JP6419082B2 - リコンビナーゼに基づく論理/メモリシステム - Google Patents

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Description

関連出願
本出願は、35U.S.C.§119(e)の下で、2012年12月13日に出願された米国仮出願第61/736,792号、および2013年1月26日に出願された米国仮出願第61/757,113号の利益を主張する;これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
連邦支援研究
本発明は、政府の支援により、National Institutes of Healthによる助成金番号OD008435、およびSpace and Naval Warfare Systems Centerによる契約番号N66001-12-C-4016のもとでなされた。政府は本発明に一定の権利を有する。
発明の背景
合成生物学の中心的目標は、意思決定のための入力信号と動作を統合する細胞ネットワークを作り出すことである[1]。近年、人工的な論理ゲート[2〜4]とメモリデバイス[5,6]が、独立して構築されてきた。細胞論理の以前の実装においては、複雑なゲートは複数の遺伝子回路の階層化を必要とし[2,7]、したがって回路構成とチューニングに多大な努力が必要であった。これらの複雑な論理ゲートは、組合せ論理のみを実現することができる。
本発明は、とりわけ、生細胞において組合せ論理とメモリとを統合するための、合成リコンビナーゼに基づくシステムを提供する。統合された論理およびメモリは、順序論理などの、複雑かつ持続的な状態に依存した計算を実行するために重要である[8]。プログラミングルールの定義されたセットを使用して、本発明の論理/メモリシステム(logic and memory system)は、任意のブール論理関数と、事象の、DNAに基づく安定したメモリとの、効率的なワンステップのアセンブリを可能にする。これらのシステムは、化学誘導物質の入力を利用して、プロモーターからの直交リコンビナーゼの発現を駆動する。これらのリコンビナーゼはDNAの反転または切除のための遺伝子エレメントを標的として、条件付きの核酸発現をもたらす。かかる論理/メモリシステムは、治療、診断および基礎科学的用途のための細胞の状態機械(ステートマシン)、挙動および経路のプログラミングを含む、種々の用途に有用である。
したがって、本発明のいくつかの側面において、本明細書で提供されるのは、単一細胞内で作動可能な合成論理/メモリシステムであって、システムが、以下:少なくとも2つのプロモーターおよび少なくとも2つのリコンビナーゼをコードする複数の核酸配列、ここでリコンビナーゼをコードする複数の核酸配列の各々は、異なるプロモーターに作動可能に連結されている;プロモーターおよび/または一方向性ターミネーターなどの遺伝子調節エレメントに作動可能に連結されているか、または条件付きで作動可能に連結されている出力核酸配列の単一遺伝子回路構築物である、複数の論理ゲート、ここで出力核酸、プロモーターおよびターミネーターなどの遺伝子調節エレメントの少なくとも1つは、リコンビナーゼの少なくとも1つのフォワード認識部位およびリバース認識部位に隣接している;を含み、ここで前記論理ゲートが、TRUE論理ゲートおよびFALSE論理ゲートを除く全ての2入力ブール論理関数を提供する、前記合成論理/メモリシステムである。
本発明のいくつかの側面において、本明細書で提供されるのは、単一細胞内で作動可能な合成論理/メモリシステムであって、システムが、以下:少なくとも2つのプロモーターおよび少なくとも2つのリコンビナーゼをコードする複数の核酸配列、ここでリコンビナーゼをコードする複数の核酸配列の各々は、異なるプロモーターに作動可能に連結されている;プロモーターおよび/または一方向性ターミネーターなどの遺伝子調節エレメントに作動可能に連結されているか、または条件付きで作動可能に連結されている出力核酸配列の単一遺伝子回路構築物である、複数の論理ゲート、ここで出力核酸、プロモーターおよびターミネーターなどの遺伝子調節エレメントの少なくとも1つは、リコンビナーゼの少なくとも1つのフォワード認識部位およびリバース認識部位に隣接している;を含み、ここで前記論理ゲートが、少なくとも2種の2入力ブール論理関数を提供する、前記合成論理/メモリシステムである。いくつかの態様において、論理ゲートは、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、少なくとも7種、少なくとも8種、または少なくとも9種の、2入力ブール論理関数を提供する。いくつかの態様において、論理ゲートは、TRUE論理ゲートおよびFALSE論理ゲートを提供し、一方別の態様において、論理ゲートは、TRUE論理ゲートおよびFALSE論理ゲートを提供しない。
リコンビナーゼの発現は、外部入力または細胞調節信号などの目的の信号に、作動可能に連結されている。いくつかの態様において、少なくとも2つのプロモーターの1または2以上は、誘導性プロモーターである。
いくつかの態様において、少なくとも2つのリコンビナーゼは、不可逆的リコンビナーゼである。いくつかの態様において、少なくとも2つの不可逆的リコンビナーゼは、セリンリコンビナーゼである。いくつかの態様において、セリンリコンビナーゼは、Bxb1およびphiC31である。
いくつかの態様において、論理ゲートは、NOR、AND、OR、NAND、A、NOT A、B、NOT B、A IMPLY B、A NIMPLY B、B IMPLY A、B NIMPLY A、XORおよびXNORである。いくつかの態様において、本発明の合成論理/メモリシステムはさらに、TRUEおよび/またはFALSE論理ゲートを含み、ここでTRUE論理ゲートは、プロモーターに作動可能に連結された出力核酸配列の単一遺伝子回路構築物であり、およびFALSE論理ゲートは、反転プロモーターのすぐ下流の出力核酸配列の単一遺伝子回路構築物である。
いくつかの態様において、出力核酸は出力産物をコードする。いくつかの態様において、出力産物は、レポータータンパク質、転写リプレッサー、転写アクチベーター、選択マーカー、酵素、受容体タンパク質、リガンドタンパク質、RNA、リボスイッチ、ショートヘアピンRNAまたはリコンビナーゼである。
いくつかの態様において、NOR論理ゲートは、(a)プロモーターに作動可能に連結された出力核酸、および(b)2つの一方向性ターミネーターの単一遺伝子回路構築物であり、ここで各ターミネーターは反転されており、異なるフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接しており、かつプロモーターと出力核酸との間に配置されている。
いくつかの態様において、AND論理ゲートは、プロモーターに条件付きで作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここで出力核酸とプロモーターはそれぞれ反転されており、かつ異なるフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接している。
いくつかの態様において、OR論理ゲートは、2つのプロモーターに条件付きで作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここで各プロモーターは反転されており、かつ異なるフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接している。
いくつかの態様において、NAND論理ゲートは、2つのプロモーターに作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここで各プロモーターは異なるフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接している。
いくつかの態様において、A論理ゲートは、プロモーターに条件付きで作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここで出力核酸は反転されており、かつフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接している。
いくつかの態様において、B論理ゲートは、プロモーターに条件付きで作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここでプロモーターは反転されており、かつフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接している。
いくつかの態様において、NOT A論理ゲートは、プロモーターに作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここで出力核酸はフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接している。
いくつかの態様において、NOT B論理ゲートは、プロモーターに作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここでプロモーターはフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接している。
いくつかの態様において、A IMPLY B論理ゲートは、第1プロモーターに作動可能に連結され、および第2プロモーターに条件付きで作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここで第1プロモーターはフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接しており、第2プロモーターは反転されており、異なるフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接しており、かつ第1プロモーターと出力核酸との間に配置されている。
いくつかの態様において、B IMPLY A論理ゲートは、第1プロモーターに条件付きで作動可能に連結され、および第2プロモーターに作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここで第1プロモーターは反転されており、かつフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接しており、第2プロモーターは異なるフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接しており、かつ第1プロモーターと出力核酸との間に配置されている。
いくつかの態様において、A NIMPLY B論理ゲートは、プロモーターに条件付きで作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここでプロモーターはフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接しており、および出力核酸は反転されており、かつ異なるフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接している。
いくつかの態様において、B NIMPLY A論理ゲートは、プロモーターおよび一方向性ターミネーターに条件付きで作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここでプロモーターは反転されており、かつフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接しており、およびターミネーターは反転されており、異なるフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接しており、かつプロモーターと出力核酸との間に配置されている。
いくつかの態様において、XOR論理ゲートは、プロモーターに条件付きで作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここでプロモーターは反転されており、かつ2つの異なるフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接している。
いくつかの態様において、XNOR論理ゲートは、プロモーターに作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここで出力核酸は2つの異なるフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接している。
いくつかの態様において、論理ゲートは、少なくとも2つのプロモーター(例えば、構成的プロモーター)を含む単一遺伝子回路構築物を含んでよく、ここで各プロモーターは異なる強さである。いくつかの態様において、論理ゲートは、一対のプロモーターを含んでよく、ここで任意に、各プロモーターは異なる強さである。かかる一対のプロモーターは、強さが異なる場合、本明細書において一対の変異体プロモーターと呼んでもよい。いくつかの態様において、プロモーター(単数または複数)は、proD、proA、およびproCから選択される。
別の側面において、本明細書で提供されるのは、本発明の合成論理/メモリシステムを含む細胞である。いくつかの態様において、細胞は、少なくとも2つの本発明の論理ゲートを含む。
さらに別の側面において、本明細書で提供されるのは、細胞を、少なくとも1つの不可逆的リコンビナーゼおよび少なくとも2つの本発明の論理ゲートを含むように操作することを含む、遺伝子発現または細胞分化を改変する方法である。
添付の図面は、縮尺通りに描くことを意図していない。図面において、様々な図に示される同一またはほぼ同一の構成要素の各々は、同様の数字によって表される。明確にするために、必ずしも全ての構成要素が全ての図面でラベル付けされてはいない。
図1は、本発明による、リコンビナーゼに基づく統合論理/メモリシステムを構築するためのプラットフォームの概要図を示し、該プラットフォームは、所望の計算関数を、単純なギブソン・アセンブリで構成可能な[プロモーター(単数または複数)]−[ターミネーター(単数または複数)]−[出力]デザインへと翻訳するための、簡単なプログラミング言語を含む。N−アシルホモセリンラクトン(AHL)(「入力A」)はBxb1リコンビナーゼの発現を活性化し、一方アンヒドロテトラサイクリン(aTc)(「入力B」)は、直交リボ調節(riboregulated)系を通じてphiC31リコンビナーゼの発現を活性化する。ここに示したゲート例は、AND機能を実現する。この論理ゲートの性能は、指示された入力セットへの暴露後にフローサイトメトリーによりアッセイして、緑色蛍光タンパク質(GFP)に対して陽性であった細胞のパーセンテージにより特徴付けた。測定は3回の独立した実験からのものであり、エラーバーは平均値の標準誤差を表す。
図2は、複数の汎用ゲートをカスケード接続することなくブール論理ゲートの完全なセットを実現する、本発明の論理ゲートの概要図を示す。細胞は、入力なし、AHLのみ、aTcのみ、またはAHLとaTcに同時に、暴露された。各論理ゲートの性能は、フローサイトメトリーによりアッセイして、GFP陽性細胞のパーセンテージにより特徴付けた。測定は3回の独立した実験からのものであり、エラーバーは平均値の標準誤差を表す。 図3は本発明に従った簡単なプログラミングルールの概要図を示し、これは、リコンビナーゼに基づく遺伝子回路の動作を制御して、個々の遺伝子エレメントの異なる組み合わせによる論理ゲートの複数の例示を可能にするものである。図1および図2のデザインに加えて、(a)NOR論理ゲート、(b)AND論理ゲートおよび(c)XOR論理ゲートのユニークな実装が記載されている。測定は3回の独立した実験からのものであり、エラーバーは平均値の標準誤差を表す。
図4Aは、複数細胞世代にわたるメモリの維持を実証するデータのグラフを示す。ANDゲートを含む細胞は、0日目の後にオン状態(GFP発現について陽性/GFP陽性)に誘導され、その後9日間、入力信号なしで継続的に希釈し増殖させた。GFP発現を維持する細胞のパーセンテージを、フローサイトメトリーによりアッセイした。測定は3回の独立した実験からのものであり、エラーバーは平均値の標準誤差を表す。 図4Bは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)産物の電気泳動ゲルの画像(右)、および付随する論理ゲートの図(左)を示す。NORゲートの状態は、細胞死の後にPCRで検出した(プライマーを小さな矢印で示す)。PCR産物を、1%アガロースゲル上で電気泳動により分析した。 図5は、フローサイトメトリーデータのグラフを示す。フローサイトメトリーを使用して、リコンビナーゼに基づく論理/メモリシステムの出力をアッセイした。蛍光閾値を全てのシステムに一様に適用して、GFP陽性(オン状態)またはGFP陰性(オフ状態)にあるとみなされる細胞のパーセンテージを決定した。ANDゲートの代表的なフローサイトメトリーデータは、任意の入力なし、AHLのみ、aTcのみ、およびAHLとaTc両方を同時に適用した場合について示す。
図6は、本発明のAND論理ゲートのプラスミドマップを示す図である。 図7は、本発明のNOR論理ゲートのプラスミドマップを示す図である。 図8は、本発明のAND論理ゲートのプラスミドマップを示す図である。 図9は、本発明のOR論理ゲートのプラスミドマップを示す図である。 図10は、本発明のNAND論理ゲートのプラスミドマップを示す図である。 図11は、本発明のFALSE理ゲートのプラスミドマップを示す図である。 図12は、本発明のTRUE論理ゲートのプラスミドマップを示す図である。 図13は、本発明のA論理ゲートのプラスミドマップを示す図である。 図14は、本発明のB論理ゲートのプラスミドマップを示す図である。 図15は、本発明のNOT A論理ゲートのプラスミドマップを示す図である。 図16は、本発明のNOT B論理ゲートのプラスミドマップを示す図である。 図17は、本発明のA IMPLY B論理ゲートのプラスミドマップを示す図である。 図18は、本発明のB IMPLY A論理ゲートのプラスミドマップを示す図である。 図19は、本発明のA NIMPLY B論理ゲートのプラスミドマップを示す図である。 図20は、本発明のB NIMPLY A論理ゲートのプラスミドマップを示す図である。 図21は、本発明のXOR論理ゲートのプラスミドマップを示す図である。 図22は、本発明のXNOR論理ゲートのプラスミドマップを示す図である。 図23は、本発明のNOR v.2(バージョン2)論理ゲートのプラスミドマップを示す。 図24は、本発明のAND v.2論理ゲートのプラスミドマップを示す図である。 図25は、本発明のXOR v.2論理ゲートのプラスミドマップを示す図である。
図26Aは、デジタル−アナログ変換器を実現するために使用される、反転プロモーターC(proC)とプロモーターA(proA)を含む論理ゲートの図(左)、およびこれに付随するGFP発現出力のグラフ(右)を示す。細胞は、入力なし、AHLのみ、aTcのみ、またはAHLとaTcに同時に、暴露された。非正規化された平均発現レベルは、各バーの右側に蛍光の任意単位(a.u.)で与えられ、正規化された発現レベルは、OUTの下にリストされており、ここで値は最も近い整数に丸められており、1xは〜2700a.u.に相当する。 図26Bは、デジタル−アナログ変換器を実現するために使用される、反転プロモーターD(proD)とプロモーターA(proA)を含む論理ゲートの図(左)、およびこれに付随するGFP発現出力のグラフ(右)を示す。細胞は、入力なし、AHLのみ、aTcのみ、またはAHLとaTcに同時に、暴露された。非正規化された平均発現レベルは、各バーの右側に蛍光の任意単位(a.u.)で与えられ、正規化された発現レベルは、OUTの下にリストされており、ここで値は最も近い整数に丸められており、1xは〜2700a.u.に相当する。 図26Cは、デジタル−アナログ変換器を実現するために使用される、反転プロモーターD(proD)とプロモーターC(proC)を含む論理ゲートの図(左)、およびこれに付随するGFP発現出力のグラフ(右)を示す。細胞は、入力なし、AHLのみ、aTcのみ、またはAHLとaTcに同時に、暴露された。非正規化された平均発現レベルは、各バーの右側に蛍光の任意単位(a.u.)で与えられ、正規化された発現レベルは、OUTの下にリストされており、ここで値は最も近い整数に丸められており、1xは〜2700a.u.に対応する。
図27は、デジタル−アナログ変換器のための制御構築物のGFP蛍光を示すグラフである。gfpと反転プロモーター(proD)を含む大腸菌細胞、およびgfpを含まない大腸菌細胞は、両方の入力の不在下で(AHLおよびaTc入力が両方とも「0」の場合)、図26A〜26Cにおける0x出力に匹敵するアナログ出力の遺伝子発現レベルを示す。 図28は、変異型プロモーターおよびリコンビナーゼ認識部位の、gfp発現に対する効果を試験するため、フォワードおよびリバース散乱によるゲーティングの後に、フローサイトメトリーによって特徴づけられるGFP蛍光を示すグラフである。蛍光値の測定は、3回の独立した実験からの幾何平均に基づき、エラーバーは平均値の標準誤差を表す。 図29は、本発明の論理ゲートのプラスミドマップを示す図である。 図30は、本発明の論理ゲートのプラスミドマップを示す図である。 図31は、本発明の論理ゲートのプラスミドマップを示す図である。 図32は、リコンビナーゼ認識部位(RRS)に対するリコンビナーゼの直交性の特徴を示すスキームの一例の図である。
図33は、リコンビナーゼの切除効率と直交性を試験するためのスキームの一例を示す図である。 図34は、生物学的状態機械のための自動化設計アルゴリズムの概要の一例を示す図である。 図35は、下流合成分化ネットワークを開始するための遺伝的スキームの一例を示す図である。 図36は、入力(Inp)の異なる組み合わせおよび順序で4つの異なる蛍光タンパク質(FP)を生産する、2対4マルチプレクサ回路の一例を示す図である。 図37は、造血幹細胞(HSC)分化経路を模倣するネットワークを示す図である。 図38Aは、本発明の「4色システム」の一例を示す図であり、これは、2つの核酸出力:青色蛍光タンパク質(BFP)と黄色蛍光タンパク質(YFP)とを含む論理ゲートを有する遺伝子構築物と、2つの核酸出力:赤色蛍光タンパク質(RFP)と緑色蛍光タンパク質(GFP)とを含む論理ゲートを有する別の遺伝子構築物を含み、こうして、2つの細胞入力を4つの細胞出力にマッピングすることを可能とする(一般にn個の入力→2の出力に拡張可能)。
図38Bは、イソプロピルβ−D−1−チオガラクトピラノシド(IPTG)誘導性PL(lac−O1)プロモーターの制御下のBxb1リコンビナーゼ、およびアラビノース誘導性pBADプロモーターの制御下のphiC31リコンビナーゼを含む、プラスミドマップを示す図である。 図38Cは、アラビノースのみへの暴露後、およびアラビノースと続いてIPTGへの暴露後の、4色システムにおける遺伝子エレメントの向きを示す図であり、これにより、BFP発現と続いてYFP発現がもたらされる。 図38Dは、IPTGのみへの暴露後、およびIPTGと続いてアラビノースへの暴露後の、4色システムにおける遺伝子エレメントの向きを示す図であり、これにより、RFP発現と続いてGFP発現がもたらされる。 図38Eは、それぞれ、IPTGのみ、IPTGと続いてアラビノース、アラビノースのみ、またはアラビノースと続いてIPTGへの暴露後の、RFP、GFP、BFP、またはYFPを発現する酵母細胞の顕微鏡画像を示す図である;細胞は、4色システムの構築物でトランスフェクトした。
図39Aは、リボ調節されたBxb1リコンビナーゼおよびphiC31リコンビナーゼを含む、プラスミドマップを示す図である。 図39Bは、aTcのみへの曝露後、およびaTcと続いてAHLへの曝露後の、4色システムにおける遺伝子エレメントの向きを示す図である。 図39Cは、AHLのみへの曝露後、およびAHLと続いてaTcへの曝露後の、4色システムにおける遺伝子エレメントの向きを示す図である。 図40Aは、50ng/mlのaTcへの暴露後の、BFP発現細胞のパーセンテージを経時的にプロットしたグラフを示す。 図40Bは、200ng/mlのaTcへの暴露後の、BFP発現細胞のパーセンテージを経時的にプロットしたグラフを示す。 図40Cは、250ng/mlのaTcへの暴露後の、BFP発現細胞のパーセンテージを経時的にプロットしたグラフを示す。
図40Dは、様々な濃度のaTcへの暴露後の、BFP発現細胞のパーセンテージを経時的にプロットしたグラフを示す。 図41Aは、aTcと続いて100μMのAHLへの暴露後の、YFP発現細胞のパーセンテージを経時的にプロットしたグラフを示す。 図41Bは、aTcと続いて50μMのAHLへの暴露後の、YFP発現細胞のパーセンテージを経時的にプロットしたグラフを示す。 図41Cは、aTcと続いて10μMのAHLへの暴露後の、YFP発現細胞のパーセンテージを経時的にプロットしたグラフを示す。 図41Dは、aTcと続いて1μMのAHLへの暴露後の、YFP発現細胞のパーセンテージを経時的にプロットしたグラフを示す。 図41Eは、aTcと続いて様々な濃度のAHLへの暴露後の、YFP発現細胞のパーセンテージを経時的にプロットしたグラフを示す。
発明の詳細な説明
本明細書で提供されるのは、単一細胞内に、合成論理と、付随するDNAがコードするメモリの保存とをアセンブルするための、効率的戦略およびプログラミング言語である。本明細書に記載のモジュール式DNAアセンブリ戦略は、論理関数の簡単な「プラグアンドプレイ式」コード化と、DNAに情報を「書き込む」という、リコンビナーゼの能力から生じる付随するメモリを可能とする。DNAに基づくメモリは長期記憶装置の便利な実装であり、なぜならば、これは細胞の複数世代に渡って自然に伝播され、細胞死の後にも安定であり得るからである[9,10]。
本発明の統合論理/メモリシステムは、様々な向きで出力核酸(例えば、タンパク質産物をコードする遺伝子)に作動可能に連結された、または条件付きで作動可能に連結された少なくとも1つのプロモーター、および任意に少なくとも1つの一方向性ターミネーターを含む、単一の遺伝子回路構築物である、論理ゲートで構成されている(図1)。システムは、化学的誘導物質の入力を使用して、誘導性プロモーターからの直交リコンビナーゼの発現を駆動する。リコンビナーゼは、次に、DNAの反転または切除のための、遺伝子回路構築物におけるプロモーター、ターミネーターおよび/または出力核酸配列に隣接する認識部位を標的とし、出力核酸配列の条件付きの発現がもたらされる。
本発明の特徴は、入力が取り消された後に、論理ゲートが、安定した出力メモリを維持することである。この特徴を用いて、ハイスループットシークエンシング技術を使用して、多重化方式で問い合わせることができる状態を有するバイオセンサを作製することができる。さらに、リコンビナーゼに基づく計算の挙動を支配する、本明細書で提供されるプログラミング言語は、自動化遺伝子回路設計アルゴリズムと互換性がある[22]。
論理/メモリシステムおよび論理ゲート
ブール論理関数は、想像可能な任意のデジタル構成要素を実行する関数の組み合わせをアセンブルするために使用可能な、論理ゲートに基づく。本発明は、任意のブール論理関数と、遺伝的事象(例えば、組換え)のDNAに基づく安定したメモリの、ワンステップのアセンブリを提供する。本発明は、生細胞における統合論理/メモリのための、2または3以上の遺伝子に基づく論理ゲートのアセンブリを企図する。論理ゲートの基本的な「遺伝子エレメント」は表1に列挙され、各論理ゲートは、これらの遺伝子エレメントの少なくとも2種の組み合わせを含む。
論理ゲートのセットを、図2に示す。図2の各パネルは、合成論理/メモリシステム(全16のシステム/パネル)の代表であり、各システムは以下を含む:(a)Bxb1リコンビナーゼをコードする核酸配列に作動可能に連結されたN−アシルホモセリンラクトン(AHL)誘導性プロモーターを含む遺伝子構築物(図示せず)、(b)phiC31リコンビナーゼをコードする核酸配列に作動可能に連結されたアンヒドロテトラサイクリン(aTc)誘導性プロモーターを含む遺伝子構築物(図示せず)、および(c)16の論理ゲートの1つ(図示)。図2の各パネルは、16の論理ゲートの1つを含む:NOT、AND、OR、NOT、NOR、NAND、XOR、XNOR、A IMPLY B、B IMPLY A、A NIMPLY B、B NIMPLY A、A、B、FALSEまたはTRUE。
図2の論理ゲートは、入力AおよびBに関して記載されている。本明細書に記載の例示的な態様において、入力Aは、論理/メモリシステムへのAHLの添加を表し、これはBxb1リコンビナーゼの発現を誘導し、これは次に相補的Bxb1 attB(フォワード)およびBxb1 attP(リバース)組換え認識部位(図2では三角形として図式化)の組換えを触媒する。本明細書に記載の例示的な態様において、入力Bは、システムへのaTcの添加を表し、これはphiC31リコンビナーゼの発現を誘導し、これは次に相補的phiC31 attB(フォワード)およびphiC31 attP(リバース)組換え認識部位(図2では括弧として図式化)の組換えを触媒する。AHLおよびaTcは、本明細書に記載の論理ゲートの入力の例であることを理解すべきである。本発明は別の入力の使用も企図しており、これらはエンドユーザーによって選択され、AHLおよびaTcと共に、またはこれらの代わりに交換可能に使用することができる。
リコンビナーゼのBxb1とphiC31(およびそれらの同族認識部位)は、本発明に従って使用してよいリコンビナーゼ(および認識部位)の例であることを理解すべきである。本発明は、別のリコンビナーゼ/認識部位の使用も企図しており、これらはエンドユーザーによって選択することができ、Bxb1およびphiC31と共に、またはこれらの代わりに交換可能に使用して、DNAの反転または切除を触媒することができる。他のリコンビナーゼ/認識部位の例を以下に記載する。さらに、図2に示す出力核酸配列であるgfpは、タンパク質産物である緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードするが、gfpは、任意の出力核酸配列で置換されてもよいことが理解されるべきである。
本発明の16個の論理のゲート(AND、OR、NOT A、NOT B、NOR、NAND、XOR、XNOR、A IMPLY B、B IMPLY A、A NIMPLY B、B NIMPLY A、A、B、FALSE、およびTRUE)を以下に記載するが、これらは全ての2入力ブール論理関数を提供する。「2入力」ブール論理関数を含む論理ゲートとしては、AND、OR、NOR、NAND、XOR、XNOR、A IMPLY B、B IMPLY A、A NIMPLY B、およびB NIMPLY Aが挙げられる。したがって、1つの論理ゲートまたは複数の論理ゲートは、1つの論理ゲートまたは複数の論理ゲートがAND、OR、NOR、NAND、XOR、XNOR、A IMPLY B、B IMPLY A、A NIMPLY B、およびB NIMPLY Aを含む場合に、全ての2入力のブール論理関数を提供すると考えられる。しかし本発明の個々の論理ゲートは、図2に示す遺伝子回路構築物に限定されるものではない。任意の数の表1の遺伝子エレメントを、論理ゲートの所与の遺伝子回路構築物中に様々な位置および向きに配置して、所望の出力を達成することができる。例えば、論理ゲートNOR、ANDおよびXORのための代替の遺伝子回路構築物は、図3に示される。
本明細書において、プロモーターは、核酸配列の転写開始および/または発現を制御する(「駆動する」)ためにそれが調節する前記配列との関連で、正しい機能的位置および向きにある場合に、「作動可能に連結されている」と考えられる。プロモーターは、遺伝子組換え事象の際に、それが調節する核酸配列に対して正しい機能的位置および向きに配置されている場合、「条件付きで作動可能に連結されている」と言われる。
「反転」遺伝子エレメント(例えば、反転プロモーター、反転ターミネーター、反転出力核酸配列)とは、逆向きになっていて、かつてのコード(センス)鎖が現在は非コード(アンチセンス)鎖となっているものである。その反転した逆向きにおいて、遺伝子エレメントは非機能性である(例えば、出力核酸配列などの別の遺伝子エレメントに作動可能に結合していない)。遺伝子エレメントの機能は、隣接する相補的認識部位の組換えと、それに続く、遺伝子エレメントの正しい向きへの反転により、回復することができる。したがって、組換え認識部位が隣接している反転プロモーターが、下流の出力核酸配列に「条件付きで作動可能に連結されている」と考えることができるのは、隣接する相補的認識部位の組換えの際に、プロモーターが、かつての非コード鎖が現在はコード鎖であるものとなるような向きであり、プロモーターが出力核酸配列の転写開始および/または発現を制御可能である場合である。同様に、組換え認識部位が隣接している反転出力核酸配列が、上流プロモーターに「条件付きで作動可能に連結されている」と考えることができるのは、隣接する相補的認識部位の組換えの際に、出力核酸配列が、かつての非コード鎖が現在はコード鎖であるものとなるような向きであり、上流プロモーターが出力核酸の転写開始および/または発現を制御可能である場合である。出力核酸配列に作動可能に連結されたプロモーターの具体例は、図2のNOR、NAND、TRUE、NOT A、NOT BおよびXNOR論理ゲートに示されている。出力核酸配列に条件付きで作動可能に連結されたプロモーターの具体例は、図2のAND、OR、A、B、A NIMPLY B、B NIMPLY AおよびXOR論理ゲートに示されている。論理ゲートA IMPLY BおよびB IMPLY Aは、出力核酸配列に作動可能に連結されたプロモーターと、出力核酸配列に条件付きで作動可能に連結されたプロモーターの両方を含む。
本明細書において、出力核酸配列が遺伝子エレメントの下流であると考えられるのは、出力核酸配列がコード(センス)鎖の3’末端近くに配置されており、遺伝子エレメントが5’末端近くに配置されている場合である。1つの遺伝子エレメントが別の遺伝子エレメントに対して「直ぐ下流」であると考えられるのは、2つの遺伝子エレメントが互いに近接している場合である(例えば、表1に列挙したような他の遺伝子エレメントが、この2つの間に存在しない)。
NOTゲート
最も単純なブール論理ゲートは、NOTゲートと呼ばれる。これは、1つの入力を受け取り、出力としてその逆を生成する。本明細書に開示されるのは、典型的なNOT A論理ゲートおよびNOT B論理ゲートであり、ここでA(AHL)およびB(aTc)が入力である(図2)。図2のNOT Aゲートは、相補的リコンビナーゼ認識部位Bxb1 attBおよびBxb1 attPが隣接する出力核酸配列gfpに作動可能に連結された構成的プロモーター(簡略化のために本明細書において単にプロモーターと言及される)を含む。AHLがシステムに加えられると、Bxb1リコンビナーゼが発現され、Bxb1 attBとBxb1 attPが組換えられ、gfpの反転が生じて、その転写がもはやプロモーターによって制御されなくなる。逆に、AHLではなくaTcがシステムに加えられると、Bxb1リコンビナーゼは発現されず、Bxb1 attBとBxb1 attPは組換えられず、プロモーターはgfpの転写を制御する。したがってGFPは、AHLの不在下でのみ、発現される。
図2のNOT Bゲートは、相補的リコンビナーゼ認識部位phiC31 attBおよびphiC31 attPが隣接しており、かつgfpに作動可能に連結されたプロモーターを含む。aTcがシステムに加えられると、phiC31リコンビナーゼが発現され、phiC31 attBとphiC31 attPが組換えられ、プロモーターの反転が生じて、プロモーターはもはやgfpの転写を制御しない。逆に、aTcではなくAHLがシステムに加えられると、phiC31リコンビナーゼは発現されず、phiC31 attBとphiC31 attPは組換えられず、プロモーターはgfpの転写を制御する。したがってGFPは、aTcの不在下でのみ、発現される。
ANDゲート
ANDゲートは、別の単純なブール論理ゲートである。これは、2つの入力AおよびBについて、論理「and」演算を行う。図2のANDゲートは、Bxb1 attBとBxb1 attPが隣接している反転gfpに条件付きで作動可能に連結された、phiC31 attBとphiC31 attPが隣接している反転プロモーターを含む。AHLのみがシステムに加えられると、Bxb1リコンビナーゼが発現され、Bxb1 attBとBxb1 attPが組換えられて、gfpをコード鎖に沿って5’から3’方向に配向させる;しかしphiC31 attBとphiC31 attPの組換えを活性化するaTcなしでは、プロモーターは反転のままであり、gfpの転写を制御できない。同様に、aTcのみがシステムに加えられると、phiC31リコンビナーゼが発現され、phiC31 attBとphiC31 attPが組換えられて、プロモーターをコード鎖に沿って5’から3’方向に配向させる;しかしBxb1 attBとBxb1 attPの組換えを活性化するAHLなしでは、gfpは反転のままである。したがってGFPは、AHLおよびaTc両方の存在下でのみ、発現される。
ORゲート
ORゲートは、入力Aまたは入力Bについて論理「or」演算を実行する。図2のORゲートは、phiC31 attBとphiC31 attPが隣接している反転プロモーターの上流に、Bxb1 attBとBxb1 attPが隣接している反転プロモーターを含み、各反転プロモーターは、gfpに条件付きで作動可能に連結されている。AHLがシステムに加えられると、Bxb1リコンビナーゼが発現され、Bxb1 attBとBxb1 attPが組換えられて、プロモーターをコード鎖に沿って5’から3’方向に配向させてgfpの転写を制御する。同様に、aTcがシステムに加えられると、phiC31リコンビナーゼが発現され、phiC31 attBとphiC31 attPが組換えられて、別のプロモーターをコード鎖に沿って5’から3’方向に配向させてgfpの転写を制御する;こうしてGFPは、AHLまたはaTcまたは両方の存在下で、発現される。
NORゲート
NORゲートは、ORゲートとNOTゲートの組み合わせである。図2のNORゲートは、gfpに作動可能に連結されたプロモーターと、それらの間に位置する2つの反転ターミネーターであって、それぞれのターミネーターが異なる相補的リコンビナーゼ認識部位に隣接しているものを含む。AHLがシステムに加えられると、Bxb1リコンビナーゼが発現され、Bxb1 attBとBxb1 attPが組換えられて、ターミネーターをコード鎖に沿って5’から3’方向に配向させ、これによってgfpの転写を終結させる。同様に、aTcがシステムに加えられると、phiC31リコンビナーゼが発現され、phiC31 attBとphiC31 attPが組換えられて、別のターミネーターをコード鎖に沿って5’から3’方向に配向させ、再度、gfpの転写を終結させる。したがって、GFPは、AHLとaTc両方の不在下においてのみ、発現される。
NANDゲート
NANDゲートは、ANDゲートとNOTゲートの組み合わせである。図2のNANDゲートはgfpに作動可能に連結された2つのプロモーターを含み、各プロモーターには、異なる相補的リコンビナーゼ認識部位が隣接している。AHLのみがシステムに加えられると、Bxb1リコンビナーゼが発現され、Bxb1 attBとBxb1 attPが組換えられて上流プロモーターを反転させる;しかしphiC31 attBとphiC31 attPの組換えを活性化するaTcなしでは、下流プロモーターは作動可能に連結されたままであり、gfpの転写を制御している。同様に、aTcのみがシステムに加えられると、phiC31リコンビナーゼが発現され、phiC31 attBとphiC31 attPが組換えられて下流プロモーターを反転させる;しかしBxb1 attBとBxb1 attPの組換えを活性化するAHLなしでは、上流プロモーターは作動可能に連結されたままであり、gfpの転写を制御している。AHLとaTc両方がシステムに加えられると、両方のプロモーターが反転され、どちらもgfpの転写を制御しない。したがって、AHLおよびaTcが同時にシステムに存在しない限り、GFPは発現される。
XORゲート
XORゲートは、「排他的or」ゲートである。図2のXORゲートは、gfpに条件付きで作動可能に連結され、Bxb1 attBとBxb1 attPおよびphiC31 attBとphiC31 attPが隣接している、反転プロモーターを含む。AHLのみがシステムに加えられると、Bxb1リコンビナーゼが発現され、Bxb1 attBとBxb1 attPが組換えられ、プロモーターをコード鎖に沿って5’から3’方向に配向させて、gfpの転写を制御する。同様に、aTcのみがシステムに加えられると、phiC31リコンビナーゼが発現され、phiC31 attBとphiC31 attPが組換えられ、プロモーターをコード鎖に沿って5’から3’方向に配向させて、gfpの転写を制御する。対照的に、AHLとaTcの両方がシステムに加えられると、2つの組換え事象が起こる:1つ目はプロモーターをコード鎖に沿って5’から3’方向に配向させ、2番目はプロモーターを非コード鎖に沿った作動不能な位置に反転させて、gfpの転写の制御を不能にする。したがってGFPは、AHLまたはaTcがシステムに存在する場合にのみ発現されるが、両方が存在する場合は発現されない。
XNORゲート
XNORゲートは、「排他的nor」ゲートである。図2のXNORゲートは、gfpに作動可能に連結されたプロモーターを含み、gfpにはBxb1 attBとBxb1 attPおよびphiC31 attBとphiC31 attPが隣接している。AHLのみがシステムに加えられると、Bxb1リコンビナーゼが発現され、Bxb1 attBとBxb1 attPが組換えられて、gfpを非コード鎖に沿って反転させ、ここでgfpはプロモーターによって制御されない。同様に、aTcのみがシステムに加えられると、phiC31リコンビナーゼが発現され、phiC31 attBとphiC31 attPが組換えられて、gfpを非コード鎖に沿って反転させる。対照的に、AHLとaTcの両方がシステムに加えられると、2つの組換え事象が起こる:1つ目はgfpを非コード鎖に沿って反転させ、2番目はgfpをコード鎖に沿った作動可能な位置に配向させて戻し、プロモーターによって制御されるようにする。したがってGFPは、AHLとaTc両方がシステムに存在する場合に、または両方がシステムに不在の場合に発現される。
IMPLYゲート
本発明はまた、A IMPLY Bゲート(A AND NOT B)およびB IMPLY Aゲート(B AND NOT A)を提供する。図2のA IMPLY Bゲートは、(gfpに作動可能に連結され)Bxb1 attBとBxb1 attPが隣接しているプロモーター、および(gfpに条件付きで作動可能に連結され)それの間に位置する、phiC31 attBとphiC31 attPが隣接している反転プロモーターを含む。AHLのみがシステムに加えられると、上流プロモーターが反転され、gfpは転写されない。aTcがシステムに加えられると、下流プロモーターがコード鎖に沿って5’から3’方向に配向されて、gfpの転写を制御する。したがってGFPは、aTcが存在する場合、AHLとaTc両方が存在する場合、または両方が不在の場合に発現される;しかし、GFPは、AHLのみが存在する場合には発現されない。
対照的に、図2のB IMPLY Aゲートは、(gfpに作動可能に連結され)phiC31 attBとphiC31 attPが隣接しているプロモーターの上流に位置する、(gfpに条件付きで作動可能に連結され)Bxb1 attBとBxb1 attPが隣接している反転プロモーターを含む。AHLがシステムに加えられると、上流プロモーターがコード鎖に沿って5’から3’方向に配向されて、gfpの転写を制御する。aTcがシステムに加えられると、下流プロモーターが反転されて、gfpは転写されない。したがって、GFPは、AHLの存在下、AHLとaTc両方の存在下、または両方の不在の場合に発現される;しかし、GFPは、aTcのみが存在する場合には発現されない。
NIMPLYゲート
本発明はまた、A NIMPLY BゲートおよびB NIMPLY Aゲートも提供する。図2のA NIMPLY Bゲートは、phiC31 attBとphiC31 attPに隣接しており、Bxb1 attBとBxb1 attPが隣接している反転gfpに条件付きで作動可能に連結されたプロモーターを含む。aTcがシステムに加えられると、上流プロモーターが反転されて、gfpは転写されない。AHLがシステムに加えられると、gfpがコード鎖に沿って5’から3’方向に配向されて、転写される。したがって、GFPは、AHLのみの存在下で発現される。
対照的に、B NIMPLY Aゲートは、phiC31 attBとphiC31 attPが隣接しておりgfpに条件付きで作動可能に連結された反転プロモーター、およびその間に位置する、Bxb1 attBとBxb1 attPが隣接している反転ターミネーターを含む。aTcがシステムに加えられると、上流プロモーターがコード鎖に沿って5’から3’方向に配向されて、gfpが転写される。AHLがシステムに加えられると、ターミネーターコード鎖に沿って5’から3’方向に配向されて、gfpは転写されない。したがってGFPは、aTcのみの存在下で発現される。
AゲートおよびBゲート
本発明はまた、AゲートおよびBゲートを提供する。図2のAゲートは、Bxb1 attBとBxb1 attPに隣接している反転gfpに条件付きで作動可能に連結したプロモーターを含む。GFPは、AHLがシステムに存在する場合に発現される。図2のBゲートは、phiC31 attBとphiC31 attPに隣接しており、gfpに条件付きで作動可能に連結したプロモーターを含む。GFPは、aTcがシステムに加えられた場合に発現される。
TRUEゲートおよびFALSEゲート
本発明はまた、TRUEゲートおよびFALSEゲートを提供する。図2のTRUEゲートは、gfpに作動可能に連結したプロモーターを含む。GFPは、システムへの入力とは無関係に発現される。本発明のFALSEゲートは、反転プロモーターのすぐ下流の(例えば隣接している)gfpを含む。GFPが発現されることはなく、これも、システムへの入力とは無関係である。
リコンビナーゼおよび組換え認識配列
本明細書で提供されるのは、本発明の論理/メモリシステムに対して安定したDNAベースのメモリを付与するために使用される、リコンビナーゼである。本明細書で使用する「リコンビナーゼ」は、短いDNA配列(単数または複数)を認識する部位特異的な酵素であり、ここでこの配列(単数または複数)は典型的には約30塩基対(bp)〜40bpの間であってこれらのリコンビナーゼ認識配列間の組換えを媒介し、これにより、リコンビナーゼ認識配列間でDNA断片の切除、統合、反転、または交換がもたらされる。本明細書で使用する「遺伝子エレメント」は、遺伝子発現における役割を有するDNAの配列を指す。例えば、プロモーター、転写ターミネーター、および、生成物(例えば、タンパク質産物)をコードする核酸は、それぞれ遺伝子エレメントであると考えられる。
リコンビナーゼは、明確な生化学的特性に基づいて、2つの異なるファミリー:セリンリコンビナーゼ(例えば、リゾルバーゼおよびインベルターゼ)およびチロシンリコンビナーゼ(例えば、インテグラーゼ)に分類することができる。セリンリコンビナーゼおよびチロシンリコンビナーゼはさらに、双方向リコンビナーゼと一方向リコンビナーゼに分類される。双方向セリンリコンビナーゼの例は、限定はされないが、β−6、CinH、ParAおよびγδを含む;一方向セリンリコンビナーゼの例は、限定はされないが、Bxb1、φC31、TP901、TG1、φBT1、R4、φRV1、φFC1、MR11、A118、U153およびgp29を含む。双方向チロシンリコンビナーゼの例は、限定はされないが、Cre、FLP、およびRを含む;一方向チロシンリコンビナーゼは、限定はされないが、ラムダ、HK101、HK022およびpSAM2を含む。セリンおよびチロシンリコンビナーゼの名称は、リコンビナーゼがDNAをアタックするために使用し、鎖交換の際にDNAに共有結合した状態となる、保存された求核性アミノ酸残基に由来する。リコンビナーゼは多数の標準的な生物学的用途に使用されており、例えば遺伝子ノックアウトの作製およびソーティング問題の解決を含む[35−38]。
組換えの結果は、組換えられるべき、典型的には30bp未満の、2つの短い反復DNA配列の位置および向きに部分的に依存する。リコンビナーゼは、各リコンビナーゼに特異的で、本明細書では「リコンビナーゼ認識配列」または「リコンビナーゼ認識部位」とも称される、これらの反復配列に結合する。したがって、本明細書で使用する場合、リコンビナーゼがリコンビナーゼ認識部位に対して「特異的」であるのは、リコンビナーゼが反復DNA配列間の反転または切除を媒介することができる場合である。本明細書で使用する場合、リコンビナーゼはまた、介在する遺伝子エレメント(例えば、プロモーター、ターミネーター、または出力核酸配列)に隣接するその「同族リコンビナーゼ認識部位」を認識すると言うこともできる。遺伝子エレメントは、エレメントが2つの反復DNA配列の間に位置し直接隣接している場合に、リコンビナーゼ認識部位に「隣接」していると言う。いくつかの態様において、リコンビナーゼ認識部位は、互いに重ならない。しかしながら別の態様において、リコンビナーゼ認識部位は、本明細書に以下に記載のように互いに重なり(例えば、例5に記載の回路を参照)、これは組合せの複雑さを大幅に増加させ得る。
反転組換えは、2つの短い反転かつ反復DNA配列の間で起こる。DNA屈曲タンパク質(DNA bending protein)によって支援されるDNAループの形成は2つの反復配列を1つにし、その点においてDNA切断およびライゲーションが発生する。この反応はATPに依存せず、超らせんDNAを必要とする。このような反転組換え事象の最終結果は、反復部位の間のDNAのストレッチが反転して(すなわち、DNAのストレッチが向きを反転させて)、コード鎖は非コード鎖になり、またその逆も成立する。かかる反応において、DNAは正味の増加(gain)なし、またはDNAの損失なしで保存される。
逆に、統合(切除)組換えは、同一方向に配向された2つの短い反復DNA配列の間で起こる。この場合、介在DNAは切除/除去される。例えば、切除のために指向され、プロモーターとGFPコード配列などの出力が隣接しているリコンビナーゼ部位の2つの異なるセットのそれぞれの間にターミネーターを配置することによって、ANDゲートをアセンブルすることができる。この例において、両方のターミネーターは、プロモーターからGFPコード配列へのリードスルー(read through)を可能にするために、リコンビナーゼ(単数または複数)の入力に依存する作用によって切除されねばならない。このように、両方のターミネーターを切除して出力を生成するために、2つの入力が必要である。
リコンビナーゼはまた、不可逆的または可逆的により分類することができる。本明細書で使用する「不可逆的リコンビナーゼ」は、2つの相補的組換え部位間の組換えを触媒することができるが、追加の因子の支援なしには、この組換えにより形成されたハイブリッド部位間の組換えを触媒することができないリコンビナーゼを指す。したがって、「不可逆的認識部位」とは、不可逆的リコンビナーゼのための2つのDNA認識配列の最初として機能することができ、かつ、その部位での組換えに続いてハイブリッド認識部位に改変される、リコンビナーゼ認識部位を指す。「相補的不可逆的認識部位」は、不可逆的リコンビナーゼのための2つのDNA認識配列の第2として機能することができ、かつ、その部位での相同組換えに続いてハイブリッド認識部位に改変される、リコンビナーゼ認識部位を指す。例えば、後述のattBおよびattPは、Bxb1およびphiC31リコンビナーゼのための不可逆的な組換え部位であり、attBは、attPの相補的な不可逆的組換え部位であり、またその逆も成り立つ。近年、attB/attP部位は突然変異されて、互いに相互作用のみはするが、他の変異体とは作用しない直交B/P対を生成することが示された[72]。これにより、1つのリコンビナーゼが、複数の直交B/P対の切除または統合または反転を制御することが可能となる。
phiC31(φC31)インテグラーゼは、例えば、真核細胞では見られない付加的な因子の不在において、attB×attP反応のみを触媒する。リコンビナーゼは、attBとattP間の組換えの際に形成されるattLおよびattRハイブリッド組換え部位間の組換えを媒介することはできない。phiC31インテグラーゼなどのリコンビナーゼは、単独で逆反応を触媒することはできないため、phiC31のattB×attP組換えは安定である。
不可逆的リコンビナーゼ、および不可逆的リコンビナーゼをコードする核酸は、当技術分野において記載されており、日常的な方法を用いて得ることができる。不可逆的なリコンビナーゼの例としては、限定はされないが、phiC31(φC31)リコンビナーゼ(配列番号11)、大腸菌ファージP4リコンビナーゼ[39]、大腸菌ファージラムダインテグラーゼ[40]、リステリアA118ファージリコンビナーゼ[41]、およびアクチノファージR4 Sreリコンビナーゼ[42]、HK101、HK022、pSAM2、Bxb1、TP901、TG1、φBT1、φRV1、φFC1、MR11、U153およびgp29が挙げられる。
反対に、「可逆的リコンビナーゼ」は、2つの相補的リコンビナーゼ認識部位間の組換えを触媒することができ、追加の因子の支援なしで最初の組換え事象によって形成された部位間の組換えを触媒することができて、これを逆転させる、リコンビナーゼを指す。組換えにより生成された産物の部位自体が、その後の組換えのための基質である。可逆的リコンビナーゼ系の例としては、限定はされないが、Cre-loxおよびFlp-frt系、R、β−6、CinH、ParAおよびγδを含む。
本明細書で提供されるリコンビナーゼは、本発明の態様で使用することができるリコンビナーゼの排他的な例であることを意味しない。本発明の論理/メモリシステムの複雑さは、新しい直交リコンビナーゼのデータベースを利用すること、または定義されたDNA特異性を有する合成リコンビナーゼを設計することによって、拡張することができる[20,21]。本明細書に記載された合成論理/メモリシステムにおいて有用であるリコンビナーゼの他の例は、当業者に知られており、発見または生成される任意の新しいリコンビナーゼは、本発明の別の態様で使用可能であることが期待される。
いくつかの態様において、リコンビナーゼは、セリンリコンビナーゼである。したがって、いくつかの態様において、リコンビナーゼは不可逆的あると考えられる。いくつかの態様において、リコンビナーゼは、チロシンリコンビナーゼである。したがっていくつかの態様において、リコンビナーゼは可逆的であると考えられる。
いくつかの態様において、リコンビナーゼは、配列番号8(表2)に記載のBxb1リコンビナーゼの配列、および、それぞれ配列番号9と配列番号10に記載の、対応するBxb1 attBおよびBxb1 attPリコンビナーゼ認識配列を含む。
いくつかの態様において、リコンビナーゼは、配列番号11(表2)に記載のphiC31(φC31)リコンビナーゼの配列、および、それぞれ配列番号12と配列番号13に記載の、対応するphiC31 attBおよびphiC31 attPリコンビナーゼ認識配列を含む。
プロモーター
本明細書で提供されるのは、本発明の、リコンビナーゼに基づく合成論理/メモリシステムで使用するためのプロモーター配列(「プロモーター」)である。本明細書で使用する「プロモーター」は、核酸配列の調節領域であって、そこにおいて核酸配列の残りの転写の開始および速度が制御される領域を指す。プロモーターはまた、RNAポリメラーゼおよび他の転写因子などの調節タンパク質および分子が結合することができるサブ領域も、含んでよい。プロモーターは、構成的、誘導的、活性化可能、抑制性、組織特異的、またはそれらの任意の組み合わせであってよい。
プロモーターは、それが調節する核酸配列の、発現を駆動するかまたは転写を駆動する。本明細書で使用する場合、「作動可能に連結された」および「制御下」とは、プロモーターが、配列の転写開始および/または発現を制御するためにそれが調節する核酸配列に対して、正確な機能的位置および/または向きにあることを示す。上記の「反転プロモーター」は、核酸配列が逆方向になっており、かつてコード鎖であったものが現在は非コード鎖、またはその逆であるようになっているところのプロモーターである。反転プロモーター配列は、本発明の様々な態様において、論理ゲートの状態を調節するために使用することができる(例えば、高出力、「オン」、または低/無出力、「オフ」)。したがって、いくつかの態様において、プロモーターは反転プロモーターであり、これには相補的なリコンビナーゼ認識部位が隣接しており、部位の組換えの際に正しい向きに反転して、作動可能に連結された核酸配列の発現を駆動するものである。本発明のいくつかの態様において、プロモーターは、プロモーターの下流の核酸配列の転写活性化に関与するシス作用調節配列を指す「エンハンサー」と共に使用してもよく、しなくてもよい。エンハンサーは、プロモーターおよび/またはコードされた核酸の、前または後の任意の機能的位置に配置することができる。
プロモーターは、RNAポリメラーゼ(および/またはシグマ因子)に対するその親和性に応じて、強弱として分類される;これは、プロモーター配列が、ポリメラーゼのための理想的なコンセンサス配列にどの程度類似しているかに関連する。プロモーターの強度は、転写の開始がそのプロモーターで、高または低頻度で起こるかどうかに依存し得る。異なる強度を有する異なるプロモーターを使用して、遺伝子出力発現の異なるデジタル設定可能レベルの論理ゲートを構築することができる(例えば、弱いプロモーターから開始される遺伝子発現のレベルは、強力なプロモーターから開始される遺伝子発現レベルよりも低い)。例えば、図26A〜26Cに示すデータは、入力された誘導物質の様々なデジタル組み合わせが、使用されるプロモーターの強度の変化およびそれぞれの出力の合計に基づいて、アナログ遺伝子発現出力の複数のレベルをもたらすことを実証する。
プロモーターは、遺伝子または配列と天然に関連するものであってもよく、例えば、所与の遺伝子または配列のコードセグメントおよび/またはエクソンの上流に位置する5’非コード配列を、単離することによって得られるものである。かかるプロモーターは、「内因性」と呼ぶことができる。同様にエンハンサーは、その配列の下流または上流のいずれかに位置する、核酸配列と天然に関連するものであってよい。
いくつかの態様において、コード核酸セグメントは、その自然の環境においてコードされた核酸配列に通常は関連しないプロモーターを指す、組換え型または異種プロモーターの制御下に配置してもよい。組換え型または異種エンハンサーとは、その自然の環境において核酸配列と通常は関連しないエンハンサーを指す。かかるプロモーターまたはエンハンサーは、他の遺伝子のプロモーターまたはエンハンサー;他の原核生物、ウイルスまたは真核生物細胞から単離されたプロモーターまたはエンハンサー;および「天然に存在」しない合成プロモーターまたはエンハンサー、例えば、異なる転写調節領域の異なるエレメントを、および/または当該技術分野で知られている遺伝子工学の方法によって発現を変化させる変異を含有するものなどを含むことができる。プロモーターおよびエンハンサーの核酸配列を合成的に生成することに加えて、PCRを含む組換えクローニングおよび/または核酸増幅技術を、本明細書に開示された論理ゲートに関連して用いて、配列を生産することができる(米国特許第4,683,202号および米国特許第5,928,906号参照)。さらに、ミトコンドリア、葉緑体などの非核細胞小器官内での配列の転写および/または発現を導く制御配列を、本発明に従って使用することができる。
誘導性プロモーター
本明細書で使用する「誘導性プロモーター」とは、誘導物質または誘導剤が存在する場合、またはその影響によるかもしくはそれとの接触がある場合に、転写活性を開始するかまたは増強することを特徴とするものである。「誘導物質」または「誘導剤」とは、内因性であるか、または通常は外因性化合物もしくはタンパク質であって、誘導性プロモーターの転写活性の誘導に活性であるような方法で投与されるものでもよい。
本発明に従って使用するための誘導性プロモーターは、原核生物および真核生物両方の宿主生物において機能することができる。いくつかの態様において、哺乳動物の誘導性プロモーターが使用される。本明細書で使用するための哺乳動物誘導性プロモーターの例は、限定はされないが、以下を含む:プロモーター型PAct:PAIR、PART、PBIT、PCR5、PCTA、PETR、PNIC、PPIP、PROP、PSPA/PSCA、PTET、PTtgR、プロモーター型PRep:PCuO、PETR ON8、PNIC、PPIR ON、PSCA ON8、PTetO、PUREX8、プロモーター型PHyb:tetO7-ETR8-PhCMVmin、tetO7-PIR3-ETR8-PhCMVmin、およびscbR8-PIR3-PhCMVmin。いくつかの態様において、他の生物由来の誘導性プロモーター、ならびに原核生物または真核生物の宿主内で機能するように設計された合成プロモーターを使用することができる。本明細書で使用するための非哺乳動物誘導性プロモーターの非限定的例としては、レンチウイルスプロモーター(例えば、EFα、CMV、ヒトシナプシンI(hSynI)、CaMKIIα、hGFAPおよびTPH-2)およびアデノ随伴ウイルスプロモーター(例えば、CaMKIIα(AAV5)、hSynI(AAV2)、hThy1(AAV5)、fSST(AAV1)、hGFAP(AAV5、AAV8)、MBP(AAV8)、SST(AAV2))。本発明の誘導性プロモーターの1つの重要な機能的特徴は、外部から適用される誘導物質への曝露による、それらの誘導能である。
誘導物質の投与または除去は、作動可能に連結された核酸配列(例えば、リコンビナーゼをコードする核酸)の転写の「オン」または「オフ」状態の間の切替をもたらす。したがって、本明細書で使用される場合、核酸配列に作動可能に連結されたプロモーターの「オン」状態は、プロモーターが核酸配列の転写を積極的に駆動している状態を指す(すなわち、連結された核酸配列が発現される)。逆に、核酸配列に作動可能に、または条件付きで作動可能に連結されたプロモーターの「オフ」状態は、プロモーターが核酸配列の転写を積極的に駆動していない状態を指す(すなわち、連結された核酸配列は発現されない)。
本発明に従って使用するための誘導性プロモーターは、1または2以上の生理学的条件、例えばpH、温度、放射線、浸透圧、生理食塩水勾配、細胞表面結合、および1または2以上の外因性もしくは内因性の誘導剤の濃度などの変化により、誘導され得る(または抑制され得る)。外因性誘導物質または誘導剤は、限定はされないが、以下を含むことができる:アミノ酸およびアミノ酸類似体、糖類および多糖類、核酸、タンパク質転写アクチベーターおよびリプレッサー、サイトカイン、毒素、石油系化合物、金属含有化合物、塩類、イオン、酵素基質類似体、ホルモン、またはこれらの組み合わせ。誘導性プロモーターを誘導または抑制する状態(単数または複数)および/または薬剤(単数または複数)は、本明細書に記載の論理ゲートの入力(単数または複数)とすることができる。
本発明に従って使用するための誘導性プロモーターは、本明細書に記載の、または当業者に知られている、任意の誘導性プロモーターを含む。誘導性プロモーターの例としては、限定はされないが、以下を含む:化学的/生化学的に調節され、物理的に調節されたプロモーター、例えばアルコール調節性プロモーター、テトラサイクリン調節性プロモーター(例えば、アンヒドロテトラサイクリン(aTc)応答性プロモーターおよび他のテトラサイクリン応答性プロモーター系などであり、テトラサイクリンリプレッサータンパク質(tetR)、テトラサイクリンオペレーター配列(tetO)およびテトラサイクリントランスアクチベーター融合タンパク質(tTA)を含む)、ステロイド調節性プロモーター(例えば、ラットグルココルチコイド受容体、ヒトエストロゲン受容体、および蛾のエクジソン受容体に基づくプロモーター、およびステロイド/レチノイド/甲状腺受容体スーパーファミリーからのプロモーター)、金属調節性プロモーター(例えば、酵母、マウスおよびヒトからの、メタロチオネイン(金属イオンに結合して封鎖するタンパク質)遺伝子由来のプロモーター)、病原調節性プロモーター(例えば、サリチル酸、エチレンまたはベンゾチアジアゾール(BTH)により誘導される)、温度/熱誘導性プロモーター(例えば、熱ショックプロモーター)、および光調節性プロモーター(例えば、植物細胞からの光反応性プロモーター)。
いくつかの態様において、本発明に従って使用される誘導物質は、N−アシルホモセリンラクトン(AHL)であり、これは細菌のクオラムセンシングに関与するシグナル伝達分子のクラスである。クオラムセンシングは、集団密度に基づくグループベースの挙動の調整を可能にする、細菌間の通信方法である。AHLは細胞膜を横切って拡散し、pH値の範囲にわたって増殖培地中で安定である。AHLは、LuxRなどの転写アクチベーターに結合し、同族プロモーターからの転写を刺激することができる。
いくつかの態様において、本発明に従って使用される誘導物質はアンヒドロテトラサイクリン(aTc)であり、これは、抗生物質活性を示さないテトラサイクリン誘導体であり、例えば細菌などの、テトラサイクリン制御型遺伝子発現系での使用が設計されている。
他の誘導性プロモーター系も、本発明に従って使用してよい。
ターミネーター
本発明に提供されるのは、本発明のいくつかの態様において使用するためのターミネーター配列である。本明細書で使用する「ターミネーター」または「ターミネーター配列」は、転写を停止させる核酸配列である。ターミネーターは、一方向性または二方向性であってよい。これは、RNAポリメラーゼによるRNA転写物の特異的終結に関与するDNA配列から構成される。ターミネーター配列は、上流のプロモーターによる下流の核酸配列の転写活性化を防ぐ。したがって、一定の態様において、RNA転写物の産生を終了させるターミネーターが企図される。ターミネーターは、望ましい出力発現レベル(例えば、低出力レベル)を達成するために、in vivoで必要となり得る。
ターミネーターの最も一般的に使用されるタイプは、フォワードターミネーターである。通常に転写される核酸配列の下流に置かれた場合、フォワード転写ターミネーターは、転写の中止を引き起こす。いくつかの態様において、二方向性転写ターミネーターが提供され、これは通常、フォワード鎖およびリバース鎖両方での転写の終結を引き起こす。いくつかの態様において、リバースターミネーターが提供され、これは通常、リバース鎖での転写のみを終結させる。
原核生物系において、ターミネーターは、通常2つのカテゴリ−、(1)ρ非依存性ターミネーターおよび(2)ρ依存性ターミネーターに分類される。ρ非依存性ターミネーターは一般に、豊富なGC塩基対といくつかのT塩基によるステムループを形成する、パリンドローム配列で構成されている。理論に束縛されることを望まないが、転写終結の従来モデルは、ステムループがRNAポリメラーゼの一時停止を引き起こし、ポリAテールの転写が、RNA:DNA二重鎖の巻き戻しとRNAポリメラーゼからの解離を引き起こすというものである。
真核生物系では、ターミネーター領域は、新しい転写物の部位特異的切断を可能にしてポリアデニル化部位を露出させる、特定のDNA配列を含むことができる。これは、特殊な内因性ポリメラーゼに、転写物の3’末端に約200A残基(ポリA)のストレッチを追加するためのシグナルを送る。このポリAテールで修飾されたRNA分子は、より安定しているようであり、より効率的に翻訳される。したがって、真核生物に関連するいくつかの態様において、ターミネーターは、RNAの切断のためのシグナルを含むことができる。いくつかの態様において、ターミネーターシグナルは、メッセージのポリアデニル化を促進する。ターミネーターおよび/またはポリアデニル化部位エレメントは、出力核酸レベルを増強し、かつ/または核酸間のリードスルーを最小限に抑えるのに役立ち得る。
本発明に従って使用するためのターミネーターは、本明細書に記載のまたは当業者に知られている任意の転写ターミネーターを含む。ターミネーターの例としては、限定するものではないが、遺伝子の終結配列、例えばウシ成長ホルモンターミネーター、およびウイルス終結配列、例えばSV40ターミネーター、spy、yejM、SECG-leuU、thrLABC、rrnB T1、hisLGDCBHAFI、metZWV、rrnC、xapR、aspAおよびarcAターミネーターが挙げられる。いくつかの態様において、終結シグナルは、配列切断に起因するものなどの、転写または翻訳することができない配列であってもよい。
他の誘導性プロモーター系も、本発明に従って使用することができる。
出力核酸配列および出力産物
様々な出力核酸配列および出力産物が、本発明に従って使用するために提供される。本明細書で使用する場合、「出力産物」は、本明細書に記載の論理ゲートおよびシステムの特定の状態のマーカーとして使用できる遺伝子産物を指す。本発明の出力核酸配列は、特定の入力を受けて細胞の状態を追跡またはマークするために用いられるタンパク質またはRNAを、コードすることができる。かかる出力産物は、細胞の種々の状態(例えば、「オン」または「オフ」)を区別するために使用することができる。本発明の論理/メモリシステムのための代表的な出力産物としては、限定はされないが、レポータータンパク質、転写リプレッサー、転写アクチベーター、選択マーカー、酵素、受容体タンパク質、リガンドタンパク質、RNA、リボスイッチ、ショートヘアピンRNAおよびリコンビナーゼが挙げられる。本発明の側面は、複数の論理ゲート(例えば、少なくとも2つの論理ゲート)を含む論理/メモリシステムに関する。かかるシステムにおいて、各論理ゲートは、1または2種以上の異なる出力核酸(例えば、異なるかまたは固有の出力産物(単数または複数)をコードするもの)を含んでもよいことが理解されるべきである。したがって、単一の細胞またはシステムは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10または11種以上の異なる出力核酸を含むことができる。
レポーター出力産物
いくつかの態様において、本発明の出力核酸配列は「レポーター」をコードできてもよい。本明細書で使用する場合、レポーターとは、遺伝子発現を測定し、蛍光、発光または色などの測定可能なシグナルを通常生成するために用いることができる、タンパク質を指す。細胞または生物中のレポーターの存在は、容易に観察される。例えば、蛍光タンパク質(例えばGFP)は、特定の波長の光で励起されると細胞の蛍光を引き起こし、ルシフェラーゼは、細胞に、光を生成する反応を触媒させ、βガラクトシダーゼなどの酵素は、基質を着色生成物に変換する。いくつかの態様において、レポーターは、本発明のシステムが受領した入力の強度または活性を定量するために使用してもよい。いくつかの態様において、レポーターを他のタンパク質のコード配列にインフレームで融合させて、タンパク質が細胞または生物中に位置する場所を特定することができる。本発明に従って使用するためのレポーターは、本明細書に記載のまたは当業者に知られている任意のレポーターを含む。
特定のレポーターおよび望ましい特性データの種類に応じて、レポーターを測定または定量化するいくつかの異なる方法がある。いくつかの態様において、顕微鏡法は、特に単一細胞レベルで、レポーター活性の空間的および時間的両方の情報を得るための有用な技術であり得る。いくつかの態様において、フローサイトメーターを使用して、細胞の大集団にわたってレポーター活性の分布を測定することができる。いくつかの態様において、プレートリーダーを使用して、時間の経過とともに多くの異なる試料の母集団の平均値の測定を行うことができる。いくつかの態様において、かかる様々な機能を組み合わせた機器、例えばフローサイトメーター用に設計された多重プレートリーダー、および組み合わせ顕微鏡法、およびフローサイトメトリー用機器を使用することができる。
蛍光タンパク質を使用して、論理ゲート/システムの出力を視覚化または定量化することができる。蛍光は、適当な波長の光で蛍光タンパク質を励起するように装備された、顕微鏡、プレートリーダーまたはフローサイトメーターを用いて、容易に定量することができる。いくつかの異なる蛍光タンパク質が利用可能であり、したがって複数の遺伝子発現の測定を並列に行うことができる。本発明に従って使用され得る蛍光タンパク質をコードする遺伝子の例としては、限定することなく、米国特許出願第2012/0003630号(表59参照)に提供されているタンパク質を含み、この文書は参照により本明細書に組み込まれる。
ルシフェラーゼもまた、論理ゲート/システムの出力を視覚化または定量化するために、特に低レベルの遺伝子発現を測定するために用いることができ、これは、ルシフェラーゼの不在下では、細胞がごくわずかかまたは全くバックグラウンド発光を有しない傾向があるためである。発光は、プレートリーダーまたは発光カウンターを用いて容易に定量することができる。本発明に従って使用することができるルシフェラーゼをコードする遺伝子の例としては、限定はされないが、dmMyD88−リンカー−Rluc、dmMyD88−リンカー−Rluc−リンカー−PEST191、およびホタルルシフェラーゼ(Photinus pyralisからの)を含む。
着色された基質を生成する酵素(「比色酵素」)もまた、論理ゲート/システムの出力を視覚化または定量化するために使用することができる。酵素産物は、分光光度計またはプレートリーダーなどの吸光度測定が可能な他の機器を用いて、定量することができる。ルシフェラーゼと同様に、βガラクトシダーゼなどの酵素は、それらが低信号を増幅する傾向があるため、低レベルの遺伝子発現の測定に使用することができる。本発明に従って使用することができる比色酵素をコードする遺伝子の例としては、限定はされないが、lacZαフラグメント、lacZ(βガラクトシダーゼをコードするもの、完全長)、およびxylEを含む。
転写出力
いくつかの態様において、本発明の出力核酸配列は、転写アクチベーターまたはリプレッサーをコードすることができ、出力遺伝子によるその産生は、細胞状態にさらなる変化をもたらすことができ、その後のまたは追加の論理ゲートに付加的な入力信号を提供する。転写調節因子は、同族プロモーターからの転写を活性化するか、または抑制する。転写アクチベーターは、典型的には、近くの転写プロモーターに結合し、RNAポリメラーゼを募集して、直接転写を開始する。リプレッサーは、転写プロモーターに結合し、RNAポリメラーゼによる転写開始を立体的に妨げる。その他の転写調節因子は、それが結合する場所および細胞状態に応じて、アクチベーターまたはリプレッサーのいずれかとして機能する。本発明に従って使用するための転写調節因子は、本明細書に記載のまたは当業者に知られている任意の転写調節因子を含む。本発明に従って使用され得る転写調節因子をコードする遺伝子の例としては、限定することなく、米国特許出願第2012/0003630号(表63参照)に提供されている調節因子を含み、この文書は参照により本明細書に組み込まれる。
選択マーカー出力
いくつかの態様において、本発明の出力核酸配列は、選択マーカーをコードできてもよい。本明細書で使用する場合、「選択マーカー」とは、細胞などの生物学的ユニットに選択的利点や欠点を付与する、タンパク質コード配列を指す。例えば、原核生物の選択マーカーの一般的な種類は、特定の抗生物質に対する耐性を付与するものである。こうして、この選択マーカーを有する細胞は、抗生物質の存在にもかかわらず、培地中で増殖することができる。例えば、ほとんどのプラスミドは抗生物質選択マーカーを含み、プラスミドが細胞複製および分裂の間に維持されることが保証されるが、これは、プラスミドのコピーを失う細胞は、抗生物質を補充した培地中においてすぐに死滅するかまたは増殖に失敗するかの、どちらかとなるからである。選択マーカーの第2の一般的な種類であって、多くの場合ポジティブ選択マーカーとも呼ばれるものは、細胞に対して毒性である。ポジティブ選択マーカーは、クローニングの間に、クローニングベクターで形質転換された細胞を選択するためにしばしば使用され、挿入物を含むプラスミドで形質転換された細胞のみとすることを確実にする。本発明に従って使用するための選択マーカーは、本明細書に記載のまたは当業者に知られている任意の選択マーカーを含む。本発明に従って使用することができる選択マーカーをコードする遺伝子の例としては、限定することなく、米国特許出願第2012/0003630号において提供されるマーカーを含み(表64参照)、この文書は参照により本明細書に組み込まれる。
酵素出力
いくつかの態様において、本発明の出力核酸配列は、酵素をコードすることができる。いくつかの態様において、酵素は、特定の入力に対する応答として使用される。例えば、本発明の論理/メモリシステムが受領した特定の入力、例えば環境中に存在する一定範囲の毒素濃度などに応答して、システムは、毒素を分解または他の方法で破壊することができる酵素をコードする出力核酸配列を含む論理ゲートを、「オン」にすることができる。
いくつかの態様において、出力産物は、基質の生成物への変換を触媒する「生合成酵素」であってよい。例えば、かかる生合成酵素を本発明に従って使用して、特定のシグナルに応答して有用な化学物質および材料を生産または分解する経路を組み立てることができる。これらの酵素の組み合わせは、天然または合成のいずれかの生合成経路を再構成することができる。これらの酵素は、特殊化学品、バイオ燃料やバイオレメディエーションにおける用途を有する。本発明に従って使用するための酵素は、本明細書に記載のまたは当業者に知られている任意の酵素を含む。本発明に従って使用することができる酵素をコードする遺伝子の例としては、限定はされないが、米国特許出願第2012/0003630号に提供されるものを含み、この文書は参照により本明細書に組み込まれる。
受容体、リガンドおよび溶解性タンパク質
いくつかの態様において、本発明の出力核酸配列は、受容体、リガンドまたは溶解性タンパク質をコードすることができる。受容体は3つのドメインを有する傾向がある:タンパク質、ペプチドまたは小分子などのリガンドを結合するための細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、およびリン酸化などのある種のシグナル伝達事象に頻繁に関与することができる、細胞内または細胞質ドメイン。いくつかの態様において、輸送体、チャネルまたはポンプは、出力産物として使用される。輸送体は、細胞膜を横切って物質の輸送を担う膜タンパク質である。チャンネルは、選択されたイオンがこれを通して拡散することができる、貫通孔を形成するタンパク質で構成される。ポンプは、能動輸送として知られているエネルギー依存プロセスにおいて、その勾配に抵抗して物質を移動させることができる膜タンパク質である。いくつかの態様において、その主な目的が他のタンパク質、イオン、小分子、および他のリガンドに結合することであるタンパク質およびタンパク質ドメインをコードする核酸配列は、本発明に従って使用することができる。本発明に従って使用するための受容体、リガンドおよび溶解性タンパク質は、本明細書に記載のまたは当業者に知られている任意の受容体、リガンドおよび溶解タンパク質を含む。本発明に従って使用することができる受容体、リガンドおよび溶解性タンパク質をコードする遺伝子の例としては、限定はされないが、米国特許出願第2012/0003630号に提供されるものを含み(表73を参照)、この文書は参照により本明細書に組み込まれる。
論理ゲートおよびシステムの遺伝子工学
本発明の合成論理/メモリシステムでの使用のために操作される細胞は、任意の細胞または宿主細胞であってよい。本明細書中で定義されるように、「細胞」または「細胞系」とは、全ての既知の独立した生物の基本的な構造的および機能的単位である。それは、生物として分類される生命の最小単位である。例えば、ほとんどの細菌など一部の生物は、単細胞である(単一の細胞で構成されている)。ヒトなどの他の生物は、多細胞である。
いくつかの態様において、本発明に従って使用するための細胞は原核細胞であり、細胞エンベロープと、細胞のゲノム(DNA)およびリボソームおよび様々な種類の介在物を含む細胞質領域とを含むことができる。いくつかの態様において、細胞は細菌細胞である。本明細書で使用する場合、用語「細菌」は、例えば、原核生物およびシアノバクテリアなど、細菌の全ての変異体を包含する。細菌は、小さく(典型的な直線寸法は約1ミクロン)、非区画化され、環状DNAおよび70Sのリボソームを有する。細菌という用語はまた、真正細菌と古細菌の細菌亜門を含む。真正細菌は、細胞壁の構造の違いに依存して、グラム陽性とグラム陰性真正細菌にさらに細分することができる。本明細書にさらに含まれるのは、全体的形態のみに基づいて分類されるものである(例えば、球菌、桿菌)。いくつかの態様において、細菌細胞は、グラム陰性細胞であり、いくつかの態様において、細菌細胞はグラム陽性細胞である。
本発明に従って使用することができる細菌細胞の例としては、限定することなく、以下からの細胞が挙げられる:Yersinia spp.、Escherichia spp.、Klebsiella spp.、Bordetella spp.、Neisseria spp.、Aeromonas spp.、Franciesella spp.、Corynebacterium spp.、Citrobacter spp.、Chlamydia spp.、Hemophilus spp.、Brucella spp.、Mycobacterium spp.、Legionella spp.、Rhodococcus spp.、Pseudomonas spp.、Helicobacter spp.、Salmonella spp.、Vibrio spp.、Bacillus spp.、Erysipelothrix spp.、Salmonella spp.、Stremtomyces spp.。いくつかの態様において、細菌細胞は以下からの細胞である:Staphylococcus aureus、Bacillus subtilis、Clostridium butyricum、Brevibacterium lactofermentum、Streptococcus agalactiae、Lactococcus lactis、Leuconostoc lactis、Streptomyces、Actinobacillus actinobycetemcomitans、Bacteroides、cyanobacteria、Escherichia coli、Helobacter pylori、Selnomonas ruminatium、Shigella sonnei、Zymomonas mobilis、Mycoplasma mycoides、Treponema denticola、Bacillus thuringiensis、Staphlococcus lugdunensis、Leuconostoc oenos、Corynebacterium xerosis、Lactobacillus planta rum、Streptococcus faecalis、Bacillus coagulans、Bacillus ceretus、Bacillus popillae、Synechocystis PCC6803株、Bacillus liquefaciens、Pyrococcus abyssi、Selenomonas nominantium、Lactobacillus hilgardii、Streptococcus ferus、Lactobacillus pentosus、Bacteroides fragilis、Staphylococcus epidermidis、Zymomonas mobilis、Streptomyces phaechromogenes、Streptomyces ghanaenis、Halobacterium strain GRB、またはHalobaferax sp. Aa2.2株。
いくつかの態様において、本発明に従って使用するための細胞は、核などのその中で特定の代謝活動が行われている膜結合コンパートメントを含む、真核細胞である。本発明に従って使用するための真核細胞の例としては、限定はされないが、哺乳動物細胞、昆虫細胞、酵母細胞(例えばSaccharomyces cerevisiae)および植物細胞を含む。いくつかの態様において、真核細胞は、脊椎動物からのものである。本発明に従って使用するための脊椎動物細胞の例としては、限定はされないが、精子、卵子および胚細胞を含む生殖細胞、ならびに腎臓、肺、脾臓、リンパ系、心臓、胃、腸、膵臓、筋肉、骨、神経、脳および上皮細胞を含む非生殖細胞が挙げられる。胚性幹細胞を含む幹細胞を用いることもできる。
いくつかの態様において、ウイルスまたはファージなどの非細胞系を、本発明に従って使用してもよい。例えば、合成論理/メモリシステムの任意の1または2以上の構成要素を、論理システムの核酸を例えばウイルスゲノムに直接統合することによって、導入することができる。本明細書に記載のように使用するためのウイルスは、以下であってよい:二本鎖DNA(dsDNA)ウイルス(例えば、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス)、一本鎖DNA(ssDNA)ウイルス((+)センスDNA)(例えば、パルボウイルス);二本鎖RNA(dsRNA)ウイルス(例えば、レオウイルス);(+)ssRNAウイルス((+)センスRNA)(例えばピコルナウイルス、トガウイルス);(−)ssRNAウイルス((−)センスRNA)(例えば、オルソミクソウイルス、ラブドウイルス);一本鎖RNA(ssRNA)−逆転写酵素ウイルス(ライフサイクルにおけるDNA中間体を有する(+)センスRNA)(例えば、レトロウイルス);またはdsDNA−逆転写ウイルス(例えば、ヘパドナウイルス)。
ウイルスはまた、植物ウイルスおよびバクテリオファージまたはファージを含むことができる。本発明に従って使用することができるファージファミリーの例としては、限定はされないが、以下を含む:Myoviridae(T4様ウイルス;P1様ウイルス;P2様ウイルス;Mu様ウイルス;SPO1様ウイルス;phiH様ウイルス);Siphoviridaeγ様ウイルス(T1様ウイルス;T5様ウイルス;c2様ウイルス;L5様ウイルス;.psi.M1様ウイルス;phiC31様ウイルス;N15様ウイルス);Podoviridae(T7様ウイルス;phi29様ウイルス;P22様ウイルス;N4様ウイルス);Tectiviridae(テクティウイルス);Corticoviridae(コルチコウイルス);Lipothrixviridae(アルファリポスリクスウイルス、ベータリポスリクスウイルス、ガンマリポスリクスウイルス、デルタリポスリクスウイルス);Plasmaviridae(プラズマウイルス);Rudiviridae(ルディウイルス);Fuselloviridae(フセロウイルス);Inoviridae(イノウイルス、プレクトウイルス);Microviridae(ミクロウイルス、スピロミクロウイルス、ブデロミクロウイルス、クラミジアミクロウイルス);Leviviridae(レビウイルス、アロレビウイルス)およびCystoviridae(シストウイルス)。かかるファージは、天然に存在するか、または操作されたファージであってよい。
いくつかの態様において、細胞または細胞系は、「天然の細胞」である(例えば、天然に見出され、人工または合成ではない)。いくつかの態様において、細胞または細胞系は、人工細胞または合成細胞である。本明細書で使用する場合、「人工細胞」または「合成細胞」は、天然の細胞が機能することができる方法で機能することができる(例えば、タンパク質を転写および翻訳し、ATPを生成する)、人工的な部品から形成された、最小限の細胞である。
本発明による宿主細胞は、合成論理システム(例えば、論理ゲート)の1または2以上の構成要素での形質転換またはトランスフェクションの際に、合成論理/メモリシステム構成要素の活性化および発現を支持することができる、任意の宿主細胞を含む。
いくつかの態様において、本発明の合成論理/メモリシステムの1または2以上の構成要素は、ベクターまたはプラスミドを用いて、細胞系または非細胞系に導入することができる。本明細書で使用する場合、「ベクター」は「プラスミド」と互換的に使用されて、それが連結している別の核酸を輸送できるところの核酸分子を指す。それらが作動可能に連結された遺伝子および/または核酸配列の発現を指向し得るベクターは、本明細書において「発現ベクター」と呼ばれる。一般に本明細書に記載の発現ベクターは、多くの場合プラスミドの形態であり、これは、染色体に結合していない円形の二本鎖DNAループである。発現ベクターは、DNAの安定なまたは一過性発現のためのベクターであってよい。ベクターは、自己複製する染色体外のベクターまたは宿主ゲノムに組み込まれるベクターのいずれでもよい。他の発現ベクターも本発明に従って使用することができ、これには、限定するものではないが、エピソーム、バクテリオファージおよびウイルスベクターを含み、かかるベクターは、宿主のゲノムに組み込まれるか、使用される特定の細胞系中で自律的に複製することができる。同等の機能を果たす、当業者に知られている発現ベクターの他の形態を使用してもよい。
本発明の核酸配列(例えば、論理ゲートをコードするもの)を含むベクターは、DNAおよびRNAを細胞内に導入するための当技術分野で周知の技術により、ポリヌクレオチドとして細胞内に「導入する」ことができる。本明細書で使用する場合、「トランスフェクション」は、遺伝物質(例えば、核酸配列を含むベクター)の、細胞、組織または生体への導入を指す。細胞のトランスフェクションは、安定的または一過性であってよい。宿主細胞は、核酸が細胞内に導入されるが、宿主細胞のゲノムに組み込まれない場合に、一過性にトランスフェクトされると考えられる。一過性トランスフェクションは、例えば、核酸によってコードされるポリペプチドの存在を検出する酵素結合免疫測定法(ELISA)により検出することができ、または核酸によってコードされるタンパク質の活性を検出することによって検出することができる。対照的に、宿主細胞が安定的にトランスフェクトされたと考えられるのは、核酸が細胞内に導入されて、宿主細胞のゲノムに組み込まれる場合である。安定的にトランスフェクトされた細胞は、導入された核酸を、それらの子孫に渡す(減数分裂を介した安定した遺伝力)。細胞の安定なトランスフェクションは、細胞のゲノムDNAの、1または2以上の導入遺伝子に結合することができる核酸配列とのサザンブロットハイブリダイゼーションによって、または、導入遺伝子配列を増幅するための細胞のゲノムDNAのポリメラーゼ連鎖反応によって、検出することができる。
いくつかの態様において、合成RNAプロセッシングプラットフォームを用いて、mRNAを処理して下流遺伝子から5’非翻訳領域(UTR)を分離することができる。たとえば、自己切断リボザイムをコードする配列(例えば、RiboJ[68];
AGCTGTCACCGGATGTGCTTTCCGGTCTGATGAGTCCGTGAGGACGAAACAGCCTCTACAAATAATTTTGTTTAA[配列番号16])を出力核酸の上流(例えば、直接上流)に挿入して、遺伝子の発現を向上させることができる。RiboJは、例えば、自己開裂して上流RRSの下流遺伝子の翻訳への影響を低減する。いくつかの態様において、細菌がクラスタ化され定期的に間隔をとった短いパリンドローム反復(CRISPR)経路を用いて、mRNAを処理して下流遺伝子から5’UTRを分離することができる[70]。いくつかの態様において、上流の「使い捨て」オープンリーディングフレーム(ORF)と下流ORFを有する結合翻訳系を用いて、下流のより信頼性の高いプログラム可能な翻訳を有するmRNAを、生成することができる[71]。他の合成RNA処理プラットフォームもまた、本明細書中で企図されている。
合成論理/メモリシステムの使用
本発明の、リコンビナーゼに基づく合成論理/メモリシステムは、原核細胞、真核細胞および合成細胞などの細胞系において、または試験管、ウイルスおよびファージを含む非細胞系において、複雑な挙動の表現型を操作するために、特に有用である。本明細書に記載の論理/メモリシステムは、核酸に基づく操作方法の力を、治療的、診断的および基礎科学的用途のための、細胞のまたは生物学的な状態機械、挙動および経路のプログラミングを行うための、計算機およびシステム生物学アプローチと組み合わせる。本明細書で使用する場合、「状態機械」とは、所定の時間における何かの状況(status)(または状態)を保管(記憶)し、入力(単数または複数)によって状況を変化させるよう、および/または所与の変化に対して行動(単数または複数)または出力(単数または複数)を引き起こすように動作することができる、任意のツールを指す。典型的には、状態機械は以下を含む:入力事象のセット、出力事象のセット、状態のセット、状態と入力(単数または複数)を出力(単数または複数)にマッピングする関数、状態と入力を新しい状態にマッピングする関数(状態遷移関数と呼ばれる)、および初期状態の記述。
本発明の合成論理/メモリシステムは、様々な用途ならびに、バイオレメディエーション、バイオセンシングおよび生物医学的治療を含む多くの異なる種類の方法において使用することができる。いくつかの態様において、論理/メモリシステムは、遺伝子発現または合成分化カスケードのための多重化細胞スイッチを構築するために使用することができる。細胞シグナルは、シグナルをリコンビナーゼ発現に連結することにより、論理/メモリシステムへの入力として統合することができる。本発明の論理/メモリシステムを有する多細胞系はまた、分散計算または合成細胞コンソーシアムを実現することもできる[23〜26]。
いくつかの態様において、本発明の合成論理/メモリシステムを用いて、デジタル表現をアナログ出力に翻訳する「デジタル−アナログ変換器」を構築することができる。かかるシステムを用いて、システムの内部状態を確実に設定することができる。例えば、化学誘導物質の量を変化させて転写活性を微調整する代わりに、遺伝子スイッチ(異なるリコンビナーゼおよび論理ゲート)のバンクで構成されて各スイッチが異なる誘導物質に敏感なデジタル−アナログ変換器は、より良好な制御を提供する。それぞれの活性化スイッチを介して、変動する強度(例えば、P出力、3>P出力、2>P出力、1)のプロモーターからの転写を有効にすることで、誘導剤のデジタル的組み合わせを用いて、転写活性の規定されたレベルをプログラムすることができる。かかる回路は、異なる経路の信頼性発現が、操作された細胞における異なる動作モードをプログラムするために必要とされる、バイオテクノロジー用途において使用することができる。さらに、デジタル−アナログ変換器は、合成回路をプロービングするための多重化方法を提供するのに有用である。例えば、各アナログレベルは明確なデジタル状態に関連付けられているため、単一のアナログ出力によって、合成遺伝子ネットワークの内部デジタル状態を推測することが可能である。
さらに、いくつかの態様において、本発明の合成論理/メモリシステムは、飲料水中のヒ素、および/または一定範囲の毒素および/または重金属を検出するために使用することができる。システムは、毒素および重金属を消化し中和することができる、遺伝子操作された細菌に結合することができる。これは、例えば、特定の毒素または重金属を検知する細菌によって実現され、センサーはリコンビナーゼ発現を制御する誘導性プロモーターのための入力として直接連結され、次に、遺伝子、プロモーターまたはターミネーターをフリップする(例えば活性化または脱活性化する)ことによって、論理/メモリシステムを活性化させる。その結果、毒素および重金属の消化および中和を制御する経路がオンとなる。
本発明の合成論理/メモリシステムの方法および使用は、in vivo、ex vivo、またはin vitro系を含むことができる。用語「in vivo」は、多細胞動物などの生体の中または内側で起こるアッセイまたはプロセスを指す。いくつかの態様において、方法または使用は、細菌などの単細胞生物を使用する場合、in vivoで起こると言うことができる。用語「ex vivo」は、生細胞および、多細胞動物または植物体の外にある無傷の膜(例えば、外植片、初代細胞および細胞株を含む培養細胞、形質転換された細胞株、および、特に血液細胞を含む、抽出した組織または細胞)を用いて実施される、方法および使用を指す。用語「in vitro」は、細胞抽出物などの、無傷の膜を有する細胞の存在を必要としないアッセイおよび方法を意味し、操作された遺伝子カウンターを、非細胞系中に、例えば細胞または細胞抽出物等の細胞系を含まない培地などに導入することを、意味してもよい。
リコンビナーゼに基づく論理/メモリシステム
attBとattPとして知られている非同一の認識部位を標的とするセリンリコンビナーゼBxb1およびphiC31を用いて、認識部位の周囲の対の向きに基づき、DNAを不可逆的に反転または切除した[11]。入力の不在のもとで低い漏れを確実にするために、Bxb1[12]およびphiC31[13]を、それぞれN−アシルホモセリンラクトン(AHL)およびアンヒドロテトラサイクリン(aTc)誘導性リボレギュレーター[14]の制御下でクローニングした。全ての細胞は、これらのリコンビナーゼ発現構築物の両方を含んでいた。ここで、AHLを介したBxb1発現は入力Aとして、およびaTcを介したphiC31発現は入力Bと呼ぶ。本発明の論理/メモリシステムの出力は、緑色蛍光タンパク質(gfp)をレポーター遺伝子として用いてアッセイした。本明細書に示したデータは、Bxb1およびphiC31が、互いに直交して動作することを示す(図2の「A」および「B」ゲートを参照)。
リコンビナーゼが触媒する、カスケード接続プロモーターの反転(リコンビナーゼプロモーター論理)は、プロモーターの最初の向きに応じて、OR論理およびNAND論理を実現することができる(図2)。両プロモーターが下流出力遺伝子に対して反転している場合、入力AまたはBによるどちらかのプロモーターのフリッピング(すなわち反転)は、高いGFP出力をもたらす(OUT=A OR B)。両プロモーターが下流遺伝子出力に対して直立している(反転していない)場合、入力AおよびBによる両プロモーターの反転が、低出力を生成するために必要とされる(OUT=A NAND B)。
リコンビナーゼが触媒する、カスケード接続一方向性ターミネーターの反転は(リコンビナーゼ−ターミネーター論理)、ターミネーターの最初の向きに応じて、AND論理およびNOR論理を実現することができる(図1および図2)。2つのターミネーターが直立して、プロモーターと出力遺伝子の間に配置されている場合、入力AおよびBによる両プロモーターの反転は、高出力をもたらす(OUT=A AND B)。2つの一方向性ターミネーターが最初に反転している場合、入力AおよびBによるどちらかのターミネーターの反転は、低出力をもたらす(OUT=A NOR B)。
NORゲートおよびNANDゲートは汎用論理演算であり、電気的システムでしばしば行われるように、より複雑な機能を実現するために一緒にアセンブルすることができる[15〜17]。しかし生物学的システムは、合成回路設計に利用可能なはるかに少ない部品数の、リソースが制約された環境である。したがっていくつかの態様において、複雑な論理関数の直接的かつ効率的なコード化が、複数の汎用ゲートをカスケード接続する必要なしに実現される。
リコンビナーゼ反転可能プロモーター、ターミネーター、および出力核酸配列の異なる組み合わせを構築することにより、全ての2入力ブール論理関数が、マルチ論理ゲートのカスケードを必要とすることなく、個々の細胞において作製された(図1および図2)。これは、再利用可能なリコンビナーゼ反転可能構成要素を使用した、モジュール式ワンステップギブソン・アセンブリ戦略を用いて実施された[18]。簡単なプログラミング言語が、指定された設計によって実現される論理関数を、[プロモーター(単数または複数)]−[ターミネーター(単数または複数)]−[出力]の構造として定義する(図2)。具体的には、出力核酸発現が生じる可能性があるのは、(少なくとも1つの上流プロモーターが直立である)AND(どのターミネーターも直立ではない)AND(出力核酸は直立である)場合のみである。
これらの単純なプログラミングルールを使用して、与えられた論理関数を、リコンビナーゼ反転可能モジュールの異なる組み合わせを用いて実現することができ、こうして設計に柔軟性を与える(図2および図3)。例えば、B NIMPLY AはB AND NOT Aに等しい;この論理関数は、(入力Bの発現により)phiC31によってフリップされた反転プロモーターを、(入力Aの発現により)Bxb1によってフリップされた下流反転ターミネーターと、および下流の直立gfp出力遺伝子とカスケード接続することにより、構築することができる(図2)。この構成において、遺伝子発現は、BがTRUEでありAがFALSEである場合にのみ生じる。
さらに、複雑なXORゲートおよびXNORゲートは、両方のリコンビナーゼのリコンビナーゼ認識部位の間に構成要素を配置することにより、他の論理ゲートの単純さを有して実現することができる(図2および図3)。図2のXORゲートにおいて、プロモーターは、最初反転されている。AHLまたはaTcのいずれかによるプロモーターの任意の1つの反転は、GFPの発現をもたらし、一方で、AHLおよびaTcの不在によるプロモーターの反転なし、またはAHLおよびaTc両方の存在によるプロモーターの二重反転は、GFP発現の不在をもたらす(図2)。図3のXORゲートにおいて、gfp遺伝子は最初に反転されており、単一の入力によるこの遺伝子の単一の反転は、GFP発現をもたらす。XNORゲートにおいて、gfp遺伝子は、最初に直立している(図2)。したがって、単一の入力の存在はgfp遺伝子を反転させ、それ以外の場合に存在するであろうGFP発現を消失させる(図2)。
この計算パラダイムの重要な特徴は、これらの論理ゲートが、入力が取り消された後にも、安定した出力メモリを維持することである。これは、ANDゲートを両方の入力でそのオン状態に誘導し、次に入力なしで9日間(>90世代)、これらの細胞を繰り返しサブ希釈(sub-diluting)して増殖させることにより、実証された(図4B)。この回路は、誘導後の全期間を通じて高出力を維持した。この特性は、複雑な、状態依存性の合成回路の作製を可能にする。さらに、転写または転写後の論理とは異なり、計算の状態はPCRを用いて、細胞死の後にも検出することができる(図4B)。この特徴を用いて、その状態をハイスループットシークエンシング技術を使用して多重化方式で調べることが可能な、細胞バイオセンサを作製することができる。
合成生物学の主要な目標の1つは、合成遺伝子回路を使用して、プログラム可能な機能を備えた上位ネットワークを開発することである[43]。この目標を達成する能力を実証するために、デジタル誘導物質入力を安定なアナログ遺伝子発現出力に変換する、デジタル−アナログ変換器を構築した[44]。これらのデジタル−アナログ変換器回路は、2つのデジタル誘導物質入力(AHLとaTc)を受け入れて、異なる強度の構成的プロモーターからの遺伝子発現のリコンビナーゼ反転可能トグルに基づき、4つの安定したアナログ遺伝子発現出力レベルを生成する(図26A〜26C)。3つの構成的プロモーター(proA、proC、およびproD31)を用いて、異なるデジタル設定可能(プログラム可能)レベルを有する3つの異なるデジタル−アナログ変換器を構築した。下流Bxb1およびphiC31リコンビナーゼ認識部位を有する変異型プロモーターの相対的強度は、GFP蛍光をフローサイトメトリーで測定することにより決定した(図27)。これらの結果は、phiC31 attB部位が、Bxb1 attB部位または介在リコンビナーゼ認識部位なしの場合と比較して、全てのプロモーターからのGFP発現を減少させたことを示した。
各デジタル−アナログ回路は、これらの変異型構成的プロモーターの対を含み、その各々は、誘導性リコンビナーゼ媒介性の反転の後にのみ、GFPの発現を駆動する。両方の入力に暴露された場合の全GFP出力は、AHLのみが存在する場合のGFPレベル+aTcのみが存在する場合のGFPレベルにほぼ等しい(図26A〜26C)。各リコンビナーゼ反転可能gfp発現カセットの個々のアナログ出力レベルが、互いに2倍に変化するように設計された場合には、デジタル−アナログ回路の出力は、単純なバイナリコードに基づいて入力により決定した。例えば、図26Cにおいて、デジタルAHL入力は、究極のアナログ遺伝子発現出力を生成するためにスケーリングされたバイナリ整数における、最下位ビットとして表すことができ、デジタルaTc入力は、最上位ビットとして表すことができる。
バイオテクノロジープロセスにおいて、構成的プロモーターは安定した遺伝子発現のために有用であるが、遺伝子の発現レベルを動的に調整する、または規定された時点において遺伝子発現を誘導することは、一般にできない[45]。これとは対照的に、誘導性プロモーターは調節可能な遺伝子発現を提供するが、誘導物質に依存し、これは高価となり得るか、またはより高い容量にスケーリングするのは困難である[45]。本発明によるデジタル−アナログ変換器は、構成的プロモーターと誘導性プロモーターの間の有利な妥協点を提供し、n個の入力誘導物質の適用による2の構成的出力発現レベルの、スケーラブルなプログラミングを可能にするように拡張することができる。これらの回路を含む細胞は、定義された構成的発現レベルにそれらをロックするために、一過性にのみ誘導されることが必要であり、こうして、誘導物質の拡張性に関連する問題を軽減する。本発明のデジタル−アナログ回路はまた、単一のアナログ出力を有するデジタルイベントの多重化報告のためにも有用である。例えば図26Cに示すように、別個のアナログ発現レベルを、単純なバイナリコードによって、それらのデジタル入力の組み合わせに一意的にマッピングすることが可能である。
要約すると、本発明は、単一の細胞内に、統合された論理/メモリのための効率的なプラットフォームを提供する。このモジュール式DNAアセンブリ戦略は、論理関数の簡単なプラグアンドプレイのコード化と、DNAの情報を「書き込む」リコンビナーゼの能力から生じる付随メモリを可能にする。一方向性のリコンビナーゼが使用されるため、本発明の論理ゲートは、時間の経過とともにその入力のメモリを維持し、所定の時間におけるそれらの入力に条件付けられない。この特性は、順序論理と安定した細胞状態を実現する、生物学的状態機械の構築を可能にする。
例2.Saccharomyces cerevisiaeにおける統合論理/メモリ
リコンビナーゼを、例えば、aTc、IPTG、銅およびガラクトースにより制御可能なものを含む、S. cerevisiaeにおける誘導性プロモーターの制御下に置く。使用するリコンビナーゼは、phiC31、Bxb1、TP901-1、A118およびU15353を含む。リコンビナーゼ活性を、プロモーター(例えば、pCYC1、pADH1、pPGK1)および反転リコンビナーゼ認識部位の対(RRS)の間に配置された酵母強化gfp(yEGFP)などの下流反転遺伝子を含有するレポーター構築物を用いて、試験する(図32、左)。同族リコンビナーゼによるRRSの認識による遺伝子反転の際に、yEGFPが発現される。リコンビナーゼ効率をフローサイトメトリーを用いて経時的にモニターし、測定をPCR(例えば、遺伝子が最初に反転される場合にのみ増幅する特定のプライマー、および遺伝子がフリップされた後にのみ増幅するプライマーを用いて)およびDNA配列決定で確認する。リコンビナーゼ反転効率は、90%よりも高くなり得る[46]。リコンビナーゼの互いのRRSに対する直交性は、全てのリコンビナーゼを全てのレポーター構築物を用いてクロスすることにより特徴付けられる(図32、右)。これらのリコンビナーゼは、それらのRRS間の配列の違いを考えると、一般に高度に特異的である。反転に加えて、リコンビナーゼの切除効率と直交性を試験する。ターミネーターを、構成的プロモーターおよび下流yegfp遺伝子との間に配置する(図33)。このターミネーターは同じ方向に向いている2つのRRSの間に配置され、したがって切除をもたらす。酵母ターミネーターの例としては、限定はされないが、CYC1およびADH1ターミネーターを含む。リコンビナーゼの反転/切除活性および直交性を検証した後、統合論理/メモリ回路を構成する。AND、OR、NAND、NOR、XOR、およびXNORなどの論理ゲートを、図2に示すものと同様の戦略を使用して構築する。これは、リコンビナーゼを、反転可能または切除可能なプロモーター、ターミネーター、および遺伝子の異なる組み合わせを含む、独立した誘導性の制御および標的化回路下に配置することにより、達成される。これらの回路の動作は、フローサイトメトリーを用いて、誘導性因子入力の異なる組み合わせによる蛍光出力に基づき、特徴付けられる。
リコンビナーゼ、プロモーターおよびレポーターを含む合成カセットを、異種遺伝子発現のための適切な標的として同定されているHIS3、TRP1、LEU2、URA3、およびHOを含むゲノム遺伝子座に統合する[47,48]。合成構成要素の統合がチャレンジであるいくつかの例においては、絶縁体エレメントが構築物に導入されるか[49]、または酵母人工染色体(YAC)が使用される。
S. cerevisiaeにおいて効率的ではないリコンビナーゼのために(例えば、温度またはその他の要因により)、遺伝子はコドン最適化され、指向進化を実施して、高い活性を有するリコンビナーゼの変異体を同定する。リコンビナーゼの発現も調整することができ、これはいくつかの例において、リコンビナーゼに分解タグを追加することにより[50]、合成上流オープンリーディングフレームを調整することにより[51]、5’UTR配列を改変することにより[52]、またはプロモーターを変異誘発して、漏れや乏しい分解からの不要な活性の問題を最小化することによる。
例3.生物学的状態機械の自動設計のための計算アルゴリズム
統合論理/メモリのためのリコンビナーゼに基づく回路は、単純な設計ルールによって記述することができる。例えば、RRSが互いに重ならず、遺伝子構築物が単純な[プロモーター(単数または複数)]−[ターミネーター(単数または複数)]−[出力]構造を有する場合(図1)、遺伝子発現が起こるのは、(少なくとも1つの上流プロモーターが直立であり)AND(ターミネーターが全て直立しておらず)AND(出力遺伝子が直立である)場合のみである。RRSが重複するものなどの、より複雑な遺伝子構築物では、潜在的な順列の複雑さが非常に急速に増加するが、それでも簡単なルールを介して別個の状態遷移に分解することができ、例えば、リコンビナーゼ発現は、一対の反転RRS間でのDNAの反転、および一対の同方向に配向するRRS間でのDNAの切除をもたらす。
設計のボトルネックに対処するために、目的の状態図(例えば、HSC分化ネットワーク、図37)を、合成部を有する生物学的な実装(図34)へと直接変換可能な計算アルゴリズムが作成されて、例えばMatlabに実装されている。基本的なソフトウェア構造を、以下に説明する。
このソフトウェアプログラムは、所与の数の遺伝子が事象の特定のパターンまたは順序において活性である状態依存性システムを開発するために研究者が必要とする入力を最小化する、状態図から回路への設計プロセスを提供する。アルゴリズムは、構築物を、出力が各ノードにおける遺伝子発現によって定義されるところの分化ダイアグラムと一致するように作製することによって、検証される。これを行うために、ソフトウェアは、セリンリコンビナーゼ(例えば、単純化のために一方向性リコンビナーゼに着目)およびRRS、プロモーター、ターミネーター、および遺伝子モジュールなどの部品の特定のセットを適用する。分化ネットワーク内のノードは、各状態において所望の遺伝子発現出力を得るために、これらの部品の特定の構成を有する状態である。これらの状態は、リコンビナーゼ論理を介して、単一の反転または切除事象が状態間の遷移を引き起こすように、連結されている。
図34は、本発明のアルゴリズムの一般的概要の非限定的な例を示す。ユーザーは、複雑な条件付きの様式で動作する、目的の状態図を設計する(図34A)。示された分化ネットワークの例では、「1」の入力は、常に、出力の現在のセットに対する、青色遺伝子の追加の発現をもたらし、一方「2」の入力は、緑色遺伝子の発現を付加する。最後に、「3」が最初の入力の場合、元の赤の遺伝子が保存される。そうでなければ、状態BおよびC(図34A)に見られるように、元の赤の遺伝子のスイッチがオフにされる。この動作は、ユーザーが、状態、それらに対応する出力、およびそれらを連結する遷移を描く方法から、直接生じる。多数の他の状態機械および設計アーキテクチャが、本明細書において企図されている。複数の遺伝子が同時に活性になっているところのノードを定義することができ(状態E−H)、または2つのノードが、同じ出力の異なる状態(状態AとD)を有するか、またはノードの全ての発現がオフになっているところのノードを定義できる。提供される例が利用するネットワークでは、入力(例えば、入力1、2および3の全ての可能な順列)の可能性ある全てのセットは描画されていない。「1」または「2」の初期入力は、さらなる入力がシステムに生産的に送達されることを防ぐ。ユーザーはまた、全ての可能な遷移が新たな出力を生成はしないツリーも、定義することができる(ただし技術的には、新しいDNA状態を生成することができる)。
ユーザーが一旦、所望の状態機械図をプロットすると、次のステップは、得られた図を文法に変換することである(図34B)。文法の記述は、ネットワーク内の全ての遷移をリストすることであり、ここで各エントリは、その遷移における入力、遷移が由来する状態、それが終了した状態、およびこれら両方の状態の出力を含む。
文法を適用して、プログラムは、提供されたネットワークの動作を達成するために必要な部品の最小集合を評価する(図34C)。プログラムに初期化される遺伝子モジュールの数は、ネットワーク内の全出力の固有のセットに応じて選択され、一方で調節エレメントの数は、ネットワーク内の全ての出力で同時に発現される遺伝子の最大数によって決定される。並行して、プログラムは、ユーザーにより指定された固有の入力数に基づいて、必要とされるリコンビナーゼの数を決定する。
選択された部品により、プログラムは、遺伝子発現の構成要素とリコンビナーゼ部位の全ての関連する順列を、別々に計算する(図34D)。これは、アルゴリズムの計算負荷を低減し、また、遺伝子調節および組換えエレメントの基礎となる論理の、分離された評価(uncoupled assesment)が可能となる。遺伝子調節部品およびリコンビナーゼ部位の両方について、プログラムは、組み合わせを計算する際に各構成要素の2つの可能な向きを、構成要素が他と相対的にその上に存在するところのDNA鎖に依存して説明する。計算の必要性をさらに減らすために、リコンビナーゼの組み合わせの決定は、少なくとも第一近似として、リコンビナーゼ部位が交換可能であることを仮定することにより、行うことができる。
プログラムは、生成された各組み合わせの基本論理を査定する。遺伝子発現を解析する場合、プログラムは、各構築物中の全ての遺伝子モジュールの位置を査定し、遺伝子調節エレメントの相対的な向きおよび位置に基づいて、それが活性であるかどうかを評価する。同じ遺伝子出力を有する構築物は、その後、一緒にグループ化される(図34E)。これをさらに強化するために、スコアリングアプローチを実装でき、これは、各構築物を生物学的実現可能性について分析する。遺伝子調節構築物が、遺伝子出力に対応するビン内に配置されると、プログラムは、それぞれの遷移を順番に見ることにより、全体の分化図を横断して、その遷移の開始および終了状態に対する出力に対応するビン内の候補が、単一の組換え事象によって分離されるかどうかを計算する。候補が各遷移について処理されるにしたがって、その遷移の要件を満たさないものは廃棄され、ネットワーク全体に適合する構築物が最終的に出現することを可能にする。
RRSの場合には、論理演算は、RRSの組み合わせの現在の状態Qn、および、可能なユニークな入力Iの全ての組み合わせの全セットの後に得られる状態Qn+1を追跡するテーブルの作成が伴う(図34F)。後者は、ネストされた部位のユニークな条件付き性質を説明し、例えば、1→2の入力は、RRSが互いの内部にネストされている場合、同じ入力の逆の順序(例えば2→1)とは異なるRRSの配向をもたらし得る。したがって、2つのみのリコンビナーゼ入力を有するシステムについて、可能な入力のフルセットは、I=[1,2,1→2,2→1]となる。
最後に、適切な遺伝子発現プロファイルを生じさせる構築物の集合と、全ての入力に適合するリコンビナーゼ論理についての情報を組み合わせて、おそらくは異なるアーキテクチャを有して、所望の状態図と同じ動作を示す回路の完全なセットを生成する(図34H)。分化ネットワークにおける全ての遷移を満たす生産候補の提案がない場合、プログラムは、最初の部分の選択段階にもどり、さらなる遺伝子調節部品を順番に追加して、成功する構築物設計が発見される可能性を高める。
最終的に、このアルゴリズムは、RRSの異なる順列および調節部品を含み、与えられた所望の状態図を満たすであろう、リコンビナーゼに基づく回路のリストを生成する。このアルゴリズムは、逆のプロセスを経て検証することができる。すなわち、得られた各リコンビナーゼに基づく回路に対して、全ての可能な状態を異なる識別(identity)および入力のタイミングに基づいて遷移させ、対応する状態図を描いてアルゴリズムの精度を確認する。
各追加のリコンビナーゼおよび設計用に利用可能なRRSのセットと共に予想される、回路の複雑さの急激な増加のために、アルゴリズムの計算時間は急速に拡張し得る。処理時間を最小化するため、アルゴリズムを並列化して計算クラスタ上で実行し、コードを、別の言語(例えばC言語)を使用して最適化することができる。さらに、より大きい状態図は、多くの場合小さい状態図の組み合わせに分解することができるので、より小さい状態図の結果をメモリに保存し、結果を将来の計算に使用して、不必要な再計算を最小化することができる。
コアアルゴリズムを改善して、そのフレキシビリティ、パワーおよび効率を高めることができる。他のリコンビナーゼ反応(例えば、統合または双方向反転)を加えることができ、またはさらなる調節エレメントの種類を定義することができる。ツールを、生物学的負荷を制限しつつ計算効率を最大化する、ランクソート設計に精緻化することができる。全ての状態図は、通常、多くの可能性ある回路実装を有するであろうため、様々な実装を、期待される性能に基づいて採点することができる。例えば、非常に短いDNA配列は、リコンビナーゼ活性に必要なDNAループ上のDNAの剛性の影響のために、より長い配列よりも非効率的に反転される[54]。また、別のリコンビナーゼは異なる効率を示す可能性があり、これは、例えば例2からのデータによる採点基準に組み込むことができる。
例4.生細胞における合成「幹細胞」および分化ネットワーク
多能性幹細胞状態は、高等生物の生物学の中心であるが、単細胞Saccharomyces cerevisiae(S. cerevisiae)には存在しない。幹細胞および分化ネットワークのモデルを構築するために、幹細胞の挙動を有するS. cerevisiaeにおける合成回路を、ギブソンおよびゴールデンゲートDNAアセンブリ戦略を使用して設計し、これらの回路を酵母人工染色体(YAC)にゲノム的に組み込むか、またはこれに配置した(図35)。これらの回路は、PSCW11などの娘特異的プロモーターを利用して[55,56]、幹細胞の特徴的な非対称細胞分裂を可能にする。リコンビナーゼは、娘細胞においてのみ非対称的に発現されることができるように、娘特異的プロモーターの制御下で発現される。これらのリコンビナーゼは、酵母幹細胞状態から下流状態への遷移を誘発する(下記参照)。娘特異的回路は、「幹細胞」実験を外部的に開始して制御することを誘導するように設計されている。これは、娘特異的プロモーターの出力を、誘導性合成転写因子(sTF)として設計することにより達成され(例えば、TetRに基づく、またはLacIに基づくsTF)、該因子は、下流のリコンビナーゼの発現を制御し、娘特異的プロモーターを改変して誘導性リプレッサー(例えば、TetRまたはLacI)に対する結合部位を含有させ、および/または誘導性リコンビナーゼを使用する(例えば、エストラジオール誘導性Cre)。
これらの娘特異的回路のダイナミックレンジと時間経過は、出力としての蛍光タンパク質および、顕微鏡法を用いた細胞蛍光プロファイルのモニタリングにより特徴付けられる。画像処理ソフトウェアを用いて[57]、娘細胞への蛍光閉じ込めを確認し、その濃度および外部誘導物質に対する時間依存性を測定する。
合成分化ネットワークの設計。上述した非対称回路は、外部誘導物質を添加すると、酵母幹細胞の娘においてのみ、分化カスケードを活性化する。合成ネットワークは、これらの「前駆」細胞を特定の分化経路の下に導くように操作されている。2つのプルーフ・オブ・コンセプト分化ネットワークを、モデル系として使用する:(1)2対4マルチプレクサ回路、ここで、2つの外部入力のタイミングおよび識別は、4つの異なる蛍光タンパク質出力をもたらす(図36)、および(2)HSCの分化経路を模倣するネットワーク(図37)。
これらのネットワークへの入力は、リコンビナーゼ発現を制御する外部の誘導物質である。確率的切り替えは、中間リコンビナーゼレベルを発現することによって達成されるか、または高レベルのリコンビナーゼを発現して、完成への切り替えを誘導することにより、達成される。リコンビナーゼ発現を微調整するには、ワイドダイナミックレンジ(WDR)正のフィードバック(PF)シャントモチーフ[58]を、S. cerevisiaeに実装する。tetO結合部位を有するプロモーターは、TetONに基づく系を発現するように設計される(ここでaTcは、TetR-VP16のプロモーターへの結合を誘導する)。このPFループを、これが低コピー数で存在するように、YAC上に組み込むかまたは配置する。シャントのためには、高コピー2ミクロンプラスミド上に蛍光タンパク質を発現するtetO結合部位を有するプロモーターを操作する。同様の戦略を、LacI調節遺伝子の、イソプロピルβ−D−1−チオガラクトピラノシド(IPTG)に基づく制御のために、使用する。WDR回路の動作はフローサイトメトリーを使用して検証され、その後蛍光遺伝子をリコンビナーゼで置換する。
これらの分化ネットワークの出力としては、蛍光、比色、ルシフェラーゼ遺伝子および薬剤耐性遺伝子などの、異なるレポーター遺伝子が挙げられる。レポーターは、各状態における細胞集団の割合の、便利な測定を可能にする。例えば、フローサイトメトリーを用いて、3つより多くの同時蛍光レポーターを有する単一回路の多重化されたイメージングを実行することがチャレンジであり得る例において、上記で提案されているのとは別のレポーターを使用するか、または、同一回路の複数のバージョンを、2もしくは3のレポーターを異なる出力遺伝子位置に配置して、構築する。出力はまた、内因性または合成経路を調節する、sTFであることもできる[59〜62]。sTFは、ジンクフィンガー(ZF)、転写アクチベーター様エフェクター(TALE)、およびクラスタ化され定期的に間隔をとった短いパリンドローム反復(CRISPR)転写因子の枠組から離れて構築され、各状態において、調節可能に制御された所望の経路を可能とする。例えば、合成転写因子(sTF)を用いて、各状態(例えば、偽菌糸成長、交配型、凝集)における内因性の経路を別個に調節することができる。
上述のアルゴリズムからのリコンビナーゼ回路の、多くの異なる実装を用いることができ、不十分な性能の例において複数の潜在的な選択肢を可能にする。手動で設計された回路を使用することもできる。いくつかの設計は、反転または切除について同じリコンビナーゼによって認識される複数のRRS対をコードすることができる。望ましくないRRS間のクロストークを低減するために、同一の配列を共有するが、その中央ジヌクレオチド残基が変異したRRSを、設計することができる。同一の中央ジヌクレオチドを含むRRS対は、互いに優先的に反応することが示されている[64〜66]。さらに、PF−シャントWDR対数回路を介してリコンビナーゼを発現することの代替としては、線形化転写回路を使用することができる[67]。これらの負のフィードバック回路は、外部の誘導物質による出力遺伝子の線形制御を可能にする。大腸菌でのWDR対数回路であって、正のフィードバック(PF)成分をLCP上に必要とせず、シャント成分を別のHCP上に必要としないものも、開発されている(Daniel, Rubens et al.、準備中);代わりに、これらの成分の両方は、同じベクター上にあることができる。これは、PFおよびシャントの突然変異誘発によって達成される。
合成分化ネットワークの特徴付け。分化ネットワークを、異なるリコンビナーゼの発現を異なるタイミングで誘導することにより試験する(図37)。リコンビナーゼ発現の順列が検討され、状態と遷移は、フローサイトメトリー、顕微鏡法、PCR、およびDNA配列決定を用いてモニタリングする。状態遷移の効率および各状態の安定性が、回路トポロジーおよび入力の時間的な動力学にどのように依存するかを決定する。低、中間および高レベルのリコンビナーゼを、WDR回路を用いて発現して、異なるレベルが状態遷移の忠実性と偶然性にどのように影響するかを決定する。リコンビナーゼ発現の中間レベルは、混合集団につながり得る。拡張として、反転の方向を、リコンビナーゼ+リコンビナーゼ方向性因子(RDF)の発現を介して逆転することが、どのように状態機械の動作に影響を与えるかを探索する[63]。この仕事は、複雑な合成分化ネットワークと、チューニング動作に使用することができる複数のつまみの、最初の実証を提供する。
例5.状態機械回路
本明細書で提供されるのは、生物学的回路を構築するために使用することができ、単純な状態機械表現(例えば、コンピュータサイエンスから)で複雑なシステムのモデル化を可能にする、論理/メモリシステムである。例えば、本発明の論理/メモリシステムは、入力(例えば、化学物質に基づく、またはリコンビナーゼに基づく入力)の順序および識別に応じて、固有状態間の細胞の遷移のために使用することができる。これの1つの非限定的な例は、n個入力−2n個出力回路であり、これは、使用されるn個の入力の組み合わせに基づいて、2n個の出力のうちの1つの選択を可能にする(図38A〜38E、39A〜39C)。一般に、状態機械の概念はスケーラブルであり、n個入力から2個出力を可能にする。
本例で用いた論理ゲートを、図38Aに図式化する。論理ゲート1は、2つの出力核酸:1つは青色蛍光タンパク質(BFP)をコードし、および他の1つは黄色蛍光タンパク質(YFP)をコードする、を含む。同族phiC31リコンビナーゼ認識部位(RRS)は括弧で表され、同族Bxb1 RRSは三角形で表されている。論理ゲート2も同様に、2つの出力核酸:1つは赤色蛍光タンパク質(RFP)をコードし、および他の1つは緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードする、を含む。論理ゲート1および2は、本明細書において「4色システム」として言及される。
1つの実験において、細胞を、4色システムおよび2つのリコンビナーゼ、すなわちPhiC31リコンビナーゼとBxb1リコンビナーゼを含むプラスミドを用いて、それぞれアラビノース誘導性プロモーターおよびIPTG誘導性プロモーターの制御下で、形質転換した(図38B)。細胞は、誘導物質を含まない培地中で一晩増殖させ、次いで、IPTGのみ、IPTGと続いてアラビノース、アラビノース、またはアラビノースと続いてIPTGに曝露した(図38)。図38は、IPTGのみに曝露した細胞におけるRFPの蛍光、IPTGと続いてアラビノースに曝露した細胞におけるGFPの蛍光、アラビノースのみに曝露した細胞におけるBFPの蛍光、およびアラビノースと続いてIPTGに曝露した細胞におけるYFPの蛍光を示す。
別の実験において、細胞を、4色システムおよび2つのリコンビナーゼ、すなわちPhiC31リコンビナーゼとBxb1リコンビナーゼを含むプラスミドを用いて、リボレギュレーターの制御下で形質転換した(図39A)。細胞は、誘導物質(aTcおよびAHL)を含まない培地中で一晩増殖させ、翌日遠心分離し、洗浄し、1:2000に希釈した。細胞を、1つの入力誘導物質aTcの50ng/ml、200ng/ml、250ng/mlの濃度に、それぞれ2、4、6、8、10、12および14時間暴露した。次にBFPの発現を、フローサイトメトリーを用いて測定した。出力核酸の発現は、PCRによっても確認した(データは示さず)。図40A〜40Dは、種々の入力濃度におけるBFP発現細胞のパーセンテージを、継時的にプロットしたグラフである。
aTcで一晩誘導した細胞を、次に、遠心分離し、洗浄し、1:2000に希釈し、別の誘導物質AHLの1μM、10μM、50μM、100μMの濃度に、それぞれ2、4、6、8、10、12および14時間暴露した。次にYFPの発現を、フローサイトメトリーを用いて測定した。出力核酸の発現は、PCRによっても確認した(データは示さず)。図41A〜41Eは、種々の入力濃度におけるYFP発現細胞のパーセンテージを、継時的にプロットしたグラフである。
実験方法
全ての実験は、Luria-Bertani(LB)-Miller培地(Fisher#BP1426-2)中、適切な抗生物質を次の濃度で使用して実施した:カルベニシリン(50μg/ml)、カナマイシン(30μg/ml)、およびクロラムフェニコール(25μg/ml)。
リコンビナーゼに基づく計算プラスミド構築
全てのプラスミドは、基本的な分子クローニング技術[27]およびギブソン・アセンブリ[28]を用いて構築した。New England Biolab (NEB)制限エンドヌクレアーゼ、T4 DNAリガーゼ、およびPHUSION(登録商標)PCRキットを使用した。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、Bio-Rad S1000(商標)Thermal Cycler With Dual 48/48 Fast Reaction Modules(BioRad)で行った。リコンビナーゼ認識部位を含むカスタム配列は、Integrated DNA Technologies(Coralville, IA)から構築した。
全てのプラスミドは、大腸菌株DH5αPRO(F-φ80lacZΔM15Δ(lacZYA-argF)U169 deoR recA1 endA1 hsdR17(rk-、MK +)phoA supE44 thi-1 gyrA96 relA1λ-, PN25/tetR, Placiq/lacI, Spr)に標準的なプロトコルで形質転換し、QIAprep(登録商標)Spin Miniprep Kits(Qiagen)を用いて単離した。プラスミド修飾は、制限消化およびGenewiz(Cambridge, MA)による配列決定によって確認した。
pZA31Gに存在するプロモーターPLtet0-1およびリボソーム結合部位(RBS)は、XhoIおよびKpnIによる切除を介して除去し、同じRBSとのEagI制限部位で置換した。プロモーターおよび/または認識部位間に配置されたターミネーター、および認識部位間に配置されていない下流のgfp、から構成される、リコンビナーゼに基づく計算デバイスの全構成要素を、次に、pZA31G CmR内のAatIIおよびXhoI制限部位の間にギブソン・アセンブルした。他の全ての設計物(すなわち、認識部位の間に位置するgfpを含んだもの)は、AatIIおよびAvrII制限部位の間にギブソン・アセンブルした。
Bxb1遺伝子は、Callura et al.からのリボレギュレーターベクターrrjc12y(rii)gの変異体に、制限部位KpnIおよびHindIIIの間にクローニングした[29,30]。この高コピー数プラスミドは、カナマイシン耐性および、taRNA(トランス活性化RNA)バージョンtaR12yおよびBxb1の転写を駆動するPLuxIプロモーターを含む。Bxb1遺伝子は、RBSの上流にcrR12yシス抑制配列を有する。
phiC31遺伝子は、Addgeneプラスミド18941(Cambridge, MA)から入手した。phiC31遺伝子を、Callura et al.からのリボレギュレーターベクターrrjt12(11)gの変異体に、制限部位KpnIとPstIの間にクローニングした[29,30]。この中コピー数のプラスミドは、カルベニシリン耐性および、taRNAバージョンtaR12とphiC31の両方の転写を駆動するPLtet0-1プロモーターを含む。phiC31遺伝子は、RBSの上流にcrR12シス抑制配列を有する。
ギブソン・アセンブリ
ギブソン・アセンブリを用いて、プロモーター(proD)[5]、ターミネーター(T1)[6]、および出力遺伝子(gfp)[6]モジュール(表2)を一緒に結合して、単一ステップ反応で、統合論理/メモリプラスミドを実現した。
〜40塩基が配列中に重複するDNA断片を、PCRにより、隣接する断片との配列の重複を提供する「オーバーハング」を含むPCRプライマーの設計を介して、構築した。Gibson et al.によるプロトコルに従った[28]。簡単に言えば、ギブソン・アセンブリマスターミックスを、以下を添加して調製した:320μLの5X ISOバッファ、0.64μLの10U/μL T5エキソヌクレアーゼ、20μLの2U/μL PHUSION(登録商標)ポリメラーゼ、160μLの40U/μL Taqリガーゼ、および水を加えて1.2mLとする。15μLのアリコートを調製し、単一のギブソン反応に使用した。次に、100ngの線状化ベクター骨格および等モル量の他のアセンブリの部分を、15μLのマスターミックスに添加し、20μLの総容量のアセンブリ反応混合物とした。アセンブリ反応物は、50℃で60分間インキュベートし、次に5μLのアセンブリ反応物を、100μLのコンピテント大腸菌中に形質転換した。
リコンビナーゼに基づく計算フローサイトメーター測定
フローサイトメーター測定を実行する前に、細胞を誘導物質を含まない培地中で一晩増殖させ、次いで、誘導物質アンヒドロテトラサイクリン(Sigma)を20ng/mLの最終濃度で、および/またはN−アシルホモセリンラクトン(AHL)を1μMの最終濃度で含む培地中に、1:1000希釈した。細胞を、誘導物質中(単数または複数)で4時間増殖させ、洗浄し、1:1000希釈し、誘導物質中(単数または複数)37℃および300rpmで一晩増殖させた。次に、細胞を遠心分離し、誘導物質を含まない培地で洗浄した。細胞を次に1:100希釈して、新鮮な1×リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含有する新しい96ウェルプレートに入れ、直ちにBD FACS-LSRFortessa-HTS細胞分析装置(BD biosciences, CA)を用いてアッセイした。FlowJo(Treestar、OR)を、データ解析と可視化のために使用した。蛍光は、488nmのアルゴンレーザー励起および515nm〜545nmの発光フィルターで測定した。試料間の一貫性を確保するために、50,000個の細胞を各試料について収集し、ゲーティングした。一貫性のある閾値を適用して、GFP陽性(オン状態)またはGFP陰性(オフ状態)とみなされる細胞の割合を決定した(図5)。GFPを発現する細胞のパーセンテージは、3回の独立した実験について平均した。エラーバーは平均値の標準誤差を表わす。
複数世代にわたる安定したメモリの維持
我々のリコンビナーゼに基づくメモリデバイスの経時安定性を試験するために、上記のように、ANDゲートを含む細胞をオフからオンに誘導した。これらの細胞を次に、誘導物質を含まない培地中で9日間繰り返し増殖させ、毎日1:2000希釈して、1日あたり11世代を達成した。それらの状態を維持する細胞の能力は、それぞれ、本明細書に記載のように、フローサイトメトリーを使用して緑色蛍光タンパク質の発現を測定することによりモニタリングした。本発明の論理/メモリシステムは、少なくとも〜90回の細胞倍加について状態を保持した。これらのデータは、システムの長期的な操作安定性を示す。
細胞死の後の安定したメモリの維持
NORゲートを含む細胞は、一晩、入力なし、AHLのみ、aTcのみ、およびAHLとaTcの両方に暴露し、遠心分離し、洗浄した後、これらを90℃で30分間暴露することによって死滅させた。PCRは、製造業者の説明書に従ってPHUSION(登録商標)PCRキット(New England Biolab)を用いて、死細胞から単離されたDNAに対して実施した。PCRは、Bio-Rad S1000(商標)Thermal Cycler With Dual 48/48 Fast Reaction Modules(BioRad)で実施した。PCR産物を1%アガロースゲル上での電気泳動により分析した。
図4で使用した具体的プライマー:
P1:GGC GCG TAC TCC TAA GAA AC(配列番号1)
P2:TCT CCG TCG TCA GGA TCA TC(配列番号2)
P3:ATT AAA GAG GAG AAA GGT ACC ATG C(配列番号3)
P4:AAA GTT AAA CAA AAT TAT TTG TAG AGG G(配列番号4)
参考文献:下記参考文献の各々は、本明細書に参照により組み込まれる。
均等物
いくつかの発明の態様を本明細書に記載および例示してきたが、当業者は容易に、本明細書に記載された機能を実行する、および/または結果および/もしくは1または2以上の利点を得るための、種々の他の手段および/または構造を構想し、かかる変形および/または修正のそれぞれは、本明細書に記載の本発明の態様の範囲内であるとみなされる。より一般的に、当業者は、本明細書に記載の全てのパラメータ、寸法、材料、および構成が例示的であること、および実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成は、特定の用途または本発明の教示が使用されるところの用途に依存することを、容易に理解するであろう。当業者は、日常的な実験のみを用いて、本明細書に記載の本発明の特定の態様の均等物を認識し、または確認することができる。したがって、前述の態様は、ほんの一例として提示され、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内であり、本発明の態様は、具体的に説明され特許請求の範囲に記載された以外の方法で実施可能であることが、理解されるべきである。本開示の発明の態様は、個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または本明細書に記載の方法に向けられている。さらに、2または3以上のかかる特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせも、かかる特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が互いに矛盾しない場合には、本開示の発明の範囲内に含まれる。
本明細書中で定義され使用される全ての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれた文書における定義、および/または定義された用語の通常の意味を支配すると理解されるべきである。
明細書および特許請求の範囲において本明細書中で使用される、不定冠詞「a」および「an」は、明確に逆が示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
明細書および特許請求の範囲において本明細書中で使用される用語「および/または」は、そのように結合された要素、すなわち、いくつかの場合においては連結的に(conjunctively)存在し、他の場合においては離接的に(disjunctively)存在する要素の、「いずれかまたは両方」であると理解されるべきである。「および/または」で複数列挙された要素は同様に解釈されるべきであり、すなわち、そのように結合された要素の「1または2以上」である。他の要素も、「および/または」節によって具体的に識別された要素以外に、具体的に識別された要素に関連するかまたは非関連かに関わらず、任意に存在してよい。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、例えば「含む」などのオープンエンドの言葉と組み合わせて使用される場合には、一態様においてはAのみを(任意にB以外の要素を含む);別の態様においてはBのみを(任意にA以外の要素を含む);さらに別の態様においてはAとBの両方を(任意に別の要素を含む);などを指す。
明細書および特許請求の範囲において本明細書で使用される「または」は、上記に定義した「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト中の項目を分離する場合、「または」または「および/または」は、包括的である、すなわち、多数の要素またはリストされた要素の、少なくとも1つを、さらに1つより多くを含むこと、および任意にリストされていない追加の要素も含むことと解釈される。明確に逆が示されている用語、例えば「1つのみ」もしくは「正確に1つ」、または、特許請求の範囲において使用される場合、「からなる」は多数の要素またはリストされた要素の正確に1つの要素を含むことを指す。一般的に、本明細書で用いられる用語「または」は、「いずれか」、「の1つ」、「1つのみ」、または「正確に1つ」などの排他性の用語が先行する場合には、排他的代替物(すわなち「いずれか一方だが両方ではない」)を指すと解釈される。特許請求の範囲で使用される場合、「から本質的になる」は、特許法の分野で使用される通常の意味を有するものとする。
明細書および特許請求の範囲において本明細書中で使用される語句「少なくとも1つ」は、1または2以上の要素のリストを参照する場合、要素のリスト内の任意の1または2以上の要素から選択された少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであり、必ずしも、要素のリスト内に具体的に挙げられた全ての要素それぞれの少なくとも1つを含むのではなく、要素リスト内の要素の任意の組み合わせを除外しない。この定義はまた、語句「少なくとも1つ」が言及するところの要素のリスト内に具体的に識別される要素以外の要素も、具体的に識別される要素と関連するかまたは非関連かに関わらず、任意に存在することを許容する。したがって、非限定的な例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(または同等に、「AまたはBの少なくとも1つ」、または同等に、「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)とは、一態様においては、少なくとも1つの、任意に1より多くのAを含み、Bは不在である(および任意にB以外の要素を含む);別の態様においては、少なくとも1つの、任意に1より多くのBを含み、Aは不在である(および任意にA以外の要素を含む);さらに別の態様においては、少なくとも1つの、任意に1より多くのA、および少なくとも1つの、任意に1より多くのBを含む(および任意に別の要素を含む);などを指す。
明らかに逆が示されない限り、1より多くのステップまたは行為を含む、本明細書において特許請求される任意の方法において、方法のステップまたは行為の順序は必ずしも、方法のステップまたは行為の順序が列挙されている順序に限定されないことも理解されるべきである。
本明細書中に開示される全ての参考文献、特許および特許出願は、それぞれが引用されている主題に関連して参照により組み込まれ、いくつかの場合においては、文書の全体が包含され得る。
特許請求の範囲において、および上記の明細書において、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「担持する」、「有する」、「含有する」、「関与する」、「保持する」、「構成される」などの全ての移行句は、オープンエンドである理解されるべきであり、すなわち、これらを含むがこれらに限定されないことを意味する。「からなる」および「から本質的になる」の移行句のみは、米国特許庁の特許審査手続マニュアル、セクション2111.03に記載されているように、それぞれクローズまたは半クローズの句である。

Claims (25)

  1. 単一細胞内で作動可能な合成論理/メモリシステムであって、システムが、以下:
    少なくとも2つの誘導性プロモーターおよび少なくとも2つのリコンビナーゼをコードする複数の核酸配列、ここでリコンビナーゼをコードする複数の核酸配列の各々は、異なる誘導性プロモーターに作動可能に連結されている、
    (1)プロモーターおよび/または(2)一方向性ターミネーターに作動可能に連結されているかまたは条件付きで作動可能に連結されている出力核酸配列の単一遺伝子回路構築物である、複数の論理ゲート、ここで出力核酸、プロモーターおよび一方向性ターミネーターの少なくとも1つは、リコンビナーゼの少なくとも1つのフォワード認識部位およびリバース認識部位に隣接している、
    を含み、
    ここで前記論理ゲートが、TRUE論理ゲートおよびFALSE論理ゲートを除く全ての2入力ブール論理関数を提供する、前記合成論理/メモリシステム。
  2. 少なくとも2つのリコンビナーゼが、不可逆的リコンビナーゼである、請求項1に記載の合成論理/メモリシステム。
  3. 少なくとも2つの不可逆的リコンビナーゼが、セリンリコンビナーゼである、請求項2に記載の合成論理/メモリシステム。
  4. セリンリコンビナーゼが、Bxb1およびphiC31である、請求項3に記載の合成論理/メモリシステム。
  5. 論理ゲートが、NOR、AND、OR、NAND、A、NOT A、B、NOT B、A IMPLY B、A NIMPLY B、B IMPLY A、B NIMPLY A、XORおよびXNORである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の合成論理/メモリシステム。
  6. TRUEおよび/またはFALSE論理ゲートをさらに含み、
    ここでTRUE論理ゲートが、プロモーターに作動可能に連結された出力核酸配列の単一遺伝子回路構築物であり、および
    ここでFALSEゲートが、反転プロモーターのすぐ下流の出力核酸配列の単一遺伝子回路構築物である、
    請求項1に記載の合成論理/メモリシステム。
  7. 出力核酸が出力産物をコードする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の合成論理/メモリシステム。
  8. 出力産物が、レポータータンパク質、転写リプレッサー、転写アクチベーター、選択マーカー、酵素、受容体タンパク質、リガンドタンパク質、RNA、リボスイッチ、ショートヘアピンRNAまたはリコンビナーゼである、請求項7に記載の合成論理/メモリシステム。
  9. NOR論理ゲートが、(a)プロモーターに作動可能に連結された出力核酸、および(b)2つの一方向性ターミネーターの、単一遺伝子回路構築物であり、ここで各ターミネーターは反転されており、異なるフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接しており、かつプロモーターと出力核酸との間に配置されている、請求項5に記載の合成論理/メモリシステム。
  10. AND論理ゲートが、プロモーターに条件付きで作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここで出力核酸およびプロモーターはそれぞれ反転されており、かつ異なるフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接している、請求項5に記載の合成論理/メモリシステム。
  11. OR論理ゲートが、2つのプロモーターに条件付きで作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここで各プロモーターは反転されており、かつ異なるフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接している、請求項5に記載の合成論理/メモリシステム。
  12. NAND論理ゲートが、2つのプロモーターに作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここで各プロモーターは異なるフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接している、請求項5に記載の合成論理/メモリシステム。
  13. A論理ゲートが、プロモーターに条件付きで作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここで出力核酸は反転されており、かつフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接している、請求項5に記載の合成論理/メモリシステム。
  14. B論理ゲートが、プロモーターに条件付きで作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここでプロモーターは反転されており、かつフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接している、請求項5に記載の合成論理/メモリシステム。
  15. NOT A論理ゲートが、プロモーターに作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここで出力核酸はフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接している、請求項に記載の合成論理/メモリシステム。
  16. NOT B論理ゲートが、プロモーターに作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここでプロモーターはフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接している、請求項5に記載の合成論理/メモリシステム。
  17. A IMPLY B論理ゲートが、第1プロモーターに作動可能に連結され、および第2プロモーターに条件付きで作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここで第1プロモーターはフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接しており、第2プロモーターは反転されており、異なるフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接しており、かつ第1プロモーターと出力核酸との間に配置されている、請求項5に記載の合成論理/メモリシステム。
  18. B IMPLY A論理ゲートが、第1プロモーターに条件付きで作動可能に連結され、および第2プロモーターに作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここで第1プロモーターは反転されており、かつフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接しており、第2プロモーターは異なるフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接しており、かつ第1プロモーターと出力核酸との間に配置されている、請求項5に記載の合成論理/メモリシステム。
  19. A NIMPLY B論理ゲートが、プロモーターに条件付きで作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここでプロモーターはフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接しており、および出力核酸は反転されており、かつ異なるフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接している、請求項5に記載の合成論理/メモリシステム。
  20. B NIMPLY A論理ゲートが、プロモーターおよび一方向性ターミネーターに条件付きで作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここでプロモーターは反転されており、かつフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接しており、およびターミネーターは反転されており、異なるフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接しており、かつプロモーターと出力核酸との間に配置されている、請求項5に記載の合成論理/メモリシステム。
  21. XOR論理ゲートが、プロモーターに条件付きで作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここでプロモーターは反転されており、かつ2つのフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接している、請求項に記載の合成論理/メモリシステム。
  22. XNOR論理ゲートが、プロモーターに作動可能に連結された出力核酸の単一遺伝子回路構築物であり、ここで出力核酸は2つのフォワードおよびリバースリコンビナーゼ認識部位に隣接している、請求項5に記載の合成論理/メモリシステム。
  23. 請求項1〜22のいずれか一項に記載の合成論理/メモリシステムを含む、細胞。
  24. 少なくとも1つの不可逆的リコンビナーゼ、および請求項1〜22のいずれか一項に記載の少なくとも2つの論理ゲートを含む、細胞。
  25. 細胞をex vivoで操作して、少なくとも1つのリコンビナーゼおよび請求項1〜22のいずれか一項に記載の少なくとも2つの論理ゲートを含むようにすることを含む、遺伝子発現または細胞分化を改変する方法。
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