JP6418452B2 - 車両用樹脂パネルの製造方法 - Google Patents

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本発明は、車両用樹脂パネルの製造方法に関する。
従来、発泡樹脂成形体からなる車両用ドアトリム本体に樹脂部品を固定し、車両用樹脂パネルを製造する方法として、下記特許文献1に記載のものが知られている。具体的には、その固定に際し、トリム本体に立設された溶着用ボスを樹脂製品に形成された取付孔に挿通した後、超音波溶着や熱溶着などの溶着手段によって溶着用ボスの先端部を溶融しつつカシメ溶着することが行われている。
特開2010−158789号公報
ここで、溶着用ボスの内部は、該溶着用ボスを備えた樹脂製品の意匠面(溶着用ボスの突出方向とは逆の面)にヒケを作らないように成形する関係上、空芯状とされている。この内部が空芯状になっている溶着用ボスに対してカシメ溶着を施すと、溶着用ボスの先端が塞がれつつ熱が加えられることにより、空芯部内の空気が膨張し圧力が上昇することとなる。その結果、溶着後にカシメ加工部を破損させカシメ剛性を低下あるいは損なうという事態が発生し得る。
また、別の課題として、トリム本体や樹脂製品に発泡性のものを用いる場合、発泡樹脂成形体は軽量化面で優れている一方、樹脂密度が低いためその溶着強度面では劣ってしまう。そこで、樹脂部品側であって溶着ボスの近傍に突起部を設け、溶着加工時にこの突起部を同時に溶融させ、溶着加工部における樹脂比率を高めて容積を増大させることにより溶着強度を確保しようとする試みがなされている。しかしながら、溶着ボスの近傍に設けられた突起部が十分に溶けない、溶着箇所の空隙率は変わらない等の理由により期待する効果が得られない。
本発明は、このような事情に基づいて完成されたものであり、カシメ剛性を向上することができる車両用樹脂パネルの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の車両用樹脂パネルの製造方法は、樹脂製の第1部材に設けられた空芯状の取付ボスを、第2部材に設けられた受入部に挿通する工程と、前記取付ボスの空芯部内に樹脂製のピン部材を挿入する工程と、前記ピン部材が挿入された前記取付ボスを当該取付ボスの先端側から溶融させることで前記受入部に対してカシメ溶着させる工程と、を備え、前記ピン部材には、前記空芯部の内部と外部とを通気させるための通気部が設けられていることを特徴とする。
このような車両用樹脂パネルの製造方法によると、樹脂製の第1部材に設けられた空芯状の取付ボスの空芯部内に別途樹脂製のピン部材を挿入するため、取付ボスの溶着箇所における樹脂密度を向上させることができ、溶着強度を高めることができる。また、ピン部材には、通気部を設けているため、ピン部材を挿入する際、該ピン部材に設けられた通気部によって空芯部内の空気を外に逃がすことができ、ピン部材の挿入性を高めることができるとともに、カシメ溶着の際にも空芯部内の圧力上昇を抑えることが可能となる。これにより、空芯部内の圧力上昇に起因してカシメ形状が毀損され、ひいてはカシメ剛性が低下することを抑制できる。
上記車両用樹脂パネルの製造方法において、前記ピン部材は、その挿入方向における先端側に可撓性を示す可撓部を備える一方、その挿入方向における後端側に前記取付ボスの前記空芯部内を塞ぐ閉塞部を備えるものとされ、前記通気部は前記閉塞部に設けられているものとすることができる。
このような車両用樹脂パネルの製造方法によると、ピン部材の挿入方向における先端側は、可撓性を有しているため、第1部材と第2部材とをカシメ溶着する際、ピン部材に対してその挿入方向に圧力が加わってもその可撓性を利用して先端側が撓むかあるいは破損することにより、先端が第1部材の取付ボスの底を押圧したり、先端が取付ボスの底を突き抜ける等の不具合発生を防止ないし抑制することができるようになる。
他方、ピン部材の挿入方向における後端側は、取付ボスの空芯部内を塞ぐ閉塞部を備えているため、空芯部内の十分な樹脂充填率を確保することができ、カシメ剛性を向上させることが可能となる。また、この閉塞部には空芯部の内部と外部とを通気させるための通気部が設けられているため、空芯部内を塞ぐ構成でありつつ、ピン部材を挿入する際には空芯部内の空気を外に逃がすことができ、空芯部内の圧力上昇を抑えることが可能となる。
上記車両用樹脂パネルの製造方法において、前記第1部材は発泡性樹脂により構成され、前記ピン部材は、前記取付ボスの前記空芯部内の芯長に相当する長さとされ、前記第1部材に設けられた前記取付ボスよりもその発泡性が低いものとすることができる。
このような車両用樹脂パネルの製造方法によると、ピン部材の挿入方向における後端は、ピン部材が取付ボスに挿入された状態で取付ボス先端側の開口付近に位置することとなり、取付ボスとピン部材を受入部に対して一体に溶着することができる。これにより、取付ボス先端側のカシメ溶着箇所における取付ボスの空芯部内の樹脂充填率をより確実に高めることができるため、カシメ剛性を向上させることが可能となる。更に、相対的に発泡性の高い取付ボスの空芯部内に、相対的に発泡性の低いピン部材を予め充填するため、カシメ溶着箇所における樹脂内の空隙率を減らすことができ、発泡性の高い樹脂(取付ボス)のみを単体で溶かす場合に比べて、樹脂密度を高くしその強度確保を図ることが可能となる。
本発明によれば、カシメ剛性を向上することができる車両用樹脂パネルの製造方法を提供することができる。
車両用ドアの分解斜視図 トリムボードにオーナメントが取り付けられている箇所の取付態様を示す部分説明図 本実施形態におけるピン部材の拡大斜視図 カシメ溶着の態様を示す、図1におけるA−A線断面図 取付ボス内にピン部材が挿入された状態であってカシメ溶着前の状態を示す部分断面図 カシメ溶着後の部分断面図
以下、本発明の実施形態について、図1〜6を参照しながら詳細に説明する。紙面上、OUTとは車室外側を意味し、INとは車室内側を意味する。
図1は、車両用ドアの分解斜視図である。車両用ドア100は、車室外側に配される車体パネル10に、板状のドアトリム230(本発明の「車両用樹脂パネル」に相当)を車室内側から対向配置することにより構成されている。
ドアトリム230の本体部を構成する板状のトリムボード20(本発明の「第1部材」に相当)は、発泡性樹脂により構成され、そのトリムボード20における上方には、オーナメント用開口23が形成されている。該オーナメント用開口23は略方形状をなし、その外周縁部24であって車室外側面には、複数の取付ボス25が互いに離間するように略等間隔で、かつ車室外側に向かって突出するように設けられている。具体的には、各取付ボス25は、外周縁部24よりも若干その外方側に離れた位置に設けられている。これら取付ボス25も発泡性樹脂により構成され、隣り合う取付ボス25,25の位置及び数は、後述するオーナメント30(本発明の「第2部材」に相当)に形成された被取付片35の取付孔35A(本発明の「受入部」に相当)の位置及び数に相当するものとされている。
図2,4等に示すように、各取付ボス25は、その長手方向において外径が略同一である円筒状の部材であり、その内部が空芯状とされているとともにトリムボード20側は有底状をなしている。空芯部25Aは、取付ボス25の径に対して略中央部に形成されており、その内径もまた長手方向において略同一である。つまり、取付ボス25の厚みはその長手方向において略一定に形成されている。また、図4〜6に示すように、トリムボード20の車室外側面であって各取付ボス25の近傍には、トリムボード20の厚みを肉厚状とした補強リブ29が設けられている。
トリムボード20のオーナメント用開口23に対して車室外側から配されるオーナメント30は、板状樹脂部材により構成されている。オーナメント30は、オーナメント用開口23に嵌入される一般面31と、その外周縁部33において更にその外側に向けて延接する複数の被取付片35とからなる。一般面31は、オーナメント用開口23の形に相当する略方形状をなしている。被取付片35はトリムボード20に固定されるためのものであり、各被取付片35は略方形状をなし、一般面31の車室外側面31S(トリムボード20に取り付けられた状態における車室外側面)の外周縁部33から、車室外側方向に延接する延接部34を介して、一般面31と略平行となるように設けられている。つまり、延接部34から被取付片35にかけてはその断面視略L字状となっている。また、各被取付片35の略中央には、トリムボード20に設けられた取付ボス25を挿通させるための取付孔35Aが形成されている。取付孔35Aの内径は、取付ボス25の外径よりも若干大きく設けられている。
次に、取付ボス25の空芯部25A内に挿入されるピン部材50について説明する。ピン部材50は、取付ボス25よりもその発泡性が低い樹脂により形成されており、図2,3に示すように、長尺状の棒部材であって、その長手方向における全長は取付ボス25の空芯部25Aの芯長に相当する長さとされている。また、その一端であって挿入方向における先端51側は径小のピン状に形成されており、他方の挿入方向における後端52側は先端51よりも径大の円柱状に形成されている。後端52の外径は、取付ボス25内の内径と略同一に形成されており、ピン部材50を取付ボス25内に挿入した際、その空芯部25Aを塞ぐような閉塞部52Hとされている。また、先端51側は、後端52側よりも径小とされることで可撓性を備えた可撓部51Kとされており、その強度は、取付ボス25内に挿入された状態、及び溶着加工開始時には後端52側を支えつつ、溶着加工途中にある程度圧力が加わった段階では変形しやすい程度のものであれば良い。
ピン部材50の後端52には、その外周面に、長手方向(挿入方向)に延びる溝形状53(本発明の「通気部」に相当)が一本形成されている。溝形状53は、後端53の長手方向における一端521から他端522にかけて、その断面視凹状の切欠きを形成することにより設けられており、後端52を断面視したときに、その外周の一部が欠損したような形状となっている。この溝形状53を形成したことにより、ピン部材50を取付ボス25内に挿入する際、後端52側がその空芯部25Aを塞ぐような形状でありつつ、空芯部25A内の空気を外に逃がすことができる。なお、この溝形状53は、図2,3に示す形状に限らず、その機能を果たす構成であれば適宜変更である。また、この場合の「通気部」とは、ピン部材50の断面視外周面または内部に空気を通気させるような形状が施されているものの他に、ピン部材50が取付ボス25内に挿入された状態で、該ピン部材50と空芯部25Aの内壁28との間に、空芯部25Aの内部と外部を通気させるための隙間ないし通路が形成されるようなピン部材50の形状そのものを含むものとする。
<トリムボードとオーナメントの溶着固定方法>
次に、トリムボード20とオーナメント30の溶着固定方法について、図4〜6を参照しながら説明する。
まず、トリムボード20の車室外側にオーナメント30を配し、トリムボード20に設けられた各取付ボス25を、オーナメント30に設けられた被取付片35の各取付孔35Aに挿通させる。このとき、被取付片35の先端36側における車室内側面36M(トリムボード20に配された状態で車室内側となる面)がトリムボード20側に設けられた補強リブ29に着座するまで挿入させる。これにより、オーナメント30の位置決め、及びトリムボード20とオーナメント30の暫定的固定がなされる。なお、取付孔35Aの内径は、取付ボス25の外径よりも若干大きく設けられているため、挿通させた後の取付ボス25の外周には多少の隙間213が形成されることとなる(図5参照)。
その後、取付ボス25の空芯部25A内に、ピン部材50をその先端51側から挿入し、先端部51Sを取付ボス25の底面22に当接させる。この挿入時、空芯部25内の空気はピン部材50の後端52側に設けられた溝形状53に沿って外へと逃げ、空芯部25A内の空気体積を減少させることとなる。なお、ピン部材50の取付ボス25内への挿入は、トリムボード20にオーナメント30を配する前に予め行っても良い。また、ピン部材50の長手方向における長さは空芯部25Aの芯長に相当する長さとされているため、図5に示すように、取付ボス25内に挿入された状態において、空芯部25A内を塞ぐ後端52側の後端面52Mと取付ボス25の先端26における開口27の開口端面27Mとが、略平坦状に面合わせされた状態となる。
この状態で、取付ボス25の先端26側から、つまり取付ボス25の開口端面27Mとピン部材の後端面52Mに対して、溶着ホーン60を接触させ、超音波を付与しながらピン部材50の挿入方向と同方向へと押圧操作させることで、取付ボス25とピン部材50の双方をほぼ同時に一体に溶融させていく。つまりこの溶着箇所では、発泡樹脂からなる取付ボス25と、取付ボス25よりも相対的に発泡性の低い樹脂からなるピン部材50が混合して融解することとなり、発泡性の高い取付ボス25のみを単体で溶かす場合に比べて、樹脂密度が高くなる。
取付ボス25の開口端面27Mとピン部材50の後端面52Mが溶け始めている段階では、ピン部材の先端51側は、その先端部51Sが取付ボス25の底面22に当接しながら後端52側を支えている状態である。その後、溶着ホーン60の押圧操作が進み、更にその進行方向(ピン部材の挿入方向)に圧力が加わると、先端51側はその可撓性を利用して撓むかあるいは破損する。これにより、先端部51Sが必要以上に空芯部25A内の底面22を押圧したり底面22を突き抜けることがなく、トリムボード20の意匠面20M(取付ボス25の突出方向とは逆の面)に形状変化等の影響を及ぼす事態を抑制することができる。このように、取付ボス25とピン部材50をほぼ同時に溶融・加圧しながら溶着ホーンの先端60Sが被取付片35の車室外側面37に接触するまで溶着ホーン60の押圧操作を行い、取付孔35Aに対して取付ボス25をカシメてゆく。なお、カシメ溶着過程において、カシメ溶着前に取付ボス25と受入部35Aの間に形成された隙間213にも、溶融された取付ボス25とピン部材50が入り込み、隙間213が樹脂により充填されることとなり、カシメ溶着箇所の剛性が向上される。
溶着後、一定時間冷却した後に溶着ホーン60を後退させると、取付ボス25が取付孔35Aに対してカシメられたカシメ形状250が形成されており、トリムボード20とオーナメント30とが固定されることとなる。このように形成されたカシメ形状250は、相対的に発泡性の高い樹脂からなる取付ボス25と、取付ボス25よりも相対的に発泡性の低い樹脂により形成されたピン部材50が融和してなるため、取付ボス25のみを単体で溶かす場合に比べて、カシメ溶着箇所における樹脂内の空隙率を減らすこととなり、そのカシメ剛性をより高くすることが可能となる。また、カシメ溶着時に溶着ホーン60の接触箇所が発熱し発泡が起こった場合でも、相対的に発泡性の低い樹脂からなるピン部材50によってカシメ溶着箇所の総合的な発泡比率を抑えることができるため、カシメ剛性の低下を抑制することが可能となる。
以上のような方法により、トリムボード20とオーナメント30とが固定され、そのカシメ剛性が高いドアトリム230が製造される。以下、その効果について説明する。
まず、上記のような方法によると、樹脂製のトリムボード20に設けられた空芯状の取付ボス25の空芯部25A内に別途樹脂製のピン部材50を挿入するため、取付ボス25の溶着箇所における樹脂密度を向上させることができ、溶着強度を高めることができる。また、ピン部材50には、通気部53を設けているため、ピン部材50を挿入する際、該ピン部材50に設けられた溝形状53によって空芯部25A内の空気を外に逃がすことができ、ピン部材50の挿入性を高めることができるとともに、カシメ溶着の際にも空芯部25A内の圧力上昇を抑えることが可能となる。これにより、空芯部25A内の圧力上昇に起因してカシメ形状250が毀損され、ひいてはカシメ剛性が低下することを抑制できる。
また、ピン部材50の挿入方向における先端51側は、可撓性を有しているため、トリムボード20とオーナメント30とをカシメ溶着する際、ピン部材50に対してその挿入方向に圧力が加わってもその可撓性を利用して先端51側が撓むかあるいは破損することにより、先端51Sがトリムボード20の取付ボス25の底26を押圧したり、先端51Sが取付ボス25の底26を突き抜ける等の不具合発生を防止ないし抑制することができるようになる。
他方、ピン部材50の挿入方向における後端52側は、取付ボス25の空芯部25A内を塞ぐ閉塞部52Hを備えているため、空芯部25A内の十分な樹脂充填率を確保することができ、カシメ剛性を向上させることが可能となる。また、この閉塞部52Hには空芯部25Aの内部と外部とを通気させるための溝形状53が設けられているため、空芯部25A内を塞ぐ構成でありつつ、ピン部材50を挿入する際には空芯部25A内の空気を外に逃がすことができ、空芯部25A内の圧力上昇を抑えることが可能となる。
また、ピン部材50の挿入方向における後端52は、ピン部材50が取付ボス25に挿入された状態で取付ボス先端26側の開口27付近に位置することとなり、取付ボス25とピン部材50を取付孔35Aに対して一体に溶着することができる。これにより、取付ボス先端26側のカシメ溶着箇所における取付ボス25の空芯部25A内の樹脂充填率をより確実に高めることができるため、カシメ剛性を向上させることが可能となる。更に、相対的に発泡性の高い取付ボス25の空芯部25A内に、相対的に発泡性の低いピン部材50を予め充填するため、カシメ溶着箇所における樹脂内の空隙率を減らすことができ、発泡性の高い樹脂(取付ボス25)のみを単体で溶かす場合に比べて、樹脂密度を高くしその強度確保を図ることが可能となる。
<その他の実施形態>
本発明は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、トリムボードとオーナメントの固定に超音波溶着を用いたが、これに限らず、熱をもったホーンを、ピン部材が挿入された取付ボスに直接押圧し、加熱されたホーンの熱によって溶融する熱カシメ溶着を用いても良い。
(2)上記実施形態では、オーナメント側の被取付片に設けられた、取付ボスを挿入するための受入部を取付孔としたが、孔形状に限らず、切欠き形状のようなものでも良い。
(3)上記実施形態では、ピン部材に、取付ボスよりも相対的に発泡性の低い樹脂を用いたが、よりカシメ剛性の向上を図るために、非発泡性の樹脂を用いても良い。
(4)ピン部材の形状は、上記実施形態における形状に限られるものではなく、取付ボスの空芯部内に挿入可能であって、空芯部内の空気を外に逃がす機能を備えており、カシメ溶着過程において本願発明と同様の機能を果たす構成であれば、適宜変更可能である。
(5)上記施形態におけるピン部材は、樹脂製パネルの製造生産ラインにおいて、機械がピン部材の向きを認識しやすい、機械がピン部材を把持しやすい等、量産性を考慮して、その先端と後端の外径に差異を設けることにより、先端側に可撓性を備えるものとしたが、例えば先端から後端にかけて同一の経大とし、先端側に後端側よりも剛性の低い異なった材質を用いることや、先端側をコイル状とすることにより可撓性を備える構成としても良い。
(6)上記実施形態では、トリムボードとオーナメントの締結による車両用樹脂パネル(ドアトリム)の製造方法を例示したが、このカシメ溶着を外装バンパーとフォグランプブラケットの締結に用いても良い。通常、外装バンパーには加飾メッキ部品等の装飾や機能部品が取り付けられることが多いが、その中でもフォグランプブラケットは、質量・重量が大きい部品であるためスクリュー締結を用いる。この場合、ねじの構造上、車両走行中の振動により軸力が低下し、ねじに緩みが生じてフォグランプブラケットが外装バンパーから脱落する懸念がある。そこで、外装バンパーとフォグランプブラケットの締結に際し、スクリュー締結の代わりに本願発明に係るカシメ溶着を用いれば、樹脂溶着固定であるため、ねじ緩み等の問題が生じず、脱落等の経年劣化を防止することが可能となる。なお、本願発明に係るカシメ溶着は、通常のカシメ溶着よりもその剛性を向上させたものであるため、質量・重量が大きい部品の締結に用いても充分対応可能であり好適である。
(7)上記実施形態では、トリムボードとオーナメントの締結による車両用樹脂パネル(ドアトリム)の製造方法を例示したが、このカシメ溶着を樹脂フェンダーと取付ブラケットとの締結に用いても良い。昨今、燃費向上向けの車両として更なる軽量化が求められており、自動車メーカーが今後導入するアイテムの一つとして外装パネルの樹脂化を進めることとなっていく。そこで、外装パネルの樹脂化の最初に挙げられるのがフロントフェンダーの樹脂化である。フロントフェンダーの特性として、走行風に耐え、衝突時におけるエネルギー吸収効果が求められるため、その締結剛性は高くする必要がある。ここで、樹脂部品に対して直にボルト締結を行うと樹脂が座屈してしまうため、金属ブラケットを介して締結することとなる。この場合、樹脂部品に対して金属ブラケットを確実に固定するために、樹脂部品からスクリュー用ボスを突設させることとなるが、樹脂部品の意匠面に生じるヒケを考慮すると肉厚状のボスを設けることはできない。よって、金属ブラケットの固定を確実にするためには、ボスの数を多く設けて強度を確保する必要がある。しかし、ボスの数に伴うスクリュー数が多いと、質量増加・締結工数増加となり、品質とコストのバランスが悪化する。そこで、樹脂フェンダーと金属ブラケットの締結に際し、スクリュー締結の代わりに本願発明にかかるカシメ溶着を用いれば、ボスの数を増加させることなく、質量増加の抑制・締結工数の減少が期待できる。更に、本願発明に係るカシメ溶着は、通常のカシメ溶着よりもその剛性を向上させたものであるため、振動に強く、脱落やガタつきによる異音発生を防ぐことも可能となる。
20…トリムボード(第1部材)、25…取付ボス、25A…空芯部、26…取付ボスの先端、30…オーナメント(第2部材)、35A…取付孔(受入部)、50…ピン部材、51…ピン部材の先端、51K…可撓部、52…ピン部材の後端、52H…閉塞部、53…溝形状(通気部)、230…ドアトリム(車両用樹脂パネル)

Claims (3)

  1. 車両用樹脂パネルの製造方法であって、
    樹脂製の第1部材に設けられた空芯状の取付ボスを、第2部材に設けられた受入部に挿通する工程と、
    前記取付ボスの空芯部内に樹脂製のピン部材を挿入する工程と、
    前記ピン部材が挿入された前記取付ボスを当該取付ボスの先端側から溶融させることで前記受入部に対してカシメ溶着させる工程と、を備え、
    前記ピン部材には、前記空芯部の内部と外部とを通気させるための通気部が設けられていることを特徴とする車両用樹脂パネルの製造方法。
  2. 前記ピン部材は、その挿入方向における先端側に可撓性を示す可撓部を備える一方、その挿入方向における後端側に前記取付ボスの前記空芯部内を塞ぐ閉塞部を備えるものとされ、
    前記通気部は前記閉塞部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用樹脂パネルの製造方法。
  3. 前記第1部材は発泡性樹脂により構成され、
    前記ピン部材は、前記取付ボスの前記空芯部内の芯長に相当する長さとされ、前記第1部材に設けられた前記取付ボスよりもその発泡性が低いものとされることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用樹脂パネルの製造方法。
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