JP6418235B2 - 多孔質集電体及び燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、多孔質集電体及び燃料電池に関する。詳しくは、燃料極に用いられるとともにガス改質機能を有する多孔質集電体及びこれを用いて構成される燃料電池に関する。
燃料電池のうち、固体酸化物型燃料電池(以下、SOFCという。)は、固体酸化物から形成された固体電解質層と、この固体電解質層を挟んで積層された電極層とを備えて構成されている。
前記SOFCでは、空気極に酸素(空気)が供給されるとともに、燃料極に燃料(H、CH等)が供給される。前記空気極と前記燃料極とは、これらに供給される前記ガスが前記固体電解質層との界面に到達することができるように、いずれも多孔質状に形成されている。
燃料ガスとして、天然ガス(メタンガス)等の炭化水素を含むガスを用いる場合には、これらガスを、水素を主成分とする燃料ガスに改質してから前記固体電解質に作用させる必要がある。前記燃料ガスを改質する手法として水蒸気改質法が用いられることが多い。
たとえば、メタンガスを燃料ガスとして用いる場合、水蒸気を加えて加熱し、水素と一酸化炭素に分解し、さらに、水蒸気と反応させて水素と二酸化炭素に分解する。前記改質を行う改質器は、燃料電池の外に設置して、改質した燃料ガスを前記燃料電池に供給するように構成することが多い。改質器を燃料電池の外に設置すると、装置が大型化し、また複雑化するという問題がある。このため、燃料電池の燃料極内において燃料を改質する内部改質法が採用されることもある。
内部改質法は、燃料電池で発生する熱の一部を、前記水蒸気改質法を行う熱源として利用できるとともに、高温の排熱を回収して利用できるためエネルギ効率が高く、SOFCの燃料ガス改質法として注目されている。
特許第4432384号公報
ところが、内部改質法を採用した場合、改質過程で生成されるCOガスや、燃料ガスに含まれるHSガス等の影響によって燃料極中の触媒が劣化したり、燃料極層中の触媒に、燃料ガスから生成される炭素が析出したりして、燃料電池の発電性能が早期に低下するという問題がある。
上記不都合を回避するために、特許文献1に記載されているように、燃料電池の燃料極に用いる集電体に、燃料極と同じ材料からなる改質触媒を担持させることも考えられる。
しかしながら、改質触媒を担持させる集電体を安価なニッケル金属多孔質体で形成した場合、改質のために供給される水蒸気等によって酸化されやすくなる。特に、燃料極と集電体が接する境界面近傍では、局部電流に起因する局部電流腐食が生じやすい。さらに、酸素イオン伝導体からなる固体電解質層を備えるSOFCでは、燃料極側で水が生成され、燃料極近傍がより過酷な腐食環境となる。集電体が腐食すると、集電体の電気抵抗が大きくなるため、燃料電池の発電性能及び耐久性が低下するという問題が生じる。
本発明は、前記課題を解決するために案出されたものであって、燃料極に用いる集電体に高いガス改質機能を持たせることができ、さらに、耐久性の高い多孔質集電体を提供することを課題とする。
本発明の一態様に係る多孔質集電体は、固体電解質層と、この固体電解質層の一側に設けられる燃料極と、他側に設けられる空気極とを備えて構成される燃料電池の前記燃料極に隣接して設けられる多孔質集電体であって、前記多孔質集電体は金属多孔質体及び第1の触媒を含み、前記金属多孔質体は少なくとも表面に合金層を含み、前記合金層はニッケル(Ni)及びスズ(Sn)を含み、前記第1の触媒は、前記金属多孔質体の気孔に対向する前記合金層の表面に担持されて、前記気孔内を流動する燃料ガスに含まれる炭素成分を処理できる触媒である。
前記発明によって、高い燃料ガス改質機能と高い耐久性とを兼ね備える多孔質集電体を構成できる。
燃料電池の概略構成を示す断面図である。 金属多孔質体の一例を示す顕微鏡写真である。 図2に示す金属多孔質体の気孔に対向する合金層の表面に触媒粒子を担持させた状態を模式的に示す図である。 図3におけるIV−IV線に沿う断面図である。 Ni−3wt%Sn多孔質集電体のXRD分析結果を示す図である。 Ni−5wt%Sn多孔質集電体のXRD分析結果を示す図である。 Ni−8wt%Sn多孔質集電体のXRD分析結果を示す図である。 Ni−16wt%Sn多孔質集電体のXRD分析結果を示す図である。
〔実施形態の概要〕
本発明の一態様に係る多孔質集電体は、固体電解質層と、この固体電解質層の一側に設けられる燃料極と、他側に設けられる空気極とを備えて構成される燃料電池の前記燃料極に隣接して設けられる多孔質集電体であって、前記多孔質集電体は金属多孔質体及び第1の触媒を含み、前記金属多孔質体は少なくとも表面に合金層を含み、前記合金層はニッケル(Ni)及びスズ(Sn)を含み、前記第1の触媒は、前記金属多孔質体の気孔に対向する前記合金層の表面に担持されて、前記気孔内を流動する燃料ガスに含まれる炭素成分を処理できる触媒である。
Ni−Sn合金は、良好な導電体であるとともに、表面に形成される酸化皮膜SnO2 が、下地層に対して酸素透過に対する障壁層となり、表面酸化層が増加するのを阻止する機能を発揮する。しかも、前記酸化皮膜SnO2 はある程度の導電性を有するため、酸化層が増加するのを阻止する障壁層を形成しながら、多孔質集電体としての導電性を確保することができる。このため、燃料ガス改質のための水蒸気を含む高温の酸化性雰囲気中においても、導電体として機能させることができる。また、酸化皮膜の成長が阻止されるため耐久性も高く、しかも安価である。
ニッケル(Ni)及びスズ(Sn)を含む前記合金層は、前記金属多孔質体の少なくとも表面に形成されていればよい。これにより、金属多孔質体内部の腐食を防止して、腐食環境下における導電性能を長期にわたって確保できる。なお、前記金属多孔質体の全体をニッケル−スズ合金から形成することもできる。さらに、前記合金層に、ニッケル、スズ以外の合金成分を含ませることもできる。たとえば、耐蝕性等を高めるために、クロム(Cr)等の金属を含ませることもできる。
また、Ni成分、Sn成分に加えて、前記合金層において10質量%未満のリン成分を加えることができる。リン成分を加えるには、Ni−Sn合金層を形成する際に、リンを含む添加物を加えればよい。例えば、Ni層を無電解ニッケルめっきで形成した後、還元剤として次亜リン酸系材料を用いることにより、リン成分を添加することができる。これにより、耐電解性、耐蝕性がさらに向上する。なお、リンの配合量が多くなると耐熱性が低下するため、リンの配合量は10%未満に設定するのが好ましい。
前記合金層におけるスズ(Sn)の配合割合は、5〜30質量%に設定することができる。さらに、前記Snの配合割合を10〜25質量%とするのがより好ましい。5質量%未満の配合量では、高温の酸化性雰囲気中における耐酸化性を確保することができない。一方、30質量%を越えて配合すると、もろい合金層の割合が増加して、基材の圧縮強度が低下する。このため、集電体としての機械的強度を確保できない。
前記合金層におけるスズの配合割合が高くなるほど原料コストが高くなる。また、前記合金層におけるスズの配合割合が高くなるほど、硬くて脆い固溶体であるNiSnが合金層中に生成しやすくなり、多孔質集電体が脆くなってしまう(成形しにくくなる)。 すなわち、多孔質集電体の成形性(成形のしやすさ)および原料コストの観点からはスズの配合割合を少なくすることが望ましいが、耐酸化性の観点からはスズの配合割合を多くすることが望ましいので、これらを勘案して用途に適したスズの配合割合を選択することが望ましい。
図5から図8はそれぞれNi−3wt%Sn多孔質集電体、Ni−5wt%Sn多孔質集電体、Ni−8wt%Sn多孔質集電体、Ni−16wt%Sn多孔質集電体のXRD(X線回折:X−ray diffraction)分析結果を示す図である。図5から図8の横軸はX線の入射角2θ(deg)、縦軸は回折強度(cps)である。
図5から図8のXRD分析に用いられたNi−Sn多孔質集電体はいずれも後述する
金属多孔質体1の製造方法に沿って製造される。
図5、図6および図7によれば、Ni−3wt%Sn多孔質集電体、Ni−5wt%Sn多孔質集電体およびNi−8wt%Sn多孔質集電体からはいずれも、ニッケル(Ni)、NiSn、およびNiOのX線回折ピークが見られる一方、NiSnのX線回折ピークは見られない。
図8によれば、Ni−16wt%Sn多孔質集電体からはニッケル(Ni)およびNiSnのX線回折ピークが見られる一方、NiSnのX線回折ピークは見られない。
以上より、Ni−Sn多孔質集電体中のスズの配合割合が16wt%以下の場合、Ni−Sn多孔質集電体におけるスズを含む合金層にはNiSnが存在しない(NiSnが存在していたとしても、XRD分析で検出することができないほど微量である)ことが分かる。
なお、Ni−Sn二元系状態図によれば、Ni−Sn合金中のSnの配合割合が42wt%未満の場合にはNiSnが生成しないと考えられるが、図5から図8に示すXRD分析結果はそれを裏付けるものである。
また、ニッケルは、水素ガスからプロトンを生成する触媒機能を有するため、燃料極のプロトン生成機能を補完する触媒として機能させることができるが、スズの配合割合が30質量%を越えると、プロトンを生成する触媒としての機能を期待することができない。
前記Ni−Sn合金は、Ni成分によって水素ガスを分解してプロトンを生成する触媒としての機能を有するものの、燃料ガス中に含まれる炭素成分を処理する燃料ガス改質触媒としての機能は十分ではなく、炭素が析出しやすい。本実施形態では、燃料ガスに含まれる炭素成分を処理できる第1の触媒を前記金属多孔質体の気孔に対向する前記合金層の表面に担持させる。
前記第1の触媒を前記合金層の表面に担持させることにより、前記気孔内を流動する燃料ガスに含まれる炭素成分を効率よく処理して、水と二酸化炭素に変化させることが可能となり、燃料極に炭素が析出するのを効果的に防止できる。また、燃料電池において発生する熱を効果的に利用して、燃料ガス中の炭素成分を処理できる。これにより、燃料電池の耐久性を高めることができるとともに、燃料電池の外に燃料ガス用の改質器を設ける必要がなくなる。したがって、装置が複雑化したり、大型化することがなくなる。
また、前記第1の触媒は、各気孔に対向する合金層の表面に粒子形態が保持された状態で担持され、ガスの改質機能を発揮するように構成されてもよい(第1の触媒の形状を粒子状としても良い)。第一の触媒を各気孔中に収容可能な微小な粒子状とすることにより、第1の触媒の表面積を大きくすることが可能となり、燃料ガスの改質機能を高めることができる。前記第1の触媒は、前記金属多孔質体の気孔表面が完全に覆われない程度に担持させるのが好ましい。これにより、燃料ガスを金属多孔質体の表面に接触させて、これに含まれるNi成分のプロトン生成機能を発揮させることが可能となる。本実施形態では第1の触媒の形状は粒子状(比較的球状に近い等軸的な形状)であるが、他の形状(例えば、板状、針状等)でも良い。
前記第1の触媒として、銀(Ag)又は白金(Pt)を含む1又は2以上の成分から構成されているものを採用できる。これら触媒を採用することにより、燃料ガス中に含まれる炭素成分を処理することが可能となり、燃料極に炭素が析出するのを防止できる。
前記第1の触媒は、多孔質集電体において1〜15質量%担持されていることが望ましい。担持量が1〜15質量%である場合は燃料ガスの通気性を損なうことなく触媒の表面積を増加できるため好ましい。
特に、銀(Ag)は、比較的安価な触媒であるが、通常Niとは固溶しないため、Niから形成された金属多孔質体に安定的に担持させるのは困難である。本実施形態では、金属多孔質体の少なくとも表面がニッケル−スズ合金から形成されているため、銀粒子を気孔に対向する合金層の表面に安定的に担持させることができる。
より詳細には、銀(Ag)、白金(Pt)はいずれもスズに固溶し得るので、第1の触媒が銀(Ag)又は白金(Pt)を含む1又は2以上の成分から構成されている場合には「少なくとも表面に合金層を含み、前記合金層はニッケル(Ni)及びスズ(Sn)を含む金属多孔体」に第1の触媒を構成する銀(Ag)あるいは白金(Pt)の一部が固溶し、第1の触媒と金属多孔体との接合強度が増し、金属多孔体から第1の触媒が脱落することを防止することが可能である。
さらに、燃料電池の性能を高めるため、前記多孔質集電体の気孔に対向する合金層の表面に、ニッケル(Ni)、ニッケル(Ni)−スズ(Sn)合金、ニッケル(Ni)−スズ(Sn)−クロム(Cr)合金から選ばれた第2の触媒を担持させるのが好ましい。
ニッケル−スズからなる合金層を表面に設けることにより、多孔質集電体の腐食を効果的に防止できる。一方、スズを配合することによって、ニッケル成分のプロトン生成機能は低下する。本実施形態は、プロトン生成機能の高い第2の触媒を、前記第1の触媒と同様に、前記金属多孔質体内の前記気孔に対向する前記合金層の表面に担持させる。前記第2の触媒を担持させることにより、燃料極におけるプロトン生成機能が向上し、燃料電池の性能を高めることができる。
前記第2の触媒として、ニッケル(Ni)、触媒機能を高めるためにニッケルの配合割合を高めたニッケル(Ni)−スズ(Sn)合金を採用するのが好ましい。これら材料から形成された第2の触媒は、前記金属多孔質体より腐食しやすいが、腐食環境が最も劣悪なのは燃料極の表面近傍であり、燃料極から離れた部位における腐食環境は、燃料極近傍ほどではない。このため、燃料極近傍に担持された第2の触媒の機能が早期に低下しても、集電体全体としてのプロトン生成機能が高まり、また、長期にわたって維持される。この結果、燃料電池の性能及び耐久性を高めることができる。なお、前記第2の触媒を、前記燃料極から離れた部位に担持させるように構成することもできる。
本実施形態では第2の触媒の形状は粒子状(比較的球状に近い等軸的な形状)であるが、他の形状(例えば、板状、針状等)でも良い。
前記金属多孔質体は、50〜98%の気孔率を備えるものを採用することが好ましく、80〜90%の気孔率を備えるものがさらに好ましい。前記気孔率が50%未満では、燃料ガスの流動性が低下して、燃料極へ燃料ガスを充分に供給できない。また、充分な量の触媒を担持させることも困難になる。一方、気孔率が98%を越えると、集電体としての強度や導電性を確保できない。
前記触媒は、0.05〜5μmの平均粒径を備えるものを採用するのが好ましい。粒径が、5μmより大きくなると、金属多孔質体の気孔に対向する合金層の表面に粒状の触媒を担持させるのが困難になる。また、触媒の表面積を大きく設定できなくなる。
前記金属多孔質体として、種々の形態のものを採用できる。たとえば、金属繊維を編成し、あるいは交絡させたシート状の金属多孔質体を採用できる。
前記金属多孔質体を製造する手法も特に限定されることはない。たとえば、導電性金属やセラミックから形成された多孔質基材の表面に、Ni−Sn合金層を設けることにより形成することができる。前記Ni−Sn合金層を形成する手法も限定されることはない。たとえば、前記多孔質基材の表面に、Ni粉末及びSn粉末を含むコーティング層、あるいはNi−Sn合金粉末をコーティングした後に、焼成することにより設けることができる。また、Ni層の上にSn層を積層した後、加熱することによりNi層とSn層とを拡散させて合金化することにより前記Ni−Sn合金層を形成することができる。また、Ni−Cr合金からなる多孔質基材を採用し、この表面にSn層を積層した後、加熱することによりNi層とSn層とを拡散させて、Ni−Sn合金層を形成することができる。
Ni酸化皮膜は、酸素透過性があるとともに、電気伝導性が低い。したがって、Ni酸化皮膜が集電体の表面を覆うと、集電体としての機能が低下するばかりでなく、耐久性が低下する恐れがある。これを防止するため、少なくとも表面側において、前記Sn成分の割合を大きく設定することができる。
前記金属多孔質体として、三次元網目構造を備えたものを採用するのが好ましい。
また、前記金属多孔質体の三次元網目構造は、少なくとも表面に前記ニッケル(Ni)及びスズ(Sn)を含む外殻部と、中空又は導電性材料の一方又は双方を含む芯部とを有する骨格を備え、前記骨格が一体的に連続したものが望ましい。
前記金属多孔質体は、骨格が三次元網目構造に形成されているため、気孔率を極めて大きく設定することができる。これにより、気孔内におけるガスの流動抵抗が小さくなり、大量のガスを流動させて電極に作用させることができるとともに効率よく集電することができる。また、前記骨格は、一体的に連続するように形成されている。このため、高温での使用環境においても高い強度を確保することができる。
前記金属多孔質体の製造手法も特に限定されることはない。たとえば、使用温度における耐熱性のある金属多孔質体の表面に、Ni−Sn合金層をめっき法等により設けて、多孔質集電体を形成することができる。前記金属多孔質体の形態も特に限定されることはない。
また、発泡樹脂等の多孔質基材にNiめっき層を形成するNiめっき層形成工程と、前記Niめっき層にSnめっき層を形成するSnめっき層形成工程と、少なくとも酸素が存在する雰囲気中で前記多孔質基材を消失させる基材消失工程と、還元性雰囲気中で300℃〜1100℃の温度を作用させて、前記Niめっき層と前記Snめっき層とを拡散させる拡散工程とを含んで前記金属多孔質体を製造できる。
前記手法によって、高温で酸化性の雰囲気に晒される多孔質集電体の表面に所要の割合以上のSn成分を配合することが可能となる。高温使用環境において、前記多孔質集電体の表面にSn酸化層が形成される。このため、長期間にわたって集電体の機能を確保することが可能となる。
実施形態に係る多孔質集電体は、種々の形式の燃料電池に採用できる。特に、高温で作動するSOFCにおける燃料極の集電体として採用することができる。
〔実施形態の詳細〕
以下、本発明の実施形態を図に基づいて具体的に説明する。なお、本実施形態は、三次元網目構造を多孔質集電体に適用したものであるが、多孔質集電体は、以下の形態に限定されることはなく、種々の形態を備える多孔質集電体を採用することができる。
図1に、固体酸化物型燃料電池のセル構造を概念的に示す。なお、図1には、一つのセル構造を示しているが、発電の電圧を高めるため複数のセルが厚み方向に積層されて燃料電池が構成される。
燃料電池セル101は、固体電解質層2を挟むようにして、空気極としての第1の電極層3と燃料極としての第2の電極層4とが積層形成された膜電極接合体5を備えて構成される。前記固体電解質層2を構成する固体電解質は特に限定されることはなく、酸素イオン伝導性又はプロトン伝導性を有するセラミック材料を用いて形成することができる。たとえば、酸素イオン導電性の固体電解質として、YSZ(イットリウム安定化ジルコニア)、SSZ(スカンジウム安定化ジルコニア)等を採用できる。また、プロトン伝導性の固体電解質材料として、バリウムジルコネート等を採用することができる。なお、本実施形態では、プロトン伝導性の固体電解質層を備える燃料電池について説明する。
前記空気極3及び前記燃料極4を構成する材料も特に限定されることはなく、前記固体電解質の材料等に応じて選択することができる。たとえば、ニッケル、ランタン等の金属や、ニッケル酸化物等の焼成体から形成することができる。なお、本実施形態においては、前記燃料極は、ニッケルとバリウムジルコネートの混合体から形成されている。
前記膜電極接合体5(MEA)の外側には、第1の多孔質集電体8を介して第1の集電部材6が設けられるとともに、第2の多孔質集電体9を介して第2の集電部材7が設けられる。前記集電部材6,7は、導電性を有する金属板やカーボン板から形成されており、内面に溝等を形成することにより、ガスを流動させる第1のガス流路13と第2のガス流路14とが設けられている。
前記多孔質集電体8,9は、導電性を有する多孔質体から形成されており、前記ガス流路13,14を流れるガスを各電極層3,4に拡散して作用させるとともに、前記各電極層3,4と前記集電部材6,7とを電気的に接続して導通させるように構成されている。
前記膜電極接合体5の両側に、前記多孔質集電体8,9及び集電部材6,7を積層するとともに、固体電解質層2が設けられていない周縁部をガスケット15,16でシールして、前記燃料電池セル101が構成されている。
前記第1のガス流路13には酸化剤としての酸素を含む空気が導入され、前記第1の電極層3に、前記第1の多孔質集電体8を介して酸素が供給される。前記第2のガス流路14には、燃料として水素を含む燃料ガスが導入され、前記第2の電極層4に、前記第2の多孔質集電体9を介して水素が供給される。
前記第2の電極層4において、H2 →2H+ +2e- の反応が生じる。一方、第1の電極層3においては、1/2O2 +2H+ +2e- →H2 Oの反応が生じる。これにより、水素イオンが第2の電極層4から固体電解質層2を通って第1の電極層3へと移動するとともに、電子が第2の電極層4から前記第2の多孔質集電体9、第2の集電部材7、第1の集電部材6、第1の多孔質集電体8を介して第1の電極層3へと流れ、電力が得られる。なお、前記燃料電池セル101は、図示しない加熱装置によって所定温度に加熱される。
図1においては、理解を容易にするため、第1の電極層3及び第2の電極層4の厚みを実際より大きく描いている。また、第1のガス流路13及び第2のガス流路14を連続した大きな空間として描いているが、集電部材6,7の内面に所定幅の溝等を形成して構成される。
本実施形態では、前記第2の多孔質集電体9に、ニッケル(Ni)−スズ(Sn)合金を含む金属多孔質体を採用している。また、前記第2の多孔質集電体9に、燃料に含まれる炭素成分を処理できる第1の触媒20及びプロトンを生成できる第2の触媒21を担持させている。
図2は、前記多孔質集電体8,9を構成する金属多孔質体1の外観構造を示す電子顕微鏡写真である。金属多孔質体1は、連続気孔1bを有する三次元網目構造を備える。図2から図4に示すように、前記三次元網目構造は、三角柱状の骨格10が三次元に連続して連なった形態を備え、前記骨格10を構成する複数の枝部12が結節部11に集合して一体的に連続する形態を備える。また、骨格10の各部は、図4に示すように、外殻部10aと、中空状の芯部10bとを備えて構成される。なお、後に説明するように、前記外殻部10aの表面には、ニッケル(Ni)とスズ(Sn)とが、一体的に合金化されたニッケル(Ni)−スズ(Sn)からなる合金層12aが形成されている。
前記金属多孔質体1は、連続気孔1bを有する多孔質状に形成されているため、前記連続気孔1b内で燃料ガス等を流動させて各電極に作用させることができるとともに、効率よく集電することができる。しかも、前記金属多孔質体1は、三次元網目構造を採用することによって、気孔率をきわめて大きく設定することができる。このため、気孔内におけるガスの流動抵抗が低く、大量のガスを流動させることが可能となり、発電効率を高めることができる。
また、図3に示すように、前記三次元網目構造における一の結節部11及びこれに集合する前記枝部12における外殻部10aの厚みtがほぼ一定に形成されている。このため、多孔質体の全体が均一な機械的強度を備える。これにより、高温環境下で使用されるSOFCの集電体に適用しても、所要の強度を確保することができる。
たとえば、前記金属多孔質体として、50%〜98%の気孔率を備えるとともに、大気雰囲気中で600℃以上に加熱した後、常温において30Kgf/cmの荷重を作用させた場合の厚みの変化量が、30%未満となるように設定されたものを採用するのが好ましい。
本実施形態に係る前記金属多孔質体1は、Ni(ニッケル)とSn(スズ)とを含む合金(以下、Ni−Sn合金という)から形成された合金層12aを備えて構成されている。前記合金層12aのNiとSnの配合量は、作動温度等に応じて設定することができる。たとえば、前記合金層12aを、少なくともSnを5〜30質量%含むように構成するのが好ましい。さらに、Snを10〜25質量%含むように構成するのがより好ましい。
さらにまた、Ni成分、Sn成分に加えて、10質量%以下のリン成分を加えるのが好ましい。リン成分を加えるには、Ni−Sn合金層を形成する際に、リンを含む添加物を加えればよい。例えば、Ni層を無電解ニッケルめっきで形成した後、還元剤として次亜リン酸系材料を用いることにより、リン成分を添加することができる。これにより、耐電解性、耐蝕性がさらに向上する。なお、リンの配合量が多くなると耐熱性が低下するため、リンの配合量は10%以下に設定される。
前記金属多孔質体1は、種々の手法を用いて形成することができる。たとえば、金属多孔質体を構成するNi−Sn合金材料を多孔質基材の表面に直接コーティングして焼成し、前記Ni−Sn合金層を形成することができる。
また、三次元網目状の樹脂多孔質基材に導電化処理を施して表面導電化層を形成する工程と、前記導電化層の上にNiめっき層を形成するNiめっき層形成工程と、前記Niめっき層の上にSnめっき層を形成するSnめっき層形成工程と、少なくとも酸素が存在する雰囲気中で前記樹脂多孔質基材を消失させる基材消失工程と、還元性雰囲気中で、300℃〜1100℃の温度を作用させて、前記Niめっき層と前記Snめっき層とを拡散させて合金化する拡散工程とを含む工程によって形成することができる。なお、Niめっき層形成工程を行った後に前記基材消失工程を行い、前記基材消失工程において酸化したNiめっき層を還元させる工程を行った後に、前記Snめっき層形成工程及び前記拡散工程を行うこともできる。
前記三次元網目状樹脂の形態として、樹脂発泡体、不織布、フエルト、織布等を用いることができる。前記三次元網目状樹脂を構成する素材は特に限定されることはないが、金属めっき等した後、加熱等によって消失させることができるものを採用するのが好ましい。また、加工性やハンドリング性を確保するため、柔軟性を有するものを採用するのが好ましい。特に、三次元網目状樹脂として樹脂発泡体を採用するのが好ましい。樹脂発泡体は、連続気孔を有する多孔質状であればよく、既知のものを採用できる。たとえば、発泡ウレタン樹脂、発泡スチレン樹脂等を採用することができる。発泡樹脂の気孔の形態や気孔率、寸法等は特に限定されることはなく、用途に応じて適宜設定することができる。
めっき処理によって前記金属多孔質体1を形成する場合において、前記表面導電化層を形成する工程は、三次元網目状樹脂の各気孔の表面にNiめっき層を確実に形成するために行われる。Niめっき処理に必要な表面導電化層を設けることができれば、形成手法は特に限定されることはない。たとえば、Niの表面導電化層を設けるには、無電解めっき処理、スパッタリング処理等を採用することができる。
前記Niめっき層12b及びSnめっき層を形成する手法も特に限定されることはなく、水溶液系めっき法等の公知のめっき法によって処理をすることができる。
前記Ni−Sn合金めっき層の全体厚み(目付量)も特に限定されることはない。所要の気孔率や、強度を勘案して設定することができる。たとえば、100g/m2 〜2000g/m2 の目付量を採用することができる。
前記Niの配合割合とSnの配合割合に応じて、前記Niめっき層12bと前記Snめっき層の厚みが設定される。たとえば、NiとSnの配合割合を8:2とする場合には、前記各めっき層の厚み(目付量)を、800g/m2(Ni):200g/m2(Sn)とすることができる。
前記Niめっき層12b及びSnめっき層を形成した後、あるいはNiめっき層12bを形成した後に、前記三次元網目状樹脂を除去する基材消失工程が行われる。前記基材消失工程は、たとえば、ステンレスマッフル内で大気等の酸化性雰囲気において、前記めっき層を設けた多孔質体を、所定温度で熱処理することにより、前記三次元網目状樹脂を焼却除去することができる。
図3及び図4に示すように、本実施形態に係る金属多孔質体1の前記芯部10bは、中空状に形成されるが、これに限定されることはない。すなわち、上述した実施形態では、Niから形成された図示しない表面導電化層とこの上に積層形成されたNiめっき層12bとSnめっき層とが互いに拡散して一体化されて合金層12aが形成されたが、前記表面導電化層を別の導電性材料から形成する場合、芯部として残存する場合もある。
前記Snめっき層とNiめっき層とが積層形成された多孔質体を、ステンレスマッフル内でCOやH2 等の還元性ガス雰囲気のもとで300℃〜1100℃で熱処理することにより、前記Niめっき層12bとSnめっき層とを互いに拡散させてNi−Sn合金層12aを備える外殻部10aを形成することができる。前記合金層12aは、5μm以上に設定するのが好ましい。
前記各工程を採用することにより、外殻部10aのSn濃度のばらつきが少なく、高温における耐酸化性の高い多孔質集電体8,9を形成することができる。また、めっき層によって外殻部が構成されるため、外殻部の厚み(断面積)を多孔質体内でほぼ均一に設定することが可能となる。このため、多孔質体内における機械的強度のばらつきが少なくなり、均一な強度を有する多孔質集電体を形成できる。これにより、耐熱性及び機械的強度が要求されるSOFCの集電体に採用しても耐久性を確保することができる。
本実施形態では、図3及び図4に示すように、燃料極4に隣接して設けられる多孔質集電体9は金属多孔質体1を含み、金属多孔質体1には、燃料ガスに含まれる炭素成分を処理できる第1の触媒20を担持させている。前記第1の触媒20は、前記金属多孔質体1の各連続気孔1bに対向する合金層12aの表面に粒状の形態で担持されている。
前記金属多孔質体1の表面にニッケル−スズ合金からなる合金層12aを含むことにより、前記第1の触媒として銀(Ag)を採用した場合、これを合金層12aの表面に確実に担持させることができる。
また、前記第1の触媒20を、粒子形態を保持した状態で各連続気孔1bに対向する合金層12aの表面に担持させることにより、触媒として機能する銀の表面積を大きく設定することが可能となる。
前記第1の触媒は、粒子状の前記触媒粉20に有機溶媒及び希釈剤を加えてスラリーとし、前記金属多孔質体1を浸漬した後、乾燥、焼成することによって、金属多孔質体1の骨格表面に、粒子状の触媒を担持させることができる。
前記第1の触媒20を担持させた前記第2の多孔質集電体9に、燃料ガスとしてメタンガス(CH)を水蒸気とともに供給すると、前記第1の触媒20によって、メタンガスが水素と一酸化炭素に分解され、さらに、前記一酸化炭素が水素と二酸化炭素に分解される。このため、前記メタンガス中の炭素成分が、燃料極に析出することがなくなり、燃料極の耐久性が高まる。また、燃料電池の外に前記炭素成分を処理する改質器を設ける必要がなくなり、装置が複雑化したり、大型化することもない。
しかも、前記燃料電池101において発生する熱を、前記メタンガスの分解に利用できる。また、燃料電池内において発生する排熱を吸収することにもなるため、システムのエネルギ効率を高めることができる。
さらに、本実施形態では、前記第1の触媒20に加えて、水素ガスをプロトンに分解できる第2の触媒21を、前記金属多孔質体1の連続気孔1bに対向する合金層12aの表面に担持させている。
前記第2の触媒21も、前記第1の触媒と同様に、前記連続気孔に対向する合金層において粒子形態で保持されている。本実施形態に係る前記第2の触媒21としてニッケル粒子を採用している。ニッケル粒子は、水素ガスからプロトンを生成する触媒能力が高い。このため、前記第2の触媒21を、前記金属多孔質体1に保持させることにより、前記第2の電極層(燃料極)のプロトン生成機能を補完し、燃料電池の性能を高めることができる。
前記第2の触媒は、前記第1の触媒と同様に、粒子状の前記触媒粉21に有機溶媒及び希釈剤を加えてスラリーとし、前記金属多孔質体1を浸漬した後、乾燥、焼成することによって、金属多孔質体1の骨格表面に、粒子状の触媒を担持させることができる。
なお、Niから形成された第2の触媒21は、前記金属多孔質体1より腐食しやすいが、腐食環境が最も劣悪なのは燃料極4の表面近傍であり、燃料極4から離れた部位における腐食環境は、燃料極近傍ほどではない。このため、燃料極近傍に担持された第2の触媒21の機能が早期に低下しても、集電体全体としてのプロトン生成機能が高まり、また、長期にわたって維持される。この結果、燃料電池の性能及び耐久性を高めることができる。なお、前記第2の触媒を、前記燃料極から離れた部位に担持させるように構成することもできる。
本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されることはない。今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
高いガス改質機能を有するとともに、耐久性の高い多孔質集電体を提供することができる。
1 金属多孔質体
1b 気孔(連続気孔)
2 固体電解質層
3 空気極
4 燃料極
5 膜電極接合体
6 第1の集電部材
7 第2の集電部材
8 第1の多孔質集電体(空気極側)
9 第2の多孔質集電体(燃料極側)
10 骨格
10a 外殻部
10b 芯部
12a 合金層
12b ニッケルメッキ層
13 第1のガス流路
14 第2のガス流路
15 ガスケット
16 ガスケット
20 第1の触媒
21 第2の触媒
101 燃料電池セル

Claims (10)

  1. 固体電解質層と、この固体電解質層の一側に設けられる燃料極と、他側に設けられる空気極とを備えて構成される燃料電池の前記燃料極に隣接して設けられる多孔質集電体であって、
    前記多孔質集電体は金属多孔質体及び第1の触媒を含み、
    前記金属多孔質体は少なくとも表面に合金層を含み、前記合金層はニッケル(Ni)及びスズ(Sn)を含み、
    前記第1の触媒は、前記金属多孔質体の気孔に対向する前記合金層の表面に担持されて、前記気孔内を流動する燃料ガスに含まれる炭素成分を処理できる触媒である、多孔質集電体。
  2. 前記第1の触媒が、銀(Ag)又は白金(Pt)を含む1又は2以上の成分から構成されている、請求項1に記載の多孔質集電体。
  3. 前記第1の触媒が、1〜15質量%担持されている、請求項1又は請求項2に記載の多孔質集電体。
  4. 前記金属多孔質体の気孔に対向する前記合金層の表面に、ニッケル(Ni)、ニッケル(Ni)−スズ(Sn)合金、ニッケル(Ni)−スズ(Sn)−クロム(Cr)合金から選ばれた第2の触媒が担持されている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の多孔質集電体。
  5. 前記合金層におけるスズ(Sn)の配合割合が、5〜30質量%である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の多孔質集電体。
  6. 前記金属多孔質体は、50〜98%の気孔率を備える、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の多孔質集電体。
  7. 前記触媒は、0.05〜5μmの平均粒径を備える、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の多孔質集電体。
  8. 前記金属多孔質体は、三次元網目構造を備える、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の多孔質集電体。
  9. 前記三次元網目構造は、
    少なくとも表面に前記ニッケル(Ni)及びスズ(Sn)を含む合金層を備える外殻部と、中空又は導電性材料の一方又は双方を含む芯部とを有する骨格を備え、前記骨格が一体的に連続したものである、請求項8に記載の多孔質集電体。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の多孔質集電体を備える燃料電池。
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