[0065] このような実施形態を詳述する前に、本発明の実施形態を実施することができる例示の環境を提示することが有用であろう。
[0066] 図1は、リソグラフィ装置LAを概略的に示す。この装置は、放射ビームB(例えば、UV放射又はDUV放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構成され、かつ特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1ポジショナPMに連結されたパターニングデバイス支持体又は支持構造(例えば、マスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、かつ特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2ポジショナPWに連結された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSと、を備える。
[0067] 照明システムは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
[0068] パターニングデバイス支持体は、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。このパターニングデバイス支持体は、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。パターニングデバイス支持体は、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。パターニングデバイス支持体は、パターニングデバイスが例えば投影システムに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義とみなすことができる。
[0069] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに付与されるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[0070] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小型ミラーのマトリクス配列を使用し、ミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
[0071] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
[0072] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばマスクと投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に適用することもできる。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために当技術分野で周知である。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造を液体に沈めなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムと基板の間に液体が存在するというほどの意味である。
[0073] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDと共に放射システムと呼ぶことができる。
[0074] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するためのアジャスタADを備えていてもよい。一般に、イルミネータILの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ−outer及びσ−innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータILを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
[0075] 放射ビームBは、パターニングデバイス支持体(例えば、マスクテーブルMT)上に保持されたパターニングデバイス(例えば、マスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、2Dエンコーダ又は容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTを、例えば様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めするように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサ(図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えばマスク)MAを正確に位置決めできる。
[0076] パターニングデバイス(例えばマスク)MA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に位置してもよい(スクライブレーンアライメントマークとして周知である)。同様に、パターニングデバイス(例えばマスク)MA上に複数のダイを設ける状況では、マスクアライメントマークをダイ間に配置してもよい。小さなアライメントマーカをダイ間に含めてもよく、中でもデバイスフィーチャの場合、マーカはできる限り小さいこと、及び隣接するフィーチャと異なるいかなる結像条件又は処理条件をも必要としないことが望ましい。アライメントマーカを検出可能なアライメントシステムの実施形態を、以下でより詳細に説明する。
[0077] 図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
[0078] 1.ステップモードでは、パターニングデバイス支持体(例えば、マスクテーブル)MT及び基板テーブルWTaは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに与えたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTaがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
[0079] 2.スキャンモードでは、パターニングデバイス支持体(例えば、マスクテーブル)MT及び基板テーブルWTaは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに与えられるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。パターニングデバイス支持体(例えば、マスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTaの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
[0080] 3.別のモードでは、パターニングデバイス支持体(例えばマスクテーブル)MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTaを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTaを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0081] 上述した使用モードの組み合わせ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0082] リソグラフィ装置LAはいわゆるデュアルステージ型であり、少なくとも2つのテーブルWTa、WTb(例えば2つの基板テーブル)と、少なくとも2つのステーション、露光ステーション及び測定ステーションとを有し、2つのステーション間でテーブルのうちの少なくとも1つを交換することができる。例えば、1つのテーブル上の基板が露光ステーションで露光されている間、別の基板は測定ステーションの他方の基板テーブル上にロードされ、様々な予備工程を実施することができる。予備工程は、レベルセンサLSを使用して基板の表面制御をマッピングすること、及び、アライメントセンサASを使用して基板上のアライメントマーカの位置を測定することを含み得、どちらのセンサも基準フレームRFによって支持されている。テーブルが測定ステーション並びに露光ステーションにある間に、位置センサIFがテーブルの位置を測定できない場合、両方のステーションでテーブルの位置を追跡できるようにするために第2の位置センサを提供することができる。別の例として、1つのテーブル上の基板が露光ステーションで露光されている間、基板のない別のテーブルは測定ステーションで待機する(任意選択で測定活動を行ってもよい)。この他方のテーブルは1つ以上の測定デバイスを有し、任意選択で他のツール(例えば、クリーニング装置)を有し得る。基板が露光を完了すると、基板のないテーブルは露光ステーションに移動して、例えば測定を実行し、基板のあるテーブルは、その基板がアンロードされ別の基板がロードされるロケーション(例えば、測定ステーション)に移動する。これらの多重テーブル配置は、装置のスループットを大幅に向上させることができる。
[0083] 図2に示されるように、リソグラフィ装置LAは、時折リソセル又はリソクラスタとも呼ばれるリソグラフィセルLCの一部を形成し、基板上で1つ以上の露光前及び露光後のプロセスを実行するための装置も含む。従来これらは、レジスト層を堆積させるための1つ以上のスピンコータSC、露光されたレジストを現像するための1つ以上のディベロッパDE、1つ以上の冷却プレートCH、及び1つ以上の焼成プレートBKを含む。基板ハンドラ、又はロボットROは、入力/出力ポートI/O1、I/O2から基板をピックアップし、これを異なる処理デバイス間に移動し、リソグラフィ装置のローディングベイLBへと送達する。これらのデバイスはしばしばまとめてトラックと呼ばれ、監視制御システムSCSによって自身が制御されるトラック制御ユニットTCUの制御下にあり、監視制御システムSCSはリソグラフィ制御ユニットLACUを介してリソグラフィ装置も制御する。このようにして異なる装置を動作させ、スループット及び処理効率を最大にすることができる。
[0084] リソグラフィ装置によって露光される基板が正しく一貫して露光されるために、露光された基板を検査して、後続の層間のオーバーレイエラー、ライン厚み、クリティカルディメンション(CD)などの、1つ以上のプロパティを測定することが望ましい。エラーが検出された場合、特に、検査が直ちに実行可能であり、同じロット/バッチの別の基板が依然として露光されるのに十分な速さである場合、1つ以上の後続の基板の露光を調整することが可能である。また、すでに露光された基板を(収量を向上させるために)取り去って再加工するか又は廃棄し、それによって不良であることが既知の基板上で露光が実行されるのを回避することができる。基板の或るターゲット部分のみが不良である場合、良好なターゲット部分のみでさらなる露光を実行することができる。別の可能性は、エラーを補償するために後続の処理ステップの設定を適合させることであり、例えば、リソグラフィ処理ステップの結果として生じる基板間のCD変動を補償するために、トリムエッチステップの時間を調整することができる。
[0085] 基板の1つ以上のプロパティ、特に、異なる基板又は同じ基板の異なる層の1つ以上のプロパティが層間及び/又は基板全体にわたってどのように変化するかを決定するために、検査装置が使用される。検査装置は、リソグラフィ装置LA又はリソセルLCに組み込むか、あるいは、スタンドアロンデバイスとすることができる。最高速の測定を可能にするために、検査装置は、露光されたレジスト層内の1つ以上のプロパティを露光直後に測定することが望ましい。しかしながら、レジスト内の潜像は非常に低いコントラストを有し、放射に対して露光されたレジスト部分と露光されていない部分との間の屈折率の差は非常に小さく、すべての検査装置が潜像の有用な測定を行うのに十分な感度を有するわけではない。したがって、通例、露光された基板上で実行される第1のステップであり、レジストの露光された部分と露光されていない部分との間のコントラストを増加させる、露光後焼成ステップ(PEB)の後で、測定を実行することができる。この段階で、レジスト内の像は半潜在と呼ぶことができる。レジストの露光された部分又は露光されていない部分のいずれかが除去された時点で、又はエッチングなどのパターン転写の後で、現像されたレジスト像の測定を行うことも可能である。後者の可能性は、不良基板の再加工の可能性を制限するが、例えばプロセス制御の目的で、依然として有用な情報を提供することが可能である。
[0086] 従来のスキャトロメータによって使用されるターゲットは、相対的に大きい、例えば40μm×40μmの周期構造(例えば、格子)レイアウトを備える。その場合、測定ビームはしばしば、周期構造レイアウトより小さいスポットサイズを有する(すなわち、周期構造レイアウトは充填不足である)。これにより、ターゲットは無限であるとみなすことができるため、ターゲットの数学的再構成を簡略化する。しかしながら、例えばターゲットはスクライブレーン内ではなく、プロダクトフィーチャの間に位置決めすることができるため、ターゲットのサイズは、例えば20μm×20μm又はそれ以下、あるいは10μm×10μm又はそれ以下まで削減される。この状況において、周期構造レイアウトは測定スポットよりも小さくすることができる(すなわち、周期構造レイアウトは充填過多である)。典型的には、こうしたターゲットは、(鏡面反射に対応する)ゼロ次数の回折はブロックされ、高次数のみが処理される、暗視野スキャトロメータを使用して測定される。暗視野メトロロジーの例は、PCT特許出願公開第WO2009/078708号及び第WO2009/106279号に見ることが可能であり、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。技法のさらなる展開は、米国特許出願公開第US2011−0027704号、第US2011−0043791号、及び第US2012−0242970号に記載されており、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。回折次数の暗視野検出を使用する回折ベースのオーバーレイは、より小さいターゲット上でのオーバーレイ測定を実行可能にする。これらのターゲットは、照明スポットよりも小さいことが可能であり、基板上でプロダクト構造に囲まれることができる。実施形態において、1つの像内の多重ターゲットを測定することができる。
[0087] 本発明の実施形態で使用するのに好適な暗視野メトロロジー装置が、図3(a)に示される。ターゲットT(周期構造を備える)及び回折光線は、図3(b)内でより詳細に図示されている。暗視野メトロロジー装置は、スタンドアロンデバイスであるか、あるいは、例えば測定ステーションのリソグラフィ装置LA、又はリソグラフィセルLCのいずれかに組み込むことができる。装置全体にわたっていくつかの分岐を有する光軸が、点線Oで表されている。この装置において、出力11(例えば、レーザなどの光源、あるいは光源に接続されたキセノンランプ又は開口)によって放出される放射は、レンズ12、14、及び対物レンズ16を備える光学システムによって、プリズム15を介して基板W上へと誘導される。これらのレンズは、ダブルシーケンスの4F配列で配置される。依然として検出器上に基板像を提供するという条件で、異なるレンズ配列を使用することが可能である。
[0088] 実施形態において、レンズ配列は、空間周波数フィルタリングのために中間瞳面のアクセスを可能にする。したがって、放射が基板上に入射する角度レンジは、本明細書では(共役)瞳面と呼ばれる、基板面の空間スペクトルを提示する平面内の空間強度分布を定義することによって選択可能である。特にこれは、例えば、レンズ12と14の間に好適な形のアパーチャプレート13を挿入することによって、対物レンズ瞳面の逆投影像である面内で実行可能である。図示された例において、アパーチャプレート13は13N及び13Sとラベル表示された異なる形を有し、異なる照明モードを選択することができる。この例における照明システムは、オフアクシス照明モードを形成する。第1の照明モードでは、アパーチャプレート13Nは、単に記述のために、「北(north)」として指定された方向からオフアクシス照明を提供する。第2の照明モードでは、アパーチャプレート13Sは、同様の照明であるが、「南(south)」とラベル表示された、異なる(例えば、反対の)方向からの照明を提供するために使用される。異なるアパーチャを使用することによって、他の照明モードが可能である。所望の照明モード外にいずれかの不必要な放射があれば、望ましい測定信号を妨害する可能性があるため、瞳面の残余部は望ましくは暗い。
[0089] 図3(b)に示されるように、ターゲットTは、対物レンズ16の光軸Oに対してほぼ垂直な基板Wに配置される。軸Oを外れた角度からターゲットTに当たる照明の光線Iは、ゼロ次光線(実線0)及び2本の1次光線(点鎖線+1及び二点鎖線−1)を生じさせる。充填過多の小ターゲットTの場合、これらの光線は、メトロロジーターゲットT及び他のフィーチャを含む基板の領域をカバーする多くの平行光線のうちの1つに過ぎない。複合周期構造ターゲットが提供される場合、ターゲット内の各個別周期構造は、その独自の回折スペクトルを生じさせることになる。プレート13内のアパーチャは(有用な量の放射を認めるのに必要な)有限幅を有するため、入射光線Iは、実際にはある範囲の角度を占有し、回折光線0及び+1/−1は多少広がることになる。小ターゲットの点広がり関数に従って、各次数+1及び−1は、図示されたような単一の理想的な光線ではなく、ある範囲の角度にわたってさらに広がることになる。周期構造のピッチ及び照明角度は、対物レンズに入る第1次光線が中心光軸と緊密に整合されるように、設計又は調整可能であることに留意されたい。図3(a)及び図3(b)に示される光線は、純粋にそれらが図内でより容易に区別できるようにするために、軸を多少外れて示されている。
[0090] 基板W上のターゲットによって回折された少なくとも0及び+1の次数は、対物レンズ16によって集められ、プリズム15を介して逆に誘導される。図3(a)に戻ると、北(N)及び南(S)とラベル表示された(この場合は)正反対のアパーチャを指定することによって、第1及び第2の両方の照明モードが図示されている。入射光線Iが光軸の北側からの場合、すなわち、第1の照明モードがアパーチャプレート13Nを使用して適用される場合、+1(N)とラベル表示された+1の回折光線が対物レンズ16に入る。これに対して、第2の照明モードがアパーチャプレート13Sを使用して適用される場合、(−1(S)とラベル表示された)−1の回折光線がレンズ16に入る。したがって、実施形態において、ある条件下で、例えば、−1及び+1の回折次数強度を別々に取得するために、ターゲットを回転させた後、あるいは、照明モードを変更した後又は結像モードを変更した後、ターゲットを2回測定することによって、測定結果が取得される。所与のターゲットについてこれらの強度を比較することで、ターゲットにおける非対称の測定が提供され、ターゲットにおける非対称をリソグラフィプロセスのパラメータのインジケータ、例えばオーバーレイエラーとして使用することができる。前述の状況において、照明モードが変更される。
[0091] ビームスプリッタ17が、回折ビームを2つの測定分岐に分割する。第1の測定分岐において、光学システム18は、ゼロ次及び1次の回折ビームを使用して、第1のセンサ19(例えば、CCD又はCMOSセンサ)上にターゲットの回折スペクトル(瞳面像)を形成する。各回折次数はセンサ上の異なる地点に当たるため、画像処理は次数を比較及び対照することができる。メトロロジー装置を合焦させるため、及び/又は第1次ビームの強度測定を正規化するために、センサ19によってキャプチャされる瞳面像を使用することができる。瞳面像は、非対称測定のため、並びに再構築などの多くの測定目的のために使用することもできるが、本明細書では詳細に説明しない。説明する第1の例は、非対称を測定するために第2の測定分岐を使用することになる。
[0092] 第2の測定分岐において、光学システム20、22は、センサ23(例えば、CCD又はCMOSセンサ)上に、基板W上のターゲットの像を形成する。第2の測定分岐において、アパーチャストップ21が瞳面と共役の面内に提供される。アパーチャストップ21は、センサ23上に形成されるターゲットの像DFが−1又は+1の1次ビームから形成されるように、ゼロ次回折ビームをブロックするために機能する。センサ19及び23によってキャプチャされた像は、画像プロセッサ及びコントローラPUに出力され、その機能は、実行される特定タイプの測定に依存することになる。本明細書では、「像」という用語は、広義に使用されることに留意されたい。したがって、−1次及び+1次のうちの1つのみが存在する場合、ターゲットの周期構造のフィーチャの像は形成されないことになる。
[0093] 図3に示される特定の形のアパーチャのプレート13及びストップ21は、単なる例である。別の実施形態において、ターゲットのオンアクシス照明が使用され、実質上1つの1次回折放射のみをセンサに渡すために、オフアクシスアパーチャを伴うアパーチャストップが使用される(その場合、13及び21に示されるアパーチャは効果的にスワップされる)。さらに他の実施形態において、1次ビームの代わりに、又は1次ビームに加えて、2次、3次、及びさらに高次のビーム(図3には図示せず)を測定に使用することができる。
[0094] 照明をこれらの異なるタイプの測定に適合可能にするために、アパーチャプレート13は、所望のパターンを所定の位置に移動させるように回転するディスクの周囲に形成されるいくつかのアパーチャパターンを備えることができる。代替又は追加として、同じ効果を達成するために、プレートのセット13を提供及びスワップすることが可能である。変形可能ミラーアレイ又は透過空間光変調器などのプログラマブル照明デバイスも使用可能である。照明モードを調整するための別の方法として、移動式のミラー又はプリズムを使用することができる。
[0095] アパーチャプレート13に関して直前で説明したように、結像のための回折次数の選択は、代替として、アパーチャストップ21を変更することによって、又は異なるパターンを有する瞳ストップを置換することによって、又は固定フィールドストップをプログラマブル空間光変調器と交換することによって達成することができる。その場合、結像側は第1及び第2のモードを有するが、測定光学システムの照明側は依然として一定であることができる。実際に、多くの可能なタイプの測定方法が存在し、その各々が独自の利点及び欠点を備える。一方法において、照明モードは異なる次数を測定するように変更される。別の方法では、結像モードが変更される。第3の方法では、照明モード及び結像モードは変更されないままであるが、ターゲットは、例えば180度回転される。各ケースにおいて、所望の効果は同じであり、すなわち、例えばターゲットの回折スペクトルにおいて互いに対称的に反対である、非ゼロ次回折放射の第1及び第2の部分を選択することである。
[0096] この例で結像のために使用される光学システムは、アパーチャストップ21によって制限される広い入射瞳を有し、他の実施形態又は適用例では、結像システム自体の入射瞳サイズは、所望の次数まで制限するのに十分小さいことが可能であるため、フィールドストップとしても働く。以下で詳細に説明するように使用可能な異なるアパーチャプレートが、図3(c)及び図3(d)に示されている。
[0097] 典型的には、ターゲットは、南北又は東西に走るその周期構造と整合される。すなわち、周期構造(例えば、格子)は、基板WのX方向又はY方向に整合される。しかし、異なる角度、すなわち45°の角度であり得る。一方向(例えば、セットアップに応じてX、Y、又は他の方向)に配向されたターゲットの周期構造を測定するために、アパーチャプレート13N又は13Sが使用される。別の角度(例えば、ほぼ直角)での周期構造の測定のために、ターゲットの回転(例えば、ほぼ直角の周期構造の場合、90°から270°までの回転)が実施され得る。あるいは、適切な角度(例えば、東又は西)にアパーチャを有し得る、図3(c)に示されるアパーチャプレート13E又は13Wを使用して、別の角度(例えば、東又は西)からの照明を照明光学装置内に提供することができる。アパーチャプレート13Nから13Wは、別々に形成され交換可能であるか、又は適切な角度(例えば、90、180、又は270度)だけ回転可能な単一のアパーチャプレートとすることができる。
[0098] 図3(c)及び図3(d)には、異なるアパーチャプレートが示されている。図3(c)は、2つの別のタイプのオフアクシス照明モードを示している。図3(c)の第1の照明モードにおいて、アパーチャプレート13Eは、単に説明のために、前述の「北」に対して「東」として指定された方向からオフアクシス照明を提供する。前述のように、「東」は図示された角度とは異なる角度であり得る。図3(c)の第2の照明モードでは、アパーチャプレート13Wを使用して、同様の照明であるが、「西」とラベル表示された異なる(例えば、反対)方向からの照明が提供される。図3(d)は、2つの別のタイプのオフアクシス照明モードを示す。図3(d)の第1の照明モードでは、アパーチャプレート13NWは、前述のように「北」及び「西」と指定された方向からオフアクシス照明を提供する。第2の照明モードでは、アパーチャプレート13SEを使用して、同様の照明であるが、前述のように「南」及び「東」とラベル表示された異なる(例えば、反対)方向からの照明が提供される。これらの異なる回折信号間のクロストークがそれほど大きくないものとすると、異なる方向(例えば、X及びYの両方)に延在する周期構造の測定は、照明モードを変更することなく実行可能である。装置のこれらの使用及び多数の他の変動及び適用例は、例えば前述の以前に公開された特許出願公開に記載されている。すでに述べたように、図3(c)及び図3(d)に示されたオフアクシスアパーチャは、アパーチャプレート13の代わりにアパーチャストップ21内に提供することができる。その場合、照明はオンアクシスとなる。
[0099] 図4は、基板上に形成される例示的な複合メトロロジーターゲットを示す。複合ターゲットは、共に密接に位置決めされた4つの周期構造(例えば、格子)32、33、34、35を備える。実施形態において、周期構造は、すべてがメトロロジー装置の照明ビームによって形成される測定スポット31内にあるように、共に十分密接に位置決めされる。その場合、4つの周期構造はすべて同時に照明され、センサ19及び23上に同時に結像される。オーバーレイ測定専用の例において、周期構造32、33、34、35は、それ自体が、基板W上に形成されたデバイスの異なる層内にパターニングされた別のターゲットの周期構造を覆うことによって形成される、複合周期構造である。こうしたターゲットは、20μm×20μm以内又は16μm×16μm以内の外寸寸法を有し得る。さらに、すべての周期構造は、特定の層のペア間のオーバーレイを測定するために使用される。ターゲットが層の複数のペアを容易に測定できるようにするために、周期構造32、33、34、35は、複合周期構造の異なる部分が形成された異なる層間のオーバーレイの測定を容易にするために、異なってバイアスされたオーバーレイオフセットを有することができる。したがって、基板上のターゲットのためのすべての周期構造は、層の1つのペアを測定するために使用され、基板上の別の同じターゲットのためのすべての周期構造は、層の別のペアを測定するために使用され、ここでオーバーレイバイアスは層のペア間の区別を容易にする。オーバーレイバイアスの意味は、以下で、特に図7を参照しながら説明する。
[00100] 図7(a)〜図7(c)は、異なるバイアスを伴うそれぞれのターゲットTのオーバーレイ周期構造の概略断面を示す。これらは、図3及び図4に見られるような基板W上で使用することができる。X方向に周期性のある周期構造が、単に例示のために示されている。異なるバイアス及び異なる配向を伴う、これらの周期構造の異なる組み合わせが提供可能である。
[00101] まず始めに図7(a)では、L1及びL2とラベル表示された2つの層で形成される複合オーバーレイターゲット600が示されている。下の層L1では、第1の周期構造が基板606上のフィーチャ(例えば、ライン)602及び空間604によって形成される。層L2では、第2の周期構造がフィーチャ(例えば、ライン)608及び空間610によって形成される。(断面は、フィーチャ602、608がページ内へと延在するように図示されている。)周期構造パターンは、両方の層においてピッチPで反復している。ライン602及び608は単に例示のために挙げられたものであり、ドット、ブロック、及びビアホールなどの他のタイプのフィーチャが使用可能である。図7(a)に示された状況では、オーバーレイエラーやバイアスが存在しないため、各周期構造フィーチャ608は下部周期構造の周期構造フィーチャ602の上に正確に重なって存在する。
[00102] 図7(b)では、上部周期構造のフィーチャ608が下部周期構造のフィーチャ602に対して距離dだけ右にシフトされたように、同じターゲットがバイアス+dを伴って示されている。すなわちフィーチャ608及びフィーチャ602は、それらがどちらも名目ロケーションに正確にプリントされた場合、フィーチャ608はフィーチャ602に対して距離dだけオフセットするように配置される。バイアス距離dは、実際には数ナノメートル、例えば5〜60nmであり得、ピッチPは例えば300〜1000nmの範囲内、例えば500nm又は600nmである。図7(c)では、フィーチャ608がフィーチャ602に対して左にシフトされたように、同じターゲットがバイアス−dを伴って示されている。図7(a)から図7(c)に示されるこのタイプのバイアスされたターゲットは、例えば上述の特許出願公開に記載されている。
[00103] さらに、図7(a)〜図7(c)は、ゼロ領域内のバイアスを有する「ラインオンライン」ターゲットと呼ばれる、フィーチャ602の上に重なるフィーチャ608(+d又は−dの小バイアスを伴うか又は伴わない)を示すが、ターゲットはピッチの半分であるP/2のプログラミングされたバイアスを有し得るため、上部周期構造内の各フィーチャ608は下部周期構造内の空間604の上に重なる。これは、「ラインオントレンチ」ターゲットと呼ばれる。このケースでは、d又は−dの小バイアスも適用可能である。「ラインオンライン」ターゲット又は「ラインオントレンチ」ターゲットの選択は、適用例に依存する。
[00104] 図4に戻ると、周期構造32、33、34、35は、図示されるように、X及びY方向で入ってくる放射を回折するようにそれらの配向も異なり得る。一例では、周期構造32及び34は、それぞれ+d、−dのバイアスを伴うX方向の周期構造である。周期構造33及び35は、それぞれ+d及び−dのオフセットを伴うY方向の周期構造であり得る。4つの周期構造が図示されているが、別の実施形態は所望の精度を得るためにより大きなマトリクスを含むことができる。例えば3×3アレイの9つの複合周期構造は、−4d、−3d、−2d、−d、0、+d、+2d、+3d、+4dのバイアスを有し得る。これらの周期構造の個別の像は、センサ23によってキャプチャされた像内で識別可能である。
[00105] 図5は、図3(d)からのアパーチャプレート13NW又は13SEを使用し、図3の装置内の図4のターゲットを使用して、センサ23上に形成すること及びセンサ23によって検出することが可能な像の例を示す。センサ19は異なる個々の周期構造32から35を解決することはできないが、センサ23はこれが実行できる。クロスハッチ状の矩形はセンサ上の像の視野を表し、その中の基板上の照明されたスポット31は対応する円形域41内に結像される。実施形態において、視野は暗い。この像内で、矩形域42〜45は周期構造32から35の像を表す。周期構造がプロダクト域内に配置される場合、プロダクトフィーチャはこの像視野の周辺でも可視であり得る。図5の暗視野像内には単一の複合格子ターゲットのみが示されているが、実際には、リソグラフィによって作られるプロダクトは多くの層を有し得、オーバーレイ測定は層の異なるペア間で行われることが望ましい。層のペア間での各オーバーレイ測定について、1つ以上の複合格子ターゲットが使用されるため、他の複合ターゲットが像視野内に存在し得る。画像プロセッサ及びコントローラPUは、周期構造32から35の個別の像42から45を識別するために、パターン認識を使用してこれらの像を処理する。この様式では、像はセンサフレーム内の特定のロケーションで非常に精密に整合される必要はなく、全体として測定装置のスループットを大幅に向上させる。
[00106] 周期構造の個別の像が識別されると、それら個別の像の強度は、例えば識別域内の選択されたピクセル強度値を平均化又は合計することによって測定可能である。像の強度及び/又は他のプロパティは、互いに比較可能である。これらの結果を組み合わせて、リソグラフィプロセスの異なるパラメータを測定することができる。オーバーレイ性能はこうしたパラメータの一例である。例えば強度を比較することで、オーバーレイの測定として使用可能な非対称が明らかになる。非対称を、したがってオーバーレイを測定するための別の技法では、センサ19が使用される。
[00107] 図6は、例えばPC特許出願公開第WO2011/012624号及び米国特許出願公開第2011/027704号に記載された方法を使用し、例えば図3及び図4の装置を使用して、コンポーネント周期構造32から35を包含する2つの層の間のオーバーレイエラーが、+1次及び−1次暗視野像内のそれらの強度を比較することによって明らかとなった場合、周期構造の非対称を介してどのように測定されるかを示す。
[00108] ステップM1で、基板、例えば半導体ウェーハは、メトロロジーターゲットを形成する周期構造32〜35を備えるターゲットを含む構造を作成するために、1回以上図2のリソグラフィセルを介して処理される。M2で、図3のメトロロジー装置を使用し、1次回折ビームのうちの1つ(例えば−1)を使用して周期構造32から35の像が取得される。実施形態において、第1の照明モード(例えば、アパーチャプレート13NWを使用して作成された照明モード)が使用される。次いで、照明モードを変更すること、又は結像モードを変更すること、又はメトロロジー装置の視野内で基板Wを180°回転させることのいずれによっても、他方の1次回折ビーム(+1)を使用して周期構造の第2の像を取得することができる(ステップM3)。その結果、第2の像内で+1回折放射がキャプチャされる。実施形態において、照明モードは変更され、第2の照明モード(例えば、アパーチャプレート13SEを使用して作成された照明モード)が使用される。すべての周期構造が各像内でキャプチャできるかどうか、又は、個別の像内の周期構造をキャプチャするために測定装置と基板との間に相対運動が存在する必要があるかどうかは、設計選択の問題である。いずれのケースでも、すべてのコンポーネント周期構造の第1及び第2の像はセンサ23を介してキャプチャされることが想定される。
[00109] 各像内に1次回折放射の半分のみが含まれることにより、本明細書で言及される「像」は、従来の暗視野顕微鏡像ではないことに留意されたい。+1及び−1の回折放射のうちの1つのみが存在するため、個々の周期構造フィーチャは解決されない。各周期構造は、単にある強度レベルの区域によって表されることになる。ステップM4において、各コンポーネント周期構造の像内の関心領域(ROI)が識別され、ここから強度レベルが測定されることになる。これが実行されるのは、特に個々の格子像のエッジ周囲で、強度値は、レジスト厚み、組成、ライン形状、並びに一般的にエッジ効果などの処理変数に高度に依存する可能性があるためである。
[00110] それぞれ個々の周期構造32〜35について関心領域P1、P2、P3、P4が識別され、その強度が測定されると、周期構造の非対称を、したがって例えばオーバーレイエラーを決定することができる。これは、各周期構造32〜35についてそれぞれの強度におけるいずれかの差異、すなわち非対称を識別するために、+1次及び−1次について取得された強度値を比較する、ステップM5で、画像プロセッサ及びコントローラPUによって実行される。「差異」という用語は、減算のみを示すものとは意図されない。差異は、比率形式で計算することができる。したがって強度差異は、ステップM5で、各周期構造について非対称の測定を取得するために計算される。ステップM6において、いくつかの周期構造について測定された非対称は、適用可能であれば、ターゲットTの近くでリソグラフィプロセスの1つ以上の性能パラメータを計算するために、それらの周期構造のオーバーレイバイアスの知識と共に使用される。対象となる性能パラメータはオーバーレイであり得る。フォーカス及び/又はドーズ量などの、リソグラフィプロセスの他の性能パラメータが計算可能である。1つ以上の性能パラメータを、リソグラフィプロセスの向上のためにフィードバックすること、及び/又は、図6の測定及び計算プロセス自体を向上させるために使用することが可能である。
[00111] オーバーレイを決定するための実施形態において、図8は、オーバーレイ周期構造を形成する個々の周期構造内にゼロオフセットを有し、フィーチャ非対称のない、「理想的な」ターゲットについて、オーバーレイエラーOVと測定された非対称Aとの間の関係を図示する曲線702を示す。このグラフはオーバーレイのみを決定する原理を示すものであり、グラフ内で測定される非対称A及びオーバーレイエラーOVの単位は任意である。
[00112] 図7(a)〜図7(c)の「理想的な」状況において、曲線702は、測定された非対称Aがオーバーレイと正弦関係を有することを示す。正弦変動の期間Pは、もちろん適切なスケールに変換された周期構造の期間(ピッチ)に対応する。この例では正弦波形は純粋であるが、実際の環境では高調波を含むことができる。簡単にするために、この例では、(a)1次回折放射のみがターゲットから画像センサ23(又は、所与の実施形態ではその等価物)に到達すること、及び(b)これらの1次数内で、上部と下部の周期構造結果間の強度とオーバーレイとの間に、純正弦関係が存在するような実験的ターゲット設計であることが、想定される。実際にこれが真であるかどうかは、光学システム設計と、照明放射の波長及び周期構造のピッチPと、ターゲットの設計及びスタックとの関数である。
[00113] 上述のように、バイアスされた周期構造は、単一の測定に依拠するのではなくオーバーレイを測定するために使用することができる。このバイアスは、その作成元であるパターニングデバイス(例えば、レチクル)内で定義され、測定された信号に対応するオーバーレイの基板上較正として機能する、既知の値を有する。図内で、計算はグラフで示される。図6のステップM1〜M5において、(例えば、図7(b)及び図7(c)に示されるように)それぞれバイアス+d及び−dを有するコンポーネント周期構造について、非対称測定A(+d)及びA(−d)が取得される。これらの測定を正弦曲線に合わせることで、図に示されるようなポイント704及び706が与えられる。バイアスがわかれば、真のオーバーレイエラーOVを計算することができる。正弦曲線のピッチPはターゲットの設計からわかる。曲線702の垂直スケールは開始点がわからないが、1次調和比例定数K1と呼ぶことが可能な未知の係数である。
[00114] 数式の項において、オーバーレイと非対称との間の関係は以下のように想定され、
A=K1・sin(OV)
上式で、OVは、周期構造のピッチPが角度2πラジアンに対応するようなスケールで表される。異なる既知のバイアスを伴う周期構造と共に2つの測定を使用して、未知のK1及びオーバーレイOVを計算するために2つの式を解くことができる。
[00115] 上述のメトロロジーターゲットは、メトロロジーターゲットがプロセススタック内の名目上の変化に対して測定ロバストネスを提供することになる柔軟性を伴う、特定のプロセススタック(すなわち、層について特定のデバイス又はその一部を構築するために使用されるプロセス及び材料である、プロセススタック、例えば、関与する1つ又は材料層(例えば、それらの厚み及び/又は材料タイプ)、リソグラフィ露光プロセス、レジスト現像プロセス、焼成プロセス、エッチプロセスなど)に関連付けられた1つ以上の特定の層について設計される。すなわち、メトロロジーターゲットは、測定されているリソグラフィプロセスのパラメータについて、最適でない場合は良好な測定結果を与えることになる、メトロロジーターゲットに到達するために、プロセス層の知識(例えば、それらの材料、厚みなど)、層に適用される処理ステップなどを使用して設計される。
[00116] しかしながら、リソグラフィプロセスの開発中、ある層についてのプロセススタックは名目を大幅に超えて変化する可能性がある。既存のターゲットは、プロセススタック内の大きな変化(すなわち、プロセス変更)を扱うことができない。したがって、極端なこうした変化を照準として多重ターゲットを設計することができる。このためには新しいターゲット設計が必要であり、これは、こうした新しいターゲットが例えばマスク上にテープアウトされるまで、プロセス開発がかなりの期間待機しなければならず、したがってR&Dサイクル時間が大幅に増加することを意味する。さらに、多重ターゲットは、各異なるターゲットについて異なるパターニングデバイス(例えば、マスク)を作成するために大幅なコストがかかることを意味し得る。あるいは、こうしたターゲットを収容するための空間(すなわち、パターニングデバイスのパターン上で使用可能な空間)が使用できない可能性があり、且つ/又は、こうした多重ターゲットを測定するためにスループットが大幅に影響を受ける可能性がある。
[00117] さらに、層のペア間のオーバーレイを測定するために、典型的な回折ベースのオーバーレイターゲットが使用される。しかし、新しいプロセス(例えば、多重パターニングプロセス、ビアラストプロセス)は単一の層ペアのみならず、多数の層ペア間のオーバーレイ測定の実行も必要なものにしている。上述のプロセス開発例と同様に、多層オーバーレイについてのソリューションは、オーバーレイターゲット(すなわち、異なる層ペアに必要な異なるターゲット)の数を増加させ、したがって測定(すなわち、多層の各ペアの組み合わせについての測定)の数が増加する。これはターゲットの「実装面積」(すなわち、これらの個々の層ペアターゲットを収容するためのパターニングデバイスのパターン上の使用可能な空間)、及び、測定回数の増加に起因したスループットを犠牲にする。
[00118] したがって、本発明の実施形態によれば、合計サイズは小さいが、多重設計周期構造のセットを含む、多重周期構造ターゲットクラスタ(周期構造の単一クラスタ)を備える、回折メトロロジーターゲットが提供され、参照の便宜上、このターゲットは拡張動作範囲メトロロジーターゲットと呼ばれる。したがって、例えばプロセス開発の場合、拡張動作範囲メトロロジーターゲットからの周期構造のサブセットは、或るプロセススタック条件に使用可能である一方で、拡張動作範囲メトロロジーターゲットからの周期構造の別のサブセットは、別のプロセススタック条件に使用可能であるため、プロセススタック内の大幅な変動を反映することができる。代替又は追加として、例えば多層オーバーレイの場合、拡張動作範囲メトロロジーターゲットからの周期構造のサブセットは、或る層ペアに使用可能である一方で、拡張動作範囲メトロロジーターゲットの周期構造の別のサブセットは別の層ペアに使用可能であるため、多層オーバーレイを実行可能にする。
[00119] したがって、大幅なプロセススタック変動(例えば、メトロロジーターゲットの特定の周期構造設計によって適切に扱うことができないプロセススタックの変動)の状況において、拡張動作範囲メトロロジーターゲットは、プロセススタックを変更した場合、正常な測定結果の機会を増加させることになる(すべて、妥当なサイズのターゲット内の)大幅に異なる設計を可能にする。これにより、プロセススタック変動を積極的に予想する、異なる設計の存在に起因する、初回の測定成功の機会を増加させることができる。また、マルチオーバーレイ測定の状況において、拡張動作範囲メトロロジーターゲットは、1測定シーケンスでの多層間のオーバーレイの測定を可能にする。すなわち、実施形態では、多層ペアを1測定シーケンスで測定可能であり、実施形態では、多層ペアの回折データを同時に検出可能である。
[00120] 拡張動作範囲メトロロジーターゲット内に異なって設計された周期構造を有することにより、異なって設計された内部の周期構造のセットを伴う単一のメトロロジーターゲットによって、プロセススタック及び/又は多層内の大幅な変動を扱うことができる。それにより、各異なる個々のターゲットについて異なるパターニングデバイス(例えば、マスク)を作成する犠牲、及び/又は測定回数の犠牲を、大幅に減少させることができる。さらに、相対的に小さなサイズの拡張動作範囲メトロロジーターゲットにより、多数の異なる個々のターゲットについて、ターゲットの「実装面積」(すなわち、これらの個々の層ペアターゲットを収容するためのパターニングデバイスのパターン上の使用可能な空間)の犠牲、及び、増加した測定回数によるスループットの犠牲を、大幅に減少させることができる。したがって拡張動作範囲メトロロジーターゲットは、実装面積の観点から十分小さく多数の個々のターゲットに比べて測定回数に関してもより好適な単一ターゲットクラスタ内に、これらの多重ターゲットをすべて収めることができる。
[00121] 図9を参照すると、拡張動作範囲メトロロジーターゲット800の実施形態が示されている。拡張動作範囲メトロロジーターゲット800は、複数のサブターゲット、この例では4つの回折サブターゲット802、804、806、808を備える。理解されるように、異なる数のサブターゲットが提供可能である。例えば、2つのサブターゲットのみが提供可能である。代替として、3、5、6、7、8などの数のサブターゲットが提供可能である。実施形態において、各サブターゲット802〜808は、ギャップ820によって隣接するサブターゲットから分離される。実施形態において、ギャップは200nm又はそれ以上、250nm又はそれ以上、350nm又はそれ以上、500nm又はそれ以上、750nm又はそれ以上、あるいは1μm又はそれ以上である。ギャップは、サブターゲットが別々に識別できるように、サブターゲットの再構築を容易にする。さらにギャップは、回折のクロストークが1つのサブターゲットから別のサブターゲットへと延在するのを防ぐのに役立ち得る。
[00122] 各サブターゲットは、周期構造を備える。実施形態において、各サブターゲットは少なくとも周期構造のペアを備える。実施形態において、各サブターゲットは少なくとも周期構造の2つのペアを備える。実施形態において、サブターゲット内の周期構造のフィーチャ(例えば、ライン)は同じ方向に延在する。実施形態において、サブターゲットの少なくとも1つの周期構造は、サブターゲットの別の周期構造のフィーチャが延在する方向とは異なる方向(例えば、ほぼ垂直)に延在するフィーチャを有し得る。実施形態において、1つのサブターゲットの周期構造のフィーチャが延在する方向は、別のサブターゲットのそれとは異なり得る。
[00123] 実施形態において、図9に示されるように、各サブターゲットは、第1の方向(例えば、X方向)に延在するフィーチャを有する周期構造810の第1のペアと、第2の異なる方向(例えば、Y方向などの、第1の方向に対してほぼ垂直な第2の方向)に延在するフィーチャを有する周期構造812の第2のペアとを有する。前述のように、1つ以上のサブターゲットは、異なる方向に延在する周期構造の第2のペアを有する必要がないか、又は、第2の異なる方向は、1つ以上のサブターゲットについて第1の方向に対して垂直でなくてよく、且つ平行でなくてよい。この例において、各サブターゲット802〜808は図4のターゲットと同様の全体レイアウトを有する。すなわち、各サブターゲットは、対向する角にX方向に延在するフィーチャを伴う周期構造の第1のペアと、周期構造の第1のペアに対向する角にY方向に延在するフィーチャを伴う周期構造の第2のペアとを有する。しかしながら、サブターゲットのレイアウトは図9に示されたものとは異なってもよい。例えば、周期構造のロケーションは異なってよい。別の例として、周期構造の1つのペアの長さ及び/又は幅は、周期構造の別のペアの長さ及び/又は幅とは異なってよい。周期構造の1つのペアが周期構造の別のペアに対して延在する相対角度は異なってよい。サブターゲットについての異なるレイアウトの例は、図12A〜図12Eに関して説明する。
[00124] サブターゲット802〜808は、図4のターゲットと同じ連続領域内に完全にフィットするか又は少なくとも部分的にフィットするようなサイズを有する。例えば、拡張動作範囲メトロロジーターゲット800は、25μm×25μm以内か又はこれに等しい、20μm×20μm以内か又はこれに等しい、16μm×16μm以内か又はこれに等しい、12μm×12μm以内か又はこれに等しい、10μm×10μm以内か又はこれに等しい、あるいは8μm×8μm以内か又はこれに等しい、外寸寸法を有することができる。実施形態において、各サブターゲットの少なくとも一部は、基板上の或るサイズの連続領域内にある。実施形態において、複数のサブターゲットの各周期構造の少なくとも一部は、基板上の或るサイズの連続領域内にある。実施形態において、複数のサブターゲットの各周期構造は、基板上の或るサイズの連続領域内にある。実施形態において、或るサイズは、1000μm2未満か又はこれに等しい、900μm2未満か又はこれに等しい、800μm2未満か又はこれに等しい、700μm2未満か又はこれに等しい、600μm2未満か又はこれに等しい、500μm2未満か又はこれに等しい、450μm2未満か又はこれに等しい、400μm2未満か又はこれに等しい、350μm2未満か又はこれに等しい、300μm2未満か又はこれに等しい、250μm2未満か又はこれに等しい、200μm2未満か又はこれに等しい、150μm2未満か又はこれに等しい、あるいは100μm2未満か又はこれに等しい。実施形態において、サブターゲット802〜808の周期構造の各々は、約3μm×3μm以上の大きさであるか、又は約4μm×4μm以上の大きさである。実施形態において、サブターゲット802〜808の周期構造の各々は、約9μm2以上の大きさであるか、又は約16μm2以上の大きさである。
[00125] 実施形態において、各サブターゲットの少なくとも一部は、基板上の測定スポットの領域内(例えば、測定スポットの幅内)にある。実施形態において、複数のサブターゲットの各周期構造の少なくとも一部は、基板上の測定スポットの領域内(例えば、測定スポットの幅内)にある。実施形態において、複数のサブターゲットの各周期構造は、基板上の測定スポットの領域内(例えば、測定スポットの幅内)にある。実施形態において、測定スポットは、約35μm又はそれ未満、約30μm又はそれ未満、約25μm又はそれ未満、約20μm又はそれ未満、約15μm又はそれ未満、あるいは約10μm又はそれ未満の幅(例えば、直径)を有する。したがって、実施形態において、多数のサブターゲットを1測定シーケンスで測定可能であり、実施形態において、多数のサブターゲットの回折データを同時に検出す可能である。
[00126] 図4のターゲットの場合と同様に、実施形態において、複数のサブターゲットは別の周期構造に少なくとも部分的にオーバーレイしている(他の周期構造は、単に図が見やすいように図9には示されていない)。実施形態において、サブターゲット802〜806の各々は、それぞれの周期構造に少なくとも部分的にオーバーレイしている。実施形態において、第1の拡張動作範囲メトロロジーターゲット800は、第2の拡張動作範囲メトロロジーターゲット800にオーバーレイしている。そのケースでは、第1の拡張動作範囲メトロロジーターゲット800の複数のサブターゲット802〜806の各々は、第2の拡張動作範囲メトロロジーターゲット800のそれぞれのサブターゲット802〜806にオーバーレイすることになる。実施形態において、第1の拡張動作範囲メトロロジーターゲット800は1つの層内にあり得、第2の拡張動作範囲メトロロジーターゲット800は、1つの他の層内にあり得る。実施形態において、第1の拡張動作範囲メトロロジーターゲット800は1つの層内にあり得、第2の拡張動作範囲メトロロジーターゲット800は、異なる層内の複数のサブターゲットの各々を有し得る。
[00127] さらに、多数のサブターゲットが単一レイアウト内に作成されている上に、複数のサブターゲットの各々は、(a)異なるプロセス条件、及び/又は(b)多層オーバーレイの異なる層ペアについて、設計される。言い換えれば、実施形態において、複数のサブターゲットのうちの第1のサブターゲット802は、複数のサブターゲットのうちの第2のサブターゲット804とは異なる設計を有する。実施形態において、サブターゲット802〜808の各々は異なる設計を有し得る。実施形態において、複数のサブターゲットのうちの2つ又はそれ以上のサブターゲット802、808は、複数のサブターゲットのうちの2つ又はそれ以上の他のサブターゲット804、806とは異なる設計を有し得る。
[00128] 図10を参照すると、異なるプロセス条件について設計された複数のサブターゲットを有する、(図9の設計の)拡張動作範囲メトロロジーターゲット900、902の例の使用が示されている。参照しやすいように、サブターゲット802、804、806、808は図10では一列に示されている。図9のレイアウトから理解されるように、図10のサブターゲット806、808は実際には、図10のサブターゲット802、804の「前」又は「後ろ」、すなわち、それぞれページの中又は外に配置されることになる。さらに、この実施形態において、第1の拡張動作範囲メトロロジーターゲット900は1つの層にあり、第2の拡張動作範囲メトロロジーターゲット902は1つの他の層にある。すなわち、図10では、第1の拡張動作範囲メトロロジーターゲット900のサブターゲット802、804、806、808の各々が、第2の拡張動作範囲メトロロジーターゲット902のそれぞれのサブターゲット802、804、806、808に少なくとも部分的にオーバーレイするように、第1の拡張動作範囲メトロロジーターゲット900のサブターゲット802、804、806、808の各々は上部層にあり、第2の拡張動作範囲メトロロジーターゲット902のサブターゲット802、804、806、808の各々は、第1の拡張動作範囲メトロロジーターゲット900の下の単一層内にある。
[00129] 図10の例では、サブターゲット802、804、806、808の各々は、異なるプロセススタックについて設計される。この例において、サブターゲット802は100nmの第1の層904及び100nmの第2の層906を有するプロセススタックについて設計され、サブターゲット804は100nmの第1の層904及び110nmの第2の層906を有する異なるプロセススタックについて設計され、サブターゲット806は110nmの第1の層904及び110nmの第2の層906を有する異なるプロセススタックについて設計され、サブターゲット808は120nmの第1の層904及び110nmの第2の層906を有するプロセススタックについて設計される。理解されるように、異なるプロセススタックの条件はこの例で使用される条件とは異なり得る。例えば、プロセス条件は層厚み以外とすることができる。他のプロセス条件は、屈折率、層材料、エッチ速度、焼成温度、露光フォーカス、露光ドーズ量などを含むことができる。さらに、本実施形態では、拡張動作範囲メトロロジーターゲット900は、オーバーレイしている関連付けられた拡張動作範囲メトロロジーターゲット902とは異なって設計されるが(例えば、図10において、拡張動作範囲メトロロジーターゲット902内の周期構造フィーチャはセグメント化されているが、拡張動作範囲メトロロジーターゲット900内の周期フィーチャはセグメント化されていない)、拡張動作範囲メトロロジーターゲット900と拡張動作範囲メトロロジーターゲット902とは同じであり得る。さらに、図10では4つの異なるプロセススタックが正常に測定されることが可能であるが、正常に測定されることが可能な異なる数のプロセススタックが存在し得る。
[00130] 設計の差異に関して、実施形態における差異は、サブターゲット802、804、806、808のうちの少なくとも1つとサブターゲット802、804、806、808のうちの別のものとの間の周期構造のピッチの差異である。実施形態において、ピッチは100nmから1000nmまでの範囲から選択される。実施形態において、設計における差異は、サブターゲット802、804、806、808のうちの少なくとも1つとサブターゲット802、804、806、808のうちの別のものとの間の周期構造のフィーチャ(例えば、ライン)又は空間幅における差異である。実施形態において、設計における差異は、サブターゲット802、804、806、808のうちの少なくとも1つとサブターゲット802、804、806、808のうちの別のものとの間の周期構造のフィーチャ(例えば、実線ではなく破線)のセグメント化における差異である。実施形態において、設計における差異は、サブターゲット802、804、806、808のうちの少なくとも1つとサブターゲット802、804、806、808のうちの別のものとの間の周期構造のバイアス(例えば、量及び/又は方向)における差異である。実施形態において、バイアスは1nmから60nmまでの範囲内で選択される。矢印はバイアスの方向の実施形態を示す。確かに、バイアスは必須ではない。実施形態において、設計における差異は、覆っている拡張動作範囲メトロロジーターゲット間のフィーチャ又は空間幅における差異(例えば、「上部及び下部CD」における差異)であり、例えば、第1の拡張動作範囲メトロロジーターゲットのサブターゲット802、804、806、808のうちの少なくとも1つのフィーチャ又は空間幅は、覆っている第2の拡張動作範囲メトロロジーターゲットのサブターゲット802、804、806、808のうちの関連付けられた少なくとも1つのフィーチャ又は空間幅とは異なる。実施形態において、設計における差異は、サブターゲット802、804、806、808及びそれらの関連付けられた周期構造のレイアウトにおける差異である。例えば、以下で説明する図12A〜図12Eを参照のこと。実施形態において、設計における差異は、サブターゲット802、804、806、808のうちの少なくとも1つとサブターゲット802、804、806、808のうちの別のものとの間の、測定ビームに最適な波長における差異である。サブターゲット802、804、806、808の各々に同じ波長の測定レシピが使用される場合、サブターゲット802、804、806、808は、各サブターゲット上で最小の性能損失を受け入れるように最適化することができる。あるいは実施形態において、複数のサブターゲットに多波長を使用することができるか、又は、サブターゲットに印加される広帯域放射から波長を分離することができる。理解されるように、設計パラメータの組み合わせが使用可能である。
[00131] したがって、実施形態において、第1の例では、拡張動作範囲メトロロジーターゲット900、902を、サブターゲット802の特徴を有するプロセススタック、すなわち、100nmの第1の層904及び100nmの第2の層906を有するプロセススタックに提供することができる。したがって、それらの拡張動作範囲メトロロジーターゲット900、902の測定が行われる時、サブターゲット802からの測定結果はそのプロセススタックにとって良好であるが、サブターゲット804、806、及び808からの測定結果はそれほど良好でないことになる。しかし、好都合なことに、第2の例では、同じ拡張動作範囲メトロロジーターゲット900、902を、サブターゲット804の特徴を有するプロセススタック、すなわち、100nmの第1の層904及び110nmの第2の層906を有するプロセススタックに提供することができる。したがって、それらの拡張動作範囲メトロロジーターゲット900、902の測定がこの異なるプロセススタック内で行われる時、サブターゲット804からの測定結果はこのケースではそのプロセススタックにとって良好であるが、サブターゲット802、806、及び808からの測定結果はそれほど良好でないことになる。
[00132] 測定結果が良好であるかどうかを判別するために、1つ以上の異なる技法を使用することができる。例えば、上述の第1の例において、サブターゲット804、806、及び808は事実上測定不可能であるため、それらからの測定結果が単にまったく又は大幅に劣る可能性はない。別の例において、サブターゲットの各々について残差(例えば、オーバーレイ残差)を測定することが可能であり、サブターゲットのうちの1つについてのより低いか又は最も低い残差は、サブターゲットからの測定結果が良好であることを意味し得る。別の例において、同じパラメータ(例えば、オーバーレイ)を別のプロセスによって測定することができる。例として、パラメータに関する値を決定するために電気試験を実行することが可能であり、電気試験によって測定された値に最も近い値を伴うサブターゲットは、そのサブターゲットからの測定結果が良好であることを意味し得る。
[00133] 図11を参照すると、多層オーバーレイについて複数のサブターゲットを有する(図9の設計の)拡張動作範囲メトロロジーターゲット1000、1002の使用例が示されている。参照しやすいように、サブターゲット802、804、806、808は、図11では一列に示されている。図9のレイアウトから理解されるように、図11のサブターゲット806、808は、実際には図11のサブターゲット802、804の「前」又は「後ろ」、すなわち、それぞれページの中又は外に配置されることになる。さらに、この実施形態において、第1の拡張動作範囲メトロロジーターゲット900は1つの層にあり、第2の拡張動作範囲メトロロジーターゲット902は異なる層内に複数のサブターゲットの各々を有する。すなわち、図11では、第1の拡張動作範囲メトロロジーターゲット900のサブターゲット802、804、806、808の各々が、第2の拡張動作範囲メトロロジーターゲット902のそれぞれのサブターゲット802、804、806、808に少なくとも部分的にオーバーレイするように、第1の拡張動作範囲メトロロジーターゲット900のサブターゲット802、804、806、808の各々は上部層にあり、第2の拡張動作範囲メトロロジーターゲット902のサブターゲット802、804、806、808の各々は、第1の拡張動作範囲メトロロジーターゲット900の下の異なる層内にある。
[00134] 図11の例では、サブターゲット802、804、806、808の各々は、異なる層について設計される。この例において、サブターゲット802は最上層と層1010との第1の層ペアについてオーバーレイを測定するために設計され、サブターゲット804は最上層と層1008との第2の層ペアについてオーバーレイを測定するために設計され、サブターゲット806は最上層と層1006との第3の層ペアについてオーバーレイを測定するために設計され、またサブターゲット808は最上層と層1004との第4の層ペアについてオーバーレイを測定するために設計される。この例において各サブターゲットは異なる層ペアを測定するが、実施形態において、2つ又はそれ以上のサブターゲットは第1の層ペアを測定し、1つ以上の他のサブターゲットは第2の層ペアを測定することができる。さらに、図11では4つの異なる層ペアを測定することが可能であるが、異なる数の層ペアを測定することも可能である。
[00135] 本実施形態において、第1の拡張動作範囲メトロロジーターゲット900のサブターゲット802、804、806、808の各々は同じ設計を有し、第1の拡張動作範囲メトロロジーターゲット900のサブターゲット802、804、806、808は、設計に関して、第2の拡張動作範囲メトロロジーターゲット902のサブターゲット802、804、806、808と同じである。しかしながら前述のように、第2の拡張動作範囲メトロロジーターゲット902のサブターゲット802、804、806、808のうちの2つ又はそれ以上は、依然として第1の拡張動作範囲メトロロジーターゲット900の下にあるが、異なる層内にある(したがって異なる設計である)。実施形態において、第1の拡張動作範囲メトロロジーターゲット900のサブターゲット802、804、806、808のうちの1つ以上は、第1の拡張動作範囲メトロロジーターゲット900のサブターゲット802、804、806、808のうちの別の1つ以上とは異なる設計を有し得る。実施形態において、第1の拡張動作範囲メトロロジーターゲット900のサブターゲット802、804、806、808のうちの1つ以上は、第2の拡張動作範囲メトロロジーターゲット902のサブターゲット802、804、806、808のうちの1つ以上とは異なる設計を有し得る。
[00136] 実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲット内のサブターゲット802、804、806、808の各々のロケーションにより、各特定の異なる層ペアについてのオーバーレイを容易に作ることができる。さらに、拡張動作範囲メトロロジーターゲットは各異なる層ペアについてサブターゲット802、804、806、808を有することから、複数の異なる層ペアの測定を1測定シーケンスで実行することが可能であり、例えば異なる層ペア各々の回折情報を一度にキャプチャすることができる。各異なる層ペアの測定されたオーバーレイ値を別々に使用する代わりに、又はそれに加えて、サブターゲット802、804、806、808を使用する測定の平均、中央値、又は他の統計値をプロセス制御に使用することができる。これは、サブターゲット802、804、806、808が小さいことに起因して、それらのうちの1つ以上の特定の信頼性に関する問題が存在する場合、有用であり得る。統計値は異常を無くすのに役立ち得る。
[00137] 図12A〜図12Eは、拡張動作範囲メトロロジーターゲットのさらなる実施形態を示す。実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲットのこれらの実施形態は、多層オーバーレイ測定のために設計される。しかしながら、追加又は代替として、これらの拡張動作範囲メトロロジーターゲットは、適切な修正と共にプロセススタック変動に使用可能である(すなわち、拡張動作範囲メトロロジーターゲットの異なるサブターゲットは、異なるプロセススタック状況について設計される)。もちろん、拡張動作範囲メトロロジーターゲットの設計可能性は、図9及び図12A〜図12Eに示されたものに限定されない。拡張動作範囲メトロロジーターゲットの異なる設計変動が、例えば、異なるか又はより多くのプロセススタック変動、異なる量の層、異なるレイアウト制約などに対応することが可能である。さらに、図12A〜図12E内の拡張動作範囲メトロロジーターゲット設計の各々が、2つのサブターゲットを示す。理解されるように、拡張動作範囲メトロロジーターゲットは2つより多くのサブターゲットを有し得る。
[00138] 実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲットは、放射に露光されるフィーチャの数を最大にするように設計される。実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲットは、同じタイプの周期構造(例えば、同じ寸法、領域など)を最大にするように設計される。実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲットは、
1つのサブターゲットの周期構造のサイズを別のサブターゲットの周期構造のサイズに対して最大にする一方で、それらのサブターゲットの各々についてほぼ同じか又は同様の回折効率を維持するように設計される。
[00139] 図12Aを参照すると、第1のサブターゲット1202及び第2のサブターゲット1204を有する、拡張動作範囲メトロロジーターゲット1200の実施形態が示されている。図9の拡張動作範囲メトロロジーターゲットと比較すると、サブターゲットは互いに「交互配置」されており、このケースでは、第2のサブターゲット1204の周期構造は拡張動作範囲メトロロジーターゲット1200の中心で交わっており、第1のサブターゲット1202の周期構造は周囲に配置されている。本実施形態において、第1のサブターゲット1202の各周期構造の長さL1及び幅W1は、第2のサブターゲット1204の各周期構造の長さL2(図12Bを参照のこと)及び幅W2とほぼ同じである。実施形態において、長さL1、L2は8μmであり、幅W1、W2は4μmである。実施形態において、フィーチャ長さは3500〜4000nmの範囲内、例えば3875nmである。実施形態において、第1と第2のサブターゲットの周期構造の隣接する側面の間の間隔は、150〜400nmの範囲内、例えば250nmである。実施形態において、間隔は、第1と第2のサブターゲットの周期構造のすべての隣接する側面の間で均一ではない。実施形態において、第1と第2のサブターゲット1202、1204の間にバイアス差があり得る。矢印は、バイアスの方向の実施形態を示す。確かに、バイアスは必須ではない。実施形態において、バイアスは60nm未満か又はこれに等しい。実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲット1200は、30nm又はそれ未満の範囲のオーバーレイを測定することができる。
[00140] 図12Bを参照すると、第1のサブターゲット1222及び第2のサブターゲット1224を有する拡張動作範囲メトロロジーターゲット1220の実施形態が示されている。サブターゲットの各々は、拡張動作範囲メトロロジーターゲット1220の別個の連続部分である。このケースでは、第1のサブターゲット1222は「上」部にあり、第2のサブターゲット1224は「下」部にある。本実施形態において、第1のサブターゲット1222の各周期構造の長さL1及び幅W1は、第2のサブターゲット1224の各周期構造の長さL2及び幅W2とほぼ同じである。実施形態において、長さL1、L2は8μmであり、幅W1、W2は4μmである。実施形態において、フィーチャ長さは3500〜4000nmの範囲内、例えば3875nmである。実施形態において、第1と第2のサブターゲットの周期構造の隣接する側面の間の間隔は、150〜400nmの範囲内、例えば250nmである。実施形態において、間隔は、第1と第2のサブターゲットの周期構造のすべての隣接する側面の間で均一ではない。実施形態において、第1と第2のサブターゲット1222、1224の間にバイアス差があり得る。矢印は、バイアスの方向の実施形態を示す。確かに、バイアスは必須ではない。実施形態において、バイアスは60nm未満か又はこれに等しい。実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲット1220は、30nm又はそれ未満の範囲のオーバーレイを測定することができる。
[00141] 図12Cを参照すると、第1のサブターゲット1242及び第2のサブターゲット1244を有する拡張動作範囲メトロロジーターゲット1240の実施形態が示されている。図12Cの設計は、サブターゲットは互いに「交互配置」されており、このケースでは、第2のサブターゲット1244の周期構造は拡張動作範囲メトロロジーターゲット1240の中心で交わっており、第1のサブターゲット1242の周期構造は周囲に配置されているという点で、図12Aの設計と同様である。本実施形態において、第1のサブターゲット1242の各周期構造の長さL1は、第2のサブターゲット1244の各周期構造の長さL2とは異なり、第1のサブターゲット1242の各周期構造の幅W1は、第2のサブターゲット1244の各周期構造の幅W2とほぼ同じである。実施形態において、長さL1は6μmであり、幅W1は4.9μmである。実施形態において、長さL2は10.4μmであり、幅W2は4.9μmである。実施形態において、フィーチャ長さは3500〜4000nmの範囲内、例えば3875nmである。実施形態において、第1と第2のサブターゲットの周期構造の隣接する側面の間の間隔は、150〜400nmの範囲内、例えば250nmである。実施形態において、間隔は、第1と第2のサブターゲットの周期構造のすべての隣接する側面の間で均一ではない。実施形態において、第1と第2のサブターゲット1242、1244の間にバイアス差があり得る。矢印は、バイアスの方向の実施形態を示す。確かに、バイアスは必須ではない。実施形態において、バイアスは60nm未満か又はこれに等しい。実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲット1240は、30nm又はそれ未満の範囲のオーバーレイを測定することができる。本実施形態は、層の材料、厚みなどの性質が下層からの回折放射を大幅に減衰させるか、あるいは他の方法で阻害することから、第2のサブターゲット1244が第1のサブターゲット1242よりも下の層に使用される多層オーバーレイにとって有利であり得る。拡張動作範囲メトロロジーターゲットを設計するためのソフトウェア(以下でより詳細に説明する)は、第1及び第2のサブターゲット1242、1244の各々の回折効率がほぼ同じか又は同様であるように、層の材料、厚みなどの性質に基づいて、第1及び第2のサブターゲット1242、1244の周期構造の設計パラメータ(例えば、フィーチャ及び空間の幅、ピッチ、レイアウトなど)を選択することができる。これは、測定センサが、第1のサブターゲット1242又は第2のサブターゲット1244から過度の回折放射をクリッピングするのを防ぐのを助けることができる。
[00142] 図12Dを参照すると、第1のサブターゲット1262及び第2のサブターゲット1264を有する拡張動作範囲メトロロジーターゲット1260の実施形態が示されている。図12Dの設計は図12Cの設計と同様であるが、設計がより対称的であるという点が異なっている。このケースでは、第2のサブターゲット1264は十字型であり、第1のサブターゲット1262は周辺に配置されている。本実施形態において、第1のサブターゲット1262の各周期構造の長さL1は、第2のサブターゲット1264の各周期構造の長さL2とは異なり、第1のサブターゲット1262の各周期構造の幅W1は、第2のサブターゲット1264の各周期構造の幅W2とほぼ同じである。実施形態において、長さL1は5.4μmであり、幅W1は5.4μmである。実施形態において、長さL2は7.5μmであり、幅W2は5.4μmである。実施形態において、フィーチャ長さは3500〜4000nmの範囲内、例えば3875nmである。実施形態において、第1と第2のサブターゲットの周期構造の隣接する側面の間の間隔は、150〜400nmの範囲内、例えば250nmである。実施形態において、間隔は、第1と第2のサブターゲットの周期構造のすべての隣接する側面の間で均一ではない。実施形態において、第1と第2のサブターゲット1262、1264の間にバイアス差があり得る。矢印は、バイアスの方向の実施形態を示す。確かに、バイアスは必須ではない。実施形態において、バイアスは60nm未満か又はこれに等しい。実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲット1260は、30nm又はそれ未満の範囲のオーバーレイを測定することができる。本実施形態は、層の材料、厚みなどの性質が下層からの回折放射を大幅に減衰させるか、あるいは他の方法で阻害することから、第2のサブターゲット1264が第1のサブターゲット1262よりも下の層に使用される多層オーバーレイにとって有利であり得る。拡張動作範囲メトロロジーターゲットを設計するためのソフトウェア(以下でより詳細に説明する)は、第1及び第2のサブターゲット1262、1264の各々の回折効率がほぼ同じか又は同様であるように、層の材料、厚みなどの性質に基づいて、第1及び第2のサブターゲット1262、1264の周期構造の設計パラメータ(例えば、フィーチャ及び空間の幅、ピッチ、レイアウトなど)を選択することができる。これは、測定センサが、第1のサブターゲット1262又は第2のサブターゲット1264から過度の回折放射をクリッピングするのを防ぐのを助けることができる。この設計は図12Cの設計よりも若干均衡が取れている。
[00143] 図12Eを参照すると、第1のサブターゲット1282及び第2のサブターゲット1284を有する拡張動作範囲メトロロジーターゲット1280の実施形態が示されている。図12Eの設計は、第1及び第2のサブターゲット1282及び1284の周期構造が異なるという点で、図12C及び図12Dの設計と同様である。図12Eの設計において、第1のサブターゲット1282の周期構造は内部に集中しており、第2のサブターゲット1284の周期構造は周辺に配置されている。本実施形態において、第1のサブターゲット1282の各周期構造の長さL1及び幅W1は、第2のサブターゲット1284の各周期構造の長さL2及び幅W2とは異なる。実施形態において、長さL1は6.25μmであり、幅W1は6.25μmである。実施形態において、長さL2は12.5μmであり、幅W2は7.5μmである。実施形態において、フィーチャ長さは3500〜4000nmの範囲内、例えば3875nmである。実施形態において、第1と第2のサブターゲットの周期構造の隣接する側面の間の間隔は、150〜400nmの範囲内、例えば250nmである。実施形態において、間隔は、第1と第2のサブターゲットの周期構造のすべての隣接する側面の間で均一ではない。実施形態において、第1と第2のサブターゲット1282、1284の間にバイアス差があり得る。矢印は、バイアスの方向の実施形態を示す。確かに、バイアスは必須ではない。実施形態において、バイアスは60nm未満か又はこれに等しい。実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲット1280は、30nm又はそれ未満の範囲のオーバーレイを測定することができる。本実施形態は、層の材料、厚みなどの性質が下層からの回折放射を大幅に減衰させるか、あるいは他の方法で阻害することから、第2のサブターゲット1284が第1のサブターゲット1282よりも下の層に使用される多層オーバーレイにとって有利であり得る。拡張動作範囲メトロロジーターゲットを設計するためのソフトウェア(以下でより詳細に説明する)は、第1及び第2のサブターゲット1282、1284の各々の回折効率がほぼ同じか又は同様であるように、層の材料、厚みなどの性質に基づいて、第1及び第2のサブターゲット1282、1284の周期構造の設計パラメータ(例えば、フィーチャ及び空間の幅、ピッチ、レイアウトなど)を選択することができる。これは、測定センサが、第1のサブターゲット1282又は第2のサブターゲット1284から過度の回折放射をクリッピングするのを防ぐのを助けることができる。この設計は図12Cの設計よりも若干均衡が取れている。さらに本実施形態において、第1のサブターゲット1282は測定スポットよりも小さい(すわなち、第1のサブターゲット1282は充填過多である)可能性があるが、第2のサブターゲット1284は測定スポットよりも大きくなる(すなわち、第2のサブターゲット1284は充填不足である)。充填不足の間、測定を行うために十分な第2のサブターゲット1284がキャプチャされ得る。
[00144] 図22(A)〜図22(C)を参照すると、多層オーバーレイのための複数のサブターゲットを有する拡張動作範囲メトロロジーターゲット1500、1502の使用例が示されている。本実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲット1500、1502はサブターゲット1504及び1506を備える。サブターゲット1504が周期構造1508を備える一方で、サブターゲット1506は周期構造1510を備える。
[00145] この例において、図22(A)は、層1と指定された低位層内のサブターゲット1504の周期構造1510のロケーションを示す。図22(B)は、層1よりも上に位置する、層2と指定された高位層内のサブターゲット1506の周期構造1512のロケーションを示す。図22(C)は、層1及び2よりも上に位置する、層3と指定された高位層内のサブターゲット1504及び1506の周期構造のロケーションを示す。層は互いに直接隣接する必要はない。例えば、層1と層2との間、又は層2と層3との間に、1つ以上の他の層を提供することが可能であり、他の層は図22(A)〜図22(C)の周期構造のいずれかと重複する周期構造を内部に有していないことになる。実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲット1500、1502は1つ以上のさらなるサブターゲットを有することができる。実施形態において、1つ以上のさらなるサブターゲットの各々は、それぞれ1つ以上のさらなる層内に配置することができる(したがって、さらなる層ペアを測定することができる)。
[00146] さらに、実際には、図22(C)内の周期構造は図22(A)内の周期構造を少なくとも部分的に覆うことになり、図22(C)内の周期構造は図22(B)内の周期構造を少なくとも部分的に覆うことになる。特に、図22(C)内の周期構造1510は、図22(A)内の周期構造1510を少なくとも部分的に覆うことになる。さらに、図22(C)内の周期構造1512は、図22(B)内の周期構造1512を少なくとも部分的に覆うことになる。実施形態において、層内の周期構造の順序は変更可能である。例えば図22(C)は層2に配置可能である一方で、図22(B)は層3に配置可能である(このケースでは、図22(A)は層1にあるはずである)か、又は層1に配置可能である(このケースでは、図22(A)は層3にあるはずである)。このケースでは、異なる層ペアの組み合わせ、すなわち、層1と層2の間、及び/又は層2と層3との間のオーバーレイが測定可能である。あるいは、例えば図22(C)は層1に配置可能である一方で、図22(B)は依然として層2に配置可能である(したがって、図22(A)は層3に配置されることになる)か、又は図22(B)は層3に配置可能である(このケースでは、図22(A)は層2に配置されることになる)。
[00147] 本実施形態において、サブターゲット1504の周期構造1510のフィーチャは、Y方向として命名可能な第1の方向に延在する。これに応じて、周期構造1510は、X方向として命名可能な第2の方向にオーバーレイを決定することが可能であり、この方向は第1の方向に対してほぼ直角である。さらに、サブターゲット1506の周期構造1512のフィーチャは、同じ第1の方向に延在する。したがって、周期構造1512は同様にX方向にオーバーレイを決定することができる。
[00148] 実施形態において、サブターゲット1504の周期構造1510のフィーチャは第2の方向に延在する。そのケースでは、周期構造1510はY方向にオーバーレイを決定することができる。さらに、サブターゲット1506の周期構造1512のフィーチャは同じ第2の方向に延在することになる。このようにして、周期構造1512は同様にY方向にオーバーレイを決定することができることになる。
[00149] したがって、図22の実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲット1500、1502は、層1(図22(A))と層3(図22(C))との間でX方向(又はY方向)にオーバーレイを決定することが可能である一方で、層2(図22(B))と層3(図22(C))との間でX方向にオーバーレイを決定することも可能である。したがって、単一の測定シーケンスでは、異なる層ペア間で同じ方向にオーバーレイを達成することができる。
[00150] 適切な1つ以上の周期構造が、関連付けられた1つ以上の周期構造に少なくとも部分的にオーバーレイしていることを保証するのを助けるための周期構造のアライメントのチェックを容易にするために、任意選択マーカ1508を複数の層の各々に提供することができる。例えば、周期構造が他の周期構造を全体として覆うことを保証するのを助けるために、マーカ1508を使用して粗なアライメントを実行することができる(例えば、1つのマーカ1508が別のマーカと大幅に整合されていない場合、ターゲットを使用して測定することができない)。追加又は代替として、マーカ1508を使用して、ターゲットの中心での測定ビームスポットのアライメントを容易にすることができる。
[00151] 図23(A)〜図23(C)を参照すると、多層オーバーレイについての複数のサブターゲットを有する拡張動作範囲メトロロジーターゲット1600、1602の使用例が示されている。本実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲット1600、1602はサブターゲット1604、1606、1608、1610を備える。サブターゲット1604は周期構造1612を備え、サブターゲット1606は周期構造1614を備え、サブターゲット1608は周期構造1616を備え、サブターゲット1610は周期構造1618を備える。
[00152] この例では、図23(A)は、層1と指定された低位層内のサブターゲット1606の周期構造1614及びサブターゲット1608の周期構造1616のロケーションを示す。図23(B)は、層1よりも上に位置する、層2と指定された高位層内のサブターゲット1604の周期構造1612及びサブターゲット1610の周期構造1618のロケーションを示す。図23(C)は、層1及び2よりも上に位置する、層3と指定された高位層内のサブターゲット1604、1606、1608、1610の周期構造のロケーションを示す。層は互いに直接隣接する必要はない。例えば、層1と層2との間、又は層2と層3との間に、1つ以上の他の層を提供することが可能であり、他の層は図23(A)〜図23(C)の周期構造のいずれかと重複する周期構造を内部に有していないことになる。
[00153] さらに、実際には、図23(C)内の周期構造は図23(A)内の周期構造を少なくとも部分的に覆うことになり、図23(C)内の周期構造は図23(B)内の周期構造を少なくとも部分的に覆うことになる。特に、図23(C)内の周期構造1614及び1616は、図23(A)内の周期構造1614及び1616を少なくとも部分的に覆うことになる。さらに、図23(C)内の周期構造1612及び1618は、図23(B)内のそれぞれの周期構造1612及び1618を少なくとも部分的に覆うことになる。実施形態において、層内の周期構造の順序は変更可能である。例えば図23(C)は層2に配置可能である一方で、図23(B)は層3に配置可能である(このケースでは、図23(A)は層1にあるはずである)か、又は層1に配置可能である(このケースでは、図23(A)は層3にあるはずである)。このケースでは、異なる層ペアの組み合わせ、すなわち、層1と層2の間、及び/又は層2と層3との間のオーバーレイが測定可能である。あるいは、例えば図23(C)は層1に配置可能である一方で、図23(B)は依然として層2に配置可能である(したがって、図23(A)は層3に配置されることになる)か、又は図23(B)は層3に配置可能である(このケースでは、図23(A)は層2に配置されることになる)。
[00154] 本実施形態において、サブターゲット1604の周期構造1612のフィーチャは、Y方向として命名可能な第1の方向に延在する。これに応じて、周期構造1612は、X方向として命名可能な第2の方向にオーバーレイを決定することが可能であり、この方向は第1の方向に対してほぼ直角である。さらに、サブターゲット1606の周期構造1614のフィーチャ、サブターゲット1608の周期構造1616のフィーチャ、及びサブターゲット1610の周期構造1618のフィーチャは、同じ第1の方向に延在する。したがって、周期構造1614、1616、及び1618は、それぞれ同様にX方向にオーバーレイを決定することができる。
[00155] 実施形態において、サブターゲット1604の周期構造1612のフィーチャは第2の方向に延在する。そのケースでは、周期構造1612はY方向にオーバーレイを決定することができる。さらに、周期構造1614、1616、及び1618のフィーチャは同じ第2の方向に延在することになる。したがって、周期構造1614、1616、及び1618は同様にY方向にオーバーレイを決定することができることになる。
[00156] したがって、図23の実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲット1600、1602は、層1(図23(A))と層3(図23(C))との間でX方向(又はY方向)にオーバーレイを決定することが可能である一方で、層2(図23(B))と層3(図23(C))との間でX方向にオーバーレイを決定することも可能である。さらに、このケースでは、X方向(又はY方向)のオーバーレイは、少なくとも2つのサブターゲットの1つ以上の周期構造が各層内にあることに起因して、各層ペアについて少なくとも2回測定されることになる。例えば、実施形態において、層1と層3との間のX方向(又はY方向)のオーバーレイは、少なくともサブターゲット1604及び1610の各々によって測定される。同様に、例えば実施形態において、層2と層3との間のX方向(又はY方向)のオーバーレイは、少なくともサブターゲット1606及び1608の各々によって測定される。したがって、単一の測定シーケンスで、異なる層ペア間の同じ方向のオーバーレイを、各層ペアについて複数回達成することができる。オーバーレイの結果は、統計的に組み合わせる(例えば、平均する)か、又は、重み付けによって組み合わせることができる(例えば、1つのサブターゲットを使用して層ペアについて測定されたオーバーレイ値は、別のサブターゲットを使用して測定されたその層ペアについてのオーバーレイ値よりも多く重み付けされる)。
[00157] 図24(A)〜図24(C)を参照すると、多層オーバーレイのための複数のサブターゲットを有する拡張動作範囲メトロロジーターゲット1700、1702の使用例が示されている。本実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲット1700、1702はサブターゲット1704及び1706を備える。サブターゲット1704が周期構造1708を備える一方で、サブターゲット1706は周期構造1710を備える。
[00158] この例において、図24(A)は、層1と指定された低位層内のサブターゲット1704の周期構造1708のロケーションを示す。図24(B)は、層1よりも上に位置する、層2と指定された高位層内のサブターゲット1706の周期構造1710のロケーションを示す。図24(C)は、層1及び2よりも上に位置する、層3と指定された高位層内のサブターゲット1704及び1706の周期構造のロケーションを示す。層は互いに直接隣接する必要はない。例えば、層1と層2との間、又は層2と層3との間に、1つ以上の他の層を提供することが可能であり、他の層は図24(A)〜図24(C)の周期構造のいずれかと重複する周期構造を内部に有していないことになる。
[00159] さらに、実際には、図24(C)内の周期構造は図24(A)内の周期構造を少なくとも部分的に覆うことになり、図24(C)内の周期構造は図24(B)内の周期構造を少なくとも部分的に覆うことになる。特に、図24(C)内の周期構造1708は、図24(A)内の周期構造1708を少なくとも部分的に覆うことになる。さらに、図24(C)内の周期構造1710は、図24(B)内の周期構造1710を少なくとも部分的に覆うことになる。実施形態において、層内の周期構造の順序は変更可能である。例えば図24(C)は層2に配置可能である一方で、図24(B)は層3に配置可能である(このケースでは、図24(A)は層1にあるはずである)か、又は層1に配置可能である(このケースでは、図24(A)は層3にあるはずである)。このケースでは、異なる層ペアの組み合わせ、すなわち、層1と層2の間、及び/又は層2と層3との間のオーバーレイが測定可能である。あるいは、例えば図24(C)は層1に配置可能である一方で、図24(B)は依然として層2に配置可能である(したがって、図24(A)は層3に配置されることになる)か、又は図24(B)は層3に配置可能である(このケースでは、図24(A)は層2に配置されることになる)。
[00160] 本実施形態において、サブターゲット1704の周期構造1708のフィーチャは、Y方向として命名可能な第1の方向に延在する。これに応じて、周期構造1708は、X方向として命名可能な第2の方向にオーバーレイを決定することが可能であり、この方向は第1の方向に対してほぼ直角である。さらに、サブターゲット1706の周期構造1710のフィーチャは、第2の方向に延在する。したがって、周期構造1710はY方向にオーバーレイを決定することができる。
[00161] 実施形態において、サブターゲット1704の周期構造1708のフィーチャは第2の方向に延在する。そのケースでは、周期構造1708はY方向にオーバーレイを決定することができる。さらに、サブターゲット1706の周期構造1710のフィーチャは同じ第2の方向に延在することになる。このようにして、周期構造1710は同様にY方向にオーバーレイを決定することができることになる。
[00162] したがって、図24の実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲット1700、1702は、層1(図24(A))と層3(図24(C))との間でX方向にオーバーレイを決定することが可能である一方で、層2(図24(B))と層3(図24(C))との間でY方向にオーバーレイを決定することも可能である。あるいは、例えば図24(B)を層1にシフトすること、及び、図24(A)を層2にシフトすることによって、拡張動作範囲メトロロジーターゲット1700、1702は、そのケースでは、層1と層3との間でY方向にオーバーレイを決定することができることになる一方で、層2と層3との間でX方向にオーバーレイを決定することもできることになる。したがって、単一の測定シーケンスで、異なる層ペア間で異なる方向にオーバーレイを達成することができる。
[00163] 図25(A)〜図25(C)を参照すると、多層オーバーレイについての複数のサブターゲットを有する拡張動作範囲メトロロジーターゲット1800、1802の使用例が示されている。本実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲット1800、1802はサブターゲット1804、1806、1808、及び1812を備える。サブターゲット1804は周期構造1812を備え、サブターゲット1806は周期構造1814を備え、サブターゲット1808は周期構造1816を備え、サブターゲット1810は周期構造1818を備える。
[00164] この例では、図25(A)は、層1と指定された低位層内のサブターゲット1808の周期構造1816及びサブターゲット1810の周期構造1818のロケーションを示す。図25(B)は、層1よりも上に位置する、層2と指定された高位層内のサブターゲット1806の周期構造1812及びサブターゲット1806の周期構造1814のロケーションを示す。図25(C)は、層1及び2よりも上に位置する、層3と指定された高位層内のサブターゲット1804、1806、1808、及び1810の周期構造のロケーションを示す。層は互いに直接隣接する必要はない。例えば、層1と層2との間、又は層2と層3との間に、1つ以上の他の層を提供することが可能であり、他の層は図25(A)〜図25(C)の周期構造のいずれかと重複する周期構造を内部に有していないことになる。
[00165] さらに、実際には、図25(C)内の周期構造は図25(A)内の周期構造を少なくとも部分的に覆うことになり、図25(C)内の周期構造は図25(B)内の周期構造を少なくとも部分的に覆うことになる。特に、図25(C)内の周期構造1816及び1818は、図25(A)内の関連付けられた周期構造1816及び1818を少なくとも部分的に覆うことになる。さらに、図25(C)内の周期構造1812及び1814は、図25(B)内の関連付けられた周期構造1812及び1814を少なくとも部分的に覆うことになる。実施形態において、層内の周期構造の順序は変更可能である。例えば図25(C)は層2に配置可能である一方で、図25(B)は層3に配置可能である(このケースでは、図25(A)は層1にあるはずである)か、又は層1に配置可能である(このケースでは、図25(A)は層3にあるはずである)。このケースでは、異なる層ペアの組み合わせ、すなわち、層1と層2の間、及び/又は層2と層3との間のオーバーレイが測定可能である。あるいは、例えば図25(C)は層1に配置可能である一方で、図25(B)は依然として層2に配置可能である(したがって、図25(A)は層3に配置されることになる)か、又は図25(B)は層3に配置可能である(このケースでは、図25(A)は層2に配置されることになる)。
[00166] 本実施形態において、サブターゲット1804の周期構造1812及びサブターゲット1806の周期構造1814のフィーチャは、Y方向として命名可能な第1の方向に延在する。これに応じて、周期構造1812及び1814は、X方向として命名可能な第2の方向にオーバーレイをそれぞれ決定することが可能であり、この方向は第1の方向に対してほぼ直角である。さらに、サブターゲット1808の周期構造1816及びサブターゲット1810の周期構造1818のフィーチャは、第2の方向に延在する。周期構造1816及び1818はこれに応じて、それぞれY方向にオーバーレイを決定することができる。
[00167] 実施形態において、サブターゲット1804の周期構造1812及びサブターゲット1806の周期構造1814のフィーチャは第2の方向に延在する。そのケースでは、周期構造1812及び1814はY方向にオーバーレイを決定することができる。さらに、そのケースでは、サブターゲット1808の周期構造1816及びサブターゲット1810の周期構造1818のフィーチャは、第1の方向に延在することになる。したがって、そのケースでは、周期構造1816及び1818はX方向にオーバーレイを決定することができる。
[00168] したがって、図25の実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲット1800、1802は、層2(図25(B))と層3(図25(C))との間でX方向にオーバーレイを決定することが可能である一方で、層1(図25(A))と層3(図25(C))との間でY方向にオーバーレイを決定することも可能である。あるいは、例えば図25(B)を層1にシフトすること、及び、図25(A)を層2にシフトすることによって、拡張動作範囲メトロロジーターゲット1800、1802は、そのケースでは、層1と層3との間でX方向にオーバーレイを決定することができることになる一方で、層2と層3との間でY方向にオーバーレイを決定することもできることになる。さらに、このケースでは、(X方向及びY方向)のオーバーレイは、少なくとも2つのサブターゲットの1つ以上の周期構造が各層内にあることに起因して、各層ペアについて少なくとも2回測定されることになる。例えば、実施形態において、層2と層3との間のX方向のオーバーレイは、少なくともサブターゲット1804及び1806の各々によって測定される。同様に、例えば実施形態において、層1と層3との間のY方向のオーバーレイは、少なくともサブターゲット1808及び1810の各々によって測定される。したがって、単一の測定シーケンスで、異なる層ペア間の異なる方向のオーバーレイを、各層ペアについて複数回達成することができる。オーバーレイの結果は、統計的に組み合わせる(例えば、平均する)か、又は、重み付けによって組み合わせることができる(例えば、1つのサブターゲットを使用して層ペアについて測定されたオーバーレイ値は、別のサブターゲットを使用して測定されたその層ペアについてのオーバーレイ値よりも多く重み付けされる)。
[00169] 図26(A)〜図26(E)を参照すると、多層オーバーレイについての複数のサブターゲットを有する拡張動作範囲メトロロジーターゲット1800、1802の使用例が示されている。本実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲット1800、1802はサブターゲット1804、1806、1810、及び1812を備える。サブターゲット1804は周期構造1812を備え、サブターゲット1806は周期構造1814を備え、サブターゲット1808は周期構造1816を備え、サブターゲット1810は周期構造1818を備える。
[00170] この例では、図26(A)は、層1と指定された低位層内のサブターゲット1806の周期構造1814のロケーションを示す。図26(B)は、層1よりも上に位置する、層2と指定された高位層内のサブターゲット1810の周期構造1818のロケーションを示す。図26(C)は、層1及び2よりも上に位置する、層3と指定された高位層内のサブターゲット1808の周期構造1816のロケーションを示す。図26(D)は、層1〜3よりも上に位置する、層4と指定された高位層内のサブターゲット1804の周期構造1812のロケーションを示す。図26(E)は、層1〜4よりも上に位置する、層5と指定された高位層内のサブターゲット1804、1806、1808、及び1810の周期構造のロケーションを示す。層は互いに直接隣接する必要はない。例えば、層1と層2との間、層2と層3との間、層3と層4との間、及び/又は層4と層5との間に、1つ以上の他の層を提供することが可能であり、他の層は図26(A)〜図26(E)の周期構造のいずれかと重複する周期構造を内部に有していないことになる。
[00171] さらに、実際には、図26(E)内の周期構造は図26(A)内の周期構造を少なくとも部分的に覆うことになり、図26(E)内の周期構造は図26(B)内の周期構造を少なくとも部分的に覆うことになり、図26(E)内の周期構造は図26(C)内の周期構造を少なくとも部分的に覆うことになり、図26(E)内の周期構造は図26(D)内の周期構造を少なくとも部分的に覆うことになる。特に、図26(E)内の周期構造1814は、図26(A)内の周期構造1814を少なくとも部分的に覆うことになる。さらに、図26(E)内の周期構造1818は、図26(B)内の周期構造1818を少なくとも部分的に覆うことになり、図26(E)内の周期構造1816は、図26(C)内の周期構造1816を少なくとも部分的に覆うことになり、図26(E)内の周期構造1812は、図26(D)内の周期構造1812を少なくとも部分的に覆うことになる。実施形態において、層内の周期構造の順序は変更可能である。例えば図26(E)は層3に配置可能である一方で、図26(C)は層5に、又はそうでなければその層にあるはずの構造が別の層に移動するならば別の層に配置可能である。このケースでは、異なる層ペアの組み合わせ、すなわち、層1と層3の間、層2と層3との間、層3と層4の間、及び/又は層3と層5との間のオーバーレイが測定可能である。あるいは、例えば図26(E)は層2に配置可能である一方で、図26(B)は層5に、又はそうでなければその層にあるはずの構造が別の層に移動するならば別の層に配置可能である。
[00172] 本実施形態において、サブターゲット1804の周期構造1812及びサブターゲット1806の周期構造1814のフィーチャは、Y方向として命名可能な第1の方向に延在する。これに応じて、周期構造1812及び1814は、X方向として命名可能な第2の方向にオーバーレイをそれぞれ決定することが可能であり、この方向は第1の方向に対してほぼ直角である。さらに、サブターゲット1808の周期構造1816及びサブターゲット1810の周期構造1818のフィーチャは、第2の方向に延在する。周期構造1816及び1818はこれに応じて、それぞれY方向にオーバーレイを決定することができる。
[00173] 実施形態において、サブターゲット1804の周期構造1812及びサブターゲット1806の周期構造1814のフィーチャは第2の方向に延在する。そのケースでは、周期構造1812及び1814はY方向にオーバーレイを決定することができる。さらに、そのケースでは、サブターゲット1808の周期構造1816及びサブターゲット1810の周期構造1818のフィーチャは、第1の方向に延在することになる。したがって、そのケースでは、周期構造1816及び1818はX方向にオーバーレイを決定することができる。
[00174] したがって、図26の実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲット1800、1802は、層1(図26(A))と層5(図26(E))との間で、及び層4(図26(D))と層5(図26(E))との間で、X方向にオーバーレイを決定することが可能である一方で、層2(図26(B))と層5(図26(E))との間で、及び層3(図26(C))と層5(図26(E))との間で、Y方向にオーバーレイを決定することも可能である。あるいは、例えば図26(B)を層1にシフトすること、及び、図26(A)を層2にシフトすることによって、拡張動作範囲メトロロジーターゲット1800、1802は、そのケースでは、層2と層5との間でX方向にオーバーレイを決定することができることになる一方で、層1と層5との間でY方向にオーバーレイを決定することもできることになる。あるいは、例えば図26(C)を層4にシフトすること、及び、図26(D)を層3にシフトすることによって、拡張動作範囲メトロロジーターゲット1800、1802は、そのケースでは、層3と層5との間でX方向にオーバーレイを決定することができることになる一方で、層4と層5との間でY方向にオーバーレイを決定することもできることになる。したがって、単一の測定シーケンスで、異なる層ペア間で異なる方向にオーバーレイを達成することができる。
[00175] さらに、図24〜図26の実施形態では、1つの特定の方向にフィーチャを有する周期構造を備えるものとして、サブターゲットを説明及び図示してきた。これは必ずしも当てはまるとは限らない。むしろ図24〜図26では、サブターゲットは、第1の方向にフィーチャを有する1つ以上の周期構造を備え、第2の異なる方向にフィーチャを有する1つ以上の周期構造を備えることができる。例えば図24において、サブターゲット1704は周期構造1708及び周期構造1710を備えることができる。同様にサブターゲット1706は、周期構造1708及び周期構造1710を備えることができる。同様にグループ分けが、図25及び図26で適用可能である。
[00176] 拡張動作範囲メトロロジーターゲットは、例えばプロセス開発段階及び多層オーバーレイ測定において、メトロロジーターゲットを用いる新しい作業方法を切り開くことができる。進化したノード(例えば、困難且つ変動するプロセス及び/又はマルチパターニング(例えばダブルパターニング)のための多層を備える)において、デバイス設計者及び製造者は、動的にプロセススタックの変更及び/又は多層の使用を行い、メトロロジーが働くことを予測する。拡張動作範囲メトロロジーターゲットは、メトロロジー測定により多くのプロセスロバストネスをもたらし、相対的に未知のプロセススタックでのメトロロジーの初回成功の機会を増加させることができる。例えば、拡張動作範囲メトロロジーターゲットの各サブターゲットのうちの少なくとも一部が測定スポットの領域内にある場合、測定速度の利益が実現できる。測定スポットの領域内にある場合、拡張動作範囲メトロロジーターゲットは、例えば、プロセス条件が未知の可能性があるプロセススタックでの、メトロロジーの初回成功の機会を増加させることが可能である。さらに、拡張動作範囲メトロロジーターゲットは、多層の高速測定を実行可能にすること、及び/又は、プロセススタックにおける大幅な変動を扱うことが可能であり、ターゲット「実装面積」、パターニングデバイス製造、及び/又はスループットに関するコストが低減される。また、既存のメトロロジー装置を使用する開発及び/又は製造時に、拡張動作範囲メトロロジーターゲットを使用することが可能であり、センサハードウェアを変更する必要がない可能性がある。
[00177] 前述のように、実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲットを設計するためのシステム及び方法が提供される。実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲットは、予測される異なるプロセススタック及び/又は望ましい多層オーバーレイ測定に好適なはずである。さらに、拡張動作範囲メトロロジーターゲットは、典型的なプロセス変動(異なるプロセススタックからの大幅な差異とは異なる)をカバーできるはずである。したがって、実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲットのロバストネスを保証するのを助けるために、設計メトロロジーが採用される。すなわち、拡張動作範囲メトロロジーターゲットは、そのサブターゲット及びその関連付けられた周期構造を含めて、拡張動作範囲メトロロジーターゲットのロバストネスを保証するのを助けるために、プロセススタック情報を使用する計算及び/又はシミュレーションによって設計することができる。特に、異なるプロセススタックのための拡張動作範囲メトロロジーターゲットの場合、サブターゲットに関連付けられた特定の異なるプロセススタックに関連付けられた予測される典型的なプロセス変動について、各サブターゲットのロバストネスを決定することができる。
[00178] 示唆したように、提案されるメトロロジーターゲット設計は、プリント可能性及び検出可能性の両方の観点から、試験及び/又はシミュレーションの好適性及び/又は実現可能性を確認するために、試験及び/又はシミュレーションを対象とすることができる。商用環境では、低速捕捉は生産ラインの総スループットにとって有害であるため、良好なオーバーレイマークの検出可能性は、総合的な測定の不確実性が低いことと移動−捕捉−移動時間が短いことの組み合わせとみなすことができる。現在の微小回折ベースオーバーレイターゲット(μDBO)は、1辺が約10〜20μmであり得、これは、モニタ基板との関連で使用されるような40×160μm2ターゲットに比べて、本質的に低検出信号を提供する。
[00179] 加えて、上記の基準を満たすメトロロジーターゲットが選択されると、フィルム厚みの変動、様々なエッチバイアス、並びに/あるいは、エッチ及び/又は研磨プロセスによって誘発される幾何学的非対称などの、典型的なプロセス変動に関して、検出可能性が変化する可能性がある。したがって、様々なプロセス変動に対して、低い検出可能性変動、及び注目する測定パラメータ(例えば、オーバーレイ、アライメントなど)の低い変動を有するターゲットを選択することが有用であり得る。同様に、結像されることになる、超小型電子デバイスを製造するために使用される特定の機械のフィンガープリント(例えば、レンズ収差を含むプリント特徴)は、一般に、メトロロジーターゲットの結像及び製造に影響を与えることになる。したがって、いくつかのパターンは、特定のリソグラフィフィンガープリントから受ける影響がより多いか又は少なくなるため、メトロロジーターゲットがフィンガープリント効果に対して抵抗性があることを保証することは有用であり得る。
[00180] したがって、実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲットを設計する方法が提供される。実施形態において、提案される拡張動作範囲メトロロジーターゲット設計のうちの1つ以上の好適性及び/又は実現可能性を確認するために、様々な拡張動作範囲メトロロジーターゲット設計をシミュレートすることが望ましい。
[00181] リソグラフィ及びメトロロジーターゲットに関与する製造プロセスをシミュレートするためのシステムにおいて、主な製造システムのコンポーネント及び/又はプロセスは、例えば図19に図示されるような様々な機能モジュールによって説明することができる。図19を参照すると、機能モジュールは、メトロロジーターゲット(及び/又は超小型電子デバイス)の設計パターンを定義する、設計レイアウトモジュール1300と、パターニングデバイスのパターンがターゲット設計に基づいてどのように多角形上にレイアウトされるかを定義する、パターニングデバイスレイアウトモジュール1302と、シミュレーションプロセス中に利用されることになる画素化された連続階調パターニングデバイスの物理的特性をモデル化する、パターニングデバイスモデルモジュール1304と、リソグラフィシステムの光学コンポーネントの性能を定義する光学モデルモジュール1306と、所与のプロセスで利用されるレジストの性能を定義する、レジストモデルモジュール1308と、レジスト後現像プロセス(例えば、エッチ)の性能を定義する、プロセスモデルモジュール1310と、メトロロジーターゲットと共に使用されるメトロロジーシステムの性能、及びメトロロジーシステムと共に使用される時のメトロロジーターゲットの性能を定義する、メトロロジーモジュール1312とを、含むことができる。1つ以上のシミュレーションモデルの結果、例えば予測される輪郭及びCDが、結果モジュール1314で提供される。
[00182] NA−シグマ(σ)設定並びに任意の特定の照明源形状を含むが限定されない、照明及び投影光学機器のプロパティが、光学モデルモジュール1306でキャプチャされ、σ(又はシグマ)はイルミネータの外側半径範囲である。基板上のコーティングされたフォトレジスト層の光学特性、すなわち屈折率、フィルム厚み、伝搬及び偏波効果も、光学モデルモジュール1306の一部としてキャプチャ可能であるが、レジストモデルモジュール1308は、例えば、基板上に形成されるレジストフィーチャの輪郭を予測するために、レジスト露光、露光後焼成(PEB)、及び現像中に発生する化学プロセスの効果を記述する。パターニングデバイスモデルモジュール1304は、ターゲット設計フィーチャがパターニングデバイスのパターン内にどのようにレイアウトされるかをキャプチャし、例えば米国特許第7,587,704号に記載されたような、パターニングデバイスの詳細な物理特性の表現を含むことができる。シミュレーションの目的は、例えばエッジ配置及びCDを正確に予測することであり、その後これをターゲット設計と比較することができる。ターゲット設計は一般に、OPC前パターニングデバイスレイアウトとして定義され、GDSII又はOASISなどの標準デジタルファイル形式で提供されることになる。
[00183] 一般に、光学モデルとレジストモデルとの間の接続は、基板上への放射の投影、レジストインターフェースでの屈折、及びレジストフィルムスタック内での多重反射から生じる、レジスト層内でシミュレートされる空間像強度である。放射強度分布(空間像強度)は、光子の吸収によって潜在「レジスト像」に変化し、これがさらに、散乱プロセス及び様々なローディング効果によって修正される。フルチップアプリケーションにとって十分高速な効率的なシミュレーション方法は、2次元空間(及びレジスト)像によるレジストスタック内での現実的な3次元強度分布を近似する。
[00184] したがって、モデル公式化は、プロセス全体の既知の物理的性質及び化学的性質のうちの、すべてではない場合はほとんどを記述し、モデルパラメータの各々は、明確な物理的又は化学的効果に対応している。したがってモデル公式化は、モデルを使用してどれほど良好に製造プロセス全体をシミュレートできるかに関して、上限を設定する。しかしながらモデルパラメータは、測定及び読み取りエラーから、時折不正確な場合があり、システム内に他の欠陥が存在し得る。モデルパラメータの精密な較正により、極度に正確なシミュレーションが実行可能である。
[00185] 製造プロセスにおいて、様々なプロセスパラメータにおける変動は、デバイス設計を忠実に反映できる好適なターゲットの設計に大きな影響を与える。こうしたプロセスパラメータは、(エッチング又は現像プロセスによって決定される)側壁角度、(デバイス層又はレジスト層の)屈折率、(デバイス層又はレジスト層の)厚み、入射放射の周波数、エッチ深さ、フロア傾斜、放射源に関する吸光係数、(レジスト層又はデバイス層についての)コーティング非対称、化学機械研磨プロセス中の浸食における変動などを含むが、限定されない。
[00186] メトロロジーターゲット設計は、例えば、ターゲット係数(TC)、スタック感度(SS)、オーバーレイインパクト(OV)などの、様々なパラメータによって特徴付けることができる。スタック感度は、ターゲット(格子)層間の回折によるオーバーレイの変化に応じて、信号の強度がどれだけ変化するかの測定として理解することができる。ターゲット係数は、測定システムによる光子収集における変動の結果としての、特定の測定時間についての信号対雑音比の測定として理解することができる。実施形態において、ターゲット係数は、光子雑音に対するスタック感度の比と考えることも可能であり、すなわち信号(すなわち、スタック感度)は、ターゲット係数を決定するために光子雑音の測定によって分割することができる。オーバーレイインパクトは、オーバーレイエラーにおける変化をターゲット設計の関数として測定する。
[00187] 本明細書では、例えば、メトロロジーシステムシミュレーション又はターゲット製造プロセスシミュレーション(例えば、リソグラフィプロセスを使用するメトロロジーターゲットの露光、メトロロジーターゲットの現像、ターゲットのエッチングなどを含む)で使用するための、メトロロジーターゲット設計を定義するコンピュータ実装方法を説明する。実施形態において、ターゲットについて1つ以上の設計パラメータ(例えば、幾何学的寸法)を指定することが可能であり、さらに、1つ以上の設計パラメータについて、離散値又は値の範囲を指定することが可能である。さらに、ユーザ及び/又はシステムは、同じ層内又は層間のいずれかで、例えばターゲットが望ましいリソグラフィプロセスに基づいて、1つ以上の設計パラメータに1つ以上の制約を課すことができる(例えば、ピッチと空間幅との間の関係、ピッチ又は空間幅の限度、フィーチャ(例えば、ライン)幅(CD)とピッチとの間の関係(例えば、フィーチャ幅はピッチより少ない)など)。実施形態において、離散値又は範囲が指定された1つ以上の設計パラメータに対して、又は、1つ以上の他の設計パラメータに対して、1つ以上の制約が可能である。
[00188] 図20は、実施形態に従った、拡張動作範囲メトロロジーターゲット設計を定義するコンピュータ実装方法を概略的に示す。方法は、ブロックB1で、メトロロジーターゲットの複数の設計パラメータ(例えば、幾何学的寸法)の各々について、値の範囲又は複数の値を提供することを含む。
[00189] 実施形態において、メトロロジーターゲット設計システムのユーザは、メトロロジーターゲットについて1つ以上の設計パラメータ(例えば、幾何学的寸法)を指定することができる。例えば、ユーザは、拡張動作範囲メトロロジーターゲットが望ましいことを指定することができる。ユーザはさらに、拡張動作範囲メトロロジーターゲットのサブターゲットの数を指定することができる。さらに実施形態において、ユーザは、拡張動作範囲メトロロジーターゲット、それらの1つ以上のサブターゲット、及びサブターゲットの1つ以上の周期構造の、1つ以上の設計パラメータ各々について、離散値又は値の範囲を指定(例えば、選択)することができる。例えば、ユーザは、拡張動作範囲メトロロジーターゲットについて、フィーチャ(例えば、ラン)幅、空間幅、拡張動作範囲メトロロジーターゲットのサイズ、ピッチなどについて、値の範囲又は値のセットを選択することができる。実施形態において、メトロロジーターゲットが多数の周期構造(格子)、又はセグメント化された周期構造(格子)を備える場合、ユーザは、他の設計パラメータ、例えば共有ピッチについて、値の範囲又は値のセットを選択又は提供することができる。
[00190] 実施形態において、設計パラメータは、ターゲットの周期構造のピッチ、ターゲットの周期構造のフィーチャ(例えば、ライン)幅、ターゲットの周期構造の空間幅、周期構造のフィーチャの1つ以上のセグメント化パラメータ(セグメント化タイプに応じて、X及び/又はY方向のセグメント化ピッチ/フィーチャの幅/空間)から選択された、任意の1つ以上の幾何学的寸法を含むことができる。さらに、パラメータは、単一の層又は複数の層(例えば、2つの層、又は2つの層に中間遮へい層を加えたもの)について指定することができる。複数の層の場合、それらはピッチを共有することができる。或るメトロロジーターゲット、例えばフォーカス又はアライメントターゲットの場合、他のパラメータが使用できる。他の設計パラメータは、ターゲットについてメトロロジーシステムで使用される放射の波長、メトロロジーシステムで使用される放射の偏波、メトロロジーシステムの開口数、ターゲットタイプ、及び/又はプロセスパラメータから選択された1つ以上などの、物理的制限とすることができる。実施形態において、不均一及び非対称パターン、例えば変調オーバーレイターゲット及びフォーカスターゲットが提供可能である。したがって、設計パラメータは変動可能であり、必ずしも特定方向に均一ではない可能性がある。
[00191] ブロックB2で、メトロロジーターゲットの1つ以上の設計パラメータについて、1つ以上の制約が提供される。任意選択で、ユーザは1つ以上の制約を定義することができる。制約は線形代数式とすることができる。実施形態において、制約は非線形とすることができる。いくつかの制約は、他の制約に関係することができる。例えばフィーチャ幅、ピッチ、及び空間幅は、この3つのうちの任意の2つが既知の場合、3つ目を完全に決定することができる。
[00192] 実施形態において、ユーザは、拡張動作範囲メトロロジーターゲットの領域、寸法、又はその両方について、制約を指定することができる。ユーザは、サブターゲットの数に対して制約を指定することができる。
[00193] 実施形態において、制約はメトロロジーパラメータ制約とすることができる。例えば、いくつかのメトロロジーシステムにおいて、システムの物理的性質が制約を加える場合がある。例えば、システムで使用される放射の波長は、ターゲット設計のピッチ、例えば下限を制約することができる。実施形態において、波長の関数としてのピッチ、ターゲットのタイプ、及び/又はメトロロジーシステムの開口に関する制限(上限/下限)が存在する。制約として使用可能な物理的制限は、メトロロジーシステムで使用される放射の波長、メトロロジーシステムで使用される放射の偏波、メトロロジーシステムの開口数、及び/又はターゲットタイプから選択された、1つ以上を含む。実施形態において、制約はプロセスパラメータ制約(例えば、エッチタイプ、現像タイプ、レジストタイプなどに応じた制約)とすることができる。
[00194] 使用される特定のプロセスに応じて、実施形態では、1つ以上の制約が、1つの層の設計パラメータ(例えば、幾何学的寸法)と別の層の設計パラメータ(例えば、幾何学的寸法)との間の制約に関係することができる。
[00195] ブロックB3で、プロセッサによって、方法は、1つ以上の制約に合致する1つ以上の設計パラメータを有する複数のメトロロジーターゲット設計を、設計パラメータについての値の範囲又は複数の値の範囲内でのサンプリングについて解決、及び/又はサンプリングによって選択する。例えば、解決に関与する実施形態において、1つ以上の潜在的なメトロロジーターゲット設計を解決することができる。すなわち、1つ以上の潜在的なメトロロジー設計は、例えば、特定の値を解決するための1つ以上の等式制約を使用して、許容値について解決することによって導出可能である。例えば、サンプリングに関与する実施形態において、様々な設計パラメータ及び制約によって凸多面体を定義することができる。凸多面体の容積は、すべての制約に合致するサンプルメトロロジーターゲット設計を提供するために、1つ以上の規則に従ってサンプリングすることができる。1つ以上のサンプリング規則を、サンプルメトロロジーターゲット設計に適用することができる。
[00196] しかしながら、このようにして発見されたすべてのメトロロジーターゲット設計が、プロセス変動を等しく表すわけではないことに留意されたい。したがって、実施形態において、ブロックB4で、例えば1つ以上のメトロロジーターゲット設計の実現可能性及び/又は好適性を決定するために、本明細書で説明される方法を使用して発見されたメトロロジーターゲット設計をさらにシミュレートすることができる。次に、ブロックB5で、例えば主要な性能指数又はロバストネス基準に基づいてランク付けすることによって、いずれの1つ以上のメトロロジーターゲット設計がプロセス変動を最も良く又はより良く表すかを識別するために、シミュレートされたメトロロジーターゲット設計を評価することができる。ブロックB6で、例えば測定のために、特定のメトロロジー設計を選択及び使用することができる。
[00197] 上述のように、メトロロジーターゲット(例えば、オーバーレイターゲット、アライメントターゲット、フォーカスターゲットなど)を小さくすることが望ましい。これは、例えば、各製造基板上のメトロロジー目的での「実装面積」の消費を制限することである。しかし、小型サイズを用いることで、検出の問題(例えば、画像分解能)が発生する。
[00198] 暗視野メトロロジーにおいて、単次数の放射を検出器に伝送し、ターゲットのグレーレベル画像を作成することができる。この個々の周期構造は、メトロロジーターゲットの読み出し時の照明域よりも小さいため、画像内で周期構造エッジは可視である。しかし、周期構造エッジは、平均周期構造強度から大幅に逸脱している強度レベルを示す可能性がある。これは「エッジ効果」と呼ばれる。
[00199] 暗視野像内でのパターン認識ステップの後、個々の周期構造内で信号推定において使用される関心領域(ROI)が選択される。このようにして平均周期構造強度が抽出されるが、エッジ効果の影響は除かれる。したがって、測定される信号は、像内の周期構造の中心に対応する数個の検出器ピクセルのみに基づくものであり得る。
[00200] ターゲットが設計される時、ターゲット設計は、フィーチャ−空間寸法、ピッチ、サブセグメント化などが最適化される「無限に」大きい周期構造に基づくものであり得る。周期構造は、ターゲット内の事前に定義された周期構造の中心周辺に位置決めすることができる。結果として、ターゲット域は、周期構造のピッチ及びフィーチャ−空間寸法に応じて、多かれ少なかれ効率的に埋められる。
[00201] 実施形態において、例えば、最適化された周期構造間の距離、エッジ効果の低減、及び利用可能格子域の最大化を含む、最適であるか又は改良されたメトロロジー装置による検出可能性に関して、拡張動作範囲メトロロジーターゲットのターゲット全体のレイアウトの構成(例えば、最適化)を考慮することが望ましい。メトロロジー装置による最適であるか又は改良された検出可能性について構成することに失敗すると、以下の問題のうちの1つ以上につながる可能性がある。
1.暗視野像において、各周期構造の周辺で大きなエッジ効果が観察される可能性がある。これは、以下の効果のうちの1つ以上を有する可能性がある。
・利用可能な関心領域(ROI)のサイズが(周期構造エッジを除外するための像のクロッピングに起因して)減少し、これによって計算される信号の再現性が乏しくなる。
・エッジ効果による放出からの光学的クロストークによる信号の汚染に起因して、計算される周期構造信号の精度(平均強度)が低下する可能性がある。
・基板全体に公表されるエッジ効果に伴う画像の変動及び経時的なプロセス変化に起因して、パターン認識障害のインスタンスが増加する可能性がある。
・ROI位置決めエラーに対する計算される信号の感度が上昇する可能性があり、例えば、大きなエッジ強度が誤って信号推定に含められる可能性がある。
・フルスケールの(全ダイナミックグレーレベルレンジの)検出器の使用が減少する可能性があり、これが低グレーレベルでの組織的非線形センサに対する再現性及び感度の低下の問題につながる。
2.周期構造を備える全領域は、ターゲット領域内で最大ではない。したがって、最大光子カウントに達していない(例えば、再現性に関して最適化されていない)。
[00202] 図13(a)は、4つの周期構造720を備えるターゲット700のレイアウト例を示す。破線形状710は、利用可能なターゲット域を表す。図13(a)において、ターゲット700のレイアウトは利用可能ターゲット域710に対して最適化されていない。周期構造フィーチャの数は、ピッチ及び利用可能ターゲット域710の関数として計算される。その後、事前に定義された周期構造フィーチャの中心は、所定の周期構造の中心点となる。その結果、最適化されていない周期構造間の距離が生じる(すなわち、周期構造間の空間は、ターゲット域内で最適化されていない)。図13(b)は、ターゲット700の検査に従った合成暗視野像730を示す。中/高強度レベルの領域750が、周期構造位置に見られる。しかしながら周期構造の周辺には、エッジ効果の結果として、より高い強度レベルの領域740が存在する。これがパターン認識プロセスを使用するターゲットの分析を困難にする可能性があり、誤った光子パターン認識につながる。
[00203] ターゲット700を測定するために使用される測定装置は、周波数帯域フィルタとして効果的に働く。測定装置は、単一の周期構造720を測定する時、実際には2つの構造タイプを検出する。第1の構造は、或るピッチを有する反復周期構造フィーチャを備えるものである。第2の構造は、或るサイズ(ハーフピッチ)を有する単一のエンティティと見られるフィーチャのセットであり、これらの周期構造はかなり小さいため、単一の構造並びに周期構造と見られる場合がある。これらの「構造」は、どちらも独自のフーリエ周波数のセットを与える。これら2つのセットが互いにフィットしない場合、ステップ型フーリエ周波数セットを作成することになる。最後の周波数セットは、測定装置の帯域フィルタを通過する1つ以上の周波数を有する。残念なことに、これらの周波数の強度が高いことから、エッジ効果を生じさせる。多くのケースで、このエッジ効果は結果として、最大強度格子の2倍から4倍の強度を生じさせる。
[00204] 改良された測定装置検出のためのターゲットレイアウト/設計を構成する(例えば、最適化する)ために、本明細書で説明する実施形態は、下記を使用するように提案する。
1.全利用可能ターゲット域を考慮したターゲットレイアウトの構成(例えば、最適化)。
2.改良されたメトロロジープロセス応答(すなわち、リソグラフィプロセスを使用してターゲットをプリントするための、改良されたか又は最適化された機能についての構成の追加又は代替としての構成)のためのターゲットレイアウトを構成(例えば、最適化)するために、光近接効果補正(OPC)と同様の方法を使用する、計算機リソグラフィモデル化。結果として生じるターゲットは、メトロロジープロセス応答の改良又は最適化を支援するために、1つ以上の測定ツール駆動型光近接効果補正(MT−OPC)アシストフィーチャを使用することができる。実施形態において、MT−OPCアシストフィーチャのピッチ及び/又は寸法は、メトロロジー装置の下位分解能である。
[00205] 例えば、ターゲットレイアウトの構成は、ターゲットを環境から「隔離」するように、及び暗視野像内の周期構造のエッジ効果を低減するように、1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャを利用可能ターゲット域の周辺に配置することによって開始され得る。通常、より高次の回折はセンサに伝送されない(ゼロ次もブロックされることに留意されたい)ため、1つ以上のアシストフィーチャは測定装置によってキャプチャされる暗視野像内では観察されない。
[00206] さらに、1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャ内部の利用可能ターゲット域は、周期構造フィーチャで埋められる。これは各周期構造について、周辺から始まり、中央に向かって実行することができる。このように周期構造フィーチャは、必要であれば、隣接する周期構造の望ましいピッチ及びフィーチャ−空間値に整合的にフィットするように長さを適合しながら、位置決めすることができる。1つ以上の追加のMT−OPCアシストフィーチャは、周期構造のエッジ効果を低減させ、暗視野像内の周期構造を分離するために、周期構造間で位置決めすることができる。したがって実施形態において、各周期構造は、1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャをその周囲全体に有し得る。こうしたターゲットレイアウトは、パターン認識を改良し、クロストークを制限するために役立つ。実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲットの各サブターゲットの周期構造は、例えば、1つのサブターゲットの周期構造が前述のように別のサブターゲットの周期構造より前に処理されるように、別々に扱うことができる。
[00207] したがって、全ターゲット設計の構成は、以下を備えることができる。
1.設計制約に関した周期構造の構成(例えば、最適化)。こうした設計制約は、特定の製品設計、例えばフィーチャ幅、サブセグメント化、「ラインオンライン」、又は「ラインオントレンチ」などが与えられた、アプリケーションに依存する。
2.1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャを使用するいくつかのケースにおける、改良されたか又は最適なメトロロジープロセス検出のための全ターゲットレイアウトの構成。サブセグメント化及び/又は他の設計制約は、適用可能であれば、MT−OPCアシストフィーチャに適用可能である。
3.ステップ1及びステップ2で考案された所望のターゲットレイアウトが適切にプリントできることを保証するのを助けるために、ターゲットレイアウト全体に対して、1つ以上のリソグラフィOPCサイクルを実行すること。
[00208] ターゲットの構成は、ターゲットの任意のパラメータ又は態様の構成を含むことができる。これは例えば、周期構造ピッチ、MT−OPCアシストフィーチャピッチ、任意のフィーチャの長さ及び幅、周期構造のデューティサイクルなどを含むことができる。構成プロセスは、利用可能ターゲット領域全体を考慮に入れる。1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャを使用することの追加又は代替として、隣接する周期構造間のギャップに隣接する1つ以上の周期構造フィーチャの長さ及び寸法(例えば、CD)は修正可能である。例えば、ギャップに向かって延在する周期構造フィーチャの長さは、短縮するか又は伸長することができる。別の例として、ギャップに沿って延在する周期構造フィーチャは、その周期構造の他のフィーチャに対して狭くするか又は広くした寸法を有することができる。
[00209] 潜在的なターゲットレイアウトは、好適な測定装置シミュレーションツール内で評価することができる。これには、測定装置構成に特有の所望の(例えば、最適な)ターゲットレイアウトに達するために、数回の反復が必要であり得る。例えば、各反復において、改良されたか又は最適なメトロロジープロセス検出を達成するのを助けるために、例えば、1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャのサイズ、配置、フィーチャの数、ピッチなどを変更することによって、ターゲットレイアウトの構成を変更することができる。理解されるように、構成におけるこうした変更は、ソフトウェアによって自動的に実行すること、及び/又はユーザによって誘導することが可能である。実施形態において、シミュレーションは、(例えば、異なる屈折率、厚みなどに関して)拡張動作範囲メトロロジーターゲットの異なる層を考慮に入れる。実施形態において、シミュレーションは、サブターゲット間のピッチ、フィーチャ寸法(CD)などの差異を考慮に入れる。
[00210] したがって、望ましいことにこの構成は自動的に実施することができる。「自動化」方法は、(i)許容可能な時間枠内で測定装置応答を正確に予測することが可能な1つ以上の正確な光学モデル、及び、(ii)構成のための適切に定義された基準を含む(これらに限らない)。例えば基準は、以下の中から選択された1つ以上を含むことができる。
−周期構造の中心強度と同次の大きさを有する、周期構造のエッジ強度。
−測定装置のオーバーレイ、デフォーカス、及び/又は収差の存在下での、エッジ効果の最低変動。実施形態では、測定レシピ(例えば、波長、フォーカスなど)に関するロバストネス。
−関連する波長範囲(例えば空間≧λ/2、λは測定放射波長を表す)について、改良されたか又は最適なターゲットパターン認識のための周期構造間の十分な間隔。例えば、強度しきい値を超える隣接する周期構造フィーチャ間のセンサピクセルのうちの少なくとも1ライン。
−最大周期構造域。
理想的には、最終ターゲット配置を考案する際にこれらの基準間で釣り合いを取る。
[00211] 図14は、図12Aの設計と同様の拡張動作範囲メトロロジーターゲットの例を示す。もちろん、実施形態において、図9又は図12B〜図12Eのうちのいずれかの設計などの、拡張動作範囲メトロロジーターゲットの異なる設計が使用可能である。
[00212] 図14(a)は、2つのサブターゲット1202及び1204を備える、拡張動作範囲メトロロジーターゲットの最適化されていないターゲットレイアウト1200の例を示す。最適化されていないターゲットレイアウト1200は、4つの周期構造1400も備え、このケースでは各々がサブターゲット1202及び1204の一部を備える。各周期構造1400は、複数の周期構造フィーチャ(例えば、格子ライン)を備える。周期構造フィーチャの数は、ピッチ及び所定の全格子域の関数として計算される。さらに、事前に定義された周期構造フィーチャの中心は、所定の周期構造の中心点となる。この結果、メトロロジー装置の観察について、合致及び最適化されていない周期構造間の距離が生じる。図14(c)は、図14(a)のターゲットレイアウトから生じ得、エッジ効果が明瞭に見える、暗視野像のシミュレーションの例を示す。これらのエッジ効果は、周期構造領域1440の周囲の非常に高強度の測定領域1430として見ることができる。図14(c)から図14(f)において、より暗い影を伴う領域ほどより高い強度を示す。図14(e)は、例えば図14(c)の例とは異なる波長を使用する、図14(a)のターゲットレイアウトから生じ得る暗視野像のシミュレーションのさらなる例を示す。図14(e)の周期構造の像は明瞭に描かれていないため、容易に認識されないものであることがわかる。
[00213] 図14(b)は、図14(a)と同一の周期構造1400を備え、1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャ1410、1420をさらに備える、図14(a)のターゲットレイアウト1200の改良バージョンを示す。1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャの第1のセット1410は、ターゲットの周辺に(これを囲むように)配置され、1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャの第2のセット1420は、複数の周期構造1400の間に配置される。実施形態において、各周期構造1400は、1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャ1410、1420の組み合わせによって囲まれている。図14(d)は、低減されたエッジ効果を示す、図14(b)のターゲットレイアウトの結果として生じ得る、暗視野像のシミュレーション例を示す。図14(f)は、図14(d)の例とは異なる波長を使用する、図14(b)のターゲットレイアウトから生じ得る暗視野像のシミュレーションのさらなる例を示す。図14(e)の周期構造の像はかなり明瞭に描かれているため、容易に認識されるはずであることがわかる。
[00214] したがって、図14(c)と図14(d)とを比較すると、図14(d)では、各周期構造の領域内のエッジ効果が少ないため、はるかに均一な強度分布を示している。図14(f)を図14(e)と比較すると、周期構造の分離が進んでいる(すなわち、図14(e)と比べた場合、図14(f)内の周期構造間の強度の方が低い)ため、図14(f)の暗視野像分解能は強化されており、暗視野パターン認識が向上していることがわかる。
[00215] この例では、1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャは、例えばおよそ160nmの小さいピッチを有し、結果としてエバネセント波を生じさせる。1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャは、エッジ効果の低減と環境からの周期構造の分離とを提供する。
[00216] 図15は、周期構造1400及び1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャ1420を備えるターゲット1200の断面の拡大部分図を示す。実施形態において、1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャ1420は、急激なステップ(例えば、鋭い矩形ウィンドウ)を避けて、周期構造の空間−フィーチャ−空間のリズムで位置決めされる。このように、1つ以上のアシストフィーチャ1420は、有限寸法から生じる周期構造内の励起を中断(例えば、エッジを軟化)しながら、周期構造1400ラインの近くに位置決めされる。図15は、近隣の90°回転した周期構造に隣接して、周期構造フィーチャ内及び1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャ内の、基本周波数のこうした突き合わされた位置決めの表現を示す。この例において、MT−OPCアシストフィーチャのピッチは、MT−OPCアシストフィーチャに関連付けられた回折次数が検出器に伝えられないようになっている。図15は、2つのフィーチャを有する1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャ1420の周期構造を示すが、1つだけのフィーチャ又は2つより多くのフィーチャを有してもよいことを理解されよう。
[00217] 周期構造1400及び1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャ1420が互いに同相であることを確実にすることで、高強度のエッジ効果を生じさせる「ステップ周波数セット」の回避を助ける。周期構造1400及び1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャ1420が同相であることは、1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャ1420が周期構造1400の連続面を拡張することを意味する。依然としてエッジ効果は存在するが、高強度のエッジ効果は測定装置の伝送帯域の外側にあり、装置によって検出されない。このようにして、測定装置によって実際に測定される強度ピークが低減される。したがって、実施形態において、1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャは、測定検出器への伝送帯域外部のスペクトルを伴う周期構造に強力に結合される。
[00218] 実施形態において、MT−OPCアシストフィーチャはその関連付けられた測定周期構造と同相であるはずであるが、周期構造を結像するため及び周期構造を測定するための設計は、これを可能にすることができない。例として、拡張動作範囲メトロロジーターゲットのサブターゲットの設計は、サブターゲットをその制約域内にフィットさせること、及び1つ以上のアシストフィーチャを、サブターゲットの周辺又は隣接するサブターゲット間にフィットさせることに関連する問題となる可能性がある。MT−OPCアシストフィーチャに関連するこの問題は、MT−OPCアシストフィーチャの中央に途絶を提供することによって解決することができる。例えば、MT−OPCアシストフィーチャが3つ又はそれ以上のフィーチャの周期構造を備える場合、中央フィーチャのうちの1つ以上を拡大することができる。同様に、MT−OPCアシストフィーチャが2つ又はそれ以上のフィーチャの周期構造を備える場合、フィーチャ間の中央空間のうちの1つ以上を拡大することができる。したがって、MT−OPCアシストフィーチャによって消費される領域を拡大することができる。フィーチャ及び/又は空間の拡大は、中央以外トすることができる。フィーチャ及び/又は空間の拡大及びそのロケーションは、(例えば、可能な限り最良に)改良された位相の合致を容易にするように設計される。
[00219] 実施形態において、隣接する周期構造間に配置された1つ以上のアシストフィーチャの場合、周期構造間のギャップは、隣接する周期構造のうちの一方又は両方のフィーチャの横方向寸法(CD)と同じであるか又はほぼ同じである。実施形態において、隣接する周期構造間に配置された1つ以上のアシストフィーチャの場合、1つ以上のアシストフィーチャと隣接する周期構造との間の空間の横方向寸法は、等しいか又はほぼ等しく、実施形態では、複数のアシストフィーチャ間の横方向寸法に等しいか又はほぼ等しい。
[00220] 実施形態において、これらの1つ以上のアシストフィーチャ1420から回折される光波は、名目上、いかなる(エバネセント又は破壊的に干渉する)エネルギーも搬送しないか、又は、検出器に伝送されるスペクトルの一部(ブロックされた搬送波)の外側にある。この例では、入射放射I、回折されるゼロ次放射0、及び1次放射−1が示されている。1つ以上のアシストフィーチャ1420によって回折される−1次放射はブロックされ、周期構造1400によって回折される−1次放射のみがセンサに伝送される。しかしながら、1つ以上のアシストフィーチャ1420の有限性に起因して、アシストフィーチャ反射の「テール」は、センサに伝送されるスペクトルに漏出し得、周期構造フィーチャからのスペクトルと対話することになる。
[00221] 暗視野像内の適切に分離された周期構造の場合、実施形態において、1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャ1420は、測定装置の波長の少なくとも半分の幅を有する周期構造間の空間を埋める。同様に、ターゲット上の環境からの分離及びクロストーク低減を保持する。
[00222] 図16(a)は、拡張動作範囲メトロロジーターゲット1600のターゲット配置を示し、ターゲットは2つのサブターゲット1202及び1204を備える。ターゲット1600は4つの周期構造1650を備え、このケースでは、各々がサブターゲット1202及び1204の一部を備える。ターゲット1600は、実際に、領域1610を占有する。ターゲットレイアウトは、暗視野パターン認識を向上させ、環境からのクロストークを低減させるために、ターゲット境界に「クリアランス」領域1620を含む。図16(b)では、図16(a)のターゲットレイアウトが、ターゲット域1610全体について最適化されたターゲットレイアウト1630に置き換えられる。ターゲットレイアウトは、その周辺付近のロケーションに1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャ1635を含み、複数の周期構造1650の間に1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャ1640をさらに含む。MT−OPCアシストフィーチャ1635、1640は、「クリアランス」領域1620が不要となるように、暗視野パターン認識の性能及び環境からの光学クロストークの低減を保証するのを助ける。したがって、各周期構造1650のサイズ、フィーチャ数、及びピッチは、利用可能ターゲット域1610に対して構成可能である。対応する暗視野像シミュレーション結果(図示せず)は、エッジ効果の強力な低減を示す一方で、パターン認識は周期構造間の分離によって向上することになる。
[00223] 図17は、実施形態に従った、拡張動作範囲メトロロジーターゲット配置を考案する方法を示すフローチャートである。方法は、以下を含む。
ステップT1−1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャに、「下位分解能」ピッチ及び/又は寸法を、例えば境界近く及び/又は設計ターゲット領域内部に、提供する。これにより、「利用可能/空き」設計ターゲット領域を画定する。例えば、暗視野像内で環境からターゲットを効率的に隔離するために、1つ以上のアシストフィーチャの特徴(例えば、フィーチャ幅、形状…)を選択することができる。
ステップT2−ターゲット境界に配置された1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャに基づいて、第1の周期構造の周期構造フィーチャ(拡張動作範囲メトロロジーターゲットの1つ以上のサブターゲットのフィーチャを備える)を、境界からターゲット領域の内部に向かう方向に連続して配置する。例えば、最後に配置されたフィーチャの一部が周期構造方向に利用可能ターゲット域の中間地点にわたって配置されるまで、フィーチャを配置する。
ステップT3−隣接する周期構造フィーチャのサイズ及びピッチに基づいた形を有し、「下位分解能」ピッチ及び/又は寸法をさらに有する、1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャを(必要な場合)追加する。
ステップT4−後者の1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャに基づき、適用可能な場合、次の周期構造のフィーチャ長さを残りの利用可能ターゲット領域に適合させる。
ステップT5−残りの周期構造に対して、ステップT2〜T4を反復する。
ステップT6−任意選択で、ターゲット領域の中央部分を1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャで埋める。
[00224] 本方法の例示的な適用例が図18に示されている。図18(a)はステップT1に対応する。1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャ1810が、ターゲットを環境から隔離するため及び周期構造エッジ効果を低減させるために選択されたピッチを用いて、利用可能ターゲット域の境界近くに描かれている。図18(b)及び図18(c)はステップT2に対応し、周期構造フィーチャ1820は、この周期構造に割り振られたターゲット領域のおよそ4分の1を埋めるように配置されている。図18(d)はステップT3に対応し、1つ以上のさらなるMT−OPCアシストフィーチャ1830が追加され、隣接する周期構造フィーチャに合致されている。図18(d)は、ステップT4の始まりも示しており、フィーチャ1840の長さは残りの利用可能域に適合されている。図18(e)はステップT5の中間地点に対応し、2つの周期構造が配置され、3つ目が開始されている。図18(f)は完了したターゲット配置を示し、1つ以上の追加のMT−OPCアシストフィーチャ1850が、ステップT6に記載したように、ターゲットレイアウトの中央領域内に配置される。この方法はいくつかの反復を必要とする場合があり、ステップT6で取得された各ターゲット配置は、メトロロジーシミュレーションツールを使用して評価される。評価は、特定の配置が1つ以上の事前に定義された基準を満たすかどうかを判別すること、及び/又は、この方法に従って考案された複数の異なる配置を、最良のものを決定するように(1つ以上の事前に定義された基準に基づいて)比較することを含み得る。
[00225] ターゲットの中央領域を1つ以上の追加のMT−OPCアシストフィーチャ1850で埋める代わりに、パターニングデバイス書き込み品質測定を実行するために、この領域を特別なターゲット(十字)で埋めることができる。
[00226] オーバーレイメトロロジーは、2つのスタックされた周期構造(すなわち、2層ターゲット)を含む。こうしたターゲットの場合、下位ターゲットレイアウトは図18の方法を使用して考案することができる。上位ターゲットレイアウトは、通常、5ナノメートルから数十ナノメートルの範囲のオーバーレイバイアスを含む。こうした配置において、上位ターゲットレイアウトは、バイアスを除いて、単に下位ターゲットレイアウトと合致することができる。例において、バイアスは上位ターゲットレイアウト内の周期構造フィーチャのみに適用可能であり、上位ターゲットレイアウト内の1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャにはバイアスは適用されない。例において、MT−OPCアシストフィーチャは上位ターゲットレイアウトから省略可能であり、これにより、測定を混乱させる非対称信号の生成を回避するのを助けることができ、上位周期構造の後方反射回折が弱く、メインの後方反射回折が下位周期構造から生じる場合、特に適用可能である。
[00227] 「ラインオンライン」ではなく「ラインオントレンチ」ターゲット構成の場合、「ラインオントレンチ」構成を取得するために、上位ターゲットレイアウトを反転させることができる。50%とは異なるデューティサイクルの場合、上位ターゲットレイアウトを、逆デューティサイクル(100%デューティサイクル)を伴う「ラインオンライン」バージョンとして設計することが可能であり、次にこれが「ラインオントレンチ」構成を取得するために反転される。上位と下位のターゲットレイアウト間でデューティサイクルに差がある場合のMT−OPCアシストフィーチャの設計は、より複雑なレイアウト構成手順につながる場合があるが、当業者であれば、そうした配置のために本発明を実装及びカスタマイズすることが可能であろう。
[00228] プリント可能性及び半導体製造者設計規則の順守を保証するのを助けるために、1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャの寸法は、1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャのサブセグメント化を可能にすることができる。
[00229] 1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャの寸法及び/又は形状は、適用例のニーズに合わせてカスタマイズすることができる。例えば、図15の例では、MT−OPCアシストフィーチャ1420は「連続矩形」形状によって表される。しかしながら、連続矩形形状は、鋭いエッジでのレチクル又はプリント回路に対する帯電効果につながる可能性がある。この問題を克服するために、レイアウトから形状エッジを「削除」することができる。
[00230] 上記の例において、1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャは「下位分解能」である(すなわち、プロダクトフィーチャの分解能よりも小さい分解能を有する)。しかしながら、1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャは、適用例に応じて、センサの分解能よりも下、範囲内、又は上の寸法を有し得る。例えば、1つ以上の外側MT−OPCアシストフィーチャを、ターゲットの周辺域に配置された構造(例えば、デバイスフィーチャ)に適合させることができる。ターゲット周辺のフィーチャのピッチがメトロロジー装置の検出範囲よりも下であるか又は範囲外である場合、あるいは、ターゲット周辺のフィーチャがMT−OPCアシストフィーチャとほぼ同じサイズである場合、MT−OPCアシストフィーチャにおける変更は必要でない可能性がある。ターゲット周辺域内のフィーチャのピッチがメトロロジー装置の検出範囲内であるか、又はターゲット周辺のフィーチャが名目上のMT−OPCアシストフィーチャとほぼ同じサイズでない場合、MT−OPCアシストフィーチャは、ターゲットの周辺域における1つ以上のフィーチャの効果を抑えるために、サイズを(例えば、より大きく)変更することができる。
[00231] ターゲットレイアウト/設計を構成するための本方法は、例えば、すべてのメトロロジー適用例(アライメントを含む)についてのメトロロジーターゲットの設計/構成プロセス中に、適用可能である。例えば、本方法は、オーバーレイ訂正システム及び/又は高度なアライメントシステムで使用される、アライメントターゲットに適用可能である。
[00232] 上記の例で示されるように、1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャをターゲット境界に配置すること、及び/又は、エッジ効果を低減させるために、周期構造の周辺に配置することが可能である。これに加えて、フィーチャ−空間遷移を鋭くするか又は穏やかにするために、(例えば、アライメント周期構造などのピッチの大きな周期構造の場合)1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャを周期構造フィーチャ間に配置することができる。これは、検出された次数に対して固有回折効率を改善又は最適化すること、あるいは、関連する回折次数へのエネルギーの順序付けを改善又は最適化することによって、回折効率を望ましい次数に強化するのを助けることができる。これは、低「基板品質」スタックに関する検出可能性を支援することができる。さらに、読み出し及びターゲット全体のスキャン中に、特に低基板品質スタックについて、アライメントセンサ電子機器における利得設定ポイントを改良することが可能である。
[00233] さらに、1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャを、周期構造と同じ層内に配置する必要はない。例えば、1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャは、適用可能な周期構造の上に配置することが望ましいが、下でも可能である。異なる層内にMT−OPCアシストフィーチャを有することで、製造可能性を容易にすることができる(例えば、MT−OPCアシストフィーチャは、周期構造をプリントするために使用される投影設定を使用してプリントできない可能性があり、この投影設定はデバイスパターンをプリントするための設定であり得る)。
[00234] さらに、MT−OPCアシストフィーチャの実施形態を、ターゲット周期構造に隣接するか又はそれらの間にある特定の均一な周期構造として説明してきたが、MT−OPCアシストフィーチャは他の形を取ることができる。例えば、アシストフィーチャは、米国特許出願公開第2013−0271740号に記載の形を取ることが可能であり、この出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
[00235] 本方法は、例えば暗視野メトロロジーにおけるパラメータ推定を向上させるために、現行の方法と組み合わせることができる。
[00236] 上記で開示された方法は、結果としてより大きなROIを、したがって強度測定中に、より大きな光子カウントを生じさせる。これは、一定のターゲット領域に対する再現性を向上させる。再現性の向上は、エッジ効果の低減からも生じさせることが可能であり、ROIの位置決めの際に不正確さを低減させる。加えてエッジ効果の低減は、暗視野ターゲット像がより良好に定義された結果として、パターン認識を向上させる。さらに、エッジ効果が暗視野像を飽和させることがないため、測定装置センサの全グレースケールダイナミックレンジを使用することができる。したがって、再現性がさらに向上し、低強度での光子雑音から生じる非線形センサ効果が回避される。光子雑音は、測定される光子の数の平方根である。測定される光子の数は、使用されるピクセルの数、グレーレベル、及び感度の積である。より安定した測定を得るためには、ピクセルの数又はグレーレベルの数のいずれかを増加させる必要があり、センサ感度は固定されている。1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャを使用することにより、より多くのグレーレベルを取得することができる。
[00237] 1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャを個々の周期構造に追加することで、各周期構造をデバイス構造間に別々に分布させた場合、ダイ内環境からの隔離が向上する。したがって、周期構造の周囲からの隔離に起因して、ターゲット/周期構造のダイ内配置に関する柔軟性が向上する。
[00238] さらに、1つ以上のMT−OPCアシストフィーチャを使用することにより、同じ再現性を維持しながら、ターゲット領域を削減すること(すなわち、より小さいターゲット寸法)が可能である。ターゲット寸法を削減することにより、より高密度のフィールド内測定が実行可能である。これは、例えば、オンプロダクト基板上のダイ全体にわたるより高次のオーバーレイ訂正、及びリソグラフィ装置の性能特徴付けを向上させる。
[00239] 1つ以上のこれらMT−OPCアシストフィーチャ技法の実施形態は、例えば図19のモジュール1312での実装及び/又は図20のブロックB2〜B5での実装が可能である。
[00240] 図21は、メトロロジー、設計、及び/又は製造プロセスを制御するための基準として、性能を監視するために拡張動作範囲メトロロジーターゲットが使用されるプロセスを示す、フローチャートである。ステップD1において、基板は、本明細書で説明するような、プロダクトフィーチャ及び1つ以上の拡張動作範囲メトロロジーターゲットを製造するために処理される。ステップD2で、例えば、図6の方法を使用して、リソグラフィプロセスパラメータ(例えば、オーバーレイ)値が測定及び計算される。ステップD3で、メトロロジーレシピを更新するために、測定されたリソグラフィプロセスパラメータ(例えば、オーバーレイ)値が(利用可能であれば他の情報と共に)使用される。更新されたメトロロジーレシピは、リソグラフィプロセスパラメータの再測定のため、及び/又は、その後に処理された基板上でのリソグラフィプロセスパラメータの測定のために使用される。このようにして、計算されるリソグラフィプロセスパラメータの精度が向上する。更新プロセスは、所望であれば自動化することができる。ステップD4で、リソグラフィプロセスパラメータ値は、再加工及び/又はさらなる基板の処理のためのデバイス製造プロセスにおいて、リソグラフィパターニングステップ及び/又は他のプロセスステップを制御するレシピを更新するために使用される。ここでもこの更新は、所望であれば自動化することができる。
[00241] 本明細書で説明する拡張動作範囲メトロロジーターゲットの実施形態は、ほとんどがオーバーレイ測定に関して説明してきたが、本明細書で説明する拡張動作範囲メトロロジーターゲットの実施形態は、1つ以上の追加又は代替のリソグラフィプロセスパラメータを測定するために使用することができる。例えば、拡張動作範囲メトロロジーターゲットは、露光ドーズ量変動の測定、露光フォーカス/デフォーカスの測定などに使用することができる。したがって、実施形態において、同じ拡張動作範囲メトロロジーターゲットを使用して、複数の異なるパラメータを測定することができる。例えば、拡張動作範囲メトロロジーターゲットを、オーバーレイを測定するように、及び、クリティカルディメンション、フォーカス、ドーズ量などの1つ以上の他のパラメータを測定するように、配置することができる。例として、サブターゲットのうちの1つ以上を、オーバーレイを測定するように設計する(例えば、異なる層内にそれらの関連付けられた周期構造を有する)ことが可能であり、1つ以上の他のサブターゲットを、クリティカルディメンション、及び/又はフォーカス、及び/又はドーズ量などを測定するように設計することが可能である。実施形態において、特定のサブターゲットを、2つ以上のパラメータ、例えばオーバーレイと、クリティカルディメンション、フォーカス、ドーズ量などの1つ以上の他のパラメータとを測定するように設計することができる。
[00242] 実施形態において、周期構造は、望ましくは例えば図14(a)に示されるように幅より長い。図14(a)は、サブターゲット1202及び1204の周期構造の各々を、その幅より長いものとして示している。こうした配置は、X方向とY方向との間のクロストークを低減させるのを助ける。例えば、拡張動作範囲メトロロジーターゲットにとって望ましいより小さい周期構造の場合、格子辺と全表面積との間の比が大きくなるため、クロストークはより強くなる傾向がある。クロストークを生じさせる領域は、0.5×波長×格子辺×2である。したがって、幅より長い周期構造はクロストークを低減させる傾向があるため、より有利であり得る。
[00243] 上述のターゲット構造は、特に測定の目的で設計及び形成されたメトロロジーターゲットであるが、他の実施形態では、プロパティは、基板上に形成されたデバイスの機能部分であるターゲット上で測定可能である。多くのデバイスは規則的な格子状構造を有する。本明細書で使用される「ターゲット格子」及び「ターゲット周期構造」という用語は、構造が、実行されている測定用に特別に提供されていることを必要としない。さらに、メトロロジーターゲットのピッチPは、散乱計の光学システムの分解能限界に近いが、ターゲット部分Cにおいてリソグラフィプロセスによって作られる典型的なプロダクトフィーチャの寸法よりも大幅に大きくてよい。実際、オーバーレイ周期構造のフィーチャ及び/又は空間は、プロダクトフィーチャと寸法が同様のより小さい構造を含むように作成することができる。
[00244] 或る実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲットのサブターゲットの周期構造は、回転的に対称であり得る。すなわち、拡張動作範囲メトロロジーターゲットの2つ以上(例えば、3つ以上、4つ以上など)のサブターゲットが存在し得、サブターゲットは対称の共通の中心を共有するように構成され、各サブターゲットは、対称の共通の中心の周囲での180度又はそれ以上の回転に対して不変である。さらに、各サブターゲットは2つ以上(例えば、3つ以上、4つ以上など)の周期構造を含むことが可能であり、周期構造の各々が対称の個々の中心を有し、各周期構造は、対称の個々の中心の周囲での180度又はそれ以上の回転に対して不変である。
[00245] しかし、実施形態において、拡張動作範囲メトロロジーターゲットのサブターゲットの周期構造は、回転的に非対称であり得る。これは、いくつかの方法のうちのいずれかで達成可能である。例えば、3つ以上のサブターゲットのうちの或るサブターゲットを、他のサブターゲットの対称の共通の中心から遠くへシフトさせる(配置する)ことができる。別の例として、サブターゲットの1つ以上の周期構造の1つ以上のフィーチャを、サブターゲットの1つ以上の他の周期構造の1つ以上のフィーチャに対して、又は、別のサブターゲットの1つ以上の周期構造の1つ以上のフィーチャに対して、わずかに短縮、伸長、又はシフトすることができる。別の例として、任意の対称を途絶するために、1つ以上のダミー構造を、サブターゲットの周期構造の間、又はサブターゲットの間に挿入することができる。実施形態において、1つ以上のダミー構造は回転的に非対称である。シフト、短縮、又は伸長は、測定装置の測定可能範囲よりも下であり得る。実施形態において、シフト、短縮、又は伸長は、1nm範囲内又はそれ未満である。こうした変更は、測定読み取り値に対して小さい影響から無視できる影響までを有する。同様に、ダミー構造は、測定装置の有効な測定範囲より下のフィーチャサイズ又はピッチを有することができる。実施形態において、本明細書で説明するアシストフィーチャはこうしたダミー構造とすることができる。
[00246] 「構造」という用語は、本明細書では、単純な格子ラインなどの任意の特定の形の構造に限定されない。実際に、より精細なサブ構造の集合によって、格子のライン及び空間などの粗な構造フィーチャを形成することができる。
[00247] 基板及びパターニングデバイス上で実現されるターゲットの物理的周期構造に関連して、実施形態は、リソグラフィプロセスに関する情報を取得するために、基板に関するターゲットを設計する方法、基板上にターゲットを製造する方法、基板上のターゲットを測定する方法、及び/又は測定を分析する方法を記述する、機械可読命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラムを含むことができる。実施形態は、機械可読命令の1つ以上のシーケンス、又はターゲットを記述するデータを含む、コンピュータコードを備えることができる。このコンピュータプログラム又はコードは、例えば、図3の装置内のユニットPU及び/又は図2の制御ユニットLACU内で、実行可能である。こうしたコンピュータプログラム又は内部に記憶されたコードを有する、データ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気又は光ディスクなど)も提供可能である。例えば、図3に示されたタイプの既存のメトロロジー装置がすでに製造及び/又は使用されている場合、本発明の実施形態は、本明細書で説明する方法の1つ以上をプロセッサに実行させるために更新されたコンピュータプログラム製品の提供によって実装可能である。コンピュータプログラム又はコードは、好適な複数のターゲット上のリソグラフィプロセスのパラメータを測定する方法を実行するために、光学システム、基板サポートなどを制御するように、任意選択で配置することができる。コンピュータプログラム又はコードは、さらなる基板の測定のために、リソグラフィ及び/又はメトロロジーレシピを更新することができる。コンピュータプログラム又はコードは、さらなる基板のパターニング及び処理のためにリソグラフィ装置を(直接的又は間接的に)制御するように配置することができる。
[00248] 本発明に従ったさらなる実施形態は、以下の多数の項で見つけることができる。
1. リソグラフィプロセスのパラメータを測定する方法であって、
放射を用いて基板上の回折測定ターゲットを照明することであって、前記測定ターゲットは少なくとも第1のサブターゲット及び少なくとも第2のサブターゲットを備え、前記第1及び第2のサブターゲットは各々周期構造のペアを備え、前記第1のサブターゲットは前記第2のサブターゲットとは異なる設計を有し、前記異なる設計は、前記第2のサブターゲットの周期構造とは異なるピッチ、フィーチャ幅、空間幅、及び/又はセグメンテーションを有する前記第1のサブターゲットの周期構造を備える、照明すること、及び、
そのターゲットについての前記リソグラフィプロセスの前記パラメータを表す測定を取得するために、少なくとも前記第1及び第2のサブターゲットによって散乱される放射を検出すること、
を含む、方法。
2. 前記第1のサブターゲットは第5の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第2のサブターゲットは第6の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第5の周期構造は前記基板上の前記第6の周期構造とは異なる層にある、第1項に記載の方法。
3. 前記第1及び第2のサブターゲットの各々の前記周期構造のペアのフィーチャは、同じ方向に延在する、第1項又は第2項に記載の方法。
4. 前記第1及び第2の基板は各々、第1の方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第1のペアと、第2の異なる方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第2のペアとを備える、第1項又は第2項に記載の方法。
5. 前記第1及び第2のサブターゲットは各々、第1の方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第1のペアと、第2の異なる方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第2のペアとを備え、前記第5の周期構造は前記第1の方向に延在するフィーチャを有し、前記第6の周期構造は前記第2の方向に延在するフィーチャを有する、第2項に記載の方法。
6. 少なくとも第3のサブターゲット及び少なくとも第4のサブターゲットをさらに備え、前記第3及び第4のサブターゲットは各々、周期構造のペアを備える、第1項から第5項のいずれかに記載の方法。
7. 前記第3のサブターゲットは第9の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第4のサブターゲットは第10の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第9の周期構造は前記基板上の前記第10の周期構造とは異なる層にある、第6項に記載の方法。
8. 前記第3及び第4のサブターゲットは各々、第1の方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第1のペアと、第2の異なる方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第2のペアとを備える、第6項又は第7項に記載の方法。
9. 前記第3及び第4のサブターゲットは各々、第1の方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第1のペアと、第2の異なる方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第2のペアとを備え、前記第9の周期構造は前記第1の方向に延在するフィーチャを有し、前記第10の周期構造は前記第2の方向に延在するフィーチャを有する、第7項に記載の方法。
10. 前記リソグラフィプロセスの前記パラメータはオーバーレイを備える、第1項から第9項のいずれかに記載の方法。
11. 前記照明することは、前記第1及び第2のサブターゲットの前記周期構造の各々の少なくとも一部を一度にカバーする、前記回折測定ターゲット上の測定スポットを照明することを含む、第1項から第10項のいずれかに記載の方法。
12. 前記第1及び第2のサブターゲットの前記周期構造の各々の少なくとも一部は、前記基板上の1000μm2より少ないか又は等しい連続領域内にある、第1項から第11項のいずれかに記載の方法。
13. 前記第1及び第2のサブターゲットの前記周期構造の各々の少なくとも一部は、前記基板上の400μm2より少ないか又は等しい連続領域内にある、第1項から第11項のいずれかに記載の方法。
14. 前記サブターゲットの各々は、前記基板のための異なるプロセススタックについて設計される、第1項から第13項のいずれかに記載の方法。
15. 前記サブターゲットの各々は、多層オーバーレイ測定のための異なる層ペアについて設計される、第1項から第14項のいずれかに記載の方法。
16. 少なくとも第1のサブターゲット及び少なくとも第2のサブターゲットを備える、回折測定ターゲットであって、前記第1及び第2のサブターゲットは各々周期構造のペアを備え、前記第1のサブターゲットは前記第2のサブターゲットとは異なる設計を有し、前記異なる設計は、前記第2のサブターゲットの周期構造とは異なるピッチ、フィーチャ幅、空間幅、及び/又はセグメンテーションを有する前記第1のサブターゲットの周期構造を備える、回折測定ターゲット。
17. 基板上の場合、前記第1のサブターゲットは第5の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第2のサブターゲットは第6の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第5の周期構造は前記第6の周期構造とは異なる層にある、第16項に記載のターゲット。
18. 前記第1及び第2のサブターゲットの各々の前記周期構造のペアのフィーチャは、同じ方向に延在する、第16項又は第17項に記載のターゲット。
19. 前記第1及び第2の基板は各々、第1の方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第1のペアと、第2の異なる方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第2のペアとを備える、第16項又は第17項に記載のターゲット。
20. 前記第1及び第2のサブターゲットは各々、第1の方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第1のペアと、第2の異なる方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第2のペアとを備え、前記第5の周期構造は前記第1の方向に延在するフィーチャを有し、前記第6の周期構造は前記第2の方向に延在するフィーチャを有する、第17項に記載のターゲット。
21. 少なくとも第3のサブターゲット及び少なくとも第4のサブターゲットをさらに備え、前記第3及び第4のサブターゲットは各々、周期構造のペアを備える、第16項から第20項のいずれかに記載のターゲット。
22. 基板上の場合、前記第3のサブターゲットは第9の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第4のサブターゲットは第10の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第9の周期構造は前記第10の周期構造とは異なる層にある、第21項に記載のターゲット。
23. 前記第3及び第4のサブターゲットは各々、第1の方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第1のペアと、第2の異なる方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第2のペアとを備える、第21項又は第22項に記載のターゲット。
24. 前記第3及び第4のサブターゲットは各々、第1の方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第1のペアと、第2の異なる方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第2のペアとを備え、前記第9の周期構造は前記第1の方向に延在するフィーチャを有し、前記第10の周期構造は前記第2の方向に延在するフィーチャを有する、第22項に記載のターゲット。
25. 基板上の場合、前記第1及び第2のサブターゲットの前記周期構造の各々の少なくとも一部は、前記基板上の1000μm2より少ないか又は等しい連続領域内にある、第16項から第24項のいずれかに記載のターゲット。
26. 基板上の場合、前記第1及び第2のサブターゲットの前記周期構造の各々の少なくとも一部は、前記基板上の400μm2より少ないか又は等しい連続領域内にある、第16項から第24項のいずれかに記載のターゲット。
27. リソグラフィプロセスのパラメータを測定する方法であって、
放射を用いて基板上の回折測定ターゲットを照明することであって、前記測定ターゲットは第1の層内に少なくとも第1のサブターゲット及び少なくとも第2のサブターゲットを備え、前記第1のサブターゲットは第1の周期構造を備え、前記第2のサブターゲットは第2の周期構造を備え、第3の周期構造は前記第1の層の下の第2の異なる層内の前記第1の周期構造の下に少なくとも部分的に配置され、前記第2の層内の前記第2の周期構造の下にはいずれの周期構造も存在せず、第4の周期構造は前記第2の層の下の第3の異なる層内の前記第2の周期構造の下に少なくとも部分的に配置される、照明すること、及び、
そのターゲットについての前記リソグラフィプロセスの前記パラメータを表す測定を取得するために、少なくとも前記第1から第4の周期構造によって散乱される放射を検出すること、
を含む、方法。
28. 前記第1のサブターゲットは前記第2のサブターゲットとは異なる設計を有する、第27項に記載の方法。
29. 前記異なる設計は、前記第2のサブターゲットとは異なるピッチ、フィーチャ幅、空間幅、及び/又はセグメンテーションを有する前記第1のサブターゲットを備える、第28項に記載の方法。
30. 前記第1及び第2のサブターゲットは各々、前記第1及び第2の周期構造の前記フィーチャがそれぞれ延在する、第1の方向とは異なる第2の方向に延在するフィーチャを有するさらなる周期構造を備える、第27項から第29項のいずれかに記載の方法。
31. 前記第2の周期構造は、前記第1の周期構造のフィーチャが延在する第1の方向とは異なる第2の方向に延在するフィーチャを有する、第27項から第29項のいずれかに記載の方法。
32. 前記第3の周期構造は前記第1の方向に延在するフィーチャを有し、前記第4の周期構造は前記第2の方向に延在するフィーチャを有する、第30項又は第31項に記載の方法。
33. 前記第1及び第2のサブターゲットの、及び前記第3及び第4の周期構造の、各々の前記周期構造のフィーチャは、同じ方向に延在する、第27項から第29項のいずれかに記載の方法。
34. 少なくとも第3のサブターゲット及び少なくとも第4のサブターゲットをさらに備え、前記第3及び第4のサブターゲットは各々周期構造を備える、第27項から第33項のいずれかに記載の方法。
35. 前記第3のサブターゲットは前記基板上の第5の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第4のサブターゲットは前記基板上の第6の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第5の周期構造は前記第6の周期構造とは異なる層にある、第34項に記載の方法。
36. 前記第3のサブターゲットは第1の方向に延在するフィーチャを有する周期構造を備え、前記第4のサブターゲットは第2の方向に延在するフィーチャを有する周期構造を備える、第34項又は第35項に記載の方法。
37. 前記第3のサブターゲットは第1の方向に延在するフィーチャを有する周期構造を備え、前記第4のサブターゲットは第2の異なる方向に延在するフィーチャを有する周期構造を備え、前記第5の周期構造は前記第1の方向に延在するフィーチャを有し、前記第6の周期構造は前記第2の方向に延在するフィーチャを有する、第35項に記載の方法。
38. 前記リソグラフィプロセスの前記パラメータはオーバーレイを備える、第27項から第37項のいずれかに記載の方法。
39. 前記照明することは、前記第1及び第2のサブターゲットの前記周期構造の各々の少なくとも一部を一度にカバーする、前記回折測定ターゲット上の測定スポットを照明することを含む、第27項から第38項のいずれかに記載の方法。
40. 前記第1及び第2のサブターゲットの前記周期構造の各々の少なくとも一部は、前記基板上の1000μm2より少ないか又は等しい連続領域内にある、第27項から第39項のいずれかに記載の方法。
41. 前記第1及び第2のサブターゲットの前記周期構造の各々の少なくとも一部は、前記基板上の400μm2より少ないか又は等しい連続領域内にある、第27項から第39項のいずれかに記載の方法。
42. 前記サブターゲットの各々は、前記基板のための異なるプロセススタックについて設計される、第27項から第41項のいずれかに記載の方法。
43. 前記サブターゲットの各々は、多層オーバーレイ測定のための異なる層ペアについて設計される、第27項から第42項のいずれかに記載の方法。
44. 基板上の場合、第1の層内にある、少なくとも第1のサブターゲット及び少なくとも第2のサブターゲットであって、前記第1のサブターゲットは第1の周期構造を備え、前記第2のサブターゲットは第2の周期構造を備える、少なくとも第1のサブターゲット及び少なくとも第2のサブターゲットと、前記基板上の場合、前記第1の層の下の第2の異なる層内の前記第1の周期構造の下に少なくとも部分的に配置された、第3の周期構造であって、前記第2の層内の前記第2の周期構造の下にはいずれの周期構造も存在しない、第3の周期構造と、前記基板上の場合、前記第2の層の下の第3の異なる層内の前記第2の周期構造の下に少なくとも部分的に配置された、第4の周期構造と、
を備える、回折測定ターゲット。
45. 前記第1のサブターゲットは前記第2のサブターゲットとは異なる設計を有する、第44項に記載のターゲット。
46. 前記異なる設計は、前記第2のサブターゲットとは異なるピッチ、フィーチャ幅、空間幅、及び/又はセグメンテーションを有する前記第1のサブターゲットを備える、第45項に記載のターゲット。
47. 前記第1及び第2のサブターゲットは各々、前記第1及び第2の周期構造の前記フィーチャがそれぞれ延在する、第1の方向とは異なる第2の方向に延在するフィーチャを有するさらなる周期構造を備える、第44項から第46項のいずれかに記載のターゲット。
48. 前記第2の周期構造は、前記第1の周期構造のフィーチャが延在する第1の方向とは異なる第2の方向に延在するフィーチャを有する、第44項から第47項のいずれかに記載のターゲット。
49. 前記第3の周期構造は前記第1の方向に延在するフィーチャを有し、前記第4の周期構造は前記第2の方向に延在するフィーチャを有する、第47項又は第48項に記載のターゲット。
50. 前記第1及び第2のサブターゲットの、及び前記第3及び第4の周期構造の、各々の前記周期構造のフィーチャは、同じ方向に延在する、第44項から第46項のいずれかに記載のターゲット。
51. 少なくとも第3のサブターゲット及び少なくとも第4のサブターゲットをさらに備え、前記第3及び第4のサブターゲットは各々周期構造を備える、第46項から第50項のいずれかに記載のターゲット。
52. 基板上の場合、前記第3のサブターゲットは前記基板上の第5の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第4のサブターゲットは前記基板上の第6の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第5の周期構造は前記第6の周期構造とは異なる層にある、第51項に記載のターゲット。
53. 前記第3のサブターゲットは第1の方向に延在するフィーチャを有する周期構造を備え、前記第4のサブターゲットは第2の方向に延在するフィーチャを有する周期構造を備える、第51項又は第52項に記載のターゲット。
54. 前記第3のサブターゲットは第1の方向に延在するフィーチャを有する周期構造を備え、前記第4のサブターゲットは第2の異なる方向に延在するフィーチャを有する周期構造を備え、前記第5の周期構造は前記第1の方向に延在するフィーチャを有し、前記第6の周期構造は前記第2の方向に延在するフィーチャを有する、第52項に記載のターゲット。
55. 前記基板上の場合、前記第1及び第2のサブターゲットの前記周期構造の各々の少なくとも一部は、前記基板上の1000μm2より少ないか又は等しい連続領域内にある、第44項から第54項のいずれかに記載のターゲット。
56. 前記基板上の場合、前記第1及び第2のサブターゲットの前記周期構造の各々の少なくとも一部は、前記基板上の400μm2より少ないか又は等しい連続領域内にある、第44項から第55項のいずれかに記載のターゲット。
57. リソグラフィプロセスのパラメータを測定する方法であって、
放射を用いて基板上の回折測定ターゲットを照明することであって、前記測定ターゲットは少なくとも第1のサブターゲット及び少なくとも第2のサブターゲットを備え、前記第1及び第2のサブターゲットは各々、第1の方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第1のペアと、第2の異なる方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第2のペアとを備え、前記第1のサブターゲットは前記第2のサブターゲットとは異なる設計を有する、照明すること、及び、
そのターゲットについての前記リソグラフィプロセスの前記パラメータを表す測定を取得するために、少なくとも前記第1及び第2のサブターゲットによって散乱される放射を検出すること、
を含む、方法。
58. 前記第1のサブターゲットの前記周期構造のうちの少なくとも1つは、第1の周期及び第1のフィーチャ又は空間幅を有し、前記第2のサブターゲットの前記周期構造のうちの少なくとも1つは、第2の周期及び第2のフィーチャ又は空間幅を有し、前記異なる設計は、前記第2の周期、前記第2のフィーチャ又は空間幅、又はその両方とはそれぞれ異なる、前記第1の周期、前記第1のフィーチャ又は空間幅、又はその両方を備える、第57項に記載の方法。
59. 前記第1のサブターゲットは第9の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第2のサブターゲットは第10の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第9の周期構造は前記基板上の前記第10の周期構造とは異なる層にある、第57項又は第58項に記載の方法。
60. 前記第9の周期構造のフィーチャは前記第1の方向に延在し、前記第10の周期構造のフィーチャは前記第2の方向に延在する、第59項に記載の方法。
61. 少なくとも第3のサブターゲット及び少なくとも第4のサブターゲットをさらに備え、前記第3及び第4のサブターゲットは各々周期構造を備える、第60項に記載の方法。
62. 前記第3のサブターゲットは第13の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第4のサブターゲットは第14の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第13の周期構造は前記基板上の前記第14の周期構造とは異なる層にあり、第13及び第14の周期構造は、前記第9及び第10の周期構造とは異なる層にある、第61項に記載の方法。
63. 前記測定ターゲットは400μm2の領域内にフィットする、第57項から第62項のいずれかに記載の方法。
64. 前記リソグラフィプロセスの前記パラメータはオーバーレイを備える、第57項から第63項のいずれかに記載の方法。
65. 前記サブターゲットの各々は、前記基板のための異なるプロセススタックについて設計される、第57項から第64項のいずれかに記載の方法。
66. 前記照明することは、前記第1及び第2のサブターゲットの前記周期構造の各々の少なくとも一部を一度にカバーする、前記回折測定ターゲット上の測定スポットを照明することを含む、第57項から第65項のいずれかに記載の方法。
67. 少なくとも第1のサブターゲット及び少なくとも第2のサブターゲットを備える回折測定ターゲットであって、前記第1及び第2のサブターゲットは各々、第1の方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第1のペアと、第2の異なる方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第2のペアとを備え、前記第1のサブターゲットは前記第2のサブターゲットとは異なる設計を有する、回折測定ターゲット。
68. 基板上の場合、前記第1のサブターゲットは第9の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第2のサブターゲットは第10の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第9の周期構造は前記基板上の前記第10の周期構造とは異なる層にある、第67項に記載のターゲット。
69. 前記第9の周期構造のフィーチャは前記第1の方向に延在し、前記第10の周期構造のフィーチャは前記第2の方向に延在する、第68項に記載のターゲット。
70. 少なくとも第3のサブターゲット及び少なくとも第4のサブターゲットをさらに備え、前記第3及び第4のサブターゲットは各々周期構造を備える、第69項に記載のターゲット。
72. 基板上の場合、前記第3のサブターゲットは第13の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第4のサブターゲットは第14の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第13の周期構造は前記基板上の前記第14の周期構造とは異なる層にあり、第13及び第14の周期構造は、前記第9及び第10の周期構造とは異なる層にある、第70項に記載のターゲット。
73. 基板上の場合、前記測定ターゲットは400μm2の領域内にフィットする、第67項から第72項のいずれかに記載のターゲット。
74. 前記第1のサブターゲットの前記周期構造のうちの少なくとも1つは、第1の周期及び第1のフィーチャ又は空間幅を有し、前記第2のサブターゲットの前記周期構造のうちの少なくとも1つは、第2の周期及び第2のフィーチャ又は空間幅を有し、前記異なる設計は、前記第2の周期、前記第2のフィーチャ又は空間幅、又はその両方とはそれぞれ異なる、前記第1の周期、前記第1のフィーチャ又は空間幅、又はその両方を備える、第67項から第73項のいずれかに記載のターゲット。
75. 前記サブターゲットの各々は、前記基板のための異なるプロセススタックについて設計される、第67項から第74項のいずれかに記載のターゲット。
76. リソグラフィプロセスのパラメータを測定する方法であって、
放射を用いて基板上の回折測定ターゲットを照明することであって、前記測定ターゲットは少なくとも第1のサブターゲット及び少なくとも第2のサブターゲットを備え、前記第1及び第2のサブターゲットは各々、第1の方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第1のペアと、第2の異なる方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第2のペアとを備え、前記第1及び第2のサブターゲットの各々の前記周期構造の少なくとも一部は前記基板上の1000μm2より小さいか又は等しい連続領域内にある、照明すること、及び、
そのターゲットについての前記リソグラフィプロセスの前記パラメータを表す測定を取得するために、少なくとも前記第1及び第2のサブターゲットによって散乱される放射を検出すること、
を含む、方法。
77. 前記第1のサブターゲットは前記第2のサブターゲットとは異なる設計を有する、第76項に記載の方法。
78. 前記異なる設計は、前記第2のサブターゲットとは異なるピッチ、フィーチャ幅、空間幅、及び/又はセグメンテーションを有する前記第1のサブターゲットを備える、第77項に記載の方法。
79. 前記第1のサブターゲットは第9の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第2のサブターゲットは第10の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第9の周期構造は前記基板上の前記第10の周期構造とは異なる層にある、第76項から第78項のいずれかに記載の方法。
80. 前記第9の周期構造のフィーチャは前記第1の方向に延在し、前記第10の周期構造のフィーチャは前記第2の方向に延在する、第79項に記載の方法。
81. 少なくとも第3のサブターゲット及び少なくとも第4のサブターゲットをさらに備え、前記第3及び第4のサブターゲットは各々周期構造を備える、第80項に記載の方法。
82. 前記第3のサブターゲットは第13の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第4のサブターゲットは第14の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第13の周期構造は前記基板上の前記第14の周期構造とは異なる層にあり、第13及び第14の周期構造は、前記第9及び第10の周期構造とは異なる層にある、第81項に記載の方法。
83. 前記リソグラフィプロセスの前記パラメータはオーバーレイを備える、第76項から第82項のいずれかに記載の方法。
84. 前記照明することは、前記第1及び第2のサブターゲットの前記周期構造の各々の少なくとも一部を一度にカバーする、前記回折測定ターゲット上の測定スポットを照明することを含む、第76項から第83項のいずれかに記載の方法。
85. 前記第1及び第2のサブターゲットの前記周期構造の各々の少なくとも一部は、前記基板上の400μm2より小さいか又は等しい連続領域内にある、第76項から第84項のいずれかに記載の方法。
86. 前記サブターゲットの各々は、前記基板のための異なるプロセススタックについて設計される、第76項から第85項のいずれかに記載の方法。
87. 前記サブターゲットの各々は、多層オーバーレイ測定のための異なる層ペアについて設計される、第76項から第86項のいずれかに記載の方法。
88. 少なくとも第1のサブターゲット及び少なくとも第2のサブターゲットを備える回折測定ターゲットであって、前記第1及び第2のサブターゲットは各々、第1の方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第1のペアと、第2の異なる方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第2のペアとを備え、前記第1及び第2のサブターゲットの各々の前記周期構造の少なくとも一部は基板上の1000μm2より小さいか又は等しい連続領域内にある、回折測定ターゲット。
89. 前記第2のサブターゲットは前記第1のサブターゲットとは異なる設計を有する、第88項に記載のターゲット。
90. 基板上の場合、前記第1のサブターゲットは第9の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第2のサブターゲットは第10の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第9の周期構造は前記基板上の前記第10の周期構造とは異なる層にある、第88項から第89項のいずれかに記載のターゲット。
91. 前記第9の周期構造のフィーチャは前記第1の方向に延在し、前記第10の周期構造のフィーチャは前記第2の方向に延在する、第90項に記載のターゲット。
92. 少なくとも第3のサブターゲット及び少なくとも第4のサブターゲットをさらに備え、前記第3及び第4のサブターゲットは各々周期構造を備える、第91項に記載のターゲット。
93. 基板上の場合、前記第3のサブターゲットは第13の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第4のサブターゲットは第14の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第13の周期構造は前記基板上の前記第14の周期構造とは異なる層にあり、第13及び第14の周期構造は、前記第9及び第10の周期構造とは異なる層にある、第92項に記載のターゲット。
94. 前記基板上の場合、前記第1及び第2のサブターゲットの前記周期構造の各々の少なくとも一部は、前記基板上の400μm2より小さいか又は等しい連続領域内にある、第88項から第93項のいずれかに記載のターゲット。
95. メトロロジーターゲット設計の方法であって
複数のサブターゲットを有する回折メトロロジーターゲットの前記設計のための指示を受信することであって、各サブターゲットは、第1の方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第1のペアと、第2の異なる方向に延在するフィーチャを有する周期構造の第2のペアとを備える、受信すること、
前記回折メトロロジーターゲットの前記領域、寸法、又はその両方に関する制約を受信すること、及び、
プロセッサによって、少なくとも前記制約に基づいて前記回折メトロロジーターゲットの設計を選択すること、
を含む、方法。
96. 前記回折メトロロジーターゲットの前記領域、寸法、又はその両方に関する前記制約は、前記第1及び第2のサブターゲットの各々の前記周期構造の少なくとも一部が基板上の1000μm2より小さいか又は等しい連続領域内にあることを含む、第95項に記載の方法。
97. 少なくとも2つの異なるプロセススタックに関する情報を受信することをさらに含み、前記回折メトロロジーターゲットの前記設計は、異なるプロセススタックについて設計された前記サブターゲットの各々を備える、第95項又は第96項に記載の方法。
98. 前記回折メトロロジーターゲットによって測定されることになる多層ペアに関する情報を受信することをさらに含み、前記回折メトロロジーターゲットの前記設計は、異なる層ペアについて設計された前記サブターゲットの各々を備える、第95項から第97項のいずれかに記載の方法。
99. 前記回折メトロロジーターゲットの前記設計は、前記第2のサブターゲットとは異なるピッチ、フィーチャ幅、空間幅、及び/又はセグメンテーションを有する前記第2のサブターゲットを備える、第95項から第98項のいずれかに記載の方法。
100. 放射を用いて基板上の回折測定ターゲットを照明することを含む方法であって、前記測定ターゲットは少なくとも第1のサブターゲット、第2のサブターゲット、及び第3のサブターゲットを備え、前記第1、第2、及び第3のサブターゲットは設計が異なる、方法。
101. 前記異なる設計は、前記第1から第3のサブターゲットのうちの別の1つとは異なるピッチ、フィーチャ幅、空間幅、及び/又はセグメンテーションを有する前記第1から第3のサブターゲットのうちの1つを備える、第100項に記載の方法。
102. 前記第1のサブターゲットは第1の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第2のサブターゲットは第2の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第2のサブターゲットは第2の周期構造を少なくとも部分的にオーバーレイし、前記第1の周期構造は、前記基板上の前記第2及び第3の周期構造とは異なる層にあり、前記第2の周期構造は、前記基板上の前記第1及び第2の周期構造とは異なる層にある、第100項又は第101項に記載の方法。
103. 前記照明することは、前記第1から第3のサブターゲットの前記周期構造の各々の少なくとも一部を一度にカバーする、前記回折測定ターゲット上の測定スポットを照明することを含む、第100項から第102項のいずれかに記載の方法。
104. 前記第1から第3のサブターゲットの前記周期構造の各々の少なくとも一部は、前記基板上の400μm2より小さいか又は等しい連続領域内にある、第100項から第103項のいずれかに記載の方法。
105. 前記第1から第3のサブターゲットの各々は、前記基板のための異なるプロセススタックについて設計される、第100項から第104項のいずれかに記載の方法。
106. 前記第1から第3のサブターゲットの各々は、多層オーバーレイ測定のための異なる層ペアについて設計される、第100項から第105項のいずれかに記載の方法。
107. 少なくとも第1のサブターゲット、第2のサブターゲット、及び第3のサブターゲットを備える回折メトロロジーターゲットであって、前記第1、第2、及び第3のサブターゲットは設計が異なる、回折メトロロジーターゲット。
108. 前記異なる設計は、前記第1から第3のサブターゲットのうちの別の1つとは異なるピッチ、フィーチャ幅、空間幅、及び/又はセグメンテーションを有する前記第1から第3のサブターゲットのうちの1つを備える、第107項に記載のターゲット。
109. 前記第1から第3のサブターゲットの前記周期構造の各々の少なくとも一部は、前記基板上の400μm2より小さいか又は等しい連続領域内にある、第107項又は第108項に記載のターゲット。
110. 前記第1から第3のサブターゲットの各々は、前記基板のための異なるプロセススタックについて設計される、第107項から第109項のいずれかに記載のターゲット。
111. 前記第1から第3のサブターゲットの各々は、多層オーバーレイ測定のための異なる層ペアについて設計される、第107項から第110項のいずれかに記載の方法。
112. 2つの層間のオーバーレイを測定することを含む方法であって、
放射を用いて、2つの層の各々の上にターゲットの一部を有する基板上の回折測定ターゲットを照明することを含み、前記2つの層は少なくとも1つの他の層によって分離される、方法。
113. 前記2つの層のうちの第1の層は、少なくとも第1のサブターゲット及び第2のサブターゲットを備え、第1の周期構造は、前記2つの層のうちの第2の層内の前記第1のサブターゲットの下に少なくとも部分的に配置され、前記第2の層内の前記第2のサブターゲットの下にはいずれの周期構造も存在しない、第112項に記載の方法。
114. 前記第1及び第2のサブターゲットは設計が異なる、第113項に記載の方法。
115. 前記異なる設計は、前記第2のサブターゲットとは異なるピッチ、フィーチャ幅、空間幅、及び/又はセグメンテーションを有する前記第1のサブターゲットを備える、第114項に記載の方法。
116. 第2の周期構造は、前記少なくとも1つの他の層内の前記第2のサブターゲットの下に少なくとも部分的に配置される、第113項から第115項のいずれかに記載の方法。
117. 前記照明することは、前記第1及び第2のサブターゲットの前記周期構造の各々の少なくとも一部を一度にカバーする、前記回折測定ターゲット上の測定スポットを照明することを含む、第113項から第116項のいずれかに記載の方法。
118. 前記第1及び第2のサブターゲットの前記周期構造の各々の少なくとも一部は、前記基板上の400μm2より小さいか又は等しい連続領域内にある、第113項から第117項のいずれかに記載の方法。
119. 前記第1及び第2のサブターゲットの各々は、前記基板のための異なるプロセススタックについて設計される、第113項から第118項のいずれかに記載の方法。
120. 前記第1及び第2のサブターゲットの各々は、多層オーバーレイ測定のための異なる層ペアについて設計される、第113項から第119項のいずれかに記載の方法。
121. 回折測定ターゲットの配置を考案する方法であって、前記ターゲットは複数のサブターゲットを備え、各サブターゲットは複数の周期構造を備え、各サブターゲットは、異なる層ペアを測定するように、又は異なるプロセススタックについて測定するように設計され、前記方法は、
前記サブターゲットの前記周期構造をターゲット領域内に配置すること、及び、
アシストフィーチャを前記サブターゲットうちの少なくとも1つの周辺に配置することを含み、前記アシストフィーチャは、前記少なくとも1つのサブターゲットの前記周辺で測定される強度ピークを減少させるように構成される、
方法。
122. サブターゲットの特定の周期構造に隣接し、前記周期構造と共に配向された、前記アシストフィーチャは、前記周期構造と同相に位置決めされる、第121項に記載の方法。
123. 前記アシストフィーチャは複数のアシストフィーチャを備え、前記ターゲット領域は、前記ターゲット領域をほぼ取り囲む前記複数のアシストフィーチャによって画定される、第121項又は第122項に記載の方法。
124. 前記アシストフィーチャは、前記ターゲット領域内の各サブターゲット間に提供されたさらなる複数のアシストフィーチャを備える、第123項に記載の方法。
125. 前記さらなる複数のアシストフィーチャは、前記関連する検査波長の少なくとも半分の波長を備える前記サブターゲット間の空間を埋めるように配置される、第124項に記載の方法。
126. 各サブターゲットは、各サブターゲットをその周囲の環境から隔離するように、前記アシストフィーチャによってほぼ囲まれている、第121項から第125項のいずれかに記載の方法。
127. 前記アシストフィーチャは、前記複数のサブターゲットのうちのサブターゲットの周期構造のピッチよりも大幅に小さいピッチを有するフィーチャを備える、第121項から第126項のいずれかに記載の方法。
128. 前記アシストフィーチャの複数の構造のピッチは、前記アシストフィーチャがメトロロジープロセスを使用する前記ターゲットの検査中に検出されない、第121項から第127項のいずれかに記載の方法。
129. 前記アシストフィーチャは、各サブターゲットの最も外側の各構造に直接隣接して配置される、第121項から第128項のいずれかに記載の方法。
130. 回折ベースのメトロロジープロセスを使用する前記ターゲットの検査によって取得される結果の画像をモデル化すること、及び、
前記ターゲット配置が前記回折ベースのメトロロジープロセスを使用する検出について最適化されているかどうかを評価すること、
をさらに含む、第121項から第129項のいずれかに記載の方法。
131. 前記方法は、前記ターゲット配置を最適化するために反復的に繰り返される、第130項に記載の方法。
132. 特定のターゲット配置が最適化されているとみなされるかどうかを考慮するための基準は、
前記回折ベースのメトロロジープロセスを使用して検査した場合、前記サブターゲット周辺の強度が前記サブターゲット中心と同じ次数の大きさであるかどうかを決定すること、
前記回折ベースのメトロロジープロセスを使用して検査した場合、オーバーレイ、デフォーカス、及び/又は収差の存在下で前記サブターゲット周辺に最小の強度変動が存在するかどうかを決定すること、
前記関連する検査波長範囲にとって最適なターゲット認識のための十分な間隔がサブターゲット間に存在するかどうかを決定すること、及び/又は、
前記格子域全体が最大であるかどうかを決定すること、
から選択された、少なくとも1つを含む、第130項又は第131項に記載の方法。
133. 前記ターゲットは2つ以上のオーバーレイされたターゲット層を備え、上位ターゲット層はオーバーレイバイアス及び前記アシストフィーチャを備え、前記バイアスは前記上位層内の前記アシストフィーチャに適用されない、第121項から第132項のいずれかに記載の方法。
134. 前記ターゲットは2つ以上のオーバーレイされたターゲット層を備え、上位ターゲット層はオーバーレイバイアスを備え、前記上位層はいずれのアシストフィーチャも備えない、第121項から第132項のいずれかに記載の方法。
135. 前記アシストフィーチャは前記少なくとも1つのサブターゲットとは異なる層内に配置される、第121項から第132項のいずれかに記載の方法。
136. 前記ターゲットのターゲット領域内の複数のサブターゲットであって、各々のサブターゲットが複数の周期構造を備え、各々のサブターゲットが異なる層ペアを測定するか又は異なるプロセススタックについて測定するように設計された、複数のサブターゲットと、
前記サブターゲットのうちの少なくとも1つの周辺のアシストフィーチャであって、前記サブターゲットの周辺で測定される強度ピークを減少させるように構成された前記アシストフィーチャと、
を備える、回折測定ターゲット。
137. 前記アシストフィーチャは、前記複数のサブターゲットのうちのサブターゲットの周期構造のピッチよりも大幅に小さいピッチを有するフィーチャを備える、第136項に記載のターゲット。
138. 各サブターゲットは、各サブターゲットをその周囲の環境から隔離するように、前記アシストフィーチャによってほぼ囲まれている、第136項又は第137項に記載のターゲット。
139. 前記アシストフィーチャは複数のアシストフィーチャを備え、前記複数のアシストフィーチャは前記ターゲット領域をほぼ取り囲む、第136項から第138項のいずれかに記載のターゲット。
140. 前記アシストフィーチャは、前記ターゲット領域内の各サブターゲット間に提供されたさらなる複数のアシストフィーチャを備える、第139項に記載のターゲット。
141. 前記アシストフィーチャのフィーチャのピッチは、前記アシストフィーチャがメトロロジープロセスを使用する前記ターゲットの検査中に検出されない、第136項から第140項のいずれかに記載のターゲット。
142. 前記アシストフィーチャは、各サブターゲット周辺の回折強度ピークを低減させるように構成される、第136項から第141項のいずれかに記載のターゲット。
143. 前記アシストフィーチャは、各サブターゲットの最も外側の各構造に直接隣接して配置される、第136項から第142項のいずれかに記載のターゲット。
144. サブターゲットの特定の周期構造に隣接し、前記周期構造と共に配向された、前記アシストフィーチャは、前記周期構造と同相に位置決めされる、第136項から第143項のいずれかに記載のターゲット。
145. デバイスパターンがリソグラフィプロセスを使用して一連の基板に適用される、デバイスを製造する方法であって、第1から9項、第15から24項、第31から37項、第43から51項、第61から67項、又は第73から81項のいずれかの記載の方法を使用して、前記基板のうちの少なくとも1つの上に前記デバイスパターンの一部として又は前記デバイスパターンの代わりに形成される少なくとも回折測定ターゲットを検査すること、及び、前記方法の結果に従ってその後の基板に対する前記リソグラフィプロセスを制御することを含む、方法。
146. 第1から9項、第15から24項、第31から37項、第43から51項、第56から67項、第73から81項、又は第82から96項のいずれかに記載の方法をプロセッサに実行させるための機械可読命令を備える、非一時的コンピュータプログラム製品。
147. 第10から14項、第25から30項、第38から42項、第52から55項、第68から72項、又は第97〜105項のいずれかに記載の前記ターゲットを定義する機械可読命令又はデータを備える、非一時的コンピュータプログラム製品。
148. 第10から14項、第25から30項、第38から42項、第52から55項、第68から72項、又は第97〜105項のいずれかに記載の前記ターゲットを備える基板。
149. 第10から14項、第25から30項、第38から42項、第52から55項、第68から72項、又は第97〜105項のいずれかに記載の前記回折測定ターゲットを少なくとも部分的に形成するように構成された、パターニングデバイス。
150. 基板上の回折測定ターゲット上にビームを提供するように、及びリソグラフィプロセスのパラメータを決定するために前記ターゲットによって回折される放射を検出するように構成された、検査装置と、
第146項又は第147項に記載の前記非一時的コンピュータプログラム製品と、
を備える、システム。
151. 放射ビームを変調するためにパターニングデバイスを保持するように構成された支持構造と、前記変調済みを放射感知基板上に投影するように構成された投影光学システムと、を備える、リソグラフィ装置をさらに備える、第150項に記載のシステム。
[00249] 光リソグラフィの分野での本発明の実施形態の使用に特に言及してきたが、本発明は文脈によってはその他の分野、例えばインプリントリソグラフィでも使用することができ、光リソグラフィに限定されないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは基板に供給されたレジスト層内に刻印され、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組み合わせを印加することでレジストは硬化する。パターニングデバイスはレジストから取り除かれ、レジストが硬化すると、内部にパターンが残される。
[00250] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)及び極端紫外線光(EUV)放射(例えば、5nm〜20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
[00251] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折、反射、磁気、電磁気及び静電気光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組み合わせを指すことができる。
[00252] 特定の実施形態に関する以上の説明は、本発明の全体的性質を十分に明らかにしているので、当技術分野の知識を適用することにより、過度の実験をせず、本発明の全体的概念から逸脱することなく、このような特定の実施形態を容易に修正する、及び/又はこれらを様々な用途に適応させることができる。したがって、このような適応及び修正は、本明細書に提示された教示及び案内に基づき、開示された実施形態の同等物の意味及び範囲内に入るものとする。本明細書の言葉遣い又は用語は説明のためのもので、限定するものではなく、したがって本明細書の用語又は言葉遣いは、当業者には教示及び案内の観点から解釈されるべきことを理解されたい。
[00253] 本発明の幅及び範囲は、上述した例示的実施形態のいずれによっても限定されず、特許請求の範囲及びその同等物によってのみ規定されるものである。