JP6414399B2 - レチクル及びその検査方法 - Google Patents
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Description
さらに、レチクルのパターン変化は、早期に検出することが好ましいが、従来のレチクルと原パターンを直接に比較する方法では、原パターンとの間に有意な差が生じる程にレチクルのパターンが変化するまでに時間がかかるので、レチクルのパターンの不良を早期に発見することができなかった。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、レチクルのパターンの変化を早期に、かつ精度良く行えるようにすることを目的とする。
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、典型例及び説明のためのものであって、本発明を限定するためのものではない。
最初に、図1を参照して実施形態のレチクルを使用する露光装置の概略構成について説明する。露光装置1は、パターンを転写する基板2を位置決めして載置するテーブル3を有する。基板2には、パターンを転写するレジスト膜が形成されている。レジスト膜は、基板2上に直接に形成しても良いし、基板2の上方に形成した薄膜上に形成しても良い。テーブル3には、不図示の移動機構が設けられており、基板2を上下左右に移動させることができる。テーブル3の上方には、投射型の縮小光学系4が配置されており、縮小光学系4の上方にレチクル5と、光源6が順番に配置されている。レチクル5は、不図示のホルダによって位置決めして支持されている。さらに、露光装置1には、テーブル3や光源6を制御する制御装置7が設けられている。なお、露光装置1と、後述する基板2の欠陥検査装置9とを含んでレチクル5の検査システム10を構築することもできる。
レチクル5を検査するときは、第1の露光を行った後、基板2の現像及び移動をせずに、レチクル5を回転させて第2の露光を行う。第1の露光では、例えば、図3(a)及び図3(b)に示すようにライン14,15及び遮光部16,17が配置されるようにレチクル5を固定する。続く、第2の露光では、同じレチクル5を90°回転させる。第1の露光及び第2の露光は、第2のパターン13の各ライン15が交差するようにレチクル5の位置を調整する。
第1の露光では、例えば、図3(b)に模式的に示すように、第1の露光のみを実施した後に現像したレジスト膜21は像が形成されていない。これは、第2のパターン13の各ライン15の開口幅は、解像する第1のパターン12の各ライン14の開口幅の約1/3であるために、各ライン15を通過する光の強度のピークが弱く、解像には不十分であるためである。また、例えば、図4に第2の露光のみを実施した後のレジスト膜21の表面のイメージを示すように、第2の露光のみを行った場合には、レジスト膜21は変質した領域21Aの配置が90°回転するだけであり、レジスト膜21に像は形成されない。なお、図4の左側部分には、比較として、対応するレチクル5の第2のパターン12の構成を並べて配置してある。
重露光した場合に解像させた形状のイメージと、イメージの開口径の寸法及び寸法の変化量になっている。下段は、第1のパターン12を使用した場合に解像させた形状の寸法及び変化量になっている。なお、イメージは、レジスト膜21の断面形状を模式的に示しており、例えば、レチクル5のパターンの寸法変化量であるレチクル変化量が0nmのときは、レジスト膜21に直径Drnmの略円形の開口部25を有する解像パターン31が形成され、下地層22が露出していることを示している。
レチクル5のパターン12,13の寸法変化が1nmのときは、第2のパターン13による2重露光の像の幅は、200nmになり、寸法変化は−50nmになる。一方、第1のパターン12の像の幅は、86nmでなり、寸法変化は−4nmになる。
図7(a)に示すように、レチクル5における第2のパターン41は、円形の開口部42を配列した構成を有する。各開口部42のサイズは、レジスト膜21に結像しない大きさになっている。レチクル5を検査するときは、第2のパターン41で第1の露光を行い、第2のパターン41を90°回転させた後、開口部42が重なるように第2の露光を行い、複数の円形の開口部42が多重露光されることにより解像させる。これにより、図7(b)に一例を示すように、解像したパターン43は、複数の開口部42を含む1つの大径の開口部44になる。即ち、図7(a)の開口部42が2重に露光される部分と、その周囲の部分に相当するレジスト膜21が露光及び現像により除去されて、大径の開口部44が形成される。このレチクル5においても、解像パターン43の径の変化でレチクル5パターンの寸法変化を測定できる。なお、解像パターン43は、複数の開口部42を有する構成の他に、1つの開口部から構成しても良い。
第2の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。第1の実施の形態と同じ構成要素には同一の符号を付してある。また、第1の実施の形態と重複する説明は省略する。
この実施の形態は、レチクル5を回転させずに第2のパターン13を異なる角度でレジスト膜21上に多重露光させることを特徴とする。
図10(a)に示すように、レチクル5は、第2のパターン13がレチクル5の4つの角部に1つずつ形成されている。例えば、左下の第2のパターン13Aが図3(b)の形状を有し、右下の第2のパターン13Bは図4に示す形状になっている。さらに、例えば、左上の第2のパターン13Cが図3(b)の形状を有し、右上の第2のパターン13Bは図4に示す形状になっている。この場合、第2のパターン13Aと第2のパターン13Bは、レチクル5の中心又は第1のパターン12の中心を通る仮想線L1に対して対称な位置に相当する。同様に、第2のパターン13Cと第2のパターン13Dは、レチクル5の中心又は第1のパターン12の中心を通る仮想線L1に対して対称な位置に相当する。また、第2のパターン13Aと第2のパターン13Dは、レチクル5の中心又は第1のパターン12の中心を通る仮想線L2に対して対称な位置に相当する。第2のパターン13Bと第2のパターン13Cは、レチクル5の中心又は第1のパターン13の中心を通る仮想線L3に対して対称な位置に相当する。なお、各第2のパターン13A〜13Dの向きは、これ以外でも良い。
(付記1) 基板の上方に形成したレジスト膜上に解像する第1のパターンを有するレチクルにおいて前記第1のパターンの寸法変化を計測するにあたり、前記レチクルに設けられ、単体では解像せずに、光が通過可能な開口部を形成するエッジの面積当たりの数が前記第1のパターンより多い第2のパターンを用い、前記第2のパターンを通過した光を前記レジスト膜の同じ場所に複数回照射して前記レジスト膜を多重露光し、前記多重露光後に前記レジスト膜を現像し、前記第2のパターンを使用して前記多重露光した領域を含んで前記基板側に形成される開口部の寸法を測定することを特徴とするレチクルの検査方法。
(付記2) 前記第2のパターンを使用して前記レジスト膜を多重露光する工程は、前記第2のパターンの向きを1回前の露光時の向きに対して変化させることを含む付記1に記載のレチクルの検査方法。
(付記3) 前記第2のパターンの向きを1回前の露光時の向きに対して変化させることは、前記レチクルの向きを90°変化させることを含む付記2に記載のレチクルの検査方法。
(付記4) 前記レジスト膜を多重露光する工程は、前記基板上で回路を形成する領域の外側の領域に前記第2のパターンを重ねて露光することを含む付記1乃至付記3のいずれか一項に記載のレチクルの検査方法。
(付記5) 前記レジスト膜を多重露光する工程は、前記レチクルの前記基板上で回路を形成する領域の外側の領域に異なる角度で配置された前記第2のパターンを前記レジスト膜の同じ位置に重ねて露光することを含む付記4に記載のレチクルの検査方法。
(付記6) 基板の上方に形成したレジスト膜に解像して所定の形状を作成可能な第1のパターンと、前記レジスト膜に解像しない第2のパターンと、を含み、前記第1のパターン及び前記第2のパターンのそれぞれは、光が通過可能な開口部を有し、前記第2のパターンは、面積当たりの前記開口部を形成するエッジの数が前記第1のパターンより多いことを特徴とするレチクル。
(付記7) 前記第1のパターンは中央に配置され、前記第2のパターンは、前記第1のパターンより外側で、かつ前記第1のパターンに対して対称な位置に、少なくとも1組配置されていることを特徴とする付記6に記載のレチクル。
(付記8) 複数の前記第2のパターンは、異なる角度を持って配置されていることを特徴とする付記7に記載のレチクル。
(付記9) 前記第1のパターンは、前記基板上で回路を形成する領域に相当する位置に配置され、前記第2のパターンは、前記基板上で回路を形成する領域の外側に配置されていることを特徴とする付記6乃至付記8のいずれか一項に記載のレチクル。
(付記10) 基板の上方に形成したレジスト膜上に単体では解像しないパターンを通した光を前記レジスト膜に照射する第1の露光と、前記第1の露光の後、前記レジスト膜を現像することなく、前記パターンの向きを変化させた後、前記レジストの前記第1の露光と同じ場所に前記パターンを通した光を照射する第2の露光と、を含み、前記第2の露光の後に前記レジスト膜を現像して形成される前記レジスト膜の開口部の寸法を計測することを特徴とするレチクルの検査方法。
2 基板
5 レチクル
12 第1のパターン
13,13A〜13D 第2のパターン
14,15 開口部
14A,15A エッジ
21 レジスト膜
25 開口部
Claims (5)
- 基板の上方に形成したレジスト膜上に解像する第1のパターンを有するレチクルにおいて前記第1のパターンの寸法変化を計測するにあたり、前記レチクルに設けられ、単体では解像せずに、光が通過可能な開口部を形成するエッジの面積当たりの数が前記第1のパターンより多い第2のパターンを用い、前記第2のパターンを通過した光を前記レジスト膜の同じ場所に複数回照射して前記レジスト膜を多重露光し、前記多重露光後に前記レジスト膜を現像し、前記第2のパターンを使用して前記多重露光した領域を含んで前記基板側に形成される開口部の寸法を測定することを特徴とするレチクルの検査方法。
- 前記第2のパターンを使用して前記レジスト膜を多重露光する工程は、前記第2のパターンの向きを1回前の露光時の向きに対して変化させることを含む請求項1に記載のレチクルの検査方法。
- 前記レジスト膜を多重露光する工程は、前記レチクルの前記基板上で回路を形成する領域の外側の領域に異なる角度で配置された前記第2のパターンを前記レジスト膜の同じ位置に重ねて露光することを含む請求項1又は請求項2に記載のレチクルの検査方法。
- 基板の上方に形成したレジスト膜に解像して所定の形状を作成可能な第1のパターンと、
前記レジスト膜に解像しない第2のパターンと、
複数回の露光時に重ね合わされる周辺部分の領域と、
を含み、
前記第1のパターン及び前記第2のパターンのそれぞれは、光が通過可能な開口部を有し、前記第2のパターンは、面積当たりの前記開口部を形成するエッジの数が前記第1のパターンより多く、
少なくとも1組の前記第2のパターンが前記周辺部分の領域に配置され、
前記1組の前記第2のパターンの一方が、前記1組の前記第2のパターンの前記一方とは形状が異なる前記1組の前記第2のパターンの他方に複数回の露光時に重なる関係で配置されている
ことを特徴とするレチクル。 - 前記1組の前記第2のパターンの前記一方のパターン方向と、前記1組の前記第2のパターンの前記他方のパターン方向との角度が異なることを特徴とする請求項4に記載のレチクル。
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