以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る改修前の間仕切り体となっているパネル型の間仕切りユニット10を含んで構成されている壁1の正面図が示され、この壁1は、学校内の2つの空間である教室と廊下を仕切るものである。非耐力壁となっている壁1は、それぞれが工場で製造されて施工現場である学校内の教室で立設施工されたパネル型の間仕切りユニット10,11を、図1で示す正面視で左右方向に連設することにより形成されており、図1で2個示されているパネル型の間仕切りユニット10が、本実施形態に係る改修前の間仕切り体である。
これらの間仕切りユニット10は同じ構造で構成されているため、左側の間仕切りユニット10について説明する。
このパネル型の間仕切りユニット10は、上部に上下二段の引き違い式障子10A,10Bを有し、これらの障子10A,10Bは透明又は半透明ガラスの嵌め込みで形成されているため、この間仕切りユニット10は、教室内へ採光と通気性を確保するためのものであり、下段の引き違い式障子10Bの下側は、不透明の遮断部材となっているパネル部材10Cにより構成された部分となっている。また、間仕切りユニット10は、図1の正面視で、上枠部材20と、下枠部材21と、左右の縦枠部材22,23とにより四角形の外輪郭が形成されているとともに、上枠部材20と下枠部材21の間において、左右の縦枠部材22,23に上下2本の横枠部材24,25が架け渡されたものとなっており、これらの上枠部材20と、下枠部材21と、左右の縦枠部材22,23と、上下2本の横枠部材24,25とが、間仕切りユニット10の構造材となっている。これらの構造材のうち、互いに接続部を有している構造材同士は、溶接やビス等の結合具で結合されている。
間仕切りユニット10の一部を構成するための間仕切りユニット構成部材となっているパネル部材10Cは、間仕切りユニット10の非構造材である。
上枠部材20と横枠部材24との間に上段の引き違い式障子10Aが配置されているとともに、横枠部材24と横枠部材25との間に下段の障子10Bが配置され、横枠部材25と下枠部材21との間に不透明のパネル部材10Cが配置されている。
図2は、図1のS2−S2線断面図であり、縦枠部材22は省略されている。また、図2において、上枠部材20、下枠部材21、左右の縦枠部材22,23についての間仕切りユニット厚さ方向の寸法がWで示されており、この寸法Wは、間仕切りユニット10全体としての厚さ寸法でもある。図2に示されているように、下枠部材21の下面には板状のアンカー部材26が結合され、このアンカー部材26は、コンクリート製の床2の内部に埋設されている配筋材に溶接等で接合されている。また、図2には示されていないが、上枠部材20の上面にも板状等のアンカー部材が結合され、このアンカー部材は、コンクリート製の天井3(図1を参照)の内部に内設されている配筋材に溶接等で接合されている。
なお、図1で示されているパネル型の間仕切りユニット11には、左右方向にスライド操作される引き戸11Aが設けられており、このため、この間仕切りユニット11は出入口用のためのものである。
図3は、図1のS3−S3線断面図であり、下枠部材21は省略されている。この図3に示されているように、間仕切りユニット10の左右の縦枠部材22,23のうち、左側の縦枠部材22は、出入口用の間仕切りユニット11の右側の縦枠部材27にビス等の結合具4で結合され、右側の縦枠部材23は、図1で示されている左右の2個の間仕切りユニット10のうち、右側の間仕切りユニット10の左側の縦枠部材22にビス等の結合具5で結合されている。
図2及び図3に示されているように、間仕切りユニット10の構成部材であるパネル部材10Cは、間仕切りユニット10の厚さ方向に配設された2枚の表面材30,31により左右の柱材32,33と中柱材34とを挟着し、これらの間に、例えば、ハニカム構造のペーパーコア等の充填材35を充填したものであり、2枚の表面材30,31のそれぞれは左右に一対設けられ、これらは中柱材34の箇所で連結されている。
図2に示されているように、横枠部材25の下面には、断面チャンネル状の保持部材36が設けられ、この保持部材36は、間仕切りユニット10の厚さ方向両側に2個形成されている突起36A,36Bを下向きにして横枠部材25の下面に溶接等で結合されている。下枠部材21の上面にも、断面チャンネル状の保持部材37が設けられ、この保持部材37は、間仕切りユニット10の厚さ方向両側に2個形成されている突起37A,37Bを上向きにして下枠部材21の上面に溶接等で結合されている。パネル部材10Cの上下両端部が、保持部材36の2個の突起36A,36Bの間と、保持部材37の2個の突起37A,37Bの間とに挿入されることにより、パネル部材10Cは、保持部材36,37に保持されて横枠部材25と下枠部材21との間に配置されている。また、図3に示されているように、左右の縦枠部材22,23には、互いに対向する内側の側面部において、外側へ窪んだ凹部22A,23Aが形成されており、これらの凹部22A,23Aにパネル部材10Cの左右両端部が嵌合されることにより、パネル部材10Cは、左右の縦枠部材22,23でも保持されている。
図4には、間仕切りユニット10を改修した後の間仕切り体であるパネル型の間仕切りユニット40が示されている。この改修後の間仕切りユニット40では、図4から分かるように、改修前の間仕切りユニット10の構造材となっている上枠部材20と、下枠部材21と、左右の縦枠部材22,23と、上下2本の横枠部材24,25とが、そのまま残されている。本実施形態では、図1において左右2個示されている間仕切りユニット10の両方が、間仕切りユニット40に改修されている。図4で左右2個示されている改修後の間仕切りユニット40のうち、図5及び図6は、左側の間仕切りユニット40を示す断面図であり、図5は、図4のS5−S5線断面図、図6は、図5のS6−S6線断面図である。
図5及び図6に示されているように、改修後の間仕切りユニット40の内部には、収納スペースSが設けられている。この収納スペースSの上下は、図5に示されているように、上下の間隔をあけて配設された上枠41と下枠42により形成されており、このため、これらの上枠41と下枠42は、収納スペースSを形成するための収納スペース形成部材となっている。また、上枠41は横枠部材25に、長寸のビス等による結合具43により結合されており、下枠42も下枠部材21に、長寸のビス等による結合具44により結合されている。
このため、本実施形態では、横枠部材25と下枠部材21とが、収納スペース形成部材となっている上枠41と下枠42を取り付けるために利用されており、このため、これらの横枠部材25と下枠部材21とが、改修前の間仕切りユニット10に存在していて、上枠41と下枠42を取り付けるために改修後の間仕切りユニット40に残されている間仕切り体形成部材となっている。
また、図1に示されている改修前の間仕切りユニット10の横枠部材25と下枠部材21に取り付けられる保持部材36,37も、図5から分かるように改修後の間仕切りユニット40に残されているため、これらの保持部材36,37も間仕切り体形成部材となっている。
なお、収納スペースSが形成されている箇所は、以上の説明から明らかなように、改修前の間仕切りユニット10のうち、充填材35により間仕切りユニット厚さ方向の寸法が形成されていたパネル部材10Cの配設箇所であり、このため、充填材35の全体又は略全体の配設箇所が収納スペースSとして有効利用されている。さらに、本実施形態では、収納スペースSの間仕切りユニット厚さ方向の寸法は、後述の説明から分かるように、充填材35の間仕切りユニット厚さ方向の寸法よりも大きくなっているため、収納スペースSは拡大されている。
図5に示されているように、上枠41は、上下に重ねられていて重ねられた部分で互いに溶接等で結合されたベース部材45と主部材46と補強部材47とで形成され、これらの部材45〜47は板金の折り曲げ品である。主部材46の前端は、前方へ、言い換えると、前述の教室側へ突出している突出部46Aとなっており、この突出部46Aは、間仕切りユニット厚さ方向の寸法がWで示されている左右の縦枠部材22,23の前面の位置を越えて前方へ突出している。下枠42は、上下に重ねられていて重ねられた部分で互いに溶接等で結合された補強部材48と主部材49と覆い部材50とで形成され、これらの部材48〜50も板金の折り曲げ品である。主部材49の前端も、前方へ突出している突出部49Aとなっており、この突出部49Aの突出量は、上枠41の主部材46の突出部46Aの突出量と同じ又は略同じである。
そして、上枠41の主部材46の突出部46Aは、上枠41の前方へ突出する突出部41Aとなっており、下枠42の主部材49の突出部49Aは、下枠42の前方へ突出する突出部42Aとなっている。また、上枠41の突出部41Aは、横枠部材25の前面を覆っており、さらに、下枠42の突出部42Aの下面は、床2に接触又は接近する位置まで達しており、これにより、下枠42に前方へ突出する突出部42Aが設けられていても、下枠42と床2との間に隙間が生じない又は殆ど生じないようになっている。
図5に示されているように、上枠41のベース部材45の後端には、下向きの突条部45Aが屈曲形成され、下枠42の覆い部材50の後端には、上向きの突条部50Aが屈曲形成されている。また、上枠41のベース部材45の下面には、下面部材51がビス等の結合具52により取り付けられ、この下面部材51における間仕切りユニット厚さ方向両端部である前後両端部には、下向きの突条部51A,51Bが折り曲げで形成されている。上枠41の主部材46の後端には立上部46Bが形成され、この立上部46Bには、ビス等の結合具53により断面逆L字状の押し縁部材54が結合されている。また、下枠42の覆い部材50の上面には、上面部材55がビス等の結合具56により取り付けられ、この上面部材55における間仕切りユニット厚さ方向両端部である前後両端部には、上向きの突条部55A,55Bが折り曲げで形成されている。
図6に示されているように、間仕切りユニット40の左右の縦枠部材22,23の前面には、板金の折り曲げ品である化粧部材57,58がビス等の結合具59,60により取り付けられている。これらの化粧部材57,58は、上枠41から下枠42までの上下長さを有するものであって、化粧部材57,58の上下部により、上枠41と下枠42の突出部41A,42Aのそれぞれの左右両端面が覆われており、化粧部材57,58の上部形状は、上枠41の突出部41Aの形状と対応している。このため、化粧部材57,58の上下部により、上枠41と下枠42の突出部41A,42Aの左右両端面が隠されている。なお、図5では、化粧部材57が省略されている。また、化粧部材57,58の上下長さを上枠部材20から下枠部材21まで達する長さとしてもよい。
また、上枠41における左右の化粧部材57,58と対応する箇所の左右寸法を、これらの化粧部材57,58の左右幅寸法を含む寸法とするとともに、これらの化粧部材57,58の上下長さ寸法を上枠41の下面までの長さ寸法とし、上枠41における左右の化粧部材57,58と対応する箇所の左右両端面を板材等による塞ぎ部材で塞いでもよい。
図5及び図6に示されているように、収納スペースSの背面、言い換えると、前述した廊下側の面は、表面部材65により塞がれている。この表面部材65は、図6に示されている左右の2個の表面材66,67からなり、これらの表面材66,67の左右方向外端部はL字状に屈曲形成されたL字状部66A,67Aとなっている。これらのL字状部66A,67Aは、改修前の間仕切りユニット10のパネル部材10Cの左右両端部が嵌合されていた左右の縦枠部材22,23の凹部22A,23Aにビス等の結合具68,69で結合されたL字状部材70,71により、凹部22A,23Aに固定され、この固定は、L字状部66A,67Aが凹部22A,23AとL字状部材70,71とで挟着されることにより行われている。
また、左右の表面材66,67同士は、これらの表面材66,67の左右方向内端部に間仕切りユニット厚さ方向に互いに重ね合せられて形成されている重ね合せ部66B,67Bをビス等の結合具72で結合することにより、連結されている。それぞれの表面材66,67の収納スペースS側の内面には、断面ハット形状の補強部材74が取り付けられている。
収納スペースSの正面、言い換えると、前述した教室側の面は、収納スペースSを外部と連通させるための開口部75となっており、通常時の開口部75は、この開口部75を開閉するための開閉部材となっている左右2個の扉76,77により塞がれている。図8には、これらの扉76,77の正面図が示されている。扉76,77における収納スペースS側である内面部には、これらの扉76,77の左右方向外端部において、上下2個のピン78,79が設けられ、上側のピン78は、図5に示されているように、上枠41の突出部41Aの下面に形成されたピン挿入部となっている孔80に挿入され、下側のピン79は、下枠42の突出部42Aの上面に形成されたピン挿入部となっている孔81(図7も参照)に挿入されている。
このため、扉76,77は、上下方向を軸方向とするピン78,79を中心として、前述の収納スペース形成部材となっている上枠41と下枠42に対して回動自在となっており、この回動により、開口部75は扉76,77により開閉される。そして、左右2個の扉76,77は、正面視で観音開き式の扉となっている(図6の二点鎖線を参照)。それぞれの扉76,77における収納スペースS側の内面にも、図6に示されているように、断面ハット形状の補強部材74が取り付けられている。
また、図8で示されている下側のピン79は扉76,77に固定されているが、上側のピン78は扉76,77に上下移動自在に配設されているとともに、ばね78Aにより常時上昇限位置まで弾性付勢されている。また、上側のピン78には、このピン78をばね78Aに抗して引き下げ操作するための操作部78Bが設けられている。
扉77には、板キーが挿入される鍵穴82Aを備えた施錠装置82が上下2個設けられ、これらの施錠装置82は、図5に示されているように、鍵穴82Aに挿入した板キーを回動操作すると水平軸を中心に上下方向に回動する回動部材82Bを有する。これらの回動部材82Bが、上枠41に結合具52で取り付けられた下面部材51の突条部51Aと、下枠42に結合具56で取り付けられた上面部材55の突条部55Aとに、間仕切りユニット厚さ方向後側において対向することにより、扉77は施錠装置82で施錠されることになる。図6に示されているように、左右2個の扉76,77の左右方向内端部には、これらの扉76,77が開口部75を閉じているときに、互いに間仕切りユニット厚さ方向である収納スペースSの内外方向に重なり合っている重ね合せ部76A,77Aが形成されており、施錠装置82が設けられていない扉76の重ね合せ部76Aの位置は、施錠装置82が設けられている扉77の重ね合せ部76Aの位置よりも収納スペースSの内側の位置となっているため、扉77が施錠装置82で施錠されたとき、扉76も施錠されたことになる。なお、図6では施錠装置82が省略されている。
図7は、図5で示されている補強部材48と主部材49と覆い部材50とで構成されている下枠42だけを示す平面図であり、前述の上面部材55は除外されている。この下枠42には、図5で示す結合具56を螺入するための雌ねじ孔83と、図5で示す結合具44を挿通させるための孔84とが形成され、この孔84は左右方向に長い長孔となっている。また、間仕切りユニット40の左右の縦枠部材22,23の間に架け渡される横架部材となっているこの下枠42には、この下枠42の左右両端部において、弾性的に圧縮変形可能の発泡ウレタン等によるシール部材85が取り付けられており、このシール部材85は、下枠42の前後二箇所に配設されている。
図6に示されているように、下枠42の上に載せられている前述の上面部材55には、結合具44の頭部44Aを遊嵌できる孔86が形成され、上枠41の長孔84の位置と一致しているこの孔86も、左右方向に長い長孔となっている。
図5で示されているベース部材45と主部材46と補強部材47とで構成されている上枠41にも、図5で示す結合具52を螺入するための雌ねじ孔と、図5で示す結合具43を挿通させるための孔とが形成され、結合具43を挿通させるためのこの孔は、下枠42の孔84と同様に、左右方向に長い長孔となっている。また、下枠42と同様に、間仕切りユニット40の左右の縦枠部材22,23の間に架け渡される横架部材となっているこの上枠41にも、この上枠41の左右両端部において、弾性的に圧縮変形可能の発泡ウレタン等によるシール部材が取り付けられており、このシール部材は、上枠41の前後二箇所に配設されている。
なお、前述したように、上枠41における左右の化粧部材57,58と対応する箇所の左右寸法を、これらの化粧部材57,58の左右幅寸法を含む寸法とする場合には、シール部材を、上枠41の前後二箇所のうち、前記廊下側である後側だけに配設する。
上枠41の下面に配設される前述の下面部材51には、結合具43の頭部を遊嵌できる孔が形成され、この孔も左右方向に長い長孔となっている。
次に、図1で示したパネル型の間仕切りユニット10を、図4で示したパネル型の間仕切りユニット40に改修するための作業について説明する。この改修作業は、間仕切りユニット10を、この間仕切りユニット10が施工されている前述の学校内の教室の床2に固設したまま、すなわち、間仕切りユニット10を図1で示されている床2と天井3の間に立設固定したままの状態で行われる。
また、改修作業は、間仕切りユニット10で仕切られている2つの空間となっている前述の教室と廊下とのうち、廊下よりも大きい空間となっている教室に入った作業者が、この教室側から全部の作業について行うようになっている。
間仕切りユニット10を間仕切りユニット40に改修する作業は、間仕切りユニット10の一部を構成している構成部材となっていて、非構造材としてこの間仕切りユニット10に配設されている図2及び図3のパネル部材10Cを除去することから開始され、この除去作業は、パネル部材10Cを切断するカッター等の工具を用いて行われ、この工具を持つ作業者は、廊下よりも大きい空間である教室側から除去作業を行う。この除去作業ではパネル部材10Cだけを取り除くため、間仕切りユニット10を構成していた部材のうち、上枠部材20、下枠部材21、左右の縦枠部材22,23、上下の横枠部材24,25、保持部材36,37、上下2段の障子10A,10Bは、残される。
なお、除去されるパネル部材10Cは、間仕切りユニット10を構成していた部材のうち、強度がそれ程大きくない非構造材になっているものであるため、この除去作業を容易に行える。
間仕切りユニット10からパネル部材10Cを除去すると、この除去が行われた箇所は、間仕切りユニット10の厚さ方向に貫通した空間部となる。そして、この空間部における間仕切りユニット10の厚さ方向両側の面のうち、一方の面は、図6で示した改修後の間仕切りユニット40において、2個の表面材66,67からなる表面部材65で塞がれる背面となる面であり、他方の面は、開閉部材である2個の扉76,77で開閉自在に塞がれる正面となる面である。
以上のパネル部材10Cの除去作業が終了した後に、図6で示されている化粧部材57,58を結合具59,60で縦枠部材22,23に取り付ける作業を教室側から行う。この作業を行うとき、化粧部材58には結合具87で隙間塞ぎ部材88を取り付けておき、この隙間塞ぎ部材88により、図4で2個示されている改修後の間仕切りユニット40のうち、右側の間仕切りユニット40の縦枠部材22に取り付けられる化粧部材57との間の隙間を塞ぐようにする。
なお、前述したように、上枠41における左右の化粧部材57,58と対応する箇所の左右寸法を、これらの化粧部材57,58の左右幅寸法を含む寸法とし、これらの化粧部材57,58の上下長さ寸法を上枠41の下面までの長さ寸法とする場合には、後述するように、上枠41を結合具43で横枠部材25に取り付け、かつ下枠42を結合具44で下枠部材21に取り付けた後に、化粧部材57,58を結合具59,60で縦枠部材22,23に取り付ける作業を行うようにしてもよい。
図9〜図11は、パネル部材10Cが取り除かれた箇所を収納スペースSとするための作業手順を示しており、図9及び図10では縦枠部材22等が省略されている。図9には、予め工場でベース部材45と主部材46と補強部材47を溶接等で結合一体化して製造された上枠41と、予め工場で補強部材48と主部材49と覆い部材50を溶接等で結合一体化して製造された下枠42とが示されている。上枠41を横枠部材25に図5で示した結合具43で取り付ける前であって、下枠42を下枠部材21に図5で示した結合具44で取り付ける前に、作業者は、これらの結合具43,44を螺入するためのねじ孔を横枠部材25及び保持部材36と下枠部材21及び保持部材37とに形成する作業を教室側から行う。
この後に、作業者は、上枠41を教室側から横枠部材25と下枠部材21との間に運び入れ、この上枠41に左右方向に長い長孔となって形成されている前述の孔に結合具43を挿通させて、この結合具43を横枠部材25及び保持部材36に形成した上述のねじ孔に螺合し、これにより、前述の収納スペース形成部材となっている上枠41を、図10に示されているように、前述の間仕切り体形成部材となっている横枠部材25に結合具43により取り付ける。また、作業者は、下枠42を教室側から横枠部材25と下枠部材21との間に運び入れ、この下枠42に左右方向に長い長孔となって形成されている前述の孔84に結合具44を挿通させて、この結合具44を下枠部材21及び保持部材37に形成した上述のねじ孔に螺合し、これにより、前述の収納スペース形成部材となっている下枠42を、前述の間仕切り体形成部材となっている下枠部材21に結合具44により取り付ける。これらの作業が終了した後の状態が、図10に示されている。
本実施形態では、図9に示されているように、上枠41の構成部材となっている主部材46の立上部46Bには、予め工場等において結合具53で前述の押し縁部材54が結合されている。このため、図10に示されているように、この押し縁部材54を、横枠部材25に結合されている保持部材36の突起36Bに当接させた後に、上枠41を横枠部材25に結合具43で取り付ける作業を行うことにより、横枠部材25と同様に、改修後の間仕切りユニット40に残されている前述の間仕切り体形成部材となっている保持部材36を、上枠41についての間仕切りユニット厚さ方向の位置決め部材として活用して、この上枠41を横枠部材25に結合具43で取り付ける作業を行うことができる。
なお、主部材46の立上部46Bに結合具53で押し縁部材54を取り付ける作業を、上枠41を横枠部材25に結合具43でゆるく仮止め状態にした後に、教室側から行ってもよい。
また、本実施形態では、図9に示されているように、下枠42の構成部材となっている補強部材48には、後方へ延びる当接部48Aが形成され、下枠42の構成部材となっている主部材49には、当接部48Aと間仕切りユニット厚さ方向に間隔をあけて対向する当接部49Bが形成されている。このため、図10に示されているように、これらの当接部48A,49Bを下枠部材21に結合されている保持部材37の突起37A,37Bに当接させた後に、下枠42を下枠部材21に結合具44で取り付ける作業を行うことにより、下枠部材21と同様に、改修後の間仕切りユニット40に残されている前述の間仕切り体形成部材となっている保持部材37を、下枠42についての間仕切りユニット厚さ方向の位置決め部材として活用して、この下枠42を下枠部材21に結合具44で取り付ける作業を行うことができる。
本実施形態に係る上枠41と下枠42についての左右寸法は、図7で示したシール部材85を除くと、改修後も間仕切りユニット40に間仕切り体形成部材として残される部材となっている左右の縦枠部材22,23の間隔よりも少し小さく設定されている。すなわち、上下方向と左右方向のうち、一方の方向である上下方向に延びる部材となっている2個の縦枠部材22,23の間隔よりも、他方の方向である左右方向に延びる部材となっている上枠41及び下枠42の左右寸法は、少し小さく設定されている。
このように上枠41と下枠42の左右寸法を、シール部材85を除くと、左右の縦枠部材22,23の間隔よりも少し小さく設定した理由は、改修前の間仕切りユニット10を床2に固設する作業を行ったときの影響や、改修のためにこの間仕切りユニット10からパネル部材10Cを除去する作業を行ったときなどの影響により、左右の縦枠部材22,23の間隔が本来の所定間隔、言い換えると、設計上の間隔から変化している可能性があり、これによると、これらの縦枠部材22,23の間に上枠41と下枠42を、縦枠部材22,23の間に挿入される横架部材として配設するための作業が困難になるおそれがあるためである。
このため、本実施形態では、シール部材85を除く上枠41と下枠42についての左右寸法が、左右の縦枠部材22,23の本来の間隔よりも小さく設定されており、これにより、改修時におけるこれらの縦枠部材22,23の間隔が本来の所定間隔よりも大きくなっている場合はもちろんのこと、本来の所定間隔よりも小さくなっている場合でも、上枠41と下枠42を、縦枠部材22,23の間に挿入される横架部材として配設するための作業を所定どおり行えるようになっている。
また、それぞれが弾性材料で形成されているシール部材85は、図6に示されているように、圧縮変形して縦枠部材22,23と、これらの縦枠部材22,23に取り付けられた化粧部材57,58とに弾性接触するため、シール部材85が、上枠41、下枠42と縦枠部材22,23及び化粧部材57,58との間の隙間を吸収するための部材となって、任意の大きさの隙間に対応できるようになり、そして、この隙間はシール部材85により塞がれる。このため、教室と廊下を仕切るためのものとなっている改修後の間仕切りユニット40を光が通過することをシール部材85で阻止でき、この間仕切りユニット40における収納スペースSでの光遮断性を、改修前の間仕切りユニット10と同様に確保することができる。
この後に、収納スペースSの背面側を塞ぐ部材となっている図6の表面材66,67についての配設作業を教室側から行う。この作業を具体的に説明すると、図11に示されているように、教室側に居る作業者が表面材66,67を左右方向に対して傾けることにより、これらの表面材66,67の左右方向外端部に形成されているL字状部66A,67Aを縦枠部材22,23の凹部22A、23Aに挿入し、表面材66,67の傾きをなくした後に、L字状部66A,67Aを、図6に示されているように、結合具68,69で縦枠部材22,23に結合されるL字状部材70,71と凹部22A,23Aとで挟着固定する。この後、表面材66,67の左右方向内端部に形成されている重ね合せ部66B,67Bを図6の結合具72で結合する作業を教室側から行う。
次いで、作業者は、上枠41のベース部材45の下面に、この上枠41に形成されている前述の雌ねじ孔に螺入する図5の結合具52によって下面部材51を取り付ける作業を教室側から行い、このとき、図5で示されている結合具43の頭部は、下面部材51に形成されている前述の左右方向に長い孔に遊嵌される。また、作業者は、下枠42の覆い部材50の上面に、この下枠42に形成されている図7の雌ねじ孔83に螺入する図5の結合具56によって上面部材55を取り付ける作業も教室側から行い、このとき、図5で示されている結合具44の頭部44Aは、上面部材55に形成されている図6の左右方向に長い孔86に遊嵌される。
以上のように下面部材51及び上面部材55を上枠41及び下枠42に取り付ける作業を行うと、図5から分かるように、補強部材74が取り付けされている表面材66,67は、上部では、上枠41のベース部材45の突条部45Aと下面部材51の突条部51Bとで挟着され、下部では、下枠42の覆い部材50の突条部50Aと上面部材55の突条部55Bとで挟着され、これにより、表面材66,67には、間仕切りユニット厚さ方向への湾曲変形に対する強度が付与される。
次いで、収納スペースSの教室側の面に設けられている図6の開口部75に扉76,77を配設する作業を教室側から行う。この作業を具体的に説明すると、作業者は、扉76,77の回動中心軸となっている図8の上下2個のピン78,79のうち、上側のピン78を、このピン78に設けられている操作部78Bによりばね78Aに抗して引き下げ、この後に、下側のピン79を下枠42にピン挿入部として形成されている図5の孔81に挿入し、次いで、上側のピン78の位置を上枠41にピン挿入部として形成されている図5の孔80の位置と一致させ、操作部78Bに作用させていた引き下げ力を解除することにより、ばね78Aで上昇するピン78を孔80に挿入させる。
これにより、左右2個の扉76,77は、観音開き式扉となって開口部75にピン78,79を中心に開閉自在に配設されることになる。
そして、以上の作業により、改修後の間仕切りユニット40の内部には、背面側の面が、2個の表面材66,67からなる表面部材65で塞がれ、正面側の面が、開口部75を開閉する開閉部材となっている2個の扉76,77で塞がれた収納スペースSが形成されたことになり、これらの扉76,77を開くと、収納スペースSは開口部75を介して外部と連通するため、図5で示されている被収納物90を収納スペースSに出し入れできるようになる。
なお、上述のように扉76,77を開口部75に配設する作業を行う際に、上枠41の孔80の位置と、下枠42の孔81の位置とが左右方向にずれている場合には、上下2個のピン78,79をこれらの孔80,81に挿入することは困難になる。
このような場合には、上枠41と下枠42のうち、少なくとも一方の位置を左右方向に移動させて、孔80の位置と孔81の位置とを左右方向に一致させた後に、上下2個のピン78,79を孔80,81に挿入する。
すなわち、上枠41を横枠部材25に結合している図5の結合具43は、前述したように、上枠41に左右方向に長い長孔となって形成されている孔に挿通され、下枠42を下枠部材21に結合している図5の結合具44は、図6及び図7で示されているように、下枠42に左右方向に長く形成されている長孔84に挿入されているため、上枠41と下枠42のうち、少なくとも一方の位置を、作業者が教室側から行う作業によって左右方向に移動させることにより、孔80の位置と孔81の位置とを左右方向に一致させることができる。
また、このように上枠41と下枠42のうち、少なくとも一方の位置を左右方向に移動させても、これらの上枠41と下枠42の左右方向両端部には、縦枠部材22,23及び化粧部材57,58に弾性接触することを維持するシール部材85が取り付けられているため、上記移動を行えるとともに、改修後の間仕切りユニット40についての前述した光遮断性を維持することができ、また、シール部材85により、上枠41、下枠42と縦枠部材22,23及び化粧部材57,58との間の隙間を吸収することができる。
以上説明した本実施形態によると、改修前の間仕切りユニット10には設けられていない収納スペースSを、改修後の間仕切りユニット40の内部に設けることができ、このような収納スペースSは、既設の間仕切りユニットを取り外し、この後に、内部に収納スペースが設けられた間仕切りユニットを新たに立設する作業を行うことなく設けることができるため、多くの手間と時間をかけることなく容易に実施することができる。
また、改修後の間仕切りユニット40には、収納スペースSを外部と連通させるための開口部75が設けられているとともに、この開口部75を開閉可能とするための開閉部材となっている扉76,77も設けられているため、収納スペースSに図5で示されている被収納物90を収納する作業及び収納スペースSから被収納物90を取り出す作業を、扉76,77の開閉により開口部75から容易に行える。
また、本実施形態に係る収納スペースSは、改修前の間仕切りユニット10のうち、充填材35が充填されていたパネル部材10Cが配置されていた箇所に設けられているため、充填材35が充填されていた箇所を収納スペースSとして有効に利用することができる。
さらに、本実施形態では、パネル部材10Cを除去することにより間仕切りユニット40の厚さ方向に貫通した空間部を形成し、この空間部における間仕切りユニット40の厚さ方向両側の面のうち、一方の面を表面材66,67からなる表面部材65で塞ぐとともに、他方の面を開閉部材である2個の扉76,77で開閉可能に塞ぐことにより、表面部材65と扉76,77との間を収納スペースSとするため、この収納スペースSについての間仕切りユニット40の厚さ方向の寸法を大きくすることができる。
また、横枠部材25と下枠部材21は、改修前の間仕切りユニット10を形成するためのこの間仕切りユニット10に存在していて、改修後の間仕切りユニット40に残されている間仕切り体形成部材となっており、これらの間仕切り体形成部材に、収納スペースSを形成するための収納スペース形成部材となっている上枠41と下枠42を取り付けることにより、収納スペースSが形成されるようになっているため、間仕切り体形成部材を有効利用して収納スペースSを改修後の間仕切りユニット40に設けることができる。
さらに、収納スペース形成部材は、上下の間隔をあけて配設された上枠41と下枠42の2個の部材となっているため、これらの上枠41と下枠42とにより所定形状の収納スペースSを間仕切りユニット40の内部に設けることができる。
また、間仕切り体形成部材となっている横枠部材25と下枠部材21は、間仕切りユニット40の構造材であるため、この構造材の強度を有効に利用して上枠41と下枠42の取り付けを行うことができる。
また、本実施形態では、これらの上枠41と下枠42には、観音開き式扉となっている2個の扉76,77の回動中心軸であるピン78,79を挿入するための孔80,81がピン挿入部として形成されているため、改修前の間仕切りユニット10に扉が存在していなくても、改修後の間仕切りユニット40に扉76,77を開閉自在に設けることができる。
また、2個の扉76,77で開閉される開口部75と収納スペースSは、図6に示されているように、左右の縦枠部材22,23まで達するものとなっているため、これらの開口部75と収納スペースSは、間仕切りユニット40の左右寸法と略同じの大きな左右寸法を有し、このため、この開口部75を開閉する左右2個の扉76,77の合計左右寸法も、間仕切りユニット40の左右寸法と略同じの大きな寸法となっているため、扉76,77を開閉して行う被収納物90の収納スペースSへの収納作業及び収納スペースSからの取り出し作業を容易に行えるようになる。
さらに、収納スペース形成部材である上枠41と下枠42には、前述したように、縦枠部材22,23の前面から前方である教室側へ突出した突出部41A,42Aが設けられており、これにより、これらの上枠41と下枠42についての間仕切りユニット40の厚さ方向寸法は、前述の間仕切り体形成部材となっている縦枠部材22,23についての図5及び図6で示す間仕切りユニット40の厚さ方向の寸法Wよりも大きくなっているため、後端が縦枠部材22,23の後面の位置と一致又は略一致している収納スペースSの大きさを、前方へ拡大することができる。
すなわち、図5及び図6には、収納スペースSが設けられている箇所についての間仕切りユニット40の厚さ方向の寸法がLで示されており、この寸法Lは、間仕切りユニット40における収納スペースS以外の箇所についての間仕切りユニット40の厚さ方向の寸法にもなっている寸法Wよりも大きいため、収納スペースSの大きさが拡大され、この収納スペースSに多量の被収納物90を収納できるようになる。
また、収納スペースSは、横枠部材25が配設された間仕切りユニット40の上下方向の途中箇所から、下枠部材21の上面に取り付けられた下枠42の箇所まで形成されており、収納スペースSの底面の位置は床2に近い位置となっているため、上枠41と下枠42に間仕切りユニット40の厚さ方向へ突出した突出部41A,42Aを設けても、間仕切りユニット40全体としては、上記L寸法は、床2と同じ位置又は略同じ位置から上側へ始まる寸法となっており、このため、突出部41A,42Aが突出している教室に居る教師や生徒にとって、突出部41A,42Aが障害になることはない。
さらに、本実施形態に係る間仕切りユニット10を間仕切りユニット40に改修する作業は、パネル型のユニットとして工場で製造されて施工現場の床2に固設された間仕切りユニット10を床2に固設したまま、言い換えると、間仕切りユニット10を、図1に示されているように、床2と天井3とに固定したまま行うため、間仕切りユニット40の内部に収納スペースSを設けるための作業を短時間で容易に行える。
また、この改修作業の全部の作業は、図1で示す間仕切りユニット10,11を用いて形成された壁1により仕切られている2つの空間のうち、一方の空間だけから行うため、作業者は、図1の出入口用の間仕切りユニット11を通過して2つの空間を往来しなくても作業を行え、このため、この点でも改修作業を短時間で容易に行える。
さらに、上記2つの空間は教室と廊下であり、作業者が間仕切りユニット10に対して改修作業を行う空間は、廊下よりも大きい空間となっている教室であるため、この点でも改修作業を短時間で容易に行える。
図12〜図17は、本発明の別実施形態を示す。改修前を示している図12の壁101も、非耐力壁として教室と廊下を仕切るために、1個の出入口用のパネル型の間仕切りユニット11と、複数のパネル型の間仕切りユニット110を左右に連設することにより形成され、これらの間仕切りユニット110は、間仕切りユニット11と同様に、工場で製造されて施工現場である学校内の教室で立設施工されている。
また、間仕切りユニット110は、前記実施形態の間仕切りユニット10と同様に、それぞれ構造材である上枠部材120と、下枠部材121と、左右の縦枠部材122,123とにより、図1の正面視で四角形の外輪郭が形成されているとともに、上枠部材120と下枠部材121の間において、左右の縦枠部材122,123に上下2本の横枠部材124,125を構造材として架け渡したものである。
上枠部材120と横枠部材124との間には、ガラスによる引き違い障子110Aが配設され、横枠部材124と横枠部材125との間には不透明の遮断部材であるパネル部材110Cが配設され、横枠部材125と下枠部材121との間には不透明の引き違い障子110Bが配設されている。
図13は、図12のS13−S13線断面図、図14は、図12のS14−S14線断面図であり、図13では縦枠部材122が、図14では下枠部材121が、それぞれ省略されている。間仕切りユニット110の非構造材であって、この間仕切りユニット110の一部を構成している構成部材となっているパネル部材110Cは、前記実施形態のパネル部材10Cと同様に、2枚の表面材130,131により柱材132,133と中柱材134とを挟着し、これらの間に、例えば、ハニカム構造のペーパーコア等の充填材135を充填したものであり、2枚の表面材130,131のそれぞれは左右に一対設けられ、これらは中柱材134の箇所で連結されている。また、図13に示されているように、横枠部材125の下面に結合された断面チャンネル状の保持部材136の突起136A,136Bの間にパネル部材110Cの上部が挿入され、下枠部材121の上面に結合された断面チャンネル状の保持部材137の突起137A,137Bの間にパネル部材110Cの下部が挿入され、これにより、パネル部材110Cは保持部材136,137により保持されている。さらに、図14に示されているように、左右の縦枠部材122,123の互いに対向する内側の側面部に形成された凹部122A,123Aにパネル部材110Cの左右両端部が嵌合されている。
図15には、間仕切りユニット110を間仕切りユニット140に改修した後の状態が示されている。この実施形態では、引き違い障子110Aと引き違い障子110Bとの間が、すなわち、パネル部材110Cが配設されていた箇所が、正面視で観音開き式となっている2個の扉176,177で開閉される収納スペースSとなっている。
この収納スペースSは、図15のS16−S16線断面図である図16と、図15のS17−S17線断面図である図17とに示されている。図16に示されているように、収納スペースSは、上下の間隔をあけて配設されている上枠141と下枠142により形成されている。
この実施形態でも、改修前の間仕切りユニット110を形成するためにこの間仕切りユニット110に存在している上枠部材120、下枠部材121、左右の縦枠部材122,123、横枠部材124,125、保持部材136,137は、改修後の間仕切りユニット140に残されているため、これらは間仕切り体形成部材となっており、そして、この間仕切り体形成部材となっていて、間仕切りユニット140の構造材にもなっている横枠部材124,125に、収納スペース形成部材である上枠141、下枠142が結合具143,144で結合されている。
この実施形態では、上枠141と下枠142についての間仕切りユニット40の厚さ方向の寸法は、上枠部材120と下枠部材121と左右の縦枠部材122,123についての間仕切りユニット40の厚さ方向の寸法Wと同じ又は略同じである。このため、収納スペースSについての間仕切りユニット40の厚さ方向の大きさは、改修前の間仕切りユニット110の厚さ方向の寸法と同じ又は略同じになっている。
図16に示されているように、上枠141は、ベース部材145と断面略箱型に形成された主部材146とからなり、この主部材146に形成された当接部146A,146Bが保持部材136の突起136A,136Bに当接することにより、結合具143で横枠部材124に結合される上枠141についての間仕切りユニット140の厚さ方向の位置決めが行われている。また、下枠142は、断面略箱型に形成された主部材149と覆い部材150とからなり、主部材149に形成された当接部149A,149Bが保持部材137の突起137A,137Bに当接することにより、結合具144で横枠部材125に結合される下枠142についての間仕切りユニット40の厚さ方向の位置決めが行われている。
この実施形態でも、図17に示されているように、前記実施形態と同様に下枠142の左右方向両端部には、圧縮変形可能のシール部材185が設けられ、このシール部材185は縦枠部材122,123に弾性接触しており、下枠142を横枠部材125に結合するための結合具144は、下枠142に左右方向に長く形成された長孔184に挿通されているため、下枠142の位置は、左右方向に変更可能となっている。また、上枠141の左右方向両端部にも、圧縮変形可能のシール部材が設けられ、このシール部材は縦枠部材122,123に弾性接触しており、上枠141を横枠部材124に結合するための結合具143は、上枠141に左右方向に長く形成された長孔に挿通されているため、上枠141の位置も、左右方向に変更可能となっている。
さらにこの実施形態でも、図17に示されているように、収納スペースSの背後の面には、この面を塞ぐための表面部材165が配設され、この表面部材165は、左右2個の表面材166,167からなる。また、収納スペースSの正面は、この収納スペースSを外部と連通させるための開口部175となっており、この開口部175には、正面視で観音開き式の扉となっている2個の扉176,177が配設され、これらの扉176,177は、図16で示す上下のピン178,179を中心に回動自在であるため、開口部175は扉176,177により開閉される。
したがって、以上の説明から分かるように、この実施形態では、上枠141と下枠142に前方へ突出する突出部が設けられていないなどの点を除くと、間仕切りユニット110,140についての基本構造は、前記実施形態の間仕切りユニット10,40と同様になっている。
このため、この実施形態でも、前記実施形態と同様の作業により、間仕切りユニット110を間仕切りユニット140に改修するための作業を行え、この作業の全部を、廊下よりも大きい空間となっている教室側から行うことができる。