以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施例に係るシステム構成図である。図1に示すシステム1000は、複数の医師端末3と、サーバ装置100とが、ネットワーク2を介して接続される。本実施例において、システム1000は、サーバ装置100から各医師端末3へ必要な機能をオンデマンドで提供するSaaS(Software as a Service)を実現する。
以下の説明において、サーバ装置100に接続される端末を医師4が利用する医師端末3として説明するが、医師端末3に限定されない。本実施例は、在宅医療における訪問診療、訪問看護、訪問介護など、患者の所在地へ赴いて患者をケアする訪問ケアシステムに係る技術に適用可能である。従って、患者の所在地へ赴く看護師、ヘルパー、ケアマネージャー等が利用する端末であっても良い。また以下の説明においては、医師端末3を医師4が操作する例を挙げているが、上述の通り、医師端末3を操作する人は、医師4に限る必要はない。
サーバ装置100は、医師4による訪問ルートの決定を支援するコンピュータ装置である。サーバ装置100は、例えば、クラウドサーバ等であっても良い。
医師端末3は、医師4によって利用されるコンピュータ装置である。医師端末3は、通信機能を有し、ネットワーク2を介してサーバ装置100と通信可能に接続できるコンピュータであればよく、パーソナルコンピュータ、ノートブック型、タブレット型、スマートフォン等の端末である。
サーバ装置100は、訪問ケアに必要な種々の機能及び情報を医師端末3に提供する。医師端末3は、種々の機能の実体、即ち、プログラムや、患者情報、スケジュール情報等を保持する必要なく、訪問ケアに関する情報管理に必要な支援をえることができる。サーバ装置100は、情報処理装置に相当する。
図2は、サーバ装置100のハードウェア構成を示す図である。図2において、サーバ装置100は、コンピュータであって、CPU(Central Processing Unit)11aと、主記憶装置12aと、補助記憶装置13aと、入力装置14aと、表示装置15aと、通信I/F(インターフェース)17aと、ドライブ装置18aとを有し、それらのユニットがバスB1に接続されている。
CPU11aは、主記憶装置12aに格納されたプログラムに従ってサーバ装置100を制御する。主記憶装置12aには、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等が用いられ、CPU11aにて実行されるプログラム、CPU11aでの処理に必要なデータ、CPU11aでの処理にて得られたデータ等を記憶又は一時保存する。
補助記憶装置13aには、HDD(Hard Disk Drive)等が用いられ、各種処理を実行するためのプログラム等のデータを格納する。補助記憶装置13aに格納されているプログラムの一部が主記憶装置12にロードされ、CPU11aに実行されることによって、各種処理が実現される。記憶部130aは、主記憶装置12a及び/又は補助記憶装置13aを有する。
入力装置14aは、マウス、キーボード等を有し、ユーザがサーバ装置100による処理に必要な各種情報を入力するために用いられる。表示装置15aは、CPU11aの制御のもとに必要な各種情報を表示する。通信I/F17aは、有線又は無線などのネットワークを通じて通信を行う。通信I/F17aによる通信は無線又は有線に限定されるものではない。
サーバ装置100aによって行われる処理を実現するプログラムは、例えば、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)等の記憶媒体19aによってサーバ装置100に提供される。
ドライブ装置18aは、ドライブ装置18aにセットされた記憶媒体19a(例えば、CD−ROM等)とサーバ装置100とのインターフェースを行う。
また、記憶媒体19aに、後述される本実施の形態に係る種々の処理を実現するプログラムを格納し、この記憶媒体19aに格納されたプログラムは、ドライブ装置18aを介してサーバ装置100にインストールされる。インストールされたプログラムは、サーバ装置100により実行可能となる。
尚、プログラムを格納する媒体としてCD−ROMに限定するものではなく、コンピュータが読み取り可能な媒体であればよい。コンピュータ読取可能な記憶媒体として、CD−ROMの他に、DVDディスク、USBメモリ等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリであっても良い。
図3は、医師端末のハードウェア構成を示す図である。図3において、医師端末3は、タブレット型、携帯電話等の情報処理端末であって、CPU(Central Processing Unit)11bと、主記憶装置12bと、ユーザI/F(インターフェース)16bと、通信I/F17bと、ドライブ装置18bとを有し、バスB2に接続される。
CPU11bは、主記憶装置12bに格納されたプログラムに従って医師端末3を制御する。主記憶装置12bには、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等が用いられ、CPU11bにて実行されるプログラム、CPU11bでの処理に必要なデータ、CPU11bでの処理にて得られたデータ等を記憶又は一時保存する。主記憶装置12bに格納されているプログラムが、CPU11bに実行されることによって、各種処理が実現される。
ユーザI/F16bは、CPU11bの制御のもとに必要な各種情報を表示し、また、ユーザによる操作入力を可能とするタッチパネル等である。通信I/F17bによる通信は無線又は有線に限定されるものではない。
医師端末3によって行われる処理を実現するプログラムは、ネットワーク2を介してサーバ装置100からオンデマンドでダウンロードされる。プログラムは、例えば、医師端末3のWebブラウザ上で動作するJavaScript(登録商標)(ジャバスクリプト)等である。
ドライブ装置18bは、ドライブ装置18bにセットされた記憶媒体19b(例えば、SD(Secure Digital)メモリカード等)と医師端末3とのインターフェースを行う。主記憶装置12b及び/又は記憶媒体19bが記憶部130bに相当する。
医師端末3のハードウェア構成は、図2のハードウェア構成と同様であるので、その説明を省略する。以下の説明では、図3のハードウェア構成を有する医師端末3とする。
サーバ装置100は、訪問ルート画面を医師端末3に表示させて、医師4による、往診する患者への訪問順の決定を支援する。図4は、本実施例に係る訪問ルート画面の構成例を示す図である。図4に示す訪問ルート画面G30は、主に、検索条件入力領域31と、地図表示領域32と、訪問順表示領域33と、経路情報表示領域34とを有する。
検索条件入力領域31は、医師4が地図上に訪問対象を表示させるための検索条件を入力するための入力領域である。検索条件入力領域31にて、医師4は、日付、訪問時間、担当医の夫々を入力する。その後、医師4により表示ボタンが押下されると、入力された検索条件で検索した結果が、地図上にアイコンで表示される。
日付には、医師4が訪問する年月日が入力される。訪問時間には、午前中の「AM」、午後の「PM」、又はAM及びPMの「終日」のうち何れか1つが選択される。担当医には担当医名が入力されるが必須ではない。日付及び訪問時間の入力、即ち、医師4の訪問日と訪問する時間帯が指定されれば良い。
地図表示領域32は、訪問対象が存在する領域の地図を表示し、地図上に訪問対象の位置をアイコンで示す表示領域である。初期状態では、例えば、医師4の現在位置に基づいて所定の縮尺で所定の範囲が示されても良い。
訪問順表示領域33は、医師4が地図表示領域32に表示されたアイコン7の選択により、医師4が訪問する患者を更に選択した場合、医師4による患者の選択順に患者名を含む訪問情報が一覧で示される。アイコン7については後述する。
訪問順表示領域33は、出発時刻(又は開始時刻)と、訪問順リスト33tを含む。出発時刻(又は開始時刻)は、医師4により入力された時刻を示す。訪問順リスト33tは、患者名を含む訪問情報を医師4による患者の選択順に示す。
訪問情報は、患者名、開始時刻、終了時刻、時間等の項目を有する。1つの訪問情報が1つのレコードに相当する。各訪問情報に対して、操作ボタン等が対応付けられる。操作ボタンには、医師4が地図表示領域32で患者を選択した選択順を変更するための「上へ」ボタン及び/又は「下へ」ボタンと、訪問情報を削除するための「削除」ボタンとがある。
訪問順表示領域33は、更に、ルート検索ボタン33e、スケジュール割当ボタン33f、及びキャンセル33gボタンを有する。ルート検索ボタン33eの押下によって、訪問順リスト33tに従ったルートが検索される。スケジュール割当33fの押下によって、訪問順リスト33tに従ってスケジュールが確定する。キャンセルボタン33gの押下によって、訪問順リスト33tは初期化される。即ち、医師4による選択は全てキャンセルされる。
経路情報表示領域34は、訪問順リスト33tに従ってルート検索した結果に基づいて、医師4の選択順に患者を訪問するための経路をテキストで表示する表示領域である。
以下、医師端末3において、このような訪問ルート画面G30を利用した医師4による操作及び画面例について説明する。
図5は、訪問ルート画面の初期画面例を示す図である。図5において、初期状態の訪問ルート画面G30は、少なくとも検索条件入力領域31を含む。地図表示領域32に所定縮尺で医師端末3の現在位置に基づいた所定範囲を示しても良い。
医師4が、検索条件入力領域31に検索条件を入力したのち、表示ボタンを押下すると、図6のように、地図と、検索条件に該当する患者の居宅が訪問先を表すアイコンで示される。検索条件では、日付「2014/07/24」が入力され、訪問時間「全て」が選択されたとする。なお、図5の例に示すように、以下の説明においては、医師端末3は医師4等のユーザからの操作入力をタッチパネルを介して受け付けるタイプのコンピュータである例で説明を行なっている。そのため、図5では、ユーザの指先が表示ボタンに重なっていることで、表示ボタンが押下操作されたことを表現している。
図6は、検索後の地図表示領域の表示例を示す図である。図6に示される地図表示領域32は、日付表示領域32aと、地図32bと、選択チェックボックス32cとを有する。
日付表示領域32aは、検索条件入力領域31に医師4が入力した日付を示す。地図32bは、検索条件に応じた領域を含んだ範囲で表示した地図であり、地図上には訪問先を指し示すアイコン7が表示される。
選択チェックボックス32cは、医師4による選択を受け付け済みの訪問先候補を、後述する纏め患者リスト8g内で表示対象とするか否かを選択するためのボックスである。選択チェックボックス32cがチェックされた場合には、纏め患者リスト8gを表示する際に、既に選択を受け付け済みの訪問先を除いて、未選択の訪問先候補を表示する。
図6の例では、検索結果に基づいて4個のアイコンが示されている。本実施例において、アイコンは、居宅アイコン7a及び纏めアイコン7gの2種類ある。居宅アイコン7a及び纏めアイコン7gを、総称してアイコン7と言う場合がある。
居宅アイコン7aは、居宅アイコン7aが示す場所に、訪問する1患者の1居宅があることを示す。また、本実施例では、居宅アイコン7a内に、患者が訪問を希望する訪問時間帯が示される。訪問時間帯が、午前の訪問である場合、「AM」が示され、午後の訪問である場合、「PM」が示され、午前の訪問でも午後の訪問でもどちらでも良い場合、「ALL」が示される。
纏めアイコン7gは、その場所付近に訪問する患者が複数あることを表している。例えば、検索条件に該当する複数の患者の居宅が近隣にある場合、ホーム等の同じ介護施設に検索条件に該当する2以上の患者が居宅している場合などである。このように近隣又は同一施設に居住する複数の訪問先をグループ化して纏めアイコン7gで表示する方法については後述する。
各纏めアイコン7g内には、同一グループ内における訪問先候補の総数と、同一グループ内において選択を受け付け済みである訪問先候補の選択数とが示される。同一グループ内における訪問先候補の総数は、検索条件を満たし、且つ、纏めアイコン7gによって纏められた患者の数を示す。また、同一グループ内において選択を受け付け済みである訪問先候補の選択数は、同一グループに纏められた患者のうち、訪問先としての選択を受け付け済みである患者の数を示す。
図6では、2つの纏めアイコン7gが例示されている。1つは、訪問先候補の総数「3」のうち、訪問候補先の選択数は「0」を示している。3つの訪問先候補がグループ化され、未だいずれの患者も訪問先としての選択操作を受け付けていないことを示している。他の1つは、訪問先候補の総数「8」のうち、訪問する患者の選択数は「0」を示している。8つの訪問先候補がグループ化され、未だいずれの患者も訪問先としての選択操作を受け付けていないことを示している。
医師端末3から地図32b上で8つの訪問先候補がグループ化された纏めアイコン7gに対する選択を受け付けると、サーバ装置100は、医師端末3に纏めアイコン7gが示す領域に居宅する患者を一覧にした纏め患者リスト8gを表示させる。纏め患者リスト8gから訪問先候補を選択した場合の表示例について説明する。
図7は、纏め患者リストから訪問先候補を選択した場合の表示例を説明するための図である。図7において、地図32bには、纏め患者リスト8gの一部分が表示されている。
例えば、同一グループ内に纏められた8つの訪問先候補のうち、4つの訪問先候補の一覧が示される。訪問先候補が所定数を超えて存在する場合には、所定数の訪問先候補が表示される。ここでは、所定数が4の場合で例示されているが、所定数「4」に限定されない。このように纏め患者リスト8gの一部を表示した場合には、表示領域を拡張する拡張ボタン8eが表示される。もしくは、纏め患者リスト8gをスクロール可能な状態で表示してもよい。
纏め患者リスト8gは、訪問先候補毎に、簡易状態表示、簡易スケジュール情報等の項目を有する。簡易状態表示は、患者側が訪問を希望する時間帯「AM」、「PM」、「ALL」、又は、医師4による選択済みを示すチェックマークの何れかを示す。簡易スケジュール情報は、患者住所、患者名、訪問時間等を示す。簡易スケジュール情報のうち、訪問時間は、ルート検索で得た値を示す。訪問時間は、医師4が訪問先候補を未選択の場合には表示されない。
医師4が表示された纏め患者リスト8gから最初に訪問する訪問先候補として「山田 太郎」を選択すると、簡易状態表示が「AM」からチェックマーク付きのアイコンへと変更され、医師4が選択した纏めアイコン7g内の訪問候補先の選択数が「0」から「1」へと変化する。
また、同時に、図8に示すように、訪問順表示領域33の訪問順リスト33tの先頭に訪問先候補の「山田 太郎」が表示される。図8は、訪問順リストの表示例を示す図である。
図8において、訪問順リスト33tには、地図32上に表示された纏め患者リスト8gから選択操作を受け付けた順に従って、選択された訪問先候補が表示される。また、纏め患者リスト8gからに対する選択操作を受け付けたことに応じて、訪問順リスト表示領域33に訪問順リスト33tを表示する。この例では、医師4による最初の選択であるため、「山田 太郎」が先頭にリストされる。
訪問順リスト表示領域33において、予め記憶されている所定の診察時間「40」分と午前の診察開始時刻「09:00」とを考慮した、開始時刻「09:00」及び終了時刻「09:40」が自動算出されて表示される。時間には所定の診察時間「40」が表示される。この表示に同期して、纏め患者リスト8gの「山田 太郎」に対応する欄に、算出した開始時刻及び終了時刻が表示される。例えば、図9に示すように、纏め患者リスト8gの「山田 太郎」に対応する欄に「09:00〜09:40」のような時間情報が付加される。
なお、診察時間は、医師4によって任意に変更可能である。診察時間の変更に応じて、終了時刻も変更される。医師4が出発時刻(又は開始時刻)を入力することによって、開始時刻及び終了時刻を調整するようにしても良い。ここでは、午前の往診の開始時刻の規定値を、「09:00」とした算出例を示す。
医師4の最初の選択が纏め患者リスト8gから行われる場合で説明したが、居宅アイコン7aの選択後に表示される訪問先候補を選択した場合であっても、同様に医師4の訪問先候補の選択順に従った訪問順リスト33tが表示される。
更に、医師4が拡張ボタン8eを選択すると、図9に示すように、纏め患者リスト8gが拡張されて表示される。図9は、纏め患者リストの拡張表示例を示す図である。図9において、纏め患者リスト8gは拡張されて表示される。この例では、4つの訪問先候補から8つの訪問者候補が表示される。拡張により表示される訪問先候補の数は8に限定されない。
次の訪問先候補を選択する場合を、この拡張された纏め患者リスト8gから選択する例で説明する。図10は、次の訪問先候補を選択した場合の表示例を示す図である。図10において、拡張された纏め患者リスト8gから、次に訪問する訪問先候補として「富士丘 登」に対する選択操作が行なわれている。
この場合、図9に示すように選択前では「AM」であった「富士丘 登」の簡易状態表示を、医師4からの選択操作を受け付けたことに応じて、選択されたことを示すチェックマークへと変更している。さらに、選択を受け付けた纏めアイコン7g内の訪問候補先の選択数を「1」から「2」へ更新している。
また同時に、図10に示すように、訪問先候補の選択を受けうけた順に従い、「山田 太郎」の次に「富士丘 登」を訪問順リスト33tに追加する。
訪問順リスト表示領域33において、訪問先の「富士丘 登」に対して、所定の診察時間「40」分と直前の訪問先に対する診察終了時刻「09:40」とを考慮した、開始時刻「09:40」及び終了時刻「10:20」が自動算出されて表示される。この表示に同期して、纏め患者リスト8gの「富士丘 登」に対して算出した開始時刻及び終了時刻が表示される。例えば、「09:40〜10:20」のような時間情報が付加される。
この場合においても、診察時間は、医師4によって任意に変更可能である。また、医師4は、訪問順リスト33t内の「上へ」ボタン又は「下へ」ボタンを操作することによって、訪問順を変更可能である。また、医師4は、纏め患者リスト8gから連続して訪問先候補を選択する必要はなく、居宅アイコン7aの指定による訪問先候補の選択が混在しても良い。
さて、図9の表示状態で、医師4が選択済みを非表示にする選択チェックボックス32cをオンにした場合の纏め患者リスト8gの表示例を図11に示す。図11は、選択済み非表示の表示例を示す図である。
図11では、医師4が選択チェックボックス32cをオンにすると、図9の纏め患者リスト8gに示されていた、既に選択操作を受け付け済みの訪問先候補の「山田 太郎」が非表示となり、未選択の7つの訪問先候補のみが表示対象とされる。一方で、纏めアイコン7g内の同一グループ内の訪問先候補の総数「8」、及び選択操作を受付済みの訪問先候補の選択数「1」に変化はない。
さらに纏め患者リスト8gの他の表示例について図12で説明する。図12は、纏め患者リストの他の表示例を示す図である。例えば、訪問先候補となる患者が、施設等の同一建物に居住している場合がある。
図12に示す纏め患者リスト8gでは、建物毎に訪問先候補を纏め、同一の建物に複数の訪問先候補が存在する場合は、建物の名称を示して表示する。同一建物が施設の場合、例えば、施設名「あいうえお施設」を表示する。
このような纏め患者リスト8gを表示することで、医師4は、同一建物に複数の訪問先候補が存在することを容易に視認でき、訪問順の決定が行い易くなる。従って、効率的に往診することができる。
建物毎に纏める方法は、上述した施設名を表示して纏める表示形態に限定されない。他の表示形態として例えば、建物毎に色分けしても良い。また、建物毎に別リストとしても良い。または、纏め患者リスト8g内で建物毎に区切り線で区別しても良い。
次に、図10に示した状態から、医師4が3番目の訪問先として、居宅アイコン7aを選択した場合の表示例を図13で説明する。図13は、居宅アイコンを選択した場合の表示例を示す図である。
図13において、医師4は、同日の午後に訪問する患者を決めるために、訪問時間帯「PM」を示す居宅アイコン7aを選択する。居宅アイコン7aの選択に応じて、居宅アイコン7aが示す位置に対応する訪問先候補情報8aが表示される。訪問先候補情報8aには、患者名「千葉 花子」が示されている。
そして、医師4による、居宅アイコン7の選択操作を受け付けると、訪問先候補情報8aを選択済みの簡易状態情報に変更し、居宅アイコン7aの色を、未選択の状態の色とは異なる、選択済みを示す色に変更する。
同時に、訪問順表示領域33の訪問順リスト33tに、訪問先の「山田 太郎」そして「富士丘 登」に加えて「千葉 花子」を追加し、それぞれを、医師4からの選択操作を受け付けた順に表示する。
訪問順リスト表示領域33において、訪問先の「千葉 花子」に対して、所定の診察時間「40」分と、午後の診察開始時刻「13:00」とを考慮した、開始時刻「13:00」及び終了時刻「13:40」が自動算出されて表示される。ここでは、午後の往診の開始時刻の規定値を、「13:00」とした算出例を示す。
さらにこの表示に同期して、医師4が選択した居宅アイコン7aの訪問先候補情報8aに対して算出した開始時刻及び終了時刻を追加表示する。例えば、「13:00〜13:40」のような時間情報が付加される。
この場合においても、診察時間は、医師4によって任意に変更可能である。また、医師4は、訪問順リスト33t内の「上へ」ボタン又は「下へ」ボタンを操作することによって、訪問順を変更可能である。またここで、訪問順リスト33t内で訪問先の選択を受付けた場合に、選択を受付けた訪問先に対応する居宅アイコンを、他の居宅アイコンとは識別可能な状態に表示を変更しても良い。
「千葉 花子」の追加後、適宜、上述したような操作を行った後、医師4は、ルート検索ボタン33eを押下すると、ルート検索処理が実行され、図14のように訪問ルート画面G30が表示される。図14は、ルート検索後の訪問ルート画面の表示例を示す図である。
図14にて、訪問ルート画面G30の地図表示領域32に表示された地図32bには、現在位置7pから訪問順リスト33tに従ってルートが示される。また、経路情報表示領域34には、訪問順リスト33tに従って、医師4が選択した訪問先候補への道順の説明文が表示される。医師4は、地図32bで直感的な経路を把握でき、経路情報表示領域34を参照することで、訪問先への道順を具体的に知ることができる。
医師4は、訪問先と訪問経路とを確認後、スケジュール割当ボタン33fを押下すると、訪問順リスト33tに従って、検索条件入力領域31で指定した日付の、医師4の訪問スケジュールが確定する。
次に、上述した訪問ルート画面G30の表示に係る種々の機能をSaaSとして実現するサーバ装置100の機能構成について図15で説明する。図15は、サーバ装置の機能構成例を示す図である。
図15において、サーバ装置100は、スケジュール作成部60と、訪問ルート作成部61とを有する。また、記憶部130は、患者基本情報DB(DataBase)71、スケジュール情報DB72、施設マスタDB73、抽出データ74、対応付けテーブル75等を記憶する。スケジュール作成部60、訪問ルート作成部61の処理機能部は、サーバ装置100のCPU11aがプログラムを読み込んで実行することで、仮想的に実現される。記憶部13は、サーバ装置100の記憶部130aにより実現される。
スケジュール作成部60は、医師4による患者毎の訪問スケジュールの作成を支援する処理部である。スケジュール作成部60によって作成されたスケジュール情報は、スケジュール情報DB72に記憶される。
訪問ルート作成部61は、訪問ルート画面G30を医師端末3に表示させ、医師4の訪問ルート画面G30への操作に応じて、訪問ルートの作成を支援する。訪問ルート作成部61は、主に、候補位置表示部62と、訪問先候補表示部63と、ルート検索部64と、スケジュール割当部65とを有する。
候補位置表示部62は、訪問ルート画面G30を医師端末3に表示させ、医師4が入力した検索条件を満たす訪問先候補の位置を地図32b上に表示する。候補位置表示部62は、更に、候補検索部621と、纏め部622と、選択情報表示部623とを有する。
候補検索部621は、訪問ルート画面G30から医師4が検索条件入力領域31に入植した訪問先候補を検索するための検索条件を受け付けて、検索条件を満たす訪問先候補をスケジュール情報DB72から検索する。検索された訪問先候補に係る抽出データ74が記憶部130に格納される。
纏め表示部622は、地図表示領域32に地図32bを描画して、抽出データ74に基づいて、描画した地図32b上に検索した訪問先候補の位置をアイコン7で指し示す。纏め表示部622は、地図32bを描画した後、訪問先候補の位置を示す居宅アイコン7aを描画し、重なり合う居宅アイコン7aは一つの纏めアイコン7gに置き換えて描画する。訪問先候補の位置は、訪問先候補の患者の自宅又は施設等の住所に相当する位置である。纏めアイコン7g毎に、患者IDを対応付けた対応付けテーブル75が記憶部130に記憶される。
選択情報表示部623は、纏めアイコン7g毎に、対応付けた対応付けテーブル7gを参照して纏めた訪問先候補の総数を取得し、また、スケジュール情報DB72を参照して、纏めた訪問先候補のうち、医師4が選択済みの訪問先候補の選択数を取得して、取得した訪問先候補と選択数とを纏めアイコン7g内に表示する。
訪問先候補表示部63は、医師4による選択操作を受け付けたアイコン7に応じた訪問先候補を地図32b上に表示する(図6から図13)。訪問先候補表示部63は、更に、リスト表示処理部631と、選択情報更新部632とを有する。
リスト表示処理部631は、医師4による選択操作を受け付けたアイコン7の近傍にアイコン7が示す位置に居住する訪問先候補を表示する。具体的には、アイコン7が示す位置に居住する訪問先候補の、簡易状態表示と簡易スケジュール情報とを示する。
纏めアイコン7gが選択された場合、リスト表示処理部631は、選択された纏めアイコン7gに属する訪問先候補を一覧にした纏め患者リスト8gを表示する。纏め患者リスト8gでは、同一施設で訪問先候補が複数ある場合には、更に、同一施設でグループ化して、施設名で纏めて訪問先候補を一覧にして表示する(図12)。
居宅アイコン7aが選択された場合、リスト表示処理部631は、居宅アイコン7aが示す位置に居住する訪問先候補の、簡易状態表示と簡易スケジュール情報とを表示する(図13)。
訪問する患者として訪問先候補の選択操作を受け付けると、リスト表示処理部631は、選択された訪問先候補の簡易状態表示を選択済みに変更して、訪問順表示領域33の訪問順リスト33tに、訪問先候補を追加する。具体的には、医師4の選択順に従って、患者名の他、開始時刻、終了時刻、時間を示す訪問情報が、訪問順リスト33tに追加される。また、選択順は、抽出データ74にも記録される。
選択情報更新部632は、医師4の纏め患者リスト8gからの選択に応じて、纏めアイコン7g内の選択数を更新する。
ルート検索部64は、医師4の訪問順表示領域33のルート検索ボタン33eの押下に応じて、ルート検索を実行し、地図32b上にルートを示し、また、経路情報表示領域34に道順の説明文を表示する。
スケジュール割当部65は、医師4の訪問順表示領域33のスケジュール割当ボタン33fの押下に応じて、スケジュール情報DB72に対して、訪問順リスト33tに従って、スケジュールを割り当て、医師4を担当医師名として設定する。担当医師名は、医師4に入力させても良いし、医師4が医師端末3からサーバ装置100に接続する際のログインで対応付けられる医師名を入力しても良い。
次に、種々のデータ構成について説明する。図16は、患者基本情報DBのデータ構成例を示す図である。図16において、患者基本情報DB71は、患者毎の個人情報を記憶し管理するデータベースであり、患者ID、患者名、住所、電話番号、生年月日、施設ID等の項目を有する。
患者IDは、患者を一意に識別するための識別情報である。患者名は、患者のフルネームを示す。住所は、患者の自宅の住所を示す。電話番号は、患者の電話番号を示す。例えば、自宅の電話番号等である。生年月日は、患者の生年月日を示す。
施設IDは、患者が自宅以外の介護施設、養護施設等の施設に入居している場合、即ち、医師4が訪問する先が自宅以外の施設の場合、後述される施設マスタDB73とを関連付る施設IDを示す。患者が、自宅に居宅している場合、即ち、医師4の訪問先が患者の自宅の場合、施設IDは空欄である。
図16のデータ例では、患者ID「P001」の患者名「山田 太郎」の住所は「神奈川県○○」であり、電話番号は「xxxx-xxxx-xxxx」であり、生年月日は「1930年01月02日」であり、施設IDは「H004」である、ことを示している。
従って、医師4が「山田 太郎」を往診する場合、訪問先は、施設ID「H004」で関連付られる施設マスタDB73で管理されている施設住所である。図18を参照することにより、施設住所「神奈川県●●1−2」に所在する施設名「あいうえお施設」が、「山田 太郎」の居宅であることが分かる。
また、患者ID「P002」の患者名「千葉 花子」の住所は「神奈川県▼▼」であり、電話番号は「xxxx-xxxx-xxxx」であり、生年月日は「1925年03月14日」であることを示している。施設IDは未設定であるため、「千葉 花子」を往診するための訪問先は、自宅の住所「神奈川県▼▼」となる。
図17は、スケジュール情報DBのデータ構成例を示す図である。図17において、スケジュール情報DB72は、患者の訪問ケアのスケジュール情報を管理するデータベースであり、患者ID、訪問先、訪問日、希望時間帯、予定時間、訪問時間実績、担当医師名、経路順等の項目を有する。
患者IDは、スケジュールされた患者の患者IDを示し、患者基本情報DB71の患者IDによって関連付けられる。
訪問先は、医師4が実際に訪問する患者の住所を示す。訪問先には、患者が自宅に在宅している場合は、患者基本情報DB71から得られた患者の住所が設定される。患者が施設に居宅している場合は、患者基本情報DB71から得られた施設IDが設定される。
訪問先は、患者の自宅の住所又は居宅の施設のいずれかを示すフラグであっても良い。自宅の場合には、患者基本情報DB71から患者の住所を取得可能である。施設の場合には、患者基本情報DB71から施設IDを取得後、後述する施設マスタDB73を参照することで施設の住所を取得可能である。
訪問日は、医師4が往診する予定日を示す。希望時間帯は、医師4が訪問を確定する前の患者側が希望する時間帯「AM」、「PM」、又は「全て」を示す。予定時間は、医師4が訪問を確定した場合の開始時刻及び終了時刻を示す。
訪問時間実績は、訪問後に医師4が訪問した開始時刻及び終了時刻を示す。担当医師名は、患者を訪問する医師名を示す。経路順は、訪問ルート画面G30から医師4が選択した訪問順を示す。
この例では、少なくとも、患者ID「P001」、「P002」、及び「P003」に関して、担当医師名が未設定であることから、医師4による訪問スケジュールが確定していないことを示している。医師4により、訪問ルート画面G30の検索条件入力領域31の日付に「2014/07/24」が指定された場合、少なくとも患者ID「P001」、「P002」、及び「P003」のレコードが抽出される。抽出されたレコードから、患者ID、訪問先、希望時間帯、予定時間等が取得され、後述される抽出データ74が記憶部130に格納される。
一方、患者ID「P015」、「P016」、及び「P017」に関しては、既に担当医師名「青木」医師が設定されているため、訪問ルートが確定したレコードであると判断し、抽出されることはない。ここでの経路順は、「青木」医師による訪問順を示す。
図18は、施設マスタDBのデータ構成例を示す図である。図18において、施設マスタDB73は、患者基本情報DB71に登録されている患者のいずれかが居宅する場合に、登録された施設の情報を管理するデータベースであり、施設ID、施設名、施設住所等の項目を有する。
施設IDは、施設を一意に特定する識別情報であり、患者基本情報DB71の施設IDによって関連付けられている。施設名は、施設の名称を示す。施設住所は、施設の所在地を示す。
この例では、施設ID「H001」で特定される施設名「ABCホーム」の施設住所は、「神奈川県△△3−4」であることを示している。また、施設ID「H004」で特定される施設名「あいうえお施設」の施設住所は、「神奈川県●●1−2」であることを示している。
図19は、抽出データのデータ構成例を示す図である。図19において、抽出データ74は、検索条件によってスケジュール情報DB72から抽出された訪問先候補のデータであり、患者ID、訪問先、希望時間帯、予定時間、選択順、アイコン位置等の項目を有する。
患者IDは、患者を一意に識別するための識別情報である。訪問先は、医師4が実際に訪問する患者の住所を示す。希望時間帯は、医師4が訪問を確定する前の患者側が希望する時間帯「AM」、「PM」、又は「全て」を示す。予定時間は、医師4が訪問を確定した場合の開始時刻及び終了時刻を示す。
選択順は、医師4が選択した順番を示す。アイコン位置は、地図表示領域32に表示した地図32b上に居宅アイコン7aを描画する描画位置を示す。
抽出データ74の患者ID、訪問先、及び希望時間帯は、スケジュール情報DB72での値を示す。予定時間及び選択順は、医師4が訪問を確定した際に、スケジュール情報DB72の該当するレコードの予定時間及び経路順に夫々設定される。
図20は、対応付けテーブルのデータ構成例を示す図である。図20において、対応付けテーブル75は、候補位置表示部62の纏め表示部622によって居宅アイコンがグループ化された場合に記憶部130に作成され、纏めアイコンIDと患者IDとを記憶したテーブルである。
纏めアイコンIDは、纏めアイコン7gを表示内で特定する識別情報である。患者IDは、患者を一意に識別するための識別情報である。対応付けテーブル75に記憶された患者IDは、抽出データ74に存在する患者IDである。
また、対応付けテーブル75は、訪問先候補表示部63のリスト表示処理部631によって参照されることにより、纏め患者リスト8gを表示する際に、同一施設に入居している訪問先候補を施設名で纏めて表示させることもできる(図12)。
対応付けテーブル75の患者IDを示す抽出データ74のレコードにおいて、訪問先が施設IDを示す場合、施設マスタDB73を参照することによって、施設名を取得可能である。
以下に、本実施例における訪問ルート作成に係る種々の処理を説明する。図21は、訪問ルート作成処理の全体を説明するためのフローチャート図である。図21において、訪問ルート作成部61は、候補位置表示部62による候補位置表示処理を行う(ステップS11)。訪問ルート画面G30の地図表示領域32に表示した地図32b上に訪問先候補の位置を示すアイコン7が表示される。
訪問ルート作成部61は、アイコン7が選択されたか否かを判断する(ステップS12)。アイコン7が選択されていない場合、訪問ルート作成部61は、ステップS14へと進む。
一方、アイコン7の選択を受け付けた場合、訪問ルート作成部61は、訪問先候補表示部63による訪問先候補表示処理を行う(ステップS13)ことで、訪問ルート画面G30の地図表示領域32の地図32b上において、選択されたアイコン7の近傍に訪問先候補情報8a又は纏め患者リスト8gを表示する。そして、訪問先候補情報8aで示される訪問先候補の選択又は纏め患者リスト8gからの訪問先候補の選択操作を受け付ける。
訪問ルート作成部61は、訪問ルート画面G30の訪問順表示領域33内のルート検索ボタン33eの押下を受け付けたか否かを判断する(ステップS14)。ルート検索ボタン33eが押下されていない場合、訪問ルート作成部61は、ステップS16へと進む。
一方、ルート検索ボタン33eの押下操作を受け付けた場合、訪問ルート作成部61は、ルート検索部64によるルート検索処理を行ない(ステップS15)、ルート検索処理の結果を、地図32b上及び経路情報表示領域34に表示する。
訪問ルート作成部61は、スケジュール割当ボタンが押下されたか否かを判断する(ステップS16)。スケジュール割当ボタンが押下されていない場合、訪問ルート作成部61は、ステップS18へと進む。
一方、スケジュール割当ボタンの押下操作を受け付けた場合、訪問ルート作成部61は、スケジュール割当部65によるスケジュール割当処理を行う(ステップS17)。
訪問ルート作成部61は、終了が選択されたか否かを判断する(ステップS17)。終了の指示を受け付けた場合、訪問ルート作成部61は、この訪問ルート作成処理を終了する。一方、終了でない場合、訪問ルート作成部61は、ステップS12へと戻り、上述の処理を繰り返す。
図22は、図21のステップS11で実行される候補位置表示処理S11を説明するためのフローチャート図である。図22において、候補位置表示部62の候補検索部621は、訪問ルート作成画面G30を表示して、検索条件として、日付及び訪問時間の入力を受け付ける(ステップS111)。
候補検索部621は、スケジュール情報DB72から、検索条件を満たすレコードを抽出して、訪問に係る情報を取得する(ステップS112)。抽出データ74が記憶部130に格納される。抽出データ74に、検索条件を満たすレコードの患者ID、訪問先、及び希望時間帯が記憶される。
そして、候補位置表示部62の纏め表示部622は、抽出データ74の訪問先の住所を含む地図32bを、訪問ルート画面G30の地図表示領域32に表示する(ステップS113)。
次に、纏め表示部622は、抽出データ74の各訪問先に基づいて、居宅アイコン7aを地図表示領域32に表示した地図32b上に表示するためのアイコン位置を算出する(ステップS114)。算出されたアイコン位置は、抽出データ74に格納される。
纏め表示部622は、アイコン位置に基づいて、居宅アイコン7aの縦横各々について、隣接する居宅アイコン7aとの重なりを算出する(ステップS115)。重なり部分の縦の長さの居宅アイコンの縦の長さに対する比率が算出される。また、同様に、重なり部分の横の長さの居宅アイコンの横の長さに対する比率が算出される。
纏め表示部622は、縦又は横の重なりが15%以上となる隣接する居宅アイコンをグループ化して纏めアイコン7gに置き換えて(ステップS116)(図22の図中右下の例示)、纏めアイコン7g毎に、抽出データ74の隣接する居宅アイコン7aに対応する患者IDを対応付けた対応付けテーブル75を記憶部130に作成する(ステップS117)。
次に、候補位置表示部62の選択情報表示部623は、対応付けテーブル75を参照して、同一纏めアイコン7gに対応付けられた患者IDの数を総数として取得する(ステップS118)。
そして、選択情報表示部623は、各纏めアイコン7g内にステップS118で取得した総数と、最初にこの処理を行なう時点では、選択操作を受け付けた訪問先はまだ無い状態であるので選択数「0」を示す纏め情報7hとを付加して、訪問ルート画面G30の地図表示領域32の地図32b上に表示する(ステップS119)。
また、選択情報表示部623は、隣接する居宅アイコン7aと15%以上の重なりを持たない居宅アイコン7a内に、希望時間帯を付加して、訪問ルート画面G30の地図表示領域32の地図32b上に表示する(ステップS120)。居宅アイコン7a内の希望時間帯の表示は、簡易状態表示に相当する。
纏めアイコン8g及び居宅アイコン7aの表示後、候補位置表示部62は、この候補位置表示処理を終了する。
纏め表示部622による纏め表示処理の例について図23で説明する。図23は、纏め表示処理の一例を示す図である。図23において、居宅アイコン7aの描画領域を、縦h0及び横w0として示す。纏め表示部622は、隣接する居宅アイコン7aの重なる領域7rの縦h1及び横w1を求める。
そして、纏め表示部622は、縦h0に対する縦h1の割合と、横w0に対する横w1の割合とを算出する。いずれかが15%以上の場合、纏め表示部622は、隣接する2つの居宅アイコン7aを纏める。
隣接する居宅アイコン7aの検出方法は、例えば、抽出データ74をアイコン位置でソートして、各アイコン位置を基点として、近接する他のアイコン位置に基づいて、隣接する居宅アイコン7a同士の重なりを比較すれば良い。
纏め表示の判定基準として、発明者等は、医師4等のユーザが重なり合った居宅アイコン7aのうち背面に描画された1つを選択するのが困難になるであろうとした値を15%としたが、この値に限定するものではない。居宅アイコン7aを描画した場合の重なりの程度を判定基準とすればよい。
図24は、居宅アイコンの纏め例を示す図である。図24において、居宅アイコン7a−1、7a−2、7a−3、及び7a−4の4つが隣接し、重なりを持つ場合の例を示している。
4つの居宅アイコン7a−1〜7a−4のうち、3つの居宅アイコン7a−1〜7a−3が縦又は横の重なりが15%以上を示し、1つの居宅アイコン7a−4が15%未満の重なりを示した場合、纏め表示部622は、3つの居宅アイコン7a−1〜7a−3を1つの纏めアイコン7gに置き換える。一方、居宅アイコン7a−4は置き換わらない。地図32bの縮尺によってグルーピングのレベルが変化するため、纏められる居宅アイコン7aの数は変化する。
上述したように本実施例では、居宅アイコン7aの重なりの程度で纏め表示処理が行われる。居宅アイコン7a同士の縦幅または横幅が所定の割合以上重なるということは、その居宅アイコン7aを表示しようとしている地図の縮尺において、居宅アイコン7a同士が所定の距離範囲内に存在すると表現することもできる。表示する地図の縮尺において、隣接する居宅アイコン7aを医師4が容易に選択できないような位置関係にある居宅アイコン7a同士が纏め表示処理の対象となれば、処理対象とする居宅アイコン7aを他のやり方により特定しても構わない。例えば、患者の住所に基づく緯度及び経度を用いて、縮尺に応じた所定範囲内に居住する患者に関して居宅アイコン7aを纏めるようにしても良い。纏め表示処理の対象とする居宅アイコン7aの特定の仕方を他のやり方に置き換える場合には、ステップS115及びステップS116を、該他のやり方の処理に置き換えればよい。
次に、訪問先候補表示部63による訪問先候補表示処理について図25で説明する。図25は、図21のステップS13での訪問先候補表示処理を説明するためのフローチャート図である。訪問先候補表示部63は、訪問ルート画面G30の地図表示領域32に表示されたアイコン7の1つに対する選択操作を受け付けたことに応じて訪問先候補表示を開始する。
図25において、訪問先候補表示部63は、選択されたアイコン7は、纏めアイコン7gか否かを判断する(ステップS131)。
纏めアイコン7gが選択された場合、訪問先候補表示部63のリスト表示処理部631は、対応付けテーブル75から、纏めアイコンに対応する患者IDを取得する(ステップS132)。リスト表示処理部631は、抽出データ74から、取得した患者IDのレコードを取得する(ステップS133)。
リスト表示処理部631は、ステップS133で取得したレコードの訪問先を参照して(図20)、施設ID毎に患者IDをまとめて(ステップS134)、施設マスタDB73から、施設IDに対応する施設名を取得する(ステップS135)。そして、リスト表示処理部631は、訪問先が同じ施設の患者を施設名でまとめた纏め患者リスト8gを記憶部130に作成する(ステップS136)。纏め患者リスト8gには、訪問先候補として、住所及び患者名が示される。ステップS133で取得したレコードの訪問先に施設IDが存在しない場合、施設毎に纏める処理は省略される。なお、同じ施設(同じ建物毎)に患者を纏める方法は、図12において説明したように他の表示形態により行なっても構わない。その場合は、ステップS136の処理において、同一の施設に対応付けられている複数の患者について、建物毎に色分けしたり、別リストにしたり、区切り線で分けるなどの処理を行なえばよい。
リスト表示処理部631は、抽出データ74の希望時間帯及び予定時間を参照して、纏め患者リスト8gの各訪問先候補に対して簡易状態情報を付加して表示する(ステップS137)。抽出データ74の予定時間が空欄の場合、希望時間帯「AM」、「PM」、又は「ALL」を簡易状態情報として付加し、予定時間が設定されている場合、選択済みを示すチェックマークを簡易状態情報として付加する(図12)。
その後、選択情報更新部632は、纏め患者リスト8gからの選択操作を受け付けたことに応じて、纏め患者リスト8g内の選択された訪問先候補に対して、簡易状態情報を選択済みを示すチェックマークに変更し(ステップS138)、纏めアイコン8g内の選択数に1を加算する(ステップS139)。ここで、選択数が総数に達した場合、纏めアイコン8gを全てチェック済みの状態で表示してもよい。例えば、未選択が残っている状態とは異なる色等で状態の変化が識別可能に表示する(図25の図中左下の居宅アイコン7gの例示)。
次に、選択情報更新部632は、選択順に、訪問ルート画面G30の訪問順表示領域33に訪問情報を追加して表示する(ステップS140)。訪問情報には、患者名、開始時刻、終了時刻、時間等を含む。選択情報更新部632は、また、抽出データ74の選択順を更新する。そして、訪問先候補表示部63は、この訪問先候補表示処理を終了する。
一方、ステップS131にて、選択されたアイコン7が居宅アイコン7aの場合、リスト表示処理部631は、抽出データ74から、選択された居宅アイコン7aのレコードを取得する(ステップS141)。リスト表示処理部631は、選択された居宅アイコン7aのアイコン位置を用いて、抽出データ74のアイコン位置を検索することにより、選択された居宅アイコン7aのレコードを取得する。
リスト表示処理部631は、ステップS141で取得したレコードと、患者基本情報DB71とから訪問先候補情報8aを作成して、選択された居宅アイコン7aの近傍に表示する(ステップS142)。リスト表示処理部631は、ステップS141で取得したレコードの患者IDを用いて、患者基本情報DB71から患者名を取得する。リスト表示処理部631は、取得した患者名と、レコード内の訪問先と希望時間帯とから訪問先候補情報8aを作成する。
その後、選択情報更新部632は、訪問先候補情報8aの選択操作を受け付けたことに応じて、訪問先候補情報8a内の簡易状態情報を、希望時間帯から選択済みを示すチェックマークへと変更し(ステップS143)、居宅アイコン7aを選択済みの表示に変更する(ステップS144)。例えば、居宅アイコン7aの色を、未選択の状態の色とは異なる、選択済みを示す色に変更する(図25の図中右下の居宅アイコン7aの例示)。なお、ステップS143によるチェックマークへの変更と、ステップS144による居宅アイコン7aを選択済みの表示に変更するとのいずれか一方の処理を省略しても構わない。
次に、選択情報更新部632は、選択順に、訪問ルート画面G30の訪問順表示領域33に訪問情報を追加して表示する(ステップS145)。訪問情報には、患者名、開始時刻、終了時刻、時間等を含む。選択情報更新部632は、また、抽出データ74の選択順を更新する。そして、訪問先候補表示部63は、この訪問先候補表示処理を終了する。
次に、ルート検索部64によるルート検索処理について図26で説明する。図26は、図21のステップS15でのルート検索処理を説明するためのフローチャート図である。ルート検索部64は、訪問ルート画面G30の訪問順表示領域33内のルート検索ボタン33eの押下操作を受け付けたことに応じてルート検索処理を開始する。
図26において、ルート検索部64は、抽出データ74の選択順に基づいて、ルート検索を行う(ステップS151)。インターネットを介して外部のルート検索エンジンを利用して、ルート検索を行っても良い。
ルート検索部64は、ルート検索結果を訪問ルート画面G30の地図表示領域32に表示した地図32b上に表示し(ステップS152)、ルート検索結果に基づいて、道順の説明文を経路情報表示領域34に表示して(ステップS153)、このルート検索処理を終了する。
次に、スケジュール割当部65によるスケジュール割当処理について図27で説明する。図27は、図21のステップS17でのスケジュール割当処理を説明するためのフローチャート図である。スケジュール割当部65は、医師4による訪問ルート画面G30の訪問順表示領域33内のスケジュール割当ボタン33fの押下に応じてスケジュール割当処理を開始する。
図27において、スケジュール割当部65は、抽出データ74に格納された予定時間及び選択順をスケジュール情報DB72に適用する(ステップS171)。スケジュール割当部65は、抽出データ74の各患者IDを用いて、スケジュール情報DB72のレコードを特定し、特定したレコードの予定時間に抽出データ74の予定時間を設定し、特定したレコードの経路順に抽出データ74の選択順を設定する(図19)。
次に、スケジュール割当部65は、スケジュール情報DB72に担当医師名を設定する(ステップS172)。スケジュール割当部65は、医師4によるログイン時に得た医師名を、抽出データ74の各患者IDを用いて特定したスケジュール情報DB72のレコードの担当医師名に設定する。そして、スケジュール割当部65は、このスケジュール割当処理を終了する。
上述より、本実施例によれば、近隣の複数の訪問先候補を纏めて代表する纏めアイコン8gを表示することにより、アイコン7を選択するための操作が容易となる。また、纏めアイコン8gを選択した際には、複数の訪問先候補の1又は複数を選択可能な纏め患者リスト8gが表示される。従って、纏め患者リスト8gから1又は複数の訪問先候補を選択でき、操作性が改善される。
また、纏め患者リスト8gでは、施設等の建物毎に訪問先候補を視認可能に表示するため、同一建物に居宅する訪問先候補の選択を容易に行える。
更に、纏め患者リスト8gでは、簡易状態表示により、未選択又は選択済みの訪問先候補を識別できるため、未選択を対象にすることで、訪問先候補の選択がし易くなる。
また、纏めアイコン7g内に纏め患者リスト8gで表示される訪問先候補の総数と、選択済みの数とが表示されるため、纏めアイコン7gを選択する前に選択済み及び未選択の訪問先候補の数を把握することができる。
従って、医師4が訪問すべき患者宅を見逃すことを防ぎつつ訪問ルートの作成を容易に行うことができる。
本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
例えば、上述の例では、サーバ装置100と医師端末3とが協同してシステム1000を成し、医師端末3は、本システムのユーザに対する情報を出力する機能と、ユーザからの操作入力を受け付ける機能とを担っている。しかし、サーバ装置100と医師端末3との機能分担はこの例に限る必要はない。例えば、サーバ装置100が有する機能を医師端末3に搭載し、医師端末3がスタンドアロンで実施例に示す処理を実行しても構わない。また逆に、サーバ装置100に、ユーザに対する情報を出力する機能と、ユーザからの操作入力を受け付ける機能とを実行させても構わない。図15に示したサーバ装置100の各機能部は、協同して本実施例を実行する複数のコンピュータに分散されて搭載されても構わない。
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
訪問先として個別に選択可能で、かつ、所定の距離範囲内に存在する複数の訪問先候補を代表するアイコンが配置された地図を表示部に表示し、
前記地図上で、前記アイコンに対する選択を受け付け、
選択を受け付けた前記アイコンに代表される前記複数の訪問先候補のそれぞれに関する情報を、同一の建物に属する訪問先候補と、同一の建物に属さない訪問先候補とが識別可能な表示形態で表示する
処理をコンピュータが実行することを特徴とする訪問先情報表示方法。
(付記2)
さらに、前記表示する処理によって表示した、前記選択を受け付けた前記アイコンに代表される前記複数の訪問先候補のそれぞれに関する情報のいずれか1以上に対する選択を受け付け、
前記表示する処理は、選択を受け付けた前記アイコンに代表される前記複数の訪問先候補のそれぞれに関する情報のうち、訪問先として選択されているものと選択されていないものとを識別可能な状態で表示する
処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする付記1記載の訪問先情報表示方法。
(付記3)
前記複数の訪問先候補の各々をアイコンで表示した場合の該アイコン同士が重なる度合に基づいて、前記所定の距離範囲内を判断する
処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする付記1又は2記載の訪問先情報表示方法。
(付記4)
訪問先として個別に選択可能で、かつ、所定の距離範囲内に存在する複数の訪問先候補を代表するアイコンが配置された地図を表示部に表示し、
前記地図上で、前記アイコンに対する選択を受け付け、
選択を受け付けた前記アイコンに代表される前記複数の訪問先候補のそれぞれに関する情報を、訪問先として選択されているものと選択されていないものとを識別可能な状態で表示する
処理をコンピュータが実行することを特徴とする訪問先情報表示方法。
(付記5)
さらに、前記表示する処理によって表示した、前記選択を受け付けた前記アイコンに代表される前記複数の訪問先候補のそれぞれに関する情報のいずれか1以上に対する選択を受け付ける
処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする付記4に記載の訪問先情報表示方法。
(付記6)
前記表示する処理は、前記アイコンに代表される前記複数の訪問先候補のうち、選択指示を受け付けていない訪問先候補に関する情報を表示し、選択指示を受け付けた訪問先候補に関する情報を表示しないことを特徴とする、付記5記載の訪問先情報表示方法。
(付記7)
地図上に、訪問先として個別に選択可能で且つ近接する複数の訪問先候補を代表するアイコンと、該アイコンと対応付けて、該アイコンに代表される前記複数の訪問先候補のうち、訪問先として選択された訪問先候補の総数と、前記アイコンに代表される前記複数の訪問先候補の数とを、表示部に表示する
処理をコンピュータが実行することを特徴とする訪問先情報表示方法。
(付記8)
前記アイコンに代表される前記複数の訪問先候補のいずれか1以上に対する選択を受け付け、
前記訪問先候補に対して前記訪問先として選択を受け付けた順序関係を記憶部に記憶し、
前記記憶部に記憶された該順序関係に従って、選択された前記訪問先候補のリストを表示する
処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする付記7記載の訪問先情報表示方法。
(付記9)
前記リストと前記地図との双方を同時に視認可能な状態で前記表示部に表示する
処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする付記8記載の訪問先情報表示方法。
(付記10)
訪問先として個別に選択可能で、かつ、所定の距離範囲内に存在する複数の訪問先候補を代表するアイコンが配置された地図を端末の表示部に表示する候補位置表示部と、
前記地図上で、前記アイコンに対する選択を受け付け、選択を受け付けた該アイコンに代表される前記複数の訪問先候補のそれぞれに関する情報を、同一の建物に属する訪問先候補と、同一の建物に属さない訪問先候補とが識別可能な表示形態で、前記端末の表示部に表示する訪問先候補表示部と
を有することを特徴とするサーバ装置。
(付記11)
訪問先として個別に選択可能で、かつ、所定の距離範囲内に存在する複数の訪問先候補を代表するアイコンが配置された地図を端末の表示部に表示する候補位置表示部と、
前記地図上で、前記アイコンに対する選択を受け付け、選択を受け付けた該アイコンに代表される前記複数の訪問先候補のそれぞれに関する情報を、訪問先として選択されているものと選択されていないものとを識別可能な状態で、前記端末の表示部に表示する訪問先候補表示部と
を有することを特徴とするサーバ装置。
(付記12)
地図上に、訪問先として個別に選択可能で且つ近接する複数の訪問先候補を代表するアイコンと、該アイコンと対応付けて、該アイコンに代表される前記複数の訪問先候補のうち、訪問先として選択された訪問先候補の総数と、前記アイコンに代表される前記複数の訪問先候補の数とを、端末の表示部に表示する候補位置表示部
を有することを特徴とするサーバ装置。
(付記13)
訪問先として個別に選択可能で、かつ、所定の距離範囲内に存在する複数の訪問先候補を代表するアイコンが配置された地図を表示部に表示し、
前記地図上で、前記アイコンに対する選択を受け付け、
選択を受け付けた前記アイコンに代表される前記複数の訪問先候補のそれぞれに関する情報を、同一の建物に属する訪問先候補と、同一の建物に属さない訪問先候補とが識別可能な表示形態で表示する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする訪問先情報表示プログラム。
(付記14)
訪問先として個別に選択可能で、かつ、所定の距離範囲内に存在する複数の訪問先候補を代表するアイコンが配置された地図を表示部に表示し、
前記地図上で、前記アイコンに対する選択を受け付け、
選択を受け付けた前記アイコンに代表される前記複数の訪問先候補のそれぞれに関する情報を、訪問先として選択されているものと選択されていないものとを識別可能な状態で表示する
処理をコンピュータが実行することを特徴とする訪問先情報表示プログラム。
(付記15)
地図上に、訪問先として個別に選択可能で且つ近接する複数の訪問先候補を代表するアイコンと、該アイコンと対応付けて、該アイコンに代表される前記複数の訪問先候補のうち、訪問先として選択された訪問先候補の総数と、前記アイコンに代表される前記複数の訪問先候補の数とを、表示部に表示する
処理をコンピュータが実行することを特徴とする訪問先情報表示プログラム。