JP6419794B2 - 主要な心臓有害事象に罹患する危険性を予測する方法 - Google Patents
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Description
・該対象から得られた体液中の、プロタキキニン又は少なくとも5つのアミノ酸から成るその断片又はプロタキキニン含有ペプチドのレベルを判定し;及び
・主要な心臓有害事象に罹患するか又は死亡する危険性と、該プロタキキニン若しくはその断片又はプロタキキニン含有ペプチドのレベルとを、高いレベルが主要な心臓有害事象に罹患するか又は死亡する高い危険性の予測となるように関連付けること、
を含む。
「高いレベル」という用語は、特定の閾値レベルを上回るレベルを意味する。
SPは、痛覚、炎症、血漿漏出、後毛細血管細静脈における血小板及び白血球凝集、並びに血管壁を透過する白血球走化性移動で役割を果たす(Otsuka M, Yoshioka K. Neurotransmitter functions of mammalian tachykinins. Physiol Rev. 1993 Apr;73(2):229-308.)。
NK−1Rの刺激によってサブスタンスPがヒト腱細胞のTNFα誘発アポトーシスを低減する能力を有することが示された(Br J Sports Med doi:10.1136/bjsports-2013-092438)。
男性における調査は、SPの非常に短い半減期(12分)によって妨げられた(Conlon, J.M., Sheehan, L. Conversion of substance P to C-terminal fragments in human plasma. Regul. Pept. 1983; 7:335-345.)。不安定なSPの代用品である安定したPTA(N末端プロ−サブスタンスP;以前はN末端プロタキキニンA又はNT−PTAとも呼ばれた)に関するアッセイの最近の発展(Ernst, A., Suhr, J., Kohrle, J., Bergmann, A. Detection of stable N-terminal protachykinin A immunoreactivity in human plasma and cerebrospinal fluid. Peptides 2008; 29 : 1201-1206.)は、ヒトの疾病におけるこのタキキニン系の役割に対する試験を可能にした。プロタキキニン断片PTA1−37は、サブスタンスPの代用マーカーになり得る。
・該対象から得られた体液中のプロタキキニン若しくは少なくとも5つのアミノ酸から成るその断片又はプロタキキニン含有ペプチドのレベルを判定し;そして
・主要な心臓有害事象に罹患する又は死亡の危険性と、該プロタキキニン若しくはその断片又はプロタキキニン含有ペプチドのレベルとを、高いレベルが主要な心臓有害事象に罹患する又は死亡する高い危険性の予測となるように関連付けること、
を含む。
・該対象から得られた体液中のプロタキキニン若しくは少なくとも5つのアミノ酸から成るその断片又はプロタキキニン含有ペプチドのレベルを判定し;ここで、PTA1−37、配列番号2、EEIGANDDLNYWSDWYDSDQIKEELPEPFEHLLQRIAに結合する少なくとも1つの結合剤が使用され、そして、ここで、該結合剤はPTA1−37に対して少なくとも107M-1の親和性を有し;そして
・主要な心臓有害事象に罹患する又は死亡する危険性と、該プロタキキニン若しくはその断片又はプロタキキニン含有ペプチドのレベルとを、高いレベルが主要な心臓有害事象に罹患する又は死亡する高い危険性の予測となるように関連付け;
・これにより、プロタキキニン若しくは少なくとも5つのアミノ酸から成るその断片又はプロタキキニン含有ペプチドのより高いレベル、或いはPTA1−37、配列番号2に結合する少なくとも1つの結合剤が使用されて判定される断片のより高いレベルが、主要な心臓有害事象に罹患する又は死亡するより高い危険性を示すこと、
を含む。
具体的な一実施形態において、本発明による予測は、前記対象が血栓溶解剤によって引き起こされる好ましくない効果を示すか否か、又は前記対象が血栓溶解剤に対して応答者であるか又は不応答者であるかという予測ではない。
よって、本発明の主題は、具体的な一実施形態において、薬剤に対する応答者、薬剤に対する不応答者、該薬剤を受けた後に好ましくない効果を示す対象への対象の分類を除く。特定の実施形態において、前記薬剤は血栓溶解剤である。急性心筋梗塞(AMI)を患った対象の主要な心臓有害事象に罹患する又は死亡する本発明による方法は、本発明の一実施形態において、薬剤とは無関係であり、特に血栓溶解剤の効果とは無関係である。
・該対象から得られた体液中の又はプロタキキニン若しくは少なくとも5つのアミノ酸から成るその断片又はのプロタキキニン含有ペプチドのレベルを判定し;そして
・主要な心臓有害事象に罹患する又は死亡する危険性と、前記プロタキキニン若しくはその断片又はプロタキキニン含有ペプチドのレベルとを、高いレベルが主要な心臓有害事象に罹患する又は死亡する高い危険性の予測となるように関連付けること、
を含む。
本発明による主要複合エンドポイントは、全死因死亡、心不全(HF)入院又は再発性AMI(re−AMI)を含めた主要な心臓有害事象(MACE)であって、それらは2年以内に評価されたものである。このことは、一実施形態において、主要な心臓有害事象が、全死因死亡、心不全(HF)入院又は再発性AMI(re−AMI)を含む群から選択されることを意味している。具体的な一実施形態において、主要な心臓有害事象は、2年以内の全死因死亡、心不全(HF)入院又は再発性AMI(re−AMI)を含む群から選択される。
サブスタンスP/ニューロキニン、並びにプロタキキニン及びその断片又はプロタキキニン含有ペプチドはプロタキキニンから等モル量で放出されるので、プロタキキニン及びその断片又はプロタキキニン含有ペプチドは、放出されたサブスタンスP及び/又は放出されたニューロキニンの代用マーカーとして使用されてもよい。一実施形態において、サブスタンスP又はニューロキニンを除いたプロタキキニン及びその断片又はプロタキキニン含有ペプチドのレベルが判定される。別の実施形態において、サブスタンスP又はニューロキニンのレベルが判定される。特定のペプチド又はペプチド断片のレベルは、例えば、前記プロタキキニン及びその断片又はプロタキキニン含有ペプチドに結合する少なくとも1つの結合剤を使用するいずれかの利用可能な解析法によって判定され得る。斯かる結合剤は抗体であってもよい。前記のレベルは、例えば、質量分析法によって判定されてもよい。
閾値は使用した較正方法を考慮して見られるべきであり、そして、上記の値は該実施例1、2及び3で使用されるアッセイ及び較正方法を考慮して見られるべきである。実施例1に従って本発明に使用される較正方法により、健康な対象のプロ−タキキニンの中央レベルは53pmol/Lに判定された。
本発明の一実施形態において、該対象からの前記体液サンプルは、AMIが起こった後の特定の時間枠内で採取され、この時間枠は、2カ月、より好ましくは1カ月、より好ましくは1週間、最も好ましくは24時間以内である。
本発明の一実施形態において、前記高いレベルは、ここ6カ月以内又はここ2年以内の主要な心臓有害事象に罹患する又は死亡する高い危険性の予測である。
実用性のために、当業者は閾値を使用してもよい。
よって、「高いレベル」という用語は、閾値レベルを上回るレベルを意味し得る。
体液とは、血液、血清、血漿、尿、脳脊髄液(csf)、及び唾液を含む群から選択され得る。
配列番号1(プロ−タキキニンA(1−107))
EEIGANDDLNYWSDWYDSDQIKEELPEPFEHLLQRIARRPKPQQFFGLMGKRDADSSIEKQVALLKALYGHGQISHKRHKTDSFVGLMGKRALNSVAYERSAMQNYERRR
体液において判定され得るプロ−タキキニンの断片は、例えば、以下の断片の群から選択されてもよい:
EEIGANDDLNYWSDWYDSDQIKEELPEPFEHLLQRIA
配列番号3(サブスタンスP)
RPKPQQFFGLM(−NH2)
配列番号4(神経ペプチドK)
DADSSIEKQVALLKALYGHGQISHKRHKTDSFVGLM(−NH2)
配列番号5(神経ペプチドガンマ)
GHGQISHKRHKTDSFVGLM(−NH2)
配列番号6(ニューロキニン1)
HKTDSFVGLM(−NH2)
ALNSVAYERSAMQNYE
配列番号8(PTAアイソフォームα)
EEIGANDDLNYWSDWYDSDQIKEELPEPFEHLLQRIARRPKPQQFFGLMGKRDADSSIEKQVALLKALYGHGQISHKMAYERSAMQNYERRR
EEIGANDDLNYWSDWYDSDQIKEELPEPFEHLLQRIARRPKPQQFFGLMGKRDADSSIEKQVALLKALYGHGQISHKRHKTDSFVGLMGKRALNSVAYERSAMQNYERRR
配列番号10(PTAアイソフォームデルタ)
EEIGANDDLNYWSDWYDSDQIKEELPEPFEHLLQRIARRPKPQQFFGLMGKRDAGHGQISHKMAYERSAMQNYERRR
EEIGANDDLNYWSDWYDSDQIKEELPEPFEHLLQRIARRPKPQQFFGLMGKRDAGHGQISHKRHKTDSFVGLMGKRALNSVAYERSAMQNYERRRSEQ
配列番号12(PTA3−22)
GANDDLNYWSDWYDSDQIK
配列番号13(PTA21−36)
IKEELPEPFEHLLQRI
本発明による方法のより具体的な実施形態において、プロタキキニンのレベルが判定される。
抗体の親和性を判定するために、固定された抗体に対する、PTA、そのスプライス改変体又はその断片の結合の動力学は、Biacore 2000システム(GE Healthcare Europe GmbH,Freiburg,Germany)を用いて、標識なしの表面プラズモン共鳴によって判定された。抗体の可逆的固定化は、製造業者の説明書(マウス抗体捕捉キット;GE Healthcare)に従って、CM5センサー表面に高密度で共有結合させた抗マウスFc抗体を用いて実施した。(Lorenz et al.,“ Functional Antibodies Targeting IsaA of Staphylococcus aureus Augment Host Immune Response and Open New Perspectives for Antibacterial Therapy“; Antimicrob Agents Chemother. 2011 January; 55(1): 165-173.)。
−「健常な」又は「見かけ上健常な」対象の集団において予め判定された試料一式において、対象から得られた体液中のプロタキキニン若しくはその断片又はプロタキキニン含有ペプチドのレベルの中央値との比較、
−「健常な」又は「見かけ上健常な」対象の集団において予め判定された試料一式において、対象から得られた体液中のプロタキキニン若しくはその断片又はプロタキキニン含有ペプチドのレベルの変位値との比較、
−コックス比例ハザード分析に基づく、又はNRI(純再分類指数)若しくはIDI(統合判別指数)などの危険性指標計算を用いることによる計算。
本発明による方法の別の実施形態において、前記観察は、採用した予防的対策及び/又は治療学的対策に対するAMIに罹患した該対象の応答を評価するために実施される。
本発明による方法の別の実施形態において、前記方法は、AMIに罹患している前記対象を危険群に分類するのに使用される。
また、本発明は、本発明による方法を実施するためのポイントオブケアデバイスをも想定する。
また、本発明は、本発明による方法を実施するためにアッセイ及び/又はキットも想定する。
PTA−イムノアッセイ
抗PTA抗体の生成
免疫化のためのペプチド/コンジュゲート:
免疫化のためのペプチドを、ウシ血清アルブミン(BSA)へのペプチドのコンジュゲートのために、追加のN末端システイン残基を用いて合成した(JPT Technologies,Berlin,Germany)。そのペプチドを、Sulfo−SMCC(Perbio-science,Bonn,Germany)を使用することによってBSAに共有結合で連結した。カップリング手順を、Perbioのマニュアルに従って実施した。
BALB/cマウスを、0及び14日目に100μgのペプチド−BSAコンジュゲート(100μlの完全フロイントアジュバント中に乳化)、21及び28日目に50μg(100μlの不完全フロイントアジュバンド中)で免疫した。融合実験を実施する3日前に、動物に、1回の腹腔内注射及び1回の静脈内注射として与えられる、100μlの生理食塩水中に溶解した50μgのコンジュゲートを与えた。
抗体を標準的な抗体製造法によって産生させ(Marx et al., Monoclonal Antibody Production (1997), ATLA 25, 121)、Protein A−クロマトグラフィーによって精製した。抗体純度は、SDSゲル電気泳動分析に基づき>95%であった。
以下の手法に従って、アクリジニウムエステルを用いて全ての抗体を標識した:
標識された化合物(トレーサー、抗PTA3−22):100μg(100μl)抗体(PBS中1mg/ml、pH7.4)を10μlのアクリジニウムNHS−エステル(アセトニトリル中1mg/ml、In Vent GmbH,Germany)(EP0353971)と混合し、室温で20分間インキュベートした。標識された抗体をBio-Sil SEC400-5(Bio-Rad Laboratories,Inc.,USA)上のゲル濾過HPLCによって精製した。精製された標識抗体を(300mmol/lのリン酸カリウム、100mmol/lのNaCl、10mmol/lのNa−EDTA、5g/1ウシ血清アルブミン、pH7.0)に希釈した。最終濃度は、200μlあたり、標識化合物の約800,000相対光単位(RLU)(約20ngの標識抗体)であった。アクリジニウムエステルの化学発光は、AutoLumat LB953(Berthold Technologies GmbH & Co.KG)を用いて測定された。
固相:ポリスチレンチューブ(Greiner Bio-One International AG,Austria)を抗PTA22−36抗体(1.5μg抗体/0.3ml 100mmol/L NaCl、50mmol/l Tris/HCl、pH7.8)でコーティングした(18時間室温)。5%ウシ血清アルブミンでブロッキングした後、チューブをPBS、pH7.4で洗浄し、真空乾燥させた。
50μlのサンプル(又は較正因子)をコーティングしたチューブにピペットで入れ、標識抗体(200μl)を添加後、チューブを2時間18〜25℃でインキュベートした。非結合のトレーサーを洗浄溶液(20mmol/l PBS、pH7.4、0.1%Triton X−100)で5回(各1ml)洗浄することによって除去した。チューブに結合した標識抗体は、Luminumeter LB953、Berthold、Germansyを用いて測定された。
20mMのK2PO4、6mMのEDTA、0.5%BSA、50μMアムスタチン、100μMロイペプチン、pH8.0中で希釈した合成P37の希釈物を用いてアッセイを較正した。PTA対照血漿は、ICI-diagnostics、Berlin、Germanyで入手可能である。
実施例2
研究集団:
我々は、2004年8月から2007年4月の間に大学病院のレスターNHSトラストに入院した1148人のSTEMI(=STセグメント上昇型心筋梗塞)及びNSTEMI(=非STセグメント上昇型心筋梗塞)患者を試験した。この観察コホート研究は、ヘルシンキ宣言を順守し、且つ、地域の倫理委員会によって承認された。患者から書面によるインフォームド・コンセントを得た。99パー千タイル値を超える心臓トロポニンIレベルを次の:20分以上継続する胸痛、又は新規の病理学的Q波又はSTセグメント及びT波変化から成る診断的連続心電図変化、のうちの少なくとも1つと共に患者が示した場合に、AMIを診断した(Thygesen K, Alpert JS, White HD; Joint ESC/ACCF/AHA/WHF Task Force for the Redefinition of Myocardial Infarction. Universal definition of myocardial infarction. Circulation 2007;116:2634-53.)。前月に既知の悪性腫瘍を患っていた、腎代償療法を受けた又は外科手術を受けた患者を除外した。概算腎糸球体濾過率(eGFR)をModification of Diet in Renal Diseaseの式から算定した(Smilde TD, van Veldhuisen DJ, Navis G, Voors AA, Hillege HL. Drawbacks and prognostic value of formulas estimating renal function in patients with chronic heart failure and systolic dysfunction. Circulation 2006;114:1572-80.)。すべての患者が主治医の裁量で標準的治療と血管再生術を受けた。
血液サンプル(EDTA及びアプロチニンで抗凝固した)を、15分間の床上安静後、診断直後、及び症状発症の36時間以内を採血した。血漿を、血漿PTA及びNTproBNPの盲検測定向けの一つのバッチで、アッセイするまで−80℃にて保存した。
経胸壁超音波心エコー図検査を、Sonos5500又はIE33装置(Philips Medical Systems, Reigate, UK)のいずれかを使用して、最初の入院中に895人(77.9%)の患者に実施した。16セグメントの左室壁運動指数(LVWMI)スコアをAmerican Society of Echocardiography法に基づいて実施した(Schiller NB, Shah PM, Crawford M, et al. Recommendations for quantitation of the left ventricle by two-dimensional echocardiography. American Society of Echocardiography Committee on Standards, Subcommittee on Quantitation of Two-Dimensional Echocardiograms. J Am SocEchocardiogr. 1989; 2: 358-367.)。好適な患者では、左室駆出分画(LVEF)を、ディスク式の二方向法を使用して計算した。LV収縮機能障害(LVSD)を、LVEF<40%又はLVWMI>1.8と定義した。
急性冠症候群患者の国際的な観察データベースに基づいて、院内死亡率を予測するために(Granger CB, Goldberg RJ, Dabbous O, et al. Global Registry of Acute Coronary Events Investigators. Predictors of hospital mortality in the global registry of acute coronary events. Arch Intern Med. 2003; 163 : 2345-53.)又は6カ月間の死亡及び/又は再MIと規定した主要な心臓有害事象(MACE)に関して(Eagle KA, Lim MJ, Dabbous OH, et al. A validated prediction model for all forms of acute coronary syndrome: estimating the risk of 6-month post discharge death in an international registry. JAMA 2004;291:2727-33.)、GRACEスコアを最初の概要説明のときに計算できる。我々は、6カ月の死亡及び/又はre−AMIエンドポイントとの比較のために退院に対するGRACEスコアを使用した。
本発明による主要複合エンドポイントは、全死因死亡、心不全(HF)入院又は再発性AMI(re−AMI)を含めた主要な心臓有害事象(MACE)であって、それらは2年以内に評価されたものである。HFによる入院は、高用量の利尿剤、循環作動薬又は静脈内硝酸塩での処置を必要とする主な理由がHFである再入院と規定された。再発性AMIは、一般的な定義を使用して診断された(Thygesen K, Alpert JS, White HD; Joint ESC/ACCF/AHA/WHF Task Force for the Redefinition of Myocardial Infarction. Universal definition of myocardial infarction. Circulation 2007;116:2634-53.)。第二のエンドポイントは、死亡及び/又はre−AMIと死亡及び/又はHF再入院の複合、並びに個別のre−AMIであった。6カ月時点での死亡及び/又はre−AMIのエンドポイントは、この時点が危険性スコアの作成に使用される場合、GRACEスコアに関する分析に使用された。エンドポイントは、その地域の病院のデータベース及びOffice of National Statistics Registryを参照し、並びに患者への電話によって得た。我々は100%の経過観察を達成した。
統計的分析を、SPSSバージョン20(SPSS Inc, Chicago, Illinois)及びStata12.1(Texas,USA)で実施した。15%の事象率及び共変量が最大30%のバイオマーカーの変化を予測すると仮定すれば、600人の患者のサンプルサイズは、1.5のバイオマーカーのハザード比を検出するために動かされる(p<0.05にて90%)。バイオマーカーレベルをlog10変換したので、そのためハザード比はこれらのマーカーのレベルで十倍増を指す。GRACEスコアを元のスコアとして使用した。ノンパラメトリック検定法を、非Gauss形データ(マン−ホイットニーのU検定、クラスカルワリスの検定、及びスピアマン(rs)関連付け)に対して用いた。PTAレベルの独立予測因子を、一変量の一般線形モデルを使用して評価した。バイオマーカーの予後的価値を評価するために、「ベース」モデルをコックス生存分析を使用して作り出し、そしてそれは、一変量解析法の任意の試験エンドポイントに有意(p<0.10)に関係する変数(年齢、性別、虚血性心疾患(IHD)、高血圧又は糖尿病に関する既往歴、Killip分類、eGFR、及びログトロポニンI)を含んでいた。バイオマーカー(NTproBNP、PTA)をこのベースモデルに追加して、すべての変数が同時に入力されたそれぞれの相対予後的価値を評価する。第二の「比較」コックスモデルを、これらのバイオマーカーの相対予後力とGRACEスコアを評価するのに使用した。GRACEスコアに対するPTAの追加予後的価値は、Pencinaら(Pencina MJ, D'Agostino RB Sr, Steyerberg EW. Extensions of net reclassification improvement calculations to measure usefulness of new biomarkers. Stat Med. 2011; 30:11-21.)によって記載された無カテゴリ純再分類改善度(NRI)の計算による再分類分析によって評価した。我々は、カイ二乗自動反復検出(CHAID、SPSSを使用して実施した分析)を使用してデシジョンツリーを構築し、そしてそれは、従属変数を伴った最も強い相互作用を有するバイオマーカーを各ステップで選択した。
PTAの四分位数による調査対象集団の特徴を表2に示す。より高いPTAレベルを有する患者は、高齢の、女性で、高血圧、IHD、糖尿病、HFの既往歴があり、より高いGRACEスコア、NTproBNP、及びグルコースレベルを有する。彼らはまた、より損なわれた心臓及び腎臓機能も有していた。
スピアマン分析(rs)は、PTAが年齢(0.521)、eGFR(−0.555)、拡張期BP(−0.178)、NTproBNP(0.428)、駆出分画(−0.175)(すべてP<0.0005)、及び心拍数(0.100、P<0.001)に有意に創刊することを明らかにした。PTAは、トロポニン又はピーククレアチンキナーゼレベルとは相関しなかった。
その29人が2年以内にMACEを患っている110人の患者に関して、5日間の連続した血漿サンプルを利用可能であった。図2は、血漿プロフィルが期間を通じてPTAの有意な変化を示し(p<0.001)、且つ、MACEを患っているヒトで高いレベルを示す(p<0.03)頻回測定による一般線形モデルを実証している。
hoc後試験では、1日目のPTAレベルは3、4又は5日目より高かった(それぞれp<0.001、0.004及び0.002、多重比較のためにボンフェローニ補正した)。1日目と2日目のPTAレベルは類似していた。MACEとPTAの時間プロフィルとの統計的に有意な相互作用は存在しなかった。
2年間にわたる経過観察中、(log10変換及び連続的変量として表された)高いPTAレベルを有する患者は、追加のMACE、死亡、及びHF又はre−AMIを患って再入院した(表2)。表4は、2年時点にてMACEの転帰に影響した様々な因子の一変量及び多変量のハザード比を報告している。
有意な一変量予測因子及びNTproBNPを含むモデルでは、虚血性心疾患の過去の既往歴に関して有意(p=0.055)な傾向があった。これへのPTAの追加は、PTAがre−AMIの有意な予測因子であることを明らかにした(モデル2、表5)。心エコーLVSDが追加されたとき、PTAは有意な傾向を示した(モデル3、表5)。
広く使用したGRACE危険性スコア(Eagle KA, Lim MJ, Dabbous OH, et al. A validated prediction model for all forms of acute coronary syndrome: estimating the risk of 6-month post discharge death in an international registry. JAMA 2004;291:2727-33.)を、6カ月時点での死亡及び/又はMIの予測のために初めに得た。GRACEスコア、並びにバイオマーカーNTproBNP及びPTAは、一変量解析法におけるMACEの予測因子であった(表6)。
6カ月時点でのMACE、死亡及び/又はMI、並びに死亡及び/又はHFの多変量解析では、GRACEスコア及びPTAが予測因子であり、その一方で、NTproBNPは、MACE及び死亡及び/又はHFモデルのためだけに保持された(表6のモデル1と3)。
三分位値を6カ月時点での死亡及び/又はMIの確率に関する2つのカットオフに選んだ場合、再分類分析は、PTAが有意な純NRI(9.8、P<0.025)でエンドポイントなしのヒトを主に下位分類したことを示した。
6カ月時点での死亡及び/又はMIの確率に関して2つのカットオ(5%及び10%)フが選ばれた場合、6カ月時点での死亡及び/又はMIエンドポイントのないヒトのNRIは、11.7(P<0.0005)であり、エンドポイントを有するヒトのNRIは有意ではなく、9.0(P<0.005)の全体的なNRIに至った。
バイオマーカーの最適な切り取り点を判定するために、我々は、患者を生存者又はエンドポイントを有する者に分類するために(PTA及びNTproBNPレベル、並びにGRACEスコアを使用して)デシジョンツリーを構築した。6カ月時点での死亡及び/又はMIのエンドポイントに関しては(図4)、82.8pmol/L未満のPTAを、死亡及び/又はMIに関して低い危険性を有する(本来の集団における15.5%と比較して6.3%)、2256pmol/L未満の低いNTproBNP及び137未満のGRACEスコアを有するヒトのサブグループ(n=583、全体の50.8%)に選択した。
72.1pmol/Lのカットオフ値を使用することで、死亡及び/又はMIの複合エンドポイントに関するカプランマイヤー生存分析により、このカットオフ未満のレベルを有する者(n=689、全体の60%)と、このカットオフを超えたレベルを有する者の間の有意差を実証した(ログランク検定に関するP値<0.0005)(図6)。
Claims (17)
- 急性心筋梗塞を患った対象における主要な心臓有害事象に罹患する又は死亡する危険性を予測する方法であって、デバイスにより行われる以下の工程:
・該対象から得られた体液中のプロタキキニン若しくは少なくとも5つのアミノ酸から成るその断片又はプロタキキニン含有ペプチドのレベルを判定し;そして
・主要な心臓有害事象に罹患する又は死亡の危険性と、該プロタキキニン若しくはその断片又はプロタキキニン含有ペプチドのレベルとを、高いレベルが主要な心臓有害事象に罹患する又は死亡する高い危険性の予測となるように関連付けること、
を含み、
前記主要な心臓有害事象が、心筋梗塞、脳卒中、及び急性心不全を含む群から選択される急性の主要な心臓有害事象である、方法。 - 前記対象から得られた体液中のプロタキキニン若しくは少なくとも5つのアミノ酸から成るその断片又はプロタキキニン含有ペプチドのレベルを判定し;ここで、PTA1−37、配列番号2、EEIGANDDLNYWSDWYDSDQIKEELPEPFEHLLQRIAに結合する少なくとも1つの結合剤が使用され、そして、ここで、該結合剤がPTA1−37に対して少なくとも107M-1の親和性を有する、請求項1に記載の方法。
- 前記対象からの前記体液サンプルが、急性心筋梗塞発生後の特定の時間枠内で採取され、この時間枠が2カ月である、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記対象からの前記体液サンプルが、急性心筋梗塞発生後の特定の時間枠内で採取され、この時間枠が1カ月である、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記対象からの前記体液サンプルが、急性心筋梗塞発生後の特定の時間枠内で採取され、この時間枠が1週間である、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記対象からの前記体液サンプルが、急性心筋梗塞発生後の特定の時間枠内で採取され、この時間枠が24時間以内である、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記高いレベルが、ここ6カ月以内又はここ2年以内の主要な心臓有害事象に罹患する又は死亡する高い危険性の予測である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の急性心筋梗塞を患った対象における主要な心臓有害事象に罹患する又は死亡する危険性を予測する方法。
- 更に、以下のマーカー:トロポニンI、トロポニンT、CRP、LpLA2、サイスタチンC及びA型及びB型のナトリウム利尿ペプチド、それらの前駆体、及びそれらの断片、ANP、proANP、NT−proANP、MR−proANP、BNP、proBNP、NT−proBNPトリグリセリド、HDLコレステロール又はその副画分、LDLコレステロール又はその副画分、GDF15、ST2、コペプチン、並びにPURSUIT、TIMI、GRACE及びFRISC危険性スコアから選択されるいずれかのスコアのうちの1若しくは複数のレベルがデバイスにより判定され、そして、使用される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 追加で少なくとも1つの臨床的パラメーターがデバイスにより判定され、該パラメーターとして:年齢、収縮期血圧、拡張期血圧、抗高血圧治療、ボディーマスインデックス、糖尿病の存在、現在の喫煙が含まれる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プロタキキニン若しくはその断片又はプロタキキニン含有ペプチドのレベルが、免疫学的アッセイによって評価される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
- 前記方法が、対象における主要な心臓有害事象に罹患する又は死亡する危険性を観察するために複数回実施される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
- 前記観察が、採用した予防的対策及び/又は治療的対策に対する前記対象の応答を評価するために実施される、請求項11に記載の方法。
- 前記対象を危険群に分類するための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法を実施するためのデバイスの使用。
- 前記デバイスがポイントオブケアデバイスである、請求項14に記載の使用。
- 次の:
・プロBNP、又は少なくとも5つのアミノ酸を有するその断片若しくは前駆体に対する結合剤、及び
・プロタキキニン若しくは少なくとも5アミノ酸から成るその断片又はプロタキキニン含有ペプチドに対する結合剤、及び/又はCRPに対する結合剤、
を含んでいる、請求項1〜13のいずれか1項に記載の主要な心臓有害事象に罹患する危険性を予測する方法のためのデバイスの使用。 - 前記結合剤が、抗体、抗体断片及び非Ig足場を含む群から選択される、請求項16に記載の主要な心臓有害事象に罹患する危険性を予測する方法のためのデバイスの使用。
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