JP6411667B2 - 光音響計測装置および光音響計測装置の信号処理方法 - Google Patents

光音響計測装置および光音響計測装置の信号処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6411667B2
JP6411667B2 JP2017542731A JP2017542731A JP6411667B2 JP 6411667 B2 JP6411667 B2 JP 6411667B2 JP 2017542731 A JP2017542731 A JP 2017542731A JP 2017542731 A JP2017542731 A JP 2017542731A JP 6411667 B2 JP6411667 B2 JP 6411667B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filtering process
photoacoustic
region
wave detection
artifact
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017542731A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2017056462A1 (ja
Inventor
温之 橋本
温之 橋本
覚 入澤
覚 入澤
大澤 敦
敦 大澤
井上 知己
知己 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Publication of JPWO2017056462A1 publication Critical patent/JPWO2017056462A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6411667B2 publication Critical patent/JP6411667B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/0093Detecting, measuring or recording by applying one single type of energy and measuring its conversion into another type of energy
    • A61B5/0095Detecting, measuring or recording by applying one single type of energy and measuring its conversion into another type of energy by applying light and detecting acoustic waves, i.e. photoacoustic measurements
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/72Signal processing specially adapted for physiological signals or for diagnostic purposes
    • A61B5/7235Details of waveform analysis
    • A61B5/725Details of waveform analysis using specific filters therefor, e.g. Kalman or adaptive filters

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Artificial Intelligence (AREA)
  • Psychiatry (AREA)
  • Computer Vision & Pattern Recognition (AREA)
  • Physiology (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Description

本発明は、被検体内で発生した光音響信号に基づいて光音響画像を生成する光音響計測装置、並びにそれに利用される信号処理方法に関する。
近年、光音響効果を利用した非侵襲の計測法が注目されている。この計測法は、ある適宜の波長(例えば、可視光、近赤外光または中間赤外光の波長帯域)を有するパルス光を被検体に向けて出射し、被検体内の吸収物質がこのパルス光のエネルギーを吸収した結果生じる弾性波である光音響波を検出して、その吸収物質の濃度を定量的に計測するものである。被検体内の吸収物質とは、例えば血液中に含まれるグルコースやヘモグロビンなどである。また、このような光音響波を検出しその検出信号に基づいて光音響画像を生成する技術は、光音響イメージング(PAI:Photoacoustic Imaging)あるいは光音響トモグラフィー(PAT:Photo Acoustic Tomography)と呼ばれている。
光音響イメージングでは、例えば特許文献1および2に示されるように、被検体に向けて測定光を出射する光出射部と、この光出射部と並設され、測定光の出射によって被検体内に生じた光音響波を検出する音響波検出部とを有するプローブが多く使用される。
特開2013−158531号公報 特表2015−519183号公報
本願発明者らは、上述のように光出射部と音響波検出部とが並設されてなるプローブを使用した場合、測定光が入射する被検体の表面部分で生じた光音響波が、被検体表面を伝って他の信号と一緒に音響波検出部により検出され、アーチファクト(偽画像)の発生原因となることを見出した。このようなアーチファクトは、表示された光音響画像の診断性能を損なうものである。
特許文献1には、被検体の深さ方向に相異なる領域ごとに、光音響波検出信号に対する処理を変えてアーチファクトを抑制する技術が記載されている。また特許文献2には、光音響波検出信号に対して低周波カット処理を施すことにより、アーチファクトを除去する技術が記載されている。
しかし、特許文献1に記載された技術は、エラストグラフィー測定やBモード測定を前提とするものであり、それらの測定では、測定光が入射する被検体の表面部分で生じた光音響波に起因するアーチファクト発生領域を検出することができない。したがって特許文献1に記載された技術では、測定光が入射する被検体の表面部分で生じた光音響波に起因するアーチファクトを精度良く低減あるいは除去することは不可能である。
また、特許文献2に記載された技術は、アーチファクトが発生する領域を認識しないで低周波カット処理を行っているので、この技術でも、測定光が入射する被検体の表面部分で生じた光音響波に起因するアーチファクトを精度良く低減あるいは除去することは不可能である。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、測定光が入射する被検体の表面部分で生じた光音響波に起因するアーチファクトを精度良く低減あるいは除去できる光音響計測装置、並びにそれに利用される信号処理方法を提供することを目的とする。
本発明による光音響計測装置は、
被検体に測定光を出射する光出射部と、光出射部に並設され、測定光の出射によって被検体内に生じた光音響波を検出する音響波検出部とを有するプローブ、
音響波検出部が出力した光音響波検出信号に基づいて光音響画像を生成する画像生成部、
少なくとも光出射部と音響波検出部との位置関係に基づいて、光音響画像中のアーチファクト発生領域とアーチファクト非発生領域とを判別する領域判別手段、および、
上記光音響波検出信号のうち、領域判別手段が判別したアーチファクト非発生領域の光音響画像に対応する第一の光音響波検出信号に対して第一のフィルタリング処理を行い、かつ、上記光音響波検出信号のうち、領域判別手段が判別したアーチファクト発生領域の光音響画像に対応する第二の光音響波検出信号に対して第二のフィルタリング処理を行うフィルタ手段を有し、
第二のフィルタリング処理は、第一のフィルタリング処理に比べて、所定の周波数よりも低い周波数範囲の光音響波検出信号をより多く低減することを特徴とするものである。
なお、上記「光音響波検出信号」、「第一の光音響波検出信号」および「第二の光音響波検出信号」は、光音響波を検出して音響波検出部から出力された信号そのものだけでなく、その信号が何らかの処理を受けた後の信号(デジタル化されたデータ等も含む)も含んで意味するものである。
また、上記「所定の周波数」とは、或る値の一定の周波数を意味するものではなく、予め定められた周波数を意味するものであって、その値自体は任意に設定され得るものである。
本発明の光音響計測装置においては、
フィルタ手段がバンドパスフィルタリング処理を行うバンドパスフィルタを含み、
第二のフィルタリング処理としてのバンドパスフィルタリング処理が、第一のフィルタリング処理としてのバンドパスフィルタリング処理よりも、低周波数側のカットオフ周波数をより高周波数側に設定したものであることが望ましい。
また、本発明の光音響計測装置においては、
フィルタ手段がハイパスフィルタリング処理を行うハイパスフィルタを含み、
第二のフィルタリング処理としてのハイパスフィルタリング処理が、第一のフィルタリング処理としてのハイパスフィルタリング処理よりも、カットオフ周波数をより高周波数側に設定したものであってもよい。
また、本発明の光音響計測装置においては、領域判別手段が、光出射部と音響波検出部との位置関係と、アーチファクト発生領域およびアーチファクト非発生領域の境界とを対応させた対応表に基づいて、アーチファクト発生領域とアーチファクト非発生領域とを判別するものであることが望ましい。
また、本発明の光音響計測装置においては、領域判別手段が、光出射部と音響波検出部との位置関係から、アーチファクト発生領域およびアーチファクト非発生領域の境界を算出する計算式により、アーチファクト発生領域とアーチファクト非発生領域とを判別するものであってもよい。
また、本発明の光音響計測装置においては、領域判別手段が、光音響波が伝搬する被検体の部位における音速に応じて上記判別を補正するものであることが望ましい。
また、本発明の光音響計測装置においては、フィルタ手段が、アーチファクト非発生領域およびアーチファクト発生領域の境界を含む範囲内に設定された少なくとも1つの境界領域に関する光音響波検出信号に対して、第一のフィルタリング処理および第二のフィルタリング処理とは異なる境界領域用フィルタリング処理を行うものであることが望ましい。
上記の境界領域用フィルタリング処理は、第一のフィルタリング処理と第二のフィルタリング処理との中間的なフィルタリング処理であることが望ましい。
さらに、上記境界領域用フィルタリング処理の通過特性は、第一のフィルタリング処理の通過特性と、第二のフィルタリング処理の通過特性とに基づいて、境界領域の被検体深さ方向位置に応じて定められたものであることが望ましい。
また、本発明の光音響計測装置は、アーチファクト非発生領域およびアーチファクト発生領域の境界を含む範囲内に設定された少なくとも1つの境界領域に関する画像を、第一のフィルタリング処理を受けた第一の光音響波検出信号と、第二のフィルタリング処理を受けた第二の光音響波検出信号とを、境界領域の被検体深さ方向位置に応じて重み付け加算して得られた信号によって構成する手段をさらに備えていることが望ましい。
一方、本発明による光音響計測装置の信号処理方法は、
被検体に測定光を出射する光出射部と、光出射部に並設され、測定光の出射によって被検体内に生じた光音響波を検出する音響波検出部とを有するプローブ、および、
音響波検出部が出力した光音響波検出信号に基づいて光音響画像を生成する画像生成部を備えた光音響計測装置において、
少なくとも光出射部と音響波検出部との位置関係に基づいて、光音響画像中のアーチファクト発生領域とアーチファクト非発生領域とを判別し、
上記光音響波検出信号のうち、アーチファクト非発生領域の光音響画像に対応する第一の光音響波検出信号に対して第一のフィルタリング処理を行い、
上記光音響波検出信号のうち、アーチファクト発生領域の光音響画像に対応する第二の光音響波検出信号に対して第二のフィルタリング処理を行い、
第二のフィルタリング処理を、第一のフィルタリング処理に比べて、所定の周波数よりも低い周波数範囲の光音響波検出信号をより多く低減するものとすることを特徴とするものである。
なお、本発明による光音響計測装置の信号処理方法においては、
フィルタリング処理がバンドパスフィルタリング処理であり、
第二のフィルタリング処理としてのバンドパスフィルタリング処理が、第一のフィルタリング処理としてのバンドパスフィルタリング処理よりも、低周波数側のカットオフ周波数をより高周波数側に設定したものであることが望ましい。
また、本発明による光音響計測装置の信号処理方法においては、
フィルタリング処理がハイパスフィルタリング処理であり、
第二のフィルタリング処理としてのハイパスフィルタリング処理が、第一のフィルタリング処理としてのハイパスフィルタリング処理よりも、カットオフ周波数をより高周波数側に設定したものであってもよい。
また、本発明による光音響計測装置の信号処理方法においては、光出射部と音響波検出部との位置関係と、アーチファクト発生領域およびアーチファクト非発生領域の境界とを対応させた対応表に基づいて、アーチファクト発生領域とアーチファクト非発生領域とを判別することが望ましい。
あるいは、本発明による光音響計測装置の信号処理方法においては、光出射部と音響波検出部との位置関係から、アーチファクト発生領域およびアーチファクト非発生領域の境界を算出する計算式により、アーチファクト発生領域とアーチファクト非発生領域とを判別するようにしてもよい。
また、本発明による光音響計測装置の信号処理方法においては、光音響波が伝搬する被検体の部位における音速に応じて上記判別を補正することが望ましい。
また、本発明による光音響計測装置の信号処理方法においては、アーチファクト非発生領域およびアーチファクト発生領域の境界を含む範囲内に設定された少なくとも1つの境界領域に関する光音響波検出信号に対して、第一のフィルタリング処理および第二のフィルタリング処理とは異なる境界領域用フィルタリング処理を行うことが望ましい。
上記の境界領域用フィルタリング処理は、第一のフィルタリング処理と第二のフィルタリング処理との中間的なフィルタリング処理であることが望ましい。
そして上記境界領域用フィルタリング処理の通過特性は、第一のフィルタリング処理の通過特性と、第二のフィルタリング処理の通過特性とに基づいて、境界領域の被検体深さ方向位置に応じて定められたものであることが望ましい。
また、本発明による光音響計測装置の信号処理方法においては、アーチファクト非発生領域およびアーチファクト発生領域の境界を含む範囲内に設定された少なくとも1つの境界領域に関する画像を、第一のフィルタリング処理を受けた第一の光音響波検出信号と、第二のフィルタリング処理を受けた第二の光音響波検出信号とを、境界領域の被検体深さ方向位置に応じて重み付け加算して得られた信号によって構成することが望ましい。
本発明による光音響計測装置は、
被検体に測定光を出射する光出射部と、光出射部に並設され、測定光の出射によって被検体内に生じた光音響波を検出する音響波検出部とを有するプローブ、
音響波検出部が出力した光音響波検出信号に基づいて光音響画像を生成する画像生成部、
少なくとも光出射部と音響波検出部との位置関係に基づいて、光音響画像中のアーチファクト発生領域とアーチファクト非発生領域とを判別する領域判別手段、および、
上記光音響波検出信号のうち、領域判別手段が判別したアーチファクト非発生領域の光音響画像に対応する第一の光音響波検出信号に対して第一のフィルタリング処理を行い、かつ、上記光音響波検出信号のうち、領域判別手段が判別したアーチファクト発生領域の光音響画像に対応する第二の光音響波検出信号に対して第二のフィルタリング処理を行うフィルタ手段を有し、
第二のフィルタリング処理は、第一のフィルタリング処理に比べて、所定の周波数よりも低い周波数範囲の光音響波検出信号をより多く低減するように構成されているので、
測定光が入射する被検体の表面部分で生じた光音響波に起因するアーチファクトを精度良く低減あるいは除去可能となる。
本発明の一実施形態による光音響計測装置の全体構成を示す概略図 偽画像の発生を説明する図 (A)〜(D)は、被検体表面で生じた光音響波に起因してアーチファクト領域が発生した光音響画像を示す図、(E)および(F)はそれぞれ本図の(A)および(D)の光音響画像を生成した際の光出射部と振動子アレイの位置関係を示す概略図 光出射部と振動子アレイとの距離と、観察可能深度との関係例を示すグラフ フィルタの通過特性の一例を示す概略図 フィルタの通過特性の別の例を示す概略図 フィルタの通過特性のさらに別の例を示す概略図 フィルタの通過特性のさらに別の例を示す概略図 境界領域を説明する概略図 フィルタの通過特性のさらに別の例を示す概略図 光出射部と振動子アレイとの距離を説明する図 本発明の別の実施形態による光音響計測装置の全体構成を示す概略図
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態による光音響計測装置10の全体構成を示す概略図である。なお図1において、プローブ11の形状は概略的に示してある。本実施形態の光音響計測装置10は、一例として、光音響信号に基づいて光音響画像を生成する機能を有するものであり、図1に概略的に示すように、超音波探触子からなるプローブ11、超音波ユニット12、レーザユニット13、表示部14および入力部15等を備えている。以下、それらの構成要素について順次説明する。
プローブ11は、例えば生体である被検体Mに向けて測定光および超音波を出射する機能と、被検体M内を伝搬する音響波Uを検出する機能とを有する。すなわちプローブ11は、被検体Mに対する超音波の出射(送信)、および被検体Mで反射して戻って来た反射超音波(反射音響波)の検出(受信)を行うことができる。
本明細書において「音響波」とは、超音波および光音響波を含む用語である。ここで、「超音波」とはプローブにより送信された弾性波およびその反射波を意味し、「光音響波」とは吸収体65が測定光を吸収することにより発する弾性波を意味する。また、プローブ11が発する音響波は超音波に限定されるものでは無く、被検対象や測定条件等に応じて適切な周波数を選択してさえいれば、可聴周波数の音響波を用いてもよい。なお被検体M内の吸収体65としては、例えば血管、金属部材等が挙げられる。
プローブ11は一般に、セクタ走査対応のもの、リニア走査対応のもの、コンベックス走査対応のもの等が用意され、それらの中から適宜のものが撮像部位に応じて選択使用される。またプローブ11には、後述するレーザユニット13から発せられた測定光であるレーザ光Lを、光出射部40まで導光させる接続部としての光ファイバ60が接続されている。
プローブ11は、音響波検出器である振動子アレイ20と、この振動子アレイ20を間に置いて、振動子アレイ20の両側に各々1つずつ配設された合計2つの光出射部40と、振動子アレイ20および2つの光出射部40等を内部に収容した筐体50とを備えている。
本実施形態において振動子アレイ20は、超音波送信素子としても機能する。振動子アレイ20は、図示外の配線を介して、超音波送信用の回路および音響波受信用の回路等と接続されている。
振動子アレイ20は、電気音響変換素子である超音波振動子が複数、一方向に並設されてなるものである。超音波振動子は、例えば圧電セラミクス、またはポリフッ化ビニリデン(PVDF)のような高分子フィルムから構成された圧電素子である。超音波振動子は、受信した音響波Uを電気信号に変換する機能を有している。なお、振動子アレイ20は音響レンズを含んでもよい。
本実施形態における振動子アレイ20は、上述の通り、複数の超音波振動子が一次元に配列されてなるものであるが、複数の超音波振動子が二次元に配列されてなる振動子アレイが用いられてもよい。
上記超音波振動子は、上述した通り超音波を送信する機能も有する。すなわち、この超音波振動子に交番電圧が印加されると、超音波振動子は交番電圧の周波数に対応した周波数の超音波を発生させる。なお、超音波の送信と受信は互いに分離させてもよい。つまり、例えばプローブ11とは異なる位置から超音波の送信を行い、その送信された超音波に対する反射超音波をプローブ11で受信するようにしてもよい。
光出射部40は、光ファイバ60によって導光されたレーザ光Lを被検体Mに向けて出射させる部分である。本実施形態において光出射部40は、光ファイバ60の先端部、つまり測定光の光源であるレーザユニット13から遠い方の端部によって構成されている。図1に示されるように、本実施形態では2つの光出射部40が、振動子アレイ20を間に置いて、振動子アレイ20の例えばエレベーション方向の両側に配置されている。このエレベーション方向とは、複数の超音波振動子が一次元に配列された場合、その配列方向に対して直角で、振動子アレイ20の検出面に平行な方向である。
なお光出射部は、光ファイバ60の先端に光学的に結合させた導光板および拡散板から構成されてもよい。そのような導光板は、例えばアクリル板や石英板から構成することができる。また拡散板としては、マイクロレンズが基板上にランダムに配置されているレンズ拡散板や、例えば拡散微粒子が分散された石英板等を使用することができる。レンズ拡散板としてはホログラフィック拡散板やエンジニアリング拡散板を用いてもよい。
図1に示されるレーザユニット13は、例えばQスイッチアレキサンドライトレーザ等のフラッシュランプ励起Qスイッチ固体レーザを有し、測定光としてのレーザ光Lを発する。レーザユニット13は、例えば超音波ユニット12の制御部34からのトリガ信号を受けてレーザ光Lを出力するように構成されている。レーザユニット13は、1〜100nsec(ナノ秒)のパルス幅を有するパルスレーザ光Lを出力するものであることが好ましい。
レーザ光Lの波長は、計測の対象となる被検体M内の吸収体65の光吸収特性に応じて適宜選択される。例えば計測対象が生体内のヘモグロビンである場合、つまり血管を撮像する場合、一般的にその波長は、近赤外波長域に属する波長であることが好ましい。近赤外波長域とはおよそ700〜850nmの波長域を意味する。しかし、レーザ光Lの波長は当然これに限られるものではない。またレーザ光Lは、単波長のものでもよいし、例えば750nmおよび800nm等の複数波長を含むものでもよい。レーザ光Lが複数の波長を含む場合、これらの波長の光は、同時に出射されてもよいし、交互に切り替えながら出射されてもよい。
なおレーザユニット13は、上に述べたアレキサンドライトレーザの他、同様に近赤外波長域のレーザ光を出力可能なYAG−SHG(Second harmonic generation:第二次高調波発生)−OPO(Optical Parametric Oscillation:光パラメトリック発振)レーザや、Ti−Sapphire(チタン−サファイア)レーザ等を用いて構成することもできる。
光ファイバ60は、レーザユニット13から出射されたレーザ光Lを、2つの光出射部40まで導く。光ファイバ60は特に限定されず、石英ファイバ等の公知のものを使用することができる。例えば1本の太い光ファイバが用いられてもよいし、あるいは複数の光ファイバが束ねられてなるバンドルファイバが用いられてもよい。一例としてバンドルファイバが用いられる場合、1つにまとめられたファイバ部分の光入射端面から上記レーザ光Lが入射するようにバンドルファイバが配置され、そしてバンドルファイバの2つに分岐されたファイバ部分の各先端部が前述した通り光出射部40を構成する。
超音波ユニット12は、受信回路21、受信メモリ22、データ分離手段23、光音響画像生成部24、超音波画像生成部29、表示制御部30、送信制御回路33および制御部34を有する。
制御部34は、光音響計測装置10の各部を制御するものであり、本実施形態では図示外のトリガ制御回路を備える。このトリガ制御回路は、例えば光音響画像を取得する場合には、レーザユニット13に光トリガ信号を送る。これによりレーザユニット13のQスイッチ固体レーザにおいて励起源のフラッシュランプが点灯し、レーザロッドの励起が開始される。このレーザロッドの励起状態が維持されている間、レーザユニット13はレーザ光Lを出力可能な状態となる。
制御部34は、その後トリガ制御回路からレーザユニット13へQスイッチトリガ信号を送信する。つまり制御部34は、このQスイッチトリガ信号によって、レーザユニット13からのレーザ光Lの出力タイミングを制御する。また制御部34は、Qスイッチトリガ信号の送信と同時に、サンプリングトリガ信号を受信回路21に送信する。このサンプリングトリガ信号は、受信回路21のAD変換器(Analog to Digital convertor)における光音響信号のサンプリングの開始タイミングを規定する。このように、サンプリングトリガ信号を使用することにより、レーザ光Lの出力と同期して光音響信号をサンプリングすることが可能となる。
制御部34は、超音波画像を取得する場合は、送信制御回路33に超音波送信を指示する超音波トリガ信号を送信する。送信制御回路33は、超音波送信トリガ信号を受けると、プローブ11から超音波を送信させる。制御部34は、超音波送信のタイミングに合わせて受信回路21にサンプリングトリガ信号を送信し、反射超音波信号のサンプリングを開始させる。
以上述べた光音響画像あるいは超音波画像を取得する際、プローブ11は、被検体Mに対して例えば前述したエレベーション方向に少しずつ位置が変えられて、レーザ光Lあるいは超音波により被検体Mが走査される。そこで上記光音響信号あるいは反射超音波信号のサンプリングはこの走査と同期して、音響波検出ラインを一ラインずつずらしながらなされる。なお上記走査は、術者がプローブ11を手操作で動かすことによってなされてもよいし、あるいは自動走査機構を用いてなされてもよい。
受信回路21は、プローブ11の振動子アレイ20が出力する光音響波検出信号を受信し、受信した検出信号を受信メモリ22に格納する。受信回路21は典型的には、低ノイズアンプ、可変ゲインアンプ、ローパスフィルタ、およびAD変換器を含んで構成される。プローブ11が出力する光音響波検出信号は、低ノイズアンプで増幅された後に、可変ゲインアンプで深度に応じたゲイン調整がなされ、ローパスフィルタで高周波成分がカットされた後にAD変換器でデジタル信号に変換され、受信メモリ22に格納される。受信回路21は、例えば1つのIC(Integrated Circuit)で構成される。なお、上記ローパスフィルタによる高周波成分のカットは、AD変換時に折り返し雑音が発生することを防止するためのものであり、一般にそのカットオフ周波数は、AD変換のサンプリング周波数の半分程度の10MHz〜30MHz程度とされる。
本実施形態においてプローブ11は、光音響波の検出信号と反射超音波の検出信号とを出力する。そこで受信メモリ22には、デジタル化された光音響波検出信号および反射超音波検出信号が格納される。データ分離手段23は、受信メモリ22から光音響画像用のデータ、つまりデジタル化された光音響波検出信号を読み出して、光音響画像生成部24に送信する。またデータ分離手段23は、受信メモリ22から反射超音波画像用のデータ、つまりデジタル化された反射超音波検出信号を読み出して、超音波画像生成部29に送信する。
光音響画像生成部24は、受信メモリ23から受信した光音響波検出信号を再構成して、光音響画像を生成する。具体的には、光音響画像生成部24は、振動子アレイ20の各超音波振動子の位置に応じた遅延時間で各超音波振動子からの信号に基づく光音響波検出信号を加算し、1ライン分の光音響波検出信号を生成する(遅延加算法)。光音響画像生成部24は、遅延加算法に代えて、CBP法(Circular Back Projection)により再構成を行ってもよい。あるいは光音響画像生成部24は、ハフ変換法又はフーリエ変換法を用いて再構成を行ってもよい。再構成された複数ライン分の光音響波検出信号は、検波処理および対数変換処理等の信号処理を経て、光音響画像(断層画像)を表示するための信号として表示制御部30に送られる。
なお上記複数ライン分の光音響波検出信号は、デジタル化や再構成等の処理が施されたもので、プローブ11の振動子アレイ20が出力した光音響波検出信号そのものではないが、この振動子アレイ20が出力した光音響波検出信号に基づくものであるので、「光音響波検出信号」と称することとする。また本実施形態では、光音響画像生成部24において前述したフィルタリング処理がなされるが、その処理については後に詳しく説明する。
超音波画像生成部29は、受信メモリ22に格納された反射超音波検出信号に対して、基本的に上記光音響波検出信号に対するのと同様の処理を施して、超音波画像(断層画像)を示す複数ライン分の反射超音波検出信号を生成する。超音波画像生成部29は、そのようにして生成された反射超音波検出信号を表示制御部30に出力する。
表示制御部30は、上記光音響波検出信号に基づいて光音響画像を、また上記反射超音波検出信号に基づいて超音波画像を、それぞれ表示部14に表示させる。これら2つの画像は別々に、あるいは合成されて合成画像として表示部14に表示される。後者の場合、表示制御部30は、例えば光音響画像と超音波画像とを重畳させて画像合成を行う。このように、光音響画像に加えて超音波画像を生成し表示させれば、光音響画像では画像化することができない部分を超音波画像において観察可能となる。
次に、以上の述べた通りの基本構成を有する光音響計測装置10において、前述したアーチファクトの発生を防止する点について説明する。まず図2および図3を参照して、このアーチファクトについて詳しく説明する。
図2は、図1に示す吸収体65の一例である血管Vから生じた光音響波と、測定光が入射する被検体表面で生じた光音響波とが検出される様子を示す概略図である。測定光Lを被検体Mに照射した際、理想的には血管Vからの光音響波U1のみを検出することが望まれるが、実際には測定光Lが入射する被検体表面部分44で発生した光音響波U2も検出される。この光音響波U2がアーチファクト(偽画像)の原因となる。光音響波U2が発生してから検出されるまでの時間は、光出射部40と振動子アレイ20(または個々の超音波振動子。以下同じ)との間隔、より詳細には、測定光Lの当接平面上の到達領域と音響波検出部との間隔に依存する。つまり、光出射部40と振動子アレイ20との間隔が大きい程、光音響波U2が被検体中を伝わる距離が長いため、光音響波U2が発生してから検出されるまでの時間は長くなる。
なお、上記「当接平面」とは、プローブ11の先端(つまり、被検体Mと接触するプローブ表面と音響波検出部の中心軸との交点)を通り音響波検出部の検出面に平行な平面を意味する。また、「到達領域」とは、当接平面と測定光Lが交わる領域を意味する。
そして、光音響波U2が発生してから検出されるまでの時間は、光音響画像中のアーチファクト領域の現れる範囲に影響する。図3の(A)〜(F)は、光出射部40と振動子アレイ20との間隔W1に依存して、観察領域(アーチファクト非発生領域)R1およびアーチファクト発生領域R2の大きさが変化する様子を示す図である。具体的に、図3の(A)〜(D)は、被検体表面で生じた光音響波U2に起因してアーチファクト発生領域R2が生じた光音響画像Pを示す図である。また、図3の(E)および(F)はそれぞれ、図3の(A)および(D)の光音響画像Pを生成した際の光出射部40と振動子アレイ20の位置関係を示す概略図である。
この図3から、光出射部40と振動子アレイ20との間隔W1が大きい程、アーチファクト非発生領域R1とアーチファクト発生領域R2との境界Bが下がる、つまり被検体Mのより深い方に移動することが分かる。これは、光音響画像Pの上下方向は、時間軸に対応し、光出射部40と振動子アレイ20との間隔W1が大きい程、光音響波U2の信号が検出されるまでの時間が遅くなるためである。以上述べた光出射部40と振動子アレイ20との間隔W1に対する、アーチファクト非発生領域R1とアーチファクト発生領域R2との境界Bの関係の一例を図4に示す。この図4の横軸が上記間隔W1であり、また縦軸の「観察可能深度」がすなわちアーチファクト非発生領域R1の深度、つまりは上記境界Bの深さ位置である。
以上の知見に基づいて本実施形態では、一例として図1の光音響画像生成部24において、バンドパスフィルタにより以下のフィルタリング処理がなされる。なお、このフィルタリング処理は、予め与えられたプログラムに基づいて、演算処理によってなされるものである。
このバンドパスフィルタリング処理は、前述したように再構成されて光音響画像を示す光音響波検出信号のうち、アーチファクト非発生領域R1に関する光音響波検出信号(第一の光音響波検出信号)と、アーチファクト発生領域R2に関する光音響波検出信号(第二の光音響波検出信号)とでフィルタの通過特性を変えて行われる。ここで、上記第一の光音響波検出信号に対するバンドパスフィルタリング処理を第一のバンドパスフィルタリング処理(本発明における第一のフィルタリング処理)と称し、上記第二の光音響波検出信号に対するバンドパスフィルタリング処理を第二のバンドパスフィルタリング処理(本発明における第二のフィルタリング処理)と称する。
上記バンドパスフィルタリング処理の基本的な通過特性を図5に示す。この図5中、破線で示すのが上記第一のバンドパスフィルタリング処理における通過特性であり、実線で示すのが上記第二のバンドパスフィルタリング処理における通過特性である。つまり、第一の光音響波検出信号に対する低周波数側のカットオフ周波数fL1よりも、第二の光音響波検出信号に対する低周波数側のカットオフ周波数fL2の方が、より高周波数側に設定されている。より詳しくは、例えばプローブ11の振動子アレイ20の検出中心周波数が6.5MHzの場合、第一の光音響波検出信号に対する低周波数側のカットオフ周波数fL1は1MHz程度、高周波数側のカットオフ周波数fHは10MHz程度とされ、第二の光音響波検出信号に対する低周波数側のカットオフ周波数fL2は2MHz程度、高周波数側のカットオフ周波数fHは10MHz程度とされる。
以上の通り本実施形態では、第二の光音響波検出信号に対する第二のバンドパスフィルタリング処理は、第一の光音響波検出信号に対する第一のバンドパスフィルタリング処理に比べて、所定の周波数(2MHz)よりも低い周波数範囲の光音響波検出信号をより多く低減するものとなっている。ここで、「所定の周波数よりも低い周波数範囲」とは、2MHzよりも低い周波数範囲に限られるものではなく、光音響波検出信号の最も低周波数側に存在する、或る幅を持った周波数範囲であり、「所定の周波数」の数値は、適宜設定され得るものである。
先に図2を参照して説明したように、被検体表面部分44で発生してアーチファクトの原因となる光音響波U2は、レーザ光Lが入射する被検体Mの表面部分全体から発生するため、この光音響波U2を検出した信号は比較的低周波数域のものとなる。そこで、上述したように、第一の光音響波検出信号と比べて、第二の光音響波検出信号の低周波数範囲の信号成分をより多く除去すれば、表示部14に表示される光音響画像のアーチファクト発生領域R2においてアーチファクトが発生しなくなるか、あるいは低減される。その一方、アーチファクト非発生領域R1において、被検体Mの診断上有意な低周波数範囲の信号成分が不用意に除去されることもなくなる。そこで表示部14において、全体として診断性能の高い光音響画像を表示可能となる。それに対して、先に述べた特許文献2に記載された技術では、診断上有意な低周波数範囲の信号成分が除去される可能性がある。
なお、上記のアーチファクト非発生領域R1とアーチファクト発生領域R2とを判別するためには、それら両領域の境界Bを知ることが必要である。先に図3および図4を参照して説明した通り、上記境界Bの被検体深さ方向位置は基本的に、光出射部40と振動子アレイ20との間隔W1と対応している。そこで本実施形態では、図1に示した光音響画像生成部24の内部メモリに、プローブ11毎の上記境界Bの被検体深さ方向位置と上記間隔W1との対応表をルックアップテーブルの形で記憶させておき、光音響画像生成部24はこのルックアップテーブルを参照して境界Bを、つまりはアーチファクト非発生領域R1およびアーチファクト発生領域R2を判別するようにしている。こうすることにより、光音響計測装置10に対して複数種類のプローブ11が交換可能に取り付けられる場合でも、使用されるプローブ11の認識情報を例えば入力部15から入力して、そのプローブ11に関して正しくアーチファクト非発生領域R1およびアーチファクト発生領域R2を判別可能となる。以上の説明から明らかな通り、本実施形態では光音響画像生成部24が、本発明における領域判別手段およびフィルタ手段を構成している。
ここで、フィルタ手段としては、ハミング窓、ハニング窓、ブラックマン窓、あるいはカイザー窓等の窓関数によりサイドローブの影響が低減されているものを適用することが望ましい。
なお、上記境界Bの被検体深さ方向位置と上記間隔W1との関係は、観察部位での音速、つまり光音響波が伝搬する被検体Mの部位における音速に応じて変化する。そこで、上記対応表における境界Bの被検体深さ方向位置と間隔W1との関係を、上記音速に応じて補正してもよい。この補正により、境界Bの被検体深さ方向位置が補正され、つまりはアーチファクト非発生領域R1とアーチファクト発生領域R2の判別が補正されることになる。
上記音速は、図1に示す入力部15から入力するようにしてもよいし、あるいは、この音速と観察部位との対応関係を図示外の記憶手段に記憶させておき、入力部15から入力された観察部位の情報から上記対応関係を参照して音速を知るようにしてもよい。
さらに、境界Bの被検体深さ方向位置と間隔W1との関係を、上記音速に応じて補正する他、測定光であるレーザLの強度、レーザLのパルス幅、および振動子アレイ20の検出面上における音響部材の有無、のうちの少なくとも1つに基づいて上記関係を補正するようにしてもよい。
また、境界Bの被検体深さ方向位置と間隔W1との対応表から境界Bを求める代わりに、間隔W1から境界Bの被検体深さ方向位置を算出する計算式を記憶させておき、図1に示す入力部15から入力された間隔W1から上記計算式によって境界Bを求めるようにしてもよい。
さらには、操作者が表示部14に示されるアーチファクト非発生領域R1とアーチファクト発生領域R2の表示を確認しながら、境界Bを指定する情報を入力部15から入力するようにしてもよい。
上記境界Bを指定する情報とは、境界Bの被検体深さ方向位置そのものを示す情報でなくてもよい。例えば図11に示されるようなx(光出射部40の出射端における光軸の位置から振動子アレイ20の中心軸までの距離)、y(光出射部40の出射端における光軸の位置から当接平面S1までの距離)およびθ(当接平面S1と測定光の光軸とが成す角度)でもよい。x、yおよびθが得られれば、光出射部40と振動子アレイ20の間隔W1が得られ、これからさらに境界Bの被検体深さ方向位置を得ることができる。
また、光出射部40の出射端における光軸が当接平面に対して傾いている場合には、次のようにして「測定光の当接平面上の到達領域と音響波検出部との間隔」を定義することができる。例えば図11に示すように検出面に何も装着されていない場合には、検出面と振動子アレイ20の中心軸との交点をP1とし、測定光の到達領域におけるエネルギープロファイルEPをガウス分布で近似したときの最大点をP2とする。この際、上記点P1が、当接平面が通るプローブの先端となる。そして、この点P1および点P2の距離W2を「到達領域と音響波検出部との間隔」とすることができる。
また、先に述べた対応表や計算式に基づいて定められたアーチファクト非発生領域R1とアーチファクト発生領域R2の表示を操作者が表示部14で確認し、それよりも適正な領域分けが考えられる場合は、その領域分けの境界Bを指定する情報を操作者が入力部15から入力して、アーチファクト非発生領域R1とアーチファクト発生領域R2を再設定するようにしてもよい。
なお、以上述べたバンドパスフィルタリング処理により、第一の光音響波検出信号および第二の光音響波検出信号の低周波数範囲の信号成分を除去する代わりに、ハイパスフィルタを用いて上記低周波数範囲の信号成分を除去するようにしてもよい。図6に、そのようなハイパスフィルタの基本的な通過特性例を示す。この図6中、破線で示すのが第一の光音響波検出信号に対する第一のハイパスフィルタリング処理(本発明における第一のフィルタリング処理)の通過特性であり、実線で示すのが第二の光音響波検出信号に対する第二のハイパスフィルタリング処理(本発明における第二のフィルタリング処理)の通過特性である。つまりこの場合は、第一の光音響波検出信号に対するカットオフ周波数f1よりも、第二の光音響波検出信号に対するカットオフ周波数f2の方が、より高周波数側に設定されている。
例えば上記カットオフ周波数f1は1MHz程度、カットオフ周波数f2は2MHz程度とされる。以上のようにして、この場合も、第一の光音響波検出信号と比べて、第二の光音響波検出信号の低周波数範囲の信号成分をより多く除去すれば、図5に通過特性を示したバンドパスフィルタを用いる場合と、基本的に同様の効果が得られる。
また、バンドパスフィルタを用いる場合、図7に示す通過特性や、あるいは図8に示す通過特性のバンドパスフィルタを適用することもできる。これらの図においても、破線で示すのが第一の光音響波検出信号に対する第一のバンドパスフィルタリング処理の通過特性であり、実線で示すのが第二の光音響波検出信号に対する第二のバンドパスフィルタリング処理の通過特性である。
図7に示す通過特性は、図5に示した通過特性と比べると、第一の光音響波検出信号に対する低周波数側のカットオフ周波数がfL1とfL2との間で、ロールオフ状に連続的に変化している点で異なるものである。この場合も、第一の光音響波検出信号と比べて、第二の光音響波検出信号の低周波数範囲の信号成分をより多く除去できるので、図5に通過特性を示したバンドパスフィルタを用いる場合と、基本的に同様の効果が得られる。
なお図7に示す例では、第一の光音響波検出信号に対する第一のバンドパスフィルタリング処理の低周波数側のカットオフ周波数がfL1とfL2との間で連続的に変化しているが、このカットオフ周波数がfL1とfL2との間で段階的に変化するようにしてもよい。
図8に示す通過特性は、図5に示した通過特性と比べると、第二の光音響波検出信号に対するフィルタリングの利得が、第一の光音響波検出信号に対するフィルタリングの利得よりも高く設定されている点で異なるものである。この場合も、第一の光音響波検出信号と比べて、第二の光音響波検出信号の低周波数範囲の信号成分をより多く除去できるので、図5に通過特性を示したバンドパスフィルタを用いる場合と、基本的に同様の効果が得られる。またこの場合は、第二の光音響波検出信号の低周波数範囲の信号成分をより多く除去することにより、第二の光音響波検出信号の全体的な信号強度が低減する分を、上述のように第二の光音響波検出信号に対するフィルタリングの利得を上げることによって補償可能となる。
なお、以上述べたようにアーチファクト非発生領域R1に関する光音響波検出信号に対するフィルタリングの特性と、アーチファクト発生領域R2に関する光音響波検出信号に対するフィルタリングの特性を互いに異なるものとすると、フィルタリング後の光音響波検出信号に基づいて作成かつ表示された光音響画像において、アーチファクト非発生領域R1とアーチファクト発生領域R2の境界Bで画像の周波数特性が急激に変化しやすい。以下、この周波数特性の急激な変化を抑制するようにした実施形態について説明する。
なお、以下に説明する処理は、例えば図1の光音響画像生成部24において行われる。この実施形態では、図9に概略的に示すアーチファクト非発生領域R1とアーチファクト発生領域R2の境界Bを含む範囲内に、一例として2つの境界領域BR1および境界領域BR2を設定する。本例では、境界領域BR1はアーチファクト非発生領域R1内に属し、境界領域BR2はアーチファクト発生領域R2内に属している。そしてこの場合、境界領域BR1および境界領域BR2の各光音響画像に対応する光音響波検出信号に対して、前述したバンドパスフィルタによりバンドパスフィルタリング処理が施されるが、それらのバンドパスフィルタリング処理は、アーチファクト非発生領域R1の光音響画像に対応する第一の光音響波検出信号に対する第一のバンドパスフィルタリング処理とも、またアーチファクト発生領域R2の光音響画像に対応する第二の光音響波検出信号に対する第二のバンドパスフィルタリング処理とも異なる、境界領域用バンドパスフィルタリング処理とされている。
ここで、上記各バンドパスフィルタリングにおける基本的な通過特性を図10に示す。この図10中、破線で示すのが上記第一の光音響波検出信号に対する通過特性、実線で示すのが上記第二の光音響波検出信号に対する通過特性、2点鎖線で示すのが境界領域BR1の光音響画像に対応する光音響波検出信号に対する通過特性、そして1点鎖線で示すのが境界領域BR2の光音響画像に対応する光音響波検出信号に対する通過特性である。
以上のように、境界領域BR1の光音響画像に対応する光音響波検出信号に対する境界領域用バンドパスフィルタリング処理および境界領域BR2の光音響画像に対応する光音響波検出信号に対する境界領域用バンドパスフィルタリング処理は、アーチファクト非発生領域R1の光音響画像に対応する第一の光音響波検出信号に対する第一のバンドパスフィルタリング処理と、アーチファクト発生領域R2の光音響画像に対応する第二の光音響波検出信号に対する第二のバンドパスフィルタリング処理との中間的な処理とされている。
より具体的には、境界領域BR1用のバンドフィルタリング処理の通過特性の一つである低周波数側のカットオフ周波数fL3(=1.3MHz)と、境界領域BR2用のバンドフィルタリング処理の低周波数側のカットオフ周波数fL4(=1.7MHz)が各々、アーチファクト非発生領域R1用の第一のバンドパスフィルタリング処理の低周波数側のカットオフ周波数fL1(=1MHz)と、アーチファクト発生領域R2用の第二のバンドパスフィルタリング処理の低周波数側のカットオフ周波数fL2(=2MHz)とに基づいて、境界領域BR1、境界領域BR2の被検体深さ方向位置に応じて定められている。
以上のように各バンドパスフィルタリング処理の低周波数側のカットオフ周波数fL1〜fL4を設定することにより、アーチファクト非発生領域R1とアーチファクト発生領域R2の境界Bにおいて、光音響画像の周波数特性が急激に変化することが無くなる。つまり表示部14に表示される光音響画像においては、アーチファクト非発生領域R1、境界領域BR1、境界領域BR2、およびアーチファクト発生領域R2の各境界において周波数特性が少しずつ変化するようになり、光音響画像の診断性能が高められる。
なお、以上説明した実施形態においては、アーチファクト非発生領域R1とアーチファクト発生領域R2の境界Bを含む範囲に、2つの境界領域BR1および境界領域BR2を設定しているが、境界領域は1つ以上、いくつ設定しても構わない。そして境界領域を1つだけ設定する場合は、その境界領域の端縁が境界Bと揃った状態となっていてもよい。境界領域を多く設定するほど、各領域の境界における周波数特性の変化をより滑らかにすることができるが、それに伴ってフィルタリング処理に要する時間も長くなるので、それらの点を双方考慮して適切な数に設定するのがよい。
次に、アーチファクト非発生領域R1とアーチファクト発生領域R2の境界Bで画像の周波数特性が急激に変化することを抑制可能とした、本発明の別の実施形態について説明する。なお、以下に説明する処理は、例えば図1の光音響画像生成部24において行われる。
この実施形態でも、図9に示すように、アーチファクト非発生領域R1およびアーチファクト発生領域R2の境界を含む範囲内に、少なくとも1つの境界領域を設定する。本実施形態では図9の例と同じように、2つの境界領域BR1および境界領域BR2を設定する。そしてアーチファクト非発生領域R1の光音響画像に対応する第一の光音響波検出信号に対しては、低周波数側のカットオフ周波数fL1を1MHzとした第一のバンドパスフィルタリング処理を施して、第一の処理済み光音響波検出信号を得る。一方、アーチファクト発生領域R2の光音響画像に対応する第二の光音響波検出信号に対しては、低周波数側のカットオフ周波数fL2を2MHzとした第二のバンドパスフィルタリング処理を施して、第二の処理済み光音響波検出信号を得る。
そして上記第一の処理済み光音響波検出信号および第二の処理済み光音響波検出信号を、境界領域BR1および境界領域BR2の被検体深さ方向位置に応じて重み付け加算して、境界領域BR1用の光音響波検出信号、並びに境界領域BR2用の光音響波検出信号を得る。この場合は、例えば第一の処理済み光音響波検出信号に重み付け係数0.7を与え、第二の処理済み光音響波検出信号に重み付け係数0.3を与えて重み付け加算を行い、境界領域BR1用の光音響波検出信号を得る。また、例えば第一の処理済み光音響波検出信号に重み付け係数0.3を与え、第二の処理済み光音響波検出信号に重み付け係数0.7を与えて重み付け加算を行い、境界領域BR2用の光音響波検出信号を得る。
以上の通りにして得た境界領域BR1用の光音響波検出信号により境界領域BR1の光音響画像を生成し、境界領域BR2用の光音響波検出信号により境界領域BR2の光音響画像を生成し、またアーチファクト非発生領域R1の境界領域BR1以外の部分については上記第一の処理済み光音響波検出信号により光音響画像を生成し、そしてアーチファクト発生領域R2の境界領域BR2以外の部分については上記第二の処理済み光音響波検出信号により光音響画像を生成し、それらの光音響画像を合成して1枚の光音響画像を生成し表示する。
そのようにして表示部14に表示される光音響画像は、アーチファクト非発生領域R1、境界領域BR1、境界領域BR2、およびアーチファクト発生領域R2の各境界において周波数特性が少しずつ変化するようになり、光音響画像の診断性能が高められる。
また本実施形態は、周波数特性の急激な変化を抑制するために、前述したようにアーチファクト非発生領域R1、アーチファクト発生領域R2、境界領域BR1および境界領域BR2の各光音響波検出信号に対するフィルタリング処理の特性を変える場合と比べれば、計算処理が軽くなる点で優れている。
以上、光音響画像と共に反射超音波画像も生成かつ表示可能とされた光音響計測装置10について説明したが、本発明は、反射超音波画像の生成および表示は行わず、光音響画像の生成および表示のみを行うように構成された光音響計測装置に適用することも勿論可能である。図12は、そのように構成された光音響計測装置10の一例を示すものである。この図12に示す光音響計測装置10は、図1に示したものと比べると、データ分離手段23、超音波画像生成部29および送信制御回路33が除かれた形のものとなっている。
10 光音響計測装置
11 プローブ
12 超音波ユニット
13 レーザユニット
14 表示部
15 入力部
20 振動子アレイ
21 受信回路
22 受信メモリ
23 データ分離手段
24 光音響画像生成部
29 超音波画像生成部
30 表示制御部
33 送信制御回路
34 制御部
40 光出射部
50 筺体
60 光ファイバ
65 吸収体
B アーチファクト非発生領域とアーチファクト発生領域との境界
L レーザ光(測定光)
M 被検体
R1 アーチファクト非発生領域
R2 アーチファクト発生領域
U 音響波
U1、U2 光音響波

Claims (20)

  1. 被検体に測定光を出射する光出射部と、該光出射部に並設され、前記測定光の出射によって前記被検体内に生じた光音響波を検出する音響波検出部とを有するプローブ、
    前記音響波検出部が出力した光音響波検出信号に基づいて光音響画像を生成する画像生成部、
    少なくとも前記光出射部と前記音響波検出部との位置関係に基づいて、前記光音響画像中のアーチファクト発生領域とアーチファクト非発生領域とを判別する領域判別手段、および、
    前記光音響波検出信号のうち、前記領域判別手段が判別したアーチファクト非発生領域の光音響画像に対応する第一の光音響波検出信号に対して第一のフィルタリング処理を行い、かつ、前記光音響波検出信号のうち、前記領域判別手段が判別したアーチファクト発生領域の光音響画像に対応する第二の光音響波検出信号に対して第二のフィルタリング処理を行うフィルタ手段を有し、
    前記第二のフィルタリング処理は、前記第一のフィルタリング処理に比べて、所定の周波数よりも低い周波数範囲の光音響波検出信号をより多く低減することを特徴とする光音響計測装置。
  2. 前記フィルタ手段がバンドパスフィルタリング処理を行うバンドパスフィルタを含み、
    前記第二のフィルタリング処理としての前記バンドパスフィルタリング処理が、前記第一のフィルタリング処理としての前記バンドパスフィルタリング処理よりも、低周波数側のカットオフ周波数をより高周波数側に設定したものである請求項1記載の光音響計測装置。
  3. 前記フィルタ手段がハイパスフィルタリング処理を行うハイパスフィルタを含み、
    前記第二のフィルタリング処理としての前記ハイパスフィルタリング処理が、前記第一のフィルタリング処理としての前記ハイパスフィルタリング処理よりも、カットオフ周波数をより高周波数側に設定したものである請求項1記載の光音響計測装置。
  4. 前記領域判別手段が、前記光出射部と前記音響波検出部との位置関係と、前記アーチファクト発生領域およびアーチファクト非発生領域の境界とを対応させた対応表に基づいて、前記アーチファクト発生領域とアーチファクト非発生領域とを判別する請求項1から3いずれか1項記載の光音響計測装置。
  5. 前記領域判別手段が、前記光出射部と前記音響波検出部との位置関係から、前記アーチファクト発生領域およびアーチファクト非発生領域の境界を算出する計算式により、前記アーチファクト発生領域とアーチファクト非発生領域とを判別する請求項1から3いずれか1項記載の光音響計測装置。
  6. 前記領域判別手段が、前記光音響波が伝搬する被検体の部位における音速に応じて前記判別を補正する請求項1から5いずれか1項記載の光音響計測装置。
  7. 前記フィルタ手段が、前記アーチファクト非発生領域およびアーチファクト発生領域の境界を含む範囲内に設定された少なくとも1つの境界領域に関する光音響波検出信号に対して、前記第一のフィルタリング処理および前記第二のフィルタリング処理とは異なる境界領域用フィルタリング処理を行う請求項1から6いずれか1項記載の光音響計測装置。
  8. 前記境界領域用フィルタリング処理が、前記第一のフィルタリング処理と前記第二のフィルタリング処理との中間的なフィルタリング処理である請求項7記載の光音響計測装置。
  9. 前記境界領域用フィルタリング処理の通過特性が、前記第一のフィルタリング処理の通過特性と、前記第二のフィルタリング処理の通過特性とに基づいて、前記境界領域の被検体深さ方向位置に応じて定められたものである請求項8記載の光音響計測装置。
  10. 前記アーチファクト非発生領域およびアーチファクト発生領域の境界を含む範囲内に設定された少なくとも1つの境界領域に関する画像を、前記第一のフィルタリング処理を受けた前記第一の光音響波検出信号と、前記第二のフィルタリング処理を受けた前記第二の光音響波検出信号とを、前記境界領域の被検体深さ方向位置に応じて重み付け加算して得られた信号によって構成する手段をさらに備えた請求項1から6いずれか1項記載の光音響計測装置。
  11. 被検体に測定光を出射する光出射部と、該光出射部に並設され、前記測定光の出射によって前記被検体内に生じた光音響波を検出する音響波検出部とを有するプローブ、および、
    前記音響波検出部が出力した光音響波検出信号に基づいて光音響画像を生成する画像生成部を備えた光音響計測装置において、
    少なくとも前記光出射部と前記音響波検出部との位置関係に基づいて、前記光音響画像中のアーチファクト発生領域とアーチファクト非発生領域とを判別し、
    前記光音響波検出信号のうち、前記アーチファクト非発生領域の光音響画像に対応する第一の光音響波検出信号に対して第一のフィルタリング処理を行い、
    前記光音響波検出信号のうち、前記アーチファクト発生領域の光音響画像に対応する第二の光音響波検出信号に対して第二のフィルタリング処理を行い、
    前記第二のフィルタリング処理を、前記第一のフィルタリング処理に比べて、所定の周波数よりも低い周波数範囲の光音響波検出信号をより多く低減するものとすることを特徴とする光音響計測装置の信号処理方法。
  12. 前記フィルタリング処理がバンドパスフィルタリング処理であり、
    前記第二のフィルタリング処理としての前記バンドパスフィルタリング処理が、前記第一のフィルタリング処理としての前記バンドパスフィルタリング処理よりも、低周波数側のカットオフ周波数をより高周波数側に設定したものである請求項11記載の光音響計測装置の信号処理方法。
  13. 前記フィルタリング処理がハイパスフィルタリング処理であり、
    前記第二のフィルタリング処理としての前記ハイパスフィルタリング処理が、前記第一のフィルタリング処理としての前記ハイパスフィルタリング処理よりも、カットオフ周波数をより高周波数側に設定したものである請求項11記載の光音響計測装置の信号処理方法。
  14. 前記光出射部と前記音響波検出部との位置関係と、前記アーチファクト発生領域およびアーチファクト非発生領域の境界とを対応させた対応表に基づいて、前記アーチファクト発生領域とアーチファクト非発生領域とを判別する請求項11から13いずれか1項記載の光音響計測装置の信号処理方法。
  15. 前記光出射部と前記音響波検出部との位置関係から、前記アーチファクト発生領域およびアーチファクト非発生領域の境界を算出する計算式により、前記アーチファクト発生領域とアーチファクト非発生領域とを判別する請求項11から13いずれか1項記載の光音響計測装置の信号処理方法。
  16. 前記光音響波が伝搬する被検体の部位における音速に応じて前記判別を補正する請求項11から15いずれか1項記載の光音響計測装置の信号処理方法。
  17. 前記アーチファクト非発生領域およびアーチファクト発生領域の境界を含む範囲内に設定された少なくとも1つの境界領域に関する光音響波検出信号に対して、前記第一のフィルタリング処理および前記第二のフィルタリング処理とは異なる境界領域用フィルタリング処理を行う請求項11から16いずれか1項記載の光音響計測装置の信号処理方法。
  18. 前記境界領域用フィルタリング処理が、前記第一のフィルタリング処理と前記第二のフィルタリング処理との中間的なフィルタリング処理である請求項17記載の光音響計測装置の信号処理方法。
  19. 前記境界領域用フィルタリング処理の通過特性が、前記第一のフィルタリング処理の通過特性と、前記第二のフィルタリング処理の通過特性とに基づいて、前記境界領域の被検体深さ方向位置に応じて定められたものである請求項18記載の光音響計測装置の信号処理方法。
  20. 前記アーチファクト非発生領域およびアーチファクト発生領域の境界を含む範囲内に設定された少なくとも1つの境界領域に関する画像を、前記第一のフィルタリング処理を受けた前記第一の光音響波検出信号と、前記第二のフィルタリング処理を受けた前記第二の光音響波検出信号とを、前記境界領域の被検体深さ方向位置に応じて重み付け加算して得られた信号によって構成する請求項11から16いずれか1項記載の光音響計測装置の信号処理方法。
JP2017542731A 2015-09-29 2016-09-21 光音響計測装置および光音響計測装置の信号処理方法 Active JP6411667B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015191727 2015-09-29
JP2015191727 2015-09-29
PCT/JP2016/004307 WO2017056462A1 (ja) 2015-09-29 2016-09-21 光音響計測装置および光音響計測装置の信号処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017056462A1 JPWO2017056462A1 (ja) 2018-02-08
JP6411667B2 true JP6411667B2 (ja) 2018-10-24

Family

ID=58423089

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017542731A Active JP6411667B2 (ja) 2015-09-29 2016-09-21 光音響計測装置および光音響計測装置の信号処理方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US11083376B2 (ja)
EP (1) EP3357430B1 (ja)
JP (1) JP6411667B2 (ja)
CN (1) CN108024794B (ja)
WO (1) WO2017056462A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11137375B2 (en) 2013-11-19 2021-10-05 California Institute Of Technology Systems and methods of grueneisen-relaxation photoacoustic microscopy and photoacoustic wavefront shaping
US11672426B2 (en) 2017-05-10 2023-06-13 California Institute Of Technology Snapshot photoacoustic photography using an ergodic relay
CN107345345B (zh) * 2017-06-30 2020-06-05 浙江众邦机电科技有限公司 一种用于缝纫机的布料检测系统及方法
CN107607473B (zh) * 2017-08-31 2020-05-19 华南师范大学 一种同时多点激发与匹配接收的光声三维成像装置及方法
EP3836831A4 (en) 2018-08-14 2022-05-18 California Institute of Technology MULTIFOCAL PHOTOACOUSTIC MICROSCOPY THROUGH AN ERGODIC RELAY
EP3847453A4 (en) 2018-09-04 2022-06-22 California Institute of Technology PHOTOACOUSTIC INFRARED MICROSCOPY AND SPECTROSCOPY WITH INCREASED RESOLUTION
CN109674490B (zh) * 2019-01-17 2021-09-10 南京大学深圳研究院 一种超声引导的低反射伪像光声显微镜成像方法
WO2021092250A1 (en) * 2019-11-05 2021-05-14 California Institute Of Technology Spatiotemporal antialiasing in photoacoustic computed tomography
CN112842264B (zh) * 2020-12-31 2023-04-25 哈尔滨工业大学(威海) 多模态成像中数字滤波方法、装置和多模态成像技术系统

Family Cites Families (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5873830A (en) * 1997-08-22 1999-02-23 Acuson Corporation Ultrasound imaging system and method for improving resolution and operation
US6936008B2 (en) * 1999-08-20 2005-08-30 Zonare Medical Systems, Inc. Ultrasound system with cableless coupling assembly
KR100856043B1 (ko) * 2006-10-17 2008-09-03 주식회사 메디슨 초음파 공간 합성 영상의 형성 방법
US9451884B2 (en) * 2007-12-13 2016-09-27 Board Of Trustees Of The University Of Arkansas Device and method for in vivo detection of clots within circulatory vessels
JP5709399B2 (ja) * 2010-04-02 2015-04-30 キヤノン株式会社 被検体情報取得装置およびその制御方法、ならびにプログラム
US8233482B2 (en) 2010-04-22 2012-07-31 Robert Paul Morris Methods, systems, and computer program products for disabling an operative coupling to a network
JP5570877B2 (ja) * 2010-06-04 2014-08-13 株式会社東芝 超音波診断装置
US8823928B2 (en) * 2011-11-02 2014-09-02 Seno Medical Intruments, Inc. Light output calibration in an optoacoustic system
US8839672B2 (en) * 2010-10-19 2014-09-23 Board Of Regents, The University Of Texas System Combined ultrasound and photoacoustic imaging of metal objects
JP6151882B2 (ja) * 2010-12-24 2017-06-21 キヤノン株式会社 被検体情報取得装置及び被検体情報取得方法
JP5850633B2 (ja) * 2011-04-12 2016-02-03 キヤノン株式会社 被検体情報取得装置
JP5719242B2 (ja) * 2011-06-27 2015-05-13 富士フイルム株式会社 ドプラ画像表示方法および装置
JP6132466B2 (ja) * 2012-02-07 2017-05-24 キヤノン株式会社 被検体情報取得装置及び被検体情報取得方法
JP6146956B2 (ja) * 2012-03-13 2017-06-14 キヤノン株式会社 装置、表示制御方法、及びプログラム
JP6146955B2 (ja) * 2012-03-13 2017-06-14 キヤノン株式会社 装置、表示制御方法、及びプログラム
MX2014015274A (es) 2012-06-13 2015-02-20 Seno Medical Instr Inc Sistema y metodo para producir mapas parametricos de datos optoacusticos.
KR20140084828A (ko) * 2012-12-27 2014-07-07 삼성전자주식회사 광음향 프로브 및 이를 포함하는 광음향 장치
KR102094502B1 (ko) * 2013-02-21 2020-03-30 삼성전자주식회사 의료 영상들의 정합 방법 및 장치
JP5907918B2 (ja) * 2013-03-21 2016-04-26 富士フイルム株式会社 光音響計測装置および光音響計測方法並びにプローブの接触判断方法
US10217213B2 (en) * 2013-09-30 2019-02-26 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Army Automatic focused assessment with sonography for trauma exams
JP6049215B2 (ja) * 2014-01-16 2016-12-21 富士フイルム株式会社 光音響計測装置並びにそれに利用される信号処理装置および信号処理方法
JP6504826B2 (ja) * 2014-02-10 2019-04-24 キヤノン株式会社 情報処理装置および情報処理方法
CN105326524B (zh) * 2014-07-31 2018-10-26 通用电气公司 可减少图像中的伪影的医学成像方法和装置
KR20160056614A (ko) * 2014-11-12 2016-05-20 삼성전자주식회사 영상 처리 장치, 영상 처리 장치 제어 방법 및 초음파 영상 장치
KR102301379B1 (ko) * 2015-01-20 2021-09-14 삼성전자주식회사 영상 처리 장치, 영상 촬영 장치, 영상 처리 방법 및 영상 촬영 장치의 제어 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2017056462A1 (ja) 2018-02-08
CN108024794A (zh) 2018-05-11
CN108024794B (zh) 2020-12-18
US20180177407A1 (en) 2018-06-28
EP3357430B1 (en) 2019-09-18
WO2017056462A1 (ja) 2017-04-06
EP3357430A4 (en) 2018-08-08
EP3357430A1 (en) 2018-08-08
US11083376B2 (en) 2021-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6411667B2 (ja) 光音響計測装置および光音響計測装置の信号処理方法
US9974440B2 (en) Photoacoustic image generation device and method
US9888856B2 (en) Photoacoustic image generation apparatus, system and method
JP5719242B2 (ja) ドプラ画像表示方法および装置
JP5840181B2 (ja) 光音響画像生成装置及び方法
US20170343515A1 (en) Apparatus and method for obtaining object information and non-transitory computer-readable storage medium
JP5863345B2 (ja) 被検体情報取得装置および被検体情報取得方法
US10064558B2 (en) Subject information acquisition device, method for controlling subject information acquisition device, and storage medium storing program therefor
JP6049215B2 (ja) 光音響計測装置並びにそれに利用される信号処理装置および信号処理方法
JP2013233386A (ja) 光音響画像生成装置、システム、及び方法
US11119199B2 (en) Acoustic wave image generation apparatus and acoustic wave image generation method
JP5864905B2 (ja) 被検体情報取得装置及び被検体情報取得方法
US11333599B2 (en) Photoacoustic image generation apparatus, photoacoustic image generation method, and photoacoustic image generation program
JP6482686B2 (ja) 光音響画像生成システム、装置、及び方法
US20190142277A1 (en) Photoacoustic apparatus and object information acquiring method

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171016

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180904

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180926

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6411667

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250