図1には、本発明の実施形態に係る複合トランス100の分解斜視図が模式的に示されている。複合トランス100は、プライマリトランスコア30、プライマリ巻線11〜16、セカンダリトランスコア40およびセカンダリ巻線20を備えている。プライマリトランスコア30はプライマリコア31〜36によって構成され、セカンダリトランスコア40はセカンダリコア41〜46によって構成されている。複合トランス100は、6個のプライマリ巻線11〜16のそれぞれと、1個のセカンダリ巻線20とが結合するものである。プライマリ巻線11〜16は、それぞれ、個別に設けられたプライマリコア31〜36に取り付けられ、セカンダリ巻線20は、6個のセカンダリコア41〜46に取り付けられる。
図2には、プライマリコア3k(kは正の整数)の斜視図が示されている。プライマリコア3kは、鉄、フェライト、ニッケル、コバルト、パーマロイ等の磁性体で形成されている。プライマリコア3kは、半径が異なる2つの扇形柱が中心軸(軸方向断面の扇形の頂点が形成する稜線)を共通にして積み重ねられた形状を有している。
すなわち、プライマリコア3kは、大径扇形部3k−1および小径扇形部3k−2によって構成されている。大径扇形部3k−1および小径扇形部3k−2のそれぞれは、円柱を周囲方向に60°の角度間隔で切断して得られる扇形柱の形状を有している。大径扇形部3k−1および小径扇形部3k−2は、これらが切り出される前の円柱の中心軸が共通となるように積み重なって一体化し、プライマリコア3kを形成している。
図3には、セカンダリコア4kの構成が示されている。セカンダリコア4kは、プライマリコア3kを形成する磁性体と同様の磁性体で形成されている。セカンダリコア4kは、プライマリコア3kにおける大径扇形部3k−1および小径扇形部3k−2と同様の形状を有する大径扇形部4k−1および小径扇形部4k−2を含む。セカンダリコア4kでは、小径扇形部4k−2の外周面に内壁面が対向するように弧を描く外壁4k−3が、大径扇形部4k−1の外周に形成されている。
図1に示されているように、プライマリコア31〜36は、中心軸を中心に向けて回転対称に配置されている。プライマリコア31〜36のそれぞれの小径扇形部は、プライマリトランスコア30の柱状部PL1の一部である分割柱を形成し、プライマリコア31〜36のそれぞれの大径扇形部は、プライマリトランスコア30のフランジF1の一部である分割フランジを形成する。
プライマリコア31〜36のそれぞれの小径扇形部の周囲には、それぞれ、複数回に亘って導線が巻き回されたプライマリ巻線11〜16が設けられている。図1には、隣接する2つのプライマリ巻線の境界が一点鎖線で示されているが、後述のように、一方のプライマリ巻線を形成する導線と、他方のプライマリ巻線を形成する導線は方向を揃えて交互に配置されている。なお、本願明細書における導線の用語は、線状の導体のみならず、所定方向に電流を導く帯状、板状、角柱状等の立体形状の導体をも意味する。
セカンダリコア41〜46は、プライマリコア31〜36と同様、中心軸を中心に向けて回転対称に配置されている。セカンダリコア41〜46のそれぞれの小径扇形部は、セカンダリトランスコア40の柱状部PL2の一部である分割柱を形成し、セカンダリコア41〜46のそれぞれの大径扇形部は、セカンダリトランスコア40のフランジF2の一部である分割フランジを形成する。また、セカンダリコア41〜46のそれぞれの外壁は、複合トランス100の外周壁SWを形成する。
セカンダリ巻線20は、導線を円環状に周回させた形状を有している。セカンダリトランスコア40の柱状部PL2の周りには、セカンダリ巻線20が取り付けられる。すなわち、セカンダリトランスコア40の外周壁SWと柱状部PL2との間にセカンダリ巻線20が固定される。セカンダリトランスコア40にセカンダリ巻線20が取り付けられた状態で、セカンダリコア41〜46の小径扇形部の端面が、それぞれ、プライマリコア31〜36の小径扇形部の端面に所定の距離を隔てて対向するように、複合トランス100が組み立てられる。
すなわち、図1に示されているセカンダリトランスコア40は、外周壁SWと柱状部PL2との間にセカンダリ巻線20が取り付けられた状態で上下が逆にされ、プライマリ巻線11〜16が取り付けられたプライマリトランスコア30を覆う。これによって、複合トランス100が構成される。
なお、セカンダリコア41〜46の小径扇形部の端面が、それぞれ、プライマリコア31〜36の小径扇形部の端面に接合され、セカンダリコア41〜46が、それぞれ、プライマリコア31〜36と一体化され、1つのトランスコアが形成されてもよい。
複合トランス100では、各プライマリ巻線を形成する導線が弧を描く弧状部と、セカンダリ巻線20とが対向する。すなわち、各プライマリ巻線は、柱状部PL1の周囲にある区間がセカンダリ巻線20に対向する。これによって、各プライマリ巻線の弧状部から発生した磁束がセカンダリ巻線20に鎖交し、あるいは、セカンダリ巻線20から発生した磁束が各プライマリ巻線の弧状部に鎖交し、各プライマリ巻線とセカンダリ巻線20とが結合する。
図4には、複合トランス100の断面が示されている。この断面図は、セカンダリコア42とセカンダリコア41との間、およびセカンダリコア44とセカンダリコア45との間を通る平面で複合トランス100を切断し、セカンダリコア42および44側を眺めたものである。図4には、セカンダリコア42および44の各側面と、プライマリコア32および34の各側面と、プライマリ巻線12および14の断面と、セカンダリ巻線20の断面が表されている。図4に示されているように、プライマリコア32の小径扇形部32−2の端面と、セカンダリコア42の小径扇形部42−2の端面とが対向し、これらの間にギャップG1が形成されている。また、プライマリコア32の大径扇形部32−1の端面と、セカンダリコア42の外壁42−3の端面とが対向し、これらの間にギャップG2が形成されている。同様に、プライマリコア34の小径扇形部34−2の端面と、セカンダリコア44の小径扇形部44−2の端面とが対向し、これらの間にギャップG1が形成されている。また、プライマリコア34の大径扇形部34−1の端面と、セカンダリコア44の外壁44−3の端面とが対向し、これらの間にギャップG2が形成されている。
プライマリ巻線12から発せられた磁束は、ギャップG1、セカンダリコア42の小径扇形部42−2、大径扇形部42−1、外壁42−3、ギャップG2、プライマリコア32の大径扇形部32−1、および小径扇形部32−2を通って、セカンダリ巻線20に鎖交する。
すなわち、kを正の整数として、プライマリ巻線1kから発せられた磁束は、ギャップG1、セカンダリコア4kの小径扇形部4k−2、大径扇形部4k−1、外壁4k−3、ギャップG2、プライマリコア3kの大径扇形部3k−1、および小径扇形部3k−2を通って、セカンダリ巻線20に鎖交する。セカンダリ巻線20から発せられた磁束は、同様の経路を通ってプライマリ巻線1kに鎖交する。
プライマリコア3kおよびセカンダリコア4kは、磁束を集中させる効果を有するため、プライマリ巻線1kおよびセカンダリ巻線20の漏れ磁束が低減される。これによって、プライマリ巻線1kおよびセカンダリ巻線20の漏れインダクタンスが大きくなり過ぎず、適切な値となる。
また、本実施形態に係る複合トランス100は、柱状の部材が周囲方向に所定角度間隔で分割された形状を有している。そのため、分割によって形成された隙間に空気が流通し、各プライマリ巻線およびセカンダリ巻線20を空気によって冷却する効果が高まる。
図1〜図4に示されたように、複合トランス100は、プライマリトランスコア30と、複数のプライマリ巻線11〜1m(mは2以上の整数)と、各プライマリ巻線に結合するセカンダリ巻線20と、セカンダリトランスコア40とを備えている。図1〜図3に示されている例ではmは6である。プライマリトランスコア30は柱状部PL1を含む。柱状部PL1は、柱形状を周囲方向に所定角度間隔θで複数に分割して得られる形状をそれぞれが有する複数の分割柱を備えている。各分割柱は、各プライマリコア3kの小径扇形部3k−2によって形成されている。図1〜図3に示されている例では、角度間隔θは60°である。
同様に、セカンダリトランスコア40は柱状部PL2を含む。柱状部PL2は、柱形状を周囲方向に所定角度間隔θで複数に分割して得られる形状をそれぞれが有する複数の分割柱を備えている。各分割柱は、各セカンダリコア4kの小径扇形部4k−2によって形成されている。
各プライマリコア3kの小径扇形部3k−2の端面と、各セカンダリコア4kの小径扇形部4k−2の端面は、所定の距離を隔てて対向してもよいし、接触していてもよい。さらに、プライマリコア3kの小径扇形部3k−2と、セカンダリコア4kの小径扇形部4k−2は一体化されていてもよい。すなわち、柱状部PL1の端面と、柱状部PL2の端面との間にギャップが形成されていてもよいし、柱状部PL1および柱状部PL2が一体化されていてもよい。
複数のプライマリ巻線11〜1mのそれぞれは、プライマリトランスコア30における複数の分割柱(プライマリコアの小径扇形部)のうちの対応する分割柱の周囲に設けられている。セカンダリ巻線20は、セカンダリトランスコア40の柱状部PL2の周囲に設けられている。
柱状部PL1およびPL2を1つの柱状部と捉え、プライマリトランスコア30およびセカンダリトランスコア40を1つのコアと捉えた場合、このコアは、次のような構造を有するといえる。すなわち、柱状部(PL1,PL2)の両端に位置し、柱状部よりも外側に広がる一対のフランジ(F1,F2)をコアが有している。フランジは、周囲方向に所定角度間隔θでフランジを複数に分割して得られる形状をそれぞれが有する複数の分割フランジを備える。この分割フランジは、プライマリコア3kの大径扇形部3k−1またはセカンダリコア4kの大径扇形部4k−1によって形成されている。
コアが備える柱状部は、柱状部を横切る分離面によって柱状部PL1(プライマリ部分)およびPL2(セカンダリ部分)に分割され、柱状部PL1と柱状部PL2との間にギャップが形成されてもよい。この構造では、プライマリ部分の各分割柱の周囲にプライマリ巻線が設けられ、セカンダリ部分の周囲にセカンダリ巻線が設けられる。
図5には、プライマリ巻線11および12が、プライマリコア31および32と共に模式的に示されている。この図は、各プライマリコアの小径扇形部の端面を眺めたものである。プライマリ巻線11を形成する導線54の一端は、接続端子521に接続されている。導線54は、接続端子521を始点として、プライマリコア31の周囲を時計回りに2周して終点としての接続端子522に至る。同様に、プライマリ巻線12を形成する導線58の一端は、接続端子561に接続されている。導線58は、接続端子561を始点として、プライマリコア32を時計回りに2周して終点としての接続端子562に至る。
プライマリコア31とプライマリコア32との間の境界領域では、プライマリ巻線11を形成する導線54と、プライマリ巻線12を形成する導線58が方向を揃えて互い違いに配列されている。プライマリ巻線11の接続端子521から電流が流入し、接続端子522から電流が流出し、プライマリ巻線12の接続端子561から電流が流入し、接続端子562から電流が流出するとき、境界領域では次のように電流が流れる。すなわち、プライマリ巻線11には図面の右方向に向かって電流が流れ、プライマリ巻線12には図面の左方向に向かって電流が流れる。プライマリ巻線11の接続端子522から電流が流入し、接続端子521から電流が流出し、プライマリ巻線12の接続端子562から電流が流入し、接続端子561から電流が流出するとき、各プライマリ巻線に流れる電流は逆向きとなる。
したがって、プライマリ巻線11の接続端子521に流入する電流と、プライマリ巻線12の接続端子561に流入する電流とが同位相であるとき、境界領域で隣接する導線に流れる電流は逆位相である。そのため、隣接する導線によって生じる近接効果が抑制され、各導線で生じる損失が低減される。ここで、近接効果とは、方向を揃えて隣接する2つの導線に同一方向の電流が流れた場合、各導線に流れる電流が発生する磁束によって、各導線の断面における電流分布が不均一となり、損失が増加する効果をいう。
ここでは、プライマリ巻線11および12について説明したが、隣接するその他の一対のプライマリ巻線についても同様に、近接効果が抑制され、損失が低減されるという効果が得られる。
このように、本実施形態に係る複合トランス100では、隣り合う2つの分割柱の間の境界領域では、一方の分割柱の周囲に設けられたプライマリ巻線を形成する導線と、他方の分割柱の周囲に設けられたプライマリ巻線を形成する導線とが、柱状部を横切る配置面上で交互に並べられている。これによって、隣接する導線によって生じる近接効果が抑制され、各導線で生じる損失が低減される。
図6には、プライマリ巻線11および12の斜視図が示されている。ただし、この図では、各プライマリ巻線の構造を判り易くするため、プライマリコアは描かれていない。プライマリ巻線11は、中心近傍の接続端子601を始点として、1周するごとに中心付近で1ピッチだけ外側へ向かいながら反時計回りに6周し、中心近傍の接続端子(図示せず)に至っている。プライマリ巻線12は、中心近傍の接続端子(図示せず)を始点として、1周するごとに中心付近で1ピッチだけ外側へ向かいながら反時計回りに6周し、中心近傍の接続端子622に至っている。
プライマリ巻線11とプライマリ巻線12との間の境界領域B12では、各プライマリ巻線を形成する導線は、図の上下方向に広がる導体板となっている。境界領域B12では、図の右側から順に、プライマリ巻線11の第1周目の導線、プライマリ巻線12の第6周目の導線、プライマリ巻線11の第2周目の導線、プライマリ巻線12の第5周目の導線、プライマリ巻線11の第3周目の導線、プライマリ巻線12の第4周目の導線、・・・・・プライマリ巻線11の第6周目の導線、および、プライマリ巻線12の第1周目の導線が板面を揃えて連なる。
プライマリ巻線16とプライマリ巻線11との間の境界領域B61、およびプライマリ巻線12とプライマリ巻線13との間の境界領域B23でもまた、各プライマリ巻線を形成する導線は、図の上下方向に広がる導体板となっている。境界領域B61では、プライマリ巻線16を形成する導体板と、プライマリ巻線11を形成する導体板とが交互に配置され、境界領域B23では、プライマリ巻線12を形成する導体板と、プライマリ巻線13を形成する導体板とが交互に配置されている。
プライマリ巻線11については、境界領域B61から境界領域B12に至る中心付近の区間で各導線は上側が欠損している。また、プライマリ巻線12については、境界領域B12から境界領域B23に至る区間で各導線は下側が欠損している。境界領域B61から中心に向けて延び境界領域B12に向かう各導線は、境界領域B12から境界領域B23に至る区間よりも下側を通って、境界領域B12に至っている。また、境界領域B12から中心に向けて延び境界領域B23に向かう各導線は、境界領域B61から境界領域B12に至る各導線よりも上側を通って、境界領域B23に至っている。
プライマリ巻線11の弧状部A11では、プライマリ巻線11を形成する導線が弧を描く。内側から外側に向かって、第1周目の導線、第2周目の導線、・・・・・第6周目の導線が順に並んでいる。
プライマリ巻線12の弧状部A12では、プライマリ巻線12を描く導線が弧を描く。内側から外側に向かって、第1周目の導線、第2周目の導線、・・・・・第6周目の導線が順に並んでいる。
境界領域B12の外側では、プライマリ巻線11を形成する導線の上側半分が欠損しており、厚みが半分となっている。また、境界領域B12の外側では、プライマリ巻線12を形成する導線の下側半分が欠損しており、厚みが半分となっている。境界領域B12の外側では、プライマリ巻線11を形成する導線の上側に、プライマリ巻線12を形成する導線がある。
境界領域B12から外側へ延びるプライマリ巻線11の第1周目の導線は、プライマリ巻線12の導線の下側に差し掛かると右側に折れて弧状部A11において弧を描く。境界領域B12から外側へ延びるプライマリ巻線11の第2周目の導線は、プライマリ巻線12の導線の下側に差し掛かり、第1周目よりも1ピッチだけ外側へ延びると右側に折れて弧状部A11において弧を描く。・・・・・境界領域B12から外側へ延びるプライマリ巻線11の第6周目の導線は、プライマリ巻線12の導線の下側に差し掛かり、第5周目よりも1ピッチだけ外側へ延びると右側に折れて弧状部A11において弧を描く。
プライマリ巻線12の弧状部A12においてプライマリ巻線11側に向かって弧を描く第1周目の導線は、プライマリ巻線11の上側に差し掛かると内側に折れて境界領域B12を内側に向かって延びる。プライマリ巻線12の弧状部A12においてプライマリ巻線11側に向かって弧を描く第2周目の導線は、プライマリ巻線11の上側に差し掛かると、第1周目の導線よりも境界領域B12の1枚の板厚分だけさらに延びて内側に折れて境界領域B12を内側に向かって延びる。・・・・・プライマリ巻線12の弧状部A12においてプライマリ巻線11側に向かって弧を描く第6周目の導線は、プライマリ巻線11の上側に差し掛かると、第5周目の導線よりも境界領域B12の1枚の板厚分だけさらに延びて内側に折れて境界領域B12を内側に向かって延びる。
このような構造によれば、隣接する2つのプライマリ巻線のうちの一方の導線と他方の導線とが、境界領域において方向を揃えて交互に並べられる。これによって、同一の周回方向に流れる同位相の電流が各プライマリ巻線に流れる場合には、近接効果が抑制される。また、各プライマリ巻線における弧状部の形状が、平坦な円環形状の一部となり、平坦な円環形状のセカンダリ巻線との結合状態が良好となる。
上記では、プライマリトランスコア30およびセカンダリトランスコア40の中心軸の周りで60°回転させたときに、回転前の構造と同様の構造となる6回対称構造の複合トランス100について説明した。複合トランスは、使用目的に応じて、L回対称構造としてもよい。ただし、Lは2以上の任意の整数である。
本発明の実施形態に係る複合トランス100において、プライマリトランスコア30と、セカンダリトランスコア40との間にギャップ(図4)が設けられている場合、プライマリトランスコア30と、セカンダリトランスコア40とを近接および離反自在としてもよい。この場合、プライマリトランスコア30および各プライマリ巻線によってプライマリ側のコネクタを形成してもよい。さらに、セカンダリトランスコア40およびセカンダリ巻線20によってセカンダリ側のコネクタを形成してもよい。プライマリ側のコネクタからは、各プライマリ巻線に接続されたケーブルが引き出されてもよい。同様に、セカンダリ側のコネクタからもセカンダリ巻線20に接続されたケーブルが引き出されてもよい。プライマリ側のコネクタとセカンダリ側のコネクタとが接近し、または接触することで複合トランスが形成される。
このようなコネクタは、充電装置が設置された場所に自律的に移動して、自らのバッテリを自律的に充電するロボット等の移動体に用いられてもよい。充電装置にはセカンダリ側のコネクタが設けられ、移動体にはプライマリ側のコネクタが設けられる。移動体は、自らのバッテリの充電電荷量が低下すると、自律的に充電装置が設置されている場所に移動する。そして、自らのコネクタが充電装置のコネクタに接近する位置で停止する。充電装置は、セカンダリ側のコネクタおよびプライマリ側のコネクタによって構成される複合トランスを介して、移動体に電力を供給する。
なお、以下に説明する各実施形態に係る複合トランスにおいても、プライマリトランスコアとセカンダリトランスコアとを近接および離反自在とし、プライマリ側のコネクタとセカンダリ側のコネクタを形成してもよい。
図7には、本実施形態に係る複合トランス100の等価回路が示されている。図1に示されたプライマリ巻線11〜16は、それぞれ、図7の等価回路に示されたプライマリ巻線11〜16に対応する。ただし、プライマリ巻線の数を表す整数mは6である。また、図1に示されたセカンダリ巻線20は、図7の等価回路に示されたセカンダリ巻線20に対応する。
プライマリ巻線11〜1mのそれぞれと、セカンダリ巻線20は磁気的に結合する。各プライマリコアは個別に形成されているため、隣接する2つのプライマリ巻線の一方から発生し、他方に鎖交する磁束は小さい。各プライマリ巻線の巻き数をn、セカンダリ巻線20の巻き数をNとしたとき、セカンダリ巻線20の端子間電圧V2と、プライマリ巻線11〜1mの端子間電圧V11〜V1mとの間には次のような関係がある。
(数1)V2=N・(V11+V12+・・・・・+V1m)/n
V11〜V1mが等しい値V1であるときは、V2は次のように表される。
(数2)V2=m・N・V1/n
プライマリ巻線11〜1mのそれぞれの巻き数を同一とした場合、セカンダリ巻線20の端子間電圧V2は、プライマリ巻線の数mが多いほど大きくなる。特に、プライマリ巻線11〜1mのそれぞれの巻き数および端子間電圧を同一とした場合には、セカンダリ巻線20の端子間電圧V2は、プライマリ巻線の数mに比例する。また、セカンダリ巻線20の端子間電圧V2は、セカンダリ巻線20の巻き数Nに比例する。
したがって、プライマリ巻線11〜1mのそれぞれの巻き数を同一とし、セカンダリ巻線20の端子間電圧V2を同一とするという条件の下では、プライマリ巻線の数mが大きい程、セカンダリ巻線20の巻き数Nが小さくなる。この場合、プライマリ巻線の数mを増加させることで、セカンダリ巻線20の巻き数Nを減少させ、セカンダリ巻線20を形成する導線を短くし得る。これによって、セカンダリ巻線20の抵抗値が小さくなり、セカンダリ巻線20で発生する電力損失が低減される。
図8〜図11および図14に示される装置またはシステムは、本発明の実施形態に係る複合トランスのプライマリ巻線にプライマリスイッチング回路が接続され、複合トランスのセカンダリ巻線にセカンダリスイッチング回路が接続され、プライマリスイッチング回路とセカンダリスイッチング回路との間で電力伝送を行うものである。
図8には、本実施形態に係る複合トランス100を用いた電力変換装置1が示されている。電力変換装置1は、複合トランス100、ダブルブリッジスイッチング回路(プライマリスイッチング回路)701〜70m、ダブルブリッジスイッチング回路(セカンダリスイッチング回路)700および制御部10を備えている。
複合トランス100のプライマリ巻線11〜1mには、それぞれ、ダブルブリッジスイッチング回路701〜70mが接続されている。また、複合トランス100のセカンダリ巻線20には、ダブルブリッジスイッチング回路700が接続されている。各ダブルブリッジスイッチング回路の回路構成は同一であるため、ここでは、ダブルブリッジスイッチング回路701の回路構成について説明する。
ダブルブリッジスイッチング回路701は、ハーフブリッジH1およびH2を備えている。ハーフブリッジH1は、直列に接続されたスイッチング素子S1およびS2によって構成されている。ハーフブリッジH2は、直列に接続されたスイッチング素子S3およびS4によって構成されている。図8に示されている例では、各スイッチング素子としてMOSFETが用いられている。スイッチング素子S1としてのMOSFETのソース端子が、スイッチング素子S2としてのMOSFETのドレイン端子に接続されている。また、スイッチング素子S3としてのMOSFETのソース端子が、スイッチング素子S4としてのMOSFETのドレイン端子に接続されている。各ハーフブリッジは、各MOSFETに接続されたダイオードDを備えている。すなわち、各MOSFETのドレイン端子とソース端子との間には、ソース端子の側をアノード端子としてダイオードDが接続されている。各スイッチング素子には、バイポーラトランジスタ、IGBT等、その他の半導体素子が用いられてもよい。
ハーフブリッジH1およびH2は並列に接続されている。ハーフブリッジH1およびH2の図の上側の接続点は正極端子P1に接続され、図の下側の接続点は負極端子M1に接続されている。スイッチング素子S1およびS2の接続点と、スイッチング素子S3およびS4の接続点との間には、プライマリ巻線11が接続されている。
スイッチング素子S1〜S4は、制御部10によってオフからオン、または、オンからオフに制御される。スイッチング素子S1がオフからオンに切り替わったときには、スイッチング素子S2はオンからオフに切り替わり、スイッチング素子S1がオンからオフに切り替わったときには、スイッチング素子S2はオフからオンに切り替わる。すなわち、スイッチング素子S1およびS2は交互にオンオフする。同様に、スイッチング素子S3およびS4もまた、交互にオンオフする。
スイッチング素子S1およびS2がオンオフする周期と、スイッチング素子S3およびS4がオンオフする周期は同一の時間長である。スイッチング素子S1およびS2のオンオフの位相と、スイッチング素子S3およびS4のオンオフの位相にはズレがあり、この位相ずれは、例えば180°である。
ダブルブリッジスイッチング回路701〜70mのスイッチングは同期してもよい。すなわち、ダブルブリッジスイッチング回路701〜70mが備えるスイッチング素子Si(iは1〜4のうちいずれかの整数)は、同一のタイミングでオンオフしてもよい。
各ダブルブリッジスイッチング回路のスイッチングによって、ダブルブリッジスイッチング回路70kの正極端子P1および負極端子M1から入力された電力は、プライマリ巻線1kおよびセカンダリ巻線20を介して、ダブルブリッジスイッチング回路700の正極端子P2および負極端子M2から出力される。あるいは、ダブルブリッジスイッチング回路700の正極端子P2および負極端子M2から入力された電力は、セカンダリ巻線20およびプライマリ巻線1kを介して、ダブルブリッジスイッチング回路70kの正極端子P1および負極端子M1から出力される。
正極端子P1および負極端子M1から、正極端子P2および負極端子M2に伝送される電力は、ダブルブリッジスイッチング回路70kのスイッチングと、ダブルブリッジスイッチング回路700のスイッチングの位相差を変化させることで調整される。
図9には、本実施形態に係る複合トランス100を用いた電力変換装置2が示されている。この電力変換装置2は、図8に示されているダブルブリッジスイッチング回路701〜70mおよびダブルブリッジスイッチング回路700を、それぞれ、ハーフブリッジスイッチング回路721〜72mおよびハーフブリッジスイッチング回路720に置き換えたものである。ハーフブリッジスイッチング回路721〜72mがプライマリスイッチング回路に相当し、ハーフブリッジスイッチング回路720がセカンダリスイッチング回路に相当する。
ハーフブリッジスイッチング回路72kおよび700は、ダブルブリッジスイッチング回路70kのスイッチング素子S3およびS4を、それぞれ、コンデンサC1およびC2に置き換えたものである。ハーフブリッジスイッチング回路72kおよび720では、スイッチング素子S1およびS2が交互にオンオフされる。正極端子P1および負極端子M1から、正極端子P2および負極端子M2に伝送される電力は、ハーフブリッジスイッチング回路72kのスイッチングと、ハーフブリッジスイッチング回路720のスイッチングの位相差を変化させることで調整される。
図10には、本実施形態に係る複合トランス102を用いた電力変換装置3が示されている。この電力変換装置3は、図9に示されているハーフブリッジスイッチング回路721〜72mおよび720を、それぞれ、変形ブリッジスイッチング回路731〜73mおよび730に置き換えたものである。変形ブリッジスイッチング回路731〜73mがプライマリスイッチング回路に相当し、変形ブリッジスイッチング回路730がセカンダリスイッチング回路に相当する。
変形ブリッジスイッチング回路73kおよび730は、図9に示されているハーフブリッジスイッチング回路72kにおけるプライマリ巻線1kを取り外して2つに分割し、分割によって得られた一方の巻線1k−1をハーフブリッジH1の上側の一端とコンデンサC1の上側の一端との間に接続し、分割によって得られた他方の巻線1k−2をハーフブリッジH1の下側の一端とコンデンサC2の下側の一端との間に接続し、さらに、スイッチング素子S1およびS2の接続点と、コンデンサC1およびC2の接続点との間を短絡したものである。プライマリ巻線1kの分割は、プライマリ巻線1kを形成する導線を中途の位置(中途点)で切断し、一対の接続端子とすることによって行われる。例えば、図5に示されるプライマリ巻線11については、境界領域B61またはB12におけるいずれか1枚の導体板を上下方向に延びるギャップで分割されたものとし、分割されている2枚の導体板のそれぞれから上方または下方に接続端子が引き出された構造とする。
同様に、変形ブリッジスイッチング回路730は、図9に示されているハーフブリッジスイッチング回路720におけるセカンダリ巻線20を取り外して2つに分割し、分割によって得られた一方の巻線20−1をハーフブリッジH1の上側の一端とコンデンサC1の上側の一端との間に接続し、分割によって得られた他方の巻線20−2をハーフブリッジH1の下側の一端とコンデンサC2の下側の一端との間に接続し、さらに、スイッチング素子S1およびS2の接続点と、コンデンサC1およびC2の接続点との間を短絡したものである。
変形ブリッジスイッチング回路73kおよび730では、スイッチング素子S1およびS2が交互にオンオフされる。正極端子P1および負極端子M1から、正極端子P2および負極端子M2に伝送される電力は、変形ブリッジスイッチング回路73kのスイッチングと、変形ブリッジスイッチング回路730のスイッチングの位相差を変化させることで調整される。
図11には、図10に示される電力変換装置3を用いたバッテリ充電システム4が示されている。変形ブリッジスイッチング回路731〜73mの正極端子P1および負極端子M1には、それぞれバッテリ741〜74mが接続されている。変形ブリッジスイッチング回路730の正極端子P2および負極端子M2には、直流電力源76が接続されている。
バッテリ充電システム4は、直流電力源76からバッテリ741〜74mに電力を供給し、各バッテリを充電するシステムである。各バッテリは、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車に搭載された車載バッテリであり、直流電力源76は、例えば、サービスステーション等に設置された充電装置である。
制御部10は、変形ブリッジスイッチング回路731〜73mおよび730を個別に制御し、バッテリ741〜74mを個別に充電する。例えば、バッテリの充電状態を表すSoC(State of Charge)が小さい程、バッテリに供給する電力を大きくする制御が、バッテリ741〜74mに対して個別に行われてもよい。
図12には、2つのバッテリ741および742を充電する場合の制御部10の構成が示されている。制御部10が各バッテリの充電制御をするに際して、指令生成部80には、使用履歴、温度計測値、および充電スケジュールが入力される。また、バッテリ741のSoCがSoC1として測定され、バッテリ742のSoCがSoC2として測定される。
使用履歴は、各バッテリの完成時からの経過時間、過去において充電または放電された総電荷量等の情報であってもよい。充電スケジュールは、充電開始からの経過時間に対してバッテリに供給する電力を対応付けた情報や、充電時間の上限等を示す情報であってもよい。
指令生成部80は、バッテリ741に対して入力された使用履歴、温度計測値、および充電スケジュールに基づいて、SoC1に対する指令値SoC1*を求める。減算器82は、指令値SoC1*から測定値SoC1を減算し第1誤差を求め、第1比例積分部84に出力する。第1比例積分部84は、第1誤差に対する比例積分によって、位相差Δφ1を求める。制御部10は、変形ブリッジスイッチング回路731のスイッチングと、変形ブリッジスイッチング回路730のスイッチングの位相差を、Δφ1に近付け、または一致させる。
指令生成部80は、バッテリ742に対して入力された使用履歴、温度計測値、および充電スケジュールに基づいて、SoC2に対する指令値SoC2*を求める。減算器86は、指令値SoC2*から測定値SoC2を減算し第2誤差を求め、第2比例積分部88に出力する。第2比例積分部88は、第2誤差に対する比例積分によって、位相差Δφ2を求める。制御部10は、変形ブリッジスイッチング回路732のスイッチングと、変形ブリッジスイッチング回路730のスイッチングの位相差を、Δφ2に近付け、または一致させる。
このような制御によって、バッテリ741のSoCはSoC1*に、バッテリ742のSoCはSoC2*にそれぞれ近付き、または一致する。
図13には、充電制御の例が示されている。図13(a)は、SoC1およびSoC2を時間に対応付けたものである。図13(b)は、変形ブリッジスイッチング回路730のスイッチングの位相を基準とした、変形ブリッジスイッチング回路731および732のスイッチングの位相差Δφ1およびΔφ2を時間に対応付けたものである。図13(c)は、バッテリ741および742に供給される電力W1およびW2を時間に対応付けたものである。この充電制御では、時間0〜時間t1の間、SoC1とSoC2とを一致させる制御が行われている。この時間帯では、図13(a)に示されているように、SoC1の方がSoC2よりも大きい。そのため、図13(b)に示されているように、変形スイッチング回路732に対する位相差Δφ2を、変形スイッチング回路731に対する位相差Δφ1よりも大きくする。これによって、図13(c)に示されているように、時間0〜時間t1の間、バッテリ742に供給される電力W2の方がバッテリ741に供給される電力W1よりも大きくなる。時間t1〜時間t2の間は、図13(b)に示されているように、位相差Δφ1およびΔφ2が同一とされ、供給電力W1およびW2は等しくなる。図13(a)に示されているように、SoC1およびSoC2は同一値となり、同一の時間変化率で増加して、時間t2以降に目標値に達する。図13(b)および(c)に示されているように、時間t2以降は、位相差Δφ1およびΔφ2は0とされ、供給電力W1およびW2は0となる。
図14には、変形複合トランス104を用いたバッテリ充電システム5が示されている。変形複合トランス104は、プライマリ側の構成とセカンダリ側の構成とを同一としたものである。すなわち、変形複合トランス104には、各プライマリ巻線1k−1および1k−2に対応するセカンダリ巻線2k−1および2k−2が設けられており、各プライマリ巻線1k−1および1k−2に対し、セカンダリ巻線2k−1および2k−2が結合する。
バッテリ充電システム5では、図11に示されているバッテリ充電システム4における複合トランス102が変形複合トランス104に置き換えられ、各セカンダリ巻線2k−1および2k−2に変形ブリッジスイッチング回路78kが接続されている。
変形ブリッジスイッチング回路781〜78mのそれぞれの正極端子P2は共通に接続され、変形ブリッジスイッチング回路781〜78mのそれぞれの負極端子M2は共通に接続されている。正極端子P2と負極端子M2との間には、直流電力源76が接続されている。
制御部10は、変形ブリッジスイッチング回路731〜73mおよび781〜78mを、変形ブリッジスイッチング回路73kおよび78kの組ごとに個別に制御し、バッテリ741〜74mを個別に充電する。変形ブリッジスイッチング回路78kの正極端子P2および負極端子M2から、変形ブリッジスイッチング回路73kの正極端子P1および負極端子M1に伝送される電力は、変形ブリッジスイッチング回路78kのスイッチングと、変形ブリッジスイッチング回路73kのスイッチングの位相差を変化させることで調整される。
図15には、変形複合トランス104の分解斜視図が示されている。セカンダリコア41〜46のそれぞれには、セカンダリ巻線が取り付けられている。すなわち、セカンダリコア4kの小径扇形部にセカンダリ巻線2k−1および2k−2が取り付けられている。
図15に示されているセカンダリトランスコア40は、各セカンダリコア4kにセカンダリ巻線2k−1および2k−2が取り付けられた状態で上下が逆にされ、プライマリ巻線11〜16が取り付けられたプライマリトランスコア30を覆う。これによって、セカンダリコア41〜46の小径扇形部の端面が、それぞれ、プライマリコア31〜36の小径扇形部の端面に所定の距離を隔てて対向し、変形複合トランス104が構成される。
なお、セカンダリコア41〜46の小径扇形部の端面が、それぞれ、プライマリコア31〜36の小径扇形部の端面に接合され、セカンダリコア41〜46が、それぞれ、プライマリコア31〜36と一体化されてもよい。
図16には、4つのプライマリ巻線を備える複合トランス106の分解斜視図が示されている。複合トランス106は、プライマリトランスコア108、プライマリ巻線121〜124、セカンダリトランスコア140およびセカンダリ巻線130を備えている。プライマリトランスコア108は、プライマリコア111〜114を備えている。プライマリコア11j(jは1〜4の整数)は、図1に示されているプライマリコア3k(kは1〜6の整数)の軸方向に垂直な断面形状を扇形から矩形に変更したものに相当する。ただし、各プライマリコア11jの外周には、外壁150が設けられている。図1に示されている各プライマリコア3kの分割柱の形状が扇形柱であるのに対し、各プライマリコア11jの分割柱の形状は四角柱である。プライマリコア111〜114のそれぞれに形成された分割柱の周囲には、それぞれ、矩形状のプライマリ巻線121〜124が取り付けられる。
セカンダリトランスコア140は、セカンダリコア141〜144を備えている。セカンダリコア141〜144は、それぞれ、プライマリコア111〜114と上下対称構造、または、上下対称構造に近似した構造を有している。上下対称構造に近似した構造には、例えば、外壁の高さや、分割柱の高さがプライマリコア11jと異なる構造がある。セカンダリコア141〜144のそれぞれの分割柱が形成する柱状部の周囲には、矩形状のセカンダリ巻線130が取り付けられる。
プライマリトランスコア108にプライマリ巻線121〜124が取り付けられ、セカンダリトランスコア140にセカンダリ巻線130が取り付けられた状態で、プライマリトランスコア108の柱状部(分割柱)の端面と、セカンダリトランスコア140の柱状部(分割柱)の端面とが対向するように、プライマリトランスコア108およびセカンダリトランスコア140が配置されることで、複合トランス106が構成される。この構造においても、プライマリコア111〜114の柱状部の端面が、それぞれ、セカンダリコア141〜144の柱状部の端面に接合され、プライマリコア111〜114が、それぞれ、セカンダリコア141〜144と一体化されてもよい。