以下に、本発明に係る配管防護装置および原子力設備の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の原子力設備を表す概略構成図である。図1に示す原子力設備は、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)である。この原子力設備は、原子炉格納容器100内において、原子炉圧力容器101、加圧器102、蒸気発生器103および一次冷却水ポンプ104が、一次冷却水管105により順次接続されて、流体である一次冷却水の循環経路が構成されている。
原子炉圧力容器101は、内部に炉心である複数の燃料集合体101aを密閉状態で格納するもので、燃料集合体101aが挿抜できるように、容器本体101bとその上部に装着される容器蓋101cとにより構成されている。容器蓋101cは、容器本体101bに対して開閉可能に設けられている。容器本体101bは、上方が開口し、下方が半球形状とされて閉塞された円筒形状をなし、上部に、一次冷却水としての軽水を給排する入口側管台101dおよび出口側管台101eが設けられている。出口側管台101eは、蒸気発生器103の入口側水室103aに連通するように一次冷却水管105が接続されている。また、入口側管台101dは、蒸気発生器103の出口側水室103bに連通するように一次冷却水管105が接続されている。
蒸気発生器103は、半球形状に形成された下部において、入口側水室103aと出口側水室103bとが仕切板103cによって区画されて設けられている。入口側水室103aおよび出口側水室103bは、その天井部に設けられた管板103dによって蒸気発生器103の上部側と区画されている。蒸気発生器103の上部側には、逆U字形状の伝熱管103eが設けられている。伝熱管103eは、入口側水室103aと出口側水室103bとを繋ぐように各端部が管板103dに支持されている。そして、入口側水室103aは、入口側の一次冷却水管105が接続され、出口側水室103bは、出口側の一次冷却水管105が接続されている。また、蒸気発生器103は、管板103dによって区画された上部側の上端に、出口側の二次冷却水管106aが接続され、上部側の側部に、入口側の二次冷却水管106bが接続されている。
また、原子力設備は、蒸気発生器103が、原子炉格納容器100外で二次冷却水管106a,106bを介して蒸気タービン107に接続されて、流体である二次冷却水の循環経路が構成されている。
蒸気タービン107は、高圧タービン108および低圧タービン109を有すると共に、発電機110が接続されている。また、高圧タービン108および低圧タービン109は、湿分分離加熱器111が、二次冷却水管106aから分岐して接続されている。二次冷却水管106aは、蒸気発生器103から高圧タービン108および低圧タービン109に至る途中に蒸気隔離弁(開閉弁)119が設けられている。蒸気隔離弁119は、非常時などに閉塞されて蒸気発生器103から高圧タービン108および低圧タービン109に至る蒸気が隔離される。また、低圧タービン109は、復水器112に接続されている。この復水器112は、二次冷却水管106bに接続されている。二次冷却水管106bは、上述したように蒸気発生器103に接続され、復水器112から蒸気発生器103に至り、復水ポンプ113、低圧給水加熱器114、脱気器115、主給水ポンプ116、高圧給水加熱器117および主給水弁(開閉弁)118が設けられている。
従って、原子力設備では、一次冷却水が原子炉圧力容器101にて加熱されて高温・高圧となり、加圧器102にて加圧されて圧力を一定に維持されつつ、一次冷却水管105を介して蒸気発生器103に供給される。蒸気発生器103では、一次冷却水と二次冷却水との熱交換が行われることにより、二次冷却水が蒸発して蒸気となる。熱交換後の冷却した一次冷却水は、一次冷却水管105を介して一次冷却水ポンプ104側に回収され、原子炉圧力容器101に戻される。一方、熱交換により蒸気となった二次冷却水は、蒸気タービン107に供給される。蒸気タービン107に係り、湿分分離加熱器111は、高圧タービン108からの排気から湿分を除去し、さらに加熱して過熱状態とした後に低圧タービン109に送る。蒸気タービン107は、二次冷却水の蒸気により駆動され、その動力が発電機110に伝達されて発電される。タービンの駆動に供された蒸気は、復水器112に排出される。復水器112は、取水管112aを介してポンプ112bにより取水した冷却水(例えば、海水)と、低圧タービン109から排出された蒸気とを熱交換し、当該蒸気を凝縮させて低圧の飽和液に戻す。熱交換に用いられた冷却水は、排水管112cから排出される。また、凝縮された飽和液は、二次冷却水となり、復水ポンプ113によって二次冷却水管106bを介して復水器112の外部に送り出される。さらに、二次冷却水管106bを経る二次冷却水は、低圧給水加熱器114で、例えば、低圧タービン109から抽気した低圧蒸気により加熱され、脱気器115で溶存酸素や不凝結ガス(アンモニアガス)などの不純物が除去された後、主給水ポンプ116により送水され、高圧給水加熱器117で、例えば、高圧タービン108から抽気した高圧蒸気により加熱された後、蒸気発生器103に戻される。ここで、二次冷却水を蒸気発生器103に給水する系統を主給水系という。主給水系は、蒸気発生器103の二次冷却水の水位を維持するため、主給水ポンプ116や主給水弁118などが制御される。
図2は、第1実施形態の配管防護装置を表す一部切欠正面図、図3は、配管防護装置を表す斜視図、図4は、配管防護装置における配管延在方向の断面図、図5は、配管防護装置を表す側面図、図6は、図4のVI−VI断面図、図7は、図4のVII−VII断面図、図8は、配管防護装置における要部断面図である。
本実施形態の配管防護装置10は、上述したような原子力設備に適用される。例えば、配管防護装置10は、原子力設備において、流体である二次冷却水が流通される配管としての二次冷却水管106a,106bに配置される。具体的に、二次冷却水管106aにおいて、配管防護装置10は、原子炉格納容器100の隔壁100aの外側に引き出された直後の部分、または機器(蒸気発生器103,高圧タービン108,低圧タービン109,湿分分離加熱器111,蒸気隔離弁119)との溶接接続部分に配置される。また、二次冷却水管106bにおいて、配管防護装置10は、原子炉格納容器100の隔壁100aの外側に引き出された直後の部分、または機器(蒸気発生器103,復水器112,復水ポンプ113,低圧給水加熱器114,脱気器115,主給水ポンプ116,高圧給水加熱器117,主給水弁118)との溶接接続部分に配置される。なお、配管防護装置10は、原子力設備において、流体である一次冷却水が流通される配管としての一次冷却水管105における各溶接接続部分に配置されてもよい。また、本実施形態に係る配管防護装置10は、原子力設備に限らず、高温・高圧の流体が流通される配管に適用されるものである。また、流体とは、高温水などの液体や、蒸気などの気体を含む。
第1実施形態において、図2から図7に示すように、配管防護装置10は、断面が円形状をなす配管106の外側に設けられるものであり、外筒11と、一対の側蓋部材12,13と、一対の受圧部材(係止部材)14,15と、一対の突起部16,17とを有している。
外筒11は、上述した二次冷却水管106a,106bや一次冷却水管105などのように流体が流通される配管106に対してその外側に設けられる。外筒11は、配管106の上述したような所定部位の外周を覆うものであり、配管106の延在方向(軸方向)に沿って筒状に形成されている。そのため、外筒11は、断面が円形状をなし、内径が配管106の外径より所定量大きく設定されている。
この外筒11は、既設の配管106の外周側に後から取付ける必要から、径方向に分割された複数(本実施形態では、2個)の分割外筒11aにより構成されている。外筒11は、各分割外筒11aが配管106の外周を覆うように配置され、この各分割外筒11aを突き合わせた部分が溶接されることで両者が結合され、配管106の外側に取付けられる。そのため、配管106の外側に外筒11が組付けられたとき、配管106の外周面と外筒11の内周面との間に空間部Sが確保される。なお、この外筒11は、剛性を維持することのできるような材料、例えば、炭素鋼により形成されている。
側蓋部材12,13は、外筒11における延在方向の一端部及び他端部に取付けられるものであり、環状をなす形状に形成されている。そのため、側蓋部材12,13は、外径が外筒11の外径とほぼ同じに設定され、内径が配管106の外径より若干大きく設定されている。
外筒11の一端部に配置される第1側蓋部材12は、既設の配管106の外周側に後から取付ける必要から、径方向に分割された複数(本実施形態では、2個)の分割側蓋部材12aにより構成されている。第1側蓋部材12は、各分割側蓋部材12aが配管106の外周を覆うように配置され、この各側蓋部材12aを突き合わせた部分が溶接されることで両者が結合され、配管106の外側に取付けられる。また、第1側蓋部材12は、一方の面が外筒11の一端面に接触し、溶接により固定されている。
外筒11の他端部に配置される第2側蓋部材13は、第1側蓋部材12と同様に、既設の配管106の外周側に後から取付ける必要から、径方向に分割された複数(本実施形態では、2個)の分割側蓋部材13aにより構成されている。第2側蓋部材13は、各分割側蓋部材13aが配管106の外周を覆うように配置され、この各側蓋部材13aを突き合わせた部分が溶接されることで両者が結合され、配管106の外側に取付けられる。また、第2側蓋部材13は、一方の面が外筒11の他端面に接触し、溶接により固定されている。
そのため、図8に詳細に示すように、配管106の外側に側蓋部材12,13が組付けられ、外筒11に固定されたとき、配管106の外周面と側蓋部材12,13の内周面との間に隙間G1,G2が確保される。この隙間G1,G2は、配管10が破断した際の環境への噴出蒸気量を制限すると共に、外筒11および側蓋部材13が径方向に熱変形したとき、配管10との接触を防ぐためのものである。なお、各側蓋部材12,13は、剛性を維持することのできる材料、例えば、炭素鋼により形成されている。
なお、外筒11と各側蓋部材12,13は、配管106に対して個別に組付けてから両者を溶接により接合してもよいし、事前に溶接により接合してから配管106に対して組付けてもよい。
受圧部材14,15は、外筒11における延在方向の一端部及び他端部に取付けられるものであり、環状に近い形状に形成されている。そのため、受圧部材14,15は、外径が外筒11の内径とほぼ同じに設定され、内径が配管106の外径より若干大きく設定されている。そして、受圧部材14,15は、外筒11の内周面と側蓋部材12,13の一方の面に固定されている。
外筒11の一端部で第1側蓋部材12に接して配置される第1受圧部材14は、既設の配管106の外周側に後から取付ける必要から、周方向に分割された複数(本実施形態では、2個)の分割受圧部材14aにより構成されている。分割受圧部材14aは、同形状をなし、外筒11の半周よりも短い長さに設定されている。第1受圧部材14は、各分割受圧部材14aの外周面が外筒11における各分割外筒11aの内周面に接触し、各分割受圧部材14aの一方の面が第1側蓋部材12における各分割側蓋部材12aの一方の面に接触している。この場合、各分割受圧部材14aは、外筒11の半周よりも短い長さであることから、外筒11の内周面における上部と下部が連結されていない。そして、各分割受圧部材14aは、外筒11に溶接により固定されると共に、第1側蓋部材12に溶接により固定されている。第1受圧部材14は、各分割受圧部材14aが配管106の外周を覆うように配置される。
外筒11の他端部で第2側蓋部材13に接して配置される第2受圧部材15は、第1受圧部材14と同様に、既設の配管106の外周側に後から取付ける必要から、径方向に分割された複数(本実施形態では、2個)の分割受圧部材15aにより構成されている。分割受圧部材15aは、同形状をなし、外筒11の半周よりも短い長さに設定されている。第2受圧部材15は、各分割受圧部材15aの外周面が外筒11における各分割外筒11aの内周面に接触し、各分割受圧部材15aの一方の面が第2側蓋部材13における各分割側蓋部材13aの一方の面に接触している。この場合、各分割受圧部材15aは、外筒11の半周よりも短い長さであることから、外筒11の内周面における上部と下部が連結されていない。そして、各分割受圧部材15aは、外筒11に溶接により固定されると共に、第2側蓋部材12に溶接により固定されている。第2受圧部材15は、各分割受圧部材15aが配管106の外周を覆うように配置される。
そのため、図8に詳細に示すように、配管106の外側に外筒11及び側蓋部材12,13と共に受圧部材14,15が組付けられたとき、配管106の外周面と受圧部材14,15の内周面との間に隙間G3,G4が確保される。この隙間G3,G4は、隙間G1,G2より大きく設定されている。なお、各受圧部材14,15は、剛性を維持することのできる材料、例えば、炭素鋼により形成されている。
突起部16,17は、配管106の外周面に固定され、配管106の外周面から径方向の外側に突出するものであり、環状に近い形状に形成されている。突起部16,17は、外筒11により覆われる配管106の所定部位における延在方向の各端部に固定されている。具体的に、突起部16,17は、配管106の外周面における一対の受圧部材14,15の間であって、この受圧部材14,15に隣接して配置されている。そのため、突起部16,17は、内径が配管106の外径とほぼ同じに設定され、外径が外筒11の内径より若干小さく設定されている。
配管106における外筒11の第1受圧部材14側に配置される第1突起部16は、既設の配管106の外周側に後から取付ける必要から、径方向に分割された複数(本実施形態では、2個)の分割突起部16aにより構成されている。分割突起部16aは、同形状をなし、配管106の半周よりも短い長さに設定されている。第1突起部16は、各分割突起部16aが配管106の外周に接触するように配置され、溶接により結合される。この場合、各分割突起部16aは、配管106の半周よりも短い長さであることから、配管106の外周面における左右の側部が連結されていない。配管106における外筒11の第2受圧部材15側に配置される第2突起部17は、第1突起部16と同様に、既設の配管106の外周側に後から取付ける必要から、径方向に分割された複数(本実施形態では、2個)の分割突起部17aにより構成されている。分割突起部17aは、同形状をなし、配管106の半周よりも短い長さに設定されている。第2突起部17は、各分割突起部17aが配管106の外周に接触するように配置され、溶接により結合される。この場合、各分割突起部17aは、配管106の半周よりも短い長さであることから、配管106の外周面における左右の側部が連結されていない。
そのため、図8に詳細に示すように、配管106の外側に突起部16,17が固定されたとき、突起部16,17の外周面と外筒11の内周面との間に隙間G5,G6が確保される。なお、この突起部16,17は、剛性を維持することのできる材料、例えば、炭素鋼や、配管106に溶接することのできる金属材により形成されている。
本実施形態の配管防護装置10は、図4に示すように、配管106の外周を覆う外筒11の内周面における各端部に側蓋部材12,13を固定すると共にその内側に受圧部材14,15を固定する一方、配管106の外周面における受圧部材14,15の内側に隣接して突起部16,17が固定されて構成されている。即ち、配管防護装置10は、図8に示すように、配管106の外側に外筒11が配置され、外筒11の各端部に側蓋部材12,13と受圧部材14,15が固定され、配管106の外周面における受圧部材14,15に隣接して突起部16,17が固定されて構成されている。この場合、受圧部材14,15と突起部16,17との間に組付用隙間を設けることが望ましい。
また、本実施形態にて、図2に示すように、配管106は、固定部材21により固定側となる周辺の支持部材(建屋の壁部や装置フレームなど)22に支持されており、配管防護装置10は、この固定部材21に支持されている。
固定部材21は、配管106を支持する支持部材22に固定される基台21aと、この基台21aから配管106の側部に向かって延在する支持柱21bと、支持柱21bと配管106とを接続する接続部材(パッド)21cとを有し、支持柱21bの周囲に補強用の接続部材(例えば、フランジなど)を設けてもよい。
基台21aは、板状に形成されたもので、設備内の剛性を有する支持部材22に固定されている。支持柱21bは、円柱状または角柱状に形成されたもので、下端部が基台21aに固定されている。接続部材21cは、配管106の下半部の形状に沿って形成されており、円筒を半割とした形状の部材である。接続部材21cは、内周面が配管106の外周面形状に沿って形成され、外周面が外筒11の内周面形状に沿って形成されている。即ち、接続部材21cは、円筒の一部の形状をなし、配管106と外筒11との間に介在されるように配置されている。この接続部材21cは、配管106に対して、その外縁が溶接により接続されている。そして、支持柱21bは、上端部が接続部材21cに固定されることで、配管106に接続されている。
配管防護装置10は、外筒11の下部に開口部23が形成されており、固定部材21は、支持柱21bの上部がこの開口部23を挿通している。開口部23は、接続部材21cの外周面の大きさよりも小さく開口し、支持柱21bの外径とほぼ同径に形成されている。そして、開口部23は、開口縁が支持柱21bの外周面に対して溶接により接続されている。
なお、上述の説明では、側蓋部材12,13に密着して受圧部材14,15を配置したが、この構成に限定されるものではない。図9は、配管防護装置の変形例を表す要部断面図である。図9に示すように、外筒11は、端部に側蓋部材12が固定され、側蓋部材12から所定長さLだけ離間して受圧部材14が配置されている。受圧部材14は、側蓋部材12から所定長さLだけ離間した位置で、外周面が外筒11の内周面に密着し、溶接により固定されている。また、この変形例を後述する各実施形態に対して適用することもできる。
上述した第1実施形態の配管防護装置10にて、図4に示すように、配管106が破断位置Fで破断すると、配管106は、この破断位置Fを起点として互いに離間しようとする。即ち、配管106は、一方(左側)が矢印A方向へ移動しようとし、他方(右側)が矢印B方向へ移動しようとする。このとき、配管106は、各突起部16,17が各受圧部材14,15に当接して係止されることから、破断した配管106の移動が阻止される。そのため、配管106は、破断部(破断位置F)から流体が流出するものの、この流体は、外筒11及び側蓋部材12,13に覆われた空間部Sに留まることとなり、外筒11の外部への流体の噴出が抑制される。また、破断した配管106の移動が阻止されることから、この破断した配管106が振れ回る配管ホイップが防止され、且つ、破断の進行が抑制される。
このように第1実施形態の配管防護装置にあっては、流体が流通する配管106の外周を覆う外筒11と、外筒11の内周面における軸方向の一端部と他端部に固定される一対の受圧部材(係止部材)14,15と、配管106の外周面における前記一対の受圧部材14,15の間でそれぞれ隣接して固定される一対の突起部16,17とを設けている。
従って、配管106が破断したとき、外周が外筒11により覆われていることから、破断部から噴出する流体がこの外筒11により堰き止められ、配管106の周囲への流体の噴出を抑制することができる。しかも、外筒11の内周面における各端部に受圧部材14,15がそれぞれ固定されると共に、配管106の外周面における各端部に突起部16,17がそれぞれ固定されることで、配管106の突起部16,17が外筒11の受圧部材14,15に係止され、配管106が破断部を起点として離間する動作が防止され、配管106における破断の進行を抑制することができる。その結果、配管106から噴出した流体が配管106の周囲の構造物や機器類に影響を与える事態を防ぎ、構造物や機器類を保護することができる。
そして、構造物には、配管ホイップや、配管106から噴出した流体を遮るジェットバリアを設置する必要がなく、構造物側に大きな荷重の作用をなくすことができる。更に、配管106の周りへの流体の噴出を抑制することで、配管106と安全上重要な設備とを物理的に分離するための区画化の必要がなく、設備の建屋形状に影響を及ぼす事態を防ぐことができる。
第1実施形態の配管防護装置では、外筒11における軸方向の端部に配管106の外周面との隙間を塞ぐ側蓋部材12,13を固定し、受圧部材14,15を側蓋部材12,13における突起部16,17側に固定している。配管106が破断したとき、外筒11の端部から外部への流体の漏洩を防止することができる。
第1実施形態の配管防護装置では、受圧部材14,15と突起部16,17との間に隙間を設けている。従って、配管106に対して分割外筒11aを接合して外筒11を組付けるとき、受圧部材14,15と突起部16,17との干渉を防止し、両者を容易に組付けることができ、組付性を向上することができる。
第1実施形態の配管防護装置では、外筒11を径方向に分割された複数の分割外筒11aにより構成している。従って、各分割外筒11aを配管106の外側から覆うように組付けて固定することで、配管106に外筒11を容易に組付けることができ、組付性を向上することができる。
第1実施形態の配管防護装置では、配管11外周面が固定部材21を介して周囲の支持部材22に支持され、外筒11に固定部材21が挿通される開口部23を設け、開口部23の開口縁を固定部材21に接続している。従って、固定部材21により固定されている配管106にて、この配管106と固定部材21との接続を保証しつつ、固定部材21の一部を利用して外筒11を固定するため、配管106が破断したとき、外筒11により配管106の破断部から噴出する流体を堰き止めることから、配管106の周囲への流体の噴出を抑制することができる。
第1実施形態の配管防護装置では、受圧部材14,15をそれぞれ2個の分割受圧部材14a,15aにより構成し、各分割受圧部材14a,15aの周方向の長さを外筒11の半周よりも短い長さとし、外筒11の上部と下部を連結していない。また、突起部16,17をそれぞれ2個の分割突起部16a,17aにより構成し、各分割突起部16a,17aの周方向の長さを配管106の半周よりも短い長さとし、配管106の左右の側部を連結していない。従って、外筒11(分割外筒11a)に対する受圧部材14,15(分割受圧部材14a,15a)の組付性を向上することができると共に、配管106に対する突起部16,17(分割突起部16a,17a)の組付性を向上することができる。
また、第1実施形態の原子力設備にあっては、原子炉で生成された熱により高温・高圧の流体を発生させて配管106(二次冷却水管106a,106bなど)で送り、流体を利用する原子力設備にて、配管106に配管防護装置10を適用している。
従って、配管防護装置10により、配管106から噴出した流体が配管106の周囲の構造物や機器類に影響を与える事態を防ぎ、構造物や機器類を保護することができる。
[第2実施形態]
図10は、第2実施形態の配管防護装置を表す断面図である。なお、本実施形態の配管防護装置の基本的な構成は、上述した第1実施形態とほぼ同様の構成であり、図4を用いて説明すると共に、上述した第1実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第2実施形態において、図4及び図9に示すように、配管防護装置10は、外筒11と、一対の側蓋部材12,13と、一対の受圧部材14,15と、一対の突起部31とを有している。ここで、外筒11と側蓋部材12,13と受圧部材14,15は、第1実施形態と同様であることから、説明は省略する。
突起部31は、第1実施形態の突起部16,17と同様に、配管106の外周面に固定され、配管106の外周面から径方向の外側に突出するものである。突起部31は、外筒11により覆われる配管106の所定部位における延在方向の各端部に固定されているが、両者ともにほぼ同様の構成であることから、一方についてのみ説明する。
図10に示すように、配管106における外筒11の第1受圧部材14側に配置される突起部31は、配管106の周方向に所定間隔で複数配置されている。即ち、突起部31は、複数に分割された分割突起部31aにより構成されている。分割突起部31aは、円柱形状または角柱形状をなし、基端部が配管106の外周面に固定され、先端部が外筒11の内周面側に延出されている。各分割突起部31aは、第1受圧部材14の分割受圧部材14aに対向いた位置のみに設けられている。そのため、配管106の外側に突起部31が固定されたとき、突起部31における分割突起部31aの先端面と外筒11の内周面との間に隙間G5が確保される。
なお、上述の説明では、配管106に固定される突起部31を、配管106の周方向に所定間隔で複数配置されて円柱形状または角柱形状をなす複数の分割突起部31aにより構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、外筒11に固定される受圧部材を、外筒11の周方向に所定間隔で複数配置されて円柱形状または角柱形状をなす複数の分割受圧部材により構成してもよい。この場合、第1実施形態で説明した分割突起部16aからなる突起部16を適用する。
第2実施形態の配管防護装置では、配管106に固定される突起部31は、配管106の周方向に所定間隔で複数配置された複数の分割突起部31aにより構成されている。
従って、配管106が破断したとき、配管106の突起部31が外筒11の受圧部材14に係止され、破断した配管106が離間する動作が防止される。このとき、突起部31が配管106の周方向に所定間隔で複数配置されることから、破断した配管106の分割突起部31aが周方向の複数の位置で受圧部材14に係止することとなり、配管106の離間を適正に抑制することができる。
また、受圧部材は、外筒11の周方向に所定間隔で複数配置された複数の分割受圧部材により構成されている。従って、受圧部材が外筒11の周方向に所定間隔で複数配置されることから、破断した配管106の突起部31が周方向の複数の位置で受圧部材に係止することとなり、配管106の離間を適正に抑制することができる。
なお、受圧部材14,15と突起部16,17,31は、第1実施形態や第2実施形態で説明した構成に限定されるものではない。例えば、側蓋部材12,13(分割側蓋部材12a)のように、周方向に連続した環状をなす形状としてもよい。また、受圧部材や突起部を分割受圧部材や分割突起部から構成した場合、第1実施形態や第2実施形態の構成に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。更に、側蓋部材が受圧部材を兼ねる構成としてもよく、この場合、側蓋部材の板厚の変更や外筒11への固定の補強を行う必要がある。即ち、受圧部材と突起部は、配管106が破断したとき、突起部が受圧部材に当接することで、破断した配管106が延在方向に離間する動作を阻止することができればよいものである。
[第3実施形態]
図11は、第3実施形態の配管防護装置を表す斜視図、図12は、配管防護装置における配管延在方向の断面図、図13は、配管防護装置を表す側面図、図14は、図12のXV−XV断面図、図15は、図12のXVI−XVI断面図、図16は、配管防護装置における要部断面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第3実施形態において、図11から図15に示すように、配管防護装置40は、外筒41と、一対の受圧部材(係止部材)44,45と、一対の突起部46,47と、一対の金属パッキン(シール部材)48,49とを有している。
外筒41は、配管106の所定部位の外周を覆うものであり、配管106の延在方向(軸方向)に沿って筒状に形成されている。外筒41は、断面が円形状をなし、内径が配管106の外径より所定量大きく設定されている。この外筒41は、径方向に分割された複数(本実施形態では、2個)の分割外筒41aにより構成されている。そのため、配管106の外側に外筒41が組付けられたとき、配管106の外周面と外筒41の内周面との間に空間部Sが確保される。
受圧部材44,45は、外筒41における延在方向の一端部及び他端部に取付けられるものであり、環状をなす形状に形成されている。受圧部材44,45は、外径が外筒41の内径とほぼ同じに設定され、内径が配管106の外径より若干大きく設定されている。そして、受圧部材44,45は、外筒41の各端部の内周面に接触し、溶接により固定されている。そして、受圧部材44,45は、周方向に分割された複数(本実施形態では、2個)の分割受圧部材44a,45aにより構成されている。受圧部材44,45は、外周面が外筒41の内周面に固定されている。そのため、図16に詳細に示すように、配管106の外側に外筒41と共に受圧部材44,45が組付けられたとき、配管106の外周面と受圧部材44,45の内周面との間に隙間G3,G4が確保される。
突起部46,47は、配管106の外周面に固定され、配管106の外周面から径方向の外側に突出するものであり、環状をなす形状に形成されている。突起部46,47は、外筒41により覆われる配管106の所定部位における延在方向の各端部に固定されている。具体的に、突起部46,47は、配管106の外周面における一対の受圧部材44,45の間であって、この受圧部材44,45に隣接して配置されている。突起部46,47は、内径が配管106の外径とほぼ同じに設定され、外径が外筒41の内径より若干小さく設定されている。突起部46,47は、径方向に分割された複数(本実施形態では、2個)の分割突起部46a,47aにより構成されている。そのため、図16に詳細に示すように、配管106の外側に突起部46,47が固定されたとき、突起部46,47の外周面と外筒41の内周面との間に隙間G5,G6が確保される。
金属パッキン48,49は、受圧部材44,45における突起部46,47に対向する面に取付けられるものであり、環状をなす形状に形成されている。金属パッキン48,49は、外径が外筒41の内径とほぼ同じに設定され、内径が配管106の外径より若干大きく設定されている。そして、金属パッキン48,49は、受圧部材44,45の一方の面に固定されている。そして、金属パッキン48,49は、周方向に分割された複数(本実施形態では、2個)の分割パッキン48a,49aにより構成されている。金属パッキン48,49は、外周面が外筒41の内周面に密着され、一方の面が受圧部材44,45の一方の面に密着し、複数のボルト50,51により固定されている。そのため、図16に詳細に示すように、配管106の外側に外筒41、受圧部材44,45、金属パッキン48,49が組付けられたとき、配管106の外周面と金属パッキン48,49の内周面との間に隙間G7,G8が確保される。なお、金属パッキン48,49が分割パッキン48a,49aにより構成されることから、受圧部材44,45を構成する分割受圧部材44a,45aが突き合わされる端面にシール部材を介装することが望ましい。
なお、金属パッキン48,49を、受圧部材44,45における突起部46,47に対向する面に取付けたが、突起部46,47における受圧部材44,45に対向する面に取付けてもよい。
本実施形態の配管防護装置40は、図12に示すように、配管106の外周を覆う外筒41の内周面における各端部に受圧部材44,45を固定し、受圧部材44,45に金属パッキン48,49を固定する一方、配管106の外周面における金属パッキン48,49(受圧部材44,45)の内側に隣接して突起部46,47が固定されて構成されている。即ち、配管防護装置40は、図16に示すように、配管106の外側に外筒41が配置され、外筒41の各端部に受圧部材44,45と金属パッキン48,49が固定され、配管106の外周面における金属パッキン48,49に隣接して突起部46,47が固定されて構成されている。この場合、金属パッキン48,49と突起部46,47との間に組付用隙間を設けることが望ましい。
上述した第3実施形態の配管防護装置40にて、図12に示すように、配管106が破断位置Fで破断すると、配管106は、この破断位置Fを起点として互いに離間しようとする。即ち、配管106は、一方(左側)が矢印A方向へ移動しようとし、他方(右側)が矢印B方向へ移動しようとする。このとき、配管106は、各突起部46,47が金属パッキン48,49を介して各受圧部材44,45に当接して係止されることから、破断した配管106の移動が阻止される。また、突起部46,47と各受圧部材44,45との間に介装された金属パッキン48,49が押圧されることで、空間部Sが密閉された空間となる。そのため、配管106は、破断部(破断位置F)から流体が流出するものの、この流体は、外筒41及び受圧部材44,45に覆われた密閉の空間部Sに留まることとなり、外筒41の外部への流体の噴出が抑制される。また、破断した配管106の移動が阻止されることから、この破断した配管106が振れ回る配管ホイップが防止され、且つ、破断の進行が抑制される。
このように第3実施形態の配管防護装置にあっては、流体が流通する配管106の外周を覆う外筒41と、外筒41の内周面における軸方向の一端部と他端部に固定される一対の受圧部材(係止部材)44,45と、配管106の外周面における前記一対の受圧部材44,45の間でそれぞれ隣接して固定される一対の突起部46,47と、受圧部材44,45における突起部46,47に対向する面に取付けられる金属パッキン48,49とを設けている。
従って、配管106が破断したとき、外周が外筒41により覆われていることから、破断部から噴出する流体がこの外筒41により堰き止められ、配管106の周囲への流体の噴出を抑制することができる。しかも、外筒41の内周面における各端部に受圧部材44,45がそれぞれ固定されると共に、配管106の外周面における各端部に突起部46,47がそれぞれ固定されることで、配管106の突起部46,47が外筒41の受圧部材44,45に係止されることで、配管106が破断部を起点として離間する動作が防止され、配管106における破断の進行を抑制することができる。更に、突起部46,47と受圧部材44,45との間に介装された金属パッキン48,49が押圧されることで、空間部Sが密閉状態となり、破断部から流出する流体を空間部Sに留め、外筒41の端部から外部への流体の漏洩を防止することができる。その結果、配管106から噴出した流体が配管106の周囲の構造物や機器類に影響を与える事態を防ぎ、構造物や機器類を保護することができる。
[第4実施形態]
図17は、第4実施形態の配管防護装置における配管延在方向の断面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第4実施形態において、図17に示すように、配管防護装置60は、断面が円形状をなす配管106の外側に設けられるものであり、外筒61と、側蓋部材62と、受圧部材(係止部材)63と、突起部64とを有している。ここで、配管106は、延在方向における一端部が壁部(支持部材)71に形成された貫通孔72に挿通され、図示しない固定部材により壁部71に固定されている。
外筒61は、配管106の所定部位の外周を覆うものであり、配管106の延在方向(軸方向)に沿って筒状に形成されている。外筒61は、断面が円形状をなし、内径が配管106の外径より所定量大きく設定されている。壁部71は、貫通孔72の周囲に環状をなす取付台73が固定されている。外筒61は、軸方向の一端部に取付フランジ61aが一体(または別体、または板金製)に形成され、複数の取付フランジ61aが取付台73に密着し、複数のボルト74により固定されている。そのため、配管106の外側に外筒61が組付けられたとき、配管106の外周面と外筒61の内周面との間に空間部Sが確保される。
側蓋部材62は、外筒61における延在方向の他端部に取付けられるものであり、環状をなす形状に形成されている。側蓋部材62は、外径が外筒61の外径とほぼ同じに設定され、内径が配管106の外径より若干大きく設定されている。側蓋部材62は、外筒61の他端面に接触し、シール溶接により固定されている。
受圧部材63は、外筒61における延在方向の他端部に取付けられるものであり、環状をなす形状に形成されている。受圧部材63は、外径が外筒61の内径とほぼ同じに設定され、内径が配管106の外径より若干大きく設定されている。そして、受圧部材63は、外筒61の内周面と側蓋部材62の一方の面に固定されている。
突起部64は、配管106の外周面に固定され、配管106の外周面から径方向の外側に突出するものであり、環状をなす形状に形成されている。突起部64は、外筒61により覆われる配管106の所定部位における延在方向の他端部に固定されている。具体的に、突起部64は、配管106の外周面における受圧部材63における壁部71側であって、この受圧部材63に隣接して配置されている。突起部64は、内径が配管106の外径とほぼ同じに設定され、外径が外筒61の内径より若干小さく設定されている。
本実施形態の配管防護装置60は、一端部側が壁部71に支持された配管106の外周を覆う外筒61の内周面における他端部に側蓋部材62を固定すると共にその内側に受圧部材63を固定する一方、受圧部材63の内側に隣接して配管106の外周面に突起部64が固定されて構成されている。
そのため、配管106が破断位置Fで破断すると、配管106は、この破断位置Fを起点として互いに離間しようとする。即ち、配管106は、一方(右側)が壁部71に支持されていることから、他方(左側)が矢印C方向へ移動しようとする。このとき、配管106は、突起部64が受圧部材63に当接して係止されることから、破断した配管106の移動が阻止される。そのため、配管106は、破断部(破断位置F)から流体が流出するものの、この流体は、外筒61及び側蓋部材62に覆われた空間部Sに留まることとなり、外筒61の外部への流体の噴出が抑制される。また、破断した配管106の移動が阻止されることから、この破断した配管106が振れ回る配管ホイップが防止され、且つ、破断の進行が抑制される。
このように第4実施形態の配管防護装置にあっては、一端部が壁部71に支持された配管106に対して、流体が流通する配管106の外周を覆うと共に一端部が壁部71に支持される外筒61と、外筒61の内周面における軸方向の他端部に固定される側蓋部材62と、側蓋部材62の内側に固定される受圧部材(係止部材)63と、配管106の外周面における受圧部材63に隣接して固定される突起部64とを設けている。
従って、配管106が破断したとき、外周が外筒61により覆われていることから、破断部から噴出する流体がこの外筒61により堰き止められ、配管106の周囲への流体の噴出を抑制することができる。しかも、外筒61の内周面における各端部に受圧部材63がそれぞれ固定されると共に、配管106の外周面における各端部に突起部64がそれぞれ固定されることで、配管106の突起部64が外筒61の受圧部材63に係止され、配管106が破断部を起点として離間する動作が防止され、配管106における破断の進行を抑制することができる。その結果、配管106から噴出した流体が配管106の周囲の構造物や機器類に影響を与える事態を防ぎ、構造物や機器類を保護することができる。
そして、構造物には、配管ホイップや、配管106から噴出した流体を遮るジェットバリアを設置する必要がなく、構造物側に大きな荷重の作用をなくすことができる。更に、配管106の周りへの流体の噴出を抑制することで、配管106と安全上重要な設備とを物理的に分離するための区画化の必要がなく、設備の建屋形状に影響を及ぼす事態を防ぐことができる。
第4実施形態の配管防護装置では、配管106は、軸方向における一端部が周囲の壁部71に支持され、外筒61は、一端部が壁部71に固定され、他端部に受圧部材63が固定されている。従って、外筒61により配管106の破断部から噴出する流体を堰き止めることができると共に、配管106の突起部64が外筒61の受圧部材63に係止され、破断した配管106の他端部側へ移動する動作を防止することができ、配管106の周囲への流体の噴出を抑制することができる。
なお、この第4実施形態で説明した配管防護装置60に対して、第1実施形態や第2実施形態の側蓋部材12,13、受圧部材(係止部材)14,15、突起部16,17,31などを適用してもよく、第3実施形態の金属パッキン(シール部材)48,49を適用してもよい。
また、第4実施形態において、一端部が壁部71に支持された配管106に対して配管防護装置60を設けたが、第1実施形態のように、外周面が周囲の支持部材に支持された配管106に対して配管防護装置60を設けてもよい。
また、上述した実施形態において、配管防護装置の適用は配管の直管部分として図示しているが、配管の曲部においても配管防護装置を適用することができる。この場合の配管の延在方向とは、曲がった後に向く各方向をいう。
また、上述した原子力設備は、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)が用いられたものを説明したが、この限りではない。例えば、図には明示しないが、沸騰型原子炉(BWR:Boiling Water Reactor)が用いられた原子力設備であってもよく、配管防護装置は、沸騰型原子炉にて発生した蒸気を通過させる配管についても適用することができる。更に、本発明の配管防護装置は、原子力設備だけでなく、気体や液体などの流体を輸送する配管であれば、いずれの配管に対しても適用することができる。