JP6417304B2 - ひび割れ測定装置 - Google Patents

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本発明は、載荷状況によって開き具合などが変動するひび割れを測定するひび割れ測定装置に関するものである。
特許文献1に開示されているように、鉄筋コンクリート製のコンクリート構造物に、ひび割れが発生していないかなどの健全性を診断する方法が知られている。
平常時でも表面にひび割れが視認できるような状態のコンクリート構造物であれば、目視による観察によって損傷や劣化の程度を判断して健全性の診断とすることができる。
これに対して、荷重が載荷されたときにのみ開くひび割れが発生しているコンクリート構造物であると、目視観察だけではこのようなひび割れは見逃され、健全性の評価が過大となるおそれがある。
そこで、このようなコンクリート構造物には、特許文献1に開示されているようにコンクリート構造物の固有振動数を測定することで、健全性を診断する方法が開発されている。
一方、特許文献2に開示されているように、レーザー光と、再帰性反射体とを組み合わせた、物体の位置や幅を測定する測定装置が知られている。ここで、再帰性反射体とは、入射された光を光源方向に戻すことができる反射材である。
また、特許文献3の図4(第3実施例)には、レーザー光発射手段とレーザー光受光手段とを直線的に設置できない場合に、レーザー光の方向を偏向させるためのプリズムを中間に配置することが開示されている。
さらに、特許文献4には、非接触型振動計を使って構造物の測定を行う場合に、振動計が設置場所から受ける振動や風などの影響を取り除くことが可能な構成が開示されている。これによって、大型の構造物に生じる微動のような非常に小さい振動であっても測定ができるようになる。
特開2011−247700号公報 特開平8−193809号公報 特開2006−258613号公報 特開2004−184377号公報
このように、工業製品に比べて規模の大きな構造物についても、微小な測定を行わなければならない場合がある。そして、その測定は、高い精度が求められる。
そこで、本発明は、測定されるひび割れを増幅させることで、微小なひび割れであっても精度よく測定することが可能なひび割れ測定装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明のひび割れ測定装置は、載荷状況によって変動するひび割れを測定するひび割れ測定装置であって、レーザー光の照射部と反射されてきたレーザー光の検知部とを有するレーザー式計測器と、前記照射部から照射された前記レーザー光を平行光にするコリメータレンズ部と、測定対象範囲を通った前記平行光を再帰性反射させる複数の再帰性反射部を有する後方反射体と、前記測定対象範囲を挟んで前記後方反射体に対向する位置に設置されて、前記後方反射体によって再帰性反射された前記平行光を再帰性反射させる複数の再帰性反射部を有する前方反射体とを備え、前記再帰性反射部は、入射光路と出射光路とが異なる再帰性反射材であるとともに、前記後方反射体と前記前方反射体のそれぞれ対峙する前記再帰性反射部間には、前記入射光路と前記出射光路との差分に基づくズレが存在しており、前記後方反射体の再帰性反射部と前記前方反射体の再帰性反射部との間で複数回の再帰性反射がされた前記平行光が、前記前方反射体の折返し反射部で折り返されて、前記コリメータレンズ部を経て前記レーザー式計測器の検知部に入射されることを特徴とする。
ここで、前記前方反射体には、前記コリメータレンズ部が設けられ、前記コリメータレンズ部を通過した前記平行光は、前記測定対象範囲を通って、前記後方反射体の第1の前記再帰性反射部に入射されて再帰性反射し、その再帰性反射した平行光は前記前方反射体の第1の前記再帰性反射部で再帰性反射して前記後方反射体の第1の再帰性反射部に隣接する第2の再帰性反射部に入射され、さらにその再帰性反射した平行光が前記前方反射体の第1の再帰性反射部に隣接する第2の再帰性反射部に入射されるという多重反射が任意の回数繰り返された後に、前記折返し反射部で折り返されて往路と同じ復路を通った前記平行光が前記コリメータレンズ部を通過する構成とすることができる。
また、前記レーザー式計測器と前記コリメータレンズ部との間に、前記レーザー光の向きを変える偏向レンズ部が配置された構成とすることもできる。さらに、前記再帰性反射部は、コーナーキューブによって形成され、前記折返し反射部は正反射材によって形成される構成とすることができる。
また、前記再帰性反射部は、再帰性反射シートによって形成される構成であってもよい。さらに、前記レーザー式計測器は、レーザドップラ振動計とすることができる。
このように構成された本発明のひび割れ測定装置は、ひび割れが発生している可能性のある測定対象範囲を挟んで、複数の再帰性反射部を有する後方反射体と、複数の再帰性反射部を有する前方反射体とを配置する。
そして、後方反射体と前方反射体との間で再帰性反射が繰り返されると、微小なひび割れであっても、横断させた回数に比例して光路が長くなるので、測定されるひび割れを増幅させることができる。
このため、微小なひび割れであっても、精度よく測定することが可能となる。すなわち、微小なひび割れをそのまま測定すれば、様々な影響を受けやすくなるが、ひび割れ幅を増幅させることによって影響を相対的に小さくすることができれば、測定精度を向上させることができる。
また、レーザー式計測器とコリメータレンズ部との間に、レーザー光の向きを変える偏向レンズ部を配置することによって、測定対象範囲がどのような場所にあっても、測定しやすい場所でレーザー式計測器による測定を行うことができるようになる。
さらに、後方反射体及び前方反射体の再帰性反射部は、コーナーキューブや再帰性反射シートを利用することによって、簡単に製作することができる。
本実施の形態のひび割れ測定装置の構成及び作用を説明する図であって、(a)は再帰性反射が繰り返されるレーザー光の往路を説明する図、(b)再帰性反射が繰り返されるレーザー光の復路を説明する図である。 本実施の形態のひび割れ測定装置の全体構成及び測定方法を説明する模式図である。 ひび割れを挟んで配置される後方反射体と前方反射体の取り付け状況を説明する斜視図である。 再帰性反射部のプリズム反射を説明する斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態のひび割れ測定装置の構成及び作用を説明するための図である。このひび割れ測定装置では、載荷状況によって変動するひび割れを測定することができる。
載荷状況によって変動するひび割れとは、例えば載荷前と載荷中とでは、ひび割れの幅や数などが変化する状態をいう。測定対象は、コンクリート構造物に限定されるものではなく、鋼構造物や複合構造物などであってもよい。
測定対象がコンクリート構造物であれば、例えば鉄筋コンクリート構造物、プレストレストコンクリート構造物又は鋼材とコンクリートとの合成断面の構造物などが、コンクリート構造物に該当する。
また、測定対象は、桁部材、梁部材、床版、柱部材、壁部材、橋脚などいずれの形態であってもよい。図2には、コンクリート構造物であるRC桁1を、測定対象として例示した。
このRC桁1は、橋梁10において、橋脚12,12間に架け渡される鉄筋コンクリート製の長尺部材である。この橋梁10のRC桁1に対する載荷は、例えば列車Tの走行によって行われる。
列車Tの走行によってRC桁1に載荷がされると、RC桁1の上面1aが圧縮側となり、下面1bが引張側となる曲げが生じる。そして、コンクリートは、引張強度よりも圧縮強度の方がはるかに大きい特性を有するため、RC桁1では引張側(下面1b側)にひび割れM1が発生する可能性が高い。
このひび割れM1は、列車Tの走行前には閉じていたとしても、列車Tの走行中や、その後の残留振動中には、ひび割れM1の幅が大きくなる場合がある。また、ひび割れM1の周囲に、列車Tの走行中にのみ新たなひび割れが発生することもある。
そこで、図3に示すように、このひび割れM1が含まれる領域を測定対象範囲Mとして、この測定対象範囲Mの変動を測定する。図中では、測定対象範囲Mに1本のひび割れM1のみを図示したが、これに限定されるものではなく、複数のひび割れがあってもよい。
この測定対象範囲Mの変動を測定する本実施の形態のひび割れ測定装置は、図2,3に示すように、レーザー光Lの照射部(図示省略)と反射されてきたレーザー光Lの検知部(図示省略)とを有するレーザー式計測器2と、ひび割れM1を含む測定対象範囲Mを通ったレーザー光Lを再帰性反射させる後方反射体4と、測定対象範囲Mを挟んで後方反射体4に対向する位置に設置される前方反射体3とによって主に構成される。
レーザー式計測器2には、レーザドップラ振動計を使用することができる。レーザドップラ振動計は、センサヘッド(照射部)からレーザー光LをRC桁1に向けて照射し、反射されたレーザー光を受光(検知部)する装置である。
測定対象範囲Mが載荷によって変動(振動)していれば、反射されたレーザー光Lはドップラーシフトしたレーザー光Lとなっており、周波数(速度)の変化が電圧に変換されて振動現象として検出することができる。
そして、レーザドップラ振動計によって測定された速度信号を積分処理することによって、測定対象範囲Mの変動(変位)に変換された出力を行うことができる。
また、レーザー式計測器2は、設置場所となる地上面11から受ける振動や風などの影響を取り除くための接触型振動計が取り付けられた構成とすることができる(特許文献4参照)。
レーザー式計測器2と測定対象範囲Mとの間には、図2に示すように、レーザー光Lの向きを変える偏向レンズ部5が配置される。詳細には、偏向レンズ部5は、RC桁1の下面1bに取り付けられる。
偏向レンズ部5は、プリズム51と、プリズム51の角度を変更することが可能な回動基台52とによって主に構成される。地上面11に設置されたレーザー式計測器2から仰角で偏向レンズ部5に向けて照射されたレーザー光Lは、プリズム51によってRC桁1の下面1bと略平行する向きに偏向される。
図3は、RC桁1の下面1b側を上向きにして測定対象範囲M周辺を見た斜視図である。測定対象範囲Mは、ひび割れM1が確認できているときは、それを含む領域を任意に設定することができる。
測定対象範囲Mの両側には、板状の前方反射体3及び後方反射体4が、対峙した状態となるように取り付けられる。前方反射体3は、取付部34,34を介して下面1bに固定され、後方反射体4は、取付部42,42を介して下面1bに固定される。
そして、測定対象範囲Mよりも偏向レンズ部5側に配置される前方反射体3には、レーザー光Lを平行光L1にするコリメータレンズ部31が設けられる。コリメータレンズ部31とは、図1に示すように、入射されるレーザー光Lから平行光L1が得られるようにするために収差補正されたレンズである。
コリメータレンズ部31を通過した平行光L1は、測定対象範囲Mを通って、後方反射体4の第1の再帰性反射部41Aに入射される。この後方反射体4には、複数の再帰性反射部41A,41B,41C,41Dが隣接して設けられる。再帰性反射部41A−41Dの構成は同じであるため、以下、再帰性反射部41Aを例にして説明を進める。
再帰性反射部41Aは、入射された光を、向きを反対にして略平行な出射光にして戻すことができる再帰性反射材である。このような再帰性反射材には、プリズム反射材、ガラスビーズなどによって形成されるビーズ反射材などがある。
図4には、プリズム反射材によって形成された再帰性反射部41Aの斜視図を示した。プリズム反射材は、3枚の直角三角形の鏡面R1−R3によって構成される三角錐状のレンズである。
再帰性反射部41Aに向けて入射光路L3によって入射された光は、鏡面R1で反射した後に、それに直交する鏡面R2で反射し、さらに鏡面R1,R2と直交する鏡面R3で反射して、出射光路L4に示すように再帰性反射部41Aから出射される。
この入射光路L3と出射光路L4とは、略平行で向きが正反対になる。また、入射光路L3と出射光路L4とは異なっており、一致していない。すなわち、入射光路L3と出射光路L4との間には、離隔(ズレ)が存在する。本実施の形態のひび割れ測定装置は、この入射光路L3と出射光路L4とのズレを利用して測定したい距離を増幅させる。
後方反射体4の再帰性反射部41Aで再帰性反射した平行光L1は、図1,3に示すように、前方反射体3の第1の再帰性反射部32Aに入射される。この前方反射体3にも、複数の再帰性反射部32A,32B,32Cが隣接して設けられる。これらの再帰性反射部32A−32Cも、上述した再帰性反射部41Aと同じ構成である。
ここで、図1に示すように、後方反射体4と前方反射体3とは、測定対象範囲Mを挟んで平行に配置されている。そして、後方反射体4の再帰性反射部41Aと、それに対峙する前方反射体3の再帰性反射部32Aとの間には、ズレが存在している。
詳細には、図1に示した再帰性反射部41Aに対して再帰性反射部32Aは、鏡面の一枚分、前方反射体3及び後方反射体4の延伸方向において右側にずれている。
このため、図上で再帰性反射部41Aの右側の鏡面から出射された平行光L1は、再帰性反射部32Aの左側の鏡面に入射され、右側の鏡面から後方反射体4に向けて出射される。
要するに、後方反射体4に設けられた再帰性反射部41A−41Dと、それらにそれぞれ対峙する前方反射体3の再帰性反射部32A−32Cとの間には、入射光路L3と出射光路L4との差分に基づくズレが存在している。
この結果、平行光L1は、再帰性反射部41A,32A,41B,32B,41C,32C,41Dという順に再帰性反射を繰り返すうちに、図上で左側から右側に向けて進行していくことになる。
そして、後方反射体4の最後の再帰性反射部41Dで再帰性反射された平行光L1は、前方反射体3の最後の再帰性反射部32Cに隣接して設けられた折返し反射部33に入射される。
折返し反射部33は、コリメータレンズ部31から離隔する方向に進行してきた平行光L1を、再びコリメータレンズ部31を通させるために折り返させる反射材である。
折返し反射部33は、平面鏡などの正反射材によって形成される。正反射材であれば、入射角が0度の光を出射角0度で反射させることができる。要するに、再帰性反射部41Dの右側の鏡面によって反射された平行光L1は、折返し反射部33によって正反射(鏡面反射)されて、同じく再帰性反射部41Dの右側の鏡面に入射される。
図1(a)は、上述したように再帰性反射が繰り返される平行光L1の往路を分かり易く図示した図である。すなわち、レーザー式計測器2から照射されたレーザー光Lは、コリメータレンズ部31を通って平行光L1となり、ひび割れM1の一度目の横断が行われる。
そして、再帰性反射部41Aによって再帰性反射された平行光L1は、2度目のひび割れM1の横断を行う。特許文献2に開示されているような従来のレーザー光と1体の再帰性反射体とを組み合わせただけの測定装置であれば、測定対象範囲Mを往復で2回通過するだけなので、この段階で計測器にレーザー光Lが戻ることになる。
これに対して本実施の形態のひび割れ測定装置の後方反射体4と前方反射体3との間の再帰性反射は、この後も続くことになる。すなわち、再帰性反射部32Aで再帰性反射された平行光L1は、再帰性反射部41Bに入射されて再帰性反射することによって、さらにひび割れM1を2回通過することになる。
続いて再帰性反射部32Bでの再帰性反射と、再帰性反射部41Cでの再帰性反射とによって、さらに2回のひび割れM1の通過が加算される。そして、再帰性反射部32Cでの再帰性反射と再帰性反射部41Dでの再帰性反射とによって、さらに2回のひび割れM1の通過が追加される。
要するに、コリメータレンズ部31から折返し反射部33までの平行光L1の光路(往路)によって、従来の1回の再帰性反射が行われるだけの測定装置と比べて、4倍の長さの光路とすることができる。
一方、図1(b)は、折返し反射部33で折り返された平行光L1の復路を分かり易く図示した図である。この復路においても、8回のひび割れM1の通過が行われる。
このため、コリメータレンズ部31から折返し反射部33で折り返されて、再びコリメータレンズ部31を通ってレーザー式計測器2に反射光L2として戻る光は、従来の1回の再帰性反射が行われるだけの測定装置と比べて、測定対象範囲Mを8倍の長さに増幅する。
このことは、換言すると、従来に比べて8倍の幅でひび割れM1を測定できることを意味する。このように再帰性反射を繰り返させることによって、0.01mm−0.5mm程度の微小なひび割れM1であっても、測定が可能となる。
上述した後方反射体4の再帰性反射部41A−41D及び前方反射体3の再帰性反射部32A−32Cは、プリズム反射材やビーズ反射材を並べて形成することができる。また、市販の再帰性反射シートを利用することもできる。
続いて、本実施の形態のひび割れ測定装置を使用したひび割れの測定方法について説明する。まず、図示しない足場などを組み立てるなどして、図2に示すように、前方反射体3、後方反射体4及び偏向レンズ部5を、RC桁1の下面1bに取り付ける。
前方反射体3及び後方反射体4の取り付けは、図3に示すように、目視が可能なひび割れM1が存在している場合は、そのひび割れM1を含む領域が測定対象範囲Mとなる。ここで、目視によって確認可能なひび割れ幅は、0.2mm以上と言われている。
この測定対象範囲Mに含まれるひび割れは、1本に限定されるものではない。数本のひび割れの変動をまとめて測定したい場合は、測定対象範囲Mを複数のひび割れが含まれる領域に広げることができる。
また、目視できるひび割れが存在しない場合でも、最もひび割れが入る可能性が高い箇所、例えばRC桁1の長手方向の略中央の下面1bを測定対象範囲Mに設定することができる。
前方反射体3と後方反射体4は、測定対象範囲Mを挟んで平行となるように設置される。また、前方反射体3と後方反射体4は、再帰性反射部32A−32Cと再帰性反射部41A−41Dとが測定対象範囲Mを挟んで対峙されるようにして下面1bに固定される。
さらに、図1に示すように、再帰性反射部41Aに対して再帰性反射部32Aは、鏡面の1枚分だけ平行線方向で右側にずらされる。このため、再帰性反射部41Aに連続する再帰性反射部41B−41Dと、再帰性反射部32Aに連続する再帰性反射部32B,32Cとの間にも、鏡面1枚分のズレが生じることになる。
一方、偏向レンズ部5は、前方反射体3とレーザー式計測器2の設置予定位置との間に設置される。偏向レンズ部5のプリズム51の向きは、レーザー式計測器2の設置後に調整することもできる。
そして、地上面11においては、偏向レンズ部5に向けてレーザー光Lの照射が可能となる位置にレーザー式計測器2を設置する。レーザー式計測器2の設置後は、照射されたレーザー光Lが偏向レンズ部5で向きを変えて前方反射体3のコリメータレンズ部31に入射されることを確認する。
このようにしてひび割れ測定装置をセッティングした後に、橋梁10のRC桁1に対して、列車Tを走行させる。この列車Tの走行によってRC桁1には曲げが生じ、それに伴ってひび割れM1の幅が変動することになる。
このひび割れM1の幅の変動は、レーザー式計測器2によって連続して測定される。この経時的に測定された値を分析することによって、載荷状況によって変動するひび割れの状態を把握することができるようになる。
そして、本実施の形態のひび割れ測定装置であれば、ひび割れM1の幅が0.01mmと非常に微小であっても、従来の8倍にひび割れM1の幅が増幅されて測定されるので、ひび割れM1の変動を正確に把握することができる。
次に、本実施の形態のひび割れ測定装置の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態のひび割れ測定装置は、ひび割れM1が発生している可能性のある測定対象範囲Mを挟んで、複数の再帰性反射部41A−41Dを有する後方反射体4と、複数の再帰性反射部32A−32Cを有する前方反射体3とを配置する。
そして、後方反射体4と前方反射体3との間で再帰性反射が繰り返されると、微小なひび割れM1であっても、横断させた回数に比例して光路が長くなるので、測定されるひび割れM1の幅を増幅させることができる。
このため、0.01mm−0.5mm程度の微小なひび割れM1であっても、精度よく測定することが可能となる。すなわち、微小なひび割れM1をそのまま測定すれば、レーザー式計測器2を設置した地上面11の振動や風などの様々な影響を受けやすくなる。
このような影響に対して、0.01mmという極微小なひび割れM1を直接、測定することは難しいが、ひび割れM1の幅を増幅することによって影響を相対的に小さくすることができれば、簡単に測定精度を向上させることができる。
また、近年、プレストレストコンクリート技術が発達して、桁の低剛性化が可能となって動的応答の大きな橋梁が増えてきたことに伴い、載荷時のみ瞬間的にひび割れが開口するコンリート構造物の適切な評価が必要になりつつある。
このような状況において、目視では確認ができない、瞬間的に開口するひび割れM1を正確に測定できれば、コンクリート構造物の健全性を的確に評価することができるようになる。
また、レーザー式計測器2と前方反射体3のコリメータレンズ部31との間に、レーザー光Lの向きを変える偏向レンズ部5を配置することによって、測定対象範囲Mがどのような場所にあっても、測定しやすい場所でレーザー式計測器2による測定を行うことができるようになる。
さらに、前方反射体3及び後方反射体4の再帰性反射部32A−32C,41A−41Dは、プリズム反射材などのコーナーキューブや再帰性反射シートを利用することによって、簡単に製作することができる。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば前記実施の形態では、RC桁1であるコンクリート構造物を測定対象として説明したが、これに限定されるものではなく、プレストレストコンクリート製のPRC桁や鉄骨とコンクリートの合成断面となるSRC桁や鋼構造物や石造構造物など、様々なひび割れが発生する構造物を測定対象とすることができる。
また、前記実施の形態では、列車Tの通過による荷重を載荷として説明したが、これに限定されるものではなく、自動車や地震動や風などが荷重として載荷される場合であってもよい。
さらに、前記実施の形態では、レーザー式計測器2としてレーザドップラー振動計を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば検知部が、照射部から照射された時刻から後方反射体4及び前方反射体3で再帰性反射を繰り返して検知部に戻るまでの時刻となる時間の長さを測定できるものであれば、測定される反射光L2の到達時間の長さの変化から、ひび割れの変動を測定することができる。
また、前記実施の形態では、後方反射体4に4つの再帰性反射部41A−41Dを設け、前方反射体3に3つの再帰性反射部32A−32Cを設ける場合について説明したが、これに限定されるものではなく、後方反射体と前方反射体とに設けられる再帰性反射部の数は任意に設定することができる。再帰性反射部の数が多いほど、再帰性反射が繰り返される回数が増えるので、ひび割れM1の幅の増幅量も大きくすることができる。
さらに、前記実施の形態では、前方反射体3にコリメータレンズ部31が設けられた構成について説明したが、これに限定されるものではなく、前方反射体とは別にコリメータレンズ部を設置することもできる。
2 レーザー式計測器
3 前方反射体
31 コリメータレンズ部
32A−32C 再帰性反射部
33 折返し反射部
4 後方反射体
41A−41D 再帰性反射部
5 偏向レンズ部
L レーザー光
L1 平行光
L3 入射光路
L4 出射光路
M 測定対象範囲
M1 ひび割れ

Claims (6)

  1. 載荷状況によって変動するひび割れを測定するひび割れ測定装置であって、
    レーザー光の照射部と反射されてきたレーザー光の検知部とを有するレーザー式計測器と、
    前記照射部から照射された前記レーザー光を平行光にするコリメータレンズ部と、
    測定対象範囲を通った前記平行光を再帰性反射させる複数の再帰性反射部を有する後方反射体と、
    前記測定対象範囲を挟んで前記後方反射体に対向する位置に設置されて、前記後方反射体によって再帰性反射された前記平行光を再帰性反射させる複数の再帰性反射部を有する前方反射体とを備え、
    前記再帰性反射部は、入射光路と出射光路とが異なる再帰性反射材であるとともに、前記後方反射体と前記前方反射体のそれぞれ対峙する前記再帰性反射部間には、前記入射光路と前記出射光路との差分に基づくズレが存在しており、
    前記後方反射体の再帰性反射部と前記前方反射体の再帰性反射部との間で複数回の再帰性反射がされた前記平行光が、前記前方反射体の折返し反射部で折り返されて、前記コリメータレンズ部を経て前記レーザー式計測器の検知部に入射されることを特徴とするひび割れ測定装置。
  2. 前記前方反射体には、前記コリメータレンズ部が設けられ、前記コリメータレンズ部を通過した前記平行光は、前記測定対象範囲を通って、前記後方反射体の第1の前記再帰性反射部に入射されて再帰性反射し、その再帰性反射した平行光は前記前方反射体の第1の前記再帰性反射部で再帰性反射して前記後方反射体の第1の再帰性反射部に隣接する第2の再帰性反射部に入射され、さらにその再帰性反射した平行光が前記前方反射体の第1の再帰性反射部に隣接する第2の再帰性反射部に入射されるという多重反射が任意の回数繰り返された後に、前記折返し反射部で折り返されて往路と同じ復路を通った前記平行光が前記コリメータレンズ部を通過することを特徴とする請求項1に記載のひび割れ測定装置。
  3. 前記レーザー式計測器と前記コリメータレンズ部との間に、前記レーザー光の向きを変える偏向レンズ部が配置されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のひび割れ測定装置。
  4. 前記再帰性反射部は、コーナーキューブによって形成され、前記折返し反射部は正反射材によって形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のひび割れ測定装置。
  5. 前記再帰性反射部は、再帰性反射シートによって形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のひび割れ測定装置。
  6. 前記レーザー式計測器は、レーザドップラ振動計であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のひび割れ測定装置。
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