JP6417659B2 - 信号処理装置、検出装置、センサー、電子機器及び移動体 - Google Patents

信号処理装置、検出装置、センサー、電子機器及び移動体 Download PDF

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本発明は、信号処理装置、検出装置、センサー、電子機器及び移動体等に関する。
デジタルカメラ、スマートフォン等の電子機器や車、飛行機等の移動体には、外的な要因で変化する物理量を検出するためのジャイロセンサーが組み込まれている。このようなジャイロセンサーは、角速度等の物理量を検出し、いわゆる手振れ補正、姿勢制御、GPS自律航法などに用いられる。
ジャイロセンサーは、検出した角速度等の物理量を検出電圧信号として出力する。その検出電圧信号を受け取ったアプリケーション側は、検出電圧信号により得られた角速度等をソフトウェア処理により積算して、角度や速度、距離などを求める。
特開2004−347505号公報 特開2002−236302号公報
さて、物理量トランスデューサーからの検出電圧信号には、例えば物理量トランスデューサーの温度特性等に起因するDCオフセットが存在する。DCオフセットは、検出電圧信号から所望の情報を得る際に誤差の原因となるという課題がある。例えば、上述したジャイロセンサーでは、角度等を求める際にDCオフセットを含んだ検出電圧信号を積算するので、誤差が非常に大きくなってしまう。
DCオフセットを除去する手法として、特許文献1には、検出電圧信号をハイパスフィルターで処理する手法が開示されている。また、特許文献2には、検出電圧信号に所定電圧のバイアスを加える手法が開示されている。しかしながら、特許文献1の手法ではハイパスフィルターの特性が固定であるため、その特性が検出電圧信号の過渡応答性に影響するという課題がある。特許文献2の手法ではDCオフセットの変化に対して追従させることが困難であるという課題がある。
本発明の幾つかの態様によれば、過渡応答性や追従性を向上したDC成分の抽出が可能な信号処理装置、検出装置、センサー、電子機器及び移動体等を提供できる。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または態様として実現することが可能である。
本発明の一態様は、入力信号に応じて動的に変化する観測ノイズ及びシステムノイズを推定するノイズ推定部と、前記観測ノイズ及び前記システムノイズに基づいてカルマンフィルター処理を行って、前記入力信号のDC成分を抽出するカルマンフィルターと、を含む信号処理装置に関係する。
本発明の一態様によれば、ノイズ推定部が観測ノイズ及びシステムノイズを入力信号に応じて動的に変化させてカルマンフィルターに供給し、カルマンフィルターが、その動的に変化する観測ノイズ及びシステムノイズを受けてカルマンフィルター処理を行う。このように観測ノイズ及びシステムノイズをカルマンフィルターの外部から供給することで、カルマンフィルターの特性を制御でき、過渡応答性や追従性を向上したDC成分の抽出が可能になる。
また本発明の一態様では、前記ノイズ推定部は、前記入力信号に基づいて前記観測ノイズを推定し、推定した前記観測ノイズに対してゲイン処理を行うことで前記システムノイズを推定してもよい。
このようにすれば、入力信号に応じて観測ノイズを動的に変化させることができ、その観測ノイズに対するゲイン処理によりシステムノイズを調整できる。これにより、カルマンフィルターを所望の特性となるように制御することが可能となる。
また本発明の一態様では、前記ノイズ推定部は、前記入力信号を2乗平均し、前記2乗平均後の信号に対してリミッター処理を行うことで前記観測ノイズを推定してもよい。
現実の観測では観測ノイズがゼロとなることはない。この点、本発明の一態様によれば、入力信号から推定した観測ノイズが仮にゼロとなったとしても、リミッター処理により観測ノイズの下限値を制限できるので、ゼロでない観測ノイズをカルマンフィルターに出力できる。
また本発明の一態様では、前記ノイズ推定部は、前記カルマンフィルターの収束状態におけるローパスフィルター動作のターゲットカットオフ周波数に基づいて設定されるゲインにより、前記観測ノイズに対して前記ゲイン処理を行ってもよい。
カルマンフィルターが動作を開始してから十分に時間が経過すると、カルマンフィルターはローパスフィルター特性を含むフィルター特性に収束する。この収束状態において、ローパスフィルター特性のカットオフ周波数は、ゲイン処理のゲインにより決定される。即ち、ターゲットカットオフ周波数に基づいてゲインを設定しておくことで、収束状態において所望のカットオフ周波数のローパスフィルター特性を得ることができる。
また本発明の一態様では、前記ノイズ推定部は、前記入力信号に対してハイパスフィルター処理を行い、前記ハイパスフィルター処理後の信号に基づいて前記観測ノイズを増加させる処理を行ってもよい。
入力信号がDCではなく変動している場合、カルマンフィルターのDC成分の推定精度が低下する。この点、本発明の一態様によれば、ハイパスフィルター処理後の入力信号に基づいて観測ノイズを増加させることで、カルマンゲインが小さくなり、カルマンフィルターが観測値を信頼する度合いを低下させることができる。これにより、DC成分の推定精度を向上できる。
また本発明の一態様では、前記ノイズ推定部は、前記ハイパスフィルター処理後の信号に対してピークホールド処理を行い、ピークホールド処理後の信号に基づいて前記観測ノイズを増加させてもよい。
入力信号が変動しているとき、ハイパスフィルター処理後の信号がゼロになることがある。信号がゼロのときには観測ノイズが増加しないので観測値の信頼度が上がり、DC成分の推定精度が低下する。この点、本実施形態の一態様によれば、ピークホールド処理によって信号がゼロになることを抑制できるので、入力信号が変動している間は観測ノイズを増加させ、DC成分の推定精度を向上できる。
本発明の他の態様は、物理量トランスデューサーを駆動する駆動回路と、前記物理量トランスデューサーからの検出信号を受けて、物理量に応じた物理量信号を検出する検出回路と、前記物理量信号を前記入力信号として前記DC成分を抽出する、上記のいずれかに記載の信号処理装置と、を含む検出装置に関係する。
本発明の更に他の態様は、上記に記載の検出装置と、前記物理量トランスデューサーと、を含むセンサーに関係する。
本発明の更に他の態様は、上記のいずれかに記載の信号処理装置を含む電子機器に関係する。
本発明の更に他の態様は、上記のいずれかに記載の信号処理装置を含む移動体に関係する。
電子機器の基本構成例。 信号処理装置の構成例。 信号処理装置の第1の詳細な構成例。 信号処理装置の第2の詳細な構成例。 ピークホールド処理についての説明図。 信号処理装置の第3の詳細な構成例。 DC指定値と偏差と最大偏差値についての説明図。 信号処理装置の第4の詳細な構成例。 ジャイロセンサーのDCオフセットの温度特性についての説明図。 温度変化によるDCオフセットの時間変化についての説明図。 ジャイロセンサーと電子機器の構成例。 検出装置の構成例。 移動体の構成例。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.信号処理装置
以下、物理量トランスデューサーの物理量信号からDCオフセットを抽出する場合を例にとり、本実施形態の信号処理装置について説明する。なお、物理量トランスデューサーの物理量信号に限らず、入力信号からDC成分を抽出するものであれば本実施形態を適用可能である。
図1に、本実施形態の信号処理装置100が適用された電子機器の基本構成例を示す。電子機器は、物理量トランスデューサー15と検出回路60と信号処理装置100と処理部520を有する。
物理量トランスデューサー15は、例えば角速度、加速度、角加速度或いは速度等の物理量を電気信号(電圧、電流)に変換するものである。物理量トランスデューサー15としては、ジャイロセンサーにおける振動子や、加速度センサーなどの種々のデバイス(センサー)を想定できる。検出回路60は、物理量トランスデューサー15からの検出信号TQ(電流信号、電圧信号等)に基づいて、角速度、加速度、角加速度又は速度等の物理量の検出処理(同期検波等)を行って、その物理量に応じた物理量信号PI(検出データ)を信号処理装置100に出力する。
信号処理装置100は、物理量信号PIからDC成分DCQを抽出し、そのDC成分DCQを物理量信号PIから減算し、その減算後の信号を出力信号PQ(出力データ)として出力する。図1では、便宜的に減算部を信号処理装置100の外に記載している。DC成分DCQは、物理量信号PIから取り出したい所望の信号成分よりも周波数が低い成分である。例えば物理量トランスデューサー15がジャイロセンサーである場合、物理量信号PIにはオフセットが含まれており、そのオフセットを基準とする変化が実際の信号成分となる。この信号成分の周波数は、ジャイロセンサーが検出した動きの周波数に対応している。オフセットは温度変化等によって時間的に変動するため周波数ゼロではないが、動きの周波数に比べれば低い周波数である。
処理部520は、検出装置20からの出力信号PQをそのまま使用する場合もあるが、この出力信号PQの積分処理を行ってその積分結果値を使用する場合がある。物理量トランスデューサー15がジャイロセンサーである場合を例にとると、検出装置20は、振動子からの信号に基づいて角速度データを処理部520に出力する。そして処理部520は、角速度データの積分処理(積算処理)を行って、角度データを求める。信号処理装置100によってDC成分が除かれているため、積分処理を行っても誤差の小さい正確な角度データを得ることができる。
さて、本実施形態の第1の比較例として、上述したハイパスフィルターを用いてDC成分を除去する手法が考えられる。しかしながら、DC成分を除去するために、非常に低い周波数にカットオフを設定した場合、ハイパスフィルターが収束するまでに時間が掛かるという課題がある。収束時間を改善するために、ある程度の周波数にカットオフを設定しなければならず、そのため信号の通過帯域が制限されるという課題がある。例えばジャイロセンサーでは、ゆっくりした動きが検出しにくくなってしまう。
第2の比較例として、適応型フィルターを用いて、DC成分による誤差を収束させる手法が考えられる。例えば、ジャイロセンサーとは別の慣性センサーからの情報に基づいて、ジャイロセンサーで測定した角度等の誤差を収束させる。しかしながら、この手法では、適応的にフィルター特性が変わるものの、別の慣性センサーが必要となるという課題がある。
図2に、上記のような課題を解決できる本実施形態の信号処理装置100の構成例を示す。なお、以下では概要を説明し、詳細な構成・動作については後述する。また、以下では物理量トランスデューサー15がジャイロセンサーである場合を例に説明するが、上述したように物理量トランスデューサー15はジャイロセンサーに限定されない。
図2に示す信号処理装置100は、ノイズ推定部110とカルマンフィルター120と減算部121を含む。
ノイズ推定部110は、物理量信号PIを入力信号(入力データ)として受けて、その入力信号PIに応じて動的に変化する観測ノイズσmeas及びシステムノイズσsysを推定する。具体的には、ノイズ推定部110は、入力信号PIから観測ノイズσmeas及びシステムノイズσsysを生成し、入力信号PIの値或はその変化に応じて観測ノイズσmeas及びシステムノイズσsysを変化させる。
カルマンフィルター120は、観測ノイズσmeas及びシステムノイズσsysに基づいてカルマンフィルター処理を行って、入力信号PIのDC成分DCQを抽出する。減算部121は、入力信号PIからDC成分DCQを減算し、出力信号PQを出力する。カルマンフィルター処理とは、観測値及びシステムの状態を表す変数にノイズ(誤差)が含まれると仮定し、過去から現在までに取得した観測値を用いてシステムの最適な状態を推定する処理である。本実施形態の場合、観測値はジャイロセンサーの物理量信号PIであり、推定する変数はDC成分DCQである。具体的には、観測更新(観測過程)と時間更新(予測過程)を繰り返し行って状態を推定する。観測更新は、観測値と時間更新の結果を用いてカルマンゲイン、推定値、誤差共分散を更新する過程である。時間更新は、観測更新の結果を用いて、次の時刻での推定値、誤差共分散を予測する過程である。
一般的なカルマンフィルターでは、誤差共分散の初期値及びシステムノイズを既知のものとして予め与えておく。誤差共分散は観測更新や時間更新により値が更新されていく。このように、一般的なカルマンフィルターでは、更新の繰り返しの途中で新たに観測ノイズやシステムノイズが外部から与えられるものではない。
一方、本実施形態では観測ノイズσmeas及びシステムノイズσsysを動的に変化させ、カルマンフィルター120に外部から供給する。下式(6)〜(10)で後述するように、観測ノイズσmeas及びシステムノイズσsysはカルマンゲインg(k)等の内部変数に影響を与える。即ち、観測ノイズσmeas及びシステムノイズσsysを制御することでカルマンフィルター120のフィルター特性を制御できることを意味している。本実施形態では、これを利用することで、ジャイロセンサーの物理量信号PIのDC成分が変化していないときには通過帯域を低周波数にしておき、信号成分の通過帯域を低周波側に広げることができる。また、DC成分が変化したときには観測ノイズσmeas及びシステムノイズσsysを変化させて通過帯域を広げ、DC成分の変化に追従させることができる。このようにして、新たな慣性センサーを追加することなく、物理量信号PIの変化に対する過渡応答性や、DC成分の変化に対する追従性を向上できる。
具体的には、図3で後述するように、ノイズ推定部110は、入力信号PIに基づいて観測ノイズσmeasを推定し、その推定した観測ノイズσmeasに対してゲイン処理を行うことでシステムノイズσsysを推定する。
このようにすれば、入力信号PIに応じて観測ノイズσmeas及びシステムノイズσsysを動的に変化させることができ、カルマンフィルター120の特性を入力信号PIに応じて制御できる。また、ゲイン処理のゲインを変更することでシステムノイズσsysを調整できるので、それによってカルマンフィルター120を所望の特性となるように制御することが可能である。
より具体的には、ノイズ推定部110は、カルマンフィルター120の収束状態におけるローパスフィルター動作のターゲットカットオフ周波数に基づいて設定されるゲインにより、観測ノイズσmeasに対してゲイン処理を行う。
カルマンフィルター120が動作を開始してから十分に時間が経過すると、下式(14)等に示すようにカルマンゲイン等の内部変数が一定値に収束し、カルマンフィルター120はローパスフィルター特性を含むフィルター特性に収束する。この収束状態において、ローパスフィルターのカットオフ周波数fは、下式(17)〜(19)に示すようにゲインGA1により決定される。逆に言えば、所望のカットオフ周波数fが得られるようにゲインGA1を設定しておくことで、カルマンフィルター120が収束状態となったときに、その所望のカットオフ周波数fのローパスフィルター特性を得ることができる。
本実施形態ではカルマンフィルター120を用いることで、収束状態において例えば0.1mHz程度の非常に低いカットオフ周波数を得ることができる。これにより、ジャイロセンサーの物理量信号PIから非常に低周波数の成分のみをDC成分DCQとして抽出でき、そのDC成分DCQを減算することで、低周波側の帯域を損なうことなく動きの信号成分を出力信号PQとして出力できる。
図3で後述するように、ノイズ推定部110は、入力信号PIを2乗平均し、その2乗平均後の信号に対してリミッター処理を行うことで観測ノイズσmeasを推定する。
例えば図3では、2乗平均の際に非常に低い周波数のローパスフィルター133で平滑化を行い、物理量信号PIから動きの信号成分を除去するので、ノイズ成分の2乗平均を残すことができる。このように、入力信号PIを2乗平均することで、入力信号PIから観測ノイズσmeasを抽出できる。
仮に観測ノイズσmeasがゼロになった場合には、下式(8)から分るようにカルマンゲインg(k)=1となり、下式(9)から分るように推定値x(k)=観測値y(k)となってカルマンフィルター120は観測値y(k)をそのまま出力してしまう。しかしながら、実際には観測ノイズσmeasがゼロであることはない。この点、本実施形態ではリミッター処理により観測ノイズσmeasをゼロより大きい値に制限できる。例えば、最小限の観測ノイズとして、ジャイロセンサーの出力信号TQをA/D変換したときの量子化ノイズが考えられるので、その量子化ノイズを見積もった値をリミット値に設定しておけばよい。
また図4で後述するように、ノイズ推定部110は、入力信号PIに対してハイパスフィルター処理を行い、そのハイパスフィルター処理後の信号に基づいて観測ノイズσmeasを増加させる処理を行う。即ち、第2の推定部140が、ハイパスフィルター処理後の入力信号PIから生成した信号を観測ノイズσmeasに加算することで、観測ノイズσmeasを増加させる。
ジャイロセンサーが動きを検出した場合、入力信号PIの値が変動してDCではなくなるため、DC成分を抽出するという目的において観測値の信頼性が低下する。このとき、ハイパスフィルター処理後の入力信号PIに基づいて観測ノイズσmeasを増加させることで、下式(8)から分るように、カルマンゲインg(k)を小さくできる。下式(9)から分るように、カルマンゲインg(k)が小さくなると、カルマンフィルター120は過去の推定値x-(k)を信頼する。即ち、ジャイロセンサーの物理量信号PIがDCでない場合には、観測値である物理量信号PIの信頼度を下げて、真値に近いと考えられる過去の推定値をDC成分DCQとして出力できる。
具体的には、ノイズ推定部110は、ハイパスフィルター処理後の信号に対してピークホールド処理を行い、そのピークホールド処理後の信号に基づいて観測ノイズσmeasを増加させる。
上述のように、ジャイロセンサーが動きを検出した場合にはカルマンフィルター120に過去の推定値を信頼させることでDC成分の推定精度を向上できる。このとき、ピークホールド処理を行うことで更に精度良くDC成分を推定できる。
例えば図4ではハイパスフィルター処理後の信号を2乗平均し、その2乗平均後の信号に対してピークホールド処理を行う。図5に示すように、ハイパスフィルター処理後の信号がゼロのときには2乗平均後の信号もゼロとなる。このような信号に基づいて観測ノイズσmeasを増加させると、信号がゼロのときには観測ノイズσmeasが増加しないことになり、下式(8)から分るように、カルマンゲインg(k)が大きくなる。そうすると、下式(9)から分るように、カルマンフィルター120は信頼性が低い観測値y(k)を信頼してしまい、不正確なDC成分が出力される可能性がある。
この点、本実施形態ではピークホールド処理を行うことで、2乗平均後の信号がゼロとなることを抑制できる。そして、その信号を用いて観測ノイズσmeasを増加させることで、ジャイロセンサーが動きを検出しているときにはカルマンフィルター120に過去の推定値を信頼させてDC成分の推定精度を向上できる。
2.信号処理装置の第1の詳細構成
次に、信号処理装置の詳細な構成・動作について説明する。図3に、信号処理装置100の第1の詳細な構成例を示す。信号処理装置100は、ノイズ推定部110、カルマンフィルター120、ローパスフィルター171、遅延部172、ローパスフィルター173、減算部121を含む。
カルマンフィルター120は、遅延部172から入力される入力信号を観測値として、線形カルマンフィルターによりDC成分を抽出する。線形カルマンフィルターの基本的な式は下式(1)〜(5)となる。
Figure 0006417659
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上式(1)、(2)は時間更新(予測過程)の式であり、上式(3)〜(5)は観測更新(観測過程)の式である。kは離散的な時間を表し、kが1つ進む度に時間更新及び観測更新が1回行われる。x(k)はカルマンフィルター120の推定値であり、x-(k)は観測値を得る前に予測した事前推定値である。P(k)はカルマンフィルター120の誤差共分散であり、P-(k)は観測値を得る前に予測した誤差共分散である。y(k)は観測値である。σsys(k)はシステムノイズであり、σmeas(k)は観測ノイズである。Aは係数行列であり、b、cは係数ベクトルである。A、b、cはシステムをモデリングした状態空間モデルに応じて決まる。
本実施形態では1次の線形モデルなので、A=b=c=1であり、上式(1)〜(5)は下式(6)〜(10)となる。
Figure 0006417659
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カルマンフィルター120は、1つ前の時間k−1に更新した推定値x(k−1)と誤差共分散P(k−1)を記憶している。そして、現在の時間kにおいて観測値y(k)と観測ノイズσmeas(k)とシステムノイズσsys(k)を受付け、それらを用いて上式(6)〜(10)の時間更新及び観測更新を実行し、推定値x(k)をDC成分として出力する。
ローパスフィルター171は、ジャイロセンサーからの物理量信号の周波数(例えば15kHz)をカルマンフィルター120の動作周波数(例えば100Hz)まで下げるデシメーションフィルターである。動作周波数は、カルマンフィルター120の入力サンプリング周波数であり、内部演算の周波数とは異なる。このフィルターにより、カルマンフィルター120に入力される信号の折り返しを防ぐことができる。急峻な減衰特性を必要としないので、例えば1次ローパスフィルターで構成する。カットオフ周波数は、例えばカルマンフィルター120の動作周波数の1/4〜1/6程度に設定する。
遅延部172は、ノイズ推定部110の演算で遅延する時間と同じ時間だけ、カルマンフィルター120の入力信号を遅延させる。例えば、ノイズ推定部110で1ステップ遅延する場合、遅延部172も1ステップだけ入力信号を遅延させるので、観測ノイズσmeas及びシステムノイズσsysのタイミングと入力信号のタイミングを一致させることができる。
ローパスフィルター173は、カルマンフィルター120の最終出力のフィルタリング処理を行う。基本的にはカルマンフィルター120はDC値を出力するはずなので、ローパスフィルター173には低いカットオフ周波数(例えば0.1Hz)を設定する。また、ローパスフィルター173は、カルマンフィルター120の動作周波数(例えば100Hz)をジャイロセンサーの物理量信号の周波数(例えば15kHz)にアップサンプリングする補間フィルターである。
ノイズ推定部110は、ローパスフィルター171により処理された入力信号PIに基づいて、動的に変化する観測ノイズσmeas及びシステムノイズσsysを生成する。具体的には、ノイズ推定部110は第1の推定部130を含む。第1の推定部130は、ハイパスフィルター131と2乗処理部132とローパスフィルター133とリミッター134とゲイン処理部135を含む。
ハイパスフィルター131は、ローパスフィルター171からの信号を受けて、その信号からDC成分を除去する。後段で2乗平均を行うので、DC成分を除去しておくことで、DC成分が2乗されて観測ノイズσmeasの誤差となることを防止できる。
2乗処理部132は、ハイパスフィルター131からの信号を2乗する。ローパスフィルター133は、2乗処理部132により2乗された信号をフィルタリングし、2乗平均を求める。この2乗平均により信号のノイズ成分が抽出される。基本的に、出力はDC値であり、カットオフ周波数は極めて低い値に設定する。例えば、ジャイロセンサーが検出する動きの信号成分の周波数よりも十分に低いカットオフ周波数を設定する。こうすることで、信号に含まれるノイズ成分のみを抽出できる。
リミッター134は、ローパスフィルター133からの信号に対してリミット処理を行い、リミット処理後の信号を観測ノイズσmeasの分散(2乗)として出力する。具体的には、ローパスフィルター133からの信号が下限値以下である場合には出力を下限値にリミットし、ローパスフィルター133からの信号が下限値よりも大きい場合には、その信号をそのまま出力する。信号処理装置100の前段にはA/D変換部(図12のA/D変換回路66)が設けられている。ノイズ成分は、A/D変換部の量子化ノイズを下回る事はありえないので、ローパスフィルター133の出力に対して例えば0.25degitの下限値を設ける。
ゲイン処理部135は、リミッター134からの観測ノイズσmeasの分散に対して一定のゲインGA1を乗算し、システムノイズσsysの分散(2乗)を求める。ゲインGA1は、下式(19)のように設定する。下式(19)の導出手法について以下に説明する。
まず、十分に時間が経過した状態での観測ノイズσmeasとシステムノイズσsysの関係を求める。十分に時間が経過した状態はk=∞の状況を想定すればよく、事前誤差共分散P-(k)が一定値に収束しているとすると、下式(11)が成り立つ。事前誤差共分散P-(k)の収束値をpとしている。
Figure 0006417659
上式(7)、(10)に上式(11)を適用すると、下式(12)となる。
Figure 0006417659
また、上式(8)に上式(11)を適用すると、下式(13)となる。
Figure 0006417659
上式(12)、(13)を連立方程式としてカルマンゲインg(k)について解くと、下式(14)となる。下式(14)では、収束状態k=∞におけるカルマンゲインg(k)をgとしている。また右辺の近似では、カルマンフィルター120の収束状態では通過帯域が非常に低いためσsys<<σmeasが成り立つと仮定している。
Figure 0006417659
上式(14)から分るように、収束状態においてカルマンゲインgはシステムノイズσsysと観測ノイズσmeasの比になる。即ち、σsys =gσmeas となり、ゲインGA1=gであることが分る。DC成分を抽出するための所望のフィルター特性とカルマンゲインgとの関係が分かれば、その所望のフィルター特性が得られるようにゲインGA1を設定できる。
所望のフィルター特性とカルマンゲインgとの関係を知るために、収束状態におけるカルマンフィルター120の伝達特性を求める。上式(6)、(9)より伝達関数H(z)は下式(15)となる。カルマンフィルター120は、現状の推定される誤差に基づいて、理論的に最適なフィルターに構成を変更し続けるのが特徴であり、常に下式(15)の伝達関数に従うわけではない。下式(15)は、あくまでも時間が経過したときの最終的な伝達関数である。
Figure 0006417659
上式(15)に双一次変換を適用すると、下式(16)となる。
Figure 0006417659
上式(16)の分母を見ると、伝達関数がローパスフィルター特性を含むことが分る。そのローパスフィルター特性のカットオフ周波数fは、下式(17)である。fは、カルマンフィルター120のサンプリング周波数(動作周波数)である。
Figure 0006417659
上式(17)をカルマンゲインgについて解くと、下式(18)となる。下式(18)の右辺の近似では、f<<fとした。
Figure 0006417659
上式(18)より、ゲインGA1=gは下式(19)のように求まる。
Figure 0006417659
上式(19)において、収束状態で最終的に得たい所望のカットオフ周波数(ターゲットカットオフ周波数)をfに設定する。このようなゲインGA1を設定することで、十分な時間が経過したときにカルマンフィルター120が上式(16)のようなローパスフィルターとして振る舞い、カットオフ周波数がfに収束しようとする。
3.信号処理装置の第2の詳細構成
図4に、信号処理装置100の第2の詳細な構成例を示す。信号処理装置100は、ノイズ推定部110、カルマンフィルター120、ローパスフィルター171、遅延部172、ローパスフィルター173、減算部121を含む。なお、第1の詳細な構成例と同一の構成要素については同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
ノイズ推定部110は、上述した第1の推定部130と、ジャイロセンサーの物理量信号から抽出したAC成分(動きの成分)に基づいて観測ノイズσmeasを動的に変化させる第2の推定部140を含む。
具体的には、第2の推定部140は、ピークホールド部141と加算部142を含む。
ピークホールド部141は、第1の推定部130のハイパスフィルター131と2乗処理部132を通過したAC成分の信号を受けて、その信号をピークホールドする。ハイパスフィルター131は、ジャイロセンサーが検出する動きの信号を通過させるために応答性が重要なので、カットオフ周波数を低くしすぎないことが必要である。例えば、カットオフ周波数は10Hz程度に設定する。ピークホールド処理は、例えば、過去の信号と現在の信号を比較し、大きい方の信号をホールドする処理である。図5に示すように、ホールドしている信号を現在の信号が一定の期間(ホールド期間)超えない場合には、ホールドを止めて現在の信号を出力する。
加算部142は、ピークホールド部141からの信号と第1の推定部130からの観測ノイズσmeasとを加算し、その加算後の信号をカルマンフィルター120へ出力する。ジャイロセンサーが検出した動きが大きいほど、ピークホールド部141からの信号も大きくなるため、動きが大きいほど観測ノイズσmeasが増加する。観測ノイズσmeasを増加させると、上式(8)から分かるようにカルマンゲインg(k)が小さくなり、上式(9)から分かるように観測値y(k)のウエイトを下げて推定値x(k)を算出できる。これにより、動きのAC成分が大きいほど観測値y(k)の影響を低下させて、より精度の高いDC成分を抽出できる。
ピークホールドを行う理由を説明する。図5に示すように、ジャイロセンサーが動きを検出してハイパスフィルター131の出力が激しく振動している場合、その出力を2乗した2乗処理部132の出力には、ゼロに落ち込む瞬間がある事が分かる。その瞬間では、信号にAC成分があるにも関わらず観測ノイズσmeasに加算されないため、観測値y(k)のウエイトを下げることができない。そのため、AC成分が乗った観測値y(k)が推定値x(k)にある程度影響してしまい、DC成分の推定精度を低下させてしまう。
この点、ピークホールド処理により、観測ノイズσmeasに加算する信号がゼロになる事を防ぐことができる。ホールド時間は、例えばカルマンフィルター120の動作サイクル数で設定し、実験結果等に基づいて適切な時間を決めればよい。例えば、数10サイクルに設定する。
4.信号処理装置の第3の詳細構成
図6に、信号処理装置100の第3の詳細な構成例を示す。信号処理装置100は、ノイズ推定部110、カルマンフィルター120、ローパスフィルター171、遅延部172、ローパスフィルター173、減算部175、加算部176、記憶部177、読み出し部178、コンパレーター180、減算部121を含む。なお、第1及び第2の詳細な構成例と同一の構成要素については同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
記憶部177は、図7に示すような温度とDC指定値(おおよそのDC値)を対応付けたオフセットテーブルを記憶している。DC指定値は、温度特性を温度の2次関数で近似した、偏差の中心値である。記憶部177は、例えば不揮発性メモリー(例えばEPROM)等で構成される。読み出し部178は、温度センサー190からの検出信号TSに基づいてオフセットテーブルを参照し、検出温度に対応するDC指定値を出力する。減算部175は、ローパスフィルター171の出力信号からDC指定値を減算し、その減算後の信号を遅延部172とノイズ推定部110へ出力する。加算部176は、カルマンフィルター120の出力信号とDC指定値とを加算し、その加算後の信号をローパスフィルター173へ出力する。
以上により、カルマンフィルター120とノイズ推定部110は、DC指定値を減算した後の入力信号に対して処理を行うことになる。これは、予想されるおおよそのDC値を予め与えることに相当する。このようにすることで、DC推定の収束性を高め、変動が激しいDC推定が困難な状況でも、かけ離れたDC値で推定することを防止し、信頼性を向上することが可能となる。一旦、かけ離れたDC値で推定すると、カルマンフィルター120の時定数(例えば、カットオフ周波数0.1mHzの逆数)が非常に長いため、本来の推定値に戻るのに過大な時間を要する可能性があるが、本実施形態ではこれを防止できる。
ノイズ推定部110は、上述した第1の推定部130及び第2の推定部140と、DC指定値からの離れ度合いに応じて観測ノイズσmeasを動的に変化させる第3の推定部150を含む。
具体的には、第3の推定部150は、絶対値算出部151とゲイン処理部152とリミッター153と乗算部154を含む。
記憶部177は、ゲイン処理部152で用いる指定値dと、コンパレーター180で用いるDC指定値の最大偏差値(図7の点線)を更に記憶している。最大偏差値は、例えば温度特性を有しない値である。DC指定と最大偏差値は、例えばジャイロセンサーの複数のサンプルを測定し、その結果に基づいて設定しておく。絶対値算出部151の後段で最大偏差値を用いるため、実際には最大偏差値の絶対値を記憶しておけばよい。指定値dとしては任意の値を設定できるが、例えば最大偏差値と同一である。以下では、指定値dが最大偏差値である場合を例に説明する。
絶対値算出部151は、減算部175からの信号の絶対値を算出する。ゲイン処理部152は、その絶対値に対して下式(20)のゲインGA2を乗算する。リミッター153は、その乗算後の信号が1より大きい場合には、その信号をそのまま出力し、乗算後の信号が1以下である場合には出力を1にリミットする。乗算部154は、リミッター153からの信号を第2の推定部140からの観測ノイズσmeasに乗算する。
Figure 0006417659
即ち、ジャイロセンサーの物理量信号が偏差範囲外である場合には絶対値がdより大きくなるので、ゲインGA2を掛けると1より大きくなる。この場合、リミッター153は1より大きな値を出力し、観測ノイズσmeasが増加する。一方、物理量信号が偏差範囲内である場合には絶対値がdより小さくなるので、ゲインGA2を掛けると1以下となる。この場合、リミッター153は1を出力し、観測ノイズσmeasは増加しない。
観測ノイズσmeasが増加すると上式(8)、(9)より推定値x-(k)を信頼するので、偏差範囲外では観測値y(k)のウエイトが下がる。逆に言えば、偏差範囲内では観測値y(k)のウエイトが上がり、偏差範囲内において重点的に観測値y(k)のDC成分を探索していることになる。このようにして、DCの真値が存在すると思われる偏差範囲内を重点的に探索し、偏差範囲外では真値でないと思われる観測値y(k)の信頼度を下げることで、DC推定の精度を向上できる。
以上のように、本実施形態は偏差の範囲内で重点的にDC推定を行うため、仮にDCの真値が範囲外にあった場合、DC推定速度が極端に遅くなり、また外乱(信号への大きな入力)に対しても非常に弱く、すぐにDC推定値が変動してしまう。そのため、真値が偏差内に入るように最大偏差値をあまり小さくし過ぎずに、経年変化も考慮して指定しておく必要がある。
次に、コンパレーター180(監視部)について説明する。コンパレーター180は、ジャイロセンサーの物理量信号の動き成分を監視し、動きの存否を表すフラグFL1(停止信号)を出力する。具体的には、最大偏差値を閾値として、絶対値算出部151からの信号と閾値とを比較し、信号が閾値よりも大きい場合にはフラグFL1をアクティブにする。即ち、偏差範囲よりも大きな動きが発生した場合にはフラグFL1がアクティブになる。フラグFL1は、カルマンフィルター120と、第1の推定部130のローパスフィルター133に入力される。
ジャイロセンサーに対して動きが加わって入力信号が大きな変化をしている場合には、DC推定の精度が下がり、推定誤差に対応する誤差共分散P(k)が大きくなる。そうすると、上式(8)から分かるようにカルマンゲインg(k)が1に近づき、上式(9)から分かるように、動きの影響を受けた観測値y(k)が信頼されてしまう。
そこで、カルマンフィルター120は、フラグFL1がアクティブの場合には推定値x(k)の推定のみを実施して、誤差共分散P(k)を更新しない処理を行う。具体的には、上式(6)〜(9)の処理を実行し、上式(10)の処理を実行しない。これにより、動きの影響が少ない過去の推定値x-(k)の信頼度を上げることができ、DC成分の推定精度を向上できる。
ローパスフィルター133は、フラグFL1がアクティブの場合には、ローパスフィルター動作を停止し、フラグFL1が非アクティブからアクティブになったときの出力値を出力し続ける。これにより、偏差範囲内の信号だけがローパスフィルター処理されることになり、動きの影響を受けた信号によって不正確な観測ノイズσmeasが抽出されることを防止できる。
5.信号処理装置の第4の詳細構成
図8に、信号処理装置100の第4の詳細な構成例を示す。信号処理装置100は、ノイズ推定部110、カルマンフィルター120、ローパスフィルター171、遅延部172、ローパスフィルター173、減算部175、加算部176、記憶部177、読み出し部178、コンパレーター180、減算部121を含む。なお、第1〜第3の詳細な構成例と同一の構成要素については同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
ノイズ推定部110は、上述した第1の推定部130及び第2の推定部140及び第3の推定部150と、温度変化があった場合にカルマンフィルター120を収束状態から推定状態に戻す第4の推定部160を含む。
図9に示すように、ジャイロセンサーのDCオフセットは温度特性を持っており、その近似値をオフセットテーブルとして記憶し、減算部175で減算してカルマンフィルター120に入力している。近似は温度特性に厳密に一致するわけではなく、また個体によっては温度特性にディップ部があるため、減算の結果にも温度特性が残る。図10に示すように、時間の経過とともに温度が変化すると、残った温度特性によってカルマンフィルター120の入力も変化する。
カルマンフィルター120のDC推定が収束している場合、第1の詳細な構成例で説明したようにターゲットカットオフ周波数fのローパスフィルターとほぼ同様の特性になっている。この条件下で、温度変化によって入力信号のDC値が変化すると、カットオフ周波数fが低いため温度変化前のDC値をしばらく出力し続けることになる。その時間は、指定したターゲットカットオフ周波数fの逆数程度である。即ち、その時間は温度変化によるDC値の変化にカルマンフィルター120が追従できないということである。
そこで、本実施形態では温度変化に応じてシステムノイズσsysを動的に変化させることでカルマンフィルター120を推定状態に戻し、DC値の変化に対して追従性を向上させる。具体的には、第4の推定部160は、遅延部161と減算部162とローパスフィルター163とゲイン処理部164と2乗処理部165と乗算部166と加算部167を含む。
遅延部161と減算部162は、温度センサー190の時間kでの検出信号TSと1つ前の時間k−1での検出信号TSとの差分を求める。ローパスフィルター163は、その差分を平滑化する。温度センサー190の検出信号TSの雑音が大きい場合、或は検出信号TSのサンプリング周波数がカルマンフィルター120の動作周波数に比べて低く検出信号TSが離散的な変化をする場合、第4の推定部160が出力するシステムノイズσsysが急に大きく変化してしまう。この変化は、カルマンフィルター120の収束度合いに大きな影響を与えてしまう。そのため、ローパスフィルター163には、極めて低いカットオフ周波数(例えば10mHz)を設定する。これにより、ノイズとなる成分を確実に除去し、システムノイズσsysの変化を緩やかにできる。
ローパスフィルター163の出力LPF2OUTは、温度センサー190の感度TSEN[digi/℃]と温度変化ΔT[℃/sec]を用いると、下式(21)のようになる。
Figure 0006417659
ゲイン処理部164は、ローパスフィルター163からの信号にゲインGA3を乗算する。2乗処理部165は、その乗算後の信号を2乗する。乗算部166は、その2乗後の信号と第1の推定部130からの観測ノイズσmeasとを乗算する。そして、加算部167は、その乗算後の信号と第1の推定部130からのシステムノイズσsysとを加算し、その加算後の信号をカルマンフィルター120に出力する。
ゲインGA3の設定手法について説明する。まず、温度が変化したときのカルマンフィルター120の入力信号の変化をサイン波で近似する。図10に示すように、1次近似により傾きを考えると、下式(22)となる。k[digi/℃]はジャイロセンサーの物理量信号の温度変動係数である。ΔT[℃/sec]は1秒あたりの温度変化なので、kΔTは入力信号の変化の傾きである。その傾きを、周波数fのサイン波の傾き2πfで近似している。ΔTに上式(21)を代入し、fについて解くと下式(22)の右辺となる。
Figure 0006417659
DC値の変化の周波数がfと分かったので、その周波数がカルマンフィルター120を通過するようにゲインGA3を決める。即ち、上式(22)の周波数fをカットオフ周波数fとして、収束状態における上式(18)に代入すると、下式(23)となる。
Figure 0006417659
ジャイロセンサーの感度がSEN[digi/dps]であり、温度係数がTCOEFF[dps/℃]である場合、上式(23)は下式(24)となる。
Figure 0006417659
上記のようなゲインGA3を設定することで、収束状態におけるローパスフィルターのカットオフ周波数fを、周波数fに変化させてカルマンフィルター120を推定状態に戻すことができる。このとき、カットオフは周波数fとなるので、入力信号のDC成分の変化がぎりぎり通過することになる。
以上のようにして、温度変化によって、どの程度DC値が変化するかの情報をシステムノイズσsysとしてカルマンフィルター120に与えることができ、それによって温度変化によるDC成分の変化に対してカルマンフィルター120を追従させることができる。
6.電子機器、ジャイロセンサー
図11に本実施形態の信号処理装置100を含むジャイロセンサー510(広義にはセンサー)と、ジャイロセンサー510を含む電子機器500の構成例を示す。なお電子機器500、ジャイロセンサー510は図11の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。また本実施形態の電子機器500としては、デジタルカメラ、ビデオカメラ、スマートフォン、携帯電話機、カーナビゲーションシステム、ロボット、ゲーム機、時計、健康器具、或いは携帯型情報端末等の種々の機器を想定できる。
電子機器500はジャイロセンサー510と処理部520を含む。また温度センサー190、メモリー530、操作部540、表示部550を含むことができる。処理部520(CPU、MPU等)はジャイロセンサー510等の制御や電子機器500の全体制御を行う。また処理部520は、ジャイロセンサー510により検出された角速度情報(広義には物理量)に基づいて処理を行う。例えば角速度情報に基づいて、手ぶれ補正、姿勢制御、GPS自律航法などのための処理を行う。メモリー530(ROM、RAM等)は、制御プログラムや各種データを記憶したり、ワーク領域やデータ格納領域として機能する。操作部540はユーザーが電子機器500を操作するためのものであり、表示部550は種々の情報をユーザーに表示する。
ジャイロセンサー510は振動子10、検出装置20を含む。図11の振動子10(広義には物理量トランスデューサー)は、水晶などの圧電材料の薄板から形成される音叉型の圧電振動子であり、駆動用振動子11、12と、検出用振動子16、17を有する。駆動用振動子11、12には駆動端子2、4が設けられ、検出用振動子16、17には検出端子6、8が設けられている。
検出装置20は、駆動回路30と検出回路60と信号処理装置100を含む。駆動回路30は、駆動信号(駆動電圧)を出力して振動子10を駆動する。そして振動子10からフィードバック信号を受け、これにより振動子10を励振させる。検出回路60は、駆動信号により駆動される振動子10から検出信号(検出電流、電荷)を受け、検出信号から、振動子10に印加された物理量に応じた所望信号(物理量信号、コリオリ力信号)を検出(抽出)する。
具体的には、駆動回路30からの交流の駆動信号(駆動電圧)が駆動用振動子11の駆動端子2に印加される。すると逆電圧効果によって駆動用振動子11が振動を開始し、音叉振動により駆動用振動子12も振動を開始する。この時、駆動用振動子12の圧電効果によって発生する電流(電荷)が、駆動端子4からフィードバック信号として駆動回路30にフィードバックされる。これにより振動子10を含む発振ループが形成される。
駆動用振動子11、12が振動すると、検出用振動子16、17が図11に示す方向で振動速度vで振動する。すると、検出用振動子16、17の圧電効果によって発生する電流(電荷)が、検出信号(第1、第2の検出信号)として検出端子6、8から出力される。すると、検出回路60は、この振動子10からの検出信号を受け、コリオリ力に応じた信号である所望信号(所望波)を検出する。即ち、検出軸19を中心に振動子10(ジャイロセンサー)が回転すると、振動速度vの振動方向と直交する方向にコリオリ力Fcが発生する。例えば検出軸19を中心に回転したときの角速度をωとし、振動子の質量をmとし、振動子の振動速度をvとすると、コリオリ力はFc=2m・v・ωと表される。従って検出回路60が、コリオリ力に応じた信号である所望信号を検出することで、ジャイロセンサーの回転角速度ωを求めることができる。そして求められた角速度ωを用いることで、処理部520は、手振れ補正、姿勢制御、或いはGPS自律航法等のための種々の処理を行うことができる。
なお図11では、振動子10が音叉型である場合の例を示しているが、本実施形態の振動子10はこのような構造に限定されない。例えばT字型やダブルT字型等であってもよい。また振動子10の圧電材料は水晶以外であってもよい。
7.検出装置
図12に本実施形態の検出装置20の構成例を示す。検出装置20は、駆動回路30と検出回路60と信号処理装置100(デジタル処理部)を含む。
駆動回路30は、振動子10からのフィードバック信号DIが入力される増幅回路32と、自動ゲイン制御を行うゲイン制御回路34と、駆動信号DQを振動子10に出力する駆動信号出力回路36を含む。また同期信号SYCを検出回路60に出力する同期信号出力回路38を含む。なお、駆動回路30の構成は図12に限定されず、これらの構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
増幅回路32(I/V変換回路)は、振動子10からのフィードバック信号DIを増幅する。例えば振動子10からの電流の信号DIを電圧の信号DVに変換して出力する。この増幅回路32は、キャパシター、抵抗素子、演算増幅器などにより実現できる。
駆動信号出力回路36は、増幅回路32による増幅後の信号DVに基づいて、駆動信号DQを出力する。例えば駆動信号出力回路36は、矩形波(又は正弦波)の駆動信号を出力する。この駆動信号出力回路36はコンパレーター等により実現できる。
ゲイン制御回路34(AGC)は、駆動信号出力回路36に制御電圧DSを出力して、駆動信号DQの振幅を制御する。具体的には、ゲイン制御回路34は、信号DVを監視して、発振ループのゲインを制御する。例えば駆動回路30では、ジャイロセンサーの感度を一定に保つために、振動子10(駆動用振動子)に供給する駆動電圧の振幅を一定に保つ必要がある。このため、駆動振動系の発振ループ内に、ゲインを自動調整するためのゲイン制御回路34が設けられる。ゲイン制御回路34は、振動子10からのフィードバック信号DIの振幅(振動子の振動速度v)が一定になるように、ゲインを可変に自動調整する。
同期信号出力回路38は、増幅回路32による増幅後の信号DVを受け、同期信号SYC(参照信号)を検出回路60に出力する。この同期信号出力回路38は、正弦波(交流)の信号DVの2値化処理を行って矩形波の同期信号SYCを生成するコンパレーターや、同期信号SYCの位相調整を行う位相調整回路(移相器)などにより実現できる。
検出回路60は、増幅回路62、同期検波回路64、A/D変換回路66を含む。増幅回路62は、振動子10からの第1、第2の検出信号IQ1、IQ2を受けて、信号増幅や電荷−電圧変換を行う。同期検波回路64は、駆動回路30からの同期信号SYCに基づいて同期検波を行う。A/D変換回路66は、同期検波後の信号のA/D変換を行う。
信号処理装置100は、上述したように、所望信号からDCオフセット(DC成分)を抽出し、所望信号からDCオフセットを除去する。また、信号処理装置100は、各種のデジタル信号処理を行ってもよい。例えば信号処理装置100は、所望信号のアプリケーションに応じた帯域制限のデジタルフィルター処理や、A/D変換回路66等により発生したノイズを除去するデジタルフィルター処理を行う。また、ゲイン補正(感度調整)、オフセット補正などのデジタル補正処理を行う。信号処理装置100は、例えばDSP(Digital Signal Processor)により実現できる。
8.移動体
図13に本実施形態の検出装置20を含む移動体の例を示す。本実施形態の検出装置20は、例えば、車、飛行機、バイク、自転車、或いは船舶等の種々の移動体に組み込むことができる。移動体は、例えばエンジンやモーター等の駆動機構、ハンドルや舵等の操舵機構、各種の電子機器を備えて、地上や空や海上を移動する機器・装置である。
図13は移動体の具体例としての自動車206を概略的に示している。自動車206には、振動子10と検出装置20を有するジャイロセンサー510(センサー)が組み込まれている。ジャイロセンサー510は車体207の姿勢を検出する。ジャイロセンサー510の物理量信号は車体姿勢制御装置208に供給される。車体姿勢制御装置208は例えば車体207の姿勢に応じてサスペンションの硬軟を制御したり個々の車輪209のブレーキを制御したりする。その他、こういった姿勢制御は二足歩行ロボットや航空機、ヘリコプター等の各種の移動体において利用することができる。姿勢制御の実現にあたってジャイロセンサー510を組み込むことができる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本発明の範囲に含まれる。また信号処理装置、検出装置、センサー、電子機器、移動体の構成・動作等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
2,4 駆動端子、6,8 検出端子、10 振動子、11,12 駆動用振動子、
15 物理量トランスデューサー、16,17 検出用振動子、19 検出軸、
20 検出装置、30 駆動回路、32 増幅回路、34 ゲイン制御回路、
36 駆動信号出力回路、38 同期信号出力回路、60 検出回路、
62 増幅回路、64 同期検波回路、66 A/D変換回路、
100 信号処理装置、110 ノイズ推定部、120 カルマンフィルター、
121 減算部、130 第1の推定部、131 ハイパスフィルター、
132 ローパスフィルター、133 ローパスフィルター、134 リミッター、
135 ゲイン処理部、136 加算部、140 第2の推定部、
141 ピークホールド部、142 加算部、150 第3の推定部、
151 絶対値算出部、152 ゲイン処理部、153 リミッター、
154 乗算部、160 第4の推定部、161 遅延部、162 減算部、
163 ローパスフィルター、164 ゲイン処理部、166 乗算部、
167 加算部、171 ローパスフィルター、172 遅延部、
173 ローパスフィルター、175 減算部、176 加算部、177 記憶部、
178 読み出し部、180 コンパレーター(監視部)、190 温度センサー、
206 自動車、207 車体、208 車体姿勢制御装置、209 車輪、
500 電子機器、510 ジャイロセンサー、520 処理部、
530 メモリー、540 操作部、550 表示部、
DCQ DC成分、FL1 フラグ、GA1〜GA3 ゲイン、
PI 入力信号(物理量信号)、PQ 出力信号、σmeas 観測ノイズ、
σsys システムノイズ

Claims (9)

  1. 入力信号に応じて動的に変化する観測ノイズ及びシステムノイズを推定するノイズ推定部と、
    前記観測ノイズ及び前記システムノイズに基づいてカルマンフィルター処理を行って、前記入力信号のDC成分を抽出するカルマンフィルターと、
    を含み、
    前記ノイズ推定部は、
    前記入力信号に基づいて前記観測ノイズを推定し、推定した前記観測ノイズに対してゲイン処理を行うことで前記システムノイズを推定することを特徴とする信号処理装置。
  2. 請求項1に記載の信号処理装置において、
    前記ノイズ推定部は、
    前記入力信号を2乗平均し、前記2乗平均後の信号に対してリミッター処理を行うことで前記観測ノイズを推定することを特徴とする信号処理装置。
  3. 請求項1又は2に記載の信号処理装置において、
    前記ノイズ推定部は、
    前記カルマンフィルターの収束状態におけるローパスフィルター動作のターゲットカットオフ周波数に基づいて設定されるゲインにより、前記観測ノイズに対して前記ゲイン処理を行うことを特徴とする信号処理装置。
  4. 入力信号に応じて動的に変化する観測ノイズ及びシステムノイズを推定するノイズ推定部と、
    前記観測ノイズ及び前記システムノイズに基づいてカルマンフィルター処理を行って、前記入力信号のDC成分を抽出するカルマンフィルターと、
    を含み、
    前記ノイズ推定部は、
    前記入力信号に対してハイパスフィルター処理を行い、前記ハイパスフィルター処理後の信号に基づいて前記観測ノイズを増加させる処理を行うことを特徴とする信号処理装置。
  5. 請求項4に記載の信号処理装置において、
    前記ノイズ推定部は、
    前記ハイパスフィルター処理後の信号に対してピークホールド処理を行い、前記ピークホールド処理後の信号に基づいて前記観測ノイズを増加させることを特徴とする信号処理装置。
  6. 物理量トランスデューサーを駆動する駆動回路と、
    前記物理量トランスデューサーからの検出信号を受けて、物理量に応じた物理量信号を検出する検出回路と、
    前記物理量信号を前記入力信号として前記DC成分を抽出する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の信号処理装置と、
    を含むことを特徴とする検出装置。
  7. 請求項に記載の検出装置と、
    前記物理量トランスデューサーと、
    を含むことを特徴とするセンサー。
  8. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の信号処理装置を含むことを特徴とする電子機器。
  9. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の信号処理装置を含むことを特徴とする移動体。
JP2013256722A 2013-12-12 2013-12-12 信号処理装置、検出装置、センサー、電子機器及び移動体 Active JP6417659B2 (ja)

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