JP6415177B2 - 合成樹脂製成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、合成樹脂製成形体の製造方法に関する。
近年、建物の窓枠や戸枠に使用されるサッシとして、アルミニウム製成形体に代わり、熱伝導率の低い合成樹脂製成形体が普及している。ところが、合成樹脂製成形体は防火性に劣ることから、防火地域或いは準防火地域の建物の防火窓或いは防火戸への適用が遅れている。このため、防火窓等への適用を可能とする合成樹脂製成形体として、中空部内に耐火材料を配置することによって防火性を付与した合成樹脂製成形体(以下、防火用成形体という)が検討されている。
合成樹脂製成形体の中空部内に耐火材料を配置する方法としては、成形後の合成樹脂製成形体の中空部内に耐熱性無機粒子を含む耐火材料を充填する方法や中空部の壁面にテープ状の耐火材料を貼付する方法が挙げられる。しかしながら、これらの方法では中空部内に耐火材料を配置するのに少なからず手間と時間を要する。このような手間と時間を必要とせずに合成樹脂製成形体の中空部内に耐火材料を配置する別の方法として、合成樹脂製成形体を構成する合成樹脂(基材樹脂)と耐火材料である合成樹脂(耐火性樹脂)とを共押出により成形する方法が挙げられる。
例えば、特許文献1には、複数の合成樹脂からなる多層壁の管状成形体を共押出成形により製造する際に用いる金型が開示されている。この金型には前記合成樹脂を流すための複数の流路が設けられており、これらの流路は導入された合成樹脂を樹脂入口から樹脂出口まで高温下且つ同じ距離で併走させるように形成されている。
特表平8−500302号公報
しかしながら、上記金型は、これを用いて防火用成形体を製造する場合に、基材樹脂に比べて熱安定性が低い耐火性樹脂を基材樹脂と略同じ時間をかけて高温状態で共押出成形することに起因して耐火性樹脂を劣化させ、防火用成形体の防火性を低下させる虞があった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、合成樹脂製成形体の中空部内の一部又は全域に、熱安定性の低い合成樹脂を劣化させることなく簡易に配設可能な合成樹脂製成形体の製造方法の提供を課題とする。
本発明の合成樹脂製成形体の製造方法は、内部に中空部を有して一方向に延在する合成樹脂製の一の成形部と、該一の成形部の内面側に共押出により一体的に形成された合成樹脂製の二の成形部とを備えた合成樹脂製成形体の製造方法であって、前記一の成形部用樹脂を金型の複数の流路中を並走させて合流端に導き、前記並走の途中において前記複数の流路の間から前記二の成形部用樹脂を該流路間の内側に導入し、前記一の成形部用樹脂同士を隔てる不連続部分の内側で前記二の成形部用樹脂を前記一の成形部用樹脂に並走させ、前記複数の流路を並走する前記一の成形部用樹脂を前記合流端に到達する前又は前記合流端にて合流させ、前記一の成形部用樹脂と前記二の成形部用樹脂とを前記合流端にて合流させて前記合成樹脂製成形体を得ると共に、前記不連続部分で隔てられた前記一の成形部用樹脂同士が合流する部分に前記二の成形部用樹脂を合流させ、前記一の成形部用樹脂を外周縁の少なくとも一部が前記中空部の断面輪郭形状と同じ形状を有する空間を囲んで複数の金型内流路を並走させ、前記二の成形部用樹脂として熱膨張性耐火材を用いることを特徴とする
また、本発明の合成樹脂製成形体の製造方法では、複数の前記流路の断面形状を、前記一の成形部用樹脂が流動する際の上流側から下流側に向かって拡げつつ、成形後の前記一の成形部用樹脂の断面形状に近づくように各々漸次的に変えると共に、隣り合う前記流路同士を接続し、前記二の成形部用樹脂の流路の断面形状を、前記二の成形部用樹脂が流動する際の上流側から下流側に向かって成形後の前記二の成形部用樹脂の断面形状に近づくように各々漸次的に変え、その際に前記一の成形部用樹脂の流路と前記二の成形部用樹脂の流路との隔壁を縮小することが好ましい。
本発明の合成樹脂製成形体の製造方法及び合成樹脂製成形体製造用金型によれば、二の成形部用樹脂は、一の成形部用樹脂が走行する途中で一の成形部用樹脂の内側に導かれ、一の成形部用樹脂と併走する。これにより、押出成形時の二の成形部用樹脂が高温状態にある時間は、一の成形部用樹脂が高温状態にある時間より短くなり、二の成形部用樹脂が一の成形部用樹脂に比べて熱安定性の低い合成樹脂であっても劣化させずに一及び二の成形部用樹脂を良好に成形することができる。
本発明の実施形態である合成樹脂製成形体製造用金型を用いて製造された合成樹脂製成形体を示す斜視図である。 本発明の実施形態である合成樹脂製成形体製造用金型を示す側面図である。 本発明の実施形態である合成樹脂製成形体製造用金型を示す図であって、(a)は図2に示すA−A線で矢視した場合の注入部の正面図であり、(b)は図2に示すB−B線で矢視した場合の注入部の背面図である。 本発明の実施形態である合成樹脂製成形体製造用金型を示す図であって、(a)は図2に示すB−B線で矢視した場合の分配部の正面図であり、(b)は図2に示すC−C線で矢視した場合の分配部の背面図である。 本発明の実施形態である合成樹脂製成形体製造用金型を示す図であって、(a)は図2に示すC−C線で矢視した場合の保持部の正面図であり、(b)は図2に示すD−D線で矢視した場合の保持部の背面図である。 本発明の実施形態である合成樹脂製成形体製造用金型を示す図であって、(a)は図2に示すD−D線で矢視した場合の合流部の正面図であり、(b)は図2に示すE−E線で矢視した場合の合流部の背面図である。 本発明の実施形態である合成樹脂製成形体製造用金型を示す図であって、(a)は図2に示すE−E線で矢視した場合の平行部の正面図であり、(b)は図2に示すF−F線で矢視した場合の平行部の背面図である。 本発明の実施形態である合成樹脂製成形体製造用金型の一、二及び三の樹脂流路を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態である合成樹脂製成形体の製造方法及び合成樹脂製成形体製造用金型について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態である合成樹脂製成形体製造用金型を用いて製造された合成樹脂製成形体1の斜視図である。図1に示すように、合成樹脂製成形体1は、防火用成形体であり、内部に複数の中空部4を有してX方向(一方向)に延在する合成樹脂製の一の成形部2と、一の成形部2の内面2iに形成された耐火性を有する合成樹脂製の二の成形部3と、を備えている。
X方向に直交する一の成形部2の断面には、湾曲部5が形成されている。一の成形部2は熱伝導率の低い基材樹脂から構成されており、このような基材樹脂としては、例えば押出成形時の加工性に優れた軟質ポリ塩化ビニルが挙げられる。
二の成形部3は、中空部4の外壁4rに当接して設けられており、X方向に直交する断面において断続的に配設されている。図1にはX方向に延在して配設された二の成形部3が例示しているが、二の成形部3はX方向においても断続的に形成されていてもよい。また、二の成形部3は、後述するように共押出により一の成形部2と一体的に成形されているため、湾曲部5にも一の成形部2に当接して設けられている。
二の成形部3は、基材樹脂よりも熱安定性が低い耐火性樹脂から構成されており、このような耐火性樹脂としては、例えばプラスチック技術が活用された耐火材を含む熱膨張性耐火材が挙げられる。該耐火材の膨張倍率は、10〜30倍であることが好ましく、15倍程度であることがより好ましい。これにより、1.0〜2.5mm程度の厚みを有して成形された二の成形部3が、200℃以上に加熱された際に10〜25mm程度に膨張して一の成形部2の中空部4に瞬時に断熱層を形成する。従って、合成樹脂製成形体1に適度な防火性が付与される。また、耐火性樹脂としてプラスチック技術が活用された耐火材が用いられることにより共押出成形時の加工性、耐久性が向上し、合成樹脂製成形体1の製造コストが抑えられる。
なお、二の成形部3を構成する耐火性樹脂は、プラスチック技術が活用された耐火材に限定されるものではなく、熱安定性が低くても、共押出成形が可能であり、加熱された際に防火性を発揮し得る樹脂材料であればよい。また、上記説明においては、建物の窓枠や戸枠をなすサッシに適用可能な防火用成形体を例示して説明したが、本実施形態の合成樹脂製成形体1は、内部に中空部4を有してX方向に延在する基材樹脂製の一の成形部2と、一の成形部2の中空部4の外壁4rの一部または全域に形成され、且つ基材樹脂より熱安定性が低い合成樹脂からなる二の成形部3と、を備えていればよい。
次いで、本実施形態の合成樹脂製成形体1の製造方法について、図2〜図8を参照して説明する。
図2は、合成樹脂製成形体1を製造するための合成樹脂製成形体製造用金型10を示す側面図である。図2に示すように、合成樹脂製成形体製造用金型10(以下、金型10という)は、合成樹脂の走行方向の上流側から順に、ヘッド12と、導入部20と、注入部22と、分配部24と、保持部26と、合流部28と、平行部30が図示しない連結・固定手段により連結・固定されてなるものである。
図3〜図8は、金型10を示す図であって、図3(a)は図2に示すA−A線で矢視した場合の注入部22の正面図であり、図3(b)は図2に示すB−B線で矢視した場合の注入部22の背面図である。また、図4(a)は図2に示すB−B線で矢視した場合の分配部24の正面図であり、図4(b)は図2に示すC−C線で矢視した場合の分配部24の背面図である。また、図5(a)は図2に示すC−C線で矢視した場合の保持部26の正面図であり、図5(b)は図2に示すD−D線で矢視した場合の保持部26の背面図である。また、図6(a)は図2に示すD−D線で矢視した場合の合流部28の正面図であり、図6(b)は図2に示すE−E線で矢視した場合の合流部28の背面図である。また、図7(a)は図2に示すE−E線で矢視した場合の平行部30の正面図であり、図7(b)は図2に示すF−F線で矢視した場合の平行部30の背面図である。
図2及び図3、図7に示すように、金型10には、合成樹脂製成形体1の一の成形部2を構成する基材樹脂(一の成形部用樹脂)を導入してこれを合流端18まで導く一の樹脂流路13と、合成樹脂製成形体1の二の成形部3を構成する耐火性樹脂(二の成形部用樹脂)を導入してこれを合流端18まで導く二の樹脂流路15と、合流端18に導かれた基材樹脂と耐火性樹脂とを合流させて一体的に走行させる三の樹脂流路16と、を備えている。図8は、金型10内で合成樹脂が流動する際の上流側(以降、金型10の上流側という)から下流側に向かって断面形状が各々漸次的に変わる一及び二の樹脂流路13,15と、金型10の上流側から下流側に向かう方向において断面形状が保持されてなる三の樹脂流路16と、を示す斜視図である。但し、図2では二の樹脂流路15の図示を省略すると共に、図8では一の樹脂流路13の上流側端部の図示を省略している。
図8に示すように、一の樹脂流路13は、金型10の入口から出口まで、即ちヘッド12のY方向入口から平行部30のY方向出口まで延在して設けられている。押出領域Dの一の樹脂流路13は、図2に示すヘッド12に設けられている。ヘッド12に加熱溶融された状態で図示略の押出機から高温状態の基材樹脂が供給された際には、基材樹脂が一の樹脂流路13に導入され、断面形状が一の成形部2の断面輪郭形状と一致するように漸次的に拡げられて一の樹脂流路13の下流側へ押し出される。
一の樹脂流路13は、図8に示す押出領域Dの途中において複数の分割流路31(複数の金型内流路)に分割されており、具体的には例えば図3(a)に示す6個の分割流路31A〜31Fに分割されている。分割流路31は、図1に示す合成樹脂製成形体1の一の成形部2の中空部4の断面輪郭形状に対応させた輪郭形状を有する空間33を囲んで複数形成されている。従って、複数の分割流路31は、図1に示す合成樹脂製成形体1の壁部を形成するための成形用流路であり、図1に示すX方向に直交する断面において、前記壁部の厚み寸法より大きめの厚み寸法を有する流路とされている。図8に示すように、Y方向に直交する断面において、各分割流路31間には不連続部分34が存在する。図2に示す導入部20には、図8に示す押出領域Dの一の樹脂流路13及び分割流路31が設けられている。ヘッド12から排出された基材樹脂は、引き続き一の樹脂流路13に導入され、金型10の下流側へ向かって流れる途中で複数の分割流路31に円滑に分配される。
二の樹脂流路15は、図2及び図8に示すように、一端に耐火性樹脂を導入するための導入口14を有し、複数の分割流路31間の不連続部分34に向かってY方向(一の樹脂流路13の流路方向)に直交する方向に延在して設けられている。即ち、二の樹脂流路15は、図8に示す押出領域Dにおいて一の樹脂流路13のY方向途中から合流するように設けられている。そして、二の樹脂流路15は、複数の分割流路31の間の不連続部分34(図8に示す分割流路31Cと分割流路31Dとの間の不連続部分34)から空間33に侵入し、複数の分割流路36に分割されている。具体的には、二の樹脂流路15は、例えば図3(b)に示す6個の分割流路36A〜36Fに分割されている。分割流路36はそれぞれ、分割流路31に対して、図1に示す合成樹脂製成形体1の二の成形部3の一の成形部2に対する相対位置関係と同様の位置関係になるように屈曲して設けられている。分割流路31及び分割流路36の数は、一及び二の成形部2,3の大きさや壁部の厚み寸法、各合成樹脂の粘性及び供給速度等を勘案して設定されている。
図8に示すように、分割流路36A〜36Fは、図1に示す合成樹脂製成形体1の一の成形部2に対する二の成形部3A〜3E、及び、一の成形部2の湾曲部5に当接してなる二の成形部3Eのそれぞれに対応し、図8に示すY方向に進行するように設けられている。このような構成により、二の樹脂流路15は一の樹脂流路13の途中において一の樹脂流路13に合流し、分割流路36は複数の分割流路31の内側に至る。図2に示す注入部22には、図8に示す押出領域Dの分割流路31、導入口14、二の樹脂流路15及び分割流路36が設けられている。従って、導入部20から排出された基材樹脂は、図3(a)に示す断面を保持して押し出され、その途中において図3(b)に示すように内側に侵入する加熱溶融された高温状態の耐火性樹脂と併走する。また、耐火性樹脂は二の樹脂流路15及び分割流路36A〜36Fを通って押し出される。
図8に示す押出領域Dにおいて、分割流路31の内部に分割流路36が侵入してからY方向に進むに従って、分割流路31の断面形状は、図1に示す合成樹脂製成形体1の一の成形部2に近づくように漸近的に薄くなるように変化している。同時に、分割流路36の断面形状は、Y方向に進むに従って分割流路31の断面形状に対応する形状へと漸近的に変化している。そして、図4(a),(b)に示す分配部24には、図8に示す押出領域Dの複数の分割流路31,36が設けられており、図4(a)及び図4(b)に示すように、分割流路36は、分割流路31との間に一定の厚み寸法を有する隔壁38を介在させるように分割流路31に徐々に近づけられている。
図8に示す押出領域Dにおいて、分割流路31及び分割流路36は、分割流路31と分割流路36との間に一定の厚み寸法を有する隔壁38が設けられた状態で、断面形状を保持したまま併走している。図5(a),(b)に示す保持部26には、図8に示す押出領域Dの複数の分割流路31,36が設けられている。即ち、図5(a),(b)に示すように、分配部24から排出された基材樹脂と耐火性樹脂は、それぞれ分割流路31と分割流路36を通り、一定の厚み寸法を隔てて互いに離間した状態で各々断面形状を維持しながら共押出により成形される。このような構成により、分割流路31を通る基材樹脂と分割流路36を通る耐火性樹脂とが合流する前に、各合成樹脂がそれぞれの形状になじんで良好に成形される。
分割流路31を通る基材樹脂と分割流路36を通る耐火性樹脂が併走して成形された後、図8に示す押出領域Dにおいて、分割流路36は更に分割流路31に接近し、金型10の合流端18で分割流路31と合流するように設けられている。図6(a),(b)に示す合流部28には、図8に示す押出領域Dの複数の分割流路31,36が設けられている。即ち、図6(a)に示すように、合流部28の上流側端面において、分割流路31A〜31F及び分割流路36A〜36Fは、図5(b)に示す保持部26の下流側端面における各分割流路に対応する形状を有している。合流部28の内部において、複数の分割流路31は、金型10の上流側から下流側に向かう方向に進むに従い、図6(a)に示す不連続部分34が縮小されて、互いに連結するように漸次的に断面形状が変化して設けられている。一方、複数の分割流路36は断面形状を維持しつつ分割流路31に接近し、隔壁38は縮小される。図6(b)に示すように、合流部28の下流側端面において、複数の分割流路36は複数の分割流路31A〜31Fが連結してなる流路31Mに合流し、隔壁38はなくなる。従って、保持部26から排出された基材樹脂は、複数の分割流路31を通って互いに連結して合成樹脂製成形体1の一の成形部2と同一の形状に成形される。また、保持部26から排出された耐火性樹脂は、断面形状を保持しながら複数の分割流路36を通って下流側に進むと共に基材樹脂に接近して、合流端18で基材樹脂に接合される。
図8に示すように、合流端18において合流した分割流路31と分割流路36は、合成樹脂製成形体1の断面形状と同一の断面形状を有する三の樹脂流路16に連結している。図8に示すように、三の樹脂流路16は金型10の合流端18から出口まで断面形状を保持しながら延在して設けられている。図7(a),(b)に示す平行部30には、図2及び図8に示す三の樹脂流路16が設けられている。即ち、図7(a),(b)に示すように、合流部28から排出された基材樹脂及び耐火性樹脂は、図1に示す合成樹脂製成形体1と同一の断面形状を保持しながら三の樹脂流路16を通って共押出により一体的に成形される。
従って、上記説明した金型10の一の樹脂流路13に基材樹脂が供給されると共に二の樹脂流路15に耐火性樹脂が供給されると、一の成形部2と一の成形部2の中空部4の外壁4rに当接して配設された二の成形部3が共押出により一体的に成形されてなる合成樹脂製成形体1が排出される。
上記説明したように、金型10において、基材樹脂は、一の樹脂流路13から複数の分割流路31及び三の樹脂流路16を通り、押出成形される。一方、耐火性樹脂は、二の樹脂流路15から分割流路31と併走する複数の分割流路36及び三の樹脂流路16を通り、基材樹脂との共押出により成形される。本実施形態においては、二の樹脂流路15が複数の分割流路31のY方向途中において複数の分割流路31に合流した後に併走して設けられているため、耐火性樹脂の通る流路の全長は基材樹脂の通る流路の全長よりも短くなり、基材樹脂が高温状態にある時間よりも耐火性樹脂が高温状態にある時間が短くなる。また、合成樹脂の流動方向に直交する断面において耐火性樹脂は基材樹脂の内側に配置されるため、複数の分割流路36の数や断面形状の変更により、一の成形部2の中空部4の外壁4rに対する二の成形部3の形成位置が自在に制御される。
金型10の材質は、共押出による成形時の高温状態に耐性を有しており一般に金型を構成するために用いられる標準的な材質であればよく、このような材質としては例えばセラミックスや、鉄、炭素、クロムを多く含む合金等が挙げられる。
次に、金型10を用いて合成樹脂製成形体1を製造する方法について説明する。
先ず、図示略の押出機から金型10のヘッド12の一の樹脂流路13に加熱溶融した基材樹脂を供給する。この際、基材樹脂は押出成形に適した温度に加熱された状態とする。基材樹脂として軟質ポリ塩化ビニルを用いる場合、押出成形に適した温度は約200℃である。従って、基材樹脂を流通させる金型10のヘッド12も190℃〜200℃近くまで高温状態になる。この後、基材樹脂の一の樹脂流路13への供給を継続し、基材樹脂を金型10の下流側へ押し出す。
次に、図示略の前記押出機とは異なる押出機から金型10の導入口14を介して、二の樹脂流路15に加熱溶融した耐火性樹脂を供給する。本実施形態で用いられる耐火性樹脂は基材樹脂より熱安定性が低いため、耐火性樹脂は押出成形に好適であって、熱安定性を勘案して設定された温度に加熱された状態とする。耐火性樹脂としてプラスチック技術が活用された耐火材を用いる場合、押出成形に適した温度は約160℃である。従って、耐火性樹脂を流入させる金型10の注入部22も160℃程度となるように設定する。
金型10において、上流側から下流側に向かうにつれて温度は徐々に低下するが、特にヘッド12の温度に対して注入部22及びその下流側の温度は、基材樹脂に対して耐火性樹脂の熱安定性が低い分、低く設定する必要がある。また、基材樹脂及び耐火性樹脂の各合成樹脂における押出成形に適した温度を勘案して、各樹脂の押出速度と、図2に示すヘッド12、導入部20、注入部22、分配部24、保持部26、合流部28及び平行部30のY方向の長さを設定することが好ましい。これにより、基材樹脂に対して熱安定性が低い耐火性樹脂を基材樹脂と一体的に、且つ、双方の合成樹脂ともに劣化させることなく成形することができる。
その後、金型10に導入した基材樹脂及び耐火性樹脂を出口まで共押出により成形し、合成樹脂製成形体1を金型10の下流側外部に押し出す。押し出した成形後の合成樹脂製成形体1は、図示略の冷却機に導入して変形しない温度まで冷却し、充分に固化させる。このような工程により、図1に示す合成樹脂製成形体1が完成する。
以上説明した本実施形態の合成樹脂製成形体1の製造方法及び金型10によれば、耐火性樹脂は、基材樹脂が走行する途中で走行方向に直交する断面において基材樹脂の内側に導かれ、基材樹脂と併走する。これにより、押出成形時の耐火性樹脂が高温状態にある時間を基材樹脂が高温状態にある時間より短くして、耐火性樹脂が基材樹脂に比べて熱安定性の低い合成樹脂であっても耐火性樹脂を劣化させずに、基材樹脂と一体的に成形することができる。また、基材樹脂の走行方向に直交する断面において基材樹脂の内側に耐火性樹脂を配置可能となり、合成樹脂製成形体1の一の成形部2の中空部4の外壁4rの一部又は全域に所望のパターンで、且つ簡易に、二の成形部3を配設することができる。即ち、従来のように合成樹脂製成形体を製造するにあたって合成樹脂製成形体の一の成形部の中空部内に耐火材料を配置するための手間と時間を要することなく防火用成形体の生産性を高めることができる。
即ち、本実施形態の合成樹脂製成形体1の製造方法及び金型10によれば、基材樹脂を通す一の樹脂流路13が合成樹脂製成形体1の一の成形部2の中空部4の図1に示すX方向の断面輪郭形状に対応させた輪郭形状を有する空間33(図3(a),図8参照)を囲んで複数形成された分割流路31A〜31Fに分割される。そして、前記輪郭形状における分割流路31A〜31Fの不連続部分34で耐火性樹脂を通す二の樹脂流路15が分割流路31A〜31Fの延在方向に直交する方向から侵入する。これにより、分割流路31A〜31Fを流れる基材樹脂が走行する途中で走行方向に直交する断面において二の樹脂流路15を流れる耐火性樹脂が基材樹脂の内側に導かれることとなり、上述の効果が得られる。
また、本実施形態の合成樹脂製成形体1の製造方法及び金型10によれば、複数の分割流路31の内側に位置して二の樹脂流路15が分割してなる分割流路36の耐火性樹脂の走行方向に直交する断面の形状が分割流路31の基材樹脂の走行方向に直交する断面の形状に対応しており、分割流路31と分割流路36との間に一定の厚み寸法を有する隔壁38が設けられている。これにより、基材樹脂と耐火性樹脂を各々、合成樹脂製成形体1の一の成形部2と二の成形部3に対応する形状になじませて成形することができる。従って、基材樹脂と耐火性樹脂を一の成形部2と二の成形部3に近い形状で成形した後に金型10の合流端18で合流させ、各合成樹脂の内部歪みの発生を抑えて、変形及び変質させずに無理なく強固に結合させることができる。
更に、本実施形態の合成樹脂製成形体1の製造方法及び金型10によれば、合成樹脂製成形体1の一の成形部2の中空部4が断面視において湾曲部5を有しており、分割流路31と分割流路36が合成樹脂の走行方向に直交する方向において湾曲部5に沿って設けられている。これにより、分割流路36を流れる耐火性樹脂を湾曲部5になじませて押出成形した後に基材樹脂と合流させることができ、合成樹脂製成形体1の一の成形部2の中空部4における湾曲部5においても一及び二の成形部2,3を強固に結合させて共押出により成形することができる。
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記の実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1 合成樹脂製成形体
2 一の成形部
3 二の成形部
4 中空部
5 湾曲部
10 金型(合成樹脂製成形体製造用金型)
13 一の樹脂流路
15 二の樹脂流路
16 三の樹脂流路
18 合流端
31,36 分割流路(複数の金型内流路)
33 空間

Claims (2)

  1. 内部に中空部を有して一方向に延在する合成樹脂製の一の成形部と、該一の成形部の内面側に共押出により一体的に形成された合成樹脂製の二の成形部とを備えた合成樹脂製成形体の製造方法であって、
    前記一の成形部用樹脂を金型の複数の流路中を並走させて合流端に導き、
    前記並走の途中において前記複数の流路の間から前記二の成形部用樹脂を該流路間の内側に導入し、前記一の成形部用樹脂同士を隔てる不連続部分の内側で前記二の成形部用樹脂を前記一の成形部用樹脂に並走させ、
    前記複数の流路を並走する前記一の成形部用樹脂を前記合流端に到達する前又は前記合流端にて合流させ、
    前記一の成形部用樹脂と前記二の成形部用樹脂とを前記合流端にて合流させて前記合成樹脂製成形体を得ると共に、前記不連続部分で隔てられた前記一の成形部用樹脂同士が合流する部分に前記二の成形部用樹脂を合流させ、
    前記一の成形部用樹脂を外周縁の少なくとも一部が前記中空部の断面輪郭形状と同じ形状を有する空間を囲んで複数の金型内流路を並走させ、
    前記二の成形部用樹脂として熱膨張性耐火材を用いることを特徴とする、
    合成樹脂製成形体の製造方法。
  2. 複数の前記流路の断面形状を、前記一の成形部用樹脂が流動する際の上流側から下流側に向かって拡げつつ、成形後の前記一の成形部用樹脂の断面形状に近づくように各々漸次的に変えると共に、隣り合う前記流路同士を接続し、
    前記二の成形部用樹脂の流路の断面形状を、前記二の成形部用樹脂が流動する際の上流側から下流側に向かって成形後の前記二の成形部用樹脂の断面形状に近づくように各々漸次的に変え、その際に前記一の成形部用樹脂の流路と前記二の成形部用樹脂の流路との隔壁を縮小する、
    請求項1に記載の合成樹脂製成形体の製造方法
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