JP6412749B2 - 自動二輪車用空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
本発明の自動二輪車用空気入りタイヤは、トレッド踏面に複数のブロックが配置され、前記トレッド踏面の展開幅をタイヤ幅方向に6等分した際の、タイヤ赤道面に最も近い2つの領域をセンター領域とし、タイヤ幅方向最外側の2つの領域をそれぞれショルダー領域とし、前記センター領域と前記ショルダー領域との間に位置する2つの領域をそれぞれ中間領域とするとき、少なくとも前記中間領域に跨る、タイヤ幅方向の長さがタイヤ周方向の長さより長い幅広ブロックが形成され、前記幅広ブロックのタイヤ幅方向中心よりタイヤ幅方向外側又は内側に、少なくとも1つの凹部が形成され、前記トレッド踏面の展開視において、前記幅広ブロックのタイヤ周方向長さをL、前記幅広ブロックのタイヤ幅方向長さをW、前記トレッド踏面の幅をTとするとき、関係式、1.5≦W/L≦5.5、且つ、0.2≦W/T≦0.4を満たすことを特徴とするものである。
本発明の自動二輪車用空気入りタイヤによれば、トラクション性能を向上させることができる。
さらに、「幅広ブロックの周方向長さL」は、トレッド踏面の展開視において、当該幅広ブロックの寸法をタイヤ周方向に沿って測定した際に最大長さとなる部分の長さをいうものとし、「幅広ブロックの幅方向長さW」は、トレッド踏面の展開視において、当該幅広ブロックの寸法をタイヤ幅方向に沿って測定した際に最大長さとなる部分の長さをいうものとする。
この構成によれば、コーナリンググリップ性能をより確実に向上させることができる。
なお、「タイヤ周方向に延びる」とは、タイヤ周方向に連続して延びていればよく、必ずしもタイヤ周方向に対して0°の角度で延びている必要はない。
この構成によれば、コーナリンググリップ性能及び幅広ブロックの耐久性をより一層向上させることができる。
ここで、「深さh1、h2」は、周方向細溝の最大深さをいうものとする。
この構成によれば、トラクション性能を向上させることができる。
この構成によれば、トラクション性能をより一層向上させることができる。
ここで、「突起のタイヤ周方向長さ」とは、トレッド踏面の展開視において、当該突起の寸法をタイヤ周方向に沿って測定した際に最大長さとなる部分の長さをいうものとし、「突起のタイヤ幅方向長さ」トレッド踏面の展開視において、当該突起の寸法をタイヤ幅方向に沿って測定した際に最大長さとなる部分の長さをいうものとする。
この構成によれば、トラクション性能及びコーナリンググリップ性能を向上させることができる。
なお、「周方向溝」は、タイヤ周方向に連続して延びていればよく、必ずしもタイヤ周方向に対して0°の角度で延びている必要はなく、湾曲しながら延びる場合やジグザグ状に延びる場合も含む。
また、「周方向溝により区画されてタイヤ幅方向に隣接するブロック間のタイヤ幅方向の離間距離W1」は、幅Wが変化する場合には、トレッド踏面の展開視における、最大幅をいうものとする。
この構成によれば、トラクション性能及びコーナリンググリップ性能を向上させることができる。
上記の構成においては、周方向溝の深さDは、周方向溝の最大深さをいうものとする。また、「幅広ブロックの高さH」は、当該幅広ブロックを区画する溝のうち、最も溝深さが深い溝の最大深さの値をいうものとする。
この構成によれば、トラクション性能及びコーナリンググリップ性能を向上させることができる。
なお、「タイヤ周方向の位相を揃えて」とは、トレッド踏面の展開視で、一の列の全ての幅広ブロックについて、当該一の列の幅広ブロックの重心位置と、当該一の列にタイヤ幅方向に隣接する他の列の幅広ブロックの重心位置とが、タイヤ周方向に離間する最小距離が10mm以下であることをいうものとする。
さらに、「内挿される部分」とは、図2に示すように、上記各側壁がなす線同士の端点間をそれぞれ直線で結んでなる、1つの閉じた線により囲まれる部分を意味するものとする。
比h1/H及び比h2/Hを上記の範囲とすることにより、より確実に、コーナリンググリップ性能及び幅広ブロックの耐久性を向上させることができる。
比w/Tが上記の範囲を満たすことにより、幅広ブロックの耐久性を確保することができる。
ここで、「周方向細溝」とは、その溝幅(トレッド踏面の展開視における最大幅)が、「周方向溝」の溝幅(トレッド踏面の展開視における最大幅)より小さいものをいうものとする。
なお、本発明では、側方ブロック7bのタイヤ幅方向の長さ(トレッド踏面の展開視において、当該側方ブロック7bの寸法をタイヤ幅方向に沿って測定した際に最大長さとなる部分の長さ)をW2とするとき、関係式、0.07≦W2/T≦0.25、を満たすことが好ましい。比W2/Tを0.07以上とすることにより、側方ブロック7bの耐久性を確保することができ、一方で、比W2/Tを0.25以下とすることにより、泥はけ性を確保して、トラクション性能及びコーナリンググリップ性能を向上させることができるからである。
以下、本実施形態の自動二輪車用空気入りタイヤの作用効果について説明する。
以上のように、本実施形態の空気入りタイヤによれば、トラクション性能を向上させることができ、さらにコーナリンググリップ性能も確保することができる。
これによれば、比W1/Tが0.05以上の幅広の周方向溝12がセンター領域Cに配置されているため、周方向溝12付近の剛性を低下させることができる。従って、接地時には、接地圧により周方向溝12の溝底部が撓むことができ、この周方向溝12が閉塞する。すると、この周方向溝12により区画される、タイヤ幅方向に隣接する2つの幅広ブロック7aがセンター領域C及び中間領域Mに跨る1つのブロックのように機能するため、タイヤ周方向に対するエッジ成分を大きく確保して、トラクション性能を向上させることができる。すなわち、比W1/Tを0.05以上とすることにより、周方向溝12の溝底部が接地時に十分に撓むようにすることができ、一方で、比W1/Tを0.15以下とすることにより、周方向溝12が接地時に確実に閉塞するようにすることができ、トラクション性能を向上させることができる。特に、本実施形態では、幅広ブロック7aを少なくとも中間領域Mに跨る(図示例では、センター領域Cと中間領域Mとに跨る)ものとしているため、タイヤ周方向に対するエッジ成分を大きく確保することができ、トラクション性能を大きく確保することができる。また、上述のように、センター領域Cに配置した周方向溝12を、比W1/Tが0.05以上の幅広のものとすることにより、蹴り出し時においては、周方向溝12が開放して、泥はけを促進する。これにより、泥の詰まりによるトラクション性能及びコーナリンググリップ性能の低下や、泥が付着することによるタイヤ重量の増大を抑制することができる。以上のように、上記の構成によれば、トラクション性能及びコーナリンググリップ性能を向上させることができる。
周方向溝12の溝深さDの大きさが、ブロック高さHの大きさより小さい場合であっても、上記の比W1/Tの数値範囲を満たすことにより、上記と同様に、トラクション性能を向上させることができるからである。また、比W1/Tを0.05以上、且つ、比D/Hを0.4以上とすることにより、周方向溝12の溝体積を確保して、泥はけ性を確保することもできる。
比S/Tを20(mm)以上とすることにより、大きな面積の溝のみからなる部分を確保して、泥はけ性をより向上させて、トラクション性能及びコーナリンググリップ性能をさらに向上させることができ、一方で、比S/Tを40(mm)以下とすることにより、幅広ブロック7aの面積を確保して、トラクション性能及びコーナリンググリップ性能をさらに向上させることができるからである。
10≦H≦19、且つ、10≦H´≦19
を満たすことが好ましい。
高さH及び高さH´を10mm以上とすることにより、トラクション性能をより一層確保することができ、一方で、高さH及び高さH´を19mm以下とすることにより、幅広ブロック7a及び側方ブロック7bの耐久性をより一層確保することができるからである。
なお、「側方ブロックの高さH´」は、当該側方ブロックを区画する溝のうち、最も溝深さが深い溝の最大深さの値をいうものとする。
上記各タイヤを装着した車両で不整地のテストコースを実車走行したときのトラクション性能をライダーの官能評価により評価した。評価結果は、比較例1を100とする指数で相対評価し、数値が大きい程、トラクション性能が優れていることを示す。
<幅広ブロックの耐久性>
上記各タイヤを装着した車両で不整地のテストコースを走行した際に、幅広ブロックに亀裂等が発生するまでの走行距離によって評価した。評価結果は、比較例1を100とする指数で相対評価し、数値が大きい程、幅広ブロックの耐久性が優れていることを示す。
<コーナリンググリップ性能>
上記各タイヤを装着した車両で不整地のテストコースを実車走行したときのコーナリンググリップ性能をライダーの官能評価により評価した。評価結果は、比較例1を100とする指数で相対評価し、数値が大きい程、コーナリンググリップ性能が優れていることを示す。
これらの評価結果をタイヤの諸元とともに以下の表1に示している。
2 ビード部
2a ビードコア
3 サイドウォール部
4 トレッド部
4a トレッド踏面
5 カーカス
6 ベルト
7 ブロック
7a 幅広ブロック
7b 側方ブロック
8 周方向細溝(凹部)
9 周方向細溝(凹部)
10 突起
11 突起周縁凹部
12 周方向溝
13 周方向溝
CL タイヤ赤道面
TE トレッド端
Claims (9)
- トレッド踏面に複数のブロックが配置された自動二輪車用空気入りタイヤであって、
前記トレッド踏面の展開幅をタイヤ幅方向に6等分した際の、タイヤ赤道面に最も近い2つの領域をセンター領域とし、タイヤ幅方向最外側の2つの領域をそれぞれショルダー領域とし、前記センター領域と前記ショルダー領域との間に位置する2つの領域をそれぞれ中間領域とするとき、
少なくとも前記中間領域に跨る、タイヤ幅方向の長さがタイヤ周方向の長さより長い幅広ブロックが形成され、
前記幅広ブロックのタイヤ幅方向中心よりタイヤ幅方向外側又は内側に、少なくとも1つの凹部が形成され、
前記トレッド踏面の展開視において、前記幅広ブロックのタイヤ周方向長さをL、前記幅広ブロックのタイヤ幅方向長さをW、前記トレッド踏面の幅をTとするとき、関係式、
1.5≦W/L≦5.5、且つ、0.2≦W/T≦0.4
を満たし、
前記トレッド踏面の展開視における前記凹部の幅をwとするとき、関係式、
w/T≦0.06
を満たすことを特徴とする、自動二輪車用空気入りタイヤ。 - 前記凹部は、タイヤ周方向に延びる周方向細溝である、請求項1に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
- 前記幅広ブロックに、前記周方向細溝が2本形成され、該2本の周方向細溝のうち、タイヤ幅方向外側に位置する一方の周方向細溝の深さh1は、他方の周方向細溝の深さh2より浅い、請求項2に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
- 前記幅広ブロックのタイヤ幅方向中心よりタイヤ幅方向内側に、突起が形成されてなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
- 前記突起は、タイヤ周方向長さよりタイヤ幅方向長さの方が長い、請求項4に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
- 前記センター領域に、タイヤ周方向に連続して延びる周方向溝が形成され、
前記幅広ブロックは、前記周方向溝を挟む少なくともタイヤ幅方向一方側に形成され、
前記トレッド踏面の展開視において、前記周方向溝により区画されてタイヤ幅方向に隣接する前記ブロック間のタイヤ幅方向の離間距離をW1とするとき、関係式、
0.05≦W1/T≦0.2
を満たす、請求項1〜5のいずれか一項に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。 - 前記センター領域に、タイヤ周方向に連続して延びる周方向溝が形成され、
前記幅広ブロックは、前記周方向溝を挟む少なくともタイヤ幅方向一方側に形成され、
前記トレッド踏面の展開視における、前記周方向溝により区画されてタイヤ幅方向に隣接する前記ブロック間のタイヤ幅方向の離間距離をW1とし、
前記周方向溝の深さをD、前記幅広ブロックの高さをHとするとき、関係式、
0.05≦W1/T≦0.2、且つ、0.4≦D/H<1
を満たす、請求項1〜5のいずれか一項に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。 - 少なくとも前記センター領域に跨るブロックであるセンターブロックがタイヤ周方向に配列されたセンターブロック列がタイヤ周方向の位相を揃えて複数列形成され、
前記センターブロック列の各々は、前記幅広ブロックを少なくとも1つ含み、
少なくとも前記ショルダー領域に跨る側方ブロックからなる側方ブロック列が形成され、
前記センターブロックと前記側方ブロックとは、タイヤ幅方向に投影した際に、互いに重なる部分を有しないように、タイヤ周方向に位相差を設けて配置されており、
前記トレッド踏面の展開視において、タイヤ周方向に隣接する前記センターブロックのうちタイヤ周方向一方側の前記センターブロックのタイヤ周方向他方側の側壁がなす線と、タイヤ周方向他方側の前記センターブロックのタイヤ周方向一方側の側壁がなす線と、前記側方ブロックのタイヤ幅方向内側の側壁がなす線と、により内挿される部分の面積をS(mm2)とするとき、関係式、
20(mm)≦S/T≦40(mm)
を満たす、請求項1〜7のいずれか一項に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。 - 前記幅広ブロックの高さをHとするとき、関係式、
h1/H≦0.5、且つ、h2/H≦0.8
を満たす、請求項3に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
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