JP6414576B2 - 電界効果トランジスタ - Google Patents
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Description
窒化物半導体から構成され、チャネルを有する半導体積層体と、
前記半導体積層体の上に設けられたゲート電極と、
上面視において、前記ゲート電極を挟む位置に設けられたソース電極およびドレイン電極と、を備え、
前記チャネルの前記ゲート電極から前記ドレイン電極に至る経路の最短距離が、上面視における前記ゲート電極と前記ドレイン電極との最短距離よりも長くなるように、前記チャネルを貫通する深さの穴が前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間の前記半導体積層体に設けられており、前記穴には前記半導体積層体よりも破壊電界強度の大きい絶縁部材が設けられていることを特徴とする電界効果トランジスタ。
図1は、実施形態1に係る電界効果トランジスタを示す模式的な平面図である。図2は図1のA−A線断面図であり、図3は図1のB−B線断面図である。図1〜図3に示すように、電界効果トランジスタ1は、例えば、高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor(HEMT))である。電界効果トランジスタ1は、半導体積層体11と、半導体積層体11の上に設けられたゲート電極23と、上面視において、ゲート電極23を挟む位置に設けられたソース電極21およびドレイン電極22と、を有する。半導体積層体11は、窒化物半導体から構成され、チャネル12aを有する。さらに、ゲート電極23とドレイン電極22との間の半導体積層体11には、チャネル12aを貫通する深さの穴30が設けられている。穴30は、チャネル12aのゲート電極23からドレイン電極22に至る経路X1の最短距離が、上面視におけるゲート電極23とドレイン電極22との最短距離Dよりも長くなるように、設けられている。穴30には、半導体積層体11よりも破壊電界強度の大きい絶縁部材60が設けられている。なお、図1は絶縁部材60を省略して示したものであり、図1において穴30は薄墨にて示す。
絶縁性基板10は、省略することもできるが、好ましくは半導体積層体11の下に配置する。絶縁性基板10は、例えば、サファイアから構成される。
半導体積層体11は、窒化物半導体から構成される。窒化物半導体としては、例えば、GaN、InGaN、AlGaN、AlNが挙げられる。半導体積層体11は、絶縁性基板10の上に設けられた第1半導体層12と、第1半導体層12の上に設けられた第2半導体層13とを有する。第1半導体層12は、例えば、GaNから構成される。第2半導体層13は、第1半導体層12よりもバンドギャップエネルギーが大きい。第2半導体層13は、例えば、AlGaNから構成される。AlGaN層の下にそれよりも薄膜のAlN層を設けてもよい。第1半導体層12には、第2半導体層13側の面の近傍に、チャネル12aが形成される。チャネル12aは例えば2次元電子ガス層である。また、図1〜図3に示すように、ソース電極21とドレイン電極22とに挟まれた領域以外の領域では、チャネル12aを除去することが好ましい。チャネル12aの残存した領域が活性領域となるので、この活性領域において、チャネルの経路X1が必ず迂回するように穴30を配置すればよい。また、穴30は活性領域の内側のみに形成することもできるが、図1に示すように、活性領域の端に位置する穴30を活性領域の内側から活性領域の外側に跨るように配置することが好ましい。これにより、製造時に多少の位置ずれが生じたとしてもチャネルの経路X1を確実に迂回させることができる。
ソース電極21は、例えば、TiおよびAlから構成される。ソース電極21は、図2に示すように、半導体積層体11にチャネル12aに達する凹部を設け、その凹部内に配置することが好ましい。これにより、ソース電極21をチャネル12aに接触させることができる。この場合、ソース電極21のゲート電極23側の端が第2半導体層13の上に位置されていてもよい。
ドレイン電極22は、例えば、TiおよびAlから構成される。ドレイン電極22は、図2に示すように、半導体積層体11にチャネル12aに達する凹部を設け、その凹部内に配置することが好ましい。これにより、ドレイン電極22をチャネル12aに接触させることができる。この場合、ドレイン電極22のゲート電極23側の端が第2半導体層13の上に位置されていてもよい。
ゲート電極23の材料は、ゲート電極23の機能が得られるものを適宜選択する。ゲート電極23は、例えば、半導体積層体11側より順にNi/Au/Ptから構成される。ゲート電極23と第2半導体層13との間には、例えばp型GaN層等のゲートコンタクト層を設けてよい。
絶縁部材60は、半導体積層体11の破壊電界強度(例えばGaNの破壊電界強度)よりも大きな破壊電界強度を有する部材からなる。GaNの破壊電界強度は理論限界値が330V/μmであり、実験値としては、例えば後述する図4の結果からは200V/μmより小さいといえる。これよりも破壊電界強度が大きいものとして、絶縁部材60には、ポリイミドやSiNを用いることができる。ポリイミドの破壊電界強度は例えば420V/μmである。SiNの破壊電界強度は、理論値が1000V/μmである。絶縁部材60は電界効果トランジスタの耐圧が向上する程度に穴30内に充填されていればよい。絶縁部材60はポリイミドからなることが好ましい。ポリイミドであれば、スピンコートにより塗布することができるため、スパッタ等で成膜する場合よりも短時間で穴30を埋めることができる。ポリイミドは、例えば、スピンコートで穴30を含む半導体積層体11の上面全体に塗布し、各電極のワイヤ等を接続する領域上に位置する部分をフォトリソにより除去し、ベークすることにより形成する。
図4は、図1に示すような形状の穴を設けた場合(以下、実施例という)の電界効果トランジスタの耐圧を示すと共に、穴を設けない場合(以下、比較例という)の電界効果トランジスタの耐圧を示す。実施例を白抜きの四角で示し、比較例を黒塗りの四角で示す。実施例は、上面視において、ソース・ドレイン電極間の最短距離が約15μmであり、ゲート・ドレイン電極間の最短距離が約12μmである。実施例と比較例はソース・ゲート電極間距離が共通している。比較例は、ゲート・ドレイン電極間の最短距離が、約7μm、約12μm、約17μmの3種類である。すなわち、比較例のソース・ドレイン電極間の最短距離は、約10μm、約15μm、約20μmの3種類である。各種類について、電界効果トランジスタを3個ずつ準備し、それぞれ、ゲート電極とドレイン電極との間に電圧を印加し、これらの電極間が絶縁破壊されたときの電圧値を耐圧とした。具体的には、電圧を徐々に増加させ、電極が破損したときの電圧を絶縁破壊されたときの電圧値とした。図4には、各種類における耐圧の平均値をプロットした。図4は、縦軸が耐圧であり、横軸がゲート電極とドレイン電極との間の最短距離である。
図5は、実施形態2に係る電界効果トランジスタを示す模式的な一部拡大平面図である。図5では、穴40を薄墨にて示す。実施形態2の電界効果トランジスタは、複数の穴40の形状及び配置が異なる以外は実施形態1の電界効果トランジスタ1と同様である。実施形態2の電界効果トランジスタは、実施形態1の電界効果トランジスタ1と同様に、耐圧を上昇させることができ、且つ、ゲート電極23とドレイン電極22間の距離の増大を抑制することができる。穴40は、具体的には、ゲート電極23とドレイン電極22とを最短距離で結ぶ方向において、上述の第1群と第2群とのペアが複数対設けられている。また、穴40の上面視形状は円形である。
図6は、実施形態3に係る電界効果トランジスタ2を示す模式的な平面図である。図6では、穴50を薄墨にて示す。実施形態3の電界効果トランジスタ2は、複数の穴50の形状及び配置が異なる以外は実施形態1の電界効果トランジスタ1と同様である。ソース電極21とドレイン電極22とに挟まれた領域以外の領域ではチャネル12aが除去されており、チャネル12aの残存する活性領域の端に位置する穴50が活性領域の内側から活性領域の外側に跨るように配置されている点も同様である。実施形態3の電界効果トランジスタ2は、実施形態1の電界効果トランジスタ1と同様に、耐圧を上昇させることができ、且つ、ゲート電極23とドレイン電極22間の距離の増大を抑制することができる。
図7は、実施形態4に係る電界効果トランジスタ3を示す模式的な平面図である。実施形態4の電界効果トランジスタ3は、ソース電極21とドレイン電極22とゲート電極23との形状以外は実施形態1の電界効果トランジスタ1と同様である。電界効果トランジスタ3において、ソース電極21とドレイン電極22とはそれぞれ同じ方向に延伸する複数の延伸部を有し、ソース電極21の延伸部とドレイン電極22の延伸部とは交互に配置されている。第2半導体層13が存在する領域において、ソース電極21とドレイン電極22との間にはゲート電極23が配置されている。そして、図7中の一部拡大図で示すように、電界効果トランジスタ3では実施形態1の電界効果トランジスタ1と同様に、ゲート電極23とドレイン電極22との間の半導体積層体11にチャネルを貫通する深さの穴30が設けられている。図7において穴30は薄墨にて示す。
10 絶縁性基板
11 半導体積層体
12 第1半導体層
12a チャネル
13 第2半導体層
21 ソース電極
22 ドレイン電極
23 ゲート電極
30、40、50 穴
60 絶縁部材
X1、X2、X3 チャネルの経路
D ゲート電極とドレイン電極との最短距離
Claims (5)
- 窒化物半導体から構成され、チャネルを有する半導体積層体と、
前記半導体積層体の上に設けられたゲート電極と、
上面視において、前記ゲート電極を挟む位置に設けられたソース電極およびドレイン電極と、を備え、
前記半導体積層体は、絶縁性基板の上に設けられており、
前記チャネルの前記ゲート電極から前記ドレイン電極に至る経路の最短距離が、上面視における前記ゲート電極と前記ドレイン電極との最短距離よりも長くなるように、前記チャネルを貫通する深さの穴が前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間の前記半導体積層体に設けられており、
前記穴は、前記絶縁性基板まで達しており、
前記穴には前記半導体積層体よりも破壊電界強度の大きい絶縁部材が設けられていることを特徴とする電界効果トランジスタ。 - 前記穴は複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
- 前記穴は、上面視において、前記ゲート電極と前記ドレイン電極とを最短距離で結ぶ方向と交差する方向に延伸した形状である請求項2に記載の電界効果トランジスタ。
- 前記穴は、上面視において、前記穴の一端が前記ゲート電極と接続され、前記穴の他端が前記ドレイン電極と接続されるような直線形状である請求項3に記載の電界効果トランジスタ。
- 前記絶縁部材は、ポリイミドからなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ。
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