基づき、バルブピストンのシール部は閉止位置で保たれる。バルブは閉じたまま保たれ、弁体は閉止位置で吸引固定される。
したがって弁体は、吸込側が使用されていない状態にあるとき、流動パルスによって直接的に閉止位置へと移されるのではなく、制御室と吸込側との間で生じる静的な圧力差によって移される。本発明によるバルブでは、柔軟な分離壁の構成によって、特にその柔軟性によって、吸引側貫通部の構成によって、および/または排出貫通部の構成によって、負圧供給部ないし制御されるべき装置の流動工学的な特性に合わせた適合化を行うことができる。特に、バルブの反応感度を規定することができる。
吸込側と負圧供給側は接続部材を含むことができ、たとえば吸込側にはたとえば吸引グリッパなどの負圧取扱装置または負圧締付装置と接続するための吸込接続部材、そして負圧供給側には負圧供給装置に接続するための供給接続部材を含むことができる。
流動抵抗を調整するために、およびこれに伴って吸込側を通る吸引流に依存して生じる吸込側と制御室との間の負圧を調整するために、吸引側貫通部は絞り個所を有しているのが好ましい。絞り個所は、特に、流動抵抗を設定可能かつ変更可能であるように調整可能に構成されている。そのために、高い流動抵抗に相当する絞り位置と、比較的低い流動抵抗に相当する開放位置との間で可動である絞りアクチュエータが設けられていてよい。このことは、たとえば絞り通路にねじ込み可能な無頭ねじによって具体化することができる。流動抵抗の調整可能性は、バルブ感度の設定を可能にする。絞り個所の流動抵抗は、制御室から排出貫通部を通る吸引流に対する流動抵抗よりも大きいのが好ましい。絞り個所における吸引側貫通部の流動断面積は、もっとも狭い個所における排出貫通部の最小の流動断面積よりも小さいのが好ましい。
吸引側貫通部は案内区域で通路状に延びることができるとともに、柔軟な分離壁と弁体のシール部との間に設けられた、吸引側貫通部および吸込側と制御室との接続を成立させる接続開口部へ連通することができる。バルブピストンの通路状の区域に、絞り個所が配置されていてよいのが好ましい。
シール部は、テーパ状または吸引カップ状の凹部を区切っているのが好ましく、特に凹部を周回するシールリップを備えている。この凹部は排出口のほうを向いている。閉止位置のとき、凹部は、負圧供給側と接続されているが制御室に対して封止された吸引固定室を定義する。閉止位置のときには吸引固定室が排気され、バルブピストンが閉止位置のときに吸引固定される。特に、凹部はシール部の変形可能な壁部によって区切られて、閉止位置での吸引固定のときに吸引固定室が圧縮されて平坦に押圧され、シール部がシール座に当接するようになっている。
柔軟な分離壁は、周回する縁部に沿ってバルブハウジングに取付られるのが好ましい。特に、バルブハウジングは多部分で構成されており、分離壁はその取付のために、バルブハウジングのそれぞれ組合せ可能な部分の間でその縁部に沿って挟み込まれる。分離壁は、特に、弁体のための支持隔膜としての役目を果たす。弁体は、柔軟な分離壁のところで、周回する縁部から間隔をおいているのが好ましく、特に中央部で柔軟な分離壁に保持される。
分離壁の張力および/または弾性により、閉止位置への運動に対抗する、開放位置にあるときの弁体に対する初期応力を設定することができる。それによって自動閉止式のバルブの反応感度を調整することができ、特に、これを超えたときに弁体が閉止位置を占めるような圧力差を調整することができる。柔軟な分離壁の張力を調整可能である調整装置が設けられていることも考えられる。柔軟な分離壁に電気活性ポリマーを利用することや、柔軟な分離壁の内部のチャンバに電気粘性流体を入れることも考えられ、それにより、電圧を印加することによって柔軟な分離壁の剛性と柔軟性を調整可能である。
柔軟な分離壁は、制御室と反対を向いているほうの柔軟な分離壁の側で吸引側室が形成されるように延びているのが好ましい。この吸引側室は、特に、吸込側の吸込開口部と圧力接続されており、ないしはそのような吸込開口部へ連通している。それによって吸引側室は、吸込側で生じている圧力によって付勢される。すなわち柔軟な分離壁は、一方では制御室で生じている負圧で付勢され、他方では吸込側の圧力で付勢される。したがって分離壁の変形は、吸込側から制御室への流動のときに生じる、分離壁の両方の側での静的な圧力差に依存して行われる。
弁体は、柔軟な分離壁と一体的に構成されていてよい。バルブハウジングは、特に、ベース部分と閉止部分とを有するように多部分で構成される。ベース部分は閉止部分と結合され、その際に、柔軟な分離壁がベース部分と閉止部分との間で挟み込まれるのが好ましい。特に、その場合に制御室はベース部分の中へと延びる。このような実施形態により、バルブの製造や組立が簡素化される。
さらに別の実施形態のために、排出貫通部は、制御室から排出貫通部を通って負圧供給側へと向かう吸引流に対する流動抵抗を定義する排出絞り個所を有することができる。排出絞り個所も、上で吸引側貫通部との関連で説明したように、流動抵抗を調整可能であるように構成されていてよい。
冒頭で課された課題は、把持されるべき工作物に当接するための吸引室を備える吸引体を有し、吸引室は上で説明した種類のバルブの吸込側と接続されている、請求項10に記載の吸引把持装置によっても解決される。このとき吸引体は、柔軟な分離壁および/または弁体と結合されているのが好ましく、それにより、弁体が開放位置から閉止位置へ動いたとき、吸引体が押し出された吸引位置から引き戻された受動位置へと動くことになる。特に吸引体は、吸込室と反対を向いているほうの柔軟な分離壁の側に位置する、上で説明した弁体の案内区域と結合される。
吸引把持装置は、バルブハウジングを包囲する、ないしはこれを形成する装置ハウジングを有しているのが好ましい。吸引体は、押し出された吸引位置にあるときにバルブハウジングから突き出して工作物に当接可能であるように、装置ハウジングの中に配置されていてよい。閉止位置へバルブが切り換わると、吸引体は受動位置へと引き戻される。このことが特に好ましいのは、たとえば面状吸引グリッパの場合に該当するように、相並んで配置された複数の吸引体を吸引把持装置が含んでいる場合である。それにより、把持されるべき工作物の縁部に完全に密着して当接しておらず、そのためにそれぞれの吸込側を通る漏れが残っている吸引体が、他の吸引体の吸引作用に抗して、把持された工作物を吸引把持装置から押し離してしまうのを防止することができる。上述した実施形態では、そのような使用されていない吸引器は弁体の運動とともに閉止位置へと引き込まれる。
次に、本発明のその他の具体的事項や実施形態について、図面を参照しながら詳しく記述、説明する。
図1は、吸引把持装置10の一部分の断面図である。
図1は、吸引把持装置10の一部分を断面図として示している。この吸引把持装置10は、吸引把持装置10が使用されるときに、把持されるべき工作物16のほうを向く当接面14を備える装置ハウジング12を有している。複数の吸引体18が相並んで当接面14に配置されている。各々の吸引体18は、工作物16を吸着するためにこれに密着して当接する、吸込方向に開いた吸引室20を区切っている。
それぞれ1つの吸引体18に付属するように、それぞれの吸引室20への負圧供給を制御するためのバルブが設けられている。図1の図面では、相並んで配置された2つのバルブ30a,30bを見ることができる。バルブ30a,30bは装置ハウジング12に収容されている。その意味で、装置ハウジング12のそれぞれ1つの区域が、それぞれ1つの30a,30bのためのそれぞれ1つの付属のバルブハウジング32a,32bを形成する(符号へのアルファベットの添字は、それぞれバルブ30a,30bへの付属性を表す)。
装置ハウジング12は多部分で構成されており、それにより、バルブハウジング32a,32bも多部分で構成されている。したがって、各々のバルブハウジング32a,32bは、第1の装置ハウジングにより形成されるベース部分34a(ないし34b)と、これと結合された、下側に位置する第2の装置ハウジングによりそれぞれ形成される閉止部分36a,36bとを含んでいる。
装置ハウジング12の上側区域には、図示しない負圧供給装置と連通する負圧供給通路22が延びており、この負圧供給装置を用いて、空気またはその他の流体を負圧供給通路22から排気することができる。負圧供給通路22は、バルブ30a,30bの負圧供給側38a,38bの排出接続部にそれぞれ供給を行う。
それぞれのバルブハウジング32a,32bを形成する装置ハウジング12の区域は、それぞれの負圧供給側38a,38bと、吸込開口部を有するバルブ30a,30bの吸込側40a,40bとの間に延びている。吸込側40a,40bは、それぞれの吸引室20と連通している。その意味でバルブハウジング32a,32bは、吸込側40a,40bと負圧供給側38a,38bとの間に延びている。当然ながら、負圧供給側を介してたとえば負圧供給通路および負圧供給装置と接続されるとともに、吸込側を介して吸引把持装置の吸引室と接続可能である別々に構成されたバルブハウジング32を、各々のバルブ30a,30bが有してもよい。
バルブハウジング32a,32bのベース部分34a,34bには、当接面14から離れて負圧供給通路22に向かう方向に延びる、たとえば円筒状のバルブハウジング空洞部42が刻設されている。バルブハウジング空洞部42は、排出貫通部44を介して、負圧供給側38a,38bと流動接続されている。排出貫通部44には、流動抵抗を設定するための詳しくは図示しない絞り個所を設けてもよい。
下側に位置する閉止部分36a,36bと、上側に位置するベース部分34a,34bとの間に、柔軟な隔膜として構成された柔軟な分離壁46が挟み込まれている。柔軟な分離壁46は、バルブハウジング空洞部42の中で、排出貫通部44を介して負圧供給側38a,38bと接続された制御室48を区切っている。
閉止部分36a,36bは、バルブハウジング空洞部42と実質的に同軸に配置されたハウジング破断部50を有している。それにより、制御室48と反対を向いているほうの柔軟な分離壁46の側で吸引側室52が形成される。この吸引側室は、あとで詳しく説明するように、吸込側40a,40bおよびこれに伴って吸引室20とも圧力接続されている。その意味で柔軟な分離壁46は、一方では制御室48で生じている圧力で付勢されるとともに、他方では吸引側室52で生じている圧力で付勢される。
柔軟な分離壁46には弁体54が配置されており、この弁体は、柔軟に変形可能な材料で構成された、分離壁46から負圧供給側38a,38bに向かって延びるシール部56を有している。シール部56は、排出貫通部44に向かう方向に開いた、テーパ状または吸引カップ状の凹部58を有している。この凹部は、シール部56によってシールリップ状に包囲されている。弁体14はバルブハウジング空洞部42の中で、(一例としてバルブ30bに図示する)開放位置と、(バルブ30aに図示する)閉止位置との間で軸方向へスライド可能である。閉止位置のとき、凹部58を包囲するシール部56のシールリップ状の領域が、図示した例では排出貫通部44を有しているバルブハウジング32a,32bの壁部により形成されるシール座60に当接する。この閉止位置のとき、シール部56が負圧供給側38a,38bを制御室48に対して封止する。開放位置(バルブ30b参照)では、負圧供給通路22から排出貫通部44を通って制御室48への流動接続が成立する。
弁体54は柔軟な分離壁46を貫通し、吸引側室52へ突出している側で案内部62を形成する。案内部62はハウジング破断部50の中でクリアランスをもって案内されており、それにより、柔軟な分離壁46に接する吸引側室52では、吸込側40a,40bで生じている圧力が印加される。
弁体54には、案内部62の内部を、長手方向中心穴のような形式で通路状に延びる吸引側貫通部64が貫通し
ている。吸引側貫通部64は制御室48を吸引側室52と接続し、およびそれに伴って吸込側40a,40bと接続する。
吸引側貫通部64の過程で絞り個所66が向けられており、この絞り個所によって、吸引側室52ないし吸込側40a,40bから吸引側貫通部64を通って制御室48に入る流動に対する流動抵抗を設定することができる。図示した例では絞り個所66は、弁体54のための差込部分として構成された案内部62にある貫通通路として構成されている。したがって差込部分を交換することで、絞り個所66の流動抵抗を変更することができる。
通路状に構成された吸引側貫通部64は、弁体54の案内部62から負圧供給側38a,38bへと向かう方向で柔軟な分離壁46を貫いて延びるとともに、制御室48への弁体54の接続開口部68に連通する。このとき接続開口部68は、シール部56と柔軟な分離壁46との間に配置され、たとえば吸引側貫通部64に向かって半径方向に延びる破断部として構成されるのが好ましい。
図示した例では隔膜状の柔軟な分離壁46は、初期応力をかけられた状態でバルブハウジング32a,32bに配置されているのが好ましい。それにより弁体54が、バルブ30bに図示する開放位置からの偏向に抗して初期応力をかけられる。
バルブ30aについて吸込側40aに図示するように、吸込側がときに吸込が行われると、まず最初に生じるのは、吸引室20から吸込側40a、吸引側貫通部64を通って制御室48へと入り、そこから排出貫通部44を通って負圧供給通路22へと通じる流動である。しかし、この流動は絞り個所66によって制限されるので、吸込側40aが未装填のとき、吸引室20およびこれに伴って吸引側室52でさほどの負圧は生成され得ない。排出貫通部44を介して制御室が排気される。その意味において、絞り個所66によって設定される流動抵抗に基づき、吸引側室52ないし吸込側40aに対して制御室48で負圧が形成される。その帰結として、柔軟な分離壁46が制御室48の容積を縮小するように撓む(バルブ30aの図面参照)。このとき弁体54は開放位置から閉止位置の方向へ動く。その際にシール部56がシール座60に当接して、排出貫通部44を覆う。その帰結として制御室48が負圧供給側38aに対して封止され、負圧供給は凹部58により定義される部分室でのみ吸引をすることになる。弁体54は閉止位置で吸引固定される。制御室48では、絞り個所66による圧力補償を通じて、吸引側室52で生じている吸込側40aの圧力が引き続き生じる。したがって、未装填の吸込側40aによる自由な吸込がなされると、バルブ30aが自動的に閉止位置へと切り換わる。
吸引体18吸引室20が工作物16によって封止されると(その様子はバルブ30bについて図示されている)、絞り66を通ってさほどの流動が行われなくなり、したがって、制御室48では吸引側室52に対して十分な圧力差が形成されない。すると柔軟な分離壁46の撓みが行われず、バルブ30bで図示するように、弁体54が開放位置で保たれる。

Claims (12)

  1. 負圧取扱装置または負圧締付装置(10)のためのバルブ(30a,30b)であって、
    吸込側(40a,40b)および負圧供給装置へ接続するための負圧供給側(38a,38b)を有するバルブハウジング(32a,32b)と、
    排出貫通部(44)を介して前記負圧供給側(38a,38b)と接続された制御室(48)を前記バルブハウジング(32a,32b)の中で区切る柔軟な分離壁(46)と、
    開放位置と閉止位置との間で可動である、前記柔軟な分離壁(46)に配置された弁体(54)とを有しており、
    前記制御室で生じている負圧に依存して前記柔軟な分離壁(46)を変形させながら前記制御室の容積が低減されて、前記弁体(54)が開放位置から閉止位置へと動き、それにより、前記吸込側(40a)が使用されていない状態で自由な吸込がなされると前記制御室(48)で生じる負圧に基づいて前記弁体(54)が閉止位置へと動き、前記弁体(54)は前記制御室(48)と前記吸込側(40a,40b)を流動接続するための吸引側貫通部(64)を有しているバルブ(30a,30b)において、
    前記弁体(54)は、閉止位置のときに前記排出貫通部(44)を閉止するとともに開放位置のときに前記排出貫通部(44)を開放するシール部(56)を有しており、
    前記シール部(56)は、前記排出貫通部(44)を閉止するためにバルブハウジング(32a,32b)のシール座(60)に当接するように位置する
    バルブ(30a,30b)。
  2. 前記シール部(56)は、前記柔軟な分離壁(46)から負圧供給側(38a、38b)に向かう方向に延在している請求項1に記載のバルブ(30a,30b)。
  3. 前記弁体(54)は前記柔軟な分離壁(46)を貫通しており、前記シール部(56)は前記分離壁(46)の一方の側に位置するとともに案内区域(62)が他方の側に位置していることを特徴とする請求項1または2に記載のバルブ(30a,30b)。
  4. 前記吸引側貫通部(64)は、空気が吸入されたときに前記吸込側(40a,40b)と前記制御室(48)との間で負圧が形成されるように、前記吸込側(40a,40b)から前記制御室(48)への吸込流に対する流動抵抗を定義する絞り個所(66)を有していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバルブ(30a,30b)。
  5. 前記吸引側貫通部(64)は前記案内区域(62)を通路状に延びており、前記弁体(54)は前記柔軟な分離壁(46)と前記シール部(56)との間に、前記吸引側貫通部(64)が前記制御室(48)へ連通する接続開口部(68)を有していることを特徴とする、請求項3に記載のバルブ(30a,30b)。
  6. 前記シール部(56)は、前記排出貫通部(44)のほうを向く、変形可能な壁部によって区切られるテーパ状または吸引カップ状の凹部(58)を有していることを特徴とする、請求項1〜5のうちいずれか1項に記載のバルブ(30a,30b)。
  7. 前記柔軟な分離壁(46)は周回する縁部に沿って前記バルブハウジング(32a,32b)に取付られていることを特徴とする、請求項1〜6のうちいずれか1項に記載のバルブ(30a,30b)。
  8. 前記柔軟な分離壁(46)は、前記弁体(54)が開放位置にあるとき閉止位置への運動に抗して初期応力をかけられるように張力をかけられていることを特徴とする、請求項1〜7のうちいずれか1項に記載のバルブ(30a,30b)。
  9. 前記制御室(48)とは反対側を向いている前記柔軟な分離壁(46)の側に、前記吸込側(40a,40b)と圧力接続された吸引側室(52)が形成されていることを特徴とする、請求項1〜8のうちいずれか1項に記載のバルブ(30a,30b)。
  10. 前記バルブハウジング(32a,32b)はベース部分(34a,34b)およびこれと結合された閉止部分(36a,36b)を備えるように多部分で構成されており、前記柔軟な分離壁(46)は、前記制御室(48)が前記ベース部分(34a,34b)に延びるとともに前記閉止部分(36a,36b)への接続部のところで前記柔軟な分離壁(46)によって区切られるように、前記ベース部分(34a,34b)と前記閉止部分(36a,36b)との間に挟み込まれていることを特徴とする、請求項1〜9のうちいずれか1項に記載のバルブ(30a,30b)。
  11. 把持されるべき工作物に当接するための吸引室(20)を有する吸引体(18)と、請求項1〜10のいずれか1項に記載のバルブ(30a,30b)とを備え、前記吸引室(20)は前記バルブ(30a,30b)の吸込側(40a,40b)と接続されている吸引把持装置(10)。
  12. 前記吸引体(18)は、前記弁体(54)が開放位置から閉止位置へ動くときに前記吸引体(18)が押し出された吸引位置から引き戻された受動位置へと動くように、前記柔軟な分離壁(46)と結合されていることを特徴とする、請求項11に記載の吸引把持装置(10)。
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