JP6412702B2 - 冷凍装置及び冷凍装置の運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍装置及び冷凍装置の運転方法に係り、特に、加温運転が可能な冷凍装置及び冷凍装置の運転方法に関する。
冷凍装置として、冷却運転のみならず、加温運転も可能な装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
加温運転が可能な冷凍装置は、例えば、コンビニエンスストアなどへ食品を配送する冷凍車に搭載される。この冷凍車では、搭載された冷凍装置が、配送時に設定する庫内温度が外気温より低い場合には庫内を冷却し、高い場合には加温するようになっている。
これにより、庫内を、一年を通し、また配送地域の寒暖によらず、恒温状態で維持できる。
特許文献1に記載された冷凍装置は、加温運転を、圧縮機で圧縮されて吐出したガス冷媒を直接庫内の熱交換器に導入するという、いわゆるホットガス方式で行うものである。
一般的にホットガス方式では、加温運転時に、冷媒回路内の受液器に液冷媒が滞留する。そのため、運転環境(庫内の熱負荷や外部環境を含む)によっては、冷媒回路を循環する冷媒量が十分に得られず、加温不足となる場合があった。
そこで、特許文献1に記載された冷凍装置は、ホットガス方式において、受液器(特許文献1ではレシーバ)に溜まった液冷媒を、必要に応じて冷媒回路の低圧側に供給するように構成されている。
特開2004−162998号公報
ところで、特許文献1に記載された冷凍装置は、液冷媒の冷媒回路低圧側への供給を、圧力センサの測定結果に基づく弁の開閉動作で行うため、複雑な制御を必要となる。
また、庫内の加温を、圧縮機で発生する熱を庫内に導入して行うため、運転環境がより厳しい場合には(例えば、庫内設定温度に対し外気温が著しく低い場合など)、加温能力が足りず、十分な加温が行えない虞がある。
そこで、簡単な制御で、運転環境によらず十分な加温が可能な冷凍装置が求められている。
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、簡単な制御で、運転環境によらず十分な加温が行える冷凍装置及び冷凍装置の運転方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は次の構成及び手順を有する。
1) 冷媒回路を有し庫内の冷却と加温とを選択的に行える冷凍装置であって、
前記冷媒回路は、
冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、
前記冷媒回路内の前記冷媒の流路を、第1の流路と第2の流路とのいずれかに選択的に切り替える流路選択部と、
庫外に配置され、前記冷媒と前記庫外の空気との間で熱交換をする庫外熱交換器と、
前記流路選択部の選択に応じて前記庫外熱交換器に対して出入りする冷媒の流れ方向を規制する流れ方向規制部と、
前記冷媒を滞留可能な受液器と、
前記庫内に配置され、前記冷媒と前記庫内の空気との間で熱交換をする庫内熱交換器と、
前記受液器と前記庫内熱交換器の間に配設された並列流路と、
を備え、
前記並列流路は、膨張弁を配設した膨張弁流路と、前記膨張弁をバイパスするバイパス流路と、により構成され、
前記流路選択部による前記第1の流路の選択により、
前記圧縮機から吐出した気相の前記冷媒は、前記庫外熱交換器に供給され、前記庫外熱交換器が凝縮器として機能して前記庫外熱交換器から液相の前記冷媒として流出し、前記流れ方向規制部より前記受液器を介し前記膨張弁流路の前記膨張弁に供給され減圧されて前記庫内熱交換器に供給され、前記庫内熱交換器が蒸発器として機能し前記流れ方向規制部に戻ることで冷却運転を実行し、
前記流路選択部による前記第2の流路の選択により、
前記圧縮機から吐出した気相の前記冷媒は、前記流れ方向規制部を介して前記受液器に供給され、前記バイパス流路を介して前記庫内熱交換器に供給され、前記庫内熱交換器が凝縮器として機能して前記庫内熱交換器から液相の前記冷媒として前記流れ方向規制部に戻り前記庫外熱交換器に供給され、前記庫外熱交換器が少なくとも蒸発器として機能することで加温運転を実行し、
前記第1の流路が選択された際に前記庫内熱交換器に流れる液相の前記冷媒の流れ方向と、前記第2の流路が選択された際に前記庫内熱交換器に流れる気相の前記冷媒の流れ方向とが、同じであることを特徴とする冷凍装置である。
2) 前記流れ方向規制部は、複数の逆止弁により構成されていることを特徴とする1)に記載の冷凍装置である
3) 冷媒回路を有し庫内の冷却と加温とを選択的に行える冷凍装置であって、
前記冷媒回路は、
冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、
前記冷媒回路内の前記冷媒の流路を、第1の流路と第2の流路とのいずれかに選択的に切り替える流路選択部と、
庫外に配置され、前記冷媒と前記庫外の空気との間で熱交換をする庫外熱交換器と、
前記流路選択部の選択に応じて前記庫外熱交換器に対して出入りする冷媒の流れ方向を規制する流れ方向規制部と、
前記冷媒を滞留可能な受液器と、
前記庫内に配置され、前記冷媒と前記庫内の空気との間で熱交換をする庫内熱交換器と、
を備え、
前記庫外熱交換器は、
外気を一定方向に送るファンと、前記一定方向の上流側に位置する上流側熱交換器と、前記上流側熱交換器に直列接続され下流側に位置する下流側熱交換器とを有し、
前記流路選択部による前記第1の流路の選択により、
前記庫外熱交換器に対し前記圧縮機から吐出した気相の前記冷媒が供給されて、前記庫内熱交換器に対し前記流れ方向規制部の規制により前記庫外熱交換器から液相の前記冷媒が前記受液器を介して供給されて、冷却運転を実行し、
前記流路選択部による前記第2の流路の選択により、
前記庫内熱交換器に対し前記圧縮機から吐出した気相の前記冷媒が前記受液器を介して供給されて、前記庫外熱交換器に対し前記流れ方向規制部の規制により前記庫内熱交換器から液相の前記冷媒が供給されて、加温運転を実行し、
前記冷却運転において、
前記上流側熱交換器と前記下流側熱交換器とは、前記圧縮機から吐出した気相の前記冷媒を凝縮させる凝縮器として一体的に機能し、
前記加温運転において、
前記庫内熱交換器から液相の前記冷媒が前記上流側熱交換器に供給され、
前記上流側熱交換器は、供給された液相の前記冷媒を確保して過冷却させる過冷却熱交換器として機能すると共に、前記下流側熱交換器は、過冷却させた液相の前記冷媒を蒸発させる蒸発器として機能するよう構成され、
前記上流側熱交換器は、所定容量の一列をM(Mは1以上の整数)個前記一定方向に並設したM列のフィンアンドチューブ式であって、
Mは、前記上流側熱交換器の容量を前記受液器の容量より超えない範囲としたときの最大値とされていることを特徴とする冷凍装置である。
4) 庫の内部の冷却と加温とを選択的に実行させるための冷凍装置の運転方法であって、
前記冷凍装置の冷媒回路に、圧縮機と、冷媒の流路を第1の流路と第2の流路とのいずれかに選択的に切り替える冷媒流路選択部と、第1の熱交換器と、前記第1の熱交換器に対して出入りする冷媒の流れ方向を規制する流れ方向規制部と、受液器と、第2の熱交換器と、並列流路と、を設け、
前記並列流路を、膨張弁を配設した膨張弁流路と、前記膨張弁をバイパスするパイパス流路と、の並列構成とし、
前記第1の熱交換器を前記庫の外部に配置すると共に前記第2の熱交換器を前記庫の内部に配置し、
前記第1の流路を、前記第1の熱交換器に対し前記圧縮機から吐出した気相の前記冷媒を供給して、前記第1の熱交換器を凝縮器として機能させると共に、前記第2の熱交換器から、液相の前記冷媒を、前記流れ方向規制部より前記受液器を介して前記膨張弁流路の前記膨張弁に供給し、前記膨張弁にて前記冷媒を減圧させて前記第2の熱交換器に供給し、前記第2の熱交換器を蒸発器として機能させ、前記流れ方向規制部に戻す流路とし、
前記第2の流路を、前記第2の熱交換器に対し前記圧縮機から吐出した気相の前記冷媒を前記流れ方向規制部を介して前記受液器に供給して、前記受液器より前記パイパス流路を介して前記第2の熱交換器に供給し、前記第2の熱交換器を凝縮器として機能させ、前記第2の熱交換器から液相の前記冷媒を前記流れ方向規制部に戻し、前記第1の熱交換器を蒸発器として機能させる流路とし、
前記第1の流路を選択した際に前記第2の熱交換器に流れる液相の前記冷媒の流れ方向と、前記第2の流路を選択した際に前記第2の熱交換器に流れる気相の前記冷媒の流れ方向と、を同じにして、前記冷媒流路選択部に、前記冷却において前記第1の流路を選択させ、前記加温において前記第2の流路を選択させて運転を行ことを特徴とする冷凍装置の運転方法である。
5) 庫の内部の冷却と加温とを選択的に実行させるための冷凍装置の運転方法であって、
前記冷凍装置の冷媒回路に、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、前記冷媒回路内の前記冷媒の流路を、第1の流路と第2の流路とのいずれかに選択的に切り替える流路選択部と、庫外に配置され、前記冷媒と前記庫外の空気との間で熱交換をする庫外熱交換器と、前記流路選択部の選択に応じて前記庫外熱交換器に対して出入りする冷媒の流れ方向を規制する流れ方向規制部と、前記冷媒を滞留可能な受液器と、
前記庫内に配置され、前記冷媒と前記庫内の空気との間で熱交換をする庫内熱交換器と、を設け、
前記庫外熱交換器を、外気を一定方向に送るファンと、前記一定方向の上流側に位置する上流側熱交換器と、前記上流側熱交換器に直列接続され下流側に位置する下流側熱交換器とを有するものとし、
前記流路選択部に前記第1の流路を選択させて、
前記庫外熱交換器に対し前記圧縮機から吐出した気相の前記冷媒を供給し、前記庫外熱交換器からの液相の前記冷媒を、前庫内熱交換器に対し前記流れ方向規制部の規制により前記受液器を介して供給して冷却運転を実行し、
前記流路選択部に前記第2の流路を選択させて、
前記庫内熱交換器に対し前記圧縮機から吐出した気相の前記冷媒を前記受液器を介して供給し、前記庫内熱交換器からの液相の前記冷媒を、前記庫外熱交換器に対し前記流れ方向規制部の規制により供給して加温運転を実行し、
前記冷却運転において、
前記上流側熱交換器と前記下流側熱交換器とを、前記圧縮機から吐出した気相の前記冷媒を凝縮させる凝縮器として一体的に機能させ、
前記加温運転において、
前記庫内熱交換器からの液相の前記冷媒を前記上流側熱交換器に供給し、
前記上流側熱交換器を、供給された液相の前記冷媒を確保して過冷却させる過冷却熱交換器として機能させると共に、前記下流側熱交換器を、過冷却させた液相の前記冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させ、
前記上流側熱交換器を、所定容量の一列をM(Mは1以上の整数)個前記一定方向に並設したM列のフィンアンドチューブ式とし、
Mを、前記上流側熱交換器の容量を前記受液器の容量より超えない範囲としたときの最大値とすることを特徴とする冷凍装置の運転方法である。
本発明によれば、簡単な制御で、運転環境によらず十分な加温が行える、という効果が得られる。
本発明の冷凍装置の実施例である冷凍装置51の冷媒回路図である。 冷凍装置51の制御系を説明するための図である。 冷凍装置51における四方弁2,電磁弁11,及び電磁弁13の制御モードを説明するための図である。 冷凍装置51における庫外熱交換器3を説明するための模式的断面図である。 庫外熱交換器3を説明するための第1の斜視図である。 庫外熱交換器3を説明するための第2の斜視図である。 庫外熱交換器3内のパスを説明するための図である。 冷凍装置51の搭載例である冷凍車Cを説明するための側面図である。 冷凍装置51の冷却運転を説明するための冷媒回路図である。 冷凍装置51の加温運転を説明するための冷媒回路図である。 冷凍装置51における制御部31が行う制御を説明するための表である。 変形例1である冷凍装置51Aにおける冷媒回路の要部を説明するための部分冷媒回路図である。 変形例2である冷凍装置51Bにおける冷媒回路の要部を説明するための部分冷媒回路図である。
本発明の実施の形態に係る冷凍装置を、実施例の冷凍装置51及びその変形例により、図1〜図13を参照して説明する。
<実施例>
冷凍装置51の構成は、その冷媒回路図である図1及び制御系を示す図2に示される。
すなわち、冷凍装置51の冷媒回路は、圧縮機1,四方弁2,モータで駆動するファンFM1を含む庫外熱交換器3,受液器4,モータで駆動するファンFM2を含む庫内熱交換器5,アキュムレータ6,電磁弁11,及び電磁弁13を有して構成されている。
冷媒回路における、圧縮機1,四方弁2,ファンFM1,ファンFM2,電磁弁11,及び電磁弁13の動作は、制御部31によって制御される。
制御部31には、使用者からの運転に関する指示が入力部32を介して伝達される。
庫外熱交換器3及び庫内熱交換器5は、いわゆるフィンアンドチューブ式とされている。また、庫外熱交換器3は、冷媒回路上で直列に接続された第1庫外熱交換器3Aと第2庫外熱交換器3Bとを有して構成されている。この庫外熱交換器3の詳細については後述する。
冷凍装置51の冷媒回路について詳述する。
圧縮機1と四方弁2のポート2aとは、配管経路L1で接続されている。
四方弁2のポート2bと庫外熱交換器3における第2庫外熱交換器3Bのポート3Baとは、配管経路L2で接続されている。
第2庫外熱交換器3Bのポート3Bbと第1庫外熱交換器3Aのポート3Abとは、並列回路LP1を介して接続されている。
並列回路LP1は、配管経路L3及び配管経路L4を有して構成されている。
配管経路L3には、膨張弁7と、膨張弁7に対して第1庫外熱交換器3A側に直列接続され第1庫外熱交換器3Aから第2庫外熱交換器3Bへ向かう流れのみを許容する逆止弁8と、が配設されている。
配管経路L4には、第2庫外熱交換器3Bから第1庫外熱交換器3Aへ向かう流れのみを許容する逆止弁9が配設されている。
第1庫外熱交換器3Aのポート3Aaと受液器4とは、配管経路L5で接続されている。
配管経路L5には、途中に分岐部D1及び分岐部D2が設けられている。分岐部D1と分岐部D2との間には、第1庫外熱交換器3Aから受液器4へ向かう流れのみを許容する逆止弁10が配設されている。
受液器4と庫内熱交換器5とは、並列回路LP2を介して接続されている。並列回路LP2は、配管経路L6及び配管経路L7を有して構成されている。
配管経路L6には、電磁弁11と、電磁弁11に対して庫内熱交換器5側に直列接続された膨張弁12と、が配設されている。
配管経路L7には、電磁弁13が配設されている。
庫内熱交換器5と四方弁2のポート2dとは、配管経路L8で接続されている。配管経路L8には、途中に分岐部D3及び分岐部D4が設けられている。分岐部D3と分岐部D4との間には、庫内熱交換器5から四方弁2へ向かう流れのみを許容する逆止弁14が配設されている。
配管経路L8における分岐部D3と、配管経路L5における分岐部D1と、は、配管経路L9で接続されている。配管経路L9には、分岐部D3から分岐部D1へ向かう流れのみを許容する逆止弁15が配設されている。
配管経路L8における分岐部D4と、配管経路L5における分岐部D2と、は、配管経路L10で接続されている。配管経路L10には、分岐部D4から分岐部D2へ向かう流れのみを許容する逆止弁16が配設されている。
四つの分岐部と四つの逆止弁、すなわち、分岐部D1〜D4、並びに、逆止弁10及び逆止弁14〜16は、流れ方向規制部RKを構成している。
流れ方向規制部RKは、四方弁2の切り替えに伴う流路選択に応じて、庫外熱交換器3のポート3Aaに出入りする冷媒の流れ方向を規制する。詳細は後述する。
四方弁2のポート2cと圧縮機1とは、アキュムレータ6を介して配管経路L11で接続されている。
この冷媒回路に対し、制御部31は、四方弁2の動作を、モードAとモードBとのいずれかになるよう選択的に制御する。
図3を参照して具体的に説明すると、モードAは、ポート2aとポート2bとを接続すると共に、ポート2cとポート2dとを接続するモードである。
モードBは、ポート2aとポート2dとを接続すると共に、ポート2bとポート2cとを接続するモードである。
四方弁2により、モードAでは冷媒が流れる経路として流路RAが選択される(図9の太線経路参照)。また、モードBでは、流路RBが選択される(図10の太線経路参照)。すなわち、四方弁2は、冷媒回路において冷媒が流れる流路を選択する流路選択部として機能する。
また、制御部31は、電磁弁11と電磁弁13とを、交互に開くように制御する。この制御は、四方弁2の動作と連動して実行される。
具体的には、図3に示されるように、モードAでは、電磁弁11を開、電磁弁13を閉とする。モードBでは、電磁弁11を閉、電磁弁13を開とする。
次に、庫外熱交換器3の詳細について、図4〜図7を参照して説明する。
図4は、庫外熱交換器3の横断面に対応する模式的構成図である。図5は、庫外熱交換器3の左斜め下方から見た外観斜視図であり、図6は、右斜め下方から見た外観斜視図である。図7は庫外熱交換器3の内部のパス(冷媒配管経路)を説明するための図である。
図4〜図6に示される上下左右前後の各方向は、理解容易のために便宜的に設定した方向であり、設置姿勢などを限定するものではない。
庫外熱交換器3は、上述のようにフィンアンドチューブ式として構成されている。
図4に示されるように、チューブとしての管3cは、横断面において前後方向に4列、上下方向に各列14段となる。すなわち、M列N段のフィンアンドチューブ式とすると、M=4,N=14となる。
各管3cは、図4の太線で示されるように連結させるべく、左右両端部で折り返して配設されている。
4列の内、最方側の1列が、第1庫外熱交換器3Aに含まれ、方側からの3列が第2庫外熱交換器3Bに含まれる。
すなわち、第1庫外熱交換器3Aは、1列14段であり、第2庫外熱交換器3Bは、3列14段である。
第1庫外熱交換器3Aでは、上方側の7段分の管が一つの経路とされてパスP1を構成し、下側の7段分が一つの経路とされてパスP2を構成している。
第2庫外熱交換器3Bでは、上方側の各列5段又は4段の合計14本分の管3cが、一つの経路とされてパスP3を構成し、中央部の各列5段又は4段の合計14本分の管3cが、一つの経路とされてパスP4を構成し、下方側の各列5段又は4段の合計14本分の管3cが、一つの経路とされてパスP5を構成している。
第1庫外熱交換器3Aは、そのパス数Naが、2以上、かつ第2庫外熱交換器のパス数Nb以下とされる。すなわち、2≦Na≦Nbである。
冷凍装置51の庫外熱交換器3は、この関係を満たし、上述のように、第1庫外熱交換器3Aのパス数Naは2とされ、第2庫外熱交換器3Bのパス数Nbの3以下とされている。
第1庫外熱交換器3Aにおいて、ポート3Aaは、分岐してパスP1の一方端とパスP2の一方端とに接続されている。ポート3Abは、分岐してパスP1の他方端とパスP2の他方端とに接続されている。
すなわち、図7に示されるように、ポート3Aaとポート3Abとの間に、パスP1とパスP2とが並列に接続されている。
第2庫外熱交換器3Bにおいて、ポート3Baは、三つに分岐してそれぞれパスP3〜P5の一端側に接続されている。ポート3Bbは、三つに分岐してそれぞれパスP3〜P4の他端側に接続されている。
すなわち、図7に示されるように、ポート3Baとポート3Bbとの間に、パスP3〜P5が並列に接続されている。
第1庫外熱交換器3Aは、パス数Naが少ないほど、一つのパスが占める面積が広くなるので、第1庫外熱交換器3Aの表面温度ムラが顕著に生じ易い。
そこで、パス数Naを増やせば、一つのパスが占める面積が狭くなり、全体として表面温度のムラが抑制される。
すなわち、パス数Naを増やすことは、表面温度のムラを抑制する観点で好ましい。
一方、複数のパスを設けた場合、パス数Naが多いほど、パスを通過する冷媒の流速が低下する。
そのため、設計において、表面温度のムラの程度と冷媒の流速とを考慮し、熱交換機能が良好に発揮されるようパス数Naを設定する。
例えば、第1庫外熱交換器3Aのパス数Naを、後述する加温運転において蒸発器として作用する第2庫外熱交換器3Bのパス数Nbと同数(Na=Nb)にするとよく、より好ましくは、以下(Na<Nb)にするとよい。
第2庫外熱交換器3Bのパス数Nbは、液冷媒からガス冷媒に良好に相変化させることができるように、ポート3Baとポート3Bbとの間の配管長,その配管の流路面積(配管内径),配管内を流れる冷媒の速度、等を考慮して適宜設定する。
複数のフィン3fのそれぞれは、図5及び図6に示されるように、第1庫外熱交換器3Aと第2庫外熱交換器3Bとに跨って設けられている。従って、第1庫外熱交換器3Aと第2庫外熱交換器3Bとの間で、フィン3fを介して相互に熱伝達が行われる。
第1庫外熱交換器3Aと第2庫外熱交換器3Bとは前後方向に並設されている。詳しくは、第1庫外熱交換器3Aが、ファンFM1の駆動により生じる風の流れ方向に対し風上側となるように配置されている。すなわち、第1庫外熱交換器3Aは上流側熱交換器であり、第2庫外熱交換器3Bは下流側熱交換器である。
以上詳述した冷凍装置51は、種々の設備や装置等に適用することができる。例えば、冷凍車Cに搭載される。
図8は、冷凍車Cへの搭載例を示す側面図であり、一部を切断面としている。
庫内熱交換器5は、冷凍車Cにおいて恒温維持すべき庫であるコンテナC1(以下、単に庫C1とも称する)の内部空間CV内に配置され、内部空間CVの空気と熱交換を行う。
コンテナC1の外部(例えば運転席の上方)には、庫外熱交換器3が配置され、外気と熱交換を行う。
他の部材はコンテナC1の外側に設置され、設置位置は限定されない。
例えば、圧縮機1やアキュムレータ6などは、収容体Sに納められて車体の下方に設置される。制御部31及び入力部32は、運転席まわりに設置される。特に入力部32は、運転者が操作し易い場所に配設される。
圧縮機1の動力源は、例えば、冷凍車Cのバッテリ又はエンジン(いずれも図示せず)である。
次に、冷凍装置51の運転動作について、冷凍車Cに搭載された状態を基に、図3,図7,及び図9〜図11を主に参照して説明する。
冷凍装置51は、入力部32を介した使用者からの指示に基づいて、庫C1内の温度を一定とするために、複数モードの運転、すなわち、冷却運転,加温運転,庫外熱交換器3のデフロスト運転,及び庫内熱交換器5のデフロスト運転を、選択的に実行する。
まず、冷却運転及び加温運転について説明する。
図9は、冷却運転時の冷媒回路を説明するための図である。図10は、加温運転時の冷媒回路を説明するための図である。図11は、各運転時の制御部31の制御を説明するための表である。図9及び図10の冷媒回路では、冷媒が流動する配管部位を太線で示し、冷媒の流動方向を太矢印で示している。
(冷却運転)
図11に示されるように、冷却運転において、制御部31は、四方弁2をモードA、電磁弁11を開状態、電磁弁13を閉状態、ファンFM1及びファンFM2を運転状態、とする。
この冷却運転におけるファンFM1及びファンFM2による送風方向は、図9にそれぞれ矢印DR1及び矢印DR2で示される。
制御部31の制御により、図9に示されるように、圧縮機1の吐出口から吐出した高圧のガス冷媒は、モードAとされた四方弁2のポート2aからポート2bを通って配管経路L2に流入する。
配管経路L2に流入したガス冷媒は、庫外熱交換器3における第2庫外熱交換器3Bに対しポート3Baから供給され、パスP3〜P5のいずれかを経てポート3Bbから気液混合冷媒として流出する。
ポート3Bbから流出した気液混合冷媒は、逆止弁9を経て第1庫外熱交換器3Aに対しポート3Abから供給され、パスP1及びパスP2のいずれかを経てポート3Aaから流出する。
庫外熱交換器3において、ファンFM1は、制御部31の制御により運転状態にあり、外気は、図9の矢印DR1方向に流動している。
この状態で、庫外熱交換器3では、第2庫外熱交換器3Bと第1庫外熱交換器3Aとが一体的に凝縮器として機能する。すなわち、ガス冷媒は外気に対し放熱して凝縮し、高圧の液冷媒としてポート3Aaから配管経路L5に流入する。
詳しくは、冷媒は、第2庫外熱交換器3Bの入口となるポート3Baにおいて、全て気相である。気相の冷媒は、第2庫外熱交換器3B内を流れるに伴い、外気と熱交換されて一部が凝縮(液化)し、ガス冷媒に対する液冷媒の比率が増加する。
これにより、第2庫外熱交換器3Bの出口となるポート3Bbにおいて、冷媒の大半が液冷媒の気液混合冷媒となる。ここで、液冷媒の比率は、運転条件により異なる。
次に、ポート3Bbから流出した気液混合冷媒は、ポート3Abから第1庫外熱交換器3Aに流入する。第1庫外熱交換器3Aで、引き続き冷媒と外気との熱交換が行われ、出口となるポート3Aaにおいて、冷媒は、高圧でほぼ全てが液相となっている。
冷媒の、庫外熱交換器3での気相から液相への相変化で、冷媒の体積は減少する。
庫外熱交換器3では、体積減少により液相の比率が高くなった冷媒が流れる第1庫外熱交換器3Aのパス数を、気相の比率が高い冷媒が流れる第2庫外熱交換器3Bのパス数よりも少なくしている。これにより、第1庫外熱交換器3A内を流れる冷媒は、第2庫外熱交換器3Bを流れたときよりも、流速が大きくなり、冷媒の過冷却度も大きくなる。
配管経路L5に流入した高圧の液冷媒は、逆止弁10を通り受液器4に入る。
受液器4では、運転環境に応じた余剰量の液冷媒が滞留する。
例えば、庫C1内の熱負荷が小さい場合は、循環する冷媒の量は少なくて済み、受液器4内に多くの液冷媒が溜まる。一方、庫C1内の熱負荷が大きい場合は、循環する冷媒の量が多く必要となるので、受液器4内に溜まる液冷媒の量は少なくなる。
受液器4は、液冷媒が溜まっている場合に、液冷媒を流出する構造になっている。
受液器4から流出した液冷媒は、制御部31の制御によって電磁弁13が閉、電磁弁11が開になっていることから、配管経路L6に流入する。
すなわち、配管経路L6に流入した液冷媒は、電磁弁11を通り膨張弁12に入る。
膨張弁12において、液冷媒は膨張させられる。これにより、液冷媒は、圧力及び温度が低下して気化が促進され、気相と液相とが混合した気液混合冷媒となる。
膨張弁12から流出した気液混合冷媒は、庫内熱交換器5に流入する。
庫内熱交換器5において、ファンFM2は、制御部31の制御により運転状態にあり、庫C1内の空気を、図9の矢印DR2の方向に流動させている。
この状態で、気液混合冷媒は、庫C1内の空気と熱交換し、庫C1内の空気から熱を奪って完全に気化してガス冷媒となる。すなわち、庫内熱交換器5は蒸発器として機能して庫C1内は冷却される。
庫内熱交換器5から流出したガス冷媒は、配管経路L8に流入する。
配管経路L8において、ガス冷媒の分岐部D3での圧力は、配管経路L5における分岐部D1の圧力よりも低いことから、配管経路L9には流入せず、逆止弁14を通って四方弁2に達する。
四方弁2は、制御部31の制御によりモードAとなっているので、ガス冷媒は、ポート2dからポート2c、さらにはアキュムレータ6を経て圧縮機1の吸い込み口に戻る。
(加温運転)
図11に示されるように、加温運転において、制御部31は、四方弁2をモードB、電磁弁11を閉状態、電磁弁13を開状態、ファンFM1及びファンFM2を運転状態、とする。
この加温運転におけるファンFM1及びファンFM2による送風方向は、冷却運転と同じ一定方向であり、図10にそれぞれ矢印DR3及び矢印DR4で示される。
制御部31の制御により、図10に示されるように、圧縮機1の吐出口から吐出した高圧のガス冷媒は、モードBとされた四方弁2のポート2aからポート2dを通って配管経路L8に流入する。次いで、ガス冷媒は、分岐部D4から配管経路L10に流入して受液器4に入る。
受液器4において、ガス冷媒は、前の冷却運転で溜まっていた液冷媒を押し出し、ほどなく受液器4内に満たされる。
従って、受液器4からは、貯留分の液冷媒に次いでガス冷媒が流出する。受液器4から流出したガス冷媒は、制御部31の制御により電磁弁13が開状態、電磁弁11が閉状態になっていることから、配管経路L7に流入し、次いで庫内熱交換器5に流入する。
庫内熱交換器5において、ファンFM2は、上述のように制御部31の制御により運転状態にあり、庫C1内の空気は図10の矢印DR4方向に流動している。
この状態で、ガス冷媒は、庫C1内の空気と熱交換し、庫C1内の空気に熱を放出して凝縮し、概ね高圧の液冷媒となる。従って、庫C1内は加温される。
庫内熱交換器5から流出する冷媒には、液冷媒と共に、庫C1内の熱負荷等の運転環境に応じた量のガス冷媒が含まれている。
この液冷媒とガス冷媒とを含む気液混合冷媒は、分岐部D3において、分岐部D4よりも低圧になっていることから配管経路L9に流入する。そして、逆止弁15を経て庫外熱交換器3の第1庫外熱交換器3Aに、ポート3Aaから流入する。
庫外熱交換器3において、ファンFM1は、制御部31の制御により運転状態にあり、外気は、図10の矢印DR3方向に流動している。従って、第1庫外熱交換器3Aは、第2庫外熱交換器3Bに対して外気の流れの上流側に位置する。
この状態で、第1庫外熱交換器3A内で、液冷媒は冷却され温度が下がる。すなわち、第1庫外熱交換器3Aは、液冷媒に対し過冷却熱交換器として機能する。
第1庫外熱交換器3Aに、液冷媒と共に流入したガス冷媒も、この冷却によりほぼ全部が液冷媒となる。
過冷却された液冷媒は、第1庫外熱交換器3Aのポート3Abから流出して配管経路L3に流入する。
配管経路L3において、液冷媒は、逆止弁8を通り膨張弁7に入る。
膨張弁7において、液冷媒は膨張させられる。これにより、液冷媒は、圧力及び温度が低下して気化が促進され、気相と液相とが混合した気液混合冷媒となる。
膨張弁7から流出した気液混合冷媒は、第2庫外熱交換器3Bにポート3Bbから流入する。
第2庫外熱交換器3Bにおいて、ポート3Bbから流入した気液混合冷媒は、外気との熱交換で外気から熱を奪って蒸発し、ガス冷媒となってポート3Baから配管経路L2に流入する。すなわち、第2庫外熱交換器3Bは、蒸発器として機能する。
配管経路L2に流入したガス冷媒は、モードBとなっている四方弁2のポート2bからポート2cを通り、アキュムレータ6を経て圧縮機1の吸い込み口に戻る。
冷凍装置51は、この加温運転において以下の効果が得られる。
冷却運転と加温運転との切り替えを、四方弁を用いて行い、加温運転においては、圧縮機の動作で得られる熱エネルギのみならず、庫外熱交換器による外気から得る熱エネルギによっても、加温が行われる。従って、高い加温能力が得られる。
冷却運転と加温運転との切り替えは、四方弁と電磁弁の切り替えのみで実行され、圧力センサ等の測定結果に基づく制御は不要である。従って、運転動作の制御が簡単である。
第2庫外熱交換器3Bにおいて、気液混合冷媒は、外気から熱を奪う熱交換をして低圧のガス冷媒となる。
庫外熱交換器3には、複数のフィン3fが、第1庫外熱交換器3Aと第2庫外熱交換器3Bとに跨るように設けられている。そのため、第1庫外熱交換器3Aにおいて液冷媒から放出された熱の一部は、フィン3fを伝達して第2庫外熱交換器に移動し、第2庫外熱交換器における相変化における蒸発熱として利用される。
これにより、第2庫外熱交換器における液冷媒の蒸発が促進されるので、液冷媒が圧縮機に吸入される、いわゆる液バック現象の発生が防止できる。
また、運転環境が例えば寒冷地の走行であって、降雪でフィン3fに着雪した場合でも、フィン3fに付着した雪は、フィン3fが加温運転に伴う第1庫外熱交換器での熱交換で放出された熱により温められているため融解する。
また、複数のフィン3fそれぞれの第2庫外熱交換器3B側の部分は、第1庫外熱交換器3Aでの熱交換により加温された外気が、下流側に流れることで温められると共に、第1庫外熱交換器3Aにおける熱交換でフィン3fに与えられた熱が、フィン3fの下流側へ伝達することによっても温められる。
これらより、フィン3f全体が効率よく温められるので、フィン3fへの雪の蓄積や着霜が、極めて効果的に防止される。
従って、冷凍装置51は、デフロスト動作の実行間隔が長く、動作効率が向上する。
この加温運転において、受液器4には液冷媒が滞留しない。一方、庫C1内の熱負荷を含む運転環境に応じて、冷媒回路に必要な冷媒循環量は変化する。
そこで、冷凍装置51では、第1庫外熱交換器3Aにおいて、液冷媒と共に運転環境に応じた量のガス冷媒が存在するようになっている。
換言するならば、第1庫外熱交換器3Aは、加温運転において、受液器4の替わりに、冷媒回路内に運転環境に最適な冷媒量が循環するよう余剰の液冷媒を調整確保するようになっている。
これにより、冷媒回路の高圧側の圧力を、高い値で維持できる。
従って、庫内熱交換器5における冷媒凝縮温度が高くなり、加温能力が向上する。
冷凍装置51は、流れ方向規制部RKを用いることなどにより、冷却運転と加温運転とにおいて、庫内熱交換器5を流れる冷媒の方向が同じになっている。また、冷却運転と加温運転とにおいて、ファンFM2の運転で生じる気流方向も同じとしている。
また、図9及び図10に示されるように、庫内熱交換器5における冷媒の流れ方向を、送風方向(矢印DR2,DR4)に対向するよう下流側から上流側へ向かう(下流側から流入し、上流側から流出する)ようにするとよい。
これらにより、冷却運転時の熱交換効率と加温運転での熱交換効率とに顕著な差が生じない。これにより、熱交換効率がさらに向上する。
冷却運転と加温運転とにおいて、冷媒回路に封入されている冷媒量は同じである。すなわち、加温運転において受液器4内に液冷媒が蓄えられないことから、冷却運転時に受液器4に滞留した液冷媒は、加温運転時に、第1庫外熱交換器3A内にその量が調整されて確保される。
詳しくは、第1庫外熱交換器3A内の液冷媒の確保量は、液冷媒の気化量(ガス冷媒の量)が変化することで調整される。
この第1庫外熱交換器3Aでの液冷媒量の調整機能に関しては、実験によって、第1庫外熱交換器3Aの液冷媒の容量Qaを、受液器4の液冷媒の容量Qbより超えない値(すなわち、Qa≦Qb)に設定することが望ましいという結論が得られた。
この容量Qaの調整設定は、例えば、第1庫外熱交換器3Aにおける管3cの列数の増減で行う。
すなわち、M列N段の第1庫外熱交換器3Aを、一つの列を、所定容量の定型構造とし、その定型構造をファンFM1の送付方向に沿ってM個並設したものとする。
このときに、Mの値を、第1庫外熱交換器3Aの容量が受液器4の容量を超えない範囲での最大値とするのが望ましい。
次に、デフロスト運転について説明する。
(庫内熱交換器5のデフロスト運転)
冷却運転を長時間行うと、庫内熱交換器5のフィンに、庫C1内の空気に含まれる水分が凍結して霜として付着する場合がある。フィンへの着霜は、熱交換を阻害するので、庫内熱交換器5のデフロスト運転を実行して除霜する。
このデフロスト運転は、図11に示されるように、加温運転に対し、ファンFM1及びファンFM2を停止させることのみが異なる運転である。
(庫外熱交換器3のデフロスト運転)
加温運転を長時間行うと、庫外熱交換器3のフィン3fに、外気に含まれる水分が凍結して霜として付着する場合がある。
冷凍装置51では、上述のように、庫外熱交換器3のフィン3fへの雪の蓄積や着霜が極めて生じにくくなっている。しかしながら、冷凍車Cを降雪時に走行させた際に、降雪量が著しく多いと、庫外熱交換器3の風上側(第1庫外熱交換器3A側)における隣接するフィン3f間に詰まる場合もあり得る。
このような場合、熱交換が阻害されるので、庫外熱交換器3のデフロスト運転を実行して、フィン3fに対する融雪及び除霜を実行する。
このデフロスト運転は、図11に示されるように、冷却運転に対し、ファンFM1及びファンFM2を停止させることのみが異なる運転である。
本発明の実施例は、上述した構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよい。
(変形例1)
変形例1は、実施例の冷凍装置51の冷媒回路において、庫内熱交換器5の上流側の配管経路L6と下流側の配管経路L8との間に、熱交換を行う気液熱交換器17を設けた例(冷凍装置51A)である(図12参照)。図12は、冷凍装置51Aの冷媒回路における、冷凍装置51の冷媒回路(図1参照)と異なる部分を主に示した部分回路図である。
気液熱交換器17は、配管経路L6に対しては、電磁弁11と膨張弁12との間に接続する。また、配管経路L8に対しては、庫内熱交換器5と分岐部D3との間に接続する。
冷凍装置51Aにおける冷却運転で、冷媒は、図12に示される太線で示された配管部分を矢印の方向に流れる。
冷却運転で膨張弁12に入る液冷媒は、その直前に、気液熱交換器17で庫内熱交換器5から流出したガス冷媒と熱交換して冷却され過冷却度が増大する。
これにより、庫内熱交換器5における熱交換で庫C1内の空気から奪う熱量が増加するので、庫C1内を冷却する能力が向上する。
また、庫内熱交換器5における液冷媒の蒸発がより促進されるので、圧縮機1に対する液バック現象の発生が防止できる。
一方、加温運転では、液冷媒は配管経路L6を流れず、配管経路L7を流れるため、気液熱交換器17は作用しない。
(変形例2)
変形例2は、実施例の冷凍装置51に対して、庫内熱交換器を複数備えた例(冷凍装置51B)である。ここでは、二つの庫内熱交換器25A,25Bを備えた例を図13を参照して説明する。図13は、冷凍装置51Bの冷媒回路の、冷凍装置51の冷媒回路(図1参照)と異なる部分を主に示した部分回路図である。
図13に示されるように、冷凍装置51Bは、受液器4と分岐部D3との間に、ファンFM25Aを含む庫内熱交換器25AとファンFM25Bを含む庫内熱交換器25Bとが並列に接続されている。
庫内熱交換器25Aの上流側(受液器4側)には、膨張弁22Aが接続され、庫内熱交換器25Bの上流側には、膨張弁22Bが接続されている。
膨張弁22A,22Bの上流側は、経路が一つに纏められ、電磁弁23を介して受液器4に接続されている。
熱交換器25Aと膨張弁22Aとの間と、受液器4との間には、電磁弁21Aが設けられている。
熱交換器25Bと膨張弁22Bとの間と、受液器4との間には、電磁弁21B
が設けられている。
膨張弁22A,22Bの下流側は、経路が一つに纏められ分岐部D3に接続されている。
ファンFM25A及びファンFM25B、並びに、電磁弁21A及び電磁弁21Bの動作は、制御部31によって制御される。
この冷凍装置51Bは、例えば、恒温維持すべき複数の庫を備えた冷凍車に搭載される。
庫内熱交換器25Aと庫内熱交換器25Bとは、それぞれ異なる庫の内部を冷却及び加温するように設置される。
電磁弁の数や位置は、図13に示される例に限定されない。
この変形例2によれば、複数の庫の冷却又は加温を、各電磁弁21A,21B,23の開状態と閉状態とを組み合わせることで、それぞれ独立して行うことができる。例えば、特定の単数又は特定の複数の庫のみを冷却する、或いは全庫を冷却する、などが可能である。
変形例1と変形例2とは、適宜組み合わせることができる。
流れ方向規制部RKは、複数の逆止弁を用いて構成されたものに限定されないが、逆止弁を用いることで、流れ方向規制部RKを低コストで構成することができる。
1 圧縮機
2 四方弁、 2a〜2d ポート
3 庫外熱交換器
3A 第1庫外熱交換器、 3Aa,3Ab ポート
3B 第2庫外熱交換器、 3Ba,3Bb ポート
3c 管、 3f フィン
4 受液器
5,25A,25B 庫内熱交換器
6 アキュムレータ
7,12,22A,22B 膨張弁
8〜10,14〜16 逆止弁
11,13,21A,21B,23 電磁弁
17 気液熱交換器
31 制御部、 32 入力部
51,51A,51B 冷凍装置
C 冷凍車、 C1 庫(コンテナ)、 CV 内部空間
D1〜D4 分岐部
FM1,FM2,FM25A,FM25B ファン
LP1,LP2 並列回路、 L1〜L11 配管経路
Na,Nb パス数、 P1〜P5 パス
Qa,Qb 容量
RA,RB 流路、 RK 流れ方向規制部
S 収容体

Claims (5)

  1. 冷媒回路を有し庫内の冷却と加温とを選択的に行える冷凍装置であって、
    前記冷媒回路は、
    冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、
    前記冷媒回路内の前記冷媒の流路を、第1の流路と第2の流路とのいずれかに選択的に切り替える流路選択部と、
    庫外に配置され、前記冷媒と前記庫外の空気との間で熱交換をする庫外熱交換器と、
    前記流路選択部の選択に応じて前記庫外熱交換器に対して出入りする冷媒の流れ方向を規制する流れ方向規制部と、
    前記冷媒を滞留可能な受液器と、
    前記庫内に配置され、前記冷媒と前記庫内の空気との間で熱交換をする庫内熱交換器と、
    前記受液器と前記庫内熱交換器の間に配設された並列流路と、
    を備え、
    前記並列流路は、膨張弁を配設した膨張弁流路と、前記膨張弁をバイパスするバイパス流路と、により構成され、
    前記流路選択部による前記第1の流路の選択により、
    前記圧縮機から吐出した気相の前記冷媒は、前記庫外熱交換器に供給され、前記庫外熱交換器が凝縮器として機能して前記庫外熱交換器から液相の前記冷媒として流出し、前記流れ方向規制部より前記受液器を介し前記膨張弁流路の前記膨張弁に供給され減圧されて前記庫内熱交換器に供給され、前記庫内熱交換器が蒸発器として機能し前記流れ方向規制部に戻ることで冷却運転を実行し、
    前記流路選択部による前記第2の流路の選択により、
    前記圧縮機から吐出した気相の前記冷媒は、前記流れ方向規制部を介して前記受液器に供給され、前記バイパス流路を介して前記庫内熱交換器に供給され、前記庫内熱交換器が凝縮器として機能して前記庫内熱交換器から液相の前記冷媒として前記流れ方向規制部に戻り前記庫外熱交換器に供給され、前記庫外熱交換器が少なくとも蒸発器として機能することで加温運転を実行し、
    前記第1の流路が選択された際に前記庫内熱交換器に流れる液相の前記冷媒の流れ方向と、前記第2の流路が選択された際に前記庫内熱交換器に流れる気相の前記冷媒の流れ方向とが、同じであることを特徴とする冷凍装置。
  2. 前記流れ方向規制部は、複数の逆止弁により構成されていることを特徴とする請求項1記載の冷凍装置
  3. 冷媒回路を有し庫内の冷却と加温とを選択的に行える冷凍装置であって、
    前記冷媒回路は、
    冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、
    前記冷媒回路内の前記冷媒の流路を、第1の流路と第2の流路とのいずれかに選択的に切り替える流路選択部と、
    庫外に配置され、前記冷媒と前記庫外の空気との間で熱交換をする庫外熱交換器と、
    前記流路選択部の選択に応じて前記庫外熱交換器に対して出入りする冷媒の流れ方向を規制する流れ方向規制部と、
    前記冷媒を滞留可能な受液器と、
    前記庫内に配置され、前記冷媒と前記庫内の空気との間で熱交換をする庫内熱交換器と、
    を備え、
    前記庫外熱交換器は、
    外気を一定方向に送るファンと、前記一定方向の上流側に位置する上流側熱交換器と、前記上流側熱交換器に直列接続され下流側に位置する下流側熱交換器とを有し、
    前記流路選択部による前記第1の流路の選択により、
    前記庫外熱交換器に対し前記圧縮機から吐出した気相の前記冷媒が供給されて、前記庫内熱交換器に対し前記流れ方向規制部の規制により前記庫外熱交換器から液相の前記冷媒が前記受液器を介して供給されて、冷却運転を実行し、
    前記流路選択部による前記第2の流路の選択により、
    前記庫内熱交換器に対し前記圧縮機から吐出した気相の前記冷媒が前記受液器を介して供給されて、前記庫外熱交換器に対し前記流れ方向規制部の規制により前記庫内熱交換器から液相の前記冷媒が供給されて、加温運転を実行し、
    前記冷却運転において、
    前記上流側熱交換器と前記下流側熱交換器とは、前記圧縮機から吐出した気相の前記冷媒を凝縮させる凝縮器として一体的に機能し、
    前記加温運転において、
    前記庫内熱交換器から液相の前記冷媒が前記上流側熱交換器に供給され、
    前記上流側熱交換器は、供給された液相の前記冷媒を確保して過冷却させる過冷却熱交換器として機能すると共に、前記下流側熱交換器は、過冷却させた液相の前記冷媒を蒸発させる蒸発器として機能するよう構成され、
    前記上流側熱交換器は、所定容量の一列をM(Mは1以上の整数)個前記一定方向に並設したM列のフィンアンドチューブ式であって、
    Mは、前記上流側熱交換器の容量を前記受液器の容量より超えない範囲としたときの最大値とされていることを特徴とする冷凍装置。
  4. 庫の内部の冷却と加温とを選択的に実行させるための冷凍装置の運転方法であって、
    前記冷凍装置の冷媒回路に、圧縮機と、冷媒の流路を第1の流路と第2の流路とのいずれかに選択的に切り替える冷媒流路選択部と、第1の熱交換器と、前記第1の熱交換器に対して出入りする冷媒の流れ方向を規制する流れ方向規制部と、受液器と、第2の熱交換器と、並列流路と、を設け、
    前記並列流路を、膨張弁を配設した膨張弁流路と、前記膨張弁をバイパスするパイパス流路と、の並列構成とし、
    前記第1の熱交換器を前記庫の外部に配置すると共に前記第2の熱交換器を前記庫の内部に配置し、
    前記第1の流路を、前記第1の熱交換器に対し前記圧縮機から吐出した気相の前記冷媒を供給して、前記第1の熱交換器を凝縮器として機能させると共に、前記第2の熱交換器から、液相の前記冷媒を、前記流れ方向規制部より前記受液器を介して前記膨張弁流路の前記膨張弁に供給し、前記膨張弁にて前記冷媒を減圧させて前記第2の熱交換器に供給し、前記第2の熱交換器を蒸発器として機能させ、前記流れ方向規制部に戻す流路とし、
    前記第2の流路を、前記第2の熱交換器に対し前記圧縮機から吐出した気相の前記冷媒を前記流れ方向規制部を介して前記受液器に供給して、前記受液器より前記パイパス流路を介して前記第2の熱交換器に供給し、前記第2の熱交換器を凝縮器として機能させ、前記第2の熱交換器から液相の前記冷媒を前記流れ方向規制部に戻し、前記第1の熱交換器を蒸発器として機能させる流路とし、
    前記第1の流路を選択した際に前記第2の熱交換器に流れる液相の前記冷媒の流れ方向と、前記第2の流路を選択した際に前記第2の熱交換器に流れる気相の前記冷媒の流れ方向と、を同じにして、前記冷媒流路選択部に、前記冷却において前記第1の流路を選択させ、前記加温において前記第2の流路を選択させて運転を行ことを特徴とする冷凍装置の運転方法。
  5. 庫の内部の冷却と加温とを選択的に実行させるための冷凍装置の運転方法であって、
    前記冷凍装置の冷媒回路に、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、前記冷媒回路内の前記冷媒の流路を、第1の流路と第2の流路とのいずれかに選択的に切り替える流路選択部と、庫外に配置され、前記冷媒と前記庫外の空気との間で熱交換をする庫外熱交換器と、前記流路選択部の選択に応じて前記庫外熱交換器に対して出入りする冷媒の流れ方向を規制する流れ方向規制部と、前記冷媒を滞留可能な受液器と、
    前記庫内に配置され、前記冷媒と前記庫内の空気との間で熱交換をする庫内熱交換器と、を設け、
    前記庫外熱交換器を、外気を一定方向に送るファンと、前記一定方向の上流側に位置する上流側熱交換器と、前記上流側熱交換器に直列接続され下流側に位置する下流側熱交換器とを有するものとし、
    前記流路選択部に前記第1の流路を選択させて、
    前記庫外熱交換器に対し前記圧縮機から吐出した気相の前記冷媒を供給し、前記庫外熱交換器からの液相の前記冷媒を、前庫内熱交換器に対し前記流れ方向規制部の規制により前記受液器を介して供給して冷却運転を実行し、
    前記流路選択部に前記第2の流路を選択させて、
    前記庫内熱交換器に対し前記圧縮機から吐出した気相の前記冷媒を前記受液器を介して供給し、前記庫内熱交換器からの液相の前記冷媒を、前記庫外熱交換器に対し前記流れ方向規制部の規制により供給して加温運転を実行し、
    前記冷却運転において、
    前記上流側熱交換器と前記下流側熱交換器とを、前記圧縮機から吐出した気相の前記冷媒を凝縮させる凝縮器として一体的に機能させ、
    前記加温運転において、
    前記庫内熱交換器からの液相の前記冷媒を前記上流側熱交換器に供給し、
    前記上流側熱交換器を、供給された液相の前記冷媒を確保して過冷却させる過冷却熱交換器として機能させると共に、前記下流側熱交換器を、過冷却させた液相の前記冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させ、
    前記上流側熱交換器を、所定容量の一列をM(Mは1以上の整数)個前記一定方向に並設したM列のフィンアンドチューブ式とし、
    Mを、前記上流側熱交換器の容量を前記受液器の容量より超えない範囲としたときの最大値とすることを特徴とする冷凍装置の運転方法。
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