JP6418957B2 - 永久電流スイッチ及び超電導装置 - Google Patents

永久電流スイッチ及び超電導装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6418957B2
JP6418957B2 JP2015005787A JP2015005787A JP6418957B2 JP 6418957 B2 JP6418957 B2 JP 6418957B2 JP 2015005787 A JP2015005787 A JP 2015005787A JP 2015005787 A JP2015005787 A JP 2015005787A JP 6418957 B2 JP6418957 B2 JP 6418957B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
working medium
superconducting
temperature
superconducting wire
adsorbent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015005787A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016131231A (ja
Inventor
孝史 三木
孝史 三木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2015005787A priority Critical patent/JP6418957B2/ja
Publication of JP2016131231A publication Critical patent/JP2016131231A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6418957B2 publication Critical patent/JP6418957B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)

Description

本発明は、超電導による永久電流が流れる閉回路を形成する永久電流スイッチ、及びその永久電流スイッチを備える超電導装置に関する。
一般に、MRI(磁気共鳴画像)装置やNMR(核磁気共鳴)装置など、静磁場を発生させる必要がある装置では、超電導磁石(超電導マグネット)を永久電流モードで運転することで静磁場を発生させる。永久電流モードとは、永久電流によって超電導磁石を励磁することを意味する。永久電流モードで超電導磁石を運転するには、超電導線で構成され、超電導磁石が組み込まれた閉回路に永久電流を流す必要がある。
超電導磁石が組み込まれた閉回路に永久電流を流すには、まず、閉回路を切断し、当該閉回路の一部を構成する超電導磁石に対して外部の電源から電流を供給する。そして、超電導磁石に流れる電流値が定格に達した後に再び閉回路を接続することにより、超電導磁石に供給された電流を超電導線で構成された閉回路に閉じ込める。この閉じ込められた電流が、永久電流として閉回路を流れる。前記閉回路の切断及び接続の切り替えは、閉回路において超電導磁石に接続された永久電流スイッチによって行われる。この永久電流スイッチは、超電導磁石を含む閉回路を構成するのに必要な部材である。永久電流スイッチとしては、熱式、磁気式、機械式などの方式が知られているが、作製が比較的容易であることから、熱式の永久電流スイッチが採用されることが多い。特に、MRI装置やNMR装置のように、超電導磁石が発生させる磁場の均一度が装置の性能を律速するような場合、磁気式ではなく熱式が多用される。
具体的に、熱式の永久電流スイッチは、超電導線とこの超電導線を加熱可能なヒータとを備え、当該ヒータへの通電を制御することにより、超電導線を、超電導状態(スイッチON状態)と常電導状態(スイッチOFF状態)との間で切り換える。例えば、ヒータへの通電を停止することにより超電導線を超電導状態(スイッチON状態)にすれば、超電導磁石が組み込まれた閉回路が形成されるので、外部の電源から供給された電流が閉回路を流れ続けることによって超電導磁石が永久電流モードで励磁される。逆に、ヒータへの通電を行うことにより超電導線を常電導状態(スイッチOFF状態)にすれば、閉回路が切断されるので、永久電流モードは解消される。
このような永久電流スイッチとして、例えば、特許文献1に示すものが知られている。この永久電流スイッチは、巻枠と、巻枠に巻回された超電導線と、超電導線の周囲に巻回され当該超電導線を加熱するヒータ線と、を備えている。超電導線は、当該超電導線とともに閉回路を形成する超電導コイルに接続されている。この超電導コイル及び巻枠は、冷凍手段(冷凍機及び冷却板)によって伝導冷却される。この永久電流スイッチにおいて、ヒータ線への通電が遮断されると、超電導線は、巻枠を介して冷凍手段によって冷却され、超電導状態(スイッチON状態)となる。一方、ヒータ線への通電が行われると、超電導線が加熱され、当該超電導線が常電導状態(スイッチOFF状態)となる。このとき、ヒータ線で生じた熱が巻枠を介して冷凍手段に伝わることにより、冷凍手段の負荷が大きくなることが懸念される。このため、特許文献1に記載の永久電流スイッチでは、巻枠と超電導線との間に断熱材が巻回されている。これにより、超電導線の周囲に巻回されたヒータ線の熱が巻枠を介して冷凍手段に伝わることに起因する冷凍手段の負荷の増大が抑制されている。
特開平10−189324号公報
特許文献1に記載の永久電流スイッチでは、巻枠と超電導線との間に断熱材が設けられているので、スイッチOFF状態にする際の冷凍手段の負荷の増大は抑制されるものの、前記断熱材は、スイッチON状態にする際における超電導線から巻枠及び冷凍手段への熱伝導、すなわち、超電導線の冷却を阻害する。このため、スイッチOFF状態からスイッチON状態とするまでに要する時間が長くなる。
本発明の目的は、スイッチOFF状態にするときの冷凍手段の負荷の増大を抑制可能で、かつ、スイッチON状態にするときの超電導線の有効な冷却が可能な永久電流スイッチを提供することである。
前記課題を解決する手段として、本発明は、超電導コイルとともに永久電流が流れる閉回路を構成しかつ当該閉回路を断続可能な永久電流スイッチであって、巻枠と、前記巻枠に巻回されており、前記超電導コイルと接続可能な超電導線と、前記超電導線の温度が当該超電導線が超電導状態から常電導状態となる臨界温度以上となるように当該超電導線を加熱可能な第1ヒータと、前記巻枠、前記超電導線及び前記第1ヒータを密封状態で収容可能な形状を有するとともに、前記超電導線の温度が前記臨界温度以下となるように当該超電導線を冷却するための冷凍手段に接続される筐体と、前記筐体内に封入されており、前記超電導線の臨界温度よりも高い凝固温度を有する動作媒体と、前記動作媒体の温度が前記凝固温度以上となるように当該動作媒体を加熱可能な第2ヒータと、を備え、前記筐体は、前記冷凍手段に対して熱的に接続される底壁と、前記底壁に接続されており当該底壁とともに前記巻枠、前記超電導線及び前記第1ヒータを密封状態で収容する形状を有するとともに、前記巻枠の下端部と前記底壁との熱的な接続を遮断可能な遮断空間が当該巻枠の下端部と当該底壁との間に形成される位置に前記巻枠を支持する支持壁と、を有し、前記動作媒体の量は、当該動作媒体の温度が凝縮温度以下になったときに当該動作媒体が液相の状態で前記遮断空間に溜まり、かつ、当該動作媒体の温度が前記凝固温度以下になったときに前記巻枠の下端部と前記底壁とを熱的に接続するように前記遮断空間を満たす形状を有する固体層を形成するのに十分な量に設定されている、永久電流スイッチを提供する。
本発明では、第1ヒータに通電することにより超電導線が超電導状態(スイッチON状態)から常電導状態(スイッチOFF状態)となり、またこのとき、第1ヒータで生じる熱が巻枠を介して遮断空間を満たしている固体層(固相の動作媒体)に伝わるとともに第2ヒータへの通電により当該第2ヒータで生じる熱が固体層に伝わることによって固体層が気化するので、巻枠の下端部と底壁との間に遮断空間が形成される(巻枠の下端部と底壁との熱的な接続が遮断される)。よって、超電導線を超電導状態から常電導状態にするときに、第1ヒータの熱が巻枠の下端部及び底壁を通じて冷凍手段へ伝わることに起因する当該冷凍手段の負荷の増大が抑制される。一方、第1ヒータへの通電及び第2ヒータへの通電を停止することにより、超電導線が超電導状態に至る前(超電導線の温度が臨界温度に至る前)に、動作媒体の温度がその凝縮温度に達して当該動作媒体が遮断空間に液相の状態で溜まり、その後、液相の動作媒体が底壁を介して冷凍手段で冷却されることによって動作媒体の温度が凝固温度に達して当該動作媒体が遮断空間を満たす形状の固体層を形成するので、巻枠の下端部と底壁とが熱的に接続される(固体層を介して巻枠の下端部と底壁との熱伝導が可能となる)。よって、超電導線を常電導状態から超電導状態にするときに、超電導線の熱が巻枠の下端部、固体層及び底壁を通じて冷凍手段へ効果的に伝わるので、換言すれば、超電導線が冷凍手段によって効果的に冷却されるので、超電導線が早期に超電導状態に至る。つまり、本発明では、超電導線を超電導状態から常電導状態にするときは、遮断空間により巻枠の下端部と底壁との熱的な接続が遮断されるので、第1ヒータから冷凍手段への熱伝導が抑制され、逆に、超電導線を常電導状態から超電導状態にするときは、固体層が遮断空間を満たすことによって巻枠の下端部と底壁とが熱的に接続されるので、超電導線から冷凍手段への熱伝導(超電導線の冷却)が促進される。
具体的に、前記支持壁の熱伝導率は、前記固体層の熱伝導率よりも低く設定されていることが好ましい。
このようにすれば、超電導線を常電導状態にするときの冷凍手段の負荷の増大(冷凍手段への入熱)を抑制しながら超電導線を超電導状態にするときに当該超電導線を有効に冷却することが、より確実に達成される。具体的に、超電導線を常電導状態にするときは、遮断空間が形成されるので、第1ヒータで生じた熱は、巻枠、支持壁及び底壁を通じて冷凍手段に伝わる一方、超電導線を超電導状態にするときは、遮断空間が固体層で満たされるので、超電導線の熱は、巻枠、固体層及び底壁を通じて冷凍手段に伝わる。本発明では、支持壁の熱伝導率が固体層のそれよりも低く設定されているため、超電導線を常電導状態にするときの第1ヒータから冷凍手段への熱伝導が有効に抑制され、かつ、超電導線を超電導状態にするときの超電導線から冷凍手段への熱伝導(超電導線の冷却)が効果的に行われる。
この場合において、前記支持壁は、当該支持壁と前記底壁との接触部分の面積を当該接触部分により取り囲まれる面積よりも小さくする形状を有することが好ましい。
このようにすれば、上記効果をより高めることができる。具体的に、支持壁と底壁との接触部分の面積が当該接触部分により取り囲まれる面積(動作媒体と底壁との接触面積)よりも小さいため、超電導線を常電導状態にするときの支持壁から底壁への入熱量を小さくしながら、超電導線を超電導状態にするときの固体層から底壁への入熱量を大きく確保することができる。よって、超電導線を超電導状態にするときの固体層を通じた超電導線の有効な冷却を確保しながら、超電導線を常電導状態にするときの冷凍手段の負荷の増大を一層低減することができる。
また、本発明において、前記支持壁は、前記巻枠の下端部が当該支持壁から離間し、かつ、前記巻枠の上端部が当該支持壁に接触した状態で前記巻枠を支持していることが好ましい。
このようにすれば、巻枠の下端部が支持壁に接触している場合に比べて、超電導線を常電導状態にするときの第1ヒータから冷凍手段への熱伝導が抑制される。具体的に、巻枠の下端部が支持壁から離間し、かつ、巻枠の上端部が支持壁と接触しているため、第1ヒータで発生した熱は、巻枠の上端部及び支持壁を介して底壁に伝わる。つまり、巻枠の下端部が支持壁に接触している場合に比べ、第1ヒータで発生した熱が支持壁を伝わる距離(熱の伝達経路)が長くなるので、第1ヒータから冷凍手段への熱伝導が抑制される。
また、本発明において、前記動作媒体を吸着及び解放することが可能な吸着体と、前記吸着体を加熱する第3ヒータと、をさらに備え、前記吸着体は、当該吸着体の温度が低くなるにしたがって前記動作媒体の吸着量が増大する性質を有する材料により形成されていることが好ましい。
このようにすれば、超電導線を超電導状態にするときに固体層で遮断空間を有効に満たしながら、超電導線を常電導状態にするときにより確実に遮断空間を形成することができる。具体的に、超電導線を常電導状態にするときに吸着体の温度を低下させることにより、第1ヒータ及び第2ヒータへの通電時に気化することによって遮断空間から退避した動作媒体が吸着体に吸着されるので、遮断空間の形成がより確実となる。一方、超電導線を超電導状態にするときは、第3ヒータへ通電することによって吸着体の温度を上昇させることにより、吸着体から解放された動作媒体が遮断空間を満たすので、有効に固体層が形成される。
この場合において、前記筐体の外側に配置され、前記吸着体を収容する吸着体容器と、前記遮断空間と前記吸着体容器内とを連通する連通管と、をさらに備え、前記第3ヒータは、前記吸着体容器に巻回されていることが好ましい。
このようにすれば、超電導線を超電導状態にするときに第3ヒータで生じる熱が筐体に伝わることが抑制されるので、吸着体容器内から連通管を通じて筐体内に流入した動作媒体が固体層を形成するのに要する時間が短縮される。
さらにこの場合において、前記連通管を通じて前記吸着体から前記筐体内に流入する動作媒体を冷却する冷却部をさらに備えることが好ましい。
このようにすれば、連通管を通じて吸着体から筐体内に流入する動作媒体が冷却されるので、遮断空間での固体層の形成に要する時間が短縮される。
また、本発明は、前記永久電流スイッチと、前記超電導コイルと、前記永久電流スイッチ及び前記超電導コイルを収容する収容容器と、前記冷凍手段と、を備える超電導装置であって、前記冷凍手段は、前記収容容器内において前記底壁及び前記超電導コイルを支持する冷却部材と、前記冷却部材及び前記収容容器を冷却する冷凍機と、を有し、前記冷凍機は、前記収容容器を冷却する第1冷却ステージと、前記冷却部材を冷却可能な第2冷却ステージと、を有し、前記第1冷却ステージは、前記第2冷却ステージの冷凍能力よりも大きな冷凍能力を有し、前記筐体の底壁は、前記冷却部材に接続されており、前記吸着体容器は、前記収容容器に接続されている、超電導装置を提供する。
本超電導装置では、吸着体容器が収容容器に接続されており、この収容容器は、相対的に冷凍能力の大きな第1冷却ステージで冷却されるので、吸着体の有効な冷却が可能となる。よって、超電導線を常電導状態とするときに筐体内で気化した動作媒体を効果的に吸着することができる。
この場合において、前記底壁と前記冷却部材との間に設けられた熱抵抗部材をさらに備え、前記熱抵抗部材の熱伝導率は、前記底壁の熱伝導率よりも低く設定されていることが好ましい。
このようにすれば、超電導線を常電導状態にするときに第1ヒータで発生した熱が、支持壁及び底壁を通じて冷却部材に伝わることが抑制されるので、超電導線を常電導状態にするときの冷凍機の負荷の増大(冷凍機への入熱)が抑制される。
また、本発明において、前記吸着体容器と収容容器との間に設けられた他の熱抵抗部材をさらに備え、前記他の熱抵抗部材の熱伝導率は、前記吸着体容器の熱伝導率よりも低く設定されていることが好ましい。
このようにすれば、第3ヒータの通電時に収容容器を介して第1冷却ステージにより吸着体容器が冷却されることが抑制されるため、吸着体がより早期に昇温される。
また、前記動作媒体は、パラ水素、ネオン及び窒素のいずれかであることが好ましい。
以上のように、本発明によれば、スイッチOFF状態にするときの冷凍手段の負荷の増大を抑制可能で、かつ、スイッチON状態にするときの超電導線の有効な冷却が可能な永久電流スイッチを提供することができる。
本発明の一実施形態の超電導装置の構成の概略を示す図である。 永久電流スイッチの断面図である。 種々の物質における温度と熱伝導率との関係を示すグラフである。 吸着体の平衡圧力と吸着量との関係を示すグラフである。 連通管の流入側の圧力とコンダクタンスとの関係を示すグラフである。
本発明の一実施形態の超電導装置10について、図1〜図5を参照しながら説明する。この超電導装置10は、MRI(磁気共鳴画像)装置やNMR(核磁気共鳴)装置等に用いられる装置であり、静磁場を発生させるものである。
図1に示されるように、本超電導装置10は、永久電流スイッチ1と、超電導コイル3と、収容容器2と、真空容器4と、冷凍手段5と、を備えている。
永久電流スイッチ1は、超電導コイル3とともに閉回路(永久電流が流れる回路)を構成する。永久電流スイッチ1は、前記閉回路の断続の切り替えを行う。この永久電流スイッチ1の詳細については後述する。
超電導コイル3は、超電導体(超電導物質)からなる線材を巻回して得られるコイルである。超電導コイル3は、超電導体からなる線材を介して永久電流スイッチ1に接続されており、これにより前記閉回路が形成される。超電導コイル3は、当該超電導コイル3に電流を供給する外部の電源部(図示略)に接続可能に構成されている。超電導コイル3の温度が超電導転移温度(臨界温度)以下の状態であるときに当該超電導コイル3に電流が供給されると、その電流は、いわゆる永久電流として電気抵抗がほぼゼロ0となった超電導コイル3を流れ続ける。超電導コイル3は、この永久電流が引き起こす電磁誘導によって磁場を発生させる。
収容容器2は、永久電流スイッチ1及び超電導コイル3を収容する。本実施形態では、収容容器2は、アルミニウム等の熱伝導性の高い材料により形成されている。
真空容器4は、収容容器2を収容する容器であり、収容容器2よりも一回り大きな形状を有する。真空容器4は、大気圧下において当該真空容器4内を真空状態とすることが可能な強度を有する。本実施形態では、真空容器4は、ステンレス鋼により形成されている。この真空容器4内は、真空状態に維持される。これにより、収容容器2の大気との接触、すなわち、収容容器2外の大気の熱が収容容器2内に進入することが回避される。
冷凍手段5は、収容容器2及び超電導コイル3を冷却する手段である。本実施形態では、冷凍手段5は、冷凍機6と、可撓性熱伝導部材7と、冷却部材8と、を有する。
本実施形態では、冷凍機6として、GM(ギフォード・マクマホン)冷凍機などの極低温冷凍機が用いられている。この冷凍機6は、ロータリーバルブ等を含む駆動部60と、駆動部60に接続された第1冷却ステージ61と、第1冷却ステージ61に接続された第2冷却ステージ62と、を有する。
駆動部60は、真空容器4に接続されている。具体的に、駆動部60は、真空容器4を貫通する状態で当該真空容器4に保持されている。
第1冷却ステージ61は、収容容器2に接続されており、当該収容容器2を冷却する。第1冷却ステージ61は、収容容器2の温度が40K程度となるまで当該収容容器2を冷却可能な冷凍能力を有している。
第2冷却ステージ62は、収容容器2内に配置されている。第2冷却ステージ62は、可撓性熱伝導部材7を介して冷却部材8に接続されており、当該冷却部材8を冷却する。可撓性熱伝導部材7は、銅等の熱伝導率の高い材料により形成されている。第2冷却ステージ62は、冷却部材8の温度が4K程度となるまで当該冷却部材8を冷却可能な冷凍能力を有している。本実施形態では、第1冷却ステージ61は、第2冷却ステージ62の冷凍能力よりも大きな冷却能力を有している。
冷却部材8は、銅等の熱伝導率の高い材料により形成されている。本実施形態では、冷却部材8は平板状に形成されている。冷却部材8の一方(図1の下方)の面には超電導コイル3が接続されている。このため、超電導コイル3は、冷却部材8及び可撓性熱伝導部材7を介して第2冷却ステージ62により冷却される。このため、冷凍機6の駆動により、超電導コイル3の温度は、超電導転移温度以下(例えば4K)となる。
ここで、永久電流スイッチ1の詳細を説明する。図1及び図2に示されるように、永久電流スイッチ1は、本体部1Aと、吸着槽1Bと、連通管1Cと、を有する。本体部1Aは、冷却部材8に接続されている。吸着槽1Bは、収容容器2に接続されている。連通管1Cは、本体部1Aと吸着槽1Bとを連通している。
図2に示されるように、本体部1Aは、巻枠12と、第1ヒータ21と、超電導線25と、筐体30と、第2ヒータ42と、動作媒体50と、を有する。
巻枠12は、円筒状の胴部14と、胴部14の上端に接続された上部フランジ16と、胴部14の下端に接続された下部フランジ18と、を有する。本実施形態では、巻枠12は、銅により形成されている。また、胴部14の外径は、15mmに設定されている。
上部フランジ16は、胴部14の上端から胴部14の径方向の外向きに突出する形状を有する。本実施形態では、上部フランジ16は、円筒状の外周面を有する。
下部フランジ18は、胴部14の下端から胴部14の径方向の外向きに突出する形状を有する。本実施形態では、下部フランジ18は、円筒状の外周面を有する。下部フランジ18の外径は、上部フランジ16のそれよりも小さく設定されている。
第1ヒータ21は、コンスタンタン線など、通電により発熱する導電性の線材により形成されている。第1ヒータ21は、胴部14に対して無誘電巻でコイル状に巻回されている。第1ヒータ21は、外部の電源に接続されている。第1ヒータ21は、超電導線25の温度が臨界温度(超電導線25が超電導状態から常電導状態となる温度)以上となるように当該超電導線25を加熱可能な長さを有している。本実施形態では、第1ヒータ21は、その両端抵抗が100Ωに相当する長さに設定されている。
超電導線25は、CuNi/NbTiなどの超電導体の線材により形成されている。超電導線25は、胴部14に巻き付けられた第1ヒータ21の上に重なるように無誘導巻でコイル状に巻き付けられる。ただし、超電導線25が胴部14に巻き付けられ、この超電導線25に重なるように第1ヒータ21が巻き付けられてもよい。超電導線25は、超電導体の線材を介して超電導コイル3に接続されている。この超電導線25は、臨界温度(9K程度)以下において電気抵抗がほぼゼロ0(超電導状態)となる。本実施形態では、超電導線25は、室温時の両端抵抗が100Ωとなる長さに設定されている。
筐体30は、巻枠12、超電導線25及び第1ヒータ21を密封状態で収容可能な形状を有する。筐体30は、底壁32と、巻枠12を支持する支持壁34と、を有する。
底壁32は、冷却部材8に接続されている。本実施形態では、底壁32は、冷却部材8の上面に熱抵抗部材Ri1を介して接続されている。底壁32は、円板状に形成されている。底壁32は、銅により形成されている。熱抵抗部材Ri1の熱伝導率は、底壁32の熱伝導率よりも低く設定されている。
支持壁34は、底壁32の上面に接続されており、当該底壁32とともに巻枠12、超電導線25及び第1ヒータ21を密封状態で収容する形状を有する。支持壁34は、巻枠12の下部フランジ18と底壁32との熱的な接続を遮断可能な遮断空間が当該下部フランジ18と当該底壁32との間に形成される位置に巻枠12を支持する。具体的に、支持壁34は、円筒状の側壁35と、側壁35の上側の開口を閉塞する上壁36と、を有する。支持壁34は、銅よりも熱伝導性の低い材料(本実施形態ではステンレス)により形成されている。
側壁35は、当該側壁35の下端部と底壁32の上面との接触部分の面積を当該接触部分により取り囲まれる面積よりも小さくする形状を有する。本実施形態では、側壁35の外径は、底壁32のそれと同じに設定されている。側壁35の内径は、上部フランジ16の外径と同じに設定されており、上部フランジ16の外周面が側壁35の内周面に接続されている。また、上部フランジ16の上面は上壁36の下面に接続されている。下部フランジ18の外径は上部フランジ16のそれよりも小さいため、支持壁34は、上部フランジ16の外周面が側壁35の内周面に接触するとともに上部フランジ16の上面が上壁36の下面と接触し、かつ、下部フランジ18の外周面が側壁35の内周面から離間するとともに下部フランジ18の下面が底壁32の上面から上方に離間した状態で巻枠12を支持している。
第2ヒータ42は、第1ヒータ21と同様に、コンスタンタン線など、通電により発熱する導電性の線材により形成されている。第2ヒータ42は、底壁32に設けられている。第2ヒータ42は、前記遮断空間に存在する液相又は固相の動作媒体50の温度が当該動作媒体50の凝縮温度以上となるように当該動作媒体50を加熱可能な長さを有している。
動作媒体50は、超電導線25の臨界温度(9K程度)よりも高い凝固温度を有する媒体である。動作媒体50は、その温度が凝固温度以下の状態(固相の状態)において高い熱伝導率を示す。本実施形態では、動作媒体50として、パラ水素が用いられている。ただし、動作媒体50として、ネオン又は窒素が用いられてもよい。動作媒体50は、筐体30内に封入されている。
ここで、図3を参照しながら、動作媒体50の物性について説明する。図3は、種々の物質の極低温における温度と熱伝導率との関係を示している。なお、図3では、本実施形態の動作媒体50であるパラ水素の物性については、他の物質によりも太い線で示されている。このパラ水素の熱伝導率は、超電導コイル3の臨界温度(パラ水素の凝固温度よりも低い温度)よりも低い4K付近において極大値を示し、その値は同じ温度における銅の熱伝導率とほぼ同じの大きさである。この値(固相の動作媒体50の熱伝導率)は、支持壁34の熱伝導率よりも大きい。
動作媒体50は、気相の状態で前記遮断空間(下部フランジ18と底壁32との間に形成される空間)からその大部分が退避している一方、液相の状態で前記遮断空間に溜まり、かつ、固相の状態で前記遮断空間を満たす。具体的に、動作媒体50の量は、当該動作媒体50の温度が凝縮温度以下になったときに当該動作媒体50が液相の状態で前記遮断空間に溜まり、かつ、当該動作媒体50の温度が前記凝固温度以下になったときに下部フランジ18と底壁32とを熱的に接続するように前記遮断空間を満たす形状を有する固体層を形成するのに十分な量に設定されている。すなわち、動作媒体50の温度がその凝固温度(本実施形態では6K程度)以下となったとき、超電導線25は、固相の動作媒体50を介して第2冷却ステージ62と強固に熱的に接続された状態となる。一方、動作媒体50の温度がその気化温度以上となったとき、下部フランジ18と底壁32との間に遮断空間が形成されるため、下部フランジ18と底壁32との熱的な接続が遮断される。
図2に示されるように、吸着槽1Bは、吸着体71と、吸着体容器72と、第3ヒータ73と、を有する。
吸着体71は、動作媒体50を吸着及び解放することが可能な材料により形成されている。さらに、この材料は、その温度が低くなるにしたがって次第に吸着能力(この材料単位質量当たりに吸着することが可能な動作媒体50の質量)が増大する性質を有している。具体的に、このような材料としては、数Åサイズの非常に微細な孔を有する多孔性材料(ゼオライト等)が好適である。この多孔性材料は、その孔の中に孔のサイズ以下の分子を吸着させることができる。
図4は、吸着体71の等温吸着線図の例を示している。図4において、横軸は、吸着体71と気相の動作媒体50とが接触した状態において、吸着速度と脱離速度とが平衡に達した際(平衡状態)の動作媒体50の圧力(平衡圧力)を示し、縦軸は、平衡状態において吸着体71の単位重量当たりに吸着された気相の動作媒体50の質量を示している。図4に示されるように、平衡圧力が等しい場合、吸着体71が吸着可能な気相の動作媒体50の量は、温度が低いほど上昇する。なお、図4は、平衡状態における気相の動作媒体50の圧力と吸着体71による動作媒体50の吸着量との関係を示したものであり、動作媒体50の吸着中または解放中の状態を示したものではない。
吸着体容器72は、筐体30の外側に配置されており、吸着体71を収容する形状を有する。具体的に、吸着体容器72は、吸着体71を側方から取り囲む円筒状の胴部を有する。吸着体容器72は、銅により形成されている。図2に示されるように、吸着体容器72は、収容容器2の内面に熱的に接続されている。このため、冷凍機6の駆動時には、吸着体容器72は、収容容器2を介して第1冷却ステージ61により40K程度まで冷却される。本実施形態では、吸着体容器72は、熱抵抗部材Ri2を介して収容容器2の内面に接続されている。熱抵抗部材Ri2の熱伝導率は、吸着体容器72の熱伝導率よりも低く設定されている。
第3ヒータ73は、第1ヒータ21及び第2ヒータ42と同様に、コンスタンタン線など、通電により発熱する導電性の線材により形成されている。第3ヒータ73は、吸着体容器72の前記胴部の周囲に巻回されている。第3ヒータ73は、吸着体71の温度が当該吸着体71の吸着能力を著しく低下させる温度(100K程度)以上となるように当該吸着体71を加熱可能な長さを有している。
連通管1Cは、筐体30内と吸着体容器72内とを連通している。具体的に、連通管1Cの一端は、支持壁34の上壁36の略中央に接続されており、連通管1Cの他端は、吸着体容器72の下部の略中央に接続されている。これにより、巻枠12の内側に形成された空間及び連通管1Cを介して前記遮断空間と吸着体71とが連通する。つまり、動作媒体50の前記遮断空間と吸着体71との間の移動が可能となる。連通管1Cは、ステンレスにより形成されている。
本実施形態では、巻枠12の内側に形成された空間に冷却部55が配置されている。冷却部55は、連通管1Cを通じて吸着体71から筐体30内に流入する気相の動作媒体50を冷却する(凝縮させる)。冷却部55は、多孔質状でかつ銅等の熱伝導性の高い材料により形成されている。冷却部55は、胴部14及び上部フランジ16の内径と同じ外径を有する円柱状に形成されている。冷却部55は、その外周面が巻枠12に接し、かつ、その上面が上壁36の下面に接する状態で巻枠12内に保持されている。
ここで、連通管1Cのコンダクタンス(内部を流体が通過する際の流れやすさ)について説明する。
一般に円形断面を有する直線状の流路のコンダクタンスは、当該流路を通過する流体の圧力と流路の内径との関係により、粘性流領域と分子流領域との2つに分けられる。各領域におけるコンダクタンスは、式(1)及び式(2)で表される。
Figure 0006418957
Figure 0006418957
ここで、aは流路の内径、Lは流路の長さ、(pバー)は流路内の気相の流体の平均圧力、ηは流体の粘性、Tは気相の流体の絶対温度、Rは気体定数、Mは気相の流体の分子量である。また、(vバー) は、気相の流体分子の平均流速であり、分子量及び温度から決められる。
式(1)は、粘性流領域における算出式であり、式(2)は、分子流領域における算出式である。実際、この2つの領域間には中間的な領域が存在するが、ここでは簡単のため説明を省略する。両式から、粘性流領域におけるコンダクタンスが平均圧力に比例しているのに対し、分子流領域におけるコンダクタンスが流路の内径と温度のみで決まるという特徴を有することが分かる。
粘性流領域と分子流領域との境界は、概ね下記式(3)の基準圧力pで決定される。気相の流体の圧力が基準圧力pよりも大きい場合は式(1)が適用される一方、気相の流体の圧力が基準圧力pよりも小さい場合は式(2)が適用される。
Figure 0006418957
なお、現実の連通管1Cには、長手方向に沿って圧力分布及び温度分布が存在するため、上記式(1)〜式(3)を適用することにより単純に流路のコンダクタンスを算出するのは困難であり、温度分布を考慮した積分計算が必要となる。
図5は、連通管1Cの内径が1mmであり、連通管1Cの長さが0.3mである場合におけるコンダクタンスの計算結果の例を示す。図5には、ケース(1)及びケース(2)の2つの例が示されている。ケース(1)は、吸着槽1Bから本体部1Aへ気相の動作媒体50が流入する場合に相当する。ケース(2)は、本体部1Aから吸着槽1Bへ気相の動作媒体50が流入する場合に相当する。ケース(1)では、連通管1Cの入口温度は100K、入口圧力は2.1×10(以下、「×10」を「en」と表記する。)Pa、出口温度は14K、出口圧力は6.94e3Paに設定されている。ケース(2)では、連通管1Cの入口温度は14K、入口圧力は6.94e3Pa、出口温度は40K、出口圧力は3.1e−3Paに設定されている。
ここで、図5を参照しながら、連通管1Cにおける気相の動作媒体50の入口圧力(Inlet Pressure)とコンダクタンス(Total Flow Conductance)との関係について、例を挙げて説明する。
例えば、ケース(1)において、入口圧力である吸着槽1Bの内圧が2.1e4Pa(吸着体71に動作媒体50が吸着された状態における吸着体容器72の内圧)であり、出口圧力である筐体30の内圧が4.16e−5Pa(本体部1Aの温度が4.2Kであるときの動作媒体50の飽和蒸気圧)である場合、図5から、コンダクタンスは5.3e−3m/secとなる。なお、出口圧力が図5の設定と異なっているが、入口圧力に対し非常に小さな差であり、影響は無視可能である。一方、例えば、入口圧力が1e−2Pa程度であれば、気相の動作媒体50は分子流領域にあり、そのコンダクタンスは6.6e−6m/sec程度となる。
以上に試算したように、上記2例のコンダクタンスの差は3桁となる。ただし、気相の動作媒体50の質量移動速度は、入口圧力とコンダクタンスとの積であるから、標準状態(273.15K)において、先の例(入口圧力が2.1e4Paの場合)の質量移動速度は1.1e2Pa・m/secとなり、後の例(入口圧力が1e−2Paの場合)の質量移動速度は6.6e−8Pa・m/secとなる。つまり、上記例における質量移動速度の差は、9桁となる。換言すれば、入口圧力が低くなるにしたがってコンダクタンス及び質量移動速度は急激に低下する。この入口圧力と質量移動速度との関係は、永久電流スイッチ1の動作と密接に関係する。
次に、永久電流スイッチ1の動作を説明する。以下、超電導コイル3の温度が室温の状態から、冷凍機6を駆動したときの動作(初期予冷)、永久電流スイッチ1をスイッチON状態からスイッチOFF状態に切り替えるスイッチOFF操作、永久電流スイッチ1をスイッチOFF状態からスイッチON状態に切り替えるスイッチON操作、の順に説明する。
<初期予冷>
まず、本体部1A、吸着槽1B及び連通管1C内に気相の動作媒体50が導入され、封止される。
次に、冷凍機6が駆動される。そうすると、第1冷却ステージ61により収容容器2が冷却され、第2冷却ステージ62により可撓性熱伝導部材7及び冷却部材8が冷却される。このとき、収容容器2を介した吸着槽1Bの冷却が進むにしたがって、筐体30内の気相の動作媒体50は連通管1Cを通じて吸着体容器72内に流入し続け、吸着体71による動作媒体50の吸着量が増加する。そして、第1冷却ステージ61の温度が最低到達温度(40K程度)に達するとき、気相の動作媒体50の略全量が吸着体71に吸着された状態となっている。なお、吸着体71の動作媒体50の吸着量は、本体部1A及び吸着槽1Bのそれぞれの内表面の面積及び温度により定まる。
その後、第2冷却ステージ62の冷却に伴って超電導コイル3の温度が臨界温度(9K程度)に達した時点で第3ヒータ73が通電される。これにより、吸着体容器72及び吸着体71の温度が上昇し、吸着体71の吸着能力が低下し始める。例えば、吸着体容器72及び吸着体71の温度が100K程度となるまでこれらが加熱されることにより、吸着体71の吸着能力が著しく低下する。その結果、吸着体71に吸着されていた動作媒体50の大部分が吸着体71から解放される(気体となって放出される)。なお、第3ヒータ73への通電は、吸着体容器72に取り付けられた温度センサT3の検出値に基づいて制御される。
ここで、本実施形態では、吸着体容器72と収容容器2との間に熱抵抗部材Ri2が介在しているため、第3ヒータ73の通電時に、収容容器2を介して第1冷却ステージ61により吸着体容器72及び吸着体71が冷却されることが抑制される。よって、吸着体71が速やかに昇温する。また、第3ヒータ73が発生する熱に起因して第1冷却ステージ61の熱負荷が急激に上昇することが抑制される。さらに、第3ヒータ73は、筐体30の外に配置されているので、当該第3ヒータ73から筐体30への熱伝導が抑制される。
そして、吸着槽1Bから放出された気相の動作媒体50は、連通管1Cを通じて本体部1Aの筐体30内に流入する。
一方、本体部1Aにおいては、第1ヒータ21及び第2ヒータ42の通電により、巻枠12の温度及び底壁32の温度が動作媒体50の三重点の温度よりもわずかに高い温度(本実施形態では14K付近)に維持される。この状態で気相の動作媒体50が連通管1Cを通じて筐体30内に流入すると、気相の動作媒体50は、冷却部55で冷却されることによって凝縮する。つまり、冷却部55は、動作媒体50の冷却時間を短縮させる。このようにして液相となった動作媒体50は、巻枠12の内側の空間を流下し、前記遮断空間に溜まる。なお、第1ヒータ21への通電は、上壁36に取り付けられた温度センサT1の検出値に基づいて制御される。ただし、温度センサT1は、下部フランジ18に取り付けられてもよい。また、第2ヒータ42への通電は、底壁32に取り付けられた温度センサT2の検出値に基づいて制御される。
その後、前記遮断空間が液相の動作媒体50で満たされた時点、換言すれば、液相の動作媒体50が底壁32の上面の全域及び下部フランジ18の下面の全域と接触した時点で、第1ヒータ21及び第2ヒータ42への通電が停止される。そうすると、液相の動作媒体50の温度は、当該液相の動作媒体50が底壁32及び冷却部材8を介して第2冷却ステージ62により冷却されることによって凝固温度(約14K)以下まで下がる。これにより、動作媒体50は凝固して前記遮断空間を満たす形状を有する固体層(固相の動作媒体50)を形成する。固相の動作媒体50は、上述のように非常に高い熱伝導率を有するので、下部フランジ18と底壁32とが当該固体層を介して熱的に接続される(固体層を介して下部フランジ18と底壁32との熱伝導が可能になる)。このため、超電導線25は、巻枠12、固体層(固相の動作媒体50)及び底壁32を介して第2冷却ステージ62により有効に冷却され、その温度が第2冷却ステージ62の最低到達温度(4.2K程度)に達する。これにより、超電導線25は、超電導状態となる。つまり、永久電流スイッチ1がスイッチON状態となる。なお、このとき、筐体30内では、動作媒体50の略全量が固体層を形成しているため、筐体30の内圧は、4.16e−5Pa程度となる。
一方、第1ヒータ21及び第2ヒータ42への通電の停止時に第3ヒータ73への通電も停止される。このため、吸着槽1Bの温度は、第3ヒータ73への通電が行われていた時の温度(100K程度)から第1冷却ステージ61の最低到達温度(40K程度)となる。これにより、吸着体71の温度が低下するため、吸着体71の吸着能力が上昇する。そして、吸着体71に吸着されている動作媒体50の質量が減少しているため、このときの平衡圧力は、第3ヒータ73への通電が行われていた時のそれよりも低下しており、例えば3.97e−5Pa程度となる。この圧力は、筐体30の内圧(4.16e−5Pa程度)よりも低いが、上述のように、入口圧力(筐体30の内圧)の低下に起因して連通管1Cのコンダクタンスが著しく低下しているため、実質的に本体部1Aから吸着槽1Bへの動作媒体50の流入(逆流)は無視可能である。つまり、吸着槽1Bから本体部1Aに流入した動作媒体50は、本体部1Aに固定される。
<スイッチOFF操作>
上記初期予冷が完了した状態では、前記遮断空間が固体層(固相の動作媒体50)により満たされている。この状態において第1ヒータ21が通電される。そうすると、超電導線25の温度が上昇し始め、当該温度は臨界温度以上となる。これにより、超電導線25は、超電導状態(スイッチON状態)から常電導状態(スイッチOFF状態)となる。すなわち、超電導コイル3及び超電導線25により形成される閉回路が遮断される。
一方、第1ヒータ21への通電と同時に第2ヒータ42への通電も行われ、底壁32の温度が動作媒体50の三重点の温度よりもわずかに高い温度(本実施形態では14K付近)に維持される。これにより、固相の動作媒体50は、溶解した後に蒸発する。そして、気相の動作媒体50は、冷却部55及び連通管1Cを通じて吸着槽1Bに流入する。このときの連通管1Cのコンダクタンスは、14K(入口側である筐体30内の温度)における動作媒体50の飽和蒸気圧が6.94e3Paであるため、図5から3.0e−3m/secとなる。例えば、本体部1Aから吸着槽1Bへ移動する動作媒体50の質量が7.78e−6kgであれば、その移動は0.42秒で完了する。
そして、連通管1Cを経由して吸着槽1Bに流入した気相の動作媒体50は、吸着体71に吸着される。このとき、吸着体容器72内の圧力は、吸着体71の温度と吸着体71による動作媒体50の吸着量とで定まる平衡圧力となる。例えば、吸着体71の質量が5.13e−6kgであり、最終的な吸着量が1.2e−5kgである場合、平衡圧力は、3.13e−3Paである。この値は、本体部1Aの筐体30の内圧よりも低いため、第2ヒータ42への通電中、本体部1Aから吸着槽1Bへの動作媒体50の移動は問題なく継続される。
続いて、本体部1Aから吸着槽1Bへの動作媒体50の移動が完了した時点(筐体30内に動作媒体50がほとんど残っていない状態に達した時点)で第2ヒータ42への通電が停止される。そうすると、底壁32の温度は、速やかに第2冷却ステージ62の温度(4.2K程度)に達する。底壁32の温度が4.2K程度に低下することにより、筐体30の内圧は、4.2Kにおける動作媒体50の飽和蒸気圧である4.16e−5Pa程度まで低下する。この値は、吸着体容器72内の平衡圧3.13e−3Paよりも低い。つまり本体部1Aから吸着槽1Bに流入した動作媒体50が逆流しそうに思われるが、上述のように筐体30の内圧および吸着体容器72の内圧の低下に起因して連通管1Cのコンダクタンスが著しく低下しているため、実質的に吸着槽1Bから本体部1Aへの動作媒体50の流入(逆流)は無視可能である。つまり、本体部1Aから吸着槽1Bに流入した動作媒体50は、吸着槽1Bに固定される。
そして気相の動作媒体50が吸着体71に吸着されるとき、吸着体71において吸着熱が放出されるが、吸着体容器72は、収容容器2を介して第1冷却ステージ61に熱的に接続されているため、前記吸着熱は速やかに取り除かれ、吸着槽1Bの温度は略一定に保たれる。
本体部1Aから吸着槽1Bへの動作媒体50の移動が完了した後も、第1ヒータ21への通電は継続され、超電導線25の温度は、臨界温度以上に維持される。これにより、スイッチOFF操作が完了する。この状態を維持しながら超電導コイル3への通電を行うことにより、安定して励磁操作を行うことができる。
ここで、スイッチOFF状態では、遮断空間により下部フランジ18と底壁32との熱的な接続は遮断されているものの、第1ヒータ21への通電は継続されるため、第1ヒータ21で生じた熱は、巻枠12、支持壁34及び底壁32を介して冷却部材8及び第2冷却ステージ62に流れ続ける。ただし、本実施形態では、下部フランジ18が支持壁34から離間しているので、換言すれば、支持壁34は、下部フランジ18が側壁35から離間し、かつ、上部フランジ16が側壁35及び上壁36に接触した状態で巻枠12を支持しているので、下部フランジ18が側壁35に接触している場合に比べ、第1ヒータ21から冷却部材8への熱伝導が抑制される。具体的に、第1ヒータ21で発生した熱は、胴部14、上部フランジ16、側壁35及び底壁32を介して冷却部材8に伝わる。つまり、下部フランジ18が側壁35に接触している場合に比べ、第1ヒータ21で発生した熱が支持壁34を伝わる距離(熱の伝達経路)が長くなるので、第1ヒータ21から冷却部材8を介した第2冷却ステージ62への熱伝導が抑制される。さらに、底壁32と冷却部材8との間に熱抵抗部材Ri1が介在しているため、第1ヒータ21への通電時における第1ヒータ21から第2冷却ステージ62への熱伝導(第2冷却ステージ62の熱負荷の増大)が一層抑制される。例えば、側壁35の高さH1が0.1mであり、側壁35の肉厚t1が1mmであり、熱抵抗部材Ri1の熱抵抗が100K/Wである場合、第1ヒータ21から第2冷却ステージ62へ流れ込む定常熱流は、9mWとなる。
<スイッチON操作>
スイッチOFF状態では、遮断空間が形成され、動作媒体50が吸着体71に吸着されており、また、第1ヒータ21への通電が維持された状態となっている。この状態において、第3ヒータ73が通電される。この通電は、吸着体71が動作媒体50のほぼ全量を放出するまで行われる。吸着槽1Bから放出された気相の動作媒体50は、連通管1Cを通じて本体部1Aに流入する。このとき、第2ヒータ42が通電され、底壁32の温度が動作媒体50の三重点の温度よりもわずかに高い温度(14K付近)に維持される。これ以降の操作ないし動作媒体50の挙動は、前記初期予冷のそれと同様である。
以上のように、本実施形態の永久電流スイッチ1では、第1ヒータ21に通電することにより超電導線25が超電導状態(スイッチON状態)から常電導状態(スイッチOFF状態)となり、またこのとき、第1ヒータ21で生じる熱が巻枠12を介して遮断空間を満たしている固体層(固相の動作媒体50)に伝わるとともに第2ヒータ42への通電により当該第2ヒータ42で生じる熱が固体層に伝わることによって固体層が気化するので、下部フランジ18と底壁32との間に遮断空間が形成される(下部フランジ18と底壁32との熱的な接続が遮断される)。よって、超電導線25を超電導状態から常電導状態にするときに、第1ヒータ21の熱が下部フランジ18及び底壁32を通じて第2冷却ステージ62へ伝わることに起因する冷凍機6の負荷の増大が抑制される。一方、第1ヒータ21への通電及び第2ヒータ42への通電を停止することにより、超電導線25が超電導状態に至る前(超電導線25の温度が臨界温度に至る前)に、動作媒体50の温度がその凝縮温度に達して当該動作媒体50が遮断空間に液相の状態で溜まり、その後、液相の動作媒体が底壁32を介して第2冷却ステージ62で冷却されることによって動作媒体50の温度が凝固温度に達して当該動作媒体50が遮断空間を満たす形状の固体層を形成するので、下部フランジ18と底壁32とが熱的に接続される(固体層を介して下部フランジ18と底壁32との熱伝導が可能となる)。よって、超電導線25を常電導状態から超電導状態にするときに、超電導線25の熱が下部フランジ18、固体層及び底壁32を通じて第2冷却ステージ62へ効果的に伝わるので、換言すれば、超電導線25が第2冷却ステージ62によって効果的に冷却されるので、超電導線25が早期に超電導状態に至る。つまり、本実施形態では、超電導線25を超電導状態から常電導状態にするときは、遮断空間により下部フランジ18と底壁32との熱的な接続が遮断されるので、第1ヒータ21から冷凍機6への熱伝導が抑制され、逆に、超電導線25を常電導状態から超電導状態にするときは、固体層が遮断空間を満たすことによって下部フランジ18と底壁32とが熱的に接続されるので、超電導線25から冷凍機6への熱伝導(超電導線25の冷却)が促進される。
また、本実施形態では、支持壁34の熱伝導率は、固体層(固相の動作媒体50)のそれよりも低く設定されているため、超電導線25を常電導状態にするときの冷凍機6の負荷の増大(冷凍機6への入熱)を抑制しながら超電導線25を超電導状態にするときに当該超電導線25を有効に冷却することが、より確実に達成される。具体的に、超電導線25を常電導状態にするときは、遮断空間が形成されるので、第1ヒータ21で生じた熱は、巻枠12、支持壁34及び底壁32を通じて冷凍機6に伝わる一方、超電導線25を超電導状態にするときは、遮断空間が固体層で満たされるので、超電導線25の熱は、巻枠12、固体層及び底壁32を通じて冷凍機6に伝わる。本実施形態では、支持壁34の熱伝導率が固体層のそれよりも低く設定されているため、超電導線25を常電導状態にするときの第1ヒータ21から冷凍機6への熱伝導が有効に抑制され、かつ、超電導線25を超電導状態にするときの超電導線25から冷凍機6への熱伝導(超電導線25の冷却)が効果的に行われる。
さらに、側壁35は、当該側壁35と底壁32との接触部分の面積を当該接触部分により取り囲まれる面積よりも小さくする形状を有している。このため、上記効果がより高まる。具体的に、側壁35と底壁32との接触部分の面積が当該接触部分により取り囲まれる面積(動作媒体50と底壁32との接触面積)よりも小さいため、超電導線25を常電導状態にするときの側壁35から底壁32への入熱量を小さくしながら、超電導線25を超電導状態にするときの固体層から底壁32への入熱量を大きく確保することができる。よって、超電導線25を超電導状態にするときの固体層を通じた超電導線25の有効な冷却を確保しながら、超電導線25を常電導状態にするときの冷凍機6の負荷の増大を一層低減することができる。
また、本超電導装置10では、吸着体容器72が収容容器2に接続されており、この収容容器2は、相対的に大きな冷凍能力を有する第1冷却ステージ61で冷却されるので、吸着体71の有効な冷却が可能となる。よって、超電導線25を常電導状態とするときに筐体30内で気化した動作媒体50が吸着体71に効果的に吸着される。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、吸着槽1B及び連通管1Cは、省略されてもよい。ただし、吸着槽1B及び連通管1Cを備えることにより、超電導線25を超電導状態にするときに固体層で遮断空間を有効に満たしながら、超電導線25を常電導状態にするときにより確実に遮断空間を形成することができる。具体的に、超電導線25を常電導状態にするときに吸着体71の温度を低下させることにより、筐体30内において気化することによって遮断空間から退避した動作媒体50が連通管1Cを通じて吸着体容器72内の吸着体71に吸着されるので、遮断空間の形成がより確実となる。一方、超電導線25を超電導状態にするときは、第3ヒータ73へ通電することによって吸着体71の温度を上昇させることにより、吸着体71から解放された気相の動作媒体50が連通管1Cを通じて筐体30内に流入して遮断空間を満たすので、有効に固体層が形成される。
また、連通管1Cと支持壁34との接続箇所は、上壁36の略中央部に限られない。連通管1Cは、側壁35に接続されてもよい。この場合、巻枠12の胴部14は、円柱状に形成されてもよい。
1 永久電流スイッチ
2 収容容器
3 超電導コイル
4 真空容器
5 冷凍手段
6 冷凍機
8 冷却部材
10 超電導装置
12 巻枠
14 胴部
16 上部フランジ
18 下部フランジ
21 第1ヒータ
25 超電導線
30 筐体
32 底壁
34 支持壁
42 第2ヒータ
50 動作媒体
55 冷却部
61 第1冷却ステージ
62 第2冷却ステージ
71 吸着体
72 吸着体容器
73 第3ヒータ
1A 本体部
1B 吸着槽
1C 連通管
Ri1 熱抵抗部材
R12 熱抵抗部材

Claims (12)

  1. 超電導コイルとともに永久電流が流れる閉回路を構成しかつ当該閉回路を断続可能な永久電流スイッチであって、
    巻枠と、
    前記巻枠に巻回されており、前記超電導コイルと接続可能な超電導線と、
    前記超電導線の温度が当該超電導線が超電導状態から常電導状態となる臨界温度以上となるように当該超電導線を加熱可能な第1ヒータと、
    前記巻枠、前記超電導線及び前記第1ヒータを密封状態で収容可能な形状を有するとともに、前記超電導線の温度が前記臨界温度以下となるように当該超電導線を冷却するための冷凍手段に接続される筐体と、
    前記筐体内に封入されており、前記超電導線の臨界温度よりも高い凝固温度を有する動作媒体と、
    前記動作媒体の温度が前記凝固温度以上となるように当該動作媒体を加熱可能な第2ヒータと、を備え、
    前記筐体は、前記冷凍手段に対して熱的に接続される底壁と、前記底壁に接続されており当該底壁とともに前記巻枠、前記超電導線及び前記第1ヒータを密封状態で収容する形状を有するとともに、前記巻枠の下端部と前記底壁との熱的な接続を遮断可能な遮断空間が当該巻枠の下端部と当該底壁との間に形成される位置に前記巻枠を支持する支持壁と、を有し、
    前記支持壁は、前記巻枠の下端部が当該支持壁から離間し、かつ、前記巻枠の上端部が当該支持壁に接触した状態で前記巻枠を支持しており、
    前記動作媒体の量は、当該動作媒体が液相の状態で前記遮断空間に溜まり、かつ、当該動作媒体の温度が前記凝固温度以下になったときに前記巻枠の下端部と前記底壁とを熱的に接続するように前記遮断空間を満たす形状を有する固体層を形成するのに十分な量に設定されている、永久電流スイッチ。
  2. 請求項1に記載の永久電流スイッチにおいて、
    前記支持壁の熱伝導率は、前記固体層の熱伝導率よりも低く設定されている、永久電流スイッチ。
  3. 請求項2に記載の永久電流スイッチにおいて、
    前記支持壁は、当該支持壁と前記底壁との接触部分の面積を当該接触部分により取り囲まれる面積よりも小さくする形状を有する、永久電流スイッチ。
  4. 請求項1ないしのいずれかに記載の永久電流スイッチにおいて、
    前記動作媒体を吸着及び解放することが可能な吸着体と、
    前記吸着体を加熱する第3ヒータと、をさらに備え、
    前記吸着体は、当該吸着体の温度が低くなるにしたがって前記動作媒体の吸着量が増大する性質を有する材料により形成されている、永久電流スイッチ。
  5. 超電導コイルとともに永久電流が流れる閉回路を構成しかつ当該閉回路を断続可能な久電流スイッチであって、
    巻枠と、
    前記巻枠に巻回されており、前記超電導コイルと接続可能な超電導線と、
    前記超電導線の温度が当該超電導線が超電導状態から常電導状態となる臨界温度以上となるように当該超電導線を加熱可能な第1ヒータと、
    前記巻枠、前記超電導線及び前記第1ヒータを密封状態で収容可能な形状を有するとともに、前記超電導線の温度が前記臨界温度以下となるように当該超電導線を冷却するための冷凍手段に接続される筐体と、
    前記筐体内に封入されており、前記超電導線の臨界温度よりも高い凝固温度を有する動作媒体と、
    前記動作媒体の温度が前記凝固温度以上となるように当該動作媒体を加熱可能な第2ヒータと、
    前記動作媒体を吸着及び解放することが可能な吸着体と、
    前記吸着体を加熱する第3ヒータと、を備え、
    前記筐体は、前記冷凍手段に対して熱的に接続される底壁と、前記底壁に接続されており当該底壁とともに前記巻枠、前記超電導線及び前記第1ヒータを密封状態で収容する形状を有するとともに、前記巻枠の下端部と前記底壁との熱的な接続を遮断可能な遮断空間が当該巻枠の下端部と当該底壁との間に形成される位置に前記巻枠を支持する支持壁と、を有し、
    前記動作媒体の量は、当該動作媒体が液相の状態で前記遮断空間に溜まり、かつ、当該動作媒体の温度が前記凝固温度以下になったときに前記巻枠の下端部と前記底壁とを熱的に接続するように前記遮断空間を満たす形状を有する固体層を形成するのに十分な量に設定されており、
    前記吸着体は、当該吸着体の温度が低くなるにしたがって前記動作媒体の吸着量が増大する性質を有する材料により形成されている、永久電流スイッチ。
  6. 請求項4又は5に記載の永久電流スイッチにおいて、
    前記筐体の外側に配置され、前記吸着体を収容する吸着体容器と、
    前記遮断空間と前記吸着体容器内とを連通する連通管と、をさらに備え、
    前記第3ヒータは、前記吸着体容器に巻回されている、永久電流スイッチ。
  7. 請求項6に記載の永久電流スイッチにおいて、
    前記連通管を通じて前記吸着体から前記筐体内に流入する動作媒体を冷却する冷却部をさらに備える、永久電流スイッチ。
  8. 請求項6又は7に記載の永久電流スイッチと、
    前記超電導コイルと、
    前記永久電流スイッチ及び前記超電導コイルを収容する収容容器と、
    前記冷凍手段と、
    を備える超電導装置であって、
    前記冷凍手段は、前記収容容器内において前記底壁及び前記超電導コイルを支持する冷却部材と、前記冷却部材及び前記収容容器を冷却する冷凍機と、を有し、
    前記冷凍機は、前記収容容器を冷却する第1冷却ステージと、前記冷却部材を冷却可能な第2冷却ステージと、を有し、
    前記第1冷却ステージは、前記第2冷却ステージの冷凍能力よりも大きな冷凍能力を有し、
    前記筐体の底壁は、前記冷却部材に接続されており、
    前記吸着体容器は、前記収容容器に接続されている、超電導装置。
  9. 請求項8に記載の超電導装置において、
    前記底壁と前記冷却部材との間に設けられた熱抵抗部材をさらに備え、
    前記熱抵抗部材の熱伝導率は、前記底壁の熱伝導率よりも低く設定されている、超電導装置。
  10. 請求項8又は9に記載の超電導装置において、
    前記吸着体容器と収容容器との間に設けられた他の熱抵抗部材をさらに備え、
    前記他の熱抵抗部材の熱伝導率は、前記吸着体容器の熱伝導率よりも低く設定されている、超電導装置。
  11. 請求項1ないし7のいずれかに記載の永久電流スイッチにおいて、
    前記動作媒体は、パラ水素、ネオン及び窒素のいずれかである、永久電流スイッチ。
  12. 請求項8ないし10のいずれかに記載の超電導装置において、
    前記動作媒体は、パラ水素、ネオン及び窒素のいずれかである、超電導装置。
JP2015005787A 2015-01-15 2015-01-15 永久電流スイッチ及び超電導装置 Expired - Fee Related JP6418957B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015005787A JP6418957B2 (ja) 2015-01-15 2015-01-15 永久電流スイッチ及び超電導装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015005787A JP6418957B2 (ja) 2015-01-15 2015-01-15 永久電流スイッチ及び超電導装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016131231A JP2016131231A (ja) 2016-07-21
JP6418957B2 true JP6418957B2 (ja) 2018-11-07

Family

ID=56415622

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015005787A Expired - Fee Related JP6418957B2 (ja) 2015-01-15 2015-01-15 永久電流スイッチ及び超電導装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6418957B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6860517B2 (ja) * 2018-03-19 2021-04-14 株式会社東芝 超電導磁石装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2048253A5 (ja) * 1969-12-01 1971-03-19 Air Liquide
JP5017640B2 (ja) * 2006-05-31 2012-09-05 国立大学法人京都大学 極低温冷凍方法および極低温冷凍システム
US20080242974A1 (en) * 2007-04-02 2008-10-02 Urbahn John A Method and apparatus to hyperpolarize materials for enhanced mr techniques
JP2011082229A (ja) * 2009-10-05 2011-04-21 Hitachi Ltd 伝導冷却型超電導マグネット
JP6276033B2 (ja) * 2013-01-15 2018-02-07 株式会社神戸製鋼所 極低温装置及び被冷却体に対する冷凍機の接続及び切り離し方法
JP6021791B2 (ja) * 2013-03-28 2016-11-09 株式会社神戸製鋼所 永久電流スイッチ及びこれを備える超電導装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016131231A (ja) 2016-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6338755B2 (ja) 真空引き可能なキャビティを伴う、真空容器と冷却対象物とを有するクライオスタット装置
EP2893271B1 (en) Cryogenic cooling apparatus and method such as for magnetic resonance imaging systems
JP4854396B2 (ja) 低温冷凍機を備えたクライオスタット構造
JP5484644B1 (ja) 超電導マグネット
JP4031121B2 (ja) クライオスタット装置
US9704630B2 (en) Superconducting magnet, MRI apparatus and NMR apparatus
JP2010522300A (ja) 内蔵サーマルスイッチを有する収着ポンプ
JP2006046897A (ja) クライオスタット構造
JP2010523204A (ja) 高度なmr技法向けに材料を過分極化するための方法及び装置
JP2007526625A (ja) 高温超伝導体装置のための極低温冷却方法および装置
JP5469782B1 (ja) 超電導マグネットの冷却方法および超電導マグネット
JP6418957B2 (ja) 永久電流スイッチ及び超電導装置
JP5770303B2 (ja) 冷却装置及び方法
JP4864015B2 (ja) クライオスタット
KR101574940B1 (ko) 초전도 자석을 냉각하기 위한 폐쇄형 냉한제 냉각 시스템 및 방법
JP2008109035A (ja) 加圧超流動ヘリウムクライオスタット
JP6021791B2 (ja) 永久電流スイッチ及びこれを備える超電導装置
JP5916580B2 (ja) 吸着特性測定装置
JP6571915B2 (ja) クライオスタット装置
JP6158700B2 (ja) 超電導磁石装置及び超電導利用装置
JP2017069358A (ja) 超電導磁石装置
JPH1030855A (ja) 磁気冷凍機
JP2005274113A (ja) 温度可変試料室製作の方法と装置
JPH09113048A (ja) 極低温装置
JP2022064520A (ja) 予冷装置、極低温装置および予冷方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180809

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180814

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180918

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181002

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181009

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6418957

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees