JP6416193B2 - カルボニル化法を用いて合成ガスを分離する方法 - Google Patents

カルボニル化法を用いて合成ガスを分離する方法 Download PDF

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Description

優先権主張
[0001]本発明は、共に2013年3月15日に出願された米国出願第61/787,913号および第61/787,940号に対する優先権を主張し、その全内容および開示を参照により本明細書に取り込む。
[0002]本発明は、一般にカルボニル化法を用いた合成ガスまたはシンガスの分離に関する。合成ガスは一酸化炭素、二酸化炭素、および水素を含有し、カルボニル化法の間に一酸化炭素を反応させて水素を回収することにより分離することができる。さらなる合体のため、一態様において、回収した水素および製造された酢酸を一緒に水素化反応器に供給してエタノールを製造することができる。
[0003]合成ガス(シンガス)は、主に様々な量の一酸化炭素、水素をいくらかの二酸化炭素と共に含むガス混合物である。シンガスは産業用化学物質のための反応物として広く用いられている。シンガスを精製して異なる生成物純度の一酸化炭素および水素を製造するための様々な方法がある。シンガスの分離はエネルギー集約的であり、産業使用のための純粋な水素および一酸化炭素を得るための最も費用のかかるプロセス工程の1つである。低温精製が、米国特許第5,511,382号、第4,756,730号、および第4,242,875号において記載されているように、シンガスを分離するために広く用いられている。純粋な水素および一酸化炭素流の製造における1つの問題は、分離がエネルギー集約的であることである。追加のガス、例えば窒素およびメタンの存在は、分離のためのエネルギー必要量をさらに増大させ得る。また、精製方法の複雑さは一酸化炭素および水素の所望の純度に依存する。
[0004]いくつかの従来法は、ディーゼルを製造するためのフィッシャー・トロプシュ法のためのシンガスの使用ならびに銅および/または亜鉛触媒を用いてメタノールを製造するためのシンガスの使用を示す米国特許第6,596,781号において記載されているように、シンガスを産業用化学物質の製造において直接用いられてきた。メタノール合成は高度に選択的であり得るが、その方法はメタノールを製造するためにシンガスからの水素および二酸化炭素の両方を消費する。メタノール合成方法からの流出ガスが存在し得るが、その組成はシンガスの水素:一酸化炭素比およびメタノールに対する選択性に依存して変動し得る。従って、これらの方法はシンガスを分離できない。
[0005]シンガスからの酢酸の製造に関して様々な方法が記載されてきた。例えば、米国特許第8,088,832号はシンガスを経る合成経路を用いてエタノールを合成するための方法を記載している。流動床を用いる蒸気ガス化装置においてバイオマスをガス化し、シンガスの燃焼からの熱い煙道ガスを用いて加熱するための方法および装置が記載されている。酢酸イリジウムを含む触媒を用いて段階的触媒反応を用いて一酸化炭素および水素をエタノールに変換する、シンガスをエタノールに変換するための方法および装置も開示されている。その段階的触媒反応は、メタノール、一酸化炭素、および水素を酢酸メチル、水素、メタノール、酢酸、および水を含む混合物に変換する。水素および酢酸メチルがその混合物から分離され、エタノール製造において用いられる。
[0006]米国特許第8,080,693号は、触媒の存在下でメタノールおよび一酸化炭素を反応させて少なくとも25モル%の酢酸メチルおよび一部の場合において酢酸を有する生成物を製造することによりメタノールをエタノールに変換するための方法を記載している。次いで酢酸を少なくとも一種類のアルコール類と反応させて、酢酸メチル、酢酸エチル、および酢酸ブチルから選択される少なくとも一種類の酢酸エステルを製造する。次いで、メタノールおよび一酸化炭素の反応の結果として製造される少なくとも一種類の酢酸エステルおよび酢酸メチルを水素化してエタノールを製造する。シンガスは、その方法のためのメタノール必要量、水素必要量、および一酸化炭素必要量の全部または一部を製造するために、バイオマスから製造されることができる。カルボニル化反応器の前にシンガスから水素を分離する。水素透過膜が、5モル%未満の水素を有する一酸化炭素流の製造用に記載されている。
[0007]米国特許第7,498,016号はメタノール供給原料からのシンガスの製造方法を記載している。メタノール供給物は、部分酸化反応器に酸素および場合により蒸気と共に供給されて、水素、一酸化炭素、および二酸化炭素の混合流が生成する。二酸化炭素が分離されて、水素および一酸化炭素の混合物がコールドボックスに供給され、そこで水素富化流および一酸化炭素富化流に分離される。所望であれば、分離された二酸化炭素を温度調節材として部分酸化反応器に再循環してもよい。その一酸化炭素富化流を従来の方法により酢酸合成ユニット中でメタノールと反応させて酢酸または酢酸前駆体を製造することができる。場合により、アンモニア合成ユニットおよび/または酢酸ビニル単量体合成ユニットをそのプラント中に合体することができる。
[0008]米国特許第6,596,781号は、フィッシャー・トロプシュ生成物ならびにメタノールおよびカルボニル化経路を用いて作製される酢酸の製造を実施するための合体された方法を記載しており、それはフィッシャー・トロプシュ生成物の質を高めるためにメタノール製造から回収された水素を用いる。
[0009]米国特許第5,659,077号は、(a)メタンガスおよび(b)ガス状酸素、空気、またはそれらの混合物からなる供給混合物を、シンガスを製造することなく、高温および高圧の反応領域において部分酸化を行い、メタノール、一酸化炭素、二酸化炭素、メタンおよび水蒸気を含有する反応混合物を形成することを含む酢酸の製造のための合体された方法を記載している。水蒸気の少なくとも一部を反応混合物から除去し、残りの部分酸化反応混合物を、外部供給源からの追加メタノールと一緒に高温および高圧でカルボニル化反応領域に供給し、酢酸および/または酢酸メチルならびにメタノールを含有する反応生成物を形成させる。その追加メタノールは、その追加メタノールと部分酸化により製造されたメタノールが、部分酸化により製造された一酸化炭素の実質的に全部を変換するために十分であるような量で添加される。過剰なメタンおよび二酸化炭素は、カルボニル化反応領域から部分酸化反応領域に再循環され、カルボニル化反応生成物中のメタノールは、カルボニル化反応領域に再循環され、そして、酢酸および/または酢酸メチルは生成物として回収される。
[0010]WO2003097523は、実質的に化学量論的な条件下でメタノールおよび酢酸の両方を製造する方法を記載しており、ここで2.0未満のR比を有する未調整のシンガスが提供される。その未調整のシンガスの全部または一部を分離器ユニットに供給してCO、COおよび水素を回収する。回収したCO、COおよび水素のいずれか1つまたは組み合わせの少なくとも一部を、そのように処理していない全ての残りのシンガスに添加し、あるいは全ての残りの未調整のシンガスの非存在下で組み合わせて2.0〜2.9のR比を有する調整されたシンガスを製造し、それをメタノールを製造するために用いる。未調整のシンガスのR比を調整するために用いられないあらゆる回収されたCOは、COの製造を増進するために改質器に供給することができる。回収されたCOの少なくとも一部を従来の方法により酢酸反応器において製造されたメタノールの少なくとも一部と反応させて酢酸または酢酸前駆体を製造する。
[0011]他の方法はシンガスのエタノールへの変換を記載する。米国特許第7,718,832号は、主に水素および一酸化炭素からなるシンガスを反応器内で3種類の触媒と接触させることにより選択的にエタノールを製造する触媒方法を記載している。第1触媒はCu−Zn、MoまたはFeを任意のアルカリ金属添加剤および任意の酸化アルミニウム、シリカ、ゼオライトまたは粘度の支持体と共に含む水素化促進剤である。第2触媒は、第VIII族金属の一種類以上を、遊離形態またはYもしくはランタニドもしくはアクチニド系列の金属からなる共触媒金属と組み合わせた形態で、任意の添加剤および支持体と共に含む同族体化促進剤である。第3触媒は水素化促進剤である。
[0012]米国特許第7,842,844号は、炭化水素のC酸素化物への変換方法を記載しており、C酸素化物供給物を水素化するために従来の触媒を用いている。炭化水素は、炭化水素をシンガス反応器中で好ましくは1.5〜2.5のH/COモル比を有する酸化炭素(単数または複数)および水素の混合物を含む流れAに変換し、流れAの少なくとも一部を反応器中で微粒子触媒の存在下で150〜400℃の温度および5〜200barの圧力の下でC酸素化物流Bに変換することにより、エタノールおよび場合により酢酸に変換され、ここで流れBには水、アルカン、エタノール、アセトアルデヒド、酢酸エチルおよび酢酸が含まれ、それらは合わせてC酸素化物変換反応器から得られる生成物の少なくとも80重量%に相当する。C酸素化物流Bを分離してH、CO、COおよびアルカンを含む流れCならびに15〜40重量%の酢酸、10〜40重量%のアセトアルデヒドおよび15〜40重量%のエタノールが含まれる流れDに分離する。流れDの少なくとも一部を水素化反応器中で水素化してエタノール流Eにして、流れEに対して分離工程を行い、続いてエタノールを回収する。
[0013]米国特許第8,502,001号は炭素質供給原料からのエタノールの製造方法を記載しており、ここで炭素質供給原料をまずシンガスに変換し、次いでそれをエタン酸に変換し、次いでそれに対して2段階水素化法を行い、それによりエタン酸の少なくとも一部が一次水素化法によりエタン酸エチルに変換され、そのエタン酸エチルを二次水素化法により変換してエタノールが製造される。
[0014]欧州特許第02060553号は、炭化水素をエタン酸に変換し、エタン酸を水素化してエタノールにすることを含む、炭化水素をエタノールに変換するための方法を記載している。水素化反応器からの流れを分離してエタノール流ならびに酢酸および酢酸エチルの流れを得て、それを水素化反応器へと再循環させる。
[0015]従って、必要とされているのは、資本費用を著しく低減し、エネルギー効率のよいシンガスを分離するための方法である。
米国特許第5,511,382号 米国特許第4,756,730号 米国特許第4,242,875号 米国特許第6,596,781号 米国特許第8,088,832号 米国特許第8,080,693号 米国特許第7,498,016号 米国特許第6,596,781号 米国特許第5,659,077号 WO2003097523 米国特許第7,718,832号 米国特許第7,842,844号 米国特許第8,502,001号 欧州特許第02060553号
[0016]第一態様において、本発明は、酢酸を製造するための方法であって、炭素源を一酸化炭素、水素、および二酸化炭素を含む合成ガスに変換すること、該合成ガス、ならびにメタノール、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルエーテルおよびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一種類の反応物を、酢酸を製造するために有効なカルボニル化条件下で、触媒、酢酸メチル、促進剤、および触媒安定化剤を含む反応媒体を含む反応器に導入すること、水素および二酸化炭素を含む該反応器からベントガスを取り出すこと、該反応器から反応溶液を取り出すこと、ならびに該反応溶液から酢酸を回収することを含む方法に関する。該反応媒体は、酢酸を製造するための有限量の水も含んでいてよい。
[0017]第二態様において、本発明は、酢酸を製造するための方法であって、一酸化炭素、水素、および二酸化炭素を含む合成ガス、ならびにメタノール、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルエーテルおよびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一種類の反応物を、酢酸を製造するために有効なカルボニル化条件下で、触媒、酢酸メチル、促進剤、および触媒安定化剤を含む反応媒体を含む反応器に導入すること、該反応器からベントガスを取り出すこと、ただし、ベントガス中に40モル%未満、好ましくは20モル%未満の一酸化炭素含有量を維持するために、該反応器中の一酸化炭素分圧は15気圧未満である、該反応器から反応溶液を取り出すこと、ならびに該反応溶液から酢酸を回収することを含む方法に関する。合成ガスは、0.2:1〜6:1の水素:一酸化炭素モル比を有し得る。合成ガスは、1:0.5〜1:80の二酸化炭素:一酸化炭素モル比を有し得る。合成ガスは、9モル%〜80モル%の水素、3モル%〜90モル%の一酸化炭素、および0.5モル%〜25モル%の二酸化炭素を含み得る。反応器中の一酸化炭素分圧は0.3気圧〜15気圧であることができる。反応器中の水素分圧は3気圧〜40気圧であることができる。反応器中の一酸化炭素分圧は反応器中の水素分圧より低くてよい。ベントガスは、5モル%〜95モル%の水素、4モル%〜70モル%の二酸化炭素、および0.2モル%〜40モル%の一酸化炭素を含み得る。
[0018]第三態様において、本発明は、エタノールを製造するための方法であって、0.2:1〜6:1のH:COモル比を有するガス流、ならびにメタノール、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルエーテルおよびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一種類の反応物をカルボニル化反応器に、第1触媒および有限量の水の存在下で、酢酸および少なくとも一種類の非凝縮性ガスを含む粗生成物を形成するために有効な条件下で供給し、場合により水素を含む第1ベントガスを第1該反応器から取り出し、該粗生成物を分離して、酢酸生成物、および少なくとも一種類の非凝縮性ガスを含む第2ベント流を生成させ、水素富化流を該第1ベント流または該第2ベント流の少なくとも一方から回収し、そして、該水素富化流および該酢酸生成物を水素化反応器に第2触媒の存在下で供給して、エタノールを製造することによる方法に関する。粗生成物は0.1重量%〜5重量%のエタノールとプロピオン酸の混合物を含み得る。その方法は、一酸化炭素含有量を減少させるためにベント流を処理することをさらに含み得る。ガス流は、0.5モル%〜25モル%の量の二酸化炭素を含み得る。その方法は、さらに、カルボニル化反応器中に供給する前に二酸化炭素をガス流から除去することを含み得る。水素富化流は、さらに0.1モル%未満の一酸化炭素および5モル%未満の二酸化炭素を含み得る。第1触媒は、第2触媒と異なってよく、第1触媒は、イリジウム、ロジウム、またはそれらの混合物を含む。粗生成物は、25モル%未満の酢酸メチルを含み得る。
[0019]第四態様において、本発明は、エタノールを製造するための方法であって、0.2:1〜6:1のH:COモル比を有するガス流、ならびにメタノール、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルエーテルおよびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一種類の反応物を、カルボニル化反応器に、第1触媒および有限量の水の存在下で、酢酸および少なくとも一種類の非凝縮性ガスを含む粗生成物を形成するために有効な条件下で供給し、水素を含む第1ベントガスを該第1反応器から取り出し、該粗生成物を分離して酢酸生成物を生成させ、水素富化流を該第1ベント流から回収し、そして該水素富化流および該酢酸生成物を水素化反応器に第2触媒の存在下で供給して、エタノールを製造することによる方法に関する。ベントガスは、9モル%〜80モル%の水素、3モル%〜90モル%の一酸化炭素、および0.5モル%〜25モル%の二酸化炭素を含み得る。反応器中の一酸化炭素分圧は、0.3気圧〜15気圧であることができる。水素富化流は、さらに0.1モル%未満の一酸化炭素および5モル%未満の二酸化炭素を含み得る。
[0020]本発明は、添付の図面に関連する本発明の様々な態様の以下の詳細な記載の考察においてより完全に理解することができ、ここで同じ数字は類似した部分を示す。
[0021]図1は、本発明の一態様に従う、カルボニル化反応器を使用する合成ガスの分離の流れ図である。 [0022]図2は、本発明の一態様に従う、カルボニル化反応器を使用し、水素化法と合体されているシンガスの分離の流れ図である。
導入
[0023]一般に、本発明は、一酸化炭素が消費されて酢酸が製造され、水素が回収されるところの、カルボニル化反応器を用いる合成ガスまたはシンガスの分離に関する。回収した水素をさらに精製して酸化炭素の濃度を減少させることができる。大量の水素を含む合成ガスまたはシンガスの供給が、カルボニル化法における問題、例えば酢酸製造効率の低下または重大な増大した不純物の問題を引き起こさないことは驚くべきであり意外なことである。
[0024]本発明の目的のために、用語“合成ガス”および“シンガス”は一般に水素および一酸化炭素を含む流れを指す。合成ガスは、一般にさらに二酸化炭素を含む流れを指すために用いられ、すなわちガス化装置を出るガスから二酸化炭素が除去されていない。シンガスはいくらかの二酸化炭素を有し得るが、二酸化炭素は一般にシンガスを製造するために合成ガスから除去される。特定の状況において、これらの用語は互換的に用いられ得る。
[0025]一態様において、回収した水素をさらに精製して酸化炭素の濃度を減少させることができる。回収した水素および製造された酢酸を合体された水素化ユニットに同時供給してエタノールを製造する。有利なことに、本発明の態様はシンガスをエタノールに変換するための向上した方法を提供する。
[0026]本明細書で記載されるように、合成ガスまたはシンガスは、カルボニル化反応器に供給されて水素および一酸化炭素に分離される。一酸化炭素はカルボニル化反応器中で90%より大きい、例えば95%より大きい、または97%より大きい効率で消費される。水素および存在する場合は二酸化炭素は、カルボニル化には必要ではないため、合成ガスまたはシンガスからの水素および場合により存在する二酸化炭素の実質的に全部がカルボニル化反応器を通過し、続いて反応器ベントガスにおいて回収され得る。その水素は、他の生成物、例えば製造された酢酸のエタノールへの水素化のために用いることができる。有利なことに、本発明は一酸化炭素を消費して水素を回収することにより合成ガスを分離する。
[0027]一般に、図1に示した方法100は、炭素源102をシンガス反応器104中で合成ガス106に変換することを含み、それはカルボニル化反応器108に導入される。反応器ベントガス110がカルボニル化反応器108から取り出され、下記で記載するように処理されて水素が回収される。合成ガス106中の一酸化炭素は、酢酸および/または無水酢酸に変換され、蒸留および精製ユニット112から回収される。精製に依存して、酢酸は、ライン114において不純物、例えばアルデヒド類および/またはプロパン酸と共に回収され得、またはライン116において精製された酢酸として回収され得る。
合成ガス
[0028]本発明の目的のために、合成ガス106はシンガス反応器104を出る排出物を指し、ここでその排出物は水素、一酸化炭素および二酸化炭素を含有する。従って、製品を既知の分離技法、例えば深冷分離を用いて分離して別個の水素および一酸化炭素流を製造しなければならないという必要性はない。変わりに、本発明は好都合には水素および一酸化炭素の分離をカルボニル化反応器108に移している。これはカルボニル化反応の前の合成ガス106の追加の処理に関する必要性を減少させる。また、カルボニル化法は高い一酸化炭素変換、例えば90%より大きい、好ましくは95%より大きい、より好ましくは97%より大きい変換を有するため、得られる反応器ベントガスは水素に富んでいる。
[0029]一態様において、合成ガス106は9モル%〜80モル%、例えば10〜75モル%、15〜75モル%、または20〜60モル%の水素を含む。一態様において、合成ガスは3モル%〜90モル%、例えば25〜80モル%または30〜60モル%の一酸化炭素を含む。
[0030]本明細書で記載されるように、合成ガスは二酸化炭素も含み得る。二酸化炭素はカルボニル化には必要ではないため、二酸化炭素をカルボニル化の前に除去する必要はない。二酸化炭素は、水素と類似して、ベントガスにおいて回収され得る。一態様において、合成ガスは0.5モル%〜25モル%、例えば2〜15モル%または5〜10モル%の二酸化炭素を含む。二酸化炭素を合成ガスから除去する場合、流れは主に水素および一酸化炭素を含み得る。この流れを本発明の目的のためにシンガスと呼ぶ。
[0031]合成ガスは0.2:1〜6:1、例えば0.6:1〜4:1、または1:1〜3:1の水素:一酸化炭素モル比を有する。合成ガスはまた、1:0.5〜1:80、例えば1:2〜1:20の二酸化炭素:一酸化炭素モル比を有する。二酸化炭素を含有するプロセスベント/パージ流をシンガス反応器に再循環させて、水性ガス転化反応(WGSR)を用いてさらに二酸化炭素を一酸化炭素に変換してカルボニル化法における炭素効率を高めることもできる。
[0032]炭素源における混入物質、例えば硫黄、窒素、リンおよびヒ素は、好ましくは、炭素源のタイプに応じて、ガード床のような周知の方法を用いて、炭素源をシンガス反応器に供給する前に炭素源から除去され、または合成ガスから除去することができる。合成ガスは好ましくはこれらの混入物質を実質的に含まない。
[0033]図2において示したように、二酸化炭素を合成ガス106から酸ガス除去装置105により除去してシンガス107を製造することができる。一態様において、シンガス107は9モル%〜80モル%、例えば10〜80モル%、15〜75モル%、または20〜60モル%の水素を含む。一態様において、シンガスは3モル%〜90モル%、例えば25〜80モル%または30〜60モル%の一酸化炭素を含む。シンガスは0.2:1〜6:1、例えば0.6:1〜4:1、または1:1〜3:1の水素:一酸化炭素比を有する。
シンガス反応器
[0034]合成ガス106および高度に精製されたシンガス107は、石炭、天然ガス、石油、およびバイオマスが含まれる様々な炭素源102から製造することができる。適切なバイオマス源には、農業植物廃棄物、産業プロセスからの植物廃棄物、消費者の廃棄物および特に燃料生産のために栽培されたエネルギー作物が含まれるが、それらに限定されない。バイオマスの例には、農業廃棄物、林産物、草、および他のセルロース性材料、木材の回収の残留物、軟木材チップ、硬木材チップ、軟木材チップおよび硬木材チップの混合物、木の枝、木の切り株、葉、樹皮、おがくず、規格外の製紙パルプ、トウモロコシ、トウモロコシの茎、麦わら、稲わら、サトウキビバガス、スイッチグラス、ススキ、動物性肥料、都市ゴミ、都市下水、商業廃棄物、ブドウ絞りかす(pumice)、ブドウ種子、アーモンドの殻、ペカンの殻、ココナツの殻、コーヒー粉、草のペレット、干し草のペレット、木材のペレット、ダンボール、紙、プラスチック、布、森林残留物、製紙工場廃棄物(スラッジおよびプラスチックが含まれる)、ヤナギ、アルファルファ、ペレット化された廃棄物固形燃料、バガス、カリフォルニアハイウェイの刈り取った草(California highway clippings)、ならびにそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
[0035]シンガス反応器104は蒸気改質、部分酸化、ガス化、またはこれらの反応器の組み合わせであることができる。必要であれば、炭素源をシンガス反応器に供給する前に前処理することができる。前処理には粉砕、炭化、および/または焙焼が含まれ得る。これらの前処理はバイオマスを用いる場合に必要である可能性がある。
[0036]炭素源102に加えて、酸素流をシンガス反応器104に供給することができる。本発明の目的のために、酸素流は少なくとも50体積%の酸素、例えば少なくとも75体積%の酸素または少なくとも90体積%の酸素を含むことが好ましい。酸素流は好ましくは窒素を実質的に含まない。従って、酸素は好ましくは空気の形態ではシンガス反応器に送達されない。一態様において、酸素流は5体積%未満または1体積%未満の窒素を含有してよい。窒素は空気分離ユニット(ASU)を用いて酸素流を製造することにより排除することができる。ASUは高スループットかつ高純度の酸素需要に関して低温蒸留を用いる。適切なASUは99体積%酸素より大きい純度を有する酸素流を提供する。加えて、分離された他のガス、例えば窒素を不活性ガスとして合体された方法において用いることができる。ASUは米国特許第6,425,937号および第6,889,524号において記載されており、その全内容および開示を参照により本明細書に援用する。ASUは増大した資本および操業費用を必要とする可能性があるが、酸素流の使用はより低い温度のガス化装置の操作を可能にし得る。他の酸素供給システム、例えば圧力スイング吸着(PSA)または高分子膜システムを用いることもできる。
[0037]シンガス反応器を250℃〜1200℃、例えば300℃〜800℃の温度で操作することもできる。シンガス反応器の圧力は炭素源に応じて異なってよく、0bar〜20bar、例えば1bar〜15barの圧力において操作することもできる。
[0038]シンガス反応器104を出る際、合成ガス106は好ましくはカルボニル化ユニット108に直接供給される。一態様において、カルボニル化ユニットの前に合成ガス中の水素および一酸化炭素の分離はない。
[0039]一部の態様において、ガス化のための炭素供給原料に応じて、合成ガス、例えば石炭ガスを処理して硫黄、タールおよび/または揮発性物質を除去することができる。タールはガス化方法において触媒、例えばドロマイトを用いることにより減少させることができる。ガス化装置において製造されたタールおよびフェノール性炭化水素は、排出物(emissions)を減少させるため、ファウリングを避けるため、そして合体された方法において触媒の働きを弱めるのを避けるために除去を必要とする可能性がある。石炭と比較した場合に、バイオマスはより大きい量の総揮発性物質、例えばフェノール類を有する。ガス化の間、揮発性物質は比較的低い温度で放出される。例えば、この揮発性物質の大部分はバイオマスのガス化の間のタール形成の原因である。シンガス中のタールレベルはガス化装置の構成にも大きく依存する。300℃〜1000℃で操作される上向き通気固定床ガス化装置において、合成ガスは制御されない場合3.5重量%までのタールを含有し得る。タールは比較的高い熱含量を有し、燃焼器中で燃焼し得るが、それらは木炭フィルターを詰まらせる可能性があり、燃焼の間に煤を形成し得る。従って、システム効率を最大化するため、タールは場合によりガス化されたバイオマスから除去されてよい。タールはガス化されたバイオマス製品から触媒式タール改質器または熱的タール分解装置を通して除去することができる。触媒式タール改質器はガス化装置の温度と比較可能な温度、好ましくは900℃未満で操作されてよい。しかし、その温度はタールの露点である約540℃を下回るべきではない。
[0040]ガス化および任意のタール除去の後、アルカリ蒸気の量を最小限にするために合成ガスを部分的に冷却するであろう。その冷却は350℃〜650℃の温度で行われてよい。場合により、次いで製品をフィルターを通過させて固体を除去することができる。流れの下流をシステムからパージする、またはガス化装置へと再循環させることができる。
[0041]また、一部の態様において、WGSRを用いて水素:一酸化炭素の比率を増進する、特にプロセスのベント/パージ流からの二酸化炭素を再循環させて追加の一酸化炭素を製造することができる。この変換は、シンガス反応器において直接、または別個の水性ガスシフト反応器において成し遂げることができる。WGSRの後、合成ガスは1.8:1より大きい、例えば1.9:1より大きいH:CO比を含み得る。範囲に関して、H:CO比は1.8:1〜4:1、例えば1.9:1〜3:1であることができる。
[0042]上記で示したように、二酸化炭素を合成ガス106から除去して高度に精製されたシンガス流107を製造することができる。ガス化装置を出る際、合成ガスは0.5〜25モル%の二酸化炭素、例えば2〜15モル%の二酸化炭素または5〜10モル%の二酸化炭素の二酸化炭素濃度を有し得る。一態様において、合成ガス106を二酸化炭素流109および高度に精製されたシンガス流107に分離することができる。これを成し遂げるため、合成ガスを溶媒を用いて酸ガス、例えば二酸化炭素を除去する酸ガス除去装置105に供給することができる。溶媒にはメタノール、ポリエチレングリコールのジメチルエーテル(DEPG)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N−メチル−ジエタノールアミン(MDEA)、およびプロピレンカーボネートが含まれ得る。適切な酸ガス除去法は、Lurgiにより開発されたRECTISOL(商標)法である。この方法はメタノールを溶媒として用いて硫黄および硫黄含有化合物、例えば硫化水素ガスを除去する。その方法は二酸化炭素も除去する。メタノール溶媒はアンモニア、水銀およびシアン化水素が含まれるシンガスからの混入物質を除去し得る。一度除去したら、二酸化炭素流109を必要に応じてシンガス反応器104に再循環させることができる。
[0043]二酸化炭素を除去するほかの方法には、化学溶媒、物理溶媒、膜、および低温分画が含まれ得る。膜は、合成ガスがより高い圧力であり、大きい濃度の二酸化炭素を含有する場合に用いることができる。
カルボニル化ユニット
[0044]一酸化炭素、水素および二酸化炭素を含有する合成ガス106をカルボニル化ユニット108に供給し、メタノール反応物118、例えばメタノールまたはその反応性誘導体と反応させて酢酸を製造する。一部の態様において、意義深いことには、その二酸化炭素をシンガスをカルボニル化反応器に供給する前にシンガスから分離することができ、次いでWGSRにより追加の一酸化炭素を形成させるために二酸化炭素をシンガス反応器に再循環させることができる。図2において示したように、一酸化炭素および水素を含有するシンガス107をカルボニル化ユニット108に供給し、メタノール反応物118、例えばメタノールまたはその反応性誘導体と反応させて酢酸を製造する。
[0045]メタノールからの酢酸に関するカルボニル化法は当該技術で広く知られており、米国特許第3,769,329号;第4,994,608号;第5,001,259号;第5,625,095号;第5,763,654号;第5,877,348号;第7,005,541号;および第7,678,940号においてさらに記載されており、その全内容および開示を参照により本明細書に援用する。一部の態様において、合成ガスまたはシンガスを酢酸および無水酢酸を同時製造するカルボニル化ユニットに供給することができる。無水酢酸は酢酸メチルから製造することができる。米国特許第4,994,608号は、0.3モル%〜10モル%の水素のカルボニル化ユニット中への導入を記載している。水素の低いレベルは向上した反応速度を達成するために用いられている。しかし、水素の低いレベルは本発明の合成ガスの水素のレベルを下回っている。加えて、米国特許第4,994,608号は一酸化炭素を微量の水素と共に導入し、合成ガスまたはシンガスをカルボニル化ユニット中に直接導入しない。
[0046]カルボニル化反応は、反応溶媒、メタノールおよび/またはその反応性誘導体、促進剤、第VIII族触媒、少なくとも有限濃度の水、ならびに場合により触媒安定化剤/補助促進剤、例えばヨウ化物塩を含む均質な触媒反応系において実施することができる。
[0047]適切な触媒には、第VIII族触媒、例えばロジウムおよび/またはイリジウム触媒が含まれる。ロジウム触媒が有用である場合、ロジウム触媒を、活性なロジウム触媒がカルボニルヨージド錯体であるようなあらゆる適切な形態で添加することができる。典型的なロジウム触媒がMichael Gauss, et al., Applied Homogeneous Catalysis with Organometallic Compounds: A Comprehensive Handbook in Two Volume, 第2.1章, p. 27-200, (第1版, 1996)において記載されており、その全体を参照により本明細書に援用する。場合により本明細書で記載される方法の反応混合物中で維持されるヨウ化物塩は、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属もしくは第4級アンモニウムの可溶性塩の形態であってよく、またはホスホニウム塩の形態であってもよい。特定の態様において、ヨウ化リチウム、酢酸リチウム、またはそれらの混合物を含む触媒補助促進剤(co−promoter)を用いることができる。塩補助促進剤はヨウ化物塩を生成するであろう非ヨウ化物塩として添加することができる。ヨウ化物触媒安定化剤は反応系中に直接導入することができる。あるいは、反応系の操作条件下では広い範囲の非ヨウ化物塩前駆体が反応媒体中のヨウ化メチルまたはヨウ化水素酸と反応して対応する補助促進剤であるヨウ化物塩安定化剤を生成すると考えられるため、ヨウ化物塩はその場で生成されてよい。ロジウム触媒およびヨウ化物塩生成に関する追加の詳細に関して、米国特許第5,001,259号;第5,026,908号;および第5,144,068号を参照、それを参照により本明細書に援用する。
[0048]イリジウム触媒を用いる場合、イリジウム触媒は液体反応組成物中で可溶性であるあらゆるイリジウム含有化合物を含んでいてよい。イリジウム触媒は、カルボニル化反応のための液体反応組成物に、液体反応組成物中で溶解する、または可溶性形態に変換可能であるあらゆる適切な形態で添加することができる。液体反応組成物に添加することができる適切なイリジウム含有化合物の例には以下のものが含まれる:IrCl、IrI、IrBr、[Ir(CO)I]、[Ir(CO)Cl]、[Ir(CO)Br]、[Ir(CO)、[Ir(CO)Br、[Ir(CO)、[Ir(CH)I(CO、Ir(CO)12、IrCl・3HO、IrBr・3HO、Ir(CO)12、イリジウム金属、Ir、Ir(acac)(CO)、Ir(acac)、酢酸イリジウム、[IrO(OAc)(HO)][OAc]、およびヘキサクロロイリジウム酸(hexachloroiridic acid)[HIrCl]。イリジウムの塩化物を含まない錯体、例えばアセテート、オキサレート、およびアセトアセテートが通常は出発物質として用いられる。液体反応組成物中のイリジウム触媒濃度は100〜6000ppmの範囲であってよい。イリジウム触媒を用いるメタノールのカルボニル化は一般に米国特許第5,942,460号;第5,932,764号;第5,883,295号;第5,877,348号;第5,877,347号;および第5,696,284号において記載されており、それらを参照により本明細書に援用する。
[0049]一態様において、カルボニル化触媒はリン含有配位子、例えばジホスフィン配位子またはリン酸トリアミド配位子を含まない。理論により束縛されるわけではないが、これらのリン含有配位子は高級な酸、例えばプロピオン酸、酪酸、吉草酸、およびヘキサン酸の形成をもたらし得る。Tempesti, et al., “Carboxylic acids by methanol carbonylation with syngas using polymer-supported rhodium catalysts,” Reactive & Functional Polymers 33 (1997) 211-216により記載されたように、シンガスをメタノールと共に供給することは、次の式により高級な酸も生成するであろう:MeOH + 2nH2 + (n+1)CO → Me(CHCOH + nHO。
[0050]ハロゲン共触媒/促進剤は一般に第VIII族金属触媒構成要素との組み合わせで用いられる。ヨウ化メチルは好ましいハロゲン促進剤である。好ましくは、反応媒体中のハロゲン促進剤の濃度は1重量%〜50重量%、好ましくは2重量%〜30重量%の範囲である。
[0051]ハロゲン促進剤は、塩触媒安定化剤/補助促進剤化合物と組み合わせることができる。特に好ましいのは、ヨウ化物または酢酸塩、例えばヨウ化リチウムまたは酢酸リチウムである。
[0052]他の促進剤および補助促進剤は、参照により本明細書に援用する米国特許第5,877,348号において記載されているように、本発明の触媒系の一部として用いることができる。適切な促進剤は、ルテニウム、オスミウム、タングステン、レニウム、亜鉛、カドミウム、インジウム、ガリウム、水銀、ニッケル、白金、バナジウム、チタン、銅、アルミニウム、スズ、アンチモンから選択され、より好ましくはルテニウムおよびオスミウムから選択される。具体的な補助促進剤が米国特許第6,627,770号において記載されており、それを参照により本明細書に援用する。
[0053]促進剤は、液体反応組成物および/または酢酸回収段階からカルボニル化反応器に再循環されるあらゆる液体プロセス流中でのその溶解度の限界までの有効量で存在することができる。用いられる場合、促進剤は適切には液体反応組成物中に0.5:1〜15:1、好ましくは2:1〜10:1、より好ましくは2:1〜7.5:1の促進剤:金属触媒のモル比で存在する。適切な促進剤濃度は400〜5000wppmである。
[0054]一態様において、反応器中のカルボニル化反応の温度は好ましくは150℃〜250℃、例えば160℃〜225℃、または180℃〜220℃である。カルボニル化反応の圧力は好ましくは15気圧〜60気圧であり、より好ましくは20気圧〜40気圧である。水の非存在下において、そして低温およびより高い圧力において二座リン配位子に関する触媒を用いた場合、カルボニル化反応は酢酸の代わりに主にアセトアルデヒドおよび/またはエタノールを形成し得る。Moloy and Wegman, “Rhodium-Catalyzed Reductive Carbonylation of Methanol,” Reductive Carbonylation of Methanol, July/Aug 1990, pages 353-356は、130℃〜150℃の温度および約70気圧の圧力においてロジウム−ジホスフィン錯体を用いたアルデヒドに対する80%の選択性を開示している。酢酸は典型的には液相反応において150℃〜200℃の温度および15気圧〜60気圧の全圧で製造される。カルボニル化の液相反応は水の存在下で実施され、それは不純物も減少させ得る。無水酢酸は液相においてより高い温度および/または圧力、例えば140〜250℃、好ましくは180℃〜220℃、および30気圧〜70気圧、好ましくは40気圧〜60気圧の全圧で製造される可能性がある。理論により束縛されるわけではないが、水の存在下では、メタノールのカルボニル化は、ヨウ化アセチルへの還元的脱離と同時に起こるヨウ化アセチルの酢酸への加水分解の速度が非常に急速であり、従ってヨウ化水素または水素のアシルロジウムカルボニルヨージド錯体との反応が本質的に排除されるため、より高い水素分圧においてさえも高級アルコールおよび酸の代わりに酢酸に対する高いメタノールの選択性により優勢である。
[0055]一態様において、反応混合物は反応溶媒または溶媒の混合物を含む。溶媒は好ましくは触媒系と適合性であり、純粋なアルコール類、アルコール供給原料の混合物、および/または所望のカルボン酸および/またはこれらの2種類の化合物のエステルが含まれていてよい。一態様において、(14重量%未満の少ない水の)カルボニル化法に関する溶媒および液体反応媒体は、好ましくは酢酸である。
[0056]水は、例えばメタノール反応物および酢酸生成物の間のエステル化反応により反応媒体中でその場で形成されてよい。一部の態様において、水は反応器に反応媒体の他の構成要素と一緒に、または別々に導入される。水は反応器から取り出された反応生成物の他の構成要素と分離することができ、反応媒体中の水の必要な濃度を維持するために制御された量で再循環させることができる。好ましくは、反応媒体中で維持される水の濃度は、反応生成物の総重量の0.1重量%〜14重量%、例えば1重量%〜8重量%、または1重量%〜3重量%の範囲である。無水酢酸を製造する場合、反応媒体は本質的に無水である。
[0057]所望の反応速度は、反応媒体において所望のカルボン酸およびアルコール類、望ましくはカルボニル化において用いられるアルコール類のエステル、ならびにヨウ化水素として存在しているヨウ化物イオンに加えられる追加のヨウ化物イオンを維持することにより、低い水濃度においてさえも得られる。好ましいエステルの例は酢酸メチルである。追加のヨウ化物イオンは望ましくはヨウ化物塩であり、ヨウ化リチウム(LiI)が好ましい。米国特許第5,001,259号において記載されているように、低い水濃度の下では、酢酸メチルおよびヨウ化リチウムは、比較的高い濃度のこれらの構成要素のそれぞれが存在する場合のみ速度促進剤として作用すること、ならびにその促進はこれらの構成要素の両方が同時に存在する場合により高いことが分かっている。ヨウ化物イオン含有量の絶対濃度は本発明の有用性に対する制限ではない。
[0058]低水(low water)カルボニル化において、有機性ヨウ化物促進剤に加えての追加のヨウ化物は、触媒溶液中に2重量%〜20重量%、例えば2重量%〜15重量%、または3重量%〜10重量%の範囲の量で存在することができ;酢酸メチルは0.5重量%〜30重量%、例えば1重量%〜25重量%、または2重量%〜20重量%の範囲の量で存在することができ;そして追加のヨウ化物としてのヨウ化リチウムに関して、5重量%〜20重量%、例えば5重量%〜15重量%、または5重量%〜10重量%の範囲の量で存在することができる。触媒は触媒溶液中に200wppm〜2000wppm、例えば200wppm〜1500wppm、または500wppm〜1500wppmの範囲の量で存在することができる。
[0059]カルボニル化反応器は典型的には撹拌容器または気泡塔型のどちらかであり、その内部に反応する液体またはスラリーの内容物が一定レベルで自動的に維持される。この反応器中に、新しいメタノール、水素および一酸化炭素を含有する合成ガスまたはシンガス、ならびに十分な水を必要に応じて持続的に導入して、反応媒体中の少なくとも有限濃度の水を維持する。いくつかの再循環流も反応器中に導入される。
[0060]合成ガスまたはシンガス中の過剰な水素により、反応における水素の分圧は0.3気圧の水素の分圧よりも大きくてよい。範囲に関して、水素分圧は3〜40気圧、例えば5〜25気圧、または10〜20気圧であることができる。反応器の温度を制御し、主に一酸化炭素および水素を含む合成ガスまたはシンガスを所望の反応器の全圧を維持するために十分な速度で導入する。一部の態様において、一酸化炭素分圧は水素分圧より低くてよい。反応器中の一酸化炭素分圧は好ましくは0.3気圧より大きく、例えば1気圧より大きく、または3気圧より大きい。一般に、反応器中の一酸化炭素分圧は15気圧未満、例えば10気圧未満または5気圧未満であることができる。一部の態様において、一酸化炭素の分圧において上限は存在せず、触媒の安定性を維持するために反応器を可能な最高一酸化炭素分圧で操作することが好ましい可能性がある。一般に、一酸化炭素分圧は0.3〜30気圧、例えば1〜15気圧、または3〜6気圧の範囲であることができる。
ベントガス
[0061]反応器ベントガス110は、望ましくは、水素を回収するために、および他の非凝縮性ガス、例えば窒素、二酸化炭素をパージして所与の反応器の全圧における設定された一酸化炭素分圧を維持するために、カルボニル化反応器108からベントされる。反応器中のガスの一部はまた、溶解した、および巻き込まれた(entrained)ガスとして反応器の新しい媒体から二次気水分離器へと向けられる。このガスの一部を反応器のベント非凝縮性ガスと組み合わせることができ、または精製区画112のカルボニル化ユニットの低圧スクラバーベントを経てベントと組み合わせることができる。反応器のベントガスは少なくとも一種類の非凝縮性ガス、例えば水素、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素、およびそれらの混合物を含んでいてよい。反応器ベントガス110は、合成ガス106またはシンガス107と比較して水素に富んでいてよい。合成ガスからの一酸化炭素のほとんどはカルボニル化反応で消費される。一態様において、反応器ベントガスは5モル%〜95モル%、例えば10モル%〜90モル%または35モル%〜85モル%の水素を含んでいてよい。また、ベントガスは4モル%〜70モル%、例えば5モル%〜70モル%、10モル%〜35モル%、または15モル%〜25モル%の二酸化炭素を含んでいてよい。一部の態様において、反応器ベントガス110は反応器ベント135を経て取り出すことができる。
[0062]反応器ベントガスからの水素はいくつかの方法において、例えば重質石油留分の水素化分解のために用いることができ、またはハーバー法によりアンモニアを製造するために用いることもできる。図2において示され、本明細書でさらに記載されるような別の態様において、米国特許第7,608,744号および第7,863,489号において記載されているように、水素を水素化法において酢酸をエタノールに変換するために用いることができ、その全内容および開示を参照により本明細書に援用する。例えば、カルボニル化により製造された酢酸をベントガスにおいて回収された水素を用いてエタノールに変換することができる。二酸化炭素および一酸化炭素濃度ならびに製品の最終用途に応じて、水素を容易にさらに精製して残留する低レベルの二酸化炭素および一酸化炭素を必要に応じてベントガスから除去することができる。一態様において、ベントガス110を上記のような溶媒を用いて酸ガス除去装置120に供給することができる。二酸化炭素富化流122をベントガス110から除去することができ、残りのベントガス124は水素除去装置126に向けられる。例えば、水素透過膜、モレキュラーシーブ、または圧力スイング吸着(PSA)を用いて99.9%より大きい高い純度を有する水素流を得ることもできる。Pd複合膜は、高い水素透過性を提供するのに適している可能性がある。一態様において、精製された水素を電気を製造するための燃料電池のために用いることができる。水素除去装置126は水素富化流128および一酸化炭素流130を生成し、それはカルボニル化反応器108の前に水素を合成ガス106またはシンガス107から分離することよりも著しく経済的である。図2において示したように、反応器ベントガス110から回収された水素128を、製造された酢酸と、ライン114または116のどちらかにおいて組み合わせ、エタノール146を形成する。
[0063]二酸化炭素はいくつかの他の化学方法をもたらすために用いることができ、またはカルボニル化もしくはシンガスプロセス内で用いることができる。例えば、ベントガスから回収された二酸化炭素をシンガス反応器または別個の水性ガス転化反応器へと再循環させることができる。加えて、二酸化炭素を隔離して温室効果ガスの量を減少させることができ、または石油増進回収方法において用いることができる。一態様において、炭素源がバイオマスである場合、回収された二酸化炭素を前処理段階においてバイオマスを乾燥させるために用いることができる。
[0064]一態様において、水素および二酸化炭素をベントする際、一酸化炭素の一部もベントすることができる。一般に、反応器ベントガスはモルパーセントに基づいて合成ガスよりも少ない一酸化炭素を含む。従って、反応器ベントガスはさらに0.2モル%〜40モル%、例えば0.2モル%〜20モル%、1モル%〜15モル%または5モル%〜10モル%の一酸化炭素を含むことができる。酢酸を製造する際に一酸化炭素効率を最大化するため、一酸化炭素をベントガスから回収し、その一酸化炭素を残留する水素および二酸化炭素と共に、またはそれらを含めずにカルボニル化反応器に直接またはシンガス反応器を経て再循環させることが好ましい。加えて、反応器ベントガスを処理して一酸化炭素含有量を1モル%未満または0.1モル%未満まで減少させるのが好ましい。二酸化炭素をベントガスから分離する前または後に、必要に応じて一酸化炭素を分離することができる。一態様において、反応器ベントからの、および/または精製区画ベントからの一酸化炭素ベント流の一部を酢酸および/またはメタノールを用いてスクラビングし、カルボニル化ユニットに直接またはシンガス反応器を経て戻すことができる。例えば、戻された一酸化炭素ベント流は二次気水分離器中の触媒、二次気水分離器および反応器再循環ポンプのポンプ吸引ライン、ならびに二次気水分離器および反応器と関係する熱交換機を安定化するために用いることができる。
[0065]ベントガス中の残留する一酸化炭素は、所望であれば、米国特許第8,394,988号において記載されているように気相カルボニル化反応または二次カルボニル化反応器において不均一触媒を用いて反応させることによりさらに減少させることができ、その全内容および開示を参照により援用する。類似の第VIII族金属触媒を気相カルボニル化反応において用いることができる。従って、追加の酢酸を反応器ベントガス中で一酸化炭素から製造し、さらに酢酸に対する収率を増大させることができる。
[0066]他の態様において、ベントガス中の残留する一酸化炭素を、所望であれば、必要であれば酸ガス分離装置を用いて残留する二酸化炭素を除去する前に、当該技術で既知のガス精製方法、例えば圧力スイング吸着、膜分離、深冷分離等を用いてさらに減少させることができる。加えて、一酸化炭素の除去の後でかまたは単独でかのどちらかで、酸ガス分離装置を用いて二酸化炭素を除去することができる。
酢酸の回収
[0067]液体生成物を、カルボニル化反応器108から、その中で一定レベルを維持するために十分な速度で取り出し、二次気水分離器に導入する。二次気水分離器において、触媒含有溶液(触媒相)をベース流(base stream)(主に酢酸であり、ロジウムおよびヨウ化物塩をより少ない量の酢酸メチル、ヨウ化メチル、および水と共に含有する)として取り出し、一方で酢酸を含む蒸気流111(粗生成物とも呼ばれる)をオーーバーヘッドで取り出す。蒸気流111は酢酸、ヨウ化メチル、メタノール、酢酸メチル、水、およびそれらの混合物を含み得る。酢酸メチルの量は様々であってよく、一部の態様において、粗生成物は25重量%未満の酢酸メチルを有し得る。他の態様において、酢酸メチルの量は25重量%より多くてよい。加えて、蒸気流は、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、2−エチルクロトンアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド等、およびそれらのアルドール縮合生成物からなる群から選択される一種類以上の過マンガン酸塩還元化合物(PRC)を含んでいてよい。理論により束縛されるわけではないが、PRCの濃度は合成ガス中の過剰な水素により増大し得る。PRCに加えて、より重い酸、例えばプロピオン酸も形成され得る。プロピオン酸は、0.5重量%より大きい望ましくないレベルで存在する場合、酢酸から分離することができる。一部の態様において、気流は0.1重量%〜5重量%、例えば0.1重量%〜3重量%、または0.2重量%〜0.8重量%のエタノールおよび/またはプロピオン酸の混合物を含み得る。
[0068]蒸気流111からの酢酸の回収は、蒸留および精製112のいくつかの異なる方法を用いて成し遂げることができる。酢酸を回収するための1つの典型的な方法において、蒸気流を軽質留分(light end)塔に供給する。軽質留分塔は低沸点オーバーヘッド蒸気流、生成物側流、および任意の塔底物流を生成する。任意の塔底物流は巻き込まれた触媒を含み得る。軽質留分塔の基部における温度、すなわち任意の塔底物流の温度は、好ましくは120℃〜170℃である。加えて、軽質留分塔の上部における温度、すなわち低沸点オーバーヘッド蒸気流の温度は、好ましくは100℃〜145℃である。
[0069]低沸点オーバーヘッド蒸気流は、ヨウ化メチル、酢酸メチル、水、PRC、酢酸、アルカン、および溶解したガスを含み得る。低沸点オーバーヘッド蒸気流を凝縮させてオーバーヘッド相分離ユニット、例えばデカンターに向けることができる。条件は、望ましくは凝縮した低沸点オーバーヘッド蒸気流が一度デカンターに入ると軽い相および重い相に分離するであろうように維持される。
[0070]軽い相は水、酢酸、およびPRC、ならびにヨウ化メチルおよび酢酸メチルを含み得る。軽い相を必要に応じて軽質留分塔に還流させることができる。一態様において、軽い相を分離してPRC回収システム(PRS)において処理してPRCを除去することもできる。適切なPRSは、米国特許第7,855,306号;第7,223,886号;および第6,143,930号、ならびに米国公開第2012/0090981号において記載されており、それらを参照により本明細書に援用する。軽い相の一部をカルボニル化反応器に戻すこともできる。デカンターからの重い相は、好都合には直接または間接的のどちらかで反応器へと再循環させることができる。
[0071]軽質留分塔からの生成物側流は、主に酢酸および水を含む。生成物側流は好ましくは液相状態であり、軽質留分塔から115℃〜160℃、例えば125℃〜155℃の温度で取り出される。乾燥塔は生成物側流を分離して主に水からなるオーバーヘッド流および乾燥した精製された生成物流116を生成することができる。乾燥した精製された生成物流116は、好ましくは90重量%より大きい、例えば95重量%より大きい、または98重量%より大きい量の酢酸を含む。乾燥塔の基部における温度、すなわち出ている乾燥した精製された生成物流の温度は、好ましくは130℃〜185℃、例えば140℃〜180℃または150℃〜175℃である。乾燥塔の上部における温度、すなわちオーバーヘッド流の温度は、好ましくは110℃〜150℃、例えば120℃〜150℃または130℃〜145℃である。一部の態様において、乾燥塔中の圧力は2bar〜7bar、例えば3bar〜6bar、または4bar〜5barである。場合により、乾燥した精製された生成物流116ならびに不純物、例えばアルデヒド類および/またはプロパン酸を含む酢酸114をさらに1以上のガード床および/または重質留分塔において処理してさらに不純物、例えばハロゲン化物、またはより重い酸、例えばプロピオン酸、および/またはエステル類を除去することができる。
[0072]乾燥塔からのオーバーヘッド流をオーバーヘッドレシーバー中で冷却し、凝縮させることができる。一部の態様において、オーバーヘッド流を相分離し(phased)、軽い相を乾燥塔へと還流させる。オーバーヘッド流の残りの部分(軽い相または重い相のどちらか)はカルボニル化反応器に戻すことができる。
[0073]別の態様において、1以上のベントガス流132を酢酸の回収の間に得ることができる。例えば、軽質留分塔のデカンターからのベントガスを任意のライン133を経て反応器ベントガス110と組み合わせることができる。これは二次気水分離器の蒸気流と共に通過するあらゆる水素が捕捉および分離されることを可能にする。加えて、ベントガス中の全ての一酸化炭素を回収して追加の酢酸に変換することができる。ベントガス流132は精製ベント134としてパージすることもできる。
水素化ユニット
[0074]図2において示したように、ベントガスから回収された水素およびカルボニル化分離ユニット112から生成された酢酸を水素化ユニット140に同時供給してエタノールを製造することができる。ユニット112における精製に応じて、精製された酢酸流を水素化ユニット140に供給することができ、または酢酸および不純物、例えば酢酸メチル、アルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオン酸、およびそれらの混合物を含む流れを水素化ユニットに供給することができる。酢酸の一部を水素化ユニット140と合体することができ、酢酸の別の一部を追加の生成物として分離することができる。本発明の目的のために、典型的な水素化法は酢酸に関して記載されているであろうが、それは無水酢酸にも適用可能である。
[0075]水素化反応器に供給される酢酸は、他のカルボン酸、エステル、および無水物、ならびにアルデヒドおよび/またはケトン、例えばアセトアルデヒドおよびアセトンも含んでいてよい。好ましくは、適切な酢酸供給流は、酢酸、無水酢酸、アセトアルデヒド、酢酸エチル、およびそれらの混合物からなる群から選択される化合物の一種類以上を含む。これらの他の化合物も本発明の方法において水素化され得る。一部の態様において、カルボン酸、例えばプロパン酸またはその無水物の存在は、プロパノールの製造において有益であり得る。水も酢酸供給物中に存在していてよい。
[0076]酢酸は反応温度において気化させることができ、その後その気化した酢酸を未希釈の状態で、または比較的不活性なキャリヤーガス、例えば窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素等で希釈して水素と共に供給することができる。気相中で行われる反応に関して、温度はそれが酢酸の露点より下に低下しないようにシステムにおいて制御されるべきである。一態様において、酢酸を特定の圧力において酢酸の露点において気化させることができ、次いで気化した酢酸をさらに反応器の入口温度まで加熱することができる。別の態様において、酢酸を気化させる前に他のガスと混合し、続いて混合された蒸気を反応器の入口温度まで加熱する。好ましくは、水素および/または再循環ガスを125℃以下の温度で酢酸を通過させ、続いて組み合わせられたガス流を反応器の入口温度まで加熱することにより、酢酸を気相に移す。
[0077]好ましい態様において、触媒は固定床反応器、例えばパイプまたはチューブの形状の固定床反応器において用いられ、ここで典型的には蒸気の形態の反応物を触媒の上を通し、または触媒を通過させる。他の反応器、例えば流動床反応器または沸騰床反応器を用いることができる。一部の場合において、水素化触媒を不活性物質と合わせて用いて触媒床を通る反応物流の圧力降下および反応物化合物の触媒粒子との接触時間を制御することができる。
[0078]反応器中での水素化は、液相または気相のどちらで実施することもできる。好ましくは、その反応は以下の条件下で気相で実施される。反応温度は125℃〜350℃、例えば200℃〜325℃、225℃〜300℃、または250℃〜300℃の範囲であることができる。水素化反応器の圧力は10kPa〜3000kPa、例えば50kPa〜2300kPa、または100kPa〜1500kPaの範囲であることができる。反応物は反応器に500hr−1より大きい、例えば1000hr−1より大きい、2500hr−1より大きい、またはさらには5000hr−1より大きいガス毎時空間速度(GHSV)で供給することができる。範囲に関して、GHSVは50hr−1〜50,000hr−1、例えば500hr−1〜30,000hr−1、1000hr−1〜10,000hr−1、または1000hr−1〜6500hr−1の範囲であることができる。
[0079]水素化は場合により選択されたGHSVにおける触媒床にわたる圧力降下を克服するためにちょうど十分である圧力で実施されるが、より高い圧力の使用を妨げるものはなく、反応器床を通るかなりの圧力降下が高い空間速度、例えば5000hr−1または6,500hr−1において経験され得ることが理解されている。
[0080]反応は1モルの酢酸あたり2モルの水素を消費して1モルのエタノールを生成し、供給流における水素:酢酸の実際のモル比は約100:1から1:100まで、例えば50:1から1:50まで、20:1から1:2まで、または18:1から2:1まで様々であり得る。最も好ましくは、水素:酢酸のモル比は2:1より大きく、例えば4:1より大きく、または8:1より大きい。一部の態様において、ベントガスから回収されない追加の水素を必要に応じて水素:酢酸の比率の増大において用いることができる。
[0081]接触または滞留時間も、酢酸の量、触媒、反応器、温度、および圧力のような変数に応じて広く異なり得る。固定床以外の触媒系が用いられる場合、典型的な接触時間は1秒の何分の1から数時間より長い時間までに及び、好ましい接触時間は少なくとも気相反応に関して0.1〜100秒、例えば0.3〜80秒または0.4〜30秒である。
[0082]エタノールを形成するための酢酸の水素化は、好ましくは反応器において水素化触媒の存在下で実施される。一態様において、水素化触媒は二元機能触媒であることができ、酢酸および酢酸エチルを変換することができる。触媒は好ましくはメタノール合成触媒ではなく、銅および/または亜鉛を(その酸化物を含め)実質的に含まない。適切な水素化触媒には、場合により触媒支持体上の、第1金属および場合により第2金属、第3金属またはあらゆる数の追加の金属の1以上を含む触媒が含まれる。一部の典型的な触媒組成物に関する好ましい2種類の金属の組み合わせには、白金/スズ、白金/ルテニウム、白金/レニウム、パラジウム/ルテニウム、パラジウム/レニウム、コバルト/パラジウム、コバルト/白金、コバルト/クロム、コバルト/ルテニウム、コバルト/スズ、銀/パラジウム、ニッケル/パラジウム、金/パラジウム、ルテニウム/レニウム、およびルテニウム/鉄が含まれる。追加の金属の組み合わせには、パラジウム/レニウム/スズ、パラジウム/レニウム/コバルト、パラジウム/レニウム/ニッケル、白金/スズ/パラジウム、白金/スズ/コバルト、白金/スズ/クロム、および白金/スズ/ニッケルが含まれ得る。典型的な水素化触媒が米国特許第7,608,744号および第7,863,489号、および第8,471,075号においてさらに記載されており、その全体を参照により本明細書に援用する。別の態様において、触媒は米国特許第7,923,405号において記載されているタイプのCo/Mo/S触媒を含み、その全体を参照により本明細書に援用する。
[0083]一態様において、水素化触媒は、銅、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、チタン、亜鉛、クロム、レニウム、モリブデン、およびタングステンからなる群から選択される第1触媒を含む。第1金属は白金、パラジウム、コバルト、ニッケル、およびルテニウムからなる群から選択することができる。より好ましくは、第1金属は白金またはパラジウムである。第1金属が白金を含む本発明の態様において、白金に関する高い需要のため、触媒は5重量%未満、例えば3重量%未満または1重量%未満の量の白金を含むことが好ましい。
[0084]上記で示したように、一部の態様において、触媒はさらに第2金属を含み、それは典型的には促進剤として機能するであろう。存在する場合、第2金属は好ましくは銅、モリブデン、スズ、クロム、鉄、コバルト、バナジウム、タングステン、パラジウム、白金、ランタン、セリウム、マグネシウム、ルテニウム、レニウム、金、およびニッケルからなる群から選択される。第2金属は銅、スズ、コバルト、レニウム、およびニッケルからなる群から選択することができる。より好ましくは第2金属はスズまたはレニウムである。
[0085]一態様において、一種類以上の活性金属は銅、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、白金、パラジウム、オスミウム、イリジウム、チタン、亜鉛、クロム、レニウム、モリブデン、およびタングステンからなる群から選択される第1金属を含む。一種類以上の活性金属はさらに、銅、モリブデン、スズ、クロム、鉄、コバルト、バナジウム、タングステン、パラジウム、白金、ランタン、セリウム、マンガン、ルテニウム、レニウム、金、およびニッケルからなる群から選択される第2金属を含むことができる。好ましくは、第2金属は第1金属と異なる。
[0086]水素化触媒に2種類以上の金属、例えば第1金属および第2金属が含まれる特定の態様において、第1金属は触媒中に0.1〜10重量%、例えば0.1〜5重量%、または0.1〜3重量%の量で存在する。第2金属は好ましくは0.1〜20重量%、例えば0.1〜10重量%、または0.1〜5重量%の量で存在する。2種類以上の金属を含む触媒に関して、その2種類以上の金属は互いに合金にされていてよく、または合金にされていない金属溶液または混合物を含んでいてよい。
[0087]好ましい金属比は触媒において用いられる金属に応じて異なり得る。一部の典型的な態様において、第1金属:第2金属のモル比は10:1〜1:10、例えば4:1〜1:4、2:1〜1:2、1.5:1〜1:1.5または1.1:1〜1:1.1である。
[0088]触媒は、上記で第1または第2金属に関連して列挙した金属の全てから選択される第3金属も、その第3金属が第1および第2金属と異なる限り、含むことができる。好ましい観点において、第3金属はコバルト、パラジウム、ルテニウム、銅、亜鉛、白金、スズ、およびレニウムからなる群から選択される。より好ましくは、第3金属はコバルト、パラジウム、およびルテニウムから選択される。存在する場合、第3金属の総重量は好ましくは0.05〜7.5重量%、例えば0.1重量%〜5重量%、または0.1〜3重量%である。
[0089]一種類以上の金属に加えて、一部の態様において、触媒はさらに支持体または調整された(modified)支持体を含む。本明細書で用いられる際、用語“調整された支持体”は支持体物質および支持体調整剤(modifier)が含まれる支持体を指し、それは支持体物質の酸性度を調節する。
[0090]支持体または調整された支持体の総重量は、触媒の総重量に基づいて、好ましくは75〜99.9重量%、例えば78〜97重量%、または80〜95重量%である。調整された支持体を利用する好ましい態様において、支持体調整剤は、触媒の総重量に基づいて、0.1〜50重量%、例えば0.2〜25重量%、0.5〜15重量%、または1〜8重量%の量で存在する。触媒の金属は触媒全体を通して分散していてよく、支持体全体を通して層になっていてよく、支持体の外側表面上にコートされていてよく(すなわち卵殻)、または支持体の表面上に装飾されて(decorated)いてよい。
[0091]当業者には理解されるであろうように、支持体物質は触媒系がエタノールの形成のために用いられるプロセス条件下で適切に活性、選択的かつ堅牢であるように選択される。
[0092]適切な支持体材料には、例えば安定な金属酸化物ベースの支持体またはセラミックベースの支持体が含まれ得る。好ましい支持体には、シリカ系の支持体、例えばシリカ、シリカ/アルミナ、第IIA族ケイ酸塩、例えばメタケイ酸カルシウム、焼成シリカ、高純度シリカ、およびそれらの混合物が含まれる。他の支持体には、酸化鉄、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化マグネシウム、炭素、黒鉛、高表面積黒鉛化炭素、活性炭、およびそれらの混合物が含まれ得るが、それらに限定されない。
[0093]好ましい態様において、支持体はシリカ、シリカ/アルミナ、メタケイ酸カルシウム、焼成シリカ、高純度シリカ、炭素、アルミナ、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
[0094]示したように、触媒支持体は支持体調整剤を用いて調整することができる。一部の態様において、支持体調整剤は触媒の酸性度を増大させる酸性調節剤であることができる。適切な酸性支持体調整剤は、以下のものからなる群から選択することができる:第IVB族金属の酸化物、第VB族金属の酸化物、第VIB族金属の酸化物、第VIIB族金属の酸化物、第VIIIB族金属の酸化物、酸化アルミニウム、およびそれらの混合物。酸性支持体調整剤には、TiO、ZrO、Nb、Ta、Al、B、P、およびSbからなる群から選択される酸性支持体調整剤が含まれる。好ましい酸性支持体調整剤には、TiO、ZrO、Nb、Ta、およびAlからなる群から選択される酸性支持体調整剤が含まれる。酸性調節剤にはWO、MoO、Fe、Cr、V、MnO、CuO、Co、およびBiも含まれ得る。
[0095]別の態様において、支持体調整剤は、低い揮発性を有する、または揮発性を有しない塩基性調整剤であることができる。そのような塩基性調整剤は、例えば、以下のものからなる群から選択することができる:(i)アルカリ土類金属酸化物、(ii)アルカリ金属酸化物、(iii)アルカリ土類金属メタケイ酸塩、(iv)アルカリ金属メタケイ酸塩、(v)第IIB族金属酸化物、(vi)第IIB族金属メタケイ酸塩、(vii)第IIIB族金属酸化物、(viii)第IIIB族金属メタケイ酸塩、およびそれらの混合物。酸化物およびメタケイ酸塩に加えて、硝酸塩、亜硝酸塩、酢酸塩、および乳酸塩が含まれる他のタイプの調整剤を用いることができる。好ましくは、支持体調整剤はナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、スカンジウム、イットリウム、および亜鉛の酸化物およびメタケイ酸塩、ならびに前記のいずれかの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、塩基性支持体調整剤はケイ酸カルシウムであり、さらにもっと好ましくはメタケイ酸カルシウム(CaSiO)である。塩基性支持体調整剤がメタケイ酸カルシウムを含む場合、メタケイ酸カルシウムの少なくとも一部は結晶形態であることが好ましい。
[0096]本発明と共に用いるのに適した触媒組成物は、好ましくは修飾された支持体の金属含浸により形成されるが、他の方法、例えば化学蒸着を用いることもできる。そのような含浸技法は米国特許第7,608,744号、第7,863,489号、および上記で言及した第8,471,075号において記載されており、その全体を参照により本明細書に援用する。
[0097]一部の場合において、触媒床を通る反応物流の圧力降下および反応物化合物の触媒粒子との接触時間を制御するために、水素化触媒を不活性物質と合わせて用いることができる。
[0098]特に、酢酸の水素化は、反応器における酢酸の好都合な変換ならびにエタノールに対する好都合な選択性および生産性を達成することができる。本発明の目的のために、用語“変換”は、酢酸以外の化合物に変換される供給物中の酢酸の量を指す。変換は供給物中の酢酸に基づいて百分率として表される。変換は少なくとも40%、例えば少なくとも60%、または少なくとも80%であることができる。粗製のエタノール流をオレフィン供給流と接触させる場合、90%より大きいより高い変換が必要である可能性がある。100%近い変換に近づく非常に高い変換を達成するのが好ましい。
[0099]選択性は変換された酢酸に基づいてモルパーセントで表される。酢酸から変換されたそれぞれの化合物は独立した選択性を有すること、および選択性は変換とは独立していることは理解されるべきである。例えば、変換された酢酸の60モル%がエタノールに変換された場合、エタノール選択性は60%であると言及される。一態様において、エタノールに対する触媒の選択性は少なくとも60%、例えば少なくとも70%、または少なくとも80%である。好ましくは、エタノールに対する選択性は少なくとも80%、例えば少なくとも85%または少なくとも88%である。水素化法の好ましい態様は、望ましくない生成物、例えばメタン、エタン、および二酸化炭素に対する低い選択性も有する。これらの望ましくない生成物に対する選択性は、好ましくは4%未満、例えば2%未満または1%未満である。より好ましくは、これらの望ましくない生成物は検出不能な量で存在する。アルカンの形成は低い可能性があり、理想的には触媒上を通る酢酸の2%未満、1%未満、または0.5%未満がアルカンに変換され、それは燃料として以外ではほとんど価値を有しない。
[0100]用語“生産性”は、本明細書で用いられる際、1時間あたりに用いられた触媒のキログラムに基づく水素化の間に形成された明記された生成物、例えばエタノールのグラムを指す。1時間あたり1キログラムの触媒あたり少なくとも100グラムのエタノール、例えば1時間あたり1キログラムの触媒あたり少なくとも400グラムのエタノールまたは1時間あたり1キログラムの触媒あたり少なくとも600グラムのエタノールの生産性が好ましい。範囲に関して、生産性は好ましくは1時間あたり1キログラムの触媒あたり100〜3,000グラムのエタノール、例えば1時間あたり1キログラムの触媒あたり400〜2,500グラムのエタノールまたは1時間あたり1キログラムの触媒あたり600〜2,000グラムのエタノールである。
[0101]様々な態様において、水素化反応器により製造される粗製のエタノール流は典型的には酢酸、エタノールおよび水を含む。一態様において、粗製のエタノール流は5〜72重量%、例えば15〜70重量%または25〜65重量%のエタノール、0〜90重量%、例えば0〜50重量%または0〜35重量%の酢酸、および5〜40重量%の水、例えば5〜30重量%、または10〜26重量%の水を含み得る。変換がより高い場合、より少ない量の酢酸が存在し得る。粗製のエタノール生成物(produce)は、0〜30重量%の酢酸エチル、例えば1〜25重量%の酢酸エチル、例えば5〜18重量%の酢酸エチルも含み得る。
[0102]図2に戻って、エタノール生成物146を、水素化ユニット140により水素化触媒を用いて製造された粗製のエタノール生成物142から、蒸留および精製144を用いて回収することができる。いくつかの異なる技法が米国特許第8,309,773号、第8,304,586号、第8,304,587号、および米国公開第2012/0010438号、第2012/0273338号、第2012/0277490号、第2012/0277497号において記載されており(または米国公開第2012/0010445号において記載されているような膜)、その全内容および開示を参照により本明細書に援用する。再循環可能なガス148中の水素を必要に応じて処理して一酸化炭素および/または二酸化炭素を除去し、水素化ユニット140に戻すことができる。再循環可能なガス148をライン152を経てパージすることができ、またはライン150を経てシンガス反応器104に向けることができる。
[0103]エタノール生成物は、エタノール生成物の総重量に基づいて75〜96重量%のエタノール、例えば80〜96重量%または85〜96重量%エタノールを含む産業グレードのエタノールであり得る。その産業グレードのエタノールは、12重量%未満の水、例えば8重量%未満または3重量%未満の水濃度を有し得る。一部の態様において、さらなる水分離を用いる場合、エタノール生成物は好ましくは96重量%より大きい、例えば98重量%より大きい、または99.5重量%より大きい量のエタノールを含有する。さらなる水分離を有するエタノール生成物は、好ましくは3重量%未満、例えば2重量%未満または0.5重量%未満の水を含む。
[0104]本発明の態様により製造された完成したエタノール組成物は、燃料、溶媒、化学供給原料、医薬製品、洗浄剤、清浄剤、水素の輸送または消費が含まれる様々な用途において用いることができる。燃料用途において、完成したエタノール組成物をモータービークル、例えば自動車、ボートおよび小型ピストンエンジン航空機のためにガソリンとブレンドすることができる。非燃料用途において、完成したエタノール組成物をトイレタリーおよび化粧用製品、界面活性剤、消毒剤、コーティング、インク、および医薬のための溶媒として用いることができる。完成したエタノール組成物は、医薬製品、食品製品、染料、光化学物質およびラテックス処理に関する製造方法における処理溶媒として用いることもできる。
[0105]完成したエタノール組成物は、他の化学物質、例えば酢、アクリル酸エチル、酢酸エチル、エチレン、グリコールエーテル、エチルアミン類、エチルベンゼン、アルデヒド類、ブタジエン、および高級アルコール、特にブタノールを作製するための化学供給原料として用いることもできる。酢酸エチルの製造において、完成したエタノール組成物を酢酸とエステル化することができる。別の用途において、完成したエタノール組成物を脱水してエチレンを製造することができる。米国公開第2010/0030002号および第2010/0030001号ならびに国際公開第201014633号において記載されているように、あらゆる既知の脱水触媒、例えばゼオライト触媒またはリンタングステン酸触媒をエタノールを脱水するために用いることができ、その全内容および開示を参照により本明細書に援用する。
[0106]本発明を詳細に記載してきたが、本発明の精神および範囲内の修正は当業者には
容易に明らかになるであろう。前記の論考、当該技術における関連する知識ならびに上記
で背景技術および発明を実施するための形態と関連して論じた参考文献を考慮して、その
開示を参照により全て本明細書に援用する。加えて、本発明の観点ならびに下記で、およ
び/または添付された特許請求の範囲において列挙する様々な態様および様々な特徴の一
部を全部または部分的にのどちらかで組み合わせる、または交換することができることは
理解されるべきである。当業者には理解されるであろうように、前記の様々な態様の記載
において、別の態様に言及するそれらの態様を他の態様と適切に組み合わせることができ
る。さらに、当業者は、前記の記載は例としてのみであり、本発明を限定することは意図
していないことを理解するであろう。
以下に、出願時の特許請求の範囲の記載を示す。
[請求項1]
酢酸を製造するための方法であって:
一酸化炭素、水素、および二酸化炭素を含む合成ガス、ならびにメタノール、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルエーテルおよびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一種類の反応物を、酢酸を製造するために有効なカルボニル化条件下で、触媒、酢
酸メチル、促進剤、および触媒安定化剤を含む反応媒体を含む反応器に導入し;
該反応器からベントガスを取り出し、この際、該反応器中の一酸化炭素分圧はベントガ
ス中の一酸化炭素含有量を40モル%未満に維持するために15気圧未満であり;
該反応器から反応溶液を取り出し;そして
該反応溶液から酢酸を回収する
ことを含む方法。
[請求項2]
請求項1に記載の方法であって、該合成ガスが0.2:1〜6:1の水素:一酸化炭素モ
ル比を有する方法。
[請求項3]
請求項1に記載の方法であって、該合成ガスが9モル%〜80モル%の水素、3モル%〜
90モル%の一酸化炭素、および0.5モル%〜25モル%の二酸化炭素を含む方法。
[請求項4]
請求項3に記載の方法であって、該合成ガスが1:0.5〜1:80の二酸化炭素:一酸
化炭素モル比を有する方法。
[請求項5]
請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法であって、該反応器中の一酸化炭素分圧が0.
3気圧〜15気圧である方法。
[請求項6]
請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法であって、該反応器中の水素分圧が3気圧〜4
0気圧である方法。
[請求項7]
請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法であって、該反応器中の一酸化炭素分圧が反応
器中の水素分圧より低い方法。
[請求項8]
請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法であって、該ベントガスが5モル%〜95モル
%の水素、4モル%〜70モル%の二酸化炭素、および0.2モル%〜40モル%の一酸
化炭素を含む方法。
[請求項9]
反応溶液が0.1重量%〜5重量%のエタノールおよびプロピオン酸の混合物を含む、請
求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
[請求項10]
請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法であって、該合成ガスを該カルボニル化反応器
中に供給する前に、該合成ガスから二酸化炭素を除去することをさらに含む方法。
[請求項11]
請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法であって:
該ベントガスから水素富化流を回収し;そして
該水素富化流および該回収酢酸を、第2の触媒の存在下で水素化反応器に供給してエタ
ノールを製造する
ことをさらに含む方法。
[請求項12]
請求項11に記載の方法であって、該ベントガスを処理して一酸化炭素含有量を減少させ
ることをさらに含む方法。
[請求項13]
請求項11または12のいずれか1項に記載の方法であって、該水素富化流が0.1モル
%未満の一酸化炭素および5モル%未満の二酸化炭素をさらに含む方法。
[請求項14]
請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法であって、該第1の触媒が該第2の触媒と
異なっており、該第1の触媒がイリジウム、ロジウム、またはそれらの混合物を含む方法

[請求項15]
請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法であって、該粗生成物が25モル%未満の
酢酸メチルを含む方法。
100 方法
102 炭素源
104 シンガス反応器
105 酸ガス除去装置
106 合成ガス
107 シンガス
108 カルボニル化反応器
109 二酸化炭素流
110 反応器ベントガス
111 蒸気流
112 蒸留および精製ユニット
114 ライン
116 ライン
118 メタノール反応物
120 酸ガス除去装置
122 流れ
124 ベントガス
126 水素除去装置
128 水素富化流
130 一酸化炭素流
132 ベントガス流
133 ライン
134 精製ベント
135 反応器ベント
140 水素化ユニット
142 粗製のエタノール生成物
144 蒸留および精製
146 エタノール
148 再循環可能なガス
150 ライン
152 ライン

Claims (10)

  1. 酢酸を製造するための方法であって:
    一酸化炭素、水素、および二酸化炭素を含む合成ガス、ならびにメタノール、酢酸メチ
    ル、ギ酸メチル、ジメチルエーテルおよびそれらの混合物からなる群から選択される少な
    くとも一種類の反応物を、酢酸を製造するために有効なカルボニル化条件下で、触媒、酢
    酸メチル、促進剤、および触媒安定化剤を含む反応媒体を含む反応器に導入し、該反応器
    中の水素分圧が3気圧〜40気圧であり;
    該反応器からベントガスを取り出し、この際、該反応器中の一酸化炭素分圧は15気圧
    未満であり、該ベントガスが5モル%〜95モル%の水素、4モル%〜70モル%の二酸化炭素、および0.2モル%〜40モル%の一酸化炭素を含み
    該反応器から反応溶液を取り出し;そして
    該反応溶液から酢酸を回収する
    ことを含む方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、該合成ガスが0.2:1〜6:1の水素:一酸化炭素モ
    ル比を有する方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、該合成ガスが9モル%〜80モル%の水素、3モル%〜
    90モル%の一酸化炭素、および0.5モル%〜25モル%の二酸化炭素を含む方法。
  4. 請求項3に記載の方法であって、該合成ガスが1:0.5〜1:80の二酸化炭素:一酸
    化炭素モル比を有する方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の方法であって、該反応器中の一酸化炭素分圧が反応
    器中の水素分圧より低い方法。
  6. 反応溶液が0.1重量%〜5重量%のエタノールおよびプロピオン酸の混合物を含む、請
    求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の方法であって、該合成ガスを該カルボニル化反応器
    中に供給する前に、該合成ガスから二酸化炭素を除去することをさらに含む方法。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の方法であって:
    該ベントガスから水素富化流を回収することをさらに含む方法。
  9. 請求項に記載の方法であって、該ベントガスを処理して一酸化炭素含有量を減少させることをさらに含む方法。
  10. 請求項8又は9のいずれか1項に記載の方法であって、該水素富化流が0.1モル%未満の一酸化炭素および5モル%未満の二酸化炭素をさらに含む方法。
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