JP6417706B2 - 放電灯点灯装置及び照明装置 - Google Patents

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本発明は放電灯点灯装置及びそれを用いた照明装置に関する。
特許文献1は、チョークコイルとスイッチング素子を有する降圧コンバータを備えた放電灯点灯装置を開示する。この放電灯点灯装置では、放電灯始動時のチョークコイルの飽和を防止するために、始動動作中においては、スイッチング素子のスイッチング動作におけるオンデューティが低減される。そして、始動後から安定点灯に移行する過程においても、放電灯の低いインピーダンス又は低いランプ電圧に起因してチョークコイルが過負荷にならないようにするために、オンデューティは最大化されることなく徐々に増大される。
特許文献2は、高圧放電灯のランプ電圧が低電圧状態であるときのランプ過電流を防止する放電灯点灯装置を開示する。この放電灯点灯装置は、スイッチング素子とインダクタを有する降圧コンバータと、ランプ電圧を検出する管電圧検出手段と、降圧コンバータの制御手段を有する。制御手段は、管電圧検出手段の検出結果に基づいてインダクタに流れる電流を連続とする動作モードとそれを不連続とする動作モードとを切り換え、ランプ始動後のランプ低電圧状態における過電流の防止及びランプ立ち消えを防止する。
特許第3056769号 特許第3758292号
しかし、特許文献1及び2の構成によると、始動後から安定点灯に到達するまでの光束立ち上り期間が長くなるという問題がある。具体的には、特許文献1の構成によると、始動後から安定点灯に移行するまでの間に降圧コンバータのスイッチング動作におけるオンデューティが低減されるため、この間のインダクタ電流は減少するが、同時にランプ電流も減少する。そのため、ランプ内の温度上昇、すなわち水銀等の放電物質の蒸発のためにより多くの時間を要し、光束立ち上り速度が低下する。また、特許文献2の構成においても、インダクタ電流を不連続とすることにより、インダクタ電流を連続とする場合と比べて、インダクタ電流及びランプ電流が減少する。そのため、上記同様に、光束立ち上り速度が低下する。このように、インダクタを介してランプ電流を供給する構成の放電灯点灯装置においては、インダクタの過電流防止(すなわち飽和防止)と光束立ち上り速度の維持とを両立することが困難であった。
そこで、本発明は、降圧コンバータを有する放電灯点灯装置において、放電灯の点灯開始後の光束立ち上りを遅延させることなく降圧コンバータのインダクタの飽和を防止することを可能とする放電灯点灯装置及びそれを用いた照明装置を提供することを課題とする。
本発明の放電灯点灯装置は、インダクタ及びスイッチング素子を有し、直流電源回路からインダクタに入力される直流電圧をスイッチング素子によりスイッチングして、制限された出力電流を放電灯に供給するための降圧コンバータと、スイッチング素子を可変の駆動周波数で駆動させることが可能であり、放電灯の点灯開始後から安定点灯到達までの間の所定期間において、安定点灯時に適用される第2の周波数よりも高い第1の周波数でスイッチング素子を駆動するように構成された制御回路とを備える。
本発明の放電灯点灯装置によると、スイッチング素子を可変の周波数で駆動可能な制御回路が適用される。そして、制御回路は、放電灯の点灯開始後から安定点灯到達までの間の所定期間において、安定点灯時に適用される第2の周波数よりも高い第1の周波数でスイッチング素子を駆動するように構成されるので、放電灯の点灯開始後から安定点灯に到達するまでの期間において、インダクタ電流及びランプ電流の平均値を減少させることなく、インダクタ電流のピーク値を低減することができる。したがって、降圧コンバータを有する放電灯点灯装置において、放電灯の点灯開始後の光束立ち上りを遅延させることなくインダクタの飽和を防止することができる。
ここで、制御回路がスイッチング素子をPWM制御するように構成され、第1の周波数の期間のオンデューティが第2の周波数の期間のオンデューティ以上となるようにすることが好ましい。これにより、光束立ち上り期間に対応する第1の周波数の期間におけるランプ電流を増大して、光束立ち上りの遅延を確実に防止することができる。
更に、第1の周波数の期間のオンデューティが、設定可能なオンデューティ範囲における最大値に設定されることがより好ましい。これにより、光束立ち上り期間に対応する第1の周波数の期間におけるランプ電流を最大化して、光束立ち上り期間を最短化することができる。
第1の形態による放電灯点灯装置は、出力電流を検出する電流検出部を更に備え、制御回路が、電流検出部によって検出される出力電流が閾値未満となったことに応じて駆動周波数を第1の周波数から第2の周波数に切り換えるように構成される。これにより、光束立ち上りを遅延させることなくインダクタの飽和を防止する放電灯点灯装置を簡素な制御構成で実現することができる。
第2の形態による放電灯点灯装置は、出力電流を検出する電流検出部を更に備え、制御回路が、電流検出部によって検出される出力電流の減少に対して駆動周波数が減少するように第1の周波数から第2の周波数への切換えを連続的に行うように構成される。これにより、光束立ち上りを遅延させることなくインダクタの飽和を防止することができる。更に、相対的に高い第1の周波数での点灯期間が短縮され、駆動周波数が、降圧コンバータの性能をより発揮できる第2の周波数に比較的早いタイミングで近づくので、降圧コンバータの性能がより効果的に発揮される。
第3の形態による放電灯点灯装置は、降圧コンバータの出力電圧を検出する電圧検出部を更に備え、制御回路が、電圧検出部によって検出される出力電圧が閾値未満となったことに応じて駆動周波数を第1の周波数から第2の周波数に切り換えるように構成される。これにより、光束立ち上りを遅延させることなくインダクタの飽和を防止する放電灯点灯装置を簡素な制御構成で実現することができる。
第4の形態による放電灯点灯装置は、降圧コンバータの出力電圧を検出する電圧検出部を更に備え、制御回路が、電圧検出部によって検出される出力電圧の増加に対して駆動周波数が減少するように第1の周波数から第2の周波数への切換えを連続的に行うように構成される。これにより、光束立ち上りを遅延させることなくインダクタの飽和を防止することができる。更に、相対的に高い第1の周波数での点灯期間が短縮され、駆動周波数が、降圧コンバータの性能をより発揮できる第2の周波数に比較的早いタイミングで近づくので、降圧コンバータの性能がより効果的に発揮される。
第5の形態による放電灯点灯装置では、制御回路が、放電灯の点灯開始からの経過時間を計測するタイマを備え、経過時間が所定値となった時点で駆動周波数を第1の周波数から第2の周波数に切り換えるように構成される。これにより、更に簡素な制御構成により、光束立ち上りを遅延させることなくインダクタの飽和を防止することができる。
第6の形態による放電灯点灯装置は、インダクタに流れる電流のピーク値を検出するピーク検出部を更に備え、制御回路が、ピーク検出部によって検出されるピーク値が低下して閾値に達したことに応じて駆動周波数を第1の周波数から第2の周波数に切り換えるように構成される。これにより、光束立ち上りを遅延させることなく、より直接的な態様でインダクタの飽和を防止することができる。
第7の形態による放電灯点灯装置は、インダクタに流れる電流のピーク値を検出するピーク検出部を更に備え、制御回路において、ピーク値が目標値となるように第1の周波数が決定され、駆動周波数の下限値が前記第2の周波数となるように構成される。これにより、光束立ち上りを遅延させることなく、より直接的な態様でインダクタの飽和を防止することができる。更に、目標値を適切に設定することにより、駆動周波数が第2の周波数で固定される前の期間において、駆動周波数をより低くすることができ、すなわち、降圧コンバータの性能をより発揮できる第2の周波数に近づけることができる。したがって、降圧コンバータの性能がより効果的に発揮される。
本発明の照明装置は、上記の放電灯点灯装置と、高圧放電灯からなる放電灯とを備える。このように、放電灯が高圧放電灯である場合においても、高圧放電灯の点灯開始後の光束立ち上りを遅延させることなくインダクタの飽和を防止できる信頼性の高い照明装置を提供することができる。
本発明の第1乃至第5の実施形態による放電灯点灯装置及び照明装置の回路構成図である。 本発明の放電灯点灯装置の動作を説明するための図である。 第1乃至第5の実施形態による制御回路の一部を示すブロック図である。 第1の実施形態による放電灯点灯装置の動作を示すタイミングチャートである。 第2の実施形態による放電灯点灯装置の動作を示すタイミングチャートである。 第3の実施形態による放電灯点灯装置の動作を示すタイミングチャートである。 第4の実施形態による放電灯点灯装置の動作を示すタイミングチャートである。 本発明の第6及び7の実施形態による放電灯点灯装置及び照明装置の回路構成図である。 第6及び第7の実施形態による制御回路の一部を示すブロック図である。 第6の実施形態による放電灯点灯装置の動作を示すタイミングチャートである。 第7の実施形態による放電灯点灯装置の動作を示すタイミングチャートである。
<第1乃至第5の実施形態の基本構成>
図1に本発明の第1乃至第5の実施形態で用いられる放電灯点灯装置1(以下、「点灯装置1」という)を含む照明装置10を示す。照明装置10は点灯装置1及び放電灯9(以下、「ランプ9」という)からなる。点灯装置1には商用電源等の交流電源ACからの電源電圧が入力端子T1及びT2を介して入力され、点灯装置1からの出力が出力端子T3及びT4を介してランプ9に供給される。なお、本明細書における説明において、各回路又は構成要素が上記のどのブロックに属するかは便宜的なものであり、本発明を拘束するものではない。
点灯装置1は、整流回路2、昇圧コンバータ3(直流電源回路)、降圧コンバータ4、検出回路5、フルブリッジ回路6、始動回路7、及び制御回路8を含む。以降の各実施形態では、ランプ9が高圧放電灯からなるものとして説明するが、ランプ9は低圧放電灯であってもよい。整流回路2はダイオードブリッジからなり、交流電源ACからの入力電圧を全波整流する。整流回路2は、必要に応じて、ダイオードブリッジの前段に、不図示のノイズフィルタ、ヒューズ、バリスタ等を含んでいてもよい。なお、交流電源ではなく直流電源が入力される場合には整流回路2は不要である。
昇圧コンバータ3は、MOSFET等のスイッチング素子31、コイル32、ダイオード33、及び平滑コンデンサ34を含み、整流回路2の整流出力を昇圧して直流化する。スイッチング素子31のオン時にコイル32→スイッチング素子31に電流が流れ、コイル32にエネルギーが蓄えられる。スイッチング素子31のオフ時に、コイル32に蓄えられているエネルギーにより、コイル32→ダイオード33→平滑コンデンサ34に電流が流れ、平滑コンデンサ34が充電される。スイッチング素子31は、後述する制御回路8に含まれるドライバによって駆動され、スイッチング素子31のオン幅(オンデューティ)は制御回路8において決定される。すなわち、制御回路8によってスイッチング素子31がPWM制御され、昇圧コンバータ3の出力電圧が決定される。
降圧コンバータ4は、MOSFET等のスイッチング素子41、インダクタ42、ダイオード43、及びコンデンサ44を含み、昇圧コンバータ3の昇圧出力から、制限された電流を出力する。スイッチング素子41のオン時にスイッチング素子41→インダクタ42→後述のフルブリッジ回路6→ランプ9→後述の電流検出抵抗53に電流が流れ、インダクタ42にエネルギーが蓄えられる。スイッチング素子41のオフ時に、インダクタ42に蓄えられているエネルギーにより、インダクタ42→フルブリッジ回路6→ランプ9→電流検出抵抗53→ダイオード43に電流が流れる。コンデンサ44は降圧コンバータ4の出力を平滑する。スイッチング素子41は、制御回路8に含まれるドライバによって駆動され、スイッチング素子41のオン幅(オンデューティ)及び駆動周波数は制御回路8において決定される。
検出回路5は、抵抗51及び52の直列回路からなる電圧検出部並びに電流検出抵抗53からなる電流検出部を含む。抵抗51及び52は降圧コンバータ4の出力端に並列接続され、降圧コンバータ4の出力電圧を検出する。なお、ランプ9のランプ電圧は降圧コンバータ4の出力電圧に実質的に等しく、以降の説明においてはランプ電圧と出力電圧は同義であるものとする。ノードAに示す抵抗52に発生する電圧が検出電圧として制御回路8に入力される。電流検出抵抗53は低抵抗素子からなり、降圧コンバータ4の出力電流経路に挿入され、降圧コンバータ4の出力電流を検出する。なお、ランプ9に流れるランプ電流は降圧コンバータ4の出力電流に実質的に等しく、以降の説明においてはランプ電流と出力電流は同義であるものとする。ノードBに示す電流検出抵抗53に発生する電圧が検出電流として制御回路8に入力される。
フルブリッジ回路6は、MOSFET等からなるスイッチング素子61、62、63及び64を含むフルブリッジを構成し、降圧コンバータ4の直流出力を交流変換して、交流出力をランプ9に供給する。制御回路8に含まれるドライバによってスイッチング素子61及び64と、トランジスタ62及び63とが、50Hz〜1kHz程度の周波数で交互にオンオフされる。これにより、上記周波数の矩形波の電流がランプ9に通電される。
始動回路7は、抵抗71、コンデンサ72、放電ギャップ73、及びパルストランス74を含み、ランプ9の始動時に始動パルスをランプ9に印加する。降圧コンバータ4が起動すると、その出力電圧が抵抗71を介してコンデンサ72に充電される。コンデンサ72の充電電圧が放電ギャップ73のブレークダウン電圧を超えると、放電ギャップ73が導通してコンデンサ72の電圧がパルストランス74の一次巻線に印加される。これに応じて、パルストランス74の巻数比に応じたパルス電圧が、ランプ9に直列接続された二次巻線に発生し、このパルス電圧がフルブリッジ回路6の出力電圧に重畳されてランプ9に印加される。このパルス重畳電圧によってランプ9が絶縁破壊して放電を開始する。なお、始動回路7は、ランプ9の始動後には停止し、ランプ9の点灯動作に実質的な影響を与えない。
制御回路8には、上述したように、ノードAの検出電圧及びノードBの検出電流が入力される。そして、制御回路8は、昇圧コンバータ3のスイッチング素子31、降圧コンバータ4のスイッチング素子41、及びフルブリッジ回路6のスイッチング素子61〜64を駆動する。
制御回路8は、昇圧コンバータ3の出力電圧が所定値となるようにスイッチング素子31をPWM制御する。例えば、昇圧コンバータ3及び制御回路8においては、出力電圧がフィードフォワード制御されてもよいし、不図示の出力電圧検出回路によって検出される出力電圧が電圧目標値に一致するように出力電圧がフィードバック制御されるようにしてもよい。
制御回路8はまた、検出電流が電流目標値に一致するように降圧コンバータ4のスイッチング素子41をPWM制御する。すなわち、降圧コンバータ4及び制御回路8においては、ランプ電流がフィードバック制御される。あるいは、制御回路8は、検出電流と検出電圧の乗算値が電力目標値に一致するように降圧コンバータ4のスイッチング素子41をPWM制御する。この場合、降圧コンバータ4及び制御回路8においては、ランプ電力がフィードバック制御される。電流目標値又は電力目標値は予め決定されていればよい。
制御回路8はまた、スイッチング素子41を可変の周波数で駆動するように構成される。概略として、制御回路8は、ランプ9が点灯を開始してから所定期間においては周波数f1でスイッチング素子41を駆動し、その後の期間において周波数f2でスイッチング素子41を駆動する。ここで、周波数f2はランプ9の安定点灯時に適用される周波数であり、周波数f1は周波数f2よりも高い。
周波数f1及びf2は20kHz以上150kHz以下程度であればよいが(例えば、周波数f1が50kHz、周波数f2が30kHz等)、これに限定されない。言い換えると、周波数f1は、インダクタ42に流れるインダクタ電流がインダクタ42の飽和をもたらさないような周波数に設定される。また、周波数f2は、安定点灯時に降圧コンバータ4が、その性能(高効率、低ノイズ性等)を最も発揮できる周波数に設定される。したがって、ランプ始動開始後のランプ電流が大きい期間においては周波数f1が適用され、より多くの動作時間が費やされる安定点灯期間においては周波数f2が適用されることが望ましい。
ここで、インダクタ42に流れるインダクタ電流について、その平均値はPWM制御におけるオンデューティの増加に対して増加する。一方、オンデューティが同じであるという前提の下、インダクタ電流のピーク値は駆動周波数の増加に対して減少する。図2に、同じオンデューティにおいて周波数を異ならせた場合のインダクタ電流を示す。周波数f1の場合のインダクタ電流がI1(実線)で示され、周波数f2の場合のインダクタ電流がI2(破線)で示される。インダクタ電流I1及びインダクタ電流I2とも同じオンデューティでPWM制御されているため、それらの平均値は同じである。一方、インダクタ電流I1の反転周期はインダクタ電流I2の反転周期に比べて短いため、インダクタ電流I1の振幅はインダクタ電流I2の振幅に比べて小さくなる。したがって、周波数f1に対応するインダクタ電流I1のピーク値Ip1は、周波数f2に対応するインダクタ電流I2のピーク値Ip2に比べて小さい。
図3に、制御回路8の、特にスイッチング素子41の制御に関連する部分のブロック図を示す。制御回路8は、CPU81、メモリ82、入力インターフェイス(I/F)83、周波数決定部84、デューティ決定部85、ドライバ86、及びタイマ87を有し、これらはバス88によって信号の伝送が可能な態様で相互に接続されている。なお、説明の便宜上、周波数決定部84、デューティ決定部85及びタイマ87は、CPU81の外部に図示されるが、これらはCPU81の内部に組み込まれていてもよい。また、制御回路8の各部はハードウェア、ソフトウェア又はその組合せによって構成されていればよい。
CPU81は各部間の信号のやりとりを制御するプロセッサであり、メモリ82はプログラム及びデータを記憶するRAM、ROM等のメモリである。入力インターフェイス83に、ノードAの検出電圧及びノードBの検出電流が入力される。
周波数決定部84は、入力インターフェイス83から必要に応じて検出電圧又は検出電流を取得して、スイッチング素子41の駆動周波数を決定する。概略として、周波数決定部84は、駆動周波数を、ランプ9が点灯を開始してから所定期間においては周波数f1に決定し、その後の期間において周波数f2に決定する。周波数決定の詳細は各実施形態において後述する。
デューティ決定部85は、入力インターフェイス83から検出電流を取得して、スイッチング素子41のPWM制御におけるオンデューティを決定する。デューティ決定部85は、例えば、駆動周波数が周波数f1である期間においてはオンデューティを例えば最大値に決定する。周波数f1の期間においてオンデューティを最大値とすることによって同期間のランプ電流を最大化して光束立ち上り期間を最短化することができる。駆動周波数が周波数f2である期間においてはランプ電流(検出電流)が目標値(電流目標値)に一致するようにオンデューティを決定する。すなわち、周波数f2の期間においては、デューティ決定部85はランプ電流フィードバックを行う機能を担う。なお、上述したように、デューティ決定部85は、検出電流と検出電圧の積を目標値に一致させるランプ電力フィードバックを行うこともできるが、以降の各実施形態においては、ランプ電流フィードバックが採用される態様を例示する。
ドライバ86は、周波数決定部84によって決定された駆動周波数及びデューティ決定部85によって決定されたオンデューティに従ってスイッチング素子41のゲート信号を生成し、スイッチング素子41を駆動する。
このように、本発明の点灯装置1によると、スイッチング素子41を可変の周波数で駆動することができる制御回路8が適用される。そして、制御回路8は、ランプ9の点灯開始後から安定点灯到達までの間の所定期間において、安定点灯時に適用される周波数f2よりも高い周波数f1でスイッチング素子41を駆動するように構成される。これにより、ランプ9の点灯開始後から安定点灯に到達するまでの期間において、インダクタ電流及びランプ電流の平均値を減少させることなく、インダクタ電流のピーク値を低減することができる。したがって、本発明によると、降圧コンバータ4を有する点灯装置1において、ランプ9の点灯開始後の光束立ち上りを遅延させることなくインダクタ42の飽和を防止できる。
更に、周波数f1の期間のオンデューティが周波数f2の期間のオンデューティ以上となるように構成される。これにより、光束立ち上り期間に対応する期間でのランプ電流を増大して、光束立ち上りの遅延を確実に防止することができる。また更に、周波数f1の期間のオンデューティが設定可能範囲の最大値に設定された場合には、光束立ち上り期間におけるランプ電流を最大化して、光束立ち上り期間を最短化することができる。
以下に、第1乃至第5の実施形態の動作について説明する。各実施形態では、図1及び図3に示す点灯装置1が用いられる。なお、以降に説明する図4、図5、図6及び図7は模式図であり、スケール通りではない。
<第1の実施形態>
第1の実施形態として、スイッチング素子41の駆動周波数fをランプ電流ILに基づいて切り換える構成を示す。本実施形態では、制御回路8は、ランプ電流IL(より厳密には、検出電流)が所定の閾値ILth未満となると、駆動周波数fを周波数f1から周波数f2に切り換える。
図4のタイミングチャートを用いて、本実施形態の周波数切換え動作を説明する。図4において、上段から、インダクタ電流ピーク値Ip、ランプ電流IL、駆動周波数f、オンデューティD、及び制御回路8からスイッチング素子41のゲートに供給される電圧(以下、「PWM信号」という)が示される。横軸は時間である。
時刻t0において、点灯装置1が起動され、制御回路8が周波数f1及び最大オンデューティDmaxでスイッチング素子41の駆動を開始する。時刻t0以降において、ランプ9は絶縁破壊を起こしておらず、したがってランプ電流ILはゼロである。ただし、インダクタ電流はインダクタ42の後段の回路にわずかに流れるため、わずかなピーク値Ipが発生する。なお、最大オンデューティDmaxは、例えば70%程度であればよい。
時刻t1において、ランプ9が絶縁破壊を起こし、ランプ電流ILが流れ始める。ここで、始動直後のランプ9のインピーダンスは非常に低いため、ランプ電流ILは降圧コンバータ4の出力能力の上限で略一定となる。言い換えると、デューティ決定部85によるランプ電流フィードバックは実質的に機能せず、オンデューティDは最大値Dmaxに維持される。あるいは、後述する時刻t3まではランプ電流フィードバックが無効化されるようにしてもよい。周波数f1におけるインダクタ電流ピーク値Ipが上限値Iplmtを超えないように周波数f1が設定されているものとする。上限値Iplmtは、その値を超えるピーク電流値によってインダクタ42の飽和が引き起こされる値である。なお、周波数f1及び上限値Iplmtの定義は他の実施形態においても共通する。
時刻t2において、ランプ9のインピーダンスの上昇に伴いランプ電流ILが降下し始めるが、時刻t2以前と同様にオンデューティDは最大値Dmaxに維持される。また、ランプ電流ILは閾値ILthよりも高いため、周波数決定部84は駆動周波数fを周波数f1に維持する。
時刻t3において、ランプ電流ILが閾値ILth未満となると、周波数決定部84は駆動周波数fを周波数f1から周波数f2に切り換える。これにより、インダクタ電流ピーク値Ipは一時的に上昇する。ただし、閾値ILthは、駆動周波数fが周波数f2に切り換えられた時にインダクタ電流ピーク値Ipが上限値Iplmtを超えないような値に設定されているものとする。ここで、時刻t3以降においても、時刻t3までと同様にオンデューティは最大値Dmaxに維持されるので、時刻t3を境にランプ電流ILが急激に変わることはない。
時刻t4において、ランプ9の点灯は安定点灯状態となり、デューティ決定部85によるランプ電流フィードバックの作用に従ってPWM制御が開始される。すなわち、制御回路8は、周波数fを周波数f2に固定して、ランプ電流ILが目標値ILtに一致するように(より厳密には、検出電流が目標値ILtに対応する電流目標値に一致するように(以下同じ))オンデューティDを制御する。
以上のように、本実施形態では、制御回路8は、ランプ電流ILが閾値ILth未満となったことに応じて駆動周波数fを周波数f1から周波数f2に切り換えるように構成される。したがって、ランプ9の点灯開始後の光束立ち上りを遅延させることなくインダクタ42の飽和を防止する点灯装置1を簡素な制御構成により実現できる。
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、スイッチング素子41の駆動周波数fをランプ電流ILに基づいて段階的に切り換える構成を示したが、本実施形態では、駆動周波数fをランプ電流ILに基づいて連続的に切り換える構成を示す。本実施形態では、制御回路8は、ランプ電流IL(より厳密には、検出電流)の減少に対して駆動周波数fが減少するように駆動周波数fの切換えを連続的に行う。
図5のタイミングチャートを用いて、本実施形態の周波数制御を説明する。図5において、上段から、インダクタ電流ピーク値Ip、ランプ電流IL、駆動周波数f、オンデューティD、及びPWM信号が示される。横軸は時間である。
時刻t0〜t2は、図4に示す第1の実施形態と同様である。すなわち、時刻t0において点灯装置1が起動され、時刻t1においてランプ9が放電を開始し、時刻t1〜t2の間において、駆動周波数fが周波数f1に維持されるとともにオンデューティDが最大値Dmaxに維持され、ランプ電流ILが降圧コンバータ4の出力能力の上限で略一定となる。
時刻t2において、ランプ9のインピーダンスの上昇に伴いランプ電流が降下し始めるが、時刻t2以前と同様にオンデューティDは最大値Dmaxに維持される。一方、周波数決定部84が、ランプ電流ILの低下に応じて駆動周波数fを低減させていく。このランプ電流ILの低下量に対する駆動周波数fの低下量の関係は、周波数決定部84又はメモリ82に含まれる関数式又は参照テーブルにおいて予め決定されていればよい。ここで、駆動周波数fの低減によるインダクタ電流ピーク値Ipの上昇分は、ランプ電流ILの低下によるインダクタ電流ピーク値Ipの低下分よりも小さいものとする。すなわち、インダクタ電流ピーク値Ipは、ランプ電流ILよりも小さい傾きで低下していく。
時刻t3において、ランプ9の点灯は安定点灯状態となり、デューティ決定部85によるランプ電流フィードバックの作用に従ってPWM制御が開始される。すなわち、制御回路8は、駆動周波数fを周波数f2に固定して、ランプ電流ILが目標値ILtに一致するようにオンデューティDを制御する。
以上のように、本実施形態では、制御回路8は、ランプ電流ILの減少に対して駆動周波数fを周波数f1から周波数f2に連続的に切り換えるように構成される。これにより、ランプ9の点灯開始後の光束立ち上りを遅延させることなくインダクタ42の飽和を防止することができる。更に、高い周波数f1での点灯期間が短縮され、周波数f2(降圧コンバータ4の性能をより発揮できる周波数)での駆動が、より早いタイミングで得られる。したがって、降圧コンバータ4の性能がより効果的に発揮される。
<第3の実施形態>
上記第1の実施形態では、スイッチング素子41の駆動周波数fをランプ電流に基づいて切り換える構成を示したが、本実施形態では、駆動周波数fをランプ電圧に基づいて切り換える構成を示す。本実施形態では、制御回路8は、ランプ電圧VL(より厳密には、検出電圧)が所定の閾値を超えると、駆動周波数fを周波数f1から周波数f2に切り換える。
図6のタイミングチャートを用いて、本実施形態の周波数切換え動作を説明する。図6において、上段から、インダクタ電流ピーク値Ip、ランプ電圧VL、駆動周波数f、オンデューティD、及びPWM信号が示される。横軸は時間である。
時刻t0において、点灯装置1が起動され、制御回路8が周波数f1及び最大オンデューティDmaxでスイッチング素子41の駆動を開始する。ランプ9は絶縁破壊を起こしておらず(すなわち、無負荷状態であり)、ランプ電流は流れないが、インダクタ電流はインダクタ42の後段の回路にわずかに流れるため、わずかなピーク値Ipが発生する。
時刻t1において、ランプ9が絶縁破壊を起こし、ランプ電圧VLが大きく減少してランプ電流及びインダクタ電流が本格的に流れ始める。この時点でのランプ電圧VLは数十V程度である。ここで、デューティ決定部85によるランプ電流フィードバックは実質的に機能せず、オンデューティDは最大値Dmaxに維持される。あるいは、後述する時刻t3まではランプ電流フィードバックが無効化されるようにしてもよい。
時刻t2において、ランプ9のインピーダンスが増加し始めるが、時刻t2以前と同様にオンデューティDは最大値Dmaxに維持される。また、ランプ電圧VLは閾値VLthよりも低いため、周波数決定部84は駆動周波数fを周波数f1に維持する。
時刻t3において、ランプ電圧VLが閾値VLthを超えると、周波数決定部84は駆動周波数fを周波数f1から周波数f2に切り換える。これにより、インダクタ電流ピーク値Ipは一時的に上昇する。ただし、閾値VLthは、駆動周波数fが周波数f2に切り換えられた時にインダクタ電流ピーク値Ipが上限値Iplmtを超えないような値に設定されているものとする。ここで、時刻t3以降においても、時刻t3以前と同様にオンデューティDは最大値Dmaxに維持される。
時刻t4において、ランプ9の点灯は安定点灯状態となり、制御回路8によるランプ電流フィードバックの作用に従ってPWM制御が開始される。すなわち、制御回路8は、駆動周波数fを周波数f2に固定して、ランプ電流が目標値に一致するようにオンデューティDを制御する。
以上のように、本実施形態では、制御回路8は、ランプ電圧VLが閾値VLthを超えたことに応じて駆動周波数fを周波数f1から周波数f2に切り換えるように構成される。したがって、ランプ9の点灯開始後の光束立ち上りを遅延させることなくインダクタ42の飽和を防止する点灯装置1を簡素な制御構成で実現できる。
<第4の実施形態>
上記第3の実施形態では、スイッチング素子41の駆動周波数fをランプ電圧VLに基づいて段階的に切り換える構成を示したが、本実施形態では、駆動周波数fをランプ電圧VLに基づいて連続的に切り換える構成を示す。本実施形態では、制御回路8は、ランプ電圧VL(より厳密には、検出電圧)の上昇に対して駆動周波数fが減少するように駆動周波数fの切換えを連続的に行う。
図7のタイミングチャートを用いて、本実施形態の周波数制御を説明する。図7において、上段から、インダクタ電流ピーク値Ip、ランプ電圧VL、駆動周波数f、オンデューティD、及びPWM信号が示される。横軸は時間である。
時刻t0〜t2は、図6に示す第3の実施形態と同様である。すなわち、時刻t0において点灯装置1が起動され、時刻t1においてランプ9が放電を開始し、時刻t1〜t2の間において、駆動周波数fが周波数f1に維持されるとともにオンデューティDが最大値Dmaxに維持される。
時刻t2において、ランプ9のインピーダンスが増加し始めるが、時刻t2以前と同様にオンデューティDは最大値Dmaxに維持される。一方、周波数決定部84は、ランプ電圧VLの上昇に応じて駆動周波数fを低減させていく。このランプ電圧VLの上昇量に対する駆動周波数fの低下量の関係は、周波数決定部84又はメモリ82に含まれる関数式又は参照テーブルにおいて予め決定されていればよい。ここで、駆動周波数fの低減によるインダクタ電流ピーク値Ipの上昇分は、ランプ電流ILの低下によるインダクタ電流ピーク値Ipの低下分よりも小さいものとする。すなわち、時刻t2以降にインダクタ電流ピーク値Ipが増加することはない。
時刻t3において、ランプ9の点灯は安定点灯状態となるとともに、デューティ決定部85によるランプ電流フィードバックの作用に従ってPWM制御が開始される。すなわち、制御回路8は、駆動周波数fを周波数f2に維持して、ランプ電流が目標値に一致するようにオンデューティDを制御する。
以上のように、本実施形態では、制御回路8は、ランプ電圧VLの増加に対して駆動周波数fを周波数f1から周波数f2に連続的に切り換えるように構成される。これにより、ランプ9の点灯開始後の光束立ち上りを遅延させることなくインダクタ42の飽和を防止することができる。更に、高い周波数f1での点灯期間が短縮され、周波数f2(降圧コンバータ4の性能をより発揮できる周波数)での駆動が、より早いタイミングで得られる。したがって、降圧コンバータ4の性能がより効果的に発揮される。
<第5の実施形態>
上記第1及び第3の実施形態においては、ランプ電流IL又はランプ電圧VLに応じて駆動周波数fの切換えタイミングが決定される構成を示したが、本実施形態では、切換えタイミングが点灯開始からの経過時間によって決定される構成を示す。これは、ランプ9の光束立ち上り特性、すなわち始動後のランプ電流及びランプ電圧の変化は、ランプ種が同じであればランプ間で、又は点灯回ごとに大きく異ならないという知見に基づく。
具体的には、ランプ9の点灯開始(図4及び図6の時刻t1参照)からの経過時間がタイマによって計測され、経過時間が所定値となった時点で、周波数決定部84によって駆動周波数fが周波数f1から周波数f2に切り換えられるようにすればよい。ここで上記所定値は、第1又は第3の実施形態における時刻t1〜t3(図4又は図6)の期間に対応する時間であればよく、本実施形態のようにランプ9が高圧放電灯の場合には数秒から数分となる。なお、駆動周波数fが周波数f1の期間においては、オンデューティDは最大値Dmaxに維持されるようにすればよい。ここでも、上記経過時間が所定値となるまでは、デューティ決定部85によるランプ電流フィードバックが行われずにデューティDが最大値Dmaxに設定され、その後にランプ電流フィードバックが実行されるようにすればよい。
このように、本実施形態によると、制御回路8は、ランプ9への出力に関する検出値を利用せずに駆動周波数fの切換えタイミングを決定できる。したがって、更に簡素な制御構成により、ランプ9の点灯開始後の光束立ち上りを遅延させることなくインダクタ42の飽和を防止することができる。
<実施形態6及び7の基本構成>
上記第1乃至第4の実施形態では、スイッチング素子41の駆動周波数fをランプ電流IL又はランプ電圧VLに基づいて切り換える構成を示したが、第6及び第7の実施形態では、インダクタ42に流れるインダクタ電流のピーク値Ipに基づいて駆動周波数fを切り換える構成を示す。各実施形態では、後述する図8及び図9に示す点灯装置1が用いられる。なお、以降に説明する図10及び図11は模式図であり、スケール通りではない。
図8に、第6及び第7の実施形態で用いられる点灯装置1を示す。図8に示す点灯装置1は、図1に示す点灯装置1とは、降圧コンバータ4がピーク検出部を備える点で相違し、その他の部分において実質的に同一である。図9に、制御回路8の、特にスイッチング素子41の制御に関連する部分のブロック図を示す。図9に示す制御回路8は、図3に示す制御回路8とは、入力インターフェイス83にノードCにおける検出値が入力される点、及びタイマ87の代わりにピーク取得部89を備える点で相違し、その他の部分において実質的に同一である。なお、ノードAによる電圧検出値も(他の用途のために)入力インターフェイス83に入力されるが、以降の説明による制御において電圧検出値は利用されない。
図8に示すように、降圧コンバータ4は、スイッチング素子41、インダクタ42、ダイオード43及びコンデンサ44に加えて、カレントトランス45、ダイオード46及びコンデンサ47を備える。カレントトランス45、ダイオード46及びコンデンサ47がピーク検出部を構成する。カレントトランス45に発生した電流がダイオード46によって整流され、コンデンサ47に発生する脈流電圧(ノードCの電圧)が制御回路8に入力される。
図9において、ピーク取得部89は、入力インターフェイス83からノードCにおける脈流波形を取得し、この脈流波形のピーク値に基づいてインダクタ電流ピーク値Ipを特定することができる。周波数決定部84は、ピーク取得部89で特定されたインダクタ電流ピーク値Ipに基づいて駆動周波数fを決定する。
<第6の実施形態>
本実施形態では、制御回路8は、インダクタ電流ピーク値Ipが閾値Ipth未満となったことに応じて駆動周波数fを周波数f1から周波数f2に切り換える。図10のタイミングチャートを用いて、本実施形態の周波数切換え動作を説明する。図10において、上段から、インダクタ電流ピーク値Ip、駆動周波数f、オンデューティD、及びPWM信号が示される。横軸は時間である。
時刻t0において、点灯装置1が起動され、制御回路8が周波数f1及び最大オンデューティDmaxでスイッチング素子41の駆動を開始する。ランプ9は絶縁破壊を起こしておらず、ランプ電流は流れないが、インダクタ42の後段の回路にわずかにインダクタ電流が流れるため、わずかなピーク値Ipが発生する。
時刻t1において、ランプ9が絶縁破壊を起こし、ランプ電流が流れ始め、インダクタ電流も本格的に流れ始める。ここで、始動直後のランプ9のインピーダンスは非常に低いため、ランプ電流及びインダクタ電流は降圧コンバータ4の出力能力の上限で略一定となる。言い換えると、デューティ決定部85によるランプ電流フィードバックは実質的に機能せず、オンデューティDは最大値Dmaxに維持される。あるいは、後述する時刻t3まではランプ電流フィードバックが無効化されるようにしてもよい。
時刻t2において、ランプ9のインピーダンスの上昇に伴いランプ電流が減少を開始するが、時刻t2以前と同様にオンデューティDは最大値Dmaxに維持される。また、インダクタ電流ピーク値Ipは閾値Ipthよりも高いため、周波数決定部84は駆動周波数fを周波数f1に維持する。
時刻t3において、インダクタ電流ピーク値が閾値Ipthに達すると、周波数決定部84は駆動周波数fを周波数f1から周波数f2に切り換える。これにより、インダクタ電流ピーク値Ipは一時的に上昇する。ただし、閾値Ipthは、駆動周波数fが周波数f2に切り換えられた時にインダクタ電流ピーク値Ipが上限値Iplmtを超えないような値に設定されているものとする。時刻t3以降においても、時刻t3以前と同様に、オンデューティDは最大値Dmaxに維持されるものとする。
時刻t4において、ランプ9の点灯は安定点灯状態となり、デューティ決定部85によるランプ電流フィードバックの作用に従ってPWM制御が開始される。すなわち、制御回路8は、駆動周波数fを周波数f2に維持して、ランプ電流が目標値に一致するようにオンデューティDを制御する。
以上のように、本実施形態では、インダクタ電流ピーク値Ipがピーク検出部によって直接検出され、制御回路8は、インダクタ電流ピーク値Ipが閾値Ipthに達したことに応じて駆動周波数fを周波数f1から周波数f2に切り換える。したがって、ランプ9の点灯開始後の光束立ち上りを遅延させることなく、より直接的な態様でインダクタ42の飽和を確実に防止することができる。
<第7の実施形態>
上記第1から第6の実施形態では、駆動周波数fがフィードフォワード的に制御される構成を示したが、本実施形態では、インダクタ電流ピーク値Ipに基づいて駆動周波数fがフィードバック制御される構成を示す。
本実施形態では、制御回路8の周波数決定部84は、ランプ9が放電を開始した後、ピーク検出部によって検出されるインダクタ電流ピーク値Ipが目標値Iptに一致するように駆動周波数fを決定する。これにより、インダクタ電流ピーク値Ipのフィードバック(以下、「ピーク値フィードバック」という)が行われる。言い換えると、本実施形態では、上記各実施形態における周波数f1が可変となるように構成されたことになる。この目標値Iptは、上述した上限値Iplmt以下であればよく、決定される駆動周波数fの下限値が周波数f2となる。すなわち、ランプ9の放電開始後、ランプ電流が減少して安定点灯状態に向うにつれて駆動周波数fが低下し、周波数f2に達した時点でピーク値フィードバックは実質的に終了する。駆動周波数fが周波数f2に到達した時点でその後のピーク値フィードバックを無効化するようにしてもよい。いずれの場合であっても、その後の駆動周波数fは周波数f2に固定される。
図11のタイミングチャートを用いて、本実施形態の周波数制御を説明する。図11において、上段から、インダクタ電流ピーク値Ip、ランプ電流IL、駆動周波数f、及びオンデューティDが示される。横軸は時間である。
時刻t0において、点灯装置1が起動され、制御回路8が始動に適した周波数及び最大オンデューティDmaxでスイッチング素子41の駆動を開始する。ランプ9は絶縁破壊を起こしておらず、ランプ電流ILはゼロであるが、インダクタ42の後段の回路にわずかにインダクタ電流が流れ、これによりわずかなピーク値Ipが発生する。
時刻t1において、ランプ9が絶縁破壊を起こし、ランプ電流ILが流れ始め、インダクタ電流も本格的に流れ始める。ここで、始動直後のランプ9のインピーダンスは非常に低いため、ランプ電流ILは降圧コンバータ4の出力能力の上限で略一定となる。言い換えると、デューティ決定部85によるランプ電流フィードバックは実質的に機能せず、オンデューティDは最大値Dmaxに維持される。あるいは、後述する時刻t3まではランプ電流フィードバックが無効化されるようにしてもよい。一方、時刻t1以降に、周波数決定部84によってピーク値フィードバックが開始され、インダクタ電流ピーク値Ipが目標値Iptで一定となるように駆動周波数f(周波数f1)が制御される。
時刻t2において、ランプ9のインピーダンスの上昇に伴いランプ電流ILが減少し始めるが、時刻t2以前と同様にオンデューティDは最大値Dmaxに維持される。一方、駆動周波数f(周波数f1)は、周波数決定部84によってピーク値フィードバックの下で制御される。これにより、ランプ電流ILに略比例するインダクタ電流平均値の減少に応じてインダクタ電流の反転周期が長くなる(すなわち、振幅が大きくなる)ように制御されるため、駆動周波数fが低下していく。
時刻t3において、駆動周波数fが周波数f2に到達すると、ピーク値フィードバックによる制御が終了し、駆動周波数fは周波数f2に固定される。時刻t3以降においても、時刻t3以前と同様に、オンデューティは最大値Dmaxに維持される。すなわち、周波数f2及びオンデューティDmaxの状態でランプ電流IL及びインダクタ電流ピーク値Ipが減少していく。
時刻t4において、ランプ9の点灯は安定点灯状態となり、デューティ決定部85によるランプ電流フィードバックの作用に従ってPWM制御が開始される。すなわち、制御回路8は、駆動周波数fを周波数f2に維持して、ランプ電流が目標値ILtに一致するようにオンデューティDを制御する。
以上のように、本実施形態では、インダクタ電流ピーク値Ipが目標値Iptとなるように駆動周波数fが制御され、駆動周波数fの下限値が周波数f2とされる。これにより、ランプ9の点灯開始後の光束立ち上りを遅延させることなくインダクタ42の飽和を防止することができる。更に、目標値Iptが、適切に設定されることにより、駆動周波数fが周波数f2で固定される前の期間において、駆動周波数fをより低くすることができ、すなわち、降圧コンバータ4の性能をより発揮できる周波数f2に近づけることができる。特に、目標値Iptが上限値Iplmtに設定された場合に、周波数f2に到達する前の駆動周波数fを最小化することができる。これにより、降圧コンバータ4の性能がより効果的に発揮される。
変形例.
以上に本発明の好適な実施形態を示したが、本発明は、例えば以下に示すように種々の態様に変形可能である。
上記第1、第3、第5及び第6の実施形態は組み合わせて実施することが可能である。すなわち、ランプ電流ILと閾値ILthの比較結果、ランプ電圧VLと閾値VLthの比較結果、経過時間と所定値の比較結果、及びインダクタ電流ピーク値Ipと閾値Ipthの比較結果のうちのいずれか2以上の論理積又は論理和を用いて周波数f1から周波数f2への切換えタイミングが決定されるようにしてもよい。
上記各実施形態においては、ランプ9が交流点灯される構成を示したが、本発明は直流点灯用のランプにも適用可能である。この場合、点灯装置1からフルブリッジ回路5が省略され、降圧コンバータ4の直流出力が直接ランプ9に投入される。
上記各実施形態においては、昇圧コンバータ3が昇圧チョッパ回路で構成され、降圧コンバータ4が降圧チョッパ回路で構成された例を示したが、これらは他の形態の回路であってもよい。例えば、昇圧コンバータ3は直流電圧を降圧コンバータ4に供給できれば、例えばフライバックコンバータ等、他の形態の直流電源回路であってもよい。また、降圧コンバータ4は、フライバックコンバータ、フォワードコンバータ等、他の形態の降圧コンバータであってもよい。
1 放電灯点灯装置(点灯装置)
3 昇圧コンバータ
4 降圧コンバータ
41 スイッチング素子
42 インダクタ
43 ダイオード
44 コンデンサ
45 カレントトランス
46 ダイオード
47 コンデンサ
5 検出回路
51、52 抵抗
53 電流検出抵抗
8 制御回路
9 放電灯(ランプ)
10 照明装置

Claims (7)

  1. 放電灯点灯装置であって、
    インダクタ及びスイッチング素子を有し、直流電源回路から前記インダクタに入力される直流電圧を前記スイッチング素子によりスイッチングして、制限された出力電流を放電灯に供給するための降圧コンバータと、
    前記スイッチング素子を可変の駆動周波数で駆動させることが可能であり、前記放電灯が安定点灯に到達する前の、前記放電灯の点灯開始直後からの所定期間において、安定点灯時に適用される第2の周波数よりも高い第1の周波数で前記スイッチング素子を駆動し、前記所定期間の経過後に前記駆動周波数を前記第1の周波数から前記第2の周波数に切り換えるように構成された制御回路と、
    前記出力電流を検出する電流検出部と
    を備え、
    前記制御回路が、前記電流検出部によって検出される出力電流が閾値未満となったことに応じて前記駆動周波数を前記第1の周波数から前記第2の周波数に切り換えるように構成された、放電灯点灯装置。
  2. 放電灯点灯装置であって、
    インダクタ及びスイッチング素子を有し、直流電源回路から前記インダクタに入力される直流電圧を前記スイッチング素子によりスイッチングして、制限された出力電流を放電灯に供給するための降圧コンバータと、
    前記スイッチング素子を可変の駆動周波数で駆動させることが可能であり、前記放電灯が安定点灯に到達する前の、前記放電灯の点灯開始直後からの所定期間において、安定点灯時に適用される第2の周波数よりも高い第1の周波数で前記スイッチング素子を駆動し、前記所定期間の経過後に前記駆動周波数を前記第1の周波数から前記第2の周波数に切り換えるように構成された制御回路と、
    前記出力電流を検出する電流検出部と
    を備え、
    前記制御回路が、前記電流検出部によって検出される出力電流の減少に対して前記駆動周波数が減少するように前記第1の周波数から前記第2の周波数への切換えを連続的に行うように構成された、放電灯点灯装置。
  3. 放電灯点灯装置であって、
    インダクタ及びスイッチング素子を有し、直流電源回路から前記インダクタに入力される直流電圧を前記スイッチング素子によりスイッチングして、制限された出力電流を放電灯に供給するための降圧コンバータと、
    前記スイッチング素子を可変の駆動周波数で駆動させることが可能であり、前記放電灯が安定点灯に到達する前の、前記放電灯の点灯開始直後からの所定期間において、安定点灯時に適用される第2の周波数よりも高い第1の周波数で前記スイッチング素子を駆動し、前記所定期間の経過後に前記駆動周波数を前記第1の周波数から前記第2の周波数に切り換えるように構成された制御回路と、
    前記降圧コンバータの出力電圧を検出する電圧検出部と
    を備え、
    前記制御回路が、前記電圧検出部によって検出される出力電圧が閾値を超えることに応じて前記駆動周波数を前記第1の周波数から前記第2の周波数に切り換えるように構成された、放電灯点灯装置。
  4. 放電灯点灯装置であって、
    インダクタ及びスイッチング素子を有し、直流電源回路から前記インダクタに入力される直流電圧を前記スイッチング素子によりスイッチングして、制限された出力電流を放電灯に供給するための降圧コンバータと、
    前記スイッチング素子を可変の駆動周波数で駆動させることが可能であり、前記放電灯が安定点灯に到達する前の、前記放電灯の点灯開始直後からの所定期間において、安定点灯時に適用される第2の周波数よりも高い第1の周波数で前記スイッチング素子を駆動し、前記所定期間の経過後に前記駆動周波数を前記第1の周波数から前記第2の周波数に切り換えるように構成された制御回路と、
    前記降圧コンバータの出力電圧を検出する電圧検出部と
    を備え、
    前記制御回路が、前記電圧検出部によって検出される出力電圧の増加に対して前記駆動周波数が減少するように前記第1の周波数から前記第2の周波数への切換えを連続的に行うように構成された、放電灯点灯装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の放電灯点灯装置において、前記制御回路が前記スイッチング素子をPWM制御するように構成され、前記第1の周波数の期間のオンデューティが前記第2の周波数の期間のオンデューティ以上である、放電灯点灯装置。
  6. 請求項5に記載の放電灯点灯装置において、前記第1の周波数の期間のオンデューティが、設定可能なオンデューティ範囲の最大値に設定された、放電灯点灯装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の放電灯点灯装置と、高圧放電灯からなる前記放電灯とを備えた照明装置。
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