JP6415906B2 - リクライニング装置のラチェット製造方法、リクライニング装置及びラチェット製造装置 - Google Patents

リクライニング装置のラチェット製造方法、リクライニング装置及びラチェット製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、内筒面に円周方向に沿って内歯が形成され、一方の面が開放面となった有底円筒状のリクライニング装置のラチェット製造方法、前記ラチェットを用いたリクライニング装置及び前記ラチェットの製造装置に関する。
シートのシートバックの角度調整を行うリクライニング装置の一例として、シートクッション側に固定されたベースプレートと、シートバック側に固定され、ベースプレートに対して回転可能に設けられ、内筒面に円周方向に沿って内歯が形成されたラチェットと、ベースプレートのラチェットとの対向面に、ラチェットの回転中心軸の半径方向に移動可能に設けられ、ラチェットの内歯と噛合可能な外歯を有するポールとを有し、ポールの外歯とラチェットの内歯とを噛合(ロック)/噛合解除(ロック解除)させて、シートバックのシートクッションに対する傾動を禁止/許可するものがある。
ラチェットの形状は、図14、図15に示すように、中央部に凹部Aが形成され、その凹部Aの内周面には内歯B、外周面には外歯Dを形成した有底円筒状となっている。
このラチェットCは、図16に示す金型を用いて、板材を半抜き加工(プレス加工)することで製造される。
図において、金型1001は、板材からラチェットCを形成する際に、ラチェットCの周面に当接する。金型1003,1004は、ラチェットCの外縁部を保持する。
金型1005,1006は、ラチェットCの第1凹部A’を形成すると共に、第1凹部A’の内周面に内歯B、ポールの外歯とラチェットCの内歯Bとの噛合を禁止するポールガイド(トッピング)501,505を形成する。金型1007,1008は、第2凹部A”を形成する。金型1009,1010は、穴Dを形成する(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−049465
しかし、内歯Bを形成する金型1005は、金型1005の押し込み方向(図において矢印方向)の先端面は平面であり、先端面と周面との角部は直角となっている。よって、この金型1005を用いて半抜き加工して内歯Bを形成すると、図17に示すように、内歯Bの角が丸みを帯びただれFが発生する。
このだれFの歯幅方向の長さl(以下、だれ量という)が長くなると、ポールの外歯との噛み合い長さが短くなり、リクライニング装置のロック力が低下する。このため、適切な噛合長さを確保するために、内歯Bの歯幅を長くすることとなり、リクライニング装置が大型化する。
本発明は、ラチェットの内歯のだれ量が小さくなり、リクライニング装置の小型化、軽量化、コストダウンが図れるリクライニング装置のラチェット製造方法、リクライニング装置及びラチェット製造装置を提供することにある。
上述した課題のうち少なくとも一つを実現するために、本発明の一側面を反映したラチェット製造方法は、内筒面に円周方向に沿って内歯が形成され、一方の面が開放面となった有底円筒状のリクライニング装置のラチェット製造方法において、外周面には半抜き加工により前記内歯を形成する歯形が形成され、該歯形は、前記内歯の歯先側を形成する歯先形成部、前記内歯の歯底側を形成する歯底形成部からなり、前記歯形の押し込み方向の前記外周面の端部には、先端面に近づくに従って前記歯先形成部、前記歯底形成部の径が漸次的に小さくなる斜面が形成され、前記歯先形成部の斜面の傾斜角が前記歯底形成部の斜面の傾斜角より小さいパンチを用いて、ラチェットを製造することを特徴とする。
また、本発明の一側面を反映したリクライニング装置は、内筒面に円周方向に沿って内歯が形成され、一方の面が開放面となった有底円筒状のラチェットを有するリクライニング装置において、前記ラチェットの底側の前記内歯の歯先側、前記内歯の歯底側共に、底に近づくに従って歯先円、歯底円の径が漸次的に小さくなる歯先側斜面、歯底側斜面が形成され、前記歯先側斜面の傾斜角が前記歯底側斜面の傾斜角より小さいことを特徴とする。
また、本発明の一側面を反映したリクライニング装置のラチェット製造装置は、内筒面に円周方向に沿って内歯が形成され、一方の面が開放面となった有底円筒状のラチェットを製造するリクライニング装置のラチェット製造装置において、板材を半抜き加工するパンチを有し、該パンチは、外周面には半抜き加工により前記内歯を形成する歯形が形成され、該歯形は、前記内歯の歯先側を形成する歯先形成部、前記内歯の歯底側を形成する歯底形成部からなり、前記歯形の押し込み方向の前記外周面の端部には、先端面に近づくに従って前記歯先形成部、前記歯底形成部の径が漸次的に小さくなる斜面が形成され、前記歯先形成部の斜面の傾斜角が前記歯底形成部の斜面より小さいことを特徴とする。
本発明の他の特徴は、以下に述べる発明を実施するための形態並びに添付の図面から一層明らかになるであろう。
本発明のラチェット製造方法によれば、外周面には半抜き加工により前記内歯を形成する歯形が形成され、該歯形は、前記内歯の歯先側を形成する歯先形成部、前記内歯の歯底側を形成する歯底形成部からなり、前記歯形の押し込み方向の前記外周面の端部には、先端面に近づくに従って前記歯先形成部、前記歯底形成部の径が漸次的に小さくなる斜面が形成され、前記歯先形成部の斜面の傾斜角が前記歯底形成部の斜面の傾斜角より小さいパンチを用いて、ラチェットを製造することにより、内歯が形成される際に、肉が充分に移動し、ラチェットの内歯のダレ量が小さくなる。
本発明のリクライニング装置によれば、前記ラチェットの底側の前記内歯の歯先側、前記内歯の歯底側共に、底に近づくに従って歯先円、歯底円の径が漸次的に小さくなる歯先側斜面、歯底側斜面が形成され、前記歯先側斜面の傾斜角が前記歯底側斜面の傾斜角より小さいことにより、内歯が形成される際に、肉が充分に移動し、ラチェットの内歯のダレ量が小さくなる。
本発明のリクライニング装置のラチェット製造装置によれば、板材を半抜き加工するパンチを有し、該パンチは、外周面には半抜き加工により前記内歯を形成する歯形が形成され、該歯形は、前記内歯の歯先側を形成する歯先形成部、前記内歯の歯底側を形成する歯底形成部からなり、前記歯形の押し込み方向の前記外周面の端部には、先端面に近づくに従って前記歯先形成部、前記歯底形成部の径が漸次的に小さくなる斜面が形成され、前記歯先形成部の斜面の傾斜角が前記歯底形成部の斜面より小さいことにより、内歯が形成される際に、肉が充分に移動し、ラチェットの内歯のダレ量が小さくなる。
本発明の他の効果は、以下に述べる発明を実施するための形態並びに添付の図面から一層明らかになるであろう。
図2のI方向矢視図である。 実施形態のリクライニング装置の分解斜視図である。 図1の切断線III−IIIでの端面を示す図である。 図3の切断線IV−IVでの端面を示す図である。 図3の切断線V−Vでの端面を示す図である。 図1の切断線VI−VIでの端面を示す図である。 図2の切断線VII−VIIでの端面を示す図である。 図2の切断線VIII−VIIIでの端面を示す図である。 ラチェットの製造で外形打ち抜きと内歯ギヤの形成を行う金型にセットした状態の工程を示す断面図である。 ラチェットの製造で外形打ち抜きを行う工程を示す断面図である。 ラチェットの製造で内歯ギヤを形成する工程を示す断面図である。 図11のギヤ押し出しパンチの押し込み方向の先端部(XII部)を説明する図である。 パンチの先端角度と破断発生率の関係を示す図である。 リクライニング装置のラチェットの斜視図である。 図14の切断線XV−XVの断面図である。 図14のラチェットの製造方法を説明する図である。 内歯のだれを説明する図である。
最初に、図1−図8を用いて、本実施形態のリクライニング装置の全体構成を説明する。
図1は図2のI方向矢視図、図2は実施形態のリクライニング装置の分解斜視図、図3は図1の切断線III−IIIでの端面を示す図、図4は図3の切断線IV−IVでの端面を示す図、図5は図3の切断線V−Vでの端面を示す図、図6は図1の切断線VI−VIでの端面を示す図、図7は図2の切断線VII−VIIでの端面を示す図、図8は図2の切断線VIII−VIIIでの端面を示す図である。
これらの図において、シートバック側に設けられるラチェット21は、板材を半抜加工し、一方の面が開放面となった有底円筒状となっている。このラチェット21の内筒面には、円周方向全域に沿って内歯23が形成されている。また、底部21aの中心には、貫通した穴21bが形成されている。
また、図7,図8に示すように、ラチェット21の底側の内歯23の歯先23a側、内歯23の歯底23b側共に、底に近づくに従って歯先円、歯底円の径が漸次的に小さくなる歯先側斜面23c、歯底側斜面23dが形成されている。
本実施形態では、歯先側斜面23c、歯底側斜面23dは、円錐面とした。
そして、図7(b)に示すように、歯先側斜面23cと、ラチェット21の中心軸とのなす角(斜面の傾斜角)は、歯先側斜面23cを形成する円錐面の母線と、ラチェット21の中心軸とのなす角(θ)である。尚、図では、ラチェット21の中心軸の代わりに、ラチェット21の中心軸と平行な内歯23の歯先を示す線を用いている。
また、歯底側斜面23dと、ラチェット21の中心軸とのなす角は、歯底側斜面23cを形成する円錐面の母線と、ラチェット21の中心軸とのなす角(θ’:θ’≠θ)である。尚、図では、ラチェット21の中心軸の代わりに、ラチェット21の中心軸と平行な内歯23の歯底23bを示す線を用いている。
そして、本実施形態では、歯先側斜面23cの傾斜角(θ)は15度〜45度とし、さらに好ましくは、30±5度とした。
シートクッション側に設けられるベースプレート25も、円板状の板材をプレスにより半抜加工し、一方の面が開放面となった有底円筒状となっている。この有底円筒の底部25aの径は、ラチェット21の外径より若干大きく設定されている。そして、底部25aに、ラチェット21が嵌め込まれ、ベースプレート25とラチェット21とは、軸0を中心に相対回転可能となっている。また、ベースプレート25の中心には、貫通した穴25bが形成されている。また、ラチェット21の底部21aには、ベースプレート25と反対方向に突出し、シートクッション側部材3に形成された取り付け用の穴3a(図3,図6参照)に係合する4つの取り付け用突部21dが形成されている。即ち、これら取り付け用突部21dは、ラチェット21の外部露出面上に形成されている。
そして、ラチェット21の外周部と、ベースプレート25の外周部とは、リング状の外周リング27により挟持され、ラチェット21とベースプレート25とは、相対回転の軸(O)方向に分離されることなく、相対回転可能に保持されている。
ラチェット21の底部21aとベースプレート25の底部25aとが形成する空間には、回転カム31が配置される。回転カム31の中心には、非円形(小判形)の貫通穴31aが形成されている。
ベースプレート25には、回転カム31の径方向外側に位置するように、1つのポール33と2つのポール32とが配置される。ポール33には内歯23と噛合可能な外歯57を有し、ポール32にも内歯23と噛合可能な外歯58を有している。
そして、ベースプレート25の底部25aには、ラチェット21方向に突出し、ポール33、ポール32を相対回転の半径方向に案内するガイド25cが形成されている。よって、ポール33、ポール32は、相対回転の半径方向に移動可能となっている。更に、ベースプレート25の底部21aには、ラチェット21と反対方向に突出し、シートバック側部材1に形成された取り付け用の穴1a(図3、図6参照)に係合する2つの取り付け用突部25dと1つの取り付け用突部25eとが形成されている。即ち、これら取り付け用突部25d、25eは、ベースプレート(第1部材)25の外部露出面上に形成されている。
取り付け用突部25d、取り付け用突部25eは、いずれも円環を異なる半径で分割した形状で、取り付け用突部25eは、内側の円弧と半径との角部がカットされ、後述する第1ストッパ面25h、第2ストッパ面25iが形成されている。
また、ポール33と回転カム31とガイド25cの間には、カム34が配置されている。
ポール33の外歯57が形成された面と反対側には、相対回転の半径方向と交差する方向に延出する凹部33cと、フック部33aとが形成されている。ポール32の外歯58が形成された面と反対側には、相対回転の半径方向と交差する方向に延出する凹部32cと、フック部32aとが形成されている。
一方、回転カム31の周部には、ポール33の凹部33c、ポール32の凹部32cに進入可能な3つのフック部31bが形成されている。
ポール33の外歯57が形成された面と反対側の面には、カム34が当接可能なロック面33bが形成されている。このロック面33bは、相対回転の半径方向と交差し、カム34により押されると、ポール33をガイド25cに押しつける力と、外歯57が内歯23に噛合する方向(相対回転の半径方向)にポール33を移動させる力とが発生する面に設定されている。ポール32の外歯58が形成された面と反対側の面には、回転カム31のフック部31bが当接可能なロック面32bが形成されている。
更に、ポール33のフック部33a、ポール32のフック部32aには、回転カム31のフック部31b以外の部分に形成されたカム当接部31cが当接可能な回転カム当接部33d、回転カム当接部32dが形成されている。
そして、回転カム31が一方の方向(図4において反時計方向)に回転すると、回転カム31のフック部31bがカム34を押接し、カム34はガイド25cとポール33のロック面33bを押接し、ポール33を相対回転の軸から離れる方向に移動させ、ポール33の外歯57がラチェット21の内歯23に噛合するロック位置となる。さらに、回転カム31のフック部31bがポール32のロック面32bを押接し、ポール32を相対回転の軸から離れる方向に移動させ、ポール32の外歯58がラチェット21の内歯23に噛合するロック位置となる。
この時、回転カム31のカム当接部31cと、ポール33の回転カム当接部33dとの間には、隙間が発生している。
本形態例では、ラチェット21の内歯23より底部21a側の内筒面に形成された円周方向に沿った3つの円弧状の大ガイド71と、ポール33のラチェット21の底部21aとの対向面上に半抜き加工により形成された突部73,ポール32のラチェット21の底部21aとの対向面上に半抜き加工により形成された突部74とからなるロック解除保持機構が設けられている。
尚、本実施形態では、ラチェット21の底部21a上には、内筒面に沿って環状段部22が形成され、大ガイド71は環状段部22に連設して形成されている。
そして、図7に示すように、ポール33の突部73、ポール32の突部74が、円弧状の大ガイド71の立壁面71aに当接すると、ポール33、ポール32は、外歯57、外歯58とラチェット21の内歯23との噛合が解除されたロック解除位置に保持されるようになっている。
さらに、ラチェット21の大ガイド71の間の環状段部22には、内歯23側に凹部22aが形成されることにより小ガイド72が形成されている。図8に示すように、小ガイド72のラチェット21の底部21aと平行な面72aに、ポール33、ポール32のラチェット21の底部21aとの対向面が乗り上げるようになっている。この小ガイド72の高さ(ラチェット21の底部21aから小ガイド72の面72aのまでの高さ(図8においてHで示す)は、内歯23の歯先側斜面23c、歯底側斜面23dのラチェット21の底部21aからの高さ(図8においてhで示す)より高く設定されている。よって、ポール33、ポール32が小ガイド72の面72aに乗り上げると、ポール33の外歯57,ポール32の外歯58は、内歯23の歯先側斜面23c、歯底側斜面23dに噛合せず、歯の噛み合い不良がなくなる
回転カム31の非円形の貫通穴31aには、断面形状が非円形(小判形)で、回転カ
ム31と一体となって回転する操作部材77が嵌合している。操作部材77は両端面が開放面となった筒状で、外周面には、外周面の周方向全域に、操作部材77の半径方向に張り出し、ラチェット21の底部21aに当接して、操作部材77がラチェット21の底部21aに対してどの方向にも傾くのを禁止するつば部75が形成されている。本実施形態のつば部75は、操作部材77の外周面の周方向の全域にわたって形成された1つの連続したつばで構成した。
更に、操作部材77は、ベースプレート25の貫通した穴25bから外部に露出するような高さに設定されている。
ベースプレート25の外部露出面上であって、取り付け用突部25eよりベースプレート25の中心側には、2つのスプリング係止用突部25f、25gが形成されている(図5参照)。
そして、取り付け用突部25d、25eが形成されるベースプレート25の外部露出面上には、長尺のバネ板材を渦巻き状に加工したスパイラルスプリング79が配置される。このスパイラルスプリング79の内端部79aは、操作部材77に巻き付けられて係止され、外端部はベースプレート25の2つあるスプリング係止用突部25f、25gのうちの一方のスプリング係止用突部25fに係止されている。そして、スパイラルスプリング79の付勢力により、回転カム31を介して、ポール33、32はロック位置方向に付勢されている。
本実施形態のリクライニング装置は、図3、図6に示すように、操作部材77に操作ハンドル等で駆動されるシャフト91が取り付けられる。シャフト91の断面形状は、操作部材77の穴に嵌合可能な非円形状で、嵌合することにより、操作部材77と一体となって回転するように設定されている。
更に、ベースプレート25の外部露出面には、スパイラルスプリング79を覆うスプリングカバー101が設けられる。
ここで、本実施形態のリクライニング装置の作動を説明する。
図4に示すように、回転カム31に操作力を加えていない場合は、スパイラルスプリング79の付勢力により、回転カム31は一方の方向(図において反時計方向)に回転し、回転カムの31のフック部31bがポール32のロック面32bを押接している。また、回転カム31のフック部31bがカム34を介して、ポール33のロック面33bを押接している。ポール32のロック面32b、ポール33のロック面33bが押されると、外歯58,外歯57が内歯23に噛合する方向(相対回転の半径方向)にポール32、ポール33を移動させる力が発生し、ポール32、ポール33の外歯58、外歯57がラチェット21の内歯23に噛合するロック位置となる。よって、ラチェット21とベースプレート25との相対回転は禁止され、シートバックはシートクッションに対して回転ができない状態(ロック状態)にある。
スパイラルスプリング79の付勢力に抗してシャフト91を回転させ、ポール33がロック位置にある状態から、回転カム31(操作部材77)が他方の方向(図において時計方向)に回転すると、回転カム31のフック部31bがポール32の凹部32c、ポール33の凹部33cに進入し、ポール32、ポール33のフック部32a、フック部33aに係合し(凹部32c、凹部33cの相対回転の回転中心側の内壁面を押接して)、ポール32、ポール33を相対回転の軸に近づく方向へ引き上げ、ポール32、ポール33は外歯58、外歯57とラチェット21の内歯23との噛合が解除されたアンロック位置(フルオープン状態)となる。よって、ラチェット21とベースプレート25との相対回転が可能となり、シートバックはシートクッションに対して回転可能となる。
シートクッションに対する所望のシートバックの回転角を得た後、シャフト91への操作力を解除すると、回転カム31はスパイラルスプリング79の付勢力により、反時計方向に回転する。
回転カム31が反時計方向に回転すると、先ず、回転カム31のカム当接部31cがポール32、ポール33の回転カム当接部32d、回転カム当接部33dに当接し、ポール32、ポール33をロック方向に押す。
更に、回転カム31が回転すると、回転カム31のカム当接部31cがポール32、ポール33の回転カム当接部32d、回転カム当接部33dに当接して、ポール32、ポール33をロック方向に押接する。また、回転カム31のフック部31bがカム34を押接し始め、カム34はポール33のロック面33b方向に移動し始める。さらに、回転カム31のフック部31bが、ポール32のロック面32方向に移動し始める。
更に、回転カム31が回転すると、回転カム31のカム当接部31cが、ポール32、ポール33の回転カム当接部32d、回転カム当接部33dから離れ始め、逆に、回転カム31のフック部31bがポール32のロック面32bを押接し始め。また、カム34を介して、ポール33のロック面33bを押接し始める。回転カム31が回転して、ポール32,ポール33は図4に示すロック位置まで押され、ポール33の外歯57、ポール32の外歯58と、ラチェット21の内歯23とがガタなく噛合したロック状態に復帰する。
そして、シートバックが起立し、着座可能な状態(初段ロック状態)と前倒れ状態との間は、前述したロック解除保持機構により、操作部材77への操作力を解除しても、ロック解除位置にポール32、ポール33が保持され、シートバックは、操作部材77を操作せずに、回転することができる。すなわち、初段ロック状態と前倒れ状態との間は、ポール32,ポール33の突部74,突部73が円弧状の大ガイド71上に位置し、操作部材77への操作力を解除しても、ポール32,ポール33はロック解除位置に保持され、ラチェット21とベースプレート25との相対回転が可能となる。
次に、図9−図11を用いて、ラチェット21の製造方法及びラチェット製造装置を説明する。
金属製の板材からなる被加工材80に対して、順送プレス装置を用いてプレス加工や剪断打ち抜き加工を行うことによりラチェット21が形成される。順送プレス装置では、ラチェット21における穴21b、取り付け用突部25d、小ガイド72の面72a及び大ガイド71の形成が先に行われ、図9−図11に示す工程で内歯23の形成とラチェット21の外形打ち抜きが行われる。
図9に示すように、ラチェット21の表面(開放面)側を上に向けた状態で、貫通穴を有する上型プレッシャープレート120と下型プレッシャープレート110によって被加工材80が挟持される。円柱状の上型インナーパンチ134と下型インナーパンチ142により、取り付け用突部25d、小ガイド72の面72a、大ガイド71が形成される。
また、上型インナーパンチ134の外側には円筒状のギヤ押し出しパンチ132が設けられ、下型インナーパンチ142の外側には円筒状のギヤエジェクター140が設けられる。ギヤ押し出しパンチ132とギヤエジェクター140はラチェット21における小ガイド72(及び大ガイド71)が形成される部位の表裏を挟む位置関係にある。ギヤ押し出しパンチ132の外周部には、内歯23を形成するための外歯が形成されている。ギヤ押し出しパンチ132の外側にはフローティングメインパンチ130が設けられ、ギヤエジェクター140の外側にはフローティングダイ111が設けられる。
図9の状態では、ラチェット21の内歯23や円筒部分が未形成であり、ギヤ押し出しパンチ132、フローティングメインパンチ130及び上型プレッシャープレート120の先端が略面一で、ギヤエジェクター140、フローティングダイ111及び下型プレッシャープレート110の先端が略面一の位置にある。
図9に続く図10の工程では、フローティングダイ111によってラチェット21の裏面側から背圧付与を行いつつ、下型プレッシャープレート110に対するフローティングメインパンチ130の下方への相対移動によってラチェット21の外形打ち抜き加工が行われる。
続いて図11の工程に移る。ギヤ押し出しパンチ132とギヤエジェクター140で挟持される小ガイド72と、フローティングメインパンチ130とフローティングダイ111で挟持される。ラチェット21の円筒部分が形成されるように、上下方向への金型の相互移動を行い、ギヤ押し出しパンチ32の外周部に形成した外歯によって内歯23を形成する(半抜き加工)。
ここで、図12を用いて、ギヤ押し出しパンチ132の押し込み方向の先端部を説明する。ギヤ押し出しパンチの132の外周面には半抜き加工により内歯23を形成する歯形133が形成されている。押し込み方向(図において矢印A方向)の先端面の角部の歯形には、内歯23の歯先23a側を形成する歯先形成部133a、内歯23の歯底23b側を形成する歯底形成部133b共に、先端面に近づくに従って内歯23の歯先円、歯底円の径が漸次的に小さくなる円錐面状の歯先形成部斜面133c、円錐面状の歯底形成部斜面133dが形成されている。
そして、歯先形成部斜面133cの傾斜角(α)と、歯底形成部斜面133dの傾斜角(β)とは異なるように設定した。尚、ギヤ押し出しパンチ132の歯先形成部斜面133c、歯底形成部斜面133dの傾斜角は、ラチェット21の歯先側斜面23c、歯底側斜面23dの傾斜角と同様に、斜面(円錐面の母線)とギヤ押し出しパンチ132の中心軸とのなす角をいう。
そして、本実施形態では、歯先形成部斜面133cの傾斜角(α)は15度〜45度とし、さらに好ましくは、30±5度とした。
さらに、ギヤ押し出しパンチ132の押し込み方向の先端面には、歯先形成部斜面133c、歯底形成部斜面133dと、歯先形成部斜面133c、歯底形成部斜面133dより、押し込み方向で深く設定された凹部132aと、歯先形成部斜面133c、歯底形成部斜面133dと凹部132aとの間に形成された凸部132bとが形成されている。この凸部132bにより環状段部22上に、凹部22aが形成され、この凹部22aの形成により、小ガイド72が完成(形成)される。
本願発明者は、以下のような実験を行った。
(1) 金型(ギヤ押し込みパンチ132)と金型(フローティングメイン130)とのクリアランス:負のクリアランス0.2mmとした。
一般に、材料の流動性が良い程、金型にストレスが掛かり難く、結果、型寿命が良くなると言われている。このことから、材料の延性破壊式の一つである Cockcroft & Latham model から導き出される「ダメージ値= C1」(1式)を特性値に、金型(パンチ)の先端角度θと、破断発生の関係をCAE( computer aided engineering)解析した。その結果を図13に示す。図13において、縦軸は破断発生率、横軸はパンチの先端角を示している。
この実験によると、破断発生率は、パンチ先端角により下に凸の 2 次元的に変化し、θが15度〜45 度の間でミニマム値が存在することが分かった。
そして、30±5度が最適であることが確認できた。
上記構成によれば、以下の様な効果が得られる。
(1) ラチェット21の内歯23を形成するパンチの歯先形成部、歯底形成部は斜面であるので、肉が移動しやすくなり、ダレの量が少なくなり、内歯の形成に不具合が発生しない。
(2) ギヤ押し出しパンチ132の歯先形成部133a、歯底形成部133bの斜面の傾斜角が異なることにより、ラチェット21の内歯23の歯底、歯先のうち、精度よく作りたい方への肉の移動を制御し易くなる。
(3) ギヤ押し出しパンチ132の歯先形成部斜面133cは、円錐面であり、該円錐面の母線と、ギヤ押し出しパンチ132の中心軸とのなす傾斜角(α)を15〜45度としたことにより、ラチェット21の内歯23の歯先斜面部23c、歯底斜面部23dに破断が発生しにくくなる。
(4) ギア押し出しパンチ132の歯先形成部斜面133cの傾斜角(α)を30±5度としたことにより、ラチェット21の内歯23の歯先斜面部23c、歯底斜面部23dにより破断が発生しにくくなる。
(5) ギヤ押し出しパンチ132の押し込み方向の先端面には、押し込み方向での歯先形成部斜面133c、歯底形成部斜面133dより深く設定された凹部132aが形成されていることにより、ラチェット21に小ガイド72が形成される。よって、ポール33の外歯57,ポール32の外歯58とラチェット21の内歯23の噛み合い不良が無くなる。
21 ラチェット
23 内歯

Claims (7)

  1. 内筒面に円周方向に沿って内歯が形成され、一方の面が開放面となった有底円筒状のリクライニング装置のラチェット製造方法において、
    外周面には半抜き加工により前記内歯を形成する歯形が形成され、該歯形は、前記内歯の歯先側を形成する歯先形成部、前記内歯の歯底側を形成する歯底形成部からなり、前記歯形の押し込み方向の前記外周面の端部には、先端面に近づくに従って前記歯先形成部、前記歯底形成部の径が漸次的に小さくなる斜面が形成され、前記歯先形成部の斜面の傾斜角が前記歯底形成部の斜面の傾斜角より小さいパンチを用いて、ラチェットを製造する
    ことを特徴とするリクライニング装置のラチェット製造方法。
  2. 前記パンチの前記歯先形成部の斜面は、円錐面であり、
    該円錐面の母線と、前記パンチの中心軸とのなす傾斜角は、15〜45度であること
    を特徴とする請求項1記載のリクライニング装置のラチェット製造方法。
  3. 前記パンチの前記円錐面の母線と、前記パンチの中心軸とのなす傾斜角は、30±5度である
    ことを特徴とする請求項2記載のリクライニング装置のラチェット製造方法。
  4. 前記パンチの押し込み方向の先端面には、
    前記押し込み方向での前記歯先形成部の斜面、前記歯底形成部の斜面より深く設定された凹部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のリクライニング装置のラチェット製造方法。
  5. 内筒面に円周方向に沿って内歯が形成され、一方の面が開放面となった有底円筒状のラチェットを有するリクライニング装置において、
    前記ラチェットの底側の前記内歯の歯先側、前記内歯の歯底側共に、底に近づくに従って歯先円、歯底円の径が漸次的に小さくなる歯先側斜面、歯底側斜面が形成され、
    前記歯先側斜面の傾斜角が前記歯底側斜面の傾斜角より小さい
    ことを特徴とするリクライニング装置。
  6. 前記ラチェットの開放面側に積層され、前記ラチェットと前記円周方向に相対回転可能に設けられたベースプレートと、
    該ベースプレートに移動可能に設けられ、前記内歯と噛合可能な外歯が形成されたポールと、
    を有し、
    前記ラチェットの底部には、
    前記ポールの外歯が、前記ラチェットの内歯の歯先側斜面面、歯底側斜面に、噛合しないように前記ポールを保持するガイドが形成されている
    ことを特徴とする請求項5記載のリクライニング装置。
  7. 内筒面に円周方向に沿って内歯が形成され、一方の面が開放面となった有底円筒状のラチェットを製造するリクライニング装置のラチェット製造装置において、
    板材を半抜き加工するパンチを有し、
    該パンチは、外周面には半抜き加工により前記内歯を形成する歯形が形成され、該歯形は、前記内歯の歯先側を形成する歯先形成部、前記内歯の歯底側を形成する歯底形成部からなり、前記歯形の押し込み方向の前記外周面の端部には、先端面に近づくに従って前記歯先形成部、前記歯底形成部の径が漸次的に小さくなる斜面が形成され、前記歯先形成部の斜面の傾斜角が前記歯底形成部の斜面より小さい
    ことを特徴とするリクライニング装置のラチェット製造装置。
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