以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る無線電力伝送システム(以下、単に「システム」という)について、図1〜図3を参照して説明する。本実施形態に係るシステムは、移動体が備える電池を無線で充電するために利用することができる。移動体は、例えば、電気自動車、電車、路面電車、船、潜水艦、エレベータ、ロボット、モバイル機器であるが、これに限られない。電気自動車には、乗用車、バス、トラックなどが含まれる。
図1は、本実施形態に係るシステムの一例を示す図である。図1に示すように、このシステムは、送電装置1と、受電装置2と、を備える。図1の例では、電気自動車の充電のために利用されるシステムが示されている。
送電装置1は、受電装置2に無線で電力を送電する無線電力伝送装置である。図1に示すように、送電装置1は、送電コイル11と、送電回路12と、制御装置13と、無線機14と、を備える。
送電コイル11は、送電回路12に接続された無線電力伝送用のコイルである。送電コイル11は、送電回路12から交流電力を供給され、供給された交流電力に応じた交流磁界を発生させる。送電コイル11が発生させた交流磁界を介して、受電装置2に電力が送電される。送電コイル11は、ソレノイドコイルであってもよいし、平面コイルであってもよい。
送電回路12は、送電コイル11、制御装置13、及び電源4に接続された電力回路である。送電回路12は、電源4から電力を供給され、供給された電力を所定の交流電力に変換し、変換した交流電力を送電コイル11に供給する。送電回路12は、AC/DCコンバータやDC/DCコンバータなどを備える。AC/DCコンバータやDC/DCコンバータのスイッチング素子は、制御装置13により制御される。スイッチング素子は、例えば、MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである。
なお、電源4は、例えば、商用電源であるが、これに限られない。電源4が供給する電力は、交流電力であってもよいし、直流電力であってもよい。以下では、電源4が供給する電力は、交流電力であるものとする。
制御装置13は、送電回路12及び無線機14に接続される。制御装置13は、無線機14を介して受電装置2から情報を受信し、受信した情報に基づいて、送電回路12を制御する。制御装置13について、詳しくは後述する。
無線機14は、無線信号を送受信するアンテナを備え、外部装置と無線で通信する。図1の例では、無線機14は、受電装置2と無線で通信し、受電装置2や電気自動車3の情報を受信したり、送電装置1の情報を送信したりする。無線機14は、受信した情報を、制御装置13に入力する。
受電装置2は、送電装置1から無線で電力を受電する無線電力伝送装置である。図1の例では、受電装置2は、電気自動車3に搭載されている。図1に示すように、電気自動車3は、電池31と、BMU32と、ECU33と、ユーザインターフェース34と、受電装置2と、を備える。
電池31は、受電装置2及びBMU32に接続された蓄電池である。電池31は、受電装置2から供給される直流電力により充電される。電池31は、例えば、リチウム電池、水素電池、燃料電池などであるが、これに限られない。
BMU(Battery Management Unit)32は、電池31及びECU33に接続され、電池31を管理する。BMU32は、例えば、マイコンにより構成される。BMU32は、電池31の情報(以下、「電池情報」という)を取得し、取得した電池情報をECU33に入力する。電池情報には、例えば、電池31の動作状態(充電中又は放電中)、SOC(State Of Charge)、SOH(State Of Health)、電池電圧、電池電流、及びエラー情報などが含まれる。
ECU(Electronic Control Unit)33は、BMU32、ユーザインターフェース34、及び受電装置2に接続され、電気自動車3の制御や、充電管理および充電制御をする。ECU33は、例えば、マイコンにより構成される。
ECU33は、アクセルやブレーキからの入力に応じて、電気自動車3のモーターの駆動を制御する。また、ECU33は、電気自動車3からモーターの駆動情報を取得する。さらに、ECU33は、BMU32から電池情報を取得し、取得した電池情報や充電制御指令を受電装置2に入力する。またさらに、ECU33は、電池情報や電気自動車3のモーターの駆動情報などをユーザインターフェース34に入力する。なお、ECU33は、ユーザインターフェース34から入力された命令に応じて、電気自動車3の充電を制御してもよいし、電気自動車3の駆動系に接続され、駆動系から電気自動車3の駆動情報を取得し、取得した駆動情報を受電装置2に入力してもよい。
ユーザインターフェース34は、ECU33及び受電装置2に接続される。ユーザインターフェース34は、例えば、ディスプレイ、タッチパネル、及び釦などにより構成される。電気自動車3のユーザは、ユーザインターフェース34を操作することにより、ECUや受電装置2に命令を入力することができる。例えば、ユーザは、ユーザインターフェース34を操作することにより、無線電力伝送を開始又は終了させたり、電池情報を表示させたりすることができる。
受電装置2は、受電コイル21と、受電回路22と、制御装置23と、無線機24と、を備える。
受電コイル21は、受電回路22に接続された無線電力伝送用のコイルである。受電コイル21は、送電コイル11が発生させた交流磁界に応じた交流電力を発生させ、発生させた交流電力を受電回路22に供給する。受電コイル21は、ソレノイドコイルであってもよいし、平面コイルであってもよい。
受電回路22は、受電コイル21、制御装置23、及び電池31に接続された電力回路である。受電回路22は、受電コイル21から交流電力を供給され、供給された交流電力を所定の直流電力に変換し、変換した直流電力を電池31に供給する。これにより、電池31が充電される。受電回路22は、AC/DCコンバータやDC/DCコンバータなどを備える。AC/DCコンバータやDC/DCコンバータのスイッチング素子は、制御装置23により制御される。スイッチング素子は、例えば、MOSトランジスタである。
制御装置23は、受電回路22、無線機24、ECU33、及びユーザインターフェース34に接続される。制御装置23は、ECU33から入力された情報を、無線機24を介して送電装置1に送信する。また、制御回路23は、ユーザインターフェース34から入力された命令に応じて、無線電力伝送の開始や終了を行なう。制御装置23について、詳しくは後述する。
無線機24は、無線信号を送受信するアンテナを備え、外部装置と無線で通信する。図1の例では、無線機24は、送電装置1の無線機14と無線で通信し、受電装置2や電気自動車3の情報を送信したり、送電装置1の情報を受信したりする。なお、受電装置2は、無線機24を備えない構成も可能である。この場合、無線機24の代わりに、電気自動車3が備える無線機を使用すればよい。
ここで、制御装置13について、詳細に説明する。制御装置13は、メイン制御装置15と、サブ制御装置16と、を備える。メイン制御装置15とサブ制御装置16とは、通信ケーブル17(第1通信ケーブル)により有線で接続されており、所定の通信方式で信号をやりとりする。
本実施形態では、メイン制御装置15と、サブ制御装置16と、の間の通信方式として、高い雑音耐性を有する通信方式が使用させる。このような通信方式には、デジタル差動通信及び光通信が含まれる。
通信方式がデジタル差動通信である場合、通信ケーブル17として、例えば、ツイストペアケーブルが用いられる。そして、メイン制御装置15とサブ制御装置16との間では、デジタル差動信号がやりとりされる。デジタル差動信号とは、位相が反転した2つのデジタル信号の組のことである。
また、通信方式が光通信である場合、通信ケーブル17として、例えば、光ケーブルが用いられる。そして、メイン制御装置15とサブ制御装置16との間では、光信号がやりとりされる。
以下では、通信方式は、デジタル差動通信であり、メイン制御装置15とサブ制御装置16との間では、デジタル差動信号がやりとりされるものとする。
メイン制御装置15は、無線機14を介して受信した情報に基づいて、送電回路12を制御するための制御信号を生成する。この制御信号は、送電回路12を構成するAC/DCコンバータやDC/DCコンバータにより実現する電圧値や電流値を指定する信号である。メイン制御装置15は、生成した制御信号を、デジタル差動信号として出力する。出力された制御信号は、通信ケーブル17を介してサブ制御装置16に入力される。メイン制御装置15は、例えば、マイコン、FPGA(field-programmable gate array)、CPU(Central Processing Unit)などにより構成される。
本実施形態において、メイン制御装置15は、送電コイル11及び送電回路12から離れた位置に設置されるのが好ましい。具体的には、メイン制御装置15は、サブ制御装置16より、送電コイル11及び送電回路12から離れた位置に設置されるのが好ましい。これにより、メイン制御装置15に対する、送電コイル11からの磁界や送電回路12からのスイッチング高調波などのノイズの影響を抑制することができる。
サブ制御装置16は、メイン制御装置15から通信ケーブル17を介して入力された制御信号に応じたパルス信号を生成する。このパルス信号は、送電回路12を構成するAC/DCコンバータやDC/DCコンバータのスイッチング回路の開閉を制御する信号である。より詳細には、パルス信号は、スイッチング素子のオン及びオフに対応する2値の信号である。サブ制御装置16は、生成したパルス信号を、送電回路12に入力する。スイッチング素子は、入力されたパルス信号の値に応じて開閉する。サブ制御装置16は、例えば、マイコン、FPGA、CPUなどにより構成される。
パルス信号は、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)信号、PAM(Pulse Amplitude Modulation)信号、PDM(Pulse Density Modulation)信号、PPM(Pulse Position Modulation)信号、PCM(Pulse Code Modulation)信号、PFM(Pulse Frequency Modulation)信号などであるが、これに限られない。
本実施形態において、サブ制御装置16は、送電回路12の近傍に設置されるのが好ましい。これにより、サブ制御装置16と送電回路12との間の信号経路が短くなり、パルス信号に対するノイズの影響を抑制することができる。
図2は、本実施形態に係る送電装置1の具体例を示す図である。図2は、電気自動車3に送電するために、駐車場などに設置された送電装置1を示している。
図2の例では、送電回路12、制御装置13(メイン制御装置15、サブ制御装置16、及び通信ケーブル17)、及び無線機14は、筐体18内に設置されている。
さらに、筐体18内において、サブ制御装置16は、送電回路12の近傍に設置され、メイン制御装置15は、サブ制御装置16より、送電回路12から離れた位置に設置されている。
このような構成により、メイン制御装置15と、送電コイル11及び送電回路12とが離れるため、メイン制御装置15に対するノイズの影響を抑制できる。また、サブ制御装置16と送電回路12との間の信号経路が短くなるため、パルス信号に対するノイズの影響を抑制できる。
なお、図2の例では、送電コイル11は、地中に設置されているが、地上に設置されてもよい。また、送電回路12、メイン制御装置15、サブ制御装置16、及び無線機14は、それぞれ異なる筐体に設置されてもよい。
さらに、送電コイル11と送電回路12との間の経路を短くするために、送電回路12を地中に設置してもよい。これにより、送電コイル11への送電効率を向上したり、送電回路12からのスイッチング高調波の影響をさらに抑制したりすることができる。この場合、送電回路12とサブ制御装置16との間の信号経路が短くなるように、サブ制御装置16を送電回路12とともに地中に設置してもよい。
次に、制御装置23について、詳細に説明する。制御装置23は、制御装置13と同様の構成を有する。すなわち、制御装置23は、メイン制御装置25と、サブ制御装置26と、を備える。メイン制御装置25とサブ制御装置16とは、通信ケーブル27(第1通信ケーブル)により有線で接続されており、所定の通信方式で信号をやりとりする。
本実施形態では、メイン制御装置25と、サブ制御装置26と、の間の通信方式として、高い雑音耐性を有する通信方式が使用される。このような通信方式には、デジタル差動通信及び光通信が含まれる。
通信方式がデジタル差動通信である場合、通信ケーブル27として、例えば、ツイストペアケーブルが用いられる。そして、メイン制御装置25とサブ制御装置26との間では、デジタル差動信号がやりとりされる。
また、通信方式が光通信である場合、通信ケーブル27として、例えば、光ケーブルが用いられる。そして、メイン制御装置25とサブ制御装置26との間では、光信号がやりとりされる。
以下では、通信方式は、デジタル差動通信であり、メイン制御装置25とサブ制御装置26との間では、デジタル差動信号がやりとりされるものとする。
メイン制御装置25は、無線機24を介して受信した情報や、ECU33及びユーザインターフェース34から入力された情報に基づいて、受電回路22を制御するための制御信号を生成する。この制御信号は、受電回路22を構成するAC/DCコンバータやDC/DCコンバータにより実現する電圧値や電流値を指定する信号である。メイン制御装置25は、生成した制御信号を、デジタル差動信号として出力する。出力された制御信号は、通信ケーブル27を介してサブ制御装置26に入力される。メイン制御装置25は、例えば、マイコン、FPGA、CPUなどにより構成される。
本実施形態において、メイン制御装置25は、受電コイル21及び受電回路22から離れた位置に設置されるのが好ましい。具体的には、メイン制御装置25は、サブ制御装置26より、受電コイル21及び送電回路22から離れた位置に設置されるのが好ましい。これにより、メイン制御装置25に対する、受電コイル21からの磁界や受電回路22からのスイッチング高調波などのノイズの影響を抑制することができる。
サブ制御装置26は、メイン制御装置25から通信ケーブル27を介して入力された制御信号に応じたパルス信号を生成する。このパルス信号は、受電回路22を構成するAC/DCコンバータやDC/DCコンバータのスイッチング回路の開閉を制御する信号である。より詳細には、パルス信号は、スイッチング素子のオン及びオフに対応する2値の信号である。サブ制御装置26は、生成したパルス信号を、受電回路22に入力する。スイッチング素子は、入力されたパルス信号の値に応じて開閉する。サブ制御装置26は、例えば、マイコンにより構成される。
パルス信号は、例えば、PWM信号、PAM信号、PDM信号、PPM信号、PCM信号、PFM信号などであるが、これに限られない。
本実施形態において、サブ制御回路26は、受電回路22の近傍に設置されるのが好ましい。これにより、サブ制御装置26と受電回路22との間の信号経路が短くなり、パルス信号に対するノイズの影響を抑制することができる。
図3は、本実施形態に係る受電装置2の具体例を示す図である。図3は、電気自動車3に搭載された受電装置2を示している。なお、図3では、無線機24は、図示省略されている。
図3の例では、受電コイル21、受電回路22、及びサブ制御装置26は、電気自動車3の車体35の底面に設置されている。これにより、受電コイル21と受電回路22との間の経路を短くすることができる。
メイン制御装置25、電池31、BMU32、及びECU33は、車体35の後部に設置されている。車体35の後部は、例えば、後部座席の背面や下方の部分である。
ユーザインターフェース34は、運転席付近に設置されている。メイン制御装置15と、サブ制御装置26と、は通信ケーブル27により接続されている。
このような構成により、メイン制御装置25と、受電コイル21及び受電回路22と、が離れるため、メイン制御装置25に対するノイズの影響を抑制できる。また、受電回路22とサブ制御装置26との間の信号経路を短くなるため、パルス信号に対するノイズの影響を抑制できる。
なお、車体35内に設置するためのスペースがない場合、電池31、BMU32、及びECU33は、車体35の底面に設置してもよい。また、メイン制御装置25、電池31、BMU32、及びECU33は、車体35内の前部や中央部に設置してもよいし、それぞれ異なる部分に設置してもよい。
以上説明した通り、本実施形態に係る制御装置13,23は、制御信号を生成するメイン制御装置15,25と、メイン制御装置15,25と通信ケーブル17,27を介して接続され、制御信号に応じたパルス信号を生成するサブ制御装置16,26と、を備える。
このような構成により、メイン制御装置15,25を、電力回路(送電回路12及び受電回路22)やコイル(送電コイル11及び受電コイル21)から離れた位置に設置することができる。したがって、メイン制御装置15,25に対するノイズの影響を抑制することができる。
また、メイン制御装置15,25とサブ制御装置16,26とは、雑音耐性が高い通信方式で通信する。したがって、メイン制御装置15,25と、サブ制御装置16,26と、が離れていても、通信ケーブル17,27上の制御信号に対するノイズの影響を抑制することができる。
さらに、サブ制御回路16,26は、電力回路の近傍に設置される。これにより、サブ制御回路16,26と電力回路との間の信号経路上のパルス信号に対するノイズの影響を抑制することができる。
このように、本実施形態に係る制御装置13,23は、コイルからの磁界や電力回路からのスイッチング高調波などのノイズの影響を抑制できるため、制御信号やパルス信号に生じる歪みが抑制され、制御信号やパルス信号の歪み起因する電力回路の誤動作が抑制される。したがって、本実施形態に係る制御装置13,23は、電力回路を精度よく制御することができる。
また、本実施形態に係る制御装置13,23は、メイン制御装置15,25と、サブ制御装置16,26と、により構成されるため、メイン制御装置15,25及びサブ制御装置16,26をそれぞれ小型化することができる。これにより、制御装置13,23の配置の自由度が向上し、電気自動車3などの移動体への搭載性を向上させることができる。結果として、制御装置13,23に関する各種のコストを削減することもできる。
例えば、メイン制御装置15,25を、外部環境の影響が小さい場所や、メンテナンス性が高い場所に設置することにより、メイン制御装置15,25の耐環境性を高めるコストや、メンテナンスのためのコストを削減できる。具体的には、図3に示すように、メイン制御装置25を車体35内に設置することにより、メイン制御装置25に関する上記のコストを削減することができる。
また、サブ制御装置16,26を、外部環境の影響が大きい場所や、メンテナンス性が低い場所に設置する場合であっても、従来の制御装置に比べて、サブ制御装置16,26の耐環境性を高めるコストや、メンテナンスのためのコストを削減できる。これは、本実施形態におけるサブ制御装置16,26は、従来の制御装置に比べて、小型化可能なためである。
例えば、従来の一体型の制御装置を電気自動車3に搭載する場合、制御装置を車体35内に設置すると、誤り耐性の低いパルス信号の信号経路が長くなるため、ノイズの影響により電力回路が誤動作する恐れがある。このため、従来の制御装置では、ノイズの影響を抑制するために、制御装置全体を車体35の底面に設置する必要があった。
しかしながら、制御装置を車体35の底面に設置する場合、振動、水、温度、小石などの衝突から制御装置を保護するためのコストが発生する。従来の制御装置では、制御装置全体にこのような保護が必要となるため、耐環境性を高めるコストが大きくなる。これに対して、本実施形態に係るサブ制御装置16,26は、従来の制御装置によりも小型化可能なため、上記のような耐環境性を高めるコストを小さくすることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る無線電力伝送システムについて、図4〜図6を参照して説明する。本実施形態では、送電装置1の具体的な構成について説明する。図4は、送電装置1の一例を示す図である。以下では、送電回路12、メイン制御装置15、及びサブ制御装置16について説明する。
送電回路12は、AC/DCコンバータ121と、DC/DCコンバータ122と、インバータ123と、モニタ検出部124と、ゲート駆動回路125と、を備える。
AC/DCコンバータ121は、電源4から交流電力を供給され、供給された交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力をDC/DCコンバータ122に供給する。AC/DCコンバータ121は、スイッチング素子を備える。AC/DCコンバータ121のスイッチング素子は、ゲート駆動回路125により駆動される。
なお、AC/DCコンバータ121は、力率改善回路や、ACトランスなどを備えてもよい。また、電源4が直流電力を供給する場合には、送電回路12はAC/DCコンバータ121を備えなくてもよい。さらに、AC/DCコンバータは、スイッチング素子を備えない整流器であってもよい。この場合、ゲート駆動回路125は、AC/DCコンバータ121を駆動しなくてよい。
DC/DCコンバータ122は、AC/DCコンバータ121から直流電力を供給され、供給された直流電力の電圧を送電のための所定の電圧に変換し、変換した直流電力をインバータ123に供給する。DC/DCコンバータ122は、スイッチング素子を備える。DC/DCコンバータ122のスイッチング素子は、ゲート駆動回路125により駆動される。なお、電源4が直流電力を供給する場合には、電源4からの直流電力をDC/DCコンバータ122に直接入力してもよい。
インバータ123は、DC/DCコンバータ122から直流電力を供給され、所定の周波数の交流電流に変換し、変換した交流電力を送電コイル11に供給する。インバータ123は、スイッチング素子を備える。インバータ123のスイッチング素子は、ゲート駆動回路125により駆動される。なお、DC/DCコンバータ122とインバータ123との間や、インバータ123と送電コイル11との間には、所定の周波数を通過させるフィルタが接続されていてもよい。
モニタ検出部124は、AC/DCコンバータ121、DC/DCコンバータ122、及びインバータ123が入出力する電流値や電圧値を検出する。以下、モニタ検出部124が検出した電流値及び電圧値を、モニタ値と総称する。モニタ値は、アナログ値であるものとする。モニタ検出部124は、検出したモニタ値を、後述するAD変換器161に入力する。
ゲート駆動回路125は、後述するPWM生成部153から入力されたPWM信号に基づいて、AC/DCコンバータ121、DC/DCコンバータ122、及びインバータ123のスイッチング素子を駆動する。図4の例では、ゲート駆動回路125は、1つ示されているが、送電回路12は、AC/DCコンバータ121、DC/DCコンバータ122、及びインバータ123をそれぞれ駆動する3つのゲート駆動回路125を備えてもよい。
メイン制御装置15は、制御処理部151と、I/F変換部152と、を備える。
制御処理部151は、サブ制御装置16を介して入力されたモニタ値や、無線機14を介して入力された情報に基づいて、送電回路12を制御するための制御信号を生成し、I/F変換部152に入力する。
I/F変換部152は、サブ制御装置16との間の通信インターフェースであり、通信ケーブル17を介して後述するI/F変換部162に接続される。I/F変換部152は、制御処理部151から入力された制御信号をデジタル差動信号に変換し、変換した制御信号を、通信ケーブル17を介してサブ制御装置16に入力する。また、I/F変換部152は、通信ケーブル17を介して入力されたモニタ値を、制御処理部151で処理可能なデジタル信号に変換し、変換したモニタ値を制御処理部151に入力する。
サブ制御装置16は、AD変換器161と、I/F変換部162と、PWM生成部163と、を備える。
AD変換器(ADC)161は、モニタ検出部124からモニタ値を入力され、入力されたモニタ値をデジタル値に変換し、変換したモニタ値をI/F変換部162に入力する。なお、モニタ検出部124が、モニタ値をデジタル値として出力する場合、サブ制御装置16は、AD変換器161を備えなくてもよい。
I/F変換部162は、メイン制御装置15との間の通信インターフェースであり、通信ケーブル17を介してI/F変換部152に接続される。I/F変換部162は、AD変換器161から入力されたモニタ値をデジタル差動信号に変換し、変換したモニタ値を、通信ケーブル17を介してメイン制御装置15に入力する。また、I/F変換部162は、通信ケーブル17を介してメイン制御装置15から入力された制御信号を、アナログ信号に変換し、変換した制御信号をPWM生成部163に入力する。
PWM生成部163は、パルス信号としてPWM信号を生成するパルス生成部である。PWM生成部163は、I/F変換部162から制御信号を入力され、入力された制御信号に基づいてPWM信号を生成し、生成したPWM信号をゲート駆動回路125に入力する。ゲート駆動回路125がPWM信号に基づいてスイッチング素子を駆動することにより、送電回路12(AC/DCコンバータ121、DC/DCコンバータ122、及びインバータ123)が制御される。
なお、サブ制御装置16は、パルス生成部として、PWM生成部163の代わりに、PAM信号を生成するPAM生成部、PDM信号を生成するPDM生成部、PPM信号を生成するPPM生成部、PCM信号を生成するPCM生成部、又はPFM信号を生成するPFM生成部を備えてもよい。
以上のような構成により、ノイズの影響を抑制し、送電回路12の誤動作を抑制し、送電回路12を精度よく制御可能な制御装置13を実現できる。また、サブ制御装置16を小型化し、搭載性を向上させることができる。
なお、サブ制御装置16は、送電回路12とは別個に設けられてもよいし、送電回路12と同一の基板上に設けられてもよい。サブ制御装置16と送電回路12とを同一基板上に設けることにより、サブ制御装置16と送電回路12との間の信号経路をより短くし、ノイズの影響を更に抑制することができる。
また、デジタル差動信号は、パリティビットなどの誤り検出符号を備えてもよい。これにより、制御装置13の雑音耐性をさらに向上することができる。
さらに、I/F変換部152,162は、相互に通信を監視し、通信に異常が発生した場合に通信を停止してもよい。I/F変換部152,162の間の通信が停止すると、制御信号がサブ制御装置16に入力されないため、送電回路12の動作が停止する。これにより、ノイズの影響によりメイン制御装置15とサブ制御装置16との間の通信に異常が生じた場合であっても、送電回路12を停止することができる。
図5は、送電装置1の他の例を示す図である。図5の例では、メイン制御装置15は、センサ153と、出力装置154と、を備える。他の構成は、図4と同様である。
センサ153は、センシング結果を制御処理部151に入力する。センサ153は、例えば、送電コイル11などの温度を検出する温度センサ、送電コイル11上の異物を検出する異物検出センサ、受電コイル21の位置を検出する位置検出センサなどである。メイン制御装置15は、センサ153として、上記のセンサを1つ以上備えてもよい。
制御処理部151は、センサ153から入力されたセンシング結果に基づいて、送電回路12を制御することができる。例えば、制御処理部151は、温度センサにより送電コイル11の温度が所定値以上になったことが検出された場合に、無線電力伝送を停止させてもよい。また、制御処理部151は、異物検出センサにより送電コイル11上に異物が検出された場合に、無線電力伝送を停止させてもよい。さらに、制御処理部151は、位置検出センサにより、受電コイル21が送電コイル11に対する所定の位置に配置された場合に、無線電力伝送を開始させてもよい。
出力装置154は、制御処理部151から入力された情報を画像や音声により出力する。出力装置154は、例えば、表示用パネル、LED、ランプ、スピーカーなどにより構成される。出力装置154は、無線電力伝送の状態(準備中、実行中、停止中など)を出力してもよいし、センサ153により検出された異常を出力してもよい。無線電力伝送の状態は、送電回路12の動作状態に相当する。
なお、センサ153及び出力装置154は、メイン制御装置15とは別個に設けられてもよい。この場合、センサ153及び出力装置154と、メイン制御装置15と、は通信ケーブルにより接続され、雑音耐性が高い通信方式で通信するのが好ましい。
図6は、送電装置1の他の例を示す図である。図6の例では、送電回路12は、AC/DCコンバータ121と、2つのDC/DCコンバータ122a,122bと、2つのインバータ123a,123bと、モニタ検出部124と、ゲート駆動回路125と、を備える。図6において、モニタ検出部124及びゲート駆動回路125は、図示省略されている。
AC/DCコンバータ121は、DC/DCコンバータ122a,122bにそれぞれ直流電力を供給する。DC/DCコンバータ122a,122bは、インバータ123a,123bにそれぞれ直流電力を供給する。インバータ123a,123bは、送電コイル11a,11bにそれぞれ交流電力を供給する。
このような構成により、1つの送電回路12で、複数の送電コイル11に交流電力を供給することができる。なお、送電回路12は、AC/DCコンバータ121を2つ備えてもよいし、DC/DCコンバータ122a,122bが共用されてもよいし、インバータ123a,123bが共用されてもよい。さらに、送電回路12は、3つ以上の送電コイル11に交流電力を供給可能であってもよい。
図7は、送電装置1の他の例を示す図である。図7の例では、サブ制御装置16は、送電停止部164を備える。他の構成は、図4と同様である。
送電停止部164は、通信ケーブル19(第2通信ケーブル)により制御処理部151と有線で接続される。通信ケーブル19は、通信ケーブル17とは独立した通信ケーブルである。送電停止部164は、通信ケーブル19を介して、制御処理部151から停止信号を入力されると、送電回路12の動作を停止させる。
送電停止部164は、ゲート駆動回路125の動作を停止させることにより、送電回路12の動作を停止させてもよい。また、送電停止部164は、PWM生成部163の動作を停止させ、PWM信号の出力を停止させることにより、送電回路12の動作を停止させてもよい。送電停止部164が送電回路12の動作を停止させることにより、送電装置1による送電が停止する。
また、送電停止部164は、AD変換器161からモニタ値を取得し、モニタ値が異常値の場合に、送電回路12の動作を停止させてもよい。停止方法は、上述の通りである。
このような構成により、通信ケーブル17によるデジタル差動通信に異常が生じた場合であっても、制御処理部151は、送電回路12の動作を停止させ、送電装置1による送電を停止させることができる。また、送電回路12に異常が生じ、モニタ値が異常値となった場合に、送電回路12の動作を停止させ、送電装置1による送電を停止させることができる。したがって、送電装置1の安全性を向上させることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態に係る無線電力伝送システムについて、図8〜図10を参照して説明する。本実施形態では、受電装置2の具体的な構成について説明する。図8は、受電装置2の一例を示す図である。以下では、受電回路22、メイン制御装置25、及びサブ制御装置26について説明する。
受電回路22は、AC/DCコンバータ221と、DC/DCコンバータ222と、モニタ検出部224と、ゲート駆動回路225と、を備える。
AC/DCコンバータ221は、受電コイル21から交流電力を供給され、供給された交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力をDC/DCコンバータ222に供給する。AC/DCコンバータ221は、スイッチング素子を備える。AC/DCコンバータ221のスイッチング素子は、ゲート駆動回路225により駆動される。
なお、AC/DCコンバータ221は、スイッチング素子を備えない整流器であってもよい。この場合、ゲート駆動回路225は、AC/DCコンバータ221を駆動しなくてよい。
DC/DCコンバータ222は、AC/DCコンバータ221から直流電力を供給され、供給された直流電力の電圧を充電のための所定の電圧に変換し、変換した直流電力を電池31に供給する。これにより、電池31が充電される。DC/DCコンバータ222は、スイッチング素子を備える。DC/DCコンバータ222のスイッチング素子は、ゲート駆動回路225により駆動される。
モニタ検出部224は、AC/DCコンバータ221及びDC/DCコンバータ222が入出力する電流値及び電圧値の少なくとも一方を検出する。以下、モニタ検出部224が検出した電流値及び電圧値を、モニタ値と総称する。モニタ値は、アナログ値であるものとする。モニタ検出部224は、検出したモニタ値を、後述するAD変換器261に入力する。
ゲート駆動回路225は、後述するPWM生成部263から入力されたPWM信号に基づいて、AC/DCコンバータ221及びDC/DCコンバータ222のスイッチング素子を駆動する。図8の例では、ゲート駆動回路225は、1つ示されているが、受電回路22は、AC/DCコンバータ221及びDC/DCコンバータ222をそれぞれ駆動する2つのゲート駆動回路225を備えてもよい。
メイン制御装置25は、制御処理部251と、I/F変換部252と、を備える。
制御処理部251は、サブ制御装置26を介して入力されたモニタ値や、無線機24を介して入力された情報に基づいて、受電回路22を制御するための制御信号を生成し、I/F変換部252に入力する。
I/F変換部252は、サブ制御装置26との間の通信インターフェースであり、通信ケーブル27を介して後述するI/F変換部262に接続される。I/F変換部252は、制御処理部251から入力された制御信号をデジタル差動信号に変換し、変換した制御信号を、通信ケーブル27を介してサブ制御装置26に入力する。また、I/F変換部252は、通信ケーブル27を介して入力されたモニタ値を、制御処理部251で処理可能なデジタル信号に変換し、変換したモニタ値を制御処理部251に入力する。
サブ制御装置26は、AD変換器261と、I/F変換部262と、PWM生成部263と、を備える。
AD変換器(ADC)261は、モニタ検出部224からモニタ値を入力され、入力されたモニタ値をデジタル値に変換し、変換したモニタ値をI/F変換部262に入力する。なお、モニタ検出部224が、モニタ値をデジタル値として出力する場合、サブ制御装置26は、AD変換器261を備えなくてもよい。
I/F変換部262は、メイン制御装置25との間の通信インターフェースであり、通信ケーブル27を介してI/F変換部252に接続される。I/F変換部262は、AD変換器261から入力されたモニタ値をデジタル差動信号に変換し、変換したモニタ値を、通信ケーブル27を介してメイン制御装置25に入力する。また、I/F変換部262は、通信ケーブル27を介してメイン制御装置25から入力された制御信号を、アナログ信号に変換し、変換した制御信号をPWM生成部263に入力する。
PWM生成部263は、パルス信号としてPWM信号を生成するパルス生成部である。PWM生成部263は、I/F変換部262から制御信号を入力され、入力された制御信号に基づいてPWM信号を生成し、生成したPWM信号をゲート駆動回路225に入力する。ゲート駆動回路225がPWM信号に基づいてスイッチング素子を駆動することにより、受電回路22(AC/DCコンバータ221及びDC/DCコンバータ222)が制御される。
なお、サブ制御装置26は、パルス生成部として、PWM生成部263の代わりに、PAM信号を生成するPAM生成部、PDM信号を生成するPDM生成部、PPM信号を生成するPPM生成部、PCM信号を生成するPCM生成部、又はPFM信号を生成するPFM生成部を備えてもよい。
以上のような構成により、ノイズの影響を抑制し、受電回路22の誤動作を抑制し、受電回路22を精度よく制御可能な制御装置23を実現できる。また、サブ制御装置26を小型化し、搭載性を向上させることができる。
なお、サブ制御装置26は、受電回路22とは別個に設けられてもよいし、受電回路22と同一の基板上に設けられてもよい。サブ制御装置26と受電回路22とを同一基板上に設けることにより、サブ制御装置26と受電回路22との間の信号経路をより短くし、ノイズの影響を更に抑制することができる。
また、デジタル差動信号は、パリティビットなどの誤り検出符号を備えてもよい。これにより、制御装置23の雑音耐性をさらに向上することができる。
さらに、I/F変換部252,262は、相互に通信を監視し、通信に異常が発生した場合に通信を停止してもよい。I/F変換部252,262の間の通信が停止すると、制御信号がサブ制御装置26に入力されないため、受電回路22の動作が停止する。これにより、ノイズの影響によりメイン制御装置25とサブ制御装置26との間の通信に異常が生じた場合であっても、受電回路22を停止することができる。
図9は、受電装置2の他の例を示す図である。図9の例では、メイン制御装置25は、センサ253と、出力装置254と、を備える。他の構成は、図8と同様である。
センサ253は、センシング結果を制御処理部251に入力する。センサ253は、例えば、受電コイル21などの温度を検出する温度センサ、受電コイル21上の異物を検出する異物検出センサ、送電コイル11の位置を検出する位置検出センサなどである。メイン制御装置25は、センサ253として、上記のセンサを1つ以上備えてもよい。
制御処理部251は、センサ253から入力されたセンシング結果に基づいて、受電回路22を制御することができる。例えば、制御処理部251は、温度センサにより受電コイル21の温度が所定値以上になったことが検出された場合に、無線電力伝送を停止させてもよい。また、制御処理部251は、異物検出センサにより受電コイル21上に異物が検出された場合に、無線電力伝送を停止させてもよい。さらに、制御処理部251は、位置検出センサにより、送電コイル11が受電コイル21に対する所定の位置に配置された場合に、無線電力伝送を開始させてもよい。
出力装置254は、制御処理部251から入力された情報を画像や音声により出力する。出力装置254は、例えば、表示用パネル、LED、ランプ、スピーカーなどにより構成される。出力装置254は、無線電力伝送の状態(準備中、実行中、停止中など)を出力してもよいし、センサ253により検出された異常を出力してもよい。無線電力伝送の状態は、受電回路22の動作状態に相当する。
なお、センサ253及び出力装置254は、メイン制御装置25とは別個に設けられてもよい。この場合、センサ253及び出力装置254と、メイン制御装置25と、は通信ケーブルにより接続され、雑音耐性が高い通信方式で通信するのが好ましい。
図10は、受電装置2の他の例を示す図である。図10の例では、受電回路22は、2つのAC/DCコンバータ221a,221bと、2つのDC/DCコンバータ222a,222bと、モニタ検出部224と、ゲート駆動回路225と、を備える。図10において、モニタ検出部224及びゲート駆動回路225は、図示省略されている。
2つの受電コイル21a,21bは、AC/DCコンバータ221a,221bにそれぞれ交流電力を供給する。AC/DCコンバータ221a,221bは、DC/DCコンバータ222a,222bにそれぞれ直流電力を供給する。DC/DCコンバータ222a,222bは、電池31a,31bにそれぞれ直流電力を供給する。
このような構成により、1つの受電回路22で、複数の受電コイル21からの電力を複数の電池31に充電することができる。なお、送電回路12は、AC/DCコンバータ221a,221bが共用されてもよいし、DC/DCコンバータ222a,222bが共用されてもよいし、DC/DCコンバータ222a,222bが同一の電池31に充電してもよい。さらに、受電回路22は、3つ以上の受電コイル21から受電可能であってもよいし、3つ以上の電池31に充電可能であってもよい。
図11は、受電装置2の他の例を示す図である。図11の例では、サブ制御装置26は、受電停止部264を備える。他の構成は、図8と同様である。
受電停止部264は、通信ケーブル29(第2通信ケーブル)により制御処理部251と有線で接続される。通信ケーブル29は、通信ケーブル27とは独立した通信ケーブルである。受電停止部264は、通信ケーブル29を介して、制御処理部251から停止信号を入力されると、受電回路22の動作を停止させる。
受電停止部264は、ゲート駆動回路225の動作を停止させることにより、受電回路22の動作を停止させてもよい。また、受電停止部264は、PWM生成部263の動作を停止させ、PWM信号の出力を停止させることにより、受電回路22の動作を停止させてもよい。受電停止部264が受電回路22の動作を停止させることにより、受電装置2による受電が停止する。
また、受電停止部264は、AD変換器261からモニタ値を取得し、モニタ値が異常値の場合に、受電回路22の動作を停止させてもよい。停止方法は、上述の通りである。
このような構成により、通信ケーブル27によるデジタル差動通信に異常が生じた場合であっても、制御処理部251は、受電回路22の動作を停止させ、受電装置2による受電を停止させることができる。また、受電回路22に異常が生じ、モニタ値が異常値となった場合に、受電回路22の動作を停止させ、受電装置2による受電を停止させることができる。したがって、受電装置2の安全性を向上させることができる。
(第4実施形態)
第4実施形態に係る無線電力伝送システムについて、図12〜図14を参照して説明する。以上の各実施形態では、サブ制御装置と、電力回路と、をそれぞれ1つずつ備える無線電力伝送装置について説明した。本実施形態では、サブ制御装置及び電力回路の少なくとも一方を複数備える無線電力伝送装置5について説明する。
図12は、本実施形態に係る無線電力伝送装置5の一例を示す図である。図12の例では、無線電力伝送装置5は、2つのコイル51a,51bと、2つの電力回路52a,52bと、制御装置53と、無線機54と、を備える。制御装置53は、メイン制御装置55と、サブ制御装置56と、通信ケーブル57と、を備える。電力回路52a,52bは、コイル51a,51bにそれぞれ接続される。
図12の例では、電力回路52a,52bは、1つのサブ制御装置56によりそれぞれ制御される。
図13は、本実施形態に係る無線電力伝送装置5の他の例を示す図である。図13の例では、制御装置53は、2つのサブ制御装置56a,56bと、2つの通信ケーブル57a,57bと、を備える。他の構成は、図12と同様である。
図13の例では、電力回路52a,52bは、サブ制御装置56a,56bによりそれぞれ制御される。また、サブ制御装置56a,56bは、通信ケーブル57a,57bにより、メイン制御装置55にそれぞれ接続される。サブ制御装置56a,56bは、1つのメイン制御装置55によりそれぞれ制御される。
図14は、本実施形態に係る無線電力伝送装置5の他の例を示す図である。図14の例では、制御装置53は、2つのサブ制御装置56a,56bと、通信ケーブル57と、を備える。他の構成は、図12と同様である。
図14の例では、電力回路52a,52bは、サブ制御装置56a,56bによりそれぞれ制御される。また、サブ制御装置56aは、通信ケーブル57によりメイン制御装置55に接続され、メイン制御装置55により制御される。サブ制御装置57bは、通信ケーブル58によりサブ制御装置56aに接続され、サブ制御装置56aを介してメイン制御装置55により制御される。通信ケーブル58は、通信ケーブル57と同様のケーブルであり、サブ制御装置56a,56bは、デジタル差動通信又は光通信により通信するのが好ましい。
以上のような構成により、電力回路52及びサブ制御装置56の少なくとも一方を複数備えた無線電力伝送装置5を実現できる。なお、図12〜図14の例では、無線電力伝送装置5は、コイル51を2つ備えるが、3つ以上備えてもよい。この場合、無線電力伝送装置5は、電力回路52及びサブ制御装置56の少なくとも一方を3つ以上備えてもよい。
なお、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって種々の発明を形成できる。また例えば、各実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除した構成も考えられる。さらに、異なる実施形態に記載した構成要素を適宜組み合わせてもよい。